(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】可動型電磁気制御組職制御モジュールを備えるダイカスト装置
(51)【国際特許分類】
B22D 17/30 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B22D17/30 Z
(21)【出願番号】P 2021522482
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 KR2019013917
(87)【国際公開番号】W WO2020085775
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0128530
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0038128
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517435238
【氏名又は名称】フューチャーキャスト カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FUTURECAST CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】31-20,Seokpogongdan-gil,Jangan-myeon Hwaseong-si Gyeonggi-do 18574,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】パク,テ ユン
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-187566(JP,A)
【文献】特開2000-343198(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0052540(KR,A)
【文献】特開昭62-161450(JP,A)
【文献】特開平08-132209(JP,A)
【文献】特開昭63-207463(JP,A)
【文献】特開昭59-141358(JP,A)
【文献】特開昭57-014456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形空間が備えられる可動金型、及び前記可動金型と対応して溶融金属を収容し、溶融金属が注入されるスリーブを含
み、前記可動金型の下部に位置する下部固定金型を含み、前記可動金型と前記下部固定金型が接して溶融金属が成形物に鋳造されるダイカスト装置において、
前記スリーブを通じて注入される溶融金属を電磁気撹拌するように前記スリーブ周辺まで前記下部固定金型に貫通された形態に形成され、内部に電磁気撹拌装置が収容される少なくとも一つ以上の電磁気撹拌装置収容部
と、前記電磁気撹拌装置収容部に備えられる電磁気撹拌装置と、を含み、
前記電磁気撹拌装置収容部は、内部に設置された電磁気撹拌装置の引出及び移動ができるように一端が開放され、前記スリーブの中心軸に対して所定角度で下へ傾斜して斜線方向に形成され、前記スリーブを中心として円周方向に沿う放射状に備えられ、前記電磁気撹拌装置が加熱される場合、開放された下端を通じて前記電磁気撹拌装置を前記電磁気撹拌装置収容部の外部に引出及び移動させて電磁場を調節したり交換できるようにし、前記電磁気撹拌装置は、コイルが巻かれた金属芯体と、前記金属芯体を収納及び密封するケースとを含む可動型電磁気制御組職制御モジュールを備えるダイカスト装置。
【請求項2】
前記下部固定金型は、
前記可動金型に接する固定金型と、前記固定金型に連結され
、前記固定金型の下部に位置する下部定盤とを含む請求項1に記載の可動型電磁気制御組職制御モジュールを備えるダイカスト装置。
【請求項3】
前記電磁気撹拌装置の内部には冷媒または冷却油が流動する流路が備えられる請求項
1に記載の可動型電磁気制御組職制御モジュールを備えるダイカスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイカスト装置に関し、より詳しくは、外部に引出することができる可動型電磁気制御組職制御モジュールをスリーブに隣接するように備えるダイカスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカスト装置は可動金型と固定金型からなる金型と、金型内部と連結されて溶融金属の注入路を形成するスリーブとで構成される。可動金型と固定金型が互いに接すれば成形空間が構成され、プランジャーがスリーブ内の溶融金属を成形空間内に押して成形空間に押入することにより成形物を製造することができる。
【0003】
このようなダイカスト装置において電磁場を利用した組職制御のための方法としては、溶湯をスリーブ内に注入する過程で組職を制御する技術(韓国登録特許第10-0554093号公報、韓国登録特許第10-0436118号公報)、溶湯がスリーブ内に注入された後プランジャーによって移動されて金型キャビティの内部に射出される前に組職制御をするための金型スリーブで組職を制御する技術(韓国登録特許第10-0662034号公報)及び組職制御の空間を拡大するために固定ダイスプレートに組職制御モジュールを追加設置して組職を制御する技術(韓国登録特許第10-1253605号公報)などがある。
【0004】
一方、電磁場による組職制御は注入される合金の固液共存区間で固相が形成される過程で固相粒子を電磁場の撹拌で組職を微細化させることであるので、韓国登録特許第10-0554093号公報、韓国登録特許第10-0436118号公報に提示されたように、注入される溶湯が液相線以上の完全液相状態である場合、組職制御効果を極大化するには限界があった。その理由は固液共存区間では円滑な組職制御の効果を得ることができるが、溶湯の温度が液相線以上であるため、一定時間の遅延時間を以て組職制御をする必要があるという問題と、組職制御された後には溶湯の温度が固液共存区間に該当して温度が十分な流動性を有するには低い状態になり、この制御された溶湯がスリーブ内に注入される場合、低いスリーブ温度により溶湯の温度状態がより低くなってキャビティ内に射出する溶湯の作業温度を満足することができなくなる。
【0005】
また、韓国登録特許第10-0662034号公報に提示された技術のように、金型内に組職制御モジュールを挿入する場合、組職制御モジュールの位置を確保するために金型のスリーブ固定位置の大部分を取り除くので、金型を必要以上に大きくする必要があり、また電磁気撹拌器が定盤と金型によって全部囲まれる構造であるため溶融金属で発生する熱をそのまま受けるようになって電磁気撹拌器の寿命が短くなり、電磁場の強度が限定されて所望の電磁場を印加することが難しいことがある。
【0006】
また、スリーブを固定する周りの領域が電磁気撹拌器を挿入させるために除去されてスリーブ周辺の固定金型または定盤の支持力が減少されるためスリーブの形態安定性と寿命にも影響を与えるという問題が発生する可能性がある。
【0007】
また、韓国登録特許第10-1253605号公報の技術のように、組職制御の強度を増大するために、韓国登録特許第10-0662034号公報のように限定された空間が問題となって、追加的に固定ダイプレートに組職制御モジュールを設置するための空間を確保する方法もあるが、韓国登録特許第10-0662034号公報の場合と同じく、組職制御モジュールが熱をたくさん受ける装備の内部に設置される構造によってコイルモジュールの温度上昇に対する問題点を解決しなければならないという短所があり、組職制御モジュールの強度を増大させることも限定された空間により限界があり、溶湯注入を誘導するスリーブの確保にも非常に脆弱な問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した従来の問題点及び欠点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は溶融溶湯の組職制御のための電磁気撹拌装置の設置がダイカスト装置の空間を最適に活用して行われるようにすることにある。
【0009】
また、本発明は電磁気撹拌装置を設置した後、作動時に撹拌装置自体の冷却とともにスリーブ周辺冷却効果をもたらすようにするダイカスト装置を提供することにその目的がある。
【0010】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されなかったまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達するために、本発明は成形空間が備えられる可動金型及び前記可動金型と対応して溶融金属を収容し、溶融金属が注入されるスリーブを含む下部固定金型を含み、前記可動金型と前記下部固定金型が接して溶融金属が成形物に鋳造されるダイカスト装置において、前記スリーブを通じて注入される溶融金属を電磁気撹拌するように前記スリーブ周辺まで前記下部固定金型に貫通された形態に形成され、内部に電磁気撹拌装置が収容される少なくとも一つ以上の電磁気撹拌装置収容部を含む可動型電磁気制御組職制御モジュールを備えるダイカスト装置を提供する。
【0012】
ここで、前記下部固定金型は、前記可動金型に接する固定金型と、前記固定金型に連結される下部定盤とを含むことができる。
【0013】
また、前記電磁気撹拌装置収容部に設置される電磁気撹拌装置をさらに含むことができる。
【0014】
また、前記電磁気撹拌装置はコイルが巻かれた金属芯体と、前記金属芯体を囲むコイルと、前記金属芯体とコイルを収納及び密封するケースとを含むことができる。
【0015】
また、前記電磁気撹拌装置は前記電磁気撹拌装置の内部に冷媒または冷却油が流動するように前記金属芯体に流路が備えられることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例によるダイカスト装置は、電磁気撹拌装置の電磁場の大きさを調節するために作業者が状況に応じて電磁気撹拌装置自体を外部に引出させて電磁場を調節したり交換することができるという効果を奏する。それにより、電磁場の大きさが調節可能になる。
【0017】
また、電磁気撹拌装置の内部に備えられた流路を通じてダイカスト装置のスリーブ周辺温度を調節することができ、それによりスリーブの寿命と形態の安定性が向上されることができる。
【0018】
さらに、電磁気撹拌装置自体の温度調節が可能になるので、撹拌装置の寿命の向上はもちろん組職制御モジュールの温度上昇抑制を極大化することができる。
【0019】
また、引出方向で電磁場の強度を決めるコイルターン数及び直径を決めることによって磁場の強度を増大させながら金属芯体の断面積を減小することにより、スリーブ周りの電磁気コイル固定部位を確保するための下部定盤及び固定金型の加工部を最小化してスリーブ固定構造を増大させることができる。
【0020】
本発明の効果は上記言及した効果に制限されず、言及されなかったまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施例によるダイカスト装置の断面図である。
【
図2】電磁気撹拌装置が適用される状態を示した要部分解斜視図である。
【
図3】多層に形成された電磁気撹拌装置収容部が適用された状態を示した要部斜視図である。
【
図4】冷却流路が形成されたスリーブが適用された状態を示した要部斜視図である。
【
図5】電磁気撹拌装置が適用された状態を示す下部固定金型の要部断面図である。
【
図7】螺旋冷却流路が備えられた電磁気撹拌装置の斜視図である。
【
図8】固定金型に電磁気撹拌装置収容部が適用された状態を示したダイカスト装置の断面図である。
【
図9】下部定盤に電磁気撹拌装置収容部が適用された状態を示したダイカスト装置の断面図である。
【
図10】固定金型と下部定盤にそれぞれ電磁気撹拌装置収容部が適用された状態を示したダイカスト装置の断面図である。
【
図11】本発明の第2実施例によるダイカスト装置の断面図である。
【
図12】本発明の第3実施例によるダイカスト装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。以下に説明される実施例は当業者に本発明の思想が充分伝達されることができるようにするために例として提供されるものである。従って、本発明は以下で説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。そして、図面において、層及び領域の長さ、厚さなどは便宜のために誇張されて表現されることもできる。明細書全体にかけて同じ参照番号は同じ構成要素を現わす。
【0023】
図1は本発明の第1実施例によるダイカスト装置の断面図で、図示したように、本実施例によるダイカスト装置100は可動金型110と下部固定金型120とを含む。
【0024】
ここで、前記可動金型110は上部に別途の上下移動部材111が備えられて可動金型110を上下に移動させる。
【0025】
また、前記可動金型110と下部固定金型120が当接する部位には成形物が加工される成形空間Sが備えられる。
【0026】
また、前記下部固定金型120は前記成形空間Sに溶融金属が移動する通路となるスリーブ150を備える。前記スリーブ150は両端が開放された円形パイプからなって、前記下部固定金型120の中央部を垂直に貫通する形態で挿入されることが好ましい。
【0027】
前記スリーブ150の下側には前記スリーブ150に注入された溶融金属を前記成形空間Sに移動させるプランジャー170が備えられる。
【0028】
そして、前記スリーブ150の一側には溶融金属流入孔155が形成される。図示しなかったが、前記溶融金属流入孔155には溶融金属注入流路(図示しない)が連結され、前記溶融金属注入流路には成形に要求される一定量の溶融金属がスリーブ150に流入された後、前記溶融金属注入流路を遮断してスリーブ150の内側に溶融金属が過渡に流入されることを遮断するバルブ(図示しない)が備えられる。同時に前記バルブは前記プランジャーが上昇してスリーブ150の内側の圧力が上昇する時、前記スリーブ150の内側の溶融金属が溶融金属注入流路に沿って流出されることを防止する。
【0029】
一方、前記下部固定金型120は下部定盤121と前記下部定盤121の上側に設置される固定金型122とに分割構成されることができる。この場合、上部の固定金型122には金型スリーブ152が備えられ、下部の下部定盤121には機械スリーブ151が備えられる。前記金型スリーブ152と機械スリーブ151は全部両端が開放された円形パイプからなって前記固定金型122の中央部と下部定盤121の中央部を垂直に貫通する形態で互いに連通されるように挿入される。前記溶融金属流入孔155は前記固定金型122と機械スリーブ151の中の何れか一側に形成されることができ、両側に全部形成されてもよい。
【0030】
従って、前記可動金型110が固定金型122に向かって移動して固定金型122に接すれば成形空間Sが形成され、固定金型122内の金型スリーブ152と下部定盤121内の機械スリーブ151の内側に溶融金属が供給されると、前記金型スリーブ152と機械スリーブ151に収容された溶融金属を前記プランジャー230が前記成形空間に移動させてダイカスト成形を行う。
【0031】
そして、前記下部固定金型120には電磁気撹拌装置収容部123が備えられる。前記電磁気撹拌装置収容部123は後述する電磁気撹拌装置200を移動させるための通路で、下部固定金型120の外側から前記スリーブ150に接するように形成される。前記電磁気撹拌装置収容部123は単一または複数備えられることができる。
【0032】
一方、前記下部固定金型120が下部定盤121と前記下部定盤121の上側に設置される固定金型122とに分割形成された場合、前記電磁気撹拌装置収容部123は、
図1及び
図9に示したように、下部定盤121に形成されることもでき、
図8に示したように、固定金型122に形成されることもでき、
図10に示したように、下部定盤121と固定金型122の両方に全部形成されることもできる。
【0033】
以下、
図1及び
図9に示したように、前記電磁気撹拌装置収容部123が下部定盤121に形成された場合を例に挙げて説明する。
【0034】
前記電磁気撹拌装置収容部123は前記機械スリーブ151を中心として円周方向に沿う放射状に備えられることが好ましい。
【0035】
この場合、
図2に示したように、電磁気撹拌装置収容部123は適用しようとする製品の要求特性に合うように機械スリーブ151の断面中心で放射状に任意の円周角度を成しながら任意の数に形成されることができる。
【0036】
また、前記機械スリーブ151の円周方向に沿って均一な電磁気力が作用するように隣接した電磁気撹拌装置収容部123の円周角度は同一に構成されることが好ましい。
【0037】
ここで、
図3に示したように、前記機械スリーブ151の第1断面位置に形成された複数の電磁気撹拌装置収容部123グループと所定距離離れた位置に前記機械スリーブ151の他の位置にも電磁気撹拌装置収容部123を設置することもできる。即ち、前記機械スリーブ151の第1断面位置に形成された電磁気撹拌装置収容部123以外にも機械スリーブ151の第2断面位置または第3断面位置に複数の電磁気撹拌装置収容部123を追加設置して適用することもできる。
【0038】
数か所の機械スリーブ151の断面位置で電磁気撹拌装置収容部123を形成する場合、電磁気撹拌装置収容部123は機械スリーブ151上で高さを異なるようにしながら同一外周面に沿って同じ位置で正配列してもよく、また複数の電磁気撹拌装置収容部123の間に交互にジグザグに配列してもよい。
【0039】
一方、前記機械スリーブ151に電磁気撹拌装置収容部123を形成する時、前記機械スリーブ151の中心軸と垂直方向に形成することができ、所定角度で下へ傾斜したり上がった斜線方向に形成することができる。本実施例では所定角度で下方へ傾斜した電磁気撹拌装置収容部123を例に挙げて示した。
【0040】
前記電磁気撹拌装置収容部123に収納される電磁気撹拌装置200はコイルが巻かれた内部金属芯体232と、前記金属芯体232を収納するケース234とからなる。
【0041】
この場合、前記金属芯体232は長さ方向に沿って内部を貫通する少なくとも一つ以上の冷却流路201、202を備えることができる。前記冷却流路201、202には固定金型122内の電磁気撹拌装置200の温度を下げることができるようにする冷媒または冷却油が収容される。
【0042】
また、冷却油の引入及び引出が有利になるように前記冷却流路201、202は一つではない二つ以上が多様な形態で適用されることができる。
【0043】
また、前記冷却油は前記冷却流路201、202を通じて前記金属芯体232を循環するように設計変更も可能である。
【0044】
また、
図7に示したように、前記電磁気撹拌装置200は冷却効率を倍加させることができるように金属芯体232の外側面や前記ケース234の外側面を螺旋状に巻きながら循環する螺旋冷却流路203形態を成すこともできる。
【0045】
そして、
図4に示したように、前記機械スリーブ151の外周面に螺旋状のスリーブ冷却流路154が形成されることもできる。この場合、前記スリーブ冷却流路154は前記電磁気撹拌装置200の冷却流路201、202と連通されて前記冷却流路201、202を流動する冷却油の移動通路となる。この場合、前記冷却油が機械スリーブ151の外周面に沿って循環するようになるので、スリーブ周辺の冷却効率を極大化することができる。
【0046】
図示しなかったが、前記スリーブ冷却流路154は金型スリーブ152にも備えられることができることは勿論である。
【0047】
また、電磁気撹拌の効果を極大化させるために、前記固定金型122と下部定盤121との間に別途の拡張固定金型と前記拡張固定金型の中央部を貫通する拡張固定スリーブが備えられることができ、前記電磁気撹拌装置200も前記拡張固定スリーブに隣接するように追加設置されることができる。
【0048】
このように構成された前記電磁気撹拌装置200は電源と連結されて電磁場を形成することにより周辺に電磁気撹拌を誘発して溶融金属の撹拌を誘導するようになり、それにより溶融金属の組職を制御することができる。前記電磁気撹拌装置200は電磁場を形成するための電源とそれぞれ連結されることができる。
【0049】
また、前記電磁気撹拌装置200は電磁気撹拌装置収容部123を通じて機械スリーブ151の隣接部位側に移動させながら挿入することができ、下部定盤121の外部に引出させることもできる。
【0050】
従って、高温の溶融金属によって電磁気撹拌装置200が加熱されたり電磁場によって発生された熱によって電磁気撹拌装置200が加熱される場合、電磁気撹拌装置200を外部に引出させて空冷させるか冷却油を循環させて冷却させることにより電磁気撹拌装置200の寿命を向上させることもできる。このような過程を通じてスリーブ150が影響される熱を減少させてスリーブ150の健全性も保持させることができる。
【0051】
図11は本発明の第2実施例によるダイカスト装置100の断面図で、前記下部定盤124は固定金型122が設置される固定本体部124aとスリーブ150を中心として回転する回転部124bとで分割構成されることができる。
【0052】
前記回転部124bは電磁気撹拌装置収容部123を含む円形ブロック形態を成し、前記固定本体部124aの内側に収容される。前記スリーブ150は回転部124bの中央に挿入される。
【0053】
また、前記固定本体部124aにはモーター350が設置され、前記モーター350の回転軸333と前記回転部124bの外周面には噛み合って回転する第1ギア310と第2ギア320が設置される。前記第1ギア310は回転部124bの外周面に設置され、前記第2ギア320は前記モーター350の回転軸333に前記第1ギア310と噛み合うように設置される。
【0054】
また、前記固定本体部124aと回転部124bとの間にはベアリングが備えられて回転部124bの円滑な回転に役に立つ。
【0055】
従って、スリーブ150の内部に溶融金属が流入されると、前記モーター350が動作し、前記モーター350の回転力が第1ギア310と第2ギア320を通じて回転部124bに伝達されながら前記回転部124bがスリーブ150を中心として回転するようになる。
【0056】
前記回転部124bが回転すると、回転部124bに備えられた電磁気撹拌装置収容部123及び電磁気撹拌装置200がスリーブ150を中心としてともに回転するようになるので、スリーブ150の外周面の全区間に対して撹拌誘導が効果的に行われながら品質の高いダイカスト成形物を得ることができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野において熟練された当業者は特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明に対して多様に修正及び変更することができることを理解すべきである。
【0058】
例えば、
図12のように、前記固定金型122が上部金型122aと下部定盤121の上側に固定設置される下部金型122bとからなり、その後、前記下部金型122bに前記電磁気撹拌装置収容部123が適用されるようにしたり、この場合にも前記上部金型122aまたは下部定盤121に前記電磁気撹拌装置収容部123が適用されるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0059】
100:ダイカスト装置
110:可動金型
120:下部固定金型
121:下部定盤
122:固定金型
123:電磁気撹拌装置収容部
150:スリーブ
200:電磁気撹拌装置
201、202:冷却流路
232:金属芯体
234:ケース