(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】取付支援装置、取付支援プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240219BHJP
E06B 9/38 20060101ALI20240219BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240219BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
E06B9/38
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020039162
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】外村 英章
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125262(JP,A)
【文献】特開2003-157290(JP,A)
【文献】特開2010-39908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0127530(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを備えた携帯型端末として構成され、遮蔽装置を取り付けるためのブラケットの固定面への取り付け位置決めを支援する取付支援装置であって、
前記ブラケットにおける取付位置を示すブラケット画像と、前記取付支援装置の一端側に配した原点から前記ブラケット画像における取付位置までの距離を目盛りにより示すスケール画像とを含む表示画像を前記ディスプレイに表示させる表示処理部
を備える取付支援装置。
【請求項2】
前記取付支援装置の姿勢が第1の姿勢または該第1の姿勢とは異なる第2の姿勢のいずれであるか判定する姿勢判定部を更に備え、
前記表示処理部は、前記取付支援装置が前記第1の姿勢である場合に第1のブラケット画像と前記スケール画像とを含む第1の表示画像を前記ディスプレイに表示させ、前記取付支援装置が前記第2の姿勢である場合に前記第1のブラケット画像とは異なる第2のブラケット画像と前記スケール画像とを含む第2の表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1に記載の取付支援装置。
【請求項3】
前記姿勢判定部は、前記第1の姿勢または前記第2の姿勢にある前記取付支援装置において略鉛直方向を向く軸周りの回転角度が予め設定された回転角度である回転閾値を超えるか否かを判定し、
前記表示処理部は、前記回転角度が前記回転閾値を超えた場合、前記スケール画像の原点を前記取付支援装置の他端側に配したスケール画像を含む表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項2に記載の取付支援装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記回転角度が前記回転閾値を超えた場合、前記スケール画像による測定方向に反転させたブラケット画像を含む表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項3に記載の取付支援装置。
【請求項5】
前記スケール画像の原点が配される一端側におけるベゼル幅を補正距離として取得する第1距離取得部を更に備え、
前記表示処理部は、前記取得された補正距離に基づいて前記原点の位置を補正したスケール画像を含む表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の取付支援装置。
【請求項6】
ユーザにより入力された距離をマージン距離として取得する第2距離取得部を更に備え、
前記表示処理部は、前記取得されたマージン距離に基づいて前記原点の位置を補正したスケール画像を含む表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の取付支援装置。
【請求項7】
前記遮蔽
装置の種別を示す識別情報を取得する情報取得部を更に備え、
前記表示処理部は、前記識別情報に示される遮蔽装置に対応するブラケットにおける取付位置を示すブラケット画像を含む表示画像を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の取付支援装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、コード画像の読み取りまたはテキスト入力により前記識別情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の取付支援装置。
【請求項9】
前記遮蔽装置の前後方向幅が前記固定面の前後方向幅を超える場合、前記遮蔽装置を前記固定面に取り付けることができない旨のアラートを提示するアラート提示部を更に備えることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の取付支援装置。
【請求項10】
ディスプレイを備えた携帯可能なコンピュータにおいて実行され、遮蔽装置を取り付けるためのブラケットの固定面への取り付け位置決めを支援する取付支援プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ブラケットにおける取付位置を示すブラケット画像と、前記
コンピュータの一端側に配した原点から前記ブラケット画像における取付位置までの距離を目盛りにより示すスケール画像とを含む表示画像を前記ディスプレイに表示させる表示処理部として機能させる取付支援プログラム。
【請求項11】
ディスプレイを備えた携帯可能な表示装置において実行され、遮蔽装置を取り付けるためのブラケットの固定面への取り付け位置決めを支援する取付支援方法であって、
前記表示装置が、
前記ブラケットにおける取付位置を示すブラケット画像と、前記
表示装置の一端側に配した原点から前記ブラケットにおける取付位置までの距離を目盛りにより示すスケール画像とを含む表示画像を前記ディスプレイに表示させる取付支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置の取り付け作業を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールスクリーンやブラインドなどの遮蔽装置は、この遮蔽装置を支持する複数のブラケットを介して上方に位置する固定面に取り付けられる。複数のブラケットは、遮蔽装置の取り付けに先立って、固定面において、左右方向に異なる位置に配されるとともに、前後方向(奥行方向)に整列された状態で固定面に取り付けられる必要がある。複数のブラケットが前後方向にずれた状態で固定面に取り付けられた場合、遮蔽装置を取り付けることができない事態や、遮蔽装置における遮蔽材の動作に支障をきたす事態などが生じる。
【0003】
ブラケットを適切に取り付けるための技術として、平板状に形成され、一部が直角に切欠かれた嵌合部と、直角の縁部に沿って表裏いずれかが一面側に突出する突条部とが設けられた板状部において、位置決め用の孔が貫通された、装飾カーテンレール取付け用ブラケットの位置決め具、が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
このブラケットの位置決め具によれば、ブラケットの固定位置を正確に決定して、ブラケットを望ましい位置に固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のブラケットの位置決め具によれば、ブラケットの固定位置を決定するに際して専用の治具を準備する必要がある、という問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、専用の治具を準備することなく、ブラケットの位置決めを行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る取付支援装置は、ディスプレイを備えた携帯型端末として構成され、遮蔽装置を取り付けるためのブラケットの固定面への取り付け位置決めを支援する取付支援装置であって、前記ブラケットにおける取付位置を示すブラケット画像と、前記取付支援装置の一端側に配した原点から前記ブラケット画像における取付位置までの距離を目盛りにより示すスケール画像とを含む表示画像を前記ディスプレイに表示させる表示処理部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、専用の治具を準備することなく、ブラケットの位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る取付支援装置の概略構成を示す概略図である。
【
図2】取付支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る窓枠及びロールスクリーンの構成を示す正面図である。
【
図4】取付支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】取付支援装置の全体動作を示すフローチャートである。
【
図6】画像表示処理の動作を示すフローチャートである。
【
図7】ディスプレイが下方を向くように固定面に配された取付支援装置を示す斜視図である。
【
図8】第1画像が表示される取付支援装置を示す図である。
【
図9】ディスプレイが側方を向くように固定面に配された取付支援装置を示す斜視図である。
【
図10】第2画像が表示される取付支援装置を示す図である。
【
図11】アラートが表示される取付支援装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
(取付支援装置のハードウェア構成)
本実施形態に係る取付支援装置のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る取付支援装置の概略構成を示す概略図である。
図2は、取付支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る取付支援装置1は、タブレット型端末、具体的にはスマートフォンとして構成され、縦長の略板状に形成された筐体部10内に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶装置13、ネットワークI/F(InterFace)14、モーションセンサ15、一部が筐体部10から露出するように設けられたディスプレイ16、カメラ17を備える。
【0014】
CPU11及びRAM12は協働して後述する各種機能を実行し、記憶装置13は各種機能により実行される処理に用いられる各種データを記憶する。ネットワークI/F14は、インターネットを介した他装置との無線通信を行う。モーションセンサ15は、3軸方向の加速度を検出する加速度センサと、3軸方向周りの角速度を検出する角速度センサとを有し、取付支援装置1の姿勢の変化及び移動を検出する。なお、モーションセンサ15は、少なくとも、取付支援装置1の姿勢の変化を検出可能なものであれば良い。
【0015】
ディスプレイ16は、入力装置としてのタッチパネルを備えたタッチパネルディスプレイであり、略板状に形成された筐体部10における1平面において、この平面と平行するように設けられる。なお、ディスプレイ16は、このディスプレイ16が設けられる平面の全域を占有せず、筐体部10の端部とディスプレイ16との間には全周に亘って同一幅のベゼル160が形成されているものとする。カメラ17は、筐体部10においてディスプレイ16が設けられる平面と対向する平面において露出するように設けられる。以降の説明においては、ディスプレイ16が設けられる側を取付支援装置1の正面側、カメラ17が設けられている側を取付支援装置1の背面側とする。
【0016】
(窓枠及びロールスクリーンの構成)
本実施形態において、ブラケットが取り付けられる対象である窓枠、及びブラケットにより窓枠に取り付けられる遮蔽装置としてのロールスクリーンについて説明する。
図3は、実施形態に係る窓枠及びロールスクリーンの構成を示す正面図である。
【0017】
図3に示すように、本実施形態に係る窓枠2は、建物の開口部に備え付けられる枠体であり、上下方向を向き互いに対向するように設けられた2つの板状部と、この2つの板状部を、上端部、下端部のそれぞれにおいて接続するように設けられた2つの板状部とを有する。なお、以降の説明において、上下方向を向く2つの板状部を接続する2つの板状部が向く方向を左右方向とし、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向とする。
【0018】
本実施形態に係るロールスクリーン3は、2つのサイドプレート31、セットフレーム32、巻取パイプ33、薄膜状に形成されたスクリーン34、ウエイトバー35を備える。2つのサイドプレート31は、左右方向に離間して配され、巻取パイプ33を回転可能に支持する。セットフレーム32は、左右方向に延在し、2つのサイドプレート31をその上端部において接続する。スクリーン34は、その上端部が巻取パイプ33に連結されるとともに、その下端部がウエイトバー35に連結される。巻取パイプ33は、図示しない操作部への操作が行われることで順方向または逆方向に回転し、この回転によって、スクリーン34の巻き取り、巻き解きがなされる。
【0019】
ロールスクリーン3は、2つのブラケット4を介して窓枠2に取り付けられる。ブラケット4には、3つの取付孔が形成されており、これらの取付孔を介して、窓枠2における内壁面上方、即ち上方の板状部において下方の板上部と対向する面(以降、固定面と称する)にネジ止めにて固定される。セットフレーム32は、ブラケット4に対して係止可能に構成されており、セットフレーム32が2つのブラッケット4に係止されることでロールスクリーン3が窓枠に固定される。取付支援装置1は、窓枠2、ロールスクリーン3に関する情報に基づいて、ユーザに対して固定面に対するブラケット4の位置決めを支援する。
【0020】
(取付支援装置の機能構成)
取付支援装置の機能構成について説明する。
図4は、取付支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
図4に示すように、取付支援装置1は、機能として、具体的には、取付支援装置1において動作するアプリケーションプログラムに実装される機能として、情報取得部101、距離取得部102、距離算出部103、画像生成部104、表示処理部105、姿勢判定部106、アラート提示部107を備える。
【0022】
情報取得部101は、取付対象とするロールスクリーン3に関する情報として、後述する識別情報及び寸法情報を取得する。距離取得部102は、後述する補正距離、マージン距離、及び窓枠奥行距離を取得する。距離算出部103は、後に詳述するロールスクリーン3の最大前後幅である製品奥行距離を算出する。画像生成部104は、ディスプレイ16の表示画像に含まれる画像を生成する。表示処理部105は、画像生成部104により生成された画像を含む表示画像をディスプレイ16に表示させる。姿勢判定部106は、取付支援装置1の姿勢に関する判定を行う。アラート提示部107は、製品奥行距離及び窓枠奥行距離に基づいて、ユーザに対してアラートを提示する。
【0023】
(取付支援装置の動作)
取付支援装置の全体動作について説明する。
図5は、取付支援装置の全体動作を示すフローチャートである。
【0024】
図5に示すように、まず、情報取得部101は、取付対象とするロールスクリーン3の種別を一意に示す識別情報を取得する(S101)。ここで、識別情報は、ロールスクリーン3の種別を一意に示すものであれば良く、このような識別情報として、取付支援装置1において選択又はテキスト入力等によって取得されたロールスクリーン3の型番、二次元コードなどの取付支援装置1のカメラ17により撮像された識別子などが挙げられる。また、ロールスクリーン3の種別とともに、スクリーン34の生地種、対応するブラケット4の種別を識別情報として取得する。
【0025】
次に、情報取得部101は、取付対象とするロールスクリーン3の寸法情報を取得する(S102)。ここで、寸法情報は、窓枠2への取り付けに関連するロールスクリーン3の寸法であり、少なくとも、スクリーン34の縦幅(上下方向幅)、厚み、及びウエイトバー35の直径または縦幅が含まれ、更に、ロールスクリーン3の横幅、ロールスクリーン3の重量などが含まれても良い。スクリーン34の縦幅、厚み、及びウエイトバー35の直径または縦幅は、後述するように、ロールスクリーン3の奥行を算出するために必要な寸法である。
【0026】
情報取得部101は、インターネットを介して、サーバ装置から識別情報に対応する寸法情報を取得する。ここで、サーバ装置は、識別情報とこの識別情報により示されるロールスクリーン3の寸法情報とを対応付けて管理し、取付支援装置1から送信された識別情報に対応する寸法情報を取付支援装置1へ送信する。
【0027】
なお、情報取得部101は、取付支援装置1において入力された寸法情報を取得しても良く、また、寸法情報の一部をサーバ装置から取得するとともに、サーバ装置から取得されない寸法情報のみについて取付支援装置1における入力をユーザに催すようにしても良い。例えば、スクリーン34の厚み、及びウエイトバー35のみを識別情報に基づいてサーバ装置より取得し、その他の寸法情報をユーザによる入力により取得することが考えられる。
【0028】
次に、距離取得部102は、取付支援装置1のベゼル幅を示す補正距離を取得する(S103)。この補正距離は、取付支援装置1内にこの取付支援装置1の機種を示す機種情報が記憶されている場合には機種情報に基づいてサーバ装置から取得され、機種情報が記憶されていない場合にはユーザにより入力された値として取得される。なお、補正距離としてのベゼル幅は、後述するスケールの基端側に位置するベゼルのものとする。
【0029】
次に、距離取得部102は、ユーザにより任意に設定されるマージン距離を取得する(S104)。このマージン距離は、後に詳述するように、取付支援装置1によるブラケット4の位置決めにおいて、前後方向にシフトされた基点位置と、窓枠2の前端または後端との距離であり、ユーザにより入力される。
【0030】
次に、距離取得部102は、窓枠2の前後方向幅である窓枠奥行距離を取得する(S105)。この窓枠奥行距離は、ユーザにより入力されるか、または、カメラ17によって窓枠2における固定面を撮像した撮像画像に基づいて算出されたものが取得される。なお、撮像画像に基づく窓枠奥行距離の算出については、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いた既知の手法が用いられるものとする。
【0031】
次に、距離算出部103は、寸法情報に基づいて、スクリーン直径距離及び製品奥行距離を算出する(S106)。ここで、距離算出部103は、寸法情報に示されるスクリーン34の縦幅及び厚みに基づいて、ウエイトバー35が巻取パイプ33近傍に位置するまでスクリーン34が巻取パイプ33に巻き取られた状態におけるスクリーン34を含む巻取パイプ33の直径をスクリーン直径距離として算出する。また、距離算出部103は、スクリーン直径に対して、寸法情報に示されるウエイトバー35の直径または縦幅を加算した距離を製品奥行距離として算出する。
【0032】
次に、画像生成部104が、スクリーン直径距離に基づいて、表示画像に含まれる画像の一部であるスクリーン画像(後に詳述する)を生成し(S107)、後述する画像表示処理が実行される(S108)。
【0033】
(画像表示処理の動作)
画像表示処理について説明する。
図6は、画像表示処理の動作を示すフローチャートである。
図7は、ディスプレイが下方を向くように固定面に配された取付支援装置を示す斜視図である。
図8は、第1画像が表示される取付支援装置を示す図である。
図9は、ディスプレイが側方を向くように固定面に配された取付支援装置を示す斜視図である。
図10は、第2画像が表示される取付支援装置を示す図である。
図11は、アラートが表示される取付支援装置を示す図である。
【0034】
図6に示すように、まず、姿勢判定部106は、取付支援装置1がディスプレイ16を下方に向けた姿勢であるか否かを判定する(S201)。表示処理部105は、ディスプレイ16を下方に向けた姿勢である場合(S201,YES)、ディスプレイ16に第1画像を表示させる(S202)。
【0035】
ここで、第1画像について説明する。第1画像は、
図7に示すように、ディスプレイ16が下方を向くとともに、取付支援装置1の長尺方向が前後方向を向き、且つ、窓枠2における固定面Fと取付支援装置1の背面とが平行する状態、望ましくは固定面Fに取付支援装置1の背面が接触する状態を想定して表示される画像である。
【0036】
図8に示すように、第1画像は、取付支援装置1の長手方向を横方向とした所謂横表示画像としてディスプレイ16に表示され、ブラケット画像BB、スケール画像R、ネジ位置指示画像S1~S3、製品情報T、左右反転ボタンBU1、スケール調整ボタンBU2,ロックボタンBU3を含む。
【0037】
ブラケット画像BBは、取付支援装置1の長手方向に前後方向が平行するように配されたブラケット4の底面を実寸で示すものである。このブラケット画像BBは、識別情報に示されるロールスクリーン3に対応するブラケット4を示し、例えば、識別情報と対応付けられて取付支援装置1の記憶装置13に管理される。なお、ブラケット画像BBは、少なくともネジ孔位置を示すものであれば良く、更にはブラケット4の前後方向幅を視認可能に示すものであれば良い。
【0038】
スケール画像Rは、取付支援装置1の長手方向に延在するように表示され、取付支援装置1の一端(
図8中右側)を原点とした延在方向の距離を目盛りにより示す。ネジ位置指示画像S1~S3は、ブラケット画像BBにおける3つの取付孔それぞれの中心をネジ止め位置とし、このネジ止め位置をディスプレイ16の短手方向端部(
図8中上下端部)において示すものであり、本実施形態においては、短手方向に両端部まで延在する矢印線として表示される。
【0039】
スケール画像Rは、取付支援装置1の長手方向一端を原点とするように、一端部側のベゼル幅を補正距離として長手方向にシフトされる。上述したマージン距離が0である場合には、窓枠2の前端または後端に取付支援装置1の長手方向一端を合わせて位置決めをすることができる。窓枠2の前端または後端に長手方向一端を合わせることができない場合には、
図7に示すマージン距離Mと同等な距離がユーザに入力される。表示処理部105がマージン距離だけ取付支援装置1の長手方向に移動させたスケール画像Rをディスプレイ16に表示することによって、ユーザは、マージンを設けた状態でのネジ位置の距離をスケール画像Rにより測定することが可能となる。
【0040】
左右反転ボタンBU1は、表示画像におけるスケール画像Rの原点位置を左右に切り替えることを指示するためのボタンUIである。左右反転ボタンBU1がユーザにより選択された場合、表示処理部105は、スケール画像Rの原点を取付支援装置1の長手方向他端側とし、ブラケット画像BBを左右反転させた表示画像をディスプレイ16に表示させる。
【0041】
スケール調整ボタンBU2は、取付支援装置1の長手方向におけるスケール画像Rの位置調整を指示するためのボタンUIである。スケール調整ボタンBU2がユーザにより選択された場合、表示処理部105は、スケール画像Rを取付支援装置1の長手方向に移動させる。なお、スケール画像Rの移動方向及び移動距離は、例えば、スケール調整ボタンBU2を選択した状態でスワイプ操作がなされるか、表示されるダイアログにおいて数値が入力されることによって指示される。
【0042】
ロックボタンBU3は、表示画像をロック状態とするためのボタンUIである。ロックボタンBU3がユーザにより選択されて表示画像がロック状態となった場合、表示処理部105は、更にロックボタンBU3がユーザにより選択されてロック状態が解除されない限り、表示画像を変更する操作を受け付けない。
【0043】
製品情報Tには、取付対象とするロールスクリーン3に関する情報として、幅、高さ、奥行(最大奥行距離)、及び重量がテキスト表示され、その他の情報として、製品の種別、型番又は製品名等が表示されるようにしても良い。
【0044】
図6に示すように、ディスプレイ16を下方に向けた姿勢ではない場合(S201,NO)、表示処理部105は、ディスプレイ16に第2画像を表示させる。なお、第2画像は、後述するように取付支援装置1がディスプレイ16を左右方向に向けた姿勢において表示されることが望ましい。
【0045】
ここで、第2画像について説明する。第2画像は、
図9に示すように、ディスプレイ16が左右方向に向くとともに、取付支援装置1の長尺方向が前後方向を向き、且つ、窓枠2における固定面Fと取付支援装置1の側面とが平行する状態、望ましくは固定面Fに取付支援装置1の側面が接触する状態を想定して表示される画像である。
【0046】
図10に示すように、第2画像は、取付支援装置1の長手方向を横方向とした所謂横表示画像としてディスプレイ16に表示され、ブラケット画像BS、スケール画像R、ネジ位置指示画像S4~S6、サイドプレート画像SF、スクリーン画像SC、ウエイトバー画像WB1,WB2、製品情報T、左右反転ボタンBU1、スケール調整ボタンBU2,ロックボタンBU3を含む。
【0047】
ブラケット画像BS、サイドプレート画像SF、ウエイトバー画像WB1,WB2は、それぞれ、取付支援装置1の長手方向に前後方向が平行するように配されたブラケット4、サイドプレート31、ウエイトバー35の側面を実寸で示すものである。ブラケット画像BS、サイドプレート画像SF、ウエイトバー画像WB1,WB2は、ブラケット画像BBと同様に、識別情報に示されるロールスクリーン3に対応するブラケット4、サイドプレート31、ウエイトバー35を示し、例えば、識別情報と対応付けられて取付支援装置1の記憶装置13に管理される。
【0048】
ウエイトバー画像WB1は、上限位置にまで引き上げられた状態にあるウエイトバー35を示しており、一方、ウエイトバー画像WB2は、ウエイトバー35の中心点とスクリーン34を巻き取った巻取パイプ33の中心点とが上下方向において一致するような位置にあるウエイトバー35を示す。このようなウエイトバー画像WB2によれば、後に詳述するスクリーン画像SCと合わせた距離がロールスクリーン3の最大奥行距離となり、これによって、窓枠2にロールスクリーン3が取り付け可能か、または、窓枠2の前後方向においてロールスクリーン3を取り付ける位置を、ユーザが容易に把握することができる。
【0049】
ネジ位置指示画像S4~S6は、ブラケット画像BSにおける3つのネジ孔それぞれの中心をネジ位置とし、このネジ位置をディスプレイ16の短手方向端部(
図10中上端部)において示すものであり、本実施形態においては、短手方向に上端部まで延在する矢印線として表示される。
【0050】
スクリーン画像SCは、距離算出部103により算出されたスクリーン直径距離に基づいて画像生成部104により生成される画像であり、具体的には、製品奥行距離を直径とした円である。このスクリーン画像SCの左右方向端部(
図10中右端部)にウエイトバー画像WB2を配置することによって、ロールスクリーン3が占める奥行方向の距離が最大となる状態をユーザが容易に把握することができる。
【0051】
第2画像において左右反転ボタンBU1がユーザにより選択された場合、表示処理部105は、スケール画像Rの原点を取付支援装置1の長手方向他端側とし、ブラケット画像BS、サイドプレート画像SF、スクリーン画像SC、及びウエイトバー画像WB1,WB2を含む画像群をこれらの相対的な位置関係を含めて左右反転させた表示画像をディスプレイ16に表示させる
【0052】
図6に示すように、第1画像または第2画像の表示後、アラート提示部107は、距離算出部103により算出された製品奥行距離が距離取得部102により取得された窓枠奥行距離を超えるか否かを判定する(S204)。
【0053】
製品奥行距離が窓枠奥行距離を超える場合(S204,YES)、アラート提示部107は、
図11に示すように、表示画像において、取付対象とするロールスクリーン3を窓枠2に取り付けることができない旨を示すアラートALを表示させる(S205)。なお、アラート提示部107によるアラートは、音声、振動、ディスプレイ16の明滅などによってなされても良く、取付支援装置1によって可能な手段によってユーザに提示されるものであれば良い。
【0054】
製品奥行距離が窓枠奥行距離を超えない場合(S204,NO)、または、アラートの提示後、姿勢判定部106は、取付支援装置1の回転角度が予め設定された回転閾値を超えたか否かを判定する(S206)。ここで、姿勢判定部106は、所定の姿勢、例えば、
図7、
図9に示した姿勢にある取付支援装置1の鉛直方向を向く軸周りの回転について判定を行う。回転閾値は、取付支援装置1の長尺方向端部が前後方向逆向きとなるように姿勢が変更されたことを検出できる回転角度、例えば140°程度に設定される。
【0055】
回転角度が回転閾値を超えた場合(S206,YES)、表示処理部105は、左右反転ボタンBU1が選択された際と同様に、表示画像におけるスケール画像Rの原点位置を左右に切り替え(S207)、姿勢判定部106が、再度、取付支援装置1がディスプレイ16を下方に向けた姿勢であるか否かを判定する(S201)。
【0056】
一方、回転角度が回転閾値を超えない場合(S206,NO)、姿勢判定部106は、再度、取付支援装置1がディスプレイ16を下方に向けた姿勢であるか否かを判定する(S201)。
【0057】
このように、ロールスクリーン3の固定面Fへの取り付けに要するブラケット4の寸法、特にネジ孔位置をスケール画像Rとともにディスプレイ16に表示させることによって、ブラケット4の取り付け位置をユーザが容易に確認することができる。また、ブラケット4とともにロールスクリーン3の側面をディスプレイ16に表示させることによって、ロールスクリーン3を取り付けた状態をユーザが容易に確認することができる。さらに、購入前等、ロールスクリーン3が手元にない場合であっても、固定面Fへの取り付けの可否を予め確認することができる。
【0058】
なお、窓枠2への取り付け対象をロールスクリーン3として示したが、固定面に取り付け可能な如何なる遮蔽装置を取り付け対象としても良く、また、固定面は窓枠2に限らず、例えば、開口部近傍の天井面であっても良い。また、取付支援装置1は、特定の遮蔽装置を取り付け対象としたものであれば良く、この場合、取付対象とする遮蔽装置の寸法は予め記憶装置13に記憶され、ユーザによる製品に関する情報の入力は不要となる。また、遮蔽装置として、ベネシャンブラインド又はプリーツスクリーン等を対象とした場合には、機種に対応する必要な寸法情報から最大奥行距離が決定される。
【0059】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 取付支援装置
105 表示処理部