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特許7438152情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q40/03
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021012902
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116627
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2021-01-29
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】冨田 一清
(72)【発明者】
【氏名】田中 彩香
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 塁
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】木方 庸輔
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-36098(JP,A)
【文献】特開2019-179402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G069 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
あらかじめ設定された最大資金提供額と顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を決定する決定手段と、
前記決定された前記必要金額を出力装置に表示する資金提供プラン提示手段と
を備え、
前記顧客に関する情報は、決済代行サービスによる、前記顧客への振込額に基づいて算出された予測振込額であり、
前記決定手段は、
前記最大資金提供額と前記顧客に関する情報によって算出された金額とを比較することにより前記選択可能な必要金額を決定し、
前記資金提供プラン提示手段は、
前記顧客が、候補として決定した前記必要金額のいずれかを選択できるように表示する、情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、
第1の期間における予測振込額が前記最大資金提供額以上の場合には、前記最大資金提供額を前記必要金額として決定する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
第1の期間における予測振込額が前記最大資金提供額未満であって、前記第1の期間よりも長い第2の期間における予測振込額が前記最大資金提供額以上の場合には、前記最大資金提供額と、前記第1の期間における予測振込額に応じた金額を、前記必要金額として決定する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、
複数の期間における予測振込額と、前記最大資金提供額を比較し、最も長い期間の予測振込額が前記最大資金提供額未満の場合には、各々の期間における予測振込額に応じた金額を、前記必要金額として決定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記資金提供プラン提示手段は、
前記必要金額に対応した返済時の引落率と引落完了期間を算出し、
選択された必要金額に応じて、対応する引落率と引落完了期間を顧客端末に表示する、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記資金提供プラン提示手段は、
前記顧客端末上で選択された必要金額と、前記引落率と、前記予測振込額とに基づいて引落完了時期を算出し、引落完了時期の目安として前記顧客端末に表示する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記資金提供プラン提示手段は、
前記顧客端末上で選択された必要金額と、前記引落率と、前記予測振込額とに基づいて1回の引落額を算出し、引落額の目安として前記顧客端末に表示する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理方法であって、
あらかじめ設定された最大資金提供額と顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を決定する工程と、
前記決定された前記必要金額を出力装置に表示する工程と
を含み、
前記顧客に関する情報は、決済代行サービスによる、前記顧客への振込額に基づいて算出された予測振込額であり、
前記必要金額を決定する工程では、
前記最大資金提供額と前記顧客に関する情報によって算出された金額とを比較することにより前記選択可能な必要金額を決定し、
前記表示する工程では、
前記顧客が、候補として決定した前記必要金額のいずれかを選択できるように表示する、
情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
あらかじめ設定された最大資金提供額と顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を決定する決定手段と、
前記決定された前記必要金額を出力装置に表示する資金提供プラン提示手段として、機能させ、
前記顧客に関する情報は、決済代行サービスによる、前記顧客への振込額に基づいて算出された予測振込額であり、
前記決定手段は、
前記最大資金提供額と前記顧客に関する情報によって算出された金額とを比較することにより前記選択可能な必要金額を決定し、
前記資金提供プラン提示手段は、
前記顧客が、候補として決定した前記必要金額のいずれかを選択できるように表示する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード会社等においては、顧客から利用額を回収できないというリスクを避けるために利用限度額を設けているが、利用限度額を低く設定しすぎると、自社の収益も上がらなくなってしまう。
【0003】
例えば、特許文献1には、顧客の所定期間の利用額に基づいて、期待収益が最大となるように利用限度額を決定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-132880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、顧客の過去の利用額から利用確率分布を求め、得られた利用確率分布を用いて期待収益を算出しており、ある程度の過去データの蓄積と複雑な計算処理が必要であった。このため、小売店などに迅速に資金提供を行う場合などには適用が難しい方法であった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、簡易な方法で適切な資金提供額を提示することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、あらかじめ設定された最大資金提供額と、顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を表示する資金提供プラン提示部を備えたものである。
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報処理方法は、あらかじめ設定された最大資金提供額と、顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を表示する工程を含むものである。
【0009】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、あらかじめ設定された最大資金提供額と、顧客に関する情報に基づいて、前記顧客が選択可能な必要金額を表示する資金提供プラン提示部として、機能させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な方法で適切な資金提供額を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る資金提供システム1の概略構成を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供管理サーバ10の機能構成を示す図。
図3】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における顧客情報を取得する処理の一例を示すフローチャート。
図4】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供プランの設定処理の一例を示すフローチャート。
図5】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における顧客端末20に表示される資金提供サービス画面を例示する図。
図6】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における必要金額の設定処理の一例を示すフローチャート。
図7】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における必要金額の表示方法を例示する図。
図8】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における引落率/引落完了期間の設定処理の一例を示すフローチャート。
図9】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における引落率/引落完了期間の表示方法を例示する図。
図10】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供サービス画面における引落額の表示処理の一例を示すフローチャート。
図11】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における引落額の表示方法を例示する図。
図12】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における顧客への資金提供の流れの一例を示すフローチャート。
図13】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供を行った顧客に対する引落処理の流れの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る資金提供システム1の構成を示す図である。図1に示すように、資金提供システム1は、資金提供管理サーバ(情報処理装置)10と、顧客端末20と、決済代行サービス管理サーバ30を含んでいる。資金提供管理サーバ10と、顧客端末20および決済代行サービス管理サーバ30は、通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、顧客端末20は複数含まれていてもよい。
【0014】
資金提供管理サーバ10は、顧客(店舗等)への資金提供サービスを管理するサーバである。資金提供管理サーバ10は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。資金提供管理サーバ10は、制御装置11と、記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0015】
図2は、制御装置11のCPUがROM等に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能モジュールを示すブロック図である。図2に示すように、機能モジュールには、顧客情報取得部111、資金提供プラン提示部112、資金提供処理部113が含まれる。
【0016】
記憶装置12には、顧客情報データベース121が実装されている。顧客情報データベース121には、顧客名(店舗名)、口座情報(資金提供をする際の振込先の口座番号等)、最大利用可能金額等の情報の他、決済代行サービス管理サーバ30から取得した決済情報等が記憶されている。最大資金提供額は、顧客ごとにあらかじめ設定された資金提供の限度額であり、回収可能性を考慮して算出した金額である。例えば、過去12か月における平均月次決済高に基づいて決めることができる。
【0017】
顧客端末20は、顧客が、資金提供サービスを利用するための端末である。ユーザ20は、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、PCなど、通信ネットワークNを介して資金提供管理サーバ10と通信が可能な端末である。顧客は、顧客端末20を操作して資金提供サービスのサイトにアクセス、または専用アプリを起動し、予め取得したユーザIDとパスコードを用いてログインすることにより、資金提供サービスを利用することができる。
【0018】
決済代行サービス管理サーバ30は、顧客の事業における決済代行サービスを行うサーバである。具体的には、顧客の店舗において買い物や飲食を行った利用者がクレジットカード、電子マネー、QRコード(登録商標)等で代金を支払う際、専用のカードリーダーを介して決済処理を行い、利用者から回収した売上金額を、一定期間(例えば毎月)毎に、顧客の口座へ振り込むサービスを提供する。
【0019】
次に、本実施形態に係る資金提供システム1による、顧客(ここでは、飲食店A)への資金提供の流れについて、フローチャートと画面図を用いて説明する。
【0020】
まず、資金提供管理サーバ10は、決済代行サービス管理サーバ30から対象顧客の情報を取得する。図3は、決済代行サービス管理サーバ30から顧客情報を取得する処理の一例を示すフローチャートである。
【0021】
まず、顧客情報取得部111は、決済代行サービス管理サーバ30から、対象顧客(飲食店A)の過去の決済情報を取得する(ステップS101)。決済情報は、例えば、直近の一定期間(例えば、1年間)の決済高(決済代行サービス管理サーバ30から顧客への振込額)の情報である。
【0022】
顧客情報取得部111は、取得した決済情報に基づいて、今後一定期間(例えば、1年間)における決済代行サービス管理サーバ30から飲食店Aへの振込金額を予測する(ステップS102)。
【0023】
さらに、顧客情報取得部111は、飲食店Aが、今後一定期間(例えば、1年間)の間に、決済代行サービスの利用をやめる確率を予測する(ステップS103)。確率の予測は、例えば、直近1年間の決済高の推移などから、過去のデータに基づいて判断するようにしてもよい。
【0024】
顧客情報取得部111は、サービスの利用をやめる確率が予め定めた基準を上回る場合には(ステップS104:YES)、飲食店Aへの資金提供を行わないことを決定する(ステップS105)。確率が基準を上回らない場合でも(ステップS104:NO)、現時点で飲食店Aが決済代行サービスの利用を停止している場合には(ステップS106:YES)、飲食店Aへの資金提供を行わないことを決定する(ステップS107)。
【0025】
確率が基準を上回らず、飲食店Aが現在もサービスを利用している場合には(ステップS106:NO)、飲食店Aの情報(顧客の基本情報、過去の決済情報等)を取得し(ステップS108)、顧客情報データベース121に登録する(ステップS109)。
【0026】
次に、資金提供管理サーバ10は、飲食店Aに提示する資金提供プランの内容を決定する。図4は、資金提供プランの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0027】
資金提供プラン提示部112は、顧客情報データベース121から飲食店Aの情報を取得し、今後一定期間(ここでは、12か月)の月毎の決済代行サービス管理サーバ30から顧客への予測振込額(顧客に関する情報)を算出する(ステップS201)。
【0028】
次に、資金提供プラン提示部112は、算出した予測振込額に基づいて、飲食店Aに提示する資金提供プランの内容を決定する(ステップS202)。具体的には、後述する必要金額(資金提供額)と、必要金額に応じた引落率/引落完了期間(返済プラン)を決定する。
【0029】
資金提供プラン提示部112は、決定した資金提供プランの内容を飲食店Aの顧客端末20に表示する(ステップS203)。図5は、顧客端末20に表示される資金提供サービス画面を例示する図である。顧客は、資金提供サービス画面上で所定の操作を行うことにより、資金提供を契約することができる。
【0030】
顧客が、資金提供サービス画面上で必要金額P1と引落率/引落完了期間P2を選択し、決定ボタンB1を操作することにより、選択した内容での資金提供の契約が完了する(ステップS204)。
【0031】
図6は、資金提供サービス画面に表示する資金提供プランのうちの、必要金額の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
資金提供プラン提示部112は、飲食店Aの予測平均月次決済高に基づいて、第1の期間(ここでは、1か月)、第2の期間(ここでは、2か月)、および第3の期間(ここでは、3か月)の予測振込額をそれぞれ算出する(ステップS301)。例えば、予測平均月次決済高が20万円の場合、第1の期間の予測振込額は20万円、第2の期間の予測振込額は40万円、第3の期間の予測振込額は60万円となる。
【0033】
資金提供プラン提示部112は、顧客情報データベース121から飲食店Aの最大資金提供額を取得し、第1の期間の予測振込額(ここでは、20万円)が、最大資金提供額以上であるか否かを判断する(ステップS302)。なお、ここでは、飲食店Aの最大資金提供額は100万円とする。
【0034】
第1の期間の予測振込額が最大資金提供額以上である場合には(ステップS302:YES)、資金提供プラン提示部112は、飲食店Aの最大資金提供額を必要金額に設定する(ステップS303)。
【0035】
一方、第1の期間の予測振込額が最大資金提供額に満たない場合には(ステップS302:NO)、第2の期間の予測振込額(ここでは、40万円)が、最大資金提供額以上であるか否かを判断する(ステップS304)。
【0036】
第2の期間の予測振込額が最大資金提供額以上である場合には(ステップS304:YES)、資金提供プラン提示部112は、第1の期間の予測振込額と、最大資金提供額を必要金額に設定する(ステップS305)。
【0037】
一方、第2の期間の予測振込額が最大資金提供額に満たない場合には(ステップS304:NO)、第3の期間の予測振込額(ここでは、60万円)が、最大資金提供額以上であるか否かを判断する(ステップS306)。
【0038】
第3の期間の予測振込額が最大資金提供額以上である場合には(ステップS306:YES)、資金提供プラン提示部112は、第1の期間の予測振込額と、第2の期間の予測振込額と、最大資金提供額を必要金額に設定する(ステップS307)。
【0039】
一方、第3の期間の予測振込額が最大資金提供額に満たない場合には(ステップS306:NO)、資金提供プラン提示部112は、第1の期間の予測振込額と、第2の期間の予測振込額と、第3の期間の予測振込額を必要金額に設定する(ステップS308)。
【0040】
図5に示すように、資金提供サービス画面には、資金提供管理サーバ10が設定した資金提供プランの内容が表示される。図5において、P1は必要金額の選択肢を示す表示部(スライダ等)である。図5に示す例では、ステップS308に対応するパターン、すなわち、第1の期間の予測振込額(20万円)、第2の期間の予測振込額(40万円)、第3の期間の予測振込額(60万円)の3つの選択肢が表示されている。なお、必要金額の設定をする際に予測振込額をきりの良い数字にして必要金額として設定してよいし、予測振込額のままでもよい。
【0041】
図7は、図6のフローチャートで説明した4通りの必要金額のパターンに対応する表示の仕方を例示する図である。図中(a)は、ステップS308に対応するパターン(第3の期間の予測振込額が最大資金提供額に満たない場合)であり、第1の期間~第3の期間の予測振込額が選択肢として表示されている。
【0042】
図中(b)は、ステップS307に対応するパターン(第3の期間の予測振込額が最大資金提供額以上の場合)であり、第1の期間の予測振込額(ここでは、40万円)、第2の期間の予測振込額(ここでは、80万円)と、最大資金提供額(100万円)が選択肢として表示されている。
【0043】
図中(c)は、ステップS305に対応するパターン(第2の期間の予測振込額が最大資金提供額以上の場合)であり、第1の期間の予測振込額(ここでは、50万円)と最大資金提供額(100万円)が選択肢として表示されている。
【0044】
図中(d)は、ステップS303に対応するパターン(第1の期間の予測振込額が最大資金提供額以上の場合)であり、最大資金提供額(100万円)のみが提示されている。
【0045】
次に、図8のフローチャートを用いて、資金提供プランのうちの引落率/引落完了期間の設定処理について説明する。引落率/引落完了期間は、資金提供を受けた顧客が返済をする際の返済率(例えば、1か月あたり、提供資金の何%を返すか)と返済期間(例えば、何か月で返済を完了するか)である。図5に示す資金提供サービス画面において、P2は引落率/引落完了期間の選択肢を示す表示部(スライダ等)である。
【0046】
なお、本実施形態では、具体的な返済方法として、決済代行サービス管理サーバ30から飲食店Aへ毎月の決済高が振り込まれる際に、振込金額から返済分を差し引くことによって返済を実施することを想定している。
【0047】
資金提供プラン提示部112は、ステップS301で算出された第1の期間の予測振込額、第2の期間の予測振込額、第3の期間の予測振込額のそれぞれに対応する引落率/引落完了期間を算出する(ステップS401)。引落率/引落完了期間は、それぞれの期間に対して、「多く/短く」のプランと「少しずつ/長く」のプランの2パターンを算出する。
【0048】
さらに、資金提供プラン提示部112は、資金提供サービス画面上で、顧客が選択した必要金額に基づいて、対応する引落率/引落完了期間を資金提供サービス画面上に表示する(ステップS402)。
【0049】
図9は、選択された必要金額に応じた引落率/引落完了期間の表示パターンを例示する図である。図9(a)は、資金提供サービス画面上で第1の期間の必要金額(20万円)が選択された場合の表示例である。図に示すように、「多く/短く」のプランでは「90%」の引落率(振込金額の90%を引き落として返済にあてる)で「1か月」で完了することが提示されており、「少しずつ/長く」のプランでは「20%」の引落率で「5か月」で完了することが提示されている。
【0050】
また、図9(b)は、資金提供サービス画面上で第2の期間の必要金額(40万円)が選択された場合の表示例であり、「多く/短く」のプランでは「90%」の引落率で「2か月」で完了することが提示されており、「少しずつ/長く」のプランでは「25%」の引落率で「8か月」で完了することが提示されている。同様に、図9(c)は、資金提供サービス画面上で第3の期間の必要金額(60万円)が選択された場合の表示例であり、「多く/短く」のプランでは「90%」の引落率で「3か月」で完了することが提示されており、「少しずつ/長く」のプランでは「30%」の引落率で「10か月」で完了することが提示されている。このように、必要金額に応じた2通りの返済プランが表示され、顧客がどちらかのプランを選択できるようになっている。
【0051】
顧客が資金提供サービス画面上で引落率/引落完了期間を選択すると、図5においてP3で示すように、引落完了月の目安(引落完了時期の目安)が表示される(ステップS403)。引落完了月の目安は、引落完了月は、現在日付に下記の計算式によって算出された引落日数を加算することにより算出される。
引落日数=(必要金額+サービス利用料)/(予測振込額×引落率)
【0052】
図5の例では、「90%/1か月」が選択されており、引落完了月(目安)として「2020年11月」と表示されている。一方、「20%/5か月」が選択された場合には、引落完了月(目安)としてはより先の日程(例えば「2021年6月」)が表示される。
【0053】
次に、資金提供サービス画面における「引落額」の表示処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。引落額は、図5においてP4で示される表示項目であり、選択された引落率/引落完了期間に基づいて算出される実際の引落額の目安を示している。
【0054】
資金提供プラン提示部112は、ステップS201で予測した決済代行サービス管理サーバ30から顧客への月毎の平均振込金額に、選択された引落率を乗算することにより、目安引落額を算出する(ステップS501)。例えば、振込金額が20万円で、引落率/引落完了期間「90%/1か月」が選択されている場合、目安引落額は20万円と算出される。
【0055】
次に、資金提供プラン提示部112は、ステップS501で算出した目安引落額が、飲食店Aの最大資金提供額(ここでは、100万円)以上であるか否かを判断する(ステップS502)。目安引落額が最大資金提供額以上である場合には(ステップS502:YES)、引落額として最大資金提供額にサービス利用料を加算した金額が設定され、資金提供サービス画面に表示される(ステップS503)。一方、目安引落額が最大資金提供額未満である場合には(ステップS502:NO)、引落額としてステップS501で算出した目安引落額が設定され、資金提供サービス画面に表示される(ステップS504)。
【0056】
図11は、引落額の表示方法を例示する図である。図11(a)は、目安引落額が最大資金提供額未満の場合であり、バー全体が決済代行サービス管理サーバ30から顧客への月毎の振込金額(ここでは、20万円)を示しており、そのうちの90%の金額(図の例では20万円)が引落額であることが示されている。一方、図11(b)は、目安引落額が最大資金提供額以上の場合であり、バー全体が決済代行サービス管理サーバ30から顧客への月毎の振込金額(ここでは、3千万円)を示しており、引落額は最大引落額(100万円)にサービス利用料(ここでは、3万円)を加算した103万円であることが示されている。
【0057】
次に、図12のフローチャートを用いて、顧客への資金提供の流れについて説明する。
資金提供管理サーバ10の資金提供処理部113は、顧客情報データベース121から、資金提供を行う顧客(飲食店A)の口座情報と、契約した必要金額の情報を取得する(ステップS601)。
【0058】
さらに、資金提供処理部113は、顧客の登録口座に必要金額を入金する処理を行う(ステップS602)。
【0059】
次に、図13のフローチャートを用いて、資金提供を行った顧客に対する引落処理の流れについて説明する。
【0060】
資金提供管理サーバ10の資金提供処理部113は、引落月の決済代行サービス管理サーバ30から対象顧客(ここでは、飲食店A)への実際の振込金額を取得する(ステップS701)。さらに、振込金額に契約した引落率を掛けることにより、今回の引落額を算出する(ステップS702)。
【0061】
次に、資金提供処理部113は、前回までの累計引落額と今回の引落額を加算した金額が、資金提供額(契約した必要金額)とサービス利用手数料を加算した金額を超えるか否かを判断する(ステップS703)。
【0062】
累計引落額と今回の引落額を加算した額が、資金提供額とサービス利用手数料を加算した額を超える場合には(ステップS703:YES)、資金提供額とサービス利用手数料を加算した金額と、前回までの累計引落額の差額を今回の引落額に再設定する(ステップS704)。さらに、今回の振込金額から再設定した引落額を差し引いて、残額を顧客の口座に振り込む処理を実施し、資金提供契約を終了する(ステップS705)。
【0063】
一方、累計引落額と今回の引落額を加算した額が、資金提供額とサービス利用手数料を加算した額以下の場合には(ステップS703:NO)、今回の振込金額からステップS702で算出した今回の引落額を差し引いて、残額を顧客の口座に振り込む処理を実施する(ステップS706)。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、決済代行システムから顧客への実際の振込額に基づいて必要金額(資金提供額)を設定し、顧客端末20の資金提供サービス画面に提示するようにした。これにより、簡易な処理で適切な資金提供額を設定し、顧客に提示することができる。
【0065】
なお、本実施形態では、決済代行システムから顧客への振込額に基づいて資金提供額を設定しているが、他にも、店舗の年間売上額や、月毎の平均売上額、その他店舗の信用度など、顧客に関するあらゆる情報に基づいて資金提供額を設定することができる。
【0066】
また、顧客からの回収可能性を考慮して算出した最大資金提供額と、実際の振込額に基づいて算出された第1~第3の期間での予測振込額(第1の期間<第2の期間<第3の期間)を比較し、いずれかの期間の予測振込額が最大資金提供額以上となる場合には、必要金額の選択肢に最大資金提供額を含めるようにした。また、予測振込額が最大資金提供額に満たない期間の予測振込額も必要金額の選択肢に含めるようにした。なお、いずれの期間の予測振込額も最大資金提供額に満たない場合には、選択肢に最大資金提供額は含めず、それぞれの期間の予測振込額を選択肢に含めるようにした。このように設計することにより、簡単な計算処理で、顧客の実情に即した適切な必要金額の選択肢を提示することができる。
【0067】
また、必要金額に応じた引落率と引落完了期間を算出し、顧客が画面上で選択した必要金額に応じて、対応する引落率と引落完了期間を画面に表示するようにした。これにより、顧客は、必要金額を選択しながら、それに応じた返済プランをすぐに確認することができる。また、画面には、高い引落率で短期間に返済するプランと、低い引落率で長期間かけて返済するプランの2種類を選択肢として表示するようにした。これにより、顧客ごとの事情に合わせて引落率を選択することができる。
【0068】
また、選択された必要金額と、引落率、および月毎の予測振込額に基づいて、引落完了月の目安を算出し、資金提供サービス画面に提示するようにした。これにより、顧客は具体的な返済スケジュールの目安を画面上で確認することができる。
【0069】
また、選択された必要金額と、引落率、および月毎の予測振込額に基づいて、1回の引落額の目安を算出し、金提供サービス画面に提示するようにした。これにより、顧客は具体的な引落額の目安を画面上で確認することができる。なお、引落額が顧客の最大資金提供額以上となる場合には、最大資金提供額にサービス利用料を足したものを最大引落金額として提示するようにした。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…資金提供システム
10…資金提供管理サーバ
11…制御装置
12…記憶装置
20…顧客端末
30…決済代行サービス管理サーバ
111…顧客情報取得部
112…資金提供プラン提示部
113…資金提供処理部
121…顧客情報データベース
N…通信ネットワーク
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