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特許7437938光源とそれを使用したマルチビューバックライト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】光源とそれを使用したマルチビューバックライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240216BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240216BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240216BHJP
【FI】
F21S2/00 482
F21S2/00 433
F21Y115:10
F21Y115:30
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019567570
(86)(22)【出願日】2017-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2017036647
(87)【国際公開番号】W WO2018226235
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2020-02-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
【合議体】
【審判長】中村 則夫
【審判官】藤井 昇
【審判官】沼生 泰伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183192(JP,A)
【文献】国際公開第2017/041073(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0264412(US,A1)
【文献】特開2009-54995(JP,A)
【文献】国際公開第2015/197832(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光を誘導するように構成されたプレート状光ガイドであって、前記光源が、導波光として誘導される光を提供するように前記プレート状光ガイドの入力端部に光学的に結合されている、プレート状光ガイドと、
前記プレート状光ガイドの長さに沿って互いに離間して配置された複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素が、マルチビューディスプレイのそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主要な角度方向を有する複数の指向性光ビームとして前記導波光の一部を前記プレート状光ガイドから結合出力するように構成される複数のマルチビーム要素と
を含む、マルチビューバックライトであって、
前記光源が、
前記光源の出力開口部に向かって光を放出するように構成された光エミッタと、
前記出力開口部の部分反射層であって、前記光エミッタから前記放出光を受け取り、前記受け取った光の一部を反射光として反射するように構成される部分反射層と、
前記部分反射層と前記光エミッタとの間に配置された散乱媒体であって、前記反射光を、前記反射光とは異なる方向を有する散乱光として散乱するように構成される散乱媒体と
を含み、
前記散乱光の一部は、前記光源から放出される再利用光として前記部分反射層に方向転換され
前記部分反射層が、プリズム要素、マイクロレンズ、フレネルレンズ、および第1の色の光を透過し、前記反射光として第2の色の光を反射するように構成される色選択フィルムのうちの1つまたはそれ以上を含む、マルチビューバックライト。
【請求項2】
前記光エミッタが発光ダイオードである、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項3】
前記散乱媒体が蛍光散乱粒子を含む、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項4】
前記蛍光散乱粒子が黄色蛍光体を含み、前記光エミッタが青色光を放出するように構成されている、請求項3に記載のマルチビューバックライト。
【請求項5】
前記蛍光散乱粒子は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、および青色蛍光体のうちの1つまたはそれ以上を備え、前記光エミッタは、UV光を放出するように構成される、請求項3に記載のマルチビューバックライト。
【請求項6】
前記散乱媒体は、反射により入射光を散乱するように構成された反射散乱粒子と、屈折により入射光を散乱するように構成された屈折散乱粒子の一方または両方を含む、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項7】
前記部分反射層は、コリメートフィルムの許容角度よりも大きい前記コリメートフィルムへの入射角を有する前記放出光の一部を前記反射光として反射するように構成された前記コリメートフィルムをさらに含む、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項8】
前記部分反射層は、ギャップによって前記散乱媒体から分離されている、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項9】
マルチビューバックライトであって、
光エミッタ、部分反射層、および前記光エミッタと前記部分反射層との間の散乱媒体を備える光源であって、光を放出するように構成される光源と、
前記放出光を導波光として受け取り、誘導するプレート状光ガイドと、
互いに異なる主要な角度方向を有し、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する複数の指向性光ビームとして、前記導波光の一部を前記プレート状光ガイドから結合出力するように構成されたマルチビーム要素と
を含み、
前記散乱媒体は前記部分反射層によって反射された光を前記反射光とは異なる方向を有する散乱光として散乱するように構成され、前記散乱光の一部は、前記光源によって放出される再利用光として前記部分反射層に方向転換され
前記部分反射層が、プリズム要素、マイクロレンズ、フレネルレンズ、および第1の色の光を透過し、前記反射光として第2の色の光を反射するように構成される色選択フィルムのうちの1つまたはそれ以上を含む、マルチビューバックライト。
【請求項10】
前記マルチビーム要素のサイズが、前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のサブピクセルのサイズの50パーセントから200パーセントの間である、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項11】
前記マルチビーム要素は、前記プレート状光ガイドに光学的に接続されて前記導波光の前記一部を結合出力する回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つを含む、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項12】
前記散乱媒体が散乱粒子を含み、前記散乱粒子が、蛍光放出により光を散乱するように構成された蛍光散乱粒子、反射により光を散乱するように構成された反射散乱粒子、および屈折によって光を散乱するように構成された屈折散乱粒子のうちの1つまたはそれ以上である、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項13】
前記散乱粒子は、黄色蛍光体を有する蛍光散乱粒子であり、前記光エミッタは、青色光を放出するように構成された発光ダイオードを含む、請求項12に記載のマルチビューバックライト。
【請求項14】
前記部分反射層が、
コリメートフィルムであって、反射光が、前記コリメートフィルムの許容角度よりも大きい入射角を有する入射光であるコリメートフィルムをさらに含む、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項15】
請求項に記載のマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイであって、前記複数の指向性光ビームの光ビームを変調するように構成されたライトバルブのアレイをさらに備え、前記アレイのライトバルブは、前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルのサブピクセルに対応し、前記アレイのライトバルブのセットが前記マルチビューピクセルに対応する、マルチビューディスプレイ。
【請求項16】
マルチビューバックライトにおいて用いられる光源動作の方法であって、前記方法は、
光エミッタを使用して光を放出するステップであって、前記放出光が前記光源の出力開口部に向けられる放出するステップと、
前記出力開口部の部分反射層を使用して、前記放出光の一部を反射光として部分反射するステップと、
前記光エミッタと部分反射層の間の散乱媒体を使用して、前記反射光を前記反射光とは異なる方向を有する散乱光として散乱するステップと
を含み、
前記散乱光の一部は、前記光源から放出される再利用光として部分反射層に方向転換され、
前記部分反射層が、プリズム要素、マイクロレンズ、フレネルレンズ、および第1の色の光を透過し、前記反射光として第2の色の光を反射するように構成される色選択フィルムのうちの1つまたはそれ以上を含み、
前記マルチビューバックライトは、
光を誘導するように構成されたプレート状光ガイドであって、前記光源の出力開口部が、導波光として誘導される光を提供するように前記プレート状光ガイドの入力端部に光学的に結合されている、プレート状光ガイドと、
前記プレート状光ガイドの長さに沿って互いに離間して配置された複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素の各マルチビーム要素が、マルチビューディスプレイのそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主要な角度方向を有する複数の指向性光ビームとして前記導波光の一部を前記プレート状光ガイドから結合出力するように構成される複数のマルチビーム要素を含む、方法。
【請求項17】
前記光エミッタが発光ダイオードを備え、前記散乱媒体が散乱粒子を備える、請求項16に記載の光源動作の方法。
【請求項18】
光を放出するステップが青色光の放出することを含み、前記反射光を散乱するステップが黄色蛍光体を使用した蛍光放出により散乱することを含む、請求項16に記載の光源動作の方法。
【請求項19】
部分反射層がコリメートフィルムをさらに含み、部分的に反射するステップが、前記部分反射層の許容角度より大きい入射角を有する前記コリメートフィルムに入射する光を反射することを含む、請求項16に記載の光源動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
なし
【0002】
連邦政府により資金提供された研究または開発に関する声明
なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、様々なデバイスや製品のユーザーに情報を伝達するためのほぼ至る所にある媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイには、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)、およびアクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)および電気機械式または電気流体式の光変調を使用する様々なディスプレイ(例えばデジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)が含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(つまり、光を発するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(つまり、別の光源から提供される光を変調するディスプレイ)に分類できる。アクティブディスプレイの最も明白な例には、CRT、PDP、OLED/AMOLEDがある。放射された光を考慮するときに一般的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCDとEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低消費電力を含むがこれに限定されない魅力的なパフォーマンス特性を示すことがよくあるが、光を発する能力がないことを考えると、多くの実際の適用で、使用が幾分制限される。
【0004】
放出光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイが外部光源に結合されている。結合された光源は、それらの結合しなければパッシブなディスプレイが光を発し、実質的にアクティブなディスプレイとして機能することを可能にし得る。そのような結合される光源の例は、バックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照らすために、結合しなければパッシブなディスプレイの背後に配置される光源(多くの場合、パネルバックライト)として機能できる。例えば、バックライトはLCDまたはEPディスプレイに接続できる。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を発する。放射された光は、LCDまたはEPディスプレイによって変調され、変調された光は次にLCDまたはEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは白色光を発するように構成されている。次に、カラーフィルターを使用して、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換する。カラーフィルターは、例えば、LCDまたはEPディスプレイの出力(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDまたはEPディスプレイの間に配置することができる。
【0005】
本明細書に記載の原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができ、類似の参照番号は類似の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における光源の断面図を示す。
【0007】
図1B】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光源の断面図を示す。
【0008】
図2】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、例で使用され得る様々な散乱機構を含む光源の一部の断面図を示す。
【0009】
図3A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における部分反射層を有する光源の一部の断面図を示す。
【0010】
図3B】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における部分反射層を有する光源の実施形態の一部の断面図を示す。
【0011】
図3C】本明細書に記載の原理と一致するさらに別の実施形態による、一例における部分反射層を有する光源の一部の断面図を示す。
【0012】
図4】本明細書に記載の原理に一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図を示す。
【0013】
図5】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における光源の動作の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は以下の[1]から[22]を含む。
[1]光源であって、
上記光源の出力開口部に向かって光を放出するように構成された光エミッタと、
上記出力開口部の部分反射層であって、上記光エミッタから上記放出光を受け取り、上記受け取った光の一部を反射光として反射するように構成される部分反射層と、
上記部分反射層と上記光エミッタとの間に配置された散乱媒体であって、上記反射光を、上記反射光とは異なる方向を有する散乱光として散乱するように構成される散乱媒体と
を含み、
上記散乱光の一部は、上記光源から放出される再利用光として上記部分反射層に方向転換される、光源。
[2]上記光エミッタが発光ダイオードである、上記[1]に記載の光源。
[3]上記散乱媒体が蛍光散乱粒子を含む、上記[1]に記載の光源。
[4]上記蛍光散乱粒子が黄色蛍光体を含み、上記光エミッタが青色光を放出するように構成されている、上記[3]に記載の光源。
[5]上記蛍光散乱粒子は、赤色蛍光体、緑色蛍光体、および青色蛍光体のうちの1つまたはそれ以上を備え、上記光エミッタは、UV光を放出するように構成される、上記[3]に記載の光源。
[6]上記散乱媒体は、反射により入射光を散乱するように構成された反射散乱粒子と、屈折により入射光を散乱するように構成された屈折散乱粒子の一方または両方を含む、上記[1]に記載の光源。
[7]上記部分反射層は、コリメートフィルムの許容角度よりも大きい上記コリメートフィルムへの入射角を有する上記放出光の一部を上記反射光として反射するように構成された上記コリメートフィルムを含む、上記[1]に記載の光源。
[8]上記部分反射層が、プリズム要素、マイクロレンズ、フレネルレンズ、第1の偏光を透過し、上記反射光として第2の偏光を反射するように構成された偏光選択フィルム、および第1の色の光を透過し、上記反射光として第2の色の光を反射するように構成される色選択フィルムのうちの1つまたはそれ以上を含む、上記[1]に記載の光源。
[9]上記部分反射層は、ギャップによって上記散乱媒体から分離されている、上記[1]に記載の光源。
[10]上記[1]に記載の光源を含むマルチビューバックライトであって、
光を誘導するように構成された光ガイドであって、上記光源は、上記光ガイドの入口端部に光学的に結合され、導波光として誘導される光を提供する光ガイドと、
上記光ガイドの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素のマルチビーム要素が、マルチビューディスプレイのそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主要な角度方向を有する、上記導波光の一部を複数の指向性光ビームとして上記光ガイドから結合出力するように構成される複数のマルチビーム要素と
をさらに含む、マルチビューバックライト。
[11]マルチビューバックライトであって、
光エミッタ、部分反射層、および上記光エミッタと上記部分反射層との間の散乱媒体を備える光源であって、光を放出するように構成される光源と、
上記放出光を導波光として受け取り、誘導する光ガイドと、
互いに異なる主要な角度方向を有し、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する複数の指向性光ビームとして、上記導波光の一部を上記光ガイドから結合出力するように構成されたマルチビーム要素と
を含み、
上記散乱媒体は上記部分反射層によって反射された光を散乱するように構成され、上記散乱光の一部は、上記光源によって放出される再利用光として上記部分反射層に方向転換される、マルチビューバックライト。
[12]上記マルチビーム要素のサイズが、上記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のサブピクセルのサイズの50パーセントから200パーセントの間である、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[13]上記マルチビーム要素は、上記光ガイドに光学的に接続されて上記導波光の上記一部を結合出力する回折格子、マイクロ反射要素、およびマイクロ屈折要素のうちの1つを含む、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[14]上記散乱媒体が散乱粒子を含み、上記散乱粒子が、蛍光放出により光を散乱するように構成された蛍光散乱粒子、反射により光を散乱するように構成された反射散乱粒子、および屈折によって光を散乱するように構成された屈折散乱粒子のうちの1つまたはそれ以上である、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[15]上記散乱粒子は、黄色蛍光体を有する蛍光散乱粒子であり、上記光エミッタは、青色光を放出するように構成された発光ダイオードを含む、上記[14]に記載のマルチビューバックライト。
[16]上記部分反射層が、
コリメートフィルムであって、反射光が、上記コリメートフィルムの許容角度よりも大きい入射角を有する入射光であるコリメートフィルム、
第1の偏光を有する入射光を透過し、上記反射光として第2の偏光を有する入射光を反射するように構成される偏光選択フィルム、および
第1の色の入射光を透過し、上記反射光として第2の色の入射光を反射するように構成された色選択フィルム
の1つまたはそれ以上を含む、上記[11]に記載のマルチビューバックライト。
[17]上記[11]に記載のマルチビューバックライトを備えるマルチビューディスプレイであって、上記複数の指向性光ビームの光ビームを変調するように構成されたライトバルブのアレイをさらに備え、上記アレイのライトバルブは、上記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルのサブピクセルに対応し、上記アレイのライトバルブのセットが上記マルチビューピクセルに対応する、マルチビューディスプレイ。
[18]光源動作の方法であって、
光エミッタを使用して光を放出することであって、上記放出光が上記光源の出力開口部に向けられる放出することと、
上記出力開口部の部分反射層を使用して、上記放出光の一部を反射光として部分反射することと、
上記光エミッタと部分反射層の間の散乱媒体を使用して、上記反射光を散乱光として散乱することと
を含み、
上記散乱光の一部は、上記光源から放出される再利用光として部分反射層に方向転換される、方法。
[19]上記光エミッタが発光ダイオードを備え、上記散乱媒体が散乱粒子を備える、上記[18]に記載の光源動作の方法。
[20]光を放出することが青色光の放出を含み、上記反射光を散乱することが黄色蛍光体を使用した蛍光放出による散乱を含む、上記[18]に記載の光源動作の方法。
[21]部分反射層がコリメートフィルムを含み、部分的に反射することが、上記部分反射層の許容角度より大きい入射角を有する上記コリメートフィルムに入射する光を反射することを含む、上記[18]に記載の光源動作の方法。
[22]光ガイドを使用して上記光源から放出された光を受け取ることと、
上記光ガイド内で上記受け取った光を導波光として誘導することと、
マルチビーム要素を使用して、複数の指向性光ビームとして上記導波光の一部を上記光ガイドから結合出力することであって、上記複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(directional light beams)は互いに異なる主要な角度方向を有し、上記異なる主要な角度方向はそれぞれにマルチビューディスプレイの様々なビュー方向に対応する、結合出力することと
をさらに含む、上記[18]に記載の光源動作の方法。
特定の例および実施形態は、上記で参照された図に示された特徴に加えて、およびその代わりの1つである他の特徴を有する。これらの機能およびその他の機能については、上記で参照した図を参照して以下で詳しく説明する。
【0015】
本明細書に記載の原理による例および実施形態は、光源、および光源を使用するマルチビューバックライトを、マルチビューまたは3次元(3D)ディスプレイに適用して提供する。特に、本明細書に記載の原理と一致する実施形態は、様々な実施形態において、輝度の向上および放出光のコリメーションの一方または両方を提供することができる光源を提供する。さらに、光源は、複数の異なる主要な角度方向を有する指向性光ビームを提供または放出するように構成されたマルチビーム要素を採用するマルチビューバックライトで使用されてもよい。様々な実施形態において、光源を使用するマルチビューバックライトによって放出される指向性光ビームは、マルチビュー画像のビュー方向または同等にマルチビューディスプレイのビュー方向に対応するまたは一致する方向を有し得る。本明細書に記載の光源およびマルチビューバックライトを採用するマルチビューディスプレイの使用には、携帯電話(スマートフォンなど)、時計、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ(ラップトップコンピュータなど)、パーソナルコンピュータおよびコンピュータモニタ、自動車ディスプレイコンソール、カメラのディスプレイ、その他の様々なモバイル、および実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーションとデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書において、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向でマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、異なる視点を表す、または複数のビューのうちのビュー同士の間の角度の差を含む、複数のビューとして定義される。さらに、本明細書では、「マルチビュー」という用語は、本明細書の定義により、明示的に2つ以上の異なるビュー(すなわち、最低3つのビューおよび一般に4つ以上のビュー)を含む。したがって、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体ディスプレイとは明確に区別される。ただし、マルチビュー画像およびマルチビューディスプレイには3つ以上のビューが含まれるが、本明細書での定義により、マルチビュー画像は、マルチビューのビューのうち2つだけを選択して一度に見る(例えば、片目に1つのビュー)ことによって、立体画像のペアとして見る(例えば、マルチビューディスプレイで)ことができることに留意されたい。
【0017】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれにおける「ビュー」ピクセルを表すサブピクセルのセットとして定義される。特に、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれのビューピクセルに対応する、またはビューピクセルを表す個々のサブピクセルを有することができる。さらに、マルチビューピクセルのサブピクセルは、本明細書の定義により、各サブピクセルが異なるビューの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられているという点で、いわゆる「方向性ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルのサブピクセルによって表される異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等または少なくとも実質的に同様の位置または座標を有し得る。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの{x,y}にあるビューピクセルに対応する個別のサブピクセルを有することができ、一方で第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれの{x,y}にあるビューピクセルに対応する個別のサブピクセルを有することができる、などである。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチビューピクセル内のサブピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてもよい。例えば、マルチビューピクセルは、64個の異なるビューを有するマルチビューディスプレイに関連付けられた64個のサブピクセルを提供し得る。別の例では、マルチビューディスプレイは8×4のビューの配列(すなわち32のビュー)を提供でき、マルチビューピクセルは32のサブピクセル(すなわち各ビューに1つ)を含むことができる。加えて、それぞれの異なるサブピクセルは、例えば、64個の異なるビューに対応するビュー方向の異なる1つに対応する関連する方向(例えば、光ビームの主要な角度方向)を有し得る。さらに、いくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの「ビュー」ピクセル(すなわち、選択されたビューを構成するピクセル)の数と実質的に等しくてもよい。例えば、ビューに640×480のビューピクセル(つまり、640×480のビューの解像度)が含まれる場合、マルチビューディスプレイには307,200のマルチビューピクセルがある。別の例では、ビューが100×100ピクセルを含む場合、マルチビューディスプレイは合計1万(つまり100×100=10,000)のマルチビューピクセルを含むことがあり得る。
【0019】
本明細書では、「光ガイド」は、全内面反射を使用して構造内で光を導く構造として定義される。特に、光ガイドは、光ガイドの動作波長で実質的に透明なコアを含んでもよい。様々な例では、「光ガイド」という用語は一般に、全内面反射を使用して、光ガイドの誘電材料と、その光ガイドを囲む材料または媒体との間の界面で、光を導く誘電体光導波路を指す。定義により、全内面反射の条件は、光ガイドの屈折率が、光ガイド材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも大きいことである。いくつかの実施形態では、光ガイドは、前述の屈折率差に加えて、またはその代わりにコーティングを含んで、全内面反射をさらに促進してもよい。コーティングは、例えば反射コーティングであってもよい。光ガイドは、いくつかの光ガイドのいずれかであり得、プレートまたはスラブガイドおよびストリップガイドの一方または両方を含むがこれらに限定されない。
【0020】
さらに本明細書では、「プレート状光ガイド」のように、光ガイドに適用される場合の「プレート」という用語は、「スラブ」ガイドと呼ばれることもある区分的または差動的に平坦な層またはシートとして定義される。特に、プレート状光ガイドは、光ガイドの上面および底面(すなわち、反対側の面)によって境界を定められた実質的に直交する2つの方向に光を導くように構成された光ガイドとして定義される。さらに、本明細書の定義により、いくつかの実施形態によれば、上面および底面は両方とも互いに分離され、少なくとも差動的な意味で互いに実質的に平行であってもよい。すなわち、プレート状光ガイドの任意の異なる小さなセクション内では、上面と底面は実質的に平行または同一平面上にある。他の実施形態では、プレート状光ガイドは、プレート状光ガイドを横切る距離に応じて上面と底面の間の空間が変化するくさび形状を有してもよい。特に、いくつかの実施形態では、くさび形状は、くさび形プレート状光ガイドの入端部(例えば、光源に隣接)から出力端部または終端までの距離とともに増加する、上面から底面までの間隔を含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、プレート状光ガイドは、実質的に平坦(すなわち、平面に限定)であり得、そのためプレート状光ガイドは平面光ガイドである。他の実施形態では、プレート状光ガイドは、1つまたは2つの直交する次元で湾曲していてもよい。例えば、プレート状光ガイドは、円柱状のプレート状光ガイドを形成するために一次元で湾曲していてもよい。しかし、任意の曲率は、光を導くためのプレート状光ガイド内で全内面反射が維持されるのを確実にするのに十分に大きい曲率半径を備える。
【0022】
本明細書の定義により、「マルチビーム要素」は、複数の光ビームを含む光を生成するように構成されたバックライトまたはディスプレイの構造または要素である。いくつかの実施形態において、マルチビーム要素は、バックライトの光ガイドに光学的に結合されて、光ガイド内で誘導される(guided)光の一部を散乱または結合出力する(coupling out)ことにより光ビームを提供し得る。さらに、マルチビーム要素によって生成される複数の光ビームのうちの光ビーム(the light beams)は、本明細書の定義により、互いに異なる主要な角度方向を有する。したがって、光線(the light beams)は「指向性」光ビーム('directional' light beams)と呼ばれ、複数(the plurality)は複数の指向性光ビーム(a plurality of directional light beams)(または複数の指向性光ビーム(a directional light beam plurality))と呼ばれることがある。特に、本明細書での定義により、複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(a directional light beam)は、複数の指向性光ビームの他の指向性光ビームとは異なる所定の主要な角度方向を有する。さらに、複数の指向性光ビームは光照射野を表してもよい。例えば、複数の指向性光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に限定されるか、複数の指向性光ビームにおける指向性光ビームの異なる主要な角度方向を含む所定の角度の広がりを有し得る。したがって、本明細書の定義により、組み合わせた指向性光ビームの所定の角度広がり(すなわち、複数の光ビーム)は、光照射野を表せる。様々な実施形態によれば、様々な指向性光ビームの異なる主要な角度方向は、マルチビーム要素のサイズ(例えば、長さ、幅、面積など)を含むがこれらに限定されない特性によって決定される。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書の定義により、「拡張した点の供給源」、すなわちマルチビーム要素の範囲全体に分布する複数の点光源と見なされ得る。
【0023】
本明細書では、「コリメータ」は、光をコリメートするように構成された実質的に任意の光学デバイスまたは装置として定義される。例えば、コリメータには、コリメートミラーまたはリフレクタ、コリメートレンズ(例えばフレネルレンズ)、コリメート層またはフィルム(例えば、プリズムフィルムまたは輝度向上層)、およびその様々な組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、コリメーティングリフレクタを備えるコリメータは、放物状の曲線または形状によって特徴付けられる反射面を有してもよい。別の例では、コリメーティングリフレクタは、成形された放物面リフレクタを備えてもよい。「成形された放物面」とは、成形された放物面反射鏡の湾曲した反射面が、所定の反射特性(コリメーションの度合いなど)を達成するために、決定された方法で、「真の」放物線の湾曲から逸脱することを意味する。同様に、コリメーティングレンズは、球面形状の表面(例えば、両凸球面レンズ)を備えてもよい。
【0024】
様々な実施形態によれば、コリメータによって提供されるコリメーションの量は、所定の程度または量で実施形態ごとに変動してもよい。さらに、コリメータは、2つの直交する方向(例えば、垂直方向および水平方向)の一方または両方でコリメーションを提供するように構成されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態によれば、コリメータは、光コリメーションを提供する2つの直交方向の一方または両方の形状を含むことができる。本明細書では、「コリメート光」または「コリメート光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が光ビーム(例えば、導波光404)内で互いに実質的に平行である光ビームとして定義される。さらに、コリメート光ビームから発散または散乱される光線は、本明細書の定義により、コリメート光ビームの一部とは見なされない。本明細書では、「コリメーション係数」は、光がコリメーションされる度合いとして定義される。特に、コリメーション係数は、本明細書の定義により、コリメート光ビーム内の光線の角度の広がりを定義する。例えば、コリメーション係数σは、コリメート光のビーム内の光線の大部分が特定の角度の広がり内にあることを指定する場合がある(例えば、コリメート光ビームの中心または主要な角度方向を中心として+/-σ度)。いくつかの例によれば、コリメート光ビームの光線は角度に関してガウス分布を有し、角度の広がりはコリメート光ビームのピーク強度の半分によって決定される角度であり得る。
【0025】
本明細書において、「光源」は、光源(例えば、光を生成および放出するように構成された光エミッタ)として定義される。例えば、光源は、活性化またはオンにされると光を発する発光ダイオード(LED)などの光エミッタを備えてもよい。特に、本明細書では、光源は、実質的に任意の光源であるか、発光ダイオード(LED)、レーザー、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光灯、白熱灯、および実質的に任意の他の光源のうちの1つまたはそれ以上を含むがこれらに限定されない実質的に任意の光エミッタを含むことができる。光源によって生成された光は、色を有していても(つまり、特定の波長の光を含んでも)、ある範囲の波長(例えば白色光)であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は複数の光エミッタを備えてもよい。例えば、光源は、少なくとも1つの光エミッタが、セットまたはグループの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色または波長とは異なる色または同等の波長を有する光を生成する光エミッタのセットまたはグループを含むことができる。異なる色には、例えば原色(例えば、赤、緑、青)が含まれる場合がある。
【0026】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたはそれ以上の」という意味を有することを意図している。例えば、「a multibeam element」とは、1つまたはそれ以上のマルチビーム要素を意味し、そのため、本明細書では「the multibeam element」は「the multibeam element(s)」を意味している。また、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(up)」、「下(down)」、「前(front)」、「後ろ(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」または「右(right)」は、本明細書では制限を意図するものではない。本明細書において、「約」という用語は、他に明示的に明記しない限り、値に適用される場合、通常、値を生じるために使用される機器の許容範囲内であることを意味し、または、プラスまたはマイナス10%、プラスまたはマイナス5%、またはプラスまたはマイナス1%を意味する場合がある。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、過半数、またはほぼすべて、またはすべて、または約51%から約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを目的とするものであり、限定目的ではなく、論じる目的で提示されている。
【0027】
本明細書で開示される原理に従って、光源が提供される。図1Aは、本明細書に記載の原理に一致する実施形態による、一例における光源100の断面図を示す。図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光源100の断面図を示す。特に、図1A図1Bは、図4を参照して以下により詳細に説明するように、例えばマルチビューバックライトに有用な光源100の様々な実施形態を示している。
【0028】
様々な実施形態によれば、光源100は光エミッタ110を含む。いくつかの実施形態では、光エミッタ110は、発光ダイオード(LED)またはレーザ(例えば、レーザダイオード)を含むがこれらに限定されない様々な光エミッタのいずれかであるか、それを含み得る。光エミッタ110は、放出光112として光を放出するように構成される。様々な実施形態において、放出光112は、光源100の出力開口部102に向かって一般的な方向に光エミッタ110によって方向付けられ得る。これに関連して、光エミッタ110がLEDを含む場合、光源100はLEDパッケージと呼ばれる場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、光エミッタ110は、比較的コリメートされていない形態で、または比較的広いビーム幅(例えば、約90度を超える)を有する光のビームとして、放出光112を提供し得る。
【0029】
図示されるように、光源100は、出力開口部102に、またはそれに隣接する部分反射層120をさらに含む。部分反射層120は、光を受け取り、受け取った光の一部を反射光114として反射するように構成される。例えば、部分反射層120は、光エミッタ110から放出光112を受け取り、その一部を反射光114として反射するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、反射されない受け取った光は、出力光118として部分反射層120を通過し得る。様々な実施形態によれば、出力光118は、光源100によって生成されるか、光源100から放出される光を表す。
【0030】
図1Aおよび図1Bに示されるように、光源100は散乱媒体130も含む。散乱媒体130は、光エミッタ110と部分反射層120との間に配置されている。散乱媒体130は、反射光114を、反射光114とは異なる方向を有する散乱光116として散乱するように構成される。加えて、散乱媒体130は、以下でさらに説明するように、放出光112の一方または両方、さらには散乱光116自体さえも追加的に散乱し得る。様々な散乱機構を介した散乱媒体130は、光源100の全体的な能力(例えば、輝度、効率など)を高めるために光の再利用を提供し得る。特に、散乱光の一部は、出力光118の一部として光源100から放出される再利用光117として、部分反射層に向けて方向転換されてもよい。
【0031】
様々な実施形態によれば、散乱媒体130は散乱粒子132を含む。例えば、散乱媒体130は、図示のように複数の散乱粒子132を含むことがある。いくつかの実施形態では、散乱粒子は、散乱媒体130全体にランダムに、または少なくとも実質的にランダムに分散させることができる。散乱媒体130(より具体的には散乱粒子132)は、入射光を受け取り、光を散乱光116として散乱するように構成される。一般に、散乱光116は、入射光の方向とは異なる方向に散乱される。様々な実施形態によれば、入射光は、光エミッタ110から放出される放出光112、および部分反射層120から反射される反射光114のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。加えて、入射光は、散乱媒体130自体によって散乱された散乱光116も含み得る。例えば、図1Aは、入射光として散乱媒体130の散乱粒子132に入射する放出光を示している。図1Bは、部分反射層120からの反射光114を含む散乱粒子132での入射光、および別の散乱粒子132によって生成された散乱光116を含む入射光を示している。
【0032】
いくつかの実施形態では、入射光は、光源100内の他の反射要素、構造または表面によって反射される光を含んでもよい。例えば、散乱粒子132に加えて、散乱媒体130内に他の反射要素または構造が存在してもよい。さらに、入射光は、ハウジング壁などであるがこれに限定されない光源100に存在する他の構造からの反射光または散乱光であってもよい。例として、図1Bは、光源100内のハウジング壁(例えば、光学ハウジング140の内側底面140aとして以下に説明される)によって反射されて反射散乱光116’になる散乱光116も示している。また、図1Bに示すように、いくつかの例では、反射散乱光116’は、入射光として散乱粒子132に入射する場合がある。例示的な散乱粒子132を含む様々な異なる反射および散乱要素は、いくつかの非限定的な例として以下により詳細に説明される。
【0033】
様々な実施形態において、反射光114および散乱光116の一部の一方または両方の一部は、再利用光117として部分反射層120に方向転換され得る。次に、再利用光117は、出力光118(または少なくともその一部)として光源100から放射され得る。放出光112、反射光114、および散乱光116の特定の非限定的な例の組み合わせが図1Bに示されている。また、出力光118として部分反射層120を最終的に通過する例示的な組み合わせから生じる再利用光117も示されている。図1Aはまた、反射光114の散乱から生じる再利用光を示している。
【0034】
光源100によって放射され得る出力光118を表す、結果として生じる光線パターン118aは、図1Bにさらに示される。様々な実施形態によれば、出力光118および結果として生じる光線パターン118aは、放出光112、散乱光116(図示せず)、および再利用光117のうちの1つまたはそれ以上を含む。光源100によって示される光線パターン118aは、いくつかの実施形態では、従来の光源によって提供されるものよりも限定され、全方向性が低くなる場合がある。すなわち、光源100は、例えば、図示のように、特定の光線パターン118aを有する出力光118を生成するために、放出光112のコリメーションを提供し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、散乱粒子132は、反射により光を散乱させるように構成された反射粒子であってもよい。他の実施形態では、散乱媒体130は、蛍光散乱により散乱光116を提供するように構成された蛍光体を含む散乱粒子132を有してもよい。例えば、散乱粒子132は、蛍光散乱粒子132であってもよい。さらに他の実施形態では、散乱媒体130は、屈折散乱または別の散乱機構により光を散乱するように構成された散乱粒子132を含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、散乱媒体130は、蛍光発光または散乱を提供し、蛍光散乱を提供するように構成された散乱粒子132として含むことができる(すなわち、「蛍光」散乱粒子132)。さらに、蛍光散乱粒子132は、図示のように、マトリックス134内に維持されるか、マトリックス134によって支えられてもよい。本明細書で使用される場合、蛍光または同等の蛍光散乱は、短波長、例えば非限定的にX線、紫外線または青色光の入射放射の結果として特定の物質によって放出される可視または不可視の放射として定義され、それらを指す。蛍光散乱粒子132の例としては蛍光体を含む粒子が挙げられ、例えば限定されないが、黄色蛍光体が挙げられる。例えば、光エミッタ110は、放出光112として青色光を放出するように構成されたLED(すなわち、青色LED)であってもよい。次に、散乱媒体130は、黄色蛍光体を含む複数の蛍光散乱粒子132を含むことができる。蛍光散乱粒子132は、例えば、マトリックス134内に維持されてもよい。この例では、黄色蛍光散乱粒子132は、光エミッタ110の青色LEDから青色光を受け取り、散乱光116として蛍光放射によって黄色光を放出するように構成される。
【0037】
特に、黄色蛍光散乱粒子132は、青色LEDベースの光エミッタ110によって提供される青色放出光112を受け取ることができる。青色放出光112は、蛍光散乱粒子132の黄色蛍光体によって吸収されることが可能であり、その後、散乱光116として蛍光を通して黄色光を放出する。次に、光源100によって出力される出力光118は、散乱光116として提供される黄色光の組み合わせであり得る。様々な例によれば、黄色散乱光116と青色放出光112の組み合わせは、人間の目には白色光のように見えることがある(すなわち、放出光は白色光である、または白色光のように見える)。
【0038】
白色光(または見かけ上白色光)を生成できる様々な青色LED/黄色蛍光体の組み合わせがある。例えば、組み合わせは、InGaN LED(すなわち、青色LED)およびYAG:Ce3+(YAl12:Ce3+)蛍光体(黄色蛍光体)を含み得る。当然、他の様々な青色LEDベースの光エミッタ110および他の黄色蛍光体ベースの蛍光散乱粒子132の組み合わせを使用して、出力光118として白色光を生成することができる。加えて、他のLED、例えばこれらに限定されないが、緑色LEDおよび赤色LEDを光エミッタ110として使用し、蛍光散乱粒子132としてまたは蛍光散乱粒子132で使用される様々な蛍光体と組み合わせて、白色光ならびに他の様々な光の色をした光を生成することができる。これらはすべて、本明細書に記載の原理によって考慮される範囲内にある。
【0039】
他の実施形態では、光エミッタ110は、放出光112として紫外線(UV)または近UV光を放出するように構成されてもよい。例えば、光エミッタ110は、UVまたは近UV LEDを備えてもよい。これらの実施形態では、散乱媒体130は、蛍光散乱粒子132として、赤色蛍光体、緑色蛍光体、および青色蛍光体のうちの1つまたはそれ以上のアセンブリまたは組み合わせを含むことができる。このような赤、緑、および青の蛍光体の組み合わせから散乱または放出される散乱光116は、例えば、ダウンコンバージョンとして公知のプロセスにより、白色になっているか、白色に見える場合がある。当然、散乱媒体130または同等に散乱粒子132に1つまたは2つだけの蛍光体を使用すると、色付きの光が散乱される可能性がある。特に、散乱光116は、使用される特定の蛍光体に応じて、白以外の色を有する場合がある。様々な実施形態によれば、結果として生じる散乱光116は、直接的または間接的に、部分反射層120に入射し、入射角または偏光に応じて、出力光118として通過するか、反射光114として反射してマトリックス134へと戻ってくることができる。いくつかの実施形態によれば、部分反射層120に入射する散乱光116は、再利用光117であり得る。
【0040】
上述のように、他の実施形態によれば、散乱粒子132の例は、反射性または屈折性散乱粒子も含み得る。反射散乱粒子132の例には、金または銀などの金属粒子が含まれるが、これらに限定されない。屈折散乱粒子132の例には、様々な酸化物、例えばSiOまたはTiOが含まれるが、これらに限定されない。反射または屈折散乱粒子132の場合、入射光の経路は、反射および屈折の一方または両方によって変化し(例えば、スネルの法則による)、それぞれ反射光と屈折光の一方または両方を含み得る再利用光117をもたらす。上記のように、入射光は、放出光112、反射光114、および散乱光116のうちの1つまたはそれ以上を含み得る。
【0041】
図2は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、例で使用することができる様々な散乱機構を含む光源100の一部の断面図を示す。散乱粒子132によって散乱光116を生成するための図2に示される例示的なメカニズムは、反射散乱粒子132a(すなわち、反射材料を含む散乱粒子132)による反射散乱、および蛍光散乱粒子132bによる蛍光散乱を含む。図示された反射散乱の例では、光エミッタ110によって放出される1つまたはそれ以上の放出光112(例えば、図1A図1Bに示される)、部分反射層120によって反射される反射光114、および散乱光116(例えば、別の散乱粒子132による)は、入射光として反射散乱粒子132aに入射し得る。次に、入射光は、散乱光116として反射散乱粒子132aによって反射され得る。
【0042】
図2に示される蛍光散乱の例では、蛍光散乱粒子132bは、蛍光または蛍光放出により散乱光116として入射光を散乱させる。反射散乱の例のように、入射光は、例えば、光エミッタ110によって放出される放出光112、部分反射層120によって反射される反射光114、および他の散乱粒子によって生成される散乱光116の1つまたはそれ以上を含み得る。上述のように、蛍光散乱粒子132bの散乱光116は、蛍光散乱粒子の蛍光体からの蛍光放出を含むことがある。様々な実施形態によれば、散乱光116の一部は、再利用光117(図2には明示的に示されていない)であり得る。図2には、完全性のために、部分反射層120によって反射された反射光114も示されている。反射および蛍光散乱粒子132a、132bを向いた矢印、またそれから離れる方向を指した矢印は、それぞれ、入射光および後のその散乱を、図2の散乱光116として示している。
【0043】
再び図1Aおよび図1Bを参照すると、散乱粒子132が維持または支持されるマトリックス134は、実質的に任意の光学的に透明な材料を含むことができる。例えば、マトリックス134は、限定されないが、シリコーンまたはエポキシなどの光学的に透明または実質的に透明な材料を含むことができる。様々な実施形態によれば、様々な他の光学的に透明な材料も同様に使用することができる。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、光源100は、光学ハウジング140をさらに備えてもよい。特に、図1A図1Bに示されるように、光エミッタ110および散乱媒体130は、光学ハウジング140内に収容され、光エミッタ110は、光学ハウジング140の内側底面140aに着座または隣接する。図示されるように、光学ハウジング140は、いくつかの実施形態では、傾斜壁140bをさらに含み得る。光学ハウジング140の内側底面140aおよび傾斜壁140bは反射性であってもよい。反射性の内側底面140aおよび傾斜壁140bは、例えば、放出光112、反射光114、および散乱光116のうちの1つまたはそれ以上を反射することにより、再利用光117の追加の供給源を提供し得る。さらに、傾斜壁140bの傾斜は、例えば再利用光117として出力開口部102に向かって優先的に光を向けるように構成されてもよい。別の実施形態では、内側底面140aおよび傾斜壁140bの一方または両方は、上述の散乱粒子132を形成するために使用される散乱材料のいずれかを含む(例えば、コーティングされる)ことができ、したがってこれらの粒子と同じ利点を提供できる。例えば、内側底面140aおよび傾斜壁140bは、蛍光放出により再利用光117として光を提供するために蛍光体でコーティングされてもよい。
【0045】
図1Bは、部分反射層120がプリズムフィルムを含む実施形態をさらに示している。いくつかの実施形態では、部分反射層120は、ギャップ106によって散乱媒体130から分離されてもよい。様々な実施形態において、ギャップ106は、部分反射層120またはマトリックス134のいずれかよりも低いインデックス(index)媒体を有する材料で満たされてもよい。ギャップ106を満たす材料の例には、非限定的に、空気および光学テープが含まれるが、これらは両方とも部分反射層120およびマトリックス134よりも低い屈折インデックスを有する。ギャップ106はまた、図1Aの部分反射層120で使用することができ、同じ考慮事項が適用される。いくつかの実施形態では、ギャップ106の寸法は、可能な限りゼロに近い場合がある。これに関連して、ギャップ106の寸法は、典型的には約数十マイクロメートル(μm)であるLEDの長さの主要寸法の約0から約100%の範囲であり得る。例として、ギャップ106は空気で満たされてもよく、寸法は約10μmであってもよい。
【0046】
上述のように、図1Bは、プリズム状フィルムの微細構造120’によって散乱媒体130に反射して戻る光線として放出光112を示している。反射されると、反射光114は、例えば図示のように、散乱光116として散乱粒子132によって散乱され得る。さらに、いくつかの例では、散乱光116は、例として示されるように、反射性の内側底面140aによってさらに反射され、別の散乱粒子132によっておそらく再び散乱され、次いで最終的に再利用光117になり得る。
【0047】
様々な実施形態では、部分反射層120のプリズムフィルムは、微細構造120’の許容角度内の放出光112(および散乱光および再利用光116、117も)を、コリメートされた出力光118として通過させる角度フィルターとして機能し得る。さらに、プリズムフィルムの微細構造120’は、散乱および反射の一方または両方、その後の再利用のために、許容角度内にない光を、散乱媒体130に反射して戻すことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、図1A図1Bに示される光源100は、従来のLEDパッケージと同等の光源サイズである非常にコンパクトなシステムであり得る。加えて、光源100は、部分反射層120によって反射される光が散乱粒子132および光学ハウジング140の内部反射面によって再利用されるという点で非常に効率的であり得る。いくつかの実施形態によれば、この光の再利用は、効率を高め、最終的に光源100の輝度を高めることができる。図1A図1Bに示される光源100は、図4を参照して以下に説明されるマルチビューバックライトを含むがこれに限定されない多種多様な適用に用途を見出すことができる。
【0049】
さらに、部分反射層120がコリメートフィルム(例えば、プリズムフィルムまたは輝度向上フィルム)を含む様々な実施形態では、コリメートフィルムは、従来のLEDパッケージで一般的に使用されるかさばるコリメーティングレンズを置き換えてもよい。これらの実施形態のいくつかでは、部分反射層120のコリメートフィルムの微細構造120’は、2次元(2D)、例えば三角形の断面を有する微細構造(例えば、図1Bに示されるような)、半円形断面のレンズ(図示せず)などであってもよい。これらの実施形態の他のもので、コリメートフィルム内の微細構造120’は、3次元(3D)、例えばピラミッド、半球などのアレイなどであってもよい。最後に、さらに他の実施形態では、微細構造120’は、2Dおよび3D構造の両方の組み合わせであり得る。さらに、上記の散乱プロセスは、粒子または体積散乱体に関して提示されている。しかし、蛍光体材料のプレートフィルムまたは光エミッタ110と部分反射層120との間のディフューザーフィルムなどの様々なフィルムおよび表面散乱体を代わりに使用してもよい。
【0050】
例えば、図1Bに示されるように、コリメートされた出力光118を提供するように構成された部分反射層120は、プリズム要素を備えてもよい。加えて、上記のように、様々な実施形態によれば、部分反射層120は、マイクロレンズ、フレネルレンズ、または偏光選択フィルムを含むことができる。図3Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における部分反射層120を有する光源100の一部の断面図を示す。特に、図3Aは、マイクロレンズ122、より具体的にはマイクロレンズ122のアレイを含む部分反射層120を示している。放出光112、散乱光116、および再利用光117は、出力光118としてマイクロレンズを通過してもよい。特に、光がマイクロレンズ122の許容角度内にある入射角で部分反射層120に入射する場合、光は通過して出力光118になり得る。しかし、様々な実施形態によれば、許容角度外の入射角を有する入射光は、再利用のために反射光114としてマトリックス134に反射して戻される。
【0051】
図3Bは、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における部分反射層120を有する光源100の実施形態部分の断面図を示す。特に、図3Bに示される部分反射層120は、フレネルレンズ124を含む。放出光112、散乱光116、および再利用光117は、出力光118としてフレネルレンズを通過してもよい。特に、フレネルレンズ124を含む部分反射層120に入射する光がフレネルレンズ124の許容角度内にある入射角を有する場合、入射光は通過して出力光118になる。フレネルレンズ124の許容角度外の角度で入射する光は、再利用のために反射光114としてマトリックス134に反射して戻される。
【0052】
図3Cは、本明細書に記載の原理と一致するさらに別の実施形態による、部分反射層120を有する光源100の実施形態の一部の断面図を示す。特に、図3Cは、部分反射層120が偏光選択フィルム126を含む光源100を示している。偏光選択フィルム126は、第1の偏光(矢印A)を有する光を透過するように構成され、反射光114として第2の偏光(矢印B)を有する光を反射するようにさらに構成される。したがって、第1の偏光を有する光エミッタ110からの放出光112、散乱光116、および再利用光117(例えば、図1A図1Bに示す)は、偏光選択フィルム126を通過して出力光118になり得る。あるいは、部分反射層120の偏光選択フィルム126に入射する第2の偏光(矢印B)を有する放出光112、散乱光116、および再利用光117の任意の部分は反射されて、反射光114になり、それはひいては、上記のように再利用することができる。さらに別の実施形態(図示せず)では、部分反射層120は、第1の色の入射光を透過し、反射光として第2の色の入射光を反射するように構成された色選択フィルムを含み得る。
【0053】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、上述の光源100と実質的に類似している光源を備えるマルチビューバックライトが提供される。図4は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト400の断面図を示す。図4に示すマルチビューバックライト400は、互いに異なる主要な角度方向を有する複数の結合出力または指向性光ビーム402を提供するように構成されている(例えば、光照射野として)。特に、提供される複数の指向性光ビーム402は、様々な実施形態に従って、マルチビューディスプレイのそれぞれのビュー方向に対応する異なる主要な角度方向にマルチビューバックライト400から離れるように向けられる。いくつかの実施形態では、指向性光ビーム402を変調して(例えば、以下に説明するようにライトバルブを使用して)、3Dコンテンツを有する情報の表示を促進することができる。
【0054】
図4に示すように、マルチビューバックライト400は光ガイド410を含む。いくつかの実施形態によれば、光ガイド410はプレート状光ガイドであってもよい。光ガイド410は、光ガイド410の長さに沿って光を導波光404として誘導するように構成される。例えば、光ガイド410は、光導波路として構成された誘電材料を含むことができる。誘電材料は、誘電光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有してもよい。屈折率の差は、例えば、光ガイド410の1つまたはそれ以上のガイドモードに従って導波光404の全内面反射を促進するように構成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、光ガイド410は、光学的に透明な誘電材料の延長された実質的に平面のシートを含むスラブまたはプレート光導波路であってもよい。誘電材料の実質的に平面のシートは、全内面反射を使用して導波光404を誘導するように構成される。様々な例によれば、光ガイド410の光学的に透明な材料は、1つまたはそれ以上の様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリ-アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)および実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えばポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)を含むが、これらに限定されない様々な誘電材料のいずれかを含むか、それらから構成されてもよい。いくつかの例では、光ガイド410は、光ガイド410の表面(例えば、上面および底面の一方または両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含むことができる。クラッド層は、いくつかの例によれば、全内面反射をさらに促進するために使用されてもよい。
【0056】
さらに、いくつかの実施形態によれば、光ガイド410は、光ガイド410の第1の表面410’(例えば、「前側の」表面または面)と第2の表面410’’(例えば、「後ろ側の」表面または面)との間のゼロでない伝播角での全内面反射に従って導波光404を導くように構成される。特に、導波光404は、光ガイド410の第1の表面410’と第2の表面410’’との間をゼロでない伝播角で反射または「跳ね返る」ことにより伝播する。いくつかの実施形態では、異なる色の光を含む複数の導波光404は、異なる、色固有の、ゼロでない伝播角のそれぞれで光ガイド410によって誘導され得る。わかりやすくするために、図4にはゼロでない伝播角は示されていないことに留意されたい。しかし、伝播方向403を示す太い矢印は、図4の光ガイドの長さに沿った導波光404の一般的な伝播方向を示している。
【0057】
本明細書で定義されるように、「ゼロでない伝播角」は、光ガイド410の表面(例えば、第1の表面410’または第2の表面410’’)に対する角度である。さらに、様々な実施形態によれば、ゼロでない伝播角は、ゼロより大きく、かつ光ガイド410内の全内面反射の臨界角より小さい。例えば、導波光404のゼロでない伝播角は、約10度から約50度の間、またはいくつかの例では、約20度から約40度の間、または約25度から約35度の間であり得る。例えば、ゼロでない伝播角は約30度である。他の例では、ゼロでない伝播角は約20度、または約25度、または約35度であり得る。さらに、特定のゼロでない伝播角が、光ガイド410内の全内面反射の臨界角よりも小さくなるように選択される限り、特定の実装に対して特定のゼロでない伝播角が選択されてもよい(例えば、任意に)。
【0058】
光ガイド410内の導波光404は、ゼロでない伝播角(例えば、約30度から35度)で光ガイド410に導入または結合され得る。レンズ、ミラーまたは同様のリフレクタ、およびプリズム(図示せず)のうちの1つまたはそれ以上は、例えば、ゼロでない伝播角での導波光404として光ガイド410の入端部への光の結合を促進し得る。光ガイド410に結合されると、導波光404は、光ガイド410に沿って、一般に入端部から離れる方向に伝播する(例えば、図4のx軸に沿って指す太い矢印で示される)。
【0059】
いくつかの実施形態では、光ガイド410は、導波光404を「再利用」するように構成されてもよい。特に、光ガイドの長さに沿ってガイドされた導波光404は、伝播方向403とは異なる別の伝播方向403’でその長さに沿って元に戻されてもよい。例えば、光ガイド410は、光源に隣接する入端部の反対側の光ガイド410の端にリフレクタ(図示せず)を含むことができる。リフレクタは、導波光404を再利用導波光として入端部に向かって反射するように構成されてもよい。このように導波光404を再利用すると、導波光を、例えば以下に説明するマルチビーム要素に複数回利用可能にすることにより、マルチビューバックライト400の輝度(例えば、指向性光ビーム402の強度)を増加させることができる。
【0060】
図4では、再利用された導波光の伝播方向403’を示す太い矢印(例えば、負のx方向に向けられている)は、光ガイド410内の再利用された導波光の一般的な伝播方向を示している。代替的に(例えば、導波光の再利用とは対照的に)、他の伝播方向403’で伝播する導波光404を、(例えば、伝播方向403を有する導波光404に加えて)他の伝播方向403’で光ガイド410に光を導入することにより、提供することができる。
【0061】
図4に示すように、マルチビューバックライト400は、光ガイドの長さに沿って互いに間隔を空けた複数のマルチビーム要素420をさらに含む。特に、複数のマルチビーム要素420は、有限の空間によって互いに分離されており、光ガイドの長さに沿った個々の別個の要素を表している。すなわち、本明細書の定義により、複数のマルチビーム要素420は、有限(すなわち、非ゼロ)要素間距離(例えば、有限の中心間距離)に従って互いに間隔を空けられている。さらに、いくつかの実施形態によれば、複数のマルチビーム要素420は一般に、互いに交差したり、重なり合ったり、さもなければ互いに接触したりしない。そのため、複数の各マルチビーム要素420は、一般的に別個であり、マルチビーム要素420の他の要素から分離されている。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、複数のマルチビーム要素420は、一次元(1D)アレイまたは二次元(2D)アレイのいずれかに配置されてもよい。例えば、複数のマルチビーム要素420は、線形1Dアレイとして配置されてもよい。別の例では、複数のマルチビーム要素420は、長方形の2Dアレイまたは円形の2Dアレイとして配置されてもよい。さらに、アレイ(すなわち、1Dまたは2Dアレイ)は、いくつかの例では、規則的なアレイまたは均一なアレイであり得る。特に、マルチビーム要素420間の要素間距離(例えば、中心間距離または間隔)は、アレイにわたって実質的に均一または一定であり得る。他の例では、マルチビーム要素420間の要素間距離は、アレイ全体にわたり変えること、および光ガイド410の長さに沿って変えることの一方または両方ができる。
【0063】
様々な実施形態によれば、複数のマルチビーム要素420は、複数の指向性光ビーム402として導波光404の一部を結合出力するように構成される。特に、図4は、指向性光ビーム402を、光ガイド410の第1(または前側)の表面410’から方向付けられているように描かれた複数の分岐する印として示している。さらに、マルチビーム要素420のサイズは、様々な実施形態による、マルチビューディスプレイの上記で定義されたマルチビューピクセル406内のサブピクセル406’のサイズに匹敵する。マルチビューピクセル406は、議論を容易にする目的でマルチビューバックライト400とともに図4に示されている。本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むがこれらに限定されない様々な方法のいずれかで定義されてもよい。例えば、サブピクセル406’のサイズはその長さであってもよく、マルチビーム要素420の匹敵するサイズはマルチビーム要素420の長さであってもよい。別の例では、サイズは、マルチビーム要素420の面積がサブピクセル406’の面積に匹敵するような面積を指し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素420のサイズは、サブピクセルのサイズに匹敵しており、その結果マルチビーム要素のサイズがサブピクセルのサイズの約50パーセント(50%)から約200パーセント(200%)になる。例えば、マルチビーム要素サイズが「s」で示され、サブピクセルのサイズが「S」で示される場合(例えば、図4に示すように)、マルチビーム要素サイズsは式(1)で与えられる。
【数1】
他の例では、マルチビーム要素のサイズは、サブピクセルのサイズの約60%、またはサブピクセルのサイズの約70%より大きい、またはサブピクセルのサイズの約80%より大きい、またはサブピクセルのサイズの約90%より大きい、またマルチビーム要素がサブピクセルのサイズの約180%未満である、またはサブピクセルのサイズの約160%である、またはサブピクセルのサイズの約140%未満である、またはサブピクセルのサイズの約120%未満である。例えば、「匹敵するサイズ」では、マルチビーム要素のサイズは、サブピクセルのサイズの約75パーセント(75%)から約150パーセント(150%)の間である。別の例では、マルチビーム要素420は、マルチビーム要素のサイズがサブピクセルのサイズの約125パーセント(125%)から約85パーセント(85%)の間で、サブピクセル406’とサイズが匹敵していてもよい。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素420およびサブピクセル406’の匹敵するサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間の暗いゾーンを低減するか、いくつかの例では最小化するよう選択され得るが、同時に、マルチビューディスプレイのビュー間のオーバーラップを減少させるか、いくつかの例では、最小化するよう選択することができる。
【0065】
図4は、複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(the directional light beams)402を変調するように構成されたライトバルブ408のアレイをさらに示している。ライトバルブアレイは、例えばマルチビューバックライトを使用するマルチビューディスプレイ450の一部であってもよく、本明細書での議論を容易にするためにマルチビューバックライト400とともに図4に示されている。
【0066】
図4に示されるように、異なる主要な角度方向を有する指向性光ビーム402の異なるものは通過し、ライトバルブアレイ内のライトバルブ408の異なるものによって変調され得る。さらに、図示のように、アレイのライトバルブ408はサブピクセル406’に対応し、ライトバルブ408のセットはマルチビューディスプレイ450のマルチビューピクセル406に対応する。特に、ライトバルブアレイのライトバルブ408の異なるセットは、マルチビーム要素420の異なるものからの指向性光ビーム402を受けるおよび変調するように構成される。すなわち、図示のように、各マルチビーム要素420に対してライトバルブ408の1つの独特なセットがある。様々な実施形態では、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つまたはそれ以上を含むがこれらに限定されない、ライトバルブアレイのライトバルブ408として、異なるタイプのライトバルブを使用することができる。
【0067】
図4に示すように、第1のライトバルブセット408aは、第1のマルチビーム要素420aからの指向性光ビーム402を受け取り変調するように構成され、一方で第2のライトバルブセット408bは、第2のマルチビーム要素420bからの指向性光ビーム402を受け取り変調するように構成される。したがって、ライトバルブアレイ内の各ライトバルブセット(例えば、第1および第2のライトバルブセット408a、408b)は、それぞれ、異なるマルチビューピクセル406に対応し、ライトバルブセットの個々のライトバルブ408は、図4に示すように、それぞれのマルチビューピクセル406のサブピクセル406’に対応する。
【0068】
図4に示すように、サブピクセル406’のサイズは、ライトバルブアレイ内のライトバルブ408のサイズに対応し得ることに留意されたい。他の例では、サブピクセルのサイズは、ライトバルブアレイの隣接するライトバルブ408間の距離(例えば、中心間距離)として定義されてもよい。例えば、ライトバルブ408は、ライトバルブアレイ内のライトバルブ408間の中心間距離より小さくてもよい。サブピクセルのサイズは、例えば、ライトバルブ408のサイズ、またはライトバルブ408間の中心間距離に対応するサイズのいずれかとして定義されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、複数のマルチビーム要素420と対応するマルチビューピクセル406(例えば、ライトバルブ408のセット)との間の関係は、1対1の関係であってもよい。すなわち、同数のマルチビューピクセル406およびマルチビーム要素420が存在し得る。他の実施形態(図示せず)では、マルチビューピクセル406およびマルチビーム要素420の数は互いに異なっていてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、複数の隣接するマルチビーム要素420のペア間の要素間距離(例えば、中心間距離)は、例えば、ライトバルブセットによって表される、対応する隣接するマルチビューピクセル406のペア間のピクセル間距離(例えば、中心間距離)に等しくてもよい。例えば、図4に示すように、第1のマルチビーム要素420aと第2のマルチビーム要素420bとの間の中心間距離dは、第1のライトバルブセット408aと第2のライトバルブセット408bとの間の中心間距離Dに実質的に等しい。他の実施形態(図示せず)では、マルチビーム要素420および対応するライトバルブセットのペアの相対的な中心間距離は異なり得る。例えば、マルチビーム要素420は、要素間間隔(すなわち、中心間距離d)を有し得る。中心間距離dは、マルチビューピクセル406を表すライトバルブセット間の間隔(すなわち、中心から中心までの距離D)よりも大きいまたは小さいもののうちの1つである。
【0071】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素420の形状は、マルチビューピクセル406の形状、または同等に、マルチビューピクセル406に対応するライトバルブ408のセット(または「サブアレイ」)の形状に類似している。例えば、マルチビーム要素420は正方形の形状を有してもよく、マルチビューピクセル406(または対応するライトバルブ408のセットの配置)は実質的に正方形であってもよい。別の例では、マルチビーム要素420は、長方形の形状を有してもよく、すなわち、幅または横方向寸法よりも長きい長さまたは縦方向寸法を有してもよい。この例では、マルチビーム要素420に対応するマルチビューピクセル406(または同等にライトバルブ408のセットの配置)は、類似の矩形形状を有することができる。さらに他の例(図示せず)では、マルチビーム要素420および対応するマルチビューピクセル406は、三角形、六角形、および円形を含むか、または少なくともこれらに近似しているが、これらに限定されない様々な形状を有する。
【0072】
さらに(例えば、図4に示すように)、いくつかの実施形態によれば、各マルチビーム要素420は、指向性光ビーム402をただ1つのマルチビューピクセル406に提供するように構成される。特に、マルチビーム要素420の所与の1つについて、マルチビューディスプレイ450の異なるビューに対応する異なる主要な角度方向を有する指向性光ビーム402は、単一の対応するマルチビューピクセル406およびサブピクセル406’に実質的に限定される。すなわち、図4に示すように、マルチビーム要素420に対応する単一セットのライトバルブ408である。したがって、マルチビューバックライト400の各マルチビーム要素420は、マルチビューディスプレイ450の異なるビューに対応する異なる主要な角度方向のセットを有する(すなわち、指向性光ビームのセット402が異なるビュー方向のそれぞれに対応する方向を有する光ビームを含む)対応する指向性光ビームのセット402を提供する。
【0073】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素420は、導波光404の一部を結合出力するように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備えてもよい。例えば、異なる構造には、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはそれらの様々な組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、回折格子を備えるマルチビーム要素420は、異なる主要な角度方向を有する複数の指向性光ビーム402として導波光部分を回折的に結合出力するように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を含むマルチビーム要素420は、複数の指向性光ビーム402として導波光部分を反射的に結合出力するように構成され、またはマイクロ屈折要素を含むマルチビーム要素420は、屈折による、または屈折を使用した複数の指向性光ビーム402として導波光部分を結合出力する(すなわち、導波光部分を屈折的に結合出力する)ように構成される。
【0074】
マルチビューバックライト400は、光源430をさらに備えてもよい。特に、光源430は、図1A図1B図2および図3A図3Cを参照して上述した光源100と実質的に同様であってもよい。様々な実施形態によれば、光源430は、光ガイド410内に誘導される光を提供するように構成される。図4に限定ではなく例として示されるように、光源430は、光ガイド410の入射面または端部(入端部)に隣接して配置されてもよい。いくつかの実施形態では、光源430の光エミッタは、上述の光エミッタ110と実質的に同様である。例えば、光源430の光エミッタは、1つまたはそれ以上の発光ダイオード(LED)またはレーザー(例えば、レーザーダイオード)を含むがこれらに限定されない実質的に任意の光源を含むことができる。いくつかの実施形態では、光源430は、特定の色で示される狭帯域スペクトルを有する実質的に単色の光を生成するように構成されてもよい。特に、単色光の色は、特定の色の空間または色のモデル(例えば、赤緑青(RGB)の色のモデル)の原色である場合がある。他の例では、光源430は、実質的に広帯域または多色の光を提供するように構成された実質的に広帯域の光源として機能し得る。例えば、光源430は、例えば、光源100に関して上述したように、白色光を提供し得る。いくつかの実施形態では、光源430は、異なる色の光、例えば複数の光源100を提供するように構成された複数の異なる光エミッタを備えてもよい。いくつかの実施形態では、異なる光エミッタは、光の異なる色のそれぞれに対応する導波光の、異なる、色固有の、ゼロでない伝播角を有する光を提供するように構成されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、光源430は、光源430からの光をさらにコリメートするためにコリメータをさらに備えてもよい。コリメータは、コリメート光または部分コリメート光を受け取るように構成されてもよい。コリメータはさらに、受ケ取った光をさらにコリメートするように構成されている。特に、いくつかの実施形態によれば、コリメータは、ゼロでない伝播角を有し、所定のコリメーション係数に従ってコリメートされるコリメート光を提供することができる。コリメータはさらに、コリメート光を光ガイド410に伝達して、上述の導波光404として伝播するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト400は、導波光404の伝播方向403、403’に直交する光ガイド410を通る方向の光に対して実質的に透明になるように構成される。特に、いくつかの実施形態では、光ガイド410および離間した複数のマルチビーム要素420により、光が第1の表面410’および第2の表面410’’の両方を通って光ガイド410を通過することができる。マルチビーム要素420のサイズが比較的小さいことと、マルチビーム要素420の要素間の間隔が比較的大きいこと(例えば、マルチビューピクセル406との1対1の対応)の両方により、少なくとも部分的に透明性が促進され得る。さらに、特にマルチビーム要素420が回折格子を含む場合、いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素420は、光ガイド表面410’、410’’に直交して伝播する光に対して実質的に透明であってもよい。
【0077】
本明細書に記載の原理の他の実施形態によれば、光源の動作の方法が提供される。図5は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、光源の動作の方法500のフローチャートを示す。図5に示されるように、光源の動作の方法500は、光エミッタを使用して光を放出すること510を含む。様々な実施形態によれば、光は、光源の出力開口部に向かって放出される510。いくつかの実施形態では、光エミッタは、光源100に関して上述した光エミッタ110と実質的に同様であってもよい。例えば、光エミッタは、発光ダイオード(LED)を備えてもよい。光を放出すること510は、上述の放出光112と実質的に同様の光を生成し得る。さらに、いくつかの実施形態では、LEDによって放出される光510は、青色光または紫外光であってもよく、またはそれを含んでもよい。したがって、光を放出すること510は、例えば、青色光を放出すること、または紫外光を放出することを含み得る。いくつかの実施形態では、光源100は、黄色蛍光体を含む蛍光散乱粒子132のマトリックスを含むことができ、これにより、LEDによって放出される青色光によって活性化されると黄色蛍光が放出または散乱され、外見上、例えば白色光が生じる。
【0078】
方法500は、部分反射層を使用して、放出光の一部を反射光として部分的に反射すること520をさらに含む。いくつかの実施形態では、部分反射層は、光源100に関して上述した部分反射層120と実質的に同様であってもよい。例えば、部分反射層は、コリメートフィルムまたは層を備えてもよい。部分的に反射させること520は、コリメートフィルムの許容角度よりも大きい入射角を有するコリメートフィルムに入射する光を反射することを含むことができる。他の実施形態では、部分反射層は、第1の偏光を有する光を通過させ、第2の偏光を有する光を反射するように構成された偏光選択層であってもよい。これらの実施形態では、部分的に反射させること520は、第2の偏光を有する光を反射することを含み得る。さらに他の実施形態では、部分的に反射させること520は、例えば、部分反射層が色選択性である場合、特定の色(1または複数)の光を反射することを含み得る。
【0079】
図5に示されるように、光源動作の方法500は、光エミッタ110と部分反射層120との間の散乱媒体を使用して反射光を散乱させること530をさらに含む。散乱530はまた、放出光の散乱、およびいくつかの実施形態では散乱光の散乱も含み得る。様々な実施形態によれば、散乱光の一部は、光源開口部から放出される再利用光として部分反射層120に向けて方向転換することができる。いくつかの実施形態では、散乱媒体は、光源100に関して上述した散乱媒体130と実質的に同様であってもよい。特に、様々な実施形態において、散乱媒体は、上述の散乱媒体130の散乱粒子132と実質的に同様の1つまたはそれ以上のタイプの散乱粒子を含むことができる。散乱粒子は、同じく上述した散乱マトリックス134などのマトリックス内に維持されてもよい。例えば、散乱媒体は、ある色の光を別の色の光に変換する蛍光体などの散乱粒子を含んでもよい。例えば、蛍光体粒子は、実質的に黄色の蛍光体を含み、青色光を黄色光に変換してもよい。したがって、散乱530は、例えば黄色蛍光体を使用した蛍光散乱を含み得る。青色光と黄色光の組み合わせが白色光に見える場合があることに留意されたい。そのため、黄色の蛍光体を含む蛍光体粒子を含む散乱媒体で光エミッタ(例えば、青色LED)を使用して青色光を放出する510と、青色光(光エミッタから)と蛍光体粒子からの黄色光の組み合わせが生成できて、光源の出力開口部から白色光が放射されるに至る。さらに、散乱媒体は、反射光の青色光を黄色の再利用光として散乱する530。したがって、黄色の再利用された光は、放出された510の青色光とさらに組み合わされて、光源開口部に追加の白色光を提供し得る。他の実施形態では、散乱媒体は、例えば、蛍光体粒子によって提供される色の変換の代わりに、またはそれに加えて、反射または屈折に従って、光を散乱および方向転換または反射する粒子を含んでもよい。
【0080】
本方法の実施形態では、部分反射層は、コリメートフィルム、例えば、部分反射層120について上述したものと実質的に同様のコリメートフィルムを含むことができる。部分的に反射させること520は、コリメートフィルムの許容角度よりも大きい入射角を有するコリメートフィルムに入射する光を反射することを含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態(図示せず)では、光源100を動作させる方法500は、光ガイドを使用して光源から発せられた光を受け取ることをさらに含む。光ガイドは、上述の光ガイド410と実質的に同様であってもよい。方法500は、例えば、ゼロでない伝播角であることと、所定のコリメーション係数を有することの一方または両方など、導波光として光ガイド内で受け取った光を誘導することをさらに含むことができる。方法500は、マルチビーム要素を使用して、複数の結合出力されたまたは指向性の光ビームとして、導波光の一部を光ガイドから結合出力することをさらに含み得る。結合出力の光ビームまたは指向性光ビームは、互いに異なる主要な角度方向を有している。さらに、様々な実施形態によれば、異なる主要な角度方向は、マルチビューディスプレイのそれぞれ異なるビュー方向に対応する。
【0082】
このように、部分反射層を有する光源、光源を使用するマルチビューバックライト、および光源動作の方法の例および実施形態を説明してきた。上記の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例の一部を単に例示するものであることを理解されたい。明らかに、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5