(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】配送管理サーバ、配送管理システム、および、配送管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20240216BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240216BHJP
【FI】
G06Q10/0836
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019191339
(22)【出願日】2019-10-18
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井口 匠
(72)【発明者】
【氏名】丸山 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】林 正二
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 功一
(72)【発明者】
【氏名】上甲 康之
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-004667(JP,A)
【文献】特開2019-005281(JP,A)
【文献】特開2002-288562(JP,A)
【文献】特開2003-233758(JP,A)
【文献】特開2019-016190(JP,A)
【文献】特開2019-121127(JP,A)
【文献】特開2002-226050(JP,A)
【文献】特開2003-160231(JP,A)
【文献】特開2010-174581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送物を受け取る依頼者の端末からの前記配送物の発注を受けて、前記配送物を提供するサプライヤの端末から発行される配送要求を受信することで、依頼者の希望した希望日時と、依頼者の希望した場所である受取先住所とを取得し、
前記配送物を格納する配送先の候補である収納ボックスごとに予約状況が登録されるボックス予約管理データから、
前記希望日時との差分または
前記受取先住所からの差分のうちの少なくとも一方の差分に基づいて、
その差分が小さいほど優先的に選択した前記収納ボックスを配送先ボックスとして、その配送先ボックスの日時および場所を予約するボックス予約部と、
事前登録された配送者候補のリストから、前記配送先ボックスまで
前記配送物を配送する配送者
を予約する配送者予約部と、
予約された配送者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第1配送IDを、前記配送先ボックスの許可権
として予約された配送者の端末に送信するとともに、
前記依頼者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第2配送IDを、前記配送先ボックスの許可権として前記サプライヤの端末を介して前記依頼者の端末に送信する送受信部と、を有
し、
前記ボックス予約部は、前記配送先ボックスについての前記希望日時および前記受取先住所からの差分が大きくなるほど大きなインセンティブを計算し、そのインセンティブを含めた前記収納ボックスの予約内容を前記依頼者の端末に通知し、前記依頼者の端末から予約内容の承認が得られたときに、予約内容を確定することを特徴とする
配送管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の配送管理サーバと、前記収納ボックスとを有しており、
前記収納ボックスには、内部の温度を調整できる温度調整機構と、内部の温度を計測する温度センサとが備えられており、
前記ボックス予約部は、配送希望温度と、前記温度センサが計測した前記収納ボックス内部の温度との温度差に基づいて前記収納ボックスを予約することを特徴とする
配送管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の配送管理サーバと、前記収納ボックスとを有しており、
前記収納ボックスには、内部の温度を
冷蔵調整できる
冷蔵機能が備えられており、
前記ボックス予約部は、前記
冷蔵機能がオフになった後の経過時間に基づいて前記収納ボックスを予約することを特徴とする
配送管理システム。
【請求項4】
前記配送管理サーバは、さらに、ボックス制御部を有しており、
前記ボックス制御部は、前記
配送先ボックスの前記温度調整機構に対して、配送物が配送される前にその配送物の配送希望温度になるように温度変更を指示することを特徴とする
請求項2に記載の配送管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の配送管理サーバと、前記収納ボックスとを有しており、
前記配送管理サーバは、さらに、配送者予約部を有しており、
前記配送者予約部は、配送物を配送する配送者の候補が登録される配送者管理データから、前記
配送先ボックスまで配送物を配送可能な配送者を予約することを特徴とする
配送管理システム。
【請求項6】
配送管理サーバは、ボックス予約部と、
配送者予約部と、送受信部と、を有しており、
前記ボックス予約部は、
配送物を受け取る依頼者の端末からの前記配送物の発注を受けて、前記配送物を提供するサプライヤの端末から発行される配送要求を受信することで、依頼者の希望した希望日時と、依頼者の希望した場所である受取先住所とを取得し、
前記配送物を格納する配送先の候補である収納ボックスごとに予約状況が登録されるボックス予約管理データから、
前記希望日時との差分または
前記受取先住所からの差分のうちの少なくとも一方の差分に基づいて、
その差分が小さいほど優先的に選択した前記収納ボックスを配送先ボックスとして、その配送先ボックスの日時および場所を予約し、
前記配送者予約部は、事前登録された配送者候補のリストから、前記配送先ボックスまで前記配送物を配送する配送者を予約し、
前記送受信部は、
予約された配送者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第1配送IDを、前記配送先ボックスの許可権
として予約された配送者の端末に送信するとともに、
前記依頼者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第2配送IDを、前記配送先ボックスの許可権として前記サプライヤの端末を介して前記依頼者の端末に送信し、
前記ボックス予約部は、前記配送先ボックスについての前記希望日時および前記受取先住所からの差分が大きくなるほど大きなインセンティブを計算し、そのインセンティブを含めた前記収納ボックスの予約内容を前記依頼者の端末に通知し、前記依頼者の端末から予約内容の承認が得られたときに、予約内容を確定することを特徴とする
配送管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理サーバ、配送管理システム、および、配送管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインショップの発展に伴い、受取人が不在でも配送物を受け取れるようにするための宅配ボックス装置が提案されている。配送物には、要冷却(要冷蔵)などの温度管理が必要な生鮮食品も存在する。そこで、特許文献1に記載の宅配ボックス装置は、冷却が必要である場合、配達予定時刻に応じた時刻に、収納庫内の冷却部による冷却を開始させる制御部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の宅配ボックス装置は、家庭の玄関に配備される受取人専用の装置である。よって、そもそも宅配ボックス装置を用意するには多額の設備投資を要する。
一方で、自分専用の宅配ボックスを持たない受取人のために、集合住宅のロビーに配備された住民共用の宅配ボックスや、コンビニや駅などの共用スペースに配備された宅配ボックスなどを連携させたシェアリング型の宅配システムを構築することを検討する。
【0005】
このようなシェアリング型の宅配システムは、使用したい場所や使用したい時間帯などの配送要求が他の受取人との間で衝突することもあるなど、複数の受取人を前提として予約時間を調整する必要がある。
さらに、各受取人それぞれの配送要求がバラバラであることもある。例えば、あるコンビニ内のボックスを配送先として予約した場合、そのコンビニの近くに住む受取人Aは楽に配送物を回収できるので、配送サービスへの満足度も高くなる。一方、同じコンビニ内のボックスでも、そのコンビニから遠くに住む受取人Bは配送物を家まで運ぶ負担が増えてしまい、配送サービスへの満足度は低くなってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、配送先の候補となる複数のボックスから、配送要求になるべく適合するようなボックスを使用させることを、主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の配送管理サーバは、以下の特徴を有する。
本発明は、配送物を受け取る依頼者の端末からの前記配送物の発注を受けて、前記配送物を提供するサプライヤの端末から発行される配送要求を受信することで、依頼者の希望した希望日時と、依頼者の希望した場所である受取先住所とを取得し、
前記配送物を格納する配送先の候補である収納ボックスごとに予約状況が登録されるボックス予約管理データから、前記希望日時との差分または前記受取先住所からの差分のうちの少なくとも一方の差分に基づいて、その差分が小さいほど優先的に選択した前記収納ボックスを配送先ボックスとして、その配送先ボックスの日時および場所を予約するボックス予約部と、
事前登録された配送者候補のリストから、前記配送先ボックスまで前記配送物を配送する配送者を予約する配送者予約部と、
予約された配送者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第1配送IDを、前記配送先ボックスの許可権として予約された配送者の端末に送信するとともに、
前記依頼者の端末から前記配送先ボックスに送信することで前記配送先ボックスを解錠する第2配送IDを、前記配送先ボックスの許可権として前記サプライヤの端末を介して前記依頼者の端末に送信する送受信部と、を有し、
前記ボックス予約部は、前記配送先ボックスについての前記希望日時および前記受取先住所からの差分が大きくなるほど大きなインセンティブを計算し、そのインセンティブを含めた前記収納ボックスの予約内容を前記依頼者の端末に通知し、前記依頼者の端末から予約内容の承認が得られたときに、予約内容を確定することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配送先の候補となる複数のボックスから、配送要求になるべく適合するようなボックスを使用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に関する配送管理システムに用いられるロッカーの外観図である。
【
図2】本発明の一実施形態に関する配送管理システムが適用される配送業務の説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態に関する配送管理システムの構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態に関するロッカー登録テーブルの構成図である。
【
図5】本発明の一実施形態に関するロッカー利用テーブルの構成図である。
【
図6】本発明の一実施形態に関する温度帯テーブルの構成図である。
【
図7】本発明の一実施形態に関するボックス利用テーブルの構成図である。
【
図8】本発明の一実施形態に関するボックス予約テーブルの構成図である。
【
図9】本発明の一実施形態に関する配送者登録テーブルの構成図である。
【
図10】本発明の一実施形態に関する配送単価テーブルの構成図である。
【
図11】本発明の一実施形態に関する配送計画テーブルの構成図である。
【
図12】本発明の一実施形態に関する配送管理システムの配送前のリソース予約処理を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の一実施形態に関する配送要求に関するテーブルである。
【
図14】本発明の一実施形態に関するボックス予約処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態に関するボックス内温度の時間変化を示すグラフである。
【
図16】本発明の一実施形態に関する仮予約にともなうインセンティブの計算の詳細を示す説明図である。
【
図17】本発明の一実施形態に関する配送者予約処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の一実施形態に関するボックスの適温化処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の一実施形態に関する配送管理システムにおける配送物の配送処理を示すシーケンス図である。
【
図20】本発明の一実施形態に関する配送管理システムにおける配送物の受取処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、配送管理システムに用いられるロッカー5の外観図である。
ロッカー5は、開閉端末52と、1つ以上の(
図1では7つの)ボックス(収納ボックス)53とを有する。開閉端末52を介して利用者からIDの入力を受け付けると、そのIDに対応したいずれかのボックス53を開扉される。
各ボックス53には、配送物が収納される。なお、生鮮食品や冷凍食品の配送物に対応するために、各ボックス53内に温度調節機構(クーラー、ヒーター)を備え、ボックス53内の温度を計測する温度計を備えてもよい。
なお、ボックス53の温度調節機構として、例えばペルチェ素子を用いることで、冷蔵や温蔵の切り替えが自在であったり、コンパクトに構成できたりするので、好適である。または、ボックス53の温度調節機構として、冷媒を用いた冷凍機を適用してもよい。
【0012】
図2は、配送管理システムが適用される配送業務の説明図である。
依頼者は、配送希望の日時および場所を指定してサプライヤに商品を注文する。サプライヤから商品を受け取った配送者は、依頼者に向けて商品を配送する。ここで、配送者と依頼者との間で商品を受け渡すため、配送管理システムは、商品を一時的に保管するためのロッカー5のボックス53を予約する。
このとき、配送管理システムは、配送希望の日時および場所に適合するようなボックス53を予約する。換言すると、配送管理システムは、ボックス53を予約した日時または場所のうちの少なくとも一方との差分が、配送希望の日時および場所から小さくなるようなボックス53を選択して予約する。
【0013】
なお、「受取先住所」とは、商品の持ち帰り先である自宅や、プレゼントの送り先である知人宅などの配送希望の場所(最終目的地)である。「配送先住所」はその受取先住所の近くにある予約されたボックス53の場所(中間目的地)である。
配送者は、商品を提供するサプライヤからの配送要求を受け、サプライヤの住所である配送元から指定された配送先住所まで配送物を配送し、そのロッカー5内の予約されたボックス53に配送物を収納する。その後、依頼者は、収納されたボックス53から配送物を受け取り、その配送物を受取先住所まで持ち運ぶ。
【0014】
図3は、配送管理システムの構成図である。
配送管理システムは、依頼者端末1と、サプライヤ端末2と、配送者端末3と、管理サーバ(配送管理サーバ)4と、ロッカー5とがネットワーク9で接続されて構成される。
配送管理システムの各装置(依頼者端末1と、サプライヤ端末2と、配送者端末3と、管理サーバ4と、ロッカー5)は、それぞれCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
【0015】
ロッカー5には、
図1で説明した開閉端末52とボックス53とに加え、送受信部51と、制御部54と、記憶部55とを有する。送受信部51は、ボックス53を開扉されるためのIDをネットワーク9から受信し、記憶部55にIDを登録する。制御部54は、記憶部55に登録されたIDと、開閉端末52から入力されたIDとを照合し、両IDが一致するときに該当するボックス53を開扉する。
【0016】
管理サーバ4は、各端末や各ロッカー5と連携して、配送する業務を具体的に手配する配送管理を行う。そのため、管理サーバ4は、制御部40と、送受信部41と、記憶部46とを有する。送受信部41は、ネットワーク9を介してデータを送受信するインタフェースである。
制御部40は、配送管理を行うための各種処理部(ボックス予約部42と、配送者予約部43と、ボックス制御部44と、配送者制御部45)を動作させる。これらの動作の詳細は、
図12からのシーケンス図の説明で明らかにする。
記憶部46には、配送管理を行うための各種テーブル(
図4~
図11で後記するロッカー登録テーブル71と、ロッカー利用テーブル72と、温度帯テーブル73と、ボックス利用テーブル74と、ボックス予約テーブル(ボックス予約管理データ)75と、配送者登録テーブル(配送者管理データ)76と、配送単価テーブル77と、配送計画テーブル78)が格納される。
【0017】
図4~
図6は、ロッカー5の情報に関するテーブルである。
図4は、ロッカー登録テーブル71の構成図である。
ロッカー登録テーブル71は、ロッカー5の識別子であるロッカーIDと、ロッカー5の設置位置と、温度帯制御に対応しているボックス53の数と、ロッカー5が備えるボックス53の全数とを対応づけて格納する。
【0018】
図5は、ロッカー利用テーブル72の構成図である。
ロッカー利用テーブル72は、ロッカーIDと、ロッカー5が備えるボックス53のうちの空きボックスの数と、予約済みボックスの数とを対応づけて格納する。なお、ボックスの数は、全数に加え、対応する温度帯(常温と、冷蔵と、冷凍)ごとにカウントされる。
【0019】
図6は、温度帯テーブル73の構成図である。
温度帯テーブル73は、ロッカー利用テーブル72の温度帯(常温と、冷蔵と、冷凍)の詳細を示す。温度帯テーブル73には、温度帯ごとに、その目標温度と、上限温度と、下限温度とを対応づけて格納される。例えば、「冷蔵」は、2℃を目標温度とするが、その上下である程度の温度の幅を持たせる(ここでは+5℃~-5℃)。
【0020】
図7,
図8は、ボックス53の情報に関するテーブルである。
図7は、ボックス利用テーブル74の構成図である。
ボックス利用テーブル74は、ボックス53の識別子であるボックスIDと、ボックス53の現在の利用状況および予約数と、ボックス53の温度情報(設定温度帯と、目標温度と、庫内温度)とを対応づけて格納する。なお、設定温度帯の「変更中」とは、ボックス53内の現在温度を、配送物の保管に適した目標温度に変更している途中であることを示す(詳細は
図18)。
【0021】
図8は、ボックス予約テーブル75の構成図である。
ボックス予約テーブル75は、ボックス53ごとに生成される。ボックス予約テーブル75は、ボックス53への配送者による配送予定日および配送予定時刻と、依頼者による受取予定時刻と、配送予定時刻から受取予定時刻までにボックス53内で保管する配送物の温度管理情報(指定温度帯と、目標温度と、制御開始時刻と、予想庫内温度)とを対応づけて格納する。
【0022】
図9~
図11は、配送者の情報に関するテーブルである。
図9は、配送者登録テーブル76の構成図である。配送者登録テーブル76は、事前に登録する配送者ごとに、その識別子である配送者IDと、配送者氏名と、所属と、配送に使用する車両とを対応づける。
図10は、配送単価テーブル77の構成図である。配送単価テーブル77は、配送者登録テーブル76の配送者ごとに生成される。配送者登録テーブル76は、配送担当エリアと、そのエリアを配送先住所とするときの配送単価とを対応づける。
図11は、配送計画テーブル78の構成図である。配送計画テーブル78は、配送者登録テーブル76の配送者ごとに生成される。配送計画テーブル78は、配送日と、配送予定時刻と、受取予定時刻と、受取先氏名(つまり依頼人の氏名)と、受取先住所とを対応づけて構成される。なお、配送計画テーブル78には、図示した情報の他に、配送IDや配送先住所などの配送に用いられる情報も格納してもよい。
【0023】
以上、
図4~
図11を参照して、管理サーバ4の記憶部46にて管理される各種テーブルの詳細を説明した。
なお、管理サーバ4は、これらの各種テーブルの内容を、以下に例示するように表示装置(図示省略)に表示して、管理者に配送管理の状況を確認させてもよい。
・ロッカー利用テーブル72から読み取った、各ロッカー5内の格納状況の一覧情報の表示。
・ボックス利用テーブル74から読み取った、各ボックス53内の温度帯変化情報の表示。
・配送計画テーブル78から読み取った、各配送者の配送状況の一覧情報の表示。
以下、
図12からは、各種処理部(ボックス予約部42と、配送者予約部43と、ボックス制御部44と、配送者制御部45)の処理の詳細を説明する。
【0024】
図12は、配送管理システムの配送前のリソース予約処理を示すシーケンス図である。ここでのリソースとは、配送物を配送する配送者と、その配送物の配送先住所として予約するボックス53との双方である。なお、以下の説明でリソースの「本予約」とは、配送要求を満たすことで予約が確定した状態を示す。一方、リソースの「仮予約」とは、現時点では配送要求を満たしておらず、依頼者に承認を確認中の状態を示す。
依頼者端末1は、オンラインショップなどからサプライヤ端末2に商品を発注する(S101)。サプライヤ端末2は、S101の商品を配送するためのリソースの照会を管理サーバ4に要求する(S102)。
【0025】
図13は、配送要求に関するテーブルである。このテーブルは項目ごとの要求値により構成される。
第1テーブル101は、配送要求(S102)の内容を示す。第1テーブル101は、配送要求の項目として、予約照会ID、受取先住所およびその近辺に位置する指定ロッカー、配送を希望する配送日および配送時刻、温度帯を含む。指定ロッカーとは、依頼者が希望する配送先住所として指定されたロッカーであり、1つ以上のボックス53を有している。
【0026】
図12に戻り、管理サーバ4のボックス予約部42は、配送要求(S102)にしたがい、ボックス53を予約する(S103、詳細は
図14)。また、管理サーバ4の配送者予約部43は、配送要求(S102)にしたがい、配送者も予約する(S104、詳細は
図17)。
S104の配送者の予約にともない、管理サーバ4の配送者制御部45は、配送者端末3に配送見積を依頼し(S105)、その回答を配送者端末3から取得する(S106)。
【0027】
管理サーバ4は、S102のリソース照会の回答として、S103~S106の予約結果をサプライヤ端末2に送信する(S111)。
図13の第2テーブル102は、回答(S111)の内容を示す。第1テーブル101の配送要求と比較すると、指定ロッカーには空きがなかったので、受取先住所からやや遠い仮予約ロッカーが代案として提示されている。つまり、第2テーブル102は配送要求の一部を満たしていない仮予約の状態である。このように、配送要求の一部を満たしていないときには、依頼者に妥協してもらう動機付けとして、配送料割引やポイント還元などのインセンティブが付加される(詳細は
図16)。
【0028】
サプライヤ端末2は、S111の仮予約を依頼者端末1に提案し(S112)、その承認を得る(S113)。この承認により、サプライヤ端末2は、S111の仮予約を本予約として確定できる旨を管理サーバ4に通知する(S114)。
管理サーバ4は、S114の通知に従ってリソース本予約し(S121)、配送者端末3に配送発注の本予約を依頼し(S122)、その受注を得る(S123)。
【0029】
図13の第3テーブル103は、本予約(S122)の内容を示す。仮予約の第2テーブル102と比較すると、本予約される配送先ロッカーのボックス53を開扉するためのID(配送ID)が新たに発行される。これに伴い、管理サーバ4の送受信部41は、配送先ロッカーおよび配送者端末3それぞれに配送IDを送信して、配送者にボックス53を開扉させる許可権を与える。
管理サーバ4は、リソースの本予約に成功した結果の通知をサプライヤ端末2に送信し(S124)、依頼者端末1にも送信する(S125)。このS125の通知に伴い、管理サーバ4の送受信部41は、配送先ロッカーおよび依頼者端末1それぞれに受取IDを送信して、依頼者にボックス53を開扉させる許可権を与える。
【0030】
ここで、管理サーバ4のボックス制御部44は、本予約したロッカー5のボックス53内温度を配送前に適温化する前準備を行ってもよい(S130、詳細は
図18)。適温とは、
図13の配送要求の温度帯(例えば「冷蔵」)から、
図6の温度帯テーブル73を参照して得られる目標温度(例えば「2℃」)である。これにより、ボックス53内の保管期間の開始時点から配送物の適温保管を保証できる。
【0031】
図14は、ボックス予約処理(S103)の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートは、基本的には配送前に1回実行される。一方、予約が確定した後でも、依頼者の都合(急な不在、受取場所の変更などによる再配送)や、配送中の都合(渋滞による配送時刻の変更など)により、再度実行してもよい。
ボックス予約部42は、配送要求(例えば
図13の第1テーブル101)に、指定ロッカーがあるか否かを判定する(S201)。S201でYesならS202に移行し、NoならS211に移行する。
【0032】
ボックス予約部42は、ロッカー利用テーブル72の空きボックス欄を参照して、指定ロッカーに空きボックスが存在するか否かを検索する(S202)。空きボックスとは、ボックス予約テーブル75に登録済みの他の予約と、今回の配送要求とで指定された配送時刻に衝突しないボックス53である。なお、ボックス予約部42は、配送物のサイズを考慮して、配送物よりも大きな収納スペースを有するボックス53から空きボックスを検索してもよい。
ボックス予約部42は、S202で空きボックスが見つかったときには(S203,Yes)、S204に移行し、見つからなかったら(S203,No)、S211に移行する。
【0033】
ボックス予約部42は、S202で検索された指定ロッカーの空きボックスから、S102の配送要求に適合するロッカー5のボックス53ほど優先的に予約対象として選択する(S204)。そのため、ボックス予約部42は、地理的条件を考慮してボックス53を選択する。例えば、ボックス予約部42は、ロッカー登録テーブル71の設置位置を参照して、ロッカー5から受取先住所までの距離に基づいて(例えば距離が最も短い)ボックス53を選択する。
ここでの距離とは、ロッカー5から受取先住所までの交通手段(自転車、自動車など)を踏まえ、物理的距離の代わりにロッカー5から受取先住所まで交通手段を利用して持ち運ぶのに要する所要時間としてもよい。
または、ボックス予約部42は、時間的条件を考慮し、依頼者の希望日時に基づいて(例えば時間的差分が最も小さい)予約日時に空きのあるボックス53を選択する。
【0034】
さらに、S102の配送要求で配送物の温度帯(冷蔵など)が指定されているときには、ボックス予約部42は、その温度条件を考慮してボックス53を選択する(S204)。具体的には、ボックス予約部42は、例えば、配送予定時刻までに配送要求で指定される温度帯(適温)になるように温度制御できるボックス53を選択候補とする。さらに、ボックス予約部42は、その選択候補から、以下に例示するように、温度制御に要する消費電力量に基づいて、ボックス53を選択する。
・現在の庫内温度と、配送予定時刻での目標温度との温度差に基づいて(例えば温度差が最も小さい)ボックス53を選択する。
・ボックス53に温度センサがない場合には、冷蔵機能オフ後の経過時間に基づいて(例えば経過時間が最も短い)ボックス53を選択する。
・現在の庫内温度から、配送予定時刻での目標温度までの温度変更にかかる消費電力量に基づいて(例えば消費電力量が小さい)ボックス53を選択する。例えば寒冷地に配備されたロッカー5の場合、外気温の影響で電力を消費せずに庫内が冷蔵状態になっているものもある。そのようなボックス53は、要冷蔵の配送物の一時保管に適している。
【0035】
図15は、ボックス内温度の時間変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間軸を示し、縦軸はボックス内温度を示し、縦軸の中央付近に配送要求の設定温度が配送希望温度として設定されているとする。
グラフ内に、予約候補のボックス53が5つ(A,B,C,D,E)記載されている。現在時刻t1では、庫内温度が最も高いボックスAから、庫内温度が最も低いボックスEまでばらつきがある。
温度線201~205は、各予約候補について、現在時刻t1から配送予定時刻t2までに、設定温度に近づけるように温度制御を行ったと仮定したときの庫内温度の時間変化を示す。例えば、温度線201は、ボックスAの温度変化を示し、現在の庫内温度が設定温度よりも高いので庫内を冷却する(右下がりの線となる)。
【0036】
まず、配送予定時刻t2の時点で設定温度に到達可能なボックスB,C,Dは、いずれも配送予定時刻t2から受取予定時刻t3までの保管期間において適温保管が可能なので、配送要求を満たす(S205,Yes)。
さらに、ボックス予約部42は、3つの候補から1つに絞り込むために、省エネの観点から設定温度に近づけるように温度制御を行うときの消費電力量が少ないボックスを優先的に選択する。この際、ボックスB~Dに係る消費電力量は、クーラー/ヒーター制御、温度調整のON/OFF制御、外気温などを勘案して計算される。
例えば、ボックスC,Dは、現在時刻t1において設定温度との温度差がボックスBよりも小さく、現在時刻t1から配送予定時刻t2までの消費電力が少なくて済むため、優先的に選択される。ボックスC,Dがすでに他の利用者により予約済みであったときには、ボックスBが選択される。
【0037】
図14に戻り、ボックス予約部42は、S204で選択したボックス53がS102の配送要求を満たすか否かを判定する(S205)。S205でYesならS206に移行し、NoならS211に移行する。
ボックス予約部42は、S204で選択したボックス53を本予約するリソースとして確定する(S206)。
【0038】
ボックス予約部42は、ロッカー登録テーブル71の設置位置を参照して、受取先住所の周辺に位置するロッカー5の空きボックスから配送要求に適合するロッカー5のボックスを選択する(S211)。
ボックス予約部42は、S211で選択したボックス53がS102の配送要求を満たすか否かを判定する(S212)。S212でYesならS206に移行し、NoならS213に移行する。
ボックス予約部42は、配送希望日時および受取先住所などの配送要求からのズレの大きさに応じたインセンティブを算出し、選択したボックス53を仮予約する(S213)。
【0039】
図15において、ボックスB~Dがすでに他の利用者により予約済みであったときには、当初の配送予定時刻t2を依頼者に妥協してもらう必要がある。このとき、妥協の見返りとしてインセンティブを付加することで、妥協案が承認されやすくなる。
例えば、ボックス予約部42は、ボックスAの仮予約(S213)の提案として、当初の配送予定時刻t2を受取予定時刻t3に近づけるように遅らせた提案を行う。この仮予約が依頼者に却下された場合は、ボックスEの仮予約(S213)の提案として、ボックス予約部42は、配送予定時刻t4および受取予定時刻t5をそれぞれ遅らせた提案を行う。
【0040】
図16は、仮予約にともなうインセンティブの計算(S213)の詳細を示す説明図である。
図16のグラフの縦軸(Y軸)は、ボックス53から受取先住所まで依頼者が配送物を持ち運ぶ距離を示す。ボックス53から受け取った後に受取先住所に持ち運ぶまでの距離が短いほど、外気温からの影響を減らすことができる。よって、ボックス予約部42は、持ち運ぶ距離が短い順に、つまりボックスA,B,C,Dの順に、空きボックスを予約対象として選択する。今回はボックスAに空きがなかったので、ボックスBが予約対象である。ボックスBを仮予約した場合に発生するインセンティブは、持ち運ぶ距離に応じて設定される。
【0041】
図16のグラフの横軸(X軸)は、配送物のサイズや重量を示す。依頼者が配送物を持ち運ぶ負担は、持ち運ぶ距離に加えて、配送物のサイズや重量にも依存する。そこで、同じボックスBを予約対象とする場合でも、サイズや重量が大きい配送物の場合には、ボックス予約部42は、持ち運ぶ負担を考慮したボックスBwとして、インセンティブをボックスBから上乗せ(加算)してもよい。
このように、グラフの原点Hからの距離が長いほど、依頼者が配送物を持ち運ぶ負担が大きくなる。よって、この原点Hからの距離が長いほど、大きなインセンティブを設定する。
【0042】
以上
図16で説明したインセンティブの設定方法の他にも、以下に例示する方法がある。
・初回配送先のボックス53から再配送先のボックス53までの距離が長いほど、大きなインセンティブを設定する。
・配送希望日時と、仮予約の配送予定時刻とのズレが大きいほど、大きなインセンティブを設定する。
【0043】
図17は、配送者予約処理(S104)の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートでは、配送者予約部43は、配送者登録テーブル76に事前登録された予約候補の配送者から、予約したボックス53に配送物を届ける担当者を予約する。
配送者予約部43は、配送要求において特定の事業者が指定されたときには(S301,Yes)S302に移行し、指定が無い場合は(S301,No)S311に移行する。そのため、サプライヤ端末2は、事前に送付された配送者登録テーブル76の候補一覧から今回の配信における特定の事業者を指定させ、その特定の事業者を配送要求に含めるようにしておく。
【0044】
配送者予約部43は、配送者登録テーブル76の指定事業者から配送要求に基づいて合致する配送者を検索する(S302)。例えば、配送者予約部43は、配送計画テーブル78を参照して、配送希望日時に他の予定が入っていない配送者リストを抽出し、その配送者リストから配送単価テーブル77を参照して、受取先住所が含まれる配送担当エリアに対して、配送単価に基づいて(例えば最も安い)配送者を選択する。
その結果、配送者予約部43は、配送可能な配送者を選択できたときには(S303,Yes)、その配送者を今回の担当者として本予約する(S304)。一方、配送可能な配送者がいないときには(S303,No)、S311に移行する。
【0045】
配送者予約部43は、配送要求の配送希望日時および受取先住所を提示して、配送可能な事業者を応募する。そして、配送者予約部43は、応募に回答した任意の事業者から配送要求に基づいて合致する配送者を検索する(S311)。
その結果、配送者予約部43は、配送可能な配送者を選択できたときには(S312,Yes)、その配送者を担当者として仮予約する(S313)。一方、配送可能な配送者がいないときには(S312,No)、配送者が見つからない旨のエラーを依頼者端末1およびサプライヤ端末2に返却する(S314)。
【0046】
図18は、ボックスの適温化処理(S130)の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートでは、
図15の温度線201~205で示したように、予約したボックス53の現在温度を到着予定時刻までに設定温度(適温)になるように温度制御する処理を具体的に説明する。
この温度制御のポリシとして、適温になるまでの時間を最小化する(例えば急速に冷やす)こととしてもよいし、到着予定時刻に間に合う範囲で省消費電力で適温になるようにする(例えば適温になるまでの時間を要するが、その分冷却効率のよい速度で冷やす)こととしてもよい。
【0047】
管理サーバ4のボックス制御部44は、温度制御の開始時刻まで待ってから(S401,Yes)、温度帯の変更指示をロッカー5に送信する(S402→S411)。これにより、ボックス制御部44は、ボックス利用テーブル74の設定温度帯を「変更中」に変更する(S403)。
ロッカー5の制御部54は、受信した温度帯の変更指示に従い、適温になるまで(S412,No)、温度調節機構を用いて自身の収容するボックス53の温度を変更する(S413)。制御部54は、適温になったら(S412,Yes)、変更指示への完了通知を管理サーバ4に送信する(S414→S404)。そして、制御部54は、ボックス内温度を適温に維持する(S415)。
ボックス制御部44は、S404の完了通知を受け、S403の設定温度帯を「適温」に変更する(S405)。
以上、
図12~
図18を参照して、配送前の各種処理を説明した。一方、
図19,
図20は、配送後の各種処理を示す。
【0048】
図19は、配送管理システムにおける配送物の配送処理を示すシーケンス図である。
配送先ロッカーに到着した配送者は、配送者端末3を操作して、今回の配送物のために割り当てられた配送IDを、開閉端末52に入力する(S141)。
ロッカー5の制御部54は、事前に管理サーバ4から登録された配送IDとS141で入力された配送IDとが一致するときに(S142,Yes)、配送IDに対応するボックス53を解錠し、その旨を配送者端末3に応答する(S143)。
【0049】
配送者は、解錠されたロッカー5のボックス53を開扉して、その中に配送物を入庫する(S151)。このとき、ボックス53内に備えられた電子タグ読み取り装置は、電子タグが付与された配送物から配送物の情報(配送物IDなど)を読み取る。
ロッカー5は、読み取った配送物IDを含めてボックス開扉されたことを管理サーバ4に通知する(S152)。管理サーバ4は、S152の通知を受け、ロッカー5から通知された配送物の内容(配送物IDなど)と、ボックス予約テーブル75の登録内容とを照合してもよい。これにより、配送者が要冷蔵の配送物を誤ってクーラー非搭載のボックス53に入庫してしまったなどのミスを指摘できる。
【0050】
配送者がボックス53を閉扉すると(S153)、ロッカー5は、管理サーバ4に配送完了を通知する(S154)。管理サーバ4は、S154の通知を受け、サプライヤ端末2に配送完了を通知し(S155)、依頼者端末1にも配送完了を通知する(S156)。これにより、依頼者は、ボックス53内の配送物の受取が可能であることを、受取先住所に居ながら(遠隔から)確認できる。
【0051】
図20は、配送管理システムにおける配送物の受取処理を示すシーケンス図である。
受取先のロッカー5に到着した依頼者は、依頼者端末1を操作して、今回の配送物のために割り当てられた受取IDを、開閉端末52に入力する(S161)。ロッカー5の制御部54は、事前に管理サーバ4から登録された受取IDとS161で入力された受取IDとが一致するときに(S162,Yes)、受取IDに対応するボックス53を解錠し、その旨を依頼者端末1に応答する(S163)。
【0052】
依頼者は、解錠されたロッカー5のボックス53を開扉して、その中の配送物を出庫する(S171)。ロッカー5は、ボックス開扉されたことを管理サーバ4に通知する(S172)。
依頼者がボックス53を閉扉すると(S173)、ロッカー5は、管理サーバ4に受取完了を通知する(S174)。管理サーバ4は、S174の通知を受け、サプライヤ端末2に受取完了を通知し(S175)、依頼者端末1にも受取完了を通知する(S176)。
なお、ロッカー5は、配送物を受け取った後に、一定時間配送の予定がないボックス53について、冷蔵などの温度制御をオフにすることで(S181)、消費電力を節約してもよい。
【0053】
以上説明した本実施形態では、
図14に示したように、管理サーバ4のボックス予約部42が、配送先の候補となる複数のボックスから、配送要求に適合するようなボックスを検索する。例えば、ボックス予約部42は、
図15に示したように、現在時刻から配送予定時刻までの温度変化を考慮し、適温保管が可能なボックス53を予約する。
なお、シェアリング型のロッカー5には依頼が衝突することもあり、すべての依頼者の配送要求を満たせないこともある。そこで、ボックス予約部42は、
図16に示したように、依頼者の追加負担に応じたインセンティブを付加することにより、依頼者間の利害調整を行い、全体として円滑な予約管理を実現する。
【0054】
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0055】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 依頼者端末
2 サプライヤ端末
3 配送者端末
4 管理サーバ(配送管理サーバ)
5 ロッカー
9 ネットワーク
40 制御部
41 送受信部
42 ボックス予約部
43 配送者予約部
44 ボックス制御部
45 配送者制御部
46 記憶部
51 送受信部
52 開閉端末
53 ボックス(収納ボックス)
54 制御部
55 記憶部
71 ロッカー登録テーブル
72 ロッカー利用テーブル
73 温度帯テーブル
74 ボックス利用テーブル
75 ボックス予約テーブル(ボックス予約管理データ)
76 配送者登録テーブル(配送者管理データ)
77 配送単価テーブル
78 配送計画テーブル