(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】紡績機用のドラフト装置およびドラフト装置ユニット
(51)【国際特許分類】
D01H 5/46 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
D01H5/46
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019096673
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10 2018 112 422.8
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム ディードリヒ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01469107(EP,A2)
【文献】特公昭38-001515(JP,B1)
【文献】特公昭47-007217(JP,B1)
【文献】実開昭55-051391(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動装置(2)を用いて作動位置と開放位置との間において旋回可能な少なくとも1つの荷重アーム(3)を備えた、紡績機用のドラフト装置ユニットであって、
少なくとも1つの前記荷重アーム(3)は、保持ロッド(4)に回動不能に結合されており、該保持ロッド(4)は、前記移動装置(2)を用いて、該保持ロッドの長手方向軸線を中心にして回転可能に保持ロッド収容部(5)に支持されており、
前記保持ロッド(4)を介して、前記移動装置(2)から前記荷重アーム(3)に回転が伝達される
ようになっており、
前記移動装置(2)は、前記保持ロッド(4)に作用結合しているトグルレバーアセンブリ(6)を有しており、該トグルレバーアセンブリ(6)は、前記作動位置に対応させられた閉鎖状態と、前記開放位置に対応させられた開放状態との間において移動可能であり、
前記トグルレバーアセンブリ(6)は、第1のトグルレバー(7)と第2のトグルレバー(8)とを有しており、前記閉鎖状態において死点超過位置に配置されており、
- 前記第1のトグルレバー(7)は、前記保持ロッド(4)に対して固定位置に配置された第1のジョイント軸(9)を中心にして旋回可能であり、
- 前記第1のトグルレバー(7)と前記第2のトグルレバー(8)とは、トグルレバージョイント軸(11)を介して枢着結合されており、かつ
前記第2のトグルレバー(8)は、前記トグルレバージョイント軸(11)とは反対側に位置していて1つのトグルレバー部分を形成する端部において、第2のジョイント軸(10)を介してリンク(12)に枢着結合されており、該リンク(12)は、前記第2のジョイント軸(10)とは反対側に位置している端部において、前記保持ロッド(4)に回動不能に結合されており、
前記トグルレバーアセンブリ(6)は、ハンドレバー(13)を用いて前記作動位置と前記開放位置との間において移動可能であり、
前記ハンドレバー(13)は、前記第1のトグルレバー(7)と一緒に、前記第1のジョイント軸(9)を中心にして旋回可能である
ことを特徴とするドラフト装置ユニット。
【請求項2】
移動装置(2)を用いて作動位置と開放位置との間において旋回可能な少なくとも1つ
の荷重アーム(3)を有するドラフト装置ユニット(1)を備えた、紡績機用のドラフト装置であって、
前記ドラフト装置ユニット(1)は、請求項
1に記載のように構成されている
ことを特徴とする、ドラフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動装置を用いて作動位置と開放位置との間において旋回可能な少なくとも1つの荷重アームを備えた、紡績機用のドラフト装置ユニットを有するドラフト装置、およびこのようなドラフト装置ユニットに関する。
【0002】
紡績機用のドラフト装置は、多種多様な構成において従来技術に基づいて公知である。このようなドラフト装置は、スライバを延伸するためもしくはドラフトするために働き、これによって繊維の横断面が減じられる。ドラフト中に繊維は、可能な限り均一に互いに移動させられねばならず、これによって、均一な糸を製造するための前提条件である均一なスライバを得ることができる。スライバを延伸するために、ドラフト装置は通常、相前後して配置された複数のローラ対を有しており、これらのローラ対は、互いに接触して位置するように配置されていて、その間を走行するスライバをクランプする。このときローラ対は、通常、駆動される下側ローラと、下側ローラに接触している上側の押圧ローラとから成っている。スライバのドラフトは、スライバの、ローラ対の回転方向によって決定される搬送方向において、周速度を、先行するローラ対から後続のローラ対へと増大させることによって達成される。
【0003】
冒頭に述べた形式の荷重アームを備えたドラフト装置ユニットは、紡績機のドラフト装置のアセンブリであり、その構造に基づいて、荷重アームを例えば、通常荷重アームに配置されている押圧ローラを備えたドラフト装置の切換えもしくは適合のために、下側ローラから持ち上げるという可能性を提供する。
【0004】
しかしながら荷重アームの公知の移動可能性には、特に、例えば共通の上側ローラを案内しかつ該上側ローラに荷重を加える、互いに連結された複数の荷重アームを同時に移動させる場合に、大きな操作力を必要とするという欠点がある。さらにこのような荷重アームは、互いに狭い許容誤差範囲内においてもしくは正確に方向付けられた相互の位置を必要とする。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、紡績機用のドラフト装置、および紡績機用のドラフト装置のためのドラフト装置ユニットを改良して、このときドラフト装置ユニットが、特に単純な構造を有していて、かつ使用者にとって容易な操作を可能にし、このとき特に、同時に開放すべきもしくは閉鎖すべき複数の荷重アームの比較的簡単な操作が、必要な操作力の低減によって保証される、ドラフト装置およびドラフト装置ユニットを提供することである。
【0006】
この課題は本発明によれば、請求項1に記載の特徴を備えたドラフト装置ユニット、および請求項8に記載の特徴を備えたドラフト装置によって解決される。ドラフト装置ユニットの好適な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明に係るドラフト装置ユニットは、少なくとも1つの荷重アームが、保持ロッドに回動不能に結合されており、該保持ロッドは、移動装置を用いて、該保持ロッドの長手方向軸線を中心にして回転可能であり、かつ保持ロッド収容部に支持されていることを特徴とする。1つまたは複数の荷重アームが1つの中央の保持ロッドに回動不能に結合されていることによって、保持ロッドが該保持ロッドの長手方向軸線を中心にして簡単に回転することにより、保持ロッドに配置された1つまたは複数の荷重アームの確実な移動を生ぜしめることが可能になる。このとき保持ロッドを移動させるためには移動装置が用いられ、この移動装置は、使用者/操作員が容易に接近可能である予め設定された位置において、作動位置と開放位置との間における少なくとも1つの荷重アームの快適な移動を可能にする。
【0008】
ドラフト装置ユニットは、所望の位置における1つまたは複数の荷重アームの確実な位置決めを可能にすることによって特徴付けられている。さらに荷重アームの間におけるさらなる結合エレメントを省くことができる。個々の荷重アームを移動させることに比べて、移動装置を用いて調節可能な保持ロッドにはさらに、保持ロッドに配置されたすべての荷重アームの位置決めを、所望の位置における保持ロッドのロックによって保証することができるという利点がある。
【0009】
このとき保持ロッドを移動させるための移動装置は、基本的には任意に構成されていてよい。本発明の好適な発展形態によれば、移動装置は、保持ロッドに作用結合しているトグルレバーアセンブリを有しており、該トグルレバーアセンブリは、作動位置に対応させられた閉鎖状態と、開放位置に対応させられた開放状態との間において移動可能である。トグルレバーアセンブリを備えた移動装置の構成は、作動位置と開放位置との間における1つもしくは複数の荷重アームの、特に快適でかつ省力化された移動を可能にする。このときトグルレバーアセンブリの構成は、所望の操作力を考慮して構成することができ、かつこれによって保持ロッドおよび保持ロッドに配置されたすべての荷重アームの快適な回転を可能にする。
【0010】
トグルレバーアセンブリの構成は、上に述べたように、基本的には自由に選択可能である。本発明の別の好適な構成によれば、トグルレバーアセンブリは、第1のトグルレバーと第2のトグルレバーとを有しており、このとき第1のトグルレバーは、保持ロッドに対して固定位置に配置された第1のジョイント軸を中心にして旋回可能であり、第1のトグルレバーと第2のトグルレバーとは、トグルレバージョイント軸を介して枢着結合されており、かつ第2のトグルレバーは、トグルレバージョイント軸から間隔をおいて配置されたトグルレバー部分を有しており、該トグルレバー部分は、保持ロッドに、回転運動を伝達するように結合されている。
【0011】
本発明のこの構成によれば、第1のトグルレバーはその第1のジョイント軸で、保持ロッドに対して相対的に位置固定されている。このことは、例えば、保持ロッドと第1のトグルレバーとが1つの共通の構造エレメントにおいて、例えばドラフト装置ユニットの機械フレームの1つの共通の部分において、回転可能に支持されていることによって実現することができる。保持ロッドにトグルレバーアセンブリの移動を伝達するために、第2のトグルレバーは、トグルレバージョイント軸に対して間隔をおいて配置されたトグルレバー部分(このトグルレバー部分は、特にトグルレバージョイント軸とは反対側に位置しているトグルレバー端部であってよい)で、回転運動を伝達するために保持ロッドに結合されており、これによって、特に1つの共通のトグルレバージョイント軸を介して互いに枢着結合されている第1のトグルレバーと第2のトグルレバーとの移動によって、保持ロッドの回転が生ぜしめられる。このときドラフト装置ユニットのこのような構成は、その特に単純な構造によって特徴付けられており、この構造は同時に、操作力の確実な力伝達および決定を可能にする。
【0012】
少なくとも1つの荷重アームの作動位置の固定は、基本的には任意に行うことができ、例えばトグルレバーアセンブリを閉鎖状態においてロックする適宜なロックエレメントによって行うことができる。本発明の好適な発展形態によれば、トグルレバーアセンブリは、閉鎖状態において死点超過位置に配置されている。トグルレバーアセンブリの相応の構成は、閉鎖状態のための別体のロックエレメントを省くことができ、かつこのとき特に簡単かつ確実に、少なくとも1つの荷重アームが作動中にその際に発生する力に基づいて勝手に開放位置の方向に移動することが阻止されることによって特徴付けられている。
【0013】
本発明の別の好適な構成によれば、第2のトグルレバーは、トグルレバージョイント軸とは反対側に位置している端部において、第2のジョイント軸を介してリンクに枢着結合されており、該リンクは、第2のジョイント軸とは反対側に位置している端部において、保持ロッドに回動不能に結合されていることが提案されている。本発明のこの好適な構成によれば、トグルレバーアセンブリの第2のトグルレバーは、リンクに枢着結合されており、このリンクは、第2のトグルレバーから間隔をおいて配置されたリンク部分で、保持ロッドに回動不能に連結されている、もしくは保持ロッドに回動不能に配置されていることが提案されている。これによって操作力をさらに減じることができる、もしくは作動位置と開放位置との間における少なくとも1つの荷重アームの移動時における操作特性を、幅広い範囲において決定することができる。
【0014】
保持ロッドをその長手方向軸線を中心にして回転させる移動装置の操作、または好適に設けられているトグルレバーアセンブリを閉鎖状態と開放状態との間において移動させる移動装置の操作は、基本的には任意に行うことができる。ここでは例えば、種々様々な電気式、液圧式または空気力式に作用する駆動装置の使用が考えられる。しかしながら本発明の好適な発展形態によれば、トグルレバーアセンブリは、ハンドレバーを用いて作動位置と閉鎖状態との間において移動可能であることが提案されている。ハンドレバーの使用は、特別に単純であること、および故障発生率が低いことによって傑出しており、このとき使用されるトグルレバーアセンブリに基づいて、操作力は、使用者にとって快適な範囲にある。
【0015】
このときハンドレバーとトグルレバーアセンブリとの間における結合は、構造上の所与性の枠内において自由に選択することができる。本発明の別の好適な構成によれば、ハンドレバーは、第1のトグルレバーと一緒に、第1のジョイント軸を中心にして旋回可能であることが提案されている。第1のトグルレバーの第1のジョイント軸を中心にしたハンドレバーの旋回可能な支持形態は、特にコンパクトでかつ単純な構造を可能にし、これによってハンドレバーのための別の支持軸を省くことができる。さらに好ましくは、ハンドレバーは第1のトグルレバーに堅固に結合されており、特に一体に形成されている。第1のトグルレバーとのハンドレバーの堅固な結合は、補足的な形式において、比較的単純な構造と、閉鎖状態と開放状態との間におけるトグルレバーアセンブリの、省力化された快適な移動を可能にする。このような構成とは択一的に、ハンドレバーをトグルレバーアセンブリと、係合エレメントを用いて係合可能に設けることも考えられ、このように構成されていると、ハンドレバーをトグルレバーアセンブリと力を伝達するように連結する係合エレメントを介した、ハンドレバーの操作によって、トグルレバーアセンブリが操作される、もしくはトグルレバーアセンブリの、保持ロッドを回転させる移動が生ぜしめられる。この択一的な構成は、堅固な結合との比較において、移動装置を構成するコンポーネントの構造上の設計および配置形態のための追加的な自由度を可能にする。係合エレメントは、例えば切欠きと、この切欠きと共働するウェブ、ピン、凸部またはこれに類したものとによって形成されていてよく、このときハンドレバーとトグルレバーアセンブリとから成るコンポーネントのうちの一方のコンポーネントは、切欠きを有していて、他方のコンポーネントは、切欠きと共働する部材を有している。なおこの場合、係合エレメントとして解離可能な係止結合部も考えられる。
【0016】
本発明に係るドラフト装置の特徴は、当該ドラフト装置が、1つまたは複数の荷重アームが、1つの共通の保持ロッドに回動不能に結合されており、該保持ロッドが、移動装置を用いて荷重アームの作動位置と開放位置との間において該荷重アームの長手方向軸線を中心にして回転可能であるドラフト装置ユニットを有していることである。このとき保持ロッドは、保持ロッド収容部に回転可能に支持されていて、かつその回転可能性によって、保持ロッドに配置されたすべての荷重アームの確実な移動および位置決めを可能にする。荷重アームの位置固定は、さらに中央において移動装置を介して達成することができるので、これによってそれぞれの荷重アームのための個々の係止装置を省くことができる。ドラフト装置の別の構成は、ドラフト装置ユニットの、既に述べた可能な発展形態から得られる。
【0017】
次に図面を参照しながら、本発明の1実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】荷重アームの作動位置における紡績機のドラフト装置ユニットを示す側面図である。
【
図2】
図1に示されたドラフト装置ユニットを、荷重アームの開放位置において示す側面図である。
【
図3】
図1に示されたドラフト装置ユニットを、作動位置において示す平面図である。
【0019】
ここには詳しく図示されていない紡績機の、
図1に示されたドラフト装置ユニット1は、荷重アーム3の保持アーム16に配置された押圧ローラ15a,15b,15cと、ここには図示されていないドラフト装置の別の下側ローラ14a,14b,14cとの間においてスライバを延伸するために働く。そのために、それぞれ1つの下側ローラ14a,14b,14cと押圧ローラ15a,15b,15cとによって形成されたローラ対は、搬送方向において増大する異なった回転速度を有しており、これによってローラ対の間の領域においてスライバを延伸することができる。
【0020】
図示の実施形態においてドラフト装置ユニット1は、互いに平行に保持ロッド4に配置された2つの荷重アーム3を有しており、両荷重アーム3はそれぞれ1つの保持アーム16を備えており、両保持アーム16はそれぞれ、2つの押圧ローラ15a,15b,15cから形成された3つの押圧ローラ対を有しており、これらの押圧ローラ対の回転軸線は、所属の保持アーム16の長手方向軸線に対して垂直に延びている。このとき保持アーム16はそれぞれ、保持アーム16の両側に配置された2つの支持体17に堅固に結合されており、両支持体17自体は、保持ロッド4に回動不能に結合されている(
図3参照)。
【0021】
保持アーム16の、
図1に示された作動位置において、押圧ローラ15a,15b,15cは、下側ローラ14a,14b,14cに接触しており、これによって押圧ローラ15a,15b,15cと下側ローラ14a,14b,14cとの間に配置されたスライバを延伸することができる。紡績機に装備するためもしくは紡績機をセットアップするためには、スライバを下側ローラ14a,14b,14cと押圧ローラ15a,15b,15cとの間に配置することが必要である。そのために荷重アーム3を、
図1に示された作動位置から
図2に示された開放位置に旋回させることができ、この開放位置において押圧ローラ15a,15b,15cは、下側ローラ14a,14b,14cから持ち上げられている。
【0022】
作動位置から開放位置への荷重アーム3の移動のために、移動装置2が設けられており、この移動装置2は、保持アーム16を、保持アーム16に結合された支持体17と一緒に、保持ロッド4の長手方向軸線を中心にして旋回させる。このとき旋回は、保持ロッド収容部5もしくは機械ハウジングに回転可能に支持されている保持ロッド4の回転によって生ぜしめられる。保持ロッド収容部5における保持ロッド4の回転は、保持ロッド4における支持体17の回動不能な配置形態に基づいて、荷重アーム3の移動を、保持ロッド4の、移動装置によって生ぜしめられた回転運動に相応して生ぜしめる。
【0023】
このとき保持ロッド4の移動のために、移動装置2はトグルレバーアセンブリ6を有しており、このトグルレバーアセンブリ6は、ハンドレバー13を用いて、作動位置に対応させられた閉鎖状態と、開放位置に対応させられた開放状態との間において移動可能である。
【0024】
トグルレバーアセンブリ6は、第1のトグルレバー7を有していて、この第1のトグルレバー7は、好適な実施形態によれば保持ロッド収容部5において第1のジョイント軸9を中心にして旋回可能である。図示されていない別の好適な実施形態によれば、保持ロッド収容部と第1のジョイント軸とは互いに間隔をおいて配置されている。第1のジョイント軸9とは反対側に位置している端部において、第1のトグルレバー7は、トグルレバージョイント軸11を介して第2のトグルレバー8に結合されている。第2のトグルレバー8は、トグルレバージョイント軸11から間隔をおいて配置されたトグルレバー部分において、この好適な実施形態では、第2のトグルレバー8の、トグルレバージョイント軸11とは反対側に位置している端部において、第2のジョイント軸10を介してリンク12に結合されており、このリンク12は、第2のジョイント軸10とは反対側に位置している端部において、保持ロッド4に回動不能に結合されている。これによってリンク12の回動は、保持ロッド4の移動、ひいては荷重アーム3の移動を生ぜしめる。トグルレバーアセンブリ6の移動のためにはハンドレバー13が働き、このハンドレバー13は、第1のジョイント軸9を中心にして旋回可能であり、かつトグルレバーアセンブリ6と共働する。好適な実施形態によれば、ハンドレバー13は第1のトグルレバー7に堅固に結合されており、これによってハンドレバー13の移動は、第1のトグルレバー7を直接作動させる。好ましい形式では、ハンドレバー13と第1のトグルレバー7とは、1つの部材から形成されている。択一的に好適な形式では、ハンドレバー13と第1のトグルレバーとは、2つの部材から形成されていてよく、両部材は、例えば形状結合、素材結合または力結合の汎用の手段によって互いに結合されている。
【0025】
図1に示された閉鎖状態から
図2に示された開放状態にトグルレバーアセンブリ6を移動させるために、ハンドレバー13はトグルレバーアセンブリ6を死点超過位置(Uebertotpunktstellung)から開放状態に移動させられる。作動位置への荷重アーム3の移動のためには単に、
図2に示された開放位置から
図1に示された作動位置へとハンドレバー13を逆向きに戻し移動させることだけが必要であり、このときハンドレバー13は、トグルレバーアセンブリ6を死点超過位置へ移動させる。
【符号の説明】
【0026】
1 ドラフト装置ユニット
2 移動装置
3 荷重アーム
4 保持ロッド
5 保持ロッド収容部
6 トグルレバーアセンブリ
7 第1のトグルレバー
8 第2のトグルレバー
9 第1のジョイント軸
10 第2のジョイント軸
11 トグルレバージョイント軸
12 リンク
13 ハンドレバー
14a,14b,14c 下側ローラ
15a,15b,15c 押圧ローラ
16 保持アーム
17 支持体