(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】心電測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/28 20210101AFI20240216BHJP
【FI】
A61B5/28
(21)【出願番号】P 2019178335
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 衛
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-180785(JP,A)
【文献】特開2001-187028(JP,A)
【文献】特表2011-514826(JP,A)
【文献】特開平10-323331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24
A47K 3/00
A61H 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で長手方向に長く該長手方向に直交する短手方向に短い浴槽に設けられる基準電極と、
前記浴槽の内面における前記長手方向の中央よりも一方側に配置され、差動電極として機能する第1電極と、
前記浴槽の内面における前記長手方向の中央よりも他方側に配置され、差動電極として機能する第2電極と、を備え、
前記浴槽は、前記短手方向に対向して配置された一対の長手壁部を有し
、
前記基準電極、前記第1電極及び前記第2電極の全てが、前記一対の長手壁部のうち同じ前記長手壁部に配置されている心電測定装置。
【請求項2】
前記一対の長手壁部のうち一方の長手壁部には、前記浴槽の外側にエプロンが着脱可能に設けられ、
前記第1電極及び
前記第2電極は、前記一方の長手壁部の前記内面に設けられている請求項
1に記載の心電測定装置。
【請求項3】
前記第1電極及び前記第2電極のうちいずれか一方と前記基準電極とが一体に構成されている請求項1
または2に記載の心電測定装置。
【請求項4】
前記浴槽の内面に設けられたサーミスタを備える請求項1から
3のいずれか一項に記載の心電測定装置。
【請求項5】
前記浴槽は、前記長手方向の一方側に入浴者の頭が配置されるように入浴方向が決定され、
前記サーミスタは、前記浴槽の内面における前記長手方向の一方側に配置されている請求項
4に記載の心電測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、心電測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽に心電センサーが設置され、入浴中の人の心電を測定して、健康状態をチェックする装置が知られている(下記の特許文献1参照)。この装置では、平面視で長方形状をなす浴槽の壁面に沿って、複数の心電センサーが配置されている。人の入浴方向の向きに応じて電極を選択して、心電を測定する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、人の入浴方向の向きによって十分な感度を得られないという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、人の入浴方向の向きによらず、心電を正確に測定することができる心電測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る心電測定装置は、平面視で長手方向に長く該長手方向に直交する短手方向に短い浴槽に設けられる基準電極と、前記浴槽の内面における前記長手方向の中央よりも一方側に配置され、差動電極として機能する第1電極と、前記浴槽の内面における前記長手方向の中央よりも他方側に配置され、差動電極として機能する第2電極と、を備え、前記浴槽は、前記短手方向に対向して配置された一対の長手壁部を有し、前記基準電極、前記第1電極及び前記第2電極の全てが、前記一対の長手壁部のうち同じ前記長手壁部に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの平面図である。
【
図3】一実施形態に係る心電測定装置のセンサーユニットの断面図である。
【
図4】一実施形態に係る心電測定装置のセンサーユニットの分解斜視図である。
【
図5】変形例1に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの概略平面図である。
【
図6】変形例2に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの概略平面図である。
【
図7】変形例3に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの概略平面図である。
【
図8】変形例4に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの斜視図である。
【
図9】変形例4に係る心電測定装置を備えた浴室ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る心電測定装置について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、心電測定装置100は、浴室ユニット101の浴槽110に設置されている。心電測定装置100は、心臓の心房筋と心室筋の脱分極および再分極の変化の過程で生じる電流による体表面の電位変動であって、心臓が動くことで現れる体表面の電位変動(心電)を測定するものである。
【0009】
浴室ユニット101は、建物の躯体内にフレームとパネルとを用いて、床102、壁103、天井104及び浴槽110等を組み立てて設置される。以下では、浴室ユニット101を例に挙げて説明する。心電測定装置100は浴室ユニット101に限らず、在来工法により施工された浴室においても適用可能である。
【0010】
浴室ユニット101の床102には、浴槽110及び洗い場120が設置されている。浴槽110と洗い場120とは、隣接して配置されている。
【0011】
図2に示すように、浴槽110の外形(外面110pの形状)は、平面視で長方形状をなしている。浴槽110の内形(内面110iの形状)は、平面視で、外形の長手方向と同一方向と長手方向とする略長方形状をなしている。浴槽110の内形の四隅は、曲線状に形成されている。
【0012】
以下の説明において、浴槽110の短手方向をX方向とする。浴槽110の長手方向をY方向とする。
【0013】
浴槽110の内形におけるY方向の中央を中心線Y0とする。中心線Y0よりもY方向の一方側の領域をY1領域とする。中心線Y0よりもY方向の他方側の領域をY2領域とする。
【0014】
図1に示すよう、浴槽110は、一対の長手壁部111a,111bと、一対の短手壁部112a,112bと、を有している。
【0015】
一対の長手壁部111a,111bは、X方向に対向して配置されている。長手壁部111a,111bは、Y方向に沿って配置されている。
【0016】
一対の短手壁部112a,112bは、Y方向に対向して配置されている。短手壁部112a,112bは、X方向に沿って配置されている。短手壁部112aは、領域Y1に配置されている。短手壁部112bは、領域Y2に配置されている。短手壁部112a,112bの端部と長手壁部111a,111bの端部とは、接続されている。
【0017】
長手壁部111a(一方の長手壁部)のX方向の一方側(洗い場120側)には、長手壁部111aの外面110pを覆うようにエプロン116が設けられている。浴槽110と洗い場120とは、エプロン116を介して接続されている。エプロン116は、長手壁部111a等に着脱可能に設けられている。
【0018】
心電測定装置100は、第1センサーユニット1と、第2センサーユニット2と、制御部3と、電源部4と、を備えている。
【0019】
本実施形態では、
図2に示すように、第1センサーユニット1は、Y1領域(長手方向の一方側)に配置されている。第2センサーユニット2は、Y2領域(長手方向の他方側)に配置されている。第1センサーユニット1及び第2センサーユニット2は、長手壁部111a(一方の長手壁部)の内面110iに設けられている。
【0020】
図3に示すように、長手壁部111aには、浴槽110の内面110iと外面110pとを結ぶ方向に貫通する取付孔111hが形成されている。第1センサーユニット1は、取付孔111hに取り付けられている。取付孔111hの貫通方向をO方向とする。
【0021】
以下の説明において、O方向のうち浴槽110の内側をO1側とする。O方向のうち浴槽110の外側をO2側とする。
【0022】
第1センサーユニット1は、ロックナット20と、センサー取付プラグ30と、センサーホルダー40と、第1電極51と、サーミスタ53と、センサーカバー60と、を備えている。本実施形態では、第1電極51は計装アンプの差動電極として機能する。第1電極51とサーミスタ53とは、一体となった第1センサーユニット1として構成されている。
【0023】
ロックナット20は、O方向を軸線方向として筒状をなすナット筒状部21を有している。ナット筒状部21の内周面には、雌ねじ21aが形成されている。
【0024】
ナット筒状部21のO1側の端部には、径方向の外側に延びるナットフランジ部22が形成されている。ナットフランジ部22は、環状に形成されている。
【0025】
ロックナット20の内部には、センサー取付プラグ30が配置されている。センサー取付プラグ30のO1側の端部は、ロックナット20よりもO1側に突出している。センサー取付プラグ30のO2側の端部は、ロックナット20よりもO2側に突出している。
【0026】
センサー取付プラグ30は、O方向を軸線方向として筒状をなすプラグ筒状部31を有している。プラグ筒状部31の外周面には、雄ねじ31aが形成されている。プラグ筒状部31の雄ねじ31aとナット筒状部21の雌ねじ21aとは、螺合されている。
【0027】
プラグ筒状部31のO1側の端部には、プラグ底部32が設けられている。プラグ底部32により、プラグ筒状部31のO1側の端部は閉塞されている。プラグ底部32には、O方向に貫通する保持孔32h,32iが2箇所ずつ形成されている。
【0028】
プラグ底部32の径方向の外側の端部は、プラグ筒状部31よりも径方向の外側に突出している。プラグ底部32におけるプラグ筒状部31よりも径方向の外側の部分はプラグフランジ部33とされている。
【0029】
プラグ筒状部31の外周面には、ワッシャー36a,36b及びパッキン37a,37bが嵌合されている。ワッシャー36a、パッキン37a、パッキン37b、ワッシャー36bが、O1側からO2側に向かってこの順に隣接配置されている。
【0030】
ワッシャー36aは、センサー取付プラグ30のプラグフランジ部33のO2側に設けられている。
【0031】
パッキン37aは、浴槽110の長手壁部111aの内面110iに接触している。
【0032】
パッキン37bは、環状に形成されている。パッキン37bの径方向の内側の端部には、O1方向に突出するパッキン突出部37cが設けられている。
【0033】
パッキン突出部37cは、センサー取付プラグ30のプラグ筒状部31の外周面と長手壁部111aの取付孔111hの内縁との間に配置されている。
【0034】
ワッシャー36bは、パッキン37bとロックナット20のナットフランジ部22との間に配置されている。
【0035】
センサーホルダー40は、O方向を軸線方向として筒状をなすホルダー筒状部41を有している。ホルダー筒状部41には、径方向の内側に凹む保持凹部42が2箇所形成されている。保持凹部42、センサーホルダー40のO方向の略全長にわたって形成されている。
【0036】
図4に示すように、ホルダー筒状部41には、径方向に貫通するホルダースリット43が形成されている。ホルダースリット43は、周方向に間隔を有して4箇所に形成されている。
【0037】
ホルダー筒状部41における隣り合うホルダースリット43どうしの間には、ホルダー係合片44が形成されている。ホルダー係合片44は、径方向に弾性変形可能とされている。ホルダー係合片44のO2方向の端部には、径方向の外側に突出する係合突起44aが形成されている。
【0038】
センサーホルダー40は、センサー取付プラグ30内部において、O2側の端部に配置されている。センサーホルダー40の係合突起44aは、センサー取付プラグ30の内面に引っかかっている。
【0039】
第1電極51及びサーミスタ53は、O方向に延びる棒状に形成されている。第1電極51の外面及びサーミスタ53の外面には、Oリング56が嵌合されている。
【0040】
第1電極51のO1側の部分及びサーミスタ53のO1側の部分は、センサー取付プラグ30の保持孔32h,32iに配置され、保持孔32h,32iの内面に保持されている。
【0041】
第1電極51のO2側の部分及びサーミスタ53のO2側の部分は、センサーホルダー40の保持凹部42に配置され、保持凹部42の内面に保持されている。
【0042】
第1電極51のO2側の端部及びサーミスタ53のO2側の端部には、それぞれケーブル51c,53cが接続されている。ケーブル51c,53cは、防水プラグ57に接続されている。
【0043】
センサーカバー60は、センサー取付プラグ30のプラグフランジ部33のO1側及び外側を覆うように配置されている。換言すると、センサーカバー60は、センサー取付プラグ30に保持された第1電極51及びサーミスタ53を覆うように配置されている。
【0044】
センサーカバー60は、プラグフランジ部33のO1側に配置されたカバー本体部61を有している。カバー本体部61は、O方向から見て円形状をなしている。
【0045】
カバー本体部61には、O方向に貫通する複数の貫通孔61a,61bが複数形成されている。カバー本体部61の中央側に配置された貫通孔61aは、O方向から見て円形状をなしている。カバー本体部61の外縁に沿って配置された貫通孔61bは、周方向に長い形状をなしている。
【0046】
カバー本体部61の縁部には、O2方向に向かってのびる周壁部62が設けられている。周壁部62は、カバー本体部61の周方向の全周にわたって設けられている。
【0047】
第2センサーユニット2は、第2電極52(第2電極)(
図1参照。以下同じ。)と、サーミスタ53に替えて基準電極54(
図1参照。以下同じ。)を備えている点を除いて、第1センサーユニット1と同様の構成であり、説明を省略する。
【0048】
本実施形態では、第2電極52は計装アンプの差動電極として機能し、基準電極54は同相ノイズ除去のための基準電極として機能する。第2電極52と基準電極54とは、一体となった第2センサーユニット2として構成されている。第1センサーユニット1の第1電極51と第2センサーユニット2の第2電極52とは、約80cm離れて配置されている。
【0049】
図1に示すように、制御部3は、第1センサーユニット1の第1電極51及びサーミスタ53とケーブル51c,53cで接続されている。制御部3は、第2センサーユニット2の第2電極52及び基準電極54とケーブル52c,54cで接続されている。本実施形態では、制御部3は、長手壁部111aの外面110p(浴槽110の内部と反対側を向く面)に設けられている。
【0050】
制御部3は、第1センサーユニット1の第1電極51、サーミスタ53及び第2センサーユニット2の第2電極52及び基準電極54から得られる信号に基づいて、所定の処理を行い、心電を測定することができる。
【0051】
電源部4は、制御部3とケーブル4aで接続されている。電源部4は、制御部3に対して電力を供給する。電源部4は、外部電力(不図示)とケーブル(不図示)で接続されている。
【0052】
このように構成された心電測定装置100では、第1センサーユニット1の差動電極として機能する第1電極51は、Y1領域に配置されている。第2センサーユニット2の差動電極として機能する第2電極52は、Y2領域に配置されている。入浴者の頭がY1領域に配置された場合には脚がY2領域に配置され、入浴者の頭がY2領域に配置された場合には脚がY1領域に配置される。よって、入浴者の頭側及び脚側の両側(Y1領域及びY2領域)に配置されているため、入浴者の入浴する方向(頭をY1領域に配置するかY2領域に配置するか)によらず、心電を測定することができる。第2センサーユニット2の基準電極54が有する機能によって、ノイズの発生を抑え、心電を正確に測定することができる。
【0053】
第1センサーユニット1及び第2センサーユニット2は、長手壁部111aに設けられている。長手壁部111aの外面110pを覆うように、エプロン116が着脱可能に設けられている。よって、第1センサーユニット1及び第2センサーユニット2を長手壁部111aに設置したり、第1センサーユニット1及び第2センサーユニット2を交換や点検したりする場合には、浴槽110からエプロン116を取り外して作業を行えばよいため、メンテナンス性が良い。
【0054】
第1センサーユニット1はサーミスタ53を有しているため、入浴温度を測定することができる。
【0055】
第1電極51とサーミスタ53とは、一体となった第1センサーユニット1として構成されている。よって、第1電極51及びサーミスタ53を浴槽110の長手壁部111aの取付孔111hに一度に取り付けることができ、施工性が良い。
【0056】
第2電極52と基準電極54とは、一体となった第2センサーユニット2として構成されている。よって、第1電極51及びサーミスタ53を浴槽110の長手壁部111aの取付孔111hに一度に取り付けることができ、施工性が良い。
【0057】
センサーカバー60は、センサー取付プラグ30に保持された第1電極51及びサーミスタ53を覆うように配置されている。よって、人が第1電極51及びサーミスタ53を直接接触することがないため、第1電極51及びサーミスタ53の損傷や故障等が抑制される。
【0058】
(変形例1)
次に、上記に示す実施形態の変形例1に係る心電測定装置について、主に
図5を用いて説明する。下記に示す変形例の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
図5に示すように、本変形例では、第1センサーユニット1は、長手壁部111bの内面110iに設けられている。第1センサーユニット1は、領域Y1に配置されている。
【0060】
第2センサーユニット2は、長手壁部111bの内面110iに設けられている。第2センサーユニット2は、領域Y2に配置されている。
【0061】
このように構成された心電測定装置100Aでは、第1センサーユニット1の差動電極として機能する第1電極51は、Y1領域に配置されている。第2センサーユニット2の差動電極として機能する第2電極52は、Y2領域に配置されている。入浴者の頭がY1領域に配置された場合には脚がY2領域に配置され、入浴者の頭がY2領域に配置された場合には脚がY1領域に配置される。よって、入浴者の頭側及び脚側の両側(Y1領域及びY2領域)に配置されているため、入浴者の入浴する方向(頭をY1領域に配置するかY2領域に配置するか)によらず、心電を測定することができる。第2センサーユニット2の基準電極54が有する機能によって、ノイズの発生を抑え、心電を正確に測定することができる。
【0062】
(変形例2)
次に、上記に示す実施形態の変形例2に係る心電測定装置について、主に
図6を用いて説明する。
【0063】
図6に示すように、本変形例では、第1センサーユニット1は、長手壁部111bの内面110iに設けられている。第1センサーユニット1は、領域Y1に配置されている。
【0064】
第2センサーユニット2は、長手壁部111aの内面110iに設けられている。第2センサーユニット2は、領域Y2に配置されている。
【0065】
このように構成された心電測定装置100Bでは、第1センサーユニット1の差動電極として機能する第1電極51は、Y1領域に配置されている。第2センサーユニット2の差動電極として機能する第2電極52は、Y2領域に配置されている。入浴者の頭がY1領域に配置された場合には脚がY2領域に配置され、入浴者の頭がY2領域に配置された場合には脚がY1領域に配置される。よって、入浴者の頭側及び脚側の両側(Y1領域及びY2領域)に配置されているため、入浴者の入浴する方向(頭をY1領域に配置するかY2領域に配置するか)によらず、心電を測定することができる。第2センサーユニット2の基準電極54が有する機能によって、ノイズの発生を抑え、心電を正確に測定することができる。
【0066】
第1センサーユニット1の第1電極51と第2センサーユニット2の第2電極52とが斜め(X方向及びY方向に交差する方向)に配置されている。よって、入浴方向が変わっても、入浴者の上半身に近い第1電極51及び第2電極52のいずれかの電極が、常に入浴者の右側(または左側)になるよう位置するため、電極位置による信号波形の違いが発生せず、入浴方向による感度のばらつきが発生しにくい。
【0067】
(変形例3)
次に、上記に示す実施形態の変形例3に係る心電測定装置について、主に
図7を用いて説明する。
【0068】
図7に示すように、本変形例では、第1センサーユニット1は、短手壁部112aの内面110iに設けられている。第1センサーユニット1は、領域Y1に配置されている。
【0069】
第2センサーユニット2は、短手壁部112bの内面110iに設けられている。第2センサーユニット2は、領域Y2に配置されている。
【0070】
このように構成された心電測定装置100Cでは、第1センサーユニット1の差動電極として機能する第1電極51は、Y1領域に配置されている。第2センサーユニット2の差動電極として機能する第2電極52は、Y2領域に配置されている。入浴者の頭がY1領域に配置された場合には脚がY2領域に配置され、入浴者の頭がY2領域に配置された場合には脚がY1領域に配置される。よって、入浴者の頭側及び脚側の両側(Y1領域及びY2領域)に配置されているため、入浴者の入浴する方向(頭をY1領域に配置するかY2領域に配置するか)によらず、心電を測定することができる。第2センサーユニット2の基準電極54が有する機能によって、ノイズの発生を抑え、心電を正確に測定することができる。
【0071】
(変形例4)
次に、上記に示す実施形態の変形例4に係る心電測定装置について、主に
図8及び
図9を用いて説明する。
【0072】
図8及び
図9に示すように、本変形例では、浴槽110の長手壁部111a,111b及び短手壁部112a,112bの上端部には、浴槽110の外側に向かって延びる延出壁部113が設けられている。延出壁部113は、浴槽110の周方向にわたって設けられている。
【0073】
延出壁部113のうち短手壁部112aに沿って配置される部分の上面113uには、頭部支持部114が設けられている。頭部支持部114は、延出壁部113の上面113uから上方に突出して設けられている。入浴者は、頭部支持部114に頭を載せて横になった姿勢をとることが可能である。
【0074】
浴槽110の底部110dにおける短手壁部112b側には、上方に盛り上がった脚部載せ部115が設けられている。入浴者は、横になった姿勢で脚部載せ部115に脚を載せることができる。
【0075】
第1センサーユニット1は、長手壁部111bにおける領域Y1の内面110iに設けられている。第2センサーユニット2は、長手壁部111bにおける領域Y2の内面110iに設けられている。
【0076】
本変形例では、入浴者の頭を頭支持部に載せるとともに足を脚部載せ部115に載せるように、入浴方向が決定されている。入浴者の上半身は主に領域Y1に配置されるとともに、下半身は主に領域Y2に配置されている。
【0077】
このように構成された心電測定装置100Dでは、第1センサーユニット1の差動電極として機能する第1電極51は、Y1領域に配置されている。第2センサーユニット2の差動電極として機能する第2電極52は、Y2領域に配置されている。入浴者が、頭を頭部支持部114に載せて、脚を脚部載せ部115に載せた姿勢をとった状態で、心電を測定することができる。第2センサーユニット2の基準電極54の有する機能によって、ノイズの発生を抑え、心電を正確に測定することができる。
【0078】
サーミスタ53を有する第1センサーユニット1は、入浴者の上半身が主に配置される領域Y1に配置されている。よって、入浴者が感じる入浴温度をより正確に測定することができる。
【0079】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0080】
例えば、実施形態の変形例1では、第1センサーユニット1が領域Y1に設けられ第2センサーユニット2が領域Y2に設けられている。これに限られず、第1センサーユニット1が領域Y2に設けられ第2センサーユニット2が領域Y1に設けられていてもよい。
【0081】
第1電極51とサーミスタ53とが一体に構成されている。これに限られず、第1電極51とサーミスタ53とが別体に構成されていてもよい。
【0082】
第2電極52と基準電極54とが一体に構成されている。これに限られず、第2電極52と基準電極54とが別体に構成されていてもよい。
【0083】
変形例4ではサーミスタ53を有する第1センサーユニット1は上半身が主に配置される領域Y1に配置されている。これに限られず、第1センサーユニット1は領域Y2に配置されていてもよい。この場合には、第2センサーユニット2は領域Y1に配置される。
【0084】
センサーカバー60が長手壁部111a,111bから浴槽110の内部側に突出して配置されている。これに限られず、センサーカバー60と長手壁部111a,111bの内面110iとが面一になるように第1センサーユニット1及び第2センサーユニット2が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…第1センサーユニット、2…第2センサーユニット、3…制御部、4…電源部、20…ロックナット、30…センサー取付プラグ、40…センサーホルダー、51…第1電極(差動電極)、52…第1電極(差動電極)、53…サーミスタ、54…基準電極、60…センサーカバー、100,100A,100B,100C,100D…心電測定装置、101…浴室ユニット、110…浴槽、111a,111b…長手壁部、112a,112b…短手壁部、116…エプロン、120…洗い場