(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】汎用運搬装置のフレーム
(51)【国際特許分類】
B60G 21/045 20060101AFI20240216BHJP
B60G 21/05 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B60G21/045
B60G21/05
(21)【出願番号】P 2021558502
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(86)【国際出願番号】 CZ2020000007
(87)【国際公開番号】W WO2020192805
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CZ
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521436946
【氏名又は名称】ドボラック - スヴァホヴェ セカキー エス.アール.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォンドラチェク、パヴェル
【審査官】佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02538536(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 21/045
B60G 21/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用運搬装
置のフレームであって、
前記フレームは、
車輪(5a、5b、5c、5d)と、
前記フレーム(1)のシャシ(2)と、
両端に車輪(5a及び5b)の2つの懸架装置(6a、6b)を有する左車軸(3)と、
両端に車輪(5c、5d)の2つの懸架装置(6c、6d)を有する右車軸(4)と、
1つの両側安定化レバー(8)と
を備
え、
前記左車軸(3)の前記懸架装置(6a、6b)と、前記右車軸(4)の前記懸架装置(6c及び6d)が前記車輪(5a、5b、5c、5d)を備えており、前記懸架装置(6a、6b、6c、6d)は、垂直軸(12、13、17、18)を中心として360°回転可能であり、前記左車軸(3)と前記右車軸(4)は前記両側安定化レバー(8)により直接接続され、
前記両側安定化レバー(8)
は、前記フレーム(1)の前記シャシ(2)に枢動可能に取り付けられ、
前記シャシ(2)には、前記左車軸(3)が第2の中心ピボット(7a)を介して独立に取り付けられ、且つ前記右車軸(4)が第3の中心ピボット(7b)を介して取り付けられることを特徴とする、フレーム。
【請求項2】
前記両側安定化レバー(8)が、第1のピボット(10)を介して前記フレーム(1)の前記シャシ(2)に接続され、前記両側安定化レバー(8)が、前記第1のピボット(10)の軸(11)の周りに枢動可能に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記両側安定化レバー(8)が、第1の弾性マウンティング(9a)により前記左車軸(3)に接続され、前記両側安定化レバー(8)が、第2の弾性マウンティング(9b)により前記右車軸(4)に接続されることを特徴とする、請求項2に記載のフレーム。
【請求項4】
前記左車軸(3)が、第2の中心ピボット(7a)により前記フレーム(1)の前記シャシ(2)に枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のフレーム。
【請求項5】
前記右車軸(4)が、第3の中心ピボット(7b)により前記フレーム(1)の前記シャシ(2)に枢動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のフレーム。
【請求項6】
前記左車軸(3)の第1の
懸架装置(6a)の
垂直軸(12)及び前記左車軸(3)の第2の
懸架装置(6b)の
垂直軸(13)が、前記右車軸(4)の第1の
懸架装置(6c)の
垂直軸(17)及び前記右車軸(4)の第2の
懸架装置(6d)の
垂直軸(18)が
長手方向において離間される距離(L
tP)に等しい距離(L
tL)において前記長手方向に離間されることを特徴とする、請求項3に記載のフレーム。
【請求項7】
前記左車軸(3)の後輪(5b)の前記
懸架装置(6b)の前記
垂直軸(13)が、前記右車軸(4)の前記後輪(5d)の前記
懸架装置(6d)の前記
垂直軸(18)が前記両側安定化レバー(8)の前記第1のピボット(10)の中心(14)から長手方向に間隔を空けられる長さ(b
P)と同じ長さ(b
L)だけ前記両側安定化レバー(8)の前記第1のピボット(10)の前記中心(14)から長手方向に間隔を空けられることを特徴とする、請求項6に記載のフレーム。
【請求項8】
前記左車軸(3)の前記
第1の弾性マウンティング(9a)の中心(15)が、長さ(d)だけ前記右車軸(4)の前記
第2の弾性マウンティング(9b)の中心(16)から横方向に間隔を空けられ、前記左車軸(3)の前記
第1の弾性マウンティング(9a)の前記中心(15)が、半分の長さ(d/2)だけ前記両側安定化レバー(8)の前記第1のピボット(10)の前記中心(14)から横断方向に間隔を空けられることを特徴とする、請求項7に記載のフレーム。
【請求項9】
前記左車軸(3)の前輪(5a)
が基本水平面(X1)から高さ(h)だけ持ち上げ
られた場合、前記両側安定化レバー(8)の前記第1のピボット(10)の前記中心(14)が、それぞれの前記左車軸と前記右車軸の水平面(X2)から距離(xB)のところに位置し、
且つ、
前記右車軸(4)の前輪(5c)が基本水平面(X1)から高さ(h)だけ持ち上げられた場合、前記両側安定化レバー(8)の前記第1のピボット(10)の前記中心(14)が、それぞれの前記左車軸と前記右車軸の水平面(X2)から距離(xB)のところに位置し、
以下の式、
【数1】
が
成立し、
式中、
xBは、前記左車軸と前記右車軸(3、4)の前記水平面(X2)からの前記第1のピボット(10)の前記中心(14)の前記距離(xB)であり、
hは、前記基本水平面(X1)からの前記前輪(5a)の上昇高さ(h)であり、
bは、前記第1のピボット(10)の前記中心(14)からの前記左車軸(3)及び前記右車軸(4)の前記
懸架装置(6a、6c)の前記
垂直軸(13、18)の距離(b
L、b
P)であり、
L
tは、前記左車軸(3)及び前記右車軸(4)における前記後輪(5b、5d)の前記
懸架装置(6b、6d)の前記
垂直軸(13、18)からの前記前輪(5a、5c)の前記
懸架装置(6a、6c)の前記
垂直軸(12、17)の距離(L
tL、L
tP)であることを特徴とする、請求項8に記載のフレーム。
【請求項10】
前記左車軸(3)の前記前輪(5a)
が前記基本水平面(X1)から前記高さ(h)だけ持ち上げ
られた場合、前記両側安定化レバー(8)が、前記左車軸と前記右車軸(3、4)の前記水平面(X2)と角度βを形成し、これに対して、以下の式、
【数2】
が
成立し、式中、
xBは、前記左車軸と前記右車軸(3、4)の前記水平面(X2)からの前記第1のピボット(10)の前記中心(14)の前記距離(xB)であり、
d/2は、前記第1のピボット(10)の前記中心(14)からの前記
左車軸(3)の前記
第1の弾性マウンティング(9a)の前記中心(15)の前記距離(d/2)であ
り、且つ前記第1のピボット(10)の前記中心(14)からの前記右車軸(4)の前記第2の弾性マウンティング(9b)の前記中心(16)の前記距離(d/2)であることを特徴とする、請求項9に記載のフレーム。
【請求項11】
左右の車軸(3、4)のそれぞれの両端に、前記車輪(5a、5b、5c、5d)の2つの前記懸架装置(6a、6b)(6c、6d)を有する左右の車軸(3、4)の各々について、前記車輪(5a、5b、5c及び5d)の前記懸架装置(6a、6b、6c、6d)は平らな面に接触して前記面の上に配置され、前記左右の車軸(3、4)は実質的に同一平面上に配置され、前記両側安定化レバー(8)はその平面に対して水平であることを特徴とする請求項1に記載のフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に汎用運搬装置のフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
車軸を含む幾つかのタイプのフレームが、実践から知られている。
【0003】
剛性車軸(板ばね車軸、統合された変速機及びパナール・ロッドを含む車軸、ド・ディオン車軸)を有するフレームが知られており、さらに、リジッド・ハーフ車軸(rigid half axle)(連結車軸)を含むフレーム、並びに独立車軸(台形車軸(trapezoidal axle)、マクファーソン車軸、マルチリンク懸架装置)を含む車軸、等が知られている。
【0004】
上述の車軸を含むフレームの欠点は、具体的には、多数のばね下質量、及び、広い設置スペースが必要とされるという事実である。
【0005】
さらなる欠点は、横断方向及び長手方向における高価且つ不完全な構成要素を用いた車軸の取付けにある。
【0006】
既存の製造業者の中には、車軸の片側から反対側へ運動を伝達するための単純な解決法を提供するものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上述の欠点を克服すること、及び、フレームのシャシに揺動を伝達することなしに各車軸の揺動運動を提供する車軸マウンティングを汎用運搬装置のフレームに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の目的は、
フレームのシャシと、
両端に2つの門形懸架装置(portal suspension)を有する左車軸と、
両端に2つの門形懸架装置を有する右車軸と、
両側安定化レバー(double-sided stabilizing lever)と
を備える、特に汎用運搬装置のフレームを提供することによって達成される。
【0009】
両側安定化レバーは、横断方向においてフレームのシャシに枢動可能に取り付けられる。
【0010】
車軸は、長手方向においてフレームのシャシに枢動可能に取り付けられる。
【0011】
両側安定化レバーは、左車軸及び右車軸に接続され、且つ、横断方向においてそれらの間に横向きに配置される。
【0012】
両側安定化レバーは、第1のピボットによりフレームのシャシに接続されることが好ましく、この場合、両側安定化レバーは、第1のピボットの軸の周りに枢動可能に配置される。
【0013】
両側安定化レバーは、弾性マウンティングにより左車軸に接続されることが好ましく、この場合、両側安定化レバーは、弾性マウンティングにより右車軸に接続される。
【0014】
左車軸は、第2の中心ピボットによりフレームのシャシに枢動可能に取り付けられることが好ましい。
【0015】
右車軸は、第3の中央ピボットによりフレームのシャシに枢動可能に取り付けられることが好ましい。
【0016】
左車軸前輪の門形懸架装置の軸及び左車軸後輪の門形懸架装置の軸は、右車軸前輪の門形懸架装置の軸及び右車軸後輪の門形懸架装置の軸が長手方向において互いに離れて配置される距離に等しい距離だけ長手方向において互いに間隔を空けられることが、好ましい。
【0017】
左車軸後輪の門形懸架装置の軸は、右手側車軸の後車軸の軸が両側安定化レバーの第1のピボットの中心から長手方向に間隔を空けられる長さに等しい長さだけ両側安定化レバーの第1のピボットの中心から長手方向に間隔を空けられることが、好ましい。
【0018】
左車軸の弾性マウンティングの中心は、特定の長さだけ右車軸の弾性マウンティングの中心から横断方向に間隔を空けられることが好ましく、この場合、左車軸の弾性マウンティングの中心は、半分の長さだけ両側安定化レバーの第1のピボットの中心から横断方向に間隔を空けられる。
【0019】
左車軸の前輪が水平面から特定の高さだけ上昇された場合、両側安定化レバーの第1のピボットの中心は、水平面から距離xBのところに位置し、また、以下の式、
【数1】
が適用され、式中、
xBは、車軸の水平面からの第1のピボットの中心の距離であり、
hは、左車軸の前輪の上昇高さであり、
bは、第1のピボットの中心からの左車軸及び右車軸それぞれの車輪門形懸架装置の距離であり、
L
tは、左車軸及び右車軸それぞれの後輪門形懸架装置軸からの前輪門形懸架装置軸の距離である。
【0020】
左車軸の前輪が水平面から特定の高さだけ上昇された場合、両側安定化レバーは、水平車軸平面とともに角度βを形成し、また、以下の式、
【数2】
が適用され、式中、
xBは、車軸の水平面からの第1のピボットの中心の距離であり、
d/2は、第1のピボットの中心からの弾性車軸マウンティングの中心の距離である。
【0021】
本発明によれば、特に汎用運搬装置のフレームは、両側安定化レバーの形態をした安定化ロッドによる車軸の横方向連結を含むフレームのシャシにおける車軸の長手方向マウンティングを有して開発された。
【0022】
本発明の特に汎用運搬装置のフレームは、揺動運動の可能性を有する中心車軸ピボットにより車軸が取り付けられる、フレームのシャシを備える。
【0023】
車軸の各端部には、車輪懸架装置のそれらの垂直軸の周りで360°回転され得る門形車輪懸架装置が取り付けられる。
【0024】
両側安定化レバーの形態をした安定化ロッドは、フレームのシャシに対して長手方向においてピボットによって支持され、且つ、弾性マウンティングを介した両方の車軸の接続を確実にする。
【0025】
本発明による解決法は、特に、以下の特徴によって特徴付けられる。
【0026】
長手方向における左車軸車輪の門形懸架装置のほぼ垂直な軸は、距離LtLにおいて離間される。
【0027】
長手方向における右車軸車輪の門形懸架装置のほぼ垂直な軸は、距離LtPにおいて離間される。
【0028】
左車軸後輪の門形懸架装置のほぼ垂直な軸は、長さbLにおいて長手方向にピボットの中心から間隔を空けられる。
【0029】
右車軸後輪の門形車輪懸架装置のほぼ垂直な軸は、長さbLにおいて長手方向にピボットの中心から間隔を空けられる。
【0030】
横断方向における左車軸の弾性マウンティングの中心、及び、右車軸の弾性マウンティングの中心は、距離dにおいて互いに間隔を空けられる
【0031】
横断方向における左車軸の弾性マウンティングの中心、及び、安定化ロッド・ピボットの中心は、距離d/2のところに配置される。
【0032】
フレームの運転中、1つの門形車輪懸架装置(例えば、左車軸の前輪門形懸架装置)が高さhだけ持ち上げられて、安定化ロッド・ピボットの中心を距離xBだけ移動させ、これに対しては以下の式が適用される:
【数3】
【0033】
安定化ロッドは、この運動を右長手方向に取り付けられた車軸に伝達して、直ちに安定化ロッドを角度βだけ傾斜させるが、これに対しては以下の式が適用される:
【数4】
【0034】
本発明は、本発明の実際的な実施例の非限定的な実例に基づいてさらに説明され、その説明は、添付の図面を参照しながら与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の例示的な実施例によるフレームの等角図である。
【
図2】本発明の例示的な実施例によるフレームの側面図である。
【
図3】本発明の例示的な実施例によるフレームの上面図である。
【
図4】
図1の直線方向における正面図からの、オフ・ロードを進むときのフレームの簡易化した図である。
【
図5】
図1の長手方向における側面図からの、オフ・ロードを進むときのフレームの簡易化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明によれば、フレーム1のシャシ2上に車軸3及び4の長手方向マウンティングを有する、特に汎用運搬装置のフレーム1が開発されており、ここで、左車軸3及び右車軸4の接続は、横断方向に取り付けられる横方向安定化レバー8によって確実とされる。
【0037】
本発明の好ましい例示的な実施例が、添付の図面に示されている。
【0038】
図1から5に示されるように、特に汎用運搬装置のフレーム1は、左車軸3が中心ピボット7aによって支持され、また、右車軸4が中心ピボット7bによって支持される、例えば溶接金属薄板構造体であり得るフレーム1のシャシ2を備え、これは、例えばピボットを含む溶接管状フレームを形成し得る。
【0039】
左車軸3及び右車軸4の旋回マウンティングは、例えば、フレーム1のシャシ2上に配置されるナイロン・ブッシングによって製造され得る(
図1及び
図2参照)。
【0040】
左車軸3は、一方の端部には前輪5a門形懸架装置6aを有し、他方の端部には後輪5b門形懸架装置6bを有し、2つの門形懸架装置6a及び6bは、例えば、マウンティング・フランジを介した無制限の360°回転を有し得る。
【0041】
右車軸4は、一方の端部には前輪5c門形懸架装置6cを有し、他方の端部には後輪5d門形懸架装置6dを有し、2つの門形懸架装置6c及び6dは、例えば、無制限の360°回転を有し得る。
【0042】
横断方向において、フレーム1のシャシ2上には両側安定化レバー8が取り付けられ、この両側安定化レバー8は、左車軸3から右車軸4への運動伝達、及び右車軸4から左車軸3への運動伝達を確実にするために、例えば互いにねじ留めされた金属パネルの対によって形成され得る。
【0043】
両側安定化レバー8は、ピボット10によりフレーム1のシャシ2に接続される。この接続は、第1のピボット10のほとんど水平な軸11の周りでの両側安定化レバー8の回転を可能にして、運転中にフレームが地形に完全に従うことを確実にする。
【0044】
左車軸3及び両側安定化レバー8の弾性マウンティング9a、並びに右車軸4及び両側安定化レバー8の弾性マウンティング9bは、例えばサイレント・ブロックによって形成され得る。
【0045】
本発明による解決法は、特に以下の実施例によって特徴付けられる。
【0046】
両側安定化レバー8は、第1のピボット10により、横断方向においてフレーム1のシャシ2に取り付けられる。
【0047】
両側安定化レバー8は、弾性マウンティング9aにより、左車軸3に接続される。
【0048】
両側安定化レバー8は、弾性マウンティング9bにより、右車軸4に接続される。
【0049】
左車軸3は、第2の中心ピボット7aにより、フレーム1のシャシ2に取り付けられる。
【0050】
右車軸4は、第3の中央ピボット7bにより、フレーム1のシャシ2に取り付けられる。
【0051】
左車軸3の門形車輪懸架装置6aのほぼ垂直な軸12、及び、左車軸3の門形車輪懸架装置6bのほぼ垂直な軸13は、長さLdLにおいて互いに長手方向に間隔を空けられる。
【0052】
右車軸3の門形車輪懸架装置6cのほぼ垂直な軸17、及び、右車軸4の門形車輪懸架装置6dのほぼ垂直な軸18は、同じ長さLdPにおいて互いに長手方向に間隔を空けられる。
【0053】
左車軸3の門形車輪懸架装置6bのほぼ垂直な軸13は、長さbLにおいて両側安定化レバー8のピボット10の中心14から間隔を空けられる。
【0054】
右車軸4の門形車輪懸架装置6dのほぼ垂直な軸18は、同じ長さbPにおいて両側安定化レバー8のピボット10の中心14から間隔を空けられる。
【0055】
左車軸3の弾性マウンティング9aの中心15は、長さdにおいて右車軸4の弾性マウンティング9bの中心16から横断方向に間隔を空けられる
【0056】
左車軸3の弾性マウンティング9aの中心15は、長さd/2において両側安定化レバー8の第1のピボット10の中心14から横断方向に間隔を空けられる。
【0057】
左車軸3の前輪5aを高さhだけ持ち上げることにより、両側安定化レバー8の第1のピボット10の中心14の位置は距離xBだけ変更され、これに対しては、以下の式、
【数5】
が適用され、式中、
xBは、車軸3、4の水平面X2からの第1のピボット10の中心14の距離xBであり、
hは、基本水平面X1からの左車軸の前輪5aの上昇高さhであり、
bは、第1のピボット10の中心14からの左車軸3車輪の車輪門形懸架装置6bの軸13の距離b
L、及び、第1のピボット10の中心14からの右車軸4車輪の車輪門形懸架装置6dの軸18の距離b
Pであり、
L
tは、それぞれ、左車軸3における後輪5bの軸13門形懸架装置6bからの前輪5aの門形懸架装置6aの軸12の距離L
tL、及び、右車軸4における後輪5dの門形懸架装置6dの軸18からの前輪5cの門形懸架装置の軸17の距離L
tPである。
【0058】
左車軸3のこの運動は、両側安定化レバー8を介して右車軸4に伝達され、両側安定化レバー8は、第1のピボット10の周りで角度βだけ回転し、これに対しては、以下の式、
【数6】
が適用され、式中、
xBは、車軸3及び4の水平面X2からの第1のピボットの中心14の距離xBであり、
d/2は、第1のピボット10の中心14からの車軸3の弾性マウンティング9aの中心15の距離d/2である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、特に汎用運搬装置のフレームが、フレーム・シャシに枢動可能に取り付けられた2つの車軸を有して開発されており、各車軸には、その垂直軸の周りで360°の角度にわたる回転を可能にする2つの門形懸架装置が設けられており、一方の車軸からもう一方の車軸への運動は、両側安定化レバーのピボットによって確実とされる。
【0060】
本発明は、運搬装置シャシへの車軸運動の伝達を最小限に抑えて、フレームの運転中に地形を完全にまねることを解決した。
【0061】
特に汎用運搬装置のフレームは、少ないばね下質量、並びにフレーム部品の単純且つ安価な生産によって特徴付けられる。
【0062】
この設計は、高価な減衰要素及び多数のフレーム制御構成要素を必要としない。
【0063】
フレームは、特に、あらゆる装輪車両及び装軌車両に使用され得る。
【0064】
本発明による特に汎用運搬装置のフレームは、例えば、平坦部上及び斜面上の両方において、草地若しくは低木領域を刈り込むためのデバイス、道路縁部、鉄道盛土、川岸を維持するためのデバイス、又はアクセスが難しい地形の保守管理のためのデバイスに応用されることが理解される。
【符号の説明】
【0065】
1 フレーム
2 フレームのシャシ2
3 左車軸
4 右車軸
5a 左車軸3の前輪5a
5b 左車軸3の後輪5b
5c 右車軸4の前輪5c
5d 右車軸4の後輪5d
6a 左車軸3の前輪5aの門形懸架装置6a
6b 左車軸3の後輪5bの門形懸架装置6b
6c 右車軸4の後輪5cの門形懸架装置6c
6d 右車軸4の後輪5dの門形懸架装置6c
7a 左車軸3の第2の中心ピボット7a
7b 右車軸4の第3の中心ピボット7b
8 両側安定化レバー
9a 車軸3及び2側安定化レバー8の弾性マウンティング9a
9b 右車軸4及び両側安定化レバー8の弾性マウンティング9b
10 両側安定化レバー8の第1のピボット10
11 第1のピボット10の軸11
12 左車軸3の前輪5aの門形懸架装置6aの軸12
13 左車軸3の後輪5bの門形懸架装置6bの軸13
14 両側安定化レバー8の第1のピボット10の中心14
15 左車軸3及び2側安定化レバー8の弾性マウンティング9aの中心15
16 右車軸4及び両側安定化レバー8の弾性マウンティング9bの中心16
17 右車軸4の前輪5cの門形懸架装置6cの軸17
18 右車軸4の後輪5dの門形懸架装置6dの軸18
Lt 左車軸3の後輪5bの門形懸架装置6bの軸13からの前輪5aの門形懸架装置6aの軸12の距離LtL、及び、右車軸4の後輪5dの門形懸架装置6dの軸18からの前輪5cの門形懸架装置6cの軸17の距離LtP
b 第1のピボット10の中心14からの左車軸3車輪の車輪門形懸架装置6bの軸13の距離bL、及び、第1のピボット10の中心14からの右車軸4車輪5dの車輪門形懸架装置6dの軸18の距離bP
d 右車軸4の弾性マウンティング9bの中心16からの左車軸3の弾性マウンティング6aの中心15からの距離d
d/2 第1のピボット10の中心14からの車軸3の弾性マウンティング9aの中心15の距離d/2
X1 基本水平面
X2 車軸3、4の水平面
xB 左車軸3の前輪5aの上昇高さhを変化させたときの車軸3、4の水平面X2からの第1のピボット10の中心14の距離xB
β 左車軸3の前輪5の上昇高さhを変化させたときの両側安定化レバー8と車軸3、4の水平面X2との間の角度β