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特許7437916移動体、遠隔撮像操縦システム、方法、制御プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】移動体、遠隔撮像操縦システム、方法、制御プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/243 20240101AFI20240216BHJP
   G05D 1/46 20240101ALI20240216BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240216BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240216BHJP
   H04N 23/667 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
G05D1/243
G05D1/46
H04N7/18 E
H04N23/60 500
H04N23/667
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019206185
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021081778
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】設楽 彰一
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-118072(JP,A)
【文献】特開2012-204991(JP,A)
【文献】特開2019-134383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00
G05D 1/43
H04N 7/18
H04N 23/60
H04N 23/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を取得する指示取得部と、
前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動部と、
当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した映像をエンコードするエンコード部と、
当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定部と、
前記移動状況に応じて、
(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、
(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、
(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および
(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレート
のうちの少なくとも一つを制御する映像制御部と、
前記エンコード部によるエンコード後の映像を出力する出力部と、
を備え、
前記移動状況特定部は、
前記移動状況として、前記駆動部が駆動しているかを示す情報と、前記駆動部に対するブレーキが作動しているかを示す情報との少なくとも何れかを取得する
ことを特徴とする移動体。
【請求項2】
前記映像制御部は、
前記移動状況が、当該移動体が停止中であることを示している場合、前記移動状況が、当該移動体が移動中であることを示している場合よりも、
(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、
(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、
(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および
(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレート
のうちの少なくとも一つを高くすることを特徴とする請求項に記載の移動体。
【請求項3】
前記移動状況特定部は、
前記移動状況として、当該移動体の速度を示す情報と、当該移動体の加速度を示す情報と、当該移動体の位置の変化を示す情報との少なくとも何れかを取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動体。
【請求項4】
当該移動体は、飛行体であり、
前記駆動部は、当該移動体を垂直方向に移動させる機構を有する
ことを特徴とする請求項に記載の移動体。
【請求項5】
移動体と操縦装置とを備える遠隔撮像操縦システムであって、
前記移動体は、
ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を、前記操縦装置から取得する指示取得部と、
前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動部と、
当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した映像をエンコードするエンコード部と、
当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定部と、
前記移動状況に応じて、
(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、
(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、
(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および
(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレート
のうちの少なくとも一つを制御する映像制御部と、
前記エンコード部によるエンコード後の映像を、前記操縦装置に出力する第1出力部と、を備え、
前記操縦装置は、
前記エンコード後の映像を、前記移動体から取得する映像取得部と、
前記エンコード後の映像をデコードするデコード部と、
前記デコード部によるデコード後の画像を表示する表示部と、
前記ユーザの指示を示す情報であって、前記移動体の移動を規定する情報を取得する操作取得部と、
前記操作取得部が取得した前記情報を、前記移動体に出力する第2出力部と、
を備え、
前記移動状況特定部は、
前記移動状況として、前記駆動部が駆動しているかを示す情報と、前記駆動部に対するブレーキが作動しているかを示す情報との少なくとも何れかを取得する
ことを特徴とする遠隔撮像操縦システム。
【請求項6】
移動体を制御する方法であって、
ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を取得する指示取得ステップと、
前記移動を規定する情報に応じて当該移動体の駆動部が当該移動体を移動させる駆動ステップと、
当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップが撮像した映像をエンコードするエンコードステップと、
当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定ステップと、
前記移動状況に応じて、
(i)前記撮像ステップにおいて撮像する映像の解像度、
(ii)前記撮像ステップにおいて撮像する映像のフレームレート、
(iii)前記エンコードステップにおけるエンコードを行う映像の解像度、および
(iv)前記エンコードステップにおけるエンコード後の映像のビットレート
のうちの少なくとも一つを制御する映像制御ステップと、
前記エンコードステップによるエンコード後の映像を出力する出力ステップと、
を含み、
前記移動状況特定ステップでは、
前記移動状況として、前記駆動部が駆動しているかを示す情報と、前記駆動部に対するブレーキが作動しているかを示す情報との少なくとも何れかを取得する
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項に記載の移動体を機能させるための制御プログラムであって、前記指示取得部、前記エンコード部、前記移動状況特定部、前記映像制御部および前記出力部として移動体を機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
請求項に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体、遠隔撮像操縦システム、方法、制御プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを搭載した移動体を遠隔地から無線ネットワークを通して人間が操縦する技術が、従来技術として知られている。特許文献1では、カメラにより撮影した映像の伝送の遅れに対して、他のセンサからの情報を併用し、映像の伝送の遅れを受信側にて補正して表示することにより、遠隔操縦への影響を低減する遠隔操縦装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-28495号公報(2011年2月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、次世代無線通信技術の5Gは、例えば8Kと呼ばれる超高解像度映像を伝送するための通信容量は十分にあり、伝送遅延も非常に小さい通信方式である。一方、超高解像度映像の伝送を行う場合には、例えば2Kと呼ばれる低解像度の映像よりも映像処理(以下、エンコードとも称する)に要する時間が、長くなる。そのため超高解像度映像のエンコードにより、遅延が生じる。そのため超高解像度映像をカメラにより撮影し、伝送する移動体を遠隔操縦する場合に、エンコードによる遅延が遠隔操縦に影響するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、映像処理による、移動体から送信される映像の遅延を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る移動体は、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を取得する指示取得部と、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動部と、当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した映像をエンコードするエンコード部と、当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定部と、前記移動状況に応じて、(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御部と、前記エンコード部によるエンコード後の映像を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る移動体と操縦装置とを備える遠隔撮像操縦システムは、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を、前記操縦装置から取得する指示取得部と、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動部と、当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した映像をエンコードするエンコード部と、当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定部と、前記移動状況に応じて、(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御部と、前記エンコード部によるエンコード後の映像を、前記操縦装置に出力する第1出力部と、を備え、前記操縦装置は、前記エンコード後の映像を、前記移動体から取得する映像取得部と、前記エンコード後の映像をデコードするデコード部と、前記デコード部によるデコード後の画像を表示する表示部と、前記ユーザの指示を示す情報であって、前記移動体の移動を規定する情報を取得する操作取得部と、前記操作取得部が取得した前記情報を、前記移動体に出力する第2出力部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る遠隔撮像操縦システムは、移動体と操縦装置とを備える遠隔撮像操縦システムであって、前記移動体は、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を、前記操縦装置から取得する指示取得部と、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動部と、当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像した映像をエンコードするエンコード部と、当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定部と、前記移動状況に応じて、(i)前記撮像部が撮像する映像の解像度、(ii)前記撮像部が撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)前記エンコード部によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御部と、前記エンコード部によるエンコード後の映像を、前記操縦装置に出力する第1出力部と、を備え、前記操縦装置は、前記エンコード後の映像を、前記移動体から取得する映像取得部と、前記エンコード後の映像をデコードするデコード部と、前記デコード部によるデコード後の画像を表示する表示部と、前記ユーザの指示を示す情報であって、前記移動体の移動を規定する情報を取得する操作取得部と、前記操作取得部が取得した前記情報を、前記移動体に出力する第2出力部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る方法は、移動体を制御する方法であって、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体の移動を規定する情報を取得する指示取得ステップと、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体を移動させる駆動ステップと、当該移動体の周囲の映像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップが撮像した映像をエンコードするエンコードステップと、当該移動体の移動状況を特定する移動状況特定ステップと、前記移動状況に応じて、(i)前記撮像ステップにおいて撮像する映像の解像度、(ii)前記撮像ステップにおいて撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコードステップにおけるエンコードを行う映像の解像度、および(iv)前記エンコードステップにおけるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御ステップと、前記エンコードステップによるエンコード後の映像を出力する出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、映像処理による、移動体から送信される映像の遅延を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る全体の構成図である。
図3】本発明の実施形態1~3に係るクロップ領域に関するイメージ図である。
図4】本発明の実施形態1に係るフローチャート図である。
図5】本発明の実施形態2に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。
図6】本発明の実施形態2に係るフローチャート図である。
図7】本発明の実施形態3に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。
図8】本発明の実施形態3に係るフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、遠隔撮像操縦システム1は、移動体10と遠隔操縦装置(操縦装置)30とを備えている。図2は、本発明の実施形態1に係る全体の構成図である。図2に示すように、遠隔操縦装置30は、基地局装置を介して、移動体10と通信する。操作を行う時に、移動体10と基地局装置、基地局装置と遠隔操縦装置30は無線による通信を行ってもよいし、有線による通信を行ってもよい。図2では、無線通信を介して、移動体10と遠隔操縦装置30とで直接の通信を行っていることとしている。
【0014】
(移動体10)
移動体10は、遠隔操縦装置30により操作されて、移動する物体である。移動体10の動力は、電気エネルギーあるいは化石燃料によるエネルギーである。移動体10は、撮像部11と、通信部12と、制御部13と、駆動部14と、を備える。
【0015】
撮像部11は、移動体10の周囲の映像を撮像する。撮像部11は、超高解像度による映像の撮像が可能であり、また後述するクロップ領域を設定することにより、低解像度の映像の撮像も可能である。また移動体10に取り付けた撮像部11は、移動体10の数に対して1つであってもよく、また複数であってもよい。更に移動体10の撮像部11は、移動体10のあらゆる場所に固定して取り付けてよい。撮像部11が撮像した映像は、後述する制御部13および通信部12を介して遠隔操縦装置30へと送信される。また撮像部11が撮像した映像は、通常、経時的に連続する映像である。
【0016】
通信部12は、制御部13からの情報を遠隔操縦装置30に送信し、また遠隔操縦装置30が送信した情報を受信する。通信部12は、指示取得部121と、出力部(第1出力部)123と、を備える。指示取得部121は、遠隔操縦装置30を使用しているユーザの指示を示す情報であって、移動体10の移動を規定する情報を遠隔操縦装置から取得する。当該情報は、撮像部11が撮像を継続するかどうかの情報を含む。また当該情報は、移動体10が移動する方向及び速度に関する情報を含む。出力部123は、制御部13から出力された情報を遠隔操縦装置30へと送信する。制御部13から取得した情報は、撮像部11が撮像した映像を含む。また、当該情報は、駆動部14の駆動状況に関する情報を別途含んでいてもよく、例えば遠隔操縦装置30において移動体10のスピードを表示する場合等に参照される構成であってもよい。撮像部11が撮像した映像は、超高解像度、あるいは低解像度であってよく、高フレームレートあるいは低フレームレートであってよい。駆動部14の駆動状況に関する情報は、後述するように、駆動部14を駆動させるための信号に関する情報、あるいはブレーキ141の稼働状況に関する情報である。
【0017】
制御部13は、移動体10の撮像部11と、通信部12と、駆動部14と、を制御する。制御部13は、映像制御部131と、エンコード部133と、移動状況特定部135と、を備える。
【0018】
映像制御部131は、移動体10の移動状況に応じて、(i)撮像部11が撮像する映像の解像度、(ii)撮像部11が撮像する映像のフレームレート、(iii)エンコード部133によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)エンコード部133によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する。撮像部11が撮像する映像の解像度とは、映像の解像度が高いほど、映像が精細であり、映像の解像度が低いほど、映像が粗くなる、ということである。また撮像部11が撮像する映像のフレームレートとは、単位時間当たりの撮像回数であり、フレームレートが高いほど、単位時間当たりの撮像回数が多くなり、フレームレートが低いほど、単位時間当たりの撮像回数が少なくなる、ということである。またエンコードを行う映像の解像度とは、上述した撮像部11が撮像する映像の解像度と同様である。またエンコード後の映像のビットレートとは、1秒間あたりにおける映像のデータ量のことであり、ビットレートが高いほど、送信するデータ量が大きくなり、ビットレートが低いほど、送信するデータ量が小さくなる、ということである。
【0019】
エンコード部133は、撮像部11が撮像した映像をエンコードする。エンコード部133は、映像制御部131が決定した映像の解像度またはビットレートに基づいて、エンコード対象である、撮像部11が撮影した映像をエンコードする。エンコードとは、映像データを符号化することである。
【0020】
移動状況特定部135は、移動体10の移動状況を特定する。特定された移動体10の移動状況は、通信部12へと出力される。移動体10の移動状況は、駆動部14に送信された信号あるいはブレーキ141の稼働状況に関する情報から特定される。
【0021】
駆動部14は、移動体10が移動するために駆動する。駆動部14を駆動させるための信号(以下、駆動信号とも称する)は、制御部13から発信される。駆動部14の駆動状況は、駆動信号を用いて移動状況特定部135により特定される。また駆動部14は、ブレーキ141を備える。ブレーキ141の稼働状況は、移動状況特定部135により特定される。駆動部14は、車輪などの回転部材を備えた内燃機関であってもよく、またベルトコンベアなどの回転部材を備えた推進機関であってもよい。
【0022】
(遠隔操縦装置30)
遠隔操縦装置30は、移動体10を操縦するための装置である。遠隔操縦装置30は、室内または室外に固定されていてもよく、室内または室外において移動可能であってもよい。遠隔操縦装置30は、電気エネルギーを動力とする。遠隔操縦装置30は、通信部31と、表示部32と、制御部33と、入力部34と、を備える。
【0023】
通信部31は、制御部33からの情報を移動体10に送信し、また移動体10が送信した情報を受信する。通信部31は、出力部(第2出力部)311と、映像取得部313と、を備える。出力部311は、制御部33から取得した情報を移動体10に送信する。制御部33から取得した情報は、上述した遠隔操縦装置30を使用しているユーザの指示を示す情報であって移動体10の移動を規定する情報を含む。映像取得部313は、通信部12から送信された映像を取得する。通信部31は、受信した情報を後述する制御部33へと出力する。
【0024】
表示部32は、後述する制御部33の処理を経た後の映像をユーザが確認できるように表示する。表示部32は、視覚情報を表示できるディスプレイであり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどの様々なディスプレイであってよく、また画面数は、一画面とは限らず、複数の画面を有してよい。
【0025】
制御部33は、遠隔操縦装置30を制御する。制御部33は、デコード部331と、操作取得部333と、を備える。デコード部331は、出力部311から受信した情報をデコードし、表示部32へと出力する。デコードとは、符号化された映像データを復号することである。操作取得部333は、後述する入力部34から移動体10の操作に関する情報を、取得する。移動体10の操作に関する情報は、移動体10の備える部材を操作する命令群である。例えば、この命令は、撮像部11の撮像箇所を指定する命令と、撮像部11の焦点を合わせる命令と、駆動部14の移動に関する命令と、ブレーキ141の停止と解除をする命令と、を含む。
【0026】
入力部34は、遠隔操縦装置30を介して、ユーザが遠隔操縦装置に命令を入力するための部材である。入力部34は、予め複数の命令を組み合わせたプログラムを備えている。入力部34に対する命令の入力方法は、文字の打ち込み、音声による入力、スティックキーあるいはハンドルによる入力であってよい。
【0027】
<クロップ領域>
クロップとは、撮像する映像の一部分、例えば中心領域を切り抜くことである。図3は、本発明の実施形態1~3に係るクロップ領域に関するイメージ図である。クロップ領域とは、図3に示すように、通常は撮像する映像の中心を切り抜いた部分である。映像制御部131は、撮像部11が撮像する映像を、クロップ領域の低解像度映像に置き換えることができる。この処理をすることで、エンコード処理の負荷が減り、エンコード部133による遅延が減少する。クロップモードとは、撮像部11が撮像した映像全体から一部をクロップして、低解像度映像を出力するモードである。
【0028】
(処理の流れ)
図4は、本発明の実施形態1に係るフローチャート図である。図4は、移動体10が移動している間、移動体10は低解像度映像を撮像し、移動体10が停止している間は、移動体10は高解像度映像を撮像する、という処理をフローチャートに表したものである。図4のフローチャートの開始は、移動体10が移動と、撮像と、を開始した時点からである。また、後述するステップS401からステップS405において、ブレーキ141の駆動に関する命令は、駆動部14に対する信号である。移動状況特定部135は、ブレーキ141の駆動の命令の代わりに、駆動部14に供給される制御信号を参照して、移動体10の移動状況を特定してもよい。
【0029】
<ステップS401>
ステップS401において、移動体10は、移動しており、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0030】
<ステップS402>
ステップS402において、制御部13は、指示取得部121がブレーキ141の駆動の命令を受信したか否かを判定する。上記命令は、ユーザが入力部34を介して移動体10のブレーキを作動させることを指示した場合に、遠隔操縦装置30から移動体10に送信される情報である。指示取得部121が送信された命令を受信した場合(S402のYES)、制御部13は、ブレーキ141を作動させ、処理はステップS403へと進む。指示取得部121が上記命令を受信していない場合(ステップS402のNO)、処理は、ステップS401に戻る。移動体10は、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0031】
<ステップS403>
ステップS403において、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が高解像度映像のまま、遠隔操縦装置30に送信し、表示部32は、送信された映像を表示し、処理はステップS404へと進む。
【0032】
<ステップS404>
ステップS404において、制御部13は、指示取得部121が、ブレーキ141を解除して移動体を移動させる命令を受信したか否かを判定する。指示取得部121が当該命令を受信した場合(ステップS404のYES)、制御部13は、ブレーキ141を解除して駆動部14を駆動させ、処理はステップS405へと進む。指示取得部121が、送信された命令を受信していない場合(ステップS404のNO)、処理はステップS403に戻る。移動体10は、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が高解像度映像のまま、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0033】
<ステップS405>
ステップS405において、移動体10は、移動しており、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0034】
(効果)
実施形態1によれば、移動体の移動速度に応じた解像度、あるいはビットレートにて映像を出力できる。
【0035】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0036】
図5は、本発明の実施形態2に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。図5に示すように、遠隔撮像操縦システム1aは、移動体10aと、遠隔操縦装置30と、を備える。移動体10aは、撮像部11aを備える以外、実施形態1の移動体10と同じ構成である。遠隔操縦装置30は、実施形態1と同じ構成である。
【0037】
(撮像部11a)
撮像部11aは、カメラA111と、カメラB113と、を備える。カメラA111は、低解像度映像を撮像するための機能を有する。カメラB113は、高解像度映像を撮像するための機能を有する。本実施形態の別態様として、カメラA111は、低フレームレート映像を撮像するための機能を有してもよく、またカメラB113は、高フレームレート映像を撮像するための機能を有してよい。
【0038】
(処理の流れ)
図6は、本発明の実施形態2に係るフローチャート図である。図6は、移動体10aが移動している間、移動体10aはカメラA111により撮像し、移動体10aが停止している間は、移動体10aはカメラB113により撮像する、という処理をフローチャートに表したものである。図6のフローチャートの開始は、移動体10aが移動と、カメラA111による撮像と、を開始した時点からである。また、後述するステップS601からステップS605において、ブレーキ141の駆動に関する命令は、駆動部14に対する信号である。移動状況特定部135は、ブレーキ141の駆動の命令の代わりに、駆動部14に供給される制御信号を参照して、移動体10aの移動状況を特定してもよい。
【0039】
<ステップS601>
ステップS601において、移動体10aは、移動しており、カメラA111が撮像した映像を、映像制御部131が遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0040】
<ステップS602>
ステップS602において、制御部13は、指示取得部121がブレーキ141の駆動の命令を受信したか否かを判定する。上記命令は、ユーザが入力部34を介して移動体10のブレーキを作動させることを指示した場合に、遠隔操縦装置30から移動体10に送信される情報である。指示取得部121が送信された命令を受信した場合(S602のYES)、制御部13は、ブレーキ141を作動させ、処理は、ステップS603へと進む。指示取得部121が上記命令を受信していない場合、(ステップS602のNO)、処理は、ステップS601に戻る。移動体10aは、カメラA111が撮像した映像を、映像制御部131が遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0041】
<ステップS603>
ステップS603において、カメラB113が撮像した映像を、映像制御部131が遠隔操縦装置30に送信し、表示部32は、送信された映像を表示し、処理はステップS604へと進む。
【0042】
<ステップS604>
ステップS604において、制御部13は、指示取得部121が、ブレーキ141を解除して移動体を移動させる命令を受信したか否かを判定する。指示取得部121が当該命令を受信した場合(ステップS604のYES)、制御部13は、ブレーキ141を解除して駆動部14を駆動させ、処理は、ステップS605へと進む。指示取得部121が送信された命令を受信していない場合(ステップS604のNO)、処理はステップS603に戻る。移動体10aは、カメラB113が撮像した映像を、映像制御部131が遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0043】
<ステップS605>
ステップS605において、移動体10aは、移動しており、カメラA111が撮像した映像を、映像制御部131が遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0044】
(効果)
実施形態2によれば、遠隔撮像操縦システム1aは、後述する撮像部11aのカメラを切り替えることにより、より容易に、移動体の移動速度に応じた解像度、あるいはフレームレートにて映像を出力することが可能となる。
【0045】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0046】
図7は、本発明の実施形態3に係る遠隔撮像操縦システムの機能ブロック図である。図7に示すように、遠隔撮像操縦システム1bは、移動体10bと、遠隔操縦装置30と、を備える。移動体10bは、センサ15を備える以外、実施形態1と同じ構成である。遠隔操縦装置30は、実施形態1と同じ構成である。
【0047】
(センサ15)
センサ15は、移動体10bの速度を示す情報と、移動体10bの加速度を示す情報と、移動体10bの位置の変化を示す情報との少なくとも何れかを取得する。移動状況特定部135は、取得された情報を参照することができる。取得された情報は、制御部13に送信され、遠隔操縦装置30の表示部32に示してもよい。
【0048】
(処理の流れ)
図8は、本発明の実施形態3に係るフローチャート図である。図8は、センサ15により、移動体10bが移動している、と移動状況特定部135が判断した場合、移動体10bは低解像度映像を撮像し、遠隔操縦装置30に送信し、移動体10bが停止している、と移動状況特定部135が判断した場合、移動体10bは高解像度映像を撮像し、遠隔操縦装置30に送信する、という処理をフローチャートに表したものである。図8のフローチャートの開始は、移動体10bが移動と、撮像と、を開始した時点からである。
【0049】
<ステップS801>
ステップS801において、移動体10bは、移動しており、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0050】
<ステップS802>
ステップS802において、移動状況特定部135が、センサ15からの情報により、移動体10bが停止した、と判断した場合(S802のYES)、処理は、ステップS803へと進む。移動状況特定部135が、センサ15からの情報により、移動体10が移動している、と判断した場合(ステップS802のNO)、処理は、ステップS801に戻り、移動体10bは、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0051】
<ステップS803>
ステップS803において、移動体10bは、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が高解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信し、表示部32は、送信された映像を表示し、ステップS804へと進む。
【0052】
<ステップS804>
ステップS804において、移動状況特定部135が、センサ15からの情報により、移動体10bが移動を開始した、と判断した場合(ステップS804のYES)、処理は、ステップS805へと進む。移動状況特定部135が、移動体10bが停止している、と判断した場合(ステップS804のNO)、処理はステップS803に戻り、移動体10bは、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が高解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0053】
<ステップS805>
ステップS805において、移動体10bは、移動しており、撮像部11が撮像した映像を、映像制御部131が低解像度映像にして、遠隔操縦装置30に送信する。表示部32は、送信された映像を表示する。
【0054】
(効果)
実施形態3によれば、遠隔撮像操縦システムは、移動体10が移動しているかどうかの判断を適切に行うことが可能となる。
【0055】
〔変形例1〕
上述の実施形態3において説明した態様は、実施形態2に記載の撮像部11の構成にカメラA111とカメラB113と、を備えてもよい。
【0056】
本変形例は、実施形態2と実施形態3と、を組み合わせた形態である。本変形例は、実施形態2において説明した処理を基準として、実施形態3における判断を用いて行う。
【0057】
具体的には、実施形態2において説明した処理に則り、カメラA111とカメラB113により撮像をする。カメラA111とカメラB113の切り替えの判断基準は、実施形態3に記述したように、センサ15からの情報である、移動体10bの速度、加速度、もしくは位置の変化の少なくとも何れか一つの情報を参照する。
【0058】
本変形例によれば、遠隔撮像操縦システム1bは、移動体10が移動しているかどうかの判断をより適切に行うことが可能となる。
【0059】
〔変形例2〕
上述の実施形態3において説明した態様は、移動体10bが飛行体であってもよい。飛行体とは、移動体10bを垂直方向に移動させる機構を有するものである。
【0060】
本変形例によれば、遠隔撮像操縦システム1bは、地上から到達するのが難しい場所、例えば離島あるいは山間部などの撮像を可能とする。
【0061】
<実施形態1~3に係る付記事項>
上記の各実施形態においては、(i)撮像部11(11a)が撮像する映像の解像度、(ii)撮像部11(11a)が撮像する映像のフレームレート、(iii)エンコード部133によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)エンコード部133によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを、遠隔操縦装置30に送信される映像が2通りの映像品質に切り替わるように、映像制御部131が制御する構成例について説明した。これに限定されず、映像制御部131は、例えば移動体10(10a、10b)の速度に応じて、遠隔操縦装置30に送信される映像の映像品質が連続的または段階的に変化するように撮像部11等を制御する構成であってもよい。
【0062】
〔ソフトウェアによる実現例〕
移動体10、10a、10bの制御ブロック(特に通信部12および制御部13)および遠隔操縦装置30の制御ブロック(特に通信部31および制御部33)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0063】
後者の場合、移動体10、10a、10b、および遠隔操縦装置30は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0064】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る移動体(10、10a、10b)は、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体(10、10a、10b)の移動を規定する情報を取得する指示取得部(121)と、移動を規定する情報に応じて当該移動体(10、10a、10b)を移動させる駆動部(14)と、当該移動体(10、10a、10b)の周囲の映像を撮像する撮像部(11、11a)と、撮像部(11、11a)が撮像した映像をエンコードするエンコード部(133)と、当該移動体(10、10a、10b)の移動状況を特定する移動状況特定部(135)と、移動状況に応じて、(i)撮像部(11、11a)が撮像する映像の解像度、(ii)撮像部(11、11a)が撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコード部によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)エンコード部(133)によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御部(131)と、エンコード部(133)によるエンコード後の映像を出力する出力部(123)を備えている。
【0065】
上記の構成によれば、移動体(10、10a、10b)の移動速度に応じた解像度、あるいはビットレートにて映像を出力できる。
【0066】
本発明の態様2に係る移動体(10、10a、10b)は、上記態様1において、映像制御部(131)は、移動状況が、当該移動体(10、10a、10b)が停止中であることを示している場合、移動状況が、当該移動体(10、10a、10b)が移動中であることを示している場合よりも、(i)撮像部(11、11a)が撮像する映像の解像度、(ii)撮像部(11、11a)が撮像する映像のフレームレート、(iii)エンコード部(133)によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)エンコード部(133)によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを高くすることを備えることとしてもよい。
【0067】
上記の構成によれば、遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)は、後述する撮像部(11a)のカメラを切り替えることにより、より容易に、移動体(10、10a、10b)の移動速度に応じた解像度、あるいはビットレートにて映像を出力することが可能となる。
【0068】
本発明の態様3に係る移動体(10、10a、10b)は、上記態様1または2において、移動状況特定部(135)は、駆動部(14)に供給される制御信号を参照して当該移動体(10、10a、10b)の移動状況を特定することを更に備えることとしてもよい。
【0069】
上記の構成によれば、遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)は、移動体(10、10a、10b)が移動しているかどうかの判断を適切に行うことが可能となる。
【0070】
本発明の態様4に係る移動体(10、10a、10b)は、上記態様1または2において、移動状況特定部(135)は、移動状況として、駆動部(14)が駆動しているかを示す情報と、駆動部(14)に対するブレーキが作動しているかを示す情報との少なくとも何れかを取得することを更に備えることとしてもよい。
【0071】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0072】
本発明の態様5に係る移動体(10、10a、10b)は、上記態様1または2において、移動状況特定部(135)は、移動状況として、当該移動体(10、10a、10b)の速度を示す情報と、当該移動体(10、10a、10b)の加速度を示す情報と、当該移動体(10、10a、10b)の位置の変化を示す情報との少なくとも何れかを取得することを更に備えることとしてもよい。
【0073】
上記の構成によれば、遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)は、移動体(10、10a、10b)が移動しているかどうかの判断をより適切に行うことが可能となる。
【0074】
本発明の態様6に係る移動体(10、10a、10b)は、上記態様5において、飛行体であり、駆動部(14)は、当該移動体(10、10a、10b)を垂直方向に移動させる機構を有することを更に備えることとしてもよい。
【0075】
上記の構成によれば、遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)は、地上から到達するのが難しい場所、例えば離島あるいは山間部などの撮像を可能とする。
【0076】
本発明の態様7に係る遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)は、移動体(10、10a、10b)と操縦装置(30)とを備える遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)であって、移動体(10、10a、10b)は、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体(10、10a、10b)の移動を規定する情報を、操縦装置(30)から取得する指示取得部(121)と、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体(10、10a、10b)を移動させる駆動部(14)と、当該移動体(10、10a、10b)の周囲の映像を撮像する撮像部(11、11a)と、撮像部(11、11a)が撮像した映像をエンコードするエンコード部(133)と、当該移動体(10、10a、10b)の移動状況を特定する移動状況特定部(135)と、移動状況に応じて、(i)撮像部(11、11a)が撮像する映像の解像度、(ii)撮像部(11、11a)が撮像する映像のフレームレート、(iii)エンコード部(133)によりエンコードを行う映像の解像度、および(iv)エンコード部(133)によるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御部(131)と、エンコード部(133)によるエンコード後の映像を操縦装置(30)に出力する第1出力部(123)と、を備え、操縦装置(30)は、前記エンコード後の映像を、移動体(10、10a、10b)から取得する映像取得部(313)と、前記エンコード後の映像をデコードするデコード部(331)と、デコード部(331)によるデコード後の画像を表示する表示部(32)と、前記ユーザの指示を示す情報であって、移動体(10、10a、10b)の移動を規定する情報を取得する操作取得部(333)と、操作取得部(333)が取得した前記情報を、移動体(10、10a、10b)に出力する第2出力部(311)と、を備えている。
【0077】
上記の構成によれば、移動体(10、10a、10b)の移動速度に応じた解像度、あるいはビットレートにて映像を出力できる遠隔撮像操縦システム(1、1a、1b)を実現できる。
【0078】
本発明の態様8に係る方法は、移動体(10、10a、10b)を制御する方法であって、ユーザの指示を示す情報であって、当該移動体(10、10a、10b)の移動を規定する情報を取得する指示取得ステップと、前記移動を規定する情報に応じて当該移動体(10、10a、10b)を移動させる駆動ステップと、当該移動体(10、10a、10b)の周囲の映像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップが撮像した映像をエンコードするエンコードステップと、当該移動体(10、10a、10b)の移動状況を特定する移動状況特定ステップと、前記移動状況に応じて、(i)前記撮像ステップにおいて撮像する映像の解像度、(ii)前記撮像ステップにおいて撮像する映像のフレームレート、(iii)前記エンコードステップにおけるエンコードを行う映像の解像度、および(iv)前記エンコードステップにおけるエンコード後の映像のビットレートのうちの少なくとも一つを制御する映像制御ステップと、前記エンコードステップによるエンコード後の映像を出力する出力ステップと、を含んでいる。
【0079】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0080】
本発明の各態様に係る移動体(10、10a、10b)の制御ブロック(特に通信部(12)および制御部(13))および遠隔操縦装置(30)の制御ブロック(特に通信部(31)および制御部(33))は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記移動体(10、10a、10b)および遠隔操縦装置(30)が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記移動体(10、10a、10b)および遠隔操縦装置(30)をコンピュータにて実現させる移動体(10、10a、10b)および遠隔操縦装置(30)の制御プログラムおよび通信プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0081】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 遠隔撮像操縦システム
10、10a、10b 移動体
11、11a 撮像部
12 通信部
13 制御部
14 駆動部
15 センサ
30 遠隔操縦装置(操縦装置)
31 通信部
32 表示部
33 制御部
34 入力部
111 カメラA
113 カメラB
121 指示取得部
123 出力部(第1出力部)
131 映像制御部
133 エンコード部
135 移動状況特定部
141 ブレーキ
311 出力部(第2出力部)
313 映像取得部
331 デコード部
333 操作取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8