(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240216BHJP
B60W 30/02 20120101ALI20240216BHJP
【FI】
B60W30/14
B60W30/02
(21)【出願番号】P 2022512490
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(86)【国際出願番号】 IB2021052162
(87)【国際公開番号】W WO2021198821
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】P 2020062351
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(72)【発明者】
【氏名】井苅 佳秀
(72)【発明者】
【氏名】押田 裕樹
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/030130(WO,A1)
【文献】特表2016-501156(JP,A)
【文献】特開2018-154272(JP,A)
【文献】特開2017-043305(JP,A)
【文献】特開2007-083818(JP,A)
【文献】特開2020-040647(JP,A)
【文献】特開2009-113792(JP,A)
【文献】特開2010-012903(JP,A)
【文献】特開平11-258260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/14
B60W 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両(100)の挙動を制御する制御装置(60)であって、
前記鞍乗型車両(100)の走行中にトリガ情報を取得する取得部(61)と、
前記鞍乗型車両(100)に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを、前記トリガ情報に応じて開始する実行部(62)と、
を備えており、
前記取得部(61)は、更に、走行中の前記鞍乗型車両(100)の横加速度情報を取得し、
前記実行部(62)は、前記制御モードにおいて、前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報に応じて前記挙動制御動作を変化さ
せ、
前記実行部(62)は、前記制御モードにおいて、前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報が前記鞍乗型車両(100)に基準値を超える横加速度が生じていることを示す情報である場合に、前記挙動制御動作をキャンセルする、
制御装置(60)。
【請求項2】
前記制御モードにおいて、前記実行部(62)は、前記自動減速又は自動加速を生じさせる際に、前記鞍乗型車両(100)に生じる車体速度、該車体速度の微分値、又は、該車体速度の二階微分値を前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報に応じて変化させる、
請求項1に記載の制御装置(60)。
【請求項3】
前記制御モードにおいて、前記実行部(62)は、前記自動減速又は自動加速の実行中に、前記鞍乗型車両(100)に生じる車体速度、該車体速度の微分値、又は、該車体速度の二階微分値を前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報に応じて変化させる、
請求項1又は2に記載の制御装置(60)。
【請求項4】
前記挙動制御動作が前記鞍乗型車両(100)に前記自動減速を生じさせる動作である場合において、前記実行部(62)は、前記横加速度情報が前記鞍乗型車両(100)に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、該横加速度情報が該鞍乗型車両(100)に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、前記車体速度の絶対値、前記微分値の絶対値、又は、前記二階微分値の絶対値を小さくする、
請求項2又は3に記載の制御装置(60)。
【請求項5】
前記挙動制御動作が前記鞍乗型車両(100)に前記自動加速を生じさせる動作である場合において、前記実行部(62)は、前記横加速度情報が前記鞍乗型車両(100)に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、該横加速度情報が該鞍乗型車両(100)に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、前記車体速度の絶対値、前記微分値の絶対値、又は、前記二階微分値の絶対値を小さくする、
請求項2~4の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項6】
前記実行部(62)は、前記鞍乗型車両(100)の制動力を制御することで、前記車体速度、前記微分値、又は、前記二階微分値を変化させる、
請求項2~5の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項7】
前記実行部(62)は、前記鞍乗型車両(100)の推進力を制御することで、前記車体速度、前記微分値、又は、前記二階微分値を変化させる、
請求項2~6の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項8】
前記実行部(62)は、前記挙動制御動作のキャンセル中において、前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報が前記鞍乗型車両(100)に基準値を下回る横加速度が生じていることを示す情報である場合に、該挙動制御動作を実行する、
請求項
1~7の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項9】
前記取得部(61)は、更に、走行中の前記鞍乗型車両(100)に生じている車体速度情報を取得し、
前記実行部(62)は、前記制御モードにおいて、更に、前記取得部(61)で取得される前記車体速度情報に応じて前記挙動制御動作を変化させる、
請求項1~
8の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項10】
前記挙動制御動作は、クルーズコントロールで走行中の前記鞍乗型車両(100)に前記自動減速又は自動加速を生じさせる動作である、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項11】
前記クルーズコントロールは、アダプティブクルーズコントロールである、
請求項
10に記載の制御装置(60)。
【請求項12】
前記挙動制御動作は、前記鞍乗型車両(100)に生じる衝突を回避する前記自動減速又は自動加速を生じさせる緊急動作である、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項13】
前記挙動制御動作は、前記鞍乗型車両(100)のライダーに警告を報知する前記自動減速又は自動加速を生じさせるハプティクス動作である、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(60)。
【請求項14】
鞍乗型車両(100)の挙動を制御する制御方法であって、
制御装置(60)の取得部(61)が、前記鞍乗型車両(100)の走行中にトリガ情報を取得する取得ステップ(S101、102)と、
前記制御装置(60)の実行部(62)が、前記鞍乗型車両(100)に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを、前記トリガ情報に応じて開始する実行ステップ(S103)と、
を備えており、
前記取得ステップ(S101、102)では、前記取得部(61)が、更に、走行中の前記鞍乗型車両(100)の横加速度情報を取得し、
前記実行ステップ(S103)では、前記実行部(62)が、前記制御モードにおいて、前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報に応じて前記挙動制御動作を変化さ
せ、
前記実行ステップ(S103)では、前記実行部(62)が、前記制御モードにおいて、前記取得部(61)で取得される前記横加速度情報が前記鞍乗型車両(100)に基準値を超える横加速度が生じていることを示す情報である場合に、前記挙動制御動作をキャンセルする、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、鞍乗型車両の挙動を制御する制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鞍乗型車両に関する技術として、ライダーによる運転を支援するためのものがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、走行方向又は実質的に走行方向にある障害物を検出するセンサ装置により検出された情報に基づいて、不適切に障害物に接近していることを鞍乗型車両のライダーへ警告するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ライダーによる運転を支援するために、制御装置が、鞍乗型車両に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作を実行することが考えられる。制御装置は、鞍乗型車両の走行中にトリガ情報を取得し、そのトリガ情報に応じて挙動制御動作が実行される制御モードを開始する。ここで、鞍乗型車両では、旋回走行時にライダー自身の重心が大きくシフトした状態になる。また、旋回走行時には、コーナリングフォースが生じることに起因して、速度に関連する状態量の少しの変化によってもタイヤのスリップを招き得る。そのため、その変化が伴う自動減速又は自動加速が生じつつ鞍乗型車両が旋回走行すると、ライダーがそれによって生じる鞍乗型車両の挙動の変化に対応することが困難になる場合が生じ得る。
【0006】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ライダーによる運転を適切に支援することができる制御装置及び制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る制御装置は、鞍乗型車両の挙動を制御する制御装置であって、前記鞍乗型車両の走行中にトリガ情報を取得する取得部と、前記鞍乗型車両に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを、前記トリガ情報に応じて開始する実行部と、を備えており、前記取得部は、更に、走行中の前記鞍乗型車両の横加速度情報を取得し、前記実行部は、前記制御モードにおいて、前記取得部で取得される前記横加速度情報に応じて前記挙動制御動作を変化させる。
【0008】
本発明に係る制御方法は、鞍乗型車両の挙動を制御する制御方法であって、制御装置の取得部が、前記鞍乗型車両の走行中にトリガ情報を取得する取得ステップと、前記制御装置の実行部が、前記鞍乗型車両に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを、前記トリガ情報に応じて開始する実行ステップと、を備えており、前記取得ステップでは、前記取得部が、更に、走行中の前記鞍乗型車両の横加速度情報を取得し、前記実行ステップでは、前記実行部が、前記制御モードにおいて、前記取得部で取得される前記横加速度情報に応じて前記挙動制御動作を変化させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る制御装置及び制御方法では、取得部が、走行中の鞍乗型車両の横加速度情報を取得し、実行部が、鞍乗型車両に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードにおいて、その挙動制御動作を横加速度情報に応じて変化させる。横加速度情報は、旋回走行中の鞍乗型車両に生じるコーナリングフォースに密接に関連した情報である。そのため、そのような制御によって、旋回走行する鞍乗型車両に生じるタイヤのグリップ特性の変化の傾向を加味した上で、その鞍乗型車両を自動減速又は自動加速させることが可能となって、ライダーによる運転を適切に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る挙動制御システムが搭載される鞍乗型車両の構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る挙動制御システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る挙動制御システムの制御装置が行う処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る制御装置及び制御方法について、図面を用いて説明する。
【0012】
なお、以下では、鞍乗型車両が自動二輪車である場合を説明しているが、鞍乗型車両は自動三輪車、自転車等の他の鞍乗型車両であってもよい。なお、鞍乗型車両は、ライダーが跨がって搭乗する車両を意味する。
【0013】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に対して、同一の符号を付している又は符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。また、重複又は類似する説明が、適宜簡略化又は省略されている場合がある。
【0014】
また、本発明では、「車体速度」との用語を、鞍乗型車両が前進している場合の速度(つまり、正の値としての速度)と、鞍乗型車両が後退している場合の速度(つまり、負の値としての速度)と、を含む概念として定義している。つまり、「車体速度の絶対値が大きくなる」との表現は、鞍乗型車両が前進している場合の速度の増加と、鞍乗型車両が後退している場合の速度の低下と、の少なくとも一方を意味する。また、「車体速度の絶対値が小さくなる」との表現は、鞍乗型車両が前進している場合の速度の低下と、鞍乗型車両が後退している場合の速度の増加と、の少なくとも一方を意味する。
【0015】
また、本発明では、「車体速度の微分値」との用語を、鞍乗型車両の車体速度が増加している場合の加速度(つまり、正の値としての加速度)と、鞍乗型車両の車体速度が低下している場合の加速度(つまり、負の値としての加速度)と、を含む概念として定義している。つまり、「車体速度の微分値の絶対値が大きくなる」との表現は、鞍乗型車両の車体速度が増加している場合の加速度の増加と、鞍乗型車両の車体速度が低下している場合の加速度の低下と、の少なくとも一方を意味する。また、「車体速度の微分値の絶対値が小さくなる」との表現は、鞍乗型車両の車体速度が増加している場合の加速度の低下と、鞍乗型車両の車体速度が低下している場合の加速度の増加と、の少なくとも一方を意味する。
【0016】
また、本発明では、「車体速度の二階微分値」との用語を、鞍乗型車両の車体速度の微分値が増加している場合の加加速度(つまり、正の値としての加加速度)と、鞍乗型車両の車体速度の微分値が低下している場合の加加速度(つまり、負の値としての加加速度)と、を含む概念として定義している。つまり、「車体速度の二階微分値の絶対値が大きくなる」との表現は、鞍乗型車両の車体速度の微分値が増加している場合の加加速度の増加と、鞍乗型車両の車体速度の微分値が低下している場合の加加速度の低下と、の少なくとも一方を意味する。また、「車体速度の二階微分値の絶対値が小さくなる」との表現は、鞍乗型車両の車体速度の微分値が増加している場合の加加速度の低下と、鞍乗型車両の車体速度の微分値が低下している場合の加加速度の増加と、の少なくとも一方を意味する。
【0017】
<挙動制御システムの構成>
本発明の実施形態に係る挙動制御システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る挙動制御システムが搭載される鞍乗型車両の構成の一例を示す図である。
図2は、本発明の実施形態に係る挙動制御システムの構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示されるように、挙動制御システム10は、鞍乗型車両100に搭載される。鞍乗型車両100は、胴体1と、胴体1に旋回自在に保持されているハンドル2と、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている前輪3と、胴体1に回動自在に保持されている後輪4とを備える。
【0019】
挙動制御システム10は、例えば、少なくとも駆動操作部11aのライダーによる操作量に応じた推進力を後輪4に生じさせる駆動機構11と、少なくとも前輪ブレーキ操作部12aのライダーによる操作量に応じた制動力で前輪3を制動する前輪制動機構12と、少なくとも後輪ブレーキ操作部13aのライダーによる操作量に応じた制動力で後輪4を制動する後輪制動機構13と、を備える。
【0020】
駆動機構11は、例えば、エンジンを駆動源とするものであってもよく、また、モータ等の他の機構を駆動源とするものであってもよい。また、駆動操作部11aは、例えば、鞍乗型車両100のハンドル2に設けられているスロットルグリップであってもよく、また、鞍乗型車両100の胴体1に設けられているアクセルペダルであってもよい。また、駆動機構11は、少なくとも駆動操作部11aのライダーによる操作量に応じた推進力を前輪3に生じさせるものであってもよい。
【0021】
例えば、駆動機構11は、ライダーによる駆動操作部11aの操作が無い状態で、自動で推進力を生じさせ、その推進力を増加又は減少させることが可能に構成されている。駆動機構11が、ライダーによる駆動操作部11aの操作が有り、その操作量が一定に維持されている状態で、自動で推進力を増加又は減少させることが可能に構成されていてもよい。つまり、駆動機構11は、鞍乗型車両100に自動加速又は自動減速を生じさせることが可能に構成されている。
【0022】
前輪制動機構12及び後輪制動機構13は、互いに独立していてもよく、また、前輪ブレーキ操作部12a及び後輪ブレーキ操作部13aの一方でのライダーによる操作量に応じて、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の両方が制動力を生じさせるものであってもよい。前輪ブレーキ操作部12a及び後輪ブレーキ操作部13aのそれぞれは、例えば、鞍乗型車両100のハンドル2に設けられているブレーキレバーであってもよく、また、鞍乗型車両100の胴体1に設けられているブレーキペダルであってもよい。なお、鞍乗型車両100に、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の一方のみが設けられていてもよい。
【0023】
例えば、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の少なくとも一方は、ライダーによる前輪ブレーキ操作部12a及び後輪ブレーキ操作部13aの操作が無い状態で、自動で制動力を生じさせ、その制動力を増加又は減少させることが可能に構成されている。前輪制動機構12及び後輪制動機構13の少なくとも一方が、ライダーによる前輪ブレーキ操作部12a及び後輪ブレーキ操作部13aの少なくとも一方の操作が有り、その操作量が一定に維持されている状態で、自動で鞍乗型車両100に生じる総制動力を増加又は減少させることが可能に構成されていてもよい。つまり、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の少なくとも一方は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせることが可能に構成されている。
【0024】
図1及び
図2に示されるように、挙動制御システム10は、例えば、前輪回転速度センサ41と、後輪回転速度センサ42と、慣性計測装置(IMU)43と、環境情報収集装置44と、入力装置45と、を備える。前輪回転速度センサ41と後輪回転速度センサ42と慣性計測装置43と環境情報収集装置44と入力装置45とは、制御装置(ECU)60と通信可能になっている。制御装置60は、1つにまとめられていてもよく、また、複数に分かれていてもよい。また、制御装置60の一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
【0025】
前輪回転速度センサ41は、前輪3の回転速度情報を検出し、検出結果を出力する。前輪回転速度センサ41が、前輪3の回転速度情報として、回転速度自体を検出するものであってもよく、また、回転速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。後輪回転速度センサ42は、後輪4の回転速度情報を検出し、検出結果を出力する。後輪回転速度センサ42が、後輪4の回転速度情報として、回転速度自体を検出するものであってもよく、また、回転速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
【0026】
慣性計測装置43は、例えば、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備える。慣性計測装置43は、例えば、胴体1に設けられている。慣性計測装置43は、少なくとも、鞍乗型車両100に生じている横加速度情報を検出し、検出結果を出力する。横加速度は、鞍乗型車両100の重心点を通る鉛直軸又は路面垂直軸と直交し、且つ、鞍乗型車両100の前後方向又は進行方向と直交する方向での加速度、又は、鞍乗型車両100の重心点を通る車高方向と平行な軸と直交し、且つ、鞍乗型車両100の前後方向又は進行方向と直交する方向での加速度として定義される。その重心点が、重心点との位置関係が既知の点に置き換えられて横加速度が定義されてもよい。慣性計測装置43が、横加速度情報として、横加速度自体を検出するものであってもよく、また、横加速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。例えば、慣性計測装置43が、横加速度情報として、横加速度を導出可能な他の加速度又は回転角速度を検出するものであってもよい。つまり、慣性計測装置43は、鞍乗型車両100に生じている横加速度を導出可能な情報として定義される横加速度情報の取得を実現できるものであれば、どのようなものであってもよい。また、挙動制御システム10以外のシステムで横加速度情報が取得できる場合には、慣性計測装置43が省略されてもよい。
【0027】
環境情報収集装置44は、鞍乗型車両100の周囲の環境情報を収集し、その結果を出力する。環境情報収集装置44は、例えば、鞍乗型車両100の前方、後方、又は、側方に位置する対象(例えば、他車両、障害となる物、障害となる人又は動物、道路設備、路面欠陥等)の鞍乗型車両100に対する位置関係情報を収集する。位置関係情報には、例えば、相対距離情報、相対速度情報、相対加速度情報等が含まれる。環境情報収集装置44は、例えば、鞍乗型車両100にその前方、後方、又は、側方を向く状態で取り付けられている、測距センサ(例えば、Lidar、レーダー、超音波センサ等)、カメラ等である。環境情報収集装置44は、他車両又は道路設備から情報を無線で受信する無線通信器であってもよい。その無線通信器は、例えば、鞍乗型車両100の前方、後方、又は、側方に位置する対象の位置関係情報、鞍乗型車両100の前方、後方、又は、側方に位置する他車両の走行状態情報、鞍乗型車両100が走行する道路の標識情報、鞍乗型車両100が走行する道路の交通状況情報等を受信する。
【0028】
入力装置45は、ライダーが所望する走行モードを有効化又は設定するための操作を受け付ける。入力装置45は、走行モードとして、例えば、クルーズコントロールの一種であるアダプティブクルーズコントロールを有効化又は設定するための操作、衝突回避のための緊急動作を有効化又は設定するための操作、ライダーに警告を報知するためのハプティクス動作を有効化又は設定するための操作等を受け付ける。入力装置45として、例えば、レバー、ボタン、タッチパネル等が用いられる。入力装置45は、例えば、ハンドル2に設けられている。
【0029】
クルーズコントロールは、鞍乗型車両100の車体速度が速度基準値に近づくように、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる走行モードである。また、オートクルーズコントロールは、クルーズコントロールによって鞍乗型車両100の車体速度を速度基準値よりも低く保ちつつ、鞍乗型車両100から先行車両までの距離が距離基準値に近づくように、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる走行モードである。速度基準値及び距離基準値は、ライダーによって適宜設定され得る。鞍乗型車両100の車体速度は、前輪3及び後輪4の回転速度に基づいて取得されてもよく、また、他のセンサの検出結果に基づいて取得されてよい。つまり、車体速度を検出するためのセンサは、鞍乗型車両100に生じている車体速度を導出し得る情報として定義される車体速度情報の取得を実現できるものであれば、どのようなものであってもよい。また、挙動制御システム10以外のシステムで車体速度情報が取得できる場合には、そのセンサが省略されてもよい。
【0030】
衝突回避のための緊急動作は、鞍乗型車両100の前方、後方、又は、側方に位置する対象に対する鞍乗型車両100の衝突可能性が高い場合に、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を緊急で生じさせる走行モードである。対象に対する鞍乗型車両100の相対距離情報、相対速度情報、及び、相対加速度情報の少なくとも一つに基づいて、その衝突可能性は取得され得る。また、その衝突可能性の判定基準値は、ライダーによって適宜設定され得る。また、自動減速又は自動加速は、衝突を確実に防げるものでなくてもよく、ライダーによる衝突の回避を助け得るものであれば足りる。
【0031】
ライダーに警告を報知するためのハプティクス動作は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を瞬時的に生じさせる走行モードである。その警告には、例えば、衝突回避のための緊急動作が実行されることを事前にライダーに報知するもの、走行モードの設定操作をライダーに促すもの、特定の走行状態の他車両の存在をライダーに報知するもの、鞍乗型車両100が走行する道路の標識への注視をライダーに促すもの、特定の交通状況(例えば、渋滞、故障車両、工事等)の存在をライダーに報知するもの、鞍乗型車両100の特定の状態をライダーに報知するもの等が含まれる。自動減速又は自動加速が、一度のみ行われてもよく、また、複数回繰り返されてもよい。
【0032】
制御装置60は、駆動機構11、前輪制動機構12、及び、後輪制動機構13の少なくとも一つに制御指令を出力して、鞍乗型車両100の挙動を制御する。制御装置60は、取得部61と、実行部62と、を備える。
【0033】
取得部61は、鞍乗型車両100の走行中に、前輪回転速度センサ41、後輪回転速度センサ42、慣性計測装置43、環境情報収集装置44、及び、入力装置45から出力される情報を取得し、それらに基づいて、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる必要性の有無を判定する。取得部61は、その必要性が有る場合、その旨の情報をトリガ情報として実行部62に出力する。取得部61は、その必要性を、有効化されている走行モード毎に判定する。なお、トリガ情報は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを開始するトリガとなる情報と定義される。
【0034】
実行部62は、トリガ情報が入力されると、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを開始する。実行部62は、鞍乗型車両100に自動減速を生じさせる又はその減速度を増減させる際に、鞍乗型車両100の制動力(つまり、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の少なくとも一方)を制御してもよく、また、鞍乗型車両100の推進力(つまり、駆動機構11)を制御してもよい。また、実行部62は、鞍乗型車両100に自動加速を生じさせる又はその加速度を増減させる際に、鞍乗型車両100の推進力(つまり、駆動機構11)を制御してもよく、また、鞍乗型車両100の制動力(つまり、前輪制動機構12及び後輪制動機構13の少なくとも一方)を制御してもよい。
【0035】
ここで、実行部62は、その制御モードにおいて、取得部61で取得される横加速度情報に応じて挙動制御動作を変化させる。
【0036】
一例として、その制御モードにおいて、実行部62は、自動減速又は自動加速を生じさせる際に、鞍乗型車両100に生じる車体速度の二階微分値を取得部61で取得される横加速度情報に応じて変化させる。実行部62は、その二階微分値の制御を、自動減速又は自動加速の開始時のみ行ってもよく、それに加えて又は換えて、自動減速又は自動加速の実行中に行ってもよい。例えば、自動減速を生じさせる挙動制御動作において、実行部62は、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、二階微分値の絶対値を小さくする。また、例えば、自動加速を生じさせる挙動制御動作において、実行部62は、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、二階微分値の絶対値を小さくする。その二階微分値の絶対値を小さくする度合いが、ライダーによって適宜設定可能であってもよい。
【0037】
一例として、その制御モードにおいて、実行部62は、取得部61で取得される横加速度情報が鞍乗型車両100に基準値を超える横加速度が生じていることを示す情報である場合に、挙動制御動作をキャンセルする。つまり、実行部62は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせない。実行部62は、そのキャンセルを、自動減速又は自動加速の開始時のみ行ってもよく、それに加えて又は換えて、自動減速又は自動加速の実行中に行ってもよい。実行部62は、そのキャンセルにあたって、制御モードを鞍乗型車両100に自動減速又は自動減速を生じさせない状態で継続してもよく、また、制御モード自体をキャンセルしてもよく、また、その自動減速又は自動加速を必要とする走行モード自体をキャンセルしてもよい。また、実行部62は、挙動制御動作をキャンセルした後、トリガ情報の入力が無くなる(つまり、取得部61で自動減速又は自動加速の必要性が無いと判定される)までそのキャンセルを継続してもよく、また、トリガ情報の入力が継続する(つまり、取得部61で自動減速又は自動加速の必要性が有ると判定され続ける)状況下で、鞍乗型車両100に基準値を下回る横加速度が生じていることを示す横加速度情報が取得部61で取得され次第、挙動制御動作(つまり、自動減速又は自動加速)を再開してもよい。挙動制御動作のキャンセルの判定に用いられる基準値と、その後の挙動制御動作の再開の判定に用いられる基準値と、は、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。また、それらの基準値が、ライダーによって適宜設定可能であってもよい。
【0038】
実行部62が、その制御モードにおいて、更に、取得部61で取得される車体速度情報に応じて挙動制御動作を変化させてもよい。例えば、実行部62が、車体速度情報が鞍乗型車両100に基準値を超える車体速度が生じていることを示す情報である場合のみ、取得部61で取得される横加速度情報に応じて挙動制御動作を変化させてもよい。また、例えば、実行部62が、車体速度情報が鞍乗型車両100に大きい車体速度が生じていることを示す情報である場合に、車体速度情報が鞍乗型車両100に小さい車体速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、取得部61で取得される横加速度情報に応じた二階微分値の絶対値の変化を大きくしてもよい。
【0039】
<挙動制御システムの動作>
本発明の実施形態に係る挙動制御システムの動作について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る挙動制御システムの制御装置が行う処理フローの一例を示す図である。
【0040】
制御装置60は、鞍乗型車両100が走行している間において、
図3に示される制御フローを繰り返し実行する。
【0041】
(取得ステップ)
ステップS101において、制御装置60の取得部61は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる必要性の有無を判定する。取得部61は、その必要性が有る場合、ステップS102に進んで、その旨の情報をトリガ情報として実行部62に出力する。その必要性が無い場合、処理フローはステップS101に戻る。
【0042】
(実行ステップ)
ステップS102においてトリガ情報が出力されると、ステップS103において、制御装置60の実行部62は、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードを開始する。ここで、実行部62は、その制御モードにおいて、取得部61で取得される横加速度情報に応じて挙動制御動作を変化させる。実行部62が、制御モードの一連の動作を終了すると、処理フローはステップS101に戻る。
【0043】
<挙動制御システムの効果>
本発明の実施形態に係る挙動制御システムの効果について説明する。
【0044】
挙動制御システム10では、取得部61が、走行中の鞍乗型車両100の横加速度情報を取得し、実行部62が、鞍乗型車両100に自動減速又は自動加速を生じさせる挙動制御動作が実行される制御モードにおいて、その挙動制御動作を横加速度情報に応じて変化させる。横加速度情報は、旋回走行中の鞍乗型車両100に生じるコーナリングフォースに密接に関連した情報である。そのため、そのような制御によって、旋回走行する鞍乗型車両100に生じるタイヤのグリップ特性の変化の傾向を加味した上で、その鞍乗型車両100を自動減速又は自動加速させることが可能となって、ライダーによる運転を適切に支援することが可能となる。
【0045】
好ましくは、挙動制御システム10では、実行部62が、自動減速又は自動加速を生じさせる際に、鞍乗型車両100に生じる車体速度の二階微分値を取得部61で取得される横加速度情報に応じて変化させる。鞍乗型車両100の旋回走行中に、自動減速又は自動加速の発生によってライダーにとって不意に大きな加速度の変化が生じると、ライダーがそれによって生じる鞍乗型車両100の挙動の変化に対応することが特に困難になる。そのため、そのような制御によって、ライダーによる運転を適切に支援することが更に促進される。
【0046】
好ましくは、挙動制御システム10では、実行部62が、自動減速又は自動加速の実行中に、鞍乗型車両100に生じる車体速度の二階微分値を取得部61で取得される横加速度情報に応じて変化させる。自動減速又は自動加速中の鞍乗型車両100が旋回走行に移行する際に大きな加速度の変化が生じると、ライダーがそれによって生じる鞍乗型車両100の挙動の変化に対応することが特に困難になる。そのため、そのような制御によって、ライダーによる運転を適切に支援することが更に促進される。
【0047】
特に、挙動制御動作が鞍乗型車両100に自動減速を生じさせる動作である場合において、実行部62が、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、車体速度の二階微分値の絶対値を小さくするとよい。横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合には、旋回走行中の鞍乗型車両100に大きなコーナリングフォースが生じている状況と推察でき、そのような状況での自動減速の開始に際して又は自動減速中に大きな加速度の変化が生じてしまうと、タイヤのスリップを招き得る。そのため、そのような制御によって、加速度の大きな変化が生じることが抑制されることとなって、自動減速によってライダーの運転を適切に支援することが更に促進される。
【0048】
特に、挙動制御動作が鞍乗型車両100に自動加速を生じさせる動作である場合において、実行部62が、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、車体速度の二階微分値の絶対値を小さくするとよい。横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合には、旋回走行中の鞍乗型車両100に大きなコーナリングフォースが生じている状況と推察でき、そのような状況での自動加速の開始に際して又は自動加速中に大きな加速度の変化が生じてしまうと、タイヤのスリップを招き得る。そのため、そのような制御によって、加速度の大きな変化が生じることが抑制されることとなって、自動加速によってライダーの運転を適切に支援することが更に促進される。
【0049】
好ましくは、挙動制御システム10では、実行部62が、取得部61で取得される横加速度情報が鞍乗型車両100に基準値を超える横加速度が生じていることを示す情報である場合に、挙動制御動作をキャンセルする。そのような制御によって、タイヤにスリップが生じやすい状況下で、鞍乗型車両100が自動減速又は自動加速しながら走行することが抑制されて、ライダーによる運転を適切に支援することが更に促進される。
【0050】
特に、実行部62が、挙動制御動作のキャンセル中において、取得部61で取得される横加速度情報が鞍乗型車両100に基準値を下回る横加速度が生じていることを示す情報である場合に、挙動制御動作を実行するとよい。そのような制御によって、不必要に自動減速又は自動加速が制限されることが抑制されて、ライダーによる運転を適切に支援することが更に促進される。
【0051】
好ましくは、挙動制御システム10では、取得部61が、走行中の鞍乗型車両100に生じている車体速度情報を取得し、実行部62が、更に、挙動制御動作を車体速度情報に応じて変化させる。そのような制御によって、タイヤに生じるスリップの影響度を加味した上で鞍乗型車両100を自動減速又は自動加速させることが可能となって、ライダーによる運転を適切に支援することが更に促進される。
【0052】
本発明は実施形態の説明に限定されない。例えば、実施形態の一部のみが実施されてもよく、また、実施形態の一部同士が組み合わされてもよい。また、例えば、各ステップの順序が入れ替えられてもよい。
【0053】
また、例えば、実行部62が、自動減速又は自動加速を生じさせる際に、鞍乗型車両100に生じる車体速度の二階微分値を取得部61で取得される横加速度情報に応じて変化させるのに加えて又は換えて、車体速度及びその微分値の少なくとも一方を取得部61で取得される横加速度情報に応じて変化させてもよい。実行部62は、その制御を、自動減速又は自動加速の開始時のみ行ってもよく、それに加えて又は換えて、自動減速又は自動加速の実行中に行ってもよい。例えば、自動減速を生じさせる挙動制御動作において、実行部62は、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、車体速度の絶対値又は車体速度の微分値の絶対値を小さくする。また、例えば、自動加速を生じさせる挙動制御動作において、実行部62は、横加速度情報が鞍乗型車両100に大きい横加速度が生じていることを示す情報である場合に、横加速度情報が鞍乗型車両100に小さい横加速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、車体速度の絶対値又は車体速度の微分値の絶対値を小さくする。その絶対値を小さくする度合いが、ライダーによって適宜設定可能であってもよい。また、実行部62が、車体速度情報が鞍乗型車両100に大きい車体速度が生じていることを示す情報である場合に、車体速度情報が鞍乗型車両100に小さい車体速度が生じていることを示す情報である場合と比較して、その絶対値の変化を大きくしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、4 後輪、10 挙動制御システム、11 駆動機構、11a 駆動操作部、12 前輪制動機構、12a 前輪ブレーキ操作部、13 後輪制動機構、13a 後輪ブレーキ操作部、41 前輪回転速度センサ、42 後輪回転速度センサ、43 慣性計測装置、44 環境情報収集装置、45 入力装置、60 制御装置、61 取得部、62 実行部、100 鞍乗型車両。