IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズン電子株式会社の特許一覧 ▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧

特許7438326発光装置、及びその製造方法、並びに面状発光装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】発光装置、及びその製造方法、並びに面状発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240216BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/62
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022507284
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2021009911
(87)【国際公開番号】W WO2021182585
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2020044571
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】田村 量
(72)【発明者】
【氏名】堀内 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 昭
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-116129(JP,A)
【文献】特開2012-160534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
F21V 19/00-19/06
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に伸延する線状の平面形状を有する実装基板と、
前記第1方向に伸延する線状の平面形状を有すると共に前記第1方向に伸延する開口部を有し、前記実装基板の表面に接着された回路基板と、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板の表面にダイボンドによって接着されることで実装された複数の発光素子と、を備え、
前記実装基板及び前記回路基板の外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成され、
前記非重畳部は、前記第1方向に延伸する辺に沿って配置され、
前記実装基板の前記第1方向に直交する第2方向の長さは、前記回路基板の前記第2方向の長さよりも短く、
前記実装基板の前記第1方向の端部の少なくとも一部は、前記回路基板に重畳しない、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
第1方向に伸延する線状の平面形状を有する実装基板と、
前記第1方向に伸延する線状の平面形状を有すると共に前記第1方向に伸延する開口部を有し、前記実装基板の表面に接着された回路基板と、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板の表面にダイボンドによって接着されることで実装された複数の発光素子と、を備え、
前記実装基板及び前記回路基板の外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成され、
前記非重畳部は、前記第1方向に延伸する辺に沿って配置され、
前記非重畳部は、前記第1方向に延伸する一対の辺のそれぞれに複数配置され、
前記実装基板の前記第1方向の端部の少なくとも一部は、前記回路基板に重畳しない、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
前記実装基板の前記第1方向に直交する第2方向の長さは、前記回路基板の前記第2方向の長さよりも長い、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記非重畳部は、扇形の平面形状を有し、前記実装基板の四隅に配置される、請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記実装基板の裏面に接合された金属板を更に有し、
前記実装基板は、第1の熱膨張率を有する材料で形成され、
前記回路基板は、前記第1の熱膨張率より小さい第2の熱膨張率を有する材料で形成され、
前記金属板は、前記第1の熱膨張率より小さい第3の熱膨張率を有する金属で形成される、
請求項1~4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
第1方向に伸延する線状の平面形状を有する実装基板と、
前記第1方向に伸延する線状の平面形状を有すると共に前記第1方向に伸延する開口部を有し、前記実装基板の表面に接着された回路基板と、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板の表面にダイボンドによって接着されることで実装された複数の発光素子と、を備える発光装置の製造方法であって、
複数の前記実装基板、及び複数の前記回路基板が一体化された基板を含む集合基板を形成し、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板に複数の発光素子を実装し、
前記実装基板及び前記回路基板の前記第1方向に沿う外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成されるように、前記集合基板を前記第1方向に沿って切断して、複数の発光装置を形成する、
工程を含み、
前記集合基板を形成する工程は、前記複数の回路基板が一体化された基板の裏面に、前記複数の実装基板を前記第1方向に直交する第2方向に互いに離隔するように配置する工程を含み、
前記複数の発光装置を形成する工程は、前記集合基板を、前記複数の実装基板の間を前記第1方向に沿って切断する工程を含み、
前記実装基板の前記第1方向の端部の少なくとも一部は、前記回路基板に重畳しない、
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
第1方向に伸延する線状の平面形状を有する実装基板と、
前記第1方向に伸延する線状の平面形状を有すると共に前記第1方向に伸延する開口部を有し、前記実装基板の表面に接着された回路基板と、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板の表面にダイボンドによって接着されることで実装された複数の発光素子と、を備える発光装置の製造方法であって、
複数の前記実装基板が一体化された基板、及び複数の前記回路基板が一体化された基板を含む集合基板を形成し、
前記第1方向に配列されるように、前記開口部を介して前記実装基板に複数の発光素子を実装し、
前記実装基板及び前記回路基板の前記第1方向に沿う外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成されるように、前記集合基板を前記第1方向に沿って切断して、複数の発光装置を形成する、
工程を含み、
前記複数の回路基板が一体化された基板は、前記第1方向に直交する第2方向に所定の間隔離隔して前記第1方向に配列される複数の孔が形成され、
前記集合基板を形成する工程は、前記複数の回路基板が一体化された基板の裏面を前記複数の実装基板が一体化された基板の表面に接着する工程を含み、
前記複数の発光装置を形成する工程は、前記孔を切断するように、前記集合基板を前記第1方向に沿って切断する工程を含み、
前記実装基板の前記第1方向の端部の少なくとも一部は、前記回路基板に重畳しない、
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、及びその製造方法、並びに面状発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等の表示装置用、又はシーリングライト等の照明装置用の光源として、面状に光を照射するバックライトが用いられる。バックライトは、ケースの側面に配置された発光装置が出射する光を、導光板を用いて面状の光に変換してバックライトの主面から照射する、いわゆるエッジライト型のバックライトとして構成されることが一般的である。
【0003】
バックライトに用いられる光源は、一般に、実装基板と回路基板とを接着した集合基板上に、発光素子を実装して形成される。例えば、特開2015-207743号公報に記載されるLED照明装置は、アルミ基板と、アルミ基板上に設けられた複数の増反射処理層と、複数の増反射処理層上に接着されたLED素子と、アルミ基板上で複数の増反射処理層が設けられた領域以外の領域に接着されたプリント配線基板と、プリント配線基板とLED素子とを接続するワイヤと、LED素子の周囲に配置されたダム材と、ダム材の内側領域に配置された蛍光体樹脂を有する。
【発明の概要】
【0004】
バックライト用の発光装置は、製造効率を向上させるために、実装基板と回路基板とが接着された一枚の大型の集合基板上に複数の発光装置を形成した後、集合基板を切断して複数の発光装置に個片化して形成されることが一般的である。一方、発光装置の小型化の進展により、実装基板と回路基板との間を接着する接着部の面積が小さくなると共に、切断される切断部と配線パターンとの間の離隔距離が減少する。発光装置の小型化の進展により、接着部の面積が小さくなり且つ切断部と配線パターンとの間の離隔距離が減少することで、実装基板と回路基板との間の剥離、及び配線パターンの断線が発生し、発光装置の製造歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】
本開示は、集合基板を切断して個片化された複数の発光装置を形成するときに、基板の剥離及び配線パターンの断線が発生するおそれが低い発光装置を提供することを目的とする。
【0006】
本開示に係る発光装置は、実装基板と、実装基板の表面に接着された回路基板と、実装基板の表面である実装領域に実装された複数の発光素子とを備え、実装基板及び回路基板の外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成される。
【0007】
また、発光装置では、実装基板及び回路基板は、第1方向に伸延する線状の平面形状を有し、非重畳部は、第1方向に延伸する辺に沿って配置されることが好ましい。
【0008】
また、発光装置では、実装基板の第1方向に直交する第2方向の長さは、回路基板の第2方向の長さよりも長いことが好ましい。
【0009】
また、発光装置では、実装基板の第1方向に直交する第2方向の長さは、回路基板の第2方向の長さよりも短いことが好ましい。
【0010】
また、発光装置では、非重畳部は、第1方向に延伸する一対の辺のそれぞれに複数配置されることが好ましい。
【0011】
また、発光装置では、非重畳部は、扇形の平面形状を有し、実装基板の四隅に配置されることが好ましい。
【0012】
また、発光装置は、実装基板の裏面に接合された金属板を更に有し、実装基板は、第1の熱膨張率を有する材料で形成され、回路基板は、第1の熱膨張率より小さい第2の熱膨張率を有する材料で形成され、金属板は、第1の熱膨張率より小さい第3の熱膨張率を有する金属で形成されることが好ましい。
【0013】
また、面状発光装置は、発光装置と、底面、及び底面の端部から直立して延伸すると共に、発光装置が固定される側面を有するケースと、複数の発光素子から出射された光を入射する入光面と、入光面から入射した光を出射する出光面とを有し、入光面を複数の発光素子に対向させ、且つ、出光面の反対の面が底面に対向するように配置された導光板と、出光面の全体を覆うように配置された光学シートと、実装基板が固定される側面に近接して配置された第1端辺、及び導光板の上部に配置された第2端辺を含み、第1端辺と第2端辺との間で、発光装置から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光するように導光板と光学シートとの間に配置された遮光部材とを有することが好ましい。
【0014】
また、面状発光装置では、発光装置は、複数の発光素子を封止する封止材を更に備え、複数の発光素子から遮光部材までの垂直方向の距離をH、封止材の表面の直上から第2端辺までの距離をDとした場合、H/Dが、1.0以下であることが好ましい。
【0015】
また、面状発光装置では、発光装置は、複数の発光素子を封止する封止材を更に備え、導光板は、入光面に設けられ、複数の発光素子の発熱に応じて発光装置に向けて伸長する凸部を更に有し、複数の発光素子が発光していない非発光状態における導光板の凸部の長さが、入光面から封止材の表面までの発光面離隔距離以上、且つ、入光面から発光装置の基板までの基板離隔距離以下であることが好ましい。
【0016】
発光装置の製造方法は、回路基板の裏面を実装基板の表面に接着して集合基板を形成し、実装領域に、複数の発光素子を実装し、実装基板及び回路基板の第1方向に沿う外縁が平面視で重畳しない非重畳部が形成されるように、集合基板を第1方向に沿って切断して、複数の発光装置を形成する工程を含む。
【0017】
また、発光装置の製造方法では、集合基板を形成する工程は、複数の回路基板を実装基板の表面に、第1方向に直交する第2方向に互いに離隔するように配置する工程を含み、複数の発光装置を形成する工程は、集合基板を、複数の回路基板の間を第1方向に沿って切断する工程を含むことが好ましい。
【0018】
また、発光装置の製造方法では、複数の発光装置を形成する工程は、集合基板を、複数の回路基板の間を第2方向に沿って切断する工程を更に含むことが好ましい。
【0019】
また、発光装置の製造方法では、集合基板を形成する工程は、回路基板の裏面に、複数の実装基板を第2方向に互いに離隔するように配置する工程を含み、複数の発光装置を形成する工程は、集合基板を、複数の実装基板の間を第1方向に沿って切断する工程を含むことが好ましい。
【0020】
また、発光装置の製造方法では、回路基板は、第2方向に所定の間隔離隔して第1方向に配列される複数の孔が形成され、集合基板を形成する工程は、回路基板の裏面を実装基板の表面に接着する工程を含み、複数の発光装置を形成する工程は、孔を切断するように、集合基板を及び回路基板を第1方向に沿って切断する工程を含むことが好ましい。
【0021】
本開示によれば、集合基板を切断して個片化された複数の発光装置を形成するときに、基板の剥離及び配線パターンの断線発が発生するおそれが低い発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る発光装置を用いたバックライトを模式的に示す斜視図である。
図2図1に示すバックライトの分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す図である。
図4】バックライトの構成を模式的に示す平面図である。
図5図4に示すバックライトのC-C’’線に沿った断面図である。
図6図4に示すバックライトのC-C’線、B-B’線に沿った拡大断面図である。
図7】第1実施形態に係る発光装置の製造方法における、集合基板を形成する工程の一例を示す図である。
図8図7に示す集合基板のD-D’線に沿った断面図である。
図9】発光素子を実装する工程、及び複数の発光装置に個片化する工程の一例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る発光装置の製造方法における、集合基板を形成する工程の一例を示す図である。
図11図10に示す集合基板のD-D’線に沿った断面図である。
図12】発光素子を実装する工程、及び複数の発光装置に個片化する工程の一例を示す図である。
図13】第2実施形態に係る発光装置の製造方法を用いて製造された発光装置の構成を模式的に示す図である。
図14】第3実施形態に係る発光装置を製造するための集合基板を示す図である。
図15】第4実施形態に係る発光装置を製造するための集合基板を示す図である。
図16】第5実施形態に係る発光装置を製造するための集合基板を示す図である。
図17】第6実施形態に係る発光装置を製造するための集合基板を示す図である。
図18】第1変形例に係るバックライトの分解斜視図である。
図19図18に示すバックライトの拡大断面図である。
図20図18に示すバックライトにおいて、発光装置からの出射光量及び距離Hの値を変更させたときの、光学シートの下面位置での光束量のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は発光装置が30000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示し、(b)は発光装置が45000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示し、(c)は発光装置が60000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示す。
図21】第2変形例に係るバックライトの拡大断面図である。
図22】第3変形例に係るバックライトの分解斜視図である。
図23】(a)は図22に示すバックライトの構成を模式的に示す平面図であり、(b)は図22に示す導光板の凸部の拡大平面図である。
図24】(a)は図22に示すC-C’線に沿う拡大断面図であり(b)は22に示すに示すB-B’線に沿った拡大断面図である。
図25図22に示すバックライトにおいて、発光装置の発熱によって導光板の凸部が伸長した様子を模式的に示す拡大平面図である。
図26】(a)は図24(a)に示す導光板の凸部が伸長した様子を示す拡大断面図であり、(b)は図24(b)に示す導光板の凸部が伸長した様子を示す拡大断面図である。
図27図24(a)及び24(b)に示す遮光部材のストッパ部、及び導光板の変形例を示す図である。
図28】第5変形例に係るバックライトの構成を模式的に示す平面図である。
図29図28に示すバックライトのC-C’線に沿う拡大断面図であり、図28に示すバックライトのB-B’線に沿う拡大断面図である。
図30】(a)は遮光部材の変形例(その1)を示す図であり、(b)は遮光部材の変形例(その2)を示す図である。
図31】遮光部材の変形例(その3)を示す図である。
図32】(a)は第1変形例に係る発光装置の断面図であり、(b)は(a)に示す発光装置の底面図である。
図33】(a)は第2変形例に係る発光装置の断面図であり、(b)は(a)に示す発光装置の底面図である。
図34】(a)は第3変形例に係る発光装置の断面図であり、(b)は(a)に示す発光装置の底面図である。
図35】(a)は第4変形例に係る発光装置の断面図であり、(b)は(a)に示す発光装置の底面図である。
図36】(a)は第5変形例に係る発光装置の断面図であり、(b)は第6変形例に係る発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、各図において同一こと、又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にするもある。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係る発光装置2を用いたバックライト1を模式的に示す斜視図である。バックライト1は、不図示の外部電源からケーブル23を介して電力が供給されることに応じて、ケース6上の発光面10から面状に光を照射する面状発光装置である。バックライト1は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置用、又はシーリングライト等の照明装置用の光源として用いられる。バックライト1は、所定の方向に伸延した扁平な直方体の形状を有するが、実施形態に係るバックライトの形状は、用途に応じて適宜決定されてよい。また、実施形態に係るバックライトの発光面の形状は、適宜決定されてよく、5角形以上の多角形又は楕円形等の矩形状以外の形状であってもよい。
【0025】
図2は、バックライト1の分解斜視図である。バックライト1は、発光装置2、導光板3、反射シート4、及び光学シート5と、これらを収納するケース6を構成する上ケース6a及び下ケース6bを備える。
【0026】
発光装置2は、第1方向とも称される長手方向が下ケース6bの長手方向と一致するように、下ケース6bの一つの内側面に沿って配置される。発光装置2は、基板20の長手方向にLED(Light-Emitting Diode)等の発光素子が配列された発光領域21を有する。発光装置2は、ケーブル23を介して電力を供給され、30000(cd/m2)以上かつ45000(cd/m2)以下の輝度の光を、発光領域21から線状に出射する。バックライト1の中心部の輝度が100(cd/m2)のときの発光装置2の全光束量は1(lm/mm2)となる。発光装置2は、ケーブル23を介して電力が供給され、発光領域21から光を出射する。発光装置2は、2つの発光領域21を有するが、実施形態に係る発光装置は、1つ又は3つ以上の発光領域を有してもよい。
【0027】
導光板3は、一つの主面である出光面32と、発光装置2に対向する側面である入光面31とを有し、出光面32が上方に配置されるように下ケース6bに配置される。発光装置2の発光領域21から出射した光は、入光面31から導光板3に入射する。導光板3の出光面32と反対の下面には微細な凹凸構造が形成され、入光面31から導光板3に入射した光は、下面に形成された凹凸構造に反射して、出光面32から出射される。導光板3は、例えば、ポリカーボネート及びアクリル等の樹脂、並びに耐光性の高いガラス等の光透過性部材により形成される。
【0028】
反射シート4は、導光板3と下ケース6bの間に配置される。反射シート4は、導光板3の下面から反射シート4に入射した光を導光板3に反射して、発光装置2の発光効率を向上させる。反射シート4は、例えば、アルミニウム、銀等の光反射率の高い金属を、ナイロン、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂に蒸着又は塗装して形成される。反射シート4の表面には、増反射膜がコーティングされてもよい。また、反射シート4として、光を反射する白色のシート等が用いられてもよい。
【0029】
光学シート5は、拡散シート、集光シート及び偏光シートの1つ又は2つ以上の組み合わせで構成され、導光板3の出光面32を覆うように配置される。導光板3の出光面32から出射した光は、光学シート5によって各種の光学的効果が加えられた後、バックライト1の発光面10となる上ケース6aの開口部61から面状に照射される。
【0030】
拡散シートは、導光板3の出光面32から出射する光を拡散する。拡散シートは、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はアクリル等の樹脂に、シリカ粒子等を分散させて形成される。集光シートは、導光板3の出光面32から出射する光の配光分布を調整する。集光シートは、例えば、アクリル等の樹脂からなるプリズムシートである。偏光シートは、導光板3の出光面32から出射する光の互いに直交する偏光成分のうちの一方を透過し、他方を吸収又は反射する。偏光シートは、例えば、樹脂等により形成される多層膜構造を有する。光学シート5において、拡散シート、集光シート及び偏光シートの配列は限定されず、光学シート5は、拡散シート、集光シート及び偏光シート以外のシートを更に有してもよい。
【0031】
上ケース6a及び下ケース6bは、合成樹脂又は金属等の硬度が高い材料で形成され、発光装置2、導光板3、反射シート4、及び光学シート5を収納する。下ケース6bの一つの側面には、発光装置2が配置され、下ケース6bの底面には、反射シート4、導光板3、及び光学シート5が、外形が一致するように順次重畳される。上ケース6aが下ケース6bを覆うように更に配置されて、バックライト1が形成される。上ケース6aは、開口部61を有しており、開口部61から光学シート5が露出する。また、下ケース6bは、四隅の一つに引出孔62を有しており、発光装置2と接続されたケーブル23は、バックライト1の外部に引出孔62を介して引き出される。
【0032】
弾性部材7は、シリコン等の可とう性が高い樹脂により形成され、発光装置2が配置された側面に対向する下ケース6bの側面と、入光面31と反対の導光板3の側面との間に配置され、導光板3を発光装置2の方向に押圧する。弾性部材7が配置されることで、発光装置2及び導光板3が下ケース6b内で弾性的に固定される。弾性部材7は、黒色等の遮光性を有した材料で形成されてもよく、光を反射する白色の材料で形成されてもよい。弾性部材7が光を反射する白色の材料で形成されることにより、弾性部材7と導光板3が接触しても暗部にならず、バックライト1の狭額縁化が可能となる。
【0033】
図3(a)は発光装置2の構成を模式的に示す平面図であり、図3(b)は図3(a)に示すA-A’線に沿った発光装置2の断面図である。発光装置2は、LED等の発光素子24が実装された基板20を有する。
【0034】
基板20は、実装基板20a及び実装基板20aの表面に接着された回路基板20bを有する。実装基板20a及び回路基板20bは、細長い線状の平面形状をするが、正方形又は長方形等の矩形の平面形状を有してもよい。実装基板20a及び回路基板20bが線状の平面形状を有する場合、実装基板20a及び回路基板20bの長手方向は、発光装置2の長手方向と一致し、実装基板20a及び回路基板20bの幅方向は、発光装置2の幅方向と一致する。回路基板20bは、開口部29を有し、開口部29の長手方向は発光装置2の長手方向と一致し、開口部29の幅方向は発光装置2の幅方向と一致する。
【0035】
実装基板20aは、アルミニウム又は銅等の金属、若しくはセラミックスを主成分とする熱伝導率の高い材料で形成される。実装基板20aは平坦な表面を有し、回路基板20bの開口部29に露出した実装基板20aの平坦な表面上に、複数の発光素子24が直接配置される。複数の発光素子24が発光している発光状態において、発光素子24から発生する熱は、熱伝導率の高い実装基板20aを伝導して効率よく放熱される。
【0036】
回路基板20bは、フェノール、エポキシ、ポリイミド、又はポリエステル等の樹脂を主成分とする絶縁性の高く且つ実装基板20aを形成する第1の熱膨張率を有する材料よりも熱膨張率が小さい第2の熱膨張率を有する材料である樹脂で形成される。回路基板20bの表面には、一対の配線25a及び25bが、回路基板20bの開口部29を挟むように幅方向に間隔を開けて、回路基板20bの長手方向に伸延するように形成される。配線25a及び25bの長手方向の一方の端部には、電極22a及び22bが形成される。電極22a及び22bは、ケーブル23を介して供給される電力を、発光素子24に供給する。配線25a及び25b並びに電極22a及び22bは、回路基板20b上に金又は銅等の金属をパターニングすることで形成される。配線25a及び25bは、更に、絶縁性膜であるソルダレジストにより覆われて保護される。
【0037】
長手方向に直交し、第2方向とも称される実装基板20aの短手方向の長さは、回路基板20bの短手方向の長さよりも長い。実装基板20aの短手方向の長さが回路基板20bの短手方向の長さよりも長いので、発光装置2は、長手方向に延伸する一対の辺に、実装基板20a及び回路基板20bの外縁が平面視で重畳しない非重畳部41を有する。発光装置2では、非重畳部41は、発光装置2の長手方向に延伸する一対の辺の全体に亘って延伸するように形成される。
【0038】
発光素子24は、青色の光を出射する青色LEDダイである。発光素子24は、回路基板20bの開口部61から露出する実装基板20aの表面にダイボンドによって接着されると共に、カソード及びアノードがボンディングワイヤにより配線25a及び25bに電気的に接続される。複数の発光素子24は、辺が対向するように配置されるが、発光素子24を45度回転させて、頂点が対向するように配置されてもよい。複数の発光素子24は、上面が実装基板20aの表面と平行となるように配置される。
【0039】
複数の発光素子24は、ボンディングワイヤにより電気的に接続されて一つの列を形成する。発光装置2では、一つの列に8個の発光素子24が直列接続されるが、一つの列に接続される発光素子24の数は、ケーブル23を介して供給される電圧に応じて適宜決定される。例えば、順方向電圧が約3Vの発光素子24が8個直列に接続されて一つの列が形成される場合、24Vを超える電圧が供給される。列の両端に位置する発光素子24は、ボンディングワイヤを介して配線25a又は配線25bに電気的に接続される。発光素子24は、ケーブル23、電極22a及び22b、配線25a及び25b、並びにボンディングワイヤを介して電力が供給されて発光する。配線25aと配線25bの間には、発光素子24に過電圧が印加されることを防止するツェナーダイオードが接続される。
【0040】
枠体26は、回路基板20bの開口部29を囲むように環状又は矩形状に配置される。枠体26は、例えば、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂で形成される。枠体26は、光を反射する酸化チタン等の微粒子を含有する白色の樹脂で形成される。枠体26が発光素子24から出射された光を反射することで、発光装置2の発光効率が向上する。
【0041】
封止材27は、枠体26によって囲まれた実装基板20aの開口部29を封止して発光素子24を保護する。封止材27によって封止された領域は、発光装置2の発光領域21である。封止材27は、発光素子24が出射した光を透過するエポキシ又はシリコン等の樹脂で形成される。封止材27は、発光素子24が出射する光をより長波長の光に波長変換する蛍光体を含有する。封止材27される蛍光体は、例えば、発光素子24が出射する青色光を吸収して黄色光を放射するYAG(Yttrium Aluminum Garnet)等の粒子状の蛍光体材料である。発光素子24が出射する青色光と、蛍光体によって波長変換された黄色光とが混合されて、白色光が得られる。封止材27は、青色光を例えば赤色光又は緑色光の黄色光以外の色の光に波長変換する蛍光体を含有していてもよく、蛍光体を含有していなくてもよい。また、発光装置2は、封止材27を形成してから、枠体26を取り除き、封止材27が配置され且つ枠体26が配置されなくてもよい。
【0042】
図4は、バックライト1の構成を模式的に示す平面図である。また、図5は、図4に示すバックライト1のC-C’’線に沿った断面図である。また、図6(a)及び6(b)は、それぞれ、図4に示すバックライト1のC-C’線、B-B’線に沿った拡大断面図である。
【0043】
発光装置2は、長手方向が下ケース6bの長手方向と一致するように、下ケース6bの一つの側面に沿って配置される。発光装置2は、発光領域21と反対の裏面において、下ケース6bの側面に、接着シート、接着テープ、又は接着剤によって接着される。発光装置2は、位置決めの精度を向上させるために、下ケース6bにねじ止めされてもよく、発光装置2の基板20又は下ケース6bの側面に形成された貫通孔を介してピンにより固定されてもよい。
【0044】
導光板3は、発光装置2に向いた凸部33を入光面31に有する。導光板3の凸部33は、入光面31の両端に位置する第1凸部及び第2凸部、並びに入光面31の中央に位置する第3凸部を含む。導光板3は、弾性部材7により押圧されて、凸部33において発光装置2の基板20を下ケース6bの側面に押圧する。弾性部材7は、導光板3の凸部33が設けられた箇所と反対側の側面にそれぞれ配置されることにより、弾性部材7による押圧力が、凸部33を介して発光装置2の基板20に効率よく印加される。
【0045】
導光板3の凸部33は、発光領域21以外の領域である非発光領域において、発光装置2と当接するように導光板3の入光面31に設けられることにより、発光領域21の周囲に配置される枠体26及び封止材27は、凸部33と接触して損傷することが防止される。
【0046】
図7は、第1実施形態に係る発光装置2の製造方法における、集合基板20cを形成する工程の一例を示す図である。また、図8は、集合基板20cのD-D’線に沿った断面図である。
【0047】
第1方向d1に長手方向を有する開口部29が形成され且つ第1方向d1に伸延した形状をそれぞれが有する複数の回路基板20bを、一枚の実装基板20aに接着して、図7及び図8に示す一枚の矩形の平面形状を有する集合基板20cが形成される。集合基板20cを形成する工程において、複数の回路基板20bは、実装基板20aに、第1方向d1と直交する第2方向d2に所定の配置幅dで並べて配置され、接着層200を介して実装基板20aと接着される。接着層200として、例えば、接着シート、接着テープ、又は接着剤が用いられるが、分子接合及び拡散接合の技術により、複数の回路基板20bは、接着層200を用いない接着により実装基板20aに接着されてもよい。配置幅dは、例えば10(mm)未満とされる。配置幅dは、シチズン電子(株)製CL-L104シリーズの第2方向d2の幅が7(mm)であり、且つ、切断幅が約3(mm)であるため10(mm)未満に設定された。
【0048】
図9(a)~9(c)は、発光素子24を実装する工程、及び複数の発光装置2に個片化する工程の一例を示す図である。図9(a)~9(c)は、図8と同様に、図7に示す集合基板20cのD-D’線に沿った断面図である。
【0049】
まず、図9(a)に示すように、回路基板20bの開口部29から露出する実装基板20aの表面である実装領域に、発光素子24が実装される。発光素子24を実装する工程において、まず、実装基板20aの表面上に、発光素子24がダイボンドによって接着される。そして、発光素子24のカソード及びアノードが、回路基板20bの実装基板20aと反対側の面に形成された配線25a及び25bと、ワイヤボンディングによって電気的に接続される。発光素子24がフリップ接続されるとき、発光素子24は、回路基板20b上に設けられた接続部を介して配線25a及び25bに電気的に接続される。
【0050】
次に、図9(b)に示すように、回路基板20bの開口部29を囲むように枠体26が形成され、枠体26によって囲まれた領域が封止材27によって封止される。そして、切断手段を切断線に沿って第1方向d1に移動することによって集合基板20cが切断されて、図9(c)に示すように、第1方向d1に延伸する一対の切断辺を有する複数の発光装置2に個片化される。切断手段は、切断線を境界として集合基板20cを上下にずらすようにせん断応力を加えることによって集合基板20cを切断する例えばハサミ又はカッタであってもよい。また、切断手段は、切断線に沿って集合基板20cを削ることによって集合基板20cを切断する回転研磨装置又はノコギリであってもよい。また、切断手段は、第1方向d1の切断線に沿ってレーザを照射することによって集合基板20cを切断してもよく、切断線と垂直な第2方向d2に曲げ応力を加えて集合基板20cを曲げることによって集合基板20cを切断してもよい。
【0051】
金属を主成分とする材料により形成される実装基板20aと樹脂を主成分とする材料により回路基板20bを同時に切断すると、切断時に加わる応力によって実装基板20aと回路基板20bとの間が剥離するおそれがある。また、レーザが照射されて生じる熱によって集合基板20cの切断面が変形等して実装基板20aと回路基板20bとが剥離するおそれがある。特に、回路基板20bの配置幅dが10(mm)未満であり、且つ、発光装置2が細長い線状の形状を有する場合は、接着層200の面積が小さくなるため実装基板20aと回路基板20bとの間が剥離しやすい。回路基板20bに応力が加わると、回路基板20b上に形成された配線25a及び25b、並びに発光素子24を接続するボンディングワイヤが断線するおそれがある。実験では、接着層200の第1方向d1の長さが25(mm)以上であり且つ接着層200の第2方向d2の長さが2.55(mm)であるときに、切断により実装基板20aと回路基板20bの剥離が生じた。第2方向d2の長さが少なくとも2.55(mm)以下になると、実装基板20aと回路基板20bとの間に剥離が生じるおそれがある。
【0052】
本実施形態に係る製造方法では、集合基板20cを切断して複数の発光装置2に個片化する工程において、隣り合う回路基板20bの間の回路基板20bが接着さない領域で実装基板20aは切断される。回路基板20bが接着されない領域で実装基板20aが切断されることで、複数の発光装置2が個片化されるときに、実装基板20aと回路基板20bとの間の剥離、並びに配線パターン及びボンディングワイヤの断線が防止される。なお、図7(a)に示す実装基板20a及び回路基板20bは、細長い線状の平面形状を有するが、本実施形態に係る製造方法は、実装基板20a及び回路基板20bが、正方形又は長方形等の矩形の平面形状を有する場合であっても同様の効果が得られる。
【0053】
また、実装基板20aが積層構造を有する場合、実装基板20aが各層ごとに順に数回に分けて切断されてもよい。例えば、実装基板20aが二層構造を有する場合、二層構造の第1層が切断された後に、二層構造の第2層が切断されてもよい。また、実装基板20aの第1層及び第2層が反対の方向から同時に切断されてもよい。実装基板20aの第1層及び第2層が反対の方向から同時に切断されることにより、集合基板20cを切断して複数の発光装置2に個片化するときに、実装基板20aを構成する積層構造の各層の間の剥離が防止される。
【0054】
集合基板20cを用いて製造された発光装置2は、図3(b)に示されるように、発光装置2の幅方向のA-A’線に沿った断面において、実装基板20aと回路基板20bとで端部位置が異なる。端部位置は、実装基板20a及び回路基板20bを平面視したときの実装基板20a及び回路基板20bの位置である。特に、本実施形態に係る製造方法を用いて製造された発光装置2は、実装基板20aの幅方向の長さが、回路基板20bの幅方向の長さよりも長くなる。
【0055】
(第2実施形態)
図10は第2実施形態に係る発光装置2aの製造方法における、集合基板20dを形成する工程の一例を示す図であり、図11図10に示す集合基板20dのD-D’線に沿った断面図である。
【0056】
第1方向d1に長手方向を有する複数の開口部29が第2方向d2に互いに離隔して形成された一枚の回路基板20b1に、第1方向d1に伸延した複数の実装基板20a1を接着して、一枚の矩形の集合基板20dが形成される。集合基板20dを形成する工程において、複数の実装基板20a1は、回路基板20b1に、第1方向d1と直交する第2方向d2に所定の配置幅dで並べて配置され、接着層200を介して回路基板20bと接着される。接着層200として、例えば、接着シート、接着テープ、又は接着剤等が用いられる。配置幅dは、例えば10(mm)未満である。
【0057】
図12(a)~図12(c)は、発光素子24を実装する工程、及び複数の発光装置2aに個片化する工程の一例を示す図である。図12(a)~図12(c)は、図11と同様に、図10に示すD-D’線に沿った断面図である。図12(a)~図12(c)に示す工程は、集合基板20dの形状が異なる以外は図9(a)~図9(c)に示す工程と同様であるため、図9(a)~図9(c)に示す工程と異なる点について説明する。
【0058】
図12(a)~図12(c)に示す工程では、集合基板20dを切断して複数の発光装置2に個片化する工程において、隣り合う実装基板20a1の間の実装基板20a1が接着されない領域で回路基板20b1を切断する。図12(a)~図12(c)に示す発光装置2の製造方法によっても、図9(a)~図9(c)に示す発光装置2の製造方法と同様の効果が得られる。
【0059】
図13(a)は、第2実施形態に係る発光装置2の製造方法を用いて製造された発光装置2aの構成を模式的に示す平面図であり、図13(b)は、図13(a)に示す発光装置2のA-A’線に沿った断面図である。
【0060】
集合基板20dを用いて製造された発光装置2aは、図3(b)に示す発光装置2と同様に、発光装置2aの幅方向のA-A’線に沿った断面において、実装基板20a1と回路基板20b1とで端部位置が異なる。本実施形態に係る製造方法を用いて製造された発光装置2では、実装基板20aの幅方向の長さが、回路基板20b1の幅方向の長さよりも短くなる。
【0061】
実装基板20a1の短手方向の長さは、回路基板20b1の短手方向の長さよりも短い。実装基板20a1の短手方向の長さが回路基板20b1の短手方向の長さよりも短いので、発光装置2aは、長手方向に延伸する一対の辺に、実装基板20a及び回路基板20bの外縁が平面視で重畳しない非重畳部42を有する。非重畳部42は、発光装置2aの長手方向に延伸する一対の辺の全体に亘って延伸するように形成される。
【0062】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態に係る発光装置2bを製造するための集合基板20eを示す図である。図14には、それぞれ、集合基板20eの平面図とそのD-D’線に沿った断面図が示される。図14に示す集合基板20eは、集合基板20cと比べて、一枚の回路基板20b2が一枚の実装基板20a2に接着されて形成される点が異なる。集合基板20eの他の構成は、集合基板20cと同様であるため、集合基板20cと異なる点について説明する。
【0063】
集合基板20eは、複数の開口部29が形成された一枚の回路基板20b2を、一枚の実装基板20a2に接着して形成される。回路基板20b2には、切断線S1に沿って、細長い線状の平面形状を有する孔28が形成されている。孔28は、一定間隔でミシン目状となるように形成されなくてもよく、第1方向d1の切断線S1上の少なくとも一部に形成されていればよい。孔28の第2方向d2の幅は、例えば3(mm)である。
【0064】
図9(a)~図9(c)に示す第1実施形態に係る発光装置2の製造方法において、集合基板20eを集合基板20cの代わりに用いて実施形態に係る発光装置を製造した場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。回路基板20b2には、切断線S1に沿って孔28が形成されているため、実装基板の全面に亘って回路基板が配置された集合基板を切断する場合と比べて、実装基板20a2と回路基板20b2との間の剥離が防止される。また、集合基板20eが、一枚の実装基板20a2と一枚の回路基板20b2で形成されるため、集合基板20cが一枚の実装基板20aと複数の回路基板20bで形成される場合と比べて、集合基板20eを形成する工程が簡素化される。
【0065】
集合基板20eを用いて製造された発光装置2bは、実装基板20a2の切断辺S1の一部において、実装基板20a2の端部位置が回路基板20b2の端部位置と異なる。複数の非重畳部43は、実装基板20a2の端部位置が回路基板20b2の端部位置と異なる部分に形成される。複数の非重畳部43は、発光装置2bの長手方向に延伸する一対の辺に沿って配置される。複数の非重畳部43は、実装基板20a3端部位置が回路基板20b3の端部位置と異なる部分に配置される。非重畳部43は、発光装置2bの長手方向に延伸する一対の辺のそれぞれに沿って配置される。
【0066】
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態に係る発光装置2cを製造するための集合基板20fを示す図である。図15には、それぞれ、集合基板20fの平面図とそのD-D’線に沿った断面図が示される。集合基板20fは、集合基板20eと比べて、回路基板20bに形成された孔28aが、集合基板20fの第1方向d1の一端付近から他端付近まで細長く伸びる点が異なる。集合基板20fの他の構成は、集合基板20eと同様であるため、集合基板20eと異なる点について説明する。
【0067】
集合基板20fは、集合基板20eと同様に、複数の開口部29及び孔28aが形成された一枚の回路基板20b3を、一枚の実装基板20a3に接着して形成される。回路基板20b3は、第1方向d1に伸延した開口部29並びに配線25a及び25bをそれぞれ有する複数の回路部が、回路部の第1方向d1の両端部において互いに連結される。
【0068】
図9(a)~図9(c)に示す第1実施形態に係る発光装置2の製造方法において、集合基板20fを、集合基板20cの代わりに用いて発光装置を製造した場合でも、第3実施形態と同様の効果が得られる。図15に示す孔28aは回路基板20b3の一端付近から他端付近まで連続して形成されるため、集合基板20fを切断線S1に沿って切断する場合だけでなく、直交する第2方向d2の切断線S2に沿って集合基板20fを切断する場合でも切断が容易となる。例えば、集合基板20fの端部位置を揃えるために、回路基板20b3の回路部でない端部を第2方向d2の切断線S2に沿って切断する場合にも、集合基板20fの剥離、及び配線パターン及びボンディングワイヤの断線が抑制される。集合基板20fは、切断線S1に沿って切断された後に切断線S2に沿って切断されてもよく、切断線S2に沿って切断された後に切断線S1に沿って切断されてもよい。
【0069】
集合基板20fを用いて製造された実施形態に係る発光装置2cは、実装基板20a3の第1方向d1に沿った切断辺S1において、実装基板20a3の端部位置が回路基板20b3の端部位置と異なる。他方で、集合基板20fを用いて製造された発光装置2cは、実装基板20a3の第1方向d1と直交する第2方向d2に沿った切断辺S2においては、実装基板20a3の端部位置が回路基板20b3の端部位置と同じである。複数の非重畳部44は、実装基板20a3端部位置が回路基板20b3の端部位置と異なる部分に配置される。非重畳部44は、発光装置2cの長手方向に延伸する一対の辺のそれぞれに沿って配置される。
【0070】
(第5実施形態)
図16は、第5実施形態に係る発光装置2dを製造するための集合基板20gを示す図である。図16には、集合基板20gの平面図とそのD-D’線に沿った断面図が示される。集合基板20gは、集合基板20cと比べて、複数の回路基板20b4が、互いに直交する第1方向d1と第2方向d2の両方向に並べて配置されている点が異なる。集合基板20gの他の構成は、集合基板20cと同様であるため、集合基板20cと異なる点について説明する。
【0071】
図16に示す集合基板20gは、それぞれ開口部29が形成された複数の回路基板20b4を、一枚の実装基板20a上の互いに直交する第1方向d1と第2方向d2の両方向に並べて配置して形成される。
【0072】
図9(a)~図9(c)に示す第1実施形態に係る発光装置2の製造方法において、集合基板20gを、集合基板20cの代わりに用いて発光装置2dを製造した場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。集合基板20gは、まず、図9(b)に示すように、第1方向d1の切断線S1に沿って切断される。そして、集合基板20gは、更に、第2方向d2の切断線S2に沿って切断されて、複数の発光装置2dに個片化される。集合基板20gを互いに直交する第1方向d1と第2方向d2の両方向に沿って切断して複数の発光装置2dに個片化する場合でも、集合基板20gの剥離並びに配線パターン及びボンディングワイヤの断線が防止される。
【0073】
集合基板20gを用いて製造された発光装置2dは、実装基板20a4の第1方向d1に沿った切断辺S1と第2方向d2に沿った切断辺S2の両方において、実装基板20a4の端部位置が回路基板20b4の端部位置と異なる。複数の非重畳部45は、実装基板20a4端部位置が回路基板20b4の端部位置と異なる部分に配置される。非重畳部45は、発光装置2dの長手方向に延伸する一対の辺のそれぞれに沿って配置される。
【0074】
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態に係る発光装置2eを製造するための集合基板20hを示した図である。図17には、集合基板20hの平面図と集合基板20hのD-D’線に沿った断面図が示される。図17に示す集合基板20hは、集合基板20eと比べて、複数の回路基板20b5が、互いに直交する第1方向d1と第2方向d2の両方向に並べて配置されている点、及び孔28bが円形状又は円弧状である点が異なる。集合基板20hの他の構成は、集合基板20eと同様であるため、集合基板20eと異なる点について説明する。
【0075】
集合基板20hは、複数の開口部29が形成された一枚の回路基板20b5を、一枚の実装基板20a5に接着して形成される。回路基板20b5は、第1方向d1に沿った切断線S1と第2方向d2に沿った切断線S2の交差領域に、円形状の孔28b又は円弧状の切り欠き28cを有している。円形状の孔28b及び円弧状の切り欠き28cの直径は、例えば3(mm)とされる。
【0076】
図9(a)~図9(c)に示す第1実施形態に係る発光装置2の製造方法において、集合基板20hを、集合基板20cの代わりに用いて発光装置2eを製造した場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。集合基板20hは、まず、図9(b)に示すように、第1方向d1の切断線S1に沿って切断される。そして、集合基板20hは、更に、第2方向d2の切断線S2に沿って切断されて、複数の発光装置2eに個片化される。集合基板20hを互いに直交する第1方向d1と第2方向d2の両方向に沿って切断して複数の発光装置2eに個片化する場合でも、集合基板20hの剥離並びに配線パターン及びボンディングワイヤの断線が防止される。また、回路基板20b5には、切断線S1及びS2に沿って孔28b又は切り欠き28cが形成されているため、実装基板の全面に亘って回路基板が配置された集合基板を切断する場合と比べて、実装基板20a5と回路基板20b5との間の剥離が防止される。特に、孔28b又は切り欠き28cは、切断線S1と切断線S2の交差領域に形成されているため、集合基板20hを切断線S1に沿って切断するときと、集合基板20hを切断線S2に沿って切断するときの両方において効果が得られる。また、集合基板20hが、一枚の実装基板20a5と一枚の回路基板20b5で形成されるため、集合基板20cが一枚の実装基板20aと複数の回路基板20bで形成される場合と比べて、集合基板20hを形成する工程が簡素化される。
【0077】
集合基板20hを用いて製造された実施形態に係る発光装置2eは、第1方向d1に沿った切断辺S1と第2方向d2に沿った切断辺S2の交差領域において回路基板20b5の外縁部が円弧状の平面形状を有する。集合基板20hを用いて製造された実施形態に係る発光装置は、交差領域において、実装基板20a5の端部位置が回路基板20b5の端部位置と異なる。複数の非重畳部46は、扇型の平面形状を有し、実装基板20a5端部位置が回路基板20b5の端部位置と異なる部分に配置される。2つの非重畳部46は、実装基板20a5の四隅に配置される。
【0078】
以上のように、実施形態に係る発光装置は、集合基板を切断して複数の発光装置に個片化するときに、基板の剥離並びに配線パターン及びボンディングワイヤの断線を防止することが可能な発光装置の製造方法が提供される。
【0079】
(変形例)
図18は、第1変形例に係るバックライト1aの分解斜視図である。
【0080】
バックライト1aは、遮光部材8を有することがバックライト1と相違する。遮光部材8以外のバックライト1aの構成要素の構成及び機能は、同一符号が付されたバックライト1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0081】
遮光部材8は、下ケース6bの側面側に配置された第1端辺8a及び導光板3の上部に配置された第2端辺8bを有する。遮光部材8は、第1端辺8aと第2端辺8bとの間で、発光装置2から出射されて光学シートへ向かう直接光を遮光するように導光板3と光学シート5との間に配置される。遮光部材8が配置されることにより、発光装置2から光学シート5に直接入射する直接光によって光学シート5が変色して劣化することが防止される。
【0082】
図19は、バックライト1aの拡大断面図である。図19は、図4に示すバックライト1のC-C’線に沿った拡大断面図に対応する拡大断面図である。
【0083】
遮光部材8は、導光板3と光学シート5との間で、導光板3の上部の一部を覆うように配置されている。また、遮光部材8は、発光装置2側に第1端辺8a、導光板3側に第2端辺8bを有する矩形のシート状部材である。さらに、遮光部材8は、導光板3側に遮光面8cを有する。遮光面8cは、光を通過させないインク等の印刷(グラデーション)によって形成される。
【0084】
遮光部材8の第1端辺8aは、下ケース6bの端面の直上付近に位置している。発光素子24から出射された光は、発光装置2の枠体26によって遮られるため、遮光部材8の第1端辺8aは、少なくとも枠体26の最上部の直上より、下ケース6b側に配置されることが好ましい。例えば、遮光部材8の第1端辺8aは、発光装置2の実装基板20aの側面の直上に配置される。
【0085】
遮光部材8の遮光面8cは、発光装置2から出射され、導光板3を介さずに位置9a’で光学シート5に直接到達する直接光9a、及び、導光板3を介して位置9b’で光学シート5に到達する光9bを遮る。発光装置2から出射された光9cは、遮光面8cで遮られることなく、位置9c’を介して光学シート5に入射する。
【0086】
遮光部材8は、導光板3と光学シート5との間に挟持されて配置される。下ケース6bに対して、上ケース6aが上からはめ込まれることで、遮光部材8は所定位置に位置決めされる。しかしながら、遮光部材8は、下ケース6bの端面に接着テープにより接着されることで、高精度に位置決めされる。また、遮光部材8は、下ケース6bと一体的に樹脂成型されてもよい。さらに、下ケース6bが金属材料で形成されている場合には、プレス加工によって折り曲げて成形されてもよい。また、遮光部材8は、発光装置2の実装基板20aの側面に接着テープにより接着されてもよい。
【0087】
遮光部材8の遮光面8cは、発光装置2から入射する光を導光板3に反射する反射面であってもよい。遮光面8cが反射面であるとき、発光装置2から出射した光が再利用されるので、バックライト1aの発光効率が向上する。
【0088】
発光素子24の直上の封止材27の表面から遮光部材8の第2端辺8bまでの距離はD(mm)であり、発光素子24の中心位置から遮光部材8までの垂直方向の距離はH(mm)である。図19では、導光板3は、光学シート5及び下ケース6bとの間に間隔が形成されるが、導光板3は光学シート5及び下ケース6bとの間に間隔が形成されることなく配置されているので、距離Hは、導光板3の厚さの1/2とほぼ等しい。
【0089】
図20は、バックライト1aにおいて、発光装置2からの出射光量及び距離H(導光板の厚さの1/2)の値を変更させたときの、光学シート5の下面位置での光束量(lm)のシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションは、SYNOPSYS社製のLighttoolsを使用して実行された。また、シミュレーションでは、発光装置2の配光はランバーシアン配光であり、輝度は30000(cd/m2)、45000(cd/m2)、及び60000(cd/m2)である。さらに、シミュレーションでは、距離Hは、0.7(mm)、1.0(mm)、1.25(mm)、1.5(mm)、1.6(mm)、1.75(mm)、2.0(mm)及び3.0(mm)であり、導光板3は距離Hの2倍の厚さを有する。
【0090】
図20(a)は、発光装置2が30000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示す。図20(b)は、発光装置2が45000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示す。図20(c)は、発光装置2が60000(cd/m2)の輝度の光を出射する場合のシミュレーション結果を示す。図20(a)~20(c)において、横軸は距離D(mm)であり、縦軸は光学シート5の下面位置での光束量(lm)である。また、曲線40a~曲線40hは、それぞれ、距離Hが0.7(mm)、1.0(mm)、1.25(mm)、1.5(mm)、1.6(mm)、1.75(mm)、2.0(mm)及び3.0(mm)であるときの光束量を示す。
【0091】
光学シート5が受光する光の光束量が0.012(lm)を超えるとき、光学シート5、特に光学シート5に含まれる偏光シートが経年劣化することがある。光学シート5が受光する光の光束量が0.012(lm)を超えないように、導光板3の厚さ、及び遮光部材8の第2端辺8bの位置を選択することにより、光学シート5の劣化が防止される。
【0092】
表1は、図20に示すシミュレーション結果より算出された、光学シート5に入射される光の光束量が0.012(lm)未満になるときの最小のH/Dを示す。表1において、距離H(mm)は0.7(mm)、1.0(mm)、1.25(mm)、1.5(mm)、1.6(mm)、1.75(mm)、2.0(mm)及び3.0(mm)である。また、発光装置2から出射される光の輝度は30000(cd/m2)、45000(cd/m2)及び60000(cd/m2)である。
【0093】
【表1】
【0094】
発光装置2から出射する光の輝度が30000(cd/m2)以上且つ60000(cd/m2 )以下である場合、H/Dの値が1.0であるとき、光学シート5に入射される光の光束量は、0.012(lm)未満である。H/Dの値が1.0以下であるように、導光板3の厚さ及び遮光部材8の第2端辺8bの位置を選択することにより、光学シート5の経年劣化が防止される。
【0095】
図21は、第2変形例に係るバックライト1bの拡大断面図である。図21は、図4に示すバックライト1のC-C’線に沿った拡大断面図に対応する拡大断面図である。
【0096】
バックライト1bは、遮光部材8の発光装置2側の面に配置された透光部材9を更に有することがバックライト1aと相違する。透光部材9以外のバックライト1bの構成要素の構成及び機能は、同一符号が付されたバックライト1aの構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0097】
透光部材9は、黄色又は赤者褐色を有するポリイミドとは異なり、無色透明である。透光部材9が遮光部材8の発光装置2側の面に配置されることによって、遮光部材8の遮光面8cに入射する光の損失を低減することができる。
【0098】
図22は、第3変形例に係るバックライト1cの分解斜視図である。図23(a)はバックライト1cの構成を模式的に示す平面図であり、図23(b)は導光板3の凸部33の拡大平面図である。図24(a)及び24(b)はバックライト1cの図23(a)に示すC-C’線、B-B’線に沿った拡大断面図である。
【0099】
バックライト1cは、遮光部材81及び82を遮光部材8の代わりに有することがバックライト1aと相違する。遮光部材81及び82以外のバックライト1cの構成要素の構成及び機能は、同一符号が付されたバックライト1aの構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0100】
遮光部材81及び82は、遮光部材8と同様に、発光装置2に向いた遮光面を有し、発光装置2から光学シート5へ出射する直接光を遮光する。遮光部材81及び82は、発光装置2の発光領域21から光学シート5へ出射する直接光を、発光装置2の発光領域21の上方でのみ遮光する。遮光部材81及び82が発光領域21の上方でのみ遮光することで、発光装置2の発光領域21外の非発光領域の上方では光が遮光されないため、発光装置2が非発光領域において暗くなることが抑制される。
【0101】
遮光部材81及び82は、導光板3の入光面31に向いた一つの端辺であるストッパ部83を有する。ストッパ部83は、入光面31に向いて又は入光面31に当接して導光板3が発光装置2の発光領域21に接近することを防止するストッパとして機能する。ストッパ部83がストッパとして機能することで、導光板3の入光面31と発光装置2の基板20との間には、少なくとも第1距離d1の基板離隔距離が確保される。導光板3の入光面31と発光装置2の発光領域21の表面との間には、少なくとも発光面離隔距離a1が確保されて、発光装置2の発する熱又は光によって導光板3が劣化することが防止される。遮光部材8のストッパ部83は必ずしも常に導光板3と当接していなくてもよく、ストッパ部83と導光板3の間に一時的に隙間が生じてもよい。
【0102】
第1距離d1は、例えば、発光装置2が発光状態となってから所定の第1期間t1(例えば1分)が経過するまでは、発光装置2の発熱によって導光板3が劣化することが防止される基板離隔距離の最小値として、予め実測等によって決定される。また、第1距離d1は、導光板3の温度が所定の第1温度T1(例えば85(℃))未満であるときは、発光装置2の発熱によって導光板3が劣化することが防止される基板離隔距離の最小値として、予め実測等によって決定されてもよい。
【0103】
図25は、発光装置2の発熱によって導光板3の凸部33が伸長した様子を模式的に示す拡大平面図である。また、図26(a)及び26(b)は、それぞれ、図24(a)及び24(b)に示す導光板3の凸部33が伸長した様子を示す拡大断面図である。
【0104】
発光装置2に電力が供給されて発光素子24が発光状態になると、発光装置2の発する熱又は光によって導光板3の凸部33の温度が上昇する。導光板3の凸部33は、温度が上昇することに応じて、発光装置2の発熱によって長さx2に伸長する。凸部33が伸長する一方で、弾性部材7が凸部33の伸長に合わせて収縮するため、導光板3は全体として下ケース6b内を発光装置2から離れるように変位する。
【0105】
導光板3の入光面31から発光装置2の基板20までの基板離隔距離は、発光装置2の発光状態において、第1距離d1よりも大きい第2距離d2以上に保持される。例えば、発光装置2が発光状態となってから所定の第1期間t1が経過しても、或いは、導光板3の温度が所定の第1温度T1以上となっても、発光装置2の発熱によって導光板3が劣化することが抑制される。
【0106】
発光装置2の非発光状態において温度T0であったときの凸部33の長さx1と、発光装置2の発光状態において温度T2となった凸部33の長さx2との差Δx=(x2-x1)は、凸部33の線膨張係数αを用いて、式(1)により求められる。
Δx=α(x1)(T2-T0) (1)
【0107】
発光装置2が発光状態となってから所定の第1期間t1が経過したとき、又は導光板3の温度が所定の第1温度T1以上となったときに、基板離隔距離が大きくなるためには、凸部33の線膨張係数αが大きいことが好ましい。凸部33は、例えば、線膨張係数αが50×10-6(1/K)以上であるポリカーボネート等の樹脂を主成分とする材料からなることが好ましい。また、約85(℃)であるガラス転移温度を超えたときに、線膨張係数αが大きくなって凸部33の伸長がより顕著になるPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等を、凸部33の材料として用いてもよい。
【0108】
しかしながら、凸部33の材料として特別な材料を用いるとき、バックライト1cのコストは高くなる。ポリカーボネート等の一般的な樹脂を凸部33として用いた場合でも基板離隔距離が大きくなるように、発光装置2の発光状態において、凸部33の先端部が発光装置2に接近又は当接していることが好ましい。非発光状態における導光板3の凸部33の長さは、入光面31から発光領域21の表面までの発光面離隔距離a1以上、且つ、入光面31から発光装置2の基板20までの基板離隔距離以下となるように調整される。発光領域21の表面は、例えば、枠体26の最も高く、導光板3に最も近い位置を通る面である。
【0109】
例えば、遮光部材81及び82のストッパ部83によって、導光板3の入光面31から発光装置2の基板20までの基板離隔距離が、非発光状態において第1距離d1=5.00(mm)に保持される場合、非発光時における凸部33の長さx1は、4.99(mm)である。凸部33の長さx1は、発光面離隔距離a1(例えば4.90(mm))以上、且つ、基板離隔距離(5.00(mm))以下という上述の条件を満たすように調整されており、凸部33の先端部と発光装置2の基板20との間隙は、0.01(mm)である。発光装置2の発熱によって凸部33の長さが0.01(mm)伸長して5.00(mm)となると、凸部33の先端部が基板20の当接領域に当接する。凸部33の長さが0.01(mm)伸長してx2=5.01(mm)となると、基板離隔距離も凸部33の伸長によって拡大し、第1距離d1よりも大きい第2距離d2=5.01(mm)以上に保持される。
【0110】
凸部33の伸長幅(Δx=0.02(mm))は、例えば、式(1)において、線膨張係数α=50×10-6(1/K)、非発光状態における凸部33の長さx1≒5.00(mm)、及び温度上昇(T2-T0)=80(K)であるときに、実現される。さらに、ガラス転移温度を超えたときに線膨張係数αが大きくなるPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)のような特別な材料を、凸部33の材料として用いることで、凸部33の伸長幅Δxは、更に大きくできる。
【0111】
導光板3の凸部33の長さx1は、製造ばらつき等による誤差を有するので、凸部33の先端部と発光装置2の基板20との間隙は、非発光状態において、例えば0.00~0.01(mm)となるように調整されてもよい。凸部33の先端部と発光装置2の基板20との間隙が0.00~0.01(mm)となるように調整されることで、発光装置2の発熱によって凸部33が少なくとも0.01(mm)伸長すると、凸部33の先端部が基板20の当接領域に当接する。さらに、凸部33の長さが0.01(mm)伸長すると、基板離隔距離は、第2距離d2=5.01(mm)以上に保持される。
【0112】
図27は、図24(a)及び24(b)に示す遮光部材81及び82のストッパ部83、及び導光板3の変形例を示す図である。図27は、発光装置2の発熱による基板離隔距離の拡大幅をより大きくすることが可能な構成を示す。図27は、第4変形例に係るバックライト1dの拡大平面図、並びにバックライト1dのC-C’線及びB-B’線に沿った拡大断面図が示される。
【0113】
導光板3aは、発光装置2に向いた側面に入光面31よりも後退した後退面34を有する。入光面31と後退面34との間には段差x0が形成される。ストッパ部83は、導光板3の後退面34に向いて又は後退面34に当接して、後退面34から発光装置2の基板20までの距離をd1+x0以上に保持することで、基板離隔距離を所定の第1距離d1以上に保持する。ストッパ部83は、入光面31と後退面34との間の境界面に配置される。入光面31と後退面34との間の境界面のステップ形状の角部は、曲線である。ステップ形状の角部が曲線であることにより、導光板3aの入光面31から入射した光が後退面34で向きを変えて導光板3の出光面32に集中して輝線が生じることが抑制される。
【0114】
非発光状態において、後退面34から基板20までの距離がd1+x0に保持される場合、凸部33の長さx1が入光面31を基準としてΔx伸長すると、導光板3及び凸部33は、後退面34を基準として(x0+x1)/(x1)Δx伸長する。バックライト1dは、発光装置2の発熱による基板離隔距離の拡大幅をより大きくできる。例えば、段差x0が、凸部33の長さx1とほぼ同じである場合、導光板3及び凸部33の後退面34を基準とした伸長幅は、凸部33の入光面31を基準とした伸長幅Δxの約2倍となる。
【0115】
導光板3の凸部33の温度が例えば所定の第1温度T1未満であるときは、基板離隔距離が第2距離d2未満となるため、導光板3の入光面31が発光装置2の発光領域21に接近して、発光装置2から導光板3へ入光する光の入光効率が向上する。一方、導光板3の凸部33の温度が例えば所定の第1温度T1以上になると、基板離隔距離が第2距離d2以上となって、発光装置2の発熱によって導光板3が劣化することが抑制される。この所定の第1温度T1は、例えば、発光装置2の動作最高温度である85(℃)、又はPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)のガラス転移温度である85(℃)とされる。
【0116】
図28は、第5変形例に係るバックライト1eの構成を模式的に示す平面図である。図29(a)及び29(b)は、図28に示すバックライト1eのC-C’線、B-B’線に沿った拡大断面図である。
【0117】
バックライト1cでは、発光装置2の発熱によって導光板3の凸部33が伸長すると、遮光部材81のストッパ部83と導光板3の入光面31との間に隙間が生る。バックライト1cは、ストッパ部83と導光板3の入光面31との間に隙間が生るため、一定輝度(45000(nit))を超えるような高輝度の光を出射すると、光学シート5に発光装置2から光が直接入射して光学シート5が経年劣化するおそれがある。
【0118】
バックライト1eの遮光部材85は、導光板3と光学シート5の間へ延長した延長部84を更に有する。遮光部材8の延長部84は、導光板3の凸部33が伸長したときに生じる遮光部材8と導光板3の間の隙間から光学シート5へ出射する発光装置2からの直接光を遮光する。
【0119】
遮光部材85は、一枚の大きなひさしの形状を有し、導光板3の入光面31の側の端部を、導光板3の凸部33の上方も含めて完全に覆うように配置される。発光装置2から光学シート5へ出射する直接光が遮光部材8によって完全に遮光され、発光装置2から出射する直接光によって光学シート5が劣化することが更に防止される。
【0120】
なお、延長部は遮光部材8と別体とし、延長部84の代わりに、例えば、図30の遮光部材8の変形例に示すように、導光板3と光学シート5の間に第2遮光部材86を配置してもよい。このとき、第2遮光部材86は、例えば、アルミニウム、銀等の光反射率の高い金属を、ナイロン、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂に蒸着又は塗装して形成される。第2遮光部材86の導光板3に対向する面には、更に、増反射膜等がコーティングされてもよい。また、第2遮光部材86として、光を反射しやすい白色のシート等が用いられてもよい。延長部84を別体とすると、例えば、延長部84をポリエチレンテレフタレート、下ケース6bを金属とそれぞれ異なる材料を使用できる。延長部84に金属等のより柔らかい材料を用いることができるので、導光板3及び光学シート5の損傷が防止される。遮光部材8と別体とされた第2遮光部材86は、遮光部材8の上面に接着されてもよく、光学シート5の導光板3に向いた下面に接着されてもよい。第2遮光部材86は、導光板3の入光面31の側の端部を、導光板3の凸部33の上方も含めて完全に覆うように配置される。
【0121】
図31は、遮光部材の更に他の変形例を模式的に示す拡大断面図である。遮光部材は、下ケース6bと一体化していたが、遮光部材87は、発光装置2の実装基板20aと一体化してもよい。遮光部材87は、例えば、発光装置2の実装基板20aがプレス加工等によって折り曲げられて、実装基板20aの側面から起立するように形成されてよい。遮光部材87は、発光装置2の実装基板20aと同じアルミニウム若しくは銅等の金属、又はセラミックスを主成分とする熱伝導率の高い材料で形成される。このような構成によっても遮光部材81及び82と同様の効果が得られる。
【0122】
図32(a)は第1変形例に係る発光装置2fの断面図であり、図32(b)は発光装置2fの底面図である。図32(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。
【0123】
発光装置2fは、金属板120を有することが発光装置2と相違する。金属板120以外の発光装置2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された発光装置2の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0124】
金属板120は、実装基板20aの下面に接合された接合面を有する。金属板120は、線状の部材である。金属板120は、第1の熱膨張率よりも小さい第3の熱膨張率を有する金属で形成される。実装基板20aがアルミニウムで形成される場合、金属板120は、例えば、鉄、インバー又は銀で形成される。鉄の熱膨張率は約11~13×10-6(1/℃)であり、熱伝導率は約60~90(W/m・K)である。インバーの熱膨張率は約1.2~2.0×10-6(1/℃)であり、熱伝導率は約10~15(W/m・K)である。銀の熱膨張率は約18~20×10-6(1/℃)であり、熱伝導率は約410~430(W/m・K)である。
【0125】
なお、金属板120が鉄で形成されるとは、金属板120の材料が鉄を主成分とすることをいう。金属板120が銀で形成されるとは、金属板120の材料が銀を主成分とすることをいう。金属板120がインバーで形成されるとは、金属板120の材料が鉄及びニッケルの合金であることをいい、好ましくは、金属板120の材料が鉄にニッケルを重量比で36パーセントとなるように加えた合金であることをいう。
【0126】
金属板120の外周は、実装基板20aの下面の外周と同一の形状を有する。金属板120は、金属板120の外周と実装基板20aの下面の外周とが一致するように実装基板20aに接合される。金属板120は、例えば、拡散接合により実装基板20aと接合される。なお、同一の形状は、2つの部材が厳密に同一の形状である場合に限られず、2つの部材が製造上の誤差と認められる差異がある状態を含む。
【0127】
発光装置2fは、実装基板20aの下面に接合された金属板120を有する。また、回路基板20bは、実装基板20aの材料が有する熱膨張率よりも小さい熱膨張率を有する材料で形成される。また、金属板120は、実装基板20aの材料が有する熱膨張率よりも小さい熱膨張率を有する金属で形成される。実装基板20aの下面に接合された金属板120を有することで、発光装置2fは、熱膨張に伴う破損の可能性を低減させることを可能とする。また、金属板120は、鉄、インバー又は銀で形成されることが好ましい。特に、インバーは、熱膨張率が小さく発光装置2fの湾曲を抑えるので、好ましい。
【0128】
また、発光装置2fにおいて、金属板120は、金属板120の外周と実装基板20aの下面の外周とが一致するように接合される。すなわち、金属板120は、実装基板20aの下面の全面に接合する。発光装置2fは、金属板120を実装基板20aの下面の一部に接合する場合よりも金属板120の曲げ剛性が向上し、実装基板20aの湾曲が抑止される。
【0129】
図33(a)は第2変形例に係る発光装置2gの断面図であり、図33(b)は発光装置2gの底面図である。図33(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。発光装置2gは、金属板の形状が発光装置2と相違する。
【0130】
発光装置2gが有する金属板120aの外周は、実装基板20aの下面の外周と同一の形状を有する。金属板120aは、金属板120aの外周と実装基板20aの下面の外周とが一致するように実装基板20aに接合される。金属板120aは、接合面の中央部に形成された開口部を有する。開口部は、長手方向に延伸する矩形の形状を有する。
【0131】
発光装置2gは、金属板120aが開口部を有することにより、発光装置2fとほぼ同等の曲げ剛性を有しながら、その形成に要する金属材料の量を少なくすることができ、製造効率が向上する。また、発光装置2gは、金属板120aが開口部を有することにより、金属板120aの表面積が増加すると共に、実装基板20aの下面の一部が露出し、放熱効率が向上する。
【0132】
金属板120aの開口部の形状は矩形状であるが、金属板の開口部の形状は、楕円形や多角形等の任意の形状が用いられてもよい。また、金属板120aは、複数の開口部を有してもよい。
【0133】
図34(a)は第3変形例に係る発光装置2hの断面図であり、図34(b)は発光装置2hの底面図である。図34(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。発光装置2hは、実装基板及び金属板の形状が発光装置2fと相違する。
【0134】
発光装置2hが有する実装基板20iは、下面の中央部に凸部211bを有する。凸部211bは、長手方向に延伸する矩形状であり、その周囲は実装基板20iの下面に垂直な面212bにより囲まれる。
【0135】
発光装置2hが有する金属板120bの実装基板20iに接合された面は、実装基板20iの下面と同一の形状を有する。また、金属板120bは、実装基板20iの凸部211bの高さと同一の厚さを有する。金属板120bは、中央部に、凸部211bの外周の形状と略同一の形状の開口部271bを有する。
【0136】
金属板120bの開口部271bの径は、凸部211bの径よりも小さくなるように形成される。金属板120bは、その開口部271bが凸部211bに圧入されることにより、凸部211bが開口部271bに嵌合されて実装基板20iに接合される。
【0137】
発光装置2hにおいて、実装基板20iは凸部211bを有し、金属板120bは開口部271bと凸部211bとが嵌合して実装基板20iに接合される。発光装置2h全体としての厚さを増加させることなく実装基板20iの断面積を凸部211bの分だけ増加させることができ、曲げ剛性が大きくなるため、発光装置2hが湾曲する可能性が低減される。
【0138】
また、発光装置2hにおいて、実装基板20iを形成する材料は、凸部211bから効率的に放熱するために、金属板120bを形成する金属より大きい熱伝導率を有してもよい。例えば、実装基板20iとして高熱伝導率であるアルミニウムを用いた場合、金属板120bとして低熱伝導率である鉄、インバーを用いても、凸部211bが高熱伝導率であるアルミニウムなので高い放熱性が維持できる。なお、発光素子24は発光と共に発熱するから、凸部211bの少なくとも一部は、効率よく放熱ために、発光素子24に対向する位置に設けられると好ましい。
【0139】
発光装置2hでは、金属板120bと実装基板20iとは圧入により接合されるものとしたが、金属板120bと実装基板20aとは、拡散接合により接合されてもよい。この場合、開口部271bの径は、凸部211bの径よりも大きくなるように形成されてもよい。
【0140】
なお、開口部271b及び凸部211bの形状は、矩形、楕円形、多角形等の任意の形状でよい。また、開口部271b及び凸部211bは、それぞれ複数設けられてもよい。
【0141】
図35(a)は第4変形例に係る発光装置2iの断面図であり、図35(b)は発光装置2iの底面図である。図35(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。発光装置2iは、金属板の形状が発光装置2fと相違する。
【0142】
発光装置2iが有する金属板120cは、長手方向に延伸し、その短手方向の幅が実装基板20aの幅よりも狭くなるように形成される。また、金属板120cの長手方向の長さは、実装基板20aの長手方向の長さよりも短くなるように形成される。金属板120cは、実装基板20aの下面の中央部に接合される。発光装置2fでは、実装基板20aの下面の一部が外部に露出し、放熱効率が向上する実装基板20aとして高熱伝導率であるアルミニウムを用い、金属板120cとして更に高熱伝導率である銀を用いると、放熱性を増すことができる。なお、発光素子24は発光と共に発熱するから、金属板120cの少なくとも一部は、発熱効率を向上させるために、発光素子24に対向する位置に設けられると好ましい。
【0143】
なお、金属板120cの長手方向の長さは、実装基板20aの長手方向の長さと同一に、又は実装基板20aの長さよりも大きくなるように形成されてもよい。また、実装基板20aの下面に凹部を設け、その凹部に金属板120cを配置してもよい。これにより、発光装置2iが厚くなることを抑制できる。
【0144】
図36(a)は、第5変形例に係る発光装置2jの断面図である。図36(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。発光装置2gは、金属板の形状が発光装置2fと相違する。
【0145】
発光装置2jが有する金属板120dは、接合面の長手方向に延伸する一対の辺の一方の辺から接合面の法線方向に実装基板20aの側面に沿って延伸する壁部271dをさらに有する。壁部271dは、例えば、金属板120dを折り曲げ加工することによって形成される。壁部271dは、接合面の一方の辺の全体に亘って配置される。発光装置2jは、金属板120dが発光装置2dの上下方向について高い曲げ剛性を有するため、湾曲がより抑えられる。
【0146】
なお、壁部271dは、接合面の一方の辺の一部に配置されてもよく、実装基板20aの側面に接していてもよく、実装基板20aの側面から離隔していてもよい。
【0147】
図36(b)は、第6変形例に係る発光装置2kの断面図である。図36(a)は、図4のA-A´断面に対応する断面図である。発光装置2kは、金属板の形状が発光装置2fと相違する。
【0148】
発光装置2kが有する金属板120eは、第1壁部271eと第2壁部272eとを更に有する。第1壁部271eは、接合面の長手方向に延伸する一対の辺の一方の辺から接合面の法線方向に接合面と反対側に延伸する。第2壁部272eは、第1壁部271eの接合面に接する辺に対向する辺から短手方向に直交する方向に延伸する。発光装置2では、金属板120eは、発光装置2kの上下方向についてさらに高い曲げ剛性を有するため、湾曲がより抑えられる。
【0149】
なお、発光装置2kでは、第2壁部272eは第1壁部271eに対して接合面と同じ方向に延伸するが、このような例に限られず、第2壁部272eは第1壁部271eに対して接合面とは反対方向に延伸してもよい。
【0150】
上記の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示すものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。すなわち、本発明は、その技術思想又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施形態の構成は組み合わせて実施することもできる。また、上記の実施形態に係る発光装置は、細長い線状の平面形状を有しているが、上記の実施形態の製造方法は、発光装置2が、正方形又は長方形等の矩形の平面形状を有する場合であっても効果が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36