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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】交換機及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 68/02 20090101AFI20240216BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240216BHJP
   H04W 28/14 20090101ALI20240216BHJP
   H04W 88/14 20090101ALI20240216BHJP
【FI】
H04W68/02
H04W52/02 110
H04W28/14
H04W88/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021541945
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2019034244
(87)【国際公開番号】W WO2021038861
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】阿部 元洋
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-061191(JP,A)
【文献】Ericsson,Wake Up Signal[online],3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1804962,2018年04月06日
【文献】NTT DOCOMO Inc.,Concerns on MME Being Unaware of WUS in Rel-15[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1909224,2019年08月16日
【文献】Qualcomm Incorporated,Serviced based UE sub-grouping on wake-up signal channel[online],3GPP TSG RAN WG2 #107 R2-1910465,2019年08月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に着信があることを通知するメッセージをゲートウェイから受信する受信部と、
前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整する制御部と、
前記調整された時刻に前記ページングを前記基地局に送信する送信部とを有し、
前記制御部は、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を、前記基地局が前記端末に送信するWUS(Wake Up Signal)の終了からPO(Paging Occasion)開始までの期間に対応する時間を前倒しする交換機。
【請求項2】
前記制御部は、前記端末が間欠受信状態である場合に、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を調整する請求項1記載の交換機。
【請求項3】
前記制御部は、前記端末が間欠受信状態であり、かつ、ページングの保留が必要である場合、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を調整する請求項2記載の交換機。
【請求項4】
前記制御部は、前記端末が間欠受信を行う際のページング受信処理を削減する機能を適用している場合、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を調整する請求項2記載の交換機。
【請求項5】
端末に着信があることを通知するメッセージをゲートウェイから受信する受信手順と、
前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整する制御手順と、
前記調整された時刻に前記ページングを前記基地局に送信する送信手順と
前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を、前記基地局が前記端末に送信するWUS(Wake Up Signal)の終了からPO(Paging Occasion)開始までの期間に対応する時間を前倒しする手順とを交換機が実行する通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける交換機及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)において、拡張された間欠受信すなわちeDRX(extended Discontinuous Reception)が採用されている(例えば非特許文献1及び非特許文献2)。eDRXでは、UE(User Equipment)が間欠受信を行う際のページング(Paging)受信処理を削減して省電力化するために、WUS(Wake Up Signal)が導入されている。ページングの受信契機以前に、eNB(E-UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network) NodeB)からUEにWUSを送信することで、UEがページング受信処理を起動するか否かを判定することができる。WUSによってページング受信処理が不要であると判定された場合、UEはページング受信処理をスキップすることができるため、消費電力が低減される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP TS 36.300 V15.6.0(2019-06)
【文献】3GPP TS 23.401 V15.8.0(2019-06)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
UEがeDRX状態であって、ページング受信処理を起動するか否かの判定に使用するWUSよりも遅れてネットワークからページングが送信された場合、UEはページング受信処理を起動していないことによりページングの受信に失敗する可能性がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、無線通信システムにおいて間欠受信時にページングが受信される可能性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術によれば、端末に着信があることを通知するメッセージをゲートウェイから受信する受信部と、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整する制御部と、前記調整された時刻に前記ページングを前記基地局に送信する送信部とを有し、前記制御部は、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を、前記基地局が前記端末に送信するWUS(Wake Up Signal)の終了からPO(Paging Occasion)開始までの期間に対応する時間を前倒しする交換機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、無線通信システムにおいて間欠受信時にページングが受信される可能性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】eDRXの例を説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態におけるeDRXの例を説明するための図である。
図4】本発明の実施の形態における無線通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図5】本発明の実施の形態における交換機30の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態における基地局10の機能構成の一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態における端末20の機能構成の一例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態における交換機30の機能構成の一例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態における装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0010】
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE-Advanced、及び、LTE-Advanced以降の方式(例:NR)を含む広い意味を有するものとする。
【0011】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0012】
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局10又は端末20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
【0013】
図1は、無線通信システムの構成例を示す図である。本発明の実施の形態における無線通信システムは、図1に示されるように、eNBである基地局10A、基地局10B、基地局10C、UEである端末20、MMEである交換機30及びS-GWであるサービングゲートウェイ31を含む。図1には、基地局10が3、端末20が1、交換機30が1、サービングゲートウェイ31が1示されているが、これは例であり、さらに多数であってもよい。なお、例えば、LTEではなくNR(New Radio)システムにおいては、基地局10はgNB、交換機30はAMF(Access and Mobility Management Function)等、サービングゲートウェイ31はSMF(Session Management Function)又はUPF(User Plane Function)等、他の名称の装置又は機能に対応してもよい。
【0014】
基地局10は、1つ以上のセルを提供し、端末20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。基地局10は、同期信号及びシステム情報を端末20に送信する。同期信号は、例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)及びSSS(Secondary Synchronization Signal)である。システム情報の一部は、例えば、PBCHにて送信され、報知情報ともいう。同期信号及び報知情報は、周期的に送信されてもよい。例えば、基地局10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータを端末20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータを端末20から受信する。また、基地局10は、交換機30及びサービングゲートウェイ31ともそれぞれ接続される。
【0015】
端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。端末20は、DLで制御信号又はデータを基地局10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。
【0016】
交換機30は、基地局10を収容し、モビリティに係る制御機能、ベアラに係る制御機能等を提供する交換機である。さらに、例えば、交換機30は、DRX又はeDRXを制御する機能及び着信時にページングを送出する機能を有する。ページングは、トラッキングエリア等に基づいて、複数の基地局10に送出されてもよい。
【0017】
サービングゲートウェイ31は、LTEネットワーク上でのパケット交換機である。サービングゲートウェイ31は、ユーザデータの送受信を行う機能を有する。
【0018】
交換機30及びサービングゲートウェイ31は、コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に含まれる。EPCは、LTEのアクセス網を収容し、交換機、加入者情報管理装置等で構成されるネットワークである。端末20は、無線アクセスネットワークを経由して、コアネットワークと通信を行う。
【0019】
図2は、eDRX(extended Discontinuous Reception)の例を説明するための図である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定されたWUS(Wake Up Signal)は、端末20がeDRX等の間欠受信を行う際のページング受信処理を削減して省電力化を実現する技術である。ページングの受信契機以前に基地局10と端末20間でシグナリングを行い、ページング処理の起動有無を端末20が判定する。端末20は不必要なページング受信処理をスキップすることで、無線機能起動に伴う電力を削減することが可能となる。
【0020】
eDRX周期は、図2に示されるH-SFN(Hyper System Frame Number)の整数倍で規定されてもよい。交換機30は、端末20ごとに、eDRX周期を決定し、基地局10に通知してもよい。例えば、SFN(System Frame Number)は10msであってもよいし、H-SFNは1024のSFNで構成されて10.24sであってもよい。端末20が受信を試みるH-SFNを、図2に示されるPH(Paging Hyperframe)という。
【0021】
eDRXでは、交換機30と基地局10及び端末20間でH-SFNレベルの時刻同期を行う。H-SFNレベルの時刻同期とは、例えば、数秒程度の差で同期していることをいう。交換機30が適切なタイミングでページングを送信することで着信処理を行う。端末20が、PH内でページング受信を試行する期間はPTW(Paging Time Window)と呼ばれる。交換機30は、PTWに基づいてページングを基地局10に送信する。
【0022】
基地局10と端末20間ではSFNレベルの時刻同期が行われる。基地局10と端末20間でページングを処理可能な期間はPO(Paging Occasion)と呼ばれ、端末20はPTW内のPOのタイミングでページングを受信する。ここで、PTWよりも前に基地局10と端末20間でページングの有無を確認することにより、WUSは、PTWに含まれるPOがスキップされるか否かを示す情報を、基地局10から端末20に通知することができる。なお、図2に示されるように、WUS終了からPO開始までの期間を時間オフセット(Time offset)といい、POを含むSFNをPF(Paging Frame)という。
【0023】
図2の1)に示されるように、交換機30からページングが送信される前に、WUSの判定が実施されると、基地局10にページングが到来していないため、WUSによってPTWに含まれるPOがスキップ可能である情報が端末に通知される。そのため、図2の2)に示されるように、端末20は、WUSによりページングが到来しないと認識しているため、PTWに含まれるPOに対する受信処理をスキップする。
【0024】
上記のように、交換機30のページング送信よりも先にWUSに係るページング有無の判定が起動された場合、端末20は受信処理を実施しないため、当該ページングを受信することができない。
【0025】
なお、eDRXにおいて、関連する装置間の時刻同期については、厳密な時刻同期は要求されておらず、実装又は運用に委ねられている。eDRXの運用では、時刻同期精度が低下した場合であっても、交換機30がページングを送信すれば、後続のPOにおいて端末20が受信することが可能であった。しかしながら、WUSが導入される場合、後続のPOをスキップする機能があるため、救済されないケースが発生することがある。また、WUSの情報は、基地局10及び端末20間で管理され、交換機30に通知されない。そのため、交換機30でWUSを想定した制御を行うことが困難である。
【0026】
そこで、交換機30においてeDRXを適用している端末20の判定を行い、eDRX適用中でありかつページングをコアネットワークで保留している場合、ページング送信時刻を調整し、従来の送信時刻よりも早くページングを送信するように制御する。WUSとPOのオフセット秒数によらずコアネットワーク側でページングの送信タイミングを早めることで、ページングのタイミングとWUSのタイミングの順序性を担保することができ、端末20がページングの受信に失敗することを抑止することができる。
【0027】
例えば、交換機30は、eDRXの適用有無を判定し、ページング保留の適用有無を判定する。また、例えば、交換機30は、上記判定の結果に基づいて、ページングの時刻調整の要不要を判定する。また、例えば、交換機30は、ページングの時刻調整が必要である場合、適切な秒数を選択する。
【0028】
図3は、本発明の実施の形態におけるeDRXの例を説明するための図である。交換機30において、ある端末20に係るeDRX適用有無とページング保留要否を判定し、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整する。ページング時刻を調整する機能により、ページング時刻を早めることが可能になり、交換機30はWUS判定前に基地局10にページングを送信することができる。
【0029】
図3の1)に示されるように、交換機30は、ページング時刻をオフセット分だけ前倒しする。図3の2)に示されるように、WUSに係る判定は必ずページング後に実施される。交換機30からページングが送信された後に、基地局10によるWUSの判定が実施されるため、WUSによってPTWに含まれるPOの受信が必要であることを示す情報が端末に通知される。そのため、図3の3)に示されるように、端末20は、WUSによりページング受信処理が必要であると認識しているため、PTWに含まれるPOに対する受信処理が実行される。
【0030】
図4は、本発明の実施の形態における無線通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。図4に示されるシーケンス図を用いて、図3に示されるeDRX中のページング受信に係る処理の例を説明する。
【0031】
ステップS1において、交換機30は、eDRXタイマを決定する。続いて、交換機30は、eDRXタイマを端末20に通知する(S2)。ステップS3において、端末20、基地局10及び交換機30において、eDRXが開始される。
【0032】
ステップS4において、サービングゲートウェイ31は、端末20宛てのDownlinkパケットを受信する。続くステップS5において、サービングゲートウェイ31は、「Downlink Data Notification」を基地局10に送信する。ここで、GTP(GPRS Tunnelling Protocol)v2は、アクセス制御プロトコルであり、「Downlink Data Notification」は、端末20に着信があることを交換機30に通知するメッセージである。続くステップS6において、交換機30はページング時刻調整に係る判定を行う。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態における交換機30の動作を説明するためのフローチャートである。図5を使用して、図4に示されるステップS6における交換機30の処理を詳細に説明する。
【0034】
ステップS61において、交換機30は、サービングゲートウェイ31から着信要求を受信する。続いて、交換機30は、着信要求に対応する端末20のeDRXは起動中か否か判定する。eDRXが起動中でない場合(S62のNO)、ステップS63に進み、eDRXが起動中である場合(S62のYES)、ステップS64に進む。ステップS63において、交換機30は、基地局10に即時でページングを送出してフローを終了する。
【0035】
一方、ステップS64において、交換機30は、着信要求に対応する端末20のページング保留が必要か否か判定する。ページング保留が必要でない場合(S64のNO)、ステップS63に進み、ページング保留が必要である場合(S64のYES)、ステップS65に進む。例えば、端末20がeDRX起動中であるものの、Wakeup状態である場合、ページング保留が必要でないと判定される。
【0036】
ステップS65において、交換機30は、ページング送出時刻を調整し保存する。例えば、n秒前倒した時刻を保存する。例えば、n秒は、WUS終了からPO開始までの期間に対応する時間であってもよく、nは整数に限られない。また、例えば、eDRXでは、交換機30と基地局10及び端末20間でH-SFNレベルの時刻同期が行われていることから、PHにおいて基地局10がWUSに係る判定を行うと想定される時刻と同期精度に応じて追加する時間とに基づいて、交換機30は、WUSに係る判定よりも先にページングが交換機30から基地局10に送信されるようにnを設定してもよい。続いて、交換機30は、サービングゲートウェイ31にパケットのバッファリングを指示して(S66)フローを終了する。
【0037】
図4に戻る。ステップS7において、交換機30は、「DDN ack」をサービングゲートウェイ31に送信する。「DDN ack」と共に、図3に示されるパケットのバッファリングを指示する情報がサービングゲートウェイ31に送信されてもよい。続いて、サービングゲートウェイ31は、端末20宛てのDownlinkパケットを保持する(S8)。
【0038】
ステップS9において、交換機30は、ステップS6で決定された調整時刻において、ページングを開始する。交換機30は、ページングを基地局10に送信する(S10)。なお、S1APは、端末20の通信制御に必要な交換機30と基地局10間の機能を規定するプロトコルである。ここで、図4に示されるように、従来のタイミングによるページング送信よりも、前倒しオフセット分だけ基地局10にページングが早く送信される。
【0039】
続いて、基地局10は、端末20に対するページングが有ることを認識する(S11)。続いて、基地局10は、報知情報を用いてページング受信が必要であることを示すWUSを端末20に送信する(S12)。ステップ13において、端末20は、受信したWUSに基づいてページング受信が必要であると判定する。続いて、端末20は、POにおいて基地局10からRRC(Radio Resource Control)シグナリングによるページングを受信する。
【0040】
なお、上述のWUSを使用して端末20がページング処理をスキップする動作において、端末20は間欠受信を行う際のページング受信処理を削減する機能を適用しているか否かの状態を有してもよい。また、基地局10及び交換機30は、当該状態を端末20に設定又は端末20から取得してもよい。ページング受信処理を削減することで、端末20の省電力化が図られる。
【0041】
なお、WUSの後にページングが交換機30から基地局10に送信されることを防止するため、基地局10は、WUSの送信有無を示す情報を交換機30に送信してもよいし、WUSの送信時刻を示す情報を交換機30に送信してもよい。交換機30は、基地局10から受信したWUSの送信時刻を示す情報に基づいて、ページングを送信する時刻を調整してもよい。
【0042】
上述の実施例により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、当該端末20に係るeDRX適用有無とページング保留の要否を判定し、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0043】
すなわち、無線通信システムにおいて間欠受信時にページングが受信される可能性を向上させることができる。
【0044】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局10、端末20及び交換機30の機能構成例を説明する。基地局10、端末20及び交換機30は上述した実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局10、端末20及び交換機30はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
【0045】
<基地局10>
図6は、本発明の実施の形態における基地局10の機能構成の一例を示す図である。図6に示されるように、基地局10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図6に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0046】
送信部110は、端末20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。また、送信部110は、ネットワークノード間メッセージを他のネットワークノードに送信する。受信部120は、端末20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、端末20へPSS、SSS、PBCH、DL/UL制御信号等を送信する機能を有する。また、受信部120は、ネットワークノード間メッセージを他のネットワークノードから受信する。
【0047】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、端末20に送信する各種の設定情報を格納する。設定情報の内容は、例えば、間欠受信及びページングに係る設定情報等である。
【0048】
制御部140は、実施例において説明したように、間欠受信及びページングに係る制御を行う。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
【0049】
<端末20>
図7は、本発明の実施の形態における端末20の機能構成の一例を示す図である。図7に示されるように、端末20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図7に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0050】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局10から送信されるPSS、SSS、PBCH、DL/UL/SL制御信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他の端末20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信し、受信部220は、他の端末20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH又はPSBCH等を受信する。
【0051】
設定部230は、受信部220により基地局10から受信した各種の設定情報を格納する。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、間欠受信及びページングに係る設定情報等である。
【0052】
制御部240は、実施例において説明したように、間欠受信及びページングに係る制御を行う。制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
【0053】
<交換機30>
図8は、本発明の実施の形態における交換機30の機能構成の一例を示す図である。図8に示されるように、交換機30は、送信部310と、受信部320と、設定部330と、制御部340とを有する。図8に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、サービングゲートウェイ31等のネットワークノードは、図8に示される機能部を有し、実施例で説明した機能を実現してもよい。
【0054】
送信部310は、端末20側に送信する信号を生成し、当該信号を送信する機能を含む。また、送信部310は、ネットワークノード間メッセージを他のネットワークノードに送信する。受信部320は、端末20から送信された各種の信号を受信する。また、受信部320は、ネットワークノード間メッセージを他のネットワークノードから受信する。
【0055】
設定部330は、予め設定される設定情報、及び、端末20又は他のネットワークノードに送信する各種の設定情報を格納する。設定情報の内容は、例えば、ネットワークノード間の通信に係る設定情報、端末20の間欠受信に関する設定情報等である。
【0056】
制御部340は、実施例において説明したように、ネットワークノード間の通信に係る制御を行う。また、制御部340は、間欠受信に係る制御情報を基地局10、端末20又は他のネットワークノードに通知する。また、制御部340は、ページングに係る制御情報を基地局10、端末20又は他のネットワークノードに通知する。制御部340における信号送信に関する機能部を送信部310に含め、制御部340における信号受信に関する機能部を受信部320に含めてもよい。
【0057】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図6図7及び図8)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0058】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0059】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局10、端末20及び交換機30等の装置は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、本発明の実施の形態における装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及び端末20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0060】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局10及び端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0061】
基地局10及び端末20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0062】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0063】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図6に示した基地局10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図7に示した端末20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図8に示した交換機30の制御部340は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0064】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0065】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0066】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0067】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0068】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0069】
また、基地局10及び端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0070】
なお、サービングゲートウェイ31等のコアネットワーク機能が装置として構成される場合、交換機30と同様に図9に示されるハードウェアから構成されてもよい。
【0071】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、端末に着信があることを通知するメッセージをゲートウェイから受信する受信部と、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整する制御部と、前記調整された時刻に前記ページングを前記基地局に送信する送信部とを有する交換機が提供される。
【0072】
上記の構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。すなわち、無線通信システムにおいて間欠受信時にページングが受信される可能性を向上させることができる。
【0073】
前記制御部は、前記端末が間欠受信状態である場合に、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整してもよい。当該構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、当該端末20に係るeDRX適用有無を判定し、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0074】
前記制御部は、前記端末が間欠受信状態であり、かつ、ページングの保留が必要である場合、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整してもよい。当該構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、当該端末20に係るページング保留の要否を判定し、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0075】
前記制御部は、前記端末が間欠受信を行う際のページング受信処理を削減する機能を適用している場合、前記メッセージに対応するページングを前記基地局に送信する時刻を調整してもよい。当該構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、必要に応じてページング時刻を調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0076】
前記制御部は、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を、前記基地局が前記端末に起動信号を送信する以前の時刻に調整してもよい。当該構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0077】
前記制御部は、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を、前記基地局が前記端末に送信する起動信号に係るページング有無の判定を実行する以前の時刻に調整してもよい。当該構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。
【0078】
また、本発明の実施の形態によれば、端末に着信があることを通知するメッセージをゲートウェイから受信する受信手順と、前記メッセージに対応するページングを基地局に送信する時刻を調整する制御手順と、前記調整された時刻に前記ページングを前記基地局に送信する送信手順とを交換機が実行する通信方法が提供される。
【0079】
上記の構成により、交換機30は、端末20に着信が到来したとき、必要に応じてページング時刻を前倒しで調整することで、基地局10におけるWUSに係る判定処理よりも先にページングを基地局10に送信することができる。すなわち、無線通信システムにおいて間欠受信時にページングが受信される可能性を向上させることができる。
【0080】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局10及び端末20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って端末20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0081】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0082】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0083】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0084】
本明細書において基地局10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末20との通信のために行われる様々な動作は、基地局10及び基地局10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0085】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0086】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0087】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0088】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0089】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0090】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0091】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0092】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0093】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0094】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0095】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0096】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0097】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0098】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0099】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0100】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数の端末20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能を端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0101】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0102】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0103】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0104】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0105】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0106】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0107】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0108】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0109】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0110】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0111】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0112】
なお、本開示において、Downlink Data Notificationは、端末に着信があることを通知するメッセージの一例である。サービングゲートウェイ31には、ゲートウェイの一例である。WUSは、起動信号の一例である。
【0113】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0114】
10 基地局(eNB)
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 端末(UE)
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
30 交換機(MME)
310 送信部
320 受信部
330 設定部
340 制御部
31 サービングゲートウェイ(S-GW)
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9