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特許7438250タフティング機およびタフティングの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】タフティング機およびタフティングの方法
(51)【国際特許分類】
   D05C 15/22 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
D05C15/22
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022025543
(22)【出願日】2022-02-22
(62)【分割の表示】P 2020154634の分割
【原出願日】2017-03-16
(65)【公開番号】P2022063880
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2022-02-22
(31)【優先権主張番号】62/309,489
(32)【優先日】2016-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/457,036
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509043342
【氏名又は名称】カード-モンロー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィルトン ホール
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0032510(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0211161(US,A1)
【文献】特開2013-083038(JP,A)
【文献】特表2011-526970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05C 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タフティング機であって、
少なくとも1つの針棒であって、前記少なくとも1つの針棒は、それに沿って搭載された一連の針を有し、前記少なくとも1つの針棒は、前記タフティング機を通る裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外への進行経路に沿って前記一連の針を移動させるように、往復運動で移動させられる、少なくとも1つの針棒と、
糸を前記一連の針に送給する少なくとも1つの糸送給機構と、
前記裏打ち材料の下方のゲージ部品アセンブリであって、前記ゲージ部品アセンブリは、
複数のゲージ部品であって、前記複数のゲージ部品の各々は、喉部を有する上部分を有する本体を含み、前記一連の針から摘み取られた糸のループが前記喉部に沿って受け取られ、前記複数のゲージ部品は、前記一連の針が前記一連の針からの前記糸のループの摘み取りのために前記裏打ち材料の中へ往復運動されられるときに前記一連の針に向かいかつ前記一連の針から離れる方向に移動させられる、複数のゲージ部品と、
複数のアクチュエータであって、前記複数のアクチュエータの各々は、前記複数のゲージ部品のうちの少なくとも1つに結合され、前記複数のアクチュエータの各々は、それに結合された前記ゲージ部品の移動を前記一連の針の前記進行経路に対する付加的方向に向けるように構成されている、複数のアクチュエータと
を備える、ゲージ部品アセンブリと、
前記複数のゲージ部品に結合された前記複数のアクチュエータの制御と協調して前記一連の針への前記糸の送給を制御するように前記少なくとも1つの糸送給機構を制御するためのプログラミングを含む制御システムと
を備え、
形成されているパターンに従って前記裏打ち材料に糸のタフトを形成するために、前記複数のアクチュエータは、それに結合された前記複数のゲージ部品の前記喉部が、選択されていない糸の前記一連の針からの摘み取りを実質的に回避するために十分な前記一連の針の前記進行経路の外の位置と、前記複数のゲージ部品による糸のループの前記一連の針からの摘み取りを可能にするために適合された1つ以上の位置との間で前記付加的方向に移動させられるように、前記制御システムによって制御される、タフティング機。
【請求項2】
前記少なくとも1つの針棒に結合され、前記裏打ち材料を横方向に横断して前記少なくとも1つの針棒を移行させるように構成された移行機構をさらに備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項3】
前記制御システムはさらに、前記移行機構による前記少なくとも1つの針棒の移行、前記複数のゲージ部品に結合された前記複数のアクチュエータの制御、前記一連の針が前記裏打ち材料の中および前記裏打ち材料から外へ往復運動させられるときに前記糸を前記一連の針に送給する前記少なくとも1つの糸送給機構の制御、前記裏打ち材料の前記送給の制御を協調することにより、前記選択されていない糸が前記複数のゲージ部品によって摘み取られないときに、形成されている前記パターンのパターンステッチ率よりも大きい動作ステッチ率で、前記裏打ち材料が前記タフティング機を通して移動させられている状態で、前記裏打ち材料に沿った1つ以上のステッチ場所に一連の糸を提示し、前記選択されていない糸を前記裏打ち材料の外にまたは低く引動するように構成されたプログラミングを備え、前記動作ステッチ率は、前記パターンステッチ率とほぼ同等である、前記裏打ち材料における選択された糸の1インチあたりのタフト数を提供する、請求項2に記載のタフティング機。
【請求項4】
前記複数のゲージ部品は、レベルカットループルーパ、ループパイルルーパ、または、カットパイルフックを備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項5】
前記複数のアクチュエータは、油圧または空気圧シリンダを備える、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項6】
前記複数のゲージ部品は、前記一連の針の進行経路に対して0°~10°の角度で配向される進行経路に沿って実質的に垂直な方向に移動するように構成されている、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項7】
前記ゲージ部品アセンブリはさらに、複数のモジュールを備え、前記複数のモジュールの各々は、その中に一連の前記複数のゲージ部品を摺動可能に受け取るように構成されている、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項8】
前記少なくとも1つの針棒は、一対の針棒を備え、各々は、それに沿って離間された列で搭載された一連の針を有する、請求項1に記載のタフティング機。
【請求項9】
裏打ち材料に糸のパターンを形成するための選択されたスレッドアップシーケンスで、異なる色またはタイプの糸を用いてタフティング機の複数の針に糸を通すことと、
前記タフティング機を通して前記裏打ち材料を送給することと、
前記裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外への進行経路に沿って前記複数の針を往復運動させることと、
前記複数の針が往復運動させられているときに前記異なる色またはタイプの糸を前記複数の針に送給することと、
前記裏打ち材料を横方向に横断して前記複数の針のうちの少なくともいくつかを移行させ、前記異なる色またはタイプの糸のうちの2以上を前記パターンの複数のステッチ場所の各々に提示することと、
前記異なる色またはタイプの糸のループを前記複数の針から摘み取るように、前記複数の針に向かって一連のゲージ部品を往復運動させることと、
ステッチ場所に提示された前記異なる色またはタイプの糸のうちの少なくとも1つのループがゲージ部品によって対応する針から摘み取られるように選択されていないとき、選択されていない色またはタイプの糸のループの前記対応する針からの摘み取りを実質的に回避するように、前記ゲージ部品の喉部を前記対応する針の前記進行経路の外に位置する位置に移動させ、前記選択されていない色またはタイプの糸を引き戻すように前記選択されていない糸の前記送給を制御することと、
前記ステッチ場所に提示された選択された色またはタイプの糸のループが前記ゲージ部品によって摘み取られるとき、前記ゲージ部品の前記喉部を前記選択された色またはタイプの糸の前記ループの前記対応する針からの摘み取りを可能にするように適合された位置に移動させ、前記ステッチ場所に前記選択された色またはタイプの糸のタフトを形成するように、前記選択された色またはタイプの糸の前記送給を制御することと
を含む方法。
【請求項10】
前記ゲージ部品の前記喉部を前記選択された色またはタイプの糸の前記ループの前記対応する針からの摘み取りを可能にするように適合された位置に移動させることは、前記選択された色またはタイプの糸の前記ループが捕捉された状態でそれに沿って前記ゲージ部品を上昇または下降させることにより、前記選択された色またはタイプの糸の前記ループの長さを調節し、選択されたパイル高さで前記選択された色またはタイプの糸の前記タフトを形成することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択されていない糸を引き戻すように前記選択されていない糸の前記送給を制御することは、そのような選択されていない糸の端部が選択されたステッチ場所を占有すること、または、選択された表側糸もしくは形成されているパターンの特定の色領域に示される糸の配置に別様に干渉することを回避するために、十分に低い位置まで前記選択されていない色またはタイプの糸を後退させるまたは引き戻すことを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記裏打ちをその進行経路に沿って移動させることは、前記パターンのための所望のファブリックステッチ率に前記選択されたスレッドアップシーケンスにおける前記異なる色またはタイプの糸のおよその数を乗算することよって決定される動作ステッチ率で前記裏打ちを送給することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
パターン化されたタフティングされた物品を形成する方法であって、
進行経路に沿って裏打ち材料を送給することと、
前記裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外へ一連の針を移動させることと、
前記一連の針が前記裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外へ移動しているときに、複数の糸を前記一連の針に送給することと、
糸のループの前記一連の針からの摘み取りのために、前記一連の針が前記裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外へ移動させられているときに、前記一連の針に向かいかつ前記一連の針から離れる往復運動の方向に複数のルーパを往復運動させることと、
選択された糸のループが摘み取られる場合、前記裏打ち材料に所望のパイル高さの糸のタフトを形成するために、前記選択された糸のそれらの針への前記送給を制御することにより、前記ルーパによって摘み取られる前記選択された糸の前記ループの長さを制御することと、
選択されていない糸のループが前記一連の針から摘み取られない場合、前記一連の針のストロークに対して付加的方向に前記ルーパのうちの選択されたルーパを移動させることにより、前記選択されていない糸の前記ループの摘み取りを実質的に回避するように適合された位置に前記ルーパのうちの前記選択されたルーパの各々のビルを位置付け、前記選択されていない糸を引き戻すように前記選択されていない糸の前記送給を制御することと
を含む方法。
【請求項14】
前記裏打ち材料の前記進行経路に対して横方向に前記一連の針のうちの少なくともいくつかを移行させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
選択されたスレッドアップシーケンスで、異なる色またはタイプの糸を用いて前記一連の針のうちのなくともいくつかの針に糸を通すことと、前記裏打ち材料の前記進行経路に対して横方向に前記一連の針のうちの少なくともいくつかを移行させ、異なる色またはタイプの糸を複数のステッチ場所の各々に提示することとをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記裏打ち材料を送給することは、前記選択されたスレッドアップシーケンスの異なる色またはタイプの糸の数に基づいて前記パターン化されたタフティングされた物品のための所望のステッチ率を増加させることによって決定された実際のステッチ率で前記裏打ち材料を移動させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記選択されていない糸を引き戻すように前記選択されていない糸の前記送給を制御することは、そのような選択されていない糸の端部が選択されたステッチ場所を占有すること、または、選択された表側糸もしくは形成されているパターンの特定の色領域に示される糸の配置に別様に干渉することを回避するために、十分に低い位置まで前記選択されていない糸を後退させるまたは引き戻すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
タフティング機であって、
一連の針を運搬する1つ以上の針棒と、
前記タフティング機を通る進行経路に沿って裏打ち材料を送給するように構成された裏打ち送給部と、
糸を前記一連の針の各々に送給するように構成された少なくとも1つの糸送給機構と、
前記裏打ち材料を横方向に横断して前記1つ以上の針棒を移行させるように構成された少なくとも1つの移行機構と、
前記裏打ち材料の下方に配列された複数のゲージ部品であって、前記複数のゲージ部品は、前記一連の針が前記裏打ち材料の中へおよび前記裏打ち材料から外へ往復運動させられているときに前記一連の針に向かいかつ前記一連の針から離れる第1の方向に移動可能であり、前記複数のゲージ部品は、糸のループを前記一連の針から摘み取るように構成されている、複数のゲージ部品と、
前記複数のゲージ部品に結合された一連のアクチュエータであって、前記一連のアクチュエータは、それに結合された前記複数のゲージ部品を、前記複数のゲージ部品による糸のループの摘み取りが実質的に回避される前記複数のゲージ部品の非縫製位置と、糸のループが前記複数のゲージ部品によって前記一連の針から摘み取られる位置との間で選択的に移動させるように選択的に制御されるように構成されている、一連のアクチュエータと、
タフティングされているパターンの複数のステッチ場所の各々に前記糸を提示するように前記裏打ち材料の横方向に横断した前記少なくとも1つの針棒の前記移行を制御するために、および、前記少なくとも1つの糸送給機構を制御するために、糸のループを摘み取るようにまたは糸のループを摘み取ることを実質的に回避するように前記複数のゲージ部品を位置付けるように、前記一連のアクチュエータに結合された前記複数のゲージ部品を選択的に移動させるように前記一連のアクチュエータを制御するためのプログラミングを含む制御システムと
を備え、選択されていない糸が提示されるステッチ場所において、前記複数のゲージ部品は、それらの非縫製位置に移動させられ、そのようなステッチ場所に提示される前記選択されていない糸は、前記パターンの保定された糸または表糸の配置との干渉なしに前記糸が前記裏打ち材料に保持されることを可能にする程度に、前記裏打ち材料の実質的に外にまたは実質的に低く引動されるように制御される、タフティング機。
【請求項19】
前記複数のゲージ部品は各々、モジュール内に摺動可能に搭載されかつ前記一連のアクチュエータのうちの対応するものに接続されているルーパを備える、請求項18に記載のタフティング機。
【請求項20】
前記制御システムはさらに、前記少なくとも1つの移行機構による前記少なくとも1つの針棒の移行、前記一連の針が前記裏打ちの中および前記裏打ちから外へ往復運動させられるときに前記糸を前記一連の針に送給する前記少なくとも1つの糸送給機構の制御、前記複数のゲージ部品を選択的に移動させる前記一連のアクチュエータの制御、前記裏打ち材料の前記送給の制御を協調することにより、前記裏打ち材料が、形成されている前記パターンのパターンステッチ率よりも大きい動作ステッチ率で送給されるようにするプログラミングを備え、前記動作ステッチ率は、前記パターンステッチ率とほぼ同等である、前記裏打ちに保定される表糸の1インチあたりのタフト数を提供する、請求項18に記載のタフティング機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2016年3月17日に出願された、本願における発明者によって既に出願された、同時係属中の米国仮特許出願第62/309,489号のフォーマリゼーションである。本特許出願は、仮特許出願を支配する法律および規則、特に35 U.S.C.§119(e),および37 C.F.R.§§1.78(a)(3)および1.
78(a)(4)に従って、この引用された仮特許出願の出願日の利益を主張するものである。上記で参照した仮特許出願の明細書および図面は、その全体が記載されているかのように参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、概して、タフティング機およびタフティングされたファブリックを形成する方法に関する。具体的には、本発明は、ルーパ等の選択的に制御可能なゲージ部品を含む、タフティング機と、パターン内のステッチまたはタフトの配置および形成の増進した制御を有する、カーペット等のパターン化されたタフティングされたファブリックを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特に商業および接客業用カーペットに関するタフティング分野では、消費者の好みの変化および市場での高まる競争に遅れないように努力して、複数の異なる色の使用を含む、新しい視覚パターンを伴うカーペットおよびラグの生産の需要が増加している。カーペットデザイナおよび製造業者は、したがって、そのパターン領域内に特定の色またはタイプの糸の選択的配置および表示を有するパターンを含み、結果として生じたタフティングされたファブリックが、パターンの可視タフトの実質的に正しいパターン密度で形成されている、カーペット、ラグ、および他のタフティングされたファブリックのための、より新しく、異なり、より人目を引くパターンの作成に増加した重点を置いている。具体的には、織機で形成されるが、そのようなパターン化されたタフティングされたカーペット、ラグ、および/または他のファブリックの生産において効率の増加を可能にするよう、広幅タフティング機上でその中に作成および形成されることができる、パターン化カーペット、ラグ、または他のファブリックの見た目および雰囲気を可能な限り近く複製しようとすることが望ましくなっている。
【0004】
故に、当技術分野内のこれらおよび他の関連する問題ならびに関連しない問題に対処する、カーペットおよびラグ等のタフティングされたファブリックを形成するシステムならびに方法の必要性が存在することが分かり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
簡潔に説明すると、本発明は、概して、自由流動多色および/または多重パイル高さパターンを伴うとともに、実質的に織成されたまたは織機によって形成された外観を有する、タフティングされた物品の形成を含む、種々のパターン効果を有するカーペット等のパターン化されたタフティングされた物品の形成を可能にするよう、裏打ちに形成される糸またはステッチのタフトの配置およびパイル高さが、選択的に制御されることができる、パターン化されたタフティングされた物品を形成するタフティング機および方法に関する。本発明のタフティング機は、典型的には、所望の入力され、プログラムされ、スキャンされ、および/またはデザインされたパターンを形成もしくは作成するようにタフティング機の動作要素を制御するための制御システムを含むであろう。結果として生じたパターン化されたタフティングされた物品は、複数の多様なまたは異なるパイル高さ、同一および/または変動するタフト列の中の異なるタイプのタフト、および他のテクスチャ加工効果、ならびに裏打ちを横断して選択された場所およびパイル高さで可視となる種々の色および/またはタイプの糸の配置を有することを含む、種々のパターン効果を含むことができ、結果として生じたタフティングされた物品は、形成されている/タフティングされたパターンの1インチあたりの所望または規定のパターン密度もしくはステッチに実質的に合致する、1インチあたりの保定されたおよび/または可視の色/ステッチの密度を伴って提供される。
【0006】
タフティング機は、針の往復運動の経路に沿って画定されるタフティングゾーンとともに、それに沿って搭載された一連の針を有する、少なくとも1つの針棒を含むであろう。裏打ち材料が、タフティングゾーンを通して送給され、針が裏打ち材料の中および外に往復運動させられるにつれて、糸のタフトがその中に導入される。移行機構がさらに、タフティングゾーンを横断して針棒を横方向に移行させるために提供されることができ、タフティング機が1つを上回る移行針棒を含む場合に、複数の移行機構が利用されることができる。移行機構は、概して、制御システムからの制御命令に応答して動作可能となり、タフティングされたパターンのためのプログラムされたおよび/またはデザインされたパターン移行ステップに従って、裏打ちを横断して針棒を横方向に段階的に動かす、もしくは移行させるために、サーボモータ制御型シフタ、1つまたはそれを上回るカム、もしくはCard-Monroe Corp.によって製造されているような「SmartStep」移行機構等の他のシフタを備えることができる。
【0007】
タフティング機はさらに、概して、それらの個別の針への糸の送給を制御するための少なくとも1つの糸送給機構またはパターン装置を含むであろう。そのようなパターン糸送給パターン装置または機構は、例えば、Card-Monroe Corp.によって製造されているようなYarntronicsTMまたはInfinity IIETM糸送給装置等の種々のロール、スクロール、サーボスクロール、シングルエンド、もしくはダブルまたはマルチプルエンド糸送給装置を含むことができる。他のタイプの糸送給制御機構もまた、使用されることができる。少なくとも1つの糸送給機構またはパターン装置は、所望のカーペットパターン外観を作成するように、変動するパイル高さを有するタフトを含む、糸のタフトを形成するためのパターン命令に従って、それらの選択された針への糸の送給を選択的に制御するように動作されることができる。
【0008】
他の実施形態では、制御システムはさらに、米国特許第8,357,989号(その開示が完全に記載された場合のように参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるようなステッチ分配制御システムを備えることができ、またはそれとともに動作することができ、タフティングされた物品の表側または表面上に示されるべき糸が、概して、所望の高さのタフトを形成するために十分な量で送給され得る一方で、タフティングされた領域の中に示されるべきではない、出現しない糸が、間の望ましくない間隙もしくは空間の作成を回避する、および/またはパターンの糸の表側もしくは保定された可視タフトへの干渉を最小限にするよう、バックロブされる、または別様に十分に低く引動される、ならびに/もしくは裏打ちから引き出されるであろうように、少なくとも1つの糸送給機構を制御することができる。パターンの画素またはステッチ場所毎に、一連の糸が、概して、提示されることができ、そのようなステッチ場所で可視である、または出現するように選択されない糸は、隠され、可視となる選択された糸に干渉しないように十分に低く引動される、および/または除去されることができる。したがって、特定のステッチ場所に配置される所望または選択された糸/色のみが、典型的には、そのようなステッチ場所で保定されるであろう一方で、残りの糸/色は、糸が除去され、または裏打ちから引き出されて、裏打ち材料の表面上で浮動することを含み、その時点で縫製されているパターン領域中に隠されることができる。制御システムはさらに、形成されているパターンのための命令に従って、移行機構、糸送給機構、およびゲージ部品アセンブリの協調的動作を制御し、糸のループおよび/またはタフトの選択的形成、ならびにその長さもしくはパイル高さを制御するであろう。
【0009】
ゲージ部品アセンブリは、一実施形態では、タフティングゾーンの下方に提供され、針が裏打ち材料を貫通し、そこから糸のループを摘み取るにつれて、針と係合するように往復運動させられる、レベルカットルーパまたはフックを含むことができる、一連のゲージ部品を備えるであろう。ゲージ部品はさらに、それぞれ、それらの往復運動の方向に対して略法線方向である方向に選択的に移動可能であり得、例えば、裏打ちの上および外への針のストロークまたは往復運動に対して実質的に垂直、すなわち、上下の運動で移動させられるとともに、裏打ち材料内の糸のループを選択的に摘み取って形成するように、針に向かった、およびそこから離れた往復運動で移動させられる。加えて、ゲージ部品の垂直移動は、異なるパイル高さのループの形成、または裏打ちに糸のループがないことさえも含む、変動するパイル高さの糸の変動するループを裏打ち材料に形成するよう、制御されることができる。なおもさらなる実施形態では、ループパイルルーパ、カットパイルフック、カット/ループフック、レベルカットルーパもしくはフック、および/または他のゲージ部品の他の構成ならびに/もしくは組み合わせもまた、使用されることができる。
【0010】
一実施形態では、ゲージ部品は、伸長本体と、モジュールもしくはゲージブロック内に摺動可能に搭載される下または第1の部分と、本体部分に対してある角度で延在し、尖形近位端もしくはビルにおいて終端する伸長喉部を含み得る、第2の上またはフック付き部分とをそれぞれ有する、レベルカットルーパまたはフックを含むことができる。本体の下または遠位端は、ゲージブロックもしくはモジュールを通って延在することができ、アクチュエータに接続されることができる。アクチュエータは、油圧、空気、または空気圧シリンダ、モータ、または他の類似アクチュエータを備えることができる。レベルカットループルーパまたはフックのそれぞれのアクチュエータは、異なるパイル高さのループ/タフトを形成するよう、針のストロークの異なる点において糸のループを摘み取ること、ならびに糸のループが概して摘み取られないであろう「非縫製」位置まで後退されることを含む、針から糸のループを摘み取るための関連付けられる針に対して所望の垂直位置までルーパを上昇または後退させるよう、パターン命令に従って選択的に制御されることができる。さらなる実施形態または動作では、アクチュエータは、その上に捕捉された糸のループを伸長し、または低く引動し、先端剪断もしくは他の付加的パターンテクスチャ効果のため等に、さらに高いパイルおよび/または他の効果を生成するよう、そのような捕捉されたループとともに、それらのレベルカットループルーパもしくはフックを動作させて後退または降下させるように制御/トリガされることができる。
【0011】
レベルカットループルーパまたはフックは、加えて、インライン、交互配列、および/または二重針棒配列に係合するために必要に応じて、実質的にインライン、オフセットまたは交互配列、ならびに/もしくは他の構成で配列されることを含み、針に係合されるよう配列されるであろう。レベルカットループルーパまたはフックはそれぞれ、さらに、針が裏打ちを貫通するにつれて、針に対してある角度で配列されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、レベルカットループルーパまたはフックは、針および/またはそのストロークもしくは垂直運動に対して垂直から約1°~約10°に及び得る角度で配向される進行経路に沿って、配列されることができる、ならびに/もしくは延在可能/後退可能であり得る一方で、他の配列では、レベルカットループルーパまたはフックと針との間に、いかなるオフセットも提供され得ない、すなわち、0°角度が提供されることができる。針に対するレベルカットループルーパまたはフックのオフセットは、針の間隔および/もしくは配列に応じて、レベルカットループルーパまたはフックが後退させられるにつれて、針によるレベルカットループルーパまたはフックの潜在的係合を最小限にするために必要に応じて、レベルカットループルーパが、針に対して角度を成すもしくはオフセットされた進行経路に沿って延在および後退され得るように、さらに変動されることができる。
【0012】
本発明の一例示的実施形態による、タフティング機および方法の動作では、針が裏打ちの中および外へ往復運動させられるにつれて、レベルカットループルーパまたはフックのアクチュエータは、そのようなレベルカットループルーパまたはフックが、関連付けられるもしくは対応する針に係合せず、したがって、それによって、いかなる糸のループも形成されないであろう、完全後退または非縫製位置と、完全延在位置を含む、変動する延在または上昇位置との間で、それらのレベルカットループルーパまたはフックを移動させるよう、選択的に係合もしくは係脱されることができる。それらの上昇または延在位置で、レベルカットループルーパまたはフックは、針が裏打ち材料の中および外へ通過するにつれて、針の針ストロークもしくはサイクルに沿って異なる貫通深度または点で針に係合し、針から変動する長さの糸のループを摘み取り、引動することができる。針から摘み取られる糸のループは、したがって、それらの関連付けられるもしくは対応する針に対するレベルカットループルーパまたはフックの位置に応じて、変動するパイル高さもしくは長さを有することができる。例えば、完全上昇位置で、より小さい、または減少した長さの糸のループが、より低いパイル高さ、もしくはさらに、そのようなループがその糸送給の制御によって実質的に除去されることを含む、裏打ちの中の実質的に隠された糸のループを作成するために、形成されることができる。より長い糸のループが、裏打ちにおいてより高いまたは大きいパイル高さの糸のタフトを作成するよう、降下位置で提示されるルーパによって摘み取られ、形成されることができる。加えて、アクチュエータはさらに、先端剪断および同等物のため等に、なおもより長い糸のループを形成して付加的パターン化効果を可能にするために、その上に捕捉された糸のループとともに、それらの対応するレベルカットループルーパまたはフックを選択的に降下もしくは後退させるように制御されることができる。
【0013】
針はさらに、概して、異なる色または異なるタイプの糸を裏打ち材料に形成されているパターンの各ステッチ場所に提示するために、タフティングゾーンを通した裏打ちの縦移動に対して側方に移行されることができる。例えば、1つまたは複数の針棒の針は、種々のスレッドアップシーケンスで、一連の所望の色を用いて糸を通されることができる。加えて、裏打ち材料は、典型的には、形成されているパターンのための規定または所望のパターンステッチ率を実質的に上回る実際もしくは有効ステッチ率で、起動されることができる。結果として、針が移行されると、所望の数の異なる色またはタイプの糸が、各ステッチ場所に提示されることができ、レベルカットループルーパまたはフックの延在および/もしくは後退の制御によって、糸のループが、裏打ち材料において選択的に形成されることができ、そのような糸のループの形成はさらに、結果として生じたタフトの変動するパイル高さのために制御される。例えば、一連の異なる色またはタイプの糸が、針棒が移行されるにつれて各ステッチ場所に提示されることができ、特定の色またはタイプ糸のタフトが、そのステッチ場所で縫製されるように選択されない場合、対応するレベルカットループルーパまたはフックは、そのような選択されていない糸のループが、概して、形成されないように、後退または降下位置で保持されることができる。
【0014】
加えて、針が裏打ちから外へ往復運動させられると、そのための糸送給もまた、選択されていない糸を針とともに後退させ、バックロブさせ、または別様に引き戻させ、もしくは裏打ち材料から引き出させるよう、かつそのような糸が完成したパターン化物品の中のそのステッチ場所に示されることを防止するために十分な程度に、いくつかの糸のループを後退させ、バックロブさせ、または引き戻させるよう、制御されることができる。より高い動作有効または実際のステッチ率における裏打ち材料の制御は、欠落した色またはタイプの糸もしくは間隙が、パターン化されたタフティングされた物品のパターン領域に作成される、示される、または別様に出現することを実質的に回避するよう、裏打ち材料の中への糸の提示の実質的に増加した数のステッチの形成を可能にする。完成したパターン化されたタフティングされた物品は、したがって、所望または規定のパターンステッチ率に実質的に合致する、1インチあたりのタフトの密度を提供されることができ、すなわち、1インチあたり8、10、または12個、もしくは他の数のステッチのパターンステッチ率を伴ってデザインされるパターンに関して、結果として生じた完成したパターン化されたタフティングされた物品は、パターンステッチ率にほぼ合致し得る、1インチあたりの可視および/または保定された表側糸もしくはタフトの密度で形成されることができる。
【0015】
本発明の種々の目的、特徴、および利点は、付随の図面と併せて解釈されると、以下の発明を実施するための形態の精査に応じて当業者に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
タフティング機であって、
少なくとも1つの針棒であって、前記少なくとも1つの針棒は、それに沿って搭載された一連の針を有する、少なくとも1つの針棒と、
前記タフティング機のタフティングゾーンを通して裏打ち材料を送給する裏打ち送給ロールと、
一連の糸を前記針に送給するための少なくとも1つの糸送給機構と、
前記針の下方に搭載され、前記針がそこから糸のループを摘み取るように前記裏打ち材料の中へ往復運動させられるにつれて、前記針と係合するように移動可能である、一連のゲージ部品であって、前記一連のゲージ部品は、さらに、前記針に対して延在可能かつ後退可能であり、支持体に沿って移動可能に搭載される本体と、前記本体からある角度で突出し、それに沿って前記糸のループが前記針から摘み取られる喉部を有する、上部分とをそれぞれ含む、ゲージ部品と、
前記ゲージ部品の延在および後退を制御するために前記ゲージ部品に結合される一連のアクチュエータと、
前記糸送給機構を制御し、前記アクチュエータの作動の制御と協調して前記針への糸の送給を制御して、それによって前記ゲージ部品が前記針から糸のループを摘み取らないであろう非縫製位置と、形成されているパターンに従って変動するパイル高さで前記裏打ち材料に糸のタフトを形成するために、それによって前記ゲージ部品の前記喉部が前記針から糸のループを摘み取るように前記針の貫通深度に対して選択された高度に位置する延在摘み取り位置との間で、前記ゲージ部品のうちの選択されたものを移動させるためのプログラミングを含む、制御システムと、
を備える、タフティング機。
(項目2)
前記裏打ち材料を横断して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるための移行機構をさらに備え、前記制御システムはさらに、前記制御システムが、前記移行機構による前記少なくとも1つの針棒の移行、前記裏打ち送給ロールによる前記裏打ち材料の送給、前記アクチュエータの制御を協調制御することと、前記裏打ち材料に沿った選択されたステッチ場所に一連の糸を提示し、前記裏打ち材料が、パターンステッチ率とほぼ同等である前記裏打ちの中で保定される1インチの表側糸につきいくつかのタフトを提供するように形成されているパターンのパターンステッチ率を十分に上回る動作ステッチ率で、前記タフティングゾーンを通して移動されるにつれて、前記裏打ちから外への前記針の往復運動とともに、そのような糸のループが前記ゲージ部品のうちの1つによって摘み取られない場合に糸を引き出すよう、前記針が前記裏打ちの中および外へ往復運動させられるにつれて、前記糸送給機構を制御し、前記針への前記糸の送給を制御することとを可能にする、プログラミングを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目3)
前記ゲージ部品は、レベルカットループルーパまたはフックを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目4)
前記アクチュエータは、油圧または空気圧シリンダを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目5)
前記ゲージ部品は、前記針に対して約1°~約10°の角度で配向される進行経路に沿って移動可能である、項目1に記載のタフティング機。
(項目6)
前記糸送給機構は、スクロール、ロール、シングルエンド、タブルエンド、またはマルチプルエンド糸送給パターン装置のうちの少なくとも1つを備える、項目1に記載のタフティング機。
(項目7)
一連の糸を一連の針に送給するステップと、
タフティング機を通る進行経路に沿って裏打ちを送給するステップと、
前記針の少なくとも一部を往復運動させ、前記裏打ちの中および外へ前記糸を運搬し、前記針を一連のゲージ部品と係合させ、そこから糸のループを摘み取るステップと、
前記ゲージ部品のうちの選択されたものが、それらの対応する針に係合し、そこから糸のループを摘み取る一方で、前記ゲージ部品のうちの他のものが、針から糸のループを摘み取らないよう非縫製位置に配置されるように、対応する針に対して前記ゲージ部品のうちの前記選択されたものを位置付けるよう、前記針の往復運動の方向に対して実質的に垂直方向に前記ゲージ部品を移動させるステップと、
前記ゲージ部品によって摘み取られる前記糸のループの形成を制御し、前記針を用いて前記ゲージ部品によって摘み取られない糸を維持するよう、前記ゲージ部品による前記針の選択的係合と併せて、前記針への糸の前記送給を制御するステップと、
を含む、タフティングされたパターンを形成する方法。
(項目8)
前記タフティング機を通して前記裏打ちを送給するステップは、前記裏打ちに形成されている前記パターンの選択されたステッチ場所において、いくつかの糸が、前記裏打ちの中に挿入され、選択されていない糸が、そのようなステッチ場所からバックロブされる一方で、そのようなステッチ場所に出現する選択された糸のループが、所望のステッチ率にほぼ合致する1インチあたりの一連のタフトを形成するように前記ゲージ部品によって捕捉されるように、十分な量だけ増加される前記タフティングされた物品のファブリックステッチ率とほぼ同等の増加したステッチ率で、前記裏打ちを送給するステップを含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
所望の数の糸を提示するステップは、前記針のうちの少なくともいくつかを移行させ、前記裏打ちの前記送給に対して横方向に前記糸を運搬するステップを含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記ゲージ部品を移動させるステップは、前記ゲージ部品と関連付けられる一連のアクチュエータをアクティブ化し、前記ゲージ部品のうちの前記選択されたものを後退または延在させ、前記針に対して前記ゲージ部品のうちの前記選択されたもののそれぞれの喉部を位置付け、そこから糸のループを摘み取るステップを含む、項目7に記載の方法。
(項目11)
実質的に垂直方向に前記ゲージ部品を移動させるステップは、前記針の往復運動の方向に対して約1°~約10°に及ぶ角度で進行経路に沿って前記ゲージ部品を移動させるステップを含む、項目7に記載の方法。
(項目12)
複数の針を運搬する少なくとも1つの針棒を有するタフティング機を使用して、所望のファブリックステッチ率を有するパターン化物品をタフティングする方法であって、前記方法は、
パターンを形成するための選択された順序で、一連の異なる色またはタイプの糸を用いて前記針のうちの少なくともいくつかに糸を通すステップと、
前記パターンのための前記所望のファブリックステッチ率の少なくとも2倍であるステッチ率で、タフティングゾーンを通して裏打ちを移動させるステップと、
前記針が前記裏打ちの中へ往復運動させられるにつれて、前記糸を前記針に送給し、前記少なくとも1つの針棒を移行させ、一連の糸を前記裏打ちの中の一連のステッチ場所に提示するステップと、
前記針に向かって一連のルーパまたはフックを往復運動させ、前記針から糸のループを摘み取るための高度まで前記ルーパまたはフックを選択的に延在もしくは後退させるステップと、
提示される糸のループが対応するルーパまたはフックによって摘み取られない、各ステッチ場所で、針から糸のループを摘み取らない位置まで前記対応するルーパまたはフックを後退させ、そのような糸をバックロブするよう、そのような糸の前記送給を制御するステップと、
糸のループが、提示される前記糸のループから摘み取られる場合、各ステッチ場所で保定される前記摘み取られた糸のループの前記送給を制御し、所望のパイル高さを有する糸のタフトを形成するステップと、
を含む、方法。
(項目13)
前記ルーパまたはフックを選択的に延在もしくは後退させるステップは、前記針の往復運動の方向に対して実質的に垂直方向に前記ルーパまたはフックのうちの選択されたもののためのアクチュエータをアクティブ化するステップを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
選択されたステッチ場所に提示される前記糸のうちの1つまたはそれを上回るものをさらに備える、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記裏打ちに対して横方向に前記針のうちの少なくともいくつかを移行させるステップをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記ルーパまたはフックを選択的に延在もしくは後退させるステップは、前記針の往復運動の方向に対して約1°~約10°に及ぶ角度で実質的に垂直方向に進行経路に沿って前記ルーパまたはフックを移動させるステップを含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
タフティング機であって、
前記タフティング機を通して裏打ち材料を送給する、裏打ち送給ロールと、
1つまたはそれを上回る針棒であって、前記1つまたはそれを上回る針棒は、それに沿って離間された一連の針をそれぞれ有し、前記針は、前記裏打ち材料の中および外へ往復移動させられる、1つまたはそれを上回る針棒と、
前記タフティング機に沿って搭載され、糸を前記針のそれぞれに送給する、糸送給と、
前記裏打ち材料の下方に位置付けられるゲージ部品であって、前記ゲージ部品はそれぞれ、本体に対してある角度で延在する喉部とともに前記本体を備え、前記ゲージ部品が前記裏打ちを貫通する前記針に向かって、かつそれから離れるように往復移動させられるにつれて、前記ゲージ部品は、実質的に垂直方向に延在可能である、ゲージ部品と、
前記ゲージ部品のうちの1つにそれぞれ結合され、そこから糸のループを摘み取る前記針のうちの関連付けられるものの貫通深度に対して、非係合位置と延在摘み取り位置との間で前記ゲージ部品のうちの選択されたものの前記喉部を移動させるよう、選択的に作動可能である、一連のアクチュエータと、
を備え、前記糸の前記送給は、前記裏打ち材料において選択されたパイル高さの糸のタフトを形成するように、前記アクチュエータによる前記ゲージ部品のうちの前記選択されたものの移動と協調して制御される、
タフティング機。
(項目18)
前記裏打ち材料を横断して横方向に前記少なくとも1つの針棒を移行させるための移行機構をさらに備え、前記制御システムはさらに、前記制御システムが、前記移行機構による前記少なくとも1つの針棒の移行、前記裏打ち送給ロールによる前記裏打ち材料の送給、前記アクチュエータの制御を協調制御することと、前記裏打ち材料に沿った選択されたステッチ場所に一連の糸を提示し、前記裏打ち材料が、パターンステッチ率とほぼ同等である前記裏打ちの中で保定される1インチの表側糸につきいくつかのタフトを提供するように形成されているパターンのパターンステッチ率を十分に上回る動作ステッチ率で、前記タフティングゾーンを通して移動されるにつれて、前記裏打ちから外への前記針の往復運動とともに、そのような糸のループが前記ゲージ部品のうちの1つによって摘み取られない場合に糸を引き出すよう、前記針が前記裏打ちの中および外へ往復運動させられるにつれて、前記糸送給機構を制御し、前記針への前記糸の送給を制御することとを可能にする、プログラミングを備える、項目17に記載のタフティング機。
(項目19)
前記ゲージ部品は、レベルカットループルーパまたはフックを備える、項目17に記載のタフティング機。
(項目20)
前記アクチュエータは、油圧または空気圧シリンダを備える、項目17に記載のタフティング機。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の原理による、選択的に制御可能なルーパアセンブリを伴うタフティング機の一例示的実施形態の側面図である。
図2図2は、図1のタフティング機のタフティングゾーンの側面図である。
図3図3は、図1-2のタフティング機の斜視図である。
図4A図4A-4Bは、発明の原理の一実施形態による、一連の針の一部およびそれらの個別のレベルカットループルーパまたはフックの斜視図である。
図4B図4A-4Bは、発明の原理の一実施形態による、一連の針の一部およびそれらの個別のレベルカットループルーパまたはフックの斜視図である。
図5図5A-5Cは、本発明の原理による、選択的に作動可能なレベルカットループルーパまたはフックの動作を図示する側面図である。
【0017】
当業者は、一般的実践によると、以下で議論される図面の種々の特徴が、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、図面の種々の特徴および要素の寸法は、本明細書に説明される本発明の実施形態をより明確に図示するように拡大または縮小され得ることを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、同様の数字がいくつかの図の全体を通して同様の部品を示す、図面を参照すると、図1-5Cは、概して、糸Yのステッチまたはタフト5の配置が、制御され得る裏打ち材料Bの中の所望の場所にあり得る、本発明の原理による、パターン化されたタフティングされた物品を形成するためのタフティング機10および方法の実施形態を図示する。そのようなタフトまたはステッチは、彫刻を施したような多重パイル高さのタフティングされた外観を伴って形成されることができ、さらに、さらなる変動もしくは自由流動パターン効果の形成のために、増進した選択性および/または制御で配置されることができる。例えば、タフティングされた物品は、彫刻を施したような見た目を提供するように変動するパイル高さで形成される糸のタフトを用いて、そして種々の幾何学的および/または自由流動デザインの多色パターンの形成のための異なる色もしくはタイプの糸を用いて、形成されることができる。加えて、本発明の原理による、多重パイル高さのパターン化されたタフティングされた物品を形成するために、種々の数の異なるタイプおよび/または色の糸(すなわち、2色、3色、5色、6色等)が使用され得ることが理解されるであろう。
【0019】
図1に概して図示されるように、一実施形態では、タフティング機10は、針棒駆動部13を収納し、かつタフティングゾーンTを画定する、ヘッドまたは上部分12を含むことができる、フレーム11を含むであろう。針棒駆動機構13(図1および2)は、典型的には、コネクタロッド17によって、図1に示される針棒駆動部16(ギヤボックス/アセンブリ等)または類似機構に接続されることができる、一連のプッシュロッド14を含み、その針棒駆動部16は、ひいては、例えば、1つまたはそれを上回る駆動ベルトもしくは駆動チェーン19によって、タフティング機の主駆動軸18に接続されて駆動されることができ、主駆動軸18自体は、サーボモータ等のモータによって駆動される。代替として、針棒駆動機構13のプッシュロッド14は、主駆動軸から直接、または独立駆動システム(図示せず)によって駆動されるよう、コネクタロッド17を介して主駆動軸18に直接接続されることができる。
【0020】
エンコーダまたは類似センサが、加えて、主駆動軸の回転を監視し、かつタフティング機10の動作を制御する制御システム25(図1)に主駆動軸の位置を報告するために、提供されることができる。制御システム25は、概して、それを通してオペレータがパターンを入力すること、調節を行うこと等ができる、タッチスクリーン、キーボード、マウス等のオペレータインターフェース26Aを伴うコンピュータ/プロセッサまたはシステムコントローラ26を含む、タフティング機制御を備えることができる。いくつかの実施形態では、制御システム25は、その開示が完全に記載された場合のように参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,359,989号に開示されるようなステッチ分配制御システムを備える、または含むことができ、コントローラ26はさらに、複数のパイル高さにおいて、ならびに米国特許第8,359,989号に開示されるような種々の色/ステッチ配置制御パターンを伴って形成されるタフトを有する、彫刻を施したようなパターンを含む、タフティングされたパターンを形成するための制御方法のためのプログラミングを含む。
【0021】
制御システム25は、概して、以下でさらに十分に議論されるように、計算/判定されたパターン命令に従って、針棒駆動機構13、糸送給装置27、裏打ち送給ロール28、主駆動軸18、針棒移行機構40(図3)、およびタフティング機のタフティングゾーンTの下に搭載されるゲージ部品アセンブリ30等のタフティング機10の動作要素の監視ならびに制御を可能にする、プログラミングを含むであろう。制御システム25(図1)はさらに、パターン情報を受信して実行する、またはシステムコントローラ26のメモリストレージの中に記憶することができる。策定/プログラムされたパターン命令に応答して、制御システム25は、図1-3に示されるように、裏打ち材料が裏打ち送給ロール28によって矢印33の方向にタフティングゾーンTを通過させられるにつれて、裏打ち材料Bに所望のタフティングされたパターンを形成するために、タフティング機10の動作要素を制御するであろう。
【0022】
いくつかの実施形態では、制御システム25のシステムコントローラ26は、概して、一連のパターンステップを含む、1つまたはそれを上回るタフティングされた物品のために1つまたはそれを上回る所望のパターンを形成するための命令でプログラムされることができ、そのステップは、手動で、または当業者によって理解されるようなデザインセンターもしくはデザインソフトウェアの使用を通して、作成または計算されることができる、またはディスク、USB、もしくは他の外部ドライブからの入力を介して、またはネットワーク接続を通して、そのようなパターンを受信することができる。代替として、コントローラ26は、パイルの高さと、例えば、異なる色または類似マーカもしくはインジケータによって示される、パターンの中のループパイルおよびカットパイルタフトの配置等の他の特徴とを含む、デザインされたパターン等のスキャンおよび/またはデザインされたパターン画像、ならびに写真、図面、および他の画像が、デザインセンターから、または種々のデザインソフトウェアシステムを通して、もしくはスキャナまたは他の撮像デバイス31(図1)を介して、入力を受信することを含む、制御システムによって、入力、プログラム、認識、および処理されることを可能にする、画像認識ソフトウェアを含むことができる。制御システムは、ループおよび/またはカットパイルタフトの配置もしくは場所等のテクスチャ効果を示す、デザインされたパターン画像のテクスチャの色ならびに/もしくは差異を含む、種々のパターン特徴を認識して識別することができ、かつ選択された糸をそこに割り当てることができる。
【0023】
加えて、制御システム25が、米国特許第8,359,989号(完全に記載された場合のように参照することによって本明細書に組み込まれる)で開示されように、ステッチ分配制御システムの機能性とともに動作する、またはそれを備える、もしくはそれを含む場合等の実施形態では、制御システムはまた、入力されたスキャンされたパターンの色を読み取って認識するソフトウェア/プログラミングを提供されることもでき、パターン画像から認識されたパターン領域を形成するために、その最良の使用のためにクリールの中の種々の色の糸の供給を最適化するよう、針棒の針のスレッドアップシーケンスに基づいて、供給クリールから針のうちの種々のものに供給されている糸のための供給位置を割り当てることができる。システム制御はさらに、種々の色の糸および/またはカット/ループパイルタフトが、撮像されたパターンを形成するように選択的に配置されるであろう、空間もしくは場所を識別する、一連のパターン画素またはタフト/ステッチ配置場所を含む、パターン領域もしくはパターンのマッピングを作成することができる。完成したパターン化されたタフティングされた物品の表側に出現する、所望のパターン密度、すなわち、1インチあたりのステッチの所望の数もまた、選択されることができ、パターンのための実際の有効または動作プロセスステッチ率が、パターンの所望のファブリックステッチ率の外観を達成するように計算されることができる。
【0024】
本発明の制御システム25はさらに、種々の移行もしくはカムプロファイルを受信、判定、および/または実行するプログラミングを含むことができる、またはスキャン、入力、もしくは他のデザインされたパターン画像またはパターンファイルに基づいて、提案される移行プロファイルを計算することができる。効果的に、一実施形態では、設計されたパターンファイル画像、写真、図面等は、タフティング機において、またはネットワーク接続によって、ロード、スキャン、もしくは別様に入力されることができ、制御システムは、糸送給の制御、所望のパターン密度を達成する有効ステッチ率で裏打ちにタフトを形成するための裏打ち移動および/または針往復運動の制御、カム/移行プロファイル、ならびにスキャンおよび/またはデザインされたパターン画像に合致する糸の配列を含む、パターンステップ/パラメータを読み取り、認識し、計算することができ、その後に、タフティング機の動作を制御し、本選択されたパターンを形成することができる。オペレータは、加えて、パターンが、2、3、4、5、6、またはそれを上回る色、もしくは所望の数のパターン反復を有するものであるかどうかを示すことによって等、ステッチ率、糸送給、選択されたカムプロファイル、または計算された移行プロファイルを選択もしくは修正することができる、および/または手動オーバーライド制御/プログラミングを介して、必要に応じて、クリール割当、移行プロファイル、ならびに/もしくは制御システムによって作成される色マッピングを手動で計算、入力、および/または調節もしくは変更することができる。
【0025】
図1-3に示されるように、タフティング機10はさらに、プッシュロッド14に取り付けられ、それによって駆動される、1つまたはそれを上回る針棒35を含むであろう。針棒35は、糸Yを裏打ちの中に運搬または挿入するよう、裏打ち材料Bの中および外への往復運動(矢印37/37’によって示される)で一連の針36を移動させる。いくつかの実施形態では、針が、1つまたは2つの針棒に沿って単一のインライン列で配列されることができる。他の実施形態では、針36は、単一の針棒に沿って、または一対の針棒に沿って、交互配列で搭載されることができ、針のオフセット列は、各針棒の長さに沿って横方向に離間され、タフティング機のタフティングゾーンを横断して交互配列される。針棒35はさらに、タフティング機を通る縦方向の進行経路を横断する、またはそれと略垂直である方向に針36を移行させる、もしくは段階的に動かすよう、裏打ち材料の幅を横断して横方向に移行可能であり得る。故に、針36のインライン列がそれに沿って配列された、単一の針棒35を含む、一例示的実施形態が、図に示され得るが、本発明は、単一の針棒または針の特定の構成の使用に限定されない。代わりに、インラインまたは交互配列もしくはオフセット構成で配列されることができ、両方ともさらに移行されることができる、針36の離間した列を有する、二重針棒および単一針棒の付加的配列もまた、本発明によるシステムを組み込むタフティング機10で利用され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0026】
針はそれぞれ、概して、尖形端38Aにおいて終端し、図4A-5Aに示されるように、ゲージ部品32が針からの糸Yに係合して摘み取ることができる、離脱点またはエリア39を含む、シャンクもしくは本体38を含むであろう。針が矢印37および37’(図2)の方向に実質的に垂直運動で往復運動させられると、それらは、所望または所定の貫通深度までのストロークに沿って裏打ち材料Bの中および外に貫通し、それとともに糸Yを運搬し、針から糸のループLを摘み取るために、図5A-5Cに示されるように、ゲージ部品アセンブリ30のゲージ部品32によって選択的に係合されるであろう。加えて、図3に図示されるように、移行機構40もまた、計算または算出されたパターン命令に従って、タフティングゾーンを横断して横方向に矢印41および41’の方向へ針棒を移行させるために使用される場合、針棒35(または複数の針棒)に連結されることができる。移行機構40は、Card-Monroe Corp.によって製造されているようなSmart StepTMタイプのシフタを含むことができる、または代替として、従来使用されているようなサーボモータもしくは油圧制御型シフタおよび/またはパターンカムシフタを含む、種々の他のタイプの移行機構を含むことができる。針に対して側方に裏打ち材料を移行させるために、別個に、または針棒シフタと併せて動作可能である、裏打ち材料もしくはジュートシフタシフタを含む、付加的移行機構もまた、使用されることができる。
【0027】
図1にさらに図示されるように、1つまたはそれを上回る糸送給機構もしくは装置27が、タフティング機の動作中に針36のそれぞれへの糸Yの送給を制御するために、タフティング機10のフレーム11に搭載されることができる。例えば、図3に示されるように、一連の異なるタイプまたは色の糸(Y1-Y4)が、選択されたスレッドアップシーケンスもしくは順番(例えば、ABCD)で針のそれぞれに送給されることができ、スレッドアップシーケンスは、概して、実行されているパターンに基づいて判定または選択される。
加えて、1つの糸送給ユニット27が、(例証の目的のために)タフティング機10の片側に沿って示されているが、他の実施形態では、複数の糸送給ユニットが、糸を1つまたはそれを上回る針棒35の針36に送給するために、タフティング機の片側もしくは両側に搭載されることができる。
【0028】
針36のうちの種々のものへの異なる糸Yの送給を制御するために本発明のステッチ分配制御システムとともに利用されることができる、種々の糸送給装置が存在する。パターン糸送給装置または機構27(図1)は、少なくとも部分的にタフティング機に沿って延在し、裏打ち材料の幅を横断してパターン反復および/または複数のパイル高さならびに/もしくは他のテクスチャ効果を形成するように、タフティング機を横断する糸の送給を制御するために制御システム25の指図の下でモータによって駆動される、一連のロールを有する、ロールまたはスクロールパターン装置等の従来の糸送給/駆動機構を備えることができる。そのような糸送給機構または装置は、Card-Monroe Corp.によって製造されているようなQuick ThreadTM、Enhanced GraphicsTM、および/または多重パイル高さスクロール糸送給制御/装置を含むことができる。代替として、Card-Monroe Corp.によって製造されているようなInfinityTMおよびInfinity IIETMシステムを含む、シングルおよびマルチエンド/サーボスクロール装置等の針36への単一の糸(もしくは端部)または糸の複数の端部(すなわち2~4本もしくはそれを上回る糸)の送給を制御するための個々の糸送給ロールまたは駆動部45の使用を含む、選択された針への糸の反復の具体的セットの送給を制御するために、モータ46と、送給ロール47とをそれぞれ含む、図1に示されるような複数の糸送給駆動部45を有する、他のタイプのパターン糸送給装置が、使用されることができる。
【0029】
例えば、米国特許第6,009,818号、第5,983,815号、第7,096,806号、および第8,887,703号は、タフティング機の針への糸の送給または分配を制御するためのパターン糸送給機構もしくは装置を開示する。米国特許第5,979,344号はさらに、1つまたは複数の針棒を移行させるためを含む、タフティング機の種々の動作要素を駆動するための精密駆動システムを開示する。これらのシステムの全ては、本発明とともに利用されることができ、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。したがって、図1では、シングルまたはマルチプルエンドタイプの糸送給機構27が示されているが、また、糸送給を制御するために利用されるパターン糸送給機構は、シングルまたはダブルエンド糸送給制御、スクロール、ロール、および/または類似装置、ならびに/もしくはそれらの種々の組み合わせを含み得、さらに、タフティング機の片側または両側に沿って搭載され得ることが、当業者によって理解されるであろう。なおもさらに、制御システム25は、保定されていない/出現しない糸が送給される量を制御して低減させる、もしくは最小限にすることに役立ち、糸の過剰な送給を回避し、したがって、タフティング動作中の無駄を最小限にするように、糸送給補償および/または糸送給モデリングを行うことができる。
【0030】
糸送給装置は、裏打ち送給、針棒の移行、およびゲージ部品アセンブリ30の動作を含む、タフティング機の他の動作システムと協調して、糸をそれらの個別の針に選択的に送給し、パッキングの中へのいくつかの異なる色またはタイプの糸の提示、および提示された糸のうちの選択または所望されたもの(例えば、完成したパターン化物品の表側に出現するように選択される糸)のループの選択的摘み取りならびに保定の制御を可能にし、選択または所望されたパイル高さを伴うそのような糸のタフトを形成するように、制御されることができる。加えて、タフティングされた物品の表側に出現するものである、表面または表側糸もしくはタフトは、所望または規定のパイル高さで選択された色もしくはタイプの糸のそのようなタフトを形成するために十分な量で送給されるよう、制御されることができる一方で、パターンの特定の色および/またはテクスチャ領域中で隠されるものである、出現しない糸は、そのような糸がパターン領域中で可視となる表側糸または保定されたタフトに干渉することを回避するため、かつ保定された糸または表側糸の間に望ましくない空間もしくは間隙を作成することを回避するために十分な程度に、バックロブされる、および/または十分に低く引動される、もしくは裏打ち材料から引き出されるであろう。一実施形態では、各画素またはステッチ場所に配置され得る/タフティングされ得る、各色もしくはタイプの糸は、概して、タフティングのそのような画素またはステッチ場所のいずれかで提示されることができ、画素またはステッチ場所に示される、もしくは出現するように選択される糸のみが、所望のパイル高さで保定されて形成される。したがって、4色パターンに関しては、例えば、特定の画素または場所でタフティングされ得る、4色の糸A、B、C、およびDはそれぞれ、パターンの1つもしくは複数の選択された糸のみ、例えば、「A」糸のみが保定された状態で、そのような画素に提示されることができる一方で、残りの選択されていない糸B、B-C、B-Dおよび/または他の組み合わせは、提示され、そのような画素またはステッチ場所における裏打ちからバックロブされる/引き戻される、ならびに/もしくは除去されることができる。故に、糸が画素またはステッチ場所に提示されるとき、糸が画素またはステッチ場所で保定される、もしくは出現するものである場合、糸送給27は、画素またはステッチ場所で糸のタフトを形成するよう、ある量の糸を送給するように制御することができる。提示される糸が画素またはステッチ場所で保定される、もしくは出現するものではない場合、これは、ループまたはタフトが形成され得ない、もしくは引き戻され、および/または除去され得るように、制御されることができる。いかなる糸も特定の画素またはステッチ場所における挿入のために選択されない場合、ゲージ部品はまた、特定の画素に提示される糸のループを選択的に摘み取る、または摘み取らないように制御されることもできる。
【0031】
図1-3にさらに示されるように、ゲージ部品アセンブリ30は、概して、タフティング機10の台34およびタフティングゾーンTの下方に搭載される。針が裏打ち材料を貫通すると、それらは、選択された長さまたはパイル高さを伴って選択された色もしくはタイプの糸のタフト5を形成するための糸YのループL(図2-3)を形成するよう、ゲージ部品アセンブリ30の一連のゲージ部品32によって係合される。ゲージ部品アセンブリ30のゲージ部品32は、一実施形態では、一連のレベルカットループルーパまたはフック50を含むことができ、そのそれぞれは、図1-3に示されるような矢印54および54’の方向に針に向かって、およびそこから離れるようにレベルカットループルーパまたはフックを往復させる、駆動機構53にレベルカットループルーパまたはフック50を取り付けるためのゲージ棒52または類似マウントもしくは装置に搭載され得る、モジュールブロックまたはホルダ51内に摺動可能に搭載されることができる。カットパイルフック、ループパイルルーパ、カットループクリップ、または他のゲージ部品を含む、種々の他のタイプのゲージ部品もまた、使用され得ることが当業者によってさらに理解されるであろう。
【0032】
図2、4A-4B、および5A-5Cに示されるように、レベルカットループルーパまたはフック50はそれぞれ、概して、そのモジュールブロックもしくはホルダ51内に摺動可能に搭載され得る、伸長下本体または第1の部分60と、概して、下または本体部分60に対してある角度で延在し得、かつ略尖形近位端もしくはビル63において終端し得る伸長喉部62を含む、上の、第2の、またはフック部分61とを含むことができる。例えば、喉部および近位端は、ループパイルルーパと同様に構成されることができる。図1、2、および5A-5Cにさらに示されるように、各レベルカットループルーパまたはフックの本体の遠位端64は、概して、それを通って摺動可能である、そのモジュールブロックまたはホルダを通って延在し、ゲートもしくはコネクタ67等によってアクチュエータ66に結合されることができる。
【0033】
一実施形態では、概して、図2および5A-5Cに図示されるように、アクチュエータは、概して、コネクタまたはゲート67によってレベルカットループルーパのうちの関連付けられるもしくは対応するものに接続されるであろう、シリンダロッドまたはシャフト69をそれぞれ含む、油圧もしくは空気圧シリンダ68を備えることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータはさらに、1つを上回るレベルカットループルーパまたはフックの動作を制御するために使用され得る。加えて、当業者によって理解されるであろうように、ソレノイド、モータ、または他の類似作動機構を含む、他のタイプのアクチュエータもまた、使用されることができる。アクチュエータはそれぞれ、概して、針に対するレベルカットループルーパのそれぞれの発射および/または移動を制御するよう、その作動を選択的に制御するであろう、制御システム25に連結されるであろう。アクチュエータは、レベルカットループルーパが、針36に向かって、およびそこから離れるように矢印54および54’の方向に往復運動させられるにつれて、図2、4A、ならびに5A-5Cの矢印71および71’によって図示されるように、それらの喉部/ビルの位置が、矢印54/54’の方向にレベルカットループルーパまたはフックの往復運動に対して略法線方向である方向に、および/もしくは針に対して実質的に垂直(すなわち、略上下)の移動で、変動され得るように、それらのレベルカットルーパまたはフックを選択的に延在ならびに後退させるために制御されるであろう。アクチュエータは、延在および/または非縫製位置の間でレベルカットループルーパを延在ならびに後退させるように制御されることができるだけでなく、さらに、針のストロークもしくは貫通深度に対して一連の変動する位置または高度までレベルカットループルーパを延在および/または後退させるよう、選択的に制御されることができる。したがって、針に対するレベルカットループルーパの喉部の位置または場所は、図5A-5Cに示されるように、変動するパイル高さもしくは長さにおいて針のうちの選択されたものから糸のループの摘み取りおよび/または形成を引き起こす、もしくは糸の摘み取りを引き起こさないよう、制御ならびに変動されることができる。
【0034】
例えば、完全延在位置で、レベルカットループルーパまたはフックのうちの選択されたものは、それによって係合される針から糸のループを摘み取ることができ、そのループは、概して、第1の選択または所望されるパイル高さを伴って形成されることができる一方で、レベルカットループルーパのうちの他のものは、第2または他の異なる長さもしくはパイル高さを伴う糸のループを摘み取って形成するよう、完全延在位置と後退位置との間の位置または場所まで延在もしくは後退されることができる。レベルカットループルーパまたはフックのうちのいくつかはまた、非縫製位置でそれらを配置するよう、それらのアクチュエータによって完全降下もしくは後退位置まで移動されることもでき、それによって、そのようなレベルカットループルーパまたはフックの喉部/ビルは、針の完全貫通深度もしくはストロークの終端を下回って位置し、したがって、それらの対応するまたは個別の針から糸のループを摘み取らないであろう。他の動作では、アクチュエータは、糸のループがその上で捕捉された後に、それらの個別のレベルカットループルーパを後退または降下させ、そのような捕捉された糸のループをより低く引動し、先端剪断および/または他のテクスチャ効果のため等の付加的パターン化効果のために、より高いパイルもしくは増加した長さの糸を伸長または作成するよう、選択的に制御もしくはトリガされることができる。
【0035】
図4A-4Bに示されるように、レベルカットループルーパまたはフック50はそれぞれ、概して、(例えば、針が単一もしくは二重針棒に沿ってインライン、交互配列、および/または他の配列で配列される場合)1つもしくは針棒の針の構成に応じて、必要に応じて実質的にインライン、オフセット、交互配列、および/または他の構成で配列されることを含む、針に係合するよう位置付けられる、タフティングゾーンを横断する規定の間隔で配列されるであろう。レベルカットループルーパまたはフック50はそれぞれ、さらに、針および/またはその離脱点に対して角度を成す進行経路71/71’に沿って移動する、もしくは延在可能/後退可能であるよう、裏打ちを貫通する針に対する角度またはオフセットで配列されることができる。レベルカットループルーパまたはフックのそのようなオフセット移動は、加えて、針の間隔および/もしくは配列に応じて、ルーパが後退されるにつれて針によるレベルカットループルーパまたはフックの潜在的係合を最小限にするように、必要に応じて変動されることができる。
【0036】
例えば、いくつかの実施形態では、レベルカットループルーパまたはフックは、レベルカットループルーパが後退されるときに、垂直から、および/または針のストロークに対して約1°~約10°またはそれを上回って及び得る、図4Bのθで示される角度/オフセットにおいて、一例示的実施形態では、針が裏打ちの中ならびに外へのそれらのストロークまたは往復運動を完了するにつれて、針の往復運動の経路もしくは方向に対して約4°~6°の角度において、進行経路に沿って配列および/または移動されることができる一方で、他の実施形態では、実質的にオフセットがない、すなわち、針に対する約0°角度が、レベルカットループルーパと針との間に提供されることができる。したがって、レベルカットループルーパが針の離脱エリア39(図4A-5A)に係合するために十分な位置/高度まで延在されると、その喉部/ビルは、概して、それらの対応する針から糸のループに係合して摘み取るように、適切に整合される、または位置付けられるであろう。レベルカットループルーパが後退されると、それらは、概して、レベルカットループルーパが後退した非縫製位置まで移動されている、および/またはそこにあるときに、それらの喉部/ビルが、潜在的な不慮の糸の摘み取りを最小限にするために針の進行経路の外の位置に配置され得る、もしくは位置し得るように、オフセットされた進行経路に沿ってさらに移動されることができる。
【0037】
動作時に、いくつかの実施形態によると、タフティングされた物品は、本発明のシステムおよび方法に従って形成されることができ、そのタフティングされた物品は、種々のパターンならびにパターン効果を形成するための複数の異なる色および/またはタイプの糸の使用を含むとともに、彫刻を施したような、もしくは多重パイル高さ効果を含む、そのようなパターンを伴って形成されることができる。例えば、本発明のシステムおよび方法は、その開示が完全に記載された場合のように参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,141,505号、第8,359,987号、および第8,776,703号に開示ならびに図示されるようなステッチ分配制御システムまたは糸色配置システムと併せて、動作されることができる。そのような実施形態では、裏打ち材料に形成されている糸のステッチまたはタフトはさらに、形成されているタフティングされたパターンのために所望もしくは規定されるファブリックまたはパターンステッチ率と比較して、増加した、またはより高い、実際の動作もしくは有効プロセスステッチ率で、形成されることができる。したがって、形成されているパターンのパターンまたはファブリックステッチ率もしくは密度が、そこに形成された、および/またはその表側に示される、1インチあたり8、10、12個等のステッチの外観をタフティングされた物品が有することを要求する場合、タフティング機の動作中に形成される1インチあたりの実際の動作または有効ステッチ数は、所望または規定のパターンもしくはファブリックステッチ率よりも実質的に多いであろう。したがって、裏打ち材料の中の糸のステッチまたはタフトの実際の形成は、増加した実際の動作または有効プロセスステッチ率で達成され、それによって、効果的に、完成したパターンに示されるために要求されるであろうよりも多い1インチあたりのステッチの数が、裏打ち材料に形成され、縫製されているパターン領域またはエリアの表側に示される、もしくは残留することが所望されない、これらのステッチまたは表側糸は、そのような糸が裏打ちの中で保持される、または縫い付けられることを可能にする程度に、バックロブされる、または裏打ち材料から引き出される、もしくは十分に低く引動される一方で、パターンの保定された糸または表側糸(すなわち、タフティングされた物品の完成したパターンで可視のままとなる、または出現するものである、糸のタフト)の間の望ましくないもしくは不必要な間隙または空間の作成を実質的に回避する。
【0038】
例証の目的のために、一例示的実施形態では、有効プロセスステッチ率は、選択されるいくつかの色によってほぼ形成されている、またはパターンにおいてタフティングされる、パターンのファブリックもしくはパターンステッチ率を増加させることに基づく、もしくはそれによって判定されることができる。1インチあたり約10~12個のステッチの所望のファブリックまたはパターンステッチ率を有し、2~4色を使用する、パターンに関して、有効または動作プロセスステッチ率(すなわち、ステッチが実際に裏打ち材料に形成される割合)は、1インチあたり約18~20個のステッチから1インチあたり最大約40個またはそれを上回るステッチであることができる。しかしながら、糸のタイプおよび/またはサイズならびに/もしくは他の要因に応じて、特定のパターンのために実行されるそのような動作または有効プロセスステッチ率の付加的変動もしくは調節が行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、より厚い、より大きいサイズ、またはより重い糸が使用される場合、有効プロセスステッチ率は、そのようなより大きい糸の使用を考慮するために必要に応じて、付加的変動を受け得る(例えば、4色パターンに関して、有効プロセスステッチ率は、1インチあたり約25~38個のステッチにおいて実行される等、さらに変動し得るが、さらなるバリエーションが、必要に応じて使用されることができる)。したがって、実行されている選択またはプログラムされたパターンが、そのための所望のパターン密度もしくはステッチ率として1インチあたり10~12個のステッチを有するように設計または所望され得る場合、システムは、実際に、糸の色および/またはタイプの数に応じて、1インチあたり20~48個程度またはそれを上回るステッチを形成するように動作し得るが、完成したタフティングされた物品の表側から視覚的に、概して、所望の/選択された10~12個のステッチのみが出現するであろう。
【0039】
加えて、一連の異なる色がタフティングされている場合、針棒35の針36は、概して、所望のスレッドアップを提供され、例えば、4色パターンに関して、A、B、C、Dスレッドアップが、針に使用されることができる。代替として、2つの針棒が使用される場合、各針棒の針は、交互のスレッドアップシーケンスを提供されることができ、すなわち、A/Cスレッドが、前方針棒の上にあり、後方針棒が、B/D色スレッドアップを用いて糸を通される。加えて、そのような前方および後方針棒の針は、交互またはオフセット整合で配列されることができる。1つまたは複数の針棒はさらに、概して、裏打ち材料がタフティングゾーンを通して送給されるにつれて、裏打ち材料に対して横方向に針棒を移行させることによってカットパイルフックまたはレベルカットループルーパフックに選択されたパターン画素もしくはタフト/ステッチ場所で縫製され得る糸の色(すなわち、2、3、4、5色等)のそれぞれ1つまたは各異なるタイプの糸を効果的に提示するよう、裏打ち材料の制御および糸送給の制御と併せて、形成されているパターンのための移行プロファイルに従って、針棒シフタ40(図2)の制御によって移行されるであろう。
【0040】
例えば、4色パターンに関して、次の画素またはステッチ場所で縫製されることができる、1~4色はそれぞれ、裏打ち材料が各移行運動またはカム移動サイクルにつき漸増的に約1/8~1/40インチ移動されるにつれて、所望のレベルカットループルーパまたはカットパイルフックに提示され、すなわち1色、2色、3色、4色の糸が、選択された画素またはステッチ場所で提示されることができる、もしくはいかなる糸も提示されることができない。レベルカットループルーパまたはカットパイルフックは、係合して糸のループを形成し、1つまたは複数の所望の糸が、選択されたタフトを形成するために保定される一方で、残りの糸は、概して、裏打ち材料に沿って浮動するよう裏打ち材料から引き出される、これらの保定されていない糸を引動することを含む、糸送給機構の制御によって、低く引動される、またはバックロブされることができる。故に、各レベルカットループルーパまたはカットパイルフックは、裏打ち材料の各移行シーケンスおよび対応する漸増移動中に、それと関連付けられる各パターン画素またはタフト/ステッチ場所毎に、パターンの色のうちのいずれか1色、または潜在的に1つを上回る色(すなわち、2色、3色、4色、5色、6色等)をタフティングする能力を与えられる、もしくはおそらく、色のうちのいずれもそれに提示されない。記述されたように、異なるタイプまたは色の糸のうちのいずれも、特定のタフトまたはステッチ場所もしくは画素でタフティングされない、または配置されない場合、糸送給は、糸の全てを実質的に引き戻す、または別様にそのような糸がそのステッチ場所に配置されない、もしくは出現することを防止するために、そのようなステッチ場所または画素に提示され得る針の糸を限定もしくは別様に制御するように制御されることができる、および/または針棒は、加えて、そのステッチ場所もしくは画素への針/糸の提示を飛ばす、または別様に回避もしくは省略するよう、制御され得る。
【0041】
裏打ち材料Bの送給はさらに、すなわち、種々の方法でステッチ分配制御システムによって、制御されることができる。例えば、タフティング機裏打ちロール28は、針棒の判定された数のステッチまたはサイクルのために定位置で裏打ち材料を保持するように制御されることができる、または1インチあたり所望の数のステッチで裏打ち材料を移動させることができ、すなわち、4つのステッチが4色および1インチあたり40個のステッチの有効ステッチ率を伴うパターンのために裏打ちの中に導入されるにつれて、約1/10インチ移動するよう、貫通毎に約1/40インチもしくはそのバリエーションで移動する。裏打ち材料の移動はさらに、動作または有効プロセスステッチ率の計算された漸増移動に実質的に合致するサイクルにわたる、全てのステッチの平均移動とともに、ステッチ毎もしくは画素基準で変動または操作されることができる。例えば、4色サイクルに関して、第1のステッチが1/80インチ、次の2つのステッチが1/40インチ、第4のステッチが1/20インチで実行されることができ、4ステッチサイクル全体にわたる裏打ちの平均移動は、所望のステッチ/色配置を達成するために、必要に応じて、平均すると提示されるステッチ毎に1/40インチになる。
【0042】
特定のステッチ場所または画素でタフティングされることができる、各異なる糸/色糸は、したがって、パターンが裏打ち材料に形成されるにつれて、そのようなステッチ場所または画素に提示されることができる。各画素またはステッチ場所での糸のそのような提示を達成するために、針棒は、概して、実行/形成されるパターンの計算もしくは選択されたカムプロファイルまたは移行プロファイルにつき必要/所望に応じて、例えば、パターンの中で実行されている色の数および各具体的色によって形成されているパターン領域の面積に基づいて、シングルおよび/またはダブルジャンプもしくは移行の組み合わせを使用して、移行されることができる。シングルおよびダブル移行ジャンプまたはステップのそのような組み合わせは、針棒が横方向に移行されて、裏打ち材料がその有効または動作ステッチ率で前進されるにつれて、前もって縫製されたタフトに重ねてタフティングすること、もしくはそれに係合することを回避するために利用されることができる。裏打ちはまた、針棒移行機構と併せて、または別個にのいずれかで、裏打ちもしくはジュートシフタ等によって移行されることもできる。
【0043】
針が、図1および2に示されるように裏打ちBを貫通すると、ゲージ部品アセンブリ30のレベルカットループルーパまたはフック50は、それらの関連付けられるもしくは対応する針から糸のループに係合し、それを摘み取る、または引動するよう、矢印54の方向に針に向かって往復運動させられるであろう。加えて、レベルカットループルーパのためのアクチュエータ66は、針36が貫通し、裏打ちの中および外へのそれらのストロークを完了するにつれて、ビル63およびその喉部分62が針に対して所望の位置に位置するように、レベルカットループルーパまたはフックのうちの選択されたものを延在もしくは後退させるよう、選択的に制御されて係合されることができる。図4-5Cに示されるように、レベルカットループルーパまたはフックのビルおよび/または喉部分の場所もしくは位置付けは、完全延在位置または高度と、糸のループが、概して、いかなる糸のループも摘み取られないこと、および形成されているパターンのための命令に従ってステッチ場所または画素のそれぞれにおいて提示される糸から選択的に摘み取られる糸のループの長さの制御を含む、糸のループの選択的摘み取りを提供するように、そのようなレベルカットループルーパまたはフックによって摘み取られる、ならびに/もしくは形成されることを実質的に防止され得る、降下または後退した「非縫製」位置との間で変動されることができる。結果として、「完成した」パターンに示される、選択または所望される表側糸のループが、レベルカットループルーパまたはフックによって針から摘み取られる場所が、制御されることができ、裏打ち内に残留するそのような摘み取られた糸のループからの結果として生じたタフトの形成はさらに、種々の異なるパイル高さにおいて形成されることができるよう制御される。
【0044】
特定のステッチ場所において裏打ちの表側で保定される、または示されるものである、各画素もしくはステッチ場所で提示されている各一連の糸のうちの糸のタイプ/色は、概して、タフティングされたパターンの形成のためのパターン命令またはプログラミングによって判定されるであろう。そのような糸を運搬する針に対応する、もしくはそれと関連付けられる、レベルカットループルーパまたはフック50のアクティブ化および/もしくは位置付けを制御することは、選択されたパイル高さにおいてそのような糸の結果として生じたタフトを形成するよう、そのような糸がパターンに従って残留する各ステッチ場所で、タフティング機がその糸のループを選択的に摘み取って保定することを可能にすることができる。例えば、提示された糸が示されない、または出現しない場合、対応するレベルカットループルーパまたはフックは、糸のループが摘み取られないように非縫製位置まで後退されることができ、そのための糸送給は、糸が画素またはステッチ場所で保定されないように制御されることができる。保定された糸/色、すなわち、パターン化されたタフティングされた物品の表側に出現する糸に関して、レベルカットループルーパまたはフックおよびこれらの糸を送給する糸送給機構の位置もしくは高度は、概して、所望のタイプおよびパイル高さのタフトを形成するために十分である、そのような糸のループの摘み取りならびに形成を可能にするよう、協調的に制御されることができる。
【0045】
本発明の原理による、増加した有効または動作プロセスステッチ率(例えば、ステッチが裏打ちに形成される実際の割合)における裏打ち送給のさらなる制御は、バックロブされている糸が、保定された表側糸(パターンに従ってタフティングされた物品の表側に出現するもの)の間の望ましくない空間または間隙の作成、もしくは裏打ち材料に形成されるそのような保定された表側糸に干渉すること、またはそれらを通して見えることを回避するために十分な程度に除去される、または低く引動されるように、1インチにつきより高密度または圧縮されたステッチもしくはタフトの領域をさらに提供する。加えて、制御システムは、裏打ち材料の裏側で「浮動」し得る、保定されていない、または出現しない糸の量を制御して低減させることに役立ち、過剰な糸送給および/または無駄を低減させる/最小限にすることにさらに役立つために、糸送給補償ならびに/もしくは糸送給のモデリングを行うことができる。
【0046】
加えて、針のそれぞれへの糸のそれぞれの送給を制御する糸送給機構は、実質的に裏打ち材料から外へ針によって、または針の往復運動により運搬される糸をバックロブもしくは引動するように、選択的に制御されることができ、概して、そのような選択されていない糸の端部が選択されたステッチ場所を占有すること、または別様に選択された表側糸もしくはパターンに従って形成されている特定の色領域に示される糸の配置に干渉することを回避するために実質的に低い位置まで、いくつかの糸のループを後退させる、または引き戻す/低く引動することができる。例えば、特定のレベルカットループルーパまたはフックが完全後退位置もしくは「非縫製」位置まで後退される場合、ループが、概して、そのような完全に後退されたレベルカットループルーパまたはフックと関連付けられる針から摘み取られないであろう一方で、糸送給は、糸が裏打ち材料の中および外へそれらの針とともに移動することを可能にされるように、対応して制御される。加えて、レベルカットループルーパまたはフックが完全延在位置にあり、低いループを形成するとき等の、糸のループが形成されるある事例では、結果として生じた形成される糸のループはさらに、裏打ちと係合される、またはそれに「縫い付けられる」糸の量を残すような程度に、その糸送給の制御によって、バックロブされる、または実質的に低く引動される、もしくは裏打ち材料から引き出されることができる一方で、そのような選択されていない糸の端部が、概して、縫製されている色領域内の特定のステッチ場所における出現する表側または選択された糸の配置に干渉しないような程度に、そのような糸を実質的に除去する。
【0047】
裏打ち材料に縫い付けられている、または別様に固着されている、出現しない糸の配置はまた、後に引っ掛けられ得る、もしくは完成したタフティングされた物品に他の欠陥を引き起こし得る、そのような延長した長さの末端の形成を制御するように制御されることもできる。例えば、制御システムはまた、例えば、1インチ~1.5インチ毎に、所望の間隔で、そのような出現しない糸を縫い付ける、または低いステッチを形成するようにプログラム/設定されることができるが、より大きいまたは小さい間隔も使用されることができる。糸の補償もまた、概して、出現しない糸が裏打ち材料の中に縫い付けられることを可能にする一方で、糸が別の色を通して示される、または吹き出ること、すなわち、糸が、一緒に配置されているいくつかの糸とともに、ステッチ糸のうちの1つを通って突出することを防止する必要があるときに、十分な量の糸が送給されることを確実にすることに役立つために使用されることができる。加えて、延長した長さまたは末端が、複数の出現しない糸のために形成されるであろう場合に、そのような縫い付けられた糸が、相互に、および/または形成されている色領域の糸に干渉することを回避するよう、そのような異なる糸が裏打ち材料内に縫い付けられる間隔は、変動される(すなわち、一方を1インチ、他方を1.5インチ等で)ことができる。
【0048】
なおもさらに、アクチュエータ66はまた、その上に捕捉された糸のループとともに、それらの個別のレベルカットループルーパまたはフックに係合され、それを後退もしくは降下させることによって等、延長または伸長した糸のループの形成を引き起こすように、糸送給機構の制御と併せて制御されることもできる。捕捉された糸のループは、したがって、さらに引動および/または伸長されることができる一方で、対応する糸送給はまた、そのような糸の付加的な量の送給のために制御されることもできる。結果として、さらに長いまたはより大きい長さの糸のループが、先端剪断および/または他のパターン化特徴のため等に、より高いパイルタフトを作成するよう、ならびに/もしくは他の所望のパターン効果を生成するために、裏打ちに形成されることができる。それらのレベルカットループルーパまたはフック50を選択的に後退および延在させるためのアクチュエータ66の選択的制御がさらに、例えば、パイル高さのより段階的または微妙な差異もしくは変化を提供するため、または形成されている糸のタフトのパイル高さの間のより劇的もしくは明確な分離を提供するために、必要に応じて制御されている、パターン内の付加的変動または遷移ステップもしくはパイル高さを提供するように使用されることができる。
【0049】
故に、タフティング機の幅を横断して、制御システムは、特定のタフト場所またはパターン画素で縫製されることができる、もしくは縫製され得る、各色が、縫製のためにそのパターン画素空間またはタフト場所内で提示されるであろうが、特定の色またはパターンテクスチャ効果のための選択された糸タフトのみが、そのタフト/ステッチ場所もしくはパターン画素に留まるように、各色または所望のパターンテクスチャ効果の糸の移行および送給を制御するであろう。さらに記述されるように、混合色タフトを形成するため、または所望に応じてツイード効果を提供するために、タフティングステップ中に付加的もしくはより多くの色をルーパのそれぞれに提示することも可能であり、2つまたはそれを上回るステッチもしくは色が、所望のパターン画素またはタフト場所に配置されるであろう。ステッチ分配制御システムの動作の結果は、故に、完成したタフティングされた物品のための所望の密度およびパターン外観を得るために選択的に配置される、パターン色の多色視覚効果またはテクスチャ効果を提供する。これはさらに、選択されたパターン画素またはタフト場所におけるタフトもしくは糸の配置の制御によって、多種多様な幾何学的、自由流動、および他のパターン効果の作成を可能にする。
【0050】
したがって、本発明の彫刻を施したような多重パイル高さパターン物品をタフティングするためのシステムおよび方法は、オペレータが、パターンを計画して作成するために必ずしもデザインセンターを利用する必要なく、タフティング機において、種々の見た目、テクスチャ等を有する、種々のタフティングされたパターンを策定して実行することを可能にすることができる。代わりに、本発明によって、手動でパターンを準備すること、もしくはデザインセンターを使用することに加えて、および/またはその代替として、オペレータは、タフティング機において画像(すなわち、写真、図面、jpeg等)をスキャンする、またはデザインされたパターンファイルをアップロードすることができ、ステッチ分配制御システムは、画像を読み込み、プログラムステップまたはパラメータを策定して、その後、所望のタフティングされたパターン化物品を形成するために必然的に要求されるさらなるオペレータ入力または制御を実質的に伴わずに、タフティング機を制御することができる。
【0051】
前述の説明は、概して、本発明の種々の実施形態を図示および説明する。しかしながら、種々の変更および修正が、本明細書に開示されるような本発明の精神ならびに範囲から逸脱することなく、本発明の上記で議論される構造に行われ得、上記の説明に含有される、または付随する図面に示される全ての事柄は、限定的な意味で捉えられるのではなく、例証的であるとして解釈されるものとすると意図されることが、当業者によって理解されるであろう。さらに、本開示の範囲は、本発明の範囲内と見なされるものとする、上記の実施形態への種々の修正、組み合わせ、追加、改変等を網羅すると解釈されるものとする。故に、本明細書で議論されるような本発明の種々の特徴および特性は、選択的に交換され、本発明の他の図示される実施形態ならびに図示されていない実施形態に適用され得、多数のバリエーション、修正、および追加がさらに、添付の請求項に記載されるような本発明の精神ならびに範囲から逸脱することなく、それに行われることができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5