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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】成型装置及び成型方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20240219BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20240219BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C44/00 D
B29C45/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023016019
(22)【出願日】2023-02-06
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】17/818,425
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】イェー、リャン-ホイ
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-326377(JP,A)
【文献】特開2017-209904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/26
B29C 44/00
B29C 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型と、
前記上型に対向して配置される下型と、
前記上型と前記下型の間に配置され、前記下型に可動的に取り付けられる中間型と、
前記中間型に取り付けられ、かつ前記上型と前記下型に対して前記中間型を移動させるように構成された位置制御機構と、
前記上型と、前記中間型と、前記下型により画定される金型キャビティに隣接して配置された気体排出機構とを含む成型装置であって、
前記気体排出機構は、気体管路と、前記気体管路及び前記金型キャビティに連通可能なスリットとを含み、前記スリットは、前記成型装置が閉鎖構成にあるとき、前記上型と前記下型により共同で画定される、ことを特徴とする、成型装置。
【請求項2】
前記位置制御機構が前記中間型の第1端に取り付けられ、かつ、前記位置制御機構が前記中間型に連接される棒部材と、前記棒部材の移動を制御する付勢部材とを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項3】
さらに、前記中間型に取り付けられ、かつ前記中間型を前記下型に対して傾斜させるように構成された傾斜機構を含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項4】
前記中間型が、第1端と、前記第1端の反対側における第2端とを含み、前記傾斜機構が前記中間型の前記第1端に取り付けられ、かつ前記第2端が前記第1端より高くなるように前記中間型を傾斜させるように構成される、ことを特徴とする、請求項3に記載の成型装置。
【請求項5】
前記スリットが、前記下型の上面から凹陥されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の成型装置。
【請求項6】
下型と、前記下型の間に可動的に取り付けられる中間型とを提供する工程と、
上型を前記下型と係合することにより収容空間を画定し、前記中間型が前記収容空間内に配置され、前記上型、前記中間型、前記下型が共同で第1金型キャビティを画定する工程と、
成型材料を前記第1金型キャビティ内に注入し、前記中間型を少なくとも部分的に取り囲んで前記第1金型キャビティ内で成形品を成型する工程と、
前記第1金型キャビティ内での前記成形品の形成中または形成後、前記第1金型キャビティに隣接する気体排出機構のスリットを介して、少なくとも一部の気体を前記第1金型キャビティから排出する工程と、
前記上型を前記下型から離脱させる工程と、
前記中間型と前記成形品を前記下型から持ち上げ、前記成形品を前記中間型により保持する工程と、
前記成形品を前記中間型から離型する工程と、を含む、ことを特徴とする、成型方法。
【請求項7】
前記成形品が前記第1金型キャビティ内で形成された後、
前記上型と前記下型を分離して第2金型キャビティを形成する工程と、
前記第2金型キャビティから少なくとも一部の気体を排出する工程と、さらに含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の成型方法。
【請求項8】
さらに、前記中間型と前記成形品を前記下型に対して傾斜させる工程を含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の成型方法。
【請求項9】
前記中間型が、第1端と、前記第1端の反対側における第2端と、を含み、前記中間型を傾斜させたとき、前記第1端が前記第2端より低くなる、ことを特徴とする、請求項6に記載の成型方法。
【請求項10】
さらに、前記成形品の形成後または形成中に、前記第1金型キャビティと気体管路の間の前記スリットを介して、少なくとも一部の気体を前記第1金型キャビティから前記気体排出機構の前記気体管路に排出する工程を含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年8月9日に出願された米国特許出願第17/818425号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、成型装置及び成型方法に関し、特に、射出成型または押出成型での使用に適した成型装置及び成型方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡ポリマー成形品は、高強度、軽量、耐衝撃性、良好な遮音性と断熱性等、多くの利点を有している。発泡ポリマー成形品は、射出成型または押出成型により所定の形状を有する成形品とすることができる。例えば、高分子材料を溶融し、押出システムで発泡剤と混合して混合物を形成した後、混合物を成型装置に注入または押出し、所望の発泡ポリマー成形品を形成することができる。混合物の組成を変えたり、成型方法を調整したりすることにより、発泡ポリマー成形品の特性や用途を変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、成型装置及び成型方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施態様によれば、成型装置が開示される。成型装置は、上型と、上型に対向して配置される下型と、上型と下型の間に配置され、下型に可動的に取り付けられる中間型を含む。成型装置はさらに、中間型に取り付けられ、中間型を上型及び下型に相対して移動させるように構成された位置制御機構と、上型、中型及び下型によって画定される金型キャビティに隣接して配置された気体排出機構とを含む。気体排出機構は、気体管路と、金型キャビティ及び気体管路と連通し、成型装置が閉鎖構成にあるときに上型及び下型により共同で画定されるスリットと、を含む。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、成型方法が開示される。成型方法は、下型と、下型に可動的に取り付けられる中間型を提供する工程と、上型を下型と係合することにより収容空間を画定するとともに、中間型を収容空間内に配置し、そのうち、上型、中間型、下型が共同で第1金型キャビティを画定する工程と、第1金型キャビティに成型材料を注入し、少なくとも部分的に中間型を取り囲み、第1金型キャビティ内で成形品を形成する工程と、を含む。成型方法はさらに、第1金型キャビティにおける成形品の形成後または形成中に、第1金型キャビティに隣接する気体排出機構のスリットを介して第1金型キャビティから気体の少なくとも一部を排出する工程と、上型を下型から離脱させる工程と、成形品を中間型から離型する工程と、を含む。
【0007】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施態様に基づく成型方法を示すフローチャートである。
図2A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図2B図2Aの成型装置の側面図である。
図3A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図3B図3Aの成型装置の側面図である。
図4A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図4B図4Aの成型装置の側面図である。
図5】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図6A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図6B図6Aの成型装置の側面図である。
図6C】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図7】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図8A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図8B図8Aの成型装置の側面図である。
図9A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図9B図9Aの成型装置の側面図である。
図10】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図11】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図12】本発明の一部の実施態様に基づく成形品の概略斜視図である。
図13A】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の概略斜視図である。
図13B図13Aの成型装置の側面図である。
図14】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図15】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図16】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図17】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図18】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図19】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図20】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法の1以上の製造段階における成型装置の側面図である。
図21】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法を示すフローチャートである。
図22】本発明の一部の実施態様に基づく成型方法で使用される押出システムの概略図である。
図23】本発明の一実施態様に基づく図22中の破線で囲まれた押出システムの部分を示す拡大図である。
図24】本発明の一実施態様による混合物中の発泡剤量と最短距離の関係を示すグラフである。
図25】本発明の一実施態様による発泡剤と高分子材料の比率と混合ローターの直径に対する最短距離の比率の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0010】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatially relative term)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述子はそれに応じて解釈されるべきである。
【0011】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の比率などについてのすべての数値的範囲、数量、値、比率は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0012】
一般に、発泡ポリマー成形品の外観および物理的性質は、成型工程により直接影響を受けるため、金型の設計においては、混合物が金型キャビティ内で均一かつ迅速に分布し、混合物中の気泡孔の分布密度が高く均一になるようにして、本来の物理的性質を保持できるように、金型キャビティ内に混合物を注入した後の気体の排出を考慮する必要がある。
【0013】
図1は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100を示すフローチャートである。一部の実施態様において、方法100は、図12に示す成形品60を製造するためのものである。本発明の概念および方法100を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。さらに、図1に示す工程の前、間、後に、追加の工程が提供されてもよい。また、以下に説明する工程の一部は、方法100の他の実施態様において置き換えられるか、または排除されてもよい。工程の順序は、交換可能であってもよい。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様において繰り返し用いられ、図2から12は、本発明の一実施態様に基づく、例えば図1に示される成型方法の例示的な運用を示す概略図である。
【0014】
図2Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程101における成型装置200の概略斜視図である。図2B図2Aの成型装置200の側面図である。一部の実施態様において、成型装置200が提供される。一部の実施態様において、成型装置200は、上型20と、下型30と、中間型40と、位置制御機構50と、傾斜機構70と、気体排出機構19とを含む。図2A図2Bに示すように、一部の実施態様において、工程101では、下型30と、下型30に可動的に取り付けられた中間型40が提供される。
【0015】
一部の実施態様において、上型20は、下型30に対向して配置される。上型20は下型30上に配置され、下型30と係合することができる。一部の実施態様において、上型20と下型30は相補的に構成され、かつ相互に分離可能である。上型20は、寸法、形状などいくつかの構成において下型30に対応している。一部の実施態様において、上型20と下型30は、図4A図4Bに示す第1金型キャビティを画定するために、相補的に構成されている。一部の実施態様において、工程101の間において、上型20と下型30は分離されている。図2A図2Bに示す実施態様において、成型装置200は開放構成にある。
【0016】
一部の実施態様において、成型装置200の提供は、下型30を上型20に向かって搬送することを含む。それにより、下型30が後続の工程のために上型20の下に配置される。一部の実施態様において、上型20は下型30と位置合わせされる。
【0017】
図2A図2Bに示すように、一部の実施態様において、上型20は、上面21と、上面21と反対側の下面22とを有する。一部の実施態様において、上型20は、上型キャビティ23と、供給ポート24を画定する。一部の実施態様において、上型20の下面22は、下型30及び中間型40と対向している。一部の実施態様において、上型20の上型キャビティ23は、上型20の下面22から凹陥されている。上型20の上型キャビティ23の構成(例えば、寸法または形状)は、中間型40の構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。一部の実施態様において、上型20の上型キャビティ23は、第1内側表面231と、第2内側表面232とを含む。一部の実施態様において、第2内側表面232は、第1内側表面231と上型20の下面22の間に延伸される。一部の実施態様において、第1内側表面231と第2内側表面232は、中間型40の形に沿わせる。
【0018】
一部の実施態様において、供給ポート24は、上型20を貫通して延伸される。供給ポート24は、上型20の上面21上に配置された開口部241を有する。一部の実施態様において、供給ポート24は、成型装置200が図4A図4Bに示すように閉鎖構成にあるとき、上型20の上型キャビティ23または第1金型キャビティ14と連通される。あるいは、一部の実施態様において、上型20の上型キャビティ23は、供給ポート24を介してアクセス可能である。簡易性と明確性のため、1つの供給ポート24のみが図示されているが、上型20には任意の適切な数の供給ポート24を構成できると理解されてもよい。一部の実施態様において、供給ポート24の数は、上型20の上型キャビティ23の数と同じである。一部の実施態様において、上型20の上型キャビティ23の数は、供給ポート24の数よりも多い。一部の実施態様において、供給ポート24の数は、上型20の上型キャビティ23の数よりも多い。
【0019】
一部の実施態様において、上型20に供給ポート24を構成する代わりに、成型装置200が図4A図4Bに示すように閉鎖構成にあるとき、下型30の下型キャビティ33または第1金型キャビティ14にアクセスするために、下型30に供給ポート24が配置される。一部の実施態様において、供給ポート24は、成型装置200が図4A図4Bに示すように閉鎖構成にあるとき、供給ポート24が第1金型キャビティ14と連通される限り、下型30の側壁35、下型30の下面32、または任意の適した位置に構成される。
【0020】
図2A図2Bに示すように、一部の実施態様において、下型30は、上型20の下に配置される。下型30は、上面31と、上面31の反対側における下面32を含み、下型キャビティ33と穴構造34を画定する。一部の実施態様において、下型30の上面31は、上型20及び中間型40と対向している。下型30の下型キャビティ33は、下型30の上面31から凹陥されている。下型30の下型キャビティ33の構成(例えば、寸法または形状)は、中間型40の下面の構成(例えば、寸法または形状)に対応している。一部の実施態様において、下型30の下型キャビティ33は、中間型40の真下に配置される。下型30の下型キャビティ33は、成型装置200が図4A図4Bに示すように閉鎖構成にあるとき、第1金型キャビティ14の一部であってもよい。
【0021】
図2A図2Bに示すように、一部の実施態様において、穴構造34は、下型30の下型キャビティ33に隣接して下型30内に配置される。したがって、穴構造34は下型30の下型キャビティ33と連通されなくてもよい。一部の実施態様において、下型30の下型キャビティ33は、穴構造34を介してアクセス可能でなくてもよい。一部の実施態様において、穴構造34は下型30を貫通して延伸されていても、されていなくてもよい。
【0022】
一部の実施態様において、穴構造34は、相互に連通された第1穴341と第2穴342とを含む。第1穴341は、下型30の上面31上に開口部を有する。第2穴342は、第1穴341の下に配置される。一部の実施態様において、第2穴342の大きさ(例えば、幅または直径)は、第1穴341の大きさ(例えば、幅または直径)より小さく、段差構造343を形成している。一部の実施態様において、第2穴342の大きさは、第1穴341の大きさより小さい。一部の実施態様において、穴構造34はさらに、第1穴341と第2穴342に隣接して配置された第3穴344を含む。第3穴344は、第1穴341及び第2穴342と連通されなくてもよい。
【0023】
簡易性と明確性のため、第1穴341と第2穴342、第3穴344のみが図示されているが、下型30には任意の適切な数の穴を構成できると理解されてもよい。一部の実施態様において、穴構造34は、位置制御機構50の一部と、傾斜機構70の少なくとも一部を受け入れるために用いられてもよい。したがって、穴の数は、位置制御機構50の数及び傾斜機構70の数と等しくてもよい。位置制御機構50の数は、2つまたは3つとしてもよく、これにより、上型20から位置制御機構50及び中間型40に加えられる下方への押圧力をバランスよく、または均一に支持することができる。
【0024】
一部の実施態様において、気体排出機構19が第1金型キャビティ14に隣接して配置される。一部の実施態様において、気体排出機構19は、上型20または下型30内に配置される。一部の実施態様において、気体排出機構19は、下型キャビティ33に隣接して配置され、かつ下型30内に延伸された気体管路192と、成型装置200が図4A図4Bに示すように閉鎖構成にあるとき、上型20と下型30によって共同で画定されるスリット191とを含み、スリット191は、第1金型キャビティ14及び気体管路192と連通している。一部の実施態様において、スリット191は、気体管路192と下型キャビティ33の間に配置される。スリット191の一端が下型キャビティ33に結合され、他端が気体管路192に結合される。一部の実施態様において、スリット191は、下型30の上面31から凹陥されている。一部の実施態様において、スリット191の高さは、気体管路192の直径より小さい。一部の実施態様において、スリット191の高さは、0.01mmより大きく、0.5mmより小さい。一部の実施態様において、スリット191の高さは、0.01mmより大きく、0.2mmより小さい。一部の実施態様において、スリット191の幅は、3mm以上20mm以下の範囲である。一部の実施態様において、スリット191のサイズ及び形状は、気体または流体のみがスリット191に流入でき、固体及び液体はスリット191に流入できない構成である。
【0025】
一部の実施態様において、気体管路192の一端は、スリット191と連通し、その他端は下型30上に形成され、かつ外部環境と連通する開口部を含む。一部の実施態様において、気体管路192は、下型キャビティ33と下型30の側壁35の間、または下型キャビティ33と下型30の下面32の間に配置される。
【0026】
一部の実施態様において、気体排出機構19は、下型キャビティ33を囲み、互いに間隔を空けて配置された複数の気体管路192と、下型キャビティ33及び対応する気体管路192と連通する複数のスリット191を含む。複数の気体管路192の数及び位置は特に限定されず、例えば、下型キャビティ33と下型30の側壁35の間及び(または)下型キャビティ33と下型30の下面32の間に配置することができる。しかしながら、本発明はそれらに限らない。
【0027】
一部の実施態様において、中間型40は、上型20と下型30との間に配置され、下型30に可動的に取り付けられる。一部の実施態様において、中間型40は、下型30に可動的に取り付けられ、かつ位置制御機構50及び(または)傾斜機構70の動作により、上型20と下型30の間で移動可能である。
【0028】
一部の実施態様において、位置制御機構50が中間型40を駆動または作動させ、上型20と下型30の間で移動させる。中間型4の最大変位量は、位置制御機構50により制限されると理解されてもよい。一部の実施態様において、中間型40と下型30との間の間隙G1または距離は、位置制御機構50によって制御される。
【0029】
一部の実施態様において、中間型40は、本体部41と、靴型42を含んでもよい。一部の実施態様において、本体部41は、靴型42の後端部に接続される。一部の実施態様において、本体部41と靴型42は、一体型構造物として一体的に形成されてもよい。一部の実施態様において、本体部41は、上面411と、上面411の反対側における下面412とを有する。一部の実施態様において、靴型42は、上面421と、上面421の反対側における下面422と、上面421と下面422の間に延在する外表面423とを有する。一部の実施態様において、靴型42は、外表面423から凹陥された少なくとも1つの凹部43を画定する。一部の実施態様において、中間型40の凹部43は、図4A図4Bに示すように成型装置200が閉鎖構成にあるとき、第1金型キャビティ14の一部である。一部の実施態様において、複数の凹部43は、相互に連通され、かつ靴型42の下面422まで延伸される。一部の実施態様において、靴型42はさらに、靴型42の下面422から凹陥された少なくとも1つの下面凹部(図示しない)を画定する。一部の実施態様において、中間型40は、本体部41に近く、靴型42から離れた第1端47と、第1端47に対しては反対側である第2端48とを含む。中間型40の第2端48は、靴型42に近く、本体部41から離れている。一部の実施態様において、中間型40の第2端48は、靴型42を含む。
【0030】
一部の実施態様において、靴型42の上面421は、本体部41の上面411と実質的に揃っている、または共平面である。一部の実施態様において、中間型40の上面は、靴型42の上面421と本体部41の上面411を含む。同様に、一部の実施態様において、靴型42の下面422は、本体部41の下面412と実質的に揃っている、または共平面である。一部の実施態様において、中間型4の下面は、靴型42の下面422と本体部41の下面412を含んでもよい。その結果、一部の実施態様において、靴型42の最大厚さは、本体部41の最大厚さ及び中間型40の最大厚さに実質的に等しくてもよい。
【0031】
一部の実施態様において、位置制御機構50は、中間型40の本体部41の下面412に接続され、または取り付けられる。一部の実施態様において、位置制御機構50は、中間型40を上に向かって駆動または作動させ、成型装置200が開放構成にあるとき、下型30の上面31と中間型40の本体部41の下面412の間に間隙G1を生成するように構成される。一部の実施態様において、位置制御機構50は、中間型40と下型30間の相対的に移動をするように構成される。図2A図2Bに示すように、成型装置200が開放構成にあるとき、間隙G1が最大値に達する。一部の実施態様において、間隙G1は、45mm以上150mm以下の範囲である。
【0032】
一部の実施態様において、位置制御機構50の一部は、下型30の穴構造34内に受け入れられる。一部の実施態様において、位置制御機構50の一部は、下型30の第1穴341と第2穴342に受け入れられる。一部の実施態様において、成型装置200が閉鎖構成にあるとき、位置制御機構50全体が下型30の穴構造34内に受け入れられ、本体部41の下面412が下型30の上面31に接触する。
【0033】
一部の実施態様において、位置制御機構50は、棒部材51と、付勢部材52を含む。棒部材51は、ピン、支柱、ポスト、または柱状体であってよく、中間型40の移動方向を案内するために使用されてもよい。一部の実施態様において、棒部材51の上端は、中間型40の本体部41の下面412に接続または取り付けられ、棒部材51の下端は、穴構造34の第1穴341と第2穴342を通って延在される。付勢部材52は、棒部材51の動きを制御する、または棒部材51を駆動するように構成される。付勢部材52は、棒部材51を取り囲むバネまたは弾性体であってもよい。一部の実施態様において、付勢部材52の上端は、中間型40の本体部41の下面412に接続または取り付けられ、付勢部材52の下端は、下型30の穴構造34の段差構造343に接続または取り付けられる。中間型40に下向きの力を加えて中間型40を下方に移動させて付勢部材52を押すように駆動すると、押された付勢部材52に弾性位置エネルギーが蓄積される。下向きの力が解放されると、弾性位置エネルギーによって、中間型40を上方に移動させる。位置制御機構50は、圧縮段階と弾性回復段階とを有するピストンまたは他の適切な機構であってもよい。一部の実施態様において、付勢部材52を省略し、棒部材51の下端が適当なアクチュエータに接続される。これにより、棒部材51の移動が弾性位置エネルギーにより制御されないようにしてもよい。
【0034】
一部の実施態様において、中間型40は、下型30及び位置制御機構50から着脱可能である。成形品60(図12示す)の大きさまたは外観は、中間型40の大きさまたは外観に対応してもよい。したがって、異なるサイズまたは異なる外観を有する異なる成形品60を製造するために、成型装置200に異なるサイズまたは異なる外観を有する異なる中間型40を採用してもよい。中間型40が変更された場合、下型30の下型キャビティ33と上型20の上型キャビティ23もそれに応じて変更されてもよい。
【0035】
一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40に取り付けられ、中間型40を下型30に対して傾斜させるように構成される。一部の実施態様において、傾斜機構70は、位置制御機構50に隣接して配置される。一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40の第1端47に取り付けられる。一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40の本体部41の下面412に接続または取り付けられる。一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40を下型30に対して傾斜させ、中間型40の第2端48を中間型40の第1端47より高い位置まで移動させるように構成される。中間型40は、成型装置200が開放構成にあるときに傾斜させることができ、成型装置200が閉鎖構成であるとき、中間型40は傾斜させることができない。中間型40は、中間型40と下型30間の間隙G1がゼロ以上であるとき、傾斜機構70によって傾斜されてもよい。一部の実施態様において、中間型40が傾斜される前、靴型42の下面422は、下型30の上面31と平行である。一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40と下型30間の相対的傾斜を与えるように構成される。一部の実施態様において、中間型40が傾斜されたとき(図10に示す)、靴型42の下面422と、下型30の上面31のなす角がσ(以下角度σとも呼ぶ)となる。一部の実施態様において、角度σは、0~90度の範囲である。一部の実施態様において、角度σは、20~70度の範囲である。
【0036】
一部の実施態様において、傾斜機構70の一部は、下型30の穴構造34内に受け入れられる。一部の実施態様において、傾斜機構70の一部は、下型30の第3穴344内に受け入れられる。一部の実施態様において、成型装置200が閉鎖構成にあるとき、傾斜機構70全体が下型30の穴構造34内に受け入れられる。
【0037】
一部の実施態様において、傾斜機構70は、中間型40を回動させるための支点(fulcrum)71を含む。中間型40は、支点71を軸として回転できる、下型30に対して中間型40を傾斜させることができる。一部の実施態様において、支点71は、第3穴344内に配置された棒部材72に取り付けられる。
【0038】
棒部材72は、ピン、支柱、ポスト、または柱状体であってよく、中間型40と共に支点71を移動させるために使用されてもよい。一部の実施態様において、棒部材72は、位置制御機構50の棒部材51に隣接して配置される。一部の実施態様において、棒部材72の上端は、中間型40の本体部41の下面412に接続または取り付けられ、棒部材72の下端は、穴構造34の第3穴344を通って延在される。位置制御機構50が中間型40を上に向かって移動するように駆動または作動させ、下型30の上面31と中間型4の本体部41の下面412の間に間隙G1が生じると、支点71と棒部材72が上方へ移動する。一部の実施態様において、支点71の位置は、位置制御機構50により制御される。
【0039】
図3Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型装置200の概略斜視図である。図3B図3Aの成型装置200の側面図である。図3A図3Bに示すように、上型20と下型30間の距離が徐々に減少される。図3A図3Bに示すように、上型20と下型30間に相対移動が発生する。一部の実施態様において、上型20の位置が固定され、下型30と中間型40が上型20に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30と中間型40の位置が固定され、上型20が下型30と中間型40に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30と上型20が相互に向かって移動される。図3A図3Bに示す段階において、中間型40は上型キャビティ23に収容され、下型キャビティ33内にはまだ配置されていない。つまり、下型30が上型20を収容する前に、中間型40が上型20を収容する。一部の実施態様において、図3A図3Bに示す段階で、上型20の第1内側表面231が、中間型4の上面(靴型42の上面421と本体部41の上面411とを含む)に接触する。上型20の第2内側表面232は、中間型40の外表面423に接触する。一部の実施態様において、図3A図3Bに示す段階で、中間型40の下面(靴型42の下面422と、本体部41の下面412とを含む)は、上型20の下面22と実質的に共平面である。一方、下型30の上面31と中間型40の下面間の間隙G1は変化していなかった。一部の実施態様において、図3A図3Bに示す段階で、間隙G1はその最大値に達する。
【0040】
図4Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程102における成型装置200の概略斜視図である。図4Bは図Aの成型装置200の側面図である。図4A図4Bに示すように、一部の実施態様において、工程102では、上型20が下型30と係合して収容空間12を共同で画定し、中間型40が収容空間12内に配置される。一部の実施態様において、上型20、中間型40、下型30が、共同で第1金型キャビティ14を画定する。一部の実施態様において、上型20と下型30間の相対移動は、上型20と下型30間の距離がゼロに減少するまで継続する。一部の実施態様において、上型20の位置が固定され、中間型40が上型20に収容され、下型30が上型20に向かって移動する。一部の実施態様において、下型30の位置が固定され、上型20と中間型40が下型30に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30と上型20が相互に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30の上面31が中間型40の下面と接触している。一部の実施態様において、下型30の上面31と中間型40の下面間の間隙G1がゼロに減少される。上型20が中間型40に下向きの力を加え、中間型40を下方に移動させて付勢部材52を押圧する。一部の実施態様において、成型装置200が閉鎖構成にあるとき、押された付勢部材52に弾性位置エネルギーが蓄積される。
【0041】
図4A図4Bに示すように、成型装置200は閉鎖構成にあり、上型20が下型30と係合されている。一部の実施態様において、中間型40は全体が収容空間12内に配置され、収容される。一部の実施態様において、上型20、中間型40、下型30が、共同で第1金型キャビティ14を画定する。第1金型キャビティ14は、成型材料(図示せず)を収容し、所定の形状を有する成形品60に成型材料を成型するように構成される。上型20の供給ポート24は、第1金型キャビティ14に連通される。
【0042】
一部の実施態様において、方法100はさらに、成型材料を生成するように構成された押出システム10を提供する工程と、押出システム10と連通可能であり、押出システム10から遠位に配置され、成型材料を吐出するように構成された吐出口10bを含む吐出チャネル10aを提供する工程とを含む。一部の実施態様において、成型装置200の供給ポート24は、吐出口10bに対応して係合可能である。一部の実施態様において、供給ポート24の開口部241は、吐出チャネル10aと係合される。一部の実施態様において、押出システム10と吐出チャネル10aは、成型装置200の供給ポート24に隣接して配置される。成型装置200は、吐出チャネル10aの吐出口10bから成型材料を受け取るように構成される。一部の実施態様において、吐出チャネル10aは、成型装置200に進入し、または成型装置200から後退することが可能である。一部の実施態様において、吐出チャネル10aと吐出口10bは、上面視で供給ポート24と重なり合う。
【0043】
一部の実施態様において、成型材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)または類似した高分子材料を含む。一部の実施態様において、成型材料は、リサイクル可能な材料を含む。一部の実施態様において、成型材料はさらに、発泡剤を含む。一部の実施態様において、発泡剤は、当業者に知られた任意の種類の化学または物理発泡剤とすることができる。一部の実施態様において、発泡剤は超臨界流体である。超臨界流体は、超臨界状態の二酸化炭素や窒素などの不活性ガスを含んでいてもよい。高分子材料と発泡剤の混合の技術的詳細は従来技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0044】
一部の実施態様において、図4A図4Bに示すように、第1金型キャビティ14は、相互に連通された第1部分141と第2部分142とを含む。一部の実施態様において、第1部分141は、上型20の第2内側表面232と靴型42の凹部43の側壁により画定される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14の第1部分141は、靴型42の凹部43と実質的に同じである。一部の実施態様において、第2部分142は、下型30の下型キャビティ33の側壁と、中間型40の下面(靴型42の下面422と、本体部41の下面412とを含む)と、上型20の下面22により画定される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14の第2部分142は、下型30の下型キャビティ33と実質的に同じである。
【0045】
図5は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程103における成型装置の側面図である。一部の実施態様において、図5に示すように、方法100はさらに、上型20、中間型40、下型30をプラットフォーム196の上方に配置する工程を含み、そのうち、プラットフォーム196が、プラットフォーム196を貫通して延伸された第1開口部196aを含む。プラットフォーム196は、成型装置200を配置するように構成される。
【0046】
一部の実施態様において、押出システム10は第1開口部196aの上方に配置される。一部の実施態様において、吐出チャネル10aと吐出口10bは、上面視で第1開口部196aと重なり合う。一部の実施態様において、チャンバ196bがプラットフォーム196の下方に配置される。プラットフォーム196と吐出口10bは、チャンバ196bの上方に配置される。一部の実施態様において、成型装置200は、押出システム10とプラットフォーム196の間に配置される。
【0047】
一部の実施態様において、プランジャー197は、ベース部197aとロッド197bとを含む。プランジャー197は、プラットフォーム196の上方に配置された成型装置200に押込力を提供するように構成される。一部の実施態様において、プランジャー197は油圧プランジャーである。一部の実施態様において、ロッド197bは、第1開口部196aを通過して成型装置200に向かって延伸可能であり、かつベース部197aに向かって収縮可能である。一部の実施態様において、ロッド197bは垂直に移動可能である。一部の実施態様において、プランジャー197は約30Nから80Nの範囲で押込力を提供することができる。一部の実施態様において、押込力は約50Nである。
【0048】
一部の実施態様において、プランジャー197は、プラットフォーム196に対して移動可能である。一部の実施態様において、プランジャー197は、チャンバ196bから分離されており、かつチャンバ196b内へ移動可能である。一部の実施態様において、プランジャー197は移動可能ではなく、初めにチャンバ196b内に固定される。一部の実施態様において、プランジャー197はプラットフォーム196下方に固定して配置され、ロッド197bは第1開口部196aに垂直に整列される。一部の実施態様において、プランジャー197は、初めにチャンバ196b内に固定される。一部の実施態様において、図3に示すように、プランジャー197は収縮構成である。
【0049】
一部の実施態様において、下型30はさらに、プランジャー197の少なくとも一部を受け入れるように構成された第2開口部36を含む。一部の実施態様において、第2開口部36は、上面視で第1開口部196aと重なり合う。一部の実施態様において、プラットフォーム196の上に成型装置200を配置した後、第1開口部196aと第2開口部36とを含む通路196cが形成される。一部の実施態様において、通路196cは、プラットフォーム196を貫通して延伸される。一部の実施態様において、供給ポート24は、上面視で通路196cと重なり合う。
【0050】
図6Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程105における成型装置200の概略斜視図である。図6B図6Aの成型装置200の側面図である。図6A図6Bに示すように、一部の実施態様において、工程105では、成型材料60aが第1金型キャビティ14内に注入され、少なくとも部分的に中間型40を取り囲み、第1金型キャビティ14内で成形品60が形成される。
【0051】
一部の実施態様において、成型材料60aは、供給ポート24の開口部241を介して第1金型キャビティ14内に注入される。一部の実施態様において、成型装置200が閉鎖構成にあるとき、または上型20と下型30が相互に係合されているとき、成型材料60aを第1金型キャビティ14内に注入される。一部の実施態様において、成型材料60aは、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン-チレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)または類似した高分子材料を含む。一部の実施態様において、成型材料60aはさらに、発泡剤を含む。一部の実施態様において、成型材料60aは、発泡性材料または低発泡性材料であってもよい。一部の実施態様において、成型材料60aは、リサイクル可能な材料を含む。一部の実施態様において、成型材料60aは、非発泡性材料であってもよい。一部の実施態様において、成型材料60aは、第1金型キャビティ14(第1部分141と第2部分142とを含む)を埋め尽くしてもよい。
【0052】
一部の実施態様において、成型材料60aは、吐出口10bから吐出され、高分子材料を含む。一部の実施態様において、成型材料60aは、押出システム10に沿って流動可能であり、かつ吐出口10bから吐出可能である。一部の実施態様において、成型材料60aは流動可能であり、かつホットメルト(hot melting)またはその他適したプロセスにより形成される。ホットメルトの技術的詳細は従来技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
一部の実施態様において、成形品60は、第1金型キャビティ14内で成型材料60aから一体的に形成される。一部の実施態様において、成形品60は接着剤を含まない。成形品60は、スリッパ、ビーチサンダル、またはサンダルなどの靴であってもよい。一部の実施態様において、成形品60は、ベース部分62(例えば、ソール部分)と、少なくとも1つのアッパー部分61(例えば、ストラップ部分)とを含む。一部の実施態様において、成形品60のアッパー部分61は、第1金型キャビティ14の第1部分141内に配置された成型材料60aの第1部分から形成される。一部の実施態様において、成形品60のベース部分62は、第1金型キャビティ14の第2部分142内に配置された成型材料60aの第2部分から形成される。さらに、追加のピン63が、供給ポート24内に配置された成型材料60aの第3部分から形成されてもよい。追加のピン63は、成形品60のアッパー部分61に接続されてもよい。一部の実施態様において、気体排出機構19のスリット191が第1金型キャビティ14に連通されているため、成型材料60aの注入後、少なくとも一部の気体が第1金型キャビティ14からスリット191を介して排出される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14から気体の一部が排出されるため、第1金型キャビティ14内に成型材料60aが発泡するためのスペースが確保される。
【0054】
図6Cは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程106における成型装置200の概略斜視図である。図6Cに示すように、一部の実施態様において、工程106では、第1金型キャビティ14内への成型材料60aを射出する期間中、ロッド197bを第1開口部196a貫通し、下型30に向けて延伸することにより、下型30及び上型20に押込力を加える。一部の実施態様において、押込力を加える過程で、下型30の第2開口部36が、プランジャー197のロッド197bと垂直方向に配列される。一部の実施態様において、プランジャー197のロッド197bは、通路196cと整列される。
【0055】
押出システム10から第1金型キャビティ14内への成型材料60aの吐出中、吐出チャネル10aと吐出口10bは、上面視で、供給ポート24、通路196c、ロッド197bと重なり合う。
【0056】
一部の実施態様において、押込力を加える過程で、ロッド197bは下型30に当接される。一部の実施態様において、ロッド197bが延伸されて通路196cを通過し、下型30に当接されて、下型30を上型20に向かって押圧する。押込力は上型20に向かって下型30に加えられる。一部の実施態様において、上向きの押込力が成型装置200に加えられる。一部の実施態様において、押込力は約30Nから約80Nの範囲である。一部の実施態様において、押込力は約50Nである。下型30と上型20は、押込力が加えられる間、互いに緊密に係合される。一部の実施態様において、図6Cに示すように、プランジャー197は延伸構成にある。
【0057】
一部の実施態様において、成型材料60aは、注入力により、吐出口10bを通じて第1金型キャビティ14内に押し込まれる。一部の実施態様において、注入力の方向は、吐出チャネル10aから第2開口部36に向かう方向である。一部の実施態様において、注入力の方向は、押込力の方向と反対である。
【0058】
一部の実施態様において、工程107では、成形品60が第1金型キャビティ14内で形成された後、第1金型キャビティ14に隣接した気体排出機構19のスリット191を介して、少なくとも一部の気体が第1金型キャビティ14から排出される。第1金型キャビティ14内で成形品60が形成された後、第1金型キャビティ14と気体管路192の間のスリット191を介して、少なくとも一部の気体が第1金型キャビティ14から気体排出機構19の気体管路192に排出される。一部の実施態様において、成型材料60aの射出により第1金型キャビティ14の圧力が上昇し、第1金型キャビティ14内の気体が正圧によりスリット191に進入する。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14内の気体のみがスリット191に進入し、成型材料60aは第1金型キャビティ14内に残る。一部の実施態様において、一部の気体は、気体排出機構19の気体管路192を通じて成型装置200から排出される。
【0059】
図7は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程107における成型装置200の概略斜視図である。図7に示すように、一部の実施態様において、成形品60が第1金型キャビティ14内で形成された後、上型20と下型30を分離して第2金型キャビティ14aを形成し、第2金型キャビティ14aから少なくとも一部の気体が排出される。一部の実施態様において、第2金型キャビティ14aの体積は、第1金型キャビティ14よりも大きく、第2金型キャビティ14aを有する成型装置200は、閉鎖構成に維持される。一部の実施態様において、第2金型キャビティ14aは、押出システム10を引き離すこと及び(または)ロッド197bをプランジャー197のベース部197aに向かって収縮させることによって形成され、第2金型キャビティ14aの体積は、第1金型キャビティ14の体積よりもわずかに大きい。
【0060】
一部の実施態様において、第1金型キャビティ14内への成型材料60aの注入が完了すると、押出システム10が引き離され、成型装置200から離隔される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14内への成型材料60aの注入が完了すると、ロッド197bがベース部197aに向かって収縮され、ロッド197bが収縮されることで押込力が解除される。一部の実施態様において、第1金型キャビティ14内への成型材料60aの注入が完了すると、吐出口10bが供給ポート24から離脱され、ロッド197bが成型装置200から離隔される。プランジャー197は、図7に示すように、収縮構成に戻る。
【0061】
一部の実施態様において、方法100は、成型材料60aの注入後、ロッド197bをベース部197aに向かって収縮させることにより、第1金型キャビティ14から少なくとも一部の気体を排出する工程を含む。押込力及び(または)注入力の解除後、成型装置200は閉鎖構成が維持され、第2金型キャビティ14aが形成されて、少なくとも一部の気体が第2金型キャビティ14aから気体排出機構19のスリット191に排出される。一部の実施態様において、成型装置200は、プラットフォーム196の上に配置され、かつ、気体排出機構19との係合が解除される。押込力及び(または)注入力の解除後、上型20及び下型30が押込力及び(または)注入力によって締め付けられなくなり、少なくとも一部の気体が下型30と上型20との間の空間を介して排出される。
【0062】
図8Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程108における成型装置200の概略斜視図である。図8B図8Aの成型装置200の側面図である。図8A図8Bに示すように、一部の実施態様において、工程108では、上型20が下型30から離脱される。
【0063】
工程108では、一部の実施態様において、上型20と下型30間に相対移動が発生し、上型20と下型30との間の距離が徐々に増加する。一方で、成形品60は中間型40に保持または取り付けられ、追加のピン63は成形品60に取り付けられたままである。一部の実施態様において、上型20の位置は固定されており、下型30のみが上型20から遠ざかるように移動される。一方、中間型40は上型20内で支持される。一部の実施態様において、中間型40と下型30間の相対移動は、位置制御機構50により中間型40に加える押圧力により達成される。かかる押圧力は、図4A図4Bの押圧された付勢部材52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0064】
一部の実施態様において、下型30の位置が固定され、上型20と中間型40が下型30から遠ざかるように同時に移動されてもよい。一方で、中間型40は上型20内に支持され、上型20とともに移動される。一部の実施態様において、中間型40と下型30間の相対移動は、位置制御機構50により中間型40に加える押圧力により達成される。
【0065】
図9Aは、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程109における成型装置200の概略斜視図である。図9B図2Aの成型装置200の側面図である。図9A図9Bに示すように、一部の実施態様において、工程109では、中間型40を傾斜させる前に、中間型40と成形品60が下型30から持ち上げられ、そのうち、成形品60が中間型40により保持される。図9A図9Bに示すように、上型20と下型30間の相対移動は、上型20が中間型40から分離されるまで継続する。一方で、成形品60は中間型40上に留まる。一部の実施態様において、上型20の位置が固定され、中間型40の最大変位量は下型30に取り付けられた位置制御機構50により制限されるため、下型30と中間型40が上型20から遠ざかるように同時に移動される。一部の実施態様において、下型30の位置が固定され、上型20が下型30と中間型40から遠ざかるように移動される。図9Bに示すように、中間型40と上型20間の距離は、中間型40と下型30間の距離より大きい。一部の実施態様において、下型30の上面31と中間型40の下面間の間隙G1は、中間型40と下型30に取り付けられた位置制御機構50により生じる。
【0066】
図10は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程110における成型装置200の側面図である。図10に示すように、一部の実施態様において、工程110では、中間型40と成形品60が下型30に対して傾斜される。一部の実施態様において、中間型40が支点71を中心に揺動して中間型40が傾斜され、中間型40は下型30に対して角度σを有する。一部の実施態様において、中間型40の第1端47は、中間型40が傾斜されたときの第2端48よりも低い。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、下型30と中間型40間の間隙G1がゼロ以上であるとき、下型30に対して傾斜される。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、支点71が下型キャビティ33内に配置されているとき傾斜される。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、支点71が下型30の上方に配置されているとき、傾斜される。
【0067】
図11は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法100の工程111における成型装置200の側面図である。図11に示すように、一部の実施態様において、工程111では、中間型40を傾斜させた後、成形品60が中間型40から離型される。一部の実施態様において、成形品60は中間型40の第2端48から離型される。一部の実施態様において、傾斜された中間型40と、下型30の上面31と中間型40の下面間の間隙Gが、成形品60の離型を容易にする。
【0068】
一部の実施態様において、追加のピン63が成形品60から除去され、図12に示す成形品60が取得される。一部の実施態様において、成型材料60aの一部がスリット191に入り、薄片(flake)(図示せず)を形成して成形品60に付着するが、薄片は成形品60から除去される。
【0069】
図12は、本発明の一部の実施態様に基づく成形品60の概略斜視図である。一部の実施態様において、成形品60は、ベース部分62と、ベース部分62に接続された少なくとも1つのアッパー部分61とを含む。一部の実施態様において、ベース部分62とアッパー部分61は、一体として同時的に形成される。一部の実施態様において、ベース部分62とアッパー部分61間にインターフェイスがない。
【0070】
図13から図20に、本発明の一部の実施態様に基づく成形品を製造するための成型方法を示す。一部の実施態様において、方法は、図12に示す成形品60を製造するためのものである。
【0071】
図13Aに示すように、成型装置300が提供される。成型装置300は、上型20と、下型30と、中間型40と、金型フレーム37と、位置制御機構50と、傾斜機構70と、気体排出機構19とを含む。図13Aに示す実施態様において、成型装置300は開放構成にある。図13に示す成型装置300の上型20、中間型40、位置制御機構50、傾斜機構70は、図2A図2Bに示す成型装置200と類似しているが、金型フレーム37が中間型40を包囲し、上型20と下型30の間に配置され、気体排出機構19が金型フレーム37と下型30に設けられる点が異なる。
【0072】
一部の実施態様において、上型20は金型フレーム37上に配置され、かつ金型フレーム37と係合され、金型フレーム37は下型30の上に配置され、かつ下型30と係合されてもよい。一部の実施態様において、上型20と、金型フレーム37と、下型30は相補的に構成され、かつ相互に分離可能である。上型20と下型30は、寸法、形状などいくつかの構成において金型フレーム37に対応していてもよい。一部の実施態様において、上型20と、金型フレーム37と、下型30は、金型キャビティ(図示せず)を定義するために、相補的に構成される。一部の実施態様において、上型20と、金型フレーム37と、下型30は相互に分離されている。
【0073】
一部の実施態様において、金型フレーム37は、第3開口部38を含み、図14に示すように、下型キャビティ33が、金型フレーム37の第3開口部38と、下型30の上面31により画定される。一部の実施態様において、図13A図13Bに示すように、中間型40は下型30の上面31の上に配置されるように構成され、中間型40の一部と、位置制御機構50の一部と、傾斜機構70の一部が金型フレーム37により包囲される。一部の実施態様において、中間型40を上に配置するように構成された下型30の上面31の一部は、上型20を上に配置するように構成された下型30の上面31の他の一部と共平面である。一部の実施態様において、金型フレーム37は、上面371と、上面371の反対側における下面372を含む。上面371は上型20対向し、下面372は下型30対向している。
【0074】
上型20の上型キャビティ23及び金型フレーム37の第3開口部38の構成(例えば、寸法または形状)は、中間型40の構成(例えば、寸法または形状)に対応してもよい。一部の実施態様において、穴構造34は、下型30と金型フレーム37に画定される。一部の実施態様において、第1穴341は、金型フレーム37の上面371上に形成され、かつ下型30内に延伸された開口を含む。一部の実施態様において、付勢部材52と棒部材72は、金型フレーム37を貫通して延伸される。
【0075】
一部の実施態様において、気体排出機構19は、金型フレーム37と下型30内に配置される。気体排出機構19は、図15に示すように、成型装置300が閉鎖構成にあるとき、第3開口部38に隣接して配置され、かつ金型フレーム37と下型30により画定される気体管路192と、上型20と金型フレーム37により共同で画定されるスリット191を含む。一部の実施態様において、スリット191は、第3金型キャビティ14b及び気体管路192と連通している。一部の実施態様において、スリット191は、金型フレーム37の上面371から凹陥されている。
【0076】
図14に示すように、金型フレーム37は、下型30上に配置され、上型20と金型フレーム37間の距離が徐々に減少される。図14に示すように、上型20と金型フレーム37間に相対移動が発生する。一部の実施態様において、上型20の位置が固定され、金型フレーム37と、下型30と、中間型40が上型20に向かって共に移動される。一部の実施態様において、金型フレーム37と、下型30と、中間型40の位置が固定され、上型20が金型フレーム37と、下型30と、中間型40に向かって移動される。図14に示す段階において、中間型40は上型キャビティ23に収容され、下型キャビティ33内にはまだ配置されていない。つまり、金型フレーム37と下型30が上型20を収容する前に、中間型40は上型20に収容される。一部の実施態様において、金型フレーム37の上面371と、中間型40の下面との間の間隙G2は変化していない。一部の実施態様において、図14に示す段階において、間隙G2はその最大値に到達する。
【0077】
図15に示すように、一部の実施態様において、上型20は、金型フレーム37及び下型30と係合されることにより収容空間12を画定し、かつ、中間型40が収容空間12内に配置され、そのうち、上型20と、中間型40と、金型フレーム37と、下型30が共同で第3金型キャビティ14bを画定する。第3金型キャビティ14bは、成型材料(図示せず)を収容し、所定の形状を有する成形品60に成型材料を成型するように構成される。上型20の供給ポート24は、第3金型キャビティ14bに連通される。
【0078】
一部の実施態様において、上型20と金型フレーム37間の相対移動は、上型20と金型フレーム37間の距離がゼロに減少するまで継続する。一部の実施態様において、上型20の位置が固定され、中間型40が上型20に収容され、下型30と金型フレーム37が上型20に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30と金型フレーム37の位置が固定され、上型20と中間型40が金型フレーム37と下型30に向かって移動される。一部の実施態様において、下型30の上面31が中間型40の下面と接触している。一部の実施態様において、金型フレーム37の上面371と中間型40の下面間の間隙G2がゼロに減少される。
【0079】
図15に示すように、成型装置300は閉鎖構成にあり、上型20が金型フレーム37と係合され、金型フレーム37が下型30と係合される。一部の実施態様において、上型20の下面22が、金型フレーム37の上面371に接触し、金型フレーム37の下面372と本体部41の下面412が、下型30の上面31に接触する。したがって、上型20と、金型フレーム37と、下型30が、中間型40を受け入れるための収容空間12を共同で画定する。
【0080】
上型20が中間型40に下向きの力を加え、中間型40を下方に移動させて付勢部材52を押圧する。一部の実施態様において、成型装置300が閉鎖構成にあるとき、押された付勢部材52に弾性位置エネルギーが蓄積される。
【0081】
一部の実施態様において、成型材料(図示せず)を製造するように構成された押出システム10が、成型装置300の上方に配置される。一部の実施態様において、押出システム10と連通可能であり、かつ押出システム10に対して遠位に配置され、成型材料を第3金型キャビティ14bに吐出するように構成された吐出口10bを含む吐出チャネル10aが、成型装置300上方に配置される。成型装置300は、吐出チャネル10aの吐出口10bからの成型材料60aを受け取るように構成される。
【0082】
図16に示すように、一部の実施態様において、成型材料60aが第3金型キャビティ14b内に注入され、少なくとも部分的に中間型40を取り囲むことにより、第3金型キャビティ14b内で成形品60が形成される。一部の実施態様において、供給ポート24の開口部241は、吐出チャネル10aと係合される。一部の実施態様において、成型装置300が閉鎖構成にあるとき、または上型20が金型フレーム37と係合され、かつ金型フレーム37が下型30と係合されているとき、成型材料60aは第3金型キャビティ14b内に注入される。一部の実施態様において、気体排出機構19のスリット191が第3金型キャビティ14bに連通されているため、成型材料60aの注入後、少なくとも一部の気体が第3金型キャビティ14bからスリット191を介して排出される。一部の実施態様において、第3金型キャビティ14bから気体の一部が排出されるため、第3金型キャビティ14b内に成型材料60aが発泡するためのスペースが確保される。
【0083】
一部の実施態様において、成型装置300は、図6Cに示すように、第1開口部196aを備えたプラットフォーム196の上方に配置される。一部の実施態様において、成型材料60aの注入中、プランジャー197により提供される押込力が成型装置300に加えられる。成型装置300に押込力を提供する方法は、図6Cに示す成型装置200に押込力を加える方法と同様である。
【0084】
一部の実施態様において、成形品60が第3金型キャビティ14b内で形成された後、第3金型キャビティ14bに隣接した気体排出機構19のスリット191を介して、少なくとも一部の気体が第3金型キャビティ14bから排出される。第3金型キャビティ14b内で成形品60が形成された後、第3金型キャビティ14bと気体管路192の間のスリット191を介して、少なくとも一部の気体が第3金型キャビティ14bから気体排出機構19の気体管路192に排出される。一部の実施態様において、成型材料60aの射出により第3金型キャビティ14bの圧力が上昇し、第3金型キャビティ14b内の気体が正圧によりスリット191に進入する。一部の実施態様において、第3金型キャビティ14b内の気体のみがスリット191に進入し、成型材料60aは第3金型キャビティ14b内に残る。一部の実施態様において、一部の気体は、気体排出機構19の気体管路192を通じて成型装置300から排出される。
【0085】
図17に示すように、一部の実施態様において、上型20と金型フレーム37間に相対移動が発生し、上型20と金型フレーム37間の距離が徐々に増加する。一方で、成形品60は中間型40に保持されまたは取り付けられ、追加のピン63は成形品60に取り付けられたままである。一部の実施態様において、上型20の位置は固定されており、金型フレーム37と下型30が上型20から遠ざかるように移動される。一方、中間型40は上型20内で支持される。一部の実施態様において、中間型40と金型フレーム37間の相対移動は、位置制御機構50により中間型40に加えられる押圧力により達成される。かかる押圧力は、図16の押圧された付勢部材52に蓄えられた弾性位置エネルギーから変換される。
【0086】
一部の実施態様において、金型フレーム37と下型30の位置が固定され、上型20と中間型40が同時に金型フレーム37と下型30から遠ざかるように移動される。一方で、中間型40は上型20内に支持され、上型20とともに移動される。一部の実施態様において、中間型40と金型フレーム37間の相対移動は、位置制御機構50により中間型40に加えられる押圧力により達成される。
【0087】
図18に示すように、一部の実施態様において、中間型40を傾斜させる前に、中間型40と成形品60が下型30から金型フレーム37上方に持ち上げられ、そのうち、成形品60が中間型40により保持される。一部の実施態様において、中間型40と上型20間の距離は、中間型40と金型フレーム37間の距離より大きい。一部の実施態様において、金型フレーム37の上面371と、中間型40の下面412間の間隙G2は、中間型40と金型フレーム37に取り付けられた位置制御機構50により生じる。一部の実施態様において、間隙G2は、45mm以上150mm以下の範囲である。
【0088】
図19に示すように、一部の実施態様において、中間型40と成形品60が、下型30と金型フレーム37に対して傾斜される。一部の実施態様において、中間型40が支点71を中心として回転することにより傾斜され、中間型40は下型30と金型フレーム37に対して角度σを有する。角度σは、0~90度の範囲である。一部の実施態様において、角度σは、20~70度の範囲である。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、金型フレーム37と中間型40間の間隙G2がゼロ以上であるとき、下型30と金型フレーム37に対して傾斜される。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、支点71が下型キャビティ33内に配置され、かつ金型フレーム37に包囲されているとき傾斜される。一部の実施態様において、中間型40と成形品60は、支点71が下型30と金型フレーム37の上方に配置されているとき、傾斜される。
【0089】
図20に示すように、一部の実施態様において、中間型40を傾斜させた後、成形品60が中間型40から離型される。一部の実施態様において、成形品60は中間型40の第2端48から離型される。一部の実施態様において、傾斜された中間型40と、金型フレーム37の上面371と中間型40の下面412間の間隙G2によって、成形品60の離型が手軽くなる。一部の実施態様において、図8に示す成形品60を得るため、追加のピン63が成形品60から除去される。
【0090】
図21は、本発明の一部の実施態様に基づく成型方法900を示すフローチャートである。一部の実施態様において、方法900は、図12に示す成形品60を製造するためのものである。方法900は、下型と、下型に可動的に取り付けられた中間型を提供する工程901と、上型と下型を係合することにより収容空間を画定して、中間型を収容空間内に配置し、そのうち、上型と、中間型と、下型が共同で第1金型キャビティを画定する工程902と、成型材料を第1金型キャビティ内に注入し、中間型を少なくとも部分的に取り囲んで第1金型キャビティ内で成形品を成型する工程903と、第1金型キャビティ内での成形品の形成中または形成後、第1金型キャビティに隣接する気体排出機構のスリットを介して、少なくとも一部の気体を第1金型キャビティから排出する工程904と、上型を下型から離脱させる工程905と、成形品を中間型から離型する工程906と、を含む。
【0091】
一部の実施態様において、方法100は、押出システム10から吐出チャネル10a内に成型材料60aを注入する工程を含む。図22は、本発明の一部実施態様による押出システム10の概略図である。押出システム10は、溶融ユニット120と、混合ユニット130を含む。一部の実施態様において、押出システム10は、溶融ユニット120と、混合ユニット130と、発泡剤供給ユニット140と、射出ユニット150と、第1流量制御要素161と、第2流量制御要素162と、モニタリングモジュール180とを含む。
【0092】
一部の実施態様において、図22に示すように、溶融ユニット120は、高分子材料を輸送するように構成される。一部の実施態様において、溶融ユニット120は加圧カートリッジ121と、第1供給路122と、第1排出路123と、押出部材124とを含む。一部の実施態様において、溶融ユニット120はさらに、供給ホッパー125を含む。
【0093】
一部の実施態様において、第1供給路122と第1排出路123は加圧カートリッジ121の二端にそれぞれ配置される。一部の実施態様において、第1供給路122は加圧カートリッジ121の内部空間1211に連通され、第1排出路123は加圧カートリッジ121の外部空間に連通される。そのうち、第1供給路122は高分子材料を加圧カートリッジ121の内部空間1211に供給するように構成される。一部の実施態様において、供給ホッパー125は、第1供給路122を介して高分子材料を加圧カートリッジ121の内部空間1211へ供給するように構成される。
【0094】
押出部材124は、高分子材料を第1供給路122から第1排出路123へ輸送するように構成される。一部の実施態様において、押出部材124は加圧カートリッジ121の内部空間1211内に配置される。一部の実施態様において、押出部材124は加圧カートリッジ121の内部空間1211内の第1供給路122と第1排出路123の間に配置され、かつ、高分子材料を第1排出路123に向かって推し進めるために構成される。一部の実施態様において、押出部材124は加圧カートリッジ121に対して回転できる。一部の実施態様において、高分子材料は、押出部材124の回転により、第1供給路122から第1排出路123へ輸送される。一部の実施態様において、押出部材124は、加圧カートリッジ121の長手軸と平行な方向において移動できないよう構成される。
【0095】
一部の実施態様において、押出部材124の長手方向が加圧カートリッジ121の長手方向に沿って延伸され、加圧カートリッジ121の内部側壁1212と押出部材124間の最短距離D1と、押出部材124の直径D2の比率が、約1:1500~約1:4500の範囲内であり、溶融ユニット120により溶融された高分子材料が均一化されてもよい。一部の実施態様において、加圧カートリッジ121の内部側壁1212と押出部材124間の最短距離D1は、実質的に0.3mmに等しい、またはそれ未満である。一部の実施態様において、加圧カートリッジ121の内部側壁1212押出部材124間の最短距離D1は、0.01~0.05mmの範囲である。
【0096】
混合ユニット130は溶融ユニット120から高分子材料を受け取るように構成され、かつ高分子材料を発泡剤と混合し、高分子材料と発泡剤の混合物を形成するように構成される。混合ユニット130は、中空の混合カートリッジ131と、第2供給路132と、第2排出路133と、混合ローター134とを含む。
【0097】
第2供給路132と第2排出路133は、混合カートリッジ131の二端にそれぞれ配置される。一部の実施態様において、第2供給路132は、高分子材料を供給するように構成される。一部の実施態様において、第2排出路133は、混合物を吐出するように構成される。
【0098】
混合ローター134は、高分子材料を発泡剤と混合し、混合カートリッジ131内で混合物を形成するように構成される。一部の実施態様において、混合ローター134は、混合カートリッジ131内に配置される。一部の実施態様において、混合ローター134は、混合カートリッジ131の第2供給路132と第2排出路133の間に配置され、混合カートリッジ内で混合物を撹拌する。混合ローター134は回転可能であり、高分子材料を発泡剤と混合し、高分子材料と発泡剤からなる混合物を第2供給路132から第2排出路133に輸送する。一部の実施態様において、混合ローター134は混合カートリッジ131の長手軸と平行な方向において移動できないよう構成される。
【0099】
一部の実施態様において、混合ローター134の長手方向が、中空の混合カートリッジ131の長手方向に沿って延伸され、中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311と混合ローター134間の最短距離D3と、混合ローター134の直径D4の比率が、約1:1500~約1:4500の範囲内であり、押出システム10により調製された混合物が均一化されてもよい。一部の実施態様において、混合物は、複数の部分に分けられてもよく、押出システム10により調製された混合物の各部分の発泡剤と高分子材料の比率は、実質的に一定である。一部の実施態様において、混合物の第1部分中における発泡剤に対する高分子材料の比率は、混合物の第2部分中における発泡剤に対する高分子材料の比率に実質的に等しい。一部の実施態様において、中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311と混合ローター134間の最短距離D3は、実質的に0.3mmに等しい、またはそれ未満である。一部の実施態様において、中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311と混合ローター134間の最短距離D3は、0.01~0.09mmの範囲である。一部の実施態様において、押出部材124の直径D2と混合ローター134の直径D4は同じであっても、異なっていてもよい。一部の実施態様において、高分子材料と混合物の異なる性質に基づき、押出部材124の直径D2は、混合ローター134の直径D4と異なる。
【0100】
図23は、本発明の一部実施態様による押出システムの部分拡大図である。溶融した高分子材料と発泡剤を混合カートリッジ131内で均一に混合可能とするために、一部の実施態様において、図22図23に示すように、混合ローター134はさらに、混合カートリッジ131内に回転自在に配置された円筒形の柱状体1341と、柱状体1341の周縁上に環状に配置された溝部1342を含む。したがって、柱状体1341が回転しているとき、高分子材料と発泡剤が溝部1342によって撹拌され、望ましい混合効果が達成される。一部の実施態様において、最短距離D3は、溝部1342と、中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311間の最短距離である。
【0101】
一部の実施態様において、最短距離D3が溝部1342と中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311間の最短距離であるとき、最短距離D3は、0.01~0.09mmの範囲である。一部の実施態様において、混合ローター134の直径D4は、45~75mmの範囲である。表1に、最短距離D3、直径D4、及びそれらに対応する「溝部1342と中空の混合カートリッジ131の内部側壁1311間の最短距離D3と混合ローター134の直径D4の比率」が記載されている。
【0102】
【表1】
【0103】
一部の実施態様において、図24に示すように、最短距離D3が実質的に0.01mm未満であるとき、所定の量である混合物に含まれる発泡剤は、実質的に0.8/cmより大きい。一部の実施態様において、所定の量である混合物に含まれる発泡剤が実質的に0.8/cmより大きい場合、所定の量である混合物に含まれる気泡密度は実質的に180000/cmより大きい。
【0104】
一部の実施態様において、直径D4に対する最短距離D3の比率が1:1500~1:4500の範囲であるとき、高分子材料に対する発泡剤の均一性が最適化される。つまり、混合ローター134による発泡剤と高分子材料の混合が均一になる。一部の実施態様において、直径D4に対する最短距離D3の比率が1:1500~1:4500の範囲であるとき、図25に示すように、混合物の所定の量中の高分子材料に対する発泡剤の比率は、4:1~3:1の範囲である。一部の実施態様において、所定の量である混合物に含まれる高分子材料に対する発泡剤の比率は約1:1である。一部の実施態様において、所定の量である混合物に含まれる高分子材料に対する発泡剤の比率が4:1~3:1の範囲である場合、発泡後の混合物の所定の量中における高分子材料に対する気泡の比率も4:1~3:1の範囲である。一部の実施態様において、発泡後の所定の量である混合物に含まれる高分子材料に対する気泡の比率は約4:1である。
【0105】
一部の実施態様において、再度図22に示すように、溶融ユニット120は、高分子材料を収容し、かつ第1圧力を有するように構成された中空の加圧カートリッジ121を含み、混合ユニット130は第2圧力を有する中空の混合カートリッジ131を含む。一部の実施態様において、逆流を防止するために、第1圧力は第2圧力より大きい。一部の実施態様において、第1圧力と第2圧力間の差によって、高分子材料は溶融ユニット120から抽出され、混合ユニット130に向かって輸送する。
【0106】
発泡剤供給ユニット140は、混合ユニット130に連接され、発泡剤を混合ユニット130内へ輸送するように構成される。一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第1流量制御要素161と第2流量制御要素162の間に位置する。一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第2供給路132と第2排出路133の間に位置する。一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第1流量制御要素161の近位側かつ第2流量制御要素162の遠位側に配置される。一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第2供給路132の近位側かつ第2排出路133の遠位側に配置される。
【0107】
一部の実施態様において、発泡剤供給源(図示せず)が発泡剤供給ユニット140に連接され、当業者に知られた任意の種類の発泡剤を供給するように構成される。一部の実施態様において、発泡剤は、発泡剤供給ユニット140により混合ユニット130内へ導入された後、超臨界流体状態にある。
【0108】
一部の実施態様において、第1流量制御要素161は、溶融ユニット120を混合ユニット130に連接する第1ポート171に配置される。第1ポート171は、高分子材料を溶融ユニット120から混合ユニット130内へ導入するように構成される。第1ポート171は、溶融ユニット120と混合ユニット130の間に位置する。一部の実施態様において、第1ポート171は、高分子材料を溶融ユニット120の加圧カートリッジ121から混合ユニット130の混合カートリッジ131内へ導入するように構成される。一部の実施態様において、高分子材料は、第1圧力と第2圧力間の圧力差によって、第1ポート171を介して溶融ユニット120から運送され、及び(または)抽出され、混合ユニット130へ輸送されることができる。
【0109】
一部の実施態様において、第1流量制御要素161は、溶融ユニット120と混合ユニット130の間に配置され、かつ溶融ユニット120から混合ユニット130への高分子材料の流れを制御するように構成される。第1流量制御要素161は、弁、可動カバーなどとすることができる。
【0110】
一部の実施態様において、第1流量制御要素161は、開放構成と閉鎖構成を切り替えるように構成される。第1流量制御要素161は開放構成にあるとき、溶融ユニット120から混合ユニット130内への高分子材料の流入を可能にし、一方、第1流量制御要素161は閉鎖構成にあるとき、は混合ユニット130から溶融ユニット120への高分子材料の逆流を防止する。
【0111】
一部の実施態様において、第1流量制御要素161は溶融ユニット120と混合ユニット130間の圧力差を維持するように構成される。一部の実施態様において、第1流量制御要素161は開放構成と閉鎖構成間を切り替えることで、溶融ユニット120と混合ユニット130間の圧力差を維持するように構成され、それにより高分子材料が混合ユニット130の混合カートリッジ131から溶融ユニット120の加圧カートリッジ121へ逆流できないようにする。一部の実施態様において、第1圧力と第2圧力間の圧力差を維持するために、第1流量制御要素161は第1圧力及び(または)第2圧力を調整するように構成される。一部の実施態様において、第1流量制御要素161は第1圧力が第2圧力に類似しているとき、閉鎖構成の状態にある。
【0112】
一部の実施態様において、射出ユニット150は混合ユニット130の第2排出路133から吐出される混合物を受け取り、射出ユニット150から混合物を吐出するように構成される。一部の実施態様において、射出ユニット150は混合物を射出するように構成され、吐出チャネル10aは射出ユニット150に連通可能である。
【0113】
一部の実施態様において、射出ユニット150は、混合物を収容するように構成された中空の計量カートリッジ151を含む。計量カートリッジ151は中空の内部空間1511を備え、そのうち、内部空間1511は第2排出路133に連通され、混合物を収容するように構成される。射出ユニット150はさらに計量カートリッジ151の内部空間1511に連通された接続路152と、計量カートリッジ151の内部空間1511内に摺動可能に配置され、吐出口154を介して計量カートリッジ151からの混合物を吐出するように構成された吐出部材153を含む。一部の実施態様において、混合物は、射出ユニット150から吐出チャネル10a内に流れる。
【0114】
一部の実施態様において、吐出チャネル10aは、成型装置200、300の金型であり、吐出口154に連接される。一部の実施態様において、吐出部材153は、計量カートリッジ151の長手方向の軸に平行の方向において移動可能であり、計量カートリッジ151内に蓄積された混合物を吐出口154から金型内へ射出する。混合物は、吐出部材153からの押出力により、計量カートリッジ151から成型装置200、300内、または吐出チャネル10a内に射出される。一部の実施態様において、吐出部材153は、計量カートリッジ151に対して回転できないよう構成される。
【0115】
一部の実施態様において、計量カートリッジ151は、第3圧力を有する。一部の実施態様において、逆流を防止するために、混合カートリッジ131の第2圧力は第3圧力より大きい。
【0116】
一部の実施態様において、第2流量制御要素162は、混合ユニット130を射出ユニット150に連接する第2ポート172に配置される。第2ポート172は、混合ユニット130から混合物を射出ユニット150内へ導入するように構成される。第2ポート172は、混合ユニット130と射出ユニット150の間に位置する。一部の実施態様において、第2ポート172は、混合物を混合ユニット130の混合カートリッジ131から射出ユニット150の計量カートリッジ151内へ導入するように構成される。一部の実施態様において、混合物は、第2圧力と第3圧力間の圧力差により、第2ポート172を介して混合ユニット130から運送され、及び(または)抽出され、射出ユニット150へ輸送される。
【0117】
一部の実施態様において、第2流量制御要素162は、混合ユニット130と射出ユニット150の間に配置され、かつ混合ユニット130から射出ユニット150への混合物の流れを制御するように構成される。第2流量制御要素162は弁、可動カバーなどとすることができる。
【0118】
一部の実施態様において、第2流量制御要素162は、開放構成と閉鎖構成間を切り替えるように構成され、そのうち、開放構成にあるときは混合ユニット130から射出ユニット150への混合物の流入を可能にし、一方、閉鎖構成にあるときは射出ユニット150から混合ユニット130への混合物の逆流を防止する。
【0119】
一部の実施態様において、第2流量制御要素162は、混合ユニット130と射出ユニット150間の圧力差を維持するように構成される。一部の実施態様において、第2流量制御要素162は、開放構成と閉鎖構成間を切り替えることで、混合ユニット130と射出ユニット150間の圧力差を維持するように構成され、それにより混合物が射出ユニット150の計量カートリッジ151から混合ユニット130の混合カートリッジ131へ逆流できないようにする。一部の実施態様において、第2圧力と第3圧力間の圧力差を維持するために、第2流量制御要素162は第2圧力及び(または)第3圧力を調整するように構成される。
【0120】
一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第1ポート171と第2ポート172の間に位置する。一部の実施態様において、発泡剤供給ユニット140は、第1ポート171の近位側かつ第2ポート172の遠位側に配置される。
【0121】
モニタリングモジュール180は、押出システム10をリアルタイムで監視するように構成される。一部の実施態様において、モニタリングモジュール180は、中央処理装置181と、中央処理装置181と電気的に接続され、または通信可能であるように構成されるセンサー182を含む。一部の実施態様において、複数のセンサー182が押出システム10の至る所に配置され、少なくとも1つの処理条件(例:溶融ユニット120に沿った高分子材料の流速または粘性、射出ユニット150内に蓄積された混合物の分量、溶融ユニット120内の第1圧力、混合ユニット130内の第2圧力、射出ユニット150内の第3圧力、第1圧力と第2圧力間の圧力差、第2圧力と第3圧力間の圧力差、各ユニットの温度、押出部材124と混合ローター134の回転速度、または発泡剤供給ユニット140を通過する発泡剤の流速と分量)を、押出システム10の所定の位置(例:溶融ユニット120、混合ユニット130、射出ユニット150、発泡剤供給ユニット140、第1ポート171、第2ポート172、吐出口154、または第1流量制御要素161および第2流量制御要素162)で検出するように構成される。例えば、少なくとも1つのセンサー182が各ユニットに設置され、対応するユニットで処理条件を検出する。一部の実施態様において、センサー182は処理条件を検出し、さらなる分析のため検出された処理条件に基づいて信号またはデータを中央処理装置181に送信するように構成される。センサー182の数量は必要に応じて調整することができる。
【0122】
一部の実施態様において、モニタリングモジュール180は、押出システム10の対応する位置で処理条件を自動的に監視し、センサー182により検出された処理条件及び(または)中央処理装置181の分析に基づいて、処理条件を即時に調整することができる。センサー182は特定の種類に限定されず、処理条件を検出し、検出後に情報を提供できればよい。中央処理装置181は情報で処理条件を変更し、得られる混合物が望ましい所定の性質を有するように各ユニットにおける処理条件を調整する。
【0123】
本発明の一側面は、成型装置に関する。成型装置は、上型と、上型に対向して配置される下型と、上型と下型の間に配置され、下型に可動的に取り付けられる中間型と、中間型に取り付けられ、中間型を上型及び下型に相対して移動させるように構成された位置制御機構と、下型に配置された気体排出機構と、を含み、気体排出機構が、金型キャビティに隣接して配置され、かつ下型により画定される気体管路と、成型装置が閉鎖構成にあるとき、上型と下型により共同で画定されるスリットと、を含み、スリットが、金型キャビティ及び気体管路と連通している。
【0124】
一部の実施態様において、中間型が、第1端と、第1端の反対側における第2端と、中間型の第1端に取り付けられ、第2端が第1端より高くなるように中間型を傾斜させるように構成された傾斜機構を含む。一部の実施態様において、中間型の第2端は、靴型を含む。一部の実施態様において、位置制御機構は、中間型の第1端に取り付けられ、中間型に連接される棒部材と、棒部材の移動を制御する付勢部材を含む。一部の実施態様において、成型装置はさらに、中間型に取り付けられ、かつ中間型を下型に対して傾斜させるように構成された傾斜機構を含む。一部の実施態様において、傾斜機構は、中間型を回動させるための支点を含む。一部の実施態様において、スリットは、下型の上面から凹陥されている。一部の実施態様において、スリットの高さは、気体管路の直径より小さい。一部の実施態様において、成型装置はさらに、下型の下方に配置されたプラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたプランジャーを含み、そのうち、プラットフォームが、プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含み、プランジャーが、ベース部と、第1開口部を通って成型装置に向かって延伸可能であり、かつベース部に向かって収縮可能であるロッドと、を含む。一部の実施態様において、下型は、ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2開口部を含み、上面視で、第2開口部が第1開口部と重なり合う。
【0125】
本発明の一側面は、成型方法に関する。成型方法は、下型と、下型に可動的に取り付けられる中間型を提供する工程と、上型と下型を係合することにより収容空間を画定して、中間型を収容空間内に配置し、そのうち、上型と、中間型と、下型が共同で第1金型キャビティを画定する工程と、成型材料を第1金型キャビティ内に注入し、中間型を少なくとも部分的に取り囲んで第1金型キャビティ内で成形品を成型する工程と、第1金型キャビティ内での成形品の成型後、第1金型キャビティに隣接する気体排出機構のスリットを介して、少なくとも一部の気体を第1金型キャビティから排出する工程と、上型を下型から離脱させる工程と、成形品を中間型から離型する工程と、を含む。
【0126】
一部の実施態様において、方法はさらに、中間型を傾斜させる前に、中間型と成形品を下型から持ち上げ、そのうち、成形品が中間型により保持される工程を含む。一部の実施態様において、方法はさらに、中間型と成形品を下型に対して傾斜させる工程を含む。一部の実施態様において、中間型は、第1端と、第1端の反対側における第2端と、を含み、中間型を傾斜させたとき、第1端が第2端より低くなる。一部の実施態様において、成形品は、中間型の第2端から離型可能である。一部の実施態様において、方法はさらに、成形品が第1金型キャビティ内で形成された後、上型と下型を分離して、第2金型キャビティを形成し、第2金型キャビティから少なくとも一部の気体を排出する工程を含む。一部の実施態様において、方法はさらに、成形品が第1金型キャビティ内で形成された後、第1金型キャビティと気体管路の間のスリットを介して、少なくとも一部の気体を第1金型キャビティから気体排出機構の気体管路に排出する工程を含む。
【0127】
一部の実施態様において、方法はさらに、上型と、中間型と、下型をプラットフォームの上方に配置し、プラットフォームが、プラットフォームを貫通して延びる第1開口部を含む工程と、下型とプラットフォームの下方にプランジャーを配置し、そのうち、プランジャーが、ベース部と、下型に向かって延伸可能であり、かつベース部に向かって収縮可能であるロッドと、を含む工程と、第1金型キャビティ内への成型材料の射出中に、ロッドを第1開口部から上型に向けて延伸することにより、下型と上型に押込力を加える工程と、を含む。一部の実施態様において、方法はさらに、成型材料の注入後、ロッドをベース部に向かって収縮させ、第1金型キャビティから少なくとも一部の気体を排出する工程を含む。一部の実施態様において、ロッドは、押込力を加える期間、下型に当接される。
【0128】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0129】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0130】
100 成型方法
101 工程
200、300 成型装置
10 押出システム
10a 吐出チャネル
10b 吐出口
120 溶融ユニット
121 加圧カートリッジ
1211 内部空間
1212 内部側壁
122 第1供給路
123 第1排出路
124 押出部材
125 供給ホッパー
130 混合ユニット
131 混合カートリッジ
132 第2供給路
133 第2排出路
134 混合ローター
140 発泡剤供給ユニット
150 射出ユニット
151 計量カートリッジ
1511 内部空間
152 接続路
153 吐出部材
154 吐出口
161 第1流量制御要素
162 第2流量制御要素
171 第1ポート
172 第2ポート
180 モニタリングモジュール
181 中央処理装置
182 センサー
12 収容空間
14 第1金型キャビティ
14a 第2金型キャビティ
14b 第3金型キャビティ
141 第1部分
142 第2部分
19 気体排出機構
191 スリット
192 気体管路
196 プラットフォーム
196a 第1開口部
196b チャンバ
196c 通路
197 プランジャー
197a ベース部
197b ロッド
20 上型
21 上面
22 下面
23 上型キャビティ
231 第1内側表面
232 第2内側表面
24 供給ポート
30 下型
31 上面
32 下面
33 下型キャビティ
34 穴構造
341 第1穴
342 第2穴
343 段差構造
344 第3穴
35 側壁
37 金型フレーム
371 上面
372 面
40 中間型
41 本体部
411 上面
412 下面
42 靴型
421 上面
422 下面
423 外表面
43 凹部
47 第1端
48 第2端
50 位置制御機構
51 棒部材
52 付勢部材
60 成形品
60a 成型材料
62 ベース部分
61 アッパー部分
63 追加のピン
70 傾斜機構
71 支点
72 棒部材
D1 最短距離
D2 直径
G1、G2 間隙
【要約】
【課題】成型装置及び成型方法の提供。
【解決手段】本発明の成型装置は、上型と、下型と、下型に可動的に取り付けられた中間型により画定される金型キャビティと、中間型を移動させるように構成された位置制御機構と、金型キャビティに隣接して配置され、成型装置が閉鎖構成にあるとき、上型と下型により共同で画定される気体管路とスリットを含む気体排出機構を含み、スリットが金型キャビティ及び気体管路と連通され、本発明の成型方法は、金型キャビティ内に材料を注入し、金型キャビティ内で成形品を形成する工程と、成形品が形成された後、金型キャビティに隣接する気体排出機構のスリットを介して金型キャビティから気体の少なくとも一部を排出する工程と、上型を下型から離脱させる工程と、成形品を中間型から離型する工程と、を含む。
【選択図】図2A
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25