(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】画像読取ユニット、画像読取装置、画像形成装置及び画像読取ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/028 20060101AFI20240219BHJP
H04N 1/191 20060101ALI20240219BHJP
G03B 27/50 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
H04N1/028 G
H04N1/191
G03B27/50 A
(21)【出願番号】P 2019216151
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大竹 潤
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-168925(JP,A)
【文献】特開平05-207226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50 -27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に光を照射する照明部と、
前記対象物からの反射光を結像するレンズと、
主走査方向に配列された撮像素子を含む読取部であって、前記レンズによって結像される前記対象物からの反射光を光電変換して対象物の画像情報を読み取る読取部を
有する基板と、
接着剤によって前記レンズと接着されている第1接着面と、接着剤によって前記基板と接着されている第2接着面と、を有する筐体と、を備え、
前記レンズは、前記主走査方向に直交する副走査方向において前記読取部に対向するように前記筐体に接着され、
前記筐体を
前記主走査方向及び前記副走査方向に垂直な所定方向から見た場合に
前記レンズと前記第1接着面
との接着部及び
前記基板と前記第2接着面
との接着部の両方が露出するように、前記第1接着面及び前記第2接着面が配置されている、
ことを特徴とする画像読取ユニット。
【請求項2】
前記第1接着面及び前記第2接着面は、
前記所定方向における前記筐体の一方側の側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取ユニット。
【請求項3】
前記レンズ及び前記基板が接着されていない状態の前記筐体を前記
所定方向から見た場合に前記第1接着面及び前記第2接着面の両方が見えるように、前記第1接着面及び前記第2接着面が配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取ユニット。
【請求項4】
前記レンズは、中心軸が前記
副走査方向を向いている円柱状の部材であり、
前記筐体は、前記筐体の前記側面から前記
所定方向の一方側に突出し、前記
所定方向から見て前記
主走査方向における前記レンズの両側で前記
副走査方向に延びる壁部を有し、
前記壁部には、前記
所定方向の他方側に凹んだ凹形状が設けられ、
前記第1接着面は、前記凹形状の底部である、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取ユニット。
【請求項5】
前記レンズは、中心軸が前記
副走査方向を向いている円柱状の部材であり、
前記筐体は、前記第1接着面とは別の位置で前記レンズと接触する接触部を有し、
前記第1接着面及び前記接触部は、前記
所定方向に関して、前記レンズの中心軸に対して同じ側に位置する、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項6】
前記レンズが前記第1接着面に接着されておらず、かつ、前記レンズが前記接触部に接触している状態で、前記レンズが前記
副走査方向及び前記レンズの中心軸に対する回転方向の少なくとも一方に関して位置調整が可能となるように、前記接触部が構成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像読取ユニット。
【請求項7】
前記筐体の前記側面には、前記
所定方向の他方側に凹んだ凹部が設けられ、
前記第2接着面は、前記凹部に設けられている、
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項8】
前記基板は、前記読取部を支持する基板本体と、前記基板本体に対して固定され、前記
副走査方向に延びる腕部と、を有し、前記腕部が接着剤によって前記第2接着面と接着されている、
ことを特徴とする請求項
1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項9】
前記第2接着面には、前記
所定方向の一方側に開口し、前記基板が前記
所定方向の他方側に向かって前記筐体に接近する場合に前記腕部を受け入れる凹形状が設けられ、
前記腕部は、前記
主走査方向、前記
副走査方向及び前記
所定方向の少なくとも1つに関して前記凹形状の内周面との間に間隔をあけた状態で前記第2接着面と接着されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像読取ユニット。
【請求項10】
前記第1接着面及び前記第2接着面が互いに平行である、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項11】
前記第1接着面及び前記第2接着面は、投影図に前記第1接着面及び前記第2接着面の両方が含まれるように前記筐体の表面を同一平面に投影することが可能な位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項12】
前記筐体に対して固定され、前記所定方向から前記レンズ及び前記基板の少なくとも一方を覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材が前記筐体に取り付けられていない状態で前記筐体を前記所定方向から見た場合に、
前記レンズと前記第1接着面
との接着部及び
前記基板と前記第2接着面
との接着部の両方が露出している状態となる、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像読取ユニット。
【請求項13】
シートを搬送する搬送装置、及び、シートが載置される載置台の少なくとも一方と、
シートから画像情報を読み取る請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像読取ユニットと、を備える、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取った画像情報に基づいて記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
対象物に光を照射する照明部と、前記対象物からの反射光を結像するレンズと、
主走査方向に配列された撮像素子を含む読取部であって、前記レンズによって結像される前記対象物からの反射光を光電変換して対象物の画像情報を読み取る読取部を
有する基板と、第1接着面及び第2接着面を有する筐体と、を備え
、前記レンズが前記主走査方向に直交する副走査方向において前記読取部に対向するように前記筐体に接着された画像読取ユニットの製造方法であって、
前記主走査方向及び前記副走査方向に垂直な塗布方向から見た場合に前記第1接着面及び前記第2接着面の両方が露出するように前記筐体を保持する工程と、
前記第1接着面に前記レンズを接着するために、前記塗布方向から塗布手段により前記第1接着面に接着剤を塗布する工程と、
前記第2接着面に前記基板を接着するために、前記塗布方向から前記塗布手段により前記第2接着面に接着剤を塗布する工程と、を含む、
ことを特徴とする画像読取ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物から画像情報を読み取る画像読取ユニット及びその製造方法、シートから画像情報を読み取る画像読取装置、並びに、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドキュメントスキャナや複写機に用いられる画像読取ユニットは、原稿に向けて光を照射し、原稿からの反射光をレンズによって撮像素子(受光素子)に結像し、撮像素子が光学像を電気信号に変換して出力する。特許文献1には、受光素子が配置された基板とレンズユニットとがケースに接着されることで固定された画像読取ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像読取ユニットの筐体にレンズ及び基板を接着する場合、ニードル等の塗布手段を筐体に接近させて筐体の接着面に接着剤を塗布する。ここで、上記文献に記載の構成では、レンズユニットが接着される接着面が露出している方向と、基板が接着される接着面が露出している方向とが異なっており、ケースに対する塗布手段の相対的な向きを組立工程の途中で変更する必要があった。
【0005】
これに対応するため、作業者がニードルの向きを変更しながら作業を行ったり、ケースを回転させることで各接着面を露出させたり、或いは各接着面に対応した向きで複数の塗布手段を配置したりすることも考えられる。しかしながら、これらの方法は接着作業の工数の増加や設備負担の増加につながる。また、レンズ及び基板の接着作業を自動化することを考えた場合、装置の機械的構成の複雑化や大型化、制御の複雑化につながる。
【0006】
そこで、本発明は、接着作業を簡易化可能な画像読取ユニット及びその製造方法並びに画像読取ユニットを備えた画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、対象物に光を照射する照明部と、前記対象物からの反射光を結像するレンズと、主走査方向に配列された撮像素子を含む読取部であって、前記レンズによって結像される前記対象物からの反射光を光電変換して対象物の画像情報を読み取る読取部を有する基板と、接着剤によって前記レンズと接着されている第1接着面と、接着剤によって前記基板と接着されている第2接着面と、を有する筐体と、を備え、前記レンズは、前記主走査方向に直交する副走査方向において前記読取部に対向するように前記筐体に接着され、前記筐体を前記主走査方向及び前記副走査方向に垂直な所定方向から見た場合に前記レンズと前記第1接着面との接着部及び前記基板と前記第2接着面との接着部の両方が露出するように、前記第1接着面及び前記第2接着面が配置されている、ことを特徴とする画像読取ユニットである。
【0008】
本発明の他の一態様は、対象物に光を照射する照明部と、前記対象物からの反射光を結像するレンズと、主走査方向に配列された撮像素子を含む読取部であって、前記レンズによって結像される前記対象物からの反射光を光電変換して対象物の画像情報を読み取る読取部を有する基板と、第1接着面及び第2接着面を有する筐体と、を備え、前記レンズが前記主走査方向に直交する副走査方向において前記読取部に対向するように前記筐体に接着された画像読取ユニットの製造方法であって、前記主走査方向及び前記副走査方向に垂直な塗布方向から見た場合に前記第1接着面及び前記第2接着面の両方が露出するように前記筐体を保持する工程と、前記第1接着面に前記レンズを接着するために、前記塗布方向から塗布手段により前記第1接着面に接着剤を塗布する工程と、前記第2接着面に前記基板を接着するために、前記塗布方向から前記塗布手段により前記第2接着面に接着剤を塗布する工程と、を含む、ことを特徴とする画像読取ユニットの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接着作業を簡易化可能な画像読取ユニット及びその製造方法並びに画像読取ユニットを備えた画像読取装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】スキャナユニットを下方から見た側面図(a)及びその一部を拡大した拡大図(b、c)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
まず、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ101の概略構成について
図1を参照しながら説明する。プリンタ101は、
図1に示すように、プリンタ本体101Aと、画像読取装置103と、を備えている。プリンタ本体101Aの上方に配置された画像読取装置103は、詳しくは後述するように、本体ユニット30とADF1とを備え、原稿Dを光学的に走査して画像情報を読み取る。「ADF」は自動原稿給送装置(Auto Document Feeder)を表す。原稿Dとは、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、布などのシートである。画像読取装置103によって電気信号に変換された画像情報は、プリンタ本体101Aに設けられた制御部132へと転送される。
【0013】
プリンタ本体101Aは、記録媒体であるシートPに画像を形成する画像形成部133と、画像形成部133にシートPを給送するシート給送部134と、を有している。シート給送部134は、互いに異なるサイズのシートを収納可能なシート収納部137a、137b、137c、137dを備えている。各シート収納部に収納されたシートは、ピックアップローラ112によって繰り出され、フィードローラ113a及びリタードローラ113bによって1枚ずつ分離されて、対応する搬送ローラ対131へと受け渡される。そして、シートPは、シート搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ対131に順に受け渡されることで、レジストレーションローラ対136へと搬送される。
【0014】
なお、ユーザによって手差しトレイ137eに載置されたシートPは、給送ローラ138によってプリンタ本体101Aの内部に給送され、レジストレーションローラ対136へと搬送される。レジストレーションローラ対136は、シートPの先端を停止させて斜行を補正すると共に、画像形成部133によるトナー像の形成プロセスである作像動作の進行に合わせてシートPの搬送を再開する。
【0015】
シートPに画像を形成する画像形成部133は、感光体である感光ドラム121を備えた電子写真方式の画像形成ユニットである。感光ドラム121は、シートPの搬送方向に沿って回転可能であり、感光ドラム121の周囲には帯電器118、露光装置123、現像器124、転写帯電器125、分離帯電器126、及びクリーナ127が配置されている。帯電器118は感光ドラム121の表面を一様に帯電させ、露光装置123は画像読取装置103等から入力される画像情報に基づいて感光ドラム121を露光し、ドラム上に静電潜像を形成する。
【0016】
現像器124は、トナーを含む現像剤を収容しており、感光ドラム121に帯電したトナーを供給することで静電潜像をトナー像に現像する。感光ドラム121に担持されたトナー像は、転写帯電器125が形成するバイアス電界により、レジストレーションローラ対136から搬送されるシートPに転写される。トナー像を転写されたシートPは、分離帯電器が形成するバイアス電界によって感光ドラム121から離間し、定着前搬送部128によって定着部129へ向けて搬送される。なお、シートPに転写されずに感光ドラム121に残留した転写残トナー等の付着物はクリーナ127によって除去され、感光ドラム121は次の作像動作に備える。
【0017】
定着部129に搬送されたシートPは、ローラ対に挟持されて搬送されながら、トナー像の加圧及び加熱を含む定着処理を受ける。これによってトナーが溶融し、その後固着することにより、シートPに画像が定着する。画像出力が完了している場合、定着画像が得られたシートPは、排出ローラ対116を介して、プリンタ本体101Aの外方に突出した排出トレイ130に排出される。両面印刷においてシートPの裏面に画像を形成する場合、定着部129を通過したシートPは、反転部139によって表面と裏面とを入れ替えられ、両面搬送部140によってレジストレーションローラ対136へと搬送される。そして、画像形成部133によって再び画像を形成されたシートPは、排出トレイ130に排出される。
【0018】
上記の画像形成部133は画像形成手段の一例であり、例えばインクジェット方式の画像形成ユニットやオフセット印刷方式の印刷機構を画像形成手段として用いてもよい。
【0019】
(画像読取装置)
次に、
図1~
図3を参照して、画像読取装置103の構成を説明する。
図1に示すように、ADF1は、原稿給送トレイ2に載置された原稿Dを原稿排出トレイ3に向けて搬送する。ADF1は、本体ユニット30に対して開閉可能であり、本体ユニット30はプリンタ本体101Aに対して固定されている。
【0020】
本体ユニット30は、
図2に示すように、外装部材を兼ねるフレーム30aを有し、フレーム30aの上面には原稿台ガラス31及びプラテンガラス31aが配置されている。原稿台ガラス31は本実施形態の載置台である。フレーム30aの内部には、本実施形態の画像読取ユニットであるスキャナユニット50が保持されている。スキャナユニット50は、モータによって駆動される不図示のワイヤ又はベルトによって、原稿台ガラス31に対して平行に移動可能に構成されている。
【0021】
スキャナユニット50は、
図3に示すように、CCD(Charge Coupled Devices、電荷結合素子)方式の画像読取ユニットである。スキャナユニット50は、ボックスフレーム51、照明ユニット52、第1ミラー53、第2ミラー54、第3ミラー55、第4ミラー56、第5ミラー57、レンズユニット58、及びCCD基板59を有している。CCD基板59には、撮像素子の例であるCCD59aが主走査方向に沿って配列されている。照明ユニット52は本実施形態の照明部であり、CCD59aは本実施形態の読取部である。なお、ここでは撮像素子の例としてCCD59aを例示したが、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)を用いた撮像素子を用いることもできる。
【0022】
照明ユニット52は、スキャナユニット50の筐体を構成するボックスフレーム51の上部に取り付けられている。照明ユニット52は、不図示の発光素子(例えば、発光ダイオード)と、2つのライトガイドユニット60L、60Rを有している。発光素子が発した光L1、L2は、ライトガイドユニット60L、60Rによって主走査方向に均一に拡散された状態で、画像情報の読み取りを行う対象物としての原稿Dに照射される。
【0023】
ライトガイドユニット60L、60Rから照射された光が読取面上で集中する位置を「原稿照射位置F」とする。ただし、副走査方向とは主走査方向に垂直な方向であり、本実施形態ではスキャナユニット50が原稿台ガラス31の下方で移動する際の移動方向である。また、読取面とは、主走査方向及び副走査方向に垂直な高さ方向(被写界深度方向)においてスキャナユニット50が高い精度で画像情報の読み取りを行うことが可能な所定の高さ(光学系の物点位置)に広がる仮想平面である。本実施形態における読取面は、例えば、原稿台ガラスに静置された状態の原稿Dの下面に相当する。
【0024】
5つのミラー53~57及びレンズユニット58は、原稿Dからの反射光をCCD基板59に導く光路を形成している。反射部材の例である各ミラー53~57は、例えば、ガラス等の支持体にアルミニウムの蒸着膜を形成することで反射面としたものが用いられる。原稿照射位置Fにおいて原稿Dによって反射された反射光(光線L3)は、第1ミラー53、第2ミラー54、第3ミラー55、第4ミラー56、第5ミラー57及びレンズユニット58を経由して、CCD59aに結像する。
【0025】
CCD59aは、光線L3を受光して原稿Dの画像を表す電気信号へと光電変換する。CCD59aによって読み取られた原稿Dの画像情報は、プリンタ本体101Aの制御部132へと伝送され、画像形成部133による画像形成に用いられる。
【0026】
以下、原稿Dによって反射された散乱光の内、原稿照射位置Fから第1ミラー53、第2ミラー54、第3ミラー55、第4ミラー56、第5ミラー57及びレンズユニット58を辿ってCCD59aに至る光の経路を、スキャナユニット50の光路とする。
図3に図示された光線L3は、原稿照射位置Fからスキャナユニット50の光路を辿ってCCD59aに至る光束を代表する光線である。
【0027】
ボックスフレーム51の内部の空間は、上部を照明ユニット52のフレーム52aによって覆われ、下部を本実施形態のカバー部材である下カバー63によって覆われている。また、主走査方向に見て、CCD59aは、ボックスフレーム51に設けられたCCD収容部51aとCCD基板59の基板本体59bとによって囲まれた空間に配置されている。
【0028】
さらに、ボックスフレーム51には第1側壁開口51b及び第2側壁開口51cが設けられており、それぞれ第2ミラー54及び第3ミラー55によって塞がれている。従って、本実施形態の第2ミラー54及び第3ミラー55は、ボックスフレーム51、照明ユニット52のフレーム52a、下カバー63及び基板本体59bと共に、スキャナユニット50の内側と外側とを隔てる外殻の一部を構成している。スキャナユニット50の内側とは、光路及び読取部が収容される空間である。ただし、図示した筐体の構成は一例に過ぎず、形状や配置は適宜変更可能である。
【0029】
このように構成された画像読取装置103は、ADF1により原稿Dを給送しながら原稿画像を走査する流し読みモードと、原稿台ガラス31に載置された原稿Dを走査する固定読みモードとによって、原稿Dとしてのシートから画像情報を読み取る。
【0030】
流し読みモードは、原稿給送トレイ2に載置された原稿Dを装置が検出した場合、又はプリンタ本体101Aの操作パネル等によってユーザが明示的に指示した場合に選択される。この場合、スキャナユニット50がプラテンガラス31aの下方にある状態で、搬送装置の例であるADF1が原稿給送トレイ2に載置された原稿Dを1枚ずつ給送し、スキャナユニット50は搬送される原稿Dから画像情報を読み取る。つまり、流し読みモードでは、位置が固定されたスキャナユニット50に対して原稿Dが副走査方向に搬送されることで原稿Dが走査される。
【0031】
一方、固定読みモードは、原稿台ガラス31に載置された原稿Dを装置が検出した場合又はプリンタ本体101Aの操作パネル等によってユーザが明示的に指示した場合に選択される。固定読みモードの場合には、ユーザは、まずADF1を開いて原稿台ガラス31に原稿Dを載置し、ADF1を閉じることで原稿Dを原稿台ガラス31に位置決めする。そして、スキャナユニット50が、原稿台ガラス31に沿って移動しながら、原稿台ガラス31に載置された原稿Dから画像情報を読み取る。つまり、固定読みモードでは、位置が固定された原稿に対してスキャナユニット50が副走査方向に移動しながら原稿Dを走査する。
【0032】
なお、スキャナユニット50は、流し読みモード又は固定読みモードの一方のみを実行可能な画像読取装置に搭載してもよい。また、ADF1の内部にスキャナユニット50を追加で配置して、ADF1が搬送する原稿の両面から2つのスキャナユニットによって画像情報を読み取るようにしてもよい。
【0033】
以下、ボックスフレーム51に対するレンズユニット58及びCCD基板59の接着方向について
図4~
図7を用いて説明する。以下の説明において、スキャナユニット50の主走査方向をY方向とし、スキャナユニット50が対象物と対向する方向(高さ方向)をZ方向とし、Y方向及びZ方向に交差する方向(副走査方向)をX方向とする。本実施形態において、X方向、Y方向及びZ方向は互いに垂直である。また、特に断らない限り、X方向、Y方向、又はZ方向の「一方側」は各軸線の正の方向を表し、「他方側」は各軸線の負の方向を表すものとする。Y方向は本実施例の第1方向であり、X方向は本実施例の第2方向であり、Z方向は本実施例の第3方向である。
【0034】
図4(a)はスキャナユニット50を
図3の下方側からZ方向に見た図であり、
図4(b)、(c)は、それぞれ
図4(a)の領域4B,4Cを拡大した拡大図である。なお、
図4の各図において、ボックスフレーム51の一部をZ方向の一方側から覆う下カバー63(
図3)の図示を省略している。また、
図4(a)における線3A-3Aは、
図3の断面図の位置を表している。
【0035】
図5はボックスフレーム51に対するレンズユニット58の接着構成を表す図であり、
図4(c)の線5A-5Aで表されるYZ平面でスキャナユニット50を切断した断面図である。
図6はボックスフレーム51から分離された状態のCCD基板59の斜視図である。
図7はボックスフレーム51に対するCCD基板59の接着構成を表す図であり、
図4(b)の線7A-7Aで表されるXZ平面でスキャナユニット50を切断した断面図である。
【0036】
(レンズユニットの接着)
まず、本実施形態のレンズであるレンズユニット58のボックスフレーム51への接着構成について説明する。
図4(c)及び
図5に示すように、ボックスフレーム51はZ方向の側面(
図3における下方側の側面)に壁部51d,51d及び斜面部51e,51fを備えている。斜面部51e,51fは、レンズユニット58に接触することでレンズユニット58をボックスフレーム51に対する装着位置で支持する接触部として機能する。壁部51d,51dは、装着位置に向かってZ方向の一方側から他方側に向かって(つまり
図5の上方から下方に向かって)装着されるレンズユニット58を案内する機能を有する。
【0037】
壁部51d,51d及び斜面部51e,51fは、CCD59aの主走査方向(Y方向)の中心に対して対称に配置される。また、レンズユニット58は円筒部材の内部に複数のレンズを収容した円柱状のユニットであり、円柱の中心軸580がY方向に直交する方向(X方向)を向くように配置されている。なお、CCD基板59は、X方向が法線方向となる向きで配置されている。そのため、
図3に示すようにY方向から見た場合に、レンズユニット58の中心軸方向が光線L3の進行方向と一致し、CCD基板59がレンズユニット58を通る光線L3に対して垂直に延びる配置関係となっている。
【0038】
図5に示すように、斜面部51e,51fは、レンズユニット58の装着方向であるZ方向の一方側に向かうほどY方向の間隔が狭くなるように傾斜しており、X方向に広がっている。Z方向の一方側の端部における斜面部51e,51fの間隔(最も狭い間隔)は、レンズユニット58の直径よりも小さい。そのため、レンズユニット58は、X方向に延びる線状の接触領域である斜面部51e,51fの接線51i,51jとそれぞれ接触する。
【0039】
壁部51d,51dは、Z方向から見たとき(
図4(c))、Y方向に関するレンズユニット58の両側でX方向に延びる部分である。壁部51d,51dは、
図5に示すように、ボックスフレーム51のZ方向の側面51zからさらにZ方向に突出している。また、各壁部51dは、X方向の一部が切欠かれてZ方向の一方側に凹んだ凹形状が設けられており、凹形状の底部に第1接着面51g,51hが設けられている。本実施形態において、第1接着面51g,51hは、壁部51d,51dを支持しているボックスフレーム51の側面51zと同一面上にある。なお、壁部51d,51dはボックスフレーム51の他の部分と同じ材料で一体成型によって形成することができる。
【0040】
図4(c)及び
図5に示すように、第1接着面51g,51hは、下カバー63が取り外され、かつ、レンズユニット58がボックスフレーム51に対する装着位置にセットされた状態で、Z方向の一方側から見て露出している。つまり、Z方向の一方側(
図5の上方側、
図3の下方側)を本実施形態の所定方向とするとき、ボックスフレーム51の第1接着面51g,51hは、レンズユニット58が装着位置にセットされた状態において所定方向から見て露出するように配置されている。
【0041】
そして、レンズユニット58は、壁部51d,51dにガイドされて斜面部51e,51fに接触している状態で、第1接着面51g,51hに塗布される接着剤61によってボックスフレーム51に接着される。このとき、例えば側面51zが鉛直方向の上方を向く姿勢でボックスフレーム51を固定した状態でレンズユニット58を斜面部51e,51fに載置することで、接着作業を容易に行うことができる。
【0042】
ここで、塗布の際に接着剤61が広がってしまいレンズユニット58の接着が弱まることを抑止するため、接着剤61には適度な粘性を有する接着剤を選択することが望ましい。また、壁部51d,51dにより第1接着面51g,51hの領域を制限することで接着剤61の広がりを抑えられる。
【0043】
また、斜面部51e,51fの接線51i,51j及び第1接着面51g,51hは、Z方向に関してレンズユニット58の中心軸580に対して同じ側(レンズユニット58の装着方向における奥側)に位置する。この構成によると、第1接着面51g,51hに塗布される接着剤61が硬化収縮を起こしても、収縮によってレンズユニット58に作用する力はレンズユニット58を接線51i,51jに押し付けるように作用する。即ち、接着剤61の収縮によって作用する力が、レンズユニット58に接触してレンズユニット58の移動を規制する接触部としての斜面部51e,51fからの浮き上がりを阻止する方向に働くため、接着剤塗布後のレンズユニット58の変位を抑制できる。
【0044】
また、斜面部51e,51fに載置されたレンズユニット58は、ボックスフレーム51に接着される前であれば、X方向の移動及びX方向に延びる中心軸580に対する回転方向の移動について自由度を持つ。そのため、CCD基板59による画像読取を行い、取得される画像情報を参照しながら調整工具を用いてボックスフレーム51及びCCD基板59に対するレンズユニット58の位置や位相を調整することができる。そして、最適な位置及び位相で保持されたレンズユニット58をボックスフレーム51に接着することができる。
【0045】
ここで、レンズユニット58の位置調整工程及び接着工程を連続して行うために、接着剤塗布の機能を持たせた調整工具を用いると好適である。また、上記の接着作業において接着剤を塗布する工程を自動塗布装置によって自動化することもでき、特にレンズユニット58の位置調整と接着を自動で遂行する機能を備えた組立て装置を用いることで生産性向上を図ることができる。
【0046】
(CCD基板の接着)
次に、本実施形態の基板であるCCD基板59のボックスフレーム51への接着構成について説明する。
図4(a、b)に示すように、ボックスフレーム51は、Z方向の側面(
図3における下方側の側面)に第2接着面51k,51l,51m,51nを備えている。
【0047】
そして、
図6に示すように、CCD基板59は、CCD59a、基板本体59b及び支持体59cを備える。基板本体59bは支持体59cに固定されて、CCD59aは基板本体59bに実装される。また、支持体59cには接着部59d,59e,59f,59gが設けられる。接着部59d,59e,59f,59gは、Z方向から見て基板本体59bに交差する方向(本実施例ではX方向)に延びる腕部である。そして、接着部59d,59e,59f,59gが、接着剤61によって第2接着面51k,51l,51m,51nとそれぞれ接着されることで、CCD基板59がボックスフレーム51に固定される。
【0048】
図4(a,b)及び
図7に示すように、下カバー63が取り外され、かつ、CCD基板59がボックスフレーム51に対する装着位置にセットされた状態で、第2接着面51kは、Z方向の一方側から見て露出している。つまり、Z方向の一方側(
図5の上方側、
図3の下方側)を本実施形態の所定方向とするとき、ボックスフレーム51の第2接着面51k,51l,51m,51nは、レンズユニット58が装着位置にセットされた状態において所定方向から見て露出する。
【0049】
ここで、
図7に示すように、第2接着面51kは周囲の面(ボックスフレーム51のZ方向の側面51z)よりもZ方向において凹んだ凹部に設けられている。そのため、第2接着面51kとCCD基板59の接着部59dとの間に塗布される接着剤が盛り上がることでボックスフレーム51に対してZ方向に突出することを低減できる。これにより、スキャナユニット50の他部品との干渉を抑止できる。他の第2接着面51l,51m,51nについても、周囲の面に比べて凹んでいることは同様である。
【0050】
また、
図4(b)及び
図7に示すように、第2接着面51kには、CCD基板59の接着部59dを受け入れる凹形状として、Z方向の一方側に向かって開口しZ方向の他方側に凹んだ溝部62が設けられている。他の第2接着面51l,51m,51nにも同様の溝部62が設けられている。
【0051】
CCD基板59がボックスフレーム51に対して接着される前であれば、接着部59d,59eと溝部62の内周面との間に隙間62a、62bが存在する。同様に、接着部59f,59gとボックスフレーム51との間にも隙間が存在している。そのため、CCD基板59は、接着前の状態でX,Y,Zの三軸方向及び各軸線に対する回転方向について自由度を持つ。そのため、前述したような調整工具を用いれば、同時にCCD基板59で画像読取を行い、取得される画像情報を参照しながらCCD基板59の位置及び位相を調整することで、CCD基板59が最適な位置及び位相にあることを確認できる。そして、最適な位置及び位相で保持されたCCD基板59をボックスフレーム51に接着することができる。なお、ここでは接着前のCCD基板59が三軸方向及び各軸線に対する回転方向に自由度を持つものとして説明したが、これらの一部(例えばレンズユニット58の位置調整によっては実現できないY方向やZ方向の移動)にのみ自由度を持つようにしてもよい。
【0052】
ここで、CCD基板59の調整、接着を連続して行うために、接着剤塗布の機能を持たせた調整工具を用いることが好ましい。また、上記の位置調整工程及び接着工程の少なくとも一部を自動的に遂行可能な自動塗布装置を用いることもできる。
【0053】
(スキャナユニットの製造方法)
本実施形態に係るスキャナユニット50の製造方法は、少なくとも以下の(a)~(e)の工程を含む。
(a)ボックスフレーム51のZ方向の側面51zを、ニードル等の塗布手段により接着剤を塗布するのに適した塗布方向(例えば鉛直方向上方)に向けた状態でボックスフレーム51を治具等によって保持する工程。
(b)ボックスフレーム51にレンズユニット58をセットし、レンズユニット58の位置を調整する工程。
(c)レンズユニット58をボックスフレーム51に接着するために、塗布方向から塗布手段を接近させて第1接着面51g,51hに接着剤を塗布する工程。
(d)ボックスフレーム51にCCD基板59をセットし、CCD基板59の位置を調整する工程。
(e)CCD基板59をボックスフレーム51に接着するために塗布方向から塗布手段を接近させて第2接着面51k,51l,51m,51nに接着剤を塗布する工程。
【0054】
上記(a)の工程では、塗布方向から見て第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nの両方が露出するような姿勢でボックスフレーム51を保持するものとする。これにより、(c)及び(e)の工程では、同じ塗布方向から塗布手段を接近させて接着剤を塗布することが可能となるため、接着作業が簡易化される。
【0055】
なお、「塗布方向」は、ボックスフレーム51の側面51zが向いている方向(Z方向)と一致している必要はない。従って、レンズユニット58及びCCD基板59が接着されていない状態のボックスフレーム51を所定方向から見た場合に第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nの両方が露出するような配置となっていればよい。この場合、当該所定方向又はそれに近い方向を塗布方向として上記(a)~(e)の工程を実施することで、接着作業を簡易に行うことができるからである。
【0056】
また、上記(a)~(e)の工程は、(a)が最初に行われることを除いて順不同である。また、上記(a)~(e)の各工程は、作業員が手動で行ってもよく、自動塗布装置等の装置が自動で行ってもよい。
【0057】
(本実施形態のまとめ)
本実施形態では、所定方向(Z方向の一方側)からボックスフレーム51を見た場合に、第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nの両方が露出するように配置されている。また、第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nは、投影図(
図4(a))にこれらの第1接着面及び第2接着面の両方が含まれるようにボックスフレーム51の表面を同一平面に投影することが可能な位置に設けられている。そのため、接着剤塗布のためのニードル等の塗布手段をZ方向の一方側に設ければ、同塗布手段により、レンズユニット58の接着とCCD基板59の接着とを、連続して又は同時に行うことができる。なぜならば、第1接着面51g,51hに接着剤を塗布する際のボックスフレーム51に対する塗布手段のアクセス方向と、第2接着面51k,51l,51m,51nに接着剤を塗布する際の塗布手段のアクセス方向とを共通化しているからである。このため、レンズユニット58及びCCD基板59の接着作業を、作業者が行うか自動化するかを問わず、簡易化することができる。そして、レンズユニット58及びCCD基板59の接着に関する組立て工数を削減する等、製造時間の短縮やコスト低減に貢献する。
【0058】
特に、本実施形態の第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nは互いに平行であり、法線方向が同じ方向(Z方向の一方側)に向けられている。このため、例えば法線方向であるZ方向の一方側から塗布手段が各接着面に接近して接着剤を塗布する構成が可能となる。なお、第1接着面51g,51h及び第2接着面51k,51l,51m,51nが平行でなくとも、全ての接着面が任意の一平面に対して投影可能な配置になっていれば、塗布手段により所定方向から(例えば当該平面の法線方向から)接着を行うことができる。
【0059】
また、レンズユニット58及びCCD基板59の接着にあたって前述したような調整工具を用いれば、レンズユニット58とCCD基板59とをそれぞれ最適な位置、位相に位置調整した状態でボックスフレーム51に接着することが可能である。さらに上記の工程を自動的に遂行可能な調整工具であれば、上記の複雑な工程を短時間で遂行できるためなお良い。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、画像読取ユニットの筐体に対するレンズユニット及び基板の接着を簡易化可能となる。なお、本技術は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された内容を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【0061】
例えば、第1接着面及び第2接着面の数や所定方向から見たときの位置関係は変更可能である。即ち、レンズユニット58が3か所以上の第1接着面に塗布される接着剤によってボックスフレーム51に接着されるようにしてもよい。また、第1接着面及び第2接着面は、必ずしも互いに平行な面でなくてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、ボックスフレーム51に接着されたレンズユニット58が下カバー63(
図3)で覆われている。これは、対象部からの反射光以外の光がCCD59aに到達することを抑制するためであるが、光路の設計や使用環境によってそのような光が十分に少ないと判断できる場合に下カバー63を省略してもよい。
【0063】
また、スキャナユニット50の内部における光路の設計によっては、レンズユニット58とCCD59aとが対向する方向がX方向とは異なる場合がある。このような場合に、第1接着面及び第2接着面を、ボックスフレーム51のZ方向の側面とは異なる側面に設けてもよい。
【0064】
また、上記の実施形態では画像形成装置に組み付けられた画像読取装置103について説明したが、単独で使用可能な画像読取装置に対しても本技術を適用可能である。さらに、上記の実施形態で説明した画像読取ユニットは、原稿としてのシートから画像情報を読み取るものに限らず、他の目的で画像情報を読み取る装置としても適用可能である。例えば、画像形成装置において、画像濃度や画像の位置及び歪みの調整を行うために記録媒体に形成された画像を読み取る装置として用いることができる。また、紙幣の真贋判定装置や物流倉庫において荷仕分けを自動化する装置など、画像形成装置以外で画像情報を読み取って利用する装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…搬送装置(ADF)/31…載置台(原稿台ガラス)/50…画像読取ユニット/51…筐体(ボックスフレーム)/51d…壁部/51e,51f…接触部(斜面部)/51g、51h…第1接着面/51k、51l、51m、51n…第2接着面/52…照明部(照明ユニット)/58…レンズ(レンズユニット)/59…基板(CCD基板)/59a…読取部(CCD)/59d、59e、59f、59g…接着部/61…接着剤/101…画像形成装置(プリンタ)/103…画像読取装置/133…画像形成手段(画像形成部)/X…第2方向(副走査方向)/Y…第1方向(主走査方向)/Z…第3方向(高さ方向)