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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】端末装置の表示方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20240216BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/26 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020140770
(22)【出願日】2020-08-24
(65)【公開番号】P2022036517
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】緒方 永博
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/095945(WO,A1)
【文献】特開2016-211190(JP,A)
【文献】特開2016-104925(JP,A)
【文献】特開2002-326785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/24
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作受付部と、
前記操作受付部の受付操作に基づき表示部に画像を表示させる制御部と、を備える端末装置の表示方法であって、
前記画像が、ショベルの吊作業の有無を判定する吊作業判定手段の判定結果と、前記ショベルの吊作業時に、前記ショベルの動きを制限するクレーンモードに遷移しているか否かを判定するクレーンモード判定手段の判定結果と、前記吊作業の行われた日時情報とから構成される第1画像であることを特徴とする端末装置の表示方法
【請求項2】
前記第1画像に前記吊作業判定手段の判定結果が吊作業有りとの結果でかつ前記クレーンモード判定手段の判定結果がクレーンモードに遷移なしとの第1判定を示す第1表示を表示させることを特徴とする請求項1記載の端末装置の表示方法
【請求項3】
前記第1画像に、前記吊作業中のリフト荷重と、前記吊作業の定格荷重を同時に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の端末装置の表示方法
【請求項4】
前記第1画像に、前記リフト荷重が前記定格荷重を超えている第2判定を示す第2表示を同時に表示することを特徴とする請求項3記載の端末装置の表示方法
【請求項5】
前記画像が複数の日付により構成されるカレンダーを表示する第2画像であり、前記第2画像が、前記日付の中で、前記第1判定又は前記第2判定の少なくとも一つが発生した日付を告知する第3表示を有していることを特徴とする請求項4記載の端末装置の表示方法
【請求項6】
前記操作受付部によって、前記第3表示を選択した後、前記第2画像から前記第1画像に遷移する操作が前記操作受付部に割り当てられていることを特徴とする請求項5記載の端末操作装置の表示方法
【請求項7】
前記吊作業判定手段が前記ショベルに装着されたカメラが撮像した撮像画像の前記ショベルの吊作業の特徴に基づき判定することを特徴とする請求項6記載の端末装置の表示方法
【請求項8】
前記吊作業判定手段が前記ショベルに設置された通信装置を介してネットワークに配信された前記撮像画像に基づき判定され、前記撮像画像は、前記リフト荷重に紐付いており、前記リフト荷重が規定値を超えた場合に、前記撮像画像が、ネットワークに配信されることを特徴とする請求項7記載の端末装置の表示方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン機能付きショベルの安全管理に関する
【背景技術】
【0002】
クレーン機能を備える油圧ショベルが一般的に知られている。このような油圧ショベルは、吊作業をするためのフックがバケットリンクの格納部中に回動可能に取り付けられており、吊荷作業時には、フックを格納部から引き出し、クレーンモードスイッチをオンにして、掘削モードからクレーンモードに移行させることによりエンジンの回転数を低下させ、吊作業を安定的に実行することが記載されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-118975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、クレーンモードに移行させた場合、エンジンの回転数が低下することから、作業速度が遅くなるため一部の作業者がクレーンモードに移行させずに吊作業を行うことがあり、工事現場の管理者がこれらの危険な行為を完全に把握することが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、管理者が工事現場で使用しているクレーン機能付きショベルが吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理する方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため本発明は、操作受付部と、前記操作受付部の受付操作に基づき表示部に画像を表示させる制御部と、を備える端末装置の表示方法であり、前記画像が、ショベルの吊作業の有無を判定する吊作業判定手段の判定結果と、前記ショベルの吊作業時に、前記ショベルの動きを制限するクレーンモードに遷移しているか否かを判定するクレーンモード判定手段の判定結果と、前記吊作業の行われた日時情報とから構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、管理者が工事現場で使用しているクレーン機能付きショベルが吊荷作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明が適用されるクレーン機能付き油圧ショベルの側面図
図2図1のクレーン機能付き油圧ショベルにおけるフックの格納状態を示す正面図
図3図1のクレーン機能付き油圧ショベルにおけるフックの展開状態を示す正面図
図4図1のクレーン機能付き油圧ショベルにおける運転席の斜視図
図5図4の運転席におけるモニタ装置の正面図
図6図1のクレーン機能付き油圧ショベルにおける制御系の構成を表すブロック図
図7図5のモニタ装置における、クレーンモード移行時の液晶ディスプレイを示す図
図8図1のクレーン機能付き油圧ショベルの吊作業管理システムのブロック図
図9】本発明の実施形態に係る端末装置の表示の操作方法の制御方法を示すフロー図
図10図9の端末装置がウェブサーバにログインする際のログイン画面
図11図10のログイン画面でログイン後に表示される初期画面
図12図11の初期画面から年、月を選択した後に遷移するカレンダー表示画面
図13図12の表示画面からハイライトされた日時を選択した後に遷移するクレーン機能付き油圧ショベルが吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかの判定結果の一覧表示
図14図1のクレーン機能付き油圧ショベルにおける制御系の構成の変形例を表すブロック図
図15】本発明の変形例の端末装置の表示の操作方法の制御方法を示すフロー図
図16】メニュー移行時の図5のモニタ装置の正面図
図17】クレーンモード管理画面の初期画面を表示したモニタ装置の正面図
図18図17の初期画面から年、月を選択した後に遷移するカレンダー表示画面を表示したモニタ装置の正面図
図19図18の表示画面からハイライトされた日時を選択した後に遷移するクレーン機能付き油圧ショベルが吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかの判定結果の一覧表示画面を表示したモニタ装置の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る端末装置の表示方法の実施形態について本発明が適用されるクレーン機能付き油圧ショベル100を例に挙げ図1を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
クレーン機能付き油圧ショベル100は、自走可能な下部走行体200と、下部走行体200上に旋回可能に支持された上部旋回体300と、上部旋回体300の前方に回動可能に支持された作業装置400を備えて構成されている。
【0011】
下部走行体200は、センターフレーム(図示せず)とセンターフレームに左右対称に対をなし前後方向に延びるサイドフレーム210(左側のみ図示)を有しており、サイドフレーム210は、後方一端側には走行モータ(図示せず)により駆動する駆動輪211(左側のみ図示)が設置され、前方一端に向け複数の遊動輪212(左側のみ図示)が設置されている。そして駆動輪211と遊動輪212は、履帯213(左側のみ図示)が巻装され、センターフレーム前方に後述する排土装置500が装着されている。
【0012】
上部旋回体300は、旋回ベアリング(図示せず)を介し、旋回モータ(図示せず)により旋回し、上部旋回体の上方には、運転席600が配置され、運転席600の下方にあって、上部旋回体後方には、シートマウント310及びボンネット320によって構成される機関室321が配置されている。機関室内321には、後述する、クレーン機能付き油圧ショベル100の状態情報を外部サーバに送信するための通信装置820のほか、エンジン(図示せず)が配置されており、エンジンの出力軸に装着された油圧ポンプ(図示せず)によって、作業装置400、下部走行体200及び旋回モータを駆動させる。
【0013】
作業装置400は、上部旋回体300の先端に設けられたスウイングポスト330に、支持されるスウイングブラケット410と、スウイングブラケット410に上下に回動可能に支持されたブーム420と、ブーム420の先端に上下に回動可能に装着されたアーム430と、アーム430の先端に回動可能に装着されたバケット440とからなり、作業装置400は、上部旋回体300に設置されたスウイングシリンダ(図示せず)により水平方向に回動し、ブーム420の下方に設置された、ブーム420を動かすブームシリンダ421と、ブーム420の上方に設置され、アーム430を動かすアームシリンダー431と、アーム430の上方に設置され、バケットリンク441,442(左側のみ図示)を介してバケット440を動かすバケットシリンダ443と、を備えている。
【0014】
続いて図2を用いて、バケットリンク内へのフック445の格納方法について説明する。フック445は、吊作業を行う際、荷物を吊るための吊具であり、バケットリンク441,444とバッケット440を枢支するバケットピン447に枢結し、バケットリンク441とバケットリンク444の間に格納されている。フック445が、バケットリンク441,444の間に格納されているとき、フック445はフックピン446をロックすることによって固定されており、これによりクレーン機能付き油圧ショベル100は、掘削作業を行うことができる。ここでフックピン446のバケットリンク441側の端部は抜け止め構造になっておりバケットリンク444側の端部は、ボールソケットピン(図示せず)を貫通することにより、フックピン446が抜けない構造になっている。
【0015】
続いて図3を用いてバケットリンク441,444内からのフック445の展開方法について説明する。ボールソケットピンをフックピン446から抜き取り、次にフックピン446をバケットリンク441,444から抜き取ることによりフック445をフリーにし、バケットピン447を軸心としてフック445を回動させることによりフック445を展開させる。作業者は、フック445に荷を装着させたのち、後述するクレーンモードスイッチ720Eをオンにすることにより吊作業を開始する。又バケットリンク441,444の内側には、フック445の存否を検知する非接触センサ801が装着されており、統合コントローラ800に検知信号を送り、統合コントローラ800は、バケットリンク441,444内にフック445が在るか否かにより、吊作業中であるか否かを判定し、吊作業中である場合は吊作業信号を通信装置820に送信する。
【0016】
続いて図4を参照にして、運転席600の構成についてさらに説明する。運転席前方の床面610には、左右の走行モータを操作する操作レバー620,621が立設されており、シートマウント310には、座席630が設置されている。座席630の両側には、ブーム420、アーム430、バケット440及び旋回モータ(図示せず)を操作する左右一対のサイドレバー622,623が装着されている。さらに座席630と操作レバー620の間には、搭乗口640が設置されており、搭乗口640と反対側のサイドレバー623の隣には、コンソール650が設置されている。コンソール650の前方には、クレーン機能付き油圧ショベル100の状態情報の表示や、クレーン機能付き油圧ショベル100の機能の設定を操作するモニタ装置700が配置され、モニタ装置700の後方には、排土装置500を操作するための操作レバー624が立設されている。
【0017】
続いて図5図6及び図7を参照してモニタ装置700の操作方法とクレーンモードへの移行について説明する。モニタ装置700は、画像を表示する液晶ディスプレイ710と、モニタ装置700の操作を受けつける操作ボタン720と、操作ボタン720の受けた操作に基づき液晶ディスプレイ710に表示をさせ、統合ECU800及びエンジンECU810と情報をやり取りするモニタECU730から構成される。
【0018】
統合ECU800、エンジンECU810及びモニタECU730は、本機に設置された12ボルト電池と接続し、ECU800内の各ブロックに安定した電圧を供給する電源と、デジタル入力信号をマイコンに入力できる信号レベルに変換する入力バッファーと、アナログ信号をマイコンに入力できるデジタル値に変換するADコンバータと、各種入力信号から制御量を演算し出力するマイコンと、電源から電力が供給されなくなっても、データを記憶するメモリーであるEEPROM(ELectronically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、マイコンの出力信号に従い、アクチュエータが駆動できる信号の形態に変換したり電圧を増幅したりする出力ドライバと、マイコンの出力データを通信規格にてきした通信信号に変換する通信ドライバと、他のECUが送信する信号をマイコンに入力できるレベルに変換する通信レシーバから構成される
【0019】
液晶ディスプレイ710は、クレーン機能付き油圧ショベル100の状態量を表示する基本表示711と、操作ボタン720に割り当てられた操作内容を表示する機能表示712から構成されており、基本表示711は、燃料残量をバーグラフで表示した燃料残量表示711Aと、冷却水温をメータで表示した冷却水温711Bと、作動油温度をメータ―で表示した作動油温度表示711Cと、エンジン回転数の表示である711Dから構成されている。
【0020】
機能表示712の下方には
機能表示712に表示された操作内容に対応するように操作ボタン720が配列されている。機能表示712に表示された「メニュー」712Aの下方に配置された操作ボタン720Aを押下すると、基本表示711は、詳細なクレーン機能付き油圧ショベル100の機能の情報が表示されたメニュー表示713に遷移する。機能表示712は、これらの機能を選択し、操作するために操作ボタン720に割り当てられた操作内容の表示である選択表示714に遷移する。そして機能表示712に表示された「モード」712Bの下方に配置された操作ボタン720Bを押下すると、作業装置400の高さを制限するための設定画面が基本表示711と入れ替わり、機能表示712は、高さを制限するための設定をするための操作ボタン720に割り当てられた操作内容の表示である選択表示714に遷移する。又機能表示712に表示された「カメラ」712Cの下方に配置された操作ボタン720Cを押下すると、基本表示711は、上部旋回体300に配置されたカメラの監視画像の表示に遷移し、機能表示712は、監視画像の表示を変えるために操作ボタン720に割り当てられた操作内容の表示である選択表示714に遷移する。そして機能表示712に表示された「PTO」712Dの下方に配置された操作ボタン720Dを押下すると、基本表示711は、作業装置400装着されたアタッチメントに流れる油の最大流量を設定するための画面表示に遷移する、機能表示712は、最大流量を設定するために操作ボタン720に割り当てられた操作内容を表示する選択表示714に遷移する。そしてさらに機能表示712に表示された「クレーン」712Eの下方に配置された操作ボタン720Eを押下すると、クレーン機能付き油圧ショベル100は、掘削モードからクレーンモードに移行し、基本表示711のエンジン回転数の表示である711Dの横に吊作業中のリフト荷重である実荷重711E及び定格荷重711Fが表示され、実荷重711Eが定格荷重711Fを超えた場合、基本表示711の上方に配置された警告表示領域711Gに警告を表示する。
【0021】
クレーンモードに移行は、操作ボタン720Eの押下により、モニタECU730より統合ECU800及び通信装置820にクレーンモードへの移行指令が出力され、統合ECU800は、エンジンECU810にクレーンモード用の低速のエンジン目標回転数指令を発信し、ソレノイドバルブ830に指令を出して走行モータ―を2速から1速に変更させる。
【0022】
統合ECU800には、ブーム420及びアーム430設置された角度センサ802,803が検知したブーム420及びアーム430の回動角度信号とブームシリンダ421に設置された、ブームシリンダ421のロッド圧とボトム圧を検知する圧力センサ804,805の検知した圧力信号が入力され、統合ECU800は、回動角度信号より、転倒荷重に所定の安全率を積算した定格荷重711Fを演算し、圧力信号より吊作業中のリフト荷重である実荷重711Eを演算する。演算結果は、通信装置820及びモニタECU730に送信され、液晶ディスプレイ710に表示される。
【0023】
続いて、図8を基に、クレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを管理するシステムについて説明する。
【0024】
通信装置820は、3G,LTE,4G又は5G等によって外部のネットワークを介してデータベースサーバ840に、吊作業信号、クレーンモードへの移行指令、定格荷重711F及び実荷重711Eを送信し、データベースサーバ840にこれらのデータを保管する。クライアントは、スマートフォン900により、ウェブサーバ/APIサーバ841にログインしてデータサーバ840に保管されたデータから、日時情報とともに、クレーン機能付き油圧ショベル100の吊作業の実施と、クレーン機能付き油圧ショベル100の吊作業時に、クレーンモードを使用したかの監視情報を確認することができる。
【0025】
通信装置820は、クレーンモードへの移行指令、の他に、非接触センサ801の検知信号、圧力センサ804,805の検知した圧力信号、角度センサ802,803の回動角度信号をデータベースサーバ840に送信してもよく、その場合は、スマートフォン900の求めに応じて都度、吊作業の判定、定格荷重711F及び実荷重711Eをウェブサーバ/APIサーバ841で演算し、スマートフォン900によって監視情報を確認することができる。
【0026】
続いて図9図13を参照して、クレーン機能付きショベルの吊作業管理システムのスマートフォン900の表示の操作方法の制御方法について説明する。
【0027】
ステップS1でスマートフォン900によって、ウェブサーバ/APIサーバ841にアクセスするとスマートフォン900の表示部には、ログイン画面910が表示される。そしてID入力領域911にIDを入力し、パスワード入力領域912にパスワードを入力した後に、ログインマーク913をタップすると、スマートフォン900はウェブサーバ/APIサーバ841にログインし、ログイン画面910は、初期画面920に遷移する。なおID保存選択領域913にチェックを入れると次回ログイン時にID入力は省力される。
【0028】
ステップS2で年入力領域921に指定する年を西暦で入力し、月選択カーソル923,924で月を選ぶと初期画面920は、カレンダー表示画面930に遷移する。
【0029】
ステップS3でカレンダーの中でハイライトされた日の表示931が存在する場合は、吊荷作業信号により吊作業ありと判定されかつクレーンモードへの移行指令がないことにより、クレーンモードを使用してないと判定された第1判定もしくは、吊作業中のリフト荷重である実荷重が定格荷重を超えている第2判定の少なくとも一つの判定がウェブサーバ/APIサーバ841でなされている。これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードが適正に使用されていない日を容易に見つけることができるため、クレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。そしてハイライトされた日の表示931をタップすると、カレンダー表示画面930は、一覧表示画面940に遷移する。
【0030】
一覧表示画面940は、年月日を表示する年月日表示領域941と、作業の開始時間と終了時間を表示する作業時間表示領域942と、吊作業の有無を表示する吊作業表示領域943、クレーンモードのオン、オフを表示するクレーンモード表示領域944を有しており、これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを客観的なデータとして簡易に管理することができる。
【0031】
一覧表示画面940は、吊作業表示領域943隣接する位置に、吊作業信号により吊作業ありと判定されかつクレーンモードへの移行指令がないことにより、クレーンモードを使用してないと判定された第1判定を視覚的に認識できるように表示した第1判定表示領域945を有していることから、現場監督者は、直感的にクレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。
【0032】
一覧表示画面940は、吊作業中のリフト荷重である実荷重を表示する実荷重表示領域946及び定格荷重を表示した定格荷重表示領域947を有している。例えば、実荷重表示領域946及び定格荷重表示領域947には、吊作業中に実荷重が定格荷重を超えた場合、実荷重と定格荷重の吊作業中の最大値を表示してもよい、これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを客観的なデータとして簡易に管理することができる。
【0033】
一覧表示画面940は、さらに吊作業中のリフト荷重である実荷重が定格荷重を超えている第2判定を視覚的に認識できるように表示した第2判定表示領域948を実荷重表示領域946に隣接して表示することから現場監督者は、直感的にクレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。
【0034】
ステップS4で戻るのマーク948をタップすると一覧表示画面940はカレンダー表示画面930に遷移する。
【0035】
ステップS5でログアウトマーク932をタップすると終了する。
【0036】
実施例の変形例について図14に基づいて説明する。クレーン機能付き油圧ショベル100は、作業装置400の作業を撮像するカメラ806が装着されており、カメラ806の撮像画像を処理する画像処理装置850を有している。画像処理装置850は、撮像画像から吊作業の特徴を抽出し判定することにより吊作業の判定を行うことができる。例えばディープラーニングを使用して、フックから吊り下げた吊荷の画像を学習させることにより、撮像画像が吊作業であるかの判定を行うことができる。ディープラーニングの例としては、CNN(Convolutional Neural Network)があり、撮像画像を入力画像として、畳込み層、プーリング層を複数回経て、最後に全結合層を経ることで出力し、現在行っている作業が吊作業と判定した場合その結果をモニタECU730に送信する。なお吊作業の判定を画像処理装置720でおこなったが、外部のサーバに撮像画像を送信装置により送信して、外部のサーバで判定してもよい。その際圧力センサ804,805の検知した圧力信号から、リフト荷重である実荷重711Eを演算し、実荷重711Eが規定値を超えた場合のみ外部のサーバに撮像画像を送信し吊作業の有無を判定することにより通信負荷を減らしてもよい。
【0037】
統合ECU800には、ブーム420及びアーム430設置された角度センサ802,803が検知したブーム420及びアーム430の回動角度信号とブームシリンダ421に設置された、ブームシリンダ421のロッド圧とボトム圧を検知する圧力センサ804,805の検知した圧力信号が入力され、統合ECU800は、回動角度信号より、転倒荷重に所定の安全率を積算した定格荷重711Fを演算し、圧力信号より吊作業中のリフト荷重である実荷重711Eを演算する。演算結果は、モニタECU730に送信される。
【0038】
モニタECU730、操作ボタン720Eの押下によるクレーンモード移行の有無と、吊作業の判定結果と、定格荷重711Fと、実荷重711Eをテーブルとして保存する。
【0039】
続いて図5及び図15図18を参照して、クレーン機能付き油圧ショベルの吊作業管理システムのモニタ装置700の表示の操作方法の制御方法について説明する。
【0040】
ステップS6でモニタ装置700の操作ボタン720Aを押下すると、基本表示711は、メニュー表示713に遷移する。
【0041】
ステップS7で、カーソル表示714Cの下に配置された操作ボタン720E,720B,720C,720Dのボタンを押下することにより、ハイライト713Bを「クレーンモードの管理」713Aの位置に移動させた後、「決定」714Aの下に配置された720Fを押下すると、メニュー表示713は、初期画面表示715に遷移する。
【0042】
ステップS8で操作ボタン720E,720Dを押下して、テンキー表示715Cの数字上にハイライト715Dを移動させて、720Fを押下することにより、年入力領域715Aに西暦を打ち込み、月表示領域715Bに月を打ち込むと、初期画面表示715は、カレンダー表示716に遷移する。
【0043】
ステップS9で点滅している日にハイライト716Aを操作ボタン720E,720B,720C,720Dで移動させることにより選択して720Fを押下するとカレンダー表示716は、一覧表示717に遷移する。これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付きショベル100が吊作業中に、クレーンモードが適正に使用されていない日を容易に見つけることができるため、クレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを
簡易に管理することができる。
【0044】
一覧表示画面717は、年月日を表示する年月日表示領域717Aと、作業の開始時間と終了時間を表示する作業時間表示領域717Bと、吊作業の有無を表示する吊作業表示領域717D、クレーンモードのオン、オフを表示するクレーンモード表示領域717Eを有しており、これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを客観的なデータとして簡易に管理することができる。
【0045】
一覧表示画面717は、吊作業表示領域717D隣接する位置に、吊作業信号により吊作業ありと判定されかつクレーンモードへの移行指令がないことにより、クレーンモードを使用してないと判定された第1判定を視覚的に認識できるように表示した第1判定表示領域717Cを有していることから、現場監督者は、直感的にクレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。
【0046】
一覧表示画面717は、吊作業中のリフト荷重である実荷重を表示する実荷重表示領域717G及び定格荷重を表示した定格荷重表示領域717Hを有している。例えば、実荷重表示領域717G及び定格荷重表示領域717Hには、吊作業中に実荷重が定格荷重を超えた場合、実荷重と定格荷重の吊作業中の最大値を表示してもよい、これにより工事現場の管理者は、クレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを客観的なデータとして簡易に管理することができる。
【0047】
一覧表示画面717は、さらに吊作業中のリフト荷重である実荷重が定格荷重を超えている第2判定を視覚的に認識できるように表示した第2判定表示領域77Fを実荷重表示領域936に隣接して表示することから現場監督者は、直感的にクレーン機能付き油圧ショベル100が吊作業中に、クレーンモードを適正に使用しているかを簡易に管理することができる。
【0048】
ステップS10で操作ボタン720Aを押下すると一覧表示画面717は、基本表示711に遷移し、終了する。
【0049】
以上、本実施形態の端末装置として、スマートフォン900とモニタ装置700を挙げたが本発明は、これに限定されない。
【0050】
例えば、本発明は、端末装置として、タブレットやパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0051】
また端末装置が表示する、ショベルの吊作業の有無を判定する吊作業判定手段の判定結果と、ショベルの吊作業時に、ショベルの動きを制限するクレーンモードに遷移しているか否かを判定するクレーンモード判定手段の判定結果と、日時情報は、端末装置内の記憶媒体に保管されているデータを表示するだけでなく、端末装置外の記憶媒体に保管されているデータを表示させてもよい。
【0052】
端末装置外の記憶媒体からデータを交換する方法としては、Ethernet,Wi-Fi,3G,4G,LTE,5Gによって外部のネットワークを介してデータを交換するだけでなく、通信ケーブルにより直接データを交換してもよい。
【0053】
さらに吊作業判定手段は、非接触センサ801やカメラ806の撮像画像をディープラーニングにより判定する方法に限定されるものでなく、フック445を回動可能に支持するバケットピン447とフック445の間にロードセルを設置し、ロードセルが検知した荷重信号の有無により判定してもよい。
【0054】
そして本発明は、油圧ショベルに限定されるものでなく、電動ショベル及びハイブリッドショベルなどに適用でき本発明は、説明した上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、クレーン機能付きショベルの安全管理に関するものであり産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0056】
900スマートフォン(端末装置) 940一覧表示画面(第1画像)941年月日表示領域 942作業時間表示領域 943吊作業表示領域(吊作業判定手段の判定結果)944クレーンモード表示領域(クレーンモード判定手段の判定結果)
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