IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 テクノミライの特許一覧

<>
  • 特許-デジタル侵入検知システム 図1
  • 特許-デジタル侵入検知システム 図2
  • 特許-デジタル侵入検知システム 図3
  • 特許-デジタル侵入検知システム 図4
  • 特許-デジタル侵入検知システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】デジタル侵入検知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20240219BHJP
   G08B 15/00 20060101ALI20240219BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240219BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
G08B13/196
G08B15/00
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023553297
(86)(22)【出願日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 JP2023021911
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/027132
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/039877
(32)【優先日】2022-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505048518
【氏名又は名称】株式会社 テクノミライ
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 和夫
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-083933(JP,A)
【文献】特開2012-181630(JP,A)
【文献】特開2012-178073(JP,A)
【文献】特開2006-109014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00-15/02
19/00-31/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象になっている建物における複数の所定箇所に配備されていて、前記建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアを撮影する複数のデジタル監視カメラと、
前記デジタル監視カメラが撮影した撮影情報に基づいて、前記防犯警備エリア内に人が侵入したことを検知する侵入検知手段と、
前記侵入検知手段で前記防犯警備エリア内に侵入したと判断された前記人の、前記デジタル監視カメラが撮影した、前記防犯警備エリア内における動作を解析する侵入者動作撮影情報解析手段と、
前記侵入者動作撮影情報解析手段が行う前記解析に基づいて、前記侵入検知手段で前記防犯警備エリア内に侵入したと判断された前記人が不審者であるかどうかを判定する不審者判定手段と、
前記不審者判定手段が前記人を不審者であると判定したときに、前記建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている音出力手段から第一の音警告情報を出力させる第一の音警告情報出力手段と、
前記第一の音警告情報が前記音出力手段から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、前記侵入者動作撮影情報解析手段が行う前記解析に基づいて、前記不審者が行っている動作を指摘する音声情報を用いて、前記防犯警備エリアからの退去を促す第二の音警告情報を、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段から出力させる第二の音警告情報出力手段と
を備えているデジタル侵入検知システム。
【請求項2】
前記不審者判定手段が前記人を不審者であると判定したときに、不審者侵入検知情報及び、前記デジタル監視カメラが撮影している前記不審者の前記撮影情報を、前記建物の防犯警備を請け負っている防犯警備者が使用している防犯警備者端末及び/又は前記建物の防犯警備を担当している防犯警備担当者が使用している防犯警備担当者端末に対して、ネットワークを介して、送信する不審者情報送出手段を
更に備えている請求項1記載のデジタル侵入検知システム。
【請求項3】
前記防犯警備者端末を使用している前記防犯警備者及び/又は前記防犯警備担当者端末を使用している前記防犯警備担当者が、前記防犯警備者端末及び/又は前記防犯警備担当者端末から、前記音出力手段を介して、直接、前記不審者に対して音声警告出力可能にする通話接続手段を、更に、備えている請求項2記載のデジタル侵入検知システム。
【請求項4】
前記第一の音警告情報は、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報と、前記建物の外部に向けて警報するサイレン音及び/又はブザー音とからなる請求項1又は2記載のデジタル侵入検知システム。
【請求項5】
前記第一の音警告情報出力手段は、
前記第二の音警告情報が前記音出力手段から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、
前記建物の所定箇所に配備されている複数の前記音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段から、
前記第一の音警告情報に含まれていた、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す前記第一の音声情報の内容とは異なる内容の、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す音声情報であって、前記第一の音声情報の音量よりも大きな音量の第二の音声情報を出力させると共に、
前記建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段及び、それ以外のすべての前記音出力手段から、前記第一の音警告情報に含まれていた、前記建物の外部に向けて警報する前記サイレン音及び/又は前記ブザー音よりは大きな音量の前記サイレン音及び/又は前記ブザー音を出力させる
請求項4記載のデジタル侵入検知システム。
【請求項6】
警備対象になっている前記建物には複数の所定箇所に不審者撃退機器が配備されており、
前記第二の音声情報が出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、
前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記不審者撃退機器による不審者撃退措置を実行させる、不審者撃退機器作動手段を
更に備えている請求項記載のデジタル侵入検知システム。
【請求項7】
前記不審者撃退機器が濃霧ガス噴出器であって、前記不審者撃退措置が、濃霧ガス噴出器による濃霧ガスの噴出、あるいは、
前記不審者撃退機器が催涙ガス噴出器であって、前記不審者撃退措置が、催涙ガス噴出器による催涙ガスの噴出、あるいは、
前記不審者撃退機器がマーカーインキ噴出器であって、前記不審者撃退措置が、マーカーインキ噴出器によるマーカーインキの噴出
の何れかである請求項6記載のデジタル侵入検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラを利用して、住宅、種々の建物、施設、等、防犯を必要とする建物の周囲に設定されている監視エリアの中への不審者の侵入を検知することで、前記建物、等における防犯を図ることに用いられるデジタル侵入検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このような技術分野では後述するように種々の提案が行われている(特許文献1~4)。本願発明者は特許文献5でデジタルセフティ・レスポンスセキュリティシステムを提案している。これは、監視カメラによりセキュリティ区域内を撮影して防犯するものである。不審者がセキュリティ区域内にいる時間の長さに応じて、第一の報知信号(音声警告)、第二の報知信号(音声警告と、画像表示手段に監視カメラで撮影している不審者の姿を出力・表示)を出力する等により、不審者への警告が迫力に欠けてしまうことを防止するものであった。特許文献1では次のような提案を行っていた。
【0003】
建物の敷地境界内をイエローベルトY(例えば、敷地境界の30cm~4m)、オレンジベルトO(イエローベルトYとレッドベルトRとの中間)、レッドベルトR:例えば、家屋の壁面から30cm~4m)に分類し、監視カメラで撮影して平面及び、立面における不審者の位置を把握する。
【0004】
監視カメラを設置するにあたり、セキュリティ区域(例えば、自宅の敷地など)の平面図を正確に作成し、平面的、立体的に不審者のセキュリティ区域内への侵入を監視カメラによって把握する。
【0005】
第一の報知信号、第二の報知信号などによる警戒情報を関係者が使用・所持している携帯端末(スマートフォン、等)に対して音声情報で出力し、監視カメラが撮影した画像情報も関係者の携帯端末(スマートフォン、等)に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-109014号公報
【文献】特開2008-83933号公報
【文献】特開2012-178073号公報
【文献】特開2012-181630号公報
【文献】国際公開公報WO2021/084612A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今日の、観光、経済、教育、文化、生活の国際化と、社会状況の24時間化に伴い、集団化、凶悪化した犯罪が増えている。そこで、観光、経済、教育、文化、生活の国際化と、社会状況の24時間化に伴い、スピード、安全面での保全は、重要性を増している。
【0008】
このような中で、個人の住宅や、マンション、等の集合住宅などだけでなく、企業や、官公庁の建物、種々の商業施設、スポーツ施設、興行施設、工場、発電所、変電所、等の種々の施設、建物における防犯、警備の重要性が高まっている。
【0009】
本発明は、このような要請に応えて、種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応を可能とするデジタル侵入検知システムを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデジタル侵入検知システムは次の態様に代表される。
[1]
警備対象になっている建物における複数の所定箇所に配備されていて、前記建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアを撮影する複数のデジタル監視カメラと、
前記デジタル監視カメラが撮影した撮影情報に基づいて、前記防犯警備エリア内に人が侵入したことを検知する侵入検知手段と、
前記侵入検知手段で前記防犯警備エリア内に侵入したと判断された前記人の、前記デジタル監視カメラが撮影した、前記防犯警備エリア内における動作を解析する侵入者動作撮影情報解析手段と、
前記侵入者動作撮影情報解析手段が行う前記解析に基づいて、前記侵入検知手段で前記防犯警備エリア内に侵入したと判断された前記人が不審者であるかどうかを判定する不審者判定手段と、
前記不審者判定手段が前記人を不審者であると判定したときに、前記建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている音出力手段から第一の音警告情報を出力させる第一の音警告情報出力手段と、
前記第一の音警告情報が前記音出力手段から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、前記侵入者動作撮影情報解析手段が行う前記解析に基づいて、前記不審者が行っている動作を指摘する音声情報を用いて、前記防犯警備エリアからの退去を促す第二の音警告情報を、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段から出力させる第二の音警告情報出力手段と
を備えているデジタル侵入検知システム。前記デジタル監視カメラは、例えば、通常のデジタルカメラ、3Dカメラ、赤外線カメラ、ドップラーカメラ、等、撮影情報をデジタル形式の情報で出力する撮像手段である。
【0011】
[2]
前記不審者判定手段が前記人を不審者であると判定したときに、不審者侵入検知情報及び、前記デジタル監視カメラが撮影している前記不審者の前記撮影情報を、前記建物の防犯警備を請け負っている防犯警備者が使用している防犯警備者端末及び/又は前記建物の防犯警備を担当している防犯警備担当者が使用している防犯警備担当者端末に対して、ネットワークを介して、送信する不審者情報送出手段を
更に備えている[1]のデジタル侵入検知システム。
【0012】
[3]
前記第一の音警告情報は、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報と、前記建物の外部に向けて警報するサイレン音及び/又はブザー音とからなる[1]又は[2]のデジタル侵入検知システム。
【0013】
[4]
前記第一の音警告情報出力手段は、
前記第二の音警告情報が前記音出力手段から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、
前記建物の所定箇所に配備されている複数の前記音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段から、
前記第一の音警告情報に含まれていた、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す前記第一の音声情報の内容とは異なる内容の、前記不審者に対して前記防犯警備エリアから退去するように促す音声情報であって、前記第一の音声情報の音量よりも大きな音量の第二の音声情報を出力させると共に、
前記建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段の中の、前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記音出力手段及び、それ以外のすべての前記音出力手段から、前記第一の音警告情報に含まれていた、前記建物の外部に向けて警報する前記サイレン音及び/又は前記ブザー音よりは大きな音量の前記サイレン音及び/又は前記ブザー音を出力させる
[3]のデジタル侵入検知システム。
【0014】
[5]
前記防犯警備者端末を使用している前記防犯警備者及び/又は前記防犯警備担当者端末を使用している前記防犯警備担当者が、前記防犯警備者端末及び/又は前記防犯警備担当者端末から、前記音出力手段を介して、直接、前記不審者に対して音声警告出力可能にする通話接続手段を、更に、備えている[4]のデジタル侵入検知システム。
【0015】
[6]
警備対象になっている前記建物には複数の所定箇所に不審者撃退機器が配備されており、
前記第二の音声情報が出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も前記不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合、例えば、前記第二の自動音声情報が出力された後のあらかじめ任意で定められている時間経過したときや、声掛けで警告した後のあらかじめ任意で定められている時間経過したときに退去しない場合、
前記不審者を撮影している前記デジタル監視カメラの近傍に配備されている前記不審者撃退機器による不審者撃退措置を実行させる、不審者撃退機器作動手段を
更に備えている[5]のデジタル侵入検知システム。
【0016】
[7]
該システムは、例えば、前記不審者撃退機器が濃霧ガス噴出器であって、前記不審者撃退措置が、濃霧ガス噴出器による濃霧ガスの噴出、あるいは、
前記不審者撃退機器が催涙ガス噴出器であって、前記不審者撃退措置が、催涙ガス噴出器による催涙ガスの噴出、あるいは、
前記不審者撃退機器がマーカーインキ噴出器であって、前記不審者撃退措置が、マーカーインキ噴出器によるマーカーインキの噴出
の何れかである[6]のデジタル侵入検知システム。
【0017】
上述した該システムの一態様を添付している図5を参照して説明すると、例えば、次のようなものがある。
【0018】
例えば、警備区域の敷地(該当敷地)または建物(該当建物)に、あるいは、警備区域の敷地(該当敷地)の境界に、一または複数人の、不審者が近づいたとする。あるいは、一または複数人の不審者が、警備区域の建物(該当建物)の正面玄関、通用出入口、窓、ベランダ、等の開口部に近づいたとする。不審者としては、例えば、凶器のような外観の物、例えば、鉄棒、バット、銃、刃物、ガスバーナー等の火器、火炎瓶、等を持つ者を例示することができる。
【0019】
このような場合には、不審者と判断し、関係者が使用しているPC、スマートフォン、タブレットへ、月、日、時間、分、秒を表示しつつ、前記不審者を撮影している画像情報を送信するアラート送信を行う。また、関係機関へ通報を行う。
【0020】
アラート送信を受けた関係者は、使用しているPC、スマートフォン、タブレットから、警備区域の敷地(該当敷地)、は建物(該当建物)に配備されている音声出力手段を介して、例えば、「警報システムが検知しました。退去してください。」「貴方はこの建物の警備エリアに侵入しています。直ちに、退去してください。」等と警告するシステムにすることができる。また関係者が確認しリセットするまで、何回も繰り返してアラート送信するシステム形態にすることができる。
【0021】
上述した該システムでは、警備区域(例えば、該当敷地)に接している道路、公園、等から上述したような不審者が、警備区域(例えば、該当敷地)内や、警備区域の建物(該当建物)を窺っている場合などには以下に例示するように対応可能である。
【0022】
画像把握した不審者の人間における顔、上肢、胴体、下肢などの動きを解析する。例えば、1秒間に5コマ~10コマ、等で撮影している画像情報における不審者の人体の顔、上肢、胴体、下肢などの動きを分析する。分析する1秒間における画像コマ数は増加させることができる。
【0023】
例えば、不審者の顔が周囲を気にし、注視する、キョロキョロと左右を見る、等の動きを検知した場合は、不審者情報として、当該画像情報、撮影した日時情報、撮影した監視カメラを特定する情報などと関連付けてデータベースに記録する。また、関係者が使用しているPC、スマートフォン、タブレットへ、月、日、時間、分、秒を表示しつつ、前記不審者を撮影している画像情報を送信するアラート送信を行う。また、関係機関への通報や、110番等への緊急通報を行う。
【0024】
アラート送信を受けた関係者は、使用しているPC、スマートフォン、タブレットから、警備区域の敷地(該当敷地)、は建物(該当建物)に配備されている音声出力手段を介して、例えば、「警報システムが検知しました。退去してください。」「貴方はこの建物の警備エリアに侵入しています。直ちに、退去してください。」等と警告するシステムにすることができる。
【0025】
上述した該システムでは、上述したシステム構成に併せて、更に、次のような態様にすることができる。
【0026】
例えば、警備区域(例えば、該当敷地)に接している道路、公園、等から上述したような不審者が、警備区域(例えば、該当敷地)内や、警備区域の建物(該当建物)を窺っている場合や、警備区域の建物(該当建物)を付け廻している場合などでは、該当敷地や、該当建物に侵入することを計画した事前の下見と判断し、監視カメラで撮影した不審者の顔、体、等の画像情報をデータとしてシステムに入力、記憶する。
【0027】
その後、入力、記憶されている画像情報に対応する顔、体、等の不審者が警備区域(例えば、該当敷地)や、警備区域の建物(該当建物)を監視している監視カメラで把握できたならば、不審者情報として、当該画像情報、撮影した日時情報、撮影した監視カメラを特定する情報などと関連付けてデータベースに記録する。また、関係者が使用しているPC、スマートフォン、タブレットへ、月、日、時間、分、秒を表示しつつ、前記不審者を撮影している画像情報を送信するアラート送信を行う。また、関係機関への通報や、110番等への緊急通報を行う。また関係者が確認しリセットするまで、何回も繰り返してアラート送信し、確認漏れを防ぐ手段を備えている構成にすることもできる。また該当建物の道路、隣地より周辺を徘徊するストーカー等を不審者として判断する構成を備えているシステム態様にすることもできる。
【0028】
アラート送信を受けた関係者は、使用しているPC、スマートフォン、タブレットから、警備区域の敷地(該当敷地)、は建物(該当建物)に配備されている音声出力手段を介して、例えば、「警報システムが検知しました。退去してください。」「貴方はこの建物の警備エリアに侵入しています。直ちに、退去してください。」等と警告するシステムにすることができる。
【0029】
図5図示のような警備区域(例えば、該当敷地)や、警備区域の建物(該当建物)の場合で、警備区域(例えば、該当敷地)に接している道路、公園、等から上述したような不審者が、警備区域(例えば、該当敷地)内や、警備区域の建物(該当建物)を窺っている、警備区域の建物(該当建物)を付け廻している、等で、該当敷地や、該当建物に侵入することを計画した事前の下見と判断できる態様としては、例えば、以下のようなものを例示することができる。
【0030】
態様例1 不審者が敷地外の該当建物の北側を、該当建物に顔を向けながら、西側道路へ移動し、該当建物を見ながら南側隣地へ行き、その数秒後に西側道路へ歩き、北側道路の右側に移動して、警備区域(該当敷地)から離れた。
【0031】
態様例2 不審者は北側道路を左方向に移動した時に警備区域の建物(該当建物)に顔を向けて該当建物の北側の形状を注視していた。引き続き、不審者は西側道路へ移動し、該当建物の居住者や第三者の通行人が居ることに気づいて、通常に正面を見ながら歩行を続けた。一方、該当建物の居住者や第三者の通行人が居ない場合、該当建物に顔を向けて該当建物の西側の形状を注視しつつ、西側道路から南側隣地Aに移動した。更に、不審者は、該当建物に顔を向けて該当建物の南側の形状を注視しつつ南側隣地Aから東側隣地Bに移動した。
【発明の効果】
【0032】
今日の、観光、経済、教育、文化、生活の国際化と、社会状況の24時間化に伴い、集団化、凶悪化した犯罪が増えている。そこで、観光、経済、教育、文化、生活の国際化と、社会状況の24時間化に伴い、スピード、安全面での保全は、重要性を増している。
【0033】
このような中で、個人の住宅や、マンション、等の集合住宅などだけでなく、企業や、官公庁の建物、種々の商業施設、スポーツ施設、興行施設、工場、発電所、変電所、等の種々の施設、建物における防犯、警備の重要性が高まっている。
【0034】
本発明のデジタル侵入検知システムは、このような要請に応えて、種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応を可能とする。例えば、種々の施設、建物、等における入口、等に通常のデジタルカメラ、3Dカメラ、赤外線カメラ、ドップラーカメラ、等、撮影情報をデジタル形式の情報で出力するデジタル監視カメラと、モニター、等の画像情報表示手段を設置し、前記入口、等を介して入場する人を前記デジタル監視カメラで撮影しつつ、前記モニターに出力・表示する形態にすることができる。これによって、種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応を可能にすることができる。
【0035】
上述した種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応は急務である。このような種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応は社会、経済活動の多方面に活用可能である。このような種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応を、商業施設のモール、デパート、スーパー、コンビニエンスストア、貴金属店、等や、金融機関の本店、支店、出張所、郵便局、農協、このような施設などに設置されているキャッシュディスペンサー、企業の事務所、研究所、工場、ホテル、美術館、両替店等と、エアーターミナルまたは税関の出入口、イベントホール、スポーツ競技場、変電所、発電所、飛行機格納庫等の建物施設、等とバス、電車、新幹線、飛行機、クルーザー等における内、外のリスクヘッジ対応に活用することで、社会活動の安全度を高めることができる。これによる経済面の効果は大きいと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明のデジタル侵入検知システムの一実施形態のシステム構成を説明する概略図。
図2】本発明のデジタル侵入検知システムのサーバー構成の一例を説明する図。
図3】本発明に係るデジタル侵入検知システムの一実施形態を説明する図。
図4図3に例示したデジタル侵入検知システムで実行される侵入検知と退去警告のフローの一例を説明する図。
図5】警備区域の敷地(該当敷地)、建物(該当建物)に対する本発明に係るデジタル侵入検知システムの適用態様の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
この実施形態のデジタル侵入検知システムはコンピュータシステムによって実現される。
【0038】
コンピュータからなるデジタル侵入検知システム1によって防犯、警備される、警備対象になっている建物としては、例えば、個人の住宅や、マンション、等の集合住宅、企業や、官公庁の建物、種々の商業施設、スポーツ施設、興行施設、工場、発電所、変電所、等の種々の施設、建物、商業施設のモール、デパート、スーパー、コンビニエンスストア、貴金属店、等や、金融機関の本店、支店、出張所、郵便局、農協、このような施設などに設置されているキャッシュディスペンサー、企業の事務所、研究所、工場、ホテル、美術館、両替店等と、エアーターミナルまたは税関の出入口、イベントホール、スポーツ競技場、変電所、発電所、飛行機格納庫等の建物施設、等を例示することができる。
【0039】
これらの警備対象になっている建物では、その複数の所定箇所に複数台のデジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・が配備されている。複数台のデジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・により、前記建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアが撮影されるようになっている。デジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・は、例えば、通常のデジタルカメラ、3Dカメラ、赤外線カメラ、ドップラーカメラ、等、撮影情報をデジタル形式の情報で出力する撮像手段である。
【0040】
また、警備対象になっている建物における複数の所定箇所には、更に、複数の音出力手段12a、12b、12c、・・・と、複数の集音手段13a、13b、13c、・・・と、複数の不審者撃退機器14a、14b、14c、・・・とが配備されている。
【0041】
複数の音出力手段12a、12b、12c、・・・、複数の集音手段13a、13b、13c、・・・、複数の不審者撃退機器14a、14b、14c、・・・は、それぞれ、警備対象になっている建物における複数の所定箇所に配備されているデジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・の近傍に配備されている形態にすることができる。
【0042】
図1では、デジタル監視カメラ、音出力手段、不審者撃退機器がそれぞれ3基ずつ記載されているが、警備対象になっている建物の大きさ、広さに応じて、その周囲にあらかじめ設定される防犯警備エリアを撮影できるだけの数のデジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・が配備され、また、これに対応した数の音出力手段12a、12b、12c、・・・、集音手段13a、13b、13c、不審者撃退機器14a、14b、14c、・・・・が配備される。
【0043】
以下、本明細書、図面において、通常のデジタルカメラ、3Dカメラ、赤外線カメラ、ドップラーカメラ、等、撮影情報をデジタル形式の情報で出力する撮像手段であるデジタル監視カメラ11a、11b、11c、・・・を総称してデジタル監視カメラ11、音出力手段12a、12b、12c、・・・を総称して音出力手段12、集音手段13a、13b、13c、・・・を総称して集音手段13、不審者撃退機器13a、13b、13c、・・・・を総称して不審者撃退機器13と表すことがある。
【0044】
音出力手段12は後述するように、警備対象の建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアに侵入した不審者に対して、防犯警備エリア外への退去を促す音声情報と、警備対象の建物の周囲、近隣の人々に対する警報(ブザー、サイレン、等)を発出する機器である。
【0045】
集音手段13は、後述するように警備対象の建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリア内において発生する音情報を取得する機能を有するもので、例えば、マイクロフォンなどである。デジタル監視カメラ11が防犯警備エリアを撮影している撮影情報と一体になっている、防犯警備エリアの音情報を収集することが好ましい。そこで、デジタル監視カメラ11がマイクロフォンのような集音機能を備えている、マイク一体型デジタル監視カメラになっている形態にすることもできる。集音手段13によって防犯警備エリア内において発生する音情報を取得することができる。そこで、後述するように、不審者が発生する音声情報を取得し、不審者からの音声情報がデジタル監視システム1を介して、防犯警備担当者端末、等を使用している防犯警備担当者、等に伝えられ、防犯警備担当者、等が、デジタル監視システム1、音出力手段12を介して、不審者に対して、直接、音声警告を行う実施形態にすることができる。
【0046】
不審者撃退機器14は、後述するように、警備対象の建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアに侵入した不審者の視界を奪う濃霧ガスを前記不審者に対して噴出する濃霧ガス噴出器、前記不審者に対して催涙ガスを噴出する催涙ガス噴出器、前記不審者に対してマーカーインキを噴出するマーカーインキ噴出器、等、警備対象の建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアに侵入した不審者であって、音声情報での退出警告、等によっても、防犯警備エリアから退出しない不審者に対して、防犯警備エリアからの退出を、物理的に、強要する機器である。
【0047】
コンピュータからなる本発明のデジタル侵入検知システム1は、図1図示のように、上述したデジタル監視カメラ11、音出力手段12、集音手段13、不審者撃退機器14と有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続されて構成される。
【0048】
本発明のデジタル侵入検知システム1は、コンピュータからなり、図示していないが、オペレーティングシステムや、インストールあるいはダウンロードした所定のコンピュータプログラムなどに従って、この実施形態のシステムの各種の機能が実現されるように制御を行うCPU、オペレーティングシステムや種々のコンピュータプログラムなどを記憶し、また、CPUが各制御のための処理を実行する上で必要なデータを記憶する記憶部としてのROM、CPUが処理を実行する上で必要なデータを記憶し、CPUによって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用されるRAMやハードディスク、通信インターフェース等の情報入出力部などが備えられていて、これらが必要なバスラインで接続されている構成になる。
【0049】
後述する、侵入検知手段2、侵入者動作撮影情報解析手段3、不審者判定手段4、第一の音警告情報出力手段5、第二の音警告情報出力手段6、不審者情報送出手段7、不審者撃退機器作動手段8、通話接続手段9、撮影情報記録手段10などが行う種々の処理動作は、このようなコンピュータのシステムによって実行される。
【0050】
侵入検知手段2は、デジタル監視カメラ11が撮影した撮影情報に基づいて、警備対象になっている建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリア内に人が侵入したことを検知する処理を行う。
【0051】
防犯警備エリアは、例えば、図3図示のように平面視で矩形の敷地内における平面視で矩形の建物の場合、建物交差点Aから4.5mの範囲にある1交差点と、建物交差点Bから4.7mの範囲にある2交差点と、建物交差点Cから1.6mの範囲にある3交差点と、建物交差点Dから1.8mの範囲にある4交差点とを結ぶ、平面視で矩形の領域として設定することができる。このように、あらかじめ設定された防犯警備エリアに関する情報が、コンピュータからなるデジタル侵入検知システム1の記憶部に記録・格納される。侵入検知手段2は、この記録・格納されている、あらかじめ設定されている防犯警備エリアに関する情報と、デジタル監視カメラ11が撮影した撮影情報とに基づいて、防犯警備エリア内に人が侵入したことを検知する処理を行う。
【0052】
侵入者動作撮影情報解析手段3は、侵入検知手段2で防犯警備エリア内に侵入したと判断された人の、デジタル監視カメラ11が撮影した、防犯警備エリア内における動作を解析する処理を行う。
【0053】
不審者判定手段4は、侵入者動作撮影情報解析手段3が行う解析に基づいて、侵入検知手段2で防犯警備エリア内に侵入したと判断された人が不審者であるかどうかを判定する処理を行う。
【0054】
例えば、画像分析によって、防犯警備エリア内に侵入した人の手、足、頭の動きを分析し、コンピュータの記憶部にデータとして格納されている、過去の犯罪者、不審者が防犯警備エリアなどの警備対象域内において行っていた動作情報(例えば、手、足、頭の動きに関する情報)を参照して、不審者であるかどうかを判定する。例えば、防犯警備エリア内に侵入した人の挙動に関する動画情報に基づき過去の複数の犯罪事案における不審者の挙動に関する動画データを参照して防犯警備エリア内に侵入した人の挙動が過去の複数の犯罪事案における不審者の挙動と同じか、あるいは似ているか、により不審者であるかどうかを判定する。また、防犯警備エリア内に侵入した人が、覆面をしているかどうか、全面マスク・サングラスを着用しているかどうか、棒などの凶器を手に持っているかどうか、等に基づいて不審者であるかどうかを判定する。
【0055】
第一の音警告情報出力手段5は、不審者判定手段4が不審者であると判定したときに、警備対象の建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段12の中の、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段12から第一の音警告情報を出力させる処理を行う。
【0056】
第一の音警告情報は、不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報と、建物の外部に向けて警報するサイレン音及び/又はブザー音とからなるものとすることができる。
【0057】
不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報は、例えば、「警報システムが検知しました。退去してください。」というような内容や、「貴方はこの建物の防犯警備エリアに侵入しています。直ちに、退去してください。」というような内容のものである。
【0058】
このような第一の音声情報と共に、建物の外部に向けて警報するサイレン音及び/又はブザー音が、スピーカーやブザー・サイレン音発出手段からなる音出力手段11から出力されることで、建物の外部に居る、周辺、近隣の住民に対して警報を発することができる。また、侵入者に対しては、周辺、近隣の人々が駆けつけてくる、周辺、近隣の人々から警察機関、等への通報が行われるかもしれない、と思わせることで、不審者に対して迫力ある警告を行うことができる。
【0059】
第二の音警告情報出力手段6は、第一の音警告情報が音出力手段11から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も不審者が防犯警備エリア内にとどまっている場合に、侵入者動作撮影情報解析手段3が行う上述した解析に基づいて、不審者が行っている動作を指摘する音声情報を用いて、防犯警備エリアからの退去を促す第二の音警告情報を、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段12から出力させる処理を行う。上述した「第一の音警告情報が音出力手段11から出力された後のあらかじめ定められている時間」は、例えば、10~30秒の間などで、あらかじめ、任意に設定しておくことができる。
【0060】
侵入者動作撮影情報解析手段3が行う解析に基づいて、不審者が行っている動作を指摘する音声情報としては、例えば、この音声情報出力を行う直前の不審者の動作がデジタル監視カメラ11の方を見ているものであったならば、「貴方は、今、監視カメラを見ています。あなたの動作は全て撮影、記録されています。直ちに、防犯警備エリアから退去してください。」などとなる。また、例えば、この音声情報出力を行う直前の不審者の動作が防犯警備エリアの外側を向いて右手を挙げたものであったならば、「貴方は、今、防犯警備エリアの外側を向いて、右手を挙げました。あなたの動作は全て撮影、記録されています。直ちに、防犯警備エリアから退去してください。」などとなる。
【0061】
いずれも、デジタル監視カメラ11が、不審者の動作を逐一撮影、記録していることを音声情報で不審者に告知するものである。これによって、不審者に対して迫力ある警告を行うことができる。
【0062】
不審者情報送出手段7は、不審者判定手段4が不審者であると判定したときに、不審者侵入検知情報及び、デジタル監視カメラ11が撮影している不審者の撮影情報を、建物の防犯警備を請け負っている防犯警備者が使用している防犯警備者端末20a、20b及び/又は建物の防犯警備を担当している防犯警備担当者が使用している防犯警備担当者端末21a、21b、21cに対して、有線又は無線のネットワーク30を介して送信する処理を行う。
【0063】
建物の防犯警備を請け負っている防犯警備者は、例えば、民間の警備会社、警察、等であり、この場合、防犯警備者端末20a、20bは、例えば、民間の警備会社、警察、等で使用されているコンピュータからなる警備システムになる。コンピュータからなる警備システムには、この実施形態のデジタル侵入検知システム運用用のコンピュータプログラムがダウンロードされている。図示では、防犯警備者端末20a、20bとしているが、一又は複数の防犯警備者端末20a、20bが、有線又は無線のネットワーク30を介して、デジタル侵入検知システムと相互に情報交信可能に接続される。以下、防犯警備者端末20a、20bを総称して防犯警備者端末20と表示することがある。
【0064】
建物の防犯警備を担当している防犯警備担当者が使用している防犯警備担当者端末21a、21b、21cは、例えば、防犯警備担当者が使用していて、この実施形態のデジタル侵入検知システム運用用のアプリケーションがダウンロードされているスマートフォンなどの携帯端末である。図示では、防犯警備担当者端末21a、21b、21cとしているが、一又は複数の防犯警備担当者端末21a、21b、21cが、有線又は無線のネットワーク30を介して、デジタル侵入検知システムと相互に情報交信可能に接続される。以下、防犯警備担当者端末21a、21b、21cを総称して防犯警備担当者端末21と表示することがある。
【0065】
これによって、不審者判定手段4が不審者であると判定したときに、防犯警備者端末20a、20b、防犯警備担当者端末21a、21b、21cに不審者侵入検知情報が届けられ、その後は、デジタル監視カメラ11が撮影している不審者の撮影情報が連続して、防犯警備者端末20a、20b、防犯警備担当者端末21a、21b、21cに届けられるので、防犯警備者、防犯警備担当者は、必要な防犯警備行動をとることができる。
【0066】
上述した第一の音警告情報出力処理手段5は、第二の音警告情報が音出力手段12から出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も不審者が防犯警備エリア内にとどまっている場合には、以下に説明する処理動作を実行する。
【0067】
すなわち、建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段12の中の、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段から、第一の音警告情報に含まれていた、不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報の内容とは異なる内容の、不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す音声情報であって、第一の音声情報の音量よりも大きな音量の第二の音声情報を出力させる。
【0068】
そして、同時に、建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段12の中の、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段12及び、それ以外のすべての音出力手段12から、第一の音警告情報に含まれていた、建物の外部に向けて警報するサイレン音及び/又はブザー音よりは大きな音量のサイレン音及び/又はブザー音を出力させる。
【0069】
これによって、不審者への警告をより迫力あるものにすることができる。
【0070】
「第二の音警告情報が音出力手段12から出力された後のあらかじめ定められている時間」は、例えば、10~30秒の間などで、あらかじめ、任意に設定しておくことができる。
【0071】
「第一の音警告情報に含まれていた、不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す第一の音声情報の内容とは異なる内容の、不審者に対して防犯警備エリアから退去するように促す音声情報」とは、例えば、上述したように、第一の音声情報が、「警報システムが検知しました。退去してください。」というような内容や、「貴方はこの建物の防犯警備エリアに侵入しています。直ちに、退去してください。」というものである場合、例えば、「既に警備会社に通報済です。直ちに、防犯警備エリアから退去してください。」という内容や、「直ちに退去しなければ警察110番に通報します。」という内容などにし、不審者への警告を迫力ある警告内容にするものである。
【0072】
このように不審者への警告の迫力を高めた音声情報が、第一の音声情報の音量よりも大きな音量で、音出力手段12から出力されることで、不審者への警告を迫力あるものにすることができる。
【0073】
また、第二の音声情報出力の際に、建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段12の中の、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段12及び、それ以外のすべての音出力手段12から、サイレン音及び/又はブザー音が出力される。第一の音声情報出力の際には、建物の所定箇所に配備されている複数の音出力手段12の中の、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている音出力手段12だけからサイレン音及び/又はブザー音が出力されていたが、第二の音声情報出力の際には、建物に配備されている総ての音出力手段12から、サイレン音及び/又はブザー音が出力されるのである。しかも、この総ての音出力手段12から出力されるサイレン音及び/又はブザー音の音量は、第二の音声情報出力の際のサイレン音及び/又はブザー音の音量より大きい。
【0074】
これによって、不審者への警告をより迫力あるものにすることができる。
【0075】
不審者撃退機器作動手段8は、第二の音声情報が出力された後のあらかじめ定められている時間経過した後も不審者が前記防犯警備エリア内にとどまっている場合に、不審者を撮影しているデジタル監視カメラ11の近傍に配備されている不審者撃退機器13による不審者撃退措置を実行させる処理を行う。
【0076】
警備対象の建物の周囲にあらかじめ設定されている防犯警備エリアに侵入した不審者であって、音声情報での退出警告、等によっても、防犯警備エリアから退出しない不審者に対して、防犯警備エリアからの退出を、物理的に、強要するものである。
【0077】
不審者に対して、防犯警備エリアからの退出を、物理的に、強要するものであれば、不審者撃退機器、不審者撃退措置としては種々のものを採用できる。
【0078】
例えば、不審者撃退機器13は、濃霧ガス噴出器であって、上述の不審者撃退措置を、濃霧ガス噴出器による濃霧ガスの噴出とすることができる。あるいは、不審者撃退機器13は、催涙ガス噴出器であって、上述の不審者撃退措置を、催涙ガス噴出器による催涙ガスの噴出とすることができる。あるいは、不審者撃退機器13は、マーカーインキ噴出器であって、上述の不審者撃退措置を、マーカーインキ噴出器によるマーカーインキの噴出とすることができる。マーカーインキとしては不審者を撃退するために不審者に投げつけて不審者の体に衝突させることで除去困難なインキを不審者に塗布することに用いられるカラーボールに使用されているカラーインキを採用できる。
【0079】
通話接続手段9は、防犯警備者端末20を使用している防犯警備者及び/又は防犯警備担当者端末21を使用している防犯警備担当者が、防犯警備者端末20及び/又は防犯警備担当者端末21から、音出力手段12を介して、直接、不審者に対して音声警告出力可能にするものである。
【0080】
すなわち、通話接続手段9によって、デジタル検知システム1を介して、防犯警備者端末20、防犯警備担当者端末21と、上述した音出力手段12、集音手段13との間での音声通話が可能になる。これによって、防犯警備者端末20、防犯警備担当者端末21を使用している防犯警備者、防犯警備担当者は、デジタル監視カメラ11が防犯警備エリアを撮影している撮影情報と一体になっている、防犯警備エリア内において発生している音情報を取得して、防犯警備エリア内における不審者の情報を取得できる。また、防犯警備者、防犯警備担当者は、防犯警備者端末20、防犯警備担当者端末21、デジタル監視システム1、音出力手段12を介して、不審者に対して、直接、音声警告を行う実施形態にすることができる。例えば、「貴方の映像は記録されています。直ちに、退去しなさい。」、「直ちに退去しないならば警察に110番通報します。」等の音声警告を、デジタル監視システム1にあらかじめ記録されている音声情報でではなく、防犯警備者、防犯警備担当者の肉声で、不審者に伝えることができる。また、不審者に対して、「黙っていないで答えなさい!」等の呼びかけを、防犯警備者、防犯警備担当者がその肉声で警告することができる。
【0081】
そこで、不審者に対する警告をより迫力のあるものにすることができる。
【0082】
通話接続手段9は、不審者情報送出手段7が、防犯警備者端末20及び/又は防犯警備担当者端末21に対して、不審者侵入検知情報及び、デジタル監視カメラ11が撮影している不審者の撮影情報を送出する時点から作動開始する形態にすることができる。
【0083】
このようにすれば、防犯警備者、防犯警備担当者は、不審者侵入検知情報を取得した時点から、不審者が侵入している防犯警備エリアの映像情報、音情報を取得でき、また、必要があれば、防犯警備エリアに侵入している不審者に対して上述した、直接的な、音声警告を行うことができる。
【0084】
撮影情報記録手段10は、デジタル監視カメラ11が撮影している防犯警備エリアの映像情報を、デジタル侵入検知システムを構成しているコンピュータの記憶部に、映像情報を送出してきているデジタル監視カメラ11を特定する情報と、映像情報が撮影された時刻に関連付けて、記録・格納する処理を行う。
【0085】
これによって、デジタル監視カメラ11が撮影した不審者の撮影情報、映像情報は、ジタル侵入検知システムを構成しているコンピュータの記憶部に、記録、格納される。
【0086】
上述したように、集音手段13によって、防犯警備エリア内において発生している音情報も収集され、デジタル監視カメラ11が防犯警備エリアを撮影している撮影情報と、防犯警備エリア内において発生している音情報とが一体になっている場合には、その一体になっている映像・音情報として、ジタル侵入検知システムを構成しているコンピュータの記憶部に、記録、格納する。
【0087】
侵入検知手段2、侵入者動作撮影情報解析手段3、不審者判定手段4、第一の音警告情報出力手段5、第二の音警告情報出力手段6、不審者情報送出手段7、不審者撃退機器作動手段8、通話接続手段9、撮影情報記録手段10などが行う上述した種々の処理動作は、有線又は無線のネットワークを介して相互に情報交信可能に接続されている複数のコンピュータのそれぞれで実行される形態にすることができる。
【0088】
また、この実施形態のデジタル侵入検知システムを構成するコンピュータは、クラウド上に設置されているサーバコンピュータによって構成することもできる。
【0089】
図3は、本発明に係るデジタル侵入検知システムの一実施例の概略構成を説明する図である。
【0090】
デジタルカメラ1台~n台、スピーカー、サイレン、ブザー等の音出力手段1台~n台、警告灯No.1~No.n、濃霧ガス、催涙ガス、マーカーインキ等の噴霧装置No.1~No.nでシステムが構成されてしている。
【0091】
警備対象の建物は、建物A交差点、建物B交差点、建物C交差点、建物D交差点で示される平面視で矩形で、建物の敷地もこれに応じて平面視で矩形の場合である。
【0092】
建物A交差点から敷地1交差点の距離は、例えば、4.5M、建物B交差点から敷地2交差点の距離は、例えば、4.7M、敷地1交差点、敷地2交差点を結ぶ敷地境界線までの建物からの距離は、例えば、4M、建物C交差点から敷地3交差点の距離は、例えば、1.6M、建物D交差点から敷地4交差点の距離は、例えば、1.8M、敷地3交差点、敷地4交差点を結ぶ敷地境界線までの建物からの距離は、例えば、1.2Mである。
【0093】
敷地1交差点、敷地2交差点、敷地3交差点、敷地4交差点で結ばれる、平面視矩形の、建物と敷地境界線の敷地エリアを防犯警備エリア(デジタル侵入検知エリア)として、予めコンピュータからなるデジタル侵入検知システムに記憶する。
【0094】
防犯警備エリア(デジタル侵入検知エリア)に人が侵入すると、デジタルカメラまたは3Dカメラ11で検知し、不審者判定手段がその人を不審者であると判定すると、設置したスピーカーの音声または、サイレン、ブザーの警報と、警告灯が点灯、点滅または回転し、侵入者を警告するシステムの一例になっている。
【0095】
本発明に係るデジタル侵入検知システムは、警告しても、侵入者が、予め定めた任意の所定時間に退去し、等の時に、デジタルカメラの画像を関係者のPCまたはスマートフォン、タブレット、PCディスプレィ等に音声、画像を送信しながら、音声で退去を警告し、予め設置した噴霧装置、例えばマーカーインキまたは、侵入者の視界が不良になる濃霧ガス、催涙ガス等を該当の位置場所で自動的に噴霧する。
【0096】
予め設定している、道路境界との距離をPCサーバーにメモリ記録されたエリアを照合し、デジタル侵入検知システムが関係者のPCまたはスマートフォン、タブレット、PCディスプレィ等に音声、画像を送信する。
【0097】
図4は、図3に例示した、本発明に係るデジタル侵入検知システムの一例で実行される侵入検知と退去警告のフローの一例を説明するものである。
【0098】
<第1回退去警告>
デジタルカメラNo.1~No.n デジタル侵入検知エリアまたは、レッドライン検知⇒登録されたスマートフォン、タブレット、PCディスプレィ等に 音声と動画が送信される。
【0099】
予め、PCサーバーに登録された1)~4)の音声が流れる。退去するまで繰り返す
1)警報システムが検知しました、退去してください
2)退去しなければ110番通報します
3)あなたの動きは動画で録画し、すべてわかっています。すぐに退去しなさい
4)ブザーを鳴らす、サイレンを鳴らす。
【0100】
警告灯が点灯、点滅または回転し、侵入者を警告し、該当建物の異常を近隣周囲へ周知する。
【0101】
<第2回~n回退去警告>
第1回で退去しなければ、2回目、3回目以降は、順次音声が大きくなる。
【0102】
デジタル侵入検知システムは、警告音が順次音声が大きくなり、例えば就寝中の者が気づき、また近隣周辺へ、周知する機能を持ち、侵入者が事故・事件を発生させる前に、侵入者を退去させる。
【0103】
警告灯が点灯、点滅または回転し、該当建物の異常を近隣周囲へ周知する。
【0104】
<退去>
防犯警備エリア(デジタル侵入検知エリア、レッドライン)より外側へ侵入者が退去したら、音声、警告灯点滅または回転、等を中止する。
【0105】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【要約】
種々の施設、建物の内、外のリスクヘッジ対応を可能とするデジタル侵入検知システムを提案する。防犯警備エリア内に侵入した人の動作を解析して不審者判定手段により不審者であるかどうかを判定する。不審者が行っている動作を指摘する音声情報を用いて防犯警備エリアからの退去を促す音警告情報を出力する。音警告情報の音量を警告回数が増えるごとに大きくする。警備対象の建物の周囲、近隣に聞こえる音量の警報(ブザー、サイレン)を発出する。
図1
図2
図3
図4
図5