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▶ 阿部 荒喜の特許一覧

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  • 特許-多列多段集塵機 図1
  • 特許-多列多段集塵機 図2
  • 特許-多列多段集塵機 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】多列多段集塵機
(51)【国際特許分類】
   B01D 45/08 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B01D45/08 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019223274
(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公開番号】P2021079367
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502442854
【氏名又は名称】阿部 荒喜
(72)【発明者】
【氏名】阿部 良博
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-029966(JP,A)
【文献】特開昭59-105818(JP,A)
【文献】特表2018-532070(JP,A)
【文献】特表平11-512343(JP,A)
【文献】特開2004-066162(JP,A)
【文献】特開昭55-075724(JP,A)
【文献】特開2011-230012(JP,A)
【文献】特開平10-137796(JP,A)
【文献】特開2007-289839(JP,A)
【文献】特開2019-030825(JP,A)
【文献】特開2021-013916(JP,A)
【文献】米国特許第8840697(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D45/00-46/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温で水と酸と油を含む粘着性の粉塵を円板左右の側面に付着させる多列多段集除塵機であって、円板は軸に多数の円板を並列させたブロックを縦に直列に重設し、最上部ブロックの 円板間の隙間にスクレーパーを設け、円板側面をスクレーパーで掻くことを特徴とする多列多段集除塵機。
【請求項2】
前記円板は薄板のSUS材であって、上下に重設した円板列は互いに相対し且つ相手の円板間の隙間に挿入している請求項1に記載の多列多段集除塵機。
【請求項3】
前記多列多段集除塵機は集除塵機を熱分解槽の上に設置し、除塵した粉体を熱分解槽に落塵させる請求項1に記載の多列多段集除塵機。
【請求項4】
前記多列多段集除塵機の重設した上列と下列で回転方向の異なる円板の空間に粘着性の粉塵を含む高温ガスを通過させる請求項1に記載した多列多段集除塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温多湿のガス中に粘着性の強い油と酸と多量の粉塵が混入し、従来の集塵機の機能を阻害する粉塵の集塵と除塵の機能を兼ねた集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機を必要とする焼却炉は粉塵も多量に発生し、耐熱用のバグフィルターも長時間の使用に耐えられず、定期的なバグの交換を必要とした。バグのフィルターは目詰まりするため集塵能力が低下し、そこで除塵を行うとフィルターはやがて損傷するためである。
【0003】
粉塵が乾いた状態でその粒子も大きい場合は、サイクロン式の集塵機でも集塵できるが油混じりで湿気を帯びた粉塵の場合は、サイクロン内壁の入口、ガス旋回部、出口に粉塵が付着して堆積するためその機能の低下が激しい。
【0004】
電気集塵機を用いて油混じりの湿気を帯びた粉塵を集塵すると極板に粉塵が粘着してしまい、シーキングやハンマリングを行ってもこの粘着物を取り除くことは困難である。電気集塵機は装置本体も大型である。
水で洗浄する湿式スクラバーは、排水処理が必要となり二次汚染の心配がある。
【0005】
このように高温で油や水や腐食性の強い酸性の湿り蒸気を帯びた粉塵を従来の集塵機を用いて集塵することは難しい。混在廃プラスチックや感染性産業廃棄物を熱分解する工程においてその温度が300℃から400℃付近でこのような粉塵が多量に発生する。
また償却する場合においても同様の粉塵が発生する。
【0006】
粘着性ガス中の粉塵はどこにでもにでも付着する。付着した粉塵は堆積してその厚みを増し、金属を腐食させる。高温が維持された状態ではこの腐食の進行は遅いが冷却されると酸化による腐食が進む。
【0007】
混入ガスが粉塵を含んで付着する性質を利用し、回転可能に多数並べた円板の表面に粉塵を付着させる。熱分解終了後に付着した粉塵を自動でこそぎ落として熱分解槽へ落とす。
【0008】
付着した粉塵は時間経過とともに乾燥して硬化して簡単に剥離して集塵する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】集塵装置
【文献】各メーカーカタログ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の集塵機において粘性の高い粉塵の集塵が困難であった理由は、油と水と塩酸分を多く含んだ高温ガス中の粉塵がダクトや機器の表面に粘着して成長し、その除去に時間と手間がかかったためである。
【0011】
そこで集塵ダクトを分岐して二条列として交互に使用してみた。片方の一条が集塵と除塵をしている間に分岐したもう一条が付着粉塵の除去と清掃をする動作であるが、清掃に時間がかかりすぎて本作業の熱分解に支障をきたした。
【課題を解決するための手段】
【0012】
横軸に円盤スペーサー、円盤スペーサーと多重列に並べた機構を1セットとして最下部の上部に順に重ねて配列する。
セットとセットの円盤部が重なり、奇数セット重ねるとチェン駆動によって正逆に互いに回転する。この詳細は先行技術として阿部良博の特許出願に述べています。
【0013】
奇数に組み合わせた多重円板の下方よりガスを吸塵させ、最上部の多重円盤間各隙間にスクレーパーを挿入し、除塵時にスクレーパーは円盤の左右にあたり、集塵時にはスクレーパーは円板間に中立する。
【0014】
スクレーパーは円板間の隙間に中立し、熱分解終了時に円盤軸に回転を与えると同時に円盤側面に接触し、またその反対側にも交互に接する。
【0015】
最上部円板軸も以下すべての円板軸も回転している。上から下まですべて円板両側板着塵している。
最上部円盤軸がスクレーパーの効力でダストは落下すると下部の円盤に落塵があたり、除塵の役割を果たす。最上部のみスクレーパーが必要でその下部にはスクレーパーは必要ない。
【0016】
この集塵円盤の材質にSS材を用いると、粉塵に湿気があり強い酸性の性質であるために金属表面のミルスケールが腐食によって剥離し粘着した粉塵ごと剥がれる。丁度玉ねぎの皮をむくように毎回新しい皮ができ、また剥離を繰り返す。そこで、SS材は熱い鋼板とすることで2年程度の耐久性を持たせることができる。
【発明の効果】
【0017】
この集塵除塵機を順次1基2基3基と直列にガスを流すと終末設備はガス温度低下し塩酸が抜けていない工程で全てをSUS材で構成する。
【0018】
熱分解終了後、完全にガスの発生が終了した後に除塵すると300℃以上の高温であるため着塵が乾燥して剥離が容易である。
【0019】
集塵板をSUS材にしたときの除塵のタイミングは、SUS材と付着カーボンとの接合がカーボンとの密度が脱液していた簡単に金属とカーボンが外力を加えると剥離する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】 本発明の円板除塵機の側面より見た断面図である。
図2】 正面断面図に示すスクレーパーと円盤の関係図である。
図3】 熱分解槽の上面よりみた除塵機の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1ないし図3は本発明に関する実施を示す略図であって集塵機1の外壁に囲まれ軸は両側を軸受6で支え、その軸に集塵の役目の円盤2スペーサー7を交互に組み込み、それを1グループとして上下に奇数のグループに重設し円盤がスペーサー近くまで互いに入り組んでいる。
【0023】
最上部の1組のみスクレーパー軸5スクレーパー3を組みつけスクレーパーは除塵時以外円板間の隙間に納まり、除塵の時点で左右に可動する。円盤軸を可動させるとチェンホイルは互いに反対方向に回転し、最上部の除塵物が落下時に平均して下部の円盤を清掃する。
【符号の説明】
【0024】
集除塵機フレーム
円板
スクレーパー
円板軸
スクレーパー軸
円板軸受
スペーサー
熱分解槽蓋
供給口
10―1 集除塵機
10―2 集除塵機
10―3 集除塵機
12 ハッチ
13 撹拌機
図1
図2
図3