(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】防災センサの設置構造、及び、建物
(51)【国際特許分類】
E04H 9/14 20060101AFI20240219BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20240219BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
E04H9/14 Z
G08B21/10
E04H1/02
(21)【出願番号】P 2020064234
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】福本 博文
(72)【発明者】
【氏名】江原 克実
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-219972(JP,A)
【文献】特表2016-505745(JP,A)
【文献】特開2007-218740(JP,A)
【文献】特開2019-066356(JP,A)
【文献】特開2006-183995(JP,A)
【文献】米国特許第09376803(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 9/14
E04H 1/02- 1/04
E04B 1/70
G08B 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気口が形成されている建物の基礎と、
水位を検出可能な防災センサと、を備え、
前記防災センサは、
水と接触して水位を検出可能な水位検出部と、
前記建物の外部に位置する外部装置と無線通信可能な通信部と、を備え、
前記防災センサは、前記基礎の外周部の外面上で、前記基礎の前記外周部に対して固定されており、
前記防災センサの前記水位検出部は、鉛直方向において、前記基礎の前記換気口が設けられている高さ位置に配置されている、防災センサの設置構造。
【請求項2】
前記防災センサは、前記水位検出部を収容する内部空間を区画しているカバー部材を備え、
前記カバー部材は、
前記水位検出部の水平方向の周囲を囲う側壁部と、
前記水位検出部の鉛直方向上側に位置し、前記側壁部の鉛直方向上側を閉鎖する上壁部と、を備え、
前記側壁部の鉛直方向下側は、外部空間に連通している、請求項1に記載の防災センサの設置構造。
【請求項3】
前記カバー部材には、前記水位検出部の高さ位置よりも鉛直方向上側で、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通孔が形成されている、請求項2に記載の防災センサの設置構造。
【請求項4】
前記防災センサは、前記通信部の高さ位置が前記水位検出部の高さ位置よりも高くなるように、前記基礎の前記外周部に対して固定されている、請求項1から3のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造。
【請求項5】
前記防災センサは、前記建物の外周壁よりも鉛直方向下側で、前記外周壁から離間した位置に配置されている、請求項1から4のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造。
【請求項6】
前記防災センサの前記通信部は、前記水位検出部が水と接触したときに、前記水位検出部が水と接触したことを特定可能な情報を、前記外部装置に送信する、請求項1から5のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造。
【請求項7】
前記水位検出部は、前記基礎の加速度を検出可能な加速度検出部を兼ねており、
前記防災センサの前記通信部は、前記加速度検出部が水と接触して故障したときに、前記加速度検出部の故障情報を、前記外部装置に送信する、請求項1から5のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造。
【請求項8】
前記水位検出部は、前記通信部を兼ねており、
前記防災センサの前記通信部は、水と接触して故障したときに、前記外部装置と通信不能となる、請求項1から5のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の防災センサの設置構造を備える建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災センサの設置構造、及び、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浸水状況を感知する浸水感知モジュールを含む浸水監視保護装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の浸水監視保護装置によれば、建物内に設置される浸水感知モジュールにより、建物の浸水状況を判定できる。しかしながら、特許文献1に記載の浸水監視保護装置では、浸水感知モジュールが感知した情報を、建物外部に位置する外部装置に送信する場合に、建物の壁や床など(以下、「壁等」と記載する。)によって通信が阻害されるおそれがある。
【0005】
また、洪水等の水害時に、換気口を通じて基礎の内部に泥水が浸入する場合がある。このような泥水は、基礎外に排出する処理が必要になる場合があるため、水害時に基礎内に泥水が侵入したか否かを把握できるようにすることが好ましい。
【0006】
本発明は、建物の壁等により通信が阻害され難く、かつ、水害時に基礎内に泥水が侵入し得たか否かを判定可能な、防災センサの設置構造、及び、建物、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様としての防災センサの設置構造は、換気口が形成されている建物の基礎と、水位を検出可能な防災センサと、を備え、前記防災センサは、水と接触して水位を検出可能な水位検出部と、前記建物の外部に位置する外部装置と無線通信可能な通信部と、を備え、前記防災センサは、前記基礎の外周部の外面上で、前記基礎の前記外周部に対して固定されており、前記防災センサの前記水位検出部は、鉛直方向において、前記基礎の前記換気口が設けられている高さ位置に配置されている。
【0008】
本発明の1つの実施形態として、前記防災センサは、前記水位検出部を収容する内部空間を区画しているカバー部材を備え、前記カバー部材は、前記水位検出部の水平方向の周囲を囲う側壁部と、前記水位検出部の鉛直方向上側に位置し、前記側壁部の鉛直方向上側を閉鎖する上壁部と、を備え、前記側壁部の鉛直方向下側は、外部空間に連通している。
【0009】
本発明の1つの実施形態として、前記カバー部材には、前記水位検出部の高さ位置よりも鉛直方向上側で、前記内部空間と前記外部空間とを連通する連通孔が形成されている。
【0010】
本発明の1つの実施形態として、前記防災センサは、前記通信部の高さ位置が前記水位検出部の高さ位置よりも高くなるように、前記基礎の前記外周部に対して固定されている。
【0011】
本発明の1つの実施形態として、前記防災センサは、前記建物の外周壁よりも鉛直方向下側で、前記外周壁から離間した位置に配置されている。
【0012】
本発明の1つの実施形態として、前記防災センサの前記通信部は、前記水位検出部が水と接触したときに、前記水位検出部が水と接触したことを特定可能な情報を、前記外部装置に送信する。
【0013】
本発明の1つの実施形態として、前記水位検出部は、前記基礎の加速度を検出可能な加速度検出部を兼ねており、前記防災センサの前記通信部は、前記加速度検出部が水と接触して故障したときに、前記加速度検出部の故障情報を、前記外部装置に送信する。
【0014】
本発明の1つの実施形態として、前記水位検出部は、前記通信部を兼ねており、前記防災センサの前記通信部は、水と接触して故障したときに、前記外部装置と通信不能となる。
【0015】
本発明の第2の態様としての建物は、上記防災センサの設置構造を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、建物の壁等により通信が阻害され難く、かつ、水害時に基礎内に泥水が侵入し得たか否かを判定可能な、防災センサの設置構造、及び、建物、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る建物の一実施形態としての建物を示す図である。
【
図2】
図1に示す建物の基礎の側面の一部を拡大して示す拡大側面図である。
【
図3】
図1のI-I断面に沿う防災センサの断面図である。
【
図4】
図1に示す防災センサの変形例としての防災センサの設置構造を示す図である。
【
図5】
図1に示す防災センサの別の変形例としての防災センサの設置構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る防災センサの設置構造、及び、建物、の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
【0019】
図1は、本発明に係る建物の一実施形態としての建物100を示す図である。
図1に示す建物100は、本発明に係る防災センサの設置構造の一実施形態としての設置構造を含む。
図2は、建物100の基礎101の側面の一部を拡大して示す拡大側面図である。
【0020】
まず、建物100の概要について説明する。建物100は、例えば、鉄骨造の骨組みを有する2階建ての住宅とすることができる。また建物100は、地盤に固定された基礎101と、この基礎101上に固定される上部構造体102と、を備える。
【0021】
基礎101は、上部構造体102の下方に位置し、上部構造体102を支持するものである。基礎101は、例えば、鉄筋コンクリート造の断面T字状の布基礎とすることができる。本実施形態の基礎101は、フーチング部101aと、このフーチング部101aから鉛直方向上側に立ち上がる立ち上がり部101bと、を備えている。基礎101の立ち上がり部101bの天端部103からは、アンカーボルトが鉛直方向上側に向かって突設されており、上部構造体102の後述する軸組架構の柱の柱脚が、このアンカーボルトを利用して基礎101に固定される。
【0022】
また、
図2に示すように、基礎101には、換気口106が形成されている。具体的に、基礎101の立ち上がり部101bの天端部103には、鉛直方向下方に窪み、立ち上がり部101bの厚み方向の一端から他端まで貫通する溝部が形成されている。本実施形態の換気口106は、この溝部により構成されている。
図2に示すように、本実施形態の換気口106を構成する溝部は、水平な溝底106aと、この溝底106aから鉛直方向上側に起立し、互いに対向する一対の溝壁106bと、で構成される矩形溝である。但し、換気口106は、本実施形態の矩形溝に限られない。換気口106は、矩形以外の形状の溝であってもよく、立ち上がり部101bを厚み方向に貫通する貫通孔により構成されてもよい。
【0023】
上部構造体102は、複数の柱と、柱間に架設された複数の梁と、で構成される軸組架構と、この軸組架構の外周側に配置される外周壁と、軸組架構の梁上に配置される、屋上階を含む各階の床と、を備える。
図1では、上部構造体102の1階の外周壁104と、上部構造体102の1階の床105と、が示されている。
【0024】
外周壁104は、外装材としての外装パネル104aを備える。また、外周壁104は、外装パネル104aの屋内側に、断熱層を構成する断熱材104b及び内装材104cを備える。
【0025】
外装パネル104aとしては、例えば、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」と記載する。「ALC」とは「autoclaved light weight concrete」の略である。)のパネル、金属系や窯業系のサイディング、押出成形セメント板、木質系パネルなどを用いることができる。この外装パネル104aを軸組架構の外周部の周囲に連接することにより、外周壁104の外皮層を形成することができる。
【0026】
また、断熱材104bとしては、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料からなるパネル状の断熱材の他、ロックウール等の繊維系の断熱材を用いることもできる。この断熱材104bを外装パネル104aの屋内側に、外装パネル104aの内面に沿って配置することにより、外周壁104に断熱層を形成することができる。内装材104cとしては、例えば、石膏ボードを用いることができ、内装材104cを軸組架構の外周部の屋内側に連接することにより、内皮層を形成することができる。
【0027】
床105は、鉛直荷重を支持する床パネル105aを備える。床パネル105aとしては、例えば、ALCのパネルを用いることができる。床パネル105aの鉛直方向上側には、床内装材105bが配置される。床パネル105aと床内装材105bとの間に、例えば断熱材105c等の別の部材を介在させてもよい。
【0028】
以下、建物100における防災センサ1の設置構造について説明する。
【0029】
図1、
図2に示すように、建物100には、水位を検出可能な防災センサ1が設置されている。具体的に、防災センサ1は、建物100の基礎101の外周部に対して固定されている。基礎101の外周部とは、平面視で、基礎101のうち、建物100の内部空間と外部空間とを区画する部分を意味する。本実施形態の基礎101の外周部は、立ち上がり部101bにより構成されている。
【0030】
また、防災センサ1は、基礎101の外周部の外面上で、基礎101の外周部に対して固定されている。換言すれば、防災センサ1は、建物100の内部空間に位置せず、外部空間に露出している。なお、基礎101の外周部の外面とは、基礎101の外周面を意味する。本実施形態の基礎101の外周部の外面は、立ち上がり部101bの外周面101b1により構成されている。
【0031】
本実施形態のように、防災センサ1は、基礎101の外周部の外面上で、天端部103よりも鉛直方向下側の位置に配置されることが好ましい。このようにすれば、防災センサ1は、上部構造体102と接触せず、上部構造体102から空隙を隔てて配置される構成とし易い。
図1に示すように、本実施形態の防災センサ1は、外周壁104よりも鉛直方向下側で、外周壁104から離間した位置に配置されている。このようにすることで、防災センサ1が後述する加速度検出部13を備える構成とする場合には、例えば外装パネル104aの振動など、上部構造体102の各部材の振動等が加速度検出部13の検出結果に影響することを抑制できる。そのため、加速度検出部13は、基礎101の加速度情報を、より正確に検出することができる。
【0032】
図3は、
図1のI-I断面に沿う防災センサ1の断面図である。
図2、
図3に示すように、防災センサ1は、水と接触して水位を検出可能な水位検出部11と、建物100の外部に位置する外部装置50と無線通信可能な通信部12と、を備える。
【0033】
本実施形態の水位検出部11は、鉛直方向で同じ高さ位置に配置された2つの導電部11a、11bにより構成されている。2つの導電部11a、11bは、水位が上昇し水と接触することで、水を通じて導通する。2つの導電部11a、11b間での導通を検出することで、水位の高さを検出することができる。但し、水位検出部11は、本実施形態の構成に限られない。つまり、水位検出部11による水位の検出は、2つの導電部11a、11bの間での導通を検出する検出態様に限られない。水位検出部11は、他の手段により、水位を検出してもよい。この詳細は後述する(
図4、
図5参照)。
【0034】
通信部12は、水位検出部11が検出した情報を外部装置50に送信可能である。具体的に、本実施形態の通信部12は、水位検出部11が水と接触したときに、水位検出部11が水と接触したことを特定可能な情報を、外部装置50に送信する。本実施形態において、水位検出部11が水と接触したことを特定可能な情報とは、2つの導電部11a、11b間の導通状態に関する情報である。但し、水位検出部11が水と接触したことを特定できる情報であれば特に限定されない。通信部12は、1つ以上の通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば、無線LAN通信モジュール等である。通信部12は、インターネット等のネットワークを介して、外部装置50としてのコンピュータ等と通信できる。上述したように、防災センサ1が基礎101の外周部の外面上で固定されているため、通信部12と外部装置50との通信が、建物100の外周壁104などの壁等により阻害され難い。したがって、通信部12と外部装置50との間で安定した無線通信が可能となる。
【0035】
本実施形態の通信部12は、建物100の外部に位置するコンピュータ等の外部装置50に加えて、例えば、建物100の内部に位置するコンピュータ等の内部装置と通信可能であってもよい。したがって、内部装置の液晶モニタ等の表示部に、水位検出部11が検出した情報に基づく水位に関する情報を表示するなど、内部装置を用いて居住者に水位に関する情報を報知してもよい。
【0036】
更に、
図2に示すように、防災センサ1の水位検出部11は、鉛直方向において、基礎101の換気口106が設けられている高さ位置Hに配置されている。ここで、基礎101の換気口106が設けられている高さ位置Hとは、鉛直方向における換気口106の最低位置H1から最高位置H2までの鉛直方向領域を意味する。本実施形態の高さ位置Hは、換気口106を構成する矩形溝の水平な溝底106aにおける高さ位置(本実施形態の換気口106の最低位置H1)から、溝壁106bの上端の高さ位置(本実施形態の換気口106の最高位置H2)までの鉛直方向領域である。
図3に示すように、本実施形態では、水位検出部11を構成する2つの導電部11a、11bが、基礎101の換気口106が設けられている高さ位置Hに配置されている。より具体的に、本実施形態の2つの導電部11a、11bは、換気口106の最低位置H1としての矩形溝の溝底106aの高さ位置と、略等しい高さ位置に配置されている。水位検出部11が、換気口106が設けられている高さ位置Hに配置されていることで、水位検出部11が水と接触したか否かを検出することにより、換気口106の高さ位置まで水位が上昇しているか否かを判定できる。つまり、水位検出部11の検出情報に基づき、換気口106を通じて基礎101内に泥水が入り得るまで水害時に水位が上昇したか否かを、判定することができる。
【0037】
このように、上述した防災センサ1の設置構造によれば、通信部12と外部装置50との間の通信が建物100の外周壁104などの壁等により阻害され難く、かつ、水害時に基礎101内に泥水が侵入し得たか否かを判定することができる。
【0038】
特に、本実施形態の水位検出部11のように、換気口106の最低位置H1と略等しい高さ位置に配置されることで、水害時に基礎101内に泥水が侵入し得たか否かを、より確実に判定することができる。
【0039】
以下、本実施形態の建物100に設置される防災センサ1、及び、この防災センサ1の設置構造、の更なる詳細について説明する。
【0040】
図2、
図3に示すように、本実施形態の防災センサ1は、上述の水位検出部11及び通信部12に加えて、加速度検出部13と、制御部14と、カバー部材15と、補助電源16と、を備える。
【0041】
加速度検出部13は、基礎101の加速度を検出可能である。加速度検出部13は、基礎101の加速度を検出することで、建物100が建設されている地盤での地震動の加速度情報を検出できる。加速度検出部13により検出された地震動の加速度情報に基づき、例えば上部構造体102の解析モデルを用いて時刻歴応答解析を実施することで、地震による上部構造体102の損傷度合いを推定することができる。加速度検出部13は、例えば、後述するカバー部材15の内面に取り付けられる加速度計等により構成可能である。加速度計の検出素子は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)とすることができる。また、加速度計はサーボ型とすることができる。
【0042】
制御部14は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部14は、水位検出部11、通信部12及び加速度検出部13を制御する。また、制御部14は、記憶部を含んでいてもよい。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリにより構成される。記憶部は、制御プログラムや、水位検出部11及び加速度検出部13の検出情報等、を記憶してもよい。
【0043】
制御部14は、水位検出部11の検出情報を外部装置50に送信させるように、通信部12を制御する。外部装置50は、受信した水位検出部11の検出情報に基づき、水位が換気口106の位置まで上昇しているか否かを判定する。より具体的に、本実施形態では、外部装置50の後述の制御部53が、外部装置50の後述の通信部51が受信した水位検出部11の検出情報に基づき、水位が換気口106の位置まで上昇しているか否かを判定する。但し、外部装置50ではなく、制御部14が、水位検出部11の検出情報に基づき、水位が換気口106の位置まで上昇しているか否かを判定してもよい。かかる場合は、通信部12は、水位が換気口106の位置まで上昇しているか否かについて制御部14が判定した判定結果に関する情報を、外部装置50に送信してもよい。
【0044】
また、本実施形態の制御部14は、加速度検出部13の検出情報を外部装置50に送信させるように、通信部12を制御する。外部装置50は、加速度検出部13の検出情報に基づき、上部構造体102の損傷度合いを解析し、推定することができる。より具体的に、本実施形態では、外部装置50の後述の制御部53は、後述の通信部51が受信した加速度検出部13の検出情報に基づき、上部構造体102の損傷度合いを解析し、推定することができる。
【0045】
図2、
図3に示すように、本実施形態の防災センサ1において、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16の高さ位置は、水位検出部11の高さ位置よりも高い。通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16をこのような位置に配置することで、水害時に水位が上昇して水位検出部11が水に接触しても、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16が水に接触し難い状態を実現できる。そのため、水位検出部11が水と接触した状態で、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16も水に接触して故障することを抑制できる。つまり、水位検出部11が水と接触したことを、通信部12及び制御部14により、より確実に外部装置50に送信できる。更に、加速度検出部13の水没による故障が抑制される。そのため、加速度検出部13による加速度の検出が継続され、加速度検出部13の検出情報を、通信部12及び制御部14によって、外部装置50に送信し続けることができる。更に、補助電源16が故障して、停電時に通信部12、加速度検出部13及び制御部14が動作しないような状況の発生を抑制できる。なお、本実施形態において、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16は、水位検出部11よりも高い位置に配置されるが、換気口106の最高位置H2よりも下方に配置されている。このようにすることで、例えば外周壁104などの上部構造体102の部材と干渉し難く防災センサ1の配置を実現し易い。換言すれば、上部構造体102の部材の配置・形状等について、設計自由度を確保し易い。
【0046】
カバー部材15は、水位検出部11を収容する内部空間15aを区画している。より具体的に、本実施形態のカバー部材15の内部空間15aには、水位検出部11に加えて、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16が収容されている。なお、防災センサ1は、上述した水位検出部11、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16に加えて、例えば、水位検出部11及び加速度検出部13の検出情報や制御部14による制御プログラム等を記憶可能な記憶部など、別の部位を備えてもよい。
【0047】
図3に示すように、カバー部材15は、側壁部15bと、上壁部15cと、を備える。側壁部15bは、水位検出部11の水平方向の周囲を囲う部位である。上壁部15cは、水位検出部11の鉛直方向上側に位置し、側壁部15bの鉛直方向上側を閉鎖する部位である。ここで、側壁部15bの鉛直方向下側は、外部空間に連通している。より具体的に、本実施形態では、水位検出部11の高さ位置よりも鉛直方向下方に位置する、側壁部15bの下端が、外部空間に開放された開放端により構成されている。このようなカバー部材15とすることで、雨水は、側壁部15b及び上壁部15cを伝って、水位検出部11よりも鉛直方向下側に移動する。つまり、防災センサ1に対して鉛直方向上側から落下してくる雨水、防災センサ1に対して水平方向の周囲から吹きつける雨水、などの液体は、カバー部材15により、内部空間15aに侵入し難い。その一方で、カバー部材15の側壁部15bの鉛直方向下側が、外部空間に連通しているため、水害時等において水位が上昇すると、水が内部空間15a内に侵入する。そのため、水位検出部11が、雨水等によって水位上昇を誤検知することを抑制でき、より確実に水位上昇を検出できる。
【0048】
本実施形態の側壁部15bは、断面外形が略四角形の角筒状である。つまり、側壁部15bの鉛直方向下側の下端が完全に開放されており、外部空間と連通している。但し、側壁部15bの鉛直方向下側が外部空間に開放されていればよく、その構成は特に限定されない。したがって、側壁部15bの鉛直方向下側に下壁部が設けられており、この下壁部の一部に貫通孔が形成されている構成であってもよい。但し、側壁部15bの鉛直方向下側からの水はね等による水位検出部11の誤検出を抑制する観点で、下壁部の下面の外縁で区画される全面積のうち貫通孔が占める面積は50%以下とすることが好ましい。更に、側壁部15bの鉛直方向下側からの水はね等による水位検出部11の誤検出を抑制する観点で、例えば、水位検出部11に対して鉛直方向の真下の位置(鉛直方向上側から見た平面視で水位検出部11と重なる位置)には貫通孔を形成せず、水位検出部11に対して鉛直方向の真下以外の位置(鉛直方向上側から見た平面視で水位検出部11と重ならない位置)に貫通孔を形成してもよい。その一方で、水位上昇時に内部空間15a内に水が浸入し易くなるように、下壁部の下面の外縁で区画される全面積のうち貫通孔が占める面積は20%以上とすることが好ましい。なお、貫通孔は、1つであっても複数であってもよい。複数の貫通孔の場合、上述した「貫通孔が占める面積」とは、各貫通孔が占める面積を足し合わせた総面積を意味する。
【0049】
上述したように、本実施形態の側壁部15bは、断面外形が略四角形の角筒状であるが、断面外形は略四角形でなく、例えば、断面外形が別の多角形であってもよい。
【0050】
更に、本実施形態のカバー部材15には、水位検出部11の高さ位置よりも鉛直方向上側で、内部空間15aと外部空間とを連通する連通孔15eが形成されている。このような連通孔15eが形成されていることで、水位が上昇した際に、カバー部材15の内部空間15a内の空気は、連通孔15eを通じて排出される。そのため、内部空間15aに空気が滞留することを抑制できる。これにより、洪水等の水害時における水位上昇を、内部空間15a内でも、より確実に反映することができる。更に、この連通孔15eが水位検出部11の高さ位置よりも鉛直方向上側に位置するため、連通孔15eは、水位検出部11の高さ位置まで水位が上昇する前に水没しない。そのため、防災センサ1の外部で水位検出部11の高さ位置まで水位が上昇しているか否かを、防災センサ1の内部であっても、より確実に検出することができる。
【0051】
更に、本実施形態では、連通孔15eが、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16の高さ位置よりも鉛直方向下側に位置する。そのため、水位が上昇し、連通孔15eが水没すると、内部空間15aの空気が連通孔15eを通じて排出されない。これにより、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16は、内部空間15a内に滞留した空気により水没し難くなる。そのため、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16が水に接触して故障することを抑制できる。つまり、水位検出部11が水と接触したことを、通信部12及び制御部14により、より確実に外部装置50に送信できる。更に、加速度検出部13の水没による故障が抑制される。そのため、加速度検出部13による加速度の検出が継続され、加速度検出部13の検出情報を、通信部12及び制御部14によって、外部装置50に送信し続けることができる。更に、補助電源16が故障して、停電時に通信部12、加速度検出部13及び制御部14が動作しないような状況の発生を抑制できる。
【0052】
なお、上述したように、カバー部材15は、鉛直方向下側からの水位上昇以外で、水位検出部11が水等の液体に接触することを抑制する。そのため、上述した連通孔15eは、上壁部15cよりも、側壁部15bに形成されていることが好ましい。更に、
図3に示すように、側壁部15bに形成される連通孔15eにおいて、側壁部15bの内面に形成される内側開口15e1の鉛直方向の下端は、側壁部15bの外面に形成される外側開口15e2の鉛直方向の下端よりも、鉛直方向上側に位置することが好ましい。このようにすることで、雨水が、連通孔15eを通じて内部空間15aに入り込み難くなる。本実施形態では、略円柱状の連通孔15eが、鉛直方向に対して傾斜して延在することで、上述の内側開口15e1及び外側開口15e2の位置関係を実現しているが、クランク状に折れ曲がる連通孔など、別の形状の連通孔であってもよい。また、連通孔15eの断面形状も円形に限られず、四角形などの多角形であってもよい。
【0053】
本実施形態のカバー部材15では、側壁部15bに複数の連通孔15eが形成されているが、連通孔15eの数は特に限定されない。したがって、カバー部材15に形成される連通孔15eは1つであってもよい。ここで、カバー部材15の外面全域のうち連通孔15eの外側開口15e2が占める面積は、10%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが特に好ましい。連通孔15eが複数形成されている場合、上述した「連通孔15eの外側開口15e2が占める面積」とは、各連通孔15eの外側開口15e2が占める面積を足し合わせた総面積を意味する。カバー部材15の外面全域のうち連通孔15eの外側開口15e2が占める面積を10%以下とすることで、内部空間15aに雨水等が入り込み難い。そのため、雨水等により水位検出部11が誤検出することを抑制できる。
【0054】
本実施形態の上壁部15cは、水平方向に延在する平板状であるが、例えば、鉛直方向上側に向かって凸なる湾曲状に形成されていてもよい。このような構成とすれば、上壁部15cの上面に水が溜まり難い。
【0055】
本実施形態の水位検出部11、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16は、側壁部15bの内面に直接的又は間接的に支持されているが、この構成に限られず、上壁部15cの内面に直接的又は間接的に支持されてもよい。また、通信部12、加速度検出部13、制御部14及び補助電源16は、カバー部材15の内部空間15a及びカバー部材15の外側に露出しないように、カバー部材15に内蔵されていてもよい。
【0056】
また、本実施形態のカバー部材15は、側壁部15bから外部に突設される取付板部15dを更に備える。取付板部15dには、ボルト等の締結部材60を挿通可能な挿通孔が区画されている。本実施形態のカバー部材15は、取付板部15dの挿通孔に挿通される締結部材60を基礎101の外周部に締結することにより、基礎101に固定されている。このような取付板部15dを設けることで、防災センサ1を容易に基礎101の外周部へ取り付けることができる。本実施形態の取付板部15dは、側壁部15bから水平方向の両側に向かって突設されているが、側壁部15bから鉛直方向の上下に向かって突設されていてもよい。
【0057】
補助電源16は、例えば停電時において、水位検出部11、通信部12、加速度検出部13及び制御部14に電力を供給する。そのため、防災センサ1によれば、停電時であっても、水位検出部11及び加速度検出部13による加速度の検出が可能である。補助電源16は、例えば、建物100内の商用電源から充電可能な二次電池により構成可能である。なお、停電時ではない通常時において、上述した水位検出部11、通信部12、加速度検出部13及び制御部14は、建物100内の商用電源から電力供給を受ける構成とすればよい。建物100内の商用電源への接続口は、建物100の外周面に設けられていることが好ましい。このようにすることで、防災センサ1を建物100の外部から容易に設置することができる。
【0058】
次に、
図2を参照して、上述した防災センサ1と外部装置50とを含む防災システムについて説明する。
【0059】
上述したように、外部装置50は、水位検出部11が水と接触したときに、水位検出部11が水と接触したことを特定可能な情報を、防災センサ1の通信部12から受信する。具体的に、本実施形態の外部装置50は、通信部51と、記憶部52と、制御部53と、を備える。外部装置50の通信部51は、防災センサ1の通信部12と、無線通信可能である。外部装置50の通信部51は、水位検出部11が水と接触したことを特定可能な情報を、防災センサ1の通信部12から受信する。
【0060】
制御部53は、通信部51及び記憶部52を制御する。制御部53は、通信部51が受信した情報を処理する。制御部53は、通信部51が受信した情報が、水位検出部11が水と接触したことを示す情報であるか判定することができる。制御部53は、防災センサ1の通信部12から受信した情報を、記憶部52に記憶してもよい。記憶部52には、制御部53による制御プログラム等が記憶されていてもよい。
【0061】
制御部53は、例えば、通信部51が受信した水位検出部11の検出情報を、建物100の内部に設置されている内部装置に送信してもよい。このようにして、建物100の居住者に対して、水位の状態を報知してもよい。
【0062】
通信部51は、1つ以上の通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば、無線LAN通信モジュール等である。通信部51は、インターネット等のネットワークを介して、防災センサ1の通信部12と通信できる。
【0063】
記憶部52は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリにより構成される。
【0064】
制御部53は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。
【0065】
外部装置50は、上述した通信部51、記憶部52及び制御部53に加えて、例えば液晶モニタにより構成される表示部など、別の部位を有してもよい。
【0066】
次に、上述した防災センサ1の変形例としての防災センサ1aについて説明する。
図4は、建物100の基礎101の側面の一部を拡大して示す拡大側面図であり、防災センサ1aの設置構造を示している。
【0067】
図4に示すように、防災センサ1aでは、水位検出部11が、基礎101の加速度を検出可能な加速度検出部13を兼ねている。より具体的に、防災センサ1aは、加速度検出部13を備え、この加速度検出部13が水と接触して故障したときに、通信部12が加速度検出部13の故障情報を外部装置50に送信する。これにより、外部装置50は、加速度検出部13が水没したこと、すなわち、水位が加速度検出部13の高さ位置まで上昇したこと、を特定できる。換言すれば、防災センサ1aにおける水位検出部11は、加速度検出部13の故障により、水位を検出することができる。ここで、「加速度検出部の故障」とは、加速度検出部が本来の加速度検出機能を発揮できない状態を意味する。したがって、加速度検出部13が加速度を検出できない状態、又は、例えば所定の閾値と比較することで加速度検出部13が検出した加速度の値が異常と判定できる状態、などの各種の故障条件を任意に設定可能である。このような故障条件を設定することで、加速度検出部13の故障を判定すればよい。このような加速度検出部13の故障の判定は、防災センサ1の制御部14で行ってもよく、外部装置50の制御部53で行ってもよい。
【0068】
図4に示す防災センサ1aでは、上述した防災センサ1の水位検出部11の位置に、加速度検出部13を配置している。
図4に示す防災センサ1aにおけるその他の構成は、防災センサ1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
次に、上述した防災センサ1の別の変形例としての防災センサ1bについて説明する。
図5は、建物100の基礎101の側面の一部を拡大して示す拡大側面図であり、防災センサ1bの設置構造を示している。
【0070】
図5に示すように、防災センサ1bでは、水位検出部11が、通信部12を兼ねている。より具体的に、防災センサ1bは、通信部12が水と接触して故障した場合に、外部装置50と通信不能になる。外部装置50の制御部53は、防災センサ1bの通信部12との通信が不能になったときに、防災センサ1bの通信部12の位置まで水位が到達していることを判定する。換言すれば、防災センサ1bにおける水位検出部11は、通信部12の故障により、水位を検出することができる。ここで、「通信部の故障」とは、防災センサの通信部が外部装置と無線通信できない状態を意味する。したがって、外部装置50の制御部53は、通信部51が防災センサ1bの通信部12と通信不能であるか否かを判定すればよい。
【0071】
図5に示す防災センサ1bでは、上述した防災センサ1の水位検出部11の位置に、通信部12を配置している。
図5に示す防災センサ1bおけるその他の構成は、防災センサ1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
このように、水位検出部11による水位の検出態様は特に限定されない。
図1~
図3に示すような導電部11a、11b間の導通を検出する態様であっても、
図4に示すような加速度検出部13の故障を検出する態様であっても、
図5に示すような通信部12の故障を検出する態様であってもよい。更に、制御部14を構成する回路の一部として、水位検出部11を形成してもよい。但し、
図1~
図3に示す防災センサ1の水位検出部11の検出態様とすれば、通信部12、加速度検出部13及び制御部14の故障を伴わない。そのため、水位検出部11により水位の上昇が検出された場合であっても、継続して通信部12、加速度検出部13及び制御部14を使用できる。これに対して、
図4に示す防災センサ1aの水位検出部11の検出態様とすれば、加速度検出部13の故障を伴う。また、
図5に示す防災センサ1bの水位検出部11の検出態様とすれば、通信部12の故障を伴う。しかしながら、
図4、
図5の水位検出部11の検出態様を採用することで、
図1~
図3に示す防災センサ1と比較して、防災センサ1a、1bの構成要素を減らすことができるため、構成を簡素化できる。
【0073】
また、外部装置50の制御部53が、防災センサ1、1a及び1bにおける水位検出部11を用いて水位の高さを判定する場合、水位検出部11に基づく情報以外に、例えば、建物100が建設されている地域の災害情報を加味して、水位の高さを判定してもよい。このようにすることで、制御部53による誤判定を抑制できる。このような地域ごとの災害情報は、省庁などの中央機関から供給される各種情報を利用すればよい。更に、外部装置50は、1つの建物100に設置された防災センサ1、1a及び1bのみからではなく、複数の建物100にそれぞれ設置された防災センサ1、1a及び1bから同様の検出情報を受信する。このようにすることで、外部装置50は、独自に地域ごとの災害情報を生成してもよい。
【0074】
本発明に係る防災センサの設置構造及び建物は、上述した具体的な構成に限定されず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。上述した実施形態及び変形例に示す防災センサ1、1a及び1bは、例えば、停電を検出可能な停電検出部を備えてもよい。停電検出部は、例えば、制御部14により構成可能である。制御部14は、例えば、水位検出部11、通信部12、加速度検出部13及び制御部14の少なくとも1つについて、建物100内の商用電源から電力供給を受けている状態から、補助電源16から電力供給を受けている状態へと変化したことを検出すればよい。制御部14は、この変化の検出に基づき、停電を検出できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、防災センサの設置構造、及び、建物に関する。
【符号の説明】
【0076】
1、1a、1b:防災センサ
11:水位検出部
11a、11b:導電部
12:通信部
13:加速度検出部
14:制御部
15:カバー部材
15a:内部空間
15b:側壁部
15c:上壁部
15d:取付板部
15e:連通孔
15e1:内側開口
15e2:外側開口
16:補助電源
50:外部装置
51:通信部
52:記憶部
53:制御部
60:締結部材
100:建物
101:基礎
101a:フーチング部
101b:立ち上がり部(基礎の外周部)
101b1:立ち上がり部の外周面(基礎の外周部の外面)
102:上部構造体
103:立ち上がり部の天端部
104:外周壁
104a:外装パネル
104b:断熱材
104c:内装材
105:床
105a:床パネル
105b:床内装材
105c:断熱材
106:換気口
106a:溝底
106b:溝壁
H:換気口が設けられている高さ位置
H1:換気口の最低位置
H2:換気口の最高位置