(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】梱包体、プラズマ照射モジュール、及びプラズマ照射システム
(51)【国際特許分類】
H05H 1/26 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
H05H1/26
(21)【出願番号】P 2022166210
(22)【出願日】2022-10-17
【審査請求日】2023-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中埜 吉博
(72)【発明者】
【氏名】松元 裕次
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 馨
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/256030(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/240855(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/017530(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ照射システムに用いられる梱包体であって、
前記プラズマ照射システムは、
把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含むプラズマ照射装置と、
前記プラズマ照射装置が接続され、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置と、を有し、
前記梱包体は、
前記着脱部品と、
前記着脱部品を梱包する梱包材と、
前記制御装置で読み取り可能な情報を含む情報部と、を有し、
前記情報部は、前記着脱部品の使用回数を記憶する記憶部、及び前記着脱部品の識別情報が記された識別部のうち少なくとも一方を含み、前記着脱部品、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられ、
前記プラズマ照射装置は、プラズマを発生させる放電部を有し、
前記放電部は、前記着脱部品に設けられ、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在する誘電体層を含む誘電体、のみによって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることに応じてプラズマを発生させ、
前記プラズマ照射装置は、前記第1電極に電気的に接続される第1配線と、前記第2電極に電気的に接続される第2配線と、を有し、
前記第1配線は、前記基部に設けられる第1導電路と、前記着脱部品に設けられる第2導電路と、を有し、
前記第2配線は、前記基部に設けられる第3導電路と、前記着脱部品に設けられる第4導電路と、を有し、
前記基部は、第1コネクタ部を有し、
前記着脱部品は、前記第1コネクタ部に接続される第2コネクタ部を有し、
前記第1導電路の一端、及び前記第3導電路の一端は、それぞれ前記第1コネクタ部に設けられ、
前記第2導電路の一端、及び前記第4導電路の一端は、それぞれ前記第2コネクタ部に設けられ、
前記第1コネクタ部に前記第2コネクタ部が接続されたときに、前記第1導電路に前記第2導電路が電気的に接続され、前記第3導電路に前記第4導電路が電気的に接続される
梱包体。
【請求項2】
前記プラズマ照射装置は、先端部に向かってガスを誘導するガス誘導路を有し、
前記着脱部品は、前記ガス誘導路の前記先端部を有し、
前記放電部は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることに応じて前記
ガス誘導路内でプラズマを発生させ、
前記ガス誘導路は、前記基部に設けられる第1流路と、前記着脱部品に設けられる第2流路と、を有し、
前記第1流路の一端は、前記第1コネクタ部に設けられ、
前記第2流路の一端は、前記第2コネクタ部に設けられ、
前記第1コネクタ部に前記第2コネクタ部が接続されたときに、前記第1流路から前記第2流路にガスを供給可能な状態となり、前記第1導電路に前記第2導電路が電気的に接続され、前記第3導電路に前記第4導電路が電気的に接続される
請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記情報部は、情報を記憶する記憶回路を含んで構成されており、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられる
請求項2に記載の梱包体。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の梱包体と、
前記基部を構成する基部構成体と、を有する
プラズマ照射モジュール。
【請求項5】
前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部、及び前記基部構成体の識別情報が記された第2識別部のうち少なくとも一方を含む
請求項4に記載のプラズマ照射モジュール。
【請求項6】
請求項4に記載のプラズマ照射モジュールと、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記記憶部を含み、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を読み取る読取処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
プラズマ照射システム。
【請求項7】
前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を読み取り、
前記記憶処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
請求項6に記載のプラズマ照射システム。
【請求項8】
請求項4に記載のプラズマ照射モジュールと、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記識別部を含み、
前記制御装置は、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報を読み取る読取処理と、読み取った識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を装置側記憶部に記憶する記憶処理と、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
プラズマ照射システム。
【請求項9】
前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報、及び前記第2記憶部に記憶された前記基部構成体の識別情報を読み取り、
前記記憶処理では、読み取った前記着脱部品の識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を前記装置側記憶部に記憶し、前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
請求項8に記載のプラズマ照射システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記プラズマ照射装置の作動を許可した状態のまま予め定められた所定時間が経過した場合に、経過したことを使用者に報知する
請求項6に記載のプラズマ照射システム。
【請求項11】
把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含むプラズマ照射装置と、
前記プラズマ照射装置が接続され、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置と、
記憶部を含み、前記制御装置に接続されるドングルと、を有し、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行い、
前記プラズマ照射装置は、プラズマを発生させる放電部を有し、
前記放電部は、前記着脱部品に設けられ、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在する誘電体層を含む誘電体、のみによって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることに応じてプラズマを発生させ、
前記プラズマ照射装置は、前記第1電極に電気的に接続される第1配線と、前記第2電極に電気的に接続される第2配線と、を有し、
前記第1配線は、前記基部に設けられる第1導電路と、前記着脱部品に設けられる第2導電路と、を有し、
前記第2配線は、前記基部に設けられる第3導電路と、前記着脱部品に設けられる第4導電路と、を有し、
前記基部は、第1コネクタ部を有し、
前記着脱部品は、前記第1コネクタ部に接続される第2コネクタ部を有し、
前記第1導電路の一端、及び前記第3導電路の一端は、それぞれ前記第1コネクタ部に設けられ、
前記第2導電路の一端、及び前記第4導電路の一端は、それぞれ前記第2コネクタ部に設けられ、
前記第1コネクタ部に前記第2コネクタ部が接続されたときに、前記第1導電路に前記第2導電路が電気的に接続され、前記第3導電路に前記第4導電路が電気的に接続される
プラズマ照射システム。
【請求項12】
前記プラズマ照射装置は、先端部に向かってガスを誘導するガス誘導路を有し、
前記着脱部品は、前記ガス誘導路の前記先端部を有し、
前記放電部は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されることに応じて前記
ガス誘導路内でプラズマを発生させ、
前記ガス誘導路は、前記基部に設けられる第1流路と、前記着脱部品に設けられる第2流路と、を有し、
前記第1流路の一端は、前記第1コネクタ部に設けられ、
前記第2流路の一端は、前記第2コネクタ部に設けられ、
前記第1コネクタ部に前記第2コネクタ部が接続されたときに、前記第1流路から前記第2流路にガスを供給可能な状態となり、前記第1導電路に前記第2導電路が電気的に接続され、前記第3導電路に前記第4導電路が電気的に接続される
請求項11に記載のプラズマ照射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、梱包体、プラズマ照射モジュール、及びプラズマ照射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラズマを照射するプラズマ照射装置が開示されている。プラズマ照射装置は、歯科治療などの手術に用いられる。プラズマ照射装置におけるプラズマを照射する部分の周辺では、照射対象からの飛散物が付着しやすい。しかし、特許文献1では、プラズマ照射装置におけるプラズマを照射する部分を含むノズルが、着脱可能となっている。このため、照射対象からの飛散物がノズルに付着しても、ノズルだけの交換が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにプラズマ照射装置の先端に着脱可能な着脱部品が設けられる構成においては、着脱部品の使用回数を管理しやすいことが望ましい。
【0005】
本発明は、プラズマ照射装置の先端に設けられる着脱部品の使用回数を管理しやすくすることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の梱包体は、
プラズマ照射システムに用いられる梱包体であって、
前記プラズマ照射システムは、
把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含むプラズマ照射装置と、
前記プラズマ照射装置が接続され、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置と、を有し、
前記梱包体は、
前記着脱部品と、
前記着脱部品を梱包する梱包材と、
前記制御装置で読み取り可能な情報を含む情報部と、を有し、
前記情報部は、前記着脱部品の使用回数を記憶する記憶部、及び前記着脱部品の識別情報が記された識別部のうち少なくとも一方を含み、前記着脱部品、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられる。
【0007】
本発明のプラズマ照射モジュールは、
前記梱包体と、
前記基部を構成する基部構成体と、を有する。
【0008】
本発明のプラズマ照射システムは、
前記プラズマ照射モジュールと、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記記憶部を含み、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を読み取る読取処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う。
【0009】
本発明のプラズマ照射システムは、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記識別部を含み、
前記制御装置は、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報を読み取る読取処理と、読み取った識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を装置側記憶部に記憶する記憶処理と、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラズマ照射装置の先端に設けられる着脱部品の使用回数を管理しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施形態のプラズマ照射システムを概略的に例示する構成図である。
【
図2】
図2は、基部に着脱部品が取り付けられる前の状態を例示する側面図である。
【
図3】
図3は、基部に着脱部品が取り付けられた状態を例示する側断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態のプラズマ照射システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図6】
図6は、制御装置が行う処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2実施形態のプラズマ照射システムを概略的に例示する構成図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態のプラズマ照射システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態のプラズマ照射システムを概略的に例示する構成図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態のプラズマ照射システムの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態の梱包体を概略的に例示する説明図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態の着脱部品の側断面図である。
【
図13】
図13は、第6実施形態の着脱部品の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。
【0013】
〔1〕プラズマ照射システムに用いられる梱包体であって、
前記プラズマ照射システムは、
把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含むプラズマ照射装置と、
前記プラズマ照射装置が接続され、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置と、を有し、
前記梱包体は、
前記着脱部品と、
前記着脱部品を梱包する梱包材と、
前記制御装置で読み取り可能な情報を含む情報部と、を有し、
前記情報部は、前記着脱部品の使用回数を記憶する記憶部、及び前記着脱部品の識別情報が記された識別部のうち少なくとも一方を含み、前記着脱部品、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられる
梱包体。
【0014】
情報部は、着脱部品、当該着脱部品を梱包する梱包材、及び当該着脱部品を梱包する梱包材内のいずれかに設けられることで、当該着脱部品に対応付けられている。つまり、情報部が記憶部を含む構成においては、着脱部品に対応付けられた記憶部によって、着脱部品の使用回数を管理することができる。また、情報部が識別部を含む構成においては、着脱部品に対応付けられた識別部を用いて、制御装置側で当該着脱部品の識別情報を特定し、識別情報ごとに着脱部品の使用回数を管理することができる。このように、上記梱包体は、着脱部品の使用回数を管理しやすくすることができる。
【0015】
〔2〕前記プラズマ照射装置は、プラズマを発生させる放電部を有し、
前記放電部は、前記着脱部品に設けられる
〔1〕に記載の梱包体。
【0016】
この構成によれば、放電部が放出口に近づけて配置されるため、放出口に近い領域でプラズマがより発生しやすくなる。
【0017】
〔3〕前記情報部は、情報を記憶する記憶回路を含んで構成されており、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられる
〔2〕に記載の梱包体。
【0018】
情報部の記憶回路に記憶される情報は、放電部に印加される電圧に起因して生じる電磁ノイズの影響を受けるおそれがある。上記梱包体は、情報部が、梱包材、及び梱包材内の少なくともいずれかに設けられるため、情報部を、放電部が設けられる着脱部品から離間させることができる。このため、上記梱包体は、放電部に印加される電圧に起因して生じる電磁ノイズの影響を、情報部の情報に及びにくくすることができる。
【0019】
〔4〕〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の梱包体と、
前記基部を構成する基部構成体と、を有する
プラズマ照射モジュール。
【0020】
〔5〕前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部、及び前記基部構成体の識別情報が記された第2識別部のうち少なくとも一方を含む
〔4〕に記載のプラズマ照射モジュール。
【0021】
上記プラズマ照射モジュールは、第2情報部が第2記憶部を含む構成においては、第2記憶部を用いて基部構成体の使用回数を管理することができる。また、第2情報部が第2識別部を含む構成においては、第2識別部に記された識別情報を制御装置側で特定し、識別情報ごとに基部構成体の使用回数を管理することができる。このように、上記プラズマ照射モジュールは、着脱部品の使用回数だけでなく、基部構成体の使用回数も管理しやすくすることができる。
【0022】
〔6〕〔4〕又は〔5〕に記載のプラズマ照射モジュールと、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記記憶部を含み、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を読み取る読取処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
プラズマ照射システム。
【0023】
上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいてプラズマ照射装置の作動を許可するため、プラズマ照射装置の作動が許可されなくなると、新たな情報部が必要となる。新たな情報部を用意するためには、新たな梱包体を開封する必要がある。新たな梱包体の開封は、着脱部品の交換につながる。つまり、上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいて着脱部品の交換を使用者に促すことができる。
【0024】
〔7〕前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を読み取り、
前記記憶処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
〔6〕に記載のプラズマ照射システム。
【0025】
上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数が上限に達すると、着脱部品の交換が必要となり、基部構成体の使用回数が上限に達すると、基部構成体の交換が必要となる。よって、上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいて着脱部品の交換を使用者に促すことができるだけでなく、基部構成体の使用回数に基づいて基部構成体の交換も使用者に促すことができる。
【0026】
〔8〕〔4〕又は〔5〕に記載のプラズマ照射モジュールと、
前記制御装置と、を有し、
前記情報部は、前記識別部を含み、
前記制御装置は、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報を読み取る読取処理と、読み取った識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を装置側記憶部に記憶する記憶処理と、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
プラズマ照射システム。
【0027】
上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいてプラズマ照射装置の作動を許可するため、プラズマ照射装置の作動が許可されなくなると、新たな情報部が必要となる。新たな情報部を用意するためには、新たな梱包体を開封する必要がある。新たな梱包体の開封は、着脱部品の交換につながる。つまり、上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいて着脱部品の交換を使用者に促すことができる。
【0028】
〔9〕前記基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報、及び前記第2記憶部に記憶された前記基部構成体の識別情報を読み取り、
前記記憶処理では、読み取った前記着脱部品の識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を前記装置側記憶部に記憶し、前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
〔8〕に記載のプラズマ照射システム。
【0029】
上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数が上限に達すると、着脱部品の交換が必要となり、基部構成体の使用回数が上限に達すると、基部構成体の交換が必要となる。よって、上記プラズマ照射システムは、着脱部品の使用回数に基づいて着脱部品の交換を使用者に促すことができるだけでなく、基部構成体の使用回数に基づいて基部構成体の交換も使用者に促すことができる。
【0030】
〔10〕前記制御装置は、前記プラズマ照射装置の作動を許可した状態のまま予め定められた所定時間が経過した場合に、経過したことを使用者に報知する
〔6〕から〔9〕のいずれかに記載のプラズマ照射システム。
【0031】
上記プラズマ照射システムは、プラズマ照射装置の作動を許可した状態のまま所定時間が経過したことを使用者に報知することができる。
【0032】
〔11〕把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含むプラズマ照射装置と、
前記プラズマ照射装置が接続され、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置と、
記憶部を含み、前記制御装置に接続されるドングルと、を有し、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
プラズマ照射システム。
【0033】
上記プラズマ照射システムは、ドングルを用いて、着脱部品の使用回数を管理することができる。
【0034】
〔12〕プラズマ照射装置及び梱包体を有するプラズマ照射システムに用いられ、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置であって、
前記プラズマ照射装置は、把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含み、
前記梱包体は、
前記着脱部品と、
前記着脱部品を梱包する梱包材と、
前記制御装置で読み取り可能な情報を含む情報部と、を有し、
前記情報部は、前記着脱部品の使用回数を記憶する記憶部を含み、前記着脱部品、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられ、
前記制御装置は、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を読み取る読取処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数を更新する記憶処理と、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
制御装置。
【0035】
上記制御装置は、着脱部品の使用回数を管理することができる。
【0036】
〔13〕前記プラズマ照射装置は、前記基部を構成する基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を読み取り、
前記記憶処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数、及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
〔12〕に記載の制御装置。
【0037】
上記制御装置は、着脱部品の使用回数だけでなく、基部構成体の使用回数も管理することができる。
【0038】
〔14〕プラズマ照射装置及び梱包体を有するプラズマ照射システムに用いられ、前記プラズマ照射装置を制御する制御装置であって、
前記プラズマ照射装置は、把持部として機能する基部と、前記基部に着脱可能に取り付けられプラズマを放出する放出口が形成された着脱部品と、を含み、
前記梱包体は、
前記着脱部品と、
前記着脱部品を梱包する梱包材と、
前記制御装置で読み取り可能な情報を含む情報部と、を有し、
前記情報部は、前記着脱部品の識別情報が記された識別部を含み、前記着脱部品、前記梱包材、及び前記梱包材内の少なくともいずれかに設けられ、
前記制御装置は、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報を読み取る読取処理と、読み取った識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を装置側記憶部に記憶する記憶処理と、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する許可処理と、を行う
制御装置。
【0039】
上記制御装置は、着脱部品の使用回数を管理することができる。
【0040】
〔15〕前記プラズマ照射装置は、前記基部を構成する基部構成体に設けられ、前記制御装置で読み取り可能な情報を含む第2情報部を有し、
前記第2情報部は、前記基部構成体の使用回数を記憶する第2記憶部を含み、
前記読取処理では、前記識別部に記された前記着脱部品の識別情報、及び前記第2記憶部に記憶された前記基部構成体の識別情報を読み取り、
前記記憶処理では、読み取った前記着脱部品の識別情報に対応付けて前記着脱部品の使用回数を前記装置側記憶部に記憶し、前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数を更新し、
前記許可処理では、前記装置側記憶部に記憶される前記着脱部品の使用回数及び前記第2記憶部に記憶される前記基部構成体の使用回数に基づいて前記プラズマ照射装置の作動を許可する
〔14〕に記載の制御装置。
【0041】
上記制御装置は、着脱部品の使用回数だけでなく、基部構成体の使用回数も管理することができる。
【0042】
〔16〕前記プラズマ照射装置の作動を許可した状態のまま予め定められた所定時間が経過した場合に、経過したことを使用者に報知する
〔12〕から〔15〕のいずれかに記載の制御装置。
【0043】
上記制御装置は、プラズマ照射装置の作動を許可した状態のまま所定時間が経過したことを使用者に報知することができる。
【0044】
1.第1実施形態
1-1.プラズマ照射システム100の構成
図1には、プラズマ照射システム100に用いられる梱包体1が開示されている。プラズマ照射システム100は、例えば、歯科治療等の手術に用いられる。プラズマ照射システム100は、プラズマを照射するプラズマ照射装置10と、プラズマ照射装置10を制御する制御装置50と、制御装置50に接続されるドングル60と、プラズマ照射装置10にガスを供給するガス供給装置102と、プラズマ照射装置10に電力を供給する電源装置104(
図5参照)と、を有する。
【0045】
プラズマ照射装置10は、例えば施術対象の生体組織に対してプラズマを照射する手術用装置として構成される。プラズマ照射装置10は、電源装置104(
図5参照)から供給される電力に基づいてプラズマを発生させて照射する。プラズマ照射装置10は、低侵襲の低エネルギーのプラズマを照射する。
【0046】
プラズマ照射装置10は、制御装置50に接続される基部構成体11と、基部構成体11に着脱可能に取り付けられる着脱部品12と、を有する。
【0047】
基部構成体11は、制御装置50に接続されるコネクタ13と、コネクタ13から先端側に延びるケーブル14と、ケーブル14の先端部に設けられる基部15と、を有する。ケーブル14は、可撓性を有する。ケーブル14は、中継配線と、中継流路と、中継配線及び中継流路の外周を一括して覆うシースと、を有する。基部15は、
図2に示すように、所定方向(より具体的には、先後方向)に長い形態をなしている。基部15は、把持部として機能する。基部15は、第1ケース16を有する。第1ケース16は、基部15の外殻をなす。第1ケース16は、絶縁性を有し、例えば樹脂材料を用いて構成される。第1ケース16は、所定方向(より具体的には、先後方向)に長い筒状をなしている。基部15(より具体的には、基部15の先端部)には、着脱部品12が着脱可能に取り付けられる。
【0048】
着脱部品12は、
図2に示すように、第2ケース17を有する。第2ケース17は、着脱部品12の外殻をなす。第2ケース17は、絶縁性を有し、例えば樹脂材料を用いて構成される。第2ケース17は、筒状をなす。着脱部品12には、放出口22Bが形成されている。着脱部品12及び基部15は、プラズマ照射器具20を構成する。
【0049】
プラズマ照射器具20は、
図3に示すように、自身の先端部に向かってガスを誘導するガス誘導路22と、ガス誘導路22内でプラズマを発生させる放電部23と、を有する。ガス誘導路22は、ケーブル14の中継流路を介して、ガス供給装置102から供給されたガスを、ガス誘導路22の先端部に向かって誘導する。
【0050】
ガス誘導路22は、
図3に示すように、ガスを導入する導入口22Aと、ガスを放出する放出口22Bと、導入口22Aと放出口22Bとの間に設けられる流路22Cと、を有する。ガス誘導路22は、ガス供給装置102から供給されるガスを導入口22Aから導入し、導入口22A側から導入されたガスを流路22C内の空間を通して放出口22Bに誘導する誘導路となっている。放出口22Bは、プラズマ照射装置10の先端部に設けられ、先方に向かって開放されている。ガス誘導路22は、流動するガスを放出口22Bを介して放出する。放出口22Bは、「ガス誘導路22の先端部」に相当する。
【0051】
放電部23は、
図3及び
図4に示すように、第1電極31、第2電極32、及び第1電極31と第2電極32との間に介在する誘電体層33Aを含む誘電体33、のみによって構成される。放電部23は、中空状をなしており、ガス誘導路22の少なくとも一部を構成している。放電部23は、基部15の長手方向(先後方向)に長い形態をなしている。放電部23は、着脱部品12に設けられる。放電部23は、着脱部品12における先端部(放出口22B)側に配置される。なお、「着脱部品12における先端部側」は、「着脱部品12における先後方向(基部15の長手方向)の中心よりも先端部側」のことである。
【0052】
第1電極31は、放電電極として機能する。第2電極32は、接地電極として機能する。第1電極31及び第2電極32は、それぞれ基部15の長手方向(先後方向)に沿って延びる形態をなしている。第1電極31及び第2電極32は、誘電体33と一体的に設けられている。第1電極31及び第2電極32は、互いに離間して配置され、誘電体33の誘電体層33Aを介在させて互いに対向して配置される。
【0053】
誘電体33は、中空状をなしており、ガス誘導路22の少なくとも一部を構成している。誘電体33は、基部15の長手方向(先後方向)に長い形態をなしている。誘電体33は、例えばアルミナなどのセラミック材料、ガラス材料、樹脂材料などを好適に用いることができる。誘電体33の先端は、第1電極31及び第2電極32のいずれよりも先端側に配置されている。
【0054】
放電部23は、第1電極31と第2電極32との間に電圧が印加されることに応じてガス誘導路22内でプラズマを発生させる。より具体的には、放電部23は、第1電極31と第2電極32との電位差に基づく電界をガス誘導路22内で発生させて、放電(より具体的には、沿面放電)によるプラズマ(より具体的には、低温プラズマ)をガス誘導路22内で発生させるように機能する。放電部23は、第2電極32の電位を一定の基準電位(例えば、0Vのグラウンド電位)に保ちつつ、周期的に変化する電圧が第1電極31に印加されることに応じてガス誘導路22内で沿面放電させ、プラズマ(より具体的には、低温プラズマ)を発生させる。
【0055】
上述したガス誘導路22の流路22Cは、基部15に設けられる第1流路35Aと、着脱部品12に設けられる第2流路35Bと、を有する。第1流路35Aは、第1ケース16の内部に配置される。第1流路35Aは、第2流路35Bよりもガス供給装置102側に配置される。第2流路35Bは、第1流路35Aよりも放出口22B側に配置される。第1流路35Aには、ガス供給装置102側から供給されるガスが導入される。第1流路35Aは、ガス供給装置102側から供給されたガスを、第2流路35B側に流す。第2流路35Bは、第1流路35A側から供給されたガスを放出口22B側に誘導し、放出口22Bから放出させる。なお、放電部23は、第2流路35B内でプラズマを発生させる。
【0056】
プラズマ照射器具20は、第1電極31に電気的に接続される第1配線36Aと、第2電極32に電気的に接続される第2配線36Bと、を有する。第1配線36Aと第2配線36Bとの間には、電源装置104に基づく電圧が印加される。第1配線36Aと第2配線36Bとの間に印加された電圧は、第1電極31と第2電極32との間に印加される。
【0057】
第1配線36Aは、基部15に設けられる第1導電路37Aと、着脱部品12に設けられる第2導電路37Bと、を有する。第2配線36Bは、基部15に設けられる第3導電路37Cと、着脱部品12に設けられる第4導電路37Dと、を有する。第1導電路37A及び第3導電路37Cは、第1ケース16内に配置される。第2導電路37B及び第4導電路37Dは、第2ケース17内に配置される。なお、
図4では、第2導電路37B及び第4導電路37Dの具体的な配線経路が省略されている。
【0058】
基部15は、第1コネクタ部38Aを有する。第1コネクタ部38Aは、基部15の先端部に設けられる。着脱部品12は、第2コネクタ部38Bを有する。第2コネクタ部38Bは、着脱部品12の後端部に設けられる。第1コネクタ部38Aと第2コネクタ部38Bは、互いに接続される。
【0059】
第1流路35Aの一端は、第1コネクタ部38Aに設けられる。第1流路35Aの他端には、導入口22Aが設けられる。第1導電路37Aの一端、及び第3導電路37Cの一端は、それぞれ第1コネクタ部38Aに設けられる。
【0060】
第2流路35Bの一端は、第2コネクタ部38Bに設けられる。第2流路35Bの他端には、放出口22Bが設けられる。第2導電路37Bの一端、及び第4導電路37Dの一端は、それぞれ第2コネクタ部38Bに設けられる。第2導電路37Bの他端は、第1電極31に電気的に接続される。第4導電路37Dの他端は、第2電極32に電気的に接続される。第2電極32は、第2配線36Bを介してグラウンドに接続される。
【0061】
第1コネクタ部38Aに第2コネクタ部38Bが接続されたときに、第1流路35Aから第2流路35Bにガスを供給可能な状態となり、第1導電路37Aに第2導電路37Bが電気的に接続され、第3導電路37Cに第4導電路37Dが電気的に接続される。
【0062】
例えば、第1流路35Aを構成する第1管部と、第2流路35Bを構成する第2管部とが、ガス漏れを防止した状態で接続される。例えば、第1導電路37A及び第2導電路37Bは、一方に雌端子が設けられ、他方に雄端子が設けられ、雌端子と雄端子が接続されることで互いに電気的に接続される。例えば、第3導電路37C及び第4導電路37Dは、一方に雌端子が設けられ、他方に雄端子が設けられ、雌端子と雄端子が接続されることで互いに電気的に接続される。
【0063】
基部15は、入力電圧を昇圧して昇圧した電圧を放電部23に印加する昇圧回路部39を有する。昇圧回路部39は、第1ケース16内に配置される。昇圧回路部39は、昇圧トランスを有する。昇圧回路部39には、第1導電路37Aの他端及び第3導電路37Cの他端が電気的に接続される。昇圧回路部39は、電源装置104に基づく入力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を第1導電路37Aと第3導電路37Cとの間に印加する。これにより、昇圧回路部39は、第1電極31と第2電極32との間に所望の電圧を印加する。
【0064】
昇圧回路部39は、高周波電圧発生回路として機能する。昇圧回路部39は、第2電極32をグラウンド電位に保ちつつ、第1電極31と第2電極32との間に所定周波数の交流電圧を印加する。昇圧回路部39は、高周波数(例えば、20kHz~300kHz程度)の高電圧(例えば、振幅が0.5kV~10kVの高電圧)を生成し得る回路であれば、公知の様々な回路を採用し得る。なお、昇圧回路部39が発生させる高電圧の周波数は、一定値に固定された周波数であってもよく、変動してもよい。また、昇圧回路部39が第1電極31と第2電極32との間に印加する電圧は、周期的に変化する電圧であればよく、正弦波の交流電圧であってもよく、非正弦波(例えば、矩形波、三角波など)の交流電圧であってもよい。
【0065】
着脱部品12は、
図4に示すように、外周保護部41を有する。外周保護部41は、絶縁性を有し、例えば樹脂材料を用いて構成される。外周保護部41は、中空状をなす放電部23の外周を覆う。外周保護部41は、筒状をなしている。外周保護部41は、第2ケース17内に配置される。外周保護部41の外周は、第2ケース17に覆われる。
【0066】
着脱部品12の第2ケース17は、
図4に示すように、先端保護部42を有する。先端保護部42は、絶縁性を有し、例えば樹脂材料を用いて構成される。先端保護部42は、放電部23の先端面を覆う。先端保護部42は、放電部23の先端面に接触しており、放電部23の先端面に固定されている。先端保護部42は、ガス誘導路22の一部を構成している。先端保護部42の先端部には、放出口22Bが形成されている。
【0067】
着脱部品12は、
図4に示すように、スイッチ43を有する。スイッチ43は、第2ケース17の上面側に設けられている。スイッチ43は、プラズマ照射装置10(より具体的には、プラズマ照射器具20)からプラズマを照射する状態と、プラズマの照射を停止する状態とを切り替える操作部である。例えば、スイッチ43は、押圧式スイッチであり、押圧状態でプラズマを照射する状態となり、押圧解除状態でプラズマの照射を停止する状態となる。なお、
図4では、スイッチ43の周辺構成(スイッチ43の操作に基づいて放電部23の放電等を制御する回路等)を省略しているが、一般的な制御回路等を採用することができる。
【0068】
プラズマ照射装置10は、
図1に示すように、照準器44を有する。照準器44は、プラズマ照射器具20に配され、プラズマ照射時にプラズマ照射位置の照準を合わせるために用いられる機器である。照準器44は、
図2に示すように、光源45,46と、本体部47と、を有している。光源45,46は、本体部47に組み付けられている。本体部47は、円環状である。本体部47は、着脱部品12の外周を囲むように配置される。本体部47は、プラズマ照射器具20に対して着脱可能である。光源45,46は、指向性を有する光を照射する。照準器44は、プラズマ照射器具20によるプラズマが照射される被照射体(例えば、施術対象の生体組織)に向けて光源45,46からの光を照射する。
【0069】
ドングル60は、
図5に示すように、第1処理部60Aと、第1情報部60Bと、を有する情報媒体である。第1処理部60A及び第1情報部60Bは、例えばIC(Integrated Circuit)チップを含んで構成される。つまり、第1情報部60Bは、情報を記憶する記憶回路を含んで構成される。第1処理部60Aは、第1情報部60Bに記憶される情報を読み取り、第1情報部60Bに所定の情報を書き込む。第1処理部60Aは、制御装置50と通信し得る。第1情報部60Bは、「情報部」の一例に相当する。第1情報部60Bは、制御装置50で読み取り可能な情報を含む。第1情報部60Bは、第1記憶部60Cと、第1識別部60Dと、を含む。第1記憶部60Cは、「記憶部」の一例に相当する。第1記憶部60Cは、着脱部品12の使用回数を記憶する。第1識別部60Dは、ドングル60と同封される着脱部品12の識別情報を予め記憶している。着脱部品12の識別情報には、着脱部品12の型番、着脱部品12の製造番号、着脱部品12のシリアル番号、着脱部品12のロット番号などが含まれる。第1情報部60Bは、ドングル60が制御装置50に接続された日時を記憶する。
【0070】
コネクタ13は、
図5に示すように、第2処理部13Aと、第2情報部13Bと、を有する。第2処理部13A及び第2情報部13Bは、例えばIC(Integrated Circuit)チップを含んで構成される。つまり、第2情報部13Bは、情報を記憶する記憶回路を含んで構成される。第2処理部13Aは、第2情報部13Bに記憶される情報を読み取り、第2情報部13Bに所定の情報を書き込む。第2処理部13Aは、制御装置50と通信し得る。第2情報部13Bは、制御装置50で読み取り可能な情報を含む。第2情報部13Bは、第2記憶部13Cと、第2識別部13Dと、を含む。第2記憶部13Cは、基部構成体11の使用回数を記憶する。第2識別部13Dは、基部構成体11の識別情報を予め記憶している。基部構成体11の識別情報には、基部構成体11の型番、基部構成体11の製造番号、基部構成体11のシリアル番号、基部構成体11のロット番号などが含まれる。第2情報部13Bは、基部構成体11が制御装置50に接続された日時を記憶する。
【0071】
制御装置50は、
図5に示すように、制御部50Aと、入力部50Bと、出力部50Cと、装置側記憶部50Dと、を有する。
【0072】
制御部50Aは、プラズマ照射装置10の動作を制御する。制御部50Aは、例えばMCU(Micro Processor Unit)を含んで構成される。制御部50Aには、基部構成体11及び着脱部品12が正規品であるか否かを判定するための参照情報が記憶されている。参照情報は、基部構成体11の型番、及びドングル60の型番を含む。制御部50Aは、ドングル60(より具体的には、第1処理部60A)、及びコネクタ13(より具体的には、第2処理部13A)と通信し得る。
【0073】
入力部50Bは、例えば公知の入力装置を用いて構成される。公知の入力装置は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどである。入力部50Bに入力された情報は、入力部50Bから制御部50Aに入力される。
【0074】
出力部50Cは、例えば公知の出力装置を用いて構成される。公知の出力装置は、例えば表示部(例えば液晶表示部)、音声出力部(例えば、スピーカ)などである。
【0075】
装置側記憶部50Dは、例えば公知の半導体メモリによって構成される。
【0076】
制御装置50には、
図5に示すように、ガス供給装置102が接続されている。ガス供給装置102は、制御装置50の制御部50Aに制御される。ガス供給装置102は、ヘリウムガス等の不活性ガス(以下、単にガスともいう)を供給する装置である。ガス供給装置102は、例えば、プラズマ照射器具20とガス供給装置102との間に介在する可撓性の管路(ケーブル14内の中継流路)を介して後述するガス誘導路22に不活性ガスを供給する。ガス供給装置102は、例えばボンベ等から供給される高圧ガスを減圧するレギュレータと、流量制御を行う制御部とを含む。
【0077】
制御装置50には、
図5に示すように、電源装置104が設けられている。電源装置104は、放電部23の第1電極31と第2電極32との間に所望の電圧を印加するための装置である。電源装置104は、第1電極31と第2電極32との間に所定周波数の交流電圧を印加する。なお、電源装置104が発生させる高電圧の周波数は、一定値に固定された周波数であってもよく、変動してもよい。また、電源装置104が第2電極32と第1電極31との間に印加する電圧は、周期的に変化する電圧であればよく、正弦波の交流電圧であってもよく、非正弦波(例えば、矩形波、三角波など)の交流電圧であってもよい。
図3に示すように、第1電極31は、高電位側の第1配線36Aに電気的に接続されている。第2電極32は、低電位側の第2配線36Bに電気的に接続されている。第1配線36A及び第2配線36Bには、電圧を昇圧する昇圧回路部39が設けられている。昇圧回路部39は、電源装置104側から入力された電圧を昇圧して第1電極31と第2電極32との間に印加する。なお、第2電極32は、グラウンド電位に保たれていてもよいし、グラウンド電位に保たれていなくてもよい。
【0078】
梱包体1は、上述した着脱部品12と、上述したドングル60と、梱包材2と、を有する。梱包材2は、着脱部品12及びドングル60を一括して梱包する。梱包材2は、1つの着脱部品12と、1つのドングル60と、を一括して梱包する。着脱部品12とドングル60との間に仕切りがあってもよい。着脱部品12及びドングル60は、梱包材2の同一の空間内に配置される構成であってもよいし、梱包材2の別々の空間に分けて配置される構成であってもよい。ドングル60は、梱包材2内に設けられる。つまり、ドングル60が有する第1情報部60Bは、梱包材2内に設けられる。このように、着脱部品12及びドングル60が梱包材2によって一括して梱包されることで、ドングル60の第1情報部60Bが、着脱部品12に対応付けられている。
【0079】
梱包体1は、基部構成体11とともに、プラズマ照射モジュール90を構成する。
【0080】
1-2.プラズマ照射システム100の動作
制御装置50の制御部50Aは、開始条件が成立した場合に、
図6に示す処理を行う。開始条件は、例えば、制御装置50の電源がオン状態に切り替わったことであってもよいし、開始操作が行われたことであってもよい。
【0081】
制御部50Aは、ステップS101にて、読取処理を行う。読取処理は、基部構成体11の識別情報及び着脱部品12の識別情報を読み取る処理である。制御部50Aは、制御装置50に接続されるドングル60から着脱部品12の識別情報を読み取る。制御部50Aは、基部構成体11の識別情報及び着脱部品12の識別情報を読み取った後、ステップS102の認識処理に移行する。
【0082】
認識処理は、基部構成体11及びドングル60を認識する処理である。認識処理には、基部構成体11を認識する基部構成体認識処理と、ドングル60を認識するドングル認識処理とが含まれる。本実施形態では、基部構成体認識処理で基部構成体11が認識された後にドングル認識処理が行われる。なお、ドングル認識処理でドングル60が認識された後に基部構成体認識処理が行われてもよい。また、基部構成体認識処理とドングル認識処理が並行して行われてもよい。
【0083】
制御部50Aは、基部構成体認識処理にて、以下の動作を行う。制御部50Aは、読取処理で読み取った基部構成体11の型番と、参照情報とに基づいて、制御装置50に接続される基部構成体11が正規品であるか否かを判定する。制御部50Aは、参照情報における基部構成体11の型番の中に、読み取った基部構成体11の型番が含まれる場合に、当該基部構成体11が正規品であると判定し、含まれない場合に正規品でないと判定する。制御部50Aは、基部構成体11が正規品でないと判定した場合、プラズマ照射装置10の作動を許可しない。制御部50Aは、基部構成体11が正規品であると判定した場合(つまり、基部構成体11を認識した場合)、ドングル認識処理に移行する。
【0084】
制御部50Aは、ドングル認識処理にて、以下の動作を行う。制御部50Aは、読取処理で読み取った着脱部品12の型番と、参照情報とに基づいて、制御装置50に接続されるドングル60に対応付けられた着脱部品12が正規品であるか否かを判定する。制御部50Aは、参照情報における着脱部品12の型番の中に、読み取った着脱部品12の型番が含まれる場合に、当該着脱部品12が正規品であると判定し、含まれない場合に正規品でないと判定する。制御部50Aは、ドングル60が正規品でないと判定した場合、プラズマ照射装置10の作動を許可しない。制御部50Aは、ドングル60が正規品であると判定した場合(つまり、ドングル60を認識した場合)、ステップS103の記憶処理に移行する。
【0085】
制御部50Aは、記憶処理にて以下の動作を行う。制御部50Aは、認識したドングル60の第1記憶部60Cに記憶される着脱部品12の使用回数を更新する。より具体的には、制御部50Aは、ドングル60の第1記憶部60Cに記憶される着脱部品12の使用回数に1加算する。なお、着脱部品12の使用回数の初期値は、0である。また、制御部50Aは、認識した基部構成体11の第2記憶部13Cに記憶される基部構成体11の使用回数を更新する。より具体的には、制御部50Aは、基部構成体11の第2記憶部13Cに記憶される基部構成体11の使用回数に1加算する。なお、基部構成体11の使用回数の初期値は、0である。制御部50Aは、記憶処理の後、ステップS104の許可処理に移行する。
【0086】
制御部50Aは、許可処理にて以下の動作を行う。制御部50Aは、ドングル60及び基部構成体11を認識した場合に、第1記憶部60Cに記憶される着脱部品12の使用回数及び第2記憶部13Cに記憶される基部構成体11の使用回数に基づいてプラズマ照射装置10の作動を許可する。
【0087】
制御部50Aは、着脱部品12の使用回数が第1上限回数(例えば4回)以上であると判定した場合、プラズマ照射装置10の作動を許可しない。第1上限回数は、予め設定される値であり、固定値であってもよいし、任意に設定される値であってもよい。
【0088】
制御部50Aは、基部構成体11の使用回数が第2上限回数(例えば100回)以上であると判定した場合、プラズマ照射装置10の作動を許可しない。第2上限回数は、予め設定される値であり、固定値であってもよいし、任意に設定される値であってもよい。
【0089】
制御部50Aは、着脱部品12の使用回数が第1上限回数未満で、且つ基部構成体11の使用回数が第2上限回数未満である場合に、プラズマ照射装置10の作動を許可する。より具体的には、制御部50Aは、所定の動作テストを行った後、プラズマ照射装置10の作動を許可する。プラズマ照射装置10の作動が許可された許可状態は、所定の照射操作(本実施形態では、スイッチ43を押圧する操作)に応じて、プラズマ照射装置がプラズマを照射する状態である。許可状態では、所定の照射操作に応じて、ガス供給装置102から供給されたガスが、ガス誘導路22内を放出口22Bに向かって流れる。また、許可状態では、所定の照射操作に応じて、昇圧回路部39が電源装置104からの電力に基づいて第1電極31と第2電極32との間に電圧を印加する。これにより、放電部23がガス誘導路22内にプラズマを発生させる。ガス誘導路22内で発生したプラズマは、放出口22Bから放出される。
【0090】
なお、制御部50Aは、着脱部品12の使用回数が第1上限回数(例えば4回)未満であっても、第1警告回数(例えば2回)以上である場合には、出力部50Cを用いて第1警告回数以上であることを使用者に知らせるようにしてもよいし、第1確認操作が行われたことを条件としてプラズマ照射装置10の作動を許可するようにしてもよい。第1警告回数は、固定値であってもよいし、任意に設定される値であってもよい。
【0091】
また、制御部50Aは、基部構成体11の使用回数が第2上限回数(例えば100回)未満であっても、第2警告回数(例えば90回)以上である場合には、出力部50Cを用いて第2警告回数以上であることを使用者に知らせるようにしてもよいし、第2確認操作が行われたことを条件としてプラズマ照射装置10の作動を許可するようにしてもよい。第2警告回数は、固定値であってもよいし、任意に設定される値であってもよい。
【0092】
制御部50Aは、終了条件が成立した場合に、許可状態を終了する。終了条件は、例えば、制御装置50の電源がオフ状態に切り替わったことであってもよいし、終了操作が行われたことであってもよいし、基部構成体11が制御装置50から外されたことであってもよい。
【0093】
制御部50Aは、許可状態にしてからの経過時間を計測し、許可状態にしてから警告時間が経過した場合に、出力部50Cを用いて、警告時間が経過したこと使用者に警告する。警告時間は、固定的に決められた時間であってもよいし、任意に設定可能な時間であってもよい。警告時間は、例えば24時間である。
【0094】
制御部50Aは、許可状態にしてからの経過時間を計測し、許可状態にしてから限度時間が経過した場合に、ドングル60の第1記憶部60Cに記憶される着脱部品12の使用回数に1加算するようにしてもよい。限度時間は、警告時間と同じであってもよいし、異なっていてもよい。限度時間は、固定的に決められた時間であってもよいし、任意に設定可能な時間であってもよい。限度時間は、例えば24時間である。
【0095】
なお、制御部50Aは、制御装置50に基部構成体11が接続されていないと判定した場合に、出力部50Cを用いて、制御装置50に基部構成体11が接続されていないことを使用者に知らせてもよい。また、制御部50Aは、制御装置50にドングル60が接続されていないと判定した場合に、出力部50Cを用いて、制御装置50にドングル60が接続されていないことを使用者に知らせてもよい。
【0096】
1-3.効果の例
第1記憶部60Cを有するドングル60は、着脱部品12を梱包する梱包材2内に設けられることで、当該着脱部品12に対応付けられている。つまり、この構成によれば、着脱部品12に対応付けられた第1記憶部60Cによって、着脱部品12の使用回数を管理することができる。このように、梱包体1は、着脱部品12の使用回数を管理しやすくすることができる。
【0097】
更に、放電部23は、着脱部品12に設けられる。この構成によれば、放電部23が放出口22Bに近づけて配置されるため、放出口22Bに近い領域でプラズマがより発生しやすくなる。
【0098】
更に、第1情報部60Bは、情報を記憶する記憶回路を含んで構成されており、梱包材2内に設けられる。第1情報部60Bの記憶回路に記憶される情報は、放電部23に印加される電圧に起因して生じる電磁ノイズの影響を受けるおそれがある。梱包体1は、第1情報部60Bが、梱包材2内に設けられるため、第1情報部60Bを、放電部23が設けられる着脱部品から離間させることができる。このため、梱包体1は、放電部23に印加される電圧に起因して生じる電磁ノイズの影響を、第1情報部60Bの情報に及びにくくすることができる。
【0099】
プラズマ照射モジュール90は、第2記憶部13Cを用いて基部構成体11の使用回数を管理することができる。つまり、プラズマ照射モジュール90は、着脱部品12の使用回数だけでなく、基部構成体11の使用回数も管理しやすくすることができる。
【0100】
プラズマ照射システム100は、着脱部品12の使用回数に基づいてプラズマ照射装置10の作動を許可するため、プラズマ照射装置10の作動が許可されなくなると、新たなドングル60が必要となる。新たなドングル60を用意するためには、新たな梱包体1を開封する必要がある。新たな梱包体1の開封は、着脱部品12の交換につながる。つまり、プラズマ照射システム100は、着脱部品12の使用回数に基づいて着脱部品12の交換を使用者に促すことができる。
【0101】
更に、プラズマ照射システム100は、着脱部品12の使用回数が第1上限回数に達すると、着脱部品12の交換が必要となり、基部構成体11の使用回数が第2上限回数に達すると、基部構成体11の交換が必要となる。よって、プラズマ照射システム100は、着脱部品12の使用回数に基づいて着脱部品12の交換を使用者に促すことができるだけでなく、基部構成体11の使用回数に基づいて基部構成体11の交換も使用者に促すことができる。
【0102】
更に、プラズマ照射システム100は、プラズマ照射装置10の作動を許可した状態のまま所定時間が経過したことを使用者に報知することができる。
【0103】
2.第2実施形態
第1実施形態では、情報部が有線通信で制御装置に読み取られる構成であったが、情報部が無線通信で制御装置に読み取られる構成であってもよい。第2実施形態では、情報部が無線通信で制御装置に読み取られる例について説明する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0104】
図7に示すように、第2実施形態のプラズマ照射システム200は、プラズマ照射装置10と、制御装置250と、梱包体201と、を有する。梱包体201は、基部構成体11とともに、プラズマ照射モジュール290を構成する。
【0105】
梱包体201は、
図7に示すように、着脱部品12と、梱包材2と、RFIDタグ260と、を有する。RFIDタグ260は、
図8に示すように、第1実施形態で説明した第1処理部60A及び第1情報部60Bを有する。更に、RFIDタグ260は、通信部260Eを有する。通信部260Eは、例えばアンテナである。
【0106】
制御装置250は、
図7及び
図8を示すように、主に通信部250Eを有する点で、第1実施形態の制御装置50とは異なる。通信部250Eは、RFIDタグ260と無線通信(より具体的には、近距離無線通信)を行うリーダライタである。通信部250Eは、RFIDタグ260の情報を読み取る機能と、RFIDタグ260に情報を書き込む機能と、を有する。
【0107】
プラズマ照射システム200の動作は、第1実施形態で説明したプラズマ照射システム100の動作と同様である。
【0108】
以上のように、第1情報部60Bを有する情報媒体(本実施形態では、RFIDタグ)は、制御装置250と無線通信を行う構成であってもよい。この構成によれば、制御装置250に情報媒体を有線接続することなく、第1情報部60Bの情報を制御装置250に読み取らせることができる。
【0109】
3.第3実施形態
第3実施形態では、着脱部品12の識別情報に基づいて着脱部品12の使用回数を管理する構成について説明する。なお、第3実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0110】
図9に示すように、第3実施形態のプラズマ照射システム300は、プラズマ照射装置10と、制御装置350と、梱包体301と、を有する。梱包体301は、基部構成体11とともに、プラズマ照射モジュール390を構成する。
【0111】
梱包体301は、
図9に示すように、着脱部品12と、梱包材2と、情報媒体360と、を有する。情報媒体360は、着脱部品12の識別情報が記された第1識別部360Dを有する。情報媒体360は、シート材に識別情報を印刷した構成をなしている。識別情報は、例えばQRコード(登録商標)などの二次元コードである。情報媒体360は、梱包材2に設けられている。情報媒体360は、梱包材2に固定されている。情報媒体360は、接着剤で梱包材2の表面に接着されている。
【0112】
制御装置350は、
図9及び
図10を示すように、主に読取部350Eを有する点で、第1実施形態の制御装置50とは異なる。読取部350Eは、例えば二次元コードを読み取るリーダである。読取部350Eは、情報媒体360に付された情報を読み取る。
【0113】
プラズマ照射システム300の動作は、以下の通りである。制御装置350は、読取処理では、第1識別部360Dに記された着脱部品12の識別情報を読取部350Eによって読み取る。また、制御装置350は、制御装置350に接続された基部構成体11の識別情報を読み取る。
【0114】
認識処理は、第1実施形態で説明した認識処理と同様である。
【0115】
制御装置350は、記憶処理では、読み取った着脱部品12の識別情報に対応付けて着脱部品12の使用回数を装置側記憶部50Dに記憶する。例えば、制御装置350は、読み取った着脱部品12の識別情報が、初めて読み取った識別情報である場合には、当該識別情報に対応付けて着脱部品12の使用回数である「1」を記憶する。制御装置350は、読み取った着脱部品12の識別情報が、以前に読み取った識別情報である場合には、当該識別情報に対応する着脱部品12の使用回数を更新する。具体的には、制御装置350は、当該識別情報に対応する着脱部品12の使用回数に「1」加算する。
【0116】
初めて読み取った識別情報であるか否かの判断は、例えば、着脱部品12のシリアル番号に基づいて行う。初めて読み取った識別情報であるか否かの判断は、着脱部品12のシリアル番号のみによって行ってもよいし、着脱部品12の型番、着脱部品12の製造番号、及び着脱部品12のロット番号のうち少なくとも1つを併用して行ってもよい。
【0117】
制御装置350は、許可処理では、装置側記憶部50Dに記憶される着脱部品12の使用回数及び第2記憶部13Cに記憶される基部構成体11の使用回数に基づいてプラズマ照射装置10の作動を許可する。
【0118】
以上の様に、第1識別部360Dを有する情報媒体360は、着脱部品12を梱包する梱包材2の表面に接着されることで、当該着脱部品12に対応付けられている。つまり、この構成によれば、着脱部品12に対応付けられた第1識別部360Dを用いて、制御装置350側で当該着脱部品12の識別情報を特定し、識別情報ごとに着脱部品12の使用回数を管理することができる。このように、梱包体1は、着脱部品12の使用回数を管理しやすくすることができる。
【0119】
プラズマ照射システム300は、着脱部品12の使用回数に基づいてプラズマ照射装置10の作動を許可するため、プラズマ照射装置10の作動が許可されなくなると、新たな情報媒体360が必要となる。新たな情報媒体360を用意するためには、新たな梱包体301を開封する必要がある。新たな梱包体301の開封は、着脱部品12の交換につながる。つまり、プラズマ照射システム300は、着脱部品12の使用回数に基づいて着脱部品12の交換を使用者に促すことができる。
【0120】
更に、プラズマ照射システム300は、着脱部品12の使用回数が第1上限回数に達すると、着脱部品12の交換が必要となり、基部構成体11の使用回数が第2上限回数に達すると、基部構成体11の交換が必要となる。よって、プラズマ照射システム300は、着脱部品12の使用回数に基づいて着脱部品12の交換を使用者に促すことができるだけでなく、基部構成体11の使用回数に基づいて基部構成体11の交換も使用者に促すことができる。
【0121】
4.第4実施形態
第3実施形態では、識別部が梱包材に設けられる構成であったが、識別部が着脱部品12に設けられる構成であってもよい。第4実施形態では、識別部が着脱部品に設けられる構成について説明する。なお、第4実施形態の説明では、第3実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0122】
第4実施形態の梱包体401は、
図11に示すように、着脱部品12と、梱包材2と、情報媒体360と、を有する。情報媒体360は、着脱部品12に設けられている。情報媒体360は、着脱部品12に固定されている。情報媒体360は、接着剤で着脱部品12の表面に接着されている。
【0123】
上述した構成においても、情報媒体360の第1識別部360Dを着脱部品12に対応付けることができる。このため、この構成によれば、第1識別部360Dを用いて、制御装置350側で当該着脱部品12の識別情報を特定し、識別情報ごとに着脱部品12の使用回数を管理することができる。このように、梱包体401は、着脱部品12の使用回数を管理しやすくすることができる。
【0124】
5.第5実施形態
第2実施形態では、放電部23の先端面が露出される例について説明する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0125】
図12に示す第5実施形態の着脱部品512は、第1実施形態の着脱部品12から先端保護部42を除いた構成に相当する。着脱部品512の第2ケース517は、着脱部品512の外殻をなす。第2ケース517は、筒状をなす。第2ケース517は、第1実施形態の第2ケース17から先端保護部42を除いた構成に相当する。
【0126】
放電部23の外周は、外周保護部41によって覆われる。外周保護部41の外周は、第2ケース517によって覆われる。
【0127】
放電部23における誘電体33の先端は、着脱部品512の先端に露出する。また、誘電体33の先端は、第1電極31及び第2電極32のいずれよりも先端部側に配置される。この構成によれば、放電部23を着脱部品12における先端部側に配置しつつも、誘電体33によって第1電極31及び第2電極32よりも先端側の絶縁性を確保することができる。
【0128】
6.第6実施形態
第6実施形態では、第5実施形態で説明した放電部23の先端面に、保護部材を取り付けた例を説明する。なお、第6実施形態の説明では、第5実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0129】
第6実施形態のプラズマ照射装置は、保護部材680(
図8参照)を有する点で第5実施形態のプラズマ照射装置とは異なり、その他の点で共通する。
図8に示すように、保護部材680は、第5実施形態で説明した着脱部品512に取り付けられる。保護部材680は、環状をなす。保護部材680は、放出口22Bを塞がないように、放電部23の先端面(より具体的には、誘電体33の先端面)に取り付けられる。保護部材680は、放電部23の先端面(より具体的には、誘電体33の先端面)を覆う。この構成によれば、保護部材680によって、放電部23の先端面を保護しつつ、放電部23よりも先端側の絶縁性を確保することができる。
【0130】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
【0131】
上記各実施形態では、記憶処理を行ってから許可処理を行う構成であったが、許可処理を行ってから記憶処理を行う構成であってもよい。つまり、制御装置は、更新前の使用回数に基づいてプラズマ照射装置の作動を許可し、許可した後に使用回数を更新してもよい。
【0132】
上記各実施形態では、着脱部品が放電部を有する構成であったが、放電部を有しない構成であってもよい。着脱部品は、例えばキャップであってもよい。
【0133】
上記第1実施形態では、ドングルが制御装置に直接接続される構成であったが、ドングルが基部構成体に接続可能な構成とした上で、ドングルが基部構成体を介して制御装置に接続される構成であってもよい。
【0134】
上記第4実施形態では、識別部が着脱部品に設けられる構成として、識別部を有する情報媒体が着脱部品に設けられる構成としたが、別の構成であってもよい。例えば、識別部が着脱部品に直接印刷される構成であってもよい。
【0135】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
1…梱包体
2…梱包材
10…プラズマ照射装置
11…基部構成体
12…着脱部品
13B…第2情報部
13C…第2記憶部
13D…第2識別部
15…基部
22B…放出口
23…放電部
39…昇圧回路部
50…制御装置
50D…装置側記憶部
60…ドングル
60B…第1情報部(情報部)
60C…第1記憶部(記憶部)
60D…第1識別部(識別部)
90…プラズマ照射モジュール
100…プラズマ照射システム
200…プラズマ照射システム
201…梱包体
250…制御装置
250E…通信部
260…RFIDタグ
260E…通信部
290…プラズマ照射モジュール
300…プラズマ照射システム
301…梱包体
350…制御装置
360…情報媒体
360D…第1識別部(識別部)
390…プラズマ照射モジュール
401…梱包体
512…着脱部品
【要約】
【課題】プラズマ照射装置の先端に設けられる着脱部品の使用回数を管理しやすくする。
【解決手段】梱包体1は、着脱部品12と、着脱部品12を梱包する梱包材2と、情報部(第1情報部60B)と、を有する。情報部は、制御装置50で読み取り可能な情報を含む。情報部は、着脱部品12の使用回数を記憶する記憶部(第1記憶部60C)、及び着脱部品12の識別情報が記された識別部(第1識別部60D)のうち少なくとも一方を含む。情報部は、着脱部品12、梱包材2、及び梱包材2内の少なくともいずれかに設けられる。
【選択図】
図1