(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240219BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20240219BHJP
B41J 3/60 20060101ALI20240219BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240219BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240219BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
G01N21/892 A
B41J3/60
B41J29/393 105
G03G21/00 510
G06T1/00 310A
(21)【出願番号】P 2019205590
(22)【出願日】2019-11-13
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彩
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-137736(JP,A)
【文献】特開2009-151236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G01N 21/892
B41J 3/60
B41J 29/393
G03G 21/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の品位を検査する情報処理装置であって、
記録シートの片面のみに画像を印刷する片面印刷を
設定する
設定手段と、
前記設定手段によって片面印刷が設定されている場合、印刷に用いる用紙の種類に基づいて、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査するか、前記用紙の両面の画像の品位を検査するかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記両面の画像の品位を検査すると判定された場合、前記用紙をスキャンすることで得られたスキャン画像と基準画像とに基づいて、前記
用紙の
両面の画像の品位を検査する検査手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記用紙の種類が普通紙の場合、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査し、前記用紙の種類が厚紙の場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検査手段は、前記用紙の印刷されていない面の検査レベルは、前記用紙の印刷されている面の検査レベルよりも低くすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
画像の品位を検査する情報処理装置であって、
記録シートの片面のみに画像を印刷する片面印刷を設定する設定手段と、
前記設定手段によって片面印刷が設定されている場合、用紙からなる成果物の種類に基づいて、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査するか、前記用紙の両面の画像の品位を検査するかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記両面の画像の品位を検査すると判定された場合、前記用紙をスキャンすることで得られたスキャン画像と基準画像とに基づいて、前記用紙の両面の画像の品位を検査する検査手段を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記検査手段は、両面
の画像の品位を検査する際、印刷されている面の検査項目と印刷されていない面の検査項目とを異ならせることを特徴とする請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記成果物の種類が切手の場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記成果物の種類がハガキの場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像の品位を検査する情報処理装置の制御方法であって、
記録シートの片面のみに画像を印刷する片面印刷を
設定する
設定工程と、
前記設定工程によって片面印刷が設定されている場合、印刷に用いる用紙の種類に基づいて、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査するか、前記用紙の両面の画像の品位を検査するかを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記両面の画像の品位を検査すると判定された場合、前記用紙をスキャンすることで得られたスキャン画像と基準画像とに基づいて、
前記
用紙の
両面の画像の品位を検査する検査工程を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記判定工程は、前記用紙の種類が普通紙の場合、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査し、前記用紙の種類が厚紙の場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記検査工程は、前記用紙の印刷されていない面の検査レベルは、前記用紙の印刷されている面の検査レベルよりも低くすることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
画像の品位を検査する情報処理装置の制御方法であって、
記録シートの片面のみに画像を印刷する片面印刷を設定する設定工程と、
前記設定工程によって片面印刷が設定されている場合、用紙からなる成果物の種類に基づいて、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査するか、前記用紙の両面の画像の品位を検査するかを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記両面の画像の品位を検査すると判定された場合、前記用紙をスキャンすることで得られたスキャン画像と基準画像とに基づいて、前記用紙の両面の画像の品位を検査する検査工程を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記検査工程は、両面の
画像の品位を検査する際、印刷されている面の検査項目と印刷されていない面の検査項目とを異ならせることを特徴とする請求項
8または9に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記判定工程は、前記成果物の種類が切手の場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記判定工程は、前記成果物の種類がハガキの場合、前記用紙の両面の画像の品位を検査するように判定することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
請求項1乃至
7の何れか1項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための該コンピュータで読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置における印刷物の品位を検査する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置で印刷した印刷物を読み取り、品位を検査する検査装置が知られている。検査装置は、汚れや印刷抜けなどの画像欠陥、文字の誤り、バーコード品位などを検出可能である。
【0003】
一方、用紙の両面に印刷できる印刷装置が従来知られている。このような印刷装置は機内に用紙を反転するための搬送路を備えており、用紙の両面に画像を印刷することができる。このような印刷物が検査の対象となる場合、検査装置は用紙の両面に印刷された画像を検査することが求められる。
【0004】
このような課題を解決するため、用紙の両面に印刷された画像を検査する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、片面印刷時は片面のみを検査し、両面検査時は両面を検査する、という機構をとる。つまり、印刷された面のみ検査を行うことしか考慮されていない。そのため、例えば、片面印刷でも裏面に汚れが付着していないかを確認したい高品位の印刷物(裏面の品質も担保したい印刷物)を検査する場合であっても、両面検査を行うことはできなかった。
【0007】
そこで本発明では、用紙の片面にのみ画像が印字されている場合でも、用紙の両面に検査を実行することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の情報処理装置は、記録シートの片面のみに画像を印刷する片面印刷を設定する設定手段と、前記設定手段によって片面印刷が設定されている場合、印刷に用いる用紙の種類に基づいて、前記用紙の片面のみの画像の品位を検査するか、前記用紙の両面の画像の品位を検査するかを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記両面の画像の品位を検査すると判定された場合、前記用紙をスキャンすることで得られたスキャン画像と基準画像とに基づいて、前記用紙の両面の画像の品位を検査する検査手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、用紙の片面にのみ画像が印字されている場合でも、用紙の両面に検査を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態における情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を表す模式図。
【
図2】実施形態における情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態における情報処理装置と検査ユニットと印刷装置と大容量スタッカの内部構成を示す図。
【
図5】実施形態1における検査装置の検査時の動作フローチャート。
【
図6】実施形態1における検査ユニットの検査時の動作フローチャート。
【
図7】実施形態1における検査装置の動作フローチャート。
【
図8】実施形態2における検査装置の検査時の動作フローチャート。
【
図9】実施形態2における検査ユニットの検査時の動作フローチャート。
【
図10】実施形態2における検査装置の動作フローチャート。
【
図11】両面検査するかどうかを判定する際に用いるテーブルの一例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一の実施形態>
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、特に断らない限り、本発明に係る機能が実現されるのであれば、単体の機器であっても、複数の機器からなる検査装置であっても、本発明を適用できることは言うまでもない。また、特に断らない限り、本発明の機能が実現されるのであれば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続がなされ、処理が行われる検査装置であってもよい。すなわち、以下の実施形態で説明する各種端末が接続されたシステム構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0012】
図1は、本実施形態における検査システムであって、情報処理装置と検査装置と印刷装置の構成を表す模式図である。なお、本実施形態の印刷装置は電子写真方式の印刷装置を用いて説明するが、本実施形態における印刷装置は、インクジェット方式、オフセット方式など、異なる画像形成方式の印刷装置であっても良い。
【0013】
印刷装置0101は、ケーブル0112を介して情報処理装置0109と接続されている。情報処理装置0109は、ネットワーク0113を介してクライアントコンピュータ0110、検査装置0108と接続されている。
【0014】
印刷装置0101は、UIパネル0102、給紙デッキ0103および給紙デッキ0104を備える。さらに、3段の給紙デッキからなるオプションデッキ0105が接続される。印刷装置0101は、例えば電子写真方式の印刷装置である。また、UIパネル0102は、例えば静電容量方式のタッチパネルを備えたユーザインターフェースである。
【0015】
さらに印刷装置0101は、検査ユニット0106、大容量スタッカ0107を備える。検査ユニットは、ケーブル0114を介して検査装置0108と接続されている。大容量スタッカ0107はメイントレイとトップトレイを備え、メイントレイには一度に数千枚の用紙を積載することができる。
【0016】
印刷ジョブはクライアントコンピュータ0110で生成され、ネットワーク0113を介して情報処理装置0109に送信され、情報処理装置0109で管理される。そして、印刷ジョブは情報処理装置0109からケーブル0112を通じて印刷装置0101に送信され、印刷装置0101が用紙に印字する処理を行う。なお、印刷ジョブは、情報処理装置0109において生成・管理され、ネットワーク0112を介して印刷装置0101に送信され、印刷装置0101で管理される形態をとっても良い。
【0017】
なお、クライアントコンピュータ0110、情報処理装置0109、検査装置0108はケーブル0112に接続されて印刷装置0101と通信できる形態をとっても良い。即ち、本実施形態に示す印刷装置0101、情報処理装置0109、クライアントコンピュータ0110の接続形態は一例であり、本実施形態で示した他にも様々な接続形態があることは言うまでもない。
【0018】
図2は、本実施形態の印刷装置0101と検査装置0108と大容量スタッカ0107と情報処理装置0109とクライアントコンピュータ0110の制御構成を示すブロック図である。
【0019】
CPU(Central Processing Unit/中央演算装置)0201は、システムバス0212を介して印刷装置0101内の各部における制御や演算を司る。CPU0201は、記憶部0205に格納され、RAM(Ramdom Access Memory)0202にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0202は、CPU0201から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0201のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0205は、印刷装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0020】
エンジンI/F0209は、プリンタエンジン02010との通信、制御を司る。給紙デッキI/F0204は、給紙デッキ0211との通信、制御を司る。給紙デッキ0211は、給紙デッキ0103、0104、オプションデッキ0105をハード構成として総称するものである。UIパネル0203は、UIパネル0102のハード構成であり、印刷装置0101の操作全般を行うためのユーザインターフェースである。本実施形態では、UIパネル0203は静電容量方式のタッチパネルを備えたものとする。
【0021】
ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0207は、ケーブル0213を介して情報処理装置0109のNW I/F0238と接続され、情報処理装置0109と印刷装置0101の通信を司る。なお、この例ではシステムバス0212、0239に接続されたインターフェース同士が直接接続されている形式であるが、情報処理装置0109と印刷装置0101は例えばネットワーク等で接続されている形式でもよく、その接続形式を限定しない。ビデオI/F0206は、ビデオケーブル0241を介してビデオI/F0233と接続され、情報処理装置0109と印刷装置0101の間の画像データの通信を司る。
【0022】
なお、情報処理装置0109における印刷装置0101との接続インターフェースは、NW I/F0238とビデオI/F0233の機能を統合した形式をとっても良い。また、印刷装置0101における情報処理装置0109との接続インターフェースは、NW I/F0207とビデオI/F0206の機能を統合した形式をとっても良い。
【0023】
アクセサリI/F0208は、ケーブル0225を介してアクセサリI/F0214、アクセサリI/F0220と接続する。即ち、印刷装置0101はアクセサリI/F0208、0214、0220を介して検査ユニット0106、大容量スタッカ0107と互いに通信を行う。
【0024】
CPU0216は、システムバス0219を介して検査ユニット0106内の各部における制御や演算、記憶部0247に格納され、RAM0217にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0217は、CPU0216から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0216のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0247は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。検査装置I/F0215は、ケーブル0248を介して検査装置ユニットI/F0231と接続する。即ち、検査ユニット0106は、検査装置I/F0215と検査装置ユニットI/F0231とを介して検査装置0108と通信を行う。
【0025】
撮影部0218は、例えばコンダクトイメージセンサ(以下、CIS)を搭載した撮影機能を備え、検査ユニット内を通過する用紙を撮影し、撮影した画像を検査装置I/F0215を介して検査装置0108に送信する。なお、撮影部0218に対するCISはセンサの一例であり、CCDイメージセンサなど他の種類のセンサであっても良く、その撮影方式を限定しない。
【0026】
CPU02220は、システムバス0224を介して大容量スタッカ0107内の各部における制御や演算、記憶部0248に格納され、RAM0222にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0222は、CPU0221から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0221のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0248は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。排紙部0223は、メイントレイとトップトレイへの排紙動作や、メイントレイとトップトレイ各々の積載状況の監視や制御を司る。
【0027】
CPU0226は、システムバス0230を介して検査装置0108内の各部における制御や演算、記憶部0228に格納され、RAM0227にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0227は、CPU0226から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0226のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0228は、検査装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。PDL解析部0229は、クライアントコンピュータ0110や情報処理装置0109から受信した例えばPDF、PostScript、PCLなどのPDLデータを読み込み、解釈処理を実行する。表示部0245は例えば検査装置に接続される液晶ディスプレイであり、検査装置へのユーザの入力を受け付けたり、検査装置の状態を表示したり表示制御したりする。CPU0234は、システムバス0239を介して情報処理装置0109内の各部における制御や演算、記憶部0236に格納され、RAM0235にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0235は、CPU0234から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0234のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0236は、情報処理装置動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。ネットワークインターフェース(以下、NW I/F)0237は、ネットワークを介してNW I/F0232、0240と接続される。情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0232を介して検査装置0108と通信を行う。また、情報処理装置0109は、NW I/F0237、NW I/F0240を介してクライアントコンピュータ0110と通信を行う。
【0028】
CPU0243は、システムバス0246を介してクライアントコンピュータ0110内の各部における制御や演算、記憶部0245に格納され、RAM0242にロードされるプログラムの実行を司る。RAM0242は、CPU0243から直接アクセスできる一般的な揮発性記憶装置の一種で、CPU0243のワークエリアまたはその他一時的なデータ記憶領域として使用される。記憶部0244は、クライアントコンピュータ動作時の一時記憶領域およびワークメモリとして機能する。
【0029】
図3は、印刷装置0101と検査ユニット0106と大容量スタッカ0107の内部構成を示す図である。印刷装置0101は、UIパネル0102を介してユーザの入力を受け付けたり、印刷や機器の状態を表示したりする。給紙デッキ0103及び0104には、各種用紙を収容しておくことが可能である。各給紙デッキでは、収容された用紙の最上位の用紙一枚のみを分離し、用紙搬送パス0305へ搬送することが可能である。0301~0304は現像ステーションであり、カラー画像を形成するために、それぞれY、M、C、Kの有色トナーを用いてトナー像を形成する。ここで形成されたトナー像は中間転写ベルト0306に一次転写される。中間転写ベルト0306は図を時計回りに回転し、0307の二次転写位置で用紙搬送パス0305から搬送されてきた用紙へとトナー像が転写される。定着ユニット0308は加圧ローラーと加熱ローラーを備え、各ローラーの間を用紙が通過することにより、トナーを溶融・圧着することで用紙にトナー像を定着させる。定着ユニット0308を抜けた用紙は用紙搬送パス0309を通って0312へと搬送される。用紙の種類によって定着のためにさらに溶融・圧着が必要な場合は、定着ユニット0308を通過した後、上の用紙搬送パスを使って第二定着ユニット0310へと搬送され、追加の溶融・圧着が施された後、用紙搬送パス0311を通って0312へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、0313の用紙反転パスへと用紙を搬送し、0313で反転した後、両面搬送パス0314へと用紙が搬送され、二次転写位置0307で二面目の画像転写が行われる。
【0030】
検査ユニット0106内にはCIS0315、0316が対向する形で配置される。CIS0315は用紙の上面を、CIS0316は用紙の下面を読み取るためのセンサである。検査ユニット0106は、用紙搬送パス0317に搬送された用紙が所定の位置に到達したタイミングで、CIS0315、0316を用いて用紙をスキャンする。スキャンされた画像は、検査装置I/F0215、検査ユニットI/F0231を介して検査装置0108に送信される。CPU0226は、当該受信した画像に欠陥があるかどうか判定し、判定した結果を再び検査ユニットI/F0231、検査装置I/F0215を介して検査ユニット0106に通知する。CPU0216は、当該受信した判定結果を、アクセサリI/F0214、0220を介して大容量スタッカ0107に通知する。
【0031】
0107は大容量の用紙を積載することが可能な大容量スタッカである。大容量スタッカ0107は、用紙を積載するトレイとしてメイントレイ0324を有する。検査ユニット0106を通過した用紙は用紙搬送パス0319を通して大容量スタッカ0107に入る。用紙は用紙搬送パス0319からシート搬送パス0322を経由して、メイントレイ0324に積載される。さらに大容量スタッカ0107は、排紙トレイとしてトップトレイ0320を有する。CPU0221は、検査装置0108によって欠陥が検出された用紙をトップトレイ0320に排出する。トップトレイ0320に出力する場合は、用紙搬送パス0319から用紙搬送パス0321を経由してトップトレイ0320へと用紙が搬送される。0323はシートを反転するための反転部である。この反転部0323は、用紙をメイントレイ0324に積載する場合に使用される。入ってきた用紙の向きと積載時の用紙の向きが同一となるように、メイントレイ0324に積載する場合には反転部0323で一度用紙を反転させる。トップトレイ0320へ搬送する場合は、積載時にフリップせずにそのままシートを排出するため、反転部0323での反転動作は行わない。
【0032】
図4は、検査設定画面を示す図である。検査設定画面は、画像が印字される面に対して検査設定するための画面である。従って、両面印刷される場合は、おもて面と裏面に対して、検査設定画面を表示して、設定を行う。片面印刷され、片面検査の場合は、片面に対して、検査設定画面を表示して、設定を行う。また、片面印刷され、両面検査される場合は、画像が印字される面のみに対して、検査設定画面を表示して、設定を行う。検査設定画面0401は、メニューバー0402、検査基準確認ボタン0403、検査パラメータ設定部0404を備える。さらに、検査パラメータ設定部0404は、検査パラメータの色変更プルダウン0405を備える。検査設定画面0401には、検査設定が適用される検査ジョブに既に登録されている基準画像が表示されている。
【0033】
メニューバー0402は、既に登録されている基準画像を差し替えるボタンを備える。また、メニューバー0402は、表示部0245がその座標でユーザからの指示を受け付けるマウスポインタ(不図示)をグラブかポインタか切り替えたり、後述する検査領域の形を矩形か楕円か選択させたりするボタンを備える。また、メニューバー0402は、実行した処理を「元に戻す」「やり直し」するボタンや、検査領域の複製、切り取り、貼り付け、削除を実行するボタンも備える。さらに、ズーム倍率を変更したり、表示されている画像を画面にフィット表示させたりするボタンも備える。
【0034】
検査パラメータ設定部0404は、ユーザからの位置ずれ設定と検査パラメータ設定を受け付ける。位置ずれ設定における位置ずれは、位置ずれの許容値であり、この許容値はユーザが設定可能である。
図4は、用紙搬送方向の位置ずれを「位置ずれ(縦)」として1mmまで、主走査方向の位置ずれを「位置ずれ(横)」として2mmまで許容する設定を示す。印刷装置0101では用紙搬送時に生じる搬送ずれや、各用紙に対しての画像の印字位置の微小なずれが生じる場合がある。このような位置ずれが生じて検査精度が下がるのを避けるため、位置ずれの許容値を定義する。
【0035】
さらに、検査パラメータ設定では、各検査基準(「重要」、「標準」)に対しての円状欠陥、筋状欠陥の検査レベルを閲覧したり、コンボボックスにおいて検査レベルを変更したりすることが可能である。本実施形態では、検査が厳しい順に検査レベル7、6、6、5、4、3、2、1と定義するため、「重要」「標準」は、検査レベルが逆転しないように設定されるものとする。これは、例えば、「標準」で検査レベル5を選択した場合は「重要」では検査レベル7か6しか選択できないように表示を変更することで実現可能である。なお、本実施形態では、検査基準「除外」に対しては内部的に固定の検査レベルを用いるものとし、選択するコンボボックスを設けない。
【0036】
また、検査パラメータの色変更プルダウン0405によって、対応する検査基準が適用される検査領域の枠の色を変更することができる。検査パラメータの色変更プルダウン0405がクリックされると例えば色選択メニュー(不図示)が開き、提示される選択肢によって表示部0245がユーザによる色の変更を受け付ける。
図4においては、検査基準「重要」が選択されていることが、「重要」の選択肢を反転表示することで示されている。
【0037】
検査設定画面0401はさらに、設定を中止する「キャンセル」ボタン0407と設定を終了する「完了」ボタン0406を備える。
【0038】
図5は、検査時の検査装置0108の動作フローチャートである。
【0039】
S0501にて、CPU0226は表示部0245を介してユーザからの画像読み込み開始指示を受け付ける。S0513にて、CPU0226は印刷ジョブ情報を取得する。情報処理装置0109あるいは印刷装置0110から取得する。印刷ジョブ情報は、両面印刷か片面印刷の情報と、印刷に用いる用紙の情報を含む。次にS0502に進み、検査対象のシートがある場合はS0503に進む。
【0040】
S0503にて、検査ユニットI/F0231は、検査装置I/F0215から、CIS0315、CIS0316でスキャンした画像を受信(取得)する。S0514にて、CPU0226が印刷ジョブ情報を用いて、両面印刷かどうかを判定する。S0514で両面印刷であると判定された場合は、S0507に進み、片面印刷であるとは判定された場合は、S0504に進む。S0504にてCPU0226が検査対象の用紙を両面検査すべきであるかどうかを判定する。
図11は、両面検査するかどうかを判定する際に用いるテーブルの一例である。テーブルは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されている。
図11(a)は、印刷に使用する用紙の種類毎に、両面検査をするかどうかを示すテーブルの例である。このテーブルでは、片面印刷であっても、厚紙、ラベル紙、ハガキで印刷される場合、両面検査をすることを示している。さらに、片面印刷である場合は、普通紙、再生紙で印刷される場合は、片面印刷される面だけを検査することを示している。本実施形態では、ラベル用紙や厚紙、ハガキなど、おもて面、裏面含めて画像欠陥がないことが求められる。そのためこれらの用紙は、片面印刷であっても両面検査すべきである判定する。
【0041】
S0504にて両面検査すべきであると判定された場合はS0507に進む。S0507にて、CPU0226は、RAM0227に保存されている両面分の基準画像と、S0503にて受信した、検査対象の両面分のスキャン画像をそれぞれ比較する。
【0042】
この基準画像は、本フローの開始前に予め印刷装置0101で印刷した用紙をCIS0315、0316でスキャンして検査装置I/F0215から検査ユニットI/F0231に送信され、RAM0227に保存されているものとする。この比較の動作では、まず、画像の特徴的な点を位置合わせの基準点として使用して、基準画像と検査対象のスキャン画像の画像位置を合わせる。次に、検査対象のスキャン画像において、用紙の四隅とスキャン画像の位置合わせ基準点とを解析して用紙に対する画像の位置ずれがないか検出する。次に、基準画像と検査対象のスキャン画像の濃度値を画素ごとに比較する。以上の結果、欠陥が検出されなければ、検査結果OKとする。
【0043】
次にS0508にて、両面とも検査結果がOKであれば、S0510に進み、検査ユニットI/F0231は検査装置I/F0215に検査結果OK、即ち大容量スタッカ0107のメイントレイ0324への排紙を指示する。そしてS0511に進み、全てのシートの検査を終えるまでS0502~S0511を繰り返す。全てのシートの検査が終了したらS0512に進み、CPU0226は表示部0245にてユーザから画像読み込み終了の指示を受け付ける。
【0044】
S0508にて、両面のうち片面でも検査結果がNGであれば、S0509に進む。S0509にて、検査ユニットI/F0231は検査装置I/F0215に検査結果NG、即ち大容量スタッカ0107のトップトレイ0320への排紙を指示する。そしてS0511に進み、以降上述の検査結果OKの場合と同様に処理を終了することができる。
【0045】
S0504にて、CPU0226が検査対象の用紙を両面検査しない、すなわち、印刷されている面である片面のみの検査であると判定された場合はS0505に進む。S0505にて、CPU0226は、RAM0227に保存されている片面分の基準画像と、S0503にて受信した、検査対象の片面分のスキャン画像をそれぞれ比較する。この時、CPU0226は検査しないもう片面のスキャン画像はRAM0227から削除する。次に、S0506に進み、検査結果がOKであればS0510、検査結果がNGであればS0509に各々進み、以降上述の場合と同様に処理を終了する。
【0046】
なお、ここに示した例は一例であり、例えば表示部0245におけるユーザの画像読み込み開始指示は印刷装置0101や情報処理装置0109やクライアントコンピュータ0110における印刷開始の指示と連動して自動的に実施されてもよい。また、表示部0245におけるユーザの画像読み込み終了指示は印刷装置0101における印刷終了と連動して自動的に実施されても良い。
【0047】
図6は、検査時の検査ユニット0106の動作フローチャートである。
【0048】
印刷装置0101にて印刷が開始されると、
図6のフローチャートが開始される。S0602にて、検査対象のシートがある場合はS0603に進む。
【0049】
S0603にて、CIS0315、CIS0316が搬送されてきた用紙に印刷された画像をスキャンする。次に、S0604に進み、検査装置I/F0215は、S0603にてスキャンした画像を検査ユニットI/F0231に送信する。
【0050】
次にS0605に進み、検査装置I/F0215は検査ユニットI/F0231から検査結果を受信した場合はS0606に進む。検査結果がOKであった場合はS0607に進み、アクセサリI/F0214はアクセサリI/F0220に、S0603にてスキャンした画像が印刷された用紙を大容量スタッカ0107のメイントレイ0324へ排紙するよう指示する。そしてS0608に進み、全てのシートの検査を終えるまでS0602~S0608を繰り返す。全てのシートの検査が終了したら、即ち印刷も終了するので、処理を終了する。
【0051】
S0606にて、検査結果がNGであった場合はS0609に進み、アクセサリI/F0214はアクセサリI/F0220に、S0603にてスキャンした画像が印刷された用紙を大容量スタッカ0107のトップトレイ0320へ排紙するよう指示する。以降S0608に進み、上述の検査結果OKの場合と同様に処理を終了することができる。
【0052】
S0605にて、検査装置0108側が検査状態になっていなかった、検査装置0108の演算が間に合わなかったなど何らかの理由で検査結果を受信しなかった場合はS0609に進む。この時、CPU0216は検査結果OKの成果物と検査できなかった成果物が混入しないように、トップトレイ0320への排紙をアクセサリI/F0214に通知する。そして、アクセサリI/F0214はアクセサリI/F0220に、印刷ジョブで指定された排紙先にそのまま排紙するよう指示してS0608に進む。以降、上述の検査結果を受信した場合と同様に処理を終了することができる。
【0053】
以下、フローチャートを用いて本実施形態の特徴となる処理について説明する。
【0054】
なお、本フローに係る印刷装置のプログラムは、印刷装置0101の記憶部0205に記憶されており、RAM0202に読み出され、CPU0201によって実行される。また、本フローに係る検査装置のプログラムは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されており、RAM0227に読み出され、CPU0226によって実行される。また、本フローに係る情報処理装置のプログラムは、情報処理装置0109の記憶部0236に記憶されており、RAM0235に読み出され、CPU0234によって実行される。また、本フローに係るクライアントコンピュータのプログラムは、クライアントコンピュータ0110の記憶部0245に記憶されており、RAM0242に読み出され、CPU0243によって実行される。
【0055】
まず、S0701にて、CPU0226は検査ジョブを作成する。検査ジョブは基準画像、検査シート数、検査設定などの検査に関する情報を保持するレコードの単位である。次にS0702に進み、表示部0245は、読み込み指示ボタン(不図示)を介してユーザから読み込み開始指示を受け付ける。そして、S0703に進み、検査ユニットI/F0231は、検査装置I/F0215から、印刷装置0101で印刷され、CIS0315、CIS0316でスキャンされた画像を受信する。S0704にて、CPU0234がRAM0235から取得した印刷ジョブの情報を、NW I/F0232、0237を介してCPU0226が取得する。印刷ジョブの情報には、両面印刷、あるいは、片面印刷かを示す情報を含む。これにより、現在画像読み込み対象となっている用紙が片面印刷なのか、両面印刷なのかをCPU0226が把握することができる。さらに、本実施形態では、印刷ジョブの情報に、印刷に用いる用紙の情報も含まれる。なお、印刷装置0101における印刷開始後、S0703、S0704は逆の順番に処理されても良く、その処理形態を限定しない。また、片面印刷か両面印刷かの印刷ジョブ情報は、例えば印刷装置0101がクライアントコンピュータ0110や情報処理装置0109から情報を取得して、検査装置0108に通知しても良い。また、印刷ジョブが印刷装置0101で生成され、その情報がそのまま検査装置0108に通知されても良い。
【0056】
S0705において、CPU0226が、印刷ジョブの情報を用いて、両面印刷であるかどうかを判定する。両面印刷であると判定された場合はS0706に進む。この時、CPU0226はCIS0315、0316でスキャンして検査装置I/F0215から検査ユニットI/F0231に送信され、RAM0227に保存されている両面分の画像を保持する。次にS0707に進み、CPU0226は、この検査ジョブの検査基準として用いられる画像を表示する基準画像登録画面(不図示)や、
図4に示す検査設定画面において、両面分の画像を対象として表示するよう表示部0245に設定する。
【0057】
その後、S0712に進み、CPU0226は、基準画像登録画面(不図示)において、ユーザがこの両面分の画像を基準画像として用いるという承認の入力を受け付ける。そしてS0713に進み、CPU0226は表示部0245を介して検査設定画面0401にて両面分の検査設定を受け付ける。そしてS0714に進み、登録した基準画像を用いて、検査を実行して処理を終了する。
【0058】
S0705において、CPU0226が片面印刷の情報を受信した場合はS0708に進む。S0708にて、CPU0226が両面検査すべきかを判定し、両面検査すべきであると判定した場合はS0709に進む。S0705は、上述したS0504と同様に判定する。本実施形態では、ラベル用紙や厚紙、ハガキなど、おもて面、裏面含めて画像欠陥がないことが求められる。そのためこれらの用紙は、片面印刷であっても両面検査すべきである判定する。
【0059】
S0709にて、CPU0226はCIS0315、0316でスキャンして検査装置I/F0215から検査ユニットI/F0231に送信され、RAM0227に保存されている両面分の画像を保持する。次にS0711に進み、CPU0226は、この検査ジョブの検査基準として用いられる画像を表示する基準画像登録画面(不図示)や、
図4に示す検査設定画面において、片面のみの画像を対象として表示するよう表示部0245に設定する。これは、片面印刷なので二面目には印刷データが存在せず、白紙であることからユーザに手間をかけることなく二面目に対しても基準画像を登録し、両面検査を実行できるようにするためである。
【0060】
なお、二面目に印刷データが存在せず、例えば同じ用紙を過去にも使用したことがある場合、過去に使用した基準画像をCPU0226がRAM0227から読み出して使用してもよい。これは、印刷データがなく白紙の場合、用紙種類による用紙の色や厚さにより、基準画像を決定する。あるいは、用紙種類毎に基準画像を予め登録しておき、用紙種類の情報を用いて基準画像を読みだして使用するようにしてもよい。
【0061】
その後、S0715に進み、CPU0226が両面検査すべきかどうかを判定する。両面検査すべきと判定された場合、S0712に進み、以降上述の手順と同様に処理を終了する。S0715は、S0708と同様の処理を行うようにしてもよいし、S0708の判定結果を保持しておき、その判定結果を用いるのでもよい。いずれにしても、S0715における判定結果はS0708における判定結果と一致する。また、S0715からS0712に進んだ場合、画像が印字されていない面の基準画像は基準画像登録画面(不図示)を表示部0245に表示しないまま登録される。さらに、S0713に進むと、CPU0226は画像が印字された面の検査設定画面0601のみを表示部0245に表示し、画像が印字されていない面に関しては検査設定画面0601を表示部0245に表示しない。また、CPU0226は、例えば画像が印字されていない面に対しては予め設定された検査レベルを用いて検査するようにする。画像が印字されていない面に対する検査レベルは、低めに設定し、画像が印字されている面に対する検査レベルより低く設定することが望ましい。画像が印字されていない面を検査する際、検査レベルを高く設定してしまうと、紙の繊維を汚れと判断してしまう誤検出が起こるからである。
【0062】
S0708にて、CPU0226が片面のみ検査すべきであると判定した場合はS0710に進む。S0710にて、CPU0226はCIS0315、0316でスキャンして検査装置I/F0215から検査ユニットI/F0231に送信され、RAM0227に保存されている片面分の画像を保持する。以降S0715に進み、CPU0226は片面のみ検査すべきと判定すると、S0716に進み、基準画像登録画面(不図示)において、ユーザがこの片面分の画像を基準画像として用いるという承認の入力を受け付ける。そしてS0717に進み、CPU0226は表示部0245を介して検査設定画面0401にて片面のみの検査設定を受け付ける。そしてS0714に進み、S0714でCPU0226は検査を行い、上述の手順と同様に処理を終了する。
【0063】
尚、本実施形態では、S0504及びS0708を判定する際に、
図11(a)のテーブルを用いる例を示したが、
図11(b)のテーブルを用いるようにしてもよい。
図11(b)は、成果物の種類毎に両面検査をするかどうかを示すテーブルの例である。
図11(b)では、片面印刷であっても、成果物が切手、ハガキ、パッケージである場合は、両面検査をすることを示している。これは、成果物が切手、ハガキ、パッケージである場合は、商品として扱われることが多いからである。また、片面印刷で、成果物が社内用印刷である場合は、片面印刷される面のみの検査をすることを示している。
図11(b)のテーブルを用いて判定する場合は、印刷ジョブの情報に、成果物の情報を含み、成果物の情報を用いて判定する。
【0064】
さらに、S0504及びS0708の判定は、
図11のテーブルを用いず、ユーザに確認するようにしてもよい。その場合は、片面印刷と判定された場合にのみ、両面検査をするか、片面印刷をするかどうかを確認するための画面を表示する。表示部0245にユーザが選択するUI(不図示)を表示して、CPU0226がユーザの選択を受け付けても良い。
【0065】
本実施形態では、両面印刷で両面検査する場合と、片面印刷で両面検査する場合とで、特に検査項目を変えない例を説明したが、両面検査する際、画像が印字されている面の検査か、画像が印字されていない面の検査かで、検査項目を変えてもよい。具体的には、画像が印字されていない面の検査の場合は、位置ずれの検査をしないようにする。
以上の手順により、本実施形態によると、検査装置にて検査を実行する際に、両面印刷であれば両面検査を実行し、片面印刷であれば条件に応じて両面検査か片面検査かを切り替えることができる。これにより、片面印刷でデータを印刷しない面があっても、成果物に応じた高品位の印刷物を作成するために高精度な検査を実現することができる。
【0066】
<第二の実施形態>
第一の実施形態では、両面印刷か片面印刷かに関わらず、CIS0315、0316を両方用いて両面の画像を取得し、片面印刷で片面のみを検査する場合は片面分の画像をRAM0227から破棄していた。本実施形態では、片面印刷で片面のみ検査を実行する場合、最初から片面分の画像のみをスキャンする実施形態を説明する。片面検査の場合は、片方のCISのみでスキャンすることで、使用されない画像の送受信の負荷が軽減され、さらに、CISのパーツ寿命も長くなる効果がある。
【0067】
本実施形態では、片面印刷で片面のみ検査を実行する場合、最初から片面分の画像のみをスキャンするフローを説明する。なお、本実施形態においては、第一の実施形態との差異のみを記載し、重複する説明に関しては割愛する場合がある。
【0068】
図8は、検査時の検査装置0108の動作フローチャートである。
【0069】
S0504にて、CPU0226が検査対象の用紙の両面の検査を指定した場合はS0801に進む。S0801にて、CPU0226は、検査ユニットI/F0231から検査装置I/F0215に、CIS0315、CIS0316両方でスキャンするように指示する。次に、S0507に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0070】
S0504にて、CPU0226が検査対象の用紙の片面のみの検査を指定した場合はS0802に進む。S0802にて、CPU0226は、検査ユニットI/F0231から検査装置I/F0215に、CIS0315、CIS0316のいずれか一方のみでスキャンするように指示する。次に、S0505に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0071】
図9は、検査時の検査ユニット0106の動作フローチャートである。
【0072】
S0904にて、CPU0216が印刷ジョブ情報を取得する。S0602に進み、検査対象のシートがある場合はS0905に進む。S0905にて、CPU0216が、印刷ジョブ情報を用いて、両面印刷かどうかを判定する。両面印刷であると判定された場合、S0902へ進み、片面印刷であると判定された場合は、S0901へ進む。
【0073】
S0901にて、CPU0216が検査装置I/F0215と検査ユニットI/F0231を介して、CPU0226から両面の画像を取得するよう指示を受けている場合はS0902に進む。S0902にて、CIS0315、CIS0316が搬送されてきた用紙に印刷された画像をスキャンする。次に、S0604に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0074】
S0901にて、CPU0216が検査装置I/F0215と検査ユニットI/F0231を介して、CPU0226から片面のみの画像を取得するよう指示を受けている場合はS0903に進む。S0903にて、CIS0315、CIS0316のいずれか一方のみが搬送されてきた用紙に印刷された画像をスキャンする。次に、S0604に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0075】
以下、フローチャートを用いて本実施形態の特徴となる処理について説明する。
【0076】
なお、本フローに係る印刷装置のプログラムは、印刷装置0101の記憶部0205に記憶されており、RAM0202に読み出され、CPU0201によって実行される。また、本フローに係る検査装置のプログラムは、検査装置0108の記憶部0228に記憶されており、RAM0227に読み出され、CPU0226によって実行される。また、本フローに係る情報処理装置のプログラムは、情報処理装置0109の記憶部0236に記憶されており、RAM0235に読み出され、CPU0234によって実行される。また、本フローに係るクライアントコンピュータのプログラムは、クライアントコンピュータ0110の記憶部0245に記憶されており、RAM0242に読み出され、CPU0243によって実行される。
【0077】
S0701からS0708までは第一の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0078】
S0705において、CPU0226が両面印刷の情報を受信した場合はS1001に進む。S1001において、CPU0226は、検査装置I/F0215と検査ユニットI/F0231を介してCPU0216に両面の画像をCIS0315、0316でスキャンするよう指示する。次にS0707、S0712に進み、第一の実施形態と同様に処理を実行する。そして、S1005にて、CPU0226は、基準画像登録画面(不図示)において、ユーザがこの両面分の画像を基準画像として用いるという承認の入力を受け付ける。次にS0713に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了することができる。
【0079】
S0705において、CPU0226が片面印刷の情報を受信した場合はS0708に進む。S0708にて、CPU0226が両面検査すべきであると判定した場合はS1002に進む。S1002において、CPU0226は、検査装置I/F0215と検査ユニットI/F0231を介してCPU0216に両面の画像をCIS0315、0316でスキャンするよう指示する。そしてS0711に進み、以降S0715まで第一の実施形態と同様に処理を実行する。
【0080】
S0715にて、CPU0226が両面検査すべきであるかどうかを判定する。S0715は、S0708と同様の処理を行うようにしてもよいし、S0708の判定結果を保持しておき、その判定結果を用いるのでもよい。S0715にて、両面検査すべきと判定された場合はS0702に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0081】
S0715にて、CPU0226が片面のみ検査すべきであると判定した場合はS0716に進み、その後S1004に進む。S1004にて、CPU0226は、基準画像登録画面(不図示)において、ユーザがこの両面分の画像を基準画像として用いるという承認の入力を受け付ける。次にS0717に進み、以降第一の実施形態と同様に処理を終了することができる。
【0082】
S0708にて、CPU0226が片面のみ検査すべきであると判定した場合はS1003に進む。S1003にて、CPU0226は、検査装置I/F0215と検査ユニットI/F0231を介してCPU0216に両面の画像をCIS0315、0316のいずれか一方のみでスキャンするよう指示する。このときどちらのCISを使用するかは、予め固定しておいても良いし、S0704でCPU0226が受信した印刷ジョブの情報を基に決定しても良い。これは、用紙が排紙先においておもて面と裏面のどちらが上になるように排紙指定されているかによって、片面印刷で印字された画像面がCIS0315、0316のいずれに向いているかが状況により異なるためである。
【0083】
以降S0711に進み、S0715からS0716に進むので、以降第一の実施形態と同様に処理を終了する。
【0084】
以上の手順により、本実施形態によると、検査装置にて検査を実行する際に、両面印刷か片面印刷かによって、CISでスキャンするかどうかを変更することができる。これにより、片面印刷でデータを印刷しない面がある場合、不要なスキャン画像を保持することなく画像登録や検査を実行できる。また、それに伴い不要なCIS操作を実行することなく検査を実行できるため、パーツ寿命も伸ばすことができる。
【0085】
(その他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムを読みだして実行する処理である。