(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-15
(45)【発行日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 5/00 20060101AFI20240216BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20240216BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G05D1/46
(21)【出願番号】P 2023158926
(22)【出願日】2023-09-22
【審査請求日】2023-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184288(JP,A)
【文献】特開2022-114426(JP,A)
【文献】特開2023-49095(JP,A)
【文献】国際公開第2011/151893(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
G01C 21/00-21/36
G05D 1/46
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行装置の飛行ルートを設定する情報処理装置であって、
前記飛行装置の性能又は用途を登録する登録部と、
前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得する予定取得部と、
前記登録部に登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定する設定部と、
前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するエリア決定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記登録部は、前記飛行装置の最大飛行可能距離を前記性能として登録し、
前記設定部は、前記最大飛行可能距離が大きいほど前記上限範囲を大きく設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記登録部は、前記飛行装置の最大飛行速度と飛行可能時間とを取得し、取得した前記最大飛行速度と前記飛行可能時間とに基づいて前記最大飛行可能距離を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記飛行装置の用途の緊急性が高いほど前記上限範囲を大きく設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記エリアの風速又は雨量を示すエリア情報を取得する情報取得部をさらに有し、
前記設定部は、前記エリア情報が示す風速又は雨量が大きいほど前記上限範囲を大きく設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記エリアの混雑度を示すエリア情報を取得する情報取得部をさらに有し、
前記設定部は、前記エリア情報が示す混雑度が大きいほど前記上限範囲を小さく設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予定取得部は、前記飛行装置の飛行に対して支払われる料金を示す情報をさらに取得し、
前記設定部は、前記料金が高いほど上限範囲を大きく設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記エリアは、複数のメッシュを含み、
前記設定部は、前記複数のメッシュのうち、前記性能又は前記用途に基づいて決定した数の1以上の許容メッシュの範囲を前記上限範囲として設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記予定取得部は、前記複数のメッシュを情報端末の画面に表示させ、当該画面において前記複数のメッシュから選択された1以上の選択メッシュを示す前記飛行予定データを取得し、
前記エリア決定部は、前記飛行予定データが示す前記1以上の選択メッシュの数が前記上限範囲に対応する前記1以上の許容メッシュの数以下である場合に、前記1以上の選択メッシュにより構成されるエリアを前記飛行可能エリアに決定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記飛行予定データは、前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す線データであり、
前記エリア決定部は、前記線データが示すルートが含まれるメッシュの数が前記1以上の許容メッシュの数以下である場合に、前記線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュにより構成されるエリアを前記飛行可能エリアに決定する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記エリア決定部は、前記線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュの数に、前記性能に基づくメッシュの数を加えることにより、前記飛行可能エリアに含まれるメッシュの数を決定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記エリアは、複数のサブエリアを含み、
前記設定部は、前記複数のサブエリアごとに前記上限範囲を設定し、
前記エリア決定部は、前記飛行予定データに対応するエリアが第1サブエリアに対応する前記上限範囲を越えている場合、前記第1サブエリアと異なる第2サブエリアを通る代替ルートを前記飛行装置のユーザに提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記飛行装置のユーザに関連付けて、当該ユーザが使用可能な複数の飛行装置の識別情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記エリア決定部は、前記飛行予定データに対応するエリアが前記上限範囲を越えている場合、前記登録部が前記性能又は前記用途を登録した前記飛行装置と異なる飛行装置を前記飛行装置のユーザに提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
飛行装置の飛行ルートを設定するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記飛行装置の性能又は用途を登録するステップと、
前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得するステップと、
登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定するステップと、
前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
飛行装置の飛行ルートを設定する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記飛行装置の性能又は用途を登録する登録部と、
前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得する予定取得部と、
前記登録部に登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定する設定部と、
前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するエリア決定部と、
を有し、
前記情報端末は、前記飛行装置の性能又は用途を前記情報処理装置に送信し、前記飛行可能エリアの通知を受信する通信部を有する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行装置を管理するための情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飛行装置が飛行する前に飛行の申請を受け付けて、飛行装置が飛行する予定のエリアにおける飛行装置の飛行予定数が予め設定された上限数を超える場合に、飛行装置の飛行ルートの設定を制限する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行可能距離が長い飛行装置の使用者にとっては、飛行可能エリアが広いほどよい。しかしながら、一律に飛行可能エリアを広げてしまうと、飛行の申請者が必要以上に広いエリアの利用申請をしてしまい、飛行させるべき飛行装置の飛行の妨げになる場合があるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、飛行装置が飛行可能なエリアを適切に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、飛行装置の飛行ルートを設定する情報処理装置であって、前記飛行装置の性能又は用途を登録する登録部と、前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得する予定取得部と、前記登録部に登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定する設定部と、前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するエリア決定部と、を有する。
【0007】
前記登録部は、前記飛行装置の最大飛行可能距離を前記性能として登録してもよく、前記設定部は、前記最大飛行可能距離が大きいほど前記上限範囲を大きく設定してもよい。
【0008】
前記登録部は、前記飛行装置の最大飛行速度と飛行可能時間とを取得し、取得した前記最大飛行速度と前記飛行可能時間とに基づいて前記最大飛行可能距離を算出してもよい。
【0009】
前記設定部は、前記飛行装置の用途の緊急性が高いほど前記上限範囲を大きく設定してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記エリアの風速又は雨量を示すエリア情報を取得する情報取得部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記エリア情報が示す風速又は雨量が大きいほど前記上限範囲を大きく設定してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記エリアの混雑度を示すエリア情報を取得する情報取得部をさらに有してもよく、前記設定部は、前記エリア情報が示す混雑度が大きいほど前記上限範囲を小さく設定してもよい。
【0012】
前記予定取得部は、前記飛行装置の飛行に対して支払われる料金を示す情報をさらに取得してもよく、前記設定部は、前記料金が高いほど上限範囲を大きく設定してもよい。
【0013】
前記エリアは、複数のメッシュを含んでもよく、前記設定部は、前記複数のメッシュのうち、前記性能又は前記用途に基づいて決定した数の1以上の許容メッシュの範囲を前記上限範囲として設定してもよい。
【0014】
前記予定取得部は、前記複数のメッシュを情報端末の画面に表示させ、当該画面において前記複数のメッシュから選択された1以上の選択メッシュを示す前記飛行予定データを取得してもよく、前記エリア決定部は、前記飛行予定データが示す前記1以上の選択メッシュの数が前記上限範囲に対応する前記1以上の許容メッシュの数以下である場合に、前記1以上の選択メッシュにより構成されるエリアを前記飛行可能エリアに決定してもよい。
【0015】
前記飛行予定データは、前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す線データでもよく、前記エリア決定部は、前記線データが示すルートが含まれるメッシュの数が前記1以上の許容メッシュの数以下である場合に、前記線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュにより構成されるエリアを前記飛行可能エリアに決定してもよい。
【0016】
前記エリア決定部は、前記線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュの数に、前記性能に基づくメッシュの数を加えることにより、前記飛行可能エリアに含まれるメッシュの数を決定してもよい。
【0017】
前記エリアは、複数のサブエリアを含んでもよく、前記設定部は、前記複数のサブエリアごとに前記上限範囲を設定してもよく、前記エリア決定部は、前記飛行予定データに対応するエリアが第1サブエリアに対応する前記上限範囲を越えている場合、前記第1サブエリアと異なる第2サブエリアを通る代替ルートを前記飛行装置のユーザに提示してもよい。
【0018】
前記情報処理装置は、前記飛行装置のユーザに関連付けて、当該ユーザが使用可能な複数の飛行装置の識別情報を記憶する記憶部をさらに有してもよく、前記エリア決定部は、前記飛行予定データに対応するエリアが前記上限範囲を越えている場合、前記登録部が前記性能又は前記用途を登録した前記飛行装置と異なる飛行装置を前記飛行装置のユーザに提示してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、飛行装置の飛行ルートを設定するコンピュータが実行する情報処理方法であって、前記飛行装置の性能又は用途を登録するステップと、前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得するステップと、登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定するステップと、前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、飛行装置の飛行ルートを設定する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な情報端末と、を備え、前記情報処理装置は、前記飛行装置の性能又は用途を登録する登録部と、前記飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得する予定取得部と、前記登録部に登録された性能又は用途に基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定する設定部と、前記飛行予定データと前記上限範囲とに基づいて、前記飛行装置の飛行可能エリアを決定するエリア決定部と、を有し、前記情報端末は、前記飛行装置の性能又は用途を前記情報処理装置に送信し、前記飛行可能エリアの通知を受信する通信部を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、飛行装置が飛行可能なエリアを適切に設定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】情報処理システムの動作の概要を示す図である。
【
図3】情報処理装置が決定した飛行可能エリアの一例を示す図である。
【
図11】代替ルートの提示を説明するための図である。
【
図12】情報処理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理システムSの概要]
図1から
図3は、本実施形態に係る情報処理システムSの概要を説明するための図である。
図1は、情報処理システムSの動作の概要を示す図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、情報端末2と、を備える。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0024】
情報処理装置1は、飛行装置が飛行可能なエリアを設定するサーバ等のコンピュータである。情報処理装置1は、携帯電話網の基地局との間の通信品質が所定の通信品質を満たすエリアにおいて飛行装置の飛行ルートを設定する。所定の通信品質は、飛行装置が飛行中に外部装置とデータを送受信することができる通信品質である。基地局が提供する無線通信チャネルは有限なので、同じエリアを多数の飛行装置が飛行すると、飛行装置が基地局と良好に通信できなくなる場合がある。そこで、情報処理装置1は、飛行装置の性能及び用途の少なくともいずれか(以下、「性能又は用途」という場合がある)に基づいて、それぞれの飛行装置に飛行を許可するエリアの上限範囲を決定する。上限範囲は、飛行装置の飛行可能エリアとして設定することができる範囲の大きさの上限である。
【0025】
情報処理装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して複数の情報端末2等と接続されている。情報端末2は、飛行装置の飛行の申請者である飛行装置のユーザが使用する情報端末である。情報端末2は、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型端末であってもよいし、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型端末であってもよい。
【0026】
図1を参照しながら、情報処理装置1が実行する処理の概要を説明する。情報処理装置1は、飛行装置の性能又は用途に基づいて設定された飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲と、飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データと、に基づいて飛行装置の飛行可能エリアを決定する。飛行装置は、特に制限されないが、例えばドローンである。飛行装置の性能は、機体スペックと言い換えることができる。飛行装置の性能は、例えば最大飛行速度又は最大飛行可能距離である。
【0027】
情報端末2は、ユーザから飛行予定ルートの入力と、飛行装置の性能又は用途の入力を受け付ける。情報端末2は、飛行予定ルートを示す飛行予定データと、性能又は用途を示すデータを情報処理装置1に送信する。
【0028】
情報処理装置1は、飛行予定データを受信すると、例えば飛行装置の最大飛行速度が大きいほど、又は最大飛行可能距離が大きいほど、飛行可能エリアの上限範囲を大きくする。また、飛行装置の用途が、遠距離を飛行する必要がある用途である場合、遠距離を飛行する必要がない用途である場合よりも飛行可能エリアの上限範囲を大きくする。情報処理装置1は、飛行予定データが示すルートを含み、かつ飛行可能エリアの面積が上限範囲以下になるように飛行可能エリアを決定する。飛行可能エリアは、例えば地図に重ねられたメッシュにより表される。
【0029】
図2は、メッシュの例を示す図である。
図2は、複数の地区からなる地域が100個のメッシュに分けられた場合の例を示す図である。メッシュは、各メッシュの1辺あたりの長さに応じて様々な種類が存在するが、本実施形態においては、例えば、各メッシュの1辺あたりの長さが約1kmである基準地域メッシュを用いることができる。なお、メッシュの詳細については、総務省統計局のホームページ(https://www.stat.go.jp/data/mesh/m_tuite.html)に記載されている。
【0030】
図3は、情報処理装置1が決定した飛行可能エリアを示すメッシュの例を示す図である。
図3においては、斜線で示すメッシュにより構成されるエリアが、飛行装置3の飛行可能エリアである。情報処理装置1は、飛行可能エリアを示すデータを情報端末2に送信し、情報端末2は、例えば
図3に示した飛行可能エリアを示すメッシュを表示させる。
【0031】
なお、
図1においては、情報端末2が飛行予定データとともに性能・用途を示すデータを送信しているが、情報処理装置1は、飛行装置を識別するための飛行装置識別情報に関連付けて性能又は用途を記憶していてもよい。この場合、情報処理装置1は、飛行予定データに含まれる飛行装置識別情報に対応する性能又は用途を特定し、特定した性能又は用途に基づいて上限範囲を決定する。情報処理装置1は、飛行装置識別情報に関連付けて、予め性能又は用途に基づいて決定した上限範囲を記憶していてもよい。
【0032】
このように、情報処理装置1は、飛行可能エリアの飛行予定データの入力を受け付けた場合に、飛行装置の性能又は用途に基づいて決定された上限範囲を越えないように飛行可能エリアを決定する。この結果、ユーザが必要以上に広いエリアの利用申請をしてしまい、飛行させるべき他の飛行装置の飛行の妨げになることを抑制できる。
【0033】
[情報処理装置1の構成]
次に、情報処理装置1の構成を説明する。
図4は、情報処理装置1の構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、
図4に示すように、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0034】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報端末2及び運航管理システム等と通信を行うための通信インターフェースである。通信部11は、飛行日時及び飛行ルート並びに飛行装置の性能又は用途を情報端末2から受信して、登録部131に登録させる。また、通信部11は、予定取得部132が生成した、メッシュ選択画面を表示させるための情報を情報端末2に送信する。また、通信部11は、メッシュ選択画面において選択されたメッシュの情報を情報端末2から受信して、エリア決定部135に渡す。また、通信部11は、エリア決定部135が生成した、飛行可能エリアを示す情報を情報端末2に送信する。
【0035】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、登録部131、予定取得部132、情報取得部133、設定部134及びエリア決定部135として機能させる情報処理プログラムを記憶している。記憶部12は、飛行予定データ、飛行装置データ及び上限範囲データを記憶する。飛行予定データは、飛行装置が飛行する予定のルートを示すデータである。飛行装置データは、飛行装置の性能又は用途を含むデータである。上限範囲データは、飛行装置の性能又は用途に応じた上限範囲を含むデータである。
【0036】
図5は、記憶部12に記憶されている飛行予定データの一例を示す図である。飛行予定データは、
図5に示すように、例えば、飛行ルートを識別するための飛行ルート識別情報と、飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、飛行日時と、飛行ルートと、等を関連付けて含む。飛行ルートの情報は、
図5に示すように緯度と経度の組み合わせでもよいし、或いは、
図5には示していないが具体的な飛行ルートを地図上に線により示す情報でもよい。
【0037】
図6は、記憶部12に記憶されている飛行装置データの一例を示す図である。飛行装置データは、
図6に示すように、例えば、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、飛行装置識別情報と、飛行装置の最大飛行可能距離と、飛行装置の最大飛行速度と、飛行装置の飛行可能時間と、飛行装置の用途と、料金情報と、代替飛行装置識別情報と、等を関連付けて含む。
【0038】
最大飛行可能距離、最大飛行速度及び飛行可能時間は、飛行装置の性能の例である。飛行装置の用途は、例えば、「輸送・宅配」、「救急」及び「観測」等である。料金情報は、飛行装置の飛行に対してユーザが支払うべき料金を示す情報である。代替飛行装置識別情報は、ユーザが使用したいと考えている飛行装置の代わりに使用することができる他の飛行装置を識別するための情報である。このように、記憶部12は、飛行装置のユーザに関連付けて、当該ユーザが使用可能な複数の飛行装置の識別情報を記憶することができる。
【0039】
図7は、記憶部12に記憶されている上限範囲データの一例を示す図である。
図7に示す上限範囲データは、最大飛行可能距離と、最大飛行速度と、飛行可能時間と、用途と、飛行装置に飛行を許可するエリアの上限範囲と、を関連付けて含む。上限範囲データは、飛行装置の性能又は用途を示す少なくとも1つ以上の情報と上限範囲とが関連付けられたデータであればよい。
【0040】
なお、最大飛行可能距離が同じ値であっても、用途が異なる場合は異なる上限範囲の値が設定されてもよい。例えば、
図7に示す上限範囲テーブルの1行目においては、最大飛行可能距離が20kmであり、用途が「輸送・宅配」である場合の上限範囲として20メッシュが設定されているが、用途が「緊急」である場合には、上限範囲として20メッシュより大きい値が設定されてもよい。
【0041】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、登録部131、予定取得部132、情報取得部133、設定部134及びエリア決定部135として機能する。
【0042】
登録部131は、飛行装置の性能又は用途を登録する。また、登録部131は、情報端末2又は運航管理システムから、通信部11を介して、飛行装置の性能又は用途を受信した後、受信した性能又は用途を飛行装置識別情報に関連付けて飛行装置データに登録してもよい。登録部131は、情報端末2から、通信部11を介して、飛行日時及び飛行ルートを受信した後、受信した飛行日時及び飛行ルートを飛行予定データに登録してもよい。
【0043】
登録部131は、飛行装置の最大飛行可能距離を性能として登録してもよい。また、登録部131は、飛行装置の最大飛行速度と飛行可能時間とを取得し、取得した最大飛行速度と飛行可能時間とに基づいて最大飛行可能距離を算出してもよい。
【0044】
例えば、飛行装置Xが、最高飛行速度40km/hで30分間飛行可能な場合、登録部131は、40km/h×0.5h=20kmを、飛行装置Xの最大飛行可能距離として算出することができる。また、飛行装置Yが、最高飛行速度100km/hで1時間飛行可能な場合、登録部131は、100km/h×1h=100kmを、飛行装置Yの最大飛行可能距離として算出することができる。
【0045】
予定取得部132は、飛行予定データを取得する。予定取得部132は、例えば情報端末2から飛行予定データを取得する。予定取得部132は、飛行ルート識別情報を情報端末2から取得することにより、記憶部12に予め記憶された飛行ルート識別情報に対応する飛行予定データを取得してもよい。予定取得部132は、情報処理装置1が飛行可能エリアを決定する対象となるエリアの無線通信回線を提供する事業者その他の事業者の外部装置から、飛行装置の飛行に対して支払われる料金を示す情報をさらに取得してもよい。
【0046】
情報取得部133は、通信部11を介して、気象情報を提供する外部装置から、飛行装置の飛行可能エリアの風速又は雨量を示すエリア情報を取得する。また、情報取得部133は、通信部11を介して、飛行装置の運行を管理する事業者の外部装置から、飛行装置の飛行可能エリアの混雑度を示すエリア情報を取得してもよい。
【0047】
設定部134は、登録部131に登録された性能又は用途に基づいて、飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲(以下、単に「上限範囲」ということがある。)を設定する。すなわち、設定部134は、少なくとも、登録部131が飛行装置データに登録した飛行装置の性能又は用途を用いて、上限範囲を設定する。
【0048】
設定部134は、例えば、飛行可能範囲として設定する対象となるエリアに対応する複数のメッシュのうち、性能又は用途に基づいて決定した数の1以上の許容メッシュの範囲を上限範囲として設定する。例えば、設定部134は、前述の飛行装置Xについては、最大飛行可能距離が20kmなので上限範囲を20メッシュと設定し、前述の飛行装置Yについては、最大飛行可能距離が100kmなので上限範囲を100メッシュと設定する。設定部134は、例えば、
図7に示す上限範囲テーブルを参照することで、それぞれの飛行装置に対する上限範囲を設定する。すなわち、設定部134は、
図7に示す上限範囲テーブルを参照することで、最大飛行可能距離20kmの飛行装置Xに対応する上限範囲を20メッシュに設定し、最大飛行可能距離100kmの飛行装置Yに対応する上限範囲を100メッシュに設定することができる。
【0049】
設定部134は、例えば、最大飛行可能距離が大きいほど上限範囲を大きく設定する。最大飛行可能距離が大きければ、広いエリアを飛行する可能性がある。したがって、設定部134がこのように上限範囲を設定することで、飛行可能エリアが最大飛行可能距離に対して狭過ぎてしまうことを防げる。
【0050】
また、設定部134は、飛行装置の用途の緊急性又は必要性が高いほど上限範囲を大きく設定してもよい。緊急性又は必要性が高い用途とは、例えば、前述した「救急」の用途である。緊急性又は必要性が高い用途においては、予定外の事象が発生しても飛行装置が目的地まで飛行することが求められる。設定部134がこのように上限範囲を設定することにより、緊急性又は必要性が高い用途で飛行する飛行装置が、目的地まで飛行できる確率が高まる。
【0051】
設定部134は、料金に基づいて上限範囲を設定してもよい。具体的には、設定部134は、料金が高いほど上限範囲を大きく設定してもよい。これにより、より広い飛行可能エリアの設定を受けたいユーザが、より大きい料金を払うことで、所望の飛行可能エリアの設定を受けることが可能になる。
【0052】
設定部134は、エリアの状態を示すエリア情報に基づいて上限範囲を設定してもよい。設定部134は、エリア情報が示す風速又は雨量が大きいほど上限範囲を大きく設定してもよい。風速又は雨量が大きいと、飛行装置が直線的に飛行しづらくなってしまう。設定部134がこのように風速又は雨量に基づいて上限範囲を設定することで、飛行装置が飛行する時の天候に応じた適切な飛行可能エリアを設定することが可能となる。
【0053】
また、設定部134は、エリア情報が示す混雑度が大きいほど上限範囲を小さく設定してもよい。混雑度が大きいと、飛行装置が他の飛行装置と衝突したり、通信品質が低下したりする可能性が高まる。設定部134が混雑度に基づいて上限範囲を設定することで、飛行装置の安全性が向上する。
【0054】
エリア決定部135は、予定取得部132が取得した飛行予定データと、設定部134が設定した上限範囲と、に基づいて飛行装置の飛行可能エリアを決定する。具体的には、エリア決定部135は、飛行予定データが示す飛行ルートを含み、かつ上限範囲が示すエリアの面積(例えばメッシュの数)以下になるように飛行可能エリアを決定する。上述したように、飛行可能エリアは複数のメッシュにより表される。エリア決定部135は、決定した飛行可能エリアを、通信部11を介して情報端末2に送信する。
【0055】
[情報端末2の構成]
次に、情報端末2の構成を説明する。
図8は、情報端末2の構成の一例を示す図である。情報端末2は、
図8に示すように、通信部21と、表示部22と、記憶部23と、制御部24と、を備える。
【0056】
通信部21は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報処理装置1と通信を行うための通信インターフェースである。通信部21は、飛行日時及び飛行ルート並びに飛行装置の性能及び用途を情報処理装置1に送信する。また、通信部21は、メッシュ選択画面を表示させるための情報を情報処理装置1から受信する。また、通信部21は、メッシュ選択画面において選択されたメッシュの情報を情報処理装置1に送信する。また、通信部21は、飛行可能エリアの通知を情報処理装置1から受信する。
【0057】
表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等により構成される。表示部22は、表示処理部241の制御に応じて各種情報を表示する。表示部22は、例えば、ユーザが飛行予定データ、及び飛行装置の性能又は用途を入力するための画面を表示する。表示部22は、タッチパネルを有しており、ユーザによるデータの入力を受けてもよい。
【0058】
記憶部23は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部23は、制御部24を、表示処理部241及び入力受付部242として機能させるプログラムを記憶している。
【0059】
制御部24は、例えばCPUである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、表示処理部241及び入力受付部242として機能する。
【0060】
表示処理部241は、各種の情報を表示部22に表示させる。表示処理部241は、例えば、メッシュ選択画面を表示させるための情報を、通信部21を介して、情報処理装置1の予定取得部132から受信した後、飛行予定データを入力するための画面を表示部22に表示させる。また、表示処理部241は、決定された飛行可能エリアを表示させるための情報を、通信部21を介して、情報処理装置1のエリア決定部135から受信した後、決定された飛行可能エリアを表示部22に表示させる。
【0061】
入力受付部242は、飛行日時及び飛行ルート並びに飛行装置の性能及び用途の入力をユーザから受け付けて、通信部21を介して、入力された情報を情報処理装置1の登録部131に送信する。また、入力受付部242は、後述するようにユーザが飛行を希望するエリアに対応するメッシュの選択を受け付けて、通信部21を介して、選択されたメッシュの情報を情報処理装置1のエリア決定部135に送信してもよい。
【0062】
[飛行可能エリアの設定方法]
ユーザは、情報端末2において飛行ルートを入力することにより飛行可能エリアを設定することができる。情報端末2は、以下のようにして、ユーザ自身が飛行可能エリアとして希望するエリアに対応するメッシュを選択できるようにしてもよい。
【0063】
図9は、情報端末2に表示されるメッシュ選択画面の一例を示す図である。予定取得部132は、
図9に示すように、複数のメッシュを情報端末2の画面に表示させ、当該画面において複数のメッシュから選択された1以上の選択メッシュを示す飛行予定データを取得する。次に、エリア決定部135は、予定取得部132が取得した飛行予定データが示す1以上の選択メッシュの数が、上限範囲に対応する1以上の許容メッシュの数以下である場合に、1以上の選択メッシュにより構成されるエリアを飛行可能エリアに決定する。エリア決定部135は、予定取得部132が取得した飛行予定データが示す1以上の選択メッシュの数が、上限範囲に対応する1以上の許容メッシュの数よりも多い場合に、「設定できるメッシュの数を越えています」といった警告を情報端末2に表示させる。
【0064】
飛行予定データは、飛行装置が飛行する予定のルートを示す線データであってもよい。
図10は、飛行装置が飛行する予定のルートを示す線データの一例を示す図である。エリア決定部135は、線データが示すルートが含まれるメッシュの数(
図10では12個)が、1以上の許容メッシュの数以下である場合に、線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュにより構成されるエリア(
図10において斜線状のハッチングが付された12個のメッシュにより構成されるエリア)を飛行可能エリアに決定する。エリア決定部135は、線データが示すルートが含まれるメッシュの数が、1以上の許容メッシュの数よりも多い場合、「設定できるメッシュの数を越えています」といった警告を情報端末2に表示させる。
【0065】
また、飛行可能エリアは、飛行装置の性能に応じて広めに決定されてもよい。すなわち、エリア決定部135は、線データが示すルートが含まれる1以上のメッシュの数に、性能(例えば最大飛行速度)に基づくメッシュの数をバッファとして加えることにより、飛行可能エリアに含まれるメッシュの数を決定する。このように、エリア決定部135がバッファ分のメッシュを加えて飛行可能エリアを決定することで、最大飛行速度が大きい飛行装置がエリアの端を飛行する際に当該エリアをはみ出すことを防止できる。
【0066】
ところで、ユーザが希望するルートが上限範囲を超えているために飛行装置が飛行できないものの、代替ルートならば飛行装置が飛行できることがある。この場合、エリア決定部135は、以下のようにして代替ルートをユーザに提示してもよい。
【0067】
まず、設定部134は、エリアが含む複数のサブエリアごとに、上述した方法で上限範囲を設定する。次に、エリア決定部135は、飛行予定データに対応するエリアが第1サブエリアに対応する上限範囲を越えている場合、第1サブエリアと異なる第2サブエリアを通る代替ルートを飛行装置のユーザに提示する。
【0068】
図11は、代替ルートの提示を説明するための図である。
図11には、第1サブエリア、第2サブエリア及び第3サブエリアが示されている。第1サブエリアと第2サブエリアの境界線付近には、飛行禁止エリアが含まれている。ここでは、ユーザが第1サブエリアにおいてドット状のハッチングが付された14個のメッシュを選択したとする。ユーザが選択したメッシュの数が、第1サブエリアに対応する上限範囲12個を超えている場合、エリア決定部135は、第1サブエリアと異なる第2サブエリアを通る代替ルート(斜線状のハッチングが付された12個のメッシュ)を飛行装置のユーザに提示する。エリア決定部135がこのように動作することで、ユーザの希望にできるだけ沿いつつ、上限範囲内の飛行可能エリアを設定することができる。
【0069】
また、ユーザが性能又は用途を登録した飛行装置が、飛行予定データに対応するエリアを飛行できないものの、性能又は用途が異なる代替機ならば飛行できることがある。そこで、エリア決定部135は、飛行予定データに対応するエリアが上限範囲を越えている場合、登録部131が性能又は用途を登録した飛行装置と異なる飛行装置を飛行装置のユーザに提示してもよい。例えば、
図6に示す飛行装置データにおけるU001のユーザについて、飛行予定データに対応するエリアが上限範囲を越えている場合、エリア決定部135は、D001の飛行装置と異なるDA001を代替機として当該ユーザに提示する。エリア決定部135が代替機をユーザに提示することで、ユーザが使用する予定だった飛行装置が飛行予定データに対応するルートで飛行できない場合であっても、代替機を使用して目的を達成することが可能になる。
【0070】
[情報処理装置1における処理の流れ]
情報処理装置1における処理の流れを説明する。
図12は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すフローチャートは、ユーザが飛行の申請をするためのアプリケーションソフトウェアを情報端末2において起動した時点から開始している。
【0071】
まず、登録部131は、情報端末2から通信部11を介して、ユーザが保有する飛行装置の性能又は用途を受信して取得する(S1)。続いて、予定取得部132は、情報端末2から通信部11を介して、ユーザにより申請された飛行予定データを取得する(S2)。続いて、情報取得部133は、通信部11を介して、エリアの風速若しくは雨量又はエリアの混雑度を示すエリア情報を取得する(S3)。
【0072】
続いて、設定部134は、S1において登録部131が登録した飛行装置の性能又は用途と、S3において情報取得部133が取得したエリア情報と、に基づいて飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲のメッシュ数を設定する(S4)。
【0073】
続いて、エリア決定部135は、S2において予定取得部132が取得した飛行予定データが示すメッシュ数が、S4において設定部134が設定した上限範囲のメッシュ数以下であるか否かを判定する(S5)。
【0074】
飛行予定データが示すメッシュ数が、上限範囲のメッシュ数以下である場合(S5:Yes)、エリア決定部135は、飛行予定データが示す飛行装置の予定ルートを含む飛行可能エリアを決定し(S6)、決定した飛行可能エリアを情報端末2に通知する(S7)。これに対して、飛行予定データが示すメッシュ数が、上限範囲のメッシュ数以下ではない場合(S5:No)、エリア決定部135は、代替ルートがあるか否かを判定する(S8)。
【0075】
代替ルートがある場合(S8:Yes)、エリア決定部135は、代替ルートを含み、かつ上限範囲のメッシュ数以下の飛行可能エリアを決定し(S6)、決定した飛行可能エリアを情報端末2に通知する(S7)。これに対して、代替ルートがない場合(S8:No)、エリア決定部135は、ユーザが保有する代替機があるか否かを判定する(S9)。
【0076】
ユーザが保有する代替機がある場合(S9:Yes)、制御部13は処理をS1へと戻し、代替機に対しても、S1からS8までの処理を実行する。ユーザが保有する代替機がない場合(S9:No)、エリア決定部135は飛行可能エリアを決定せず、飛行できないことを情報端末2に通知する(S10)。
【0077】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1においては、飛行装置の性能又は用途に基づいて設定した上限範囲と、飛行予定データと、に基づいて飛行装置が飛行可能なエリアを適切に設定できる。この結果、ユーザが必要以上に広いエリアの利用申請をしてしまい、飛行させるべき他の飛行装置の飛行の妨げになることを抑制できる。
【0078】
また、本実施形態に係る情報処理装置1においては、飛行装置の性能又は用途のみならず、飛行可能エリアの風速若しくは雨量又は飛行可能エリアの混雑度を用いて上限範囲を設定することもできるし、飛行装置の飛行に対して支払われる料金をさらに用いて上限範囲を設定することもできる。この結果、情報処理装置1は、申請時の空の状況及びユーザの予算に応じた適切な飛行可能エリアを設定することが可能となる。
【0079】
そして、本実施形態に係る情報処理装置1においては、ユーザが性能若しくは用途を登録した飛行装置では、ユーザが希望するルートで飛行可能なエリアを設定できない場合、代替ルート又は代替機をユーザに提示することができる。この結果、ユーザは、飛行装置の飛行自体が許可されないという事態を回避することができる。
【0080】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0082】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 登録部
132 予定取得部
133 情報取得部
134 設定部
135 エリア決定部
2 情報端末
21 通信部
22 表示部
23 記憶部
24 制御部
241 表示処理部
242 入力受付部
3 ドローン
S 情報処理システム
【要約】
【課題】飛行装置が飛行可能なエリアを適切に設定できるようにする。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置1は、飛行装置の飛行ルートを設定する情報処理装置であって、飛行装置の性能又は用途を登録する登録部131と、飛行装置が飛行する予定のルートを示す飛行予定データを取得する予定取得部132と、登録部131に登録された性能又は用途に基づいて、飛行装置の飛行可能エリアの上限範囲を設定する設定部134と、飛行予定データと上限範囲とに基づいて、飛行装置の飛行可能エリアを決定するエリア決定部135と、を有する。
【選択図】
図4