(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240216BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20240216BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
H01L25/04 C
(21)【出願番号】P 2020154924
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】大黒 達也
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 秀春
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-302951(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0301496(US,A1)
【文献】特許第6463558(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0224982(US,A1)
【文献】特表2009-525593(JP,A)
【文献】特開2010-093287(JP,A)
【文献】特開2008-047615(JP,A)
【文献】特開2017-188528(JP,A)
【文献】特開2006-190728(JP,A)
【文献】特開2016-051790(JP,A)
【文献】特開2002-026251(JP,A)
【文献】特開2002-095268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 21/60
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第3面が前記第1面と対向するように配置された第2チップと、
前記第1チップの前記第2面と対向するように配置され、前記第3電極に接続された基板と、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第1電極及び前記第4電極に接続され、前記第1電極と前記第4電極の間から第1方向に引き出された第1コネクタと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第2電極及び前記第5電極に接続され、前記第2電極と前記第5電極の間から前記第1方向に引き出された第2コネクタと、
前記第2チップの前記第6電極及び前記基板に接続され、前記第6電極に接続された部分から前記第1方向に対して直交する第2方向に引き出された第3コネクタと
、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記第1コネクタに接続された第1リードと、
前記第2コネクタに接続された第2リードと、
をさらに備え、
前記第1コネクタは、
前記第1電極と前記第4電極との間に配置された第1先端部と、
前記第1リード上に配置された第1基端部と、
第1先端部と第1基端部との間に位置する第1中間部と、
を有し、
前記第2コネクタは、
前記第2電極と前記第5電極との間に配置された第2先端部と、
第2リード上に配置された第2基端部と、
第2先端部と第2基端部との間に位置する第2中間部と、
を有し、
前記第3コネクタは、
前記第6電極上に配置された第3先端部と、
前記基板上に配置された第3基端部と、
前記第3先端部と前記第3基端部との間に位置する第3中間部と、
を有し、
前記第1基端部の幅は前記第1中間部と前記第1先端部の境界の幅よりも広く、
前記第2基端部の幅は前記第2中間部と前記第2先端部の境界の幅よりも広く、
前記第3基端部の幅は前記第3中間部と前記第3先端部の境界の幅よりも広い請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第3面が前記第1面と対向するように配置された第2チップと、
前記第1チップの前記第2面と対向するように配置され、前記第3電極に接続された基板と、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第1電極及び前記第4電極に接続された第1コネクタと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第2電極及び前記第5電極に接続された第2コネクタと、
前記第2チップの前記第6電極及び前記基板に接続された第3コネクタと
、
前記第1コネクタに接続された第1リードと、
前記第2コネクタに接続された第2リードと、
を備え、
前記第1コネクタは、
前記第1電極と前記第4電極との間に配置された第1先端部と、
前記第1リード上に配置された第1基端部と、
第1先端部と第1基端部との間に位置する第1中間部と、
を有し、
前記第2コネクタは、
前記第2電極と前記第5電極との間に配置された第2先端部と、
第2リード上に配置された第2基端部と、
第2先端部と第2基端部との間に位置する第2中間部と、
を有し、
前記第3コネクタは、
前記第6電極上に配置された第3先端部と、
前記基板上に配置された第3基端部と、
前記第3先端部と前記第3基端部との間に位置する第3中間部と、
を有し、
前記第1基端部の幅は前記第1中間部と前記第1先端部の境界の幅よりも広いか、
前記第2基端部の幅は前記第2中間部と前記第2先端部の境界の幅よりも広いか、又は、
前記第3基端部の幅は前記第3中間部と前記第3先端部の境界の幅よりも広い半導体装置。
【請求項4】
前記第1基端部の幅は前記第1中間部と前記第1先端部の境界の幅よりも広く、
前記第2基端部の幅は前記第2中間部と前記第2先端部の境界の幅よりも広く、且つ、
前記第3基端部の幅は前記第3中間部と前記第3先端部の境界の幅よりも広い請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第3面が前記第1面と対向するように配置された第2チップと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第1電極及び前記第4電極に接続された第1コネクタと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第2電極及び前記第5電極に接続された第2コネクタと、
を備え、
前記第1コネクタにおいて前記第1電極と前記第4電極との間に位置する第1先端部は、
第1部分と、
前記第1部分の周囲に設けられ、前記第1電極との距離が前記第1部分と前記第1電極との距離よりも短く、前記第4電極との距離が前記第1部分と前記第4電極との距離よりも長い第2部分と、
を有し、
前記第1部分の上面の面積は、前記第2部分の下面の面積と等しい半導体装置。
【請求項6】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第3面が前記第1面と対向するように配置された第2チップと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第1電極及び前記第4電極に接続された第1コネクタと、
前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第2電極及び前記第5電極に接続された第2コネクタと、
を備え、
前記第2コネクタにおいて前記第2電極と前記第5電極との間に位置する第2先端部は、丸められた形状を有する半導体装置。
【請求項7】
前記第1コネクタにおいて前記第1電極と前記第4電極との間に位置する第1先端部は、波状の形状を有する請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1コネクタにおいて前記第1電極と前記第4電極との間に位置する第1先端部は、前記第1電極又は前記第4電極に向かって突出した凸部を有する請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項9】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第4面が前記第2面と対向するように配置された第2チップと、
前記第1チップの前記第1面と対向するように配置され、前記第1電極に接続された第1配線と、前記第2電極に接続された第2配線と、を有する基板と、
前記第3電極と前記第6電極との間に配置され、前記第3電極及び前記第6電極に接続され、前記第3電極と前記第6電極の間から第1方向に引き出された第1コネクタと、
前記第2チップの前記第4電極及び前記第1配線に接続され、前記第4電極に接続された部分から前記第1方向とは異なる第2方向に引き出された第2コネクタと、
前記第2チップの前記第5電極及び前記第2配線に接続され、前記第5電極に接続された部分から前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向に引き出された第3コネクタと
、
を備える半導体装置。
【請求項10】
第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、
第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第4面が前記第2面と対向するように配置された第2チップと、
前記第3電極と前記第6電極との間に配置され、前記第3電極及び前記第6電極に接続された第1コネクタと、
を備え、
前記第1コネクタにおいて前記第3電極と前記第6電極との間に位置する先端部は、
第1部分と、
前記第1部分の周囲に設けられ、前記第3電極との距離が前記第1部分と前記第3電極との距離よりも短く、前記第6電極との距離が前記第1部分と前記第6電極との距離よりも長い第2部分と、
を有し、
前記第1部分の上面の面積は、前記第2部分の下面の面積と等しい半導体装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オン抵抗を抑制しつつ、大きな電流を出力できるように、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等のパワー半導体のチップを並列に接続する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、複数のチップを接続しつつ、平面視における面積を低減できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、第1面に第1電極及び第2電極が設けられ、前記第1面の反対側に位置する第2面に第3電極が設けられた第1チップと、第3面に第4電極及び第5電極が設けられ、前記第3面の反対側に位置する第4面に第6電極が設けられ、前記第3面が前記第1面と対向するように配置された第2チップと、前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第1電極及び前記第4電極に接続された第1コネクタと、前記第1チップと前記第2チップとの間に配置され、前記第2電極及び前記第5電極に接続された第2コネクタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体装置の基板、第1リード、第2リード、及び第1チップを示す上面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る半導体装置の基板、第1リード、第2リード、第1チップ、第1コネクタ、及び第2コネクタを示す上面図である。
【
図6】
図6(a)は、
図1のC-C’線における断面図である。
図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の第1チップの下面及び第2チップの上面を示す平面図である。
【
図7】
図7(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図7(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図8】
図8(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図8(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図9】
図9(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図9(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図10】
図10(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図10(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図11】
図11(a)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図11(b)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【
図12】
図12(a)は、第2の実施形態に係る半導体装置の第1コネクタを示す上面図、
図12(b)は、
図12(a)のD-D’線における断面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図14】第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図15】
図15(a)は、第3の実施形態に係る半導体装置における第1コネクタを示す上面図であり、
図15(b)は、
図15(a)のE-E’線における断面図である。
【
図16】第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図17】第5の実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図18】第6実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図19】
図19(a)は、第1コネクタの変形例を示す断面図であり、
図19(b)は、第1コネクタの変形例を示す断面図である。
【
図20】第1チップ及び第2チップの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図2は、本実施形態に係る半導体装置の基板、第1リード、第2リード、及び第1チップを示す上面図である。
図3は、本実施形態に係る半導体装置の基板、第1リード、第2リード、第1チップ、第1コネクタ、及び第2コネクタを示す上面図である。
図4は、
図1のA-A’線における断面図である。
図5は、
図1のB-B’線における断面図である。
図6(a)は、
図1のC-C’線における断面図である。
図6(b)は、本実施形態に係る半導体装置の第1チップの下面及び第2チップの上面を示す平面図である。
【0008】
本実施形態に係る半導体装置100は、
図1及び
図5を参照して概説すると、基板110と、第1リード120と、第2リード130と、第1チップ140と、第2チップ150と、第1コネクタ160と、第2コネクタ170と、第3コネクタ180と、樹脂部材190と、を備える。なお、
図1では、半導体装置100の内部構造をわかりやすくするために、樹脂部材190を2点鎖線で示している。
【0009】
以下、半導体装置100の各部について詳述する。以下では、説明をわかりやすくするために、XYZ直交座標系を用いる。第1チップ140から第2チップ150に向かう方向を「Z方向」とする。また、Z方向と直交する一の方向を「X方向」とする。また、Z方向及びX方向と直交する一の方向を「Y方向」とする。また、Z方向を「上方向」という。上方向の逆方向を「下方向」という。ただし、上方向及び下方向は、重力方向とは無関係である。
【0010】
基板110は、例えば金属材料からなる。基板110は、
図2に示すように、本体部111と、本体部111に接続されておりY方向に延びた複数の延伸部112と、を有する。上面視における本体部111の形状は、略矩形である。
図4に示すように、本体部111の上面111a及び下面111bは、平坦面であり、X方向及びY方向に概ね平行である。ただし、基板の形状は上記に限定されない。
【0011】
第1リード120は、例えば金属材料からなる。第1リード120は、
図2に示すように、基板110から離隔している。第1リード120は、基板110とY方向において隣り合うように配置されている。第1リード120の形状は、平板状である。第1リード120は、X方向に延びる第1延伸部121と、第1延伸部121に接続されており、Y方向に延びる複数の第2延伸部122と、を有する。ただし、第1リードの位置及び形状は上記に限定されない。
【0012】
第2リード130は、第1リード120と同様の材料からなる。第2リード130は、基板110及び第1リード120から離隔している。第2リード130は、基板110とY方向において隣り合い、第1リード120とX方向において隣り合うように配置されている。第2リード130の形状は、平板状である。第2リード130は、X方向に延びる第1延伸部131と、第1延伸部131に接続されており、Y方向に延びる第2延伸部132と、を有する。ただし、第2リードの位置及び形状は上記に限定されない。
【0013】
第1チップ140は、基板110上に配置されている。第1チップ140は、本実施形態では、MOSFETである。第1チップ140の耐圧は、特に限定されないが、例えば100V以上である。第1チップ140の形状は、平板状である。上面視における第1チップ140の形状は、本実施形態では略正方形である。ただし、上面視における第1チップの形状は、上記に限定されない。第1チップ140の表面は、
図5に示すように、上面(第1面)140aと、上面140aの反対側に位置する下面(第2面)140bと、を含む。
【0014】
上面140aには、ソース電極(第1電極)141と、ゲート電極(第2電極)142と、が設けられている。下面140bには、ドレイン電極(第3電極)143が設けられている。ドレイン電極143は、半田等の導電性の接合部材143aにより、基板110に接続されている。
【0015】
ソース電極141、ゲート電極142、及びドレイン電極143は、それぞれ、銅(Cu)等の後述する接合部材141a、142a、143aよりも熱伝導率の高い金属材料からなることが好ましい。ソース電極141、ゲート電極142、及びドレイン電極143の膜厚は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。ただし、ソース電極、ゲート電極、及びドレイン電極の材料及び膜厚は上記に限定されない。
【0016】
上面視におけるソース電極141の形状は、
図2に示すように、四角形の一の角部を切り欠くとともに、他の角部を丸めたような形状である。上面視におけるゲート電極142の形状は、略矩形である。ゲート電極142は、ソース電極141から離隔しており、ソース電極141の角部を切り欠いた領域に配置されている。ただし、ソース電極及びゲート電極の位置及び形状は、上記に限定されない。
【0017】
第2チップ150は、本実施形態では、MOSFETである。第2チップ150の耐圧は、特に限定されないが、例えば100V以上である。第2チップ150の形状は、平板状である。下面視における第2チップ150の形状は、
図6(b)に示すように、本実施形態では略正方形である。ただし、下面視における第2チップの形状は、上記に限定されない。第2チップ150は、第1チップ140と対向するように配置されている。第2チップ150の表面は、第1チップ140の上面140aと対向する下面(第3面)150aと、下面150aの反対側に位置する上面(第4面)150bと、を含む。
【0018】
下面150aには、ソース電極(第4電極)151と、ゲート電極(第5電極)152と、が設けられている。上面150bには、
図5に示すように、ドレイン電極(第6電極)153が設けられている。ソース電極151は、第1チップ140のソース電極141と対向している。ソース電極151の形状は、
図6(b)に示すように、第1チップ140のソース電極141の形状と略同一である。ソース電極151の面積は、第1チップ140のソース電極141の面積と概ね同一である。ゲート電極152は、
図5に示すように、第1チップ140のゲート電極142と対向している。ゲート電極152の形状は、
図6(b)に示すように、第1チップ140のゲート電極142の形状と略同一である。ゲート電極152の面積は、第1チップ140のゲート電極142の面積と概ね同一である。すなわち、
図5に示すように、第1チップ140と第2チップ150は、第1チップ140と第2チップ150との隙間の中心を通りX方向及びY方向に平行な平面Pを基準として略対称である。ただし、ソース電極及びゲート電極の位置及び形状は、上記に限定されない。例えば第2チップと第1チップは、平面Pに対して対称でなくてもよい。
【0019】
ソース電極151、ゲート電極152、及びドレイン電極153は、
図5に示すように、それぞれ、銅(Cu)等の後述する接合部材151a、152a、153aよりも熱伝導率の高い金属材料からなることが好ましい。また、ソース電極151、ゲート電極152、及びドレイン電極153の膜厚は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。ただし、ソース電極、ゲート電極、及びドレイン電極の材料及び膜厚は上記に限定されない。
【0020】
第1コネクタ160は、
図3及び
図4に示すように、第1チップ140のソース電極141、第2チップ150のソース電極151、及び第1リード120に接続されている。第1コネクタ160は、例えば銅(Cu)等の熱伝導率の高い金属材料からなる。
【0021】
第1コネクタ160は、本実施形態では、第1チップ140のソース電極141と第2チップ150のソース電極151との間に配置された第1先端部161と、第1リード120の上に配置された第1基端部162と、第1先端部161と第1基端部162との間に位置する第1中間部163と、を有する。
【0022】
第1先端部161の形状は、略平板状である。第1先端部161は、半田等の導電性の接合部材141aにより第1チップ140のソース電極141に接続されている。また、第1先端部161は、半田等の導電性の接合部材151aにより第2チップ150のソース電極151に接続されている。
【0023】
第1基端部162の形状は、略平板状である。第1基端部162は、半田等の導電性の接合部材123により、第1リード120に接続されている。
【0024】
第1中間部163の形状は、Lの字状である。具体的には、第1中間部163は、第1先端部161のY方向における端部からY方向に延びる第1部分163aと、第1部分163a及び第1基端部162の上端に接続されており、Z方向に延びる第2部分163bと、を有する。ただし、第1コネクタの形状は、上記に限定されない。
【0025】
第2コネクタ170は、
図3及び
図5に示すように、第1チップ140のゲート電極142、第2チップ150のゲート電極152、及び第2リード130に接続されている。第2コネクタ170は、第1コネクタ160と同様の材料からなる。
【0026】
第2コネクタ170は、第1チップ140のゲート電極142と第2チップ150のゲート電極152との間に配置された第2先端部171と、第2リード130の上に配置された第2基端部172と、第2先端部171と第2基端部172との間に位置する第2中間部173と、を有する。
【0027】
第2先端部171の形状は、略平板状である。第2先端部171は、半田等の導電性の接合部材142aにより、第1チップ140のゲート電極142に接続されている。第2先端部171は、半田等の導電性の接合部材152aにより、第2チップ150のゲート電極152に接続されている。
【0028】
第2基端部172の形状は、略平板状である。第2基端部172は、半田等の導電性の接合部材133により、第2リード130に接続されている。
【0029】
第2中間部173の形状は、Lの字状である。具体的には、第2中間部173は、第1先端部161のY方向における端部からY方向に延びる第1部分173aと、第1部分173a及び第2基端部172の上端に接続されており、Z方向に延びる第2部分173bと、を有する。ただし、第2コネクタの形状は、上記に限定されない。
【0030】
第3コネクタ180は、
図6(a)に示すように、第2チップ150のドレイン電極153及び基板110に接続されている。第3コネクタ180は、第1コネクタ160と同様の材料からなる。
【0031】
第3コネクタ180は、第2チップ150のドレイン電極153上に配置された第3先端部181と、基板110上に配置された第3基端部182と、第3先端部181と第3基端部182との間に位置する第3中間部183と、を有する。
【0032】
第3先端部181の形状は、略平板状である。第3先端部181は、半田等の導電性の接合部材153aにより、第2チップ150のドレイン電極153に接続されている。
【0033】
第3基端部182の形状は、略平板状である。第3基端部182は、半田等の導電性の接合部材113により、基板110に接続されている。
【0034】
第3中間部183の形状は、Lの字状である。第3中間部183は、第3先端部181のX方向における端部からX方向に延びる第1部分183aと、第1部分183a及び第3基端部182の上端に接続されており、Z方向に延びる第2部分183bと、を有する。
【0035】
樹脂部材190は、
図4~
図6(a)に示すように、第1チップ140、第2チップ150、第1コネクタ160、第2コネクタ170、及び第3コネクタ180を封止している。
【0036】
樹脂部材190は、
図1に示すように、基板110の本体部111及び各延伸部112の一部を覆っている。樹脂部材190は、第1リード120の第1延伸部121及び各第2延伸部122の一部を覆っている。樹脂部材190は、第2リード130の第1延伸部131及び第2延伸部132の一部を覆っている。樹脂部材190は、基板110の各延伸部112の他部、第1リード120の各第2延伸部122の他部、第2リード130の各第2延伸部132の他部を露出している。樹脂部材190は、例えば熱硬化性樹脂等の樹脂材料からなる。
【0037】
次に、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。
図7(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図7(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図8(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図8(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図9(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図9(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図10(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図10(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図11(a)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図であり、
図11(b)は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0038】
先ず、
図7(b)に示すように、基板110上に、未硬化の半田143aFを配置する。次に、第1チップ140を、ドレイン電極143が基板110と対向するように配置する。
【0039】
次に、第1チップ140のソース電極141上に未硬化の半田141aFを配置し、第1チップ140のゲート電極142上に未硬化の半田142aFを配置する。また、
図7(a)に示すように、第1リード120上に未硬化の半田123Fを配置し、第2リード130上に未硬化の半田133Fを配置する。
【0040】
次に、
図8(a)及び
図8(b)に示すように、第1コネクタ160を第1リード120及び第1チップ140のソース電極141上に配置し、第2コネクタ170を第2リード130及び第1チップ140のゲート電極142上に配置する。
【0041】
次に、
図8(a)に示すように、第1コネクタ160の第1先端部161上に未硬化の半田151aFを配置し、第2コネクタ170の第2先端部171上に未硬化の半田152aFを配置する。
【0042】
次に、
図9(b)に示すように、第2チップ150を、ソース電極151が第1チップ140のソース電極141と対向し、ゲート電極152が第1チップ140のゲート電極142と対向するように第1コネクタ160及び第2コネクタ170上に配置する。
【0043】
次に、
図9(a)に示すように、第2チップ150のドレイン電極153上に未硬化の半田153aFを配置する。また、基板110上に未硬化の半田113Fを配置する。
【0044】
次に、
図10(a)及び
図10(b)に示すように、第3コネクタ180を第2チップ150上に配置する。
【0045】
次に、半田141aF、142aF、143aF、151aF、152aF、153aF、113F、123F、133Fを硬化させる。これにより、接合部材141a、142a、143a、151a、152a、153a、113、123、133が形成される。
【0046】
次に、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、樹脂部材190により、第1チップ140、第2チップ150、第1コネクタ160、第2コネクタ170、及び第3コネクタ180を封止する。これにより、半導体装置100が形成される。
【0047】
次に、本実施形態の効果について説明する。
基板110、第1コネクタ160、第2コネクタ170、及び第3コネクタ180により、第1チップ140と第2チップ150が並列に接続される。これにより、半導体装置100のオン抵抗を抑制しつつ、半導体装置100が出力可能な電流を増加させることができる。特に、本実施形態では、第1チップ140及び第2チップ150の耐圧は、100V以上である。各チップ140、150の耐圧が高いほど、半導体装置100の総オン抵抗に占めるトランジスタのオン抵抗の割合が高い。そのため、各チップ140、150の耐圧が高いほど、並列接続によるオン抵抗の抑制の効果が顕著になる。
【0048】
また、第1チップ140と第2チップ150は、積層されている。そのため、第1チップ140及び第2チップ150を接続しつつ、半導体装置100の平面視における面積が増加することを抑制できる。
【0049】
一方、第1チップ140と第2チップ150を積層することで、第1チップ140及び第2チップ150において生じた熱が、第1チップ140と第2チップ150との間の部分において放熱され難くなる。第1チップ140及び第2チップ150の温度が高いほど、第1チップ140及び第2チップ150のオン電圧が低くなる。第1チップ140及び第2チップ150のオン電圧が低いほど、第1チップ140及び第2チップ150内を流れる電流が増加する。第1チップ140及び第2チップ150内を流れる電流が増加するほど、第1チップ140及び第2チップ150の温度が上昇する。このように、第1チップ140及び第2チップ150において生じた熱が放熱され難くなることで、半導体装置100が熱暴走する可能性がある。本実施形態においては、第1コネクタ160及び第2コネクタ170により、第1チップ140及び第2チップ150において生じた熱を効率的に放熱できる。これにより、第1チップ140及び第2チップ150の熱暴走を抑制できる。
【0050】
また、本実施形態においては、ソース電極141、151及びゲート電極142、152は、接合部材141a、151a、142a、152aよりも熱伝導率の高い金属材料からなり、膜厚が5μm以上20μm以下である。そのため、第1チップ140及び第2チップ150の内部において生じた熱が、ソース電極141、151及びゲート電極142、152に伝搬して放熱され易い。その結果、第1チップ140及び第2チップ150の熱暴走を抑制できる。
【0051】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図12(a)は、本実施形態に係る半導体装置の第1コネクタを示す上面図、
図12(b)は、
図12(a)のD-D’線における断面図である。
図13は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図14は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置200は、第1コネクタ260の第1先端部261及び第2コネクタ270の第2先端部271の形状において、第1の実施形態に係る半導体装置100と相違する。
なお、以下の説明においては、原則として、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。
【0052】
第1コネクタ260の第1先端部261は、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、略中央部がプレス加工されている。具体的には、第1先端部261は、第1部分261aと、第2部分261bと、第3部分261cと、を有する。
【0053】
第1部分261aは、第1先端部261の略中央に位置する。上面視における第1部分261aの形状は、角部を丸めた四角形である。ただし、第1部分261aの形状は、上記に限定されない。第1部分261aの上面及び下面は、X方向及びY方向に概ね平行である。
【0054】
第2部分261bは、第1部分261aよりも下方に位置し、第1部分261aの周囲に設けられている。第2部分261bの上面及び下面は、X方向及びY方向に概ね平行である。
【0055】
第3部分261cは、第1部分261a及び第2部分261bに接続されており、Z方向を含む方向に延びている。
【0056】
図13に示すように、第1先端部261と第1チップ140のソース電極141との間には、接合部材241aが設けられており、第1先端部261と第2チップ150のソース電極151との間には、接合部材251aが設けられている。接合部材241a、251aは、半田を硬化することにより形成される。
【0057】
第2部分261bと第1チップ140のソース電極141との距離D1は、第1部分261aとソース電極141との距離D2よりも短い。また、第2部分261bと第2チップ150のソース電極151との距離D3は、第1部分261aとソース電極151との距離D4よりも長い。これにより、第1チップ140と第2チップ150との間の隙間を大きくできる。その結果、製造時に、第1チップ140と第2チップ150との間に未硬化の半田を保持し易い。そのため、未硬化の半田が各チップ140、150の側面を伝ってドレイン電極143、153に接触し、ソース電極141、151とドレイン電極143、153とが電気的に接続されることを抑制できる。
【0058】
また、第1コネクタ260は、第1部分261a及び第2部分261bを有するため、第1コネクタ260においてソース電極141、151に接続される面積を増加させることができる。その結果、第1コネクタ260とソース電極141、151との間の抵抗を低減できる。この際、第1部分261aの上面の面積は、第2部分261bの下面の面積と略同一であることが好ましい。これにより、第1コネクタ260と第1チップ140のソース電極141との間の抵抗と、第1コネクタ260と第2チップ150のソース電極151との間の抵抗と、の差を低減できる。その結果、第1チップ140へ流入する電流と、第2チップ150に流入する電流に差が生じることを抑制できる。ただし、第1部分の上面の面積と、第2部分の下面の面積との大小関係は、上記に限定されない。
【0059】
第2コネクタ270の第2先端部271は、
図14に示すように、4つの曲げ部271a、271b、271c、271dを形成するように複数回折り曲げられ、又は丸められた形状を有する。
【0060】
第2先端部271と第1チップ140のゲート電極142との間には、接合部材242aが設けられており、第2先端部271と第2チップ150のゲート電極152との間には、接合部材252aが設けられている。接合部材242a、252aは、半田を硬化することにより形成される。
【0061】
前述したように、第2コネクタ270の第2先端部271は、曲げ部271a、271b、271c、271dを有するため、第1チップ140と第2チップ150との間の隙間を大きくできる。その結果、製造時に第1チップ140と第2チップ150との間に未硬化の半田を保持し易い。そのため、未硬化の半田が各チップ140、150の側面を伝ってドレイン電極143、153に接触し、ゲート電極142、152とドレイン電極143、153とが電気的に接続されることを抑制できる。
【0062】
以上、本実施形態に係る半導体装置200においては、第1コネクタ260の第1先端部261は、第1部分261aと、第1部分261aの周囲に設けられ、第1チップ140のソース電極141との距離D1が第1部分261aとソース電極141との距離D2よりも短く、第2チップ150のソース電極151との距離D3が第1部分261aとソース電極151との距離D4よりも長い第2部分261bと、を有する。そのため、第1コネクタ260のソース電極141、151との接触面積を増加させつつ、ソース電極141、151がドレイン電極143、153に電気的に接続されることを抑制できる。
【0063】
また、第2コネクタ270の第2先端部271は、曲げ部271a、271b、271c、271dを有する。そのため、ゲート電極142、152がドレイン電極143、153に電気的に接続されることを抑制できる。
【0064】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
図15(a)は、本実施形態に係る半導体装置における第1コネクタを示す上面図であり、
図15(b)は、
図15(a)のE-E’線における断面図である。
本実施形態に係る半導体装置300は、第1コネクタ360の第1先端部361の形状において、第1の実施形態に係る半導体装置100と相違する。
【0065】
第1コネクタ360の第1先端部361において、Y方向において第1中間部163側に位置する端部361cを除いた部分は、例えば、プレス加工により複数個所で折り曲げられており、波状に折り曲げられている。これにより、第1コネクタは、交互に並んだ複数の第1部分361a及び複数の第2部分361bを有する。ただし、第1先端部は、全体が波状に折り曲げられていてもよい。なお、
図15(a)では、第2部分361bが設けられている領域をドットパターンで示している。
【0066】
上下方向における複数の第1部分361aの位置は、端部361c及び第1中間部163の第1部分163aの位置と概ね同じである。複数の第2部分361bは、複数の第1部分361aよりも下方に位置する。複数の第1部分361a及び複数の第2部分361bは、本実施形態では、Y方向に延びている。ただし、複数の第1部分及び複数の第2部分は、X方向に延びていてもよいし、X方向及びY方向に対して傾斜した方向に延びていてもよい。なお、第1部分の数は1以上であり、第2部分の数は1以上であればよい。
【0067】
複数の第1部分361aの上面の面積及び端部361cの上面の面積の合計は、複数の第2部分361bの下面の面積の合計と略同一であることが好ましい。これにより、第1コネクタ360と第1チップ140のソース電極141との間の抵抗と、第1コネクタ360と第2チップ150のソース電極151との間の抵抗と、の差を低減できる。その結果、第1チップ140に流入する電流と、第2チップ150に流入する電流と、に差が生じることを抑制できる。ただし、複数の第1部分の上面の面積及び端部の上面の面積の合計と、複数の第2部分の下面の面積の合計との大小関係は、上記に限定されない。
【0068】
以上説明したように、本実施形態における第1コネクタ360の第1先端部361は、波状の形状を有する。そのため、第1コネクタ260のソース電極141、151との接触面積を増加させることができる。また、これにより、ソース電極141、151間の隙間を大きくできるため、未硬化の半田を保持し易い。そのため、半田が各チップ140、150の側面を伝ってソース電極141、151がドレイン電極143、153に電気的に接続されることを抑制できる。
【0069】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置400は、ドレイン電極443、453同士が対向するように第1チップ440及び第2チップ450が配置されている点等で第1の実施形態と相違する。
【0070】
基板410は、絶縁層411と、絶縁層411に設けられた第1配線412、第2配線413、及び第3配線414と、を有する。基板410上には、第1チップ440が設けられている。
【0071】
第1チップ440の下面(第1面)440aには、ソース電極441及びゲート電極442が設けられている。ソース電極441は、半田等の接合部材441aにより第1配線412に接続されている。ゲート電極442は、半田等の接合部材442aにより第2配線413に接続されている。
【0072】
第1チップ440の上面(第2面)440bには、ドレイン電極443が設けられている。第1チップ440の上方には、第1チップ440と対向するように第2チップ450が設けられている。
【0073】
第2チップ450の上面(第3面)450aには、ソース電極451及びゲート電極452が設けられている。
【0074】
第2チップ450の下面(第4面)450bには、ドレイン電極453が設けられている。ドレイン電極453は、第1チップ440のドレイン電極443と対向している。第1チップ440と第2チップ450との間には、第1コネクタ460が設けられている。
【0075】
第1コネクタ460は、第1チップ440と第2チップ450との間に位置する先端部461と、第3配線414上に位置する基端部462と、先端部461と基端部462との間に位置する中間部463と、を有する。
【0076】
先端部461の形状は、本実施形態では平板状である。先端部461は、半田の接合部材443aにより第1チップ440のドレイン電極443に接続されている。また、先端部461は、半田等の接合部材453aにより第2チップ450のドレイン電極453に接続されている。
【0077】
基端部462の形状は、平板状である。基端部462は、半田等の接合部材414aにより、基板410の第3配線414に接続されている。
中間部463は、先端部461の端部及び基端部462の上端に接続されている。
【0078】
第2チップ450のソース電極451上には、第2コネクタ470が設けられている。第2コネクタ470は、半田等の接合部材451aによりソース電極451に接続されている。また、第2コネクタ470は、半田等の接合部材412aにより基板410の第1配線412に接続されている。
【0079】
第2チップ450のゲート電極452上には、第3コネクタ480が設けられている。第3コネクタ480は、半田等の接合部材452aによりゲート電極452に接続されている。また、第3コネクタ480は、半田等の接合部材413aにより基板410の第2配線413に接続されている。
【0080】
第1コネクタ460、第2コネクタ470、及び第3コネクタ480は、相互に離隔している。第1コネクタ460、第2コネクタ470、及び第3コネクタ480は、例えば銅等の熱伝導率の高い金属材料からなる。
【0081】
以上説明したように、ドレイン電極443、453同士が対向するように第1チップ440及び第2チップ450を配置してもよい。このような場合も、半導体装置100のオン抵抗を抑制しつつ、半導体装置100が出力可能な電流を増加させることができる。また、この際、第1チップ440と第2チップ450は、積層されている。そのため、半導体装置400の平面視における面積が増加することを抑制できる。
【0082】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。
図17は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置500は、第1コネクタ560の先端部561の形状において第4の実施形態に係る半導体装置400と相違する。
なお、以下の説明においては、原則として、第4の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第4の実施形態と同様である。
【0083】
第1コネクタ560の先端部561の形状は、第2の実施形態における第1コネクタ260の第1先端部261と概ね同様の形状を有する。具体的には、先端部561は、第1部分561aと、第1部分561aの周囲に設けられた第2部分561bと、第1部分561aと第2部分561bとの間に設けられ、第1部分561aと第2部分561bに接続された第3部分561cと、を有する。
【0084】
第2部分561bと第1チップ440のドレイン電極443との距離D5は、第1部分561aとドレイン電極443との距離D6よりも短い。また、第2部分561bと第2チップ450のドレイン電極453との距離D7は、第1部分561aとドレイン電極453との距離D8よりも長い。
【0085】
以上、説明したように本実施形態における第1コネクタ560の先端部561では、第2部分561bと第1チップ440のドレイン電極443との距離D5は、第1部分561aとドレイン電極443との距離D6よりも短い。また、第2部分561bと第2チップ450のドレイン電極453との距離D7は、第1部分561aとドレイン電極453との距離D8よりも長い。そのため、第1コネクタ560のドレイン電極443、453との接触面積を増加させつつ、ドレイン電極443、453がソース電極441、451及びゲート電極442、452に電気的に接続されることを抑制できる。
【0086】
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態について説明する。
図18は、本実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置600は、第1コネクタ660の先端部661の形状において第4の実施形態に係る半導体装置400と相違する。
【0087】
第1コネクタ660の先端部661の形状は、第3の実施形態における第1コネクタ360の第1先端部361と概ね同様の形状を有する。具体的には、先端部661は、例えば、プレス加工により複数個所で折り曲げられており、波状の形状を有する。そのため、第1コネクタ660のドレイン電極443、453との接触面積を増加させつつ、ドレイン電極443、453がソース電極441、451及びゲート電極442、452に電気的に接続されることを抑制できる。
【0088】
<第1コネクタの変形例>
図19(a)は、第1コネクタの変形例を示す断面図であり、
図19(b)は、第1コネクタの変形例を示す断面図である。
第1の実施形態における第1コネクタ160及び第4の実施形態における第1コネクタ460は、
図19(a)及び
図19(b)に示す第1コネクタ760と置換してもよい。第1コネクタ760の先端部761は、平板部761aと、平板部761aに設けられた1以上の凸部761bと、を有する。なお、平板部761aの上面に設けられた凸部761bの数と、平板部761aの下面に設けられた凸部761bの数は、同じであることが好ましい。ただし、凸部761bの数は、1以上であれば特に限定されない。
【0089】
以上説明したように、第1コネクタ760の先端部761は、第1チップ140又は第2チップ150に向かって突出した凸部761bを有する。このような構成によっても、第1コネクタ760と接続される電極との接触面積を増加させることができる。また、第1チップ140、440と第2チップ150、450との隙間を大きくできる。その結果、未硬化の半田が各チップ140、150、440、450の側面を伝わることを抑制できる。
【0090】
<第1チップ及び第2チップの変形例>
図20は、第1チップ及び第2チップの変形例を示す平面図である。
第1の実施形態では、第1チップ140及び第2チップ150の形状が正方形であり、第1チップ140は、第2チップ150と平面Pに対して対称である例を説明した。
【0091】
しかしながら、
図20(a)に示すように、第1チップ140及び第2チップ150の形状は、長方形であってもよい。
【0092】
また、
図20(b)に示すように、第1チップ140は、第2チップ150と平面P(
図5参照)に対して対称ではなくてもよい。例えば、第1チップ140のソース電極141の面積は、第2チップ150のソース電極151の面積よりも大きくてもよい。また、第1チップのソース電極の面積が、第2チップのソース電極の面積よりも大きくてもよい。
【0093】
以上説明したように、第1チップ及び第2チップの具体的な形状及び各電極の面積は、第1チップと第2チップの対応する電極同士を電気的に接続できる限り、特に限定されない。
【0094】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100、200、300、400、500、600:半導体装置
110、410:基板
111 :本体部
111a :上面
111b :下面
112 :延伸部
113 :接合部材
113F :半田
120 :第1リード
121 :第1延伸部
122 :第2延伸部
123 :接合部材
123F :半田
130 :第2リード
131 :第1延伸部
132 :第2延伸部
133 :接合部材
133F :半田
140、440:第1チップ
140a :上面
140b :下面
141、441:ソース電極
141a、441a:接合部材
141aF :半田
142、442:ゲート電極
142a、442a:接合部材
142aF :半田
143、443:ドレイン電極
143a、443a:接合部材
143aF :半田
150、450:第2チップ
150a :下面
150b :上面
151、451:ソース電極
151a、451a:接合部材
151aF :半田
152、452:ゲート電極
152a、452a:接合部材
152aF :半田
153、453:ドレイン電極
153a、453a:接合部材
153aF :半田
160、260、360、460、560、660、760:第1コネクタ
161、261、361:第1先端部
162 :第1基端部
163 :第1中間部
170、270、470:第2コネクタ
171、271:第2先端部
172 :第2基端部
173 :第2中間部
180、480:第3コネクタ
181 :第3先端部
182 :第3基端部
183 :第3中間部
190 :樹脂部材
241a、242a、251a、252a:接合部材
261a、361a:第1部分
261b、361b:第2部分
261c :第3部分
271a、271b、271c、271d:曲げ部
411 :絶縁層
412 :第1配線
412a :接合部材
413 :第2配線
414 :第3配線
414a :接合部材
461、561、661:先端部
462 :基端部
463 :中間部
561a :第1部分
561b :第2部分
561c :第3部分
761a :平板部
761b :凸部
D1~D4 :距離
P :平面