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特許7438325無線リソースを割り当てる方法及び割り当てユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】無線リソースを割り当てる方法及び割り当てユニット
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0453 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
H04W72/0453
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022505739
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 JP2020015755
(87)【国際公開番号】W WO2021014694
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】19315076.0
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】チョチーナ、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】シャラフ、アクル
(72)【発明者】
【氏名】ブリュヌ、ロイ
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0097775(US,A1)
【文献】ZTE,Coexistence of LTE-MTC with NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1901860,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1901860.zip>,2019年02月15日
【文献】Ericsson,Channel raster aspects for LTE-M co-existing with NR[online],3GPP TSG RAN WG4 #90 R4-1901658,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_90/Docs/R4-1901658.zip>,2019年02月15日
【文献】Qualcomm Incorporated,Coexistence of NB-IoT with NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1813049,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1813049.zip>,2018年11月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04B 7/24-7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおいて少なくとも1つのユーザ機器に無線リソースを割り当てる方法であって、
前記第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、前記第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、前記第1の伝送帯域幅の少なくとも第1のサブキャリアは前記第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、
前記方法は、
前記第1のキャリアの第1の無線リソースを割り当てることであって、前記割り当てられた第1の無線リソースは、前記第1のサブキャリアを含むことと、
前記第1の無線リソースの割り当てにおいて使用された前記第1のサブキャリアを考慮して、前記第2のキャリアの第2の無線リソースを割り当てることと、
を含み、
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの一方のキャリアを、前記一方のキャリアにおける同期信号が、前記第1の伝送帯域幅と前記第2の伝送帯域幅との少なくともオーバーラップした部分を除外した前記一方のキャリアの伝送帯域幅において送信されるように構成することを更に含む、方法。
【請求項2】
前記第1のサブキャリアを含む除外周波数帯域が、前記第2の無線リソースの割り当てから除外される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記除外周波数帯域は、前記第1の伝送帯域幅と前記第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの一方のキャリアにおける同期信号の送信を停止することを更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のキャリアにおける同期信号の送信と同時に行われる前記第1のキャリアにおける同期信号の送信を削減するように、前記第1のキャリアにおける同期信号の送信の第1の時間周期と、前記第2のキャリアにおける同期信号の送信の第2の時間周期とを構成することを更に含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のキャリアの少なくとも1つの同期信号が、前記第1のサブキャリアを通じて送信される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサブキャリアに対応する前記第2のキャリアの無線リソースを予約リソースとして規定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1,minは、前記第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F1,maxは、前記第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数であり、F2,minは、前記第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F2,maxは、前記第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数であり、
1,minがF2,minよりも小さい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、前記割り当てられた第1の無線リソースは、F1,min~Fの周波数帯域に含まれ、前記割り当てられた前記第2の無線リソースは、F~F2,maxの周波数帯域に含まれ、F2,min-ΔSSC1≦F<F<F1,max又はF2,min<F<F≦F1,max+ΔSSC2であり、
1,minがF2,minよりも大きい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、前記割り当てられる第1の無線リソースは、F~F1,maxの周波数帯域に含まれ、前記割り当てられる前記第2の無線リソースは、F2,min~Fの周波数帯域に含まれ、F1,min-ΔSSC2≦F<F<F2,max又はF1,min<F<F≦F2,max+ΔSSC1であり、
ここで、ΔSSC1及びΔSSC2は、それぞれ前記第1の伝送帯域幅及び前記第2の伝送帯域幅における前記サブキャリアのサブキャリア間隔構成である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のキャリアのサブキャリア間隔構成が前記第2のキャリアのサブキャリア間隔構成に等しい場合には、|F-F|は、前記サブキャリア間隔構成のサブキャリア間隔の倍数に等しい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のキャリアのサブキャリア間隔構成が前記第2のキャリアのサブキャリア間隔構成と異なる場合には、|F-F|は正の閾値よりも大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの1つのキャリアが周波数ブロックに含まれ、前記周波数ブロックは別のキャリアを含み、前記方法は、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの前記1つのキャリアと、前記別のキャリアとを、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの前記1つのキャリアの伝送帯域幅が前記別のキャリアの伝送帯域幅以上となるように構成することを更に含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの1つのキャリアを、前記第1の伝送帯域幅と前記第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分の幅に対する前記1つのキャリアの伝送帯域幅の幅の比が閾値よりも大きくなるように構成することを更に含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
コード命令が少なくともプロセッサによって実行されると、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法を実行する前記コード命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項14】
少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおいて少なくとも1つのユーザ機器に無線リソースを割り当てる割り当てユニットであって、前記第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、前記第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、前記第1のキャリアの少なくとも第1のサブキャリアは前記第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、前記割り当てユニットは、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
第1の無線リソースの割り当てにおいて使用される前記第1のサブキャリアを考慮して、前記第2のキャリアの第2の無線リソースを割り当て、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの一方のキャリアを、前記一方のキャリアにおける同期信号が、前記第1の伝送帯域幅と前記第2の伝送帯域幅との少なくともオーバーラップした部分を除外した前記一方のキャリアの伝送帯域幅において送信されるように構成する、ように前記割り当てユニットを構成する命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、割り当てユニット。
【請求項15】
少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおけるユーザ機器であって、
前記第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、前記第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、前記第1のキャリアの少なくとも第1のサブキャリアは前記第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、前記ユーザ機器は、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
前記ユーザ機器が、前記第2のキャリアにおいて前記ユーザ機器に割り当てられる全ての無線リソースが削減伝送帯域幅内にあるような、前記第2の伝送帯域幅に含まれる前記削減伝送帯域幅を求めるための情報を受信し、前記第1のキャリア及び前記第2のキャリアのうちの一方のキャリアを、前記一方のキャリアにおける同期信号が、前記第1の伝送帯域幅と前記第2の伝送帯域幅との少なくともオーバーラップした部分を除外した前記一方のキャリアの伝送帯域幅において送信されるように構成する、ように前記ユーザ機器を構成する命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、ユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、いくつかのキャリアを備える無線通信システムにおけるユーザ機器へのリソース割り当てに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、マルチキャリア無線通信システム、例えば、OFDMA、SC-FDMA又は他のOFDMベースの波形を使用する無線通信システムに適用される。
【0003】
しかしながら、これらの無線通信システムでは、実施される無線通信技術において使用されているキャリアのサイズに関して考慮される事項とは独立して固定される周波数帯域を使用する。例えば、LTEに代わる新たな無線規格では、LTEで実施される帯域幅サイズと同じ帯域幅サイズを有するキャリアを実装していない。
【0004】
したがって、或る事業者が所有する周波数帯域に無線通信システムを配備するとき、この周波数帯域を、実施される無線通信技術に対応する伝送帯域幅の組み合わせとして分解することができない場合がある。そのため、周波数帯域の一部が事業者に使用されず、リソースが過度に浪費される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より一般的には、本発明は、周波数帯域の一部が使用されない状況を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおいて少なくとも1つのユーザ機器に無線リソースを割り当てる方法であって、第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、第1の伝送帯域幅の少なくとも第1のサブキャリアは第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、方法は、
第1のキャリアの第1の無線リソースを割り当てることであって、割り当てられた第1の無線リソースは、第1のサブキャリアを含むことと、
第1の無線リソースの割り当てにおいて使用された第1のサブキャリアを考慮して、第2のキャリアの第2の無線リソースを割り当てることと、
を含む、方法に関する。
【0007】
本発明では、伝送帯域幅がオーバーラップするキャリアを実現することができる。したがって、周波数帯域の一部が使用されないとき、本発明では、その伝送帯域幅が周波数帯域の未使用部分、又は、キャリアが未使用部分よりも大きな伝送帯域幅を有する場合であっても、未使用部分の少なくとも一部をカバーするキャリアを実現することができる。この場合、キャリアの伝送帯域幅は、別のキャリアの伝送帯域幅とオーバーラップする場合がある。本発明では、オーバーラップした各キャリアの同じ時間帯及び周波数帯の無線リソースが共同で使用されることにより、強い干渉が誘発されるというリスクを低減する。実際、オーバーラップした2つのキャリア(それらの伝送帯域幅は重複している)の無線リソースのスケジューリング及び/又は割り当てが合わせて行われるか、又は、一方のキャリアの無線リソースのスケジューリング及び/又は割り当てが、オーバーラップした他方のキャリアにおいてスケジューリングされ及び/又は割り当てられる無線リソースに従って行われる。
【0008】
無線リソースとは、無線通信システムにおいてデータを伝送するために使用されるリソースのことである。これらの無線リソースは、周波数領域及び時間領域において空間を占有する。周波数領域では、無線リソースは、サブキャリアを介して運ぶことができる。割り当てることができる最小の無線リソースは、無線リソースユニット(例えば、LTEにおけるリソースブロック)である。
【0009】
キャリアの伝送帯域幅とは、そのキャリアを通じてデータを伝送するために使用することができる周波数帯域のことである。すなわち、キャリアの無線リソースは、周波数領域において、伝送帯域幅に含まれる。したがって、キャリアを通じてデータを送信するために使用することができるサブキャリアは、周波数領域において、伝送帯域幅に含まれる。
【0010】
キャリアの無線リソースを割り当てることは、キャリアの無線リソースが、少なくとも1つのユーザ機器とのダウンリンク通信又はアップリンク通信に使用されることが決定されることである。無線リソースは、キャリアを送信に使用する送信機のカバレッジ内の少なくとも1つのユーザ機器、いくつかのユーザ機器又は全てのユーザ機器に割り当てることができる。無線リソース割り当ては、一般に送信機、例えば基地局によって行われるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。例えば、本発明は、D2D通信において、又は特定のユニットによって実施することができる。無線リソースをダウンリンク又はアップリンクのいずれかにおいてユーザ機器に割り当てるのが基地局であるとき、その基地局は、どの無線リソースがユーザ機器に割り当てられているのかを通知する制御データをこのユーザ機器に送信する。
【0011】
サブキャリアを含む無線リソースとは、これらの無線リソースを使用することがサブキャリアを使用することを意味する。言い換えると、これらの無線リソースを通じてデータを送信することは、データの少なくとも一部を送信するためにサブキャリアを使用することを意味する。
【0012】
伝送帯域幅(第1の伝送帯域幅又は第2の伝送帯域幅)は、他方の帯域幅(それぞれ第2の伝送帯域幅又は第1の伝送帯域幅)に含まれないものとすることができる。より一般的には、割り当てられた第1の無線リソース又は第2の無線リソースは、それぞれ第2の伝送帯域幅又は第1の伝送帯域幅に含まれないものとすることができる(すなわち、割り当てられた無線リソースは、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とのオーバーラップした部分に含まれないものとすることができる)。したがって、割り当てられた第2の無線リソースは、第1のキャリアの伝送帯域幅の範囲外で少なくとも第2のサブキャリアを含むことができる。また、割り当てられた第1の無線リソースは、第2のキャリアの伝送帯域幅の範囲外で少なくとも第3のサブキャリアを含むことができる。
【0013】
時間領域では、第1の無線リソースの少なくとも一部及び第2の無線リソースの少なくとも一部は、同じ時間リソースを占有する。すなわち、それらの無線リソースにおけるデータの送信は、全部または一部が同時に行われる。言い換えると、第1の無線リソースに対応する時間の切れ間と第2の無線リソースに対応する時間の切れ間とはオーバーラップしている。より具体的には、これらの時間の切れ間が同じであり、すなわち、第1の無線リソース及び第2の無線リソースは、時間領域における同じ時間帯を占有する。例えば、LTEでは、第1の無線リソース及び第2の無線リソース(これらはリソースブロックである)は、同じタイムスロットにおいて割り当てられる。
【0014】
本発明の一態様によれば、第1のサブキャリアを含む除外周波数帯域が、第2の無線リソースの割り当てから除外される。
【0015】
これによって、第1のサブキャリア及び/又は第1のサブキャリアの周波数に近接した周波数の(第2のキャリアの)サブキャリアを含む第2のキャリアの無線リソースが割り当てられることを回避することができる。第1のサブキャリアの周波数に近接した周波数とは、例えば、2つのキャリアが異なるサブキャリア間隔の構成を使用している場合に、これらの2つのサブキャリア間の干渉を回避するために、2つのサブキャリアが周波数領域において十分な間隔がとられていないことである。言い換えると、2つのサブキャリア(又はこれらのキャリアの周波数)は、2つのサブキャリアのサブキャリア間隔構成(SSC:subcarrier spacing configuration)の中で最も広いSSCのサブキャリアを2つの近接したサブキャリアの間に割り当てることができないときに、互いに近接する。より一般的には、2つのサブキャリア(又はこれらのキャリアの周波数)は、それらの間の周波数差が所与の閾値未満であるときに互いに近接し得る。
【0016】
無線リソースの割り当てから除外される周波数帯域とは、周波数領域において、割り当てられた無線リソースによって使用される周波数帯域と除外周波数帯域とのオーバーラップがないことである。言い換えると、割り当てられた無線リソースは、除外周波数帯域とオーバーラップしない。
【0017】
本発明の一態様によれば、除外周波数帯域は、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分に対応する。
【0018】
したがって、第2のキャリアの無線リソースは、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分に対応する帯域幅に割り当てられない。したがって、第1のキャリアの全ての無線リソースは、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とのオーバーラップがないものとして割り当てることができる。
【0019】
これは、第1のキャリアが1次セルであり、及び/又は、第2のキャリアが2次セルであるときに特に有利である。実際、1次セルは、より重要な情報、特にユーザ機器がセルに接続するための制御情報及び/又は適切なハンドオーバーを達成するための情報及び/又はキャリアと同期するための情報を送信する。したがって、重要な情報が第1のキャリアの無線リソースを介して送信され、それらの無線リソースが第2の伝送帯域幅と少なくとも部分的にオーバーラップする場合、第2の伝送帯域幅に第2のキャリアの無線リソースを割り当てると、干渉及び/又はより制限的なスケジューリング制約につながる場合があり、したがって、この重要な情報の復号化が複雑になる可能性がある。
【0020】
本発明の一態様によれば、本発明は、第1のキャリア及び第2のキャリアのうちの一方のキャリアにおける同期信号の送信を停止することを更に含む。
【0021】
同期信号は、あらかじめ定義された無線リソースに設定されるので、それらの既定の無線リソースのうちのいくつかは、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分に存在する(又は少なくとも部分的に存在する)可能性がある。したがって、一方のキャリア(第1のキャリア又は第2のキャリア)のこれらの既定の無線リソースを使用すると、他方のキャリア(それぞれ第2キャリア又は第1のキャリア)において割り当てられた無線リソースと干渉する可能性がある。したがって、同期信号の送信を停止することによって、干渉を低減することができ、及び/又は、スケジューラの複雑さを低減することができる。
【0022】
本発明の一態様によれば、本発明は、第2のキャリアにおける同期信号の送信と同時に行われる第1のキャリアにおける同期信号の送信を削減するように、第1のキャリアにおける同期信号の送信の第1の時間周期と、第2のキャリアにおける同期信号の送信の第2の時間周期とを構成することを更に含む。
【0023】
これによって、特に同期信号の送信に他方のキャリアの無線リソースを使用することで、一方のキャリアの同期信号に発生する干渉を低減することができる。
【0024】
本発明の一態様によれば、本発明は、第1のキャリア及び第2のキャリアのうちの一方のキャリアを、一方のキャリアにおける同期信号が、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とが少なくともオーバーラップした部分を除外した一方のキャリアの伝送帯域幅において送信されるように構成することを更に含む。
【0025】
これによって、他方のキャリアの無線リソースを使用することで一方のキャリアの同期信号に発生する干渉を低減することができる。
【0026】
第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分の一部は、構成された一方のキャリアが第2のキャリアであるときに、上述した除外周波数帯域とすることができる。
【0027】
本発明の一態様によれば、第1のキャリアの少なくとも1つの同期信号が、第1のサブキャリアを通じて送信される。
【0028】
これによって、第2のキャリアの無線リソースを使用することで第1のキャリアの少なくとも1つの同期信号に発生する干渉を低減することができる。
【0029】
本発明の一態様によれば、本発明は、第1のサブキャリアに対応する第2のキャリアの無線リソースを予約リソースとして規定することを更に含む。
【0030】
第1のサブキャリアに対応する第2のキャリアの無線リソースを予約リソースとして設定することは、そのサブキャリアと重複するか又は第1のサブキャリアに近接したサブキャリアを少なくとも使用する第2のキャリアの無線リソースが予約リソースとして設定されることを意味する。第2のキャリアの無線リソースを予約リソースとして設定することによって、第2のキャリアのこれらの無線リソースが割り当てられることが回避される。したがって、第1のサブキャリア又は第1のサブキャリアの周波数に近接した周波数のサブキャリアを使用する第2のキャリアの無線リソースが第2のキャリアを通じて割り当てられることを回避することができる。
【0031】
本発明の一態様によれば、F1,minは、第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F1,maxは、第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数であり、F2,minは、第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F2,maxは、第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数である。F1,minがF2,minよりも小さい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、割り当てられた第1の無線リソースは、F1,min~Fの周波数帯域に含まれ、割り当てられた第2の無線リソースは、F~F2,maxの周波数帯域に含まれ、F2,min-ΔSSC1≦F<F<F1,max又はF2,min<F<F≦F1,max+ΔSSC2である。F1,minがF2,minよりも大きい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、割り当てられる第1の無線リソースは、F~F1,maxの周波数帯域に含まれ、割り当てられる第2の無線リソースは、F2,min~Fの周波数帯域に含まれ、F1,min-ΔSSC2≦F<F<F2,max又はF1,min<F<F≦F2,max+ΔSSC1である。ここで、ΔSSC1及びΔSSC2は、それぞれ第1の伝送帯域幅及び第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアのサブキャリア間隔構成である。
【0032】
伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数のうちの最低周波数及び最高周波数とは、その伝送帯域幅において割り当てることができる(割り当てられた無線リソースに使用することができる)サブキャリアのそれぞれ最低周波数及び最高周波数のことである。
【0033】
ΔSSC1は、第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアのサブキャリア間隔構成である。すなわち、ΔSSC1は、第1の伝送帯域幅における2つの連続するサブキャリア間の周波数差を表す。
【0034】
ΔSSC2は、第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアのサブキャリア間隔構成である。すなわち、ΔSSC2は、第2の伝送帯域幅における2つの連続するサブキャリア間の周波数差を表す。
【0035】
これによって、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外した無線リソースのスケジューリング及び/又は割り当てを簡略化することができる。実際は、断片化された利用可能な無線リソースを有するキャリアは、これらのリソースをスケジューリングし割り当てるのにより多くの計算を必要とする。
【0036】
加えて、割り当てのシグナリングには、より多くのビットの送信が必要である。例えば、無線リソース群を割り当てるとき、これらの無線リソースが連続する無線リソースであるときに、ユーザ機器への割り当てのシグナリングは簡略化される。
【0037】
断片化された利用可能な無線リソースを使用するとき、送信機及び受信機がデータを送信及び受信するための電力も、連続する利用可能な無線リソースの場合よりも多く必要となる場合がある。実際は、断片化された無線リソースの場合に、スペクトル分布がより広がる。
【0038】
より一般的には、本発明は、1つのキャリアに関してのみ実施することができ、例えば、F1,minが第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F1,maxが第1の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数であり、F2,minが第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最低周波数であり、F2,maxが第2の伝送帯域幅におけるサブキャリアの周波数の中の最高周波数であるとき、F1,minがF2,minよりも小さい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、割り当てられた第1の無線リソースは、F1,min~Fの周波数帯域に含まれ、F2,min-ΔSSC2≦F<F1,maxであり、F1,minがF2,minよりも大きい場合には、同期信号を送信するのに使用される無線リソースを除外して、割り当てられた第1の無線リソースは、F~F1,maxの周波数帯域に含まれ、F1,min<F≦F2,max+ΔSSC1である。
【0039】
これは、一方のキャリアが第2のキャリアである場合にも実施することもできる。
【0040】
及びFは、それぞれF2,max±ΔSSC1及びF1,max±ΔSSC2と異なるものとすることができる。
【0041】
送信機(例えば基地局)は、周波数F及び/又はFに関する情報をユーザ機器に送信することができる。この情報により、ユーザ機器がキャリアにおいて送信に有効に使用される伝送帯域幅の部分を求めることができる。したがって、ユーザ機器は、F1,minがF2,minよりも小さい場合には帯域幅[F1,min;F]及び/又は[F;F2,max]おいて受信された無線信号の部分のみを処理することができ、又は、F2,minがF1,minよりも小さい場合には[F2,min;F]及び/又は[F;F1,max]において受信された無線信号の部分のみを処理することができる。したがって、受信機における復号の複雑さは簡略化される。
【0042】
本発明の一態様によれば、第1のキャリアのサブキャリア間隔構成が第2のキャリアのサブキャリア間隔構成に等しい場合には、|F-F|は、サブキャリア間隔に少なくとも等しい。
【0043】
すなわち、各キャリアにおいて送信に有効に使用される各伝送帯域幅の部分間の周波数領域における間隔は、少なくともサブキャリア間隔構成、すなわち、このサブキャリア間隔構成の2つの連続するサブキャリア間の間隔に等しい。これによって、第1のキャリア又は第2のキャリアのいずれかを通じて第1の伝送帯域幅及び第2の伝送帯域幅の和に等しい帯域幅における全てのサブキャリアを使用することができる。したがって、無線リソースは浪費されない。
【0044】
加えて、無線通信システムがOFDMシステムであるとき、第1のキャリアのサブキャリアと第2のキャリアのサブキャリアとの間の直交性が維持されるため、サブキャリア間干渉が低減される。
【0045】
より一般的には、|F-F|は、サブキャリア間隔構成の倍数に等しくすることができ、したがって、第1のキャリアのサブキャリアと第2のキャリアのサブキャリアとの間の直交性が維持されるとともに、第1のキャリアにおいて利用可能なサブキャリアと第2のキャリアにおいて利用可能なサブキャリアとの間にガードバンドが導入される。
【0046】
本発明の一態様によれば、第1のキャリアのサブキャリア間隔構成が第2のキャリアのサブキャリア間隔構成と異なる場合には、|F-F|は正の閾値よりも大きい。
【0047】
これによって、第1のキャリアにおいて利用可能なサブキャリアと第2のキャリアにおいて利用可能なサブキャリアとの間にガードバンドを設定することができる。特に、第1のキャリアのサブキャリア及び第2のキャリアのサブキャリアは、サブキャリア間隔構成が同じでないので、サブキャリア間干渉を受ける可能性はより高い。
【0048】
本発明の一態様によれば、第1のキャリア及び第2のキャリアのうちの1つのキャリアが周波数ブロックに含まれ、周波数ブロックは別のキャリアを含み、方法は、1つのキャリアと、別のキャリアとを、1つのキャリアの伝送帯域幅が別のキャリアの伝送帯域幅以上となるように構成することを更に含む。
【0049】
周波数ブロックは、1つ又はいくつかのキャリアを含む周波数帯域である。一般に、周波数ブロックの全てのキャリアは、同じ事業者によって運用される。それらのキャリアは、キャリアアグリゲーション方式のコンポーネントキャリアである場合もあるし、ない場合もある。
【0050】
周波数ブロックにおけるキャリアは、互いに重複しないものとすることができる。すなわち、2つのキャリアの伝送帯域幅がオーバーラップした部分をなくすことができる。
【0051】
これによって、他方のキャリア(第2のキャリア又は第1のキャリア)、特に他方の周波数ブロックのキャリアと重なる周波数ブロック内のキャリア(それぞれ第1のキャリア又は第2のキャリア)のサイズを最大にすることができ、オーバーラップするキャリア(それぞれ第2のキャリア又は第1のキャリア)による影響を受ける伝送帯域幅の部分は、伝送帯域幅のサイズと比較して削減される。これによって、そのキャリア(それぞれ第1のキャリア又は第2のキャリア)に対するオーバーラップするキャリアの影響、例えば制御データ(制御データは、伝送帯域幅のオーバーラップしない部分により容易に位置決めことができる)に対する影響、スケジューリング及び/又は割り当てに対する影響を低減することができる。
【0052】
第1のキャリアが上述したように周波数ブロック内に存在することか否かに関わらず、第2のキャリアは、別のキャリアを有する周波数ブロック内に存在することができる。この周波数ブロック及びこの周波数ブロック内のキャリアの構成に関係した特徴は、この別の周波数ブロック並びにこの別の周波数ブロックが含む第2のキャリア及び別のキャリアと同様に実施することができる。
【0053】
本発明の一態様によれば、本発明は、第1のキャリア及び第2のキャリアのうちの1つのキャリアを、第1の伝送帯域幅と第2の伝送帯域幅とがオーバーラップした部分の幅に対する1つのキャリアの伝送帯域幅の幅の比が閾値よりも大きくなるように構成することを含む。
【0054】
これによって、伝送帯域幅のサイズに関してオーバーラップするキャリア(第2のキャリア又は第1のキャリア)によって影響を受ける伝送帯域幅の部分を削減することができる。これによって、キャリア(それぞれ第1のキャリア又は第2のキャリア)に対してオーバーラップするキャリアの影響、例えば、制御データ(制御データは、伝送帯域幅中のオーバーラップしない部分により容易に位置決めすることができる)に対する影響、スケジューリング及び/又は割り当てに対する影響を低減することができる。
【0055】
この比は、いくつかのパラメータ、例えば、キャリアを通じて送信される制御データのサイズ又は同期信号の量、キャリアが1次セルであるのか又は2次セルであるのか等に従って設定することができる。
【0056】
本発明の第2の態様は、コード命令がプロセッサによって実行されると、前述したような方法を実行するコード命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0057】
本発明の第3の態様は、少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおいて少なくとも1つのユーザ機器に無線リソースを割り当てる割り当てユニットであって、第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、第1のキャリアの少なくとも第1のサブキャリアは第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、割り当てユニットは、
プロセッサと、
プロセッサによって実行されると、
第1のキャリアの第1の無線リソースの割り当てにおいて使用される第1のサブキャリアを考慮して、第2のキャリアの第2の無線リソースを割り当てる、
ように割り当てユニットを構成する命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、割り当てユニットに関する。
【0058】
本発明の一態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体は、記憶された命令を含むことができ、この命令は、プロセッサによって実行されると、第1のキャリアの第1の無線リソースを割り当てるように基地局を更に構成し、ここで、割り当てられる第1の無線リソースは、第1のサブキャリアを含む。
【0059】
本発明の第4の態様は、少なくとも第1のキャリア及び第2のキャリアを備える無線通信システムにおけるユーザ機器であって、第1のキャリアは第1の伝送帯域幅を有し、第2のキャリアは第2の伝送帯域幅を有し、第1の伝送帯域幅の少なくとも第1のサブキャリアは第2の伝送帯域幅内にあるようになっており、ユーザ機器は、
プロセッサと、
プロセッサによって実行されると、
ユーザ機器が、第2のキャリアにおいて割り当てられる全ての無線リソースが削減伝送帯域幅内にあるような、第2の伝送帯域幅に含まれる削減伝送帯域幅を求めるための情報を受信する、
ようにユーザ機器を構成する命令が記憶された非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、ユーザ機器に関する。
【0060】
削減伝送帯域幅とは、キャリアにおいてユーザ機器に割り当てられる全ての無線リソースが削減伝送帯域幅内にあるような伝送帯域幅の一部分である。削減伝送帯域幅は、伝送帯域幅に厳密に含めることができる。削減伝送帯域幅は、連続する帯域幅とすることもできるし、断片化された帯域幅とすることもできる。
【0061】
これにより、ユーザ機器が、キャリアにおいて送信に有効に使用される伝送帯域幅の部分を求めることができる。したがって、ユーザ機器は、削減伝送帯域幅において無線信号の部分のみを保持するように、周波数領域において無線信号をフィルタリングすることができる。そのため、受信機側における復号化の複雑さが簡略化される。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体は、記憶された命令を含むことができ、この命令は、プロセッサによって実行されると、削減帯域幅に従って無線信号をフィルタリングするようにユーザ機器を構成することができる。
【0062】
削減伝送帯域幅は、同じキャリアを使用する2つのユーザ機器の間で異なるものとすることができる。実際、ユーザ機器は、それらのユーザ機器が(キャリアの伝送帯域幅内の)異なる周波数帯域を有するように無線リソースを割り当てることができる。
【0063】
送信機(例えば基地局)は、情報を送信することができる。この情報は、上記で指定したように周波数F及び/又はFとすることができる。
【0064】
ここで説明したユーザ機器は、第2のキャリアから無線リソースを割り当てられるユーザ機器であり、同じ特徴は、第1のキャリアから無線リソースを割り当てられるユーザ機器について実施することができる。したがって、ユーザ機器は、第1のキャリアにおいて割り当てられた全ての無線リソースが削減伝送帯域幅内にあるように、当該ユーザ機器が第1の伝送帯域幅に含まれる削減伝送帯域幅を求めるための情報を受信する。
【0065】
本発明の一態様によれば、第1のサブキャリアは、削減帯域幅にには含まれない。すなわち、そのキャリアにおいてユーザ機器に割り当てられた全ての無線リソースが削減伝送帯域幅にあることに加えて、削減伝送帯域幅には、第1のサブキャリア又は別のキャリアの無線リソースに使用されるいずれのサブキャリアも含まないものとすることができる。
【0066】
上記説明は、ユーザ機器がキャリアアグリゲーションモードで動作している場合を除外するものではなく、その場合に、第1のキャリア及び/又は第2のキャリアは、コンポーネントキャリアとすることができる。第1のキャリア又は第2のキャリアにおけるリソース割り当ては、各キャリアにおいてそれぞれの削減伝送帯域幅に従って行われる。
【0067】
本発明は、添付図面の図に、限定としてではなく例として示される。添付図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】本発明の一実施形態による送信機及び受信機を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるキャリアの構成を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるキャリアの構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるキャリアの構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるキャリアの構成を示す図である。
図6】本発明によるステップを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1には、無線信号を受信機1.2に送信する送信機1.1が示されている。ユーザ機器1.2は送信機1.1のセル内に存在する。無線システムは、OFDMに基づく送信技術、例えばLTEベースの送信又はNR(新無線)ベースの送信を使用することができる。この例では、送信機1.1は固定局、例えばLTEの場合の基地局である。送信機1.1は、別の移動局とすることもできる。この例では、1つのユーザ機器のみが表されている。しかしながら、本発明は、いくつかのユーザ機器とともに実施することができる。送信機1.1によって行われる無線リソースの割り当ては、送信機1.1のセル内の全てのユーザ機器に対して行うことができる。
【0070】
送信機1.1は、1つの通信モジュール(COM_trans)1.3と、1つの処理モジュール(PROC_trans)1.4と、メモリユニット(MEMO_trans)1.5とを備える。MEMO_trans1.5は、コンピュータプログラムを取り出す不揮発性ユニットと、キャリアの構成(例えばF1,min、F1,max、F2,min、F2,max)と特に各キャリアにおいて割り当てることができる無線リソース(例えばF及びF)とを取り出す揮発性ユニットとを備える。
【0071】
PROC_trans1.4は、無線リソースの割り当てに従って無線リソースを使用してユーザ機器1.2と通信するように構成される。COM_trans1.3は、無線信号をユーザ機器1.2に送信するように構成される。処理モジュール1.4及びメモリユニット1.5は、前述したように、キャリアの無線リソースを少なくともユーザ機器1.2に割り当てる割り当てユニットデバイスを構成することができる。加えて、通信モジュール1.3、処理モジュール1.4及びメモリユニット1.5は、ユーザ機器1.2が、削減伝送帯域幅、例えば値F及びFを求めるための情報を送信するように構成することができる。
【0072】
ユーザ機器1.2は、1つの通信モジュール(COM_recei)1.6と、1つの処理モジュール(PROC_recei)1.7と、メモリユニット(MEMO_recei)1.8とを備える。MEMO_recei1.8は、コンピュータプログラムを取り出す不揮発性ユニットと、キャリアの構成(例えばF1,min、F1,max、F2,min、F2,max、又は、等価な値、例えば各キャリアのチャネル帯域幅の境界若しくは伝送帯域幅の中心)を取り出すとともに、ユーザ機器が、削減伝送帯域幅、例えばF及び/又はFを求めるための情報、又は、F及び/又はFを求める(例えば、それぞれF又はFに基づいてそれぞれF又はFを求める)ための任意の情報を取り出すこともできる揮発性ユニットとを備える。
【0073】
図2には、3つのキャリア(第1のキャリアCC1、第2のキャリアCC2、及び別のキャリアとも呼ばれる第3のキャリアCC3)が示されている。第1のキャリアCC1及び第3のキャリアCC3は、同じ事業者が運用することができる同じ周波数ブロックにある。第2のキャリアCC2は、同じ事業者が運用することができるが、異なる事業者が運用することもできる。第2のキャリアCC2が異なる事業者によって運用される場合、及び/又は、CC1とCC2との間にタイトな調整を有することが可能でない場合には、除外帯域に関して帯域外放射制限を適用することができる(すなわち、除外帯域において放射される電力は、帯域外放射と同じスペクトル制約に従わなければならない)。本発明による第1のキャリア及び第2のキャリアを通じた無線リソースの分配は、動的なものとすることもできる(無線リソースの分配は、例えば割り当てユニットデバイスによって、各割り当て又はいくつかの割り当てについて行うことができる)し、(無線リソースの分配がそれほど頻繁に変更されないときには)半静的なものとすることもできる。
【0074】
周波数ブロックに含まれるキャリアに関して、これらのキャリアは、キャリアアグリゲーション方式におけるコンポーネントキャリアとすることができる。CC1及びCC3は、集約される場合もあるし、集約されない、すなわち組み合わせて使用される場合もある。例えば、LTE又はNRベースの無線通信システムでは、或るキャリアは1次セルであり、第2のキャリアは2次セルであり、2次セルを使用するためには1次セルへの接続が必要である。
【0075】
ユーザ機器の1次セルとして構成されるキャリアは、そのユーザ機器が最初に見つけて接続するキャリアである。ユーザ機器は、その場合に接続モードにある。その後、キャリアは、ユーザ機器の2次セルとして構成することができる。これらの2次セルは、ユーザ機器によって使用されるように高速に動作又は停止することができる。1次セルとしてのキャリアの構成は、各ユーザ機器に固有であり、したがって、異なるデバイスは、それらの1次セルとして構成される異なるキャリアを有することができる。
【0076】
各キャリアは、伝送帯域幅(第1のキャリア用のTB1、第2のキャリア用のTB2及び第3のキャリア用のTB3)から構成される。伝送帯域幅は、キャリアの無線リソースを使用することができる周波数帯域に対応する。各キャリアは、(例えば、隣接するキャリアが別のシステム及び/又は別の事業者等によって使用されるとき、)隣接するキャリア内の制限された帯域外放射を保証するガードバンド(GB:guard band)とともに構成することができる。ガードバンドは、削減することもできるし、いくつかの場合(同期キャリアが同じ事業者に属し及び/又は同じサブキャリア間隔を使用する場合)には抑制することもできる。伝送帯域幅は無線リソースに分解される。LTE又はNRベースの無線通信システムである図2の例では、無線リソースは、いくつかのサブキャリアから構成されるリソースブロック(RB:resource block)である。伝送帯域幅の分解は、キャリアが構成される数秘学に依存し、より具体的には、キャリアのサブキャリア間隔構成(2つの連続するサブキャリア間の周波数領域における間隔に対応する)の数秘学に依存する。したがって、図2において、CC1及びCC3は、同じサブキャリア間隔構成を用いて構成され、CC2は、ここではCC1のサブキャリア間隔構成の2分の1である異なるサブキャリア間隔構成を用いて構成される。本発明は、特定のサブキャリア間隔構成に限定されるものではなく、特に、CC1及びCC3は、異なるサブキャリア間隔構成(SSCとも呼ばれる)を有することができ、及び/又は、各キャリアは、その異なるスペクトル部分において各キャリア内に共存するいくつかのサブキャリア間隔を有することもできる。簡略した方法では、キャリアのサブキャリア間隔構成によって、そのキャリアにおいて使用されるサブキャリア間隔構成のうちの1つが分かり、より具体的には、キャリアのオーバーラップした部分内で及び/又は除外帯域の近傍の部分において使用されるサブキャリア間隔構成が分かる。
【0077】
図2のキャリア(CC1、CC2及びCC3)は同時に使用され、少なくとも1つの地理的ゾーンが3つのキャリアのカバレッジ下にある。例えば、同じ基地局は、これらの3つのキャリアを通じてデータを送信することができる。別の例では、2つの近接した基地局が、それぞれCC1及びCC3と、CC2とを通じてデータを送信することができる。簡単にするために、以下では、CC1、CC2及びCC3は、同じ基地局において構成される3つのキャリアとする。
【0078】
図2の例では、CC1及びCC2はいくつかの同じ周波数リソースも共有する。実際は、CC1の最後の2つのRBと、CC2の最初の4つのRBとがオーバーラップする。この状況において、これらの全ての無線リソースを同時にかつ上述した地理的ゾーンにおいて使用することは、強いキャリア間干渉をもたらすおそれがある。
【0079】
無線リソースを割り当てるとき、割り当てユニットは、サブキャリア(第1のサブキャリアと呼ばれる)を使用して第1のキャリアCC1の無線リソースを割り当てることができる。割り当てユニットは、CC1における無線リソースの割り当てが第1のサブキャリアを使用することを考慮して、第2のキャリアCC2の無線リソースを割り当てることができる。例えば、第1のサブキャリアの周波数の周囲の周波数区間におけるサブキャリアは、第2のキャリアCC2の無線リソースを割り当てるのに使用されないものとすることができる。除外されるCC2の伝送帯域幅の部分は、第2のキャリアの除外周波数帯域(EX2)と呼ばれる。同期信号に使用される無線リソースを除いて、任意のタイプのデータに使用される無線リソースを除外周波数帯域から除外することができる。したがって、キャリアの除外周波数帯域内であっても、そのキャリアの同期信号(SSIと呼ばれる)の送信に無線リソースを使用することができる。
【0080】
図には、SSIは表されていない。
【0081】
逆に、割り当てユニットは、CC2における無線リソースの割り当てが特定のサブキャリアを使用することを考慮して、第1のキャリアCC1の無線リソースを割り当てることができる。除外されるCC1の伝送帯域幅の部分は、第1のキャリアの除外周波数帯域(EX1)と呼ばれる。
【0082】
これらの除外周波数帯域(EX1及びEX2)は、これらのキャリアの対応する無線リソースを予約リソースに設定することによって規定することができる。
【0083】
除外周波数帯域(EX1及びEX2)は、2つの割り当てのいずれかを規定する前に規定することができる。すなわち、除外周波数帯域は事前設定される。したがって、2つの除外周波数帯域(EX1及びEX2)を規定することができ、その後に、CC1及びCC2の割り当てが行われる。
【0084】
除外周波数帯域(EX1又はEX2)は、一方の割り当てを規定した後に規定することができる。したがって、一方の無線リソース割り当てが(例えばCC1において)規定され、その後、除外周波数帯域(例えばEX2)を規定された割り当てに従って規定することができ、その後、CC2の割り当てがEX2に従って規定される。
【0085】
除外周波数帯域は、唯一の区間又はいくつかの区間の結合体とすることができる。除外周波数帯域が除外された伝送帯域幅の部分は、削減伝送帯域幅(CC1のRTB1及びCC2のRTB2)である。
【0086】
図2では、EX2は、CC2の2つのRB(CC1のSSCはCC2のSSCの2倍であるので、CC1の1つのRB)に対応し、EX1は、CC1の1つのRBに対応する。この場合に、RTB1及びRTB2は2つの部分に断片化される。
【0087】
図3では、EX2は、CC2の4つのRBに対応している。この場合に、RTB1及びRTB2は断片化されない。この例では、EX2はTB1及びTB2がオーバーラップした部分に対応する。
【0088】
図4では、EX2は、CC2の2つのRBに対応し、EX1は、CC1の1つのRBに対応する。この場合に、RTB1及びRTB2は断片化されない。
【0089】
図3及び図4では、RTBは断片化されない。これらのRTBは、値F及びFによって規定することができる。RTB1は、F1,minからFにわたる削減伝送帯域幅であり、RTB2は、FからF2,maxにわたる削減伝送帯域幅である。
【0090】
及びFは、|F-F|が、オーバーラップしたキャリアのうちの一方が構成されるサブキャリア間隔構成(SSC)に少なくとも等しくなるように設定することができる。双方のキャリアが同じサブキャリア間隔構成を用いて構成されるとき、|F-F|は、そのサブキャリア間隔構成に又は少なくともそのサブキャリア間隔構成の倍数に等しくなることができる。
【0091】
図5では、2つのキャリアCC1及びCC2は同じSSCを用いて構成され、|F-F|はそのSSCに等しい。
【0092】
オーバーラップした2つのキャリア(CC1及びCC2)が同じSSCを用いて構成されない場合には、F及びFは、|F-F|が正の閾値よりも大きくなるように設定することができる。この閾値は、CC1とCC2との間の干渉を低減又は回避するのに十分なものとすることができる。ただし、この閾値は、無線リソースの過度な浪費を回避するためにあまり重要なものでない場合がある。
【0093】
この場合に、基地局1.1は、ユーザ機器1.2が無線リソースを割り当てられるRTBを求めるための情報をユーザ機器1.2に容易に送信することができる。特に、基地局1.1によって放射された無線信号を受信すると、UE1.2は、UE1.2が無線リソースを割り当てられたRTBにおける無線信号の部分のみを保持するようにフィルタリングすることができる。加えて、無線リソースがダウンリンク又はアップリンク用にユーザ機器1.2に割り当てられるか否かを問わず、RTBの使用は、伝送帯域幅において使用される全ての無線リソースを完全にシグナリングするのに必要とされる信号伝達を削減することを可能にし、及び/又は、アップリンク/ダウンリンク送信のために基地局によってシグナリングされるリソース割り当てによって指定された実際の無線リソースを正しく求めるためにユーザ機器にとって必要である。
【0094】
同期信号(SSI:synchronization signal)が、各キャリアを通じて送信機1.1(例えば基地局1.1)によって放射され、これらのキャリアのうちの一方を使用するユーザ機器1.2を送信機1.1と同期させることができる。UEが正確に同期されることは極めて重要であり、したがって、UEによるこれらのSSIの正確な受信及び処理は重要である。キャリアがオーバーラップしているとき、これらのSSIは、大きな干渉を受ける場合がある。本発明によれば、2つのキャリアがオーバーラップしているとき、SSIは、これらの干渉を回避又は少なくとも低減するための適切な位置(時間及び周波数)に設定することができる。
【0095】
したがって、オーバーラップしたうちの一方のキャリア(CC1又はCC2)の伝送帯域幅におけるSSIの位置は、この一方のキャリアのRTBと、したがって、他方のキャリアのEXとを考慮する場合もあるし、考慮しない場合もある。
【0096】
RTBは、ユーザ機器に関係付けることができ(又はユーザ機器固有とすることができ)、したがって、同じキャリアを使用する各UEは、それ自身のRTBと、したがって、それ自身のEXとを有することができる。これらのRTBは、全て同じものとすることもできるし、異なるものとすることもできる。本明細書において、ユーザ機器に関係付けられたRTBは、ユーザ機器のRTB若しくはRTBU又は単にRTBと呼ばれる場合がある。本明細書において、ユーザ機器に関係付けられたEXは、ユーザ機器のEX若しくはEXU又は単にEXと呼ばれる場合がある。
【0097】
RTBUは、例えば3GPP仕様に記載されているように帯域幅パート(bandwidth part)の概念に関して異なるものとすることができる。例えば、図2の場合に、CC1においてユーザ用に構成される帯域幅パートは、EX1を包含することができ、ユーザは、その帯域幅パート内のリソース割り当てをRTBU構成によって更に制約されているとみなす。全ての例において、RTBU及び帯域幅パートは、個別に構成することができる。帯域幅パートは、多くの「帯域幅パートごとの」パラメータ(例えば、基準信号構成、サブキャリア間隔構成等)のセットの構成を伴う一方、RTBUは、周波数領域制限に一意に関係付けられる。RTBUは、例えば、UE固有の帯域幅パートよりも大きい場合もあるし、UEの最大サポート帯域幅よりも大きい場合もある。
【0098】
一方、本明細書において、RTBは、キャリアにおいて無線リソースを割り当てられる全てのユーザ機器の全てのRTBがオーバーラップした部分に対応することができる。これらのRTBは、キャリアのRTB若しくはRTBC又は単にRTBと呼ばれる場合がある。本明細書において、EXは、キャリアにおいてリソースを割り当てられる全てのユーザ機器の全てのEXの結合体に対応することができる。これらのEXは、キャリアのEX若しくはEXC又は単にEXと呼ばれる場合がある。
【0099】
簡単にするために、図2図3図4では、1つのRTBのみが各キャリアに表され、所与の時間インスタンスにおいて表されている。これらの図は、1つのユーザ機器のみを有する簡略化された通信システム、若しくは、全てのユーザ機器が同じRTB及びEX帯域幅を有するユーザ機器の簡略化されたRTBを表すか、又は、より一般的には、これらの図のRTBは、全てのユーザ機器の全てのRTBがオーバーラップした部分を表す。
【0100】
ただし、無線リソースを割り当てられるRTBの各ユーザ機器へのシグナリングは、ユーザ機器ごとに異なり得るこのユーザ機器のRTBのシグナリングに限定することができる。しかしながら、簡単にするために、以下では、同じキャリアを使用する全てのユーザ機器は、同じRTB及びEXを有することができ、したがって、キャリアのRTBはユーザ機器のRTBと同じであり、キャリアのEXはユーザ機器のEXと同じである。
【0101】
一方のキャリアのSSI(すなわちUEがこのキャリアと同期するためのSSI)は、このキャリアのRTBの結合体内に位置決めされるように設定することができる。したがって、図2図3及び図4に関して、SSIは、CC1のSSIに関してはRTB1内に設定することができ、及び/又は、CC2のSSIに関してはRTB2内に設定することができる。
【0102】
SSIは、オーバーラップしたキャリア(CC1及びCC2)の一方又は双方において停止することもできる。ただし、図3の状況において、すなわち除外周波数帯域が一方のキャリアにおいてのみ規定されるときに、SSIを停止することが特に有利である。例えば、図3では、SSIは、CC1については停止されないものとすることができ、CC2については停止することができる。
【0103】
SSIの送信の停止は、SCellとして構成されるキャリア内でスケジューリングされる全てのUEについてそのキャリアについてのみ可能とすることができる。ユーザ機器1.2は、PCellとして構成されるキャリア全体にわたってSCellとして構成されるキャリアと同期することができる。
【0104】
キャリアが1次セル(PCell)であるとき、SSIは、2次セル(SCell)として構成されるキャリアのSSIよりも重要である。したがって、PCellキャリアのSSIは、例えば、このキャリアのEXを削減することによって、又は、このキャリアのSSIをこのキャリアのEX内以外の位置に設定することによって、このキャリアのEXを回避するように設定することができる。このキャリアのRTBと、したがって、オーバーラップしたうちの他方のキャリアのEXとは、これらのSSI位置を含むように求めることができる。
【0105】
全ての場合において、オーバーラップしたうちの一方のキャリア(例えばCC1)のRTBと、したがって、オーバーラップしたうちの他方のキャリア(例えばCC2)のEXとは、CC1のSSI位置を含むように求めることができる。可能なとき、すなわち、オーバーラップした2つのキャリアのSSIが衝突しないとき、すなわち、CC1におけるSSIがCC2のSSIと同じ時間位置及び周波数位置において生じないとき、CC2のRTBと、したがって、CC1のEXとは、同様にCC2のSSI位置を含むように求めることができる。オーバーラップしたうちの一方のキャリアはCC2によって表すことができ、オーバーラップしたうちの他方のキャリアはCC1によって表すことができる。各キャリアのRTBは、したがって、各キャリアにおけるSSIの位置に従って求められる。
【0106】
そのような状況を可能にするために、オーバーラップしたうちの他方のキャリアのSSIの送信と異なる(例えばより低い)時間領域周期性を用いて、一方のキャリアのSSIの送信の(時間領域における)周期性を構成することが適切であり得る。別の変形形態では、この周期性は、同じものとすることができるが、SSIが送信される時刻(例えばフレーム)は異なる。したがって、オーバーラップした2つのキャリアのSSIの間の衝突が発生する確率は低減される。衝突の可能性がある場合には、ドロッピングルール(dropping rule)を導入しなければならない(例えば、SCellにおけるSSI送信をドロップするか、又は、最も高い時間領域周期性を有するキャリアにおけるSSI送信をドロップする等)。衝突が発生しない時間周期では、上述した解決策を実施することができ、すなわち、各キャリアにおけるSSI位置に従って各キャリアのRTB及びEXを求めることができる。
【0107】
オーバーラップしたキャリア(CC1及びCC2)の中で、一方がPCellであり、他方がSCellである場合に、SSIの送信の低い周期性はSCell用に設定することができ、SSIの送信の高い周期性はPCell用に設定することができる。
【0108】
SSIは、RTBを考慮することなく適切な位置に設定することもでき、したがって、一方のキャリアのSSIの一部は、そのキャリアのEX内にある無線リソースを通じて送信することができる。これは、一部のSSIに強い干渉をもたらす場合がある。しかしながら、キャリアのEXが、そのRTBと比較して小さいときは、EXを通じて送信されるSSIの量は、RTBを通じて送信されるSSIの量と比較して少なくすることができる。したがって、キャリアは、最も広いRTBがそのEXと比較して広くなるように構成することができる。
【0109】
いくつかのキャリアが、例えば同じ事業者(キャリアアグリゲーションメカニズムの有無を問わない)によって、同じ周波数ブロックにおいて運用されているとき、オーバーラップしたキャリアのTBのサイズは、周波数ブロックの他のキャリアのTBのサイズ及び/又はオーバーラップしたキャリアのEXのサイズに対して相対的に構成することができる。
【0110】
例えば、周波数ブロックにおけるオーバーラップしたキャリア(図2図5におけるCC1)は、周波数ブロックにおける他のキャリア(図2図5におけるCC3)のTBのサイズ以上のサイズのTBを用いて構成することができる。
【0111】
例えば、周波数ブロックにおけるオーバーラップしたキャリア(図2図4及び図5におけるCC1)は、EXのサイズに対するCC1のTBのサイズの比が閾値以上となるようなTBを用いて構成することができる。そのような比を得るために、周波数ブロックにおける他のキャリア(CC3)のTBを削減することができ、オーバーラップしたキャリア(CC1)のTBを増加させることができる。EXは、上記で規定されたような任意のEXとすることができる。例えば、EX1は、図に表されていない、TB1とTB2とがオーバーラップした部分に対応することができる。
【0112】
図6には、本発明によるステップを表すフローチャートが示されている。
【0113】
ステップS1において、キャリアは、送信機1.1、例えば基地局1.1によって構成される。
【0114】
同じ事業者によって運用される周波数ブロック内のキャリア(CC1及びCC3)が構成される。周波数ブロック外のキャリア(CC2)も、周波数ブロック内のキャリアを運用する事業者によって運用される場合、又は、事業者間の合意が存在する場合には、周波数ブロック外のキャリアも、周波数ブロック内のキャリアと合わせて構成することができる。
【0115】
オーバーラップしたうちの一方のキャリア(CC1)は、伝送帯域幅、削減伝送帯域幅及び/又は除外周波数帯域のサイズに関して構成することができる。伝送帯域幅のサイズ及び/又は削減伝送帯域幅のサイズは、TB1とTB2とがオーバーラップした部分のサイズ及び/又はEX1のサイズ及び/又は前述したようにCC1及び/又はCC1のサブキャリア間隔構成が構成されるセルのタイプ(PCell又はSCell)に従って求めることができる。
【0116】
CC1が、異なるセル構成タイプ及び/又は異なるRTBを用いていくつかのユーザ機器用に構成される場合には、RTB1は、全てのRTBの結合体若しくは図2図5に記載されたRTBである最も広いRTBに従って、及び/又は、キャリアが少なくとも1つのUEについてPCellとして構成される場合にはPCellタイプを考慮して求めることができる。
【0117】
EX1は、CC1よりも前に構成される場合にはオーバーラップしたうちの他方のキャリア(CC2)のRTBに従って、及び/又は、前述したようにCC1において使用されるSSIの送信の方式に従って構成することができる。
【0118】
EX1及びEX2は、合わせて求めることもできる。したがって、CC1及びCC2の事業者(複数の場合もある)は、EX1及びEX2の結合体がTB1及びTB2がオーバーラップした部分をカバーすることを保証して、CC1の無線リソースがCC2の無線リソースと衝突しないことを確保することができる。
【0119】
RTB1及びRTB2は、合わせて求めることもできる。したがって、CC1及びCC2の事業者(複数の場合もある)は、RTB1及びRTB2がオーバーラップした部分がないことを保証して、本明細書において前述した特定の構成の下で他方のキャリアにおいて周波数帯域にわたることができる一方のキャリアのSSIを除外して、CC1の無線リソースがCC2の無線リソースと衝突しないことを確保することができる。
【0120】
オーバーラップしたうちの一方のキャリア(CC1)は、同期信号、すなわち、キャリアにおける同期信号(SSI)の時間及び周波数の位置に関して構成することができ、例えば、CC1におけるSSIの時間周期性を求め、これらのSSIのTB1における周波数位置を求める。これらの位置は、CC1が構成されるセルのタイプ(PCell又はSCell)、オーバーラップしたうちの他方のキャリア(CC2)におけるSSIの周期性、前述したようなEX1に従って求めることができる。
【0121】
CC1の構成は、基地局1.1によって行うことができる。基地局1.1は、したがって、必要に応じて及び/又は基地局1.1の自由にならない場合(例えば、基地局1.1がCC2も構成する場合)に、上述したパラメータの一部又は全てを受信することができる。
【0122】
TB、RTB及びEXに関するキャリアの構成は、動的なものとすることができ、すなわち、例えば、オーバーラップした各キャリアを通じて送信するデータの量、又は、キャリアのうちの1つにおいて送信されるデータの重要度若しくは高優先度に従って、無線リソースの割り当てごとに又は周期的に(例えば、無線リソースの10個の割り当てごとに)変更することができる。TB、RTB及びEXに関するキャリアの構成は、半静的なものとすることもできる。
【0123】
オーバーラップしたうちの他方のキャリア(CC2)の構成は、同じパラメータに基づいて行うことができる。
【0124】
これらの構成パラメータ(TB1、TB2、RTB1、RTB2、EX1、EX2、CC1のSSI、CC2のSSI、PCell/SCell)は、各パラメータが他のパラメータを求めるために使用されるか否かに応じて異なる順序で求めることができる。
【0125】
ステップS2において、キャリアが構成されると、送信機1.1は、各UEがそのRTBを求めるための情報をUEに送信する。送信機1.1は、したがって、TB1又はTB2の境界とそれぞれ異なるRTB1又はRTB2の境界を送信することができる。例えば、送信機1.1は、値F若しくはF、又はより一般的には、F又はFを取り出すための任意の情報を、それぞれTB1又はTB2において無線リソースを割り当てられるUEに送信することができる。例えば、送信機1.1は、値F(又はF)のみを送信することができ、この値に基づいて、例えば、同じSSCが双方のキャリアによって使用される場合にはF=F+ΔSSC、又はF=F+ΔSSC1,2によって、UEはF(又はF)を取り出す。別の例では、|F-F|は、既定のガードバンドに等しい。送信機1.1は、F又はFと異なる値Fを送信することができ、例えば、Fは、RBの中央にあるサブキャリアの周波数とすることができる。F及びFは、Fから推定することができ、例えば、Fは、RBよりも前の最後のサブキャリアに対応することができ、Fは、RBの次の最初のサブキャリアに対応することができる。
【0126】
この情報に基づいて、各UEはそのRTBを求める。
【0127】
ステップS5において、割り当てユニット(基地局1.1に含めることができる)が、無線リソースを割り当てる。割り当てユニットは、各キャリア又は基地局1.1又は同じ事業者によって運用されるキャリアに固有のものとすることができる。
【0128】
割り当てユニットは、CC3及び/又はCC1及び/又はCC2の無線リソースをこれらのキャリアのカバレッジ内のUEに割り当てる。
【0129】
次に、基地局1.1は、UEにそれらの無線リソース割り当てを通知する。この情報は、制御チャネルを通じて送信することができる。この情報は、ステップS2において送信される情報とともに送信することもできるし、その後に送信することもできる。
【0130】
ステップS7において、無線リソースを割り当てられたユーザ機器1.2は、無線リソースがダウンリンク送信用に割り当てられるか又はアップリンク送信用に割り当てられるかに応じて、これらの無線リソースを含む無線信号を受信するか、又は、これらの無線リソースを使用して無線信号を放射する。ダウンリンク送信の場合には、UE1.2は、ステップS2において求められたUE1.2のRTBに対応する信号の部分のみを保持するよう無線信号をフィルタリングすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6