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特許7438389メモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】メモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/02 20060101AFI20240216BHJP
   G11C 29/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G11C29/02 140
G11C29/00 412
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022555919
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021022895
(87)【国際公開番号】W WO2021194833
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】16/831,524
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ビスコンティ アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】パゾッコ リッカルド
(72)【発明者】
【氏名】ストランド ジョナサン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マジェラス ケビン ティ.
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-176830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198098(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/00
G11C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することであって、前記漏れ検出評価が、
前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって、前記アクセス線はメモリセルに結合されており、前記アクセス線に前記バイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて、診断荷電状態が前記メモリセルに書き込まれる、印加することと、
前記アクセス線に前記バイアスを前記印加したことに少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線の電気特性を評価することであって、前記評価することは前記メモリアレイの漏れ条件を判定するためである、評価することと
を含む、実行することと、
前記メモリアレイの前記判定された漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することと
を含む方法。
【請求項2】
前記漏れ検出評価が、
前記アクセス線から前記バイアスを除去することと、
前記メモリアレイの前記漏れ条件を判定するために、前記アクセス線から前記バイアスを除去した後に、前記アクセス線の前記電気特性を評価することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクセス線から前記バイアスを除去することが、
前記アクセス線を電気的にフローティングさせることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アクセス線に前記バイアスを印加することが、
前記アクセス線に結合されたキャパシタを帯電させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することであって、前記漏れ検出評価が、
前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって、前記アクセス線はメモリセルに結合されており、前記アクセス線に前記バイアスを印加することが、
前記アクセス線に結合されたキャパシタを帯電させることと、
前記アクセス線に結合された前記キャパシタを帯電させた後に、前記アクセス線から電圧源を切り離すことと、
前記アクセス線から前記電圧源を切り離した後に、前記アクセス線に結合された前記キャパシタを再帯電させることと
を含む、印加することと、
前記アクセス線に前記バイアスを前記印加したことに少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線の電気特性を評価することであって、前記評価することは前記メモリアレイの漏れ条件を判定するためである、評価することと
を含む、実行することと、
前記メモリアレイの前記判定された漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することと
を含む方法。
【請求項6】
前記アクセス線の前記電気特性を評価することが、
前記アクセス線に関連付けられた電荷の漏れを積分することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセス線の前記電気特性を評価することが、
前記アクセス線の電圧を電圧閾値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アクセス線の前記電圧を前記電圧閾値と比較することが、
前記メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するように動作可能な感知増幅器を使用して、前記アクセス線の前記電圧を基準電圧と比較することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記感知増幅器を使用して前記比較することが、
前記メモリセルによって記憶されている前記論理状態を検出するための第2の基準電圧とは異なる第1の基準電圧と、前記アクセス線の前記電圧を比較することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記回復動作を開始することが、
前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスに対する障害指示を記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記回復動作を開始することが、
前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスを前記メモリアレイの異なるアドレスに再マッピングすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記回復動作を開始することが、
前記メモリアレイと通信するホストデバイスに、前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスに対する障害条件を示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリアレイを含むメモリデバイスに結合されたホストデバイスから、前記メモリアレイに対する前記漏れ検出評価を実行するためのコマンドを受信すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
メモリアレイを含むメモリデバイスにおいて、前記メモリデバイスの動作条件に少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することを判定することと、
前記メモリアレイに対する前記漏れ検出評価を実行することであって、前記漏れ検出評価が、
前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって、前記アクセス線はメモリセルに結合された、印加することと、
前記アクセス線に前記バイアスを前記印加したことに少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線の電気特性を評価することであって、前記評価することは前記メモリアレイの漏れ条件を判定するためである、評価することと
を含む、実行することと、
前記メモリアレイの前記判定された漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することと
を含む方法。
【請求項15】
メモリアレイを含むメモリデバイスにおいて、前記メモリアレイ上でウェアレベリング動作を実行したことに少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することを判定することと、
前記メモリアレイに対する前記漏れ検出評価を実行することであって、前記漏れ検出評価が、
前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって、前記アクセス線はメモリセルに結合された、印加することと、
前記アクセス線に前記バイアスを前記印加したことに少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線の電気特性を評価することであって、前記評価することは前記メモリアレイの漏れ条件を判定するためである、評価することと
を含む、実行することと、
前記メモリアレイの前記判定された漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することと
を含む方法。
【請求項16】
前記漏れ検出評価を実行することが、前記ウェアレベリング動作に従ってユーザデータを記憶していない1組の1つまたは複数のメモリセルに少なくとも部分的に基づいている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
メモリアレイと、
前記メモリアレイに結合された漏れ検出コンポーネントであって、
メモリセルに結合された、前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって前記アクセス線に前記バイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて、診断荷電状態が前記メモリセルに書き込まれる、印加することと
前記アクセス線に前記バイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて前記アクセス線の電気特性を評価することと
前記電気特性を評価したことに少なくとも部分的に基づいて前記メモリアレイの電荷漏れ条件を判定することとを行うように構成された漏れ検出コンポーネントと、
前記漏れ検出コンポーネントに結合され、前記判定された電荷漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて装置の回復動作を開始するように構成されたメモリ管理コンポーネントと
を備える装置。
【請求項18】
前記漏れ検出コンポーネントが、
前記アクセス線から前記バイアスを除去し、
前記アクセス線から前記バイアスを除去した後に前記アクセス線の前記電気特性を評価するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記アクセス線の前記電気特性を評価するために、前記漏れ検出コンポーネントが、
前記アクセス線に関連付けられた電荷漏れを積分するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記アクセス線の前記電気特性を評価するために、前記漏れ検出コンポーネントが、
前記アクセス線の電圧を電圧閾値と比較するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記漏れ検出コンポーネントが、前記メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するように構成された感知増幅器を備え、前記感知増幅器が、前記アクセス線の前記電圧を前記電圧閾値と比較するようにさらに構成されている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記アクセス線の前記電気特性を評価するために、前記感知増幅器が、前記メモリセルによって記憶されている前記論理状態を検出するための第2の基準電圧とは異なる第1の基準電圧と、前記アクセス線の前記電圧を比較するように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記メモリ管理コンポーネントが、前記判定された電荷の漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスに対する障害指示を記憶するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記メモリ管理コンポーネントが、前記判定された電荷の漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスを前記メモリアレイの異なるアドレスに再マッピングするように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
前記メモリ管理コンポーネントが、前記判定された電荷の漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、前記メモリアレイと通信するホストデバイスに、前記アクセス線を含む前記メモリアレイのアドレスに対する障害条件を示すように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
メモリアレイと、
前記メモリアレイに結合されたメモリコントローラとを備える装置であって、前記メモリコントローラが、
前記メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することであって、前記漏れ検出評価を実行するために、前記メモリコントローラが、
メモリセルに結合された、前記メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することであって、前記アクセス線に前記バイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて、診断荷電状態が前記メモリセルに書き込まれる、印加することと、
前記アクセス線に前記バイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて前記アクセス線の電気特性を評価することであって、前記電気特性は前記メモリアレイの漏れ条件を示す、評価することと
を、前記装置に実行させるように動作可能である、実行することと、
前記メモリアレイの前記漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて、回復動作を開始することとを行うように構成されている、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本特許出願は、その各々が本出願の譲受人に譲渡され、その各々の全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている、2020年3月26日に出願されたViscontiらによる「CHARGE LEAKAGE DETECTION FOR MEMORY SYSTEM RELIABILITY」という名称の米国特許出願16/831,524に対する優先権を主張する2021年3月18日に出願されたViscontiらによる「CHARGE LEAKAGE DETECTION FOR MEMORY SYSTEM RELIABILITY,」という名称の国際特許出願PCT/US2021/022895の国内段階出願である
【0002】
以下は、一般に、1つまたは複数のメモリシステムに関し、より詳細には、メモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリデバイスは、コンピュータ、無線通信デバイス、カメラ、デジタルディスプレイなど、様々な電子デバイス内に情報を記憶するために広く使用されている。情報は、メモリデバイス内のメモリセルを様々な状態にプログラムすることによって記憶される。たとえば2進メモリセルは、利用可能にされる2つの状態のうちの1つにプログラムすることができ、これらの状態は、論理1または論理0によって表されることが多い。いくつかの例では、単一のメモリセルが3つ以上の状態を利用可能にすることができ、それらの状態のうちのいずれか1つを記憶することができる。記憶された情報にアクセスするには、デバイスのコンポーネントが、メモリデバイス内の少なくとも1つの記憶状態を読み出しまたは感知することができる。情報を記憶するには、デバイスのコンポーネントが、その状態をメモリデバイス内に書き込みまたはプログラムすることができる。
【0004】
様々なタイプのメモリデバイスが存在し、それには、磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)などが含まれる。メモリデバイスは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。不揮発性メモリ、たとえばFeRAMは、外部電源のない場合でも、記憶された論理状態を長期間にわたって維持することができる。揮発性メモリデバイス、たとえばDRAMは、外部電源から取り外されると、記憶状態を失うことがある。FeRAMは、揮発性メモリに類似した密度を実現することが可能であるが、強誘電キャパシタを記憶デバイスとして使用することにより、不揮発性のプロパティを有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するシステムの一例を示す図である。
図2】本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するメモリダイの一例を示す図である。
図3A】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによって強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
図3B】本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフによって強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。
図4】本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する回路の一例を示す図である。
図5】本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する例示的なアクセス手順の動作を示すタイミング図である。
図6】本開示の態様によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するメモリデバイスのブロック図である。
図7】本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する1つまたは複数の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に開示する例によるメモリシステムは、メモリデバイスと、メモリデバイスに結合されたホストデバイスとを含むことができる。そのようなシステム内のメモリデバイスの信頼性は、メモリデバイスにおける障害の統計的確率に基づくことができ、そのような障害を、時間あたりの障害回数(FIT)などと呼ぶことがある。車両安全システム、自律車両システム、高度運転支援システム(ADAS)、または他の安全性が重要なシステムなど、いくつかの応用例は、特に高い信頼性要件を有することがあり、またはそうでない場合も、特に低い障害確率を必要とすることがある。
【0007】
いくつかのメモリシステムでは、障害が識別、検出、または他の形で対処されたとき、信頼性を改善することができる。たとえば、メモリデバイスが所与の継続時間内に百回の障害を経験したが(たとえば、FIT100)、エラーのすべてが動作障害なく対処された場合(たとえば、すべてのエラーがエラー補正アルゴリズムによって対処された場合)、このメモリデバイスは、0(ゼロ)FIT(たとえば、0の「安全FIT」)、または他の尺度の比較的高い信頼性(たとえば、0パーツパーミリオン(PPM))に関連付けることができる。言い換えれば、障害に関連付けられた不確定性を低減させる技法を利用し、またはそのような障害もしくは信頼性の問題の前兆を識別し、したがってそれに対して予防的手法を取るメモリデバイスは、そのような技法を利用しないメモリデバイスに比べて好ましい信頼性を有することができる。
【0008】
いくつかのメモリデバイスでは、動作障害または信頼性の低減に電荷の漏れを関連付けることができる。たとえば、電荷の漏れは、メモリセルへのアクセス(たとえば、メモリセルの読出し)に関連付けられた信号に重なることがあり、それにより読出しマージンの低減または除去を引き起こすことがある(たとえば、様々なメモリセルに記憶された論理状態を区別する読出し動作の能力を損なうことがある)。いくつかの状況では、電荷の漏れにより、メモリデバイスは、メモリセルを読み出すとき、異なる論理状態がメモリセルに書き込まれている場合でも、1つの論理状態を検出することがあり(たとえば、事前にメモリセルに論理1が書き込まれている場合でも、メモリセル上の読出し動作中に論理0を検出する)、このことは記憶された情報の損失または破損に関連付けることができる。メモリデバイスまたはホストデバイスのエラー補正コード(ECC)など、メモリシステムのエラー対処動作によって、いくつかのエラーに対処することはできるが、そのような技法は、その根底にある信頼性の問題がエラー対処能力を超過するかまたは他の動作上の問題を引き起こすまで、そのような問題への洞察を提供することはできない。
【0009】
本明細書に開示する例によれば、メモリシステムは、メモリデバイス内の電荷の漏れの前兆を識別し、そのように識別された前兆に基づいて予防措置を取るように構成されたメモリ管理技法を用いることができる。たとえば、メモリシステムは、メモリアレイに対して漏れ検出評価を実行するように構成することができ、漏れ検出評価は、メモリアレイの漏れ条件が動作信頼性に影響することがあるかどうかを識別するための様々なバイアスおよび評価動作を含むことができる。そのような評価に基づいて、メモリデバイス、またはメモリデバイスと通信するホストデバイスは、電荷の漏れに関連付けられたメモリアレイの進行中の動作に起因することのあるメモリデバイスまたはホストデバイスの動作障害を回避するために、様々な予防策を取ることができる。したがって、いくつかの例では、電荷の漏れ評価のための記載する技法は、メモリデバイスまたはメモリシステム全体の信頼性を改善することができる。
【0010】
本開示の特徴について、図1図2を参照して説明するように、メモリシステムおよびダイの文脈で最初に説明する。本開示の特徴について、図3図5を参照して説明するように、メモリセルの特性ならびに関連する回路およびアクセス動作の文脈で説明する。本開示のこれらおよび他の特徴は、図6および図7を参照して説明するように、メモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出に関する装置図および流れ図によってさらに示し、これらの図を参照して説明する。
【0011】
図1は、本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するシステム100の一例を示す図である。システム100は、ホストデバイス105と、メモリデバイス110と、ホストデバイス105をメモリデバイス110に結合する複数のチャネル115とを含むことができる。システム100は、1つまたは複数のメモリデバイス110を含むことができるが、1つまたは複数のメモリデバイス110の態様について、単一のメモリデバイス(たとえば、メモリデバイス110)の文脈で説明することがある。
【0012】
システム100は、コンピューティングデバイス、移動コンピューティングデバイス、無線デバイス、グラフィックス処理デバイス、車両、または他のシステムなど、電子デバイスの部分を含むことができる。たとえば、システム100は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、車両コントローラなどの態様を示すことができる。メモリデバイス110は、システム100の1つまたは複数の他のコンポーネントに対するデータを記憶するように動作可能なシステムのコンポーネントとすることができる。
【0013】
システム100の少なくともいくつかの部分は、ホストデバイス105の例とすることができる。ホストデバイス105は、例の中でも特に、コンピューティングデバイス、移動コンピューティングデバイス、無線デバイス、グラフィックス処理デバイス、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、車両コントローラ、または何らかの他の定置型もしくは携帯型の電子デバイス内などでプロセスを実行するために、メモリを使用するデバイス内のプロセッサまたは他の回路の一例とすることができる。いくつかの例では、ホストデバイス105は、外部メモリコントローラ120の機能を実施するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せを指すことができる。いくつかの例では、外部メモリコントローラ120をホストまたはホストデバイス105と呼ぶことがある。
【0014】
メモリデバイス110は、システム100によって使用または参照することができる物理メモリアドレス/空間を提供するように動作可能な独立したデバイスまたはコンポーネントとすることができる。いくつかの例では、メモリデバイス110は、1つまたは複数の異なるタイプのホストデバイスとともに機能するように構成可能とすることができる。ホストデバイス105とメモリデバイス110との間の信号伝達は、信号を変調するための変調スキーム、信号を通信するための様々なピン構成、ホストデバイス105およびメモリデバイス110の物理的なパッケージの様々なフォームファクタ、ホストデバイス105とメモリデバイス110との間のクロック信号伝達および同期、タイミング規定、または他の要因のうちの1つまたは複数を支援するように動作可能とすることができる。
【0015】
メモリデバイス110は、ホストデバイス105のコンポーネントのためのデータを記憶するように動作可能とすることができる。いくつかの例では、メモリデバイス110は、ホストデバイス105に対してスレーブタイプのデバイスとして作用することができる(たとえば、外部メモリコントローラ120を介してホストデバイス105によって提供されるコマンドに応答し、それらのコマンドを実行する)。そのようなコマンドは、書込み動作のための書込みコマンド、読出し動作のための読出しコマンド、リフレッシュ動作のためのリフレッシュコマンド、または他のコマンドのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0016】
ホストデバイス105は、外部メモリコントローラ120、プロセッサ125、基本入出力システム(BIOS)コンポーネント130、あるいは1つまたは複数の周辺コンポーネントまたは1つまたは複数の入出力コントローラなど、他のコンポーネントのうちの1つまたは複数を含むことができる。ホストデバイスのコンポーネントは、バス135を使用して互いに結合することができる。
【0017】
プロセッサ125は、システム100の少なくともいくつかの部分またはホストデバイス105の少なくともいくつかの部分に対する制御または他の機能を提供するように動作可能とすることができる。プロセッサ125は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェアコンポーネント、またはこれらのコンポーネントの組合せとすることができる。そのような例では、プロセッサ125は、例の中でも特に、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、汎用GPU(GPGPU)、またはシステムオンチップ(SoC)の一例とすることができる。いくつかの例では、外部メモリコントローラ120は、プロセッサ125によって実施することができ、またはプロセッサ125の一部とすることができる。
【0018】
BIOSコンポーネント130は、システム100またはホストデバイス105の様々なハードウェアコンポーネントを初期化および実行することができるファームウェアとして動作するBIOSを含むソフトウェアコンポーネントとすることができる。BIOSコンポーネント130はまた、プロセッサ125とシステム100またはホストデバイス105の様々なコンポーネントとの間のデータフローを管理することができる。BIOSコンポーネント130は、読出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または他の不揮発性メモリのうちの1つまたは複数に記憶されたプログラムまたはソフトウェアを含むことができる。
【0019】
メモリデバイス110は、データ記憶のための所望の容量または指定の容量を利用可能にするために、デバイスメモリコントローラ155および1つまたは複数のメモリダイ160(たとえば、メモリチップ)を含むことができる。各メモリダイ160は、ローカルメモリコントローラ165(たとえば、ローカルメモリコントローラ165-a、ローカルメモリコントローラ165-b、ローカルメモリコントローラ165-N)と、メモリアレイ170(たとえば、メモリアレイ170-a、メモリアレイ170-b、メモリアレイ170-N)とを含むことができる。メモリアレイ170は、メモリセルの集合(たとえば、1つまたは複数の格子、1つまたは複数のバンク、1つまたは複数のタイル、1つまたは複数のセクション)とすることができ、各メモリセルは、少なくとも1ビットのデータを記憶するように動作可能である。2つ以上のメモリダイを含むメモリデバイス110を、マルチダイメモリもしくはマルチダイパッケージまたはマルチチップメモリもしくはマルチチップパッケージと呼ぶことがある。
【0020】
デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110の動作を制御するように動作可能な回路、論理、またはコンポーネントを含むことができる。デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110が様々な動作を実行することを有効にするハードウェア、ファームウェア、または命令を含むことができ、メモリデバイス110のコンポーネントに関係するコマンド、データ、または制御情報を受信、伝送、または実行するように動作可能とすることができる。デバイスメモリコントローラ155は、外部メモリコントローラ120、1つまたは複数のメモリダイ160、またはプロセッサ125のうちの1つまたは複数と通信するように動作可能とすることができる。いくつかの例では、デバイスメモリコントローラ155は、メモリダイ160のローカルメモリコントローラ165とともに、本明細書に記載するメモリデバイス110の動作を制御することができる。
【0021】
いくつかの例では、メモリデバイス110は、ホストデバイス105からデータもしくはコマンドまたはその両方を受信することができる。たとえば、メモリデバイス110は、メモリデバイス110がホストデバイス105のためのデータを記憶するべきであることを示す書込みコマンド、またはメモリデバイス110がメモリダイ160内に記憶されたデータをホストデバイス105へ提供するべきであることを示す読出しコマンドを受信することができる。
【0022】
ローカルメモリコントローラ165(たとえば、メモリダイ160のローカル)は、メモリダイ160の動作を制御するように動作可能とすることができる。いくつかの例では、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信する(たとえば、データもしくはコマンドまたはその両方を受信または伝送する)ように動作可能とすることができる。いくつかの例では、メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155を含まないことがあり、ローカルメモリコントローラ165または外部メモリコントローラ120が、本明細書に記載する様々な機能を実行することができる。したがって、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信するように、他のローカルメモリコントローラ165と通信するように、あるいは外部メモリコントローラ120もしくはプロセッサ125またはこれらの組合せと直接通信するように動作可能とすることができる。デバイスメモリコントローラ155もしくはローカルメモリコントローラ165またはその両方に含むことができるコンポーネントの例は、信号を(たとえば、外部メモリコントローラ120から)受信するためのレシーバ、信号を(たとえば、外部メモリコントローラ120へ)伝送するためのトランスミッタ、受信した信号を復号または復調するためのデコーダ、伝送すべき信号を符号化または変調するためのエンコーダ、あるいはデバイスメモリコントローラ155もしくはローカルメモリコントローラ165またはその両方の、記載の動作を支援するように動作可能な様々な他の回路またはコントローラを含むことができる。
【0023】
外部メモリコントローラ120は、システム100またはホストデバイス105のコンポーネント(たとえば、プロセッサ125)とメモリデバイス110との間の情報、データ、またはコマンドのうちの1つまたは複数の通信を有効にするように動作可能とすることができる。外部メモリコントローラ120は、ホストデバイス105のコンポーネントとメモリデバイス110のコンポーネントとの間で交換される通信を変換または翻訳することができる。いくつかの例では、外部メモリコントローラ120またはシステム100もしくはホストデバイス105の他のコンポーネント、あるいは本明細書に記載するその機能は、プロセッサ125によって実施することができる。たとえば、外部メモリコントローラ120は、システム100またはホストデバイス105のプロセッサ125または他のコンポーネントによって実施されるハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、またはこれらのいくつかの組合せとすることができる。外部メモリコントローラ120は、メモリデバイス110の外部にあるものとして描かれているが、いくつかの例では、外部メモリコントローラ120または本明細書に記載するその機能は、メモリデバイス110の1つまたは複数のコンポーネント(たとえば、デバイスメモリコントローラ155、ローカルメモリコントローラ165)によって実施することができ、または逆も同様である。
【0024】
ホストデバイス105のコンポーネントは、1つまたは複数のチャネル115を使用してメモリデバイス110と情報を交換することができる。チャネル115は、外部メモリコントローラ120とメモリデバイス110との間の通信を支援するように動作可能とすることができる。各チャネル115は、ホストデバイス105とメモリデバイスとの間で情報を伝達する伝送媒体の例とすることができる。各チャネル115は、システム100のコンポーネントに関連付けられた端子間に1つまたは複数の信号経路または伝送媒体(たとえば、導体)を含むことができる。信号経路は、信号を伝達するように動作可能な導電経路の一例とすることができる。たとえば、チャネル115は、ホストデバイス105の1つまたは複数のピンまたはパッドと、メモリデバイス110の1つまたは複数のピンまたはパッドとを含む第1の端子を含むことができる。ピンは、システム100のデバイスの導電入力または出力点の一例とすることができ、ピンは、チャネルの一部として作用するように動作可能とすることができる。
【0025】
チャネル115(ならびに関連付けられた信号経路および端子)は、1つまたは複数のタイプの情報を通信するのに専用のものとすることができる。たとえば、チャネル115は、1つまたは複数のコマンドおよびアドレス(CA)チャネル186、1つまたは複数のクロック信号(CK)チャネル188、1つまたは複数のデータ(DQ)チャネル190、1つまたは複数の他のチャネル192、またはこれらの組合せを含むことができる。いくつかの例では、シングルデータレート(SDR)の信号伝達またはダブルデータレート(DDR)の信号伝達を使用して、チャネル115を介して信号伝達を通信することができる。SDRの信号伝達では、各クロックサイクル(たとえば、クロック信号の立上りまたは立下りエッジ)に対して、信号の1つの変調記号(たとえば、信号レベル)を登録することができる。DDRの信号伝達では、各クロックサイクル(たとえば、クロック信号の立上りエッジおよび立下りエッジの両方)に対して、信号の2つの変調記号(たとえば、信号レベル)を登録することができる。
【0026】
いくつかの例では、メモリデバイス110内の電荷の漏れを、システム100の動作障害または信頼性の低減に関連付けることができる。たとえば、電荷の漏れは、メモリセル(たとえば、メモリアレイ170の)へのアクセスに関連付けられた信号に重なることがあり、これを、記憶された情報の損失または破損に関連付けることができる。本明細書に開示する例によれば、システム100は、メモリデバイス110内の電荷の漏れを、起こりうる信頼性の問題に対する前兆として評価する(たとえば、障害または過度の量の障害が発生する前にそのような問題に事前予防的に対処する)ように構成された様々なメモリ管理技法を用いることができ、これには、本明細書に記載するものを含めて、バイアス、電荷集積、および信号比較のための様々な技法を含むことができる。そのような識別された前兆に基づいて、メモリデバイス110もしくはホストデバイス105またはその両方は、障害の可能性を防止もしくは低減し、障害の影響を緩和し、または他の形でメモリデバイス110またはシステム100全体の信頼性を改善するために、様々な予防措置を取ることができる。
【0027】
電荷の漏れ条件の評価を実行することは、メモリデバイス110、ホストデバイス105、またはその両方による開始を含む様々な技法に従って開始またはトリガすることができる。いくつかの例では、記載の電荷の漏れ評価は、アクセス動作の一部として実行することができ、またはアクセス動作の修正された態様を組み込むことができる(たとえば、修正された読出し動作、修正された活性化(ACT)動作、修正されたプリチャージ(PRE)動作、修正されたACT-PRE動作を含むことができ、またはこれらの動作に含むことができる)。いくつかの例では、そのような技法は、他のアクセス動作で使用されるものと同じもしくは異なる(たとえば、より小さい、より大きい)バイアスレベルを利用することができ、または他のアクセス動作と比較して異なる遅延もしくは非同期タイミング(たとえば、1回のクロックサイクルまたは1組のクロックサイクルに対する)に依拠するアクセス動作に追加される動作を含むことができる。いくつかの例では、電荷の漏れ評価は、ウェアレベリング動作または他のメモリ管理技法への電荷の漏れ評価の一体化など、他の動作に一体化することができる。
【0028】
いくつかの例では、記載の電荷の漏れ評価を周期的に実行することができ、たとえばアクセス動作の周期的な継続時間または量に関連付けられた周期的な間隔に従って実行することができる。いくつかの例では、記載の電荷の漏れ評価は、イベント駆動にすることができ、たとえば、ホストデバイス105もしくはメモリデバイスの電源投入もしくは開始時に、ビルトインセルフテスト(BIST)(たとえば、メモリデバイス110またはその内部の)に従って、メモリデバイス110もしくはホストデバイス105の診断モードに従って、またはメモリデバイス110もしくはホストデバイス105が、活動が何らかの閾値を下回るアイドルモードもしくは他のモードにあることに基づいて、実行することができる。いくつかの例では、記載の電荷の漏れ評価は、ホストデバイス105によって開始することができ、ホストデバイス105は、要求された電荷の漏れ評価を実行するために、1つまたは複数のメモリデバイス110へコマンドを送信することができる。
【0029】
システム100は、メモリデバイス110(たとえば、メモリアレイ170)の識別された電荷の漏れに応答して、様々な予防措置のために構成することができる。いくつかの例では、メモリデバイス110またはホストデバイス105は、様々な自己修理動作(たとえば、メモリデバイス110で実行される内部修復、ホストデバイス105で実行される外部修復)を実行するように構成することができ、そのような自己修理動作は、1つのメモリデバイス110における動的な冗長性、または2つ以上のメモリデバイス110にまたがる動的な冗長性を利用することができる。いくつかの例では、閾値以上の電荷の漏れに関連付けられたメモリアドレスを識別したとき、メモリデバイス110は、異なるアドレスへ情報を移動もしくは再マッピングすることができ、または他の形でそのようなアドレスを回収することができ、これには、同じメモリアレイ170の異なる部分への再マッピングまたは同じメモリデバイス110の異なるメモリアレイ170への再マッピングを含むことができる。いくつかの例では、そのような技法は、設置前(たとえば、ホストデバイス105との結合前)に、製造認証または構成動作の一部として実行することができる。いくつかの例では、そのような技法は、メモリデバイスの最初の設置または電源投入時に、パッケージ後修理の一部として実行することができる。いくつかの例では、そのような動作は、メモリデバイス110の動作の様々な点で動的に実行することができる。
【0030】
いくつかの例では、ホストデバイス105は、異なるアドレスへ情報を再マッピングすることができ、または他の形でそのようなアドレスを回収することができ、これには、同じメモリアレイ170の異なる部分への再マッピング、同じメモリデバイス110の異なるメモリアレイ170への再マッピング、または異なるメモリデバイス110への再マッピングを含むことができる。いくつかの例では、メモリデバイス110またはホストデバイス105は、障害指示を記憶することができ、障害指示は、メモリアレイ170のアドレス、または閾値を満たすもしくは超過する電荷の漏れに関連付けられた一般的な条件を含むことができる。いくつかの例では、メモリデバイス110は、検出された電荷の漏れの指示をホストデバイス105へ伝送することができ、このことは、ホストデバイス105による再マッピング、ホストデバイス105による診断モード、情報伝達モード、もしくは安全モードの開始、または関連付けられたメモリアレイ170もしくはメモリデバイス110を交換するべきであるという指示をホストデバイス105がユーザに提供することを支援することができる。
【0031】
図2は、本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するメモリダイ200の一例を示す図である。メモリダイ200は、図1を参照して説明したメモリダイ160の一例とすることができる。いくつかの例では、メモリダイ200を、メモリチップ、メモリデバイス、または電子メモリ装置と呼ぶことがある。メモリダイ200は、1つまたは複数のメモリセル205を含むことができ、メモリセル205は各々、異なる論理状態(たとえば、1組の2つ以上の可能な状態のうちの1つにプログラムされる)を記憶するようにプログラム可能とすることができる。たとえば、メモリセル205は、1度に1ビットの情報(たとえば、論理0または論理1)を記憶するように動作可能とすることができる。いくつかの例では、メモリセル205(たとえば、マルチレベルメモリセル)は、1度に2ビット以上の情報(たとえば、論理00、論理01、論理10、論理11)を記憶するように動作可能とすることができる。いくつかの例では、メモリセル205は、図1を参照して説明したメモリアレイ170などのアレイで配列することができる。様々な例では、メモリセル205は、容量記憶要素、強誘電記憶要素、材料メモリ要素、抵抗メモリ要素、閾値メモリ要素、相変化メモリ要素、または他のタイプの記憶要素を含むことができる。
【0032】
いくつかの例では、メモリセル205は、キャパシタ(たとえば、キャパシタ240)におけるプログラム可能な状態を表す状態(たとえば、分極状態、誘電体電荷)を記憶することができる。FeRAMアーキテクチャでは、メモリセル205は、プログラム可能な状態を表す電荷および/または分極を記憶するために強誘電材料を含むキャパシタ240を含むことができる。いくつかの例では、メモリセル205は、論理記憶コンポーネント(たとえば、キャパシタ240)およびスイッチングコンポーネント245を含むことができる。キャパシタ240の第1のノードは、スイッチングコンポーネント245に結合することができ、キャパシタ240の第2のノードは、プレート線220に結合することができる。スイッチングコンポーネント245は、2つのコンポーネント間の電子通信を選択的に確立または確立解除するトランジスタまたは任意の他のタイプのスイッチデバイスの一例とすることができる。
【0033】
いくつかの例では、メモリセル205は、構成可能材料を含むことができ、または他の形で構成可能材料に関連付けることができ、構成可能材料は、材料メモリ要素、材料記憶要素、材料部分などと呼ぶことがある。構成可能材料は、異なる論理状態を表す(たとえば、それに対応する)1つまたは複数の可変の構成可能な特性またはプロパティ(たとえば、材料状態)を有することができる。たとえば、構成可能材料は、異なる形態、異なる原子構成、異なる結晶化度、異なる原子分布をとることができ、または他の形である論理状態もしくは別の論理状態を表すために利用することができる異なる特性を維持することができる。いくつかの例では、そのような特性は、構成可能材料によって書込みまたは記憶された論理状態を識別するように、読出し動作中に検出可能または区別可能な異なる電気抵抗、異なる閾値電圧、または他のプロパティに関連付けることができる。
【0034】
場合により、メモリセル205の構成可能材料は、閾値電圧に関連付けることができる。たとえば、閾値電圧より大きい電圧がメモリセル205に印加されたとき、電流は構成可能材料を通って流れることができ、閾値電圧より小さい電圧がメモリセル205に印加されたとき、電流は構成可能材料を通って流れず、または何らかのレベル(たとえば、漏れ量による)を下回る量で構成可能材料を通って流れることができる。したがって、メモリセル205の構成可能材料部分にある論理状態が書き込まれたか、それとも別の論理状態が書き込まれたかに応じて、メモリセル205に印加される電圧は、異なる電流の流れもしくは異なる知覚抵抗、または抵抗の変化(たとえば、閾値またはスイッチングイベント)をもたらすことができる。それに応じて、メモリセル205に読出し電圧を印加したことに起因する電流に関連付けられた電流の大きさまたは他の特性(たとえば、閾値挙動、抵抗破壊挙動、スナップバック挙動)を使用して、メモリセル205によって書込みまたは記憶される論理状態を判定することができる。
【0035】
メモリダイ200は、格子状のパターンなどのパターンで配列されたアクセス線(たとえば、ワード線210、デジット線215、プレート線220)を含むことができる。アクセス線は、メモリセル205に結合された導電線とすることができ、メモリセル205上でアクセス動作を実行するために使用することができる。いくつかの例では、ワード線210を行線と呼ぶことがある。いくつかの例では、デジット線215を列線またはビット線と呼ぶことがある。アクセス線、行線、列線、ワード線、デジット線、ビット線、もしくはプレート線、またはそれらの類似語への言及は、理解または動作の損失なく交換可能である。メモリセル205は、ワード線210、デジット線215、および/またはプレート線220の交点に位置決めすることができる。
【0036】
読出しおよび書込みなどの動作は、ワード線210、デジット線215、および/またはプレート線220などのアクセス線を活性化または選択することによって、メモリセル205上で実行することができる。ワード線210、デジット線215、およびプレート線220をバイアスすること(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加すること)によって、これらの交点で単一のメモリセル205にアクセスすることができる。ワード線210、デジット線215、またはプレート線220を活性化または選択することは、それぞれの線に電圧を印加することを含むことができる。
【0037】
メモリセル205にアクセスすることは、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235によって制御することができる。たとえば、行デコーダ225は、ローカルメモリコントローラ265から行アドレスを受信し、受信した行アドレスに基づいてワード線210を活性化することができる。列デコーダ230は、ローカルメモリコントローラ265から列アドレスを受信し、受信した列アドレスに基づいてデジット線215を活性化する。プレートドライバ235は、ローカルメモリコントローラ265からプレートアドレスを受信し、受信したプレートアドレスに基づいてプレート線220を活性化することができる。
【0038】
いくつかの例では、メモリセル205を選択または選択解除することは、スイッチングコンポーネント245を活性化または不活性化することによって実現することができる。キャパシタ240または他の記憶要素は、スイッチングコンポーネント245を使用して、デジット線215と電子的に通信することができる。たとえば、スイッチングコンポーネント245が不活性化されているとき、キャパシタ240をデジット線215から分離することができ、スイッチングコンポーネント245が活性化されているとき、キャパシタ240をデジット線215に結合することができる。
【0039】
ワード線210は、メモリセル205上でアクセス動作を実行するために使用されるメモリセル205と電子的に通信する導電線とすることができる。いくつかのアーキテクチャでは、ワード線210は、メモリセル205のスイッチングコンポーネント245のゲートと電子的に通信することができ、メモリセルのスイッチングコンポーネント245を制御するように動作可能とすることができる。いくつかのアーキテクチャでは、ワード線210は、メモリセル205のキャパシタまたは他の記憶要素のノードと電子的に通信することができ、メモリセル205は、スイッチングコンポーネントを含まないこともある。
【0040】
デジット線215は、メモリセル205を感知コンポーネント250に接続する導電線とすることができる。いくつかのアーキテクチャでは、メモリセル205は、アクセス動作のいくつかの部分中にデジット線215に選択的に結合することができる。たとえば、ワード線210およびメモリセル205のスイッチングコンポーネント245は、メモリセル205のキャパシタ240または他の記憶要素とデジット線215とを選択的に結合および/または分離するように動作可能とすることができる。いくつかのアーキテクチャでは、メモリセル205は、デジット線215と電子的に(たとえば、連続的に)通信することができる。
【0041】
プレート線220は、メモリセル205上でアクセス動作を実行するために使用されるメモリセル205と電子的に通信する導電線とすることができる。プレート線220は、キャパシタ240のノード(たとえば、セル底部)と電子的に通信することができる。プレート線220は、メモリセル205のアクセス動作中に、デジット線215と協働してキャパシタ240をバイアスすることができる。
【0042】
感知コンポーネント250は、メモリセル205に記憶された状態(たとえば、分極状態、荷電状態、材料状態)を検出し、検出した状態に基づいてメモリセル205の論理状態を判定するように構成することができる。感知コンポーネント250は、メモリセル205にアクセスしたことに基づいて、信号を増幅または比較するための1つまたは複数の感知増幅器を含むことができる。感知コンポーネント250は、デジット線215を介してメモリセル205から受信した信号を基準線255(たとえば、基準電圧)と比較することができる。メモリセル205の検出された論理状態は、感知コンポーネント250の出力として(たとえば、入出力コンポーネント260へ)提供することができ、この検出された論理状態を、メモリダイ200を含むメモリデバイス110の別のコンポーネントに示すことができる。
【0043】
ローカルメモリコントローラ265は、様々なコンポーネント(たとえば、行デコーダ225、列デコーダ230、プレートドライバ235、および感知コンポーネント250)によってメモリセル205の動作を制御することができる。ローカルメモリコントローラ265は、図1を参照して説明したローカルメモリコントローラ165の一例とすることができる。いくつかの例では、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235、ならびに感知コンポーネント250のうちの1つまたは複数は、ローカルメモリコントローラ265と同じ場所に配置することができる。ローカルメモリコントローラ265は、1つまたは複数の異なるメモリコントローラ(たとえば、ホストデバイス105に関連付けられた外部メモリコントローラ120、メモリダイ200に関連付けられた別のコントローラ)からコマンドまたはデータのうちの1つまたは複数を受信し、そのコマンドまたはデータ(またはその両方)を、メモリダイ200によって使用することができる情報に翻訳し、メモリダイ200上で1つまたは複数の動作を実行し、1つまたは複数の動作を実行したことに基づいて、メモリダイ200からのデータをホストデバイス105へ通信するように動作可能とすることができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を活性化するために、行信号および列アドレス信号を生成することができる。ローカルメモリコントローラ265はまた、メモリダイ200の動作中に使用される様々な電圧または電流を生成および制御することができる。概して、本明細書に論じる印加電圧または電流の振幅、形状、または継続時間は変更することができ、メモリダイ200を動作させることに関して論じる様々な動作に対して異なってよい。
【0044】
ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で1つまたは複数のアクセス動作を実行するように動作可能とすることができる。アクセス動作の例には、とりわけ、書込み動作、読出し動作、リフレッシュ動作、プリチャージ動作、または活性化動作を含むことができる。いくつかの例では、アクセス動作は、様々なアクセスコマンド(たとえば、ホストデバイス105からの)に応答して、ローカルメモリコントローラ265によって実行することができ、または他の形でローカルメモリコントローラ265によって調整することができる。ローカルメモリコントローラ265は、本明細書に列挙されていない他のアクセス動作、またはメモリセル205へのアクセスに直接関係しないメモリダイ200の動作に関係する他の動作を実行するように動作可能とすることもできる。
【0045】
ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で書込み動作(たとえば、プログラム動作)を実行するように動作可能とすることができる。書込み動作中、メモリダイ200のメモリセル205は、所望の論理状態を記憶するようにプログラムすることができる。ローカルメモリコントローラ265は、書込み動作を実行するべき標的メモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205に結合された標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205にアクセスするために、標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を活性化する(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加する)ことができる。いくつかの例では、ローカルメモリコントローラ265は、書込み動作中に、メモリセル205のキャパシタ240内に特有の状態(たとえば、電荷)を記憶するために、特有の信号(たとえば、書込みパルス)をデジット線215に印加することができる。書込み動作の一部として使用されるパルスは、ある継続時間にわたって1つまたは複数の電圧レベルを含むことができる。
【0046】
ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で読出し動作(たとえば、感知動作)を実行するように動作可能とすることができる。読出し動作中、メモリダイ200のメモリセル205内に記憶されている論理状態を判定することができる。ローカルメモリコントローラ265は、読出し動作を実行するべき標的メモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205に結合された標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、標的メモリセル205にアクセスするために、標的ワード線210、標的デジット線215、および標的プレート線220を活性化する(たとえば、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220に電圧を印加する)ことができる。標的メモリセル205は、アクセス線をバイアスしたことに応答して、感知コンポーネント250へ信号を伝達することができる。感知コンポーネント250は、信号を増幅することができる。ローカルメモリコントローラ265は、感知コンポーネント250を活性化(たとえば、感知コンポーネントをラッチ)し、それによってメモリセル205から受信した信号を基準線255と比較することができる。この比較に基づいて、感知コンポーネント250は、メモリセル205上に記憶されている論理状態を判定することができる。
【0047】
いくつかの例では、メモリダイ200内の電荷の漏れは、メモリダイ200または情報の記憶のためにメモリダイ200を使用するシステム100の動作障害または信頼性の低減に関連付けることができる。たとえば、電荷の漏れは、メモリセル205に記憶されている論理状態を判定するために感知コンポーネント250によって使用される信号に重なることがあり、それにより記憶された情報の損失または破損に関連付けられた読出し動作障害を引き起こすことがある。
【0048】
メモリダイ200内の電荷の漏れは、メモリダイ200のあるの部分から別の部分への電荷の流れの様々な例を含むことができる。電荷の漏れの考えられる原因には、製造欠陥、コンポーネント破壊(たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)の破壊または漏れ)、メモリセル摩耗機構(たとえば、応力によって誘起される漏れ電流(SILC)、破壊(BD)電流)、メモリダイ200の要素の材料組成の変化、または他の原因が含まれる。たとえば、電荷は、スイッチングコンポーネント245を介して漏れたり(たとえば、スイッチングコンポーネント245が閉鎖または不活性化されることが意図されるとき)、キャパシタ240の誘電体材料を介して漏れたり、メモリダイ200のあるアクセス線から別のアクセス線へ(たとえば、あるデジット線215から別のデジット線215へ、デジット線215からプレート線220またはワード線210へ)漏れたり、または電荷の漏れが意図されないもしくは他の形でメモリダイ20の0の動作を損なう他の経路に沿って漏れたりすることがある。様々な例では、電荷の漏れは、メモリセル205自体の情報状態、またはメモリセル205にアクセスしたことに起因する信号(たとえば、読出し信号)を生成もしくは検出する能力に影響することがあり、これらのいずれかまたは両方が、メモリダイ200の動作が損なわれることに関連することがある。
【0049】
本明細書に開示する例によれば、メモリダイ200は、電荷の漏れ(たとえば、電気的に分離されることが意図されたコンポーネント間の電荷の移動)の存在またはレベルを評価するように構成された漏れ検出コンポーネント270など、1つまたは複数の漏れ検出コンポーネントを含むことができる。漏れ検出コンポーネント270は、閾値を上回るまたは他の形で閾値を満たす(たとえば、メモリダイ200の通常動作を示すはずの閾値、メモリダイ200の1つまたは複数の要素の異常動作を示す電荷の漏れの量を上回る)電荷の漏れまたは他の移動など、メモリダイ200内の電荷の漏れを検出するように構成することができる。漏れ検出コンポーネント270は、感知コンポーネント250のコンポーネントとして示されているが、漏れ検出コンポーネント270は、ローカルメモリコントローラ265、行デコーダ225、列デコーダ230、プレートドライバ235、もしくはメモリダイ200の何らかの他のコンポーネント内に含むことができ、または他の形でこれらの例示的な境界内に位置することができる。
【0050】
いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270は、電圧(たとえば、アクセス線、メモリセル205)の変化を識別することによって、または基準電圧もしくは閾値と電圧を比較すること(たとえば、漏れ検出コンポーネント270の感知増幅器、マルチレベルセル(MLC)ラッチ、比較器、または他のコンポーネントを使用する)によって、電荷の漏れを検出するように構成することができる。たとえば、漏れ検出コンポーネント270は、メモリダイ200のデジット線215または他のアクセス線の電圧を監視するように構成することができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270は、電荷の流れを検出する(たとえば、そのような電荷の流れ、または閾値を上回る電荷の流れが、一般にアクセス動作に伴う電荷移動ではなく漏れを示すはずである仮想または条件下で)ように構成することができる。たとえば、漏れ検出コンポーネント270は、メモリダイ200のデジット線215または他のアクセス線に沿って電荷の流れを検出するように構成することができ、これは、感知コンポーネント250の一部分を横切る電荷の流れに対応することができる。いくつかの例では、電荷の流れを検出することは、電荷の流れを伝える(たとえば、漏れ検出コンポーネント270がアクセス線またはコンポーネントと直列に接続されているとき)ように構成されたシャント抵抗器における電圧を監視することによって支援することができる。様々な例では、漏れ検出コンポーネント270は、メモリセルの状態(たとえば、論理状態、荷電状態、材料状態)に依存しない漏れ評価のための基準条件を確立するように構成することができ、これにはメモリセル205の診断状態または診断条件を書込みまたは他の形で確立する様々な例を含むことができる。たとえばメモリセル205またはメモリダイ200の他の態様が基準条件に置かれた後、漏れを検出することができる。
【0051】
いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270は、アクセス動作(たとえば、メモリセル205)中に、または他の形でアクセス動作に少なくとも部分的に基づいて、漏れ検出動作を実行するように構成することができ、これは、メモリセル205が選択されている間(たとえば、スイッチングコンポーネント245が活性化されている間、関連付けられたワード線210が活性化されている間)に、漏れ検出動作を実行することを含むことができる。したがって、漏れ検出コンポーネント270は、ローカルメモリコントローラ265、ワード線210、デジット線215、またはプレート線220と通信することができ、それにより漏れ検出コンポーネント270がアクセス動作の特定の部分中に動作を実行することを支援することができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270は、メモリダイ200またはメモリダイ200を含むシステムの診断モード中に、または他の形でそのような診断モードに少なくとも部分的に基づいて、漏れ検出動作を実行するように構成することができ、漏れ検出動作は、アクセス動作または他のメモリ管理動作と一体化しても一体化されなくてもよい。
【0052】
漏れ検出コンポーネント270は、メモリセル205、アクセス線(たとえば、デジット線215)、またはメモリダイ200のアドレスの他の指示を、閾値を満たすまたは超過する電荷の漏れ(たとえば、異常な漏れまたは他の動作異常を示す)に関連付けられていると識別することを支援するための情報を提供することができ、そのような電荷の漏れは、潜在的な信頼性の問題または生産が終了した段階でのメモリ障害の前兆に関連付けることができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270またはメモリダイ200の他の部分(たとえば、ローカルメモリコントローラ265)は、漏れが検出されたかどうかの指示、または他の形でそのような検出に関連付けられたアドレスを記憶する記憶要素(たとえば、一時的記憶要素、ラッチ、キャパシタ、記憶要素)を含むことができる。いくつかの例では、記憶された指示は、最近のアクセス動作に対して維持することができ、または他の形で有効とすることができ、別のアクセスが実行されたことに応答してクリアまたはリセットされてもされなくてもよい。
【0053】
本明細書に開示する例によれば、メモリダイ200を含むメモリシステムは、メモリダイ200または関連するシステム100全体の信頼性を改善しようとして様々な予防措置を支援するために、漏れ検出コンポーネント270によって提供される情報を利用することができる。いくつかの例では、漏れが検出されたかどうかの指示を、デバイスメモリコントローラ155によって受信または要求することができ、デバイスメモリコントローラ155またはメモリデバイス110の何らかの他の部分は、そのような指示を使用して、様々な予防措置を支援することができる。いくつかの例では、漏れが検出されたかどうかの指示を、ホストデバイス105(たとえば、外部メモリコントローラ120)によって受信または要求することができ、ホストデバイス105は、そのような指示を使用して、様々な予防措置を支援することができる。
【0054】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、本明細書に開示する様々な例によるヒステリシスグラフ300-aおよび300-bによって強誘電メモリセルの非線形の電気プロパティの例を示す図である。ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、それぞれ、図2を参照して説明したように、強誘電キャパシタ240を用いるメモリセル205に対する書込みプロセスおよび読出しプロセスの例を示すことができる。ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、強誘電キャパシタ240上に蓄積されている電荷Qを、強誘電キャパシタ240の端子間の電圧差Vcapの関数として描く(たとえば、電圧差Vcapに従って、電荷が強誘電キャパシタ240内または強誘電キャパシタ240外へ流れることが許可されたとき)。たとえば、電圧差Vcapは、キャパシタ240のデジット線側とキャパシタ240のプレート線側との間の電圧差(たとえば、Vbottom-Vplate、VDL-VPL)を表すことができる。
【0055】
強誘電材料は、電気分極によって特徴付けられ、材料は、電界がなくてもゼロ以外の電荷を維持することができる。強誘電材料の例には、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、およびタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)が含まれる。本明細書に記載する強誘電キャパシタ240は、これらのまたは他の強誘電材料を含むことができる。強誘電キャパシタ240内の電気分極の結果、強誘電材料の表面に正味電荷が生じ、強誘電キャパシタ240の端子によって逆の電荷を引き付ける。したがって、強誘電材料とキャパシタ端子との境界部に、電荷を蓄積することができる。
【0056】
ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bは、強誘電キャパシタ240の単一の端子の観点から理解することができ、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bにおける電圧は、キャパシタにおける電圧差(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子間の電位)を表すことができる。たとえば、正の電圧は、そのような観点の端子(たとえば、セル底部)に正の電圧を印加し、基準端子(たとえば、セルプレート)を接地または仮想接地(または約0ボルト(0V))で維持することによって実現することができる。いくつかの例では、負の電圧は、そのような観点の端子を接地で維持し、基準端子(たとえば、セルプレート)に正の電圧を印加することによって印加することができる。言い換えれば、正の電圧は、強誘電キャパシタ240における負の電圧差Vcapに到達し、それによって当該端子を負に分極するように印加することができる。同様に、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bに示す電圧差Vcapを生成するために、2つの正の電圧、2つの負の電圧、または正および負の電圧の任意の組合せを適当なキャパシタ端子に印加することができる。
【0057】
ヒステリシスグラフ300-aに描くように、強誘電キャパシタ240内で使用される強誘電材料は、強誘電キャパシタ240の端子間に正味電圧差が存在しないとき、正または負の分極を維持することができる。たとえば、ヒステリシスグラフ300-aは、それぞれ負に飽和した分極状態および正に飽和した分極状態を表すことができる2つの可能な分極状態、荷電状態305-aおよび荷電状態310-aを示す。荷電状態305-aおよび310-aは、外部バイアス(たとえば、電圧)を除去したときに残っている分極(または電荷)を指すことができる残留分極(Pr)値を示す物理条件にあることができる。ヒステリシスグラフ300-aの例によれば、荷電状態305-aは、強誘電キャパシタ240に電圧差が印加されていないときの論理1を表すことができ、荷電状態310-aは、強誘電キャパシタ240に電圧差が印加されていないときの論理0を表すことができる。いくつかの例では、それぞれの荷電状態または分極状態の論理値は、メモリセル205を動作させるための他のスキームに対応するために、逆転することができ、または逆に解釈することができる。
【0058】
論理0または1は、強誘電キャパシタ240に正味電圧差を印加することによって、強誘電材料の電気分極、したがってキャパシタ端子上の電荷を制御することによって、メモリセルに書き込むことができる。たとえば、電圧315は、正の飽和電圧以上の電圧とすることができ、強誘電キャパシタ240に電圧315を印加する結果、荷電状態305-bに到達する(たとえば、論理1を書き込む)まで、電荷の蓄積をもたらすことができる。強誘電キャパシタ240から電圧315を除去する(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)とき、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態305-bとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態305-aとの間に示す経路320をたどることができる。言い換えれば、荷電状態305-aは、正に飽和した強誘電キャパシタ240における均等化された電圧で、論理1の状態を表すことができる。
【0059】
同様に、電圧325は、負の飽和電圧以下の電圧とすることができ、強誘電キャパシタ240に電圧325を印加する結果、荷電状態310-bに到達する(たとえば、論理0を書き込む)まで、電荷の蓄積をもたらすことができる。強誘電キャパシタ240から電圧325を除去する(たとえば、強誘電キャパシタ240の端子に0の正味電圧を印加する)とき、強誘電キャパシタ240の荷電状態は、荷電状態310-bとキャパシタにおける0の電圧の荷電状態310-aとの間に示す経路330をたどることができる。言い換えれば、荷電状態310-aは、負に飽和した強誘電キャパシタ240における均等化された電圧で、論理0の状態を表すことができる。いくつかの例では、飽和電圧を表す電圧315および電圧325は、同じ大きさを有することができるが、強誘電キャパシタ240において逆の極性を有することができる。
【0060】
強誘電キャパシタ240の記憶状態を読み出しまたは感知するために、強誘電キャパシタ240に電圧を印加することもできる。印加電圧に応答して、強誘電キャパシタによって蓄積される後の電荷Qが変化し、その変化の程度は、アクセス線における初期分極状態、印加電圧、固有または他の静電容量、および他の要因に依存することがある。言い換えれば、読出し動作に起因する荷電状態またはアクセス線電圧は、他の要因の中でも、荷電状態305-aもしくは荷電状態310-aまたは何らかの他の荷電状態が最初に記憶されたかどうかに依存することがある。
【0061】
ヒステリシスグラフ300-bは、記憶荷電状態305-aおよび310-aを読み出す一例を示す。読出し電圧335は、たとえば、図2を参照して説明したように、デジット線215およびプレート線220を介して電圧差として印加することができる。ヒステリシスグラフ300-bは、読出し電圧335が正の電圧差Vcapである(たとえば、Vbottom-Vplateが正である、VDLがVPLより大きい)読出し動作を示すことができる。強誘電キャパシタ240における正の読出し電圧を「プレートロー」読出し動作と呼ぶことがあり、デジット線215は最初に高い電圧にされ、プレート線220は最初に低い電圧(たとえば、接地電圧)である。読出し電圧335は、強誘電キャパシタ240における正の電圧として示されているが、代替のアクセス動作では、読出し電圧を強誘電キャパシタ240における負の電圧とすることができ、これを「プレートハイ」読出し動作と呼ぶことがある。
【0062】
読出し電圧335は、メモリセル205が選択されている間に強誘電キャパシタ240に印加することができる(たとえば、図2を参照して説明したように、ワード線210を介してスイッチングコンポーネント245を活性化することによる)。読出し電圧335を強誘電キャパシタ240に印加するとき、電荷は、関連付けられたデジット線215およびプレート線220を介して、強誘電キャパシタ240内または強誘電キャパシタ240外へ流れることができ、いくつかの例では、異なる荷電状態またはアクセス線電圧は、強誘電キャパシタ240が荷電状態305-aであったか(たとえば、論理1を記憶)、または荷電状態310-aであったか(たとえば、論理0を記憶)、または何らかの他の荷電状態であったかに応じて生じることができる。
【0063】
荷電状態305-a(たとえば、論理1)の強誘電キャパシタ240上で読出し動作を実行するとき、追加の正の電荷が強誘電キャパシタ240に蓄積することができ、荷電状態は、荷電状態305-cの電荷および電圧に到達するまで、経路340をたどることができる。キャパシタ240を通って流れる電荷の量は、デジット線215または他のアクセス線の固有または他の静電容量に関係することができる。「プレートロー」読出し構成では、荷電状態305-aおよび305-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理1の状態に関連付けられた読出し動作は、比較的少量の電荷移動に関連付けることができる(たとえば、荷電状態310-aおよび310-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理0の状態と比較する)。
【0064】
荷電状態305-aと荷電状態305-cとの間の遷移によって示すように、強誘電キャパシタ240における結果の電圧350は、電荷の所与の変化に対するキャパシタ240における電圧の比較的大きい変化により、比較的大きい正の値となり得る。したがって、「プレートロー」読出し動作で論理1を読み出すとき、荷電状態310-cにおいてVPLとVcapとの和(たとえば、Vbottom-Vplate)に等しいデジット線電圧は、比較的高い電圧となり得る。そのような読出し動作は、荷電状態305-aを記憶した強誘電キャパシタ240の残留分極を変化させないことがあり、したがって読出し動作を実行した後、強誘電キャパシタ240は、読出し電圧335が除去されたとき(たとえば、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加すること、強誘電キャパシタ240における電圧を均等化することによる)、経路340を介して荷電状態305-aへ戻ることができる。したがって、荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240上で正の読出し電圧によって読出し動作を実行することは、非破壊的読出しプロセスであると見なすことができる。
【0065】
荷電状態310-a(たとえば、論理0)の強誘電キャパシタ240上で読出し動作を実行するとき、蓄積された電荷は、正味の正の電荷が強誘電キャパシタ240に蓄積するときに極性を逆転することができ、荷電状態は、荷電状態310-cの電荷および電圧に到達するまで、経路360をたどることができる。この場合も、強誘電キャパシタ240を通って流れる電荷の量は、デジット線215または他のアクセス線の固有または他の静電容量に関係することができる。「プレートロー」読出し構成では、荷電状態310-aおよび310-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理0の状態に関連付けられた読出し動作は、比較的大量の電荷移動に関連付けることができる(たとえば、荷電状態305-aおよび305-cに関連付けられた読出し動作、またはより概略的に、論理1の状態と比較する)。
【0066】
荷電状態310-aと荷電状態310-cとの間の遷移によって示すように、結果の電圧355は、場合により、電荷の所与の変化に対するキャパシタ240における電圧の比較的小さい変化により、比較的小さい正の値となり得る。したがって、「プレートロー」読出し動作で論理0を読み出すとき、荷電状態310-cにおいてVPLとVcapとの和(たとえば、Vbottom-Vplate)に等しいデジット線電圧は、比較的低い電圧となり得る。
【0067】
荷電状態310-aから荷電状態310-dへの遷移は、メモリセル205の強誘電キャパシタ240の分極または電荷の部分的な低減または部分的な逆転(たとえば、荷電状態310-aから荷電状態310-dへの電荷Qの大きさの低減)に関連付けられた感知動作を示すことができる。言い換えれば、強誘電材料のプロパティに従って、読出し動作を実行した後、強誘電キャパシタ240は、読出し電圧335が除去されたとき(たとえば、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加すること、強誘電キャパシタ240における電圧を均等化することによる)、荷電状態310-aへ戻らないことがある。逆に、読出し電圧335による荷電状態310-aの読出し動作後、強誘電キャパシタ240に0の正味電圧を印加するとき、荷電状態は、荷電状態310-cから荷電状態310-dへ経路365をたどることができ、これは、分極の大きさの正味の低減(たとえば、荷電状態310-aと荷電状態310-dとの間の電荷の差によって示す初期荷電状態310-aほど正に分極されていない荷電状態)を示すことができる。したがって、荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240上で正の読出し電圧によって読出し動作を実行することは、破壊的読出しプロセスとして説明することができる。しかし、いくつかの感知スキームでは、低減された残留分極はそれでもなお、飽和した残留分極状態と同じ記憶された論理状態として読み出すことができ(たとえば、荷電状態310-aおよび荷電状態310-dの両方からの論理0の検出を支援する)、それによって読出し動作に対するメモリセル205の不揮発度を提供することができる。
【0068】
読出し動作を開始した後の荷電状態305-cおよび荷電状態310-cの位置は、特有の感知スキームおよび回路を含む複数の要因に依存することがある。場合により、最終的な電荷は、固有の静電容量、積分器キャパシタなどを含むことができるメモリセル205に結合されたデジット線215の正味静電容量に依存することがある。たとえば、強誘電キャパシタ240が0Vのプレート線220に電気的に結合され、読出し電圧335がデジット線215に印加された場合、メモリセル205が選択されたとき、電荷がデジット線215の正味静電容量から強誘電キャパシタ240へ流れることにより、デジット線215の電圧は下降することができる。したがって、いくつかの例では、感知コンポーネント250で測定される電圧は、読出し電圧335または結果の電圧350もしくは355に等しくないことがあり、代わりに、電荷共有期間後にデジット線215または他のアクセス線の電圧に依存することがある。
【0069】
読出し動作を開始するときのヒステリシスグラフ300-b上の荷電状態305-cおよび荷電状態310-cの位置は、デジット線215または他のアクセス線の正味静電容量に依存することがあり、ロード線分析によって判定することができる。言い換えれば、荷電状態305-cおよび310-cは、デジット線215または他のアクセス線(たとえば、信号線)の正味静電容量に対して定義することができる。その結果、読出し動作を開始した後の強誘電キャパシタ240の電圧(たとえば、荷電状態305-aを記憶した強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧350、荷電状態310-aを記憶した強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧355)は、異なることがあり、強誘電キャパシタ240の初期状態に依存することがある。いくつかの例では、感知動作の結果としてのメモリセル205の強誘電キャパシタ240の分極の変化量は、特定の感知スキームに従って選択することができる。
【0070】
強誘電キャパシタ240の初期状態(たとえば、荷電状態、論理状態)は、読出し動作に起因するデジット線215(または該当する場合、信号線)の電圧を基準電圧と(たとえば、図2を参照して説明した基準線255を介して)比較することによって判定することができる。いくつかの例では、デジット線電圧は、プレート線電圧と強誘電キャパシタ240における最終的な電圧(たとえば、記憶荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧350、または記憶荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの電圧355)との和とすることができる。いくつかの例では、デジット線電圧は、読出し電圧335とキャパシタ240における最終的な電圧との間の差(たとえば、記憶荷電状態305-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの(読出し電圧335-電圧350)、記憶荷電状態310-aを有する強誘電キャパシタ240を読み出すときの(読出し電圧335-電圧355))とすることができる。
【0071】
いくつかの例では、メモリセル205の読出し動作は、デジット線215の固定電圧に関連付けることができ、読出し動作を開始した後の強誘電キャパシタ240の荷電状態は、初期荷電状態にかかわらず同じとすることができる。たとえば、デジット線215が固定読出し電圧335で保持される読出し動作において、強誘電キャパシタ240は、強誘電キャパシタが荷電状態305-aを最初に記憶した場合、および強誘電キャパシタが荷電状態310-aを最初に記憶した場合のどちらでも、荷電状態370へ進むことができる。それに応じて、初期荷電状態または論理状態を検出するためにデジット線215の電圧の差を使用するのではなく、いくつかの例では、強誘電キャパシタ240の初期荷電状態または論理状態は、読出し動作に関連付けられた電荷の差に少なくとも部分的に基づいて判定することができる。たとえば、ヒステリシスグラフ300-bによって示すように、論理1は、荷電状態305-aと荷電状態370との間の電荷Qの差(たとえば、比較的小さい量の電荷移動)に基づいて検出することができ、論理0は、荷電状態310-aと荷電状態370との間の電荷Qの差(たとえば、比較的大きい量の電荷移動)に基づいて検出することができる。
【0072】
いくつかの例では、そのような検出は、電荷移動感知増幅器、カスコード(たとえば、カスコード配列で構成されたトランジスタ)、またはデジット線215と信号線との間の他の信号発生回路(たとえば、感知コンポーネント250)によって支援することができ、信号線の電圧は、読出し動作を開始した後のキャパシタ240の電荷移動の量に少なくとも部分的に基づくことができる(たとえば、記載の電荷移動は、電荷移動感知増幅器、カスコード、または他の信号発生回路を通過する電荷の量に対応することができる)。そのような例では、デジット線215が固定電圧レベルで保持されているにもかかわらず、強誘電キャパシタ240によって最初に記憶された論理状態を判定するために、信号線の電圧を基準電圧と(たとえば、感知増幅器で)比較することができる。
【0073】
デジット線215が固定読出し電圧335で保持されるいくつかの例では、キャパシタ240が最初に荷電状態305-a(たとえば、論理1)であったか、それとも最初に荷電状態310-a(たとえば、論理0)であったかにかかわらず、キャパシタ240は、読出し動作後に正に飽和させることができる。それに応じて、そのような読出し動作後、キャパシタ240は、その初期のまたは意図された論理状態にかかわらず、少なくとも一時的に、論理1の状態に従って帯電させることができる。したがって、少なくともキャパシタ240が論理0の状態を記憶することが意図されるとき、書換え動作(たとえば、PRE動作)が必要とされることがあり、そのような書換え動作は、ヒステリシスグラフ300-aを参照して説明したように、論理0の状態を記憶するために、書込み電圧325を印加することを含むことができる。そのような書換え動作は、キャパシタ240が論理1の状態を記憶することが意図されるとき、書換え電圧が印加される必要がないため、選択的な書換え動作として構成するか、または他の形で説明することができる。いくつかの例では、そのようなアクセススキームを「2Pr」スキームと呼ぶことがあり、論理0を論理1から区別するための電荷の差は、メモリセル205の残留分極(たとえば、荷電状態305-aである正に飽和した荷電状態と、荷電状態310-aである負に飽和した荷電状態との間の電荷の差)の2倍に等しいものとすることができる。
【0074】
いくつかのメモリデバイス110では、電荷の漏れ(たとえば、閾値以上の電荷の漏れ)は、メモリセル205によって記憶されている論理状態を判定するメモリデバイス110の能力に悪影響を与えることがある。たとえば、強誘電メモリセル205の例示的な文脈では、ヒステリシスグラフ300-bによるデジット線215上での固定読出し電圧335による読出し動作のために、論理0を記憶しているメモリセル205を読み出すとき、荷電状態310-aと荷電状態370との間の電荷の差に電荷の漏れが重なることがあり、論理1を記憶しているメモリセル205を読み出すとき、荷電状態305-aと荷電状態370との間の電荷の差に電荷の漏れが重なることがある。いくつかの例では、重なった電荷の漏れは、メモリセル205を読み出すときに論理0を論理1から区別するためのマージンを低減させることがある。たとえば、メモリセル205、デジット線215、または他のアクセス線(たとえば、信号線)の電荷の漏れは、論理1および論理0の両方を読み出すとき、アクセス線の電圧が基準電圧と同じ側になる可能性を増大させることがある。言い換えれば、そのような電荷の漏れは、論理1によって書き込まれたメモリセル205が、論理0を記憶するものとして不正確に読み出される可能性を増大させることがある。
【0075】
本開示によれば、メモリデバイス110は、1つまたは複数のメモリセル205またはアクセス線(たとえば、デジット線215、信号線)に関連付けられた電荷の漏れを評価することができ、そのような評価の結果を、起こりうるメモリ障害または他の動作信頼性の低減に対する前兆として解釈するべきかどうかを判定することができる。たとえば、メモリデバイス110は、電荷の漏れの大きさが、読出し信号(たとえば、荷電状態305-aと荷電状態370との間の電荷の差に関連付けられる、荷電状態310-aと荷電状態370との間の電荷の差に関連付けられる)に重なったとき、メモリセル205に記憶されている論理状態を区別することに関連付けられた読出しマージンを低減または除去し得るかどうかを評価する診断モードまたは動作を支援することができる。
【0076】
図4は、本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する回路400の一例を示す図である。回路400は、メモリセル205-aの論理状態を感知するための感知増幅器440を含む感知コンポーネント250-aに選択的に結合されるように構成されたメモリセル205-aの一例を示す。メモリセル205-aと感知増幅器440との間で、デジット線215-aおよび信号線450を介して、電荷または他の信号を通信することができ、デジット線215-aおよび信号線450を組み合わせて、メモリセル205-aと感知増幅器440との間の単一のアクセス線と呼ぶことがある。アクセス線の信号は、示されているように、デジット線215-a上の電圧VDL、および信号線450上のVsigによって示すことができる。
【0077】
例示的な回路400は、デジット線215-aと信号線450との間に結合された増幅器415を含むことができ、増幅器415は、電圧源410-lによって有効にすることができる。回路400はまた、メモリセル205-aを(たとえば、論理信号WLを介して)選択または選択解除するためのワード線210-aと、メモリセル205-aの論理状態を検出するときに信号線450の信号との比較のための基準信号(たとえば、示されているように、Vref)を提供するための基準線455とを含むことができる。回路400はまた、メモリセル205-aのキャパシタのセルプレートにアクセスするためのプレート線220を含むことができる。したがって、メモリセル205-aは、第1のアクセス線(たとえば、デジット線215-aおよび信号線450)と第2のアクセス線(たとえば、プレート線220-a)との間に結合されたメモリセルを表すことができる。
【0078】
回路400は、様々な電圧源410を含むことができ、そのような電圧源410は、例示的な回路400を含むメモリデバイスの様々な電圧供給源または共通の接地点もしくは仮想の接地点に結合することができる。
【0079】
電圧源410-aは、共通の接地点(たとえば、シャーシグラウンド、中性点)を表すことができ、これを、電圧Vを有する共通の基準電圧に関連付けることができ、そのような基準電圧から他の電圧が定義される。電圧源410-aは、固有の静電容量405(たとえば、デジット線215-aの静電容量、または他の形でデジット線215-aに関連付けられた静電容量)を介して、デジット線215-aに結合することができる。図4には別個の要素として示されているが、固有の静電容量405は、デジット線215-a全体にわたって分散されたプロパティに関連付けることができる。固有の静電容量405は、デジット線215-aの導体寸法(たとえば、長さ、幅、厚さ)を含むデジット線215-aの物理特性に依存することがある。固有の静電容量405はまた、隣接するアクセス線もしくは回路コンポーネントの特性、そのような隣接するアクセス線もしくは回路コンポーネントへの近接、またはデジット線215-aとそのようなアクセス線もしくは回路コンポーネントとの間の絶縁特性に依存することがある。言い換えれば、電荷がデジット線215-aに沿って流れるにつれて、デジット線215-aに沿って(たとえば、固有の静電容量405内に)、有限の電荷を蓄積することができる。
【0080】
電圧Vを有する電圧源410-bは、プレート線電圧源を表すことができ、メモリセル205-aのプレート線220-aを介してメモリセル205-aに結合することができる。いくつかの例では、電圧源410-bは、図3のヒステリシスグラフ300-aおよび300-bを参照して説明した動作を含む読出しまたは書込み動作など、アクセス動作のために制御することができる。言い換えれば、いくつかの例では、電圧源410-bは、可変の電圧源とすることができ、電圧Vは複数のレベルを有することができる。
【0081】
電圧Vを有する電圧源410-cは、デジット線電圧源を表すことができ、スイッチングコンポーネント420-aを介してデジット線215-aに結合することができ、スイッチングコンポーネント420-aは、論理信号SWによって活性化または不活性化することができる。
【0082】
電圧Vを有する電圧源410-dは、信号線プリチャージ電圧源を表すことができ、スイッチングコンポーネント420-cを介して信号線450に結合することができ、スイッチングコンポーネント420-cは、論理信号SWによって活性化または不活性化することができる。
【0083】
電圧Vを有する電圧源410-eは、基準信号電圧源を表すことができ、スイッチングコンポーネント420-fを介して基準線455に結合することができ、スイッチングコンポーネント420-fは、論理信号SWによって活性化または不活性化することができる。
【0084】
電圧V11を有する電圧源410-lは、増幅器またはカスコード電圧源を表すことができ、増幅器415に結合することができる。いくつかの例では、増幅器415をトランジスタとすることができ、電圧源410-lは、トランジスタのゲートに結合することができる。増幅器415は、第1の端子を信号線450に結合することができ、第2の端子をデジット線215-aに結合することができる。増幅器415は、デジット線215-aと信号線450との間に電荷、電圧、または他の信号の変換を提供することができる。
【0085】
増幅器415は、デジット線215-aの電圧が低減したとき(たとえば、メモリセル205-aを選択したとき)、電圧源410-lによって供給されまたは有効にされると、信号線450からデジット線215-aへの電荷の流れ(たとえば、電荷、電流)を可能にすることができる。いくつかの例では、増幅器415を通る記載の電荷の流れは、メモリセル205-aの論理状態に関連付けられた電荷移動、または他の形でメモリセル205-aにアクセスすることに関連付けられた電荷移動に対応することができる。たとえば、メモリセル205-aが、ヒステリシスグラフ300-aおよび300-bによって示す強誘電キャパシタ240を含み、増幅器415が、デジット線215-aの電圧を読出し電圧335に維持するように構成されているとき、増幅器415を通る電荷の流れ(たとえば、読出し動作中)は、メモリセル205-aが論理1を記憶したときの荷電状態370と荷電状態305-aとの間の電荷Qの差に対応することができ、または他の形でそのような電荷Qの差に少なくとも部分的に基づくことができ、増幅器415を通る電荷の流れは、メモリセル205-aが論理0を記憶したときの荷電状態370と荷電状態310-aとの間の電荷Qの差に対応することができ、または他の形でそのような電荷Qの差に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0086】
回路400はまた、第1の積分器キャパシタ430-aおよび第2の積分器キャパシタ430-bを含むことができ、これらの積分器キャパシタは各々、それぞれの可変電圧源460に結合することができる。たとえば、第1の積分器キャパシタ430-aは、第1の端子431-aを信号線450に結合することができ、第2の端子432-aを可変電圧源460-aに結合することができる。第2の積分器キャパシタ430-bは、第1の端子431-bを基準線455に結合することができ、第2の端子432-bを可変電圧源460-bに結合することができる。
【0087】
いくつかの例では、増幅器415を通る電荷の流れには、信号線450の電圧の変化が付随することができる。たとえば、信号線450が電圧源に他の形で結合されていないとき、デジット線215-aへの比較的小さい電荷の流れ(たとえば、図3Bを参照して説明した荷電状態305-aと荷電状態370との間の電荷の差)を、信号線450の電圧の比較的小さい変化に関連付けることができ、デジット線215-aへの比較的大きい電荷の流れ(たとえば、図3Bを参照して説明した荷電状態310-aと荷電状態370との間の電荷の差)を、信号線450の電圧の比較的大きい変化に関連付けることができる。アクセス動作に関連付けられた信号線450の電圧の変化は、信号線450(たとえば、積分器キャパシタ430-aを含む)の正味静電容量に基づくことができ、信号線450は、メモリセル205-aを選択した後に増幅器415を通る電荷の流れに応じて、電圧の比較的小さい変化または電圧の比較的大きい変化を受け得る。
【0088】
様々な例では、増幅器415を「電圧調整器」または「バイアスコンポーネント」と呼ぶことがあり、これは、増幅器415がデジット線215-aの電圧または電荷移動に応答して電荷の流れをどのように調整するかに関係する。いくつかの例では、増幅器415、または増幅器415と積分器キャパシタ430-aとの組合せを、電荷移動感知増幅器と呼ぶことがある。増幅器415は、スイッチングコンポーネント420-bによってデジット線215-aから分離することができ、スイッチングコンポーネント420-bは、論理信号SWによって活性化または不活性化することができる。いくつかの例では、スイッチングコンポーネント420-bは、デジット線215-aを増幅器415または信号線450に選択的に結合するように構成された列デコーダ230、マルチプレクサ、または何らかの他の回路の一部とすることができる。
【0089】
回路400の例では、可変電圧源460-aは、電圧Vを有する電圧源410-fおよび電圧Vを有する電圧源410-gを含むことができ、これらの電圧源は、スイッチングコンポーネント420-dによって論理信号SWを介して第1の積分器キャパシタ430-aに接続するように選択することができる。いくつかの例では、電圧源410-fは、共通の接地点(図示せず)に結合することができる。他の例では、電圧源410-fは、正または負の電圧を提供する電圧供給源に結合することができる。電圧源410-gは、電圧源410-fの電圧より高い電圧を有する電圧供給源に結合することができ、これにより、V-Vに等しい電圧源410-gと電圧源410-fとの間の電圧の差に従って、または電圧源410-fが接地されているときは単にVに従って、電圧ブースト機能を提供することができる。
【0090】
回路400の例では、可変電圧源460-bは、電圧Vを有する電圧源410-hおよび電圧Vを有する電圧源410-iを含むことができ、これらの電圧源は、スイッチングコンポーネント420-eによって論理信号SWを介して第2の積分器キャパシタ430-bに接続するように選択することができる。いくつかの例では、電圧源410-hは、共通の接地点(図示せず)に結合することができる。他の例では、電圧源410-hは、正または負の電圧を提供する電圧供給源に結合することができる。電圧源410-iは、電圧源410-hの電圧より高い電圧を有する電圧供給源に結合することができ、これにより、V-Vに等しい電圧源410-iと電圧源410-hとの間の電圧の差に従って、または電圧源410-hが接地されているときは単にVに従って、電圧ブースト機能を提供することができる。
【0091】
回路400は、2つの可変電圧源460を含むものとして示されているが、本開示によるいくつかの構成は、単一の共通の可変電圧源460を含むことができる。たとえば、共通の可変電圧源460のスイッチングコンポーネント420が不活性化されているときは、共通の可変電圧源460の第1の電圧源410を、第1の積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aおよび第2の積分器キャパシタ430-bの第2の端子432-bの両方に結合することができ、共通の可変電圧源460のスイッチングコンポーネント420が活性化されているときは、共通の可変電圧源460の第2の電圧源410を、第1の積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aおよび第2の積分器キャパシタ430-bの第2の端子432-bの両方に結合することができる。共通の可変電圧源460を使用するいくつかの例では、可変電圧源460と積分器キャパシタ430の各々との間の回路内の差(たとえば、導体の長さ、幅、抵抗、静電容量)により、第1の積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aへ提供されるソース電圧が、第2の積分器キャパシタ430-bの第2の端子432-bへ提供されるソース電圧とは異なってもよい。
【0092】
さらに、可変電圧源460は、2つの電圧源410およびスイッチングコンポーネント420を含むものとして示されているが、本明細書の動作を支援する可変電圧源460は、第1の積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aおよび第2の積分器キャパシタ430-bの第2の端子432-bの一方または両方に可変電圧を提供する電圧バッファなど、他の構成を含むこともできる。他の例では、可変電圧源460を固定電圧源または他のタイプの電圧源に置き換えることもできる。追加的にまたは代替的に、記載の電圧ブースト動作をアクセス動作から省くこともできる。
【0093】
いくつかの例では、感知増幅器440は、回路400のいくつかの部分に対して選択的に結合または分離することができる。たとえば、感知増幅器440は、スイッチングコンポーネント420-g(たとえば、分離コンポーネント)を介して信号線450に結合することができ、スイッチングコンポーネント420-gは、論理信号ISOによって活性化または不活性化することができる。追加的にまたは代替的に、感知増幅器440は、スイッチングコンポーネント420-h(たとえば、分離コンポーネント)を介して基準線455に結合することができ、スイッチングコンポーネント420-hは、論理信号ISOによって活性化または不活性化することができる。さらに、感知増幅器440は電圧Vを有する電圧源410-jおよび電圧V10を有する電圧源410-kに結合することができ、いくつかの例では、これらの電圧源は、チャネル115を介した(たとえば、入出力コンポーネント260を介した)情報信号伝達のために、それぞれ低い電圧レベルおよび高い電圧レベルに対応することができる。
【0094】
回路400に示す論理信号の各々は、図1を参照して説明したローカルメモリコントローラ165、または図2を参照して説明したローカルメモリコントローラ265など、メモリコントローラ(図示せず)によって提供することができる。いくつかの例では、特定の論理信号を他のコンポーネントによって提供することができる。たとえば、図2を参照して説明したように、論理信号WLを行デコーダ225によって提供することができる。
【0095】
様々な例では、電圧源410は、例示的な回路400を含むメモリデバイスの異なる構成の電圧供給源または共通の接地点もしくは仮想の接地点に結合することができる。いくつかの例では、電圧源410-a、410-f、410-h、もしくは410-j、またはこれらの任意の組合せは、同じ接地点または仮想の接地点に結合することができ、メモリセル205-aにアクセスする様々な動作に対して実質的に同じ基準電圧を提供することができる。いくつかの例では、いくつかの電圧源410をメモリデバイスの同じ電圧供給源に結合することができる。たとえば、電圧源410-c、410-d、410-g、410-i、もしくは410-k、またはこれらの任意の組合せは、特定の電圧(たとえば、「VARY」と呼ぶことがある1.5Vの電圧)を有する電圧供給源に結合することができる。そのような実施形態では、信号線450は、感知のためにワード線210-aを介してメモリセル205-aを選択する前に、2*VARYすなわち約3.0Vに実質的に等しい電圧まで上昇させることができる。他の例では、電圧源410-gおよび410-iは、他の電圧供給源とは異なる電圧供給源(たとえば、「PDS」と呼ぶことがある1.2Vの電圧)に結合することができ、したがってこれは、1.2Vの電圧ブーストに関連付けることができる。
【0096】
いくつかの例では、電圧源410-jおよび410-kは、特定の入出力パラメータに従って選択することができる。たとえば、電圧源410-jおよび410-kは、それぞれ、何らかのDRAM規定など、特定の入出力コンポーネント規定に従って、実質的に0Vおよび1Vとすることができる。電圧源410は、共通の電圧供給源または接地点に結合することができるが、共通の電圧供給源または共通の接地点に結合された電圧源410の各々の電圧は、それぞれの電圧源410と、関連付けられた共通の電圧供給源または共通の接地点との間の回路の様々な差(たとえば、導体の長さ、幅、抵抗、静電容量)により、異なってもよい。
【0097】
電圧源410-eは、メモリセル205-aの論理状態を感知するための基準電圧を提供することができる。たとえば、Vの電圧は、論理1および論理0を感知することに関連付けられた信号線電圧間の平均になるように構成することができる。いくつかの例では、Vの電圧は、メモリデバイスの電圧供給から降下した電圧として提供することができ、これは、他の電圧源410に結合された同じ電圧供給とすることができる。たとえば、Vは、電圧源410-eを電圧源410-dと同じ電圧供給源に接続するが、電圧供給源と電圧源410-eとの間に介在する電気負荷(たとえば、抵抗負荷または静電容量)を設けることによって提供することができる。
【0098】
回路400はまた、漏れ検出コンポーネント270-aを含むことができ、漏れ検出コンポーネント270-aは、図2を参照して説明した漏れ検出コンポーネント270の一例とすることができる。漏れ検出コンポーネント270-aは、メモリセル205-a、デジット線215-a、増幅器415、または信号線450のうちの1つまたは複数に関連付けられた電荷の漏れを検出するように構成することができる。たとえば、漏れ検出コンポーネント270-aは、信号線450の電圧(たとえば、Vsig)を監視し、信号線450の電圧の変化を監視することによって、または信号線450の電圧を基準電圧もしくは閾値と比較することによって(たとえば、感知増幅器、マルチレベルセル(MLC)ラッチ、比較器を使用する)、電荷の漏れに関して評価するように構成することができる。たとえば、漏れ検出コンポーネント270-aは、信号線450の電圧が安定するかもしくは閾値を上回るべきであるか、または他の形で安定するかもしくは閾値を上回ることが予期される条件中(たとえば、デジット線215-aまたは信号線450上の信号が発生した後、または他の形で安定することになるとき)、信号線450の電圧の降下(たとえば、閾値または基準電圧以下の電圧)を識別するように構成することができる。いくつかの例では、そのような電圧の降下を識別することは、電荷が増幅器415を通っているか、または積分器キャパシタ430-aから流れていること(たとえば、電圧源410-lによって有効にされる)を示すことができ、これは、電荷の漏れ(たとえば、漏れ経路「A」もしくは「B」または何らかの他の経路に沿った)によるデジット線215-aの電圧の立下りに応答して発生し得る。
【0099】
漏れ検出コンポーネント270-aは、回路400の別個のコンポーネントとして示されているが、いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270または関連付けられた機能を、回路400の異なる部分に組み込むか、または回路400の異なる部分に結合することができる。一例では、感知増幅器440は、電荷の漏れの証拠に関して信号線450を監視することを含めて、記載の電荷の漏れ評価の態様を実行するように構成することができる。いくつかの例では、感知増幅器440は、信号線450の電圧を基準電圧と比較することによって、電荷の漏れに関して評価するように構成することができ、この基準電圧は、メモリセル205-aから論理状態を検出するために使用される基準電圧と同じであっても同じでなくてもよい。たとえば、感知増幅器440は、第1の基準電圧に関して、メモリセル205-aの論理状態を(たとえば、基準線455を介して)検出するように構成することができ、第2の基準電圧に関して、信号線450、デジット線215-a、またはメモリセル205-aの電荷の漏れを(たとえば、基準線455または何らかの他の基準線もしくは基準電圧源(図示せず)を介して)評価するように構成することができる。別の例では、漏れ検出コンポーネント270は、電荷の漏れに関するデジット線215の監視を支援するために、デジット線215に結合することができる。
【0100】
いくつかのアクセススキームでは、積分器キャパシタ430-aは、メモリセル205-aの読出し動作(たとえば、2Pr読出し動作、増幅器415が読出し電圧335によるメモリセル205-aのバイアスを支援する読出し動作)を支援するための電圧に帯電させることができる。そのようなスキームでは、積分器キャパシタ430-aは、メモリセル205-aによる電荷移動を支援するために、信号線450内へ放電することができ、放電の大きさは、メモリセル205-aによって記憶される論理状態または荷電状態に依存する。そのような放電は、メモリセル205-aによる電荷移動の変位成分に関連付けることができ、変位成分はメモリセル205-aの荷電状態に依存することがあるため、いくつかの読出し動作に関連付けられた積分器キャパシタ430-aのそのような帯電および放電は、いくつかのタイプの電荷の漏れ評価にとって好適でないことがある。
【0101】
本明細書に開示する例による電荷の漏れ評価は、メモリセル205にアクセスする変位成分(たとえば、メモリセル205によって記憶されている論理状態を正常読出し動作の一部として検出することに関連付けられた電荷成分、またはそのような検出を行うときに評価された電荷成分)、または電荷の漏れ評価の分散もしくは不確定性を与え得るメモリセル205の他の挙動を除去または低減することを対象とする様々な動作を含むことができる。言い換えれば、電荷の漏れ評価は、それに基づいて漏れ評価を行うことができる基準もしくは診断条件(たとえば、メモリセル205-a、積分器キャパシタ430-a、信号線450、デジット線215-aの)を確立するために使用される様々な動作を含むことができ、またはそのような動作に従うことができる。そのような技法の様々な例は、基準もしくは診断論理状態、基準もしくは診断荷電状態、基準もしくは診断材料状態(たとえば、材料メモリ要素を含むメモリセル205の)、基準もしくは診断電圧状態、または電荷の漏れ評価の精度もしくは有効性を制限し得る分散の原因を低減、最小化、もしくは除去することを支援する他の条件を含むことができ、あるいはそれらを指すことができる。
【0102】
いくつかの例では、電荷の漏れ評価の一部として、メモリセル205-aは、その以前の条件(たとえば、前に書き込まれた論理状態、記憶された論理状態、記憶された荷電状態)にかかわらず、メモリセル205-aと共通の(たとえば、同じ)診断状態に帯電または分極させることができる。たとえば、電荷の漏れ評価は、メモリセル205-aを特定の論理状態または荷電状態に書き込むこと、たとえば書込み電圧(たとえば、電圧315、電圧325)に従ってメモリセル205-aをバイアスすること、または特定の論理状態(たとえば、一定電圧の読出し動作における電圧350、荷電状態370)でメモリセル205-aを帯電もしくは分極させる読出し電圧に従ってメモリセル205-aをバイアスすることを含むことができる。いくつかの例では、そのようなバイアスは、積分器キャパシタ430-aの少なくともある程度の放電レベルを引き起こすことができ、したがって積分器キャパシタ430-aは、別の電圧レベルに従って再帯電または帯電させることができ、その結果、電圧(たとえば、信号線450の)の後の低減、または積分器キャパシタ430-aの電荷の関連付けられた低減は、電荷の漏れの現象に起因すると考えることができ、または電荷の漏れの現象に割り当てることができる(たとえば、メモリセル205-aの変位変動性には依存しない)。いくつかの例では、そのような技法は、電荷の漏れ(たとえば、共通の基準電圧)を評価するための共通の基準条件の使用を支援することができ、共通の基準条件は、電荷の漏れ評価動作前のメモリセル205-aの状態にかかわらず有効または適用可能である。
【0103】
いくつかの例では、電荷の漏れ評価技法について、回路400によって支援することができる他のアクセス動作への修正の文脈で説明することができる。たとえば、漏れ評価は、ACTコマンドに応答して行うことができる動作、または回路400の他の動作シーケンスに類似のものとすることができるが、感知増幅器440は、電源遮断、不活性化、切り離され(たとえば、信号線、基準線455から)、または他の形でアイドル状態であるか、もしくはメモリセル205-aの論理状態の判定を支援するために使用されない。しかし、場合により、そのような動作はまた、メモリセル205-aの論理状態の検出を含むことができる(たとえば、読出し動作に関連付けられた電荷交換に続く漏れ検出評価によって)。いくつかの例では、そのような修正されたACT動作は、変位電荷の積分または取消しに関連付けることができ、メモリセル205-aは、メモリセル205-aの前の状態に依存しない基準または診断レベルで帯電または分極させられる。これらの動作に続いて、積分器キャパシタ430-aの再帯電を行うことができ、または他の形で、これらの動作は、積分器キャパシタ430-aの電荷を維持することに関連付けることができる(たとえば、メモリセル205-aによって前に記憶されている論理状態に関連付けられた電荷を、積分器キャパシタ430-aによって積分することができ、積分器キャパシタ430-aは、その第1の積分を否定して、漏れ検出に関係する後の積分を支援するために、放電または再帯電させることができ、場合により、ワード線210-aは、第1の積分および第2の積分の両方の全体にわたって活性化されたままであり、追加的にまたは代替的に感知増幅器440は不活性化されたままである)。
【0104】
したがって、修正されたACT動作に続いて、評価は、漏れの電荷または漏れの電流の積分を含むことができ、これは、積分器キャパシタ430-aからの電荷移動、信号線450の電圧変化(たとえば、降下)、増幅器415を通る電荷移動(たとえば、電圧源410-lによって調整)、もしくはデジット線215-aの電圧変化(たとえば、降下)のうちの1つまたは複数によって支援することができ、またはこれらのうちの1つまたは複数から判定することができる。いくつかの例では、評価は、漏れ検出コンポーネント270-a、感知増幅器440、または何らかの他の形で位置決めされた漏れ検出コンポーネント270-aにおける比較(たとえば、電圧比較、電荷比較、閾値との比較、基準条件との比較)に関連付けることができ、これには、ラッチまたは感知増幅器の始動を含むことができる。比較に関係する情報は、障害もしくは通常動作の指示として書き込むことができ、または直接(たとえば、ローカルメモリコントローラ165、ローカルメモリコントローラ265、デバイスメモリコントローラ155、ホストデバイス105へ)転送することができる。これらの動作に続いて、情報は、メモリセル205-aに記憶されてもされなくてもよく、これには、PREコマンドまたは動作シーケンス(たとえば、メモリセル205-aの他のアクセスに共通のPREシーケンス、漏れ評価動作に特有の修正されたPREシーケンス)に関連付けられた1つまたは複数の動作を含むことができる。
【0105】
図5は、本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する例示的なアクセス手順の動作を示すタイミング図500である。例示的なアクセス手順について、図4を参照して説明した例示的な回路400のコンポーネントを参照して説明する。いくつかの例では、タイミング図500の1つまたは複数の動作は、回路400の他のACTまたはPREシーケンスで使用されるものと共通のものとすることができる。いくつかの例では、タイミング図500の1つまたは複数の動作は、回路400の他のACTまたはPREシーケンスと比較して修正することができる(たとえば、他のACTまたはPREシーケンスのものより大きいまたは小さい電圧レベルまたはソースを使用する、他のACTまたはPREシーケンスより長いまたは短いタイミングを使用する、他のACTまたはPREシーケンスに対して動作を追加または省略する)。
【0106】
タイミング図500の例では、電圧源410-a、410-f、410-h、および410-jは接地されていると見なされ、したがって0の電圧である(たとえば、V=0V、V=0V、V=0V、およびV=0V)。しかし、他の例では、電圧源410-a、410-f、および410-hは、ゼロ以外の電圧とすることができ、したがってそれに応じてタイミング図500の電圧を調整することができる。いくつかの例では、タイミング図500の動作を開始する前に、デジット線215-aおよびプレート線220-aを同じ電圧に制御することができ、それによりメモリセル205-aにおける電荷の漏れを最小にすることができる。たとえば、タイミング図500によれば、デジット線215-aは0Vの初期電圧を有し、これはプレート線220-aの初期電圧と同じとすることができる。他の例では、デジット線215-aおよびプレート線220-aは、接地電圧とは異なる何らかの他の初期電圧を有することができる。
【0107】
501で、アクセス手順は、スイッチングコンポーネント420-bを活性化すること(たとえば、論理信号SWを活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-bを活性化することで、デジット線215-aを感知コンポーネント250-aに接続することができる。いくつかの例では、501の動作を列選択動作(たとえば、スイッチングコンポーネント420-bを含む列マルチプレクサを介して1列のメモリセル205を選択する)と呼ぶことがある。
【0108】
502で、アクセス手順は、スイッチングコンポーネント420-cを活性化すること(たとえば、論理信号SWを活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-cを活性化することで、電圧源410-dを信号線450に接続することができ、それに応じて信号線450の電圧は、電荷が積分器キャパシタ430-a内へ流れるにつれて、電圧レベルVまで上昇することができる。したがって、スイッチングコンポーネント420-cを活性化することで、積分器キャパシタ430-aに対する帯電またはプリチャージ動作を開始することができる。たとえば、502で、スイッチングコンポーネント420-dを不活性化することができ、したがって電圧源410-f(たとえば、0Vの接地または仮想接地電圧)が、積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aに結合され、電圧源410-dは、積分器キャパシタ430-aの第1の端子431-aに結合される。したがって、電圧源410-dと電圧源410-fとの間の電圧差に従って、積分器キャパシタ430-aを帯電させることができる。電荷の漏れ評価のいくつかの例では、積分器キャパシタ430-aを帯電させることは、電荷の漏れ評価に関連付けられたアクセス線に結合されたキャパシタを帯電させる一例とすることができる。
【0109】
502の動作はまた、デジット線215-aに対する帯電またはプリチャージ動作を開始することができる。たとえば、電圧源410-dによって供給されると、電荷は増幅器415を流れてデジット線215-aに蓄積し、デジット線215-aの電圧を上昇させることができる。デジット線215-aの電圧は、増幅器415の閾値電圧(たとえば、閾値電圧Vth,amp)を超過しなくなるまで上昇することができる。したがって、スイッチングコンポーネント420-cを活性化した後、デジット線215-aの電圧は、電荷が信号線から流れるにつれて(たとえば、電圧源410-dによって供給されるにつれて)、V11-Vth,ampの電圧レベルまで上昇することができ、電圧レベルV11-Vth,ampと電圧源410-a(たとえば、0V)との間の電圧差に従って、固有の静電容量405を含むデジット線215-aを帯電させることができる。電荷の漏れ評価のいくつかの例では、固有の静電容量405を帯電させることは、電荷の漏れ評価に関連付けられたアクセス線に結合されたキャパシタを帯電させる一例とすることができる。
【0110】
いくつかの例では、電圧レベルV11は、デジット線215-aが信号線450と実質的に同じレベルに帯電するように選択することができる。たとえば、電圧レベルV11は、V+Vth,ampのレベルに設定することができ、これは、電圧源410-dより大きい電圧レベルを有する電圧供給によって提供することができる。したがって、いくつかの例では、502でスイッチングコンポーネント420-cを活性化したことに応答して、デジット線215-aは、電圧レベルVに等しいまたはほぼ等しい電圧レベルまで上昇することができる。いくつかの例では、502の動作後のデジット線215-aとプレート線220-aとの間の電圧は、図3Bを参照して説明した読出し電圧335に対応することができる。
【0111】
追加的にまたは代替的に、いくつかの例では、デジット線215-aは、電圧源410-cによって帯電またはプリチャージすることができる。たとえば、スイッチングコンポーネント420-bを活性化する前、またはスイッチングコンポーネント420-cを活性化する前に、記載の技法による漏れ評価は、スイッチングコンポーネント420-aを活性化すること(たとえば、論理信号SWを活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-aを活性化することで、タイミング図500には示されていないデジット線215-aに対する代替の帯電またはプリチャージ動作を開始することができる。電圧源410-cによって供給されると、電荷はデジット線215-aに蓄積し、デジット線215-aの電圧を電圧レベルVに一致させることができる。いくつかの例では、電圧レベルVは、電圧レベルVに実質的に等しくすることができ、したがってスイッチングコンポーネント420-bを活性化する前に、デジット線215-aおよび信号線450は同じ電圧に帯電する。いくつかの例では、電圧源410-cによってデジット線215-aをプリチャージすることで、メモリセル205-aにアクセスすることまたはタイミング図500の他の動作に関連付けられた電力消費またはプリチャージ時間を低減させることができる。いくつかの例では、スイッチングコンポーネント420-aを活性化した後のVとVとの間の電圧差は、図3Bを参照して説明した読出し電圧335に対応することができる。いくつかの例では、電圧源410-cによるデジット線215-aのプリチャージに続いて、アクセス手順は、デジット線215-aを感知コンポーネント250-aに接続するために、スイッチングコンポーネント420-bを活性化すること(たとえば、論理信号SWを活性化することによる)を含むことができる。
【0112】
503で、アクセス手順は、メモリセル205-aを選択すること(たとえば、論理信号WLを介してワード線を活性化することによる)を含むことができる。メモリセル205-aを選択することで、メモリセル205-aのキャパシタをデジット線215-aに結合することができる。いくつかの例では、503の動作をメモリアレイ170のメモリセル205(たとえば、メモリセル205-aを含む)のページまたは行を開くことと呼ぶことがある、したがって503の動作は、メモリセル205の1つまたは複数の列(たとえば、1つまたは複数のデジット線215)に適用可能とすることができる。たとえば、メモリセル205のページまたは行を開くことは、行のメモリセル205のすべてをそれぞれのデジット線215に結合すること、または行のメモリセル205の一部をそれぞれのデジット線215に結合することを含むことができる(たとえば、501のスイッチングコンポーネント420-bの活性化など、1つまたは複数の列選択コンポーネントを活性化することに関連付けられた列多重化スキームによる)。
【0113】
いくつかの例では、503でメモリセル205-aを選択するときのメモリセル205-aにおける電圧(たとえば、VDL-VPL)は、図3Bを参照して説明した読出し電圧335に等しいものとすることができる。メモリセル205-aと、デジット線215-aと、信号線450との間で、電荷を共有することができ、これはメモリセル205-a内に記憶されている論理状態(たとえば、荷電状態、分極状態)に依存することがある。
【0114】
たとえば、メモリセル205-aが論理1を記憶するとき、メモリセル205-aのキャパシタは、正の電荷を蓄積することができる(たとえば、図3を参照して説明した荷電状態305-a)。したがって、論理1を記憶しているメモリセル205-aが選択されたとき、比較的小さい量の電荷がデジット線215-aからメモリセル205-aへ流れることができる。電荷がデジット線215-aからメモリセル205-aへ流れると、デジット線215-aの電圧は降下することができ(たとえば、比較的小さい降下)、それにより増幅器415の閾値電圧を超過することを可能にすることができる。増幅器415の閾値電圧を超過したとき、電荷が増幅器415を通って信号線450(たとえば、積分器キャパシタ430-a、電圧源410-d)からデジット線215-aへ流れることができ、ならびに増幅器415の特性に応じて、ある程度の量の電荷が電圧源410-lから流れる。デジット線215-aの電圧がV11-Vth,ampに等しい電圧レベルに戻るまで、電荷はデジット線215-aへ流れることができる。
【0115】
代替的に、メモリセル205-aが論理0を記憶するとき、メモリセル205-aのキャパシタは、負の電荷を蓄積することができる(たとえば、図3を参照して説明した荷電状態310-a)。したがって、論理0を記憶しているメモリセル205-aが選択されたとき、比較的大きい量の電荷がデジット線215-aからメモリセル205-aへ流れることができ、これはデジット線電圧の比較的大きい降下を伴うことができる。それに応じて、電荷が増幅器415を流れてデジット線215-aを電圧レベルV11-Vth,ampに戻すと、信号線450は比較的大きい電圧降下を受けることができ、したがって増幅器415の閾値電圧Vth,ampを超過しなくなる。2Pr感知動作が用いられる例では、論理0を記憶しているメモリセル205-aを選択する結果、メモリセル205-aのキャパシタの飽和分極を逆転させることができ、したがって飽和分極の少なくとも2倍に関連付けられた電荷の量がメモリセル205-a内へ流れる。
【0116】
503の動作は、メモリセル205-aに診断状態もしくは荷電状態を書き込み、または他の形でメモリセル205-aもしくはデジット線215-aに基準もしくは診断条件を確立する一例とすることができる。たとえば、メモリセル205-aにバイアス(たとえば、読出し電圧335)が印加される結果、503の動作前のメモリセル205-aの状態にかかわらず、メモリセル205-aを荷電状態370に帯電または分極させることができる。いくつかの例では、そのような条件は、メモリセル205-aに論理1を書き込むことに対応することができる(たとえば、メモリセル205-aにおけるバイアスを均等化するかどうかにかかわらない)。したがって、503の動作または501~503の動作は、デジット線215-aに関連付けられた状態または信号をゼロ化する一例とすることができる。しかし、様々な例では、503の動作後、信号線450の状態または信号をゼロ化または均等化してもしなくてもよい。たとえば、メモリセル205-aを帯電または分極させることに関連付けられた異なる電荷移動を支援するために、積分器キャパシタ430-aは、信号線450の異なる電圧レベルに関連付けることができる異なる量によって放電されていることがある。
【0117】
504で、アクセス手順は、キャパシタ積分器を再帯電し、または他の形で信号線450に関連付けられた信号をゼロ化もしくは均等化する(たとえば、信号線450または積分器キャパシタ430-aの基準または診断条件を確立する)様々な例を含むことができる。いくつかの例(たとえば、図示の例)では、503の動作中にスイッチングコンポーネント420-cを活性化されたままにすることができ、したがって504の動作の一部として、積分器キャパシタ430-aを電圧源410-dによって(たとえば、V-Vの電圧差に従って)帯電または再帯電させることができる。他の例では、503の動作前にスイッチングコンポーネント420-cを不活性化することができ(たとえば、信号線450をフローティングさせる)、これにはスイッチングコンポーネント420-dを活性化すること(たとえば、電圧ブースト機能を提供するため)が付随してもしなくてもよい。したがって、いくつかの例では、504で、積分器キャパシタ430-aの再帯電、またはそれ以外は共通のレベルに従って(たとえば、V-Vの電圧差に従って)積分器キャパシタ430-aの帯電を支援するために、スイッチングコンポーネント420-cを504で再活性化することができる(たとえば、論理信号SWを活性化すること、活性化されていた場合は論理信号SWを不活性化することによる)。
【0118】
505で、アクセス手順は、スイッチングコンポーネント420-cを不活性化すること(たとえば、論理信号SWを不活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-cを不活性化することで、電圧源410-dを信号線450から分離することができ、いくつかの例では、信号線450の電圧は、電圧レベルVで保持することができる。スイッチングコンポーネント420-cを不活性化することは、電荷の漏れ評価に関連付けられたアクセス線(たとえば、信号線450)からバイアスを除去する一例とすることができる。スイッチングコンポーネント420-cを不活性化するとき、信号線450、したがって積分器キャパシタ430-aの第1の端子431-aはフローティングすることができ、いくつかの例では、信号線450は、積分器キャパシタ430-aの静電容量を含む信号線450の静電容量に従って、電荷レベルを維持することができる。505の動作はまた、電荷の漏れ評価に関連付けられたアクセス線(たとえば、信号線450)を電気的にフローティングさせる一例とすることができる。
【0119】
506で、アクセス手順は、スイッチングコンポーネント420-dを活性化すること(たとえば、論理信号SWを活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-dを活性化することで、積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aに結合された電圧源410-fから、積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aに結合された電圧源410-gへの遷移を引き起こすことができる。積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aをより高い電圧の電圧源に接続することによって、積分器キャパシタ430-aによって蓄積される電荷をより高い電圧へブーストさせることができ、それに応じて積分器キャパシタ430-aの第1の端子431-aに結合された信号線450の電圧が、電圧レベルV+Vまで上昇することができる。したがって、スイッチングコンポーネント420-dを活性化することで、積分器キャパシタ430-aに対するブースト動作を開始することができ、これによりV+Vの電圧レベルに関連付けられた電荷の漏れの比較を支援することができる。
【0120】
いくつかの例では、V+Vの電圧レベルは、読出し動作のためのメモリセル205-aにアクセスする(たとえば、メモリセル205-aによって記憶されている論理状態を評価するため)ときに使用される電圧に等しいものとすることができる。他の例では、V+Vの電圧レベルは、読出し動作のためにメモリセル205-aにアクセスするときに使用される電圧とは異なる(たとえば、より小さい)こともある。いくつかの例では、506の動作を省略することができ、したがって電荷の漏れの比較は、V+Vの示されている電圧、および積分器キャパシタ430-bの対応する荷電状態ではなく、Vの信号線電圧、および積分器キャパシタ430-bの対応する荷電状態に基づいて行われる。
【0121】
いくつかの例では、電荷は、タイミング図500の動作中に回路400のある部分から別の部分へ漏れることがある。一例では、電荷の漏れは、デジット線215-aからプレート線220-aへの経路「A」たどることがあり、これは、メモリセル205-a(たとえば、メモリセル205-aのキャパシタ240の誘電体部分、キャパシタの誘電体部分の周囲)を通る電荷の漏れを示すことができる。別の例では、漏れは、デジット線215-aから電圧源410-aへの経路「B」をことがあり、これは、デジット線215-aから接地電圧源または基準電圧もしくはコンポーネントへの電荷の漏れ(たとえば、シャーシの漏れ)を示すことができる。示されていない他の例には、デジット線215-aと回路400の別のコンポーネントとの間、または信号線450と回路400の別のコンポーネントとの間の他の電荷移動を可能にする他の漏れ経路を含むことができる。
【0122】
いくつかの例では、回路400における電荷の漏れは、デジット線215-aとプレート線220-aとの間の電圧の差によって生じることがあり、スイッチングコンポーネント230-aが活性化されているとき(たとえば、メモリセル205-aに関連付けられたセル特有の電荷の漏れのため)、比較的大きくなることがある。したがって、電荷の漏れは、506の後に、ワード線210-aが活性化されており、VDLとVPLとの間の差が比較的大きいとき(たとえば、論理信号SWの活性化に従って信号線450がブーストしたとき、これは、電荷の漏れ評価の忠実度を改善するための有利な電圧ブーストの一例とすることができる)、比較的大きくなることがある。しかし、506の動作に関連付けられた電圧ブーストがないときでも(たとえば、506の動作が省略されたとき)、電荷の漏れは電荷の漏れ評価に十分となり得る。
【0123】
507で、アクセス動作は、電荷の漏れが信号線450またはデジット線215-aの一方または両方の電圧に影響し得る漏れの電荷積分期間を始めることができる。一例では、経路AまたはBを介した電荷の漏れは、デジット線215-aに沿って蓄積されている電荷を降下させることができ、電圧源410-lによって制御されるように、増幅器415を介して信号線450からデジット線215-aへ電荷を移動させることができる。したがって、電荷の漏れを信号線450の電圧の降下に関連付けることができ、これは、漏れの電荷積分のためのこれらおよび他の技法によって有効にすることができる。回路400のいくつかの例では、漏れの電荷積分期間にわたって、ある程度の量の電荷の漏れは正常とすることができ、または他の形で相殺することができ、電圧Vsig,normalの比較的小さい降下によって、対応する予期される電圧を示すことができる。しかし、異常な電荷の漏れは、漏れの電荷積分間隔における比較的大きい電圧降下に関連付けることができ、これは、電圧Vsig,leakyによって示すことができる。
【0124】
タイミング図500の特定の動作として示されているが、電荷の漏れは、タイミング図の追加の部分で生じることもあり、それに応じて漏れの電荷積分期間は、タイミング図500の別の部分(たとえば、アクセス線バイアスの除去時、アクセス線のフローティング時、505の動作後)に始まることができる。さらに、漏れの電荷積分期間は、論理信号WLが活性化されていること(たとえば、スイッチングコンポーネント245が開いていること)に関連付けられているが、いくつかの例では、論理信号WLを不活性化することができ、これにより、スイッチングコンポーネント245が閉じていることが意図されるとき、スイッチングコンポーネント245による漏れ評価を支援することができる。
【0125】
508で、アクセス動作は、回路400の漏れ条件を判定するために電気特性を評価することを含むことができる。たとえば、漏れ検出コンポーネント270-aまたは感知増幅器440は、信号線450の電圧を監視するように構成することができ、これは、Vsigの降下(たとえば、Vsigにおける、Vsigの時間導関数または電圧の変化)を検出すること、またはVsigを閾値(たとえば、VT,leak、これは電荷検出基準電圧で、メモリセル205-aによって記憶されている論理状態を評価するために感知増幅器440によって使用されるVrefの値とは異なる構成可能電圧とすることができる)と比較することを含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270-aは、信号線450が感知増幅器440から分離されているとき(たとえば、論理信号ISOが不活性化されているとき)、Vsigの変化を検出するように構成することができる。いくつかの例では、信号線450は、感知増幅器440による電荷の漏れ評価を支援するために、感知増幅器440に結合することができる(たとえば、論理信号ISOを介してスイッチングコンポーネント420-gを活性化することによる)。508の評価は、アクセス線にバイアスを印加すること(たとえば、502、504、または506の動作のうちのいずれか1つまたは複数のバイアス、電圧源410-c、410-d、410-f、410-gのうちのいずれか1つまたは複数を介したバイアス)に少なくとも部分的に基づいて、アクセス線(たとえば、信号線450)の電気特性を評価する一例とすることができる。いくつかの例では、508の評価は、アクセス線からバイアスを除去すること(たとえば、505における電圧源410-dの切り離し、デジット線215-aからの電圧源410-cの切り離し)に少なくとも部分的に基づいて、アクセス線(たとえば、信号線450)の電気特性を評価する一例とすることができる。
【0126】
いくつかの例では、漏れ検出または評価は、積分器キャパシタ430-aで実行することができ、これは、積分器キャパシタ430-aにおける電圧もしくは電圧の変化を検出すること、または積分器キャパシタ430-aの荷電状態もしくは荷電状態の変化を検出することに関連付けることができる。他の例では、漏れ検出または評価は、デジット線215-aで実行することができ、これは、固有の静電容量405における電圧もしくは電圧の変化を検出すること、または固有の静電容量405の荷電状態もしくは荷電状態の変化を検出することに関連付けることができる。いくつかの例では、漏れ検出または評価は、増幅器415または回路400の他の部分を通る電荷の流れを監視することによって実行することができ、これは、電圧源410-dが信号線450から切り離されているとき(たとえば、示されているように、積分器キャパシタ430-aの放電を介して電荷の流れを支援することができる)か、または電圧源410-dが信号線450に結合されているとき(たとえば、少なくとも505の動作を省略することにより、電圧源410-dを介して電荷の流れを支援することができる)に、支援することができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネント270-aまたは何らかの他のコンポーネントが、508で漏れが検出されたかどうかの指示(たとえば、タイミング図500のアクセス動作に関連付けられた一時的な指示、セル特有の指示、アクセス線特有の指示)を記憶することができる。
【0127】
いくつかの例では、電荷の漏れ評価は、信号線電圧Vsigと基準電圧(たとえば、VT,leak)との間の差を検出することを含むことができ、これを漏れの電荷積分の結果の「ラッチ」と呼ぶことがある。たとえば、信号線450の電圧がVT,leak以上である場合、感知増幅器440は、電荷の漏れが閾値を下回るか、または他の形で正常動作もしくは許容できる動作を示す基準を満たすという電圧または他の指示を出力することができる。信号線450の電圧がVT,leak以下である場合、感知増幅器440は、電荷の漏れが閾値を上回る、または他の形で異常動作もしくは許容できない動作(たとえば、障害または他の信頼性の劣化が差し迫っている前兆)を示す基準を満たす電圧または他の指示を出力することができる。検出された漏れ状態の指示は、後の動作(たとえば、回復動作、予防策)のために、入出力コンポーネント260へ(たとえば、ホストデバイス105へ転送するため)、ローカルメモリコントローラ165もしくは265へ、デバイスメモリコントローラ155へ、または回路400を含むメモリデバイス110の他のコンポーネントへ出力することができる。
【0128】
509で、アクセス手順は、スイッチングコンポーネント420-dを不活性化すること(たとえば、論理信号SWを不活性化することによる)を含むことができる。スイッチングコンポーネント420-dを不活性化することで、積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aに結合された電圧源410-gから、積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aに結合された電圧源410-fへの遷移を引き起こすことができる。積分器キャパシタ430-aの第2の端子432-aをより低い電圧の電圧源に接続することによって、積分器キャパシタ430-bによって蓄積される電荷をより低い電圧へシフトさせることができ、それに応じて積分器キャパシタ430-aの第1の端子431-aに結合された信号線450の電圧が、(V-V)の電圧レベル、または電圧源410-fが共通の接地点に結合されている場合はちょうどVの電圧レベルまで降下ことができる。したがって、スイッチングコンポーネント420-dを不活性化することで、積分器キャパシタ430-aに対するシフト動作を開始することができ、これにより信号線450の電圧を低減させることができる。
【0129】
510で、アクセス動作は、書込み動作(たとえば、アクセス動作の書込み部分、アクセス動作の書換え部分)を実行することを含むことができる。たとえば、ヒステリシスグラフ300-aの例に戻ると、510で、アクセス動作は、メモリセル205-aが論理1を記憶するべきであるときは、電圧315(たとえば、プレートロー書込み電圧、VDL,w1>VPL,w1)を印加することを含むことができる、またはアクセス動作は、メモリセル205-aが論理0を記憶するべきであるときは、電圧325(たとえば、プレートハイ書込み電圧、VPL,w0>VDL,w0)を印加することを含むことができる。しかし、501~503の動作が、論理1を(たとえば、電荷の漏れ検出評価のために診断状態を書き込む一部として)書き込むことに関連付けられているとき、論理1を書き込むことに関連付けられた動作を510の動作から省略することができる。
【0130】
さらに、いくつかの例では、メモリセル205-aは、タイミング図500の動作がウェアレベリングまたは他のメモリ管理動作に関連付けられているときなど、ユーザデータまたは特定のパターンのデータを記憶することが意図されないことがある。したがって、いくつかの例では、510の動作は、書込み動作を含まないことがあり、代わりに修正されたPREシーケンスに関連付けることができ、関連付けられた行が閉じており(たとえば、論理信号WLを不活性化する)、対応する書込み動作は行われない。したがって、いくつかの例では、ユーザ情報を記憶することが意図されないセルにアクセスすることによって電荷の漏れを評価するために、タイミング図500の動作をウェアレベリング技法など、メモリ管理技法に埋め込むことができることが有利であり、これにより(たとえば、対応するライトバック動作なしにページが閉じている修正されたPREシーケンスにおいて)510の書込み動作の省略を支援することができる。そのような例では、タイミング図500を参照して説明したものなど、電荷の漏れ評価技法を実行することは、メモリセル205を特定の状態(たとえば、漏れ評価動作の診断状態、「すべて論理1」のメモリ管理動作)に書き込むことに関連付けることができる。
【0131】
タイミング図500に示されている動作の順序は例示を目的とし、記載の技法を支援するために、様々な他の順序および組合せのステップを実行することができる。さらに、タイミング図500の動作のタイミングもまた例示を目的とし、ある動作と別の動作との間の特定の相対的な継続時間を示すことを意味しない。本開示による自己ブーストの様々な実施形態で示されているものより比較的短いまたは比較的長い継続時間にわたって、様々な動作を行うこともできる。
【0132】
タイミング図500の論理信号の遷移は、ある状態から別の状態への遷移を示しており、符号が付けられた特定の動作に関連付けられた、有効にされたまたは活性化された状態(たとえば、状態「0」)と、無効にされたまたは不活性化された状態(たとえば、状態「1」)との間の遷移を概略的に反映する。様々な例では、状態は、論理信号の特定の電圧(たとえば、スイッチとして動作するトランジスタのゲートに印加される論理入力電圧)に関連付けることができ、あるの状態から別の状態への電圧の変化は、瞬間的に生じるものではない。逆に、いくつかの例では、論理信号に関連付けられた電圧は、ある論理状態から別の論理状態への曲線を経時的にたどることができる。したがって、タイミング図500に示されている遷移は、必ずしも瞬間的な遷移を示していない。さらに、記載の遷移および関連付けられた動作をなお支援しながら、符号が付けられた動作に先行する様々な時間中に、符号が付けられた動作の遷移に関連付けられた論理信号の初期状態に到達していることがある。
【0133】
タイミング図500の技法について、単一のメモリセル205(たとえば、単一のデジット線215、単一の信号線450)を参照して説明したが、漏れ評価技法は、任意の数のメモリセル205もしくはアクセス線またはメモリアレイ170で実行することができる。たとえば、タイミング図500の動作、または本明細書に開示する例による他の技法は、開いているページ(たとえば、活性化されたワード線210)の各メモリセル205または各デジット線215上で、またはその何らかのサブセット(たとえば、列多重化スキームに従って)で実行することができる。いくつかの例では、タイミング図500の動作、または本明細書に開示する例による他の技法は、感知コンポーネント250内に含まれる1組の感知増幅器440の各感知増幅器440を使用して実行することができる。様々な例では、それぞれのメモリセル205、メモリアレイのアクセス線、または感知増幅器440上の対応する動作は、同時に実行することができ、または互い違いのタイミングに従って実行することができる。
【0134】
タイミング図500について、単一の診断状態(たとえば、論理1に関連付けられる)を参照して説明したが、タイミング図500の動作は、異なる診断状態もしくは診断状態パターン、または変位もしくは他の変動をゼロ化しもしくは取り消す他の技法を使用することができ、これは、特定の論理状態に関連付けられていても関連付けられていなくてもよい。様々な例では、漏れ評価のための診断状態またはバイアスは、読出し動作(たとえば、2Pr読出し動作)のための状態またはバイアスと同じものとすることができ、または読出し動作(たとえば、読出し動作のために電圧335を印加すること、漏れ評価のために電圧335と同じ大きさであるが逆の極性を有する電圧を印加すること)に関連付けられたものとは異なるものとすることができる。いくつかの例では、診断状態またはバイアスは、ページの各デジット線215もしくは信号線450に対して同じものとすることができ、またはページのデジット線215もしくは信号線450のそれぞれに対して異なるものとすることができる。さらに、いくつかの例では、診断状態またはバイアスは、経時的に変化することができ、たとえば連続する漏れ評価間で交互にすることができる。
【0135】
タイミング図500の技法について、容量メモリのアーキテクチャを参照して説明したが、漏れ評価技法は、信頼性の問題の前兆を識別するために、他のメモリアーキテクチャでも用いることができる。たとえば、本明細書に開示する例による漏れ評価は、異なる状態(たとえば、論理状態、材料状態)を記憶しているメモリセル205に関連付けることができる分散をゼロ化しまたは取り消し、関連付けられたアクセス線にバイアスし(たとえば、固有またはコンポーネントベースの静電容量を帯電させる)、そのようなバイアスを除去した後に電気特性を評価する様々な技法を含むことができる。他の例では、バイアスを維持することができ、維持されたバイアスの存在下で漏れ電荷を積分することができる。そのような技法は、様々なアクセス線またはメモリセル205に対する基準または診断条件を確立する様々な動作を含むことができ、これにより、通常動作とセル漏れによって引き起こされる信頼性の問題に対する可能な前兆とを区別するための単一の電荷評価基準条件(たとえば、基準電圧)の使用を支援することができる。
【0136】
図6は、本明細書に開示する例によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援するメモリデバイス605のブロック図600である。メモリデバイス605は、図1図5を参照して説明したメモリデバイスの態様の一例とすることができる。メモリデバイス605は、メモリアレイ610、漏れ評価コンポーネント615、回復動作コンポーネント620、キャパシタコンポーネント625、バイアスコンポーネント630、感知増幅器635、メモリ状態コンポーネント640、メモリアドレス指定コンポーネント645、障害指示コンポーネント650、コマンドレシーバコンポーネント655、および漏れ評価開始コンポーネント660を含むことができる。これらのモジュールの各々は、互いに(たとえば、1つまたは複数のバスを介して)直接または間接的に通信することができる。
【0137】
メモリアレイ610は、図1を参照して説明したメモリアレイ170の一例とすることができる。メモリアレイ610は、図2を参照して説明したメモリセル205など、メモリセルのアレイを含むことができる。メモリアレイは、1組のワード線210、1組のデジット線215、および1組のプレート線220など、数組のアクセス線、またはメモリアレイ610の他のプレートノードもしくは共通のプレートを含むことができる。
【0138】
漏れ評価コンポーネント615は、メモリアレイ610の漏れ条件を判定するために、メモリアレイ610に対する漏れ検出評価を実行することができる。いくつかの例では、漏れ検出評価は、メモリアレイ610のアクセス線、メモリセルに結合されたアクセス線にバイアスを印加し(たとえば、バイアスコンポーネント630を使用して)、メモリアレイ610の漏れ条件を判定するためにアクセス線にバイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいて、アクセス線の電気特性を評価することを含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出評価は、アクセス線からバイアスを除去することと、メモリアレイ610の漏れ条件を判定するために、アクセス線からバイアスを除去した後に、アクセス線の電気特性を評価することとを含むことができる。
【0139】
場合により(たとえば、漏れ評価コンポーネント615によって実行される漏れ検出評価の一部として)、アクセス線にバイアスを印加したことに基づいて、診断荷電状態をメモリセルに書き込むことができる。
【0140】
場合により(たとえば、漏れ評価コンポーネント615によって実行される漏れ検出評価の一部として)、アクセス線にバイアスを印加することは、アクセス線に結合されたキャパシタ(たとえば、キャパシタコンポーネント625)を帯電させることを含むことができる。
【0141】
いくつかの例では(たとえば、アクセス線をバイアスすることの一部として)、漏れ評価コンポーネント615は、キャパシタを帯電させた後に、アクセス線から電圧源(たとえば、バイアスコンポーネント630)を切り離すことができ、アクセス線から電圧源を切り離した後に、アクセス線に結合されたキャパシタを再帯電させることができる(たとえば、バイアスコンポーネント630を使用して)。
【0142】
いくつかの例では、アクセス線からバイアスを除去することは、アクセス線を電気的にフローティングさせることを含むことができる。
【0143】
いくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価するために、漏れ評価コンポーネント615は、アクセス線に関連付けられた電荷の漏れを積分することができる。
【0144】
いくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価するために、漏れ評価コンポーネント615は、アクセス線の電圧を電圧閾値と比較することができる。
【0145】
いくつかの例では、漏れ評価コンポーネント615は、ウェアレベリング動作に従ってユーザデータを記憶していない1組の1つまたは複数のメモリセルに基づいて、漏れ検出評価を実行することができる。
【0146】
回復動作コンポーネント620は、メモリアレイの判定された漏れ条件に基づいて回復動作を開始することができる。
【0147】
いくつかの例では、アクセス線の電圧を電圧閾値と(たとえば、漏れ条件を判定するためのアクセス線の評価の一部として)比較するために、感知増幅器635は、アクセス線の電圧を基準電圧と比較することができる。いくつかの例では、感知増幅器635は、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するように動作可能とすることができる(たとえば、読出し動作中)。
【0148】
いくつかの例では、感知増幅器635は、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するための第2の基準電圧(たとえば、読出し動作基準電圧、論理状態区分電圧)とは異なる第1の基準電圧(たとえば、漏れ検出基準電圧、漏れ状態区分電圧)と、アクセス線の電圧を比較することができる。
【0149】
いくつかの例では(たとえば、回復動作コンポーネント620が回復動作を開始したことに基づいて)、メモリ状態コンポーネント640は、アクセス線を含むメモリアレイ610のアドレスに対する障害指示を記憶することができる。
【0150】
いくつかの例では(たとえば、回復動作コンポーネント620が回復動作を開始したことに基づいて)、メモリアドレス指定コンポーネント645は、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスをメモリアレイの異なるアドレスに再マッピングすることができる。
【0151】
いくつかの例では(たとえば、回復動作コンポーネント620が回復動作を開始したことに基づいて)、障害指示コンポーネント650は、メモリアレイ610と通信する(たとえば、メモリデバイス605と通信する)ホストデバイスに、アクセス線を含むメモリアレイ610のアドレスに対する障害条件を示すことができる。
【0152】
いくつかの例では(たとえば、ホストが開始した漏れ評価を支援するために)、コマンドレシーバコンポーネント655は、メモリデバイス605に結合されたホストデバイスから、メモリアレイ610に対する漏れ検出評価を実行するためのコマンドを受信することができる。
【0153】
いくつかの例では(たとえば、メモリデバイスが開始した漏れ評価を支援するために)、漏れ評価開始コンポーネント660は、メモリデバイス605の動作条件(たとえば、診断条件、診断モード、トリガ条件、周期的な漏れ評価動作)に基づいて、メモリアレイ610に対する漏れ検出評価を実行することを判定することができる。
【0154】
いくつかの例では(たとえば、メモリデバイスが開始した漏れ評価を支援するために)、漏れ評価開始コンポーネント660は、メモリアレイ上でウェアレベリング動作を実行したこと(たとえば、ウェアレベリング動作内に漏れ評価動作を挿入したこと)に基づいて、メモリアレイ610に対する漏れ検出評価を実行することを判定することができる。
【0155】
図7は、本開示の態様によるメモリシステムの信頼性のための電荷の漏れ検出を支援する1つまたは複数の方法700を示す流れ図である。方法700の動作は、本明細書に記載するメモリデバイスまたはそのコンポーネントによって実施することができる。たとえば、方法700の動作は、図6を参照して説明したメモリデバイスによって実行することができる。いくつかの例では、メモリデバイスは、記載の機能を実行するようにメモリデバイスの機能要素を制御するための1組の命令を実行することができる。追加的にまたは代替的に、メモリデバイスは、専用ハードウェアを使用して記載の機能の態様を実行することができる。
【0156】
705で、メモリデバイスは、メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することができる(たとえば、メモリアレイの漏れ条件を判定するため)。漏れ検出評価は、本明細書に開示する例による様々な動作を含むことができる。たとえば、705-aで、漏れ検出評価は、メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加することを含むことができ、アクセス線はメモリセルに結合されている。705-bで、漏れ検出評価は、アクセス線にバイアスを印加したこと(たとえば、メモリアレイの漏れ条件を判定するため)に少なくとも部分的に基づいて、アクセス線の電気特性を評価することを含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出評価は、メモリセルからバイアスを除去することと、アクセス線からバイアスを除去した後、アクセス線の電気特性を評価すること(たとえば、メモリアレイの漏れ条件を判定するため)とを含むことができる。705の動作は、本明細書に記載する方法に従って実行することができる。いくつかの例では、705の動作の態様は、図6を参照して説明した漏れ評価コンポーネントによって実行することができる。
【0157】
710で、メモリデバイスは、メモリアレイの判定された漏れ条件に基づいて回復動作を開始することができる。710の動作は、本明細書に記載する方法に従って実行することができる。いくつかの例では、710の動作の態様は、図6を参照して説明した回復動作コンポーネントによって実行することができる。
【0158】
いくつかの例では、本明細書に記載する装置が、方法700など、1つまたは複数の方法を実行することができる。装置は、メモリアレイの漏れ条件を判定するためにメモリアレイに対する漏れ検出評価を実行し、メモリアレイの判定された漏れ条件に基づいて回復動作を開始するための特徴、回路、手段、または命令(たとえば、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体)を含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出評価は、(たとえば、メモリセルに結合された、)メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加し、アクセス線にバイアスを印加したこと(たとえば、メモリアレイの漏れ条件を判定するため)に少なくとも部分的に基づいて、アクセス線の電気特性を評価することを含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出評価は、メモリセルからバイアスを除去することと、アクセス線からバイアスを除去した後、アクセス線の電気特性を評価すること(たとえば、メモリアレイの漏れ条件を判定するため)とを含むことができる。
【0159】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線にバイアスを印加したことに基づいて、診断荷電状態をメモリセルに書き込むことができる。
【0160】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線にバイアスを印加することは、アクセス線に結合されたキャパシタを帯電させるための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0161】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線にバイアスを印加することは、アクセス線に結合されたキャパシタを帯電させた後に、アクセス線から電圧源を切り離し、アクセス線から電圧源を切り離した後に、アクセス線に結合されたキャパシタを再帯電させるための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0162】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線からバイアスを除去することは、アクセス線を電気的にフローティングさせるための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0163】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価することは、アクセス線に関連付けられた電荷の漏れを積分するための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0164】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価することは、アクセス線の電圧を電圧閾値と比較するための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0165】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、アクセス線の電圧を電圧閾値と比較することは、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するように動作可能な感知増幅器を使用して、アクセス線の電圧を基準電圧と比較するための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0166】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、感知増幅器を使用して比較することは、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するための第2の基準電圧とは異なる第1の基準電圧と、アクセス線の電圧を比較するための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0167】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、回復動作を開始することは、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスに対する障害指示を記憶するための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0168】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、回復動作を開始することは、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスをメモリアレイの異なるアドレスに再マッピングするための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0169】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例では、回復動作を開始することは、メモリアレイと通信するホストデバイスに、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスに対する障害条件を示すための動作、特徴、回路、手段、または命令を含むことができる。
【0170】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリアレイを含むメモリデバイスに結合されたホストデバイスから、メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行するためのコマンドを受信するための動作、特徴、回路、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0171】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリアレイを含むメモリデバイスにおいて、メモリデバイスの動作条件に基づいてメモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することを判定するための動作、特徴、回路、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0172】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、メモリアレイを含むメモリデバイスにおいて、メモリアレイ上でウェアレベリング動作を実行したことに基づいてメモリアレイに対する漏れ検出評価を実行することを判定するための動作、特徴、回路、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0173】
方法700および本明細書に記載する装置のいくつかの例は、ウェアレベリング動作に従ってユーザデータを記憶していない1組の1つまたは複数のメモリセルに基づいて、漏れ検出評価を実行するための動作、特徴、回路、手段、または命令をさらに含むことができる。
【0174】
本明細書に記載する方法は可能な実施例であり、動作およびステップは、並べ替えまたは他の形で修正することができ、他の実施例も可能であることに留意されたい。さらに、これらの方法のうちの2つ以上からの部分を組み合わせることもできる。
【0175】
装置について説明する。装置は、メモリアレイと、メモリアレイに結合された漏れ検出コンポーネントと、漏れ検出コンポーネントに結合されたメモリ管理コンポーネントとを含むことができる。いくつかの例では、漏れ検出コンポーネントは、メモリセルに結合された、メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加し、アクセス線にバイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいてアクセス線の電気特性を評価し、電気特性を評価したことに少なくとも部分的に基づいてメモリアレイの電荷の漏れの条件を判定するように構成することができる。いくつかの例では、漏れの検出コンポーネントは、アクセス線からバイアスを除去し、アクセス線からバイアスを除去した後にアクセス線の電気特性を評価するように構成することができる。いくつかの例では、メモリ管理コンポーネントは、判定された電荷の漏れ条件に基づいて装置の回復動作を開始するように構成することができる。
【0176】
いくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価するために、漏れ検出コンポーネントは、アクセス線に関連付けられた電荷の漏れを積分するように構成することができる。
【0177】
いくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価するために、漏れ検出コンポーネントは、アクセス線の電圧を電圧閾値と比較するように構成することができる。
【0178】
いくつかの例では、漏れ検出コンポーネントは、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するように構成された感知増幅器を含み、感知増幅器は、アクセス線の電圧を電圧閾値と比較するようにさらに構成することができる。
【0179】
いくつかの例では、アクセス線の電気特性を評価するために、感知増幅器は、メモリセルによって記憶されている論理状態を検出するための第2の基準電圧とは異なる第1の基準電圧と、アクセス線の電圧を比較するように構成することができる。
【0180】
いくつかの例では、メモリ管理コンポーネントは、判定された電荷の漏れ条件に基づいて、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスに対する障害指示を記憶するように構成することができる。
【0181】
いくつかの例では、メモリ管理コンポーネントは、判定された電荷の漏れ条件に基づいて、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスをメモリアレイの異なるアドレスに再マッピングするように構成することができる。
【0182】
いくつかの例では、メモリ管理コンポーネントは、判定された電荷の漏れ条件に基づいて、メモリアレイと通信するホストデバイスに、アクセス線を含むメモリアレイのアドレスに対する障害条件を示すように構成することができる。
【0183】
装置について説明する。装置は、メモリアレイと、メモリアレイに結合されたメモリコントローラとを含むことができる。メモリコントローラは、メモリアレイに対する漏れ検出評価を実行し、メモリアレイの判定された漏れ条件に少なくとも部分的に基づいて回復動作を開始するように構成することができる。いくつかの例では、漏れ検出評価を実行するために、メモリコントローラは、メモリセルに結合された、メモリアレイのアクセス線にバイアスを印加し、アクセス線にバイアスを印加したことに少なくとも部分的に基づいてアクセス線の電気特性を評価することを、装置に実行させるように動作可能とすることができる。いくつかの例では、電気特性は、メモリアレイの漏れ条件を示すことができる。いくつかの例では、漏れ検出評価を実行するために、メモリコントローラは、アクセス線からバイアスを除去し、バイアスがアクセス線から除去された後にアクセス線の電気特性を評価するように動作可能とすることができる。
【0184】
本明細書に記載する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは粒子、あるいはこれらの任意の組合せによって表すことができる。いくつかの図面は、信号を単一の信号として示すことがあるが、信号は、信号のバスを表すことができ、バスは様々なビット幅を有することができることが、当業者には理解されよう。
【0185】
「電子的通信(electronic communication)」、「導電的接触(conductive contact)」、「接続された(connected)」、および「結合された(coupled)」という用語は、構成要素間の信号の流れを可能とする構成要素間の関係を指すことができる。構成要素は、いつでも構成要素間の信号の流れを可能とすることができる何らかの導電経路が構成要素間に存在する場合、互いに電子的に通信(または、導電的に接触または接続または結合)すると考慮される。任意の所与の時点で、互いに電子的に通信(または導電的に接触または接続または結合)する構成要素間の導電経路は、接続された構成要素を含むデバイスの動作に基づいて、開回路または閉回路とすることができる。接続された構成要素間の導電経路は、構成要素間の直接的な導電経路とすることができ、または接続された構成要素間の導電経路は、スイッチ、トランジスタ、もしくは他の構成要素など、中間構成要素を含むことができる間接的な導電経路とすることができる。いくつかの例では、接続された構成要素間の信号の流れは、たとえばスイッチまたはトランジスタなど、1つまたは複数の中間構成要素を使用して、ある時間にわたって中断することができる。
【0186】
「結合する(coupling)」という用語は、現在導電経路を介して構成要素間で信号を通信することが可能でない構成要素間の開回路関係から、導電経路を介して構成要素間で信号を通信することができる構成要素間の閉回路関係への変化の状況を指す。コントローラなど、構成要素が、他の構成要素同士を結合するとき、その構成要素は、その結合前は信号が流れることを許可していなかった導電経路を介して信号が当該他の構成要素間を流れることを可能にする変化を開始する。
【0187】
「分離された(isolated)」という用語は、現在信号が構成要素間を流れることが可能でない構成要素間の関係を指す。構成要素間に開回路が存在する場合、構成要素は互いから分離される。たとえば、構成要素間に置かれたスイッチによって分離された2つの構成要素は、スイッチが開いているとき、互いから分離される。コントローラが2つの構成要素を互いから分離するとき、コントローラは、その分離前は信号が流れることを許可していた導電経路を使用して信号が構成要素間を流れることを防止する変化をもたらす。
【0188】
メモリアレイを含む本明細書に論じるデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム合金、砒化ガリウム、窒化ガリウムなどの半導体基板上に形成することができる。いくつかの例では、基板は半導体ウェハである。他の場合、基板は、シリコンオンガラス(SOG)もしくはシリコンオンサファイア(SOS)などのシリコンオンインシュレータ(SOI)基板、または別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層とすることができる。基板または基板の小領域の伝導率は、それだけに限定されるものではないが、リン、ホウ素、またはヒ素を含む様々な化学種を使用して、ドーピングによって制御することができる。ドーピングは、基板の初期形成または成長中に、イオン注入または任意の他のドーピング手段によって実行することができる。
【0189】
本明細書に論じるスイッチング構成要素またはトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表すことができ、ソース、ドレイン、およびゲートを含む3つの端子デバイスを含むことができる。これらの端子は、導電材料、たとえば金属を介して、他の電子要素に接続することができる。ソースおよびドレインは、導電性を有することができ、高濃度にドープされた、たとえば縮退型の半導体領域を含むことができる。ソースおよびドレインは、低濃度にドープされた半導体領域またはチャネルによって分離することができる。チャネルがn型である(すなわち、大部分のキャリアが電子である)場合、このFETをn型FETと呼ぶことがある。チャネルがp型である(すなわち、大部分のキャリアが正孔である)場合、このFETをp型FETと呼ぶことがある。チャネルは、絶縁ゲート酸化物で覆うことができる。チャネル伝導率は、ゲートに電圧を印加することによって制御することができる。たとえば、それぞれn型FETまたはp型FETに正の電圧または負の電圧を印加する結果、チャネルが導通状態になることができる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧以上の電圧がトランジスタゲートに印加されたとき、「オン」または「活性状態」にすることができる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧未満の電圧がトランジスタゲートに印加されたとき、「オフ」または「不活性状態」にすることができる。
【0190】
添付の図面に関連して本明細書に記載する説明は、例示的な構成を説明するものであり、実施することができるすべての例または特許請求の範囲の範囲内に入るすべての例を表すものではない。本明細書に使用される「例示的(exemplary)」という用語は、「例、事例、または例示として働く」ことを意味し、他の例より「好ましい」または「有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、記載する技法の理解を提供するために、具体的な詳細を含む。しかし、これらの技法は、これらの具体的な詳細がなくても実施することができる。いくつかの事例では、記載する例の概念を曖昧にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスはブロック図の形で示されている。
【0191】
添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有することができる。さらに、参照ラベルに続くダッシュおよび同様の構成要素を区別する第2のラベルによって、同じタイプの様々な構成要素を区別することができる。本明細書で第1の参照ラベルだけが使用される場合、その説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【0192】
本明細書に記載する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができる。たとえば、上記の説明全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光学場もしくは粒子、あるいはこれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0193】
本明細書で本開示に関連して記載する様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、または本明細書に記載する機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せによって実施または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイス(たとえば、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わさった1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)の組合せとして実施することができる。
【0194】
本明細書に記載する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せで実施することができる。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または伝送することができる。他の例および実施例は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内である。たとえば、ソフトウェアの性質により、上述した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイアリング、またはこれらのいずれかの組合せを使用して実施することができる。機能を実施する特徴はまた、機能の部分が異なる物理位置で実施されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に位置することができる。また、特許請求の範囲を含む本明細書では、項目のリスト(たとえば、「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」または「~の1つまたは複数(one or more of)」などの語句によって始まる項目のリスト)内で使用される「または(or)」は、包括的なリストを示し、したがってたとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」というリストは、「AまたはBまたはC」あるいは「ABまたはACまたはBC」あるいはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味する。また、本明細書では、「~に基づいて(based on)」という語句は、条件の閉集合への参照として解釈されるものではない。たとえば、「条件Aに基づいて(based on condition A)」として説明される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づくことができる。言い換えれば、本明細書では、「~に基づいて(based on)」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づいて(based at least in part on)」という語句と同じように解釈されるものとする。
【0195】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作製または使用することを可能にするために提供される。本開示への様々な修正は当業者には明らかであり、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に定義する一般原理は他の変形例にも適用することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載する例および設計に限定されるものではなく、本明細書に開示する原理および新規な特徴に一貫する最も広い範囲が与えられるべきである。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7