(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】遠心圧縮機の羽根車、遠心圧縮機及びターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/30 20060101AFI20240216BHJP
F04D 29/28 20060101ALI20240216BHJP
F02B 39/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F04D29/30 C
F04D29/28 J
F02B39/00 G
F02B39/00 Q
(21)【出願番号】P 2021563442
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2019047999
(87)【国際公開番号】W WO2021117077
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-04-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 豊
(72)【発明者】
【氏名】岡 信仁
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-512479(JP,A)
【文献】特開2009-221984(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104653511(CN,A)
【文献】特開2006-226199(JP,A)
【文献】特開平04-132898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16;17/00-19/02;21/00-25/16;29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心圧縮機の羽根車であって、
ハブと、
前記ハブのハブ面に立設された少なくとも一つの翼部であって、前記ハブの背面から離れるにつれて前記遠心圧縮機の軸線との距離が大きくなるように構成された後縁を有する少なくとも一つの翼部と、
前記少なくとも一つの翼部における後縁と前記ハブの背面部を形成する背板部の外周面とを接続する、前記外周面よりも径方向外側に形成された第1フィレットと、
を備え
、
前記第1フィレットは、前記羽根車の子午面断面において、前記外周面よりも径方向外側に曲率中心が存在する曲線部分を含み、
前記曲線部分は、前記軸線の延在方向における前記ハブの背面側の端部が前記背面部に位置する
遠心圧縮機の羽根車。
【請求項2】
前記翼部の負圧面と前記ハブ面とを接続する第2フィレットと、
前記翼部の圧力面と前記ハブ面とを接続する第3フィレットと、
をさらに備え、
前記第1フィレットは、
前記第2フィレットと前記背板部の外周面とを接続する負圧面側フィレット部と、
前記第3フィレットと前記背板部の外周面とを接続する圧力面側フィレット部と、
を含む
請求項1に記載の遠心圧縮機の羽根車。
【請求項3】
前記圧力面側フィレット部の周方向の長さは、前記負圧面側フィレット部の周方向の長さよりも大きい
請求項2に記載の遠心圧縮機の羽根車。
【請求項4】
前記翼部は、第1翼部、及び、前記第1翼部の負圧面側において周方向に間隔を空けて前記第1翼部と隣り合う第2翼部を含み、
前記背板部の外周側において、前記第1翼部の負圧面側に形成された前記負圧面側フィレット部と、前記第2翼部の圧力面側に形成された前記圧力面側フィレット部とを接続する翼間フィレット
をさらに備える
請求項2又は3に記載の遠心圧縮機の羽根車。
【請求項5】
前記第1フィレットの少なくとも一部は、前記羽根車の子午面断面において、直線形状を有する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の遠心圧縮機の羽根車。
【請求項6】
請求項1乃至
5の何れか一項に記載の遠心圧縮機の羽根車と、
前記羽根車を収容するコンプレッサハウジングと、
を備える遠心圧縮機。
【請求項7】
請求項
6に記載の遠心圧縮機
を備えるターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠心圧縮機の羽根車、遠心圧縮機及びターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから排出される排ガスのエネルギを利用してエンジンの出力を向上させるターボ装置として、例えば、ターボチャージャが知られている。ターボチャージャは、エンジンから排出される排ガスによってタービンインペラを回転駆動させ、これによりタービンインペラと同軸で連結されているコンプレッサインペラを回転駆動させて吸気を圧縮し、この圧縮した吸気をエンジンに供給するものである(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、コンプレッサの高圧縮比化が求められており、高圧縮比化を達成するためにコンプレッサインペラ(羽根車)の高周速化が求められている。
羽根車の高周速化を図るためには、羽根車の回転速度を大きくする他に、翼部の後縁の形状を変更することが考えられる。
例えば上述した特許文献1に記載の遠心圧縮機では、翼の後縁の一部を羽根車のハブの最大径部よりも径方向外側に突出させることで、後縁における周速が大きくなるようにしている。
しかし、単に翼の後縁の一部を羽根車のハブの最大径部よりも径方向外側に突出させただけでは、翼部に作用する遠心力による応力の増加や、翼部の固有振動数の低下を招くおそれがある。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態は、遠心圧縮機の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機の高圧縮比化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機の羽根車は、遠心圧縮機の羽根車であって、ハブと、前記ハブのハブ面に立設された少なくとも一つの翼部であって、前記ハブの背面から離れるにつれて前記遠心圧縮機の軸線との距離が大きくなるように構成された後縁を有する少なくとも一つの翼部と、前記少なくとも一つの翼部における後縁と前記ハブの背面部を形成する背板部の外周面とを接続する、前記外周面よりも径方向外側に形成された第1フィレットと、を備える。
【0007】
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機は、上記(1)に記載の遠心圧縮機の羽根車と、前記羽根車を収容するコンプレッサハウジングと、を備える。
【0008】
(3)本開示の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャは、上記(2)に記載の遠心圧縮機を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、遠心圧縮機の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機の高圧縮比化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】幾つかの実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。
【
図2】一実施形態に係る羽根車の模式的な斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る羽根車の模式的な子午面断面を示す概略図である。
【
図4A】一実施形態に係る羽根車を背面から見たときのときの羽根車の外周側の一部を模式的に示した図である。
【
図4B】他の実施形態に係る羽根車を背面から見たときのときの羽根車の外周側の一部を模式的に示した図である。
【
図5A】一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図である。
【
図5B】他の実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図である。
【
図6A】一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図である。
【
図6B】他の実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図である。
【
図7】一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図である。
【
図8】第1フィレットの形状についての他の実施形態について説明するための模式的な子午断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0012】
(ターボチャージャ1の全体構成)
まず、
図1を参照して、幾つかの実施形態に係るインペラを含む遠心圧縮機を備えたターボチャージャについて説明する。
図1は、幾つかの実施形態に係るターボチャージャの概略断面図である。同図に示すように、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ5を備えた遠心圧縮機2を備えている。ターボチャージャ1は、回転シャフト4と、回転シャフト4の一端部に設けられるコンプレッサインペラ5(羽根車5)と、回転シャフト4の他端部に設けられるタービンインペラ8と、回転シャフト4を回転可能に
支持する軸受24と、を備えている。軸受24は、回転シャフト4の軸方向において、コンプレッサインペラ5と、タービンインペラ8との間に位置している。幾つかの実施形態に係るターボチャージャ1は、特に限定されないが、例えば自動車用エンジン等に搭載されるターボチャージャである。
【0013】
コンプレッサインペラ5は、ハブ6と、ハブ6のハブ面61に立設された複数の翼部7を含む。タービンインペラ8は、ハブ11と、ハブ11のハブ面11aに立設された複数の翼9を含む。回転シャフト4、コンプレッサインペラ5及びタービンインペラ8は、共通の中心軸AXを有している。
【0014】
また、ターボチャージャ1は、コンプレッサインペラ5を収容するコンプレッサハウジング10と、タービンインペラ8を囲うタービンハウジング12と、回転シャフト4の軸方向において、コンプレッサハウジング10とタービンハウジング12との間に位置する軸受ハウジング14と、を備えている。コンプレッサハウジング10と軸受ハウジング14、及び、タービンハウジング12と軸受ハウジング14は、それぞれ、ボルト(不図示)で締結されていてもよい。
【0015】
コンプレッサハウジング10は、軸方向におけるターボチャージャ1の一端部において軸方向外側に向かって開口する空気入口16を有するとともに、コンプレッサインペラ5の径方向外側に位置する環状流路18を形成している。
また、タービンハウジング12は、軸方向におけるターボチャージャ1の他端部において軸方向外側に向かって開口する排ガス出口20を有するとともに、タービンインペラ8の径方向外側に位置する環状流路22を形成している。
【0016】
上述の構成を有するターボチャージャ1は、例えば、以下のように動作する。
空気入口16を介してコンプレッサインペラ5に空気が流入し、回転シャフト4とともに回転するコンプレッサインペラ5によってこの空気が圧縮される。このようにして生成した圧縮空気は、コンプレッサインペラ5の径方向外側に形成された環状流路18を介してターボチャージャ1から一旦排出され、例えば燃焼機関(不図示)に供給される。
【0017】
燃焼機関では、上述の圧縮空気とともに燃料が燃焼され、この燃焼反応により燃焼ガスが生成される。燃焼ガスは、燃焼機関から排出される排ガスとして、タービンインペラ8の径方向外側に形成された環状流路22を介してタービンインペラ8に流入する。このように流入した排ガスの流れによってタービンインペラ8に回転力が付与され、これにより回転シャフト4が駆動される。タービンで仕事を終えた排ガスは、排ガス出口20を介して、ターボチャージャ1から排出されるようになっている。
【0018】
(コンプレッサインペラ5(羽根車5)について)
次に、幾つかの実施形態に係るコンプレッサインペラ5(羽根車5)についてより具体的に説明する。
【0019】
図2は、一実施形態に係る羽根車の模式的な斜視図である。
図3は、一実施形態に係る羽根車の模式的な子午面断面を示す概略図である。
なお、後述する他の実施形態に係る羽根車5の基本的な構成は一実施形態に係る羽根車5と同じであるので、以下の説明では、
図2及び
図3を用いて、一実施形態に係る羽根車5及び他の実施形態に係る羽根車5について説明する。
【0020】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図2及び
図3に示すように、羽根車5のハブ6の周囲に設けられた複数の翼部7のそれぞれは、羽根車5に流れ込む流体の流れ方向における最も上流側に位置する前縁26と、最も下流側に位置する後縁28との間、及び、ハブ側端30とシュラウド側端(先端)32との間に延在している。ハブ側端30は、翼部7のうち、ハブ6との接続位置に相当する。シュラウド側端32は、ハブ側端30と反対側に位置する端であり、コンプレッサハウジング10(
図1参照)に隣接して位置する。
【0021】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、ハブ6は、羽根車5の背板、すなわちハブ6の背面部を形成する背板部分を含む。以下の説明では、該背板部分を背板部67とも呼ぶ。
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、背板部67の背面側の面がハブ6の背面63である。背板部67は、背板部67の径方向外側の面である外周面65を有する。
【0022】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、複数の翼部7のそれぞれは、圧力面72側に向かって倒れるように傾斜している。すなわち、複数の翼部7のそれぞれは、ハブ側端30からシュラウド側端32に向かうにつれて、徐々に負圧面71側から圧力面72側に向かうように形成されている。
なお、以下の説明では、羽根車5の回転方向を図示する場合、矢印Rで表すこととする。
【0023】
図4Aは、一実施形態に係る羽根車を背面から見たときのときの羽根車の外周側の一部を模式的に示した図である。
図4Bは、他の実施形態に係る羽根車を背面から見たときのときの羽根車の外周側の一部を模式的に示した図である。
なお、上述したように複数の翼部7のそれぞれは、圧力面72側に向かって倒れるように傾斜しているが、
図4A及び
図4Bでは、便宜上、上述したような翼部7の傾斜を反映させずに翼部7を表している。
【0024】
図5Aは、一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図であり、
図4Aにおける背板部についての角度位置である第1角度位置C5aから翼部の負圧面を見た場合について示している。
図5Bは、他の実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図であり、
図4Bにおける背板部についての角度位置である第1角度位置C5bから翼部の負圧面を見た場合について示している。
図6Aは、一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図であり、
図4Aにおける背板部についての角度位置である第2角度位置C6aから翼部の負圧面を見た場合について示している。
図6Bは、他の実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図であり、
図4Bにおける背板部についての角度位置である第2角度位置C6bから翼部の負圧面を見た場合について示している。
図7は、一実施形態に係る羽根車の模式的な子午断面図であり、
図4Aにおける背板部についての角度位置である第3角度位置C7aにおける子午断面図である。なお、
図4Bにおける背板部67についての角度位置である第3角度位置C7bにおける子午断面図は、
図4Aに示した第3角度位置C7aにおける子午断面図と同じであるので、以下の説明では、他の実施形態についても
図7の子午断面図を用いて説明する。
なお、
図4A、
図5A及び
図6Aに示す一実施形態に係る羽根車5と、
図4B、
図5B及び
図6Bに示す他の実施形態に係る羽根車5との違いは、主に、後述する翼間フィレット105の有無である。
【0025】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、後縁28における周速の向上によって遠心圧縮機2における圧力比の向上を図るために、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させている。具体的には、幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、翼部7のそれぞれは、ハブ6の背面63から離れるにつれて遠心圧縮機2の中心軸(軸線)AXとの距離が大きくなるように構成された後縁28を有する。幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、後縁28は、背板部67の外周面65との接続位置において最も軸線AX(
図3参照)との距離が近く、軸線AXに沿って正面側(図示左方)に向かうにつれて軸線AXとの距離が漸増するように形成されている。
なお、以下の説明では、羽根車5における軸線AXに沿った方向に関し、前縁26から背面63に向かう方向を軸方向背面側、又は単に背面側と呼び、背面63から前縁26に向かう方向を軸方向正面側、又は単に正面側と呼ぶこととする。
【0026】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図3、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、羽根車5の高周速化を図るために、後縁28は、全体が背板部67の外周面65から径方向外側に突出している。なお、後縁28の全体ではなく、後縁28の一部を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態に係る羽根車5のように、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、翼部7の後縁28近傍がハブ面61と離れてしまうこととなるため、翼部7の固有振動数の低下を招くおそれがある。また、幾つかの実施形態に係る羽根車5のように、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、背板部67の外周面65から径方向外側に突出する部分に作用する遠心力により、該部分が存在しない場合と比べて翼部7に発生する応力が増加することとなる。
【0028】
そこで、幾つかの実施形態に係る羽根車5では、以下のような構成を備えるようにしている。
すなわち、幾つかの実施形態に係る羽根車5は、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、後縁28と背板部67の外周面65とを接続する第1フィレット110を備える。幾つかの実施形態に係る第1フィレット110は、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、ハブ6の背面部を形成する背板部67の外周面65よりも径方向外側に形成されている。幾つかの実施形態に係る第1フィレット110は、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、後縁28と背板部67の外周面65とをなだらかに接続している。これにより、子午面視において、後縁28と背板部67の外周面65と接続部51(
図3参照)において角度の急変部が生じないようにしている。
なお、幾つかの実施形態に係る羽根車5では、第1フィレット110は、羽根車5を径方向外側から見たときに、少なくとも後述する第2フィレット82及び第3フィレット83と重複する範囲を除いた範囲内において、後縁28と背板部67の外周面65とを接続するように形成されていればよい。
【0029】
なお、第1フィレット110を設けなかった場合の後縁28の形状は、例えば、
図5A、
図5B、
図6A及び
図6Bにおいて、仮想後縁28Aとして二点鎖線で示している。
この仮想後縁28Aのハブ6側(背面側)の端部は、一実施形態に係る羽根車5では、
図5A及び
図6Aに示すように、背板部67の外周面65の正面側の縁部、すなわちハブ面61の径方向外側の縁部と接する。なお、
図6Aでは、第1フィレット110が形成されていないと仮定したときの外周面65の位置を二点鎖線65Bで表している。
また、仮想後縁28Aのハブ6側(背面側)の端部は、他の実施形態に係る羽根車5では、
図5B及び
図6Bに示すように、背板部67の外周面65において、後述する翼間フィレット105が設けられていないと仮定した仮想外周面65Aにおける正面側の縁部と接する。
【0030】
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、第1フィレット110が翼部7の後縁28と背板部67の外周面65とを接続するので、後縁28近傍において翼部7の剛性を向上できる。これにより、羽根車の高周速化を図りつつ、翼部7の固有振動数の低下を抑制できる。また、幾つかの実施形態に係る羽根車5では、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示すように、上述した応力の一部を第1フィレット110で負担できるので、後縁28近傍の翼部7の応力を抑制できる。したがって、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示す幾つかの実施形態に係る羽根車5によれば、羽根車の高周速化を図りつつ、羽根車5の耐久性を確保できる。
さらに、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B及び
図7に示す幾つかの実施形態に係る羽根車5によれば、羽根車5を削り出しで製作する場合には、後縁28から背板部67の外周面65にかけて切削する際に、後縁28から背板部67の外周面65にかけての角度の急変を緩和できるので加工し易くなる。
【0031】
幾つかの実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、羽根車5は、翼部7の負圧面71とハブ面61とを接続する第2フィレット82と、翼部7の圧力面72とハブ面61とを接続する第3フィレット83とをさらに備える。第1フィレット110は、第2フィレット82と背板部67の外周面65とを接続する負圧面側フィレット部102と、第3フィレット83と背板部67の外周面65とを接続する圧力面側フィレット部103とを含む。
【0032】
上述したように、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、背板部67の外周面65から径方向外側に突出する部分に作用する遠心力により、該部分が存在しない場合と比べて翼部7に発生する応力が増加することとなる。しかし、幾つかの実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、翼部7に発生する応力の一部を負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103でも負担できるので、後縁28近傍の翼部7の応力を一層抑制できる。
また、幾つかの実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、第1フィレット110が負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103を含むので、後縁28近傍において翼部7の剛性を一層向上できる。これにより、翼部7の固有振動数の低下を一層抑制できる。
【0033】
幾つかの実施形態では、
図4A及び
図4Bに示すように、圧力面側フィレット部103の周方向の長さは、負圧面側フィレット部102の周方向の長さよりも大きい。
【0034】
羽根車5を削り出しで製作する場合、翼部7が圧力面72側に傾斜して形成される場合には、切削に用いる工具が翼部7の負圧面71とハブ面61との間には侵入させ易いが、翼部7の圧力面72とハブ面61との間には侵入させ難い。そのため、第2フィレット82及び第3フィレット83の肉の量をできるだけ減らそうとしても、第3フィレット83は第2フィレット82よりも肉が残り易く、第2フィレット82よりも周方向の長さが大きくなり易い。したがって、このような第2フィレット82及び第3フィレット83の形状に合わせて負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103を形成すると、圧力面側フィレット部103の周方向の長さは、負圧面側フィレット部102の周方向の長さよりも大きくなり易い。逆に、圧力面側フィレット部103の周方向の長さを負圧面側フィレット部102の周方向の長さよりも小さくするためには、加工に手間がかかることとなる。したがって、幾つかの実施形態によれば、加工が容易となる。
【0035】
(翼間フィレット105について)
幾つかの実施形態に係る羽根車5では、例えば
図4A及び
図4Bに示すように、翼部7は、第1翼部7A、及び、第1翼部7Aの負圧面71側において周方向に間隔を空けて第1翼部7Aと隣り合う第2翼部7Bを含む。そして、他の実施形態に係る羽根車5は、
図4B及び
図5Bに示すように、背板部67の外周側において、第1翼部7Aの負圧面71側に形成された負圧面側フィレット部102と、第2翼部7Bの圧力面72側に形成された圧力面側フィレット部103とを接続する翼間フィレット105をさらに備える。
【0036】
羽根車5を切削加工によって形成する場合、羽根車5を軸線AX周りに回転させながら外周を切削するのであれば、第1フィレット110の形成の際に、背板部67の外周部分において翼間フィレット105も形成されることとなる。仮に、翼間フィレット105を設けないのであれば、上記のようにして翼間フィレット105が形成されている場合には、翼間フィレット105を切削等によって除去する必要がある。
したがって、他の実施形態に係る羽根車5によれば、翼間フィレット105が存在しない場合と比べて、羽根車5の加工が容易となる。
なお、羽根車5を切削加工によって上述したように形成するのであれば、翼間フィレット105は、ハブ面61側には突出しないこととなる。
【0037】
(第1フィレット110の形状について)
第1フィレット110の形状について、主に
図5A、
図5B及び
図8を参照して説明する。なお、
図8は、第1フィレットの形状についての他の実施形態について説明するための模式的な子午断面図であり、
図4Aにおける背板部についての角度位置である第1角度位置C5aから翼部の負圧面を見た場合について示している。なお、
図5A、
図5B及び
図8では、補助線を併記して第1フィレット110の範囲を示している。
【0038】
幾つかの実施形態では、
図5A、
図5B及び
図8に示すように、第1フィレット110の少なくとも一部は、羽根車5の子午面断面において、外周面65よりも径方向外側に曲率中心Cが存在する曲線形状を有する。すなわち、例えば、一実施形態に係る羽根車5では、
図5A、
図5Bに示すように、第1フィレット110の後縁28側の第1端面110aから外周面65側の第2端面110bまでが、羽根車5の子午面断面において曲線形状とされている。なお、
図5A、
図5Bに示す実施形態では、羽根車5の子午面断面において、1つの曲率中心Cを中心とする1つの円弧AR1に沿うように第1フィレット110が形成されているが、第1端面110aから第2端面110bまでの間で曲率が変化してもよい。
また、後述する
図8に示す実施形態のように、羽根車5の子午面断面において、第1端面110aから第2端面110bまでの間で第1フィレット110が第1曲線部111と、第2曲線部113と、直線部115とを有している場合、第1曲線部111と第2曲線部113とで曲率が同じであってもよく、曲率が異なっていてもよい。
【0039】
第1フィレット110の少なくとも一部が羽根車5の子午面断面において、外周面65よりも径方向外側に曲率中心Cが存在する曲線形状を有することで、該曲線形状を有していない場合と比べて、第1フィレット110の径方向外側の表面110sの位置が径方向内側に位置することとなる。すなわち、
図5A、
図5B及び
図8に示す実施形態によれば、羽根車5の子午面断面において、例えば第1端面110aと第2端面110bとを
図5Aにおける2点鎖線の直線で示すような平面190で接続した場合と比べて、第1フィレット110の径方向外側の表面110sの位置が径方向内側に位置することとなる。これにより、上記のような曲線形状を有していない場合と比べて、第1フィレットの肉の量を減らすことができ、遠心力によって発生する応力を抑制できる。
【0040】
幾つかの実施形態では、
図8に示すように、第1フィレット110の少なくとも一部は、羽根車5の子午面断面において、直線形状を有していてもよい。
例えば、
図8に示す実施形態では、第1フィレット110は、第1曲線部111と、第2曲線部113と、直線部115とを有している。第1曲線部111及び第2曲線部113は、羽根車5の子午面断面において、外周面65よりも径方向外側に曲率中心が存在する曲線形状をそれぞれ有する。直線部115は、羽根車5の子午面断面において、直線形状を有する。
【0041】
例えば、
図8に示す実施形態では、第1フィレット110では
、後縁28側から外周面65側に向かって順に、第1曲線部111と、直線部115と、第2曲線部113とが配置されている。なお、
図8では、羽根車5の子午面断面において、外周面65よりも径方向外側に曲率中心が存在する仮想的な円弧AR2によって、仮に第1曲線部111と第2曲線部113とを接続した場合について二点鎖線によって示している。
【0042】
第1フィレット110の少なくとも一部が羽根車5の子午面断面において、直線形状を有することで、羽根車5を切削加工によって形成する際に加工が容易となる。
【0043】
幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機2では、上述した幾つかの実施形態に係る羽根車5を備えるので、遠心圧縮機2の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機2の高圧縮比化を実現できる。
また、幾つかの実施形態に係るターボチャージャ1では、上記遠心圧縮機2を備えるので、ターボチャージャ1における遠心圧縮機2の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機2の高圧縮比化を実現できる。
【0044】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態では、全ての翼部7に対して第1フィレット110を形成するようにしているが、少なくとも一つの翼部7に対して第1フィレット110を形成するようにしてもよい。
【0045】
また、上述した幾つかの実施形態では、第1フィレット110の外周面65側の第2端面110bが背板部67の外周面65における背面側の縁部よりも正面側に位置している。しかし、第1フィレット110の外周面65側の第2端面110bは、背板部67の外周面65における背面側の縁部に位置していてもよい。
【0046】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機2の羽根車5は、遠心圧縮機2の羽根車5、すなわちコンプレッサインペラ5であって、ハブ6と、ハブ6のハブ61面に立設された少なくとも一つの翼部7と、第1フィレット110とを備える。少なくとも一つの翼部7は、ハブ6の背面63から離れるにつれて遠心圧縮機2の軸線AXとの距離が大きくなるように構成された後縁28を有する。第1フィレット110は、ハブ6の背面部を形成する背板部67の外周面65よりも径方向外側に形成されている。第1フィレット110は、少なくとも一つの翼部7における後縁28と背板部67の外周面65とを接続する。
【0047】
上述したように、翼部7の後縁28の形状を変更することによって羽根車5の高周速化を図る場合、単に翼部7の後縁28の一部を羽根車5のハブ6の最大径部よりも径方向外側に突出させただけでは、翼部7に作用する遠心力による応力の増加や、翼部7の固有振動数の低下を招くおそれがある。
すなわち、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、翼部7の後縁28近傍がハブ61面と離れてしまうこととなるため翼部7の固有振動数が低下するおそれがある。しかし、上記(1)の構成によれば、第1フィレット110が翼部7の後縁28と背板部67の外周面65とを接続するので、後縁28近傍において翼部7の剛性を向上できる。これにより、羽根車5の高周速化を図りつつ、翼部7の固有振動数の低下を抑制できる。
また、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、背板部67の外周面65から径方向外側に突出する部分に作用する遠心力により、該部分が存在しない場合と比べて翼部7に発生する応力が増加することとなる。しかし、上記(1)の構成によれば、この応力の一部を第1フィレット110で負担できるので、後縁28近傍の翼部7の応力を抑制できる。
したがって、上記(1)の構成によれば、羽根車5の高周速化を図りつつ、羽根車5の耐久性を確保できる。
さらに、上記(1)の構成によれば、羽根車5を削り出しで製作する場合には、後縁28から背板部67の外周面65にかけて切削する際に、後縁28から背板部67の外周面65にかけての角度の急変を緩和できるので加工し易くなる。
【0048】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、羽根車5は、翼部7の負圧面71とハブ面61とを接続する第2フィレット82と、翼部7の圧力面72とハブ面61とを接続する第3フィレット83とをさらに備える。第1フィレット110は、第2フィレット82と背板部67の外周面65とを接続する負圧面側フィレット部102と、第3フィレット83と背板部67の外周面65とを接続する圧力面側フィレット部103とを含む。
【0049】
上述したように、翼部7の後縁28近傍を背板部67の外周面65から径方向外側に突出させると、背板部67の外周面65から径方向外側に突出する部分に作用する遠心力により、該部分が存在しない場合と比べて翼部7に発生する応力が増加することとなる。しかし、上記(2)の構成によれば、この応力の一部を負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103でも負担できるので、後縁28近傍の翼部7の応力を一層抑制できる。
また、上記(2)の構成によれば、第1フィレット110が負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103を含むので、後縁28近傍において翼部7の剛性を一層向上できる。これにより、翼部7の固有振動数の低下を一層抑制できる。
【0050】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、圧力面側フィレット部103の周方向の長さは、負圧面側フィレット部102の周方向の長さよりも大きい。
【0051】
羽根車5を削り出しで製作する場合、翼部7が圧力面72側に傾斜して形成される場合には、切削に用いる工具が翼部7の負圧面71とハブ面61との間には侵入させ易いが、翼部7の圧力面72とハブ面61との間には侵入させ難い。そのため、第2フィレット82及び第3フィレット83の肉の量をできるだけ減らそうとしても、第3フィレット83は第2フィレット82よりも肉が残り易く、第2フィレット82よりも周方向の長さが大きくなり易い。したがって、このような第2フィレット82及び第3フィレット83の形状に合わせて負圧面側フィレット部102及び圧力面側フィレット部103を形成すると、上記(3)に記載の構成のようになり易い。逆に、上記(3)に記載の構成とは反対に、圧力面側フィレット部103の周方向の長さを負圧面側フィレット部102の周方向の長さよりも小さくするためには、加工に手間がかかることとなる。したがって、上記(3)に記載の構成によれば、加工が容易となる。
【0052】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の構成において、翼部7は、第1翼部7A、及び、第1翼部7Aの負圧面71側において周方向に間隔を空けて第1翼部7Aと隣り合う第2翼部7Bを含む。羽根車5は、背板部67の外周側において、第1翼部7Aの負圧面71側に形成された負圧面側フィレット部102と、第2翼部7Bの圧力面72側に形成された圧力面側フィレット部103とを接続する翼間フィレット105をさらに備える。
【0053】
羽根車5を切削加工によって形成する場合、羽根車5を軸線AX周りに回転させながら外周を切削するのであれば、第1フィレット110の形成の際に、背板部67の外周部分において翼間フィレット105も形成されることとなる。仮に、翼間フィレット105を設けないのであれば、上記のようにして翼間フィレット105が形成されている場合には、翼間フィレット105を切削等によって除去する必要がある。
したがって、上記(4)の構成によれば、翼間フィレット105が存在しない場合と比べて、羽根車5の加工が容易となる。
【0054】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、第1フィレット110の少なくとも一部は、羽根車5の子午面断面において、直線形状を有する。
【0055】
上記(5)の構成によれば、上記のような直線形状を有することで、羽根車5を切削加工によって形成する際に加工が容易となる。
【0056】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、第1フィレット110の少なくとも一部は、羽根車5の子午面断面において、外周面65よりも径方向外側に曲率中心が存在する曲線形状を有する。
【0057】
上記(6)の構成によれば、上記のような曲線形状を有することで、上記のような曲線形状を有していない場合と比べて、第1フィレット110の径方向外側の表面110sの位置が径方向内側に位置することとなる。これにより、上記のような曲線形状を有していない場合と比べて、第1フィレット110の肉の量を減らすことができ、遠心力によって発生する応力を抑制できる。
【0058】
(7)本開示の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機2は、上記(1)乃至(6)の何れかの構成の遠心圧縮機2の羽根車5と、この羽根車を収容するコンプレッサハウジング10とを備える。
【0059】
上記(7)の構成によれば、上記(1)乃至(6)の何れかの構成の遠心圧縮機2の羽根車5を備えるので、遠心圧縮機2の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機2の高圧縮比化を実現できる。
【0060】
(8)本開示の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャ1は、上記(7)の構成の遠心圧縮機2を備える。
【0061】
上記(8)の構成によれば、上記(7)の構成の遠心圧縮機2を備えるので、ターボチャージャ1における遠心圧縮機2の耐久性を確保しつつ遠心圧縮機2の高圧縮比化を実現できる。
【符号の説明】
【0062】
1 ターボチャージャ
2 遠心圧縮機
5 コンプレッサインペラ(羽根車)
6 ハブ
7 翼部(翼)
7A 第1翼部
7B 第2翼部
10 コンプレッサハウジング
26 前縁
28 後縁
61 ハブ面
63 背面
65 外周面
67 背板部
71 負圧面
72 圧力面
82 第2フィレット
83 第3フィレット
102 負圧面側フィレット部
103 圧力面側フィレット部
105 翼間フィレット
110 第1フィレット