(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240219BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240219BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
H04N1/00 912
G03G15/00 303
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2020014213
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】海野 浩一
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-155504(JP,A)
【文献】特開2004-029086(JP,A)
【文献】特開2014-087997(JP,A)
【文献】特開2009-139664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
15/36
21/00
21/02
21/14
21/20
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
原稿を読み取ることで画像データを得る読取手段と、
FAXにより画像データを受信する受信手段と、
前記操作部を介して、印刷に使用する消耗
材を削減するモードを設定
可能な第1の設定手段と、
FAXにより得られた画像データを印刷後に、再印刷可能なように前記画像データを記憶部に保存することを設定可能な第2の設定手段と、
前記
第1の設定手段によって設定された前記モードに基づき前記読取手段によって得られた画像データの濃度を削減する処理を行
う制御手段と
、
前記制御手段は、前記第2の設定手段によって再印刷可能に保存することが設定されている場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行い、前記第2の設定手段によって再印刷可能に保存することが設定されていない場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行わない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記受信手段は、ネットワークに接続されるネットワークインタフェー
スを含み、
前記制御手段は、前記ネットワークインタフェース
が受信したデータがPDLデータであると判定すると、前記
PDLデータを画像データ
に変換することにより濃度を削減する処理を行
うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
さらに、前記制御手段によって濃度が削減された画像データを印刷する印刷手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度が削減された画像データを印刷するためのシー
トに、前記消耗材
により色を付けることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿を読み取ることで画像データを得る読取工程と、
FAXにより画像データを受信する受信工程と、
操作部を介して、印刷に使用する消耗
材を削減するモードを設定する
第1の設定工程と、
FAXにより得られた画像データを印刷後に、再印刷可能なように前記画像データを記憶部に保存することを設定する第2の設定工程と、
前記
第1の設定工程によって設定された前記モードに基づき前記読取工程によって得られた画像データの濃度を削減する処理を行
う制御工程と
、
前記制御工程は、前記第2の設定工程によって再印刷可能に保存することが設定されている場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行い、前記第2の設定工程によって再印刷可能に保存することが設定されていない場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行わない
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
前記受信工程は、ネットワークに接続されるネットワークインタフェー
スを含み、
前記制御工程は、前記ネットワークインタフェース
が受信したデータがPDLデータであると判定すると、前記
PDLデータを画像データ
に変換することにより濃度を削減する処理を行
うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
さらに、前記制御工程によって濃度が削減された画像データを印刷する印刷工程を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
前記濃度が削減された画像データを印刷するためのシー
トに、前記消耗材
により色を付けることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れか1項に記載の制御方法を前記画像形成装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー、FAX、プリンタなどの複数の機能を一台に集約したMFPが知られている。そうしたMFPにおいて、コピーやPDL印刷を行う場合、印刷時の基準となる濃度のレベルを低く設定することにより、印刷時に使われるトナーやインクなどの消耗材の消費量を低減することが行われてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらFAX受信した画像データに対して濃度を下げて印刷すると、送信時の解像度によっては受信画像が読みにくくなってしまう。この場合受信文章を消去する設定が行われていると、ユーザーはトナーやインクなどの消耗材の消費量を低減することを中止した上で画像データの送信元に再度送信してもらわなくてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
操作部と、原稿を読み取ることで画像データを得る読取手段と、FAXにより画像データを受信する受信手段と、前記操作部を介して、印刷に使用する消耗材を削減するモードを設定可能な第1の設定手段と、FAXにより得られた画像データを印刷後に、再印刷可能なように前記画像データを記憶部に保存することを設定可能な第2の設定手段と、前記第1の設定手段によって設定された前記モードに基づき前記読取手段によって得られた画像データの濃度を削減する処理を行う制御手段と、前記制御手段は、前記第2の設定手段によって再印刷可能に保存することが設定されている場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行い、前記第2の設定手段によって再印刷可能に保存することが設定されていない場合、前記FAXにより得られた画像データの濃度を削減する処理を行わないことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0006】
原本が手元にない画像データに対しては消耗材の消費量を低減しないようにすることで、印刷した画像が見にくくなってしまった場合のリカバリーの手間を削減する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態としてのスキャナとプリンタの構成図。
【
図3】本発明の一実施形態としての操作部の外観図。
【
図4】本発明の一実施形態としての制御フローチャート。
【
図5】本発明の一実施形態としてのモード設定画面。
【
図6】本発明の一実施形態としてのモード設定のデータ構造。
【
図7】本発明の一実施形態としての操作部に表示されるコピー機能画面。
【
図8】本発明の一実施形態としての操作部に表示される濃度調整機能画面。
【
図9】本発明の一実施形態としてのコピーの機能設定のデータ構造。
【
図10】本発明の一実施形態としての濃度調整時の制御フローチャート。
【
図11】本発明の一実施形態としてのFAX受信設定時の制御フローチャート。
【
図12】本発明の一実施形態としての操作部に表示されるホーム画面。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
以下、本発明を実施するための実施形態について図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本発明におけるスキャナ、プリンタの構成図、
図2は本発明におけるシステムの画像データの処理または画像処理に付随する操作情報、センサ情報に関しての処理ブロックを示したものである。
【0010】
本発明において制御の中心となるのはCPU201である。CPU201は、COPY機能プログラム、PDL機能プログラム、FAX機能プログラムにしたがって
図1、
図2の各ブロックを制御する。これらの機能プログラムは、ROM202に格納されている制御プログラムもしくはROM202に格納されている初期プログラムによって、HD218からI/O制御部214、バスコントローラ207を介してDRAM204にロードされる。
【0011】
以下
図1と
図2を用いてコピー機能の動作を説明する。
【0012】
図1において、原稿103上の情報は原稿読み取り装置119の露光部113に対して原稿103を相対的に移動させながら読み取られる。原稿103は原稿トレイ102にセットされる。原稿給紙ローラー104は分離パッド105と対になっていて、原稿103を一枚ずつ搬送する。搬送された原稿103は中間ローラー対106で装置内に送られ、大ローラー108と第1従動ローラー109によって搬送され、さらに大ローラー108と第2従動ローラー110とによって搬送される。
【0013】
大ローラー108と第2従動ローラー110とで搬送された原稿103は、流し読み原稿ガラス112と原稿ガイド板117との間を通り、ジャンプ台118を経由して、大ローラー108と第3従動ローラー111とにより搬送される。大ローラー108と第3従動ローラー111とにより搬送された原稿103は原稿排紙ローラー対107により装置外に排出される。なお流し読み原稿ガラス112と原稿ガイド板117との間では原稿103は原稿ガイド板117によって流し読みガラス112に接触する形で搬送される。
【0014】
原稿103は流し読み原稿ガラス112上を通過する際に、流し読み原稿ガラス112に接している面が露光部113によって露光される。その結果得られる原稿103からの反射光がミラーユニット114に伝達される。伝達された反射光はレンズ115を通過して集光されCCDセンサ部116にて電気信号に変換される。即ち、原稿103の読取が行われ、画像データを表す電気信号が得られる。
【0015】
上記電気信号に変換された原稿の画像データはCPU210の制御によりRGBの信号に変換される。さらに、その画像データは、CPU201の制御によりスキャナI/F208、バスコントローラ207を介してDRAM204に一時格納された後、バスコントローラ207、I/O制御部214を介してHD218に保存される。
【0016】
HD218に保存された画像データが印刷される場合には、HD218に保存された画像データは、CPU201の制御によりDRAM204に一時保存される。一時保存された画像データは、その後GraphicProcessor203を介してRGB→CMYK変換などの色空間変換、変倍処理、さらにDRAM204に保存された複数の画像データを結合するレイアウト処理などが行われる。そののちプリンタI/F211を介してプリンタ212へ転送される。
【0017】
プリンタ212へ転送された画像データは
図1のレーザーユニット122で画像データからレーザー光への変換が行われ、レーザーユニットから発信されるレーザー光により感光体ドラム123、124、125、126上で画像として結像される。結像された画像は感光体ドラム123、124、125、126に結像された画像の静電容量によりトナーを吸着させる現像ユニット127、128、129、130を介してカセット段131、カセット段132から給紙される用紙にトナー像として転写される。さらに、その、定着機133で定着され搬送ローラー134、135で機外に排紙される。なお、本明細書ではトナーを例に説明を行うが、シートに色を付ける消耗材の例としてはトナーに限らず、インクなどの他の消耗材であっても良い。
【0018】
次にPDL印刷機能の説明を行う。
【0019】
ネットワーク上の端末から送信されたPDLデータはNetworkI/F205で受信され、受信されたデータはCPU201によりDRAM204、I/O制御部214経由でHDD218に保存される。CPU201はDRAM204にロードされたPDL機能プログラムに従って、HDD218のPDLデータをI/O制御部214経由でDRAM204に転送しつつ、逐次DRAM204上でPDLデータから画像データに変換してDRAM204に保存する。CPU201はDRAM204に保存された画像データを前述のようにGraphicProcessor203で色空間変換、変倍処理などを行った後、プリンタI/F211を介してプリンタ212に転送することで印刷を行う。
【0020】
FAX受信印刷機能の場合には、CPU201がDRAM204に保存されているFAX機能プログラムに従って公衆回線経由でFAX Unit206で受信した圧縮画像データを一旦DRAM204、I/O制御部214を介してHDD218に保存する。CPU201が公衆回線から圧縮画像データの受信が完了したことをFAX Unit206から判断すると、CPU201はHDD218に保存された公衆回線から受信した圧縮画像データをDRAM204に転送する。そして、CPU201は、その圧縮画像データに対して、GraphicProcessor203で伸長処理、色空間変換、変倍処理などを行った後、プリンタI/F211を介してプリンタ212に転送することで印刷を行う。なお、本明細書においてFAXと言った場合には、iFAXが含まれる。即ち、FAX Unitは、電話回線経由で画像データを受信する旧来からのFAXのunitと、インターネット回線経由で画像データを受信するiFAXのunitの両方を含むものとする。
【0021】
以下
図4のフローチャートを用いて、本発明の代表的な実施形態を説明する。
【0022】
図3は操作部217の外観を示した操作部300である。
【0023】
メインメニューキー301、カスタムメニューキー302、状況確認/中止キー303、テンキー305、ユーザー設定キー307などをユーザーが押下する。すると、押下されたキーに応じたコードデータが操作部I/F216、I/O制御部214経由でCPU201に送信される。
【0024】
LCDパネル304にはCPU201がDRAM204に展開し、I/O制御部214、操作部I/F216経由で転送した画面データが表示される。LCDパネル304はタッチパネルとなっている。ユーザーがLCDパネル304を押下すると、押下された位置が座標データとして操作部I/F216、I/O制御部214経由でCPU201に送信され、CPU201は座標データから画面データのいずれかが押されたかを判定することができる。
【0025】
CPU201は電源ON時に
図12のホーム画面1200の画面データをDRAM204に作成し、I/O制御部214、操作部I/F216経由で操作部217に転送し、LCDパネル304に表示する。
【0026】
CPU201はユーザーによる操作部217の操作を操作部I/F216、I/O制御部214経由で受信するコードデータと座標データにより監視し(402)、前記操作部300のいずれかが操作されたことを判定する処理を行う(403)。
【0027】
ユーザーがユーザー設定キー307を押下したことをCPU201が検知すると(404)、CPU201は機械の動作のための設定を行うユーザー設定画面の画面データを前述の経路で操作部217に転送し、LCDパネル304に表示する(405)。更に表示されたユーザー設定画面から、トナーセーブ設定をユーザーが選択すると、CPU201は
図5のトナーセーブ設定の画面データを操作部217に転送し、LCDパネル304に表示する(406)。
【0028】
ユーザーはLCDパネル304に表示されたトナーセーブ設定500のうちトナーセーブのOFF/ON(501,502)からON501、トナーセーブ設定の強弱(503、504、505)を選択することが可能である。選択された項目の座標データは前述の経路でCPU201に送信され、CPU201は受信した座標データと転送したトナーセーブ設定の画面データから、いずれかの設定がされたかを判定する。
【0029】
CPU201は判定した結果をDRAM204に
図6の構造のユーザー設定データ600として保存する。DRAM204に保存されたユーザー設定データ600はCPU201により機械の電源がOFFされる前に、I/O制御部214経由でHDD218に保存され、電源ONされた時にHDD218からI/O制御部214経由でDRAM204に展開される。
【0030】
CPU201が
図4の404で、ユーザー設定キー307ではなく、ホーム画面1200に表示されるコピーアイコン1201が押下されたことを検知した場合(407)、CPU201は
図7のコピー画面700をLCDパネル304に表示する。
【0031】
ユーザーは、表示されたコピー画面700でカラー選択703を行うことができる。また、原稿読み取り装置119で読み取られCPU210により転送されてきた画像データをGraphicProcessor203で変倍処理するための倍率選択702することもできる。また、カセット段131、カセット段132のいずれかを使用するための用紙選択701、両面印刷設定の両面705、印刷時の濃度調整を行うための濃度706などを押下することもできる。CPU201は、押下された座標データに応じてユーザーの所望した設定を検知し、検知した設定をDRAM204に
図9の構造のコピー設定900として保存する(408)。
【0032】
この状態でユーザーが操作部300のスタートキー309を押下すると、CPU201は操作部I/F216、I/O制御部214経由でスタートキー309のキーコードを受信する。さらにCPU201は、前述で示した通りI/O制御部214、シリアル通信コントローラ215、スキャナI/F208経由でCPU210に指示を送信する。すると、原稿トレイ102上にセットされた原稿103を原稿読み取り装置119で読み取り動作を行う(411)。
【0033】
読み取られた画像データは、前述のようにHD218に保存される。保存された画像データに、先にDRAM204に保存されているコピー設定900の置数901、カラー設定903、倍率設定905、用紙設定907、濃度911に対する902、904、906、908、912の内容に従った処理が行われる。具体的には、CPU201によりGraphicProcessor203により変倍処理、濃度変換処理などが行われる(412)。
【0034】
この時CPU201はユーザー設定データ600に保存されたトナーセーブモード601、トナーセーブ設定602に対する値が保存される604、605を検索する。604がONの場合には、トナーセーブ設定602に対応する605に保存されている値をプリンタ212にI/O制御部214、シリアル通信コントローラ215経由でCPU213に送信する(413、414)。
【0035】
CPU213は受信したトナーセーブ設定602の値がトナーセーブモードONを示す場合には、付随して送信されてくるトナーセーブ設定の値に従って、プリンタ212に入ってくるデータがYMCKの場合にはダイレクトマッピングのテーブルを変更する。これにより印刷時の濃度が変更される。またその入ってくるデータがKの場合には輝度濃度変換のテーブルを変更する。これにより、プリンタI/F211経由で送信されてきた画像データの印刷時の濃度を低減する事によりトナー消費量を低減させる設定がCPU213により行われる(415)。トナー消費量は、トナーを利用する量のことである。
【0036】
CPU201はプリンタ212のCPU213に上記の設定を行った後、GraphicProcessor203により処理された画像データをプリンタ212に転送することで印刷処理を行う。(416)。印刷処理とは、シート上への画像形成のことである。
【0037】
CPU201はスキャナ209のCPU210から原稿トレイ102上にセットされた原稿103がなくなったことを通知されるまで前述までの動作を繰り返す(417)。
【0038】
ユーザーが操作部300のいずれも操作しない場合、CPU201は操作部217からのコードデータ、座標データを受信しない。この場合CPU201はNetworkI/F205を介して接続されているネットワークからのデータ受信の可否を確認する(418、419)。NetworkI/F205はネットワークからデータを受信すると、受信したデータを前述のようにHDD218に保存し、CPU201に通知する。
【0039】
NetworkI/F205から通知を受けたCPU201はNetworkI/F205がHDD218に保存したデータをDRAM204に展開し、データの種別を受信手段とDRAM204に保存されているデータの内容から判定する(421)。
【0040】
CPU201はNetworkI/F205が受信したデータがPDLデータであると判定すると、前述のようにDRAM204にロードされたPDL機能プログラムにしたがい、DRAM204のPDLデータを画像データに変換する。
【0041】
この時CPU201は前述のコピー機能の時と同様にユーザー設定データ600に保存されたトナーセーブモード601、トナーセーブ設定602に対する値が保存される604、605を検索する。そして、604がONの場合には、トナーセーブ設定602に対応する605に保存されている値をプリンタ212にI/O制御部214、シリアル通信コントローラ215経由でCPU213に送信する(423、424)。これにより、プリンタ212のCPU213にトナー消費量を低減させる設定を行う(425)。
【0042】
その後、CPU201はPDLデータから変換されたDRAM204上の画像データをI/O制御部214、プリンタI/F211経由でプリンタ212に転送することにより印刷を行う。HDD218に格納されているNetworkI/F205が受信したPDLデータが無くなるまでこれを繰り返す(426、427)。
【0043】
またCPU201はFAX Unit206からの通知によっても判断を行う(418、419)。CPU201はFAX Unit206からの通知を受け取ると、HDD218のデータをDRAM204に展開する。そして、データの種別を受信手段とDRAM204に保存されている内容から判断し、FAX Unit206が受信した圧縮画像データであると判断した場合には、以下の処理を行う。即ち、DRAM204に保存されている圧縮画像データをGraphicProcessor203で伸長処理、変倍処理を行い、I/O制御部214、プリンタI/F211を介してプリンタ212に送信することにより印刷処理を行う(428)。
【0044】
この時CPU201はFAX Unit206が受信した圧縮画像データの印刷時には、ユーザー設定データ600に保存されたトナーセーブモード601の内容を参照しない。参照をせずに、プリンタ212のCPU213に対してトナー消費量を低減させる設定は行わない。なお、削減と低減は同じ意味である。
【0045】
以上の通り、トナー消費量を低減させてしまい見えにくい印刷が行われてしまった場合に、送信元の他人に再度の印刷をお願いする必要のある画像データ(例、FAXデータ)については、トナーセーブモード601の内容に関わらず、消費量低減を行わない。
【0046】
<実施形態2>
次に
図10のフローチャートを用いた第二の実施形態を説明する。
【0047】
前述においてユーザーがユーザー設定キー307から始まる一連の動作をした時にCPU201が表示するトナーセーブ設定500において、ユーザーが濃度設定連動のON506/OFF507を選択する。すると、前述の経路でCPU201はユーザーの設定をDRAM204のユーザー設定データ600の濃度設定連動603に対応する領域606にユーザーの設定を保存する。
【0048】
ユーザーが前述のコピー画面700の濃度706を押下すると
図8の濃度調整画面800が表示される。濃度調整画面800において、801を押下すると初期の濃度を示す数値より低い数値、802を押下すると初期の濃度を示す数値より高い数値をCPU201はDRAM204のコピー設定900の濃度911に対応する領域912に保存する(1004)。
【0049】
ユーザーが操作部300のスタートキー309を押下すると、スタートキー309のコードデータを通知されたCPU201は前述のように原稿読み取り処理1006と画像処理1007を行い、前述のようにトナーセーブ判定処理1008を行う。
【0050】
CPU201はユーザー設定データ600のトナーセーブモード601がONであり(1009)、次に濃度設定連動603がONであることを領域606から判定する(1010)。ONであると判定すると、CPU201は濃度調整画面800において濃度が調整されたかどうかをコピー設定900の濃度911に対応する領域912の値から判定する(1011)。
【0051】
CPU201が領域912の値から、ユーザーにより濃度調整が行われたと判断した場合にはトナーセーブ処理1012は行わず印刷処理1013を行う。
【0052】
CPU201は印刷処理1013の後、再度ユーザーが濃度調整画面800で濃度が変更した場合には、変更された濃度をコピー設定900の濃度911に対応する領域912に設定値を保存する(1014)。そして、原稿トレイ102上の原稿103が無くなるまで原稿読み取り処理1006から印刷処理1013までを繰り返す(1015)。
【0053】
<実施形態3>
次に
図11のフローチャートを用いた第三の実施形態を説明する。
【0054】
前述においてユーザーがユーザー設定キー307により表示される画面から、FAX Unit206によりHDD218に保存される圧縮画像データを、印刷後に保存するか、消去するか選択する。すると、その選択はユーザー設定データ600のFAX画像保存設定607に対する領域608に保存される。なお、印刷後に保存するというのは、印刷後も再度印刷が可能なように、即ち、再利用可能に画像データを保存するということである。
【0055】
この状態において前述のようにCPU201がデータ受信を行う(1101、1102)。HDD218に保存されるデータがDRAM204上でFAXUnit206から受信した圧縮画像データであると判定された場合(1104)、CPU201は前述のFAX画像保存設定607を参照する。
【0056】
CPU201がFAX画像保存設定607がOFFであると判断した場合には(1112)、前述のトナーセーブ処理1113を行わずにCPU201からプリンタ212のCPU213に対して印刷をおこなう。
【0057】
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。