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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】アルカリ分散型ホットメルト粘着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 153/02 20060101AFI20240219BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240219BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240219BHJP
   C09J 125/16 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
C09J153/02
C09J11/06
C09J11/08
C09J125/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019225596
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021095448
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】391047558
【氏名又は名称】ヘンケルジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】高森 愛
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-060847(JP,A)
【文献】特表2010-531908(JP,A)
【文献】特開2013-194108(JP,A)
【文献】国際公開第2018/115789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 153/02
C09J 11/06
C09J 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、
(B)粘着付与樹脂
C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種、ならびに、
フィッシャートロプシュワックスを含み、
(A)熱可塑性ブロック共重合体が(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体を含み
成分(A)の総量100質量部に対し、成分(A1)の含有量が70質量部以上であり、
B)粘着付与樹脂がα-メチルスチレン系樹脂を含む、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
【請求項2】
成分(A)~(C)の総質量100質量部に対し、α-メチルスチレン系樹脂が1~20質量部含まれる、請求項1に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が塗布されたラベル。
【請求項4】
請求項に記載のラベルが貼り付けられた容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスビン、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどのラベル用粘着剤として好適なアルカリ分散型ホットメルト粘着剤に関するものであり、特に、炭酸飲料用のPETボトルとラベルとの貼り合わせに利用される粘着剤として有効なアルカリ分散型ホットメルト粘着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
薬や飲料の容器としては、一般的に、アルミ缶、ガラス瓶、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルが広く流通している。これらの容器表面には、粘着剤によってラベルが手剥がしできない強度で貼られている。飲料容器のラベルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリ乳酸(PLA)フィルムの胴巻ラベル(ロールラベル)が多く利用されている。
【0003】
ラベルが貼られた容器を再利用する際、使用後の容器を工場で回収し、加温されたアルカリ水溶液中に容器を浸漬し、ラベルと容器とを分別する必要がある。従って、容器用ラベルに塗布される粘着剤には、アルカリ水溶液で膨潤、軟化、分散、または可溶することで、ラベルを容器から短時間で剥離させる性質(アルカリ分散性)が要求される。
【0004】
特許文献1~3には、スチレン系ブロックコポリマー、粘着付与樹脂、および油脂を含むアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が開示されている。これら文献のホットメルト粘着剤は、変性ロジンを粘着付与樹脂として含み、ヤシ油、米油、ひまわり油、菜種油等を油脂として含んでいる。
【0005】
アルカリ分散型ホットメルト粘着剤には、「アルカリ分散性」だけでなく、ラベルと容器の接着性(保持力)にも優れていることが要求される。特に飲料分野では、「アルカリ分散性」および「保持力」と共に、ラベルを容器から剥した後、容器に糊を残さないこと、すなわち、再剥離性に優れることも要求されている。
【0006】
飲料メーカーでは、炭酸飲料を製造する際、ラベルが貼り付けられたPETボトルに炭酸飲料を充填する工程がある。炭酸飲料を充填し、PETボトルを放置しておくと、二酸化炭素がPETボトルを僅かに膨張させ、ボトルからラベルが浮き、剥がれるという問題が発生することがある。しかしながら、特許文献1~3に記載のホットメルト粘着剤はラベルの浮きや剥離の問題を解消するのに不十分であった。飲料業界では、保持力が特に優れたアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が望まれている。
【0007】
さらに、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤には、塗工時の糸曳き低減も要求されている。ホットメルト粘着剤を塗布する際には、ホットメルトアプリケーターやラベラー等の専用塗布装置が用いられることが多い。ホットメルト粘着剤は約120~190℃に加熱され、専用塗布装置のヘッドから被着体であるラベルに塗布される。ホットメルト粘着剤がラベルへ塗布される際、ヘッドの先端からラベルまでの間にホットメルト粘着剤の糸状物が発生することがある。また、塗布が完了したラベルと、塗布未完了のラベルの間で、糸状物が発生してしまうこともある。この糸状物は、ホットメルト粘着剤の糸曳き性に起因するものであり、ヘッドまたはラベルを汚してしまう。従って、糸曳きの少ないホットメルト粘着剤の開発は、接着剤メーカーにとって重要な責務となっている。
【0008】
ホットメルト粘着剤に対する糸曳き低減に関する要求は、年々高くなっている。しかしながら、特許文献1~3のホットメルト粘着剤は、糸曳き低減の要求を完全に満足しているとは言えない。
【0009】
従って、アルカリ分散性、保持力、糊残り低減および糸曳き低減の全ての性能に優れるアルカリ分散型ホットメルト粘着剤の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特許5671846号公報
【文献】特許6223203号公報
【文献】特開2016-60847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、アルカリ分散性が高く、ラベルの保持力に優れ、糊残りの問題が生じにくく、かつ糸曳きを低減できるアルカリ分散型ホットメルト粘着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
【0013】
1.(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、
(B)粘着付与樹脂、ならびに、
(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
を含み、
(A)熱可塑性ブロック共重合体が(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体を含み、
(B)粘着付与樹脂がα-メチルスチレン系樹脂を含む、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
【0014】
2.成分(A)~(C)の総質量100質量部に対し、α-メチルスチレン系樹脂が1~20質量部含まれる、上記1に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
【0015】
3.さらに、フィッシャートロプシュワックスを含む、上記1または2に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
【0016】
4.上記1~3のいずれかに記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が塗布されたラベル。
【0017】
5.上記4に記載のラベルが貼り付けられた容器。
【発明の効果】
【0018】
本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、PETボトル、ガラス瓶等の容器にラベルを接着するのに用いることができ、ラベルの保持力に優れる。例えば、炭酸飲料が充填されたPETボトル等の容器に、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤でラベルを貼り付けると、容器が膨張してもラベルのずれおよび浮きが発生しにくくなる。
【0019】
また、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤はアルカリ分散性が高く、ラベルが貼付された状態で容器をアルカリ水溶液に浸したとき、糊残りなくラベルを綺麗に剥がすことができる。さらに、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、手の力等で再剥離することができ、ラベルを再剥離した時の糊残りが少ない。よって、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、リサイクル処理する容器等に用いるのに適している。
【0020】
また、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、専用の塗布装置等を用いてラベル等に塗布されるが、塗布される際に糸曳きが発生するのを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係るアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、(B)粘着付与樹脂、ならびに(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種を含んでいる。なお、本明細書においては、それぞれ、「成分(A)」、「成分(B)」および「成分(C)」と記載することもあり、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤のことを、単に「ホットメルト粘着剤」と記載することもある。
【0022】
ラベルの保持力は、ラベルの再剥離性およびアルカリ分散性と相反する性質である。本発明のホットメルト粘着剤は、下記で説明する成分(A)、成分(B)及び成分(C)を有し、成分(A)が(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体を含み、成分(B)がα-メチルスチレン系樹脂を含むことによって、上記相反する特性の双方を向上させることができ、かつ、被着体への塗布時の糸曳きを低減することができる。
【0023】
<(A)熱可塑性ブロック共重合体>
本発明において「(A)熱可塑性ブロック共重合体」とは、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とがブロック共重合した共重合体であって、通常、ビニル系芳香族炭化水素ブロックと共役ジエン化合物ブロックを有する樹脂組成物である。
【0024】
ここで、「ビニル系芳香族炭化水素」とは、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物を意味し、具体的には、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等を例示できる。特にスチレンが好ましい。これらのビニル系芳香族炭化水素は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0025】
「共役ジエン化合物」とは、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物を意味する。「共役ジエン化合物」として、具体的には、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(又はイソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエンを例示することができる。1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエンが特に好ましい。これらの共役ジエン化合物は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0026】
本発明に用いる(A)熱可塑性ブロック共重合体は、未水素添加物であっても、水素添加物であってもよい。
【0027】
(A)熱可塑性ブロック共重合体の「未水素添加物」とは、具体的には、共役ジエン化合物に基づくブロックが水素添加されていないものを例示できる。また、「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」とは、具体的には、共役ジエン化合物に基づくブロックの全部、または一部が水素添加されたブロック共重合体を例示できる。
【0028】
「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」の水素添加された割合を、「水素添加率」で示すことができる。「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」の「水素添加率」とは、共役ジエン化合物に基づくブロックに含まれる全脂肪族二重結合を基準とし、その中で、水素添加されて飽和炭化水素結合に転換された二重結合の割合をいう。この「水素添加率」は、赤外分光光度計及び核磁器共鳴装置等によって測定することができる。
【0029】
本発明の一態様として、(A)熱可塑性ブロック共重合体が、スチレン系ブロック共重合体であるのが好ましい。スチレン系ブロック共重合体とは、少なくとも1つのスチレンブロックを有するポリマーを意味する。スチレンブロックとは、スチレンを主モノマーとするセグメントを意味し、実質的にスチレンのみからセグメントであるのが好ましい。
【0030】
「(A)熱可塑性ブロック共重合体の未水素添加物」として、具体的には、例えばスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(「SIS」ともいう)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(「SBS」ともいう)を例示できる。「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」として、具体的には、例えば水素添加されたスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(「SEPS」ともいう)、水素添加されたスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(「SEBS」ともいう)、および、スチレン-ブチレン・ブタジエン-スチレンブロック共重合体(「SBBS」ともいう)を例示できる。
【0031】
本発明において、成分(A)として含まれる化合物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、1.0×10~3.0×10であることが好ましく、5.0×10~2.0×10であることがより好ましい。
【0032】
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して、標準物質としての単分散分子量のポリスチレンを使用した検量線を用いて分子量を換算して求められる。
【0033】
本発明において、(A)熱可塑性ブロック共重合体(成分(A))は、(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体(「成分(A1)」と記載することもある。)を含んでいる。「スチレン含有率」とは、熱可塑性ブロック共重合体に含まれるスチレンの割合をいう。成分(A1)のスチレン含有率は、40質量%未満であり、好ましくは35質量%未満であり、15質量%以上35質量%未満であるのがより好ましい。
【0034】
本発明のホットメルト粘着剤は、スチレン含有率が上記範囲内にある成分(A1)を含むことにより、ラベルをPETボトル等の容器へ安定して保持できるようになり、ラベルの浮き、ずれ等が起こりにくくなる。
【0035】
本発明のホットメルト粘着剤は、成分(A)の総量100質量部に対し、成分(A1)の含有量が70質量部以上であることが好ましく、80質量部以上であることがより好ましく、100質量部であってもよい。本発明のホットメルト粘着剤は、成分(A1)の含有量が上記範囲内にあると、保持力がより向上する。
【0036】
(A)熱可塑性ブロック共重合体は、単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができ、一実施態様として、(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体と、(A1)に該当しないスチレン系ブロック共重合体とが配合されていても差し支えない。(A1)に該当しないスチレン系ブロック共重合体とは、スチレン含有率が40質量%以上のものを意味する(以下、「(A2)スチレン含有率が40質量%以上のスチレン系ブロック共重合体」、または、「成分(A2)」と記載することもある。)。
【0037】
本発明において、(A1)スチレン含有率40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体として、市販品を用いることができる。例えば、
旭化成ケミカルズ社(株)製のタフプレンT420(商品名)、タフテックP3000(商品名)、タフテックH1053(商品名);
日本ゼオン社製のQuintac3460(商品名)、Quintac3433N(商品名)、Quintac3520(商品名)、Quintac3270(商品名);
クレイトン社製のD1160(商品名)、Kraton G1650(商品名)、Kraton G1652(商品名)、Kraton G1657(商品名)を例示できる。
【0038】
成分(A)としては、ジブロック含有率が0質量%であるトリブロック型スチレン系ブロック共重合体であることが好ましく、特に、成分(A1)として、ジブロック含有率が0質量%のトリブロック型スチレン系ブロック共重合体を用いると、ホットメルト粘着剤の保持力がより優れたものとなる。
【0039】
本明細書において「ジブロック」とは、二つのブロックを有するブロック共重合体を意味するが、通常「ビニル系芳香族炭化水素ブロック」、好ましくは「スチレンブロック」と、「共役ジエン化合物ブロック(水素添加されていてもよい)」とを一つずつ有するブロック共重合体を意味し、例えば下記式(1)で示すことができる。
【0040】
S-E (1)
(式(1)中、Sはスチレンブロック、Eは共役ジエン化合物ブロックである。)
【0041】
本明細書において、成分(A)の「ジブロック含有率」とは、成分(A)の熱可塑性共重合体に含まれるジブロック共重合体(好ましくは、式(1)で表されるスチレンブロックと共役ジエン化合物ブロックを1つずつ有するブロック共重合体)の割合のことをいう。
【0042】
トリブロック型スチレン系ブロック共重合体は、例えば、下記式(2)で表される構造を有し、それ以外のブロックを含まないスチレン系ブロック共重合体であるのが好ましい。
S-E-S (2)
(式(2)中、Sはスチレンブロック、Eは共役ジエン化合物ブロックである。)
【0043】
本明細書では、トリブロック型スチレン系ブロック共重合体はジブロック含有率が0質量%であり、ジブロック型スチレン系ブロック共重合体とは区別される。
【0044】
本発明では、成分(A1)がスチレン―エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)トリブロック共重合体であることが最も望ましい。本発明のホットメルト粘着剤は、スチレン―エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)トリブロック共重合体を含むことによって、凝集力が著しく向上する。これにより、ホットメルト粘着剤を用いてラベルを容器に接着させたとき、長期間にわたって容器からラベルが浮くことなく、かつ、ラベルがずれることもなくラベルの接着を保持することができる。
【0045】
(A2)スチレン含有率が40質量%以上のスチレン系ブロック共重合体の市販品としては、
旭化成ケミカルズ社製のアサプレンT439(商品名)、タフプレン125(商品名)、タフプレンA(商品名)、タフテックP2000(商品名)、タフテックH1043(商品名)、タフテックH1051(商品名);
JSR社製のTR2000(商品名)、TR2250(商品名);
Enichem社製のSOlT6414(商品名)が挙げられる。これらの市販品は、各々単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0046】
<(B)粘着付与樹脂>
本発明のホットメルト粘着剤は、(B)粘着付与樹脂(成分(B))を含むことにより、容器に対するラベルの保持力を向上することができる。「粘着付与樹脂」は、ホットメルト粘着剤に通常使用されるものであって、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されることはない。なお、本明細書において、成分(B)は、上記成分(A)として説明した化合物は含まないものとする。
【0047】
本発明においては、(B)粘着付与樹脂は、α-メチルスチレン系樹脂を含んでいる。α-メチルスチレン系樹脂を含むことにより、ホットメルト粘着剤の凝集性が高まり、再剥離性および保持力が向上する。α-メチルスチレン系樹脂としては、例えば、α-メチルスチレン単独重合体又はスチレン/α-メチルスチレン共重合体が用いられる。
【0048】
本発明の一実施態様として、α-メチルスチレン系樹脂は、スチレン/α-メチルスチレン共重合体が好ましい。また、α-メチルスチレン系樹脂は、軟化点(JIS K2207に規定する環球法で測定)が65℃~160℃のものが好ましく、軟化点が85~160℃のものがより好ましい。具体的には、イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3085(商品名)、クリスタレックス3100(商品名)、クリスタレックス1120(商品名)、クリスタレックス5140(商品名)、Endix155、Plastrin290、三井化学社製のFTR-2120(商品名)等の市販品を例示できる。
【0049】
本発明のホットメルト粘着剤において、(B)粘着付与樹脂の総質量100質量部に対するα-メチルスチレン系樹脂の含有量は、特に限定はされないが、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下である。
【0050】
(B)粘着付与樹脂は、α-メチルスチレン系樹脂に加えて、他の粘着付与樹脂を含んでもよい。他の粘着付与樹脂としては、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体を例示することができる。
【0051】
成分(B)は、酸価が0~300mgKOH/gの粘着付与樹脂を含むことが好ましく、酸価が50~300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことがより好ましく、酸価が150~300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことがさらに好ましく、酸価が150~250mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことが最も好ましい。酸価が該範囲内であると、本発明のホットメルト粘着剤のアルカリ分散性がより向上する。
【0052】
本発明の一態様において、ホットメルト粘着剤が、成分(B)として、α-メチルスチレン系樹脂と、酸価が0~300mgKOH/gの粘着付与樹脂(好ましくは酸価が0~300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂)の双方を含むと、本発明のホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性、ラベルの保持力および再剥離性に優れたものとなる。
【0053】
これらの粘着付与樹脂は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。粘着付与樹脂は、色調が無色~淡黄色であって、臭気が実質的に無く熱安定性が良好なものであれば、液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
【0054】
<(C)脂肪酸およびその誘導体>
本発明のホットメルト粘着剤は、(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種(成分(C))を含む。ホットメルト粘着剤が、成分(C)を含むことにより、本発明のホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性に優れたものとなる。成分(C)は一種の化合物を単独で含んでもよいし、二種以上を含んでもよい。
【0055】
本明細書において、脂肪酸とは、カルボキシ基を少なくとも1つ有する脂肪族カルボン酸のことをいい、ヒドロキシ基を有していてもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸に大別される。飽和脂肪酸とは、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有さない酸である。不飽和脂肪酸とは、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有する酸である。
【0056】
飽和脂肪酸としては、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、炭素数1~30のものが好ましく、炭素数3~26のものがより好ましく、炭素数8~24のものがより好ましく、炭素数12~22のものがさらに好ましく、炭素数14~22のものがよりさらに好ましい。また、飽和脂肪酸は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状であることが好ましい。鎖状の飽和脂肪酸は、直鎖であっても分岐鎖を有していてもよく、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。飽和脂肪酸としては、具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、トリコシル酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が例示される。
【0057】
不飽和脂肪酸としては、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、炭素数3~26のものが好ましく、炭素数4~22のものがより好ましく、炭素数14~22のものがさらに好ましい。
【0058】
不飽和脂肪酸の炭素/炭素間の不飽和結合数は、1~6が好ましく、1~3がさらに好ましく、1~2が最も好ましい。
【0059】
不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リシノール酸等が挙げられる。
【0060】
本明細書において、脂肪酸誘導体とは、上記脂肪酸の置換、あるいはその他化学反応によって得られる化合物とする。脂肪酸誘導体としては、油脂、硬化油、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、油脂および硬化油が好ましく、硬化油がより好ましい。「油脂」は、脂肪酸とグリセリンとのエステルであるトリグリセリド(トリアシルグリセロール)を主成分とする。
【0061】
本発明のホットメルト粘着剤は、一般に食用または工業用油脂として用いられる油脂を含んでもよい。油脂は、常温(約20~26℃)で液体であっても固体であってもよく、常温で液体のものが好ましく、植物油が好ましい。油脂としては、例えば、コーン油、大豆油、エポキシ化大豆油、ごま油、アマニ油、オリーブオイル、レタス油、魚油、バター、ラード、ヒマシ油、菜種油、ひまわり油、米油、綿実油が挙げられ、一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】
「硬化油」は、常温で液体である油脂に水素添加を行い、より融点の高い飽和脂肪酸の割合を増加させることで、常温で油脂が固形化されたものである。「硬化油」は、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、具体的には、水素添加されたヒマシ油(すなわち、水添ヒマシ油)、水添大豆油、水添サラダ油等が例示される。
【0063】
本発明の一態様において、(C)脂肪酸またはその誘導体として、(C1)融点40℃以上の脂肪酸誘導体(「成分(C1)」、または、「(C1)脂肪酸誘導体」とも記載する)を含むのが好ましい。(C1)脂肪酸誘導体の融点は、45~120℃であることが好ましく、50~100℃であることがより好ましく、50~90℃であることがさらに好ましい。成分(C1)は、1種を単独で含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
【0064】
本発明のホットメルト粘着剤は、(C1)脂肪酸誘導体の融点が上記範囲にあることによって、保持力が向上するので、ラベル用ホットメルト粘着剤に適したものとなる。本発明のホットメルト粘着剤を介し、炭酸飲料用のPETボトルとラベルを貼り合わせた場合、PETボトルが炭酸ガスで膨張しても、ラベルはズレや浮きがない状態でPETボトルに長期間保持される。
【0065】
本明細書において、融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定された値をいう。具体的には、SIIナノテクノロジー社製のDSC6220(商品名)を用い、アルミ容器に試料を10mg秤量し、昇温速度5℃/minで測定して、融解ピークの頂点の温度を融点という。
【0066】
成分(C)の総量100質量部に対し、成分(C1)の含有量は、40質量部以上であるのが好ましく、50質量部以上であるのがより好ましく、60質量部以上であるのがさらに好ましく、100質量部であってもよい。本発明の一態様においては、成分(C1)に加えて、(C2)融点40℃未満の脂肪酸誘導体(好ましくは融点40℃未満の油脂)を含んでもよい。
【0067】
本発明において、(C1)脂肪酸誘導体として硬化油を含んでいるのが好ましい。成分(C1)としての硬化油の融点は、40℃以上であり、50~100℃が好ましく、50~90℃がより好ましい。融点が40℃以上の硬化油を含むことにより、本発明のホットメルト粘着剤は、高温でも溶融することなく固形化が保たれ、ラベル等の被着体との凝集力が向上し、高い保持力を有するようになる。
【0068】
硬化油としては、例えば、水素添加されたヒマシ油(すなわち、水添ヒマシ油)、水添大豆油、水添サラダ油、水添菜種油、水添パーム油、牛脂硬化油等が挙げられ、特に、水添ヒマシ油、水添大豆油、水添菜種油が好ましく、水添ヒマシ油が最も好ましい。
【0069】
本発明のホットメルト粘着剤は、融点が40℃以上の水添ヒマシ油を含むと、特に保持力に優れたものとなる。本発明の一態様において、ホットメルト粘着剤が、成分(C1)として、融点50~100℃の水素添加されたヒマシ油を含むのが好ましい。
【0070】
本発明では、(C)脂肪酸またはその誘導体としては、市販品を用いることができる。
【0071】
(C1)脂肪酸誘導体の市販品としては、例えば、ヒマシ硬化油A(商品名)、テクノールMH(商品名)、テクノロールML98(商品名)、12-ヒドロキシステアリン酸(商品名)、水添大豆油(商品名)、水添ナタネ種子油(商品名)、水添パーム油(商品名)、ライスワックスSS-1(商品名)が挙げられる。
【0072】
成分(C1)以外の脂肪酸誘導体の市販品としては、例えば、
昭和産業社製のFSオイル(商品名)、プライムテイスト(商品名);
ボーソー油脂社製の米油(商品名)、こめサラダ油(商品名);
岡村油脂社製の綿実油(商品名);
理研ビタミン社製のリケマール(商品名);
日油社製のノニオン(商品名);等が挙げられる。
【0073】
これら市販の脂肪酸誘導体は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0074】
本発明のホットメルト粘着剤は、成分(A)~成分(C)以外に、ワックスを含んでもよい。
【0075】
「ワックス」は、常温で固体、加熱すると液体となる有機物であって、ホットメルト粘着剤に一般的に用いられるワックスであって、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。ワックスの重量平均分子量は、一般に10000未満である。具体的には、フィッシャートロプシュワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス)等の合成ワックス系;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス;カスターワックスなどの天然ワックス;等を例示できる。
【0076】
本発明のホットメルト粘着剤がワックスを含むことにより、ラベルを容器から剥がす際、ホットメルト粘着剤の容器への糊残りが少なくなる。
【0077】
本発明において、ワックスはフィッシャートロプシュワックスを含むのが好ましい。フィッシャートロプシュワックスは、成分分子が比較的幅広い炭素数分布を持つワックスから成分分子が狭い炭素数分布を持つようにワックスを分取したものである。フィッシャートロプシュワックスによって、ラベルを容器から剥離する際のホットメルト粘着剤の糊残りがより少なくなる。
【0078】
本発明のホットメルト粘着剤は、可塑剤を含んでもよい。
【0079】
可塑剤は、ホットメルト粘着剤の溶融粘度低下、柔軟性の付与、被着体への濡れ向上を目的として配合され、他の成分と相溶し、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。可塑剤として、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル及び芳香族系オイルを例示することができる。特にパラフィン系オイル及び/又はナフテン系オイルが好ましく、無色、無臭であるパラフィン系オイルが最も好ましい。
【0080】
可塑剤の市販品の一例として、例えば、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、出光興産社製のダイアナフレシアS-32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)、ダフニ-オイルKP-68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エクソン社製のPrimol352(商品名)、出光興産社製のプロセスオイルNS-100(商品名)、ペトロチャイナ社製のDN4010を例示することができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0081】
可塑剤を配合することで、本発明のホットメルト粘着剤に含まれる成分(A)~(C)の相溶性が向上し、さらには、その他成分との相溶性も向上し、結果的に、ホットメルト粘着剤の粘着性、接着性や塗工適正が向上する。
【0082】
本発明に係るホットメルト粘着剤は、必要に応じて、更に各種添加剤を含んでもよい。そのような各種添加剤として、例えば、安定化剤、及び微粒子充填剤を例示することができる。
【0083】
「安定化剤」とは、ホットメルト粘着剤の熱による分子量低下、ゲル化、着色、臭気の発生等を防止して、ホットメルト粘着剤の安定性を向上するために配合されるものであり、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。「安定化剤」として、例えば酸化防止剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
【0084】
「酸化防止剤」として、例えばフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を例示できる。「紫外線吸収剤」として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を例示できる。更に、ラクトン系安定剤を添加することもできる。これらは単独又は組み合わせて使用することができる。酸化防止剤の市販品として、以下の製品を使用することができる。
【0085】
具体的には、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャルティーケミカルズ社製のイルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、チヌビンP、城北化学社製のJF77(商品名)、エーピーアイコーポレーション製のトミノックスTT(商品名)、アデカ社製のAO-412S(商品名)を例示することができる。これら安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0086】
「紫外線吸収剤」は、ホットメルト粘着剤の耐光性を改善するために使用される。「酸化防止剤」は、ホットメルト粘着剤の酸化劣化を防止するために使用される。
【0087】
本発明のホットメルト粘着剤は、更に、微粒子充填剤を含むことができる。微粒子充填剤は、一般に使用されているものであれば良く、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができる限り特に限定されることはない。「微粒子充填剤」として、例えば雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等を例示できる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
【0088】
本発明に係るホットメルト粘着剤は、一般的に知られているホットメルト粘着剤の製造方法を用いて、成分(A)、成分(B)および成分(C)と、好ましくはワックス、可塑剤や安定化剤、更に必要に応じて各種添加剤とを配合して製造することができる。ホットメルト粘着剤は、上述の成分を所定量配合し、加熱溶融して製造することができる。目的とするホットメルト粘着剤を得ることができる限り、各成分を加える順序、加熱方法等は、特に制限されるものではない。
【0089】
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(A)の配合量は、特に限定はされないが、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総質量100質量部に対し、10~50質量部であるのが好ましく、15~40質量部であるのがより好ましい。成分(A)の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のホットメルト粘着剤は、凝集力(保持力)が高まり、ラベルをずらすことなく容器へ貼り付けやすくなる。
【0090】
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(B)の配合量は、特に限定はされないが、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総質量100質量部に対し、40~80質量部であるのが好ましく、50~75質量部であるのがより好ましい。成分(B)の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のホットメルト粘着剤は、粘着剤として安定したものとなり、アルカリ分散性、保持力、糊残り低下及び糸曳き低減のバランスに優れたものとなる。
【0091】
α-メチルスチレン系樹脂の配合量は、ホットメルト粘着剤の総合的な性能バランスを考慮すると、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総質量100質量部に対し、α-メチルスチレン系樹脂が1~20質量部含まれるのが好ましく、特に、2~10質量部含まれるのが好ましく、2.5~7.5質量部含まれるのが最も好ましい。
【0092】
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(C)の配合量は、特に限定はされないが、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総質量100質量部に対し、3~40質量部であるのが好ましく、5~35質量部であるのがより好ましい。成分(C)の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のホットメルト粘着剤は、アルカリ分散型性が向上し、保持力を維持しつつ、剥離時の被着体への糊残りを少なくすることができる。
【0093】
本発明のホットメルト粘着剤において、ホットメルト粘着剤の全質量に対する、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計含有量は、特に限定はされないが、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上であり、また、好ましくは90質量部以下、より好ましくは85質量部以下である。
【0094】
本発明のホットメルト粘着剤において、ワックスの配合量は、特に限定はされず、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総質量100質量部に対し、0質量部であってもよいが、好ましくは1~30質量部、より好ましくは3~25質量部である。本発明の一態様において、ホットメルト粘着剤は、フィッシャートロプシュワックスを含むのが好ましく、ワックスの総量に対するフィッシャートロプシュワックスの配合量は、特に限定はされないが、20質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であってもよい。
【0095】
本発明の好ましい一態様として、ホットメルト粘着剤は、160℃での粘度(又は溶融粘度)が4000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがさらに好ましく、2000mPa・s以下であることが特に好ましい。ホットメルト粘着剤は、160℃での粘度が上記範囲にあることによって、よりいっそう塗工に適したものとなる。本明細書の160℃での粘度(又は溶融粘度)とは、27番ローターを用い、ブルックフィールド粘度計で測定された値を意味する。
【0096】
本発明に係るラベルは、上記ホットメルト粘着剤が塗布されたものである。ホットメルト粘着剤が塗布されるラベルとして、具体的には、紙、加工紙(アルミ蒸着加工、アルミラミネート加工、ニス加工、樹脂加工等を施された紙)、合成紙等の紙類、有機化合物フィルム、無機化合物フィルム、金属製フィルム等によって作られるラベルが挙げられる。
【0097】
本発明に用いられるラベルとしては、特に、アルカリ洗浄に用いられることの多いポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等の有機化合物のフィルムが好ましい。ポリプロピレンフィルムとしては、特に二軸延伸されたポリプロピレン(OPP)フィルムが好ましい。
【0098】
本発明のホットメルト粘着剤は、ラベル裏面全体に塗工されても、ラベル裏面の一部に塗工されても差支えない。塗布方式としては、オープンホイール方式、クローズガン方式、ダイレクトコート方式などがある。ラベルを剥がした際、PETボトルに糊が残らない方式として、オープンホイール方式、ダイレクトコート方式が好ましい。
【0099】
本発明に係る容器は、上記ラベルが貼り付けられたものである。具体的には、清涼飲料水、調味料、洗剤、シャンプー、食用油、化粧品、医薬品などに使用されているガラス瓶などのガラス容器;PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどのプラスチック容器;アルミニウム等の金属缶;が例示される。上述の容器のうち、特にPETボトルが本発明では好ましい。PETボトルに本発明のラベルが貼り付けられている例としては、PETボトルの胴周りの一部にラベルが貼着されたもの、ボトルの胴周りを周状に覆うように巻きまわされた「胴巻きラベル」が貼られたものが本発明の一実施形態として挙げられる。本発明のホットメルト粘着剤は保持力に優れるため、PETボトル等の容器に炭酸飲料が充填されていること等により容器が膨張しても、ラベルがずれたり浮いたりするのを抑制することができる。
【0100】
本発明のホットメルト粘着剤は、胴巻きラベルの接着に好ましく用いられる。胴巻きラベルとしては、二軸延伸されたポリプロピレン(OPP)フィルムが多用されている。本発明のホットメルト粘着剤が塗布されるラベルは、印刷が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。印刷が施されているラベルを用いる場合、本発明のホットメルト粘着剤は、印刷が施されていない面に限らず、印刷が施されている面に塗布されてもよい。
【0101】
本発明のホットメルト粘着剤を用い、PETボトルにラベルを貼付する装置の一種として、オープンホイール方式の装置が挙げられる。オープンホイール方式の装置によって、ホットメルト粘着剤を120~190℃で溶融し、ラベル裏面に塗工する。このラベルをPETボトルに貼付け、本発明の容器が製造される。
【0102】
本発明のホットメルト粘着剤によりラベルが貼り付けられた容器は、熱アルカリ溶液につけると簡単にラベルが容器から剥離するので、容器の再利用等に適している。熱アルカリ溶液によりラベルを剥離する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラベルが貼り付けられた容器を裁断し小片化してペレットにし、熱アルカリ水溶液(例えば、温度80℃~90℃、濃度0.5~5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液)にこのペレットを入れて約1分~2時間撹拌する方法を挙げることができる。
【0103】
また、本発明のホットメルト粘着剤によりラベルが貼り付けられた容器は、通常の容器の使用時にはラベルが容器から剥がれることなく十分な接着性を有する一方、容器の使用後等にラベルを剥がすときは、糊残りなく手で剥がすこともでき、再剥離性に優れる。
【実施例
【0104】
以下、本発明を、更に詳細に、かつ、具体的に説明することを目的として、実施例を用いて説明するが、これら実施例は、本発明を何ら制限するものではない。実施例および比較例において、ホットメルト粘着剤に配合する成分を以下に示す。
【0105】
(A)熱可塑性ブロック共重合体
(A1)スチレン含有率が40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体
(A1-1)スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロック共重合体(クレイトン社製のクレイトンG-1652(商品名)、スチレン含有率30質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量72,000)
(A1-2)スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロック共重合体(クレイトン社製のクレイトンG-1650(商品名)、スチレン含有率30質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量92,000)
(A1-3)スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(クレイトン社製のクレイトンG-1726(商品名)、スチレン含有率31質量%、ジブロック含有率73質量%、重量平均分子量43,000)
(A1-4)スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(クレイトン社製のクレイトンG-1657(商品名)、スチレン含有率15質量%、ジブロック含有率33質量%、重量平均分子量106,000)
【0106】
(A2)スチレン含有率が40質量%以上のスチレン系ブロック共重合体
(A2-1)スチレン-エチレン/ブチレン-スチレントリブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製のタフテックH1043(商品名)、スチレン含有率68質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量53,000)
(A2-2)スチレン―ブタジエン/ブチレン-スチレントリブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製のタフテックP2000(商品名)、スチレン含有率68質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量54,000)
(A2-3)スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体(JSR社製のTR2250(商品名)、スチレン含有率52質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量109,000)
(A2-4)スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製のタフプレンA(商品名)、スチレン含有率41質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量105,000)
(A2-5)スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(旭化成ケミカルズ社製のアサプレンT-439(商品名)、スチレン含有率46質量%、ジブロック含有率69質量%、重量平均分子量63,000)
(A2-6)スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体(クレイトン社製のクレイトンD-1162(商品名)、スチレン含有率41質量%、ジブロック含有率0質量%、重量平均分子量82,000)
【0107】
(B)粘着付与樹脂
(B1)水添脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂(JXTGエネルギー社製のT-REZ HC103(商品名)、軟化点103℃)
(B2)水添脂環族系炭化水素樹脂(JXTGエネルギー社製のT-REZ HA103(商品名)、軟化点103℃)
(B3)水添脂環族系炭化水素樹脂(JXTGエネルギー社製のT-REZ HA125(商品名)、軟化点125℃)
(B4)水素添加ロジンエステル(GUANGDONG KOMO社製のKOMOTAC KHR75(商品名)、酸価170mgKOH/g 軟化点80℃)
(B5)水素添加ロジンエステル(イーストマンケミカル社製のForalAX-E(商品名)、酸価160mgKOH/g 軟化点80℃)
(B6)ロジンエステル(GUANGDONG KOMO社製のKOMOTAC K107(商品名)、酸価155mgKOH/g 軟化点80℃)
(B7))α-メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3070(商品名)、軟化点70℃)
(B8))α-メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3085(商品名)、軟化点85℃)
(B9)α-メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3100(商品名)、軟化点100℃)
(B10)α-メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のクリスタレックス5140(商品名)、軟化点140℃)
(B11)水添ロジンエステル(イーストマンケミカル社製のForal 85E(商品名)、酸価9mgKOH/g 軟化点85℃)
(B12)ロジンエステルGUANGDONG KOMO社製のKOMOTAC KB90H(商品名)、酸価15mgKOH/g 軟化点90℃)
【0108】
(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
(C1)融点40℃以上の脂肪酸誘導体
(C1-1)ヒマシ硬化油(伊藤製油社製のヒマシ硬化油A(商品名)、融点85.5℃)
(C1-2)モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油(横関油脂社製のテクノールMH(商品名)、融点58.0℃)
(C1-3)ラウリン酸水添ヒマシ油(横関油脂社製のテクノールML98(商品名)、融点51.0℃)
(C1-4)ヒマシ硬化脂肪酸(日油社製の12-ヒドロキシステアリン酸(商品名)、融点69.0℃)
(C1-5)牛脂硬化油(日油社製の牛脂51°硬化油HO(商品名)、融点51.0℃)
(C1-6)大豆極度硬化油(山桂産業社製の水添大豆油(商品名)、融点68.2℃)
(C1-7)菜種極度硬化油(山桂産業社製の水添菜種種子油(商品名)、融点68.4℃)
(C1-8)パーム極度硬化油(山桂産業社製の水添パーム油(商品名)、融点58.6℃)
(C1-9)ライスワックス菜種極度硬化油(ボーソー油脂社製のライスワックスSS-1(商品名)、融点79.0℃)
【0109】
(C2)融点40℃未満の脂肪酸誘導体
(C2-1)ヒマシ油(豊国製油社製の工業用1号ヒマシ油(商品名)、融点なし(凝固点-22℃)
(C2-2)米油(ボーソー油脂製のこめサラダ油(商品名)、融点なし(凝固点-10~-5℃))
(C2-3)ひまわり油(山桂産業社製のハイオレイックヒマワリ油(商品名)、融点なし(凝固点-18~-16℃))
(C2-4)ヤシ油(山桂産業社製のヤシ油(商品名)、融点24.6℃)
(C2-5)ジグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社製のリケマール L-71-D(商品名)、融点34℃)
【0110】
(D)ワックス
(D1)フィッシャートロプシュワックス(サゾール社製のサゾールC80(商品名)、融点80℃、針入度7)
(D2)フィッシャートロプシュワックス(サゾール社製のサゾールH1(商品名)、融点108℃、針入度2)
(D3)エチレン酢酸ビニル共重合体ワックス(Honeywell社製のAC400(商品名)、融点92℃)
(D4)ポリエチレンワックス(三井化学社製のハイワックス320P(商品名)、融点109℃、針入度7)
(D5)ポリプロピレンワックス三井化学社製のハイワックスNP105(商品名)、融点140/148℃、針入度1)
(D6)パラフィンワックス(日本精蝋社製のHNP-9(商品名)、融点75℃、針入度6)
【0111】
(E)可塑剤(オイル)
(E1)パラフィンオイル(出光興産社製のダフニーオイル KP-68(商品名))
(E2)パラフィンオイル(出光興産社製のダイアナプロセスオイル PW90(商品名))
(E3)ポリブテン(日本石油社製の日石ポリブテンHV-300(商品名))
(E4)ナフテンオイル(ペトロチャイナ社製のDN4010(商品名))
【0112】
(F)安定化剤(酸化防止剤)
(F1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤(アデカ社製のアデカスタブ AO-60(商品名))
(F2)チオエーテル系酸化防止剤(アデカ社製のアデカスタブ AO-412S(商品名))
【0113】
成分(A)~(F)を表1および表2に示す配合割合で配合し、約145℃で約3時間かけて万能攪拌機を用いて溶融混合し、実施例1~18、比較例1~4のホットメルト粘着剤を製造した。表1および表2に示されるホットメルト粘着剤の組成(配合)に関する数値の単位は、全て質量部である。以下、「実施例4」は、「参考例4」と読み替えるものとする。
【0114】
実施例及び比較例の各々のホットメルト粘着剤について、アルカリ分散性、保持力、糊残り、糸曳き性について評価した。以下、各測定方法および評価方法について説明する。
【0115】
<アルカリ分散性>
各実施例及び比較例のホットメルト粘着剤をOPPフィルム上に20~25μmの厚みになるように塗工し、ホットメルト粘着剤付きOPPフィルムのラベル(25mm×50mm)を作製した。このラベルを空のペットボトルに100℃で5秒間押し付けることで貼りあわせ、試験サンプルを作製した。
【0116】
この試験サンプルの質量(試験サンプルの洗浄前の質量)を測定後、85℃の1.5質量%水酸化ナトリウム水溶液に入れ、15分間撹拌(洗浄)した。15分後、試験サンプルを取り出して充分に風乾した。風乾後の試験サンプルの質量(試験サンプルの洗浄後の質量)を測定し、洗浄前後の質量からアルカリ分散率を算出した。アルカリ分散率は下記式より算出され、算出された値からアルカリ分散性を評価した。
【0117】
アルカリ分散率(%)={(試験サンプルの洗浄前の質量-試験サンプルの洗浄後の質量)/(使用したホットメルト粘着剤の質量)}×100
【0118】
評価結果を表3に示す。評価基準は以下のとおりである。
◎:アルカリ分散率が90%より高い
○:アルカリ分散率が60%以上、90%以下
×:アルカリ分散率が60%未満、または、フィルムが接着せず試験サンプルが作成できないため測定不可
【0119】
<保持力(ラベルの浮き、ずれ)>
ホットメルト粘着剤をOPPフィルム上に20~25μmの厚みになるように塗工し、ホットメルト粘着剤付きOPPラベル(25mm×50mm)を作製した。そのラベルを空のペットボトルに100℃で5秒間押し付けることで貼りあわせ、試験サンプルを作製した。
【0120】
次いで、ペットボトルに炭酸飲料を充填し、その炭酸飲料入りの試験サンプルを50℃雰囲気下で1週間保管した。別の炭酸飲料入りの試験サンプルについても-10℃雰囲気下で1日保管し、各試験サンプルのラベルの浮き、ラベルのずれ幅を確認した。
【0121】
評価結果を表3に示す。評価基準は以下のとおりである。
◎:ラベルの浮きなし、ラベルのずれ幅が2mm未満
〇:ラベルの浮きなし、ラベルのずれ幅が2mm以上、4mm未満
△:ラべルの浮きなし、ラベルのずれ幅が4mm以上、7mm未満
×:ラベルの浮きあり、またはラベルのずれ幅が7mm以上
【0122】
<糊残り>
ホットメルト粘着剤をOPPフィルム上に20~25μmの厚みになるように塗工し、ホットメルト粘着剤付きOPPラベル(25mm×50mm)を作製した。そのラベルを空のペットボトルに100℃で5秒間押し付けることで貼りあわせ、試験サンプルを作製した。試験サンプルを23℃、湿度55%雰囲気下で3日間保管後、ラベルをペットボトルから手で剥離し、ペットボトルへのホットメルト粘着剤の付着状態を目視で確認した。
【0123】
評価結果を表3に示す。評価基準は以下のとおりである。
◎:界面剥離しており、ホットメルト粘着剤の付着なし。
〇:わずかにホットメルト粘着剤の付着あり。
×:凝集破壊、ホットメルト粘着剤の殆どがペットボトルに残っている。
【0124】
<糸曳き性評価>
ホットメルトガンの先端から20cm離れた被着体に対し、ホットメルト粘着剤を垂直に間欠塗布した。ホットメルトガンと被着体との間の落下物の状態を目視にて観察し、糸曳き性を評価した。尚、測定条件は以下のとおりである。
【0125】
温度設定:タンク内温度、ホース内温度、及びノズル内温度は全て160℃
ノズル径:14/1000インチ
ノズル:シングルノズル
塗出圧力:0.3MPa
塗出ショット数:90ショット/30秒
【0126】
評価結果を表3に示す。評価基準は以下のとおりである。
〇:落下物がノズルから離れて落下する(糸曳きなし)。
×:落下物がノズル周りに付着する(糸曳きあり)。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
表3に示されるように、実施例のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性と保持力に優れ、糊残り及び糸曳きを低減できた。実施例1~18のホットメルト粘着剤については、上記性能が高いレベルで保たれていることが確認された。一方、比較例1~4のホットメルト粘着剤は、少なくとも1つの性能が不十分であった。
【0131】
これらの結果から、ホットメルト粘着剤が成分(A)、(B)及び(C)を含み、成分(A)が(A1)スチレン含有率が40質量%未満のスチレン系ブロック共重合体を含み、成分(B)がα-メチルスチレン系樹脂を含むと、アルカリ分散性が高く、ラベルの保持力に優れ、糊残りが少なく、糸曳きを低減できるホットメルト粘着剤が得られることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤、及びそのホットメルト粘着剤が塗工されたラベル、そのラベルが貼られた容器を提供できる。