(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】端末装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/73 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
H04M1/73
(21)【出願番号】P 2020102969
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 茂樹
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-68499(JP,A)
【文献】特開2017-207891(JP,A)
【文献】特表2018-505477(JP,A)
【文献】国際公開第2020/195148(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
前記端末装置の状態を検出するセンサと、
前記センサの計測値の履歴であるセンサログと前記端末装置の操作履歴とに基づいて、前記センサログの変動の大きさと前記端末装置の操作内容との関係を取得する関係性取得部と、
前記関係性取得部によって取得された関係に基づいて、検出された前記端末装置の前記操作内容から前記センサの今後の変動状態を予測し、予測された変動状態に基づいて前記センサを停止させるセンサ制御部と、を備える、端末装置。
【請求項2】
前記操作履歴は、前記端末装置において動作するアプリの操作履歴を含む、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記関係性取得部は、前記センサログの今後の変動が小さくなる場合に前記端末装置においてどのような操作がなされたかを示す第1の判定基準、及び、前記センサログの今後の変動が前記第1の判定基準における前記センサログの変動よりも大きくなる場合に前記端末装置においてどのような操作がなされたかを示す第2の判定基準を前記関係として取得する、請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記センサ制御部は、前記端末装置の前記操作内容から前記センサの今後の変動が大きくなると判定されたときに、前記センサを起動させる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記センサ制御部は、前記端末装置の前記操作内容から前記センサの今後の変動が小さくなると判定されたときに、前記センサを停止させる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記関係性取得部は、前記センサログの変動が小さくなるときの前記端末装置の前記操作に関連づけて、前記センサログの変動が小さくなっている期間を取得し、
前記センサ制御部は、前記センサを停止させてから前記期間の経過後に前記センサを起動させる、請求項5に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサの消費電力量を低減させることを目的とする情報処理装置が開示されている。情報処理装置は、センシングデータを取得する取得部と、センシングデータに基づいてモードを変更するモード変更部と、を備える。取得部は、モードの変更に基づいて、取得するセンシングデータを変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、スマートフォン等の端末装置に搭載された各種センサから取得したデータに基づいて、ユーザの行動状態を推定する技術がある。このような技術においては、ユーザの行動状態を正確に認識するために、常時連続的なデータをセンサから取得することが考えられる。しかしながら、センサが常時起動されている場合、端末装置における消費電力が増加し、ユーザによる端末装置の本来の利用を妨げる可能性がある。また、ユーザが端末装置を放置等した場合には、センサから取得されたデータにユーザの行動の情報が現れないため、その期間のセンサのデータを有用なデータとして扱えないことがある。
【0005】
本発明の一側面は、消費電力を低減させることが可能な端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る端末装置は、端末装置の状態を検出するセンサと、センサの計測値の履歴であるセンサログと端末装置の操作履歴とに基づいて、センサログの変動の大きさと端末装置の操作内容との関係を取得する関係性取得部と、関係性取得部によって取得された関係に基づいて、検出された端末装置の操作内容からセンサの今後の変動状態を予測し、予測された変動状態に基づいてセンサを停止させるセンサ制御部と、を備える。
【0007】
上記端末装置では、端末装置の操作内容から予測されるセンサの今後の変動状態に基づいて、センサが停止され得る。これにより、センサの今後の変動状態が小さくなると予測される場合に、センサを停止させておくことができる。このような構成では、センサを常時起動させておく必要がない。したがって、端末装置における消費電力を低減させることができる。なお、センサの変動状態の予測には、端末装置の操作内容を取得する必要があるが、操作内容の取得のために必要な電力はセンサの駆動に必要な電力に比べて非常に小さい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、消費電力を低減させることが可能な端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一例の端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】センサログの一例を説明するための図である。
【
図3】アプリログの一例を説明するための図である。
【
図4】センサログとアプリログとを同じ時間軸で描いた図である。
【
図5】端末装置の動作フローの一例を示すフロー図である。
【
図6】端末装置の動作フローの一例を示すフロー図である。
【
図7】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、一例に係る端末装置10の構成を示すブロック図である。端末装置10は、ユーザによって携帯されて使用される装置である。端末装置10を所有するユーザには、予めユーザを特定する情報であるユーザIDが付与されており、当該ユーザIDは端末装置10に予め記憶されている。端末装置10は、例えば、タッチスクリーン等の入力装置、画面(タッチスクリーン)のON/OFFスイッチ、マイク、スピーカ等を有しており、具体的には、携帯電話機やスマートフォン等に相当する。端末装置10は、移動体通信網等のネットワークに接続して無線通信を行う機能を有している。端末装置10は、ネットワークの接続先から送信されるアプリ(アプリケーション)を受信し、当該アプリを利用する機能を有している。アプリは、端末装置10に特定の機能を実行させるためのソフトウェアである。アプリは、ソフトウェアの機能上の分類を示すカテゴリ情報に関連づけられて端末装置10に保存されてもよい。例えば、カテゴリ情報は、アプリの配信元によって設定された分類であってもよい。カテゴリ情報に含まれるカテゴリは、一例として、ゲーム、動画、天気、学習等であってよい。
【0012】
端末装置10は、センサ20と制御装置30とを含む。センサ20は、端末装置10の状態を検出する。端末装置10の状態とは、端末装置10に加えられる外力等の状態、端末装置10の周囲の環境の状態等を含み得る。また、端末装置10の状態には、端末装置10の位置情報が含まれてもよい。一例のセンサ20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22とを含む。加速度センサ21は、端末装置10に生じた加速度を検出する装置である。加速度センサ21は、互いに直交する3軸の各軸方向の加速度を検出できる。
【0013】
ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度を検出する装置である。具体的には、ジャイロセンサ22は、端末装置10の互いに直交する3軸のそれぞれの軸回りの角速度を検出する。センサ20によって検出された計測値のデータ、すなわち、加速度センサ21によって検出された加速度データ、及び、ジャイロセンサ22によって検出された角速度データは、制御装置30に出力される。
【0014】
一例の制御装置30は、センサ20から取得される計測値のデータに基づいて、端末装置10のユーザの行動状態を推定してもよい。例えば、制御装置30は、センサ20の計測値のデータに基づいて、ユーザが歩行しているか否かの推定等を実行し得る。ユーザの行動状態の推定には公知の技術が利用され得る。
【0015】
また、制御装置30は、センサログ解析部31と、アプリログ解析部32と、関係性取得部33と、センサ制御部34とを含む。センサログ解析部31は、センサ20から取得されたセンサログを解析し、センサ20における計測値の変化の大きさを所定の時間ごとに判定する。
【0016】
図2は、センサログの一例を示す図である。
図2には、センサログと、センサログ解析部31によるセンサログの解析結果とが示されている。センサログは、センサ20による計測値(センサ計測値)の履歴である。図示例では、センサログが横軸を時間とし縦軸を計測値としたグラフとして示されているが、センサログは、経時的に蓄積された計測値のデータであれば、どのような形態であってもよい。例えば、センサログは、計測時刻と計測時刻における計測値とを含むデータであってよい。また、センサログは、それぞれのセンサについて生成されてよい。すなわち、センサ20が加速度センサ21とジャイロセンサ22とによって構成されている場合には、加速度センサ21についてのセンサログとジャイロセンサ22についてのセンサログとがそれぞれ生成される。
【0017】
図2に示すように、一例のセンサログ解析部31は、計測値の変化の有無(大小)を判定する。センサログ解析部31は、
図2に0≦t<t1、t1≦t<t2と示されるように、所定の時間における計測値を判定する。なお、センサログ解析部31によって判定される時間の長さは一定であってよい。以下、所定の時間を時間Δtという場合がある。なお、時間Δtは、任意に設定され得る。センサ20による計測値の変化の大小(有無)を判定する必要があるため、時間Δtは、例えば3分~20分程度(一例として5分又は10分)といった時間幅を有していてよい。センサログ解析部31は、センサ20の計測値の変化が大きい状態と、センサ20の計測値の変化が小さい状態とを判定するための閾値を設定する。なお、一般に、ユーザが端末装置10を携帯した状態で活動している場合、センサ20の計測値の変化は大きくなり、ユーザが端末装置10を携帯しておらず、端末装置10が放置等されている場合、センサ20の計測値の変化は小さくなる。
【0018】
センサログ解析部31によって設定される閾値は、時間Δtにおける計測値の変化の有無が判定可能であればどのように決められてもよい。例えば、センサログ解析部31は、センサ20によって計測された計測値の分散値を所定の時間Δtごとに算出してもよい。この場合、センサログ解析部31は、算出された分散値が設定された閾値以上であればセンサ20の計測値の変化が大きい状態であると判定し、分散値が閾値未満であればセンサ20の計測値の変化が小さい状態であると判定する。
【0019】
また、センサログ解析部31は、センサ20によって計測された計測値の平均値を所定の時間Δtごとに算出してもよい。この場合、センサログ解析部31は、算出された平均値が設定された閾値以上であればセンサ20の計測値の変化が大きい状態であると判定し、平均値が閾値未満であればセンサ20の計測値の変化が小さい状態であると判定する。なお、センサログ解析部31は、センサ20による計測値の最大値、最小値、中央値等のような計測値の変化の指標となる値を算出してもよい。その場合、センサログ解析部31は、変化の指標となる値について設定された閾値を参照して、各値に基づいて計測値の変化の大小(有無)を判定してもよい。
【0020】
図2では、所定の時間Δtに相当する0≦t<t
1及びt
1≦t<t
2の間に計測されたセンサ20の計測値に関して、平均値α1及び分散値β1並びに平均値α1及び分散値β1が算出されている。図示例では、平均値α1及び分散値β1並びに平均値α1及び分散値β1が閾値以上であることにより計測値の変化が大きい状態であると判定されている。なお、
図2に示される、センサログに変化が見られない時間帯においては、センサ20の計測値の平均値及び分散値が閾値未満となるため、変化の小さい状態であると判定される。
【0021】
センサ20の計測値の変化が大きい状態であると判定された場合、対応する期間(例えば、0≦t<t1)に対して変化が大きいことを示すフラグ(例えば「1」)が付与されてもよい。また、センサ20の計測値の変化が小さい状態であると判定された場合、対応する期間に対して変化が小さいことを示すフラグ(例えば「0」)が付与されてもよい。
【0022】
分散値の判定に用いられる閾値、及び、平均値の判定に用いられる閾値は、任意に設定され得る。また、閾値は、性別、年代、端末装置10の利用履歴のようなユーザを分類可能な任意の特徴に基づいて形成されるユーザ群ごとに設定されてもよい。一例において、閾値は、ユーザが睡眠中のときに取得されるセンサ20の計測値の平均値及び分散値であってもよい。この場合、ユーザが睡眠中であるか否かを推定する従来の技術が利用されてもよい。
【0023】
図3は、アプリログの一例を説明するための図である。
図3には、アプリログと、アプリログ解析部32によるアプリログの解析結果とが時間Δtごとに示されている。アプリログは、ユーザによる端末装置10の操作内容の履歴(操作履歴)であり、ユーザによる端末装置10の利用傾向を示し得る。操作履歴は、端末装置10に対する単純操作の履歴と、端末装置10において動作するアプリの操作の履歴とを含んでもよい。
図3では、端末装置10の単純操作を「操作A」等のように示し、アプリの操作を「アプリA」等のように示している。端末装置10の単純操作とは、例えば、端末装置10に設けられた入力装置の操作履歴であってもよい。一例として、「操作A」は、端末装置10の画面のオン/オフの操作であってもよい。また「操作B」は、端末装置10に設けられたタッチスクリーンによる入力操作であってもよい。アプリの操作は、アプリの起動に関する操作を含む。
【0024】
一例のアプリログ解析部32は、取得されたアプリログに基づいて、アプリログの特徴を導出する。例えば、アプリログ解析部32は、起動したアプリの種類、アプリの総起動回数、アプリの総利用時間、アプリのカテゴリごとの利用時間、画面のON/OFFの回数、画面のONからOFFまでの時間などを導出する。アプリログ解析部32は、センサログ解析部31によるセンサログの解析と同じ時間幅、且つ、同じタイミングで実行される。すなわち、アプリログ解析部32は、所定の時間Δtごとに、アプリログの解析結果を導出する。
【0025】
「起動したアプリの種類」は、時間Δtにおいてユーザによって起動されたアプリの種類の数であってよい。アプリの種類は、例えばアプリのカテゴリであってもよい。「アプリの総起動回数」は、時間Δtにおいてユーザがアプリを起動させた回数であってよい。例えば同じアプリを複数回にわたって起動した場合には、複数回が総起動回数にカウントされる。「アプリの総利用時間」は、時間Δtに起動された全てのアプリの利用時間の総和であってよい。「アプリのカテゴリごとの利用時間」は、時間Δtにおいてユーザによって起動されたアプリのカテゴリ(種類)ごとの利用時間であってよい。「画面のON/OFFの回数」は、時間Δtにおける端末装置10の画面のON/OFFの操作の回数であってよい。「画面のONからOFFまでの時間」は、時間Δtにおいて端末装置10の画面がON状態となってからOFF状態になるまでの時間であり、画面の駆動時間であってもよい。一例のアプリログ解析部32では、
図3にapp
1’等として示すように、起動したアプリの種類、アプリの総起動回数、アプリの総利用時間、アプリのカテゴリごとの利用時間、画面のON/OFFの回数、及び、画面のONからOFFまでの時間をそれぞれパラメータとして取得する。
【0026】
関係性取得部33は、センサ20の計測値の履歴であるセンサログと端末装置10の操作履歴であるアプリログとに基づいて、センサログの変動の大きさと端末装置10の操作内容との関係を取得する。一例において、関係性取得部33は、センサログ解析部31によって解析されたセンサログのデータと、アプリログ解析部32によって解析されたアプリログのデータとに基づいてセンサ20の変動の大きさと端末装置10の操作内容との関係を取得する。
【0027】
図4は、センサログとアプリログとを同じ時間軸で描いた図である。
図4に示すように、センサログには、計測値の変化が大きい時間帯と、計測値の変化が小さい時間帯(センサログに変化が見られない時間)とが存在する。ユーザが端末装置10を携帯していないことに基づいて計測値の変化が小さくなっているとすると、計測値が小さくなっている時間帯におけるセンサログはユーザの行動状態を反映していないことになる。例えば、センサログに基づいてユーザの行動状態を推定しようとする場合、ユーザの行動状態を反映しないセンサログは、いわゆるノイズに相当するため、不要なデータといえる。
【0028】
関係性取得部33は、センサログの今後の変動が小さくなる場合に端末装置10においてどのような操作がなされたかを示す第1の判定基準を取得し得る。例えば、関係性取得部33は、センサログ解析部31によってセンサ20の計測値の変化が小さいと判定された時間Δtごとに、アプリログ解析部32によるアプリログの解析結果を参照することで、第1の判定基準を取得してもよい。第1の判定基準は、アプリログの解析結果として取得されるパラメータを判定するための閾値であってもよい。例えば、計測値の変化が小さい時間Δtにおいてアプリの総起動回数を示すパラメータ、及び、動画に分類されるアプリの総利用時間を示すパラメータが大きい場合、関係性取得部33は、アプリの総起動回数についての閾値と、動画に分類されるアプリの総利用時間についての閾値とを取得してもよい。関係性取得部33は、センサログの変動が大きくなるときの端末装置10の操作に関連づけて、センサログの変動が小さくなっている期間ΔTを取得してもよい。なお、センサログの変化に関係なく出現するアプリログについては、ルールベース、TF-IDFなどの手法によって判定基準から除外されてもよい。
【0029】
また、関係性取得部33は、センサログの今後の変動が第1の判定基準におけるセンサログの変動よりも大きくなる場合に端末装置10においてどのような操作がなされたかを示す第2の判定基準を取得し得る。例えば、関係性取得部33は、センサログ解析部31によってセンサ20の計測値の変化が大きいと判定された時間Δtごとに、アプリログ解析部32によるアプリログの解析結果を参照することで、第2の判定基準を取得してもよい。第2の判定基準は、アプリログの解析結果として取得されるパラメータを判定するための閾値であってもよい。例えば、計測値の変化が大きい時間Δtにおいてアプリの総起動回数を示すパラメータが小さく、位置情報ゲームに分類されるアプリの総利用時間を示すパラメータが大きい場合、関係性取得部33は、アプリの総起動回数についての閾値と、位置情報ゲームに分類されるアプリの総利用時間についての閾値とを取得してもよい。関係性取得部33は、センサログの変動が大きくなるときの端末装置10の操作に関連づけて、センサログの変動が大きくなっている期間を取得してもよい。なお、センサログの変化に関係なく出現するアプリログについては、ルールベース、TF-IDFなどの手法によって判定基準から除外されてもよい。
【0030】
センサ制御部34は、センサ20のON/OFFを制御する。一例のセンサ制御部34は、関係性取得部33によって取得されたセンサログとアプリログとの関係に基づいて、検出された端末装置10の操作内容からセンサ20の今後の変動状態を予測し、予測された変動状態に基づいてセンサ20を停止させてもよい。例えば、センサ制御部34は、アプリログの解析結果として取得されるパラメータが第1の判定基準として設定された閾値よりも小さいときに、センサ20の今後の変動が小さくなると判定して、センサ20を停止させる。この場合、センサ制御部34は、関係性取得部33で取得された変動が小さくなっている期間ΔTの経過後にセンサ20を起動させてもよい。例えば、センサ制御部34は、アプリの総起動回数が所定の閾値より大きく、動画に分類されるアプリの総利用時間が所定の閾値よりも大きい場合に、センサ20を停止してもよい。
【0031】
また、他の例として、センサ制御部34は、関係性取得部33によって取得されたセンサログとアプリログとの関係に基づいて、検出された端末装置10の操作内容からセンサ20の今後の変動状態を予測し、予測された変動状態に基づいてセンサ20を起動させてもよい。例えば、センサ制御部34は、アプリログの解析結果として取得されるパラメータが第2の判定基準として設定された閾値よりも大きいときに、センサ20の今後の変動が大きくなると判定して、センサ20を起動させる。この場合、センサ制御部34は、関係性取得部33で取得された変動が大きくなっている期間の経過後にセンサ20を停止させてもよい。例えば、センサ制御部34は、アプリの総起動回数を示すパラメータが小さく、位置情報ゲームに分類されるアプリの総利用時間を示すパラメータが大きい場合に、センサ20を起動してもよい。
【0032】
続いて、端末装置10の動作について説明する。端末装置10では、事前に取得されたセンサログ及びアプリログに基づいて、センサログとアプリログとの関係性が取得される。そして、取得された関係性に基づいて、アプリログの状態から今後のセンサ20の変動が予測される。
【0033】
図5は、端末装置の動作フローの一例を示すフロー図である。
図5では、センサログとアプリログとの関係性を取得する際の動作が示されている。
図5に示すように、センサログとアプリログとの関係性を取得する場合、ます、センサログ解析部31がセンサログの変化の大小を判定し、閾値を取得する(ステップS11)。続いて、t
i≦t<t
i+1として例示される時間Δtにおけるセンサログが閾値以上か否かがセンサログ解析部31によって判定される(ステップS12)。ステップS12において、時間Δtにおけるセンサログが閾値以上であると判定された場合、センサの変化が大きいタイミングであることを示すフラグがセンサログ解析部31によって付与される(ステップS13)ステップS12において、時間Δtにおけるセンサログが閾値未満であると判定された場合、センサの変化が小さいタイミングであることを示すフラグがセンサログ解析部31によって付与される(ステップS14)。例えば、ステップS12からステップS14までの処理は、時間Δtよりも十分に長い時間にわたって取得されたセンサログの全期間について実施される。続いて、アプリログ解析部32がアプリログの傾向を取得する(ステップS15)。続いて、関係性取得部33が、時間Δtにおけるアプリ利用状況と、時間Δtにおけるセンサ状態と同様の状態が継続される期間とを取得する(ステップS16)。センサ状態が同様か否かは、センサ変化に応じて付与されるフラグに基づいて判定されてもよい。
【0034】
図6は、端末装置の動作フローの一例を示すフロー図である。
図6では、センサ制御部34によるセンサ20の制御動作が示されている。
図6に示すように、センサ20の制御動作においては、まず、直近の時間Δtにおけるアプリログが取得される(ステップS21)。ステップS21において、センサ制御部34は、アプリログの解析結果として各種のパラメータを取得する。続いて、センサ制御部34によって、取得されたアプリログがセンサの変化が大きいタイミングの条件を満たすか否かが判定される(ステップS22)。ステップS22において、条件を満たさないと判定された場合、センサ20が起動しているときには、所定の時間にわたってセンサ20が停止される(ステップS23)。一方、条件を満たすと判定された場合、センサ制御部34はセンサ20を起動させる(ステップS24)。ステップS24によってセンサ20が起動されてから、所定の期間ΔTが経過したかが判定され(ステップS25)、所定の期間ΔTが経過している場合には、ステップS21に戻る。
【0035】
以上説明した端末装置10では、端末装置10の操作内容から予測されるセンサ20の今後の変動状態に基づいて、センサ20が停止され得る。これにより、センサ20の今後の変動状態が小さくなると予測される場合に、センサを停止させておくことができる。例えば、アプリログの特徴がセンサ20の今後の変動状態が大きくなる条件を満たす場合にセンサ20を起動させ、アプリログの特徴がセンサ20の今後の変動状態が大きくなる条件を満たさない場合に、センサ20の今後の変動状態が小さくなると予測してセンサ20を停止させることができる。また、通常時においてセンサ20を起動させておき、アプリログの特徴がセンサ20の今後の変動状態が小さくなる条件を満たす場合にセンサ20を期間Tの間停止させてもよい。
【0036】
このような構成において、センサ20の変動状態の予測には、端末装置10の操作内容(アプリログ)を取得する必要があるが、操作内容の取得のために必要な電力はセンサ20の駆動に必要な電力に比べて非常に小さい。端末装置10では、消費電力の大きなセンサ20を常時起動させておく必要がないため、端末装置10における消費電力を低減させることができる。
【0037】
また、アプリログは、端末装置10において動作するアプリの操作履歴を含んでもよい。スマートフォンのような端末装置においては、ユーザの使用するアプリの内容がユーザの行動状態を反映しやすい。ユーザの行動状態は端末装置のセンサログに反映されやすいため、アプリログがアプリの操作履歴を含む場合には、アプリログとセンサログとの関連性を精度良く取得できる。
【0038】
関係性取得部33は、センサログの今後の変動が小さくなる場合に端末装置10においてどのような操作がなされたかを示す第1の判定基準、及び、センサログの今後の変動が大きくなる場合に端末装置10においてどのような操作がなされたかを示す第2の判定基準を取得してもよい。例えば、通常時においてセンサ20を起動させておく場合、第1の判定基準を用いることによって、センサ20の変動が小さくなる期間にセンサ20を効率的に停止させることができる。また、通常時においてセンサ20を停止させておく場合、第2の判定基準を用いることによって、センサ20の変動が大きくなる期間にセンサ20を効率的に起動させることができる。
【0039】
関係性取得部33は、センサログの変動が小さくなるときの端末装置10の操作に関連づけて、センサログの変動が小さくなっている期間を取得してもよい。この場合、センサ制御部34は、センサ20を停止させてから上記の期間の経過後にセンサ20を起動させてもよい。この構成では、センサの停止期間に過不足が生じることが抑制される。
【0040】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0041】
また、センサ制御部34は、センサ20に含まれる各種センサ(加速度センサ21、ジャイロセンサ22等)を一括で制御してもよいし、センサ20に含まれるセンサごとに制御してもよい。例えば、関係性取得部33は、加速度センサ21のための閾値と、ジャイロセンサ22のための閾値をそれぞれ設定してもよい。
【0042】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。
【0043】
例えば、本開示の一実施の形態における端末装置10は、本開示の方法を行うコンピュータとして機能してもよい。
図7は、本開示の端末装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の端末装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0044】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。端末装置10のハードウェア構成は、
図1に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0045】
端末装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0046】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0047】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、センサログ解析部31は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0048】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る通信制御方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0049】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0050】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0051】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0052】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0053】
また、端末装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0054】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0055】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0056】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0057】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0058】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0059】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリ、ソフトウェアアプリ、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0060】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0061】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0062】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0063】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々な情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々な情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0064】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0065】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0066】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0067】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0068】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…端末装置、20…センサ、33…関係性取得部、34…センサ制御部。