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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】排気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20240216BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240216BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20240216BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20240216BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F01N3/08 B ZAB
F01N3/24 N
F01N3/035 E
F01N13/08 Z
B01D53/94 222
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020190097
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079116
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220804
【氏名又は名称】東京濾器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 亮平
(72)【発明者】
【氏名】相澤 勇人
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-099415(JP,A)
【文献】特開2018-105248(JP,A)
【文献】特表2013-531166(JP,A)
【文献】特開昭49-127022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/08
F01N 3/24
F01N 3/035
F01N 13/08
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排ガス中の煤を除去するディーゼルパティキュレートフィルタと、エンジンの排ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択触媒還元と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記尿素選択触媒還元とを連結する排気連絡管と、この排気連絡管に設けられて尿素水を噴射する尿素水噴射ノズルと、を有する排気浄化装置であって、
前記尿素選択触媒還元は、ケース内に触媒を収納した構成とされており、
前記排気連絡管の下流部が、前記ケース内に挿入されており、
前記下流部の端部は、前記ケースの壁部内面から離間して配置されており、
前記端部には、さらに第1排気口を有する蓋部が設けられていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気浄化装置において、
前記下流部は、前記ケース内の排ガス流通方向の上流側に挿入されていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排気浄化装置において、
前記第1排気口は、複数の孔で構成されていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の排気浄化装置において、
前記下流部の外周壁には、第2排気口を設けていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の排気浄化装置において、
前記第2排気口は、複数の孔で構成されていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項6】
請求項に記載の排気浄化装置において、
前記第2排気口は、前記外周壁において前記下流部の端部側に設けられていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項7】
請求項に記載の排気浄化装置において、
前記第2排気口は、前記外周壁において前記ケース内での排ガス流通方向の上流側の領域に設けられていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項8】
請求項5に記載の排気浄化装置において、
前記下流部において前記ケース内に挿入されている部分の下流側領域における孔の数が、前記下流部において前記ケース内に挿入されている部分の上流側領域における孔の数よりも多く設けられていることを特徴とする排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタと尿素選択触媒還元とを排気連絡管で連結した構成の排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、エンジンの排ガス中の煤(Soot)を除去するディーゼルパティキュレートフィルタと、エンジンの排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去する尿素選択触媒還元と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記尿素選択触媒還元とを連結する尿素混合管と、この尿素混合管に尿素水を噴射する尿素水噴射ノズルと、を有する排気浄化装置が記載されている。
【0003】
前記尿素混合管の端部は、前記尿素選択触媒還元のケースに接続されていて、前記尿素選択触媒還元の内部空間に挿入されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許2015-083801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、前記尿素混合管を流通する排ガスに前記尿素水噴射ノズルから噴射された尿素水を混合させるが、この尿素水混じりの排ガスが前記尿素選択触媒還元の触媒に入る際に前記尿素水の微粒化ならびに蒸発が不足していると、前記尿素選択触媒還元において排ガス中の窒素酸化物を除去する効果が低下することが懸念される。
【0006】
そこで、前記尿素混合管の長さを可及的に長くすれば、前記尿素選択触媒還元の触媒に入るまでに排ガス中の尿素水の蒸発を促進させることが可能になると考えられる。しかしながら、その場合、前記尿素混合管が大型化するために、排気浄化装置の設置スペースが制限される場合には前記尿素混合管を前記のように長くすることができない。
【0007】
このような事情に鑑み、本発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタと尿素選択触媒還元とを連結する排気連絡管において外部に露呈する領域を大型化することなく、尿素水中の排ガスが前記尿素選択触媒還元の触媒に到達するまでに前記排ガス中の尿素水の蒸発を促進可能とする排気浄化装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エンジンの排ガス中の煤を除去するディーゼルパティキュレートフィルタと、エンジンの排ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択触媒還元と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記尿素選択触媒還元とを連結する排気連絡管と、この排気連絡管に設けられて尿素水を噴射する尿素水噴射ノズルと、を有する排気浄化装置であって、前記尿素選択触媒還元は、ケース内に触媒を収納した構成とされており、前記排気連絡管の下流部が、前記ケース内に挿入されており、前記下流部の端部は、前記ケースの壁部内面から離間して配置されており、前記端部には、さらに第1排気口を有する蓋部が設けられていることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、前記ケース内に挿入しない場合に比べると、前記排気連絡管を長くすることが可能になるから、当該排気連絡管内に噴射される尿素水が混合された排ガスが前記ケースに到達するまでの過程において当該排ガス中の尿素水の蒸発が促進されることになる。
【0010】
しかも、前記排気連絡管を長くしてもその下流部を前記ケース内に挿入しているから、当該排気連絡管において外部に露呈する領域を大型化することが無い。
【0011】
これらのことから、前記排気浄化装置をコンパクトにしながら、前記尿素選択触媒還元
により排ガス中の窒素酸化物を除去する効果が向上することになる。さらに、上記構成によれば、前記排気連絡管から排出される尿素水混じりの排ガスが前記ケースの壁部内面に衝突することによって、当該排ガス中の尿素水の蒸発が促進される。
【0012】
ところで、上記排気浄化装置において、前記下流部は、前記ケース内の排ガス流通方向の上流側に挿入されていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、前記排気連絡管の下流部を前記ケース内の排ガス流通方向の下流側に挿入する場合に比べると、前記ケース内に流入した排ガス中の尿素水の蒸発を促進させるうえで有利になる。
【0016】
また、上記第1排気口は、複数の孔で構成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、前記下流部の端部を全開の開放端部にする場合に比べると、前記尿素水混じりの排ガスが前記第1排気口としての複数の孔それぞれを通過する際に、当該排ガス中の尿素水が蒸発されやすくなる。
【0018】
その他、上記構成によれば、前記下流部の端部を全開の開放端部にする場合に比べると、前記第1排気口としての複数の孔から排ガスが排出されにくくなって、前記排気連絡管内に尿素水混じりの排ガスが長く留められることになるから、前記第1排気口としての複数の孔から排出されるまでに前記排ガス中の尿素水の蒸発が促進される。
【0019】
また、上記排気浄化装置において、前記下流部の外周壁には、第2排気口を設けていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、前記排気連絡管の外周壁に前記第2排気口を設けない場合に比べると、前記第2排気口を尿素水混じりの排ガスが通過する際に当該排ガス中の尿素水の蒸発が促進される。
【0021】
また、上記第2排気口は、複数の孔で構成されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、前記尿素水混じりの排ガスが前記第2排気口としての複数の孔それぞれを通過する際に、当該排ガス中の尿素水が蒸発されやすくなる。
【0023】
また、上記排気浄化装置において、前記第2排気口は、前記外周壁において前記下流部の端部側に設けられていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、前記排気連絡管の外周壁において上流側に前記第2排気口を設ける場合に比べると、前記排気連絡管内に尿素水混じりの排ガスが長く留められることになるから、前記第2排気口から排出されるまでに排ガス中の尿素水の蒸発がさらに促進される。
【0025】
また、上記排気浄化装置において、前記第2排気口は、前記外周壁において前記ケース内での排ガス流通方向の上流側の領域に設けられていることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、前記第2排気口から排出された尿素水混じりの排ガスが前記ケース内に挿入された下流部を迂回する形で前記ケース内の下流側に向かうことになるので、前記ケース内で排ガス中の尿素水の蒸発が促進される。
【0027】
また、上記排気浄化装置において、前記下流部において前記ケース内に挿入されている部分の下流側領域における孔の数が、前記下流部において前記ケース内に挿入されている部分の上流側領域における孔の数よりも多く設けられていることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、前記尿素水混じりの排ガスが前記ケース内の広域に放出されるから、前記ケース内に設置される触媒の広域に入るようになるとともに、前記孔それぞれを前記尿素水混じりの排ガスが通過する際に当該排ガス中の尿素水が蒸発されるようになる。これにより、前記排ガス中の窒素酸化物と尿素との反応が促進されるようになる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ディーゼルパティキュレートフィルタと尿素選択触媒還元とを連結する排気連絡管において外部に露呈する領域を大型化することなく、尿素水中の排ガスが前記尿素選択触媒還元の触媒に到達するまでに前記排ガス中の尿素水の蒸発を促進可能とする排気浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る排気浄化装置の一実施形態の概略構成を示す図である。
図2図1の排気連絡管の下流側を拡大して示す斜視図である。
図3図1の(3)-(3)線断面を矢印方向から見た図で、排気連絡管の下流部の第2排気口から尿素選択触媒還元のケース内に入る尿素水混じりの排ガスの流れを示している。
図4】本発明に係る排気浄化装置の排気連絡管の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図1から図3に本発明の一実施形態を示している。図例の排気浄化装置は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFと略称する)1、尿素選択触媒還元(以下、SCRと略称する)2、排気連絡管3、尿素水噴射ノズル4等を備えている。
【0033】
DPF1は、不図示のエンジンの排ガス中の煤を除去するものである。SCR2は、前記エンジンの排ガス中の窒素酸化物を除去するものである。排気連絡管3は、DPF1とSCR2とを連結するものである。尿素水噴射ノズル4は、排気連絡管3に尿素水を噴射するものである。
【0034】
詳しくは、SCR2は、ケース21、SCR触媒22、アンモニアスリップ触媒23、テールパイプ24等を備えている。
【0035】
ケース21は、例えば円筒形で両端が閉塞された構成とされている。SCR触媒22は、尿素選択触媒還元用であって、ケース21内の中間部分に設置されている。
【0036】
アンモニアスリップ触媒23は、アンモニア成分を酸化するものであって、ケース21内の中間直線部分においてSCR触媒22よりも排ガス流通方向の下流側に離隔して配置されている。
【0037】
テールパイプ24は、ケース21の外周壁において排ガス流通方向の下流側に取り付けられており、その下流側の開放端は大気に開放されている。
【0038】
排気連絡管3は、その長手方向(排ガス流通方向)の中間部31が直線形状に形成されており、その一端部(以下、上流部32と言う)および他端部(以下、下流部33と言う)が中間部31と直交するように屈曲されている。
【0039】
尿素水噴射ノズル4は、排気連絡管3の中間部31と上流部32とを連接する上流屈曲部34の外側に取り付けられていて、尿素水を上流屈曲部34から中間部31に向けて噴射するものである。
【0040】
この排気連絡管3の下流部33は、SCR2のケース21内に挿入されている。具体的に、図1に示すように、ケース21の外周壁において排ガス流通方向の上流側の円周所定位置からケース21内に径方向内向きに挿入されており、この下流部33の端部がケース21の外周壁の内周面から離間して配置されている。
【0041】
排気連絡管3において下流部33と中間部31とを連接する下流屈曲部35の下流側には、鍔状部材5が取り付けられている。この鍔状部材5は、排気連絡管3とは別体に形成されるものであって、径方向外向きに延出する四角形の金属製のプレートからなる。
【0042】
一方、ケース21の外周壁において上流側には、径方向外向きに突出する取付筒部25が設けられている。
【0043】
そして、排気連絡管3の下流部33の全域がケース21の取付筒部25の内孔からケース21内に挿入されていて、鍔状部材5がケース21の取付筒部25の鍔部に重ね合わされた状態で締結部材によって連結されている。
【0044】
下流部33の端部は、図1に示すように、ケース21の外周壁の内周面から離間して配置されている。この下流部33の端部には、第1排気口61を有する蓋部6が設けられている。
【0045】
第1排気口61は、複数の円形の孔で構成されていて、蓋部6の全域にドットマトリクス状に設けられている。
【0046】
例えば蓋部6は、金属製プレートに円形の孔からなる第1排気口61をパンチング加工により穿設したものとされ、下流部33の端部の開口縁に例えば溶接等により取り付けられている。
【0047】
さらに、この下流部33の外周壁の一部領域には、第2排気口36が設けられている。この第2排気口36は、複数の円形の孔で構成されていて、前記外周壁にドットマトリクス状に設けられている。
【0048】
詳しくは、第2排気口36は、下流部33の外周壁において端部側で、かつ、SCR2のケース21の上流側端壁26に向いている半周領域に設けられている。これにより、第2排気口36は、ケース21内において排ガス流通方向とは反対向きに開放するようになっていて、この第2排気口36から排出される尿素水混じりの排ガスは、ケース21の上流側端壁26に衝突されるようになる。
【0049】
なお、第1排気口61としての孔および第2排気口36としての孔の形状は、円形だけでなく、矩形や三角形等、任意の形状にすることが可能である。このような孔からなる第1排気口61および第2排気口36は、例えばパンチング加工により穿設されることにより得られる。
【0050】
次に、上記のような構成の排気浄化装置の作用について説明する。
【0051】
不図示のエンジンから排出される排ガスがDPF1を通過することによって前記排ガス中の煤を除去した後、排気連絡管3を介してSCR2に導入される。
【0052】
詳しくは、排気連絡管3を流通する排ガスには、尿素水噴射ノズル4から噴射される尿素水が混合される。
【0053】
この尿素水混じりの排ガスは、排気連絡管3の下流部33の第1排気口61と、第2排気口36とを通じてSCR2のケース21内に導入される。
【0054】
ここで、第2排気口36を通過する尿素水混じりの排ガスは、図3に示すように、SCR2のケース21の上流側端壁26の内面に衝突して前記排出方向と反対向きにユーターンさせられることにより、ケース21内において下流側に向かうことになる。
【0055】
その一方で、第1排気口61を通過する尿素水混じりの排ガスは、ケース21の外周壁の内周面に衝突して前記通過方向と反対向きにユーターンさせられることにより、ケース21において第1排気口61と180度対向する側へ向かうことになる。
【0056】
そして、第1排気口61を通過してユーターンした尿素水混じりの排ガスと、第2排気口36を通過してユーターンした尿素水混じりの排ガスとが干渉することによって、排ガスがケース21の広域に拡散されながら、SCR触媒22の広域に流入するようになる。
【0057】
ところで、第1排気口61を通過した尿素水混じりの排ガス、および第2排気口36を通過した尿素水混じりの排ガスは、ケース21の外周壁および上流側端壁26と衝突することによって排ガス中の尿素水の蒸発が促進される。
【0058】
このようなことから、SCR2内で排ガス中の窒素酸化物と尿素との反応が促進されるようになる。
【0059】
以上説明したように本発明を適用した実施形態の排気浄化装置によれば、排気連絡管3の下流部33をSCR2のケース21内に挿入しない場合に比べると、排気連絡管3を長くすることが可能になるから、当該排気連絡管3内に噴射される尿素水が混合された排ガスがケース21に到達するまでの過程において当該排ガス中の尿素水の蒸発が促進されることになる。
【0060】
しかも、排気連絡管3を長くしてもその下流部33をケース21内に挿入しているから、当該排気連絡管3において外部に露呈する領域を大型化することが無い。
【0061】
これにより、本発明を適用した実施形態の排気浄化装置をコンパクトにすることができるから、設置スペースが制限される場合での設置性において有利になり、しかも、SCR2により排ガス中の窒素酸化物を除去する効果が向上する等、排ガスの浄化性能の向上に貢献できるようになる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0063】
(1)例えば図4に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、上記実施形態の排気連絡管3の下流部33の外周壁において上流側領域から下流側領域に跨って、第2排気口36として複数の孔をドットマトリクス状に設けていて、しかも、下流部33における下流側領域3Aに設けられる第2排気口36としての孔の数を、下流部33における上流側領域3Bに設けられる第2排気口36としての孔の数よりも多くしている。
【0064】
その他の構成については、上記実施形態と基本的に同様とされている。このような実施形態の場合も、上記実施形態と遜色のない作用、効果が得られる。
【0065】
(2)上記各実施形態では、下流部33の外周壁においてケース21の上流側端壁26に向いた半周領域に第2排気口36を設けた例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0066】
例えば図示していないが、例えば、第2排気口36としての複数の孔を、下流部33の外周壁の全周領域に設けるようにすることが可能である。
【0067】
このような実施形態の場合も、上記実施形態と遜色のない作用、効果が得られる。
【0068】
(3)上記各実施形態では、第1排気口61および第2排気口36について複数の孔をドットマトリクス状に配置した構成とした例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0069】
例えば第1排気口61および第2排気口36については、単一の大きな孔、または2~4個程度の比較的大きな孔とすることが可能である。このような孔の形状は、円形、矩形または三角形等、任意の形状にすることが可能である。
【0070】
このような実施形態の場合も、上記実施形態と遜色のない作用、効果が得られる。
【0071】
(4)上記各実施形態では、排気連絡管3の下流部33の全域をSCR2のケース21内に挿入した例を挙げているが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0072】
例えば図示していないが、排気連絡管3の下流部33を部分的にSCR2のケース21内に挿入することが可能である。
【0073】
このような実施形態の場合も、上記実施形態と遜色のない作用、効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、DPFとSCRとを排気連絡管で連結した構成の排気浄化装置に好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
2 尿素選択触媒還元(SCR)
21 ケース
22 SCR触媒
23 アンモニアスリップ触媒
24 テールパイプ
26 上流側端壁
3 排気連絡管
31 中間部
32 上流部
33 下流部
36 第2排気口
4 尿素水噴射ノズル
6 蓋部
61 第1排気口
図1
図2
図3
図4