(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ポリウレタンコーティングされた熱収縮性フィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20240216BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20240216BHJP
B32B 7/028 20190101ALI20240216BHJP
B32B 3/14 20060101ALI20240216BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240216BHJP
B65D 71/08 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B32B27/32 C
B32B27/40
B32B7/028
B32B3/14
B65D65/40 D
B65D71/08
(21)【出願番号】P 2020542313
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 US2019019725
(87)【国際公開番号】W WO2019168898
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】516370305
【氏名又は名称】ピービービー ポリシャー エス.アール.エル.
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ドバル、カミラ
(72)【発明者】
【氏名】カサルビアス、ファン カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ザネッティ、マクシミリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】デオリヴェイラ、マルロス ジウンティーニ
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス、ホルヘ カミネロ
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/196168(WO,A1)
【文献】特表2019-521877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
B65D 65/00- 65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱収縮性フィルムであって、
(a)
(i)30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層であって、前記第1のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm
3の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I
2)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、第1の層、
(ii)50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層であって、前記第2のエチレン系ポリマーが、0.905~0.970g/cm
3の密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、第2の層、ならびに
(iii)前記第1の層と前記第2の層との間の少なくとも1つの内層であって、0.930~0.970g/cm
3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、内層、を含む多層フィルムと、
(b)前記フィルムの前記第1の層または第2の層の外面上のコーティングであって、(a)ポリオールと(b)芳香族イソシアネート官能性プレポリマーとの重合反応生成物であるポリウレタンを含む、コーティングと、を含み、
前記コーティングの量が、0.1~0.8g/m
2である、熱収縮性フィルム。
【請求項2】
(i)前記第1の層および前記第2の層が各々、前記第1のエチレン系ポリマー及び前記第2のエチレン系ポリマーとして、ASTM D 1238に従って測定される0.1~0.4g/10分のメルトインデックス(I
2)および120℃未満のピーク融点を有する50~70重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、前記第3のエチレン系ポリマーとして、0.930~0.970g/cm
3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する20~40重量パーセントのエチレン系ポリマーを含む、請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
【請求項3】
(
i)前記第1の層が、前記第1のエチレン系ポリマーとして、ASTM D 1238に従って測定される0.4~1.0g/10分のメルトインデックス(I
2)および125℃未満のピーク融点を有する30~50重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み
、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、0.910~0.930g/cm
3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する60~80重量パーセントのエチレン系ポリマーをさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項4】
(i)前記第2の層が、前記第2のエチレン系ポリマーとして、ASTM D 1238に従って測定される0.3~1.2g/10分のメルトインデックス(I
2)および115℃~135℃のピーク融点を有する60~80重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、0.910~0.930g/cm
3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する60~85重量パーセントのエチレン系ポリマーをさらに含む、請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
【請求項5】
前記多層フィルムが、0.905~0.930g/ccの密度および0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I
2)を有する40~60重量%の低密度ポリエチレンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項6】
前記コーティングの量が、0.3~0.8g/m
2である、請求項1~5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項7】
前記コーティングが、前記多層フィルムの前記第1の層または第2の層の前記外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される、請求項1~6のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項8】
前記ポリオールが、ヒドロキシル末端ポリオールである、請求項1~7のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項9】
前記ヒドロキシル末端ポリオールが、ヒドロキシル末端ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル末端ポリエステルポリオール、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の熱収縮性フィルム。
【請求項10】
前記芳香族イソシアネート官能性プレポリマーが、トルエンジイソシアネート、メチルジフェニルジイソシアネート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~9のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項11】
前記熱収縮性フィルムが、インフレーションフィルムである、請求項1~10のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項12】
前記コーティングが、前記外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される、請求項1~11のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
【請求項13】
パッケージ用組立品であって、
複数のパッケージであって、各パッケージが、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、前記一次パッケージ用フィルムが、前記複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムであって、請求項1~12のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを含む、二次パッケージ用フィルムと、を含む、パッケージ用組立品。
【請求項14】
ポリマーで包まれた一次パッケージをユニット化する方法であって、
前記一次パッケージのうちの1つ以上を請求項1~12のいずれかに記載の熱収縮性フィルムで包むことと、
前記熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、前記一次パッケージを前記熱収縮性フィルム内に拘束することと、を含み、
ポリウレタンを含む前記コーティングが、前記1つ以上の一次パッケージの近位に配置される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月28日に出願された米国仮特許出願第62/636,471号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、概して、熱収縮性フィルムに関し、より具体的には、ポリウレタンコーティング層を有する熱収縮性フィルムに関する。そのような熱収縮性フィルムは、ユニット化のプロセスで複数の製品をグループ化するための二次パッケージ材として使用することができる。
【背景技術】
【0003】
収縮性フィルムは、消費財製品などの製品のパッケージ材に一般的に使用される。例えば、ペットボトルの束は、ペットボトルを一緒に固定する収縮性フィルムパッケージによって固定することができる。収縮性フィルムは、物体の周りに配置され、元の寸法に対して収縮して、少なくとも部分的に物体を取り囲み、保持された品物または複数の品物を固定し、一次パッケージを製造するポリマーフィルムを含み得る。例えば、プラスチック製の飲料容器を束ね、収縮性フィルム内に固定することができる。段ボールパッケージ材などの他の従来のパッケージ材と比較して収縮性フィルムの利点には、環境への影響の軽減、コスト削減、シースルー性、および出荷用ならびに消費者向けディスプレイの両方のパッケージ材として機能する能力が含まれる。
【0004】
個別包装された製品を市場に持ち込むための物流および供給チェーンは、個別包装された製品のユニット化が頻繁に必要になる。ユニット化とは、取り扱い、輸送、および保管を容易にし、取り扱い、輸送、および保管中に個別包装された製品を保護するために、いくつかの個別包装された製品をグループ化することである。ユニット化は、一般的に、一次パッケージの上に二次収縮性フィルムまたは二次パッケージ材を適用することによって達成される。しかしながら、現在利用可能な収縮性フィルムをオーバー収縮性フィルムとして使用して、二次パッケージ材を提供し、個々の一次パッケージを束ねると、一般的に、二次パッケージ材の収縮後に、二次パッケージ材が一次パッケージに接着する結果となる。この接着は望ましくなく、一次パッケージに構造的損傷および視覚的損傷の両方を引き起こし、販売不能な製品または欠陥製品をもたらす。
【0005】
したがって、一次パッケージをユニット化し、損傷することなく下にある一次パッケージの取り出しを容易にする、二次パッケージ材で使用するためのコーティングされたフィルムが必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、熱収縮性フィルムの外面上にコーティングを含む熱収縮性フィルムを提供することにより、これらの必要性を満たす。コーティングは、取り扱いの容易性および店の棚までの物流および供給チェーンの間の保護のために、熱収縮性フィルムを使用して、個別の販売可能な製品をより大きな小包にユニット化するとき、個別の製品をパッケージするために使用される下にある収縮性フィルムへの熱収縮性フィルムの接着を軽減する。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態よれば、熱収縮性フィルムが提供される。熱収縮性フィルムは、(a)多層フィルムと、(b)フィルムの第1の層または第2の層の外面上のコーティングと、を含む。多層フィルムは、(i)0.905~0.930g/cm3の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I2)、ならびに示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーから形成された第1の層と、(ii)0.905~0.970g/cm3の密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーから形成された第2の層と、(iii)0.930~0.970g/cm3の密度およびDSCを使用して測定したときに120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層と第2の層との間の少なくとも1つの内層と、を含む。コーティングは、(a)ポリオールおよび(b)芳香族イソシアネート官能性プレポリマーから形成されるポリウレタンを含む。
【0008】
本開示の追加の実施形態によれば、熱収縮性フィルムが提供される。熱収縮性フィルムは、(a)単層フィルムおよび(b)単層フィルムの外面上のコーティングを含む。単層フィルムは、30~60重量パーセントの第4のエチレン系ポリマーを含み、第4のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cm3の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、ならびにDSCを使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する。コーティングは、(a)ポリオールおよび(b)芳香族イソシアネート官能性プレポリマーから形成されるポリウレタンを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、パッケージ用組立品が提供される。パッケージ用組立品は、複数のパッケージを含み、各パッケージは、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、一次パッケージ用フィルムは、複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する。パッケージ用組立品は、複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムをさらに含み、二次パッケージ用フィルムは、本開示の実施形態による熱収縮性フィルムを含む。
【0010】
本開示のさらに追加の実施形態によれば、ポリマーで包まれた一次パッケージをユニット化する方法が提供される。この方法は、本開示の実施形態によるポリウレタンコーティングされた熱収縮性フィルムで一次パッケージのうちの1つ以上を包むこと、およびポリウレタンコーティングされた熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、一次パッケージをポリウレタンコーティングされた熱収縮性フィルム内に拘束することを含む。包んでいる間、ポリウレタンコーティングは、1つ以上の一次パッケージの近位に配置される。
【0011】
これらおよび他の実施形態は、発明を実施するための形態でより詳細に説明される。上記の一般的な説明および下記の詳細な説明の両方は、技術の実施形態を表し、それが特許請求されるように技術の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、技術のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、様々な実施形態を例示し、説明と共に、技術の原則および動作を説明するのに役立つ。さらに、図面および説明は、単なる例示であることを意図し、いかなる様式でも特許請求の範囲の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の特定の実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと最良に理解することができ、これらの図面では、同様の構造が同様の参照番号で示される。
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、複数の一次パッケージをユニット化するポリウレタンコーティングされた単層熱収縮性フィルムを示す概略図である。
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、複数の一次パッケージをユニット化するポリウレタンコーティングされた多層熱収縮性フィルムを示す概略図である。
【
図2】0.3秒のシール滞留時間での多層フィルム間の比較ヒートシール力を示すグラフである。
【
図3】0.5秒のシール滞留時間での多層フィルム間の比較ヒートシール力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
「ポリマー」という用語は、同一または異なる種類のモノマーに関わらず、モノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。このため、総称のポリマーは、通常、1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる「ホモポリマー」という用語、および2種類以上の異なるモノマーから調製されたポリマーを指す「コポリマー」を包含する。
【0014】
「ポリエチレン」または「エチレン系ポリマー」は、エチレンモノマー由来の50mol%超の単位を含むポリマーを意味するものとする。これには、エチレン系ポリエチレンホモポリマーまたはコポリマー(単位が2つ以上のコモノマーに由来することを意味する)が含まれる。当該技術分野において既知のポリエチレンの一般的な形態としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ウルトラ低密度ポリエチレン(ULDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状および実質的に直鎖状の両方の低密度樹脂を含むシングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ならびに高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」、または「高分岐ポリエチレン」とも称され得、ポリマーが、過酸化物などのフリーラジカル開始剤を使用して、14,500psi(100MPa)を上回る圧力で、オートクレーブまたは管状反応器中で、部分的または完全にホモ重合または共重合されることを意味するように定義される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、US4,599,392を参照されたい)。LDPE樹脂は、典型的には、0.916~0.940g/cmの範囲の密度を有する。
【0016】
「LLDPE」という用語には、チーグラー・ナッタ触媒系を使用して作製された樹脂、ならびにこれらに限定されないが、ビスメタロセン触媒(「m-LLDPE」と称されることもある)、ホスフィンイミン、および拘束幾何触媒を含むシングルサイト触媒を使用して作製された樹脂、およびこれらに限定されないが、ビス(ビフェニルフェノキシ)触媒(多価アリールオキシエーテル触媒とも称される)を含むポストメタロセン分子触媒を使用して作製された樹脂が含まれる。LLDPEには、直鎖状、実質的に直鎖状、または不均一なエチレン系コポリマーまたはホモポリマーが含まれる。LLDPEには、LDPEよりも少ない長鎖分岐が含有され、米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号、同第5,582,923号、および同第5,733,155号でさらに定義される実質的に直鎖状のエチレンポリマー、米国特許第3,645,992号におけるものなどの均一分岐直鎖状エチレンポリマー、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに従って調製されたものなどの不均一分岐エチレンポリマー、ならびにそれらのブレンド(米国特許第3,914,342号または同第5,854,045号に開示されるものなど)が含まれる。LLDPE樹脂は、当該技術分野で知られている任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせによって作製され得る。LLDPE樹脂は、当該技術分野において既知である任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、溶液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせによって作製され得る。
【0017】
「HDPE」という用語は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはさらにはメタロセン触媒を用いて調製される、約0.940g/cm以上の密度を有するポリエチレンを指す。
【0018】
「ポリプロピレン」または「プロピレン系ポリマー」は、プロピレンモノマーから誘導された、50重量%超の単位を含むポリマーを意味するものとする。これは、ポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーから誘導された単位を意味する)を含む。当該技術分野で知られているポリプロピレンの一般的な形態としては、ホモポリマーポリプロピレン(hPP)、ランダムコポリマーポリプロピレン(rcPP)、インパクトコポリマーポリプロピレン(hPP+、少なくとも1つのエラストメリック耐衝撃性改良剤)(ICPP)または高耐衝撃性ポリプロピレン(HIPP)、高溶融強度ポリプロピレン(HMS-PP)、イソタクチックポリプロピレン(iPP)、シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
「多層構造」とは、2つ以上の層を有する任意の構造を意味する。例えば、多層構造(例えば、フィルム)は、2つ、3つ、4つ、5つ以上の層を有し得る。多層構造は、文字で示される層を有するとして説明され得る。例えば、コア層B、ならびに2つの外部層AおよびCを有する3層構造は、A/B/Cとして示されてもよい。同様に、2つのコア層BおよびC、ならびに2つの外部層AおよびDを有する構造は、A/B/C/Dとして示されるであろう。
【0020】
「熱収縮性フィルム」、「収縮性フィルム」、または「照合収縮性フィルム」という用語は、収縮して、1つ以上の品物の周りにフィットして固定できる任意のポリマーフィルム材料を指す。これには、「一次パッケージ材」と「二次パッケージ材」が包含され得る。理論に縛られることなく、収縮プロセス中のプラスチックの配向応力の緩和により、収縮性フィルムの収縮が生じ得る。収縮性フィルムは、上記で言及されたようなエチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーなどであるがこれらに限定されないポリマーを含み得る。収縮性フィルムは、多層構造であっても、単層構造であってもよい。
【0021】
「一次パッケージ材」という用語は、物体の周りに配置され、それらの元の寸法に対して収縮して、少なくとも部分的に物体を取り囲み、品物または複数の品物を一次パッケージ内に固定し、一次パッケージを製造するポリマーフィルムを指す。一次パッケージは、一般に、飲料ボトルの包まれた6ユニットパックなどの、店の棚に配置されるか、または消費者に配達される販売可能な品物である。
【0022】
「二次パッケージ材」という用語は、複数の一次パッケージの周りに配置されて、一次パッケージの統合されたグループを提供して、取り扱い、輸送、保管を容易にし、ならびに取り扱い、輸送、および輸送中の一次パッケージの保護を提供するポリマーフィルムを指す。
【0023】
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲におけるいかなる範囲の開示は、その範囲自体、およびその中に包含されるあらゆるもの、ならびに終点も含むものとして理解されるべきである。
【0024】
図1Aおよび1Bを参照すると、本開示の熱収縮性フィルム10の実施形態は、ポリマーフィルム20と、ポリマーフィルム20の外面上のコーティング30とを含む。ここで、本出願の特定の実施形態について説明する。しかしながら、本開示は異なる形態で具体化されてもよく、本開示に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であり、本主題の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0025】
図1Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、熱収縮性フィルム10は、そのポリマー層20として単層ポリマーフィルム21を含む。単層フィルム21は、エチレン系ポリマーを含む。
【0026】
図1Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、熱収縮性フィルム10は、そのポリマーフィルム20として多層フィルム22を含む。多層フィルム22は、第1の層24、第2の層26、および第1の層24と第2の層26との間の少なくとも1つの内層28を含み得る。多層構造について示されるように、多層フィルム22は、A/B/Cとして配置される、コア層B、ならびに2つの外層AおよびCを有する3層構造として形成され得る。同様に、多層フィルム22は、A/B/C/Dとして配置される、2つのコア層BおよびC、ならびに2つの外層AおよびDを有する構造として形成され得る。多層フィルム22の実施形態の多層構造は、A/B/A、A/B/C/A、およびA/B/C/B/Dなどの無数の可能性を提供し、本開示は、各可能性を考慮していることが理解されるであろう。
【0027】
図1Bの実施形態を再び参照すると、多層フィルム22の第1の層24は、1立方センチメートル当たり0.905~0.930グラム(g/cm
3)の密度、ASTM D 1238に従って測定される0.1~2.0グラム/10分(g/10分)のメルトインデックス(I
2)、および示差走査熱量測定(DSC)に従って測定される126℃未満のピーク融点を有する30~100重量パーセント(重量%)の第1のエチレン系ポリマーを含む。30~100重量パーセント(重量%)の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第1のエチレン系ポリマーの量は、30、40、または50重量%の下限から70、80、90、または100重量%の上限までであり得る。例えば、第1のエチレン系ポリマーの量は、30~80重量%、または別の方法では40~90重量%、または別の方法では35~55重量%、または別の方法では62~87重量%であり得る。
【0028】
示されるように、第1のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cm3の密度を有し得る。0.905~0.930g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマーの密度は、0.928、0.925、0.920、または0.915g/cm3の下限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cm3の上限までであり得る。
【0029】
示されるように、第1のエチレン系ポリマーは、ASTM D 1238に従って測定された0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I2)を有し得る。0.1~2.0g/10分の全ての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマーのメルトインデックスは、2.0、1.7、1.4、1.1、または0.9g/10分の下限から0.1、0.2、0.3、0.4、0.6、または0.8g/10分の上限までであり得る。
【0030】
第1のエチレン系ポリマーは、いくつかの実施形態では、126℃以下のピーク融点を有し得る。第1のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では、125℃以下、120℃以下、118℃以下、または115℃以下のピーク融点を有し得る。さらに、様々な実施形態では、第1のエチレン系ポリマーは、95℃超、100℃超、または105℃超えのピーク融点を有し得る。
【0031】
第1のエチレン系ポリマーの例には、例えば、DOW(商標)LDPE132I、DOWLEX(商標)NG2045B、およびELITE(商標)5111Gを含む、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0032】
図1Bの多層フィルム22の実施形態を再び参照すると、第2の層26は、0.905~0.970g/cm
3の密度および100~135℃の範囲のピーク融点を有する50~100重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む。50~100重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第2のエチレン系ポリマーの量は、50、60、または70重量%の下限から80、90、または100重量%の上限までであり得る。例えば、第2のエチレン系ポリマーの量は、50~80重量%、または別の方法では60~90重量%、または別の方法では65~85重量%、または別の方法では62~87重量%であり得る。
【0033】
示されるように、第2のエチレン系ポリマーは、0.905~0.970g/cm3の密度を有し得る。0.905~0.970g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第1のエチレン系ポリマー密度は、0.968、0.960、0.955、または0.950g/cm3の上限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cm3の下限までであり得る。
【0034】
第2のエチレン系ポリマーは、100℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。いくつかの実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、第1のエチレン系ポリマーとは異なるピーク融点を有し得る。第2のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では、135℃、130℃、125℃、または120℃のピーク融点上限および100℃、105℃、110℃、または115℃のピーク融点下限を有し得る。
【0035】
第2のエチレン系ポリマーの例には、例えば、DOW(商標)LDPE132I、DOWLEX(商標)NG2045B、UNIVAL(商標)DMDA6200NT7、およびELITE(商標)5111Gなどの、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0036】
フィルムが多層フィルムである1つ以上の実施形態では、少なくとも1つの内層28は、0.930~0.970g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む。10~50重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第3のエチレン系ポリマーの量は、10、20、または30重量%の下限から30、40、または50重量%の上限までであり得る。例えば、第3のエチレン系ポリマーの量は、10~40重量%、または別の方法では20~50重量%、または別の方法では15~45重量%、または別の方法では22~47重量%であり得る。
【0037】
第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cm3の密度を有し得る。0.905~0.930g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第3のエチレン系ポリマーの密度は、下限値0.968、0.960、0.955、または0.950g/cm3の上限から0.930、0.935、0.940、または0.950g/cm3の下限までであり得る。
【0038】
第3のエチレン系ポリマーは、いくつかの実施形態では、120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。第2のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では, 135℃、132℃、130℃、または128℃のピーク融点上限および120℃、122℃、125℃、または128℃のピーク融点下限を有し得る。
【0039】
第3のエチレン系ポリマーの例には、例えば、例えば、DOWLEX(商標)NG2038BおよびUNIVAL(商標)DMDA6200NT7などの、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられ得る。
【0040】
熱収縮性フィルムの多層フィルムの範囲および幅を簡単に説明してきたが、多層フィルムの構成要素および構造の特定の例が提供される。1つ以上の実施形態では、多層フィルムは、30~100重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層24と、50~100重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層26と、10~50重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層24と第2の層26との間の少なくとも1つの内層28とを含む。第1のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cm3の密度、0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I2)、および126℃未満のピーク融点を有し得る。第2のエチレン系ポリマーは、0.905~0.970g/cm3の密度および100℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。最後に、第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、多層フィルムは、50~70重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層24と、50~70重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層26と、20~40重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層24と第2の層26との間の少なくとも1つの内層28とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.1~0.4g/10分のメルトインデックス(I2)および120℃未満のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.930~0.970g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、多層フィルム22は、30~50重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層24と、30~50重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層26と、60~80重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層24と第2の層26との間の少なくとも1つの内層28とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.4~1.0g/10分のメルトインデックス(I2)および125℃未満のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.910~0.930g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、多層フィルムは、60~80重量%の第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層24と、60~80重量%の第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層26と、60~85重量%の第3のエチレン系ポリマーを含む、第1の層24と第2の層26との間の少なくとも1つの内層28とを含む。第1のエチレン系ポリマーおよび第2のエチレン系ポリマーは、各々、0.3~1.2g/10分のメルトインデックス(I2)および115℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。第3のエチレン系ポリマーは、0.910~0.930g/cm3の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有し得る。
【0044】
第1の層24、第2の層26、および内層28にそれぞれ配置された第1のエチレン系ポリマー、第2のエチレン系ポリマー、および第3のエチレン系ポリマーのうちの1つ以上は、同じ基礎となるエチレン系ポリマーを含み得ることが理解されるであろう。例えば、第1の層24および第2の層26は、各々、1つ以上の同じポリマーを含み得る。
【0045】
上記のように、いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマー層20は、
図1Bに示されるように単層フィルム21である。そのような実施形態では、単層フィルム21は、0.905~0.930g/cm
3の密度、ASTM D 1238に従って測定される0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I
2)、および126℃未満のピーク融点を有する、30~60重量%の第4のエチレン系ポリマーを含む。30~60重量%の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、描写された特徴を有する第4のエチレン系ポリマーの量は、30、40、または50重量%の下限から40、50、または60重量%の上限までであり得る。例えば、第1のエチレン系ポリマーの量は、30~50重量%、または別の方法では40~60重量%、または別の方法では35~55重量%、または別の方法では42~57重量%であり得る。
【0046】
示されるように、第4のエチレン系ポリマーは、0.905~0.930g/cm3の密度を有し得る。0.905~0.930g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、第4のエチレン系ポリマーの密度は、0.928、0.925、0.920、または0.915g/cm3の上限から0.910、0.915、0.920、または0.925g/cm3の下限までであり得る。
【0047】
示されるように、第4のエチレン系ポリマーは、ASTM D 1238に従って測定される0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)の密度を有し得る。0.1~2.0g/10分の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、第4のエチレン系ポリマーのメルトインデックスは、0.9、0.8、0.7、または0.6g/10分の上限から0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、または0.6g/10分の下限までであり得る。
【0048】
第4のエチレン系ポリマーは、いくつかの実施形態では、126℃以下のピーク融点を有し得る。第1のエチレン系ポリマーは、様々なさらなる実施形態では、125℃以下、120℃以下、115℃以下、または110℃以下のピーク融点を有し得る。さらに、第4のエチレン系ポリマーは、様々な実施形態では、95℃超、100℃超、または105℃超のピーク融点を有し得る。
【0049】
1つ以上の第4のエチレン系ポリマーは、多層フィルム22を形成する第1のエチレン系ポリマー、第2のエチレン系ポリマー、および第3のエチレン系ポリマーのうちの1つ以上と同じであり得ることが理解されるであろう。例えば、多層フィルム22および単層フィルム21の第1の層24は、各々、1つ以上の同じポリマーを含み得る。
【0050】
図1Bを再び参照すると、第1の層24が100重量%未満の第1のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、多層フィルム22の第1の層24は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm
3以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm
3以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含み得る。LDPEを添加して、溶融強度を高めることができ、これは、押出プロセスに有利である。LLDPEを添加して、得られるフィルムの柔軟性を高めることができる。得られるフィルムの強度を高めるため、およびそのバリア特性のために、HDPEを添加することができる。1つ以上の実施形態では、第1の層24は、多層フィルム22の強度特性を高めるために、最大40重量%のHDPEを含み得る。多層フィルム22の第1の層24の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、例えば、UNIVAL(商標)DMDA6200NT7を含む、the Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0051】
さらに、多層フィルム22の第2の層26が100重量%未満の第2のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、第2の層26は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm3以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm3以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含む。多層フィルム22の第2の層26の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0052】
さらに、内層28が100重量%未満の第3のエチレン系ポリマーを含む多層の実施形態では、多層フィルム22の第2の内層28は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm3以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm3以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含み得る。1つ以上の実施形態では、内層28は、押出中に多層フィルム22の溶融強度特性を高めるために、最大70重量%のLDPEを含み得る。1つ以上の実施形態では、内層28は、多層フィルム22の柔軟性を高めるために、最大300重量%のLLDPEを含み得る。多層フィルム22の内層28の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、例えば、DOW(商標)LDPE132IおよびDOWLEX(商標)NG2045Bを含む、the Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、UNIVAL(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0053】
0.905~0.930g/cm3の密度、0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I2)、および126℃未満のピーク融点を有し、30重量%~60重量%の単層フィルム21を形成する第4のエチレン系ポリマーの例には、例えば、DOW(商標)LDPE132Iを含む、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical Companyから市販されているものが挙げられる。
【0054】
単層フィルム21が100重量%未満の第4のエチレン系ポリマーを含む実施形態の場合、単層フィルム21は、0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の低密度ポリエチレン(LDPE)、0.930g/cm3以下の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の追加の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または0.940g/cm3以上の密度および0.1~5g/10分のメルトインデックスを有する1つ以上の高密度ポリエチレン(HDPE)などの1つ以上の追加のエチレン系ポリマーをさらに含み得る。単層フィルム21の残りを構成し得る追加のエチレン系ポリマーには、例えば、DOWLEX(商標)2045BおよびDOWLEX(商標)2050Bを含む、the Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)、DOWLEX(商標)、AGILITY(商標)、TUFLIN(商標)、ATTANE(商標)、INNATE(商標)、およびELITE(商標)の名称で市販されているものが挙げられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、多層フィルム22または単層21中の1つ以上の層は、1つ以上の添加剤を含むことができる。添加剤としては、特定の用途の要件に応じて、帯電防止剤、カラーエンハンサ、染料、潤滑剤、充填剤(例えば、TiO2またはCaCO3)、乳白剤、成核剤、加工助剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、UV安定剤、抗ブロック剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気低減剤、抗真菌剤、酸素捕捉剤、水分捕捉剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0056】
従来の収縮性フィルムは、熱にさらされたときにそれ自体または他の高分子フィルムに粘着するように調合される。この現象は、パッケージをシールするときに望ましい。しかしながら、前述のように、収縮性フィルムはまた、ユニット化のプロセスにおける輸送および保管の各々のために、以前に収縮包装された複数の販売可能な品物を単一のユニットに包むために利用され得る。フィルム間の粘着または接着は、販売可能な品物が潜在的に損傷を受け、製品の損失または廃棄につながるため、問題となるであろう。この有害な影響を回避するために、ユニット化に使用される収縮性フィルムは、粘着または接着を回避するように調合および製造され得る。
【0057】
本発明は、熱収縮性フィルム10の外面上にポリウレタン系コーティング30を提供する。エチレン系ポリマー層20を形成する多層フィルム22の場合、外面は、第1の層24の外面である。「ポリウレタン系コーティング」という用語は、硬化時に、コーティング30は、主にポリウレタンを含むが、コーティング30は、いくつかの実施形態では、未反応反応物(例えば、ポリオール、イソシアネートなど)、ならびに他の添加剤も含み得ることを示すために使用される。
【0058】
いくつかの実施形態では、コーティング30のポリウレタンは、ヒドロキシル末端ポリオールとイソシアネート官能性プレポリマーとの重合反応生成物である。いくつかの実施形態では、イソシアネート官能性プレポリマーは、芳香族イソシアネートを含む。理論に拘束されるつもりはないが、芳香族イソシアネートは、得られるポリウレタンに望ましい付着防止特性を提供すると考えられている。本開示のいくつかの実施形態で使用することができる芳香族イソシアネートの例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)のいずれかもしくは全ての異性体および/またはメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のいずれかもしくは全ての異性体が挙げられる。ヒドロキシル末端ポリオールは、ヒドロキシル末端ポリエーテル、ヒドロキシル末端ポリエステル、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。1つ以上の実施形態では、ヒドロキシル末端ポリオールは、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical CompanyからのVORANOL(商標)220-110Nポリエーテルポリオール(プロピレングリコール開始、1000分子量のホモポリマージオール)、ミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical CompanyからのVORANOL(商標)220-260ポリエーテルポリオール(公称425分子量のホモポリマージオール)、およびトリメチロールプロパンのうちの1つ以上を含む。
【0059】
さらに、コーティング30のポリウレタンは、溶剤系である。1つ以上の実施形態では、ポリウレタンは、エチレン系ポリマー層20への適用のために、酢酸エチルおよびヘキサンに溶解され得る。
【0060】
コーティング30のポリウレタンは、2つの別々の成分を所定の混合比で一緒に混合し、次いで2つの成分間の反応で硬化させることによって形成され得る。いくつかの実施形態では、2つの反応成分は、測定および混合を容易にするために、1:1の混合比(ヒドロキシル末端ポリオール対イソシアネート官能性プレポリマーの比率)を提供するように調製することができる。いくつかの実施形態では、そのような混合比は、1:0.2~1:2の範囲にあり得る。いくつかの実施形態では、そのような混合比では、イソシアネートインデックスは、約1:3~約3:1の範囲内である。イソシアネートインデックスは、理論的当量に対して使用されるイソシアネートの当量の比率に100を掛けたものとして定義される。理論的当量は、1等量のB側の化合物当たり1等量のイソシアネート(A側)に相当する。イソシアネートを含まない量は、成分Aにおいて1%~15%であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、周囲の水分または湿気と反応して、その硬化を完了する1成分のイソシアネート末端プレポリマーであり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、コーティング30は、100~4700ダルトンの分子量を有するポリオールから、トリイソプロパノールアミンおよびトリメチロールプロパンなどの分岐を付与する多官能性試薬を使用して形成される。そのような選択された材料は、一緒に反応し、特定の非反応性添加剤と組み合わされると、コーティングフィルムに望ましい耐熱性、抗ブロッキング特性、または他の特性を有利に提供することができる。
【0062】
1つ以上の実施形態では、コーティング30中の非反応性添加剤は、付着防止パッケージを含む。付着防止パッケージは、1つ以上の油、1つ以上のワックス、またはその両方を含み得る。様々な実施形態では、1つ以上の油は、精製トウモロコシ油を含む。さらに、様々な実施形態では、1つ以上のワックスは、オハイオ州クリーブランドのWerner G.Smith,Inc.から市販されているSynaceti125を含む。
【0063】
コーティング30は、例えば、グラビアコーティングおよびフレキソ印刷コーティングを含むがこれらに限定されない、コーティングが典型的にフィルムに適用される様々な技術を使用してポリマーフィルム20の外面に適用することができる。また、他の薄いコーティング技術も使用することができる。溶媒系コーティングおよび接着剤を適用するための設備を有する当業者は、フィルム20にポリウレタンコーティングを適用するために、それらのプロセスを容易に適合させて、本開示のコーティングされた熱収縮性フィルム10を得ることができる。十分な動的粘度を達成するために、適用時の標的固体は、特定のコーティングに依存するが、いくつかの実施形態では、15%~80%の範囲であり得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ポリマーフィルム20に適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり少なくとも0.1グラムであり得る。本明細書で使用される場合、コーティングの量は、コーティング前と、コーティング30が適用され、乾燥した後とのエチレン系ポリマーフィルム20の重量の差を測定することによって決定される。いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマー層20に適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり最大5グラムである。コーティング30は、最大コーティング厚さを有さず、所望のコーティング特性および性能を提供するために必要とされるものを超えて、不必要に厚く高価なコーティングを回避する経済性によって単に制限されることが理解される。いくつかの実施形態では、フィルムに適用されるコーティング30の量は、1平方メートル当たり0.1~0.8グラム(g/m2)である。0.1~5g/m2の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、コーティングの量は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、または0.6g/m2の下限から0.7、0.8、0.9、1、3、または5g/m2の上限までであり得る。例えば、コーティング30の量は、いくつかの実施形態では、0.3~0.8g/m2であり得る。
【0065】
1つ以上の実施形態では、コーティング30は、ポリマーフィルム20の外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。コーティングされた熱収縮性フィルム10が一般に、巻かれたフィルムとして提供されるため、コーティングされた熱収縮性フィルム10が物体の周りの包みとして利用されるとき、コーティングされていない領域は、シールエリアと整列して配置される。コーティングされていない領域にコーティング30がないことにより、コーティングされた熱収縮性フィルム10は、コーティングされた領域と整列した接着を排除する利点を保持しながら、コーティング30で物体を包むときにそれ自体をシールまたは接着することができる。
図1Bに示されるような多層フィルム22では、コーティング30は、
図1Bに示されるような多層フィルム22の第1の層24または第2の層26の外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。同様に、
図1Aに示されるような単層フィルム21では、コーティング30は、単層フィルム21の外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される。
【0066】
本開示の実施形態はまた、本明細書に記載される熱収縮性フィルム10のいずれかから形成される物品を提供する。そのような物品の例には、製品のユニット化されたグループの取り扱い、輸送、および保管を容易にするために、いくつかの製品を一緒にグループ化するための二次パッケージ材を含むことができる。
【0067】
図1Aおよび1Bを参照すると、複数の一次パッケージ60をユニット化するためのオーバー収縮性フィルムとしての熱収縮性フィルム10の適用が示されている。各一次パッケージ60は、個々の品物62を販売可能な一次パッケージ60に束ねる一次パッケージ用フィルム64を有する複数の個別品物62を含むものとして示されている。一次パッケージ用フィルム64は、ポリマーフィルムであり得る。次に、熱収縮性フィルム10を二次パッケージ用フィルムとして利用して、複数の一次パッケージ60をより大きな小包に束ねて、取り扱い、輸送、および保管を容易にすると共に、物流チェーン全体にわたって一次パッケージ60に保護を提供する。ポリウレタンコーティング30は、一次パッケージ60の一次パッケージ用フィルム64と熱収縮性フィルム10のエチレン系ポリマー層(複数可)20との間の中間機能層の役割をし、それらの間の接着を実質的に低減または完全に防止する。付着防止は、一次パッケージ用フィルム64の完全性を維持するのに役立つ。
【0068】
ポリマーで包まれた一次パッケージ60を一体化する方法は、一次パッケージ60のうちの1つ以上を本開示の熱収縮性フィルム10で包むことと、熱収縮性フィルム10の寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、一次パッケージ60を熱収縮性フィルム内に拘束することと、を含む。ポリウレタンを含むコーティング30は、一次パッケージの個々の製品62を束ねているポリマーフィルム64がコーティング30にさらされ、かつ下にあるエチレン系ポリマー層(複数可)20から隔離されるように、包まれている間に1つ以上の一次パッケージ60の近位に配置される。
【0069】
一次パッケージ60は、その中に様々な種類の個々の製品62を含み得ることが理解されるであろう。
図1Aおよび1Bは、個々の製品62としてペットボトルを示しているが、さらなる非限定的な例には、ペットフードもしくは米などの食品、ガラス瓶、家庭用品、または供給チェーン業務中に、統合された束にユニット化される他の製品が含まれる。
【0070】
様々な実施形態では、一次パッケージ60のうちの1つ以上の周りでの熱収縮性フィルム10の収縮を開始させるために、熱収縮性フィルム10は、少なくとも約120℃、少なくとも、約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約180℃、またはさらに250℃超に加熱され得る。実施形態では、熱収縮性フィルム10は、一次パッケージ60のうちの1つ以上の周りでの熱収縮性フィルム10の収縮を開始させるために、約140℃~約190℃または約150℃~約180℃の範囲の温度に加熱され得る。加熱保持時間は、約1秒~約1分、約2秒~約30秒、または約3秒~約20秒であり得る。
【0071】
包まれた個々の製品62の複数の一次パッケージ60を、二次パッケージとして単一のグループにユニット化するために利用される熱収縮性フィルム10の厚さは、例えば、一次パッケージのサイズ、一次パッケージ60の体積、一次パッケージ60および個々の製品62の重量、一次パッケージ60の内容物、二次パッケージ材の所望の特性、および他の要因を含むいくつかの要因に応じて選択することができる。いくつかのそのような実施形態では、熱収縮性フィルム10は、20~500ミクロンの厚さを有する。20~500ミクロンの全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、熱収縮性フィルム10の厚さは、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、または190ミクロンの下限から30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、250、280、300、330、350、370、400、430、450、470、または500ミクロンの上限までであり得る。25.4ミクロンは、熱収縮性フィルムの厚さに対して約1~20ミルの開示された範囲を仮定すると、厚さ1ミルの当量であることが注目される。
【0072】
試験方法
本明細書で別途指示されない限り、本発明の態様を説明する際に、以下の分析法を使用する:
メルトインデックス
メルトインデックスI2およびI10は、それぞれ、ASTM D-1238に従って、190℃、2.16kgおよび10kgの荷重で測定される。それらの値は、g/10分で報告される。「メルトフローレート」は、ポリプロピレン系樹脂に使用され、ASTM D1238(230℃で2.16kg)に従って測定される。
【0073】
密度
密度測定のための試料は、ASTM D4703に従って調製される。測定は、ASTM D792、方法Bに従って、試料加圧の1時間以内に測定を行う。
【0074】
ピーク融点
ピーク融点は、フィルムが、毎分10℃の速度で-40℃の温度まで冷却する前に230℃で3分間調整される、示差走査熱量計(DSC)によって決定される。フィルムを-40℃で3分間保持した後、フィルムを毎分10℃の速度で200℃に加熱する。
【0075】
ダート
フィルムダート落下試験は、自由落下ダートによる衝撃の特定の条件下で、プラスチックフィルムを破壊させるエネルギーを測定する。試験結果は、試験される試験片の50%の破損をもたらすことになる、規定の高さから落ちる飛翔体の重量として表されるエネルギーである。
【0076】
ダート衝撃強度(ダート)は、ASTM D1709、方法Aに従って、26インチ±0.4インチ(66cm±1cm)の落下高さおよび直径38.10±0.13mmの研磨されたアルミニウム半球状ヘッドを使用して測定する。
【0077】
割線弾性係数
フィルムMD(縦方向)およびCD(横方向)2%割線弾性係数を、ASTM D882に従って、20インチ/分のクロスヘッド速度で決定した。試験片の幅は1インチであり、初期グリップの間隔は4インチである。報告された2%割線弾性係数値は、5つの測定値の平均であった。
【0078】
引裂試験
縦方向(MD)および横方向(CD)の両方のエルメンドルフ引裂試験は、ASTM D1922、種類B-一定半径に従って行われた。
【0079】
耐破壊性
穿刺抵抗は、TestXpertIIソフトウェアを備えたZWICKモデルZ010で測定される。試験片のサイズは「6インチ×6インチ」であり、平均穿刺値を判定するために、少なくとも5回の測定が行われる。丸型試験片ホルダーと共に、1000ニュートンのロードセルを使用する。試験片は、直径4インチの円形試験片である。穿刺抵抗手順は、本明細書に記載のプローブに対する修正を伴って、ASTM D5748-95規格に従う。穿刺プローブは、直径1/2インチのボール型研磨ステンレススチールプローブである。ゲージ長は存在せず、プローブは、試験片に可能な限り接近しているが接触はしていない。プローブが試験片に接触するまでプローブを上げることによって、プローブを設定する。次いで、プローブが試験片に接触しなくなるまで、プローブを徐々に下げる。次いで、クロスヘッドをゼロに設定する。最大移動距離を考慮すると、この距離はおよそ0.10インチであろう。使用されるクロスヘッド速度は、250mm/分である。厚さを、試験片の中央で測定する。フィルムの厚さ、クロスヘッドの移動距離、およびピーク荷重を使用して、ソフトウェアによる穿刺を判定する。穿刺プローブを、各試験片後に洗浄する。穿刺エネルギーは、荷重/伸び曲線の曲線下面積である(ジュール単位)。
【0080】
ヤング率
MD(縦方向)およびCD(横方向)ヤング率、または弾性率は、ASTM D882に従って決定される割線弾性係数と同じ装置で取得する。試験片の幅は、1インチであり、初期グリップの間隔は、20インチ/分のクロスヘッド速度で4インチである。報告されるヤング率の値は、5回の測定の平均であった。ヤング率は、応力-ひずみ図の直線部分の傾きである。
【0081】
自由収縮
プラスチックフィルムおよびシートの拘束されていない線形熱収縮は、ASTM D 2732-70に基づくダウ内部法に従って測定する。直径50mmの5個の試験片を準備し、試験前に、23±2℃および50±5%の相対湿度で40時間調整する。試験は、HANATEK Mod2010で実施する。試験温度が150℃に達し、安定したら、数滴のシリコン油を銅ディスクに添加する。油が所定の温度で広がり、安定したら、試料をホットプレートに20秒間できるだけ平らに注意深く配置する。次に、試料をキャリアディスクから取り外し、冷却エリアに配置し、収縮率が読み取れるように、中央に置く。
【0082】
自由収縮の割合は、%=[(L0-Lf)/L0]×100で与えられ、式中、L0=辺の初期の長さであり、Lf=収縮後の長さである。自由収縮値は、MD(縦方向)およびCD(横方向)で計算され、5回のそれぞれの測定の平均である。
【0083】
ヒートシール試験
フィルム上のヒートシール測定は、ASTM F-88(技法A)に従って市販の引張試験機で実施する。ヒートシール試験は、可撓性バリア材料のシールの強度(シール強度)のゲージである。これは、シールを含有する材料の試験ストリップを分離するのに必要な力を測定することによって行い、試験片の破損のモードを特定する。シール強度は、開封力とパッケージの完全性に関連する。切断する前に、フィルムをASTM D-618(手順A)に従って23℃(+2℃)および50%(+5%)のRH(相対湿度)で最低40時間調整する。次に、シートを、3層の共押出積層フィルムから縦方向に約11インチの長さおよび約8.5インチの幅に切断する。シートを、シーリング圧力または滞留力0.138N/mm2(20psi)、および0.3秒および0.5秒の滞留時間の条件下で一定の温度範囲で、Brugger HSG-Cシーラー上で縦方向にヒートシールする。
【0084】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳細に説明する。
【実施例】
【0085】
ポリウレタンコーティングのための単層フィルムの調製
エチレン系ポリマー熱収縮性単層フィルムは、比較フィルム1としてインフレートフィルム押出により製造した。比較フィルム1は、市販されているエチレン系ポリマー熱収縮性フィルムに現在利用されている標準配合に従って調製した。調合物は、表2として提供される個々の樹脂の特性と共に、表1として以下に提供される。比較フィルム1は、3.0のブローアップ比(B.U.R.)、80mmのダイ直径、1.8mmのダイギャップを備えたCollin Blown Filmラインで製造し、40ダインのコロナで処理した。さらに、比較フィルム1は、219℃の溶融温度、235℃のダイ温度、59rpmのRPM、22.43kg/時の出力、258バールの圧力、および377mmのレイフラットの処理条件で調製した。
【表1】
【表2】
【0086】
比較フィルム1は、0.8g/m
2のミシガン州ミッドランドのthe Dow Chemical CompanyからのOPULUX(商標)HGT2020/2021で、100フィート/分で動作するLabo Combi400ラミネーション機でコーティングした。OPULUX(商標)HGT202/2021は、本開示による溶剤系ポリウレタンである。OPULUX(商標)HGTでコーティングされた、製造された熱収縮性フィルムを本発明のフィルム2と指定した。層構造および調合物を表3に示す。
【表3】
【0087】
単層フィルムの性能試験
比較フィルム1と本発明のフィルム2との比較試験は、一次パッケージに対する収縮性フィルムの粘着性を評価するために完了した。具体的には、比較フィルム1および本発明のフィルム2の各々を使用して、6つの異なる種類の一次パッケージを束ねた。各種類の一次パッケージの説明を表4に示す。一次パッケージを比較フィルム1および本発明のフィルム2の各々に個別に束ね、2m/分および180℃で稼働するSmipack BP収縮トンネルに通した。2m/分および180℃での通過は、パッケージングラインの収縮トンネルで使用される典型的な温度範囲内である。
【表4】
【0088】
6種類のパッケージのユニット化された束を、内部パッケージと、比較フィルム1および発明フィルム2のオーバー収縮性フィルムとの間の接着力について試験した。試験は、束ねられたパッケージからオーバー収縮性フィルムを取り外し、一次パッケージへの融着または粘着性、ならびに比較パッケージ1および発明フィルム2の取り外しによる一次パッケージへの損傷をチェックすることで完了した。接着結果を表5および表6に示す。
【表5】
【0089】
表5に示されるように、パッケージ5を除く全ての一次パッケージは、比較フィルム1の使用によって損傷した。具体的には、比較フィルム1は、PEを調合した一次パッケージへの接着を示した。つまり、パッケージ1、2、および3は、比較フィルム1のオーバー収縮性フィルムへの接着により損傷を受けたため、小売店の棚での陳列ができなくなるであろう。パッケージ4に関して、比較フィルム1は、PETを含むペットフードバッグの外面には特に粘着しなかったが、PEのコア層が露出した端部に粘着した。予想通り、パッケージ5は、PP/PE/PPを含むため、比較フィルム1は、内部パッケージに粘着しなかった。最後に、比較フィルム1は、パッケージ6への幾分の接着を示し、一次パッケージを分離する力を必要とし、外観を損傷した。収縮後の接着の証拠は、取り外された比較フィルム1の表面およびパッケージ6の表面の両方に残った。
【表6】
【0090】
本発明のフィルム2は、収縮トンネルを通過した後、どの一次パッケージにも粘着しなかった。6つの一次パッケージは、各々、本発明のフィルム2によってしっかりと包まれ、束ねられ、一次パッケージは、本発明のフィルム2を取り外しても損傷なしにそれらの完全性が維持された。
【0091】
本発明のフィルム2を生成するためのOPULUX(商標)HGTポリウレタンコーティングの適用時の比較フィルム1の機械特性および収縮特性の保持を測定した。機械特性および収縮特性の保持は、個々のパッケージが流通チェーン全体でユニット化されるように拘束するために、十分な収縮性およびパッケージ堅牢性を得るために求められる。比較フィルム1および本発明のフィルム2の機械特性および収縮特性を表7に示す。ASTM D 1709に従って実施されたダート落下抵抗、ASTM D1922に従って実施された横方向(CD)および縦方向(MD)のエルメンドルフ引裂き評価、ASTM D5748に準拠した突起穿刺耐性評価、ASTM D 882に準拠した割線弾性係数2%、ASTM D 882に準拠した引張特性、ならびにASTM D 2732に準拠した横方向(CD)および縦方向(MD)の150℃での収縮性を含む複数の特性を評価した。
【表7】
【0092】
本発明のフィルム2は、比較フィルム1のコーティングされていないフィルムの機械特性および収縮特性を実質的に保持し、二次パッケージ材およびユニット化に好適なフィルムを提供する。縦方向(MD)で、150℃で測定した収縮は、30%の減少を示したが、実際には不十分な収縮は、観察されなかった。
【0093】
ポリウレタンコーティングのための多層フィルムの調製
3つのエチレン系ポリマー熱収縮性多層フィルムをインフレーションフィルム押出により製造した。調製された各多層フィルムの調合物を表8として以下に示し、個々の樹脂の特性を表9として示す。同じポリマー調合物を含む第1の層および第2の層と、第2のポリマー調合物を含む内層とを有する比較フィルム3と指定される第1の多層フィルムを調製した。同じポリマー調合物を含む第1の層および第2の層と、第2のポリマー調合物を含む内層とを有する比較フィルム4と指定される第2の多層フィルムも調製した。最後に、同じポリマー調合物を含む第1の層および第2の層と、第2のポリマー調合物を含む内層とを有する比較フィルム5と指定される第3の多層フィルムも調製した。比較フィルム3、比較フィルム4、および比較フィルム5の各々は、3.0のブローアップ比(B.U.R.)、80mmのダイ直径、1.8mmのダイギャップを備えたCollin Blown Filmラインで製造し、40ダインのコロナで処理した。
【表8】
【表9】
【0094】
比較フィルム3、比較フィルム4、および比較フィルム5の各々は、表10に記載される一連の本発明のフィルムを生成するために、0.1g/m
2、0.3g/m
2、および0.5g/m
2のOPULUX(商標)HGT2020/2021でコーティングした。OPULUX(商標)は、2成分の反応性ポリウレタンであり、OPULUX(商標)2020が-OHで終端され、OPULUX(商標)2021が-NCOで終端されている。OPULUX(商標)は、どちらも二官能性のPoliol1000および2000を使用して形成され、トルエンジイソシアネート(TDI)またはメチルジフェニルジイソシアネート(MDI)と反応する。さらに、OPULUX(商標)は、溶剤系であり、適用のために酢酸エチルおよびヘキサンに溶解する。
【表10】
【0095】
比較フィルム3、比較フィルム4、および比較フィルム5の各々はまた、表11に記載される一連の比較用のポリウレタンコーティングされた実施例フィルムを生成するために、ドイツ、ケルンのLanxess Chemical Companyから利用可能である、0.1g/m
2、0.3g/m
2、および0.5g/m
2のBayderm(登録商標)Bottom51UDでコーティングした。Bayderm(登録商標)Bottom51UDは、二官能性であり、イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびジメチルプロパン酸(DMPA)と反応する長鎖ポリオールPM2000を含有する、水中ポリウレタン分散液である。トリメチルアミン(TEA)を使用して反応を停止し、いかなるイソシアネート(NCO)残留物も消費するためにプロピレンジアミン(PDA)を添加する。そのため、Bayderm(登録商標)Bottom51UDは、OPULUX(商標)HGT2020/2021の芳香族イソシアネートに反する脂肪族イソシアネートを含む。
【表11】
【0096】
多層フィルムの性能試験
コーティングされていない多層フィルム(比較フィルム4)に対する、OPULUX(商標)HGT2020/2021コーティングが施された本発明の多層フィルム(本発明のフィルム6~14)の下にあるパッケージへの接着特性と、コーティングされていない多層フィルム(比較フィルム4)に対する、Bayderm(登録商標)Bottom51UDコーティングが施された比較多層フィルム(本発明のフィルム15~23)の下にあるパッケージへの接着特性との比較を確立するために、ヒートシール研究を完了した。具体的には、研究の各多層実施例フィルム(実施例フィルム3~23)を、コーティングされていない標準ポリエチレン照合収縮性フィルム(比較フィルム4)を使用してヒートシール試験に提出して、内部のユニット化されたパックを包むそのような外部フィルムの接触および収縮トンネルを通る通路をシミュレートした。ヒートシール試験は、ASTM F88に従って、20ポンド/平方インチ(psi)の滞留力、ならびに第1の試験で0.3秒(s)および第2の試験で0.5秒の滞留時間で完了した。試験はまた、フィルムの組み合わせおよび滞留時間ごとに、150℃のシーリング温度および180℃のシーリング温度で完了した。試験された実施例フィルムを比較フィルム4の一般的なコーティングされていないポリエチレン収縮性フィルムから分離するために必要な、結果として得られるヒートシール力(平方インチ当たりのグラム力-grf/in
2)を表12~表17に示す。具体的には、表12、表13、および表14は、0.3秒の滞留時間で、融合したフィルムを分離するために必要なヒートシール力を示し、表15、表16、および表17は、0.5秒の滞留時間で、融合したフィルムを分離するために必要なヒートシール力を示す。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【0097】
本開示の実施形態による多層フィルムへのOPULUX(商標)2020/2021コーティングの適用は、(a)2つのコーティングされていない多層フィルム間の接着および(b)コーティングされていない多層フィルムとBayderm(登録商標)Bottom51UDでコーティングされた多層フィルムとの間の接着、の両方と比較して、ヒートシール力の有意な低下を提供する。
図2を参照すると、OPULUX(商標)2020/2021の適用を伴うシール力の低下は、0.3秒の滞留時間でのシールについて視覚的に識別され得る。同様に、
図3を参照すると、OPULUX(商標)2020/2021の適用を伴うシール力の低下は、0.3秒の滞留時間でのシールについて視覚的に識別され得る。さらに、コーティング密度が0.1g/m
2~0.5g/m
2に増加するにつれて、シール力の低下が増加することは、
図2および
図3の両方ではっきりと視覚化されている。脂肪族イソシアネートを含むBayderm(登録商標)Bottom51UDは、ヒートシール力の低下を示すが、芳香族イソシアネート官能性プレポリマーを含むOPULUX(商標)2020/2021の優れた性能は、明らかである。
【0098】
添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、修正および変更が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において好ましいまたは特に有利であると認識されているが、本開示は、必ずしもこれらの態様に限定されないことが企図される。
【0099】
単数形を使用している特許請求の範囲および図面の組み合わせにおいて、複数形の可能性もまた含むことは明らかであろう。例えば、コーティング層への言及は、少なくとも1つのコーティング層への言及も暗黙的に含む。
なお、本発明は以下の態様を含みうる。
[1]熱収縮性フィルムであって、
(a)
(i)30~100重量パーセントの第1のエチレン系ポリマーを含む第1の層であって、前記第1のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm
3
の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I
2
)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、第1の層、
(ii)50~100重量パーセントの第2のエチレン系ポリマーを含む第2の層であって、前記第2のエチレン系ポリマーが、0.905~0.970g/cm
3
の密度およびDSCを使用して測定したときに100℃~135℃の範囲のピーク融点を有する、第2の層、ならびに
(iii)前記第1の層と前記第2の層との間の少なくとも1つの内層であって、0.930~0.970g/cm
3
の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する10~50重量パーセントの第3のエチレン系ポリマーを含む、内層、を含む多層フィルムと、
(b)前記フィルムの前記第1の層または第2の層の外面上のコーティングであって、(a)ポリオールと(b)芳香族イソシアネート官能性プレポリマーとの重合反応生成物であるポリウレタンを含む、コーティングと、を含む、熱収縮性フィルム。
[2](i)前記第1の層および前記第2の層が各々、ASTM D 1238に従って測定される0.1~0.4g/10分のメルトインデックス(I
2
)および120℃未満のピーク融点を有する50~70重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、0.930~0.970g/cm
3
の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する20~40重量パーセントのエチレン系ポリマーを含む、上記[1]に記載の熱収縮性フィルム。
[3](i)前記第1の層および前記第2の層が各々、ASTM D 1238に従って測定される0.4~1.0g/10分のメルトインデックス(I
2
)および125℃未満のピーク融点を有する30~50重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、0.910~0.930g/cm
3
の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する60~80重量パーセントのエチレン系ポリマーを含む、上記[1]または[2]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[4](i)前記第1の層および前記第2の層が各々、ASTM D 1238に従って測定される0.3~1.2g/10分のメルトインデックス(I
2
)および115℃~135℃のピーク融点を有する60~80重量パーセントのエチレン系ポリマーを含み、
(ii)前記第1の層と前記第2の層との間の前記少なくとも1つの内層が、0.910~0.930g/cm
3
の密度および120℃~135℃の範囲のピーク融点を有する60~85重量パーセントのエチレン系ポリマーを含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[5]前記多層フィルムが、0.905~0.930g/ccの密度および0.1~2.0g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有する40~60重量%の低密度ポリエチレンを含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[6]前記コーティングが、前記多層フィルムの前記第1の層または第2の層の前記外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される、上記[1]~[5]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[7]熱収縮性フィルムであって、
(a)30~60重量パーセントの第4のエチレン系ポリマーを含む単層フィルムであって、前記第4のエチレン系ポリマーが、0.905~0.930g/cm
3
の密度、190℃および2.16kgの荷重でASTM D 1238に従って測定したときに0.1~0.9g/10分のメルトインデックス(I
2
)、および示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したときに126℃未満のピーク融点を有する、単層フィルムと、
(b)(a)ヒドロキシル末端ポリオールと(b)芳香族イソシアネート官能性プレポリマーとの重合反応生成物であるポリウレタンを含む、前記単層フィルムの外面上のコーティングと、を含む、熱収縮性フィルム。
[8]前記単層フィルムが、
0.910~0.930g/cm
3
の密度およびASTM D 1238に従って測定される0.2~0.3g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有する40~60重量パーセントのエチレン系ポリマーと、
0.910~0.930g/cm
3
の密度および0.9~1.1g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有する20~40重量パーセントのエチレン系ポリマーと、
0.940~0.960g/cm
3
の密度および0.85~1.05g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有する10~30重量パーセントのエチレン系ポリマーと、を含む、上記[7]に記載の熱収縮性フィルム。
[9]前記ポリオールが、ヒドロキシル末端ポリエーテルポリオールである、上記[1]~[8]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[10]前記ヒドロキシル末端ポリオールが、ヒドロキシル末端ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル末端ポリエステルポリオール、またはそれらの組み合わせを含む、上記[9]に記載の熱収縮性フィルム。
[11]前記芳香族イソシアネート官能性プレポリマーが、トルエンジイソシアネート、メチルジフェニルジイソシアネート、またはそれらの組み合わせを含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[12]前記熱収縮性フィルムが、インフレーションフィルムである、上記[1]~[11]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[13]前記コーティングが、前記外面上のコーティングされた領域およびコーティングされていない領域の規定されたパターンに従って適用される、上記[1]~[12]のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
[14]パッケージ用組立品であって、
複数のパッケージであって、各パッケージが、ポリマー材料を含む一次パッケージ用フィルムによって一緒に束ねられた複数の品物を含み、前記一次パッケージ用フィルムが、前記複数の品物の周りに巻き付けられて、一次パッケージを形成する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージを束ねるために使用される二次パッケージ用フィルムであって、上記[1]~[13]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを含む、二次パッケージ用フィルムと、を含む、パッケージ用組立品。
[15]ポリマーで包まれた一次パッケージをユニット化する方法であって、
前記一次パッケージのうちの1つ以上を上記[1]~[14]のいずれかに記載の熱収縮性フィルムで包むことと、
前記熱収縮性フィルムの寸法を縮小するために熱エネルギーを適用して、前記一次パッケージを前記熱収縮性フィルム内に拘束することと、を含み、
ポリウレタンを含む前記コーティングが、前記1つ以上の一次パッケージの近位に配置される、方法。