(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】取付補助具、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240219BHJP
B25H 7/02 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
B25H7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020039164
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】外村 英章
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-199958(JP,A)
【文献】特開2017-190638(JP,A)
【文献】特開2013-107169(JP,A)
【文献】特開2002-147144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
B25H 7/02
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽装置を支持する枠体における支持面
の端部に、一端部が当接可能な当接部と、
前記当接部に設けられ、前記当接部の一端部が前記支持面
の端部に当接した状態において前記支持面における前記遮蔽装置の支持位置を示す目印部と
、
前記当接部と連結され、前記当接部の一端部が前記支持面の端部に当接した状態において前記当接部より垂下し、表面及び裏面の少なくとも一方に、前記目印部が示す前記支持位置に位置付けられた取付状態における前記遮蔽装置の側面画を示す取付状態表示部と
を備えることを特徴とする取付補助具。
【請求項2】
前記支持位置は、前記枠体に前記遮蔽装置を着脱自在に固定するための固定具が設けられる位置である
ことを特徴とする請求項1記載の取付補助具。
【請求項3】
前記目印部は、前記支持面に前記支持位置をマーキングするための孔部を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の取付補助具。
【請求項4】
前記目印部は、前記支持面に前記支持位置をマーキングするための前記当接部の他端部に形成された切欠き部を含む
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項5】
前記側面画で示される遮蔽装置の前後方向における取付状態表示部の長さは、前記遮蔽装置が有する遮蔽材の昇降動作時を含む、前記遮蔽装置の最大前後方向幅以上である
ことを特徴とする請求項1
~請求項4のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項6】
前記遮蔽装置はロールスクリーンであり、
前記側面画で示される遮蔽装置の取付状態は、少なくともスクリーンを上限位置まで巻き取った状態を含む
ことを特徴とする請求項
1~請求項5のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項7】
前記取付状態表示部における表面及び裏面の少なくとも一方には、スクリーンの巻取り及び巻解き方向が異なる2つの前記遮蔽装置の取付状態における側面画がそれぞれ示されている
ことを特徴とする請求項
1~請求項
6のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項8】
前記取付補助具はシート状物であり、
前記当接部の他端部と前記取付状態表示部との境に形成された折曲指定部を更に備え、
前記折曲指定部に沿って前記取付補助具が折り曲げられた状態において、前記当接部より前記取付状態表示部が垂下する
ことを特徴とする請求項
1~請求項
7のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項9】
前記目印部は、その中心が前記折曲指定部上に位置している
ことを特徴とする請求項
8記載の取付補助具。
【請求項10】
前記枠体の前後方向一端部からの前記支持位置までの前後方向位置の目安となる目安部を更に備える
ことを特徴とする請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載の取付補助具。
【請求項11】
遮蔽装置を支持する枠体における支持面の端部に、一端部が当接可能な当接部と、前記当接部に設けられ、前記当接部の一端部が前記支持面の端部に当接した状態において前記支持面における前記遮蔽装置の支持位置を示す目印部とを備える取付補助具の前記当接部における一端部を
、前記支持面
の端部に当接し、
前記支持面における前記目印部の位置に対し、前記遮蔽装置の支持位置を示すマーキングを行う
ことを特徴とする取付補助具の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に開示される技術は、ブラインド等の遮蔽装置を枠体に取り付けるための取付補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の取付補助具としては、下記特許文献1に示されるものが知られている。これに示されるものは、紙製等のシート材よりなり、長尺方向の概ね中央部付近に設けた折線を介して両側部片が折曲可能に連続する本体片と、この本体片の片側側辺を折線として前記両側部片より各独立に延出された位置決め片とを備え、前記位置決め片が、ブラインドのヘッドボックスの幅寸法に一致した長さを有し、本体片の両側部片に採寸目安用の目印が設けられていること、を特徴としている。
【0003】
これによれば、折線を介して折り曲げ、目印から直線的に測定することで、取付け可能なブラインドの寸法を容易に採寸することができるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した取付補助具は、枠体に対して取り付け可能なブラインドの寸法を測定するためのものであり、枠体におけるブラインドの支持位置の位置決めを行うものではない。当該位置決めを行う場合には、作業者がブラインドの種類やサイズに基づき、測定器具を用いて枠体のどの位置が支持位置に適切かを採寸するなどして検討するという煩雑な作業が行われていた。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、枠体における遮蔽装置の支持位置の位置決めを容易に行うことができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、遮蔽装置を支持する枠体における支持面端部に、一端部が当接可能な当接部と、前記当接部に設けられ、前記当接部の一端部が前記支持面端部に当接した状態において前記支持面における前記遮蔽装置の支持位置を示す目印部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、枠体における遮蔽装置の支持位置の位置決めを容易に行うことができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る取付補助具を示す平面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る取付補助具を示す底面図である。
【
図3】第1の実施形態に係る取付補助具の使用状態を示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業を説明するための正面図である。
【
図5】第1の実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業を説明するための側面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業の別形態を説明するための正面図である。
【
図7】窓枠に固定されたブラケットに対するロールスクリーンの取り付けを説明するための正面図である。
【
図8】窓枠に固定されたブラケットに対するロールスクリーンの取り付けを説明するための側面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る取付補助具の別形態を示す平面図である。
【
図10】第2の実施形態に係る取付補助具の構成を示す平面図である。
【
図11】第2の実施形態に係る取付補助具の使用状態を示す斜視図である。
【
図12】第2の実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業を説明するための正面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業の別形態を説明するための正面図である。
【
図14】取付補助具管理システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
本実施形態に係る取付補助具は、取付対象となる遮蔽装置の種類(型番)及び/又はサイズ毎に個別に用いられるものであり、換言すれば当該遮蔽装置に対応して作製されるものであるが、遮蔽装置の種類(型番)とサイズに応じていくつかのパターンのみ作製されるものとしても良い。本実施形態においては、取付対象となる遮蔽装置が所定のロールスクリーンであり、ロールスクリーンの窓枠における支持位置を位置決めするための取付補助具を例にとり説明する。
【0012】
(全体構成)
先ず、本実施形態に係る取付補助具の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る取付補助具の平面図であり、
図2はその底面図である。なお、本実施形態においては、ロールスクリーンが窓枠に取り付けられた状態において、その室内側を正面、窓側を背面と称し、これらの面垂直方向を前後方向、当該前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と称して以後説明を行う。取付補助具1は、
図1及び
図2に示されるように全体として矩形のシート状に形成されており、折曲線11と、当接部12と、表示部13と、孔部14とを備える。
【0013】
折曲線11は、取付補助具1の長手方向Xに直交するように延在する、取付補助具1の表裏両面の同位置に印刷された点線であり、当接部12と表示部13との角度が略直角をなすように、作業者が取付補助具1を折り曲げるための目安となる。折曲線11に沿って折り曲げることを作業者に認識させるため、折曲線11の近傍には「山折り」と印字することが好ましい。このような折曲線11に沿った折り曲げが容易となるように、取付補助具1は、可撓性を有することが好ましいが、折り曲げた状態において当接部12及び表示部13が撓まずに略直角の状態を維持する程度の剛性をも有することが好ましい。
【0014】
当接部12は、取付補助具1が使用される際に窓枠の内壁面に当接させるものであり、取付補助具1の長手方向Xに沿って長さL1、取付補助具1の短手方向Yに沿って長さL3を有して形成されている。当接部12の長手方向Xの一端部には3つの切欠き121が設けられ、他端部(折曲線11側)には3つの孔部14の一部が位置している。
【0015】
長さL1は、窓枠の内周壁における天面の左右方向一端部からロールスクリーンの支持位置までの左右方向距離と同一の長さとなっている。ここでの支持位置とは、ロールスクリーンを吊下支持するためのブラケットを窓枠の内周壁における天面に取り付ける際にネジ止めする位置であり、換言すればブラケットのネジ取付孔位置に相当する。したがって窓枠は、このネジ取付孔位置においてネジ部材を介してロールスクリーンを支持することとなり、窓枠の内周壁天面はロールスクリーンの支持面となる。
【0016】
3つの切欠き121は、その中心が当接部12の一端部の縁に位置するように形成されており、ブラケットのネジ取付孔を長手方向Xに2分割したうちの一方側のみの形状となっている。また、3つの切欠き121は、取付補助具1の短手方向Yにおけるそれぞれの位置が3つの孔部14のそれぞれと同位置にある。
【0017】
3つの切欠き121の近傍両面には、ブラケットのイメージ画122a,122bが切欠き121と同様に2分割した状態で且つ実寸で描画されている。これは当接部12の他端部側に描画されていてもよい。
【0018】
図1及び
図2に示されるように当接部12の一端部に形成された切欠き121の近傍両面には、ブラケットのイメージ画122aが切欠き121と同様に2分割した状態で描かれている。これは当接部12の他端部側に描かれていてもよい。
【0019】
表示部13は、長手方向Xに沿って長さL2、短手方向Yに沿って長さL3を有して形成されており、その長手方向Xの一端部には3つの孔部14の一部が位置している。長さL2は、ロールスクリーンのスクリーンを上限位置にまで巻き取った巻取状態におけるロールスクリーンと、ブラケットとを含む上下方向長さと同一またはそれ以上となっている。また、長さL3は、スクリーンの巻取り時及び巻解き時を含む昇降動作の過程において、ロールスクリーンが最も前後方向に長い最長状態における幅である、最大前後方向幅と同一またはそれ以上となっている。ここでの最長状態とは、ロールスクリーンのウエイトバー中心がロールスクリーンの回転軸心の前方または後方に水平に並列した状態である。なお、この最長状態の定義は、遮蔽装置の種類に応じて様々であることは言うまでもない。
【0020】
表示部13は、上述したようにL2及びL3の長さで形成されているため、その表面に
図1に示されるようなロールスクリーン及びブラケットを左側から見たイメージ画131aが実寸大で描画されている。同様に、裏面には
図2に示されるようにロールスクリーン及びブラケットを右側から見たイメージ画131bが実寸大で描画されている。イメージ画131a,131bには、ブラケットイメージ132、サイドプレートイメージ133、スクリーンイメージ134、巻取状態にあるウエイトバーイメージ135、及び最長状態にあるウエイトバーイメージ136が含まれている。ブラケットイメージ132における上端部は折曲線11上に位置付けることが好ましい。
【0021】
3つの孔部14はブラケットのネジ取付孔を示すものであり、中心が折曲線11上に位置して半分が当接部12にかかり、もう半分が表示部13にかかるように穿設されている。具体的には、3つの孔部14は、表示部13におけるイメージ画131a,131bに含まれるブラケットイメージ132におけるネジ取付孔に対応した箇所に、対応した形状で穿設されている。
【0022】
なお、表示部13の両面に、ロールスクリーンの正面側及び背面側を作業者に認識させるために「正面」及び「背面」と矢印とを印字し、ブラケットのネジ取付孔位置を作業者に認識させるために孔部14近傍に「ネジ取付孔位置」と矢印とを印字することが好ましく、ここではそれぞれイメージ画131a,131bにおけるサイドプレートイメージ133上に印字している。
【0023】
(使用方法及び効果)
次に、本実施形態に係る取付補助具1の使用方法の一例とその効果について、
図3~
図8を用いて詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係る取付補助具の使用状態を示す斜視図である。
図4は、本実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業を説明するための正面図であり、
図5は、その側面図である。
図6は、本実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業の別形態を説明するための正面図である。
図7は、窓枠に固定されたブラケットに対するロールスクリーンの取り付けを説明するための正面図であり、
図8はその側面図である。
【0024】
図3に示されるように、本実施形態に係る取付補助具1を使用する場合、取付補助具1を折曲線11に沿って表面から見て山折りとなるよう折り曲げ、当接部12及び表示部13を略直角とする。この折曲状態において、窓枠2の内周壁天面21の左右方向一端部に当接部12の切欠き121が形成されている一端部を当接させる。この当接により当接部12は、その一端部が内周壁側面22にも当接すると共に、表面が内周壁天面21に一様に当接することとなる。長さL1は上述したように内周壁天面21端部から支持位置までの距離と同一の長さとなっているため、この状態において、孔部14の位置が、ブラケット3(
図4及び
図5参照)のネジ取付孔位置と一致することとなる。
【0025】
孔部14は、当接部12及び表示部13に亘って形成されているため、表示部13が折り曲げられた状態においては、
図3に示されるように側方から孔位置を視認できる。したがって、例えばペンPにより孔部14内における内周壁天面21の領域にマーキングすることにより、ブラケット3のネジ取付孔位置を内周壁天面21上に容易に且つ精度良く設定することが可能となる。一方、当接部12の他端部を内周壁天面21端部に当接させても、切欠き121の位置がブラケット3のネジ取付孔位置と一致することとなるため、同様の効果を得ることができる。
【0026】
また、折り曲げられた状態にある表示部13には、イメージ画131a,131bが描画されているため、孔部14がネジ取付孔位置に位置付けられた仮想的な実寸大のロールスクリーンを作業者が視認することができる。特に、
図3及び
図5において符号L4で示される窓23との離間距離を容易に視認することができるため、離間距離L4だけ離間するように取付補助具1を位置付けてマーキングすることが好ましい。離間距離L4をとることにより、ロールスクリーンの巻取状態、及び最長状態においてウエイトバーが窓23に接触するといった事態を避けて前後方向における支持位置を適切に設定することが可能となる。この離間距離L4は、窓23のサッシ24(
図5参照)との距離としてもよい。サッシ24に表示部13が接触しないようにすることで、窓23に対するロールスクリーンの接触は確実に防止することができる。
【0027】
内周壁天面21の左右方向一端部側に対するマーキング後、
図4に示されるように、内周壁天面21の左右方向他端部側に対してマーキングする場合は、取付補助具1を折曲線11に沿って裏面から見て山折りとなるよう折り曲げ、当接部12及び表示部13を略直角とし、内周壁天面21他端部に当接部12を当接させればよい。この時、離間距離L4を前回のマーキング時の距離と同一とすることにより、2つの支持位置の前後方向におけるズレを低減させることができる。
【0028】
なお、取付補助具1は、印字及びイメージ画の描画が両面になされ、当接部12に切欠き部121が形成されている。そのため、
図6に示されるように、折曲線11を逆側にそれぞれ折り曲げ、表示部13も内周壁側面22に当接させるように配置しても、切欠き部121内における内周壁天面21の領域にマーキングすれば同様の効果を得られる。このとき、当接部12にはイメージ画122が描画されているため、作業者はブラケット3を内周壁天面21に固定した状態のイメージを視認することができる。
【0029】
2箇所のマーキング後は、
図4及び
図5に示されるように、マーキング部分に対して下方からブラケット3を当てがい、そのネジ取付孔をマーキング部分に位置付け、当該ネジ取付孔にネジ部材4を挿通して窓枠2の内周壁天面21にブラケット3を固定する。これにより
図7及び
図8に示されるように、ブラケット3がネジ部材4を介して窓枠2に支持された状態となる。ブラケット3の支持後、ブラケット3に対してロールスクリーン5のセットフレーム51を取り付けることにより、窓枠2に対するロールスクリーン5の取り付けが完了する。この時、事前に表示部13と窓23との間に離間距離L4を有してロールスクリーン5の支持位置を位置決めを行ったため、
図8に示されるようにロールスクリーン5を窓23から十分な距離をとって安全にブラケット3に取り付ることができる。
【0030】
なお、取付補助具1は、印字及びイメージ画の描画が両面になされているため、窓枠2の内周壁天面21の一端部用および他端部用にそれぞれ個別に用意してもよく、当接部12と表示部13との折り曲げ方向を変えることにより、1つの取付補助具1を窓枠2の内周壁天面21の一端部と他端部とで共用するようにしてもよい。
【0031】
以上に説明した本実施形態によれば、窓枠2の内周壁天面21端部に当接部12の一端部を当接させるのみで、取付対象のロールスクリーン5のブラケット3のネジ取付孔位置、換言すれば内周壁天面21におけるロールスクリーン5の支持位置を容易に且つ精度良く位置決めすることができる。また、当接部12における長さL1の箇所に切欠き121または孔部14が設けられているため、作業者は容易にネジ取付孔位置をマーキングすることができ、更に孔部14が折曲線11上に位置し、表示部13に孔部14が位置していることにより、取付補助具1が折り曲げられた際には、側方からも容易にマーキングを行うことが可能となる。
【0032】
また、表示部13にはイメージ画131a,131bが描画されているため、取付補助具1を配置した状態において、ロールスクリーン5の位置を容易に把握することができ、表示部13の短手方向Yが長さL3で形成されていることから、ロールスクリーン5の取付可否および窓23への接触防止を事前に考慮することができる。
【0033】
なお、以上に説明した本実施形態においては、孔部14は折曲線11上に形成されると説明したが、折曲線11にかからないように当接部12内に位置させてもよい。この場合、当接部12の一端部から孔部14の中心までの長さが長さL1となる。
【0034】
また、
図9に示されるように、当接部12及び/又は表示部13に長手方向Xに延在すると共に、短手方向Yにおいて一定距離互いに離間する複数の目安線15を設けるようにしてもよい。この目安線15は、窓枠2の前後方向一端部からの支持位置までの長さの目安となるものであり、取付補助具1を窓枠2の左右方向両端部にそれぞれ位置付けた際の2箇所の支持位置の前後方向における位置ズレを防止するためのものである。例えば、
図9中右から2番目の目安線15を窓枠2の前後方向前方端部に位置付けることを決めれば、窓枠2の左右方向両端部において、取付補助具1の前後方向の位置も同一とすることができる。
【0035】
また、本実施形態に係る取付補助具1の取付対象の遮蔽装置をロールスクリーンとして説明したが、スラットを有する横型ブラインド、縦型ブラインド、プリーツスクリーン、ハニカムスクリーン、たくし上げカーテン、アコーディオンドアといったブラインド、カーテン、又は間仕切り等の遮蔽装置を取付対象としてもよい。
【0036】
また、取付補助具1はシート状であると説明したが、これに限定されるものではなく、当接部12及び表示部13が一体となって略直角に折れ曲がった状態が維持される金属製や木製、厚みのあるプラスチック製等の高い剛性を有する構造物としてもよい。
【0037】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態においては、印字及びイメージ画の描画が取付補助具1の両面になされていたが、片面にのみなされていてもよい。本実施形態においては、片面にのみ印字及びイメージ画の描画がなされた取付補助具について説明を行う。
【0038】
図10は本実施形態に係る取付補助具1Aの構成を示す平面図である。
図10に示されるように、本実施形態に係る取付補助具1Aは、第1の実施形態に係る取付補助具1と比較して、表面側にイメージ画131aに代わりイメージ画131cが描画されており、裏面には印字及びイメージ画が描画されていない点で主に異なる。
【0039】
イメージ画131cは、イメージ画131aと比較すると、ウエイトバーイメージ135及び最長状態にあるウエイトバーイメージ136がスクリーンイメージ134を挟んで短手方向Yにおける両側にそれぞれ描画されており、即ち、スクリーンの巻取り及び巻解き方向が異なる2つのロールスクリーンの取付状態における側面のイメージが、ブラケットイメージ132のネジ取付孔位置が重複された状態でそれぞれ示されている。したがって取付補助具1Aは、短手方向Yの一端部側及び他端部側いずれもロールスクリーン5の正面及び背面とすることができる両方向仕様となっている。この両方向仕様を実現するため、表示部13の短手方向Yの長さL5は、1つのスクリーンイメージ134直径と2つのウエイトバーイメージ136直径を合算した長さに形成されており、3つの切欠き121及び3つの孔部14が取付補助具1Aにおける短手方向Yの略中央に位置付けられている。また、表面には「前面」及び「背面」の印字がされておらず、折曲線11の折り曲げ方向が「山折りor谷折り」と印字されて、どちらに曲げても使用可能であることが作業者に提示されている。
【0040】
本実施形態に係る取付補助具1Aの使用方法について、
図11~
図13を用いて詳細に説明する。
図11は本実施形態に係る取付補助具1Aの使用状態を示す斜視図であり、
図12はその正面図、
図13は本実施形態に係る取付補助具を用いて窓枠の左右方向両端近傍にマーキングを行う作業の別形態を説明するための正面図である。
【0041】
取付補助具1Aは裏面には印字及びイメージ画の描画がなされていないため、例えば
図11に示されるように、取付補助具1Aを折曲線11に沿って谷折りに折り曲げて当接部12及び表示部13を略直角とし、離間距離L4を画成するようにして窓枠2の内周壁天面の左右方向一端部に当接させる。具体的には、当接部12の裏面を窓枠2の内周壁天面21に当接させると共に、表示部13の裏面を内周壁側面22に当接させる。当接後、切欠き121内に位置する内周壁天面21の領域にマーキングを行うことにより、ネジ取付孔位置を容易に且つ正確に設定することができ、換言すればロールスクリーン5の支持位置の位置決めを容易に行うことができる。
【0042】
一方で、取付補助具1Aを窓枠2の内周壁天面21の左右方向他端部に当接させる場合、
図12に示されるように、取付補助具1Aを折曲線11に沿って谷折りに折り曲げて当接部12及び表示部13を略直角とし、離間距離L4だけ離間するようにして当接部12を窓枠2の内周壁天面21の他端部に当接させる。この時、取付補助具1Aは窓枠2の内周壁天面21の一端部に当接させる場合と比較して前後方向を逆にして位置付けられることとなるが、イメージ画131cが両方向仕様となっているため、作業者はロールスクリーン5の取付状態を認識しながら離間距離L4を画成するように取付補助具1Aを位置付けることができる。
【0043】
なお、
図13に示されるように、窓枠2の内周壁天面21の他端部に当接部12の一端部を当接させる場合、取付補助具1Aを折曲線11に沿って山折りに折り曲げて当接部12及び表示部13を略直角としてもよい。この場合、図中左側からのみイメージ画131cが視認可能となっている。また、取付補助具1Aを折曲線11に沿って谷折りに折り曲げて当接部12及び表示部13を略直角としてもよい。この場合、図中右側からのみイメージ画131cが視認可能となっている。
【0044】
本実施形態に係る取付補助具1,1Aは、そのデータ(孔部14の位置を含む各構成要素の寸法やイメージ画の情報など)を作業者が取得可能にサーバで管理するようにしてもよい。この場合、例えば
図14に示されるような取付補助具管理システムにより取付補助具データを管理する手法が考えられる。取付補助具管理システムは、取付補助具データを記憶する記憶装置61を有するWebサーバ6と、作業者により操作されインターネット等のネットワーク7を介してWebサーバ6にアクセス可能な、CPU(Central Processing Unit)81と、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部82とを備えた情報処理装置8と、当該情報処理装置8にデータの送受信が可能に有線または無線接続されたプリンタ9とを備える。
【0045】
この取付補助具管理システムの動作を簡単に説明すると、先ず作業者が情報処理装置8を操作してWebサーバ6にアクセスし、Webサーバ6が提供するWebサイト上で遮蔽装置の各種データを入力する。Webサーバ6は、入力データに基づいて記憶装置61に記憶されている取付補助具データを読み出し、読み出した取付補助具データから取付補助具画像データを生成する。生成後、Webサーバ6はWebサイト上で「ダウンロード」等のGUI(Graphical User Interface)を表示し、作業者に取付補助具画像データの取得を促す。作業者はダウンロードにより取得した取付補助具画像データをプリンタ9に送信することにより、プリンタ9がボール紙等の適度な剛性を有する紙部材に取付補助具画像データを印刷する。以上の動作により、作業者は作業現場等で容易に取付補助具1,1Aを入手することが可能となる。
【0046】
なお、記憶装置61に記憶されている取付補助具データは、所定のデータと対応付けられて記憶装置61に複数記憶されていることが好ましい。ここでの所定のデータとしては、遮蔽装置の種類(型番)やサイズ、窓枠の寸法、ロールスクリーンのスクリーン長さやウエイトバー径などの構成部品の種類や寸法、などが挙げられる。したがってWebサイト上でこれらデータが入力されることにより、適切な取付補助具データが選定される。また、入力データに基づいて、基準となる取付補助具データを適宜変更するようにしてもよい。
【0047】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の各実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0048】
1,1A ロールスクリーン
11 折曲線(折曲指定部)
12 当接部
121 切欠き(目印部)
13 表示部(取付状態表示部)
131a,131b,131c イメージ画(遮蔽装置の側面)
14 孔部(目印部)
15 目安線(目安部)
2 窓枠(枠体)
21 内周壁天面(支持面)
3 ブラケット(固定具)
4 ネジ部材(固定具)
5 ロールスクリーン(遮蔽装置)