(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20240219BHJP
【FI】
H04L67/02
(21)【出願番号】P 2019197518
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長尾 敬介
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-178822(JP,A)
【文献】特開2015-076864(JP,A)
【文献】特開2015-103031(JP,A)
【文献】特開2001-103019(JP,A)
【文献】特開2015-144333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0173968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応
する通知情報を前記端末装置
に送信する送信手段と、
前記通知情報に
対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて
前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、
新たに前記通知情報が送信されないように制御されている状態で、前記端末装置から特定の情報が受信された場合に、前記通知情報の送信が再開されるように制御する再開手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記端末装置に前記所定のアプリケーションがインストールされたと判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記所定のアプリケーションによる通知が、前記端末装置の設定を行うための設定アプリケーションにより許可されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記端末装置の設定を行うための設定アプリケーションにより前記端末装置において省電力設定が無効化されたと判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信手段は、前記特定の情報を受信した場合に、前記端末装置にインストールされている前記所定のアプリケーションが前記端末装置において起動したと判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、
新たに前記通知情報が送信されないように制御されている状態で、前記通知情報とは異なる他の通知情報であって、前記端末装置において所定の処理を実行するための情報を含む前記他の通知情報を送信する通知手段と、
を有し、
前記他の通知情報は、前記所定のアプリケーションを前記端末装置にインストールするようにユーザを促すための情報を含むこと、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、
を有し、
前記通知情報は、前記情報処理装置の外部且つ前記端末装置の外部の印刷装置に関する情報であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記通知情報は、前記情報処理装置の外部且つ前記端末装置の外部の印刷装置に関する情報であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、
を有し、
前記所定のアプリケーションは、印刷装置に印刷を実行させるためのアプリケーションであることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
前記所定のアプリケーションは、印刷装置に印刷を実行させるためのアプリケーションであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、
を有し、
新たに前記通知情報を送信しないように制御されていたとしても、送信対象の前記通知情報の重要度が閾値より高い場合には、前記通知情報の送信が実行されることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
新たに前記通知情報を送信しないように制御されていたとしても、送信対象の前記通知情報の重要度が閾値より高い場合には、前記通知情報の送信が実行されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記通知情報を送信した回数に対する前記所定の情報を受信した回数の割合が所定の閾値より小さい場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記受信手段は、前記所定の情報
を受信した場合に、前記端末装置に前記所定のアプリケーションがインストールされている状態で
あると判定し、
前記所定の情報を受信しなかった場合に、前記端末装置に前記所定のアプリケーションがインストールされていない状態で
あると判定することを特徴とする請求項1
乃至13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記受信手段は、前記所定の情報を受信した場合に、
前記端末装置において、前記所定のアプリケーションによる通知が、前記端末装置の設定を行うための設定アプリケーションにより許可されている状態であると判定し、
前記所定の情報を受信しなかった場合に、前記端末装置において、前記所定のアプリケーションによる通知が、前記端末装置の設定を行うための設定アプリケーションにより許可されていない状態で
あると判定することを特徴とする請求項1乃至
14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記受信手段は、前記所定の情報
を受信した場合に、前記端末装置にインストールされている前記所定のアプリケーションが前記端末装置において起動している状態で
あると判定し、
前記所定の情報を受信しなかった場合に、前記端末装置にインストールされている前記所定のアプリケーションが前記端末装置において起動していない状態で
あると判定することを特徴とする請求項1乃至
15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記受信手段は、前記所定の情報
を受信した場合に、前記端末装置の設定を行うための設定アプリケーションにより前記端末装置において省電力設定が有効化されていない
状態であると判定し、
前記所定の情報を受信しなかった場合に、前記設定アプリケーションにより前記端末装置において前記省電力設定が有効化されている
状態であると判定することを特徴とする請求項1乃至
16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記通知情報に基づく通知は、プッシュ通知であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記通知情報を、前記情報処理装置の外部の通信装置から受信する通知受信手段をさらに有し、
前記通信装置から受信された前記通知情報が、前記端末装置に送信されることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項20】
情報処理装置の制御方法であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応
する通知情報を前記端末装置
に送信する送信ステップと、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて
前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信ステップと、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御ステップと、
新たに前記通知情報が送信されないように制御されている状態で、前記端末装置から特定の情報が受信された場合に、前記通知情報の送信が再開されるように制御する再開ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項21】
情報処理装置の制御方法であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信ステップと、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御ステップと、
新たに前記通知情報が送信されないように制御されている状態で、前記通知情報とは異なる他の通知情報であって、前記端末装置において所定の処理を実行するための情報を含む前記他の通知情報を送信する通知ステップと、
を有し、
前記他の通知情報は、前記所定のアプリケーションを前記端末装置にインストールするようにユーザを促すための情報を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項22】
情報処理装置の制御方法であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信ステップと、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御ステップと、
を有し、
前記通知情報は、前記情報処理装置の外部且つ前記端末装置の外部の印刷装置に関する情報であることを特徴とする制御方法。
【請求項23】
情報処理装置の制御方法であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信ステップと、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御ステップと、
を有し、
前記所定のアプリケーションは、印刷装置に印刷を実行させるためのアプリケーションであることを特徴とする制御方法。
【請求項24】
情報処理装置の制御方法であって、
端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信ステップと、
前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御ステップと、
を有し、
新たに前記通知情報を送信しないように制御されていたとしても、送信対象の前記通知情報の重要度が閾値より高い場合には、前記通知情報の送信が実行されるを特徴とする制御方法。
【請求項25】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザAの通信端末が、ユーザBの通信端末にメッセージを送信することや、ユーザBの通信端末においてメッセージが開封された場合に、ユーザAの通信端末に通知を行うことが記載されています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、ユーザBの通信端末においてメッセージが開封されなかった場合にその後もユーザBの通信端末に対してメッセージの送信を実行するか否かを制御することは記載されていません。結果として、特許文献1では、ユーザBの通信端末においてメッセージが開封ないし表示されない状況であるにもかかわらず、ユーザAの通信端末からその後も無駄にメッセージが送信されてしまう可能性があるという課題があります。
【0005】
よって本発明は、通知情報の無駄な送信を抑制することができる通信システム、サーバ、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明の情報処理装置は、端末装置にインストールされる所定のアプリケーションに対応する通知情報を前記端末装置に送信する送信手段と、前記通知情報に対応する処理が前記端末装置によって実行されたことに基づいて前記端末装置から送信される所定の情報を受信する受信手段と、前記通知情報が送信されたにもかかわらず前記所定の情報が受信されない場合、新たに前記通知情報を送信しないように制御する制御手段と、新たに前記通知情報が送信されないように制御されている状態で、前記端末装置から特定の情報が受信された場合に、前記通知情報の送信が再開されるように制御する再開手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通知情報の無駄な送信を抑制することができる情報処理装置、制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】通信装置と印刷装置との構成の一例を示した図である。
【
図3】プッシュ通知サーバと端末装置との構成の一例を示した図である。
【
図4】プッシュ通知サーバの通信部の構成の一例を示した図である。
【
図5】プッシュ通知サーバが保存するデータベースの一例を示した図である。
【
図6】通知領域が表示されている端末装置の画面を示した図である。
【
図7】プッシュ通知サーバの保存部が保存するデータベースの例を示した図である。
【
図8】プッシュ通知サーバが通知情報を送信する送信処理のフローチャートである。
【
図9】受信通知を送信する受信通知送信処理を示したフローチャートである。
【
図10】再開通知を受信した際の処理を示したフローチャートである。
【
図11】送信しなかった通知情報を保存したデータベースを示した図である。
【
図12】サーバで自動的に登録しているデータベースの一例を示した図である。
【
図13】サーバで自動的に登録しているデータベースの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態における通信システムの構成の一例を示す図である。本実施形態の通信システムには、サービス提供サーバ105、プッシュ通知サーバ102、端末装置101、通信装置103、印刷装置104が含まれる。本実施形態では端末装置101としてスマートフォンを例示する。ここでスマートフォンとは、携帯電話の機能の他に、カメラや、ウェブブラウザ、電子メール機能等を搭載した多機能型の携帯電話のことである。なお、本発明を適用可能な端末装置は、スマートフォンに限定されず、後述の通信装置と通信可能な装置であればよい。例えば、端末装置として、デジタルカメラ、携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)等で本発明を適用可能である。
【0011】
また、通信装置として、本実施形態では情報処理装置(PC)を例示しているが、これに限定されない。通信装置として、端末装置と通信を行うことが可能な装置であれば、種々のものを適用可能である。例えば、印刷装置、複写機やファクシミリ装置、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、音楽再生デバイス、ストレージ、プロジェクタ、スマートスピーカ等、印刷以外のサービスを提供可能な装置にも適用可能である。また、通信装置によって制御される印刷装置として、本実施形態では、インクジェット方式による大判印刷を行う装置を例示しているが、これに限定されない。例えば、印刷装置は、インクジェット方式以外の印刷方式(電子写真方式、熱昇華方式等)による印刷を行う装置であってもよい。
【0012】
端末装置101は、端末側アプリケーション106を保持しており、サービス提供サーバ105から送信される通知事項を含んだ通知情報に基づいて情報を表示部に表示する。端末側アプリケーション106は、サービス提供サーバ105から送信される通知情報を解析して、解析結果をオペレーティングシステム(Operating System)(以下、OSという)に通知する。これによって端末側アプリケーション106は、通知情報に基づくメッセージをOSに表示させる機能と、プッシュ通知サーバ102に対して通知情報を受信したことを送信する機能と、を有する。端末側アプリケーション106は、印刷装置104と無線接続することで、印刷ジョブを印刷装置104に送信し、印刷装置104に印刷を実行させる機能も有する。
【0013】
更に端末装置101は、インターネットを介してサービス提供サーバ105と通信可能であり、通知情報をインターネットを介して受信する。なお、端末装置101は、4GやLTE等の移動体通信網を介してインターネットと通信してもよいし、不図示の無線LANルーターとのWi-Fi接続を介してインターネットと通信してもよい。
【0014】
通信装置103は、PC側アプリケーション107を備えており、PC側アプリケーション107によって印刷装置104を制御する。具体的には、通信装置103は、印刷を実行させるための印刷ジョブを印刷装置104に送信したり、印刷装置104から、印刷装置104に関する通知を受信したりする。印刷装置104に関する通知とは、例えば、印刷ジョブに基づいて印刷装置104によって実行された印刷が完了したことの通知や、印刷装置104においてエラーが発生したことの通知である。通信装置103は、印刷装置104から、印刷装置104に関する通知を受信すると、通知に基づく情報を端末装置101に表示させる通知情報108をプッシュ通知サーバ102に送信する。なお、通信装置103も、当該通知に基づく情報を表示部に表示してもよい。
【0015】
プッシュ通知サーバ102は、通信装置103から通知情報108を受信すると、受信した通知情報108をサービス提供サーバ105を介して端末装置101に送信可能である。なお、このときプッシュ通知サーバ102は、複数の装置に情報を表示させるために、複数の端末装置101に対して通知情報を送信してもよい。
【0016】
サービス提供サーバ105は、プッシュ通知サービスを提供するサーバである。本実施形態において、プッシュ通知によって通知領域を表示部に表示するプッシュ通知機能をOSが有している。そのため、プッシュ通知機能を用いるためには、各OSに対応したプッシュ通知サービスを利用する必要がある。すなわち、プッシュ通知サーバ102は、通知情報を端末装置101に直接送信するのではなく、サービス提供サーバ105を介して送信する必要がある。利用されるプッシュ通知サービスは、プッシュ通知によって通知を受け取る端末装置101のOS毎に異なっている。すなわち、プッシュ通知サーバ102は、プッシュ通知の対象となる端末装置101のOS毎に異なるサービス提供サーバ105を介して、通知情報を端末装置101に送信する。
【0017】
なお、サービス提供サーバ105と端末装置101との間の通信は、サービス提供サーバからのみアクセスが可能となっている。端末側アプリケーション106は、サービス提供サーバ105から通知情報を受信すると、通知情報を端末装置101が受信したことを知らせる受信情報である受信通知をプッシュ通知サーバ102へ送信する。なお本実施形態では、プッシュ通知サーバ102やサービス提供サーバ105が1台のサーバで構成されているが、この形態に限定されない。複数台のサーバが連携して動作することで、プッシュ通知サーバ102やサービス提供サーバ105に対応するサーバシステムが構築されてもよい。また、各サーバは、情報処理装置として構成される。
【0018】
図2は、通信装置103と印刷装置104との構成の一例を示した図である。通信装置103は、入力インタフェース501、CPU502、ROM503、出力インタフェース504、RAM505、外部記憶装置506、通信部507等を備えている。通信装置103では、CPU502、ROM503等によってコンピュータが形成される。入力インタフェース501は、マウス510やキーボード509が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるインタフェースである。CPU502は、システム制御部であり、通信装置103の全体を制御する。
【0019】
ROM503は、CPU502が実行する制御プログラムや組み込みOS、プログラム等の固定データを格納する。
【0020】
RAM505は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM505は、不図示のデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されている。そのためRAM505は、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、通信装置103の設定情報や通信装置103の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM505に設けられている。また、RAM505は、CPU502の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0021】
外部記憶装置506は、通信部507を介して接続している印刷装置104を制御したり、印刷装置104が解釈可能な印刷ジョブを生成したりするPC側アプリケーション107等のプログラムや、当該プログラムが使用する各種情報、OSを保存している。
【0022】
出力インタフェース504は、表示部508が各種データや、印刷装置104から受け付ける通知に基づく画面を表示するための制御を行うインタフェースである。
【0023】
表示部508は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、各種データや、印刷装置104から受け付ける通知に基づく画面を表示する。なお、表示部508上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等の操作部を設置することで、表示部508を介してユーザからの入力を受け付けてもよい。
【0024】
通信部507は、他の装置と接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、通信部507は、印刷装置104内のアクセスポイント(不図示)に接続可能である。通信部507と印刷装置104内のアクセスポイントとが接続することで、通信装置103と印刷装置104とは相互に通信可能となる。なお、通信部507は無線通信で印刷装置104とダイレクトに通信してもよいし、通信装置103や印刷装置104の外部に存在する外部装置を介して通信してもよい。なお、外部装置とは、通信装置103の外部及び印刷装置104の外部に存在する外部アクセスポイントや、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置を含む。
【0025】
また、外部アクセスポイントとしては、例えば、無線LANルーター等の機器などが挙げられる。なお、通信部507が利用する通信方式は、無線通信方式に限定されず、USB(Universal Serial Bus)や有線LAN等の有線通信方式であってもよい。
【0026】
また、通信部507は、無線LANルーター等の外部装置を介してインターネットを利用することで、インターネットを介して、プッシュ通知サーバ102と通信可能である。
【0027】
なお、通信装置103は、他の装置とそれぞれ異なる通信方式によって通信するための複数の通信部を有していてもよい。そして、通信装置103と印刷装置104とが通信するための通信部と、通信装置103とプッシュ通知サーバ102とが通信するための通信部とがそれぞれ異なっていてもよい。
【0028】
印刷装置104は、プリントエンジン513、通信部514、ROM515、RAM516、CPU517等を備えている。通信部514は、他の装置と接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、通信部514は、印刷装置104内部のアクセスポイントとして、通信装置103等の装置と接続するためのアクセスポイントを有している。なお、アクセスポイントは、通信装置103の通信部507に接続可能である。なお、通信部514は無線通信で通信装置103とダイレクトに通信してもよいし、外部装置を介して通信してもよい。また、通信部514は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウェアによりアクセスポイントとして動作してもよい。なお、通信部514が利用する通信方式は、無線通信方式に限定されず、USBや有線LAN等の有線通信方式であってもよい。
【0029】
RAM516は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM516は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、印刷装置104の設定情報や印刷装置104の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM516に設けられている。また、RAM516は、CPU517の主メモリとワークメモリとしても用いられ、通信装置103等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。
【0030】
ROM515は、CPU517が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM515に格納されている各制御プログラムは、ROM515に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。
【0031】
CPU517は、システム制御部であり、印刷装置104の全体を制御する。
【0032】
プリントエンジン513は、RAM516に保存された情報や通信装置103等から受信した印刷ジョブに基づき、記録剤(インク等)を紙等の記録媒体上に付加することで画像を形成し印刷結果を出力する。なお、印刷装置104には、外付けHDDやSDカード等のメモリがオプション機器として装着されてもよく、印刷装置104に保存される情報は、当該メモリに保存されてもよい。
【0033】
図3は、プッシュ通知サーバ102と端末装置101との構成の一例を示した図である。プッシュ通知サーバ102は、CPU601、ROM602、RAM603、外部記憶装置604、通信部605等を有する。プッシュ通知サーバ102では、CPU601、ROM602等によって、コンピュータが形成される。CPU601は、システム制御部であり、プッシュ通知サーバ102の全体を制御する。ROM602は、CPU601が実行する制御プログラムやデータテーブル、OS、プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM602に格納されている各制御プログラムは、ROM602に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。
【0034】
RAM603は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM603は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、プッシュ通知サーバ102の設定情報やプッシュ通知サーバ102の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM603に設けられている。また、RAM603は、CPU601の主メモリとワークメモリとしても用いられる。外部記憶装置604は、サービス提供サーバ105を利用して、端末装置101に対してプッシュ通知を行うためのプログラム等を保存している。
【0035】
図4は、プッシュ通知サーバ102の通信部605の構成の一例を示した図である。通信部605は、端末装置101からの登録処理を受け付ける登録部201と、通信装置103やサービス提供サーバ105を提供する外部サーバ等と通信する送信部202と、を備えている。更に通信部605は、端末装置101から通知情報の受信通知を受け取る受信通知取得部203と、再開の通知を受け取る再開通知取得部205と、を備えている。また通信部605は、登録処理、受信通知、再開通知それぞれの通信時の通知情報を保存部204のデータベースに保存する。
【0036】
なお、プッシュ通知サーバ102は、他の装置とそれぞれ異なる通信方式によって通信するための複数の通信部を有していてもよい。そして、プッシュ通知サーバ102と通信装置103とが通信するための通信部と、プッシュ通知サーバ102とサービス提供サーバ105を提供する外部サーバとが通信するための通信部がそれぞれ異なっていてもよい。また、サービス提供サーバ105の構成は、プッシュ通知サーバ102と同様の構成である。
【0037】
図3に戻り、端末装置101は、表示部608、通信部609、ROM611、RAM612、CPU613等を有する。CPU613は、システム制御部であり、端末装置101の全体を制御する。ROM611は、CPU613が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM611に格納されている各制御プログラムは、ROM611に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。また、ROM611は、受信する通知情報を解析して、通知情報に基づく画面を表示するための端末側アプリケーション106等の各種プログラムや、これらのプログラムが使用する各種情報を保存している。
【0038】
RAM612は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM612は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、端末装置101の設定情報や端末装置101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM612に設けられている。また、RAM612は、CPU613の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0039】
表示部608は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、各種データや、通知情報に基づく画面を表示する。なお、表示部608上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等の操作部を設置することで、表示部608を介してユーザからの入力を受け付けてもよい。
【0040】
通信部609は、他の装置とデータ通信を実行するための構成である。例えば、通信部609は、無線LANルーター等の外部装置と接続して、インターネットを利用することにより、インターネットを介して、プッシュ通知サーバ102や、通信装置103から情報を受信する。通信部607が利用する通信方式は、無線通信方式に限定されず、USB(Universal Serial Bus)や有線LAN等の有線通信方式であってもよい。
【0041】
端末装置101に対してプッシュ通知を行うためには、事前にプッシュ通知用の登録処理が実行されている必要がある。なお、以下に説明する登録処理における通信装置103側の処理は、CPU502がPC側アプリケーション107を実行することで実現される。また、以下に説明する登録処理における端末装置101側の処理は、CPU613が端末側アプリケーション106を実行することで実現される。
【0042】
登録処理では、まず、通信装置103は、ユーザからQRコード(登録商標)生成のための所定の操作を受け付けることにより、表示部508にQRコードを表示する。次に、端末装置101は、端末装置101が備える不図示のカメラにより、表示部508に表示されたQRコードを読み取る。そして、端末装置101は、読み取ったQRコードを解析して、QRコードを生成したPC側アプリケーション107の識別情報と、アプリケーション107をインストールした際にPC毎に割り振られるユニークな値であるアプリID(GUID)と、を取得する。
【0043】
次に、端末装置101は、端末装置101の識別情報及び、QRコードを解析することで得た情報を、登録情報としてインターネットを介してプッシュ通知サーバ102に送信する。なお、登録情報の送信先のアドレスとして用いられるプッシュ通知サーバ102のアドレスやサーバ名は、端末側アプリケーション106に予め格納されている。端末装置101の識別情報には、例えばプッシュ通知受信のために必要なデバイストークンや、端末装置101が保持するOSに関するOS情報(OSの種類、OSのヴァージョン等)が含まれる。ここでデバイストークンは、端末装置101が保持するOSから提供される端末情報であり、端末側アプリケーション106の識別情報等が含まれる。よって、デバイストークンを取得することによって、端末装置101を識別することができる。
【0044】
プッシュ通知サーバ102では、登録部201が登録情報を取得し、保存部204でデータベース301にPC側アプリケーション107のアプリIDの情報と、端末装置101の識別情報からデバイストークンを保存する。
【0045】
また、プッシュ通知サーバ102に送信される情報は、QRコードから取得されなくてもよい。例えば、まず端末装置101は、端末装置101が備える不図示のカメラにより、通信装置103がテキスト形式で表示している情報を読み取る。そして、読み取った情報をOCR(Optical Character Recognition/Reader)で分析することで、プッシュ通知サーバ102に送信される情報を抽出してもよい。また、例えば、端末装置101は、通信装置103と無線通信方式又は有線通信方式によって接続し、プッシュ通知サーバ102に送信される情報を、当該接続を介して取得してもよい。これにより、プッシュ通知サーバ102は、いずれのPC側アプリケーション107から受信した通知情報のアプリIDを基に、データベース301から該当するデバイストークン(端末装置101)に送信すればよいかを認識する。このようにして、登録処理が完了する。
【0046】
図5は、プッシュ通知サーバが保存するデータベース301の一例を示した図である。
図5ではアプリIDをabcd,デバイストークンはAAAとしているが、これらアプリIDやデバイストークンは、インストールするPCや、使用している端末ごとに値は異なるものとする。
【0047】
なお、本実施形態では、PC側アプリケーション107のアプリIDと、端末装置101のデバイストークンとが関連付けられて、プッシュ通知サーバ102によって管理される形態を説明したが、この形態に限定されない。例えば、QRコードによって、QRコードを表示している通信装置103の識別情報が取得されてもよい。そして、通信装置103の識別情報と、端末装置101の識別情報とが関連付けられて、プッシュ通知サーバ102によって管理されてもよい。この場合、プッシュ通知サーバ102は、いずれの通信装置103から受信した通知メッセージに基づく通知情報を、いずれの端末装置101に送信すればよいかを認識する。
【0048】
また、例えば、端末装置101は、QRコードを読み取ることによって、PC側アプリケーション107によって制御されている印刷装置104の識別情報を取得してもよい。
そして、印刷装置104の識別情報と、端末装置101の識別情報とが関連付けられて、プッシュ通知サーバ102によって管理されてもよい。この場合、プッシュ通知サーバ102は、いずれの印刷装置104に関する通知メッセージに基づく通知情報を、いずれの端末装置101に送信すればよいかを認識する。
【0049】
また登録処理は、例えば、以下に記載する方法によって実行されてもよい。まず、端末装置101は、通信装置103と無線通信方式又は有線通信方式によって接続し、端末装置101の識別情報を、当該接続を介して通信装置103に送信する。通信装置103は、PC側アプリケーション107の識別情報と、端末装置101の識別情報を、登録情報として、インターネットを介してプッシュ通知サーバ102に送信する。このようにして、PC側アプリケーション107の識別情報と、端末装置101の識別情報とが関連付けられて、プッシュ通知サーバ102によって管理されることによっても、登録処理が完了する。
【0050】
なお、この登録処理においても、通信装置103の識別情報と端末装置101の識別情報とが関連付けられてプッシュ通知サーバ102によって管理されもよい。また、印刷装置104の識別情報と端末装置101の識別情報とが関連付けられてプッシュ通知サーバ102によって管理されもよい。
【0051】
なお、登録処理における登録情報の送信方式については特に限定されない。例えば、登録情報をHTML形式に変換して送信するHTTP方式であってもよいし、登録情報をファイル形式として作成し、そのファイルを送信するFTP方式であってもよい。
【0052】
また、登録情報は、プッシュ通知サーバ102と端末側アプリケーション106で共有されるセキュリティキーによって暗号化されたデータであってもよい。また、バイナリデータであってもよいし、UTF-8等のテキストデータ、またはBase64等の方式でエンコードされたデータであってもよい。
【0053】
ここで、プッシュ通知について説明する。プッシュ通知とは、スマートフォンのアプリやパソコンのソフトなどで何かの変化や通知の必要があるときに、プッシュ通知サービスを用いてアプリの側から自動的に、表示や音で端末装置101に通知を行う通知方法である。本実施形態において、通信装置103は、印刷装置104に関する情報を、通知情報108として、プッシュ通知サーバ102に送信する。そして、プッシュ通知サーバ102が、通知情報108を、プッシュ通知サービスを利用しサービス提供サーバ105を介して端末装置101に送信する。これにより、プッシュ通知サーバ102は、印刷装置104に関する情報を端末装置101に通知する。端末装置101は、通知情報を受信した場合、通知情報108を通知するための通知領域を、表示部608が表示する画面において表示する。
【0054】
図6は、プッシュ通知機能によって通知領域が表示されている端末装置101の画面を示した図である。領域401は、表示部608が表示可能な最大の領域を示し、領域402が、通知情報108を通知するための通知領域を示す。また、領域403は、表示される通知領域がいずれのアプリケーションに対応しているかを示すアイコンや、表示される通知領域が対応しているアプリケーションの名前に関する情報を示す領域である。本実施形態では、表示される通知領域に対応しているアプリケーションとして、端末側アプリケーション106が表示されている。そして、通知領域がユーザによって操作された場合、端末装置101は、端末側アプリケーション106をフォアグラウンドに移行させ、端末側アプリケーション106により表示される画面を表示部608全面に表示する。この時表示される画面は、通知情報に基づいて表示される画面であり、例えば、通知領域によって通知される内容を、通知領域より詳細に通知するための画面である。
【0055】
なお通知情報を受信した端末装置101は、当該通知情報に対応するアプリケーション(本実施形態では、端末側アプリケーション106)が端末装置101にインストールされている場合に、通知情報に対応する通知領域を表示する。言い換えれば、端末側アプリケーション106が端末装置101にインストールされていない場合には、通知情報を受信したとしても端末装置101は、通知情報に対応する通知領域を表示しない。また例えば、端末側アプリケーション106がインストールされているが端末装置101においてバックグラウンドでもフォアグラウンドでも動作していない(起動していない)場合には、通知情報を受信したとしても端末装置101は、通知情報に対応する通知領域を表示しない。また例えば、端末側アプリケーション106による通知が端末装置101における設定により許可されていない場合には、通知情報を受信したとしても端末装置101は、通知情報に対応する通知領域を表示しない。また例えば、端末装置101において省電力設定が有効化されている場合には、通知情報を受信したとしても端末装置101は、通知情報に対応する通知領域を表示しない。このように端末装置101の状態には、通知情報に対応する通知領域を表示しない状態があるため、従来の形態では、通知情報に対応する通知領域が表示されないにもかかわらず、通知情報がサービス提供サーバ105から送信されてしまうことがある。なお、当該通知情報に対応するアプリケーションが端末装置101にインストールされていない場合とは例えば、端末装置101から端末側アプリケーション106がアンインストールされた場合である。また、端末側アプリケーション106による通知を許可するか否かの設定や、省電力設定の有効化や無効化は、端末装置101の設定を行うための設定アプリケーションによって実行される。
【0056】
一般に、通知情報に対応する通知領域が表示されないのであれば、サービス提供サーバ105は、通知情報を送信する必要がない。通知情報が無駄に送信されると、サービス提供サーバ105に不必要な負荷が生じたり、通信リソースが不必要に消費されてしまうという課題がある。そこで本実施形態では、通知情報が無駄に送信されることを抑制するための制御を実行する。
【0057】
図8は、プッシュ通知サーバ102が通知情報を送信する送信処理のフローチャートである。なお、
図8ではプログラムの起動の記載はないが、プッシュ通知サーバ102のプログラムは常駐起動しているものとする。以下、
図8のフローチャートを用いて本実施形態のプッシュ通知サーバ102による送信処理の説明をする。なお、
図8のシーケンスで示される一連の処理の主体は、プッシュ通知サーバ102のCPU601であり、ディスク装置などに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。あるいはまた、
図8におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、以下の説明では主体を、プッシュ通知サーバ102として説明する。
【0058】
送信処理が開始されると、S801で、プッシュ通知サーバ102は、通信装置103から通知情報108を受信し、通知情報108のアプリIDを確認する。ここではアプリIDをabcdとする。その後S802でプッシュ通知サーバ102は、通信部605の送信部202により、受け取ったアプリID及び、
図5に示したような登録済み装置に関するデータベースを基に、受け取ったアプリIDに対応するデバイスを特定する。具体的にはプッシュ通知サーバ102は、受け取ったアプリIDに対応するデバイスを示すデバイストークンを取得する。そしてS802でプッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスからの受信通知の受信率及び、S802で特定されたデバイスに対して通知情報を送信した回数(送信回数)を特定する。なお、ここでいう受信率は、S802で特定されたデバイスから受信通知を受け取った回数(受信回数)を、送信回数で割ることで算出される。つまりプッシュ通知サーバ102は、送信回数に対する受信回数の割合を特定する。なお、プッシュ通知サーバ102が管理している各装置に対応する受信率は、
図7に示すようなデータベースによって管理されている。
【0059】
その後、S803でプッシュ通知サーバ102は、これから行われる通信情報の送信が、S802で特定されたデバイスに対する通知情報の最初の送信か否かを判定する。具体的には、プッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスに関する送信回数(S802で特定された送信回数)が0であるか否かを判定する。S802で特定されたデバイスに対する最初の送信の場合には、S802で特定されたデバイスに関するデータベースは、データベース701に示されるようになっている。S802で特定されたデバイスに対する通知情報の最初の送信である場合は、プッシュ通知サーバ102は、S804に移行する。S804ではプッシュ通知サーバ102は、通知情報108を、サービス提供サーバ105を介してS802で特定されたデバイス(ここでは端末装置101)に送信する。その後プッシュ通知サーバ102は、S807で、データベースの更新を行う。具体的にはプッシュ通知サーバ102は、送信回数を1回増やしてデータベース702のように、S802で特定されたデバイスに関するデータベースを保存しなおす。そして、S808でプッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスからの受信通知を受信したか否かを判定する。なお、受信通知は、S802で特定されたデバイスに端末アプリケーション106がインストールされており、S802で特定されたデバイスにおいて通知情報に対応する通知領域が表示された場合に、プッシュ通知サーバ102に送信される。受信した場合は、プッシュ通知サーバ102は、S809に移行して、データベースの更新を行う。具体的にはプッシュ通知サーバ102は、受信回数を1回増やし、データベース703のように、S802で特定されたデバイスに関するデータベースを保存しなおす。これで送信処理が終了となる。
【0060】
S803で、S802で特定されたデバイスに対する最初の送信でないと判定された場合は、プッシュ通知サーバ102は、S805に移行する。S805ではプッシュ通知サーバ102は、S802で特定された受信率が閾値(本実施形態では閾値40%)未満であるか否かを判定する。受信率が閾値未満であればS804に移行する。受信率が閾値未満でなければS806に移行する。S806ではプッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスに対して通知情報の送信を行わないことを特定する。その後プッシュ通知サーバ102は送信処理を終了する。S802で特定されたデバイスから端末側アプリケーション106がアンインストールされており、通知情報に基づく通知が行われていない場合、受信通知が送信されないため受信通知の受信率は低くなる。そのため本判定により、S802で特定されたデバイスから端末側アプリケーション106がアンインストールされている状態において、通知情報の送信を抑制することができる。
【0061】
なお、プッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスに対して通知情報を送信しないことを通知するための情報を、通信装置103に対して送信してもよい。またプッシュ通知サーバ102は、S802で特定されたデバイスが通知情報に基づく通知を実行できなくなっていることを通知したり、端末装置101に端末アプリケーション106をインストールするようユーザを促すための情報を、通信装置103に対して送信してもよい。
【0062】
図9は、通知情報を受け取った端末装置101が受信通知を送信する受信通知送信処理を示したフローチャートである。なお、
図9のフローチャートは、端末アプリケーション106が端末装置101にインストールされている状態で実行されるものとする。また
図9のフローチャートは、端末装置101が通信情報をプッシュ通知サーバ102から受信した場合に開始される。以下、
図9のフローチャートを用いて本実施形態の端末装置101による受信通知送信処理の説明をする。なお、
図9のシーケンスで示される一連の処理の主体は、端末装置101のCPU613であり、プログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。あるいはまた、
図9におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、以下の説明では主体を端末装置101として説明する。
【0063】
端末装置101による受信通知の送信処理が開始されると、S901で端末装置101は、プッシュ通知サーバ102から受信された通知情報を端末アプリケーション106が端末装置101のOSから取得したか否かを判定する。通知情報を取得していれば、S902で端末装置101は、端末アプリケーション106により、通知情報108に対応する通知領域を表示部608に表示するよう端末装置101のOSに通知する。これにより、通知情報108に対応する通知領域が表示される。その後、S903で端末装置101は、プッシュ通知サーバ102の受信通知取得部203に対して受信通知を送信する。端末側アプリケーション106に届いた通知情報にはアプリIDと、デバイストークン等、プッシュ通知サーバ102側が送信元を判別できる情報が含まれており、それをそのまま受信通知として送信して受信通知の送信処理を終了する。S901で通知情報を取得しなければ、プッシュ通知サーバ102に対して受信通知を送信しないで受信通知の送信処理を終了する。
【0064】
なお端末アプリケーション106が端末装置101にインストールされていない状態においては、端末装置101は、プッシュ通知サーバ102から通知情報を受信したとしても、通知情報に基づく通知を実行しない。
【0065】
図10は、プッシュ通知サーバ102が再開通知を受信した際の処理を示したフローチャートである。端末装置101に端末側アプリケーション106が再びインストールされた場合や、端末側アプリケーション106による通知が設定アプリケーションにより許可された場合、端末装置101は再開通知をプッシュ通知サーバ102に送信する。これにより端末装置101は、通知情報の受信を再開することができる。
【0066】
端末装置101上の端末側アプリケーション106は、通信情報に基づく通知が実行可能な状態に戻った場合には、プッシュ通知サーバ102に対して再開通知を送信する。上記の場合とは具体的には例えば、端末側アプリケーション106が再び端末装置101にインストールされた場合や端末側アプリケーション106による通知が端末装置101における設定により許可された場合である。また例えば、端末側アプリケーション106がバックグラウンドかフォアグラウンドで動作を開始した(起動した)場合、端末装置101において省電力設定が無効化された場合である。再開通知の送付では、登録時に使用したアプリIDとデバイストークンとを送付する。以下、
図10のフローチャートを用いて本実施形態のプッシュ通知サーバ102が再開通知を受信した際の処理を説明する。なお、
図10のシーケンスで示される一連の処理の主体は、プッシュ通知サーバ102のCPU601であり、プログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。あるいはまた、
図10におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、以下の説明では主体を、プッシュ通知サーバ102として説明する。
【0067】
プッシュ通知サーバ102は、S1001で再開通知を受信すると、S1002で、受信した再開通知から得たアプリIDとデバイストークンとからデータベースを検索し、該当する端末装置の受信率を確認する。そしてS1003で受信率が閾値未満か否かを判定して、受信率が閾値未満であればS1004に移行して受信率を初期化する。具体的には、データベースにより管理されている送信回数や受信回数に関する情報を初期化することで、次回の送信時は初回の送信と同様になり、送信の処理を再開することができる。S1003で受信率が閾値未満でなければ、プッシュ通知サーバ102が再開通知を受信した際の処理を終了する。
【0068】
図11は、本実施形態のプッシュ通知サーバ102側で送信しなかった通知情報を保存したデータベース1101を示した図である。再開通知を受信した際に、S1003で受信率が閾値未満であるかを確認せずに受信率を0に初期化してもよい。また、プッシュ通知サーバ102は、送信しなかった通知情報をデータベース1101上に保存しておき、再開通知が来た際に、送信していなかった通知情報をまとめて送信してもよい。
【0069】
図12は、本実施形態のプッシュ通知サーバ102側で自動的に登録しているデータベース1201の一例を示した図である。
【0070】
また、プッシュ通知サーバ102は、
図12のように通知情報を送信した際の最終送信日をデータベース1201に保管しておき、最終送信日から一定期間経過したら、プッシュ通知サーバ側で自動的に登録してあるデータベース1201を削除してもよい。
【0071】
また、本実施形態では、プッシュ通知を実行するための通知情報を送信するか否かの制御に関して説明したが、これに限定するものでなく、メール等の情報を送信するか否かの制御に適用してもよい。
【0072】
以上のようにプッシュ通知サーバは、通知情報を送信する際に、送信した回数と受信した回数とから送信先における受信率を計算する。そして、受信率が所定の閾値(本実施形態では40%で説明)未満の場合には、送信先の端末装置101上にある端末側アプリケーション106は通知情報に基づく通知を実行できないと判断して送信をしない。これによって、通知情報の無駄な送信を抑制することができる通信システム、サーバ、制御方法及びプログラムを実現することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成について説明する。
【0074】
図13は、本実施形態のプッシュ通知サーバ102側で自動的に登録しているデータベース1301の一例を示した図である。第1の実施形態では、受信率が所定の閾値未満である場合に送信しないと説明したが、この形態に限定されない。本実施形態では、送信元でメッセージを送信する際に、そのメッセージの重要度(本実施形態では1~5)を設定している。
【0075】
プッシュ通知サーバ102は、受信率が閾値未満の場合には、再開通知が来なければ、端末が通知表示できないと判断して通知情報の送信は行わない。しかし、例外として通信装置103からの通知情報に、閾値を超えた高い重要度(本実施形態では1、2)が付いている場合には受信率が閾値未満でも送信処理を行う。なお本実施形態において重要度の高い通信情報とは例えば、端末側アプリケーション106の更新(アップデート)をユーザに促すための情報や、印刷装置104において重篤なエラーが発生していることを通知するための情報などである。
【0076】
なお、本実施形態では重要度を1~5の5段階に分けているが、これに限定するものでなく、複数段階に分かれていればよい。また、高い重要度に関しても、本実施形態では重要度1と2とを高い重要度に設定しているが、設定した重要度に応じて適宜設定することが好ましい。
【0077】
本実施形態の場合、高い重要度のメッセージを継続して送信することで、受信率が閾値未満の送信先も受信率が上がり、閾値以上となることがある。閾値以上となった送信先には、改めて重要度の低いメッセージも送信することが可能となる。
【0078】
このように、メッセージの重要度を設定し、重要度の高いメッセージを通知するための通知情報については、受信率が閾値未満でも送信処理を行う。これによって、無駄な送信を抑制しつつ、送信先にも重要度に応じてメッセージを送信することができる。
【0079】
(その他の実施形態)
上述では、端末装置101は、通知情報を送信するか否かの判定を、端末装置101からの受信通知の受信率に基づいて行っていたが、この形態に限定されない。例えば、端末装置101は、端末装置101に端末側アプリケーション106がインストールされているか否かの情報を適宜プッシュ通知サーバ102に送信するものとする。具体的には例えば、端末装置101は当該情報を、通知情報を受信した場合にプッシュ通知サーバ102に送信するものとする。すなわち、プッシュ通知サーバ102は、端末装置101に端末側アプリケーション106がインストールされているか否かを適宜把握可能であるものとする。このような形態においては、端末装置101は、通知情報を送信するか否かの判定を、端末装置101に端末側アプリケーション106がインストールされているか否かを判定することによって実行しても良い。
【0080】
また上述では、端末装置101に送信される通知情報は、印刷装置104に関する通知を行うための通知情報であったが、この形態に限定されない。通知情報は、端末装置101によって通知されるべき通知事項を通知するためのものであれば良い。具体的には例えば通知情報は、端末側アプリケーション106のアップデートに関する通知や端末側アプリケーション106の機能に関する通知を行うための情報であっても良い。
【0081】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0082】
101 端末装置
102 プッシュ通知サーバ
103 通信装置
104 印刷装置