(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】乾燥装置、印刷システムおよび乾燥装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
F26B 13/10 20060101AFI20240216BHJP
F26B 21/04 20060101ALI20240216BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F26B13/10 D
F26B21/04 A
B41J2/01 125
B41J2/01 301
(21)【出願番号】P 2020138204
(22)【出願日】2020-08-18
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】木瀬 一夫
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-237548(JP,A)
【文献】特開2008-002738(JP,A)
【文献】特開2013-010182(JP,A)
【文献】特開2014-061616(JP,A)
【文献】特開2002-337309(JP,A)
【文献】特公昭39-013274(JP,B1)
【文献】特開2009-204286(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3208565(EP,A1)
【文献】特開2018-071862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 13/10
F26B 21/04
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に温風を噴射して前記対象物を乾燥させる乾燥炉と、
気体を加熱して温風を生成するメインヒータと前記乾燥炉とを接続する給気管と、
前記乾燥炉に接続された排気管と、
前記排気管に対して設けられ、前記乾燥炉から外部に温風を排気する排気ポンプと、
前記乾燥炉と前記排気ポンプとの間で前記排気管に設けられた排気側分岐点と、前記給気管に設けられた給気側分岐点とを接続する回収管と、
前記給気側分岐点と前記乾燥炉との間で前記給気管に対して設けられ、前記メインヒータから前記乾燥炉へ温風を供給する供給動作と、前記乾燥炉から前記排気管に排出された気体の一部を、前記回収管を介して前記乾燥炉に戻す回収動作とを実行する供給ポンプと、
前記メインヒータと前記給気側分岐点との間で前記給気管に対して設けられ、前記供給動作によって前記メインヒータから前記乾燥炉へ供給される温風の流量を調整する供給量調整器と、
前記回収管に対して設けられたアシストヒータと、
前記アシストヒータを停止させた状態で前記供給動作と前記回収動作とを前記供給ポンプにより実行する通常運転と、前記回収管内を流れる気体を前記アシストヒータにより加熱した状態で、前記供給動作により前記乾燥炉に供給される気体の流量を前記供給量調整器によって前記通常運転時よりも下げるとともに、前記通常運転時よりも前記排気ポンプの出力を下げつつ前記回収動作を実行する待機運転とを実行する制御部と
を備えた乾燥装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記待機運転において、前記供給量調整器によって前記給気管を閉じて、前記供給動作により前記乾燥炉に供給される温風の流量をゼロにする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記待機運転において前記排気ポンプの出力を停止する請求項1または2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記乾燥炉と前記排気ポンプとの間で前記排気管に対して設けられ、前記乾燥炉から前記外部へ向かう気体の流量を調整する排気量調整器をさらに備え、
前記制御部は、前記待機運転において、前記排気量調整器によって前記排気管を閉じる請求項3に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記メインヒータは、外部に設けられたユーティリティ設備である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記メインヒータを備え、
前記制御部は、前記待機運転時は、前記通常運転時よりも前記メインヒータの出力を下げる請求項1ないし4のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記メインヒータは、燃料を燃焼させることで気体を加熱する熱風発生装置である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項8】
前記アシストヒータは、通電によって発熱することで気体を加熱する電気ヒータである請求項1ないし7のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項9】
前記排気側分岐点と前記アシストヒータとの間で前記回収管に対して設けられて、前記排気側分岐点から前記給気側分岐点へ向かう気体の流量を調整する回収量調整器をさらに備える請求項1ないし8のいずれか一項に記載の乾燥装置。
【請求項10】
水性インクによって対象物に印刷を実行する印刷装置と、
前記対象物を乾燥させる請求項1ないし9のいずれか一項に記載の乾燥装置と
を備えた印刷システム。
【請求項11】
乾燥炉内の対象物に温風を噴射して前記対象物を乾燥させる乾燥装置の制御方法であって、
前記乾燥炉内での前記対象物の乾燥の実行に伴って通常運転を実行する工程と、
前記乾燥炉内での前記対象物の乾燥の中断に伴って待機運転を実行する工程と
を備え、
前記乾燥装置は、
気体を加熱して温風を生成するメインヒータと前記乾燥炉とを接続する給気管と、
前記乾燥炉に接続された排気管と、
前記排気管に対して設けられ、前記乾燥炉から外部に温風を排気する排気ポンプと、
前記乾燥炉と前記排気ポンプとの間で前記排気管に設けられた排気側分岐点と、前記給気管に設けられた給気側分岐点とを接続する回収管と、
前記給気側分岐点と前記乾燥炉との間で前記給気管に対して設けられた供給ポンプと、
前記メインヒータと前記給気側分岐点との間で前記給気管に対して設けられ、前記メインヒータから前記乾燥炉へ向かう温風の流量を調整する供給量調整器と
を備え、
前記供給ポンプは、前記メインヒータから前記乾燥炉へ温風を供給する供給動作と、前記乾燥炉から前記排気管に排出された気体の一部を、前記回収管を介して前記乾燥炉に戻す回収動作とを実行し、
前記通常運転では、前記回収管に対して設けられたアシストヒータを停止させた状態で前記供給動作と前記回収動作とを前記供給ポンプにより実行し、
前記待機運転では、前記回収管内を流れる気体を前記アシストヒータにより加熱した状態で、前記供給動作により前記乾燥炉に供給される気体の流量を前記供給量調整器によって前記通常運転時よりも下げるとともに、前記通常運転時よりも前記排気ポンプの出力を下げつつ前記回収動作を実行する乾燥装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乾燥炉内の対象物に温風を噴射して対象物を乾燥させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱風発生装置において化石燃料を燃焼させることで発生する熱によって生成した温風を対象物に噴射して対象物を乾燥させる技術が知られている。また、特許文献1の乾燥装置は、乾燥炉から排気された温風の一部を乾燥炉に回収することで、温風を乾燥に再利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような乾燥装置では、例えば対象物のロットが変更されるタイミング等において、乾燥が適宜中断される。この際、乾燥の中断期間に乾燥装置を稼働させておくと、燃料や電力といったエネルギーが無駄に消費されてしまう。一方、乾燥装置の稼働を停止させると、乾燥の再開の際に乾燥炉内の温度を乾燥に必要な温度まで上昇させるのに時間を要して、乾燥を速やかに再開できない。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、乾燥の中断期間におけるエネルギーの消費を抑えつつ、乾燥の速やかな再開を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乾燥装置は、対象物に温風を噴射して対象物を乾燥させる乾燥炉と、気体を加熱して温風を生成するメインヒータと乾燥炉とを接続する給気管と、乾燥炉に接続された排気管と、排気管に対して設けられ、乾燥炉から外部に温風を排気する排気ポンプと、乾燥炉と排気ポンプとの間で排気管に設けられた排気側分岐点と、給気管に設けられた給気側分岐点とを接続する回収管と、給気側分岐点と乾燥炉との間で給気管に対して設けられ、メインヒータから乾燥炉へ温風を供給する供給動作と、乾燥炉から排気管に排出された気体の一部を、回収管を介して乾燥炉に戻す回収動作とを実行する供給ポンプと、メインヒータと給気側分岐点との間で給気管に対して設けられ、供給動作によってメインヒータから乾燥炉へ供給される温風の流量を調整する供給量調整器と、回収管に対して設けられたアシストヒータと、アシストヒータを停止させた状態で供給動作と回収動作とを供給ポンプにより実行する通常運転と、回収管内を流れる気体をアシストヒータにより加熱した状態で、供給動作により乾燥炉に供給される気体の流量を供給量調整器によって通常運転時よりも下げるとともに、通常運転時よりも排気ポンプの出力を下げつつ回収動作を実行する待機運転とを実行する制御部とを備える。
【0007】
本発明に係る乾燥装置の制御方法は、乾燥炉内の対象物に温風を噴射して対象物を乾燥させる乾燥装置の制御方法であって、乾燥炉内での対象物の乾燥の実行に伴って通常運転を実行する工程と、乾燥炉内での対象物の乾燥の中断に伴って待機運転を実行する工程とを備え、乾燥装置は、気体を加熱して温風を生成するメインヒータと乾燥炉とを接続する給気管と、乾燥炉に接続された排気管と、排気管に対して設けられ、乾燥炉から外部に温風を排気する排気ポンプと、乾燥炉と排気ポンプとの間で排気管に設けられた排気側分岐点と、給気管に設けられた給気側分岐点とを接続する回収管と、給気側分岐点と乾燥炉との間で給気管に対して設けられた供給ポンプと、メインヒータと給気側分岐点との間で給気管に対して設けられ、メインヒータから乾燥炉へ向かう温風の流量を調整する供給量調整器とを備え、供給ポンプは、メインヒータから乾燥炉へ温風を供給する供給動作と、乾燥炉から排気管に排出された気体の一部を、回収管を介して乾燥炉に戻す回収動作とを実行し、通常運転では、回収管に対して設けられたアシストヒータを停止させた状態で供給動作と回収動作とを供給ポンプにより実行し、待機運転では、回収管内を流れる気体をアシストヒータにより加熱した状態で、供給動作により乾燥炉に供給される気体の流量を供給量調整器によって通常運転時よりも下げるとともに、通常運転時よりも排気ポンプの出力を下げつつ回収動作を実行する。
【0008】
このように構成された本発明(乾燥装置および乾燥装置の制御方法)では、メインヒータから乾燥炉へ温風を供給ポンプによって供給する供給動作と、排気ポンプによって乾燥炉から排気管に排出された気体の一部を、供給ポンプによって回収管を介して乾燥炉に戻す回収動作とが実行される。そして、通常運転では、回収管に対して設けられたアシストヒータを停止させた状態で供給動作と回収動作とが実行される。こうして通常運転では、メインヒータで加熱された温風を供給動作により乾燥炉に供給しつつ、排気ポンプによって乾燥炉から排出された気体の一部が回収動作によって乾燥炉に回収されて再利用される。したがって、通常運転を実行することで、対象物を効率的に乾燥させることができる。
【0009】
一方、待機運転では、回収管内を流れる気体をアシストヒータにより加熱した状態で、供給動作により乾燥炉に供給される気体の流量を供給量調整器によって通常運転時よりも下げるとともに、通常運転時よりも排気ポンプの出力を下げつつ回収動作を実行する。こうして待機運転では、排気ポンプの出力が、通常運転時のそれよりも下がるため、排気ポンプで消費されるエネルギーが減少する。さらに、メインヒータから乾燥炉に供給される気体の流量が通常運転でのそれと比較して低下するため、メインヒータの出力を抑えることも可能となる。したがって、通常運転(換言すれば、乾燥)の中断期間には、待機運転を実行することで、エネルギーの消費を抑えることができる。さらに、待機運転の回収動作では、回収管内を流れる気体がアシストヒータによって加熱されてから乾燥炉に回収されるため、乾燥炉内の温度の低下を抑えることができる。したがって、乾燥の再開の際に乾燥炉内の温度を乾燥に必要な温度まで短時間で上昇させて、乾燥を速やかに再開することができる。こうして、本発明では、乾燥の中断期間におけるエネルギーの消費を抑えつつ、乾燥の速やかな再開を可能とすることが可能となっている。
【0010】
また、制御部は、待機運転において、供給量調整器によって給気管を閉じて、供給動作により乾燥炉に供給される温風の流量をゼロにするように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、待機運転時においてメインヒータから乾燥炉への温風の供給が停止する。そのため、メインヒータによるエネルギー消費を確実に抑えることが可能となる。
【0011】
また、制御部は、待機運転において排気ポンプの出力を停止するように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、待機運転時において排気ポンプのエネルギー消費をゼロに抑えることができる。
【0012】
また、乾燥炉と排気ポンプとの間で排気管に対して設けられ、乾燥炉から外部へ向かう気体の流量を調整する排気量調整器をさらに備え、制御部は、待機運転において、排気量調整器によって排気管を閉じるように、乾燥装置を構成してもよい。このような排気量調整器を備えた構成では、排気ポンプの停止に伴って、排気量調整器によって排気管を閉じるのが合理的である。
【0013】
また、メインヒータは、外部に設けられたユーティリティ設備であるように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、乾燥の中断時に待機運転を実行することで、乾燥装置が設置される環境に設けられたユーティリティ設備のエネルギー消費を抑えることが可能となる。
【0014】
また、メインヒータを備え、制御部は、待機運転時は、通常運転時よりもメインヒータの出力を下げるように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、待機運転時のメインヒータの出力が通常運転時のそれより下がる。そのため、メインヒータのエネルギー消費が抑えられる。
【0015】
また、メインヒータは、燃料を燃焼させることで気体を加熱する熱風発生装置であるように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、通常運転時(乾燥時)には、十分に昇温された温風を乾燥炉に供給することができる。また、待機運転時(乾燥中断時)には、熱風発生装置の出力を下げることができるため、熱風発生装置のエネルギー消費を抑えられるとともに、燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の発生量も抑えられる。
【0016】
また、アシストヒータは、通電によって発熱することで気体を加熱する電気ヒータであるように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、電気ヒータといった簡便な構成で、待機運転時に乾燥炉に回収される気体の温度を保つことができる。
【0017】
また、排気側分岐点とアシストヒータとの間で回収管に対して設けられて、排気側分岐点から給気側分岐点へ向かう気体の流量を調整する回収量調整器をさらに備えるように、乾燥装置を構成してもよい。かかる構成では、回収量調整器によって、乾燥炉に回収される気体の流量を適宜調整することができる。
【0018】
本発明に係る印刷システムは、水性インクによって対象物に印刷を実行する印刷装置と、対象物を乾燥させる上記の乾燥装置とを備える。したがって、乾燥の中断期間におけるエネルギーの消費を抑えつつ、乾燥の速やかな再開が可能となっている。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、乾燥の中断期間におけるエネルギーの消費を抑えつつ、乾燥の速やかな再開が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る印刷システムの一例を模式的に示す正面図。
【
図2】乾燥炉に温風を供給するために乾燥装置が備える温風供給ユニットを示すブロック図。
【
図3】温風供給ユニットにおいて実行される通常運転および待機運転の内容を示す図。
【
図4】温風供給ユニットの第1変形例を示すブロック図。
【
図5】温風供給ユニットの第2変形例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明に係る印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。印刷システム1は、繰出ローラ11から繰り出した印刷媒体Mを巻取ローラ12で巻き取ることによりロール・トゥ・ロールで印刷媒体Mを搬送しつつ、印刷媒体Mに対して印刷および乾燥を行う。印刷媒体Mとしては、紙あるいはフィルム等の種々の素材を利用できる。この印刷システム1は、繰出ローラ11と巻取ローラ12との間に、印刷装置2および乾燥装置4を備え、印刷媒体Mは、印刷装置2を通過してから乾燥装置4を通過する。
【0022】
印刷装置2は、印刷媒体Mの搬送方向に並ぶ複数のプリントバー21を備える。各プリントバー21は、印刷媒体Mに上方から対向して、水性インクをインクジェット方式で印刷媒体Mに吐出する。ただし、プリントバー21から吐出されるインクの種類は水性インクに限られない。かかる印刷装置2では、複数のプリントバー21から互いに異なる色のインクを吐出することで、プリントバー21の下方を通過する印刷媒体Mにカラー画像を印刷する。
【0023】
乾燥装置4は乾燥炉40を備え、印刷装置2から搬出されて乾燥炉40を通過する印刷媒体Mを乾燥させる。この乾燥炉40は、上段、中段および下段のそれぞれに配置された送風ユニット41(
図2)を備え、印刷媒体Mは、上段の送風ユニット41を通過した後に、上段の送風ユニット41の下方に配置された中段の送風ユニット41を通過する。さらに、印刷媒体Mは、中段の送風ユニット41を通過した後に、中段の送風ユニット41の下方に配置された下段の送風ユニット41を通過する。
【0024】
各送風ユニット41は送風チャンバ42を有する。送風チャンバ42は、印刷媒体Mの搬送方向に配列された複数のノズル43を有し、後述する温風供給ユニットUから供給された温風をノズル43から印刷媒体Mへ噴射する。上下に配置された2個の送風チャンバ42は対を構成し、印刷媒体Mはこれらの送風チャンバ42の間を通過する。つまり、上側の送風チャンバ42はその下方を通過する印刷媒体Mに温風を噴射し、下側の送風チャンバ42はその上方を通過する印刷媒体Mに温風を噴射する。また、各送風ユニット41では、印刷媒体Mの搬送方向に2個の送風チャンバ42の対が配列されている。
【0025】
さらに、乾燥炉40は、乾燥炉40内から気体を排出する排気ユニット46を有する。この排気ユニット46は、鉛直方向に配列された複数の排気チャンバ47を有し、これら排気チャンバ47は乾燥炉40の両端のそれぞれに設けられる。そして、排気チャンバ47から吸引された気体が乾燥炉40の外部に排気される。
【0026】
図2は乾燥炉に温風を供給するために乾燥装置が備える温風供給ユニットを示すブロック図である。温風供給ユニットUは、乾燥炉40に温風を供給する温風供給系統Csと、乾燥炉40から気体(印刷媒体Mの加熱に使用後の温風)を排気する気体排出系統Ceとを有する。上述のように乾燥装置4の乾燥炉40は、上段、中段および下段のそれぞれに送風ユニット41を備える。これに対して、上段、中段および下段にそれぞれ対応する3個の温風供給系統Csが設けられ、各温風供給系統Csは対応する段に配置された送風ユニット41に温風を供給する。また、乾燥装置4の設置環境には、上段、中段および下段にそれぞれ対応する3個のメインヒータHmが設けられている。そして、互いに同一の段に対応するメインヒータHmと温風供給系統Csとが相互に接続され、協働して動作する。なお、3個の温風供給系統Csは互いに同一の構成を具備するため、1個の温風供給系統Csについて主に説明を行い、他の温風供給系統Csについては相当符号を付して説明を省略する。3個のメインヒータHmについても同様である。
【0027】
この温風供給ユニットUは、温風供給系統Csおよび気体排出系統Ceを制御する制御部100を有する。制御部100は、プロセッサあるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成される。また、温風供給ユニットUは、UI(User Interface)110を有する。このUI110は、ユーザに入力された内容を制御部100に送信したり、制御部100からの指令に応じた報知をユーザに行ったりする。
【0028】
気体排出系統Ceは、乾燥炉40の排気ユニット46と乾燥装置4の外部とを接続する排気ダクトTeと、排気ダクトTeに取り付けられた排気ポンプPeとを有し、排気ポンプPeは、排気ダクトTe内の気体を乾燥炉40から外部へ向けて駆動する。つまり、排気ポンプPeは、乾燥炉40から排気ダクトTeに流出した気体を外部に排出することができる。また、制御部100は、排気ポンプPeに対してインバータ制御を実行することで、排気ポンプPeの回転数、すなわち出力を増減させる。こうして制御部100は、排気ポンプPeによって排気ダクトTeから外部へ排出される気体の流量を増減させる。さらに、気体排出系統Ceは、乾燥炉40と排気ポンプPeとの間で排気ダクトTeに取り付けられた排気ダンパDeを有する。したがって、制御部100は、排気ダンパDeの開度を増減することで、排気ポンプPeによって排気ダクトTeから外部に排気される温風の流量を増減させることができる。
【0029】
温風供給系統Csは、乾燥装置4外部のユーティリティ設備であるメインヒータHmと、乾燥炉40とを接続する給気ダクトTsを有する。メインヒータHmは、石炭、石油あるいはガスといった化石燃料を燃焼させることで発生した熱によって外気OAを加熱して、温風を生成する熱風発生装置である。また、温風供給系統Csは、給気ダクトTsに取り付けられた供給ポンプPsを有し、供給ポンプPsは、給気ダクトTs内の温風をメインヒータHmから乾燥炉40へ向けて駆動する。つまり、供給ポンプPsは、メインヒータHmから給気ダクトTsを介して乾燥炉40に温風を供給することができる。また、制御部100は、供給ポンプPsに対してインバータ制御を実行することで供給ポンプPsの回転数、すなわち出力を増減させる。こうして制御部100は、供給ポンプPsによって給気ダクトTsから乾燥炉40へ供給される温風の流量を増減させる。さらに、温風供給系統Csは、メインヒータHmと供給ポンプPsとの間で給気ダクトTsに取り付けられた供給ダンパDsを有する。そして、制御部100は、供給ダンパDsの開度を増減することで、供給ポンプPsによってメインヒータHmから給気ダクトTsに供給される温風の流量を増減させる。
【0030】
さらに、温風供給系統Csは、排気ダクトTeと給気ダクトTsとを接続する回収ダクトTrを有する。この回収ダクトTrは、乾燥炉40と排気ポンプPeとの間で排気ダクトTeに設けられた排気側分岐点Jeと、供給ダンパDsと供給ポンプPsとの間で給気ダクトTsに設けられた給気側分岐点Jsとの間を接続する。したがって、乾燥炉40から排気ダクトTeに排出された気体の少なくとも一部は、排気側分岐点Jeで回収ダクトTrに分岐して、給気側分岐点Jsで給気ダクトTsに流入する。こうして、排気ダクトTeから回収ダクトTrを介して給気ダクトTsに流入した気体は、供給ポンプPsによって乾燥炉40に再供給される。
【0031】
また、温風供給系統Csは、排気側分岐点Jeと給気側分岐点Jsとの間で回収ダクトTrに取り付けられたアシストヒータHaを有する。このアシストヒータHaは、例えば電熱線等で構成された電気ヒータであり、通電によって発熱することで回収ダクトTr内を流れる気体を加熱する。そして、制御部100は、アシストヒータHaをオンさせて、アシストヒータHaによる気体の加熱を実行したり、アシストヒータHaをオフさせてアシストヒータHaによる気体の加熱を停止したりする。
【0032】
かかる温風供給ユニットUでは、供給ポンプPsは、供給動作Msと回収動作Mrとを並行して実行する。ここで、供給動作Msは、メインヒータHmから給気ダクトTsを介して乾燥炉40に温風を供給する動作であり、回収動作Mrは、乾燥炉40から排気ダクトTeに排出された気体の少なくとも一部を回収ダクトTrおよび給気ダクトTsを介して乾燥炉40に供給する動作である。
【0033】
特に制御部100は、供給動作Msおよび回収動作Mrを制御することで、
図3を用いて詳述する通常運転と待機運転とを切り換えて実行する。ここで、通常運転は、乾燥炉40において乾燥を実行中に温風供給ユニットUにおいて実行され、待機運転は、乾燥炉40における乾燥の中断中に温風供給ユニットUにおいて実行される。例えば、乾燥を実行せよとの指令が作業者によりUI110に入力されると、制御部100は通常運転を温風供給ユニットUに実行させ、乾燥を中断せよとの指令が作業者によりUI110に入力されると、制御部100は待機運転を温風供給ユニットUに実行させる。あるいは、制御部100は、印刷装置での印刷の実行状況から乾燥炉40での乾燥実行の要否を判断し、乾燥の実行期間は通常運転を温風供給ユニットUに実行させ、乾燥の中断期間は待機運転を温風供給ユニットUに実行させる。
【0034】
図3は温風供給ユニットにおいて実行される通常運転および待機運転の内容を示す図である。
図3に示すように、通常運転および待機運転を通じて排気ポンプPeは継続的に動作し、給気ダクトTsから乾燥炉40への温風の供給を継続する。
【0035】
また、通常運転時は、メインヒータHmはオン状態にあって温風を生成し、供給ダンパDsは開いている。したがって、メインヒータHmで生成された温風は、給気ダクトTsを介して乾燥炉40に供給される(供給動作Ms)。また、通常運転時は、排気ダンパDeは開いており、排気ポンプPeは動作する。そのため、排気ダクトTe内の気体には、排気ポンプPeによる吸引力と、回収ダクトTrを介した供給ポンプPsによる吸引力との両方が作用する。したがって、乾燥炉40から排気ダクトTeに流出した気体のうち、一部は供給ポンプPsによって回収ダクトTrを介して乾燥炉40に再供給され(回収動作Mr)、他部は排気ポンプPeによって外気に排出される。なお、通常運転時において、アシストヒータHaは停止しており、回収動作Mrに伴って回収ダクトTr内を流れる気体の加熱は実行されない(非加熱モード)。このように、通常運転では、供給動作Msと非加熱モードの回収動作Mrとが並行して実行される。
【0036】
一方、待機運転時は、メインヒータHmはオフ状態にあって温風の生成を停止し、供給ダンパDsは閉じている。したがって、メインヒータHmから給気ダクトTsへの温風は供給されず、すなわち供給動作Msは停止される。なお、乾燥装置4の外部のユーティリティ設備であるメインヒータHmの制御は種々の態様で実行することができる。例えば、制御部100は、有線通信あるいは無線通信によりメインヒータHmにリクエストを送信することで、メインヒータHmのオン/オフを制御するように構成してもよい。あるいは、供給ダンパDsの開閉に応じたメインヒータHmから温風供給ユニットUへの温風の供給の実行/停止をメインヒータHmが判断して、自律的にオン/オフを切り換えるように構成してもよい。また、ユーティリティ設備であるメインヒータHmが乾燥装置4以外の装置に併用されている場合も想定される。このような場合、メインヒータHmは、乾燥装置4への温風供給の停止に応じて出力を低下させるものの、オフ状態にはならない。
【0037】
また、待機運転時は、排気ダンパDeは閉じており、排気ポンプPeは停止している。そのため、排気ダクトTe内の気体には、排気ポンプPeによる吸引力は作用せずに、回収ダクトTrを介した供給ポンプPsによる吸引力のみが作用する。したがって、乾燥炉40から排気ダクトTeに流出した気体の全部が供給ポンプPsによって回収ダクトTrを介して乾燥炉40に再供給される(回収動作Mr)。また、待機運転時において、アシストヒータHaは動作しており、回収動作Mrに伴って回収ダクトTr内を流れる気体はアシストヒータHaによって加熱される(加熱モード)。なお、アシストヒータHaによって加熱された気体の温度は、メインヒータHmが生成する温風の温度より低く、外気(OA)の温度よりも高い。このように、待機運転では、供給動作Msが停止されるとともに、加熱モードの回収動作Mrが実行される。
【0038】
以上に説明する実施形態では、メインヒータHmから乾燥炉40へ温風を供給ポンプPsによって供給する供給動作Msと、排気ポンプPeによって乾燥炉40から排気ダクトTe(排気管)に排出された気体の一部を、供給ポンプPsによって回収ダクトTr(回収管)を介して乾燥炉40に戻す回収動作Mrとが実行される。そして、通常運転では、回収ダクトTrに対して設けられたアシストヒータHaを停止させた状態で供給動作Msと回収動作Mrとが実行される。こうして通常運転では、メインヒータHmで加熱された温風を供給動作Msにより乾燥炉40に供給しつつ、排気ポンプPeによって乾燥炉40から排出された気体の一部が回収動作Mrによって乾燥炉40に回収されて再利用される。したがって、通常運転を実行することで、印刷媒体Mを効率的に乾燥させることができる。
【0039】
一方、待機運転では、回収ダクトTr内を流れる気体をアシストヒータHaにより加熱した状態で、供給動作Msにより乾燥炉40に供給される気体の流量を供給ダンパDs(供給量調整器)によって通常運転時よりも下げる(上記の例では、供給ダンパDsを閉じて当該流量をゼロにする)。さらに、待機運転では、通常運転時よりも排気ポンプPeの出力を下げつつ回収動作Mrを実行する(上記の例では、当該出力をゼロにする)。こうして待機運転では、排気ポンプPeの出力が、通常運転時のそれよりも下がるため、排気ポンプPeで消費されるエネルギーが減少する。さらに、メインヒータHmから乾燥炉40に供給される気体の流量が通常運転でのそれと比較して低下するため、メインヒータHmの出力を抑えることも可能となる(上記の例では、当該出力をゼロにする)。したがって、通常運転(換言すれば、乾燥)の中断期間には、待機運転を実行することで、エネルギーの消費を抑えることができる。さらに、待機運転の回収動作Mrでは、回収ダクトTr内を流れる気体がアシストヒータHaによって加熱されてから乾燥炉40に回収されるため、乾燥炉40内の温度の低下を抑えることができる。したがって、乾燥の再開の際に乾燥炉40内の温度を乾燥に必要な温度まで短時間で上昇させて、乾燥を速やかに再開することができる。こうして、乾燥の中断期間におけるエネルギーの消費を抑えつつ、乾燥の速やかな再開が可能となっている。
【0040】
なお、乾燥の再開の際には、通常運転を開始してから所定時間が経過してから、乾燥を開始する(すなわち、印刷媒体Mの搬送を開始する)。この所定時間は、乾燥炉40内の温度を所定温度にまで上昇させるのに要する時間で、実験的に予め求められて、制御部100に設定されている。あるいは、通常運転の開始からの経過時間によらずに、乾燥炉40内の温度計が所定温度を検知したら、印刷を再開するように構成してもよい。
【0041】
また、制御部100は、待機運転において、供給ダンパDsによって給気ダクトTsを閉じて、供給動作Msにより乾燥炉40に供給される温風の流量をゼロにする(すなわち、供給動作Msを停止する)。かかる構成では、待機運転時においてメインヒータHmから乾燥炉40への温風の供給が停止する。そのため、メインヒータHmによるエネルギー消費を確実に抑えることが可能となる。
【0042】
また、制御部100は、待機運転において排気ポンプPeの出力を停止する。かかる構成では、待機運転時において排気ポンプPeのエネルギー消費をゼロに抑えることができる。
【0043】
また、乾燥炉40と排気ポンプPeとの間で排気ダクトTeに対して設けられ、乾燥炉40から外部へ向かう気体の流量を調整する排気ダンパDe(排気量調整器)が具備されており、制御部100は、待機運転において、排気ダンパDeによって排気ダクトTeを閉じる。このような排気ダンパDeを備えた構成では、排気ポンプPeの停止に伴って、排気ダンパDeによって排気ダクトTeを閉じるのが合理的である。
【0044】
また、メインヒータHmは、乾燥装置4の外部に設けられたユーティリティ設備である。かかる構成では、乾燥の中断時に待機運転を実行することで、乾燥装置4が設置される環境に設けられたユーティリティ設備のエネルギー消費を抑えることが可能となる。
【0045】
また、メインヒータHmは、化石燃料を燃焼させることで気体を加熱する熱風発生装置である。かかる構成では、通常運転時(乾燥時)には、十分に昇温された温風を乾燥炉40に供給することができる。また、待機運転時(乾燥中断時)には、熱風発生装置の出力を下げることができるため、熱風発生装置のエネルギー消費を抑えられるとともに、燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の発生量も抑えられる。
【0046】
また、アシストヒータHaは、通電によって発熱することで気体を加熱する電気ヒータである。かかる構成では、電気ヒータといった簡便な構成で、待機運転時に乾燥炉40に回収される気体の温度を保つことができる。
【0047】
以上に説明した実施形態では、印刷システム1が本発明の「印刷システム」の一例に相当し、印刷装置2が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、乾燥装置4が本発明の「乾燥装置」の一例に相当し、乾燥炉40が本発明の「乾燥炉」の一例に相当し、制御部100が本発明の「制御部」の一例に相当し、排気ダンパDeが本発明の「排気量調整器」の一例に相当し、供給ダンパDsが本発明の「供給量調整器」の一例に相当し、アシストヒータHaが本発明の「アシストヒータ」の一例に相当し、メインヒータHmが本発明の「メインヒータ」の一例に相当し、排気側分岐点Jeが本発明の「排気側分岐点」の一例に相当し、給気側分岐点Jsが本発明の「給気側分岐点」の一例に相当し、印刷媒体Mが本発明の「対象物」の一例に相当し、排気ポンプPeが本発明の「排気ポンプ」の一例に相当し、供給ポンプPsが本発明の「供給ポンプ」の一例に相当し、排気ダクトTeが本発明の「排気管」の一例に相当し、回収ダクトTrが本発明の「回収管」の一例に相当し、給気ダクトTsが本発明の「給気管」の一例に相当し、供給動作Msが本発明の「供給動作」の一例に相当し、回収動作Mrが本発明の「回収動作」の一例に相当し、通常運転が本発明の「通常運転」の一例に相当し、待機運転が本発明の「待機運転」の一例に相当する。
【0048】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば待機運転時において、供給ダンパDsを完全に閉じる必要は必ずしもない。すなわち、通常運転時においてメインヒータHmから乾燥炉40に供給される温風の流量より、待機運転時においてメインヒータHmから乾燥炉40に供給される温風の流量が減少するように、供給ダンパDsの開度を調整すれば良い。このように温風の供給量を減少させることで、メインヒータHmの出力を下げることができ、メインヒータHmで消費されるエネルギーや発生する二酸化炭素の量を抑えることができる。
【0049】
あるいは、待機運転時において、排気ポンプPeを完全に停止させる必要は必ずしもない。すなわち、通常運転時における排気ポンプPeの出力より、待機運転時の排気ポンプPeの出力を下げることで、待機運転時に排気ポンプPeにより消費されるエネルギーを抑えることができる。また、待機運転時において、排気ダンパDeを閉じる必要は必ずしもない。
【0050】
また、排気ポンプPeによって複数台の乾燥装置4を排気する構成では、1台の乾燥装置4に対して待機運転を実行しつつ、他の乾燥装置4に対して通常運転を実行する場合が想定される。このような場合には、1台の乾燥装置4に対する排気に必要な分だけ、排気ポンプPeの出力を低下させるように構成するとよい。
【0051】
また、
図4に示すように、温風供給ユニットUを構成してもよい。
図4は温風供給ユニットの第1変形例を示すブロック図である。
図4の実施例と
図2の実施例との違いは、回収ダンパDr(回収量調整器)の有無のみであり、その他の点は各実施例で共通する。つまり、
図4の温風供給系統Csは、排気側分岐点JeとアシストヒータHaとの間で回収ダクトTrに取り付けられた回収ダンパDrを有する。したがって、制御部100は、回収ダンパDrの開度を増減することで排気ダクトTeから回収ダクトTrに分岐する気体の流量を増減させることができる。
【0052】
このように
図4の例では、回収ダンパDrが、排気側分岐点Jeから給気側分岐点Jsへ向かう気体の流量を調整する。したがって、回収ダンパDrによって、乾燥炉40に回収される気体の流量を適宜調整することができる。
【0053】
また、
図5に示すように、温風供給ユニットUを構成してもよい。
図5は温風供給ユニットの第2変形例を示すブロック図である。
図5の実施例は、メインヒータHmが乾燥装置4に内蔵される点で
図2の実施例と異なり、その他の点で
図2の実施例と共通する。このように乾燥装置4の温風供給系統Csは、メインヒータHmを内蔵し、制御部100はメインヒータHmを直接制御することができる。そこで、制御部100は、待機運転時のメインヒータHmの出力を、通常運転時のメインヒータHmの出力より下げる。この場合、
図3に示すように、制御部100は、待機運転時においてメインヒータHmを停止させてもよい。これによって、待機運転時において、メインヒータHmにおけるエネルギーの消費量や、二酸化炭素の発生量を抑えることができる。なお、
図5の例において、
図4に示した回収ダンパDrを設けることも当然できる。
【0054】
また、供給ダンパDs、排気ダンパDeあるいは回収ダンパDrといったダンパに代えてバルブを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、乾燥炉内の対象物に温風を噴射して対象物を乾燥させる技術の全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…印刷システム
2…印刷装置
4…乾燥装置
40…乾燥炉
100…制御部
De…排気ダンパ(排気量調整器)
Dr…回収ダンパ(回収量調整器)
Ds…供給ダンパ(供給量調整器)
Ha…アシストヒータ
Hm…メインヒータ
Je…排気側分岐点
Js…給気側分岐点
M…印刷媒体(対象物)
Pe…排気ポンプ
Ps…供給ポンプ
Te…排気ダクト(排気管)
Tr…回収ダクト(回収管)
Ts…給気ダクト(給気管)
Ms…供給動作
Mr…回収動作