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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びゲームカード
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/20 20140101AFI20240216BHJP
   A63F 13/214 20140101ALI20240216BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20240216BHJP
   G06K 19/08 20060101ALI20240216BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240216BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240216BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A63F13/20 A
A63F13/214
A63F13/213
G06K19/08 030
G06K19/06 037
G06K19/06 140
G06K7/14 017
G06K7/12
G06K7/14 034
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019109028
(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公開番号】P2020199132
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンインフォメディア
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大山 峰将
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-028321(JP,A)
【文献】特開2007-000665(JP,A)
【文献】特開2008-265169(JP,A)
【文献】特開2019-046484(JP,A)
【文献】特開2017-151894(JP,A)
【文献】特開2007-075140(JP,A)
【文献】特開2005-211576(JP,A)
【文献】特開2008-212209(JP,A)
【文献】特開2019-054836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲームカードを移動させてゲームを進行するゲーム装置であって、
前記ゲームカードに付された前記ゲームカード毎に異なる固有コードを読み取る第1の読取装置と、
前記固有コードの読み取り後の前記ゲームカードを配置する盤面と、
前記盤面上の前記ゲームカードに付された前記ゲームカード毎に同一の固定コードを読み取る第2の読取装置と、
前記第1の読取装置が読み取った前記固有コードに対して読み取り番号を付与して記憶する第1の記憶装置と、
前記第2の読取装置が読み取った前記固定コードによって認識される前記ゲームカードの前記盤面上の位置角度情報を記憶する第2の記憶装置と、
前記第1の読取装置が一のゲームカードの固有コードを読み取った後、前記一のゲームカードが前記盤面上に配置され、次いで、前記第1の読取装置が次のゲームカードの固有コードを読み取るまでの間に、前記第2の読取装置により前記盤面上の前記一のゲームカードの固定コードの読み取りを実行させて前記一のゲームカードの前記位置角度情報を抽出し、抽出した前記位置角度情報を、前記一のゲームカードの前記固有コード及び前記読み取り番号と関連づけることにより、前記一のゲームカードの前記読み取り番号、前記固有コード及び前記位置角度情報を認識するカード認識手段と、
前記カード認識手段の認識結果に基づいて、ゲームを進行するゲーム進行手段と
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記第1の読取装置が、
前記固有コードの読み込みを実行するセンサ部と、
照明部と
を備え、
前記センサ部が前記一のゲームカードの前記固有コードを読み込んだ後、前記第2の読取装置が前記一のゲームカードの前記固定コードの読み取りを完了するまでの間に、前記照明部の照射処理、前記センサ部による前記固有コードの読み込み処理、またはその両方を中止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第2の読取装置が、
前記盤面の下方に配置され、赤外透過性を有する前記盤面上に配置された前記ゲームカードが備える前記固定コードの画像を撮像するための赤外線カメラと、
前記盤面の下方から前記盤面に向けて赤外線照明光を照射する赤外線照射部と
を備えることを含む請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記赤外線カメラの撮像軸が前記盤面に対して斜めとなるように配置され、
前記カード認識手段が、前記第2の読取装置が読み取った前記盤面の台形画像に対して射影変換及び色調補正を行った後に、前記ゲームカードの前記盤面上における前記位置角度情報を抽出することを含む請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記カード認識手段による前記ゲームカードの前記位置角度情報の抽出処理が、グラフィックスプロセッサを用いて処理されることを含む請求項1~4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム進行手段が処理するゲーム情報を表示するためのモニタを更に備える請求項1~5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム進行手段が処理するゲームデータを記録媒体に読み書き可能なリーダライタを更に備える請求項1~6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記固定コードが、向かい合う短辺及び長辺を有するコの字形状を有し、前記短辺及び長辺は実質的に平行に配置されており、前記短辺及び長辺と実質的に垂直に交わる辺を介して互いに接続されている形状を有することを含む請求項1~7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
請求項に記載のゲーム装置に用いられるゲームカードであって、
前記ゲームカード毎に異なる情報を含む二次元コードからなる固有コードと、
前記ゲームカード毎に同一の位置に同一の形状を有して配置される固定コードと
を備えるゲームカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びゲームカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カードに記録されたデータを読み取ってゲームを進行させるゲーム装置が知られている。このようなゲーム装置は、盤面上にゲームカードを載置し、ゲームカードの裏面に記録されたカードデータを読み取り、複数のゲームカードの組み合わせやゲームカードの移動を工夫することによりゲームを進めるものである。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数カードの配置が可能な不可視光を透過する構成のカード配置パネルの内部からイメージセンサでカードを撮像し、カードの位置とカードに印刷されたゲームキャラクタの固有の特性を表すデータとを含む情報を検出してゲームを実行するカードゲーム装置の例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来のカードゲーム装置では、プレイフィールドとなる盤面に載置されたカードのデータを読み取りながら、位置や角度などの情報を同時に認識するため、高精度のカメラや専用のデコード基板などの装置が必要となる。更に、特許文献1では、位置及び角度などの情報を同時に処理するために、処理すべき情報量が多くなり、処理装置の処理負担が大きくなる場合がある。
【0006】
上記課題を鑑み、本発明は、処理装置の処理負担を小さくでき、より簡易な構成でカードの情報を検出可能なゲーム装置及びゲームカードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態に係るゲーム装置は一側面において、複数のゲームカードを移動させてゲームを進行するゲーム装置であって、ゲームカードに付されたゲームカード毎に異なる固有コードを読み取る第1の読取装置と、固有コードの読み取り後のゲームカードを配置する盤面と、盤面上のゲームカードに付されたゲームカード毎に同一の固定コードを読み取る第2の読取装置と、第1の読取装置が読み取った固有コードに対して読み取り番号を付与して記憶する第1の記憶装置と、第2の読取装置が読み取った固定コードによって認識されるゲームカードの盤面上の位置角度情報を記憶する第2の記憶装置と、第1の読取装置が一のゲームカードの固有コードを読み取った後、一のゲームカードが盤面上に配置され、次いで、第1の読取装置が次のゲームカードの固有コードを読み取るまでの間に、第2の読取装置により盤面上の一のゲームカードの固定コードの読み取りを実行させて一のゲームカードの位置角度情報を抽出し、抽出した位置角度情報を、一のゲームカードの固有コード及び読み取り番号と関連づけることにより、一のゲームカードの読み取り番号、固有コード及び位置角度情報を認識するカード認識手段と、カード認識手段の認識結果に基づいて、ゲームを進行するゲーム進行手段とを備えるゲーム装置である。
【0008】
本発明の実施の形態に係るゲーム装置は一実施態様において、第1の読取装置が、固有コードの読み込みを実行するセンサ部と、照明部とを備え、センサ部が一のゲームカードの固有コードを読み込んだ後、第2の読取装置が一のゲームカードの固定コードの読み取りを完了するまでの間に、照明部の照射処理、センサ部による固有コードの読み込み処理、またはその両方を中止するように構成されている。
【0009】
本発明の実施の形態に係るゲーム装置は別の一実施態様において、第2の読取装置が、盤面の下方に配置され、赤外透過性を有する盤面上に配置されたゲームカードが備える固定コードの画像を撮像するための赤外線カメラと、盤面の下方から盤面に向けて赤外線照明光を照射する赤外線照射部とを備える。
【0010】
本発明の実施の形態に係るゲームカードは別の一側面において、赤外線カメラの撮像軸が盤面に対して斜めとなるように配置され、カード認識手段が、第2の読取装置が読み取った盤面の台形画像に対して射影変換及び色調補正を行った後に、ゲームカードの盤面上における位置角度情報を抽出する。
【0011】
本発明の実施の形態に係るゲームカードは一実施態様において、カード認識手段によるゲームカードの位置角度情報の抽出処理が、グラフィックスプロセッサを用いて処理される。
【0012】
本発明の実施の形態に係るゲームカードは一実施態様において、ゲーム進行手段が処理するゲーム情報を表示するためのモニタを更に備える。
【0013】
本発明の実施の形態に係るゲームカードは一実施態様において、ゲーム進行手段が処理するゲームデータを記録媒体に読み書き可能なリーダライタを更に備える。
【0014】
本発明の実施の形態に係るゲームカードは一実施態様において、固定コードが、短辺及び長辺を有するコの字形状を有する。
【0015】
本発明の実施の形態は別の一側面において、上記ゲーム装置に用いられるゲームカードであって、ゲームカード毎に異なる情報を含む二次元コードからなる固有コードと、ゲームカード毎に同一の位置に同一の形状を有して配置される固定コードとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、処理装置の処理負担を小さくでき、より簡易な構成でカードの情報を検出可能なゲーム装置及びゲームカードが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係るゲーム装置の一例を示す正面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るゲーム装置の一例を示す側面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係るゲームカードの一例を示す概略図である。
図5】本発明の実施の形態に係るゲーム装置に対してゲームカードの読み込みを行う際の処理手順を説明する説明図である。
図6】本発明の実施の形態に係るゲーム装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態に係るゲーム装置が備えるカード認識手段101が処理する画像処理の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係るゲーム装置1の外観の一例を示す説明図である。ゲーム装置1は、ゲームの進行情報を含むゲーム情報をプレイヤーに表示するためのモニタ11を上部に備えた筐体10を備える。
【0020】
筐体10の操作面10a上には、複数のゲームカード20(図1には不図示)を配置するための盤面12と、ゲームカード20に付されたゲームカード毎に異なる固有コード21を読み取る第1の読取装置13が配置されている。筐体10の操作面10a上には更に、ゲーム進行中にプレイヤーが指示を入力するための操作装置14と、ゲームの処理結果を含むゲームデータをICカード等の記録媒体に読み書きするリーダライタ15と、ゲーム進行中の音声を出力するためのスピーカ16と、ゲーム進行中に必要に応じて照明光を点灯するLED等の照明装置17とを備えていてもよい。
【0021】
図2に示すように、筐体10の前面側には、ゲームを実行するためのコインを出し入れするためのコイン投入部19a、ゲームの実行に必要なゲームカード20を払出するためのカード払出部19bが備えられていてもよい。筐体10の内部には、盤面12の下方から、盤面12上のゲームカード20の情報を読み取る第2の読取装置18と、ゲーム装置1における各種処理を実行するための処理装置100が配置されている。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1の全体構成の一例を示している。処理装置100は、モニタ11、第1の読取装置13、第2の読取装置18、リーダライタ15、及び終端装置31に、それぞれ例えばUSB又はDVI接続により接続されている。終端装置31は、外部ネットワークに接続して処理装置100内のソフトのアップデートや情報管理を行う装置であり、例えばモデムなどが利用される。
【0023】
操作装置14、照明装置17、及び払出装置19は、I/O基板33を介して処理装置100へ接続されている。払出装置19には、図2に示すコイン投入部19a、カード払出部19bが含まれる。ゲーム進行中の音声を出力するスピーカ16、及び音量を調節するためのボリューム32は、アンプ基板34を介して処理装置100へ接続されている。図示を省略しているが、図1図3に示す構成の他に、メンテナンス作業用の操作ボタン、盤面12やゲーム機の必要な個所を照らす照明装置等を含む種々の装置が処理装置100へ接続されていてもよいことは勿論である。
【0024】
処理装置100としては、所定の計算処理を行うための中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッサ(GPU)及びRAM等の記憶装置を備えた計算機(PC)を用いることができる。処理装置100は、例えば、カード認識手段101、ゲーム進行手段102、及び記憶装置103を備えることができる。
【0025】
カード認識手段101は、プレイヤーがゲームを行う際に、盤面12上に配置される複数のゲームカード20が有する情報と盤面12上における位置角度情報とを関連付けて認識するための処理を行う。ゲーム進行手段102は、カード認識手段101が認識した各ゲームカードの認識結果と記憶装置103に格納されたゲーム実行のための制御プログラムに基づいて、ゲームを実行し、ゲームの進行状況をモニタ11へ表示させるとともに、操作装置14から入力されるプレイヤーからの入力に応じてゲームの進行を変化させるような処理を行うことができる。記憶装置103には、ゲーム進行手段102がゲームを実行するための制御プログラム、ゲームの進行状況をモニタ11へ表示させるための各種画像データ等が格納され、用途に応じて複数の記憶装置を備えることができる。
【0026】
ゲームカード20は、図4に示すように、固有コード21と固定コード22とを備えることができる。固有コード21とは、ゲームカード20毎に異なる固有の情報、例えば、カードゲーム毎に異なるキャラクターの情報、キャラクターの特徴等をゲーム装置1に認識させるためのコードであり、例えば、二次元コードで構成される。二次元コードとしては、マトリックス式、スタック式等の任意の方式を用いることができ、例えばQRコード(登録商標)を用いることができる。
【0027】
固有コード21は、ゲームカード20の任意の位置に配置されることができ、可視コードであっても非可視コードであっても構わない。例えば、固有コード21を非可視コードとし、可視印刷層で固有コード21を覆うような構成であってもよい。この場合、可視印刷層には、4色インクと白色インクを含むインク層を用いてインクに応じた絵柄が表示され、赤外線等の特定波長光を透過するように構成される。可視印刷層の下に配置される固有コード21は、特定波長光を吸収するようなインクで形成されることにより、プレイヤーが視認できないように処理することも可能である。
【0028】
固定コード22は、ゲームカード20毎に同一であり、同一の位置に同一の形状を有して配置される。固定コード22は、固有コード21と同様に、ゲームカード20の任意の位置に配置されることができ、可視コードであっても非可視コードであっても構わない。例えば、固定コード22を非可視コードとし、可視印刷層で固定コード22を覆うような構成であってもよい。
【0029】
例えば、図4に示すように、固定コード22は、向かい合う短辺221及び長辺222を有するコの字形状を有することができる。なお、図4の例では、短辺221及び長辺222は実質的に平行に配置されており、短辺221及び長辺222と実質的に垂直に交わる辺223を介して互いに接続されている。
【0030】
固定コード22が、向かい合う短辺221及び長辺222を有するコの字形状を有することにより、固定コード22の角部又は端部の座標と座標差を用いることで、ゲームカード20の向きを簡単に把握することができ、ゲームカード20の位置及び角度の認識性を向上させることができる。例えば、カード認識手段101は、短辺221、長辺222、辺223のそれぞれの端部であるポイントA、B、C、Dの盤面12上における座標を認識して、ポイントA、B、C、Dの座標と座標差から、盤面12上のゲームカード20の位置及び角度の情報を抽出することができる。
【0031】
第1の読取装置13は、図1に示すように、筐体10の操作面10a上において盤面12と隣接して配置されることで、第1の読取装置13と盤面12間のゲームカード20の移動をより容易にすることができる。第1の読取装置13は、ゲームカード20が備える固有コード21を読み取るもので、固有コード21の読み込みを実行するセンサ部と、固有コード21を照らす照明部とを備える。なお、照明部は、プレイヤーに対して、ゲームカード20を適切な個所に配置するように促すようにしてもよく、照明部の具体的な配置箇所は特に限定されないことは勿論である。
【0032】
第1の読取装置13としては、例えば、二次元コードリーダを用いることができる。第1の読取装置13が読み取ったゲームカード20の固有コード21は、読み取り順に、例えば1番、2番、3番・・・と読み取り番号が付されて、記憶装置103に記憶される。第1の読取装置13で固有コード21が読み取られたゲームカード20は、図5に示すように、盤面12へと配置される。
【0033】
盤面12は、複数のゲームカード20が移動可能に配置可能な面積を有し、盤面12におけるゲームカード20が移動可能なように、例えば表面が平坦で、赤外透過性を有する材料で形成されている。盤面12は、第1の読取装置13により固有コード21の読み込みが行われたゲームカード20を、プレイヤーがそのまま盤面12上へスライドさせて配置できるように、操作面10aの中央部において第1の読取装置13に隣接して配置されることができる。
【0034】
第2の読取装置18は、図2に示すように、盤面12の下方に配置される。第2の読取装置18は、赤外透過性を有する盤面12上に配置されるゲームカード20の固定コード22の画像を撮像するための赤外線カメラと、盤面12の下方から盤面12に向けて赤外線照明光を照射する赤外線照射部とを備える。
【0035】
赤外線カメラで撮像された画像は、処理装置100のカード認識手段101によって画像処理がなされ、ゲームカード20の位置角度情報が抽出される。抽出されたゲームカード20の位置角度情報は、読み取り番号とともに記憶装置103に記憶される。記憶装置103に記憶された位置角度情報は、所定のタイミング毎に常時更新される。例えば、1秒間に30回(30fps)位置角度情報を更新することができる。ゲームカード20の最新の位置角度情報は、それ以前に認識された最も近い位置角度情報を元に固定コードと関連づけることにより、カードの移動に際して、固定コードの情報を追従させることが可能となる。なお、ゲームカード20の位置角度情報の抽出頻度は、処理装置100内のCPU、GPU等の処理能力に応じて適宜変更できる。
【0036】
第2の読取装置18が備える赤外線カメラの撮像軸Xが、盤面12に対して斜めとなるように設置することにより、ゲーム装置1を小型化することができる。この場合、第2の読取装置2が備える赤外線カメラは、ゲームカード20の固定コード22を斜めに撮影するために、取得された盤面12の画像は、台形画像となる。
【0037】
カード認識手段101は、位置角度情報の抽出に際し、第2の読取装置の赤外線カメラが撮像する台形画像に対して射影変換を行って台形補正処理する。これにより、盤面12上におけるゲームカード20の適切な位置角度情報の抽出が容易になるとともに、ゲーム装置1の小型化が図れる。カード認識手段101の認識精度をより高めるためには、射影変換を行った後、更に2値化処理を行って、例えば、白黒画像となるように、色調補正を行うことが好ましい。
【0038】
操作装置14は、操作面10a上の盤面12の左右に複数個設けられている。プレイヤーが所定のタイミングで操作装置14を介して指示を入力することにより、ゲーム進行手段102が実行するゲームに追加情報を与えることができる。リーダライタ15としては、例えばICカードリーダを備えることができ、ゲームカード20とは別の保存用のICカードにゲーム結果を保存することができるように構成されている。
【0039】
(ゲーム実行手順)
次に、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1を用いたゲーム実行手順の例を図1~5の説明図及び図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図1図6に示す例は例示を目的とするものであり本開示が図1図6に示す例に限定されないことは勿論である。
【0040】
ステップS1において、プレイヤーが、図2のコイン投入部19aを介して、コインを投入すると、図3のゲーム進行手段102が、記憶装置103に格納された所定の制御プログラムを処理してゲームを開始させる。
【0041】
ステップS2において、ゲーム進行手段102により、モニタ11による案内、或いはリーダライタ15の照明装置の点灯処理を進めることにより、プレイヤーが所持するICカードのリーダライタ15を用いた読み込みを促す。リーダライタ15は、必要に応じてICカードの読み込みを行い、ICカードに書き込まれたプレイヤーのゲーム情報などを記憶装置103へ格納させる。
【0042】
ステップS3において、ゲーム進行手段102が、プレイヤーにゲームモードの選択を促す。ゲームモードとしては、以下に限定されないが、例えば、新たにゲームカード20を購入するための「カード購入モード」と、ゲームを行うための「ゲームモード」とを備えることができる。プレイヤーより操作装置14を介して「カード購入モード」が選択された場合には、ステップS21へ進み、カード払出部19bを介して、新たなゲームカード20が払出される。ステップS22において、更にコインがカード払出部19bを介して投入された場合には、ステップS21へ戻り、カード払出部19bを介して、新たなゲームカード20が払出される。ステップS21に続くステップS22において、新たなコインが投入されない場合、及びステップS21におけるゲームカード20の払出枚数が最大枚数まで達した場合には、ステップS12へ進む。
【0043】
一方、ステップS3において、プレイヤーにより「ゲームモード」が選択された場合にはステップS4へ進む。ステップS4において、カード払出部19bを介して、新たなゲームカード20が払出される。ステップS5において、ゲーム進行手段102がモニタ11を介して対戦相手の選択をプレイヤーに促す。プレイヤーより操作装置14を介して対戦相手の選択が行われた後、ステップS6へ進む。
【0044】
ステップS6において、ゲームに使用されるゲームカード20の固有コード21の読み取りが行われる。具体的には、第1の読取装置13が備える照明部(不図示)が固有コード21を照らし、固有コード21の読み込みをセンサ部(不図示)が実行する。同時に第1の読取装置13を点灯させることにより、プレイヤーによるゲームカード20の読み込みを促す。図5に示すように、プレイヤーにより第1の読取装置13のセンサ部上にゲームカード20が配置されると、センサ部はゲームカード20が備える固有コード21の情報を読み取る。センサ部により読み取られた固有コード21には、ゲームカード20の読み取り順に読み取り番号が付与され、固有コード21と読み取り番号とを関連付けたゲームカード20の情報が、記憶装置103へ格納される。
【0045】
ステップS6において、第1の読取装置13により固有コード21の読み取りが実行されたゲームカード20は、図5に示すように、プレイヤーにより盤面12上の任意の位置へ移動される。なお、第1の読取装置13により固有コード21の読み取りが完了した後は、盤面12周辺に照明光が照射されるようにしてもよく、このことにより、第1の読取装置13から盤面12へのゲームカード20の移動をプレイヤーに促すことができ、ゲームカード20の認識処理をより円滑に進めることができる。
【0046】
ステップS7において、第2の読取装置18が、盤面12の任意の位置に配置されたゲームカード20の固定コード22の読み取りを行う。ここでは、例えば、第2の読取装置18が備える赤外線照射部(不図示)が、盤面12の下方から盤面12に向けて赤外線照明光を照射し、第2の読取装置18が備える赤外線カメラが、ゲームカード20が備える固定コード22の画像を撮像する。図3のカード認識手段101は、第2の読取装置18により撮像された画像から盤面12上のゲームカード20の固定コード22を認識し、ゲームカード20の盤面における位置及び角度(傾き)の情報を含む位置角度情報を抽出する。
【0047】
固定コード22から位置角度情報を抽出するための手法としては、例えば、図4に示す形状の固定コード22を画像処理することで行うことができる。固定コード22は、長辺222と辺223が直交し、短辺221と辺223とが直交する、長さの異なる3本の直線からなり、各辺221~223の端部及び交点に、座標の認識対象とされるポイントA、B、C、Dがそれぞれ付される。そして、カード認識手段101が、画像処理により各ポイントA~Dの盤面12内での座標と座標差を計測することで、盤面12内のゲームカード20位置及び角度の情報が抽出できる。
【0048】
例えば、カード認識手段101は、ゲームカード20の固定コード22のポイントBの座標をゲームカード20の位置の座標として抽出し、隣接するポイントBとポイントAの座標差、ポイントBとポイントCの座標差などから、ゲームカード20の傾き、即ち角度の情報を抽出することができる。ゲームカード20の盤面12上の位置角度情報は、記憶装置103に格納される。
【0049】
ステップS7において、カード認識手段101は、更に、抽出したゲームカード20の位置角度情報を、記憶装置103に記憶されたゲームカード20の固有コード21及び前記読み取り番号の情報と関連づけ、関連付けた情報を記憶装置103へ格納する。このようにして、盤面12上に配置された1枚のゲームカード20の読み取り番号、固有コード21及び位置角度情報の3つの情報が互いに紐づけられることで、ゲームカード20それぞれの位置及び情報が処理装置100によって認識される。
【0050】
ステップS6及びS7により実行されるゲームカード20の認識処理は、予め定められた枚数だけ繰り返される。このようにして、1のゲームカード20の固有コード21の読み取りを実行した後に、1のゲームカード20の固定コード22の読み取りを行い、カード認識手段101が、盤面12における1のゲームカード20の位置角度情報を認識するとともに、読み取られた固有コード21の情報と位置角度情報を読み取り番号と関連づけて記憶装置103に記憶させる操作を行う操作を、複数のゲームカード20に対して順に行っていく。全てのゲームカード20の処理が完了すると、ステップS8へ進み、モニタ11にゲーム開始の案内が表示される。
【0051】
ステップS9において、盤面12上のゲームカード20の配置がプレイヤーにより変更され、ゲームの陣形が決定される。ゲームカード20の配置が変更される間、ゲームカード20の移動に追従するために、第2の読取装置18は、盤面12上に配置された複数のゲームカード20の画像を取得し、カード認識手段101が、読み取り番号別に区別された各ゲームカード20の位置角度情報を認識し、認識結果を読み取り番号と関連づけて記憶装置103へ格納することにより情報を更新する。
【0052】
第2の読取装置18で認識された最新の位置角度情報は、一定時間毎(例えば、1秒間に30回程度)に抽出される。このように、カード認識手段101は、直前に認識された位置角度情報に最も近い位置角度情報と読み取り番号とを元に、各ゲームカード20の固有コードに関連づけることにより、ステップS9におけるゲームカード20の移動に対して、固有コード21の情報を追従させることが可能になる。
【0053】
ステップS10において、ゲーム進行手段102が、カード認識手段101による各ゲームカード20の認識結果に基づいてゲームを進行する。ステップS9におけるゲームカード20のカード配置の変更及びステップS10におけるゲームの進行処理は、例えば「先攻」、「後攻」で分けられて、複数回繰り返すことができる。ステップS9~S10の処理が所定回数繰り返されると、ステップS11において、モニタ11を介してゲームの終了が案内される。
【0054】
ゲームの終了が案内されると、ステップS12において、ゲーム進行手段102により、モニタ11による案内、或いはリーダライタ15の照明装置の点灯処理を進められる。これにより、プレイヤーが所持するICカードのリーダライタ15を用いたゲーム結果(ゲーム情報)の書き込みが促される。リーダライタ15は、必要に応じてICカードの書き込み行い、処理を終了する。
【0055】
従来のゲーム装置では、プレイフィールドとなる盤面12に載置されたカードのデータを、常時読み取りながらカードの位置や角度などの情報を同時に認識していたため、高精度のカメラや専用のデコード基板が必要であった。また、カードの位置や角度の抽出処理も複雑で、処理装置100の負担が大きくなる場合があった。
【0056】
一方、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1では、ゲーム進行前に、読み取り順に読み取り番号を付しながら、複数のゲームカード20の読み取り処理を行い、特定の読み取り番号が付された固定コードの位置角度情報を一定時間毎に画像解析により抽出することで、ゲームカード20の移動状況を、簡単に処理装置100に認識させることが可能となる。その結果、従来のゲーム装置が実行するカードの認識処理よりも、処理装置100における処理負担を軽減できる。
【0057】
更に、本発明の実施の形態に係るゲーム装置1では、ゲームに使用される一のゲームカード20の認識処理が、(1)一のゲームカード20の固有コード21の読み込み、(2)盤面12上に配置された一のゲームカード20の固定コード22の読み込み及び読み込まれた固定コード22と読み込み番号の関連付け、(3)固定コード22の読み込み結果に基づく盤面12上に配置された一のゲームカード20の位置角度情報の抽出(4)抽出された一のゲームカード20の位置角度情報、固有コード21及び読み込み番号の関連付け、の4つの処理を順に行う。そのため、上記(1)~(4)の処理が行われる間に、プレイヤーが誤って、次のゲームカード20を適切な場所に配置しないと、情報の読み取り不備が発生し、一のゲームカード20と次のゲームカード20とをうまく認識できなくなるおそれがある。
【0058】
本発明の実施の形態に係るゲーム装置1によれば、ステップS6~S7を繰り返して、複数のゲームカード20の固有コード21及び固定コード22の読み取りを行う際には、第1の読取装置13が備えるセンサ部が一のゲームカード20の固有コード21を読み込んだ後、第2の読取装置18が一のゲームカード20の固定コード22の読み取りを完了するまでの間に、照明部の固有コード21への照射、センサ部による固定コードの読み込み処理、またはその両方を中止するように制御される。このように、第1の読取装置13及び第2の読取装置18の固有コード21及び固定コード22の読み取りのタイミングが適切に制御されることで、複数のゲームカード20の読み込み順に、複数のゲームカード20の情報を処理装置100に認識させることができる。
【0059】
図2に示すように、第2の読取装置18が備える赤外線カメラの撮像軸Xが盤面12に対して斜めとなるように配置される場合には、装置の小型化が可能となる一方で、図7の左図に示すように、盤面12の画像40が台形画像となる。本実施形態に係るカード認識手段101が、第2の読取装置18が読み取った盤面12の台形画像に対して、射影変換を行うことで台形画像を矩形画像に補正することができる。更に、例えば本実施形態に係るカード認識手段101が、2値化処理によって色調補正を行うことで、図7の右図に示すように、ゲームカード20と盤面12との境界が認識しやすくなる。この矩形画像における固定コードの特定のポイントの座標及び特定のポイント間の座標差を画像処理により抽出し、ゲームカード20の位置角度情報を抽出することで、カード認識手段101が、ゲームカード20の位置角度情報をより正確に認識することができる。
【0060】
なお、上述のカード認識手段101が実行する画像解析処理は、処理装置100が備えるGPUを用いて処理することが好ましい。本実施形態に係る画像解析処理を、GPUで処理することにより、CPUを用いて画像処理する場合に比べて、処理装置100の処理負担がより小さくなり、かつ高速に処理することができる。画像解析のための専用のデコード基板等も必要でなくなるため、より簡素な構成のゲーム装置1が提供できる。
【0061】
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの考案を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは明示していない様々な態様を含むことは勿論であり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲で変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0062】
1…ゲーム装置
10…筐体
10a…操作面
11…モニタ
12…盤面
13…第1の読取装置
14…操作装置
15…リーダライタ
16…スピーカ
17…照明装置
18…第2の読取装置
19…払出装置
19a…コイン投入部
19b…カード払出部
20…ゲームカード
21…固有コード
22…固定コード
31…終端装置
32…ボリューム
33…I/O基板
34…アンプ基板
40…台形画像
100…処理装置
101…カード認識手段
102…ゲーム進行手段
103…記憶装置
221…短辺
222…長辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7