(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
H02K 9/06 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
H02K9/06 F
(21)【出願番号】P 2021004365
(22)【出願日】2021-01-14
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 慶一郎
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-118769(JP,A)
【文献】特開2018-074727(JP,A)
【文献】特開平07-255156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/00- 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機であって、
貫通孔が設けられた収容体と、
前記貫通孔に挿入された状態で前記収容体に収容され前記収容体に回転可能に支持され、一部が前記収容体の前記貫通孔から前記収容体の外側に突出したシャフトと、前記収容体に収容され前記シャフトに固定された回転子鉄心と、前記収容体に収容され前記回転子鉄心に固定された回転子巻線と、を有する回転子と、
前記シャフトの径方向に前記回転子鉄心と対向する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に固定された固定子巻線と、を有し、前記収容体に収容された固定子と、
前記収容体の外側に位置し、
前記回転電機の外側に露出し、前記シャフトの前記一部に固定され、前記シャフトと一体に回転することにより前記貫通孔から離れる方向に送風する外扇と、
を備
え、
前記外扇は、前記貫通孔から離れる方向に送風することにより、前記収容体内の気体を前記貫通孔から前記収容体の外側に流出させる、回転電機。
【請求項2】
前記収容体は、前記貫通孔が設けられた壁と、前記貫通孔よりも前記径方向の外側に位置して前記貫通孔の周囲の前記壁から前記収容体の外側に向かって突出し、前記シャフトの前記一部を囲んだ筒部と、を有し、
前記外扇は、前記シャフトの前記一部から前記径方向の外側に延びたベースと、前記ベースから前記壁に向かって前記シャフトの軸方向に延び前記筒部に対して前記径方向の外側に位置した羽根と、を有した、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
貫通孔が設けられた収容体と、
前記貫通孔に挿入された状態で前記収容体に収容され前記収容体に回転可能に支持され、一部が前記収容体の前記貫通孔から前記収容体の外側に突出したシャフトと、前記収容体に収容され前記シャフトに固定された回転子鉄心と、前記収容体に収容され前記回転子鉄心に固定された回転子巻線と、を有する回転子と、
前記シャフトの径方向に前記回転子鉄心と対向する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に固定された固定子巻線と、を有し、前記収容体に収容された固定子と、
前記収容体の外側に位置し、前記シャフトの前記一部に固定され、前記シャフトと一体に回転することにより前記貫通孔から離れる方向に送風する外扇と、
を備え、
前記収容体は、前記貫通孔が設けられた壁と、前記貫通孔よりも前記径方向の外側に位置して前記貫通孔の周囲の前記壁から前記収容体の外側に向かって突出し、前記シャフトの前記一部を囲んだ筒部と、を有し、
前記外扇は、前記シャフトの前記一部から前記径方向の外側に延びたベースと、前記ベースから前記壁に向かって前記シャフトの軸方向に延び前記筒部に対して前記径方向の外側に位置した羽根と、を有した、回転電機。
【請求項4】
前記収容体に収容され前記シャフトと一体に回転する励磁回転部と、前記収容体に収容され前記径方向に前記励磁回転部と対向し前記
収容体に固定された励磁固定部と、を有する励磁機を備え、
前記外扇は、前記励磁固定部に対して前記径方向の内側に位置した、請求項1
~3のうちいずれか一つに記載の回転電機。
【請求項5】
貫通孔が設けられた収容体と、
前記貫通孔に挿入された状態で前記収容体に収容され前記収容体に回転可能に支持され、一部が前記収容体の前記貫通孔から前記収容体の外側に突出したシャフトと、前記収容体に収容され前記シャフトに固定された回転子鉄心と、前記収容体に収容され前記回転子鉄心に固定された回転子巻線と、を有する回転子と、
前記シャフトの径方向に前記回転子鉄心と対向する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に固定された固定子巻線と、を有し、前記収容体に収容された固定子と、
前記収容体の外側に位置し、前記シャフトの前記一部に固定され、前記シャフトと一体に回転することにより前記貫通孔から離れる方向に送風する外扇と、
前記収容体に収容され前記シャフトと一体に回転する励磁回転部と、前記収容体に収容され前記径方向に前記励磁回転部と対向し前記収容体に固定された励磁固定部と、を有する励磁機と、
を備え、
前記外扇は、前記励磁固定部に対して前記径方向の内側に位置した、回転電機。
【請求項6】
前記収容体に収容された熱交換器と、
前記収容体に収容され、前記シャフトに固定された内扇と、
を備え、
前記外扇の直径は、前記内扇の直径よりも小さい、請求項1~
5のうちいずれか一つに記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容体と、シャフトを有し収容体に収容された回転子と、収容体に収容された固定子と、を備え、シャフトの一部が収容体の貫通孔から収容体の外側に突出した、回転電機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機では、シャフトに固定された内扇等の部材の回転によって生じる気流によって収容体が負圧になる場合がある。この負圧によって、収容体外の粉塵等の異物が収容体の貫通孔から収容体内に吸い込まれる虞がある。
【0005】
本発明の課題の一つは、シャフトが挿入された収容体の貫通孔から収容体内に異物が進入するのが抑制されやすい回転電機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の回転電機は、回転電機であって、貫通孔が設けられた収容体と、前記貫通孔に挿入された状態で前記収容体に収容され前記収容体に回転可能に支持され、一部が前記収容体の前記貫通孔から前記収容体の外側に突出したシャフトと、前記収容体に収容され前記シャフトに固定された回転子鉄心と、前記収容体に収容され前記回転子鉄心に固定された回転子巻線と、を有する回転子と、前記シャフトの径方向に前記回転子鉄心と対向する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に固定された固定子巻線と、を有し、前記収容体に収容された固定子と、前記収容体の外側に位置し、前記回転電機の外側に露出し、前記シャフトの前記一部に固定され、前記シャフトと一体に回転することにより前記貫通孔から離れる方向に送風する外扇と、を備え、前記外扇は、前記貫通孔から離れる方向に送風することにより、前記収容体内の気体を前記貫通孔から前記収容体の外側に流出させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態の回転電機によれば、シャフトが挿入された収容体の貫通孔から収容体内に異物が進入するのが抑制されやすい回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の回転電機の構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の回転電機の励磁機の一部を含む部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0010】
図1は、実施形態の回転電機の構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、回転電機1は、回転子10、固定子20、軸受32、熱交換器41、励磁機50、内扇15、外扇19、および収容体100を備える。回転電機1は、一例として、ブラシレス回転電機(発電機)である。なお、回転電機1は、ブラシレス回転電機に限られない。
【0011】
収容体100は、フレーム30、軸受ブラケット34、励磁機カバー61、及び熱交換器カバー42を有する。フレーム30、軸受ブラケット34、励磁機カバー61および熱交換器カバー42は、互いに固定されている。収容体100の内部は、回転電機1の各部を収容する収容室が形成されている。収容体100の励磁機カバー61には、貫通孔61aが設けられている。
【0012】
回転子10は、シャフト11と、回転子鉄心12と、回転子巻線13と、を有する。シャフト11は、回転中心軸Ax回りに回転可能に、二つの軸受32を介して収容体100の軸受ブラケット34に支持されている。また、シャフト11は、貫通孔61aに挿入された状態で収容体100に収容されている。また、シャフト11の一部は、収容体100の貫通孔61aから収容体100の外側に突出した突出部11bを構成している。突出部11bの先端部には、固定対象が固定される固定部14が設けられている。以後、軸方向、径方向、および周方向は、特に言及しない限り、シャフト11(すなわち回転中心軸Ax)の軸方向、径方向、及び周方向である。
【0013】
回転子鉄心12は、収容体100に収容されシャフト11に固定されている。回転子鉄心12は、シャフト11に対して径方向外側に位置している。回転子鉄心12は、シャフト11と一体に回転する。回転子巻線13は、回転子鉄心12に固定されている。詳細には、回転子巻線13は、回転子鉄心12内を軸方向に貫通した状態で回転子鉄心12に固定されている。
【0014】
シャフト11には、回転子鉄心12と二つの軸受32との間のそれぞれにおいて、内扇15が固定されている。すなわち、シャフト11に二つの内扇15が軸方向に間隔を空けて固定されている。二つの内扇15は、シャフト11と一体に回転する。内扇15の径方向の外側には、仕切り板15aが設けられている。内扇15は、内扇15および仕切り板15aの軸方向の外側すなわち軸受32側の収容体100内の気体(以後、冷却用気体とも称する)を、吸い込み、回転子鉄心12および固定子20側に。すなわち、内扇15は、軸方向に送風する。
【0015】
固定子20は、固定子鉄心21と、固定子巻線22と、を有し、収容体100に収容されている。固定子鉄心21は、シャフト11の径方向に回転子鉄心12と対向する。固定子鉄心21は、シャフト11の外周面11aと空隙18を介して回転子鉄心12の径方向の外側に位置している。固定子鉄心21は、円筒形状である。固定子巻線22は、固定子鉄心21内を貫通した状態で固定子鉄心21に固定されている。
【0016】
フレーム30は、回転子鉄心12および固定子20を囲むようにこれらの外側に配されている。フレーム30の軸方向の両側の端部にはそれぞれ軸受ブラケット34が取り付けられている。軸受ブラケット34は、それぞれ軸受32を支持する。
【0017】
熱交換器41は、回転子10および固定子20を冷却する空気などの冷却用気体を冷却する。熱交換器41は、たとえば、外気あるいは水などの冷却媒体が管内を流れる冷却管(不図示)を有する。熱交換器41は、熱交換器カバー42内に収納されている。
【0018】
フレーム30内の空間と熱交換器カバー42内の空間は、熱交換器入口開口43および2つの熱交換器出口開口44で連通している。熱交換器入口開口43は、固定子20の上方に形成されている。また、2つの熱交換器出口開口44は、熱交換器入口開口43を挟んで軸方向の両側に形成されている。
【0019】
励磁機50は、回転整流器51、励磁回転部52、励磁固定部53、励磁回転部54、および励磁固定部55を有する。励磁機50は、収容体100の励磁機カバー61に収容されている。回転整流器51、励磁回転部52は、シャフト11に固定され、シャフト11と一体に回転する。励磁固定部53は、励磁回転部52の径方向の外側で励磁回転部52と径方向に互に対向するように収容体100の励磁機カバー61に固定されている。励磁回転部54および励磁固定部55は、それぞれ、鉄心および鉄心に固定された巻線を有する。
【0020】
励磁回転部54および励磁固定部55は、励磁回転部52および励磁固定部53に対して突出部11bの先端部側(固定部14側)に位置している。励磁回転部54は、シャフト11に固定され、シャフト11と一体に回転する。励磁固定部55は、励磁回転部54の径方向の内側に、励磁回転部54と径方向に互に対向するように収容体100に固定されている。
【0021】
図2は、実施形態の回転電機の励磁機の一部を含む部分の断面図である。
図2に示されるように、励磁回転部54は、鉄心56bと、永久磁石57と、を有する。鉄心56bは、シャフト11に対して径方向の外側に位置し、シャフト11を囲む円筒状に形成されている。鉄心56bは、ベースとも称される。鉄心56bは、支持部56aを介してシャフト11の外周面11aに固定されている。支持部56aは、シャフト11の外周面11aから径方向に広がる円板状に形成されている。鉄心56bと支持部56aとは、一体に形成されて一つの回転部材56を構成している。回転部材56には、貫通孔56cが設けられている。一例として、貫通孔56cは、鉄心56bに設けられている。貫通孔56cが設けられていることにより、回転部材56が軽量化される。永久磁石57は、鉄心56bの内周面に固定されている。
【0022】
励磁固定部55は、鉄心58と、巻線59と、を有する。鉄心58は、シャフト11に対して径方向の外側かつ励磁回転部54に対して径方向の内側に位置している。鉄心58は、シャフト11を囲む円筒状に形成されている。巻線59は、鉄心58を軸方向に貫通した状態で鉄心58に固定されている。
【0023】
上記構成の励磁機50では、励磁回転部52がシャフト11と一体に回転すると、励磁固定部55の巻線59に電流(三相交流電流)が発生する。この電流は、励磁制御装置(不図示)によって直流に変換された後、励磁固定部53に入力される。このとき、励磁回転部52が、シャフト11と一体に回転していることにより、励磁回転部52の巻線に電流(直流電流)が発生する。この電流は、回転子10の回転子巻線13に入力される。このとき、回転子10が回転しているので、固定子20の固定子巻線22に電流が発生する。この電流は、端子箱(不図示)から外部に出力される。励磁回転部54および励磁固定部55は、交流発電用回転部および交流発電用固定子とも称される。励磁回転部52および励磁固定部53は、それぞれ潮流励磁用回転部および励磁用固定部とも称される。
【0024】
図1に示されるように、励磁機50は、励磁機カバー61内に収納されている。励磁機カバー61内の空間は、分岐管62により熱交換器カバー42内の空間と連通している。また、励磁機カバー61内の空間は、戻り管63によりフレーム30内の空間と連通している。
【0025】
図2に示されるように、励磁機カバー61は、壁61bと、筒部61cと、壁61dと、筒部61gと、を含む。壁61dは、軸方向において、一方の軸受32と固定部14との間に位置している。壁61bは、径方向に広がっている。筒部61cは、壁61bから軸受32側に軸方向に延びている。筒部61cは、シャフト11に対して径方向の外側に位置し、シャフト11を覆っている。壁61dは、壁61bに対して軸方向で軸受32側に位置し、筒部61cの内側に配置されている。壁61dは、筒部61cに固定されている。壁61dは、径方向に広がっている。壁61dには、貫通孔61aが設けられている。このような構成により、励磁機回転には、壁61bの外面から励磁機カバー61の内方に凹む凹部61fが形成されている。また、筒部61gは、壁61dの外面に設けられている。筒部61gは、貫通孔61aよりも径方向の外側に位置して貫通孔61aの周囲の壁61dから収容体100の外側に向かって突出し、シャフト11の突出部11bを囲んでいる。筒部61gは、円筒状である。
【0026】
外扇19は、収容体100の外側に位置し、シャフト11の突出部11bに固定されている。外扇19は、凹部61fに位置している。外扇19は、励磁固定部55に対して径方向の内側に位置している。外扇19は、シャフト11の突出部11bから径方向の外側に延びたベース19aと、ベース19aから壁61dに向かってシャフト11の軸方向に延び筒部61gに対して径方向の外側に位置し周方向に並んだ複数の羽根19bと、を有する。外扇19の直径は、内扇15の直径よりも小さい。外扇19は、例えばラジアルファンである。外扇19は、シャフト11と一体に回転することにより貫通孔61aから離れる方向に送風する。詳細には、外扇19は、径方向の外側に向けて送風する。なお、外扇19は、ラジアルファンに限定されない。例えば、外扇19は、貫通孔61aとは反対側に軸方向に沿って送風するものであってもよい。
【0027】
次に、このように構成された回転電機1に生じる気流を説明する。
図1および
図2中には、気流の向きが矢印で示されている。
【0028】
図1に示されるように、シャフト11の回転に伴い、内扇15が回転し、フレーム30内の冷却用気体を駆動する。冷却用気体は、内扇15により、軸方向の両外側から回転子鉄心12および固定子20の方向に送られ、回転子鉄心12、回転子巻線13、固定子鉄心21および固定子巻線22を冷却しながら通過した後、固定子20の径方向に押し出される。
【0029】
固定子20の径方向に押し出された冷却用気体は、熱交換器入口開口43から熱交換器カバー42内に流入する。熱交換器カバー42内に流入した冷却用気体は、熱交換器41で冷却された後に、熱交換器41から流出し、2つの熱交換器出口開口44からフレーム30内に流入する。それぞれフレーム30内に流入した冷却用気体は、再び、内扇15に流入する。
【0030】
また、熱交換器41より流出した冷却用気体の一部は、分岐管62に流入し、励磁機カバー61内に流入し、励磁機カバー61内を通過した後、戻り管63からフレーム30内に戻り、一方の熱交換器出口開口44からフレーム30内に流入した冷却用気体と合流する。励磁機カバー61内に流入した冷却用気体は、励磁機50の各部を冷却する。
【0031】
また、
図2に示されるように、外扇19は、シャフト11と一体に回転することにより貫通孔61aから離れる方向に送風する。これにより、外扇19は、例えば、収容体100内の気体を収容体100の外側に吸い出す。このとき、冷却用気体は、励磁回転部54と励磁固定部55との間や貫通孔56cを通り、支持部56aと壁61dの間に流れる。その後、冷却用気体は、貫通孔
61aのうち壁61dの内周面61hとシャフト11の外周面11aとの間の部分(隙間)を通って、貫通孔
61aから流出する。その後、冷却用気体は、筒部61gと外扇19の間を通って、外扇19から径方向の外側に送られる。このとき、外扇19が凹部61f内に位置していることにより、外扇19から送られた冷却用気体は、径方向および軸方向に対して斜めの方向に進む。また、このとき、外扇19がシャフト11と一体に回転することにより羽根19bと筒部61gとの間が負圧になりやすい。
【0032】
以上のように、本実施形態では、回転電機1は、収容体100と、回転子10と、固定子20と、外扇19と、を備える。収容体100には、貫通孔61aが設けられている。回転子10は、貫通孔61aに挿入された状態で収容体100に収容され収容体100に回転可能に支持され、突出部11b(一部)が収容体100の貫通孔61aから収容体100の外側に突出したシャフト11と、収容体100に収容されシャフト11に固定された回転子鉄心12と、収容体100に収容され回転子鉄心12に固定された回転子巻線13と、を有する。固定子20は、シャフト11の径方向に回転子鉄心12と対向する固定子鉄心21と、固定子鉄心21に固定された固定子巻線22と、を有し、収容体100に収容されている。外扇19は、収容体100の外側に位置し、シャフト11の突出部11bに固定され、シャフト11と一体に回転することにより貫通孔61aから離れる方向に送風する。
【0033】
このような構成によれば、外扇19がシャフト11と一体に回転することにより貫通孔61aから離れる方向に送風するので、収容体100内に貫通孔61aから外気が進入するのが抑制され、ひいては、収容体100外の粉塵等の異物が収容体100の貫通孔61aから収容体100内に侵入するのが抑制されやすい。
【0034】
また、本実施形態では、収容体100は、収容体100は、貫通孔61aが設けられた壁61dと、貫通孔61aよりも径方向の外側に位置して貫通孔61aの周囲の壁61dから収容体100の外側に向かって突出し、シャフト11の突出部11bを囲んだ筒部61gと、を有する。外扇19は、シャフト11の突出部11bから径方向の外側に延びたベース19aと、ベース19aから壁61dに向かってシャフト11の軸方向に延び筒部61gに対して径方向の外側に位置した羽根19bと、を有する。
【0035】
このような構成によれば、外扇19が回転することにより羽根19bと筒部61gとの間が負圧になりやすいので、収容体100内に貫通孔61aから外気が進入するのがより一層抑制され、ひいては、収容体100外の粉塵等の異物が収容体100の貫通孔61aから収容体100内に侵入するのがより一層抑制されやすい。
【0036】
また、本実施形態では、回転電機1は、励磁機50を備える。励磁回転部54は、収容体100に収容されシャフト11と一体に回転する。励磁固定部55は、収容体100に収容され径方向に励磁回転部54と対向しシャフト11に固定された励磁固定部55と、を有する。外扇19は、励磁固定部55に対して径方向の内側に位置している。
【0037】
このような構成によれば、励磁回転部54及び励磁固定部55と外扇19とが径方向に並ぶので、励磁回転部54及び励磁固定部55と外扇19とが径方向に並ばない構成に比べて、回転電機1の軸方向の小型化がしやすい。
【0038】
また、本実施形態では回転電機1は、収容体100に収容された熱交換器41と、収容体100に収容され、前記シャフト11に固定された内扇15と、を備える。外扇19の直径は、内扇15の直径よりも小さい。
【0039】
このような構成によれば、外扇19の直径が内扇15の直径よりも大きい構成に比べて、内扇15の小型化がしやすい。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1…回転電機、10…回転子、11…シャフト、11b…突出部(一部)、12…回転子鉄心、13…回転子巻線、19…外扇、19a…ベース、19b…羽根、20…固定子、21…固定子鉄心、22…固定子巻線、50…励磁機、54…励磁回転部、55…励磁固定部、61a…貫通孔、61d…壁、61g…筒部、100…収容体。