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特許7438873回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 8/34 20060101AFI20240219BHJP
   H02P 29/024 20160101ALI20240219BHJP
【FI】
H02P8/34
H02P29/024
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020120108
(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公開番号】P2022017048
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】高田 和夫
(72)【発明者】
【氏名】松井 隆之
(72)【発明者】
【氏名】佐野 英生
(72)【発明者】
【氏名】宮路 永
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-185300(JP,A)
【文献】実開平04-096707(JP,U)
【文献】実開平06-069712(JP,U)
【文献】特開平01-320429(JP,A)
【文献】特開2018-170945(JP,A)
【文献】特開平05-099608(JP,A)
【文献】特開昭62-123991(JP,A)
【文献】特開2002-120108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/34
H02P 29/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転装置の出力ギヤを回転させるステッピングモータに駆動電圧を印加する駆動回路と、
外部からの駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを前記駆動回路に出力する制御回路とを備え、
前記制御回路は、
前記駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを出力する駆動パルス出力部と、
前記回転装置の出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部で取得した前記位置情報に基づいて前記回転装置に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定部と、
前記ステッピングモータによって回転された前記出力ギヤの回転位置が、前記位置センサが回転位置を読み取ることのできない前記位置センサの不感帯内の位置であるときに、前記回転異常判定部における判定が実行されないように制限する回転異常判定制限部とを有する、
回転装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転装置の制御装置であって、
前記制御回路は、電源起動時に前記位置情報取得部から取得した前記位置情報が、前記出力ギヤの回転位置が前記位置センサの不感帯内の位置であることを示す場合に、初期位置異常として判定する初期位置異常判定部をさらに有し、
前記制御回路は、初期位置異常判定部で判定した初期位置異常を外部に通知する、
回転装置の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回転装置の制御装置であって、
前記制御回路は、前記初期位置異常判定部で初期位置異常と判定された後の電源起動後に最初の駆動指令信号を受け取ったときは、前記駆動パルス出力部は、当該駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスに代えて、前記位置情報取得部において前記位置センサで読み取れた回転位置にもとづく位置情報が取得できるまでの駆動パルスを出力する、
回転装置の制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転装置の制御装置であって、
前記制御回路は、
前記出力ギヤの回転位置と、前記出力ギヤの回転数との組み合わせからなる現在位置を格納したポジションメモリと、
前記駆動パルス出力部において出力された駆動パルスの数をカウントしてパルスカウント値を出力するパルスカウンタと、
前記ポジションメモリの現在位置から、前記パルスカウント値に相当する駆動パルスによって、前記位置センサの1回転内の基準位置を順方向に通過した回数をカウントした周回カウント値を出力する周回カウンタとを備え、
前記ポジションメモリの現在位置を、前記パルスカウント値と前記周回カウント値とを用いて更新する
回転装置の制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回転装置の制御装置であって、
前記周回カウンタは、前記位置センサの1回転内の基準位置を逆方向に通過した場合に、周回カウント値をカウントダウンする、
回転装置の制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の回転装置の制御装置であって、
前記位置情報取得部は、前記駆動パルス出力部で出力する駆動パルスの数が所定値に達するごとに、前記回転装置の出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得し、
前記回転異常判定部は、前記位置情報取得部で前回取得した第1の位置情報と、前記位置情報取得部で今回取得した第2の位置情報との差分Dが、理想的な差分Cに対して、許容値α以上異なるときに、前記回転装置に回転異常が発生していると判定する、
回転装置の制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の回転装置の制御装置により回転駆動されるステッピングモータと、
前記ステッピングモータの回転運動に連動して回転する出力ギヤと、
前記出力ギヤの回転位置を検出する位置センサと、を備える、
回転装置。
【請求項8】
回転装置の出力ギヤを回転させるステッピングモータに駆動電圧を印加する駆動回路に対して、駆動目標に応じた回数だけ駆動パルスを繰り返して出力する駆動パルス出力ステップと、
駆動パルス出力ステップの所定の繰り返しタイミングで、前記出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ステッピングモータによって回転された前記出力ギヤの回転位置が、前記位置センサが前記回転位置を読み取ることのできない前記位置センサの不感帯内の位置であるか否かを判定する不感帯判定ステップと、
不感帯判定ステップにおいて、前記出力ギヤの回転位置が前記位置センサの不感帯内の位置ではないと判定された場合のみに、前記位置情報取得ステップで取得した前記位置情報に基づいて前記回転装置に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定ステップと、
を含む、
回転装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるアクチュエータとして用いられる回転装置としては、たとえば特許文献1に記載されたような回転装置が知られている。この回転装置は、出力ギヤと、出力ギヤを駆動するモータと、出力ギヤに対応する位置に外部に挿通する開口部が形成された筐体とを備えており、開口部を通じて、筐体の外部から出力ギヤにアクセスすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-038250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような回転装置では、ステッピングモータを用いて出力ギヤを駆動制御することが行われている。すなわち、ステッピングモータの駆動信号のパルス数が移動目標のパルス数に到達するまでステッピングモータを回転させることにより出力ギヤを目標位置へ駆動制御をしている。ステッピングモータを用いた回転装置は、位置制御精度が高いため、きめ細やかな制御が可能である。
【0005】
しかしながら、ステッピングモータを用いた回転装置では、出力ギヤの物理的な位置情報を持たないため、ギヤの破損などにより出力ギヤの回転に異常(例えば、空周り)があった場合、それを検出する手段がなかった。
【0006】
回転装置の駆動制御方式としては、上記のようにステッピングモータを用いてオープンループ制御をする方式以外にも、回転機構に取り付けられたポテンショメータで検出した電圧によるフィードバック制御をする方式が知られている。
【0007】
ポテンショメータによるフィードバックを用いた回転装置では、出力ギヤの回転に応じて変化する電圧をポテンショメータで検出し、検出した電圧から出力ギヤの現在位置を特定し、特定した現在位置から駆動量をフィードバックすることにより目標位置へ駆動制御をしている。ポテンショメータによるフィードバックを用いた回転装置では、出力ギヤの物理的な現在位置が把握できるといえる。
【0008】
しかしながら、ポテンショメータによるフィードバックを用いた回転装置では、位置制御の精度は、ポテンショメータの性能によるところが大きい。ポテンショメータによるフィードバックを用いた回転装置においてステッピングモータのように位置制御精度を高くするためには、例えば、ポテンショメータの検出感度を上げることが必要となり、そのために感度特性の高いICが必要となるなど、構造が複雑化するおそれがある。
【0009】
また、ポテンショメータなどの位置センサによる回転位置検出を用いた回転装置においては、位置センサの1回転の範囲内に位置情報を取得できない不感帯が存在すること、また、1回転(360度)を超えると出力値がリセットされるため、1回転以上の位置管理が困難であることから、これらの回転位置検出が困難な領域を可動域として制御することが困難なため、可動域が狭いといった問題がある。
【0010】
本発明は上記従来の問題に鑑みなされたものであって、本発明の課題は、簡易な構成にもかかわらず、回転の位置制御精度が高く、回転装置に回転異常があることを容易に検出でき、かつ、回転可動域の拡大が可能な回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、一実施形態に記載された回転装置の制御装置は、回転装置の出力ギヤを回転させるステッピングモータに駆動電圧を印加する駆動回路と、外部からの駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを前記駆動回路に出力する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを出力する駆動パルス出力部と、前記回転装置の出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部で取得した前記位置情報に基づいて前記回転装置に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定部と、前記ステッピングモータによって回転された前記出力ギヤの回転位置が、前記位置センサが回転位置を読み取ることのできない前記位置センサの不感帯内の位置であるときに、前記回転異常判定部における判定が実行されないように制限する回転異常判定制限部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法では、簡易な構成にもかかわらず、回転の位置制御精度が高く、回転装置に回転異常があることを容易に検出でき、かつ、回転可動域の拡大をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態の回転装置の一例を示す概略構成図である。
図2】第1の実施形態の回転装置の制御装置の一例を示す概略構成図である。
図3】制御回路の駆動制御部によって実現される機能ブロックの構成例を示す図である。
図4】ポテンショメータの不感帯について説明するための図である。
図5】回転装置の制御装置における電源起動時の初期設定動作の流れを示すフロー図である。
図6】回転装置の制御装置における電源起動後の最初の駆動指令に対する動作の流れを示すフロー図である。
図7】第1の実施形態の回転装置の制御装置の動作を説明するためのフロー図である。
図8】回転異常判定について説明するための図である。
図9】第2の実施形態の回転装置の制御装置の動作を説明するためのフロー図である。
図10】制御回路の駆動制御部によって実現される機能ブロックの構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.実施形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0015】
〔1〕本発明の代表的な実施形態に係る回転装置(1)の制御装置(10)は、回転装置(1)の出力ギヤ(74)を回転させるステッピングモータ(20)に駆動電圧を印加する駆動回路(40)と、外部からの駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを前記駆動回路(40)に出力する制御回路(30)とを備え、前記制御回路(30)は、前記駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを出力する駆動パルス出力部(61)と、前記回転装置(1)の出力ギヤ(74)の回転位置を読み取る位置センサ(75)から位置情報を取得する位置情報取得部(52)と、前記位置情報取得部(52)で取得した前記位置情報に基づいて前記回転装置(1)に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定部(51)と、前記ステッピングモータ(20)によって回転された前記出力ギヤ(74)の回転位置が、前記位置センサ(75)が回転位置を読み取ることのできない前記位置センサ(75)の不感帯内の位置であるときに、前記回転異常判定部(51)における判定が実行されないように制限する回転異常判定制限部(51、62)とを有する。
【0016】
〔2〕上記〔1〕に記載の回転装置の制御装置であって、前記制御回路は、電源起動時に前記位置情報取得部から取得した前記位置情報が、前記出力ギヤの回転位置が前記位置センサの不感帯内の位置であることを示す場合に、初期位置異常として判定する初期位置異常判定部をさらに有し、前記制御回路は、初期位置異常判定部で判定した初期位置異常を外部に通知してもよい。
【0017】
〔3〕上記〔2〕に記載の回転装置の制御装置であって、前記制御回路は、前記初期位置異常判定部で初期位置異常と判定された後の電源起動後に最初の駆動指令信号を受け取ったときは、前記駆動パルス出力部は、当該駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスに代えて、前記位置情報取得部において前記位置センサで読み取れた回転位置にもとづく位置情報が取得できるまでの駆動パルスを出力してもよい。
【0018】
〔4〕上記〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の回転装置の制御装置であって、前記制御回路は、前記出力ギヤの回転位置と、前記出力ギヤの回転数との組み合わせからなる現在位置を格納したポジションメモリと、前記駆動パルス出力部において出力された駆動パルスの数をカウントしてパルスカウント値を出力するパルスカウンタと、前記ポジションメモリの現在位置から、前記パルスカウント値に相当する駆動パルスによって、前記位置センサの1回転内の基準位置を順方向に通過した回数をカウントした周回カウント値を出力する周回カウンタとを備え、前記ポジションメモリの現在位置を、前記パルスカウント値と前記周回カウント値とを用いて更新するようにしてもよい。
【0019】
〔5〕上記〔4〕に記載の回転装置の制御装置であって、前記周回カウンタは、前記位置センサの1回転内の基準位置を逆方向に通過した場合に、周回カウント値をカウントダウンしてもよい。
【0020】
〔6〕上記〔1〕から〔5〕のいずれか1つに記載の回転装置の制御装置であって、前記位置情報取得部は、前記駆動パルス出力部で出力する駆動パルスの数が所定値に達するごとに、前記回転装置の出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得し、前記回転異常判定部は、前記位置情報取得部で前回取得した第1の位置情報と、前記位置情報取得部で今回取得した第2の位置情報との差分Dが、理想的な差分Cに対して、許容値α以上異なるときに、前記回転装置に回転異常が発生していると判定してもよい。
【0021】
〔7〕本発明の代表的な実施形態に係る回転装置は、上記〔1〕から〔6〕のいずれか1つに記載の回転装置の制御装置により回転駆動されるステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転運動に連動して回転する出力ギヤと、前記出力ギヤの回転位置を検出する位置センサと、を備える。
【0022】
〔8〕本発明の代表的な実施形態に係る回転装置の制御方法は、回転装置の出力ギヤを回転させるステッピングモータに駆動電圧を印加する駆動回路に対して、駆動目標に応じた回数だけ駆動パルスを繰り返して出力する駆動パルス出力ステップと、駆動パルス出力ステップの所定の繰り返しタイミングで、前記出力ギヤの回転位置を読み取る位置センサから位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記ステッピングモータによって回転された前記出力ギヤの回転位置が、前記位置センサが前記回転位置を読み取ることのできない前記位置センサの不感帯内の位置であるか否かを判定する不感帯判定ステップと、不感帯判定ステップにおいて、前記出力ギヤの回転位置が前記位置センサの不感帯内の位置ではないと判定された場合のみに、前記位置情報取得ステップで取得した前記位置情報に基づいて前記回転装置に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定ステップと、を含む。
【0023】
2.実施形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0024】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態の回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法について説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態の回転装置1の一例を示す概略構成図である。回転装置1は、図1に示すように、筐体12内に、制御基板11と、ステッピングモータ20と、アクチュエータ出力軸70と、第1ギヤ71と、第2ギヤ72と、第3ギヤ73と、出力ギヤ74と、ポテンショメータ(位置センサの一例)75と、FPC(フレキシブルプリント基板)76とを備えて構成されている。
【0026】
制御基板11は、回転装置1の制御装置を搭載しており、搭載された制御装置がFPC76を介してステッピングモータ20とポテンショメータ75とに電気的に接続されるように配線されている。制御装置は、ステッピングモータ20に駆動電圧を印加することによって、ステッピングモータ20の出力軸を回転駆動する。本実施形態の回転装置1の制御装置は、ポテンショメータ75によって読み取った回転位置に応じた電圧を位置情報として受け取ることができるが、受け取った位置情報を回転駆動のためには用いない(位置情報に基づいてフィードバックにより回転駆動しない)。
【0027】
ステッピングモータ20は、その出力軸に第1ギヤ71が設けられている。第2ギヤ72、および第3ギヤ73は、第1ギヤ71がステッピングモータ20によって回転駆動されると連動して回転する。これらのギヤ71、72、73が回転すると、最終的に出力ギヤ74まで連動して回転する。
【0028】
出力ギヤ74は、アクチュエータ出力軸70を有しており、このアクチュエータ出力軸70が外部の駆動対象物に接続されている。また、出力ギヤ74にはポテンショメータ75が設けられており、回転位置に応じて変化する電圧値を測定することによって出力ギヤ74の回転位置を読み取ることができる。
【0029】
図2は、第1の実施形態の回転装置1の制御装置10の一例を示す概略構成図であり、図3は、制御回路30の駆動制御部50によって実現される機能ブロックの構成例を示す図である。回転装置1の制御装置10は、図2に示すように、制御回路30と、駆動回路40とを備えて構成されている。
【0030】
制御回路30にはLIN(Local Interconnect Network)などを介して上位コントローラ(外部の一例)から駆動指令信号(コマンド)が入力される。駆動指令信号とは、アクチュエータ出力軸70に接続された駆動対象物が所望の動作を行うようにステッピングモータ20を駆動するための駆動目標を含んだ信号である。その駆動目標は、アクチュエータ出力軸70の回転位置を用いることができる。
【0031】
制御回路30は、駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを制御信号として駆動回路40に出力する駆動制御部50を備えており、駆動回路40は、ステッピングモータ20を駆動する駆動電圧を印加するモータ駆動部41を備えている。
【0032】
駆動制御部50には、出力ギヤ74の回転位置を読み取るポテンショメータ75からの出力(位置情報)が入力されるようになっている。また、駆動制御部50は、必要に応じて、回転装置1の駆動状態を示すステータス信号を上位コントローラに出力する。
【0033】
駆動制御部50は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等の各種メモリ、タイマ(カウンタ)、A/D変換回路、入出力I/F回路、およびクロック生成回路等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)によって構成されている。
【0034】
駆動制御部50は、プロセッサがメモリ等の記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムに従って各種演算を行うとともにA/D変換回路および入出力I/F回路等の周辺回路を制御することによって図3に示す各機能部の構成を実現している。すなわち、図3に示すように、駆動制御部50は、機能部として、指令部(回転異常判定部、回転異常判定制限部、初期位置異常判定部の一例)51と、ADコンバータ(ADC:位置情報取得部の一例)52と、Aメモリ53と、パルスカウンタ54と、ポジションメモリ55と、Nカウンタ56と、第1比較部57と、Xメモリ58と、第2比較部59と、第3比較部60と、駆動パルス出力部61と、第4比較部62と、不感帯メモリ63と、第5比較部64と、周回カウンタ65とを備える。駆動制御部50内の各機能部は指令部51の指令に基づいて各種処理を実行することができる。
【0035】
指令部51は、上位コントローラ(不図示;外部の一例)から駆動指令信号を受け取ると、そこに含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスを駆動パルス出力部61に出力するとともにパルスカウンタ54およびNカウンタ56にカウント指令を出力する。指令部51は、駆動指令信号に含まれる駆動目標に達するための駆動パルスの数を目標カウント値として算出することができる。
【0036】
指令部51は、駆動パルスの出力開始などの所定のタイミングで位置情報A(基準の位置情報、第1の位置情報)を取得し、取得した位置情報AをAメモリ53に格納する指令をADコンバータ52に対して行うことができる。指令部51は、所定のタイミングで第1比較部57、第2比較部59、第3比較部60、第4比較部62、および第5比較部64に比較指令を行うことができる。指令部51は、各比較部57、59、60、62、64から受け取った比較結果に基づいて各種判断制御を行う。
【0037】
ADコンバータ52は、指令部51からの指令を受け付けて、ポテンショメータ75から入力された回転位置に応じた電圧(位置情報)を取得し、AD変換した値(以下、ADC値とも呼ぶ)を第1の位置情報としてAメモリ53に格納する。その後、ADコンバータ52は、回転異常判定のタイミングで、指令部51からの指令を受け付けて、ポテンショメータ75から入力された回転位置に応じた電圧をAD変換した値(ADC値)を第2の位置情報として第2比較部59に渡す。なお、回転異常判定のタイミングで取得した第2の位置情報は、第2比較部59に渡すとともに、第1の位置情報としてAメモリ53に格納された情報に上書きすることによって、回転異常判定のタイミングで基準位置を更新することができる。
【0038】
駆動パルス出力部61は、指令部51からの指令を受け付けて、駆動パルスを駆動回路40のモータ駆動部41に出力する。
【0039】
パルスカウンタ54は、指令部51からの指令を受け付けて、カウンタをインクリメントし、インクリメントしたパルスカウント値をポジションメモリ55と周回カウンタ65とに渡す。周回カウンタ65は、パルスカウンタ54からパルスカウント値を受け取ると、ポジションメモリ55に格納された出力ギヤ74の現在の回転位置(ポジションカウント値:0度から360度に対応する値)を参照して、パルスカウンタ54から受け取ったパルスカウント値をポジションカウント値に加えることにより、ポテンショメータ75の1回転内の境界(基準位置)を順方向に通過する回数だけ周回カウント値をカウントアップしてポジションメモリ55に渡す。ポジションメモリ55は、格納している出力ギヤ74の回転位置にあたるポジション(ポジションカウント値および周回カウント値)に取得したパルスカウント値および周回カウント値を加えたものを回転位置の情報(ポジションカウント値および周回カウント値)として新たに格納(更新)し、格納したことを指令部51に通知する。すなわち、ポジションメモリ55の現在位置(ポジション)は、パルスカウント値と周回カウント値とを用いて更新される。
【0040】
指令部51は、必要に応じて、ポジションメモリ55に格納しているポジションをステータス信号として上位コントローラに送信することができる。本実施形態の回転装置1では、ポジションメモリ55に格納する現在位置(ポジション)をポジションカウント値と周回カウント値とにより管理している。従来の360度の回転範囲内(すなわち、1回転内)のポジションをポジションカウント値Pにより管理し、360度の回転範囲を超える領域(すなわち、1回転を超える領域)においては、周回カウント値nも利用して管理することができる。ポテンショメータ75のワイパが基準位置(例えば、0度)を時計回りに通過するとき(順方向の一例)は、周回カウント値nをカウントアップし、ポテンショメータ75のワイパが基準位置(例えば、0度)を反時計回りに通過するとき(逆方向の一例)は、周回カウント値nをカウントダウンする。ポジションメモリ55に格納しているポジションは、例えば、3周を1000ポジションと定義した場合、現在の回転位置は、周回カウント値nに対応する、n×(1000÷3)ポジションと、ポジションカウント値Pに対応する、(P÷360)×(1000÷3)ポジションとの和で表すことができる。指令部51は、このポジションカウント値Pと周回カウント値nとを用いた現在のポジションを上位コントローラに報告することができる。これにより、本実施形態の回転装置1を、ラック機構やリンク機構などの360度以上の回転が必要な機構にも用いることができる。なお、基準位置は0度に限定されず、任意の角度位置に設定することができる。
【0041】
Nカウンタ56は、指令部51からの指令を受け付けて、カウンタをインクリメントし、インクリメントしたカウント値(Nカウント値)を保持する。第1比較部57は、指令部51からの指令を受け付けて、Xメモリ58に保持されている所定の値(X値ともいう)とNカウンタ56に保持されているNカウント値を比較し、比較結果を指令部51に返す。
【0042】
指令部51は、第1比較部57から受け取った比較結果に基づいて、回転異常を判定するタイミングであるか否かを判断する。指令部51は、回転異常を判定するタイミングであれば、第2比較部59に回転異常の判定のための比較処理を実行するように指令する。
【0043】
Xメモリ58に保持されているX値は、回転装置1の回転異常を判定するタイミングの基準となる。このX値は、ポテンショメータ75の性能に基づいて設定することができ、その値は特に限定されない。ポテンショメータ75の性能が低い場合はこのX値を大きくし、ポテンショメータ75の性能が高い場合はこのX値を小さくすることによって、ポテンショメータ75の性能に応じた適切な分解能で精度良く回転異常を判定することができる。
【0044】
第2比較部59は、指令部51からの指令を受け付けて、Aメモリ53に格納されている位置情報A(第1の位置情報)とADコンバータ52を介して取得した位置情報B(第2の位置情報)とを比較し、比較結果を指令部51に返す。
【0045】
指令部51は、第2比較部59から受け取った比較結果に基づいて、回転異常であるか否かを判断する。指令部51は、回転異常でなければ、第3比較部60に停止条件の判定のための処理を実行するように指令する。
【0046】
第3比較部60は、指令部51からの指令を受け付けて、ポジションメモリ55に保持されているポジション(ポジションカウント値および周回カウント値)と駆動目標とされる目標カウント値とを比較し、比較結果を指令部51に返す。
【0047】
指令部51は、第3比較部60から受け取った比較結果に基づいて、ポジションと目標カウント値との間に差分がある場合には駆動パルスを発信する必要があると判断することができ、ポジションと目標カウント値とが一致する場合は、停止条件クリアと判断することができる。
【0048】
第4比較部62は、回転異常判定のタイミングで、指令部51からの指令を受け付けて、駆動パルスによって駆動された出力ギヤ74の回転位置を示すポジションカウント値と不感帯メモリ63に格納されているポテンショメータ(75)の不感帯に対応する回転位置とを比較し、比較結果を指令部51に渡す。ポジションカウント値は、指令部51が第4比較部62に対して指令を行う際に、ポジションメモリ55から取得して、第4比較部62に渡すことができる。
【0049】
指令部51は、第4比較部62から受け取った比較結果に基づいて、ステッピングモータ20によって回転された出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であるか否かを判断する。指令部51は、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であると判断した場合には、回転異常判定制限部として機能し、回転異常を判定するタイミングであっても回転異常判定を実行しないように制御する。すなわち、指令部51は、ステッピングモータ20によって回転された出力ギヤ74の回転位置が、ポテンショメータ75が回転位置を読み取ることのできないポテンショメータ75の不感帯内の位置であるときに、回転異常判定制限部として機能し、回転異常判定を実行しないように制限することができる。
【0050】
図4は、ポテンショメータ75の不感帯について説明するための図である。ここでポテンショメータ75の不感帯について説明する。本実施形態の回転装置1における回転異常判定の際に、第2比較部59で比較される第1の位置情報および第2の位置情報は、ポテンショメータ75から入力された回転位置に応じた電圧をAD変換して得られる値である。ポテンショメータ75には、図4に示すように、不感帯といわれる領域、すなわち全回転位置のうちの一部において電圧の測定ができない領域が存在する。不感帯では、ポテンショメータ75が回転位置を読み取ることができないので、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内に位置するときに回転異常判定を行おうとしても、回転異常判定を正確に実行できないので、通常の制御では、回転可動域としていなかった。
【0051】
本実施形態の回転装置1では、ポテンショメータ75の不感帯の情報(不感帯が回転位置のどこの領域であるかを示す情報)を不感帯メモリ63に格納し、不感帯メモリ63を参照して、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であれば回転異常判定をしないように制限しつつ、全回転位置を回転可動域としている。なお、図4では、回転位置が「300」と「360(=0)」との間の領域が不感帯であるので、「0」を超えた回転位置から「300」の回転位置までが位置検出可能領域となる。
【0052】
第5比較部64は、電源起動時に、指令部51からの指令を受け付けて、ADコンバータ52から取得した位置情報(ADC値)と、異常値として定義された所定の値とを比較し、比較結果を指令部51に渡す。異常値は、ポテンショメータ75が値を取得できなかったときにADコンバータ52から取得される値であり、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯であることを示す値である。例えば、ADコンバータ52から取得した位置情報が「0」などの値である。
指令部51は、第5比較部64から受け取った比較結果に基づいて、ADコンバータ52から取得した位置情報が異常値であるか否かを判断する。指令部51は、電源起動時にADコンバータ52から取得した位置情報が異常値である場合に、ADコンバータ52から取得した位置情報が、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であることを示しているとして、上位コントローラに初期位置異常であることを通知することができる。すなわち、指令部51は、初期位置異常判定部として機能し、電源起動時にADコンバータ(位置情報取得部の一例)52から取得した位置情報が、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であることを示す場合に、初期位置異常であると判定し、初期位置異常を上位コントローラ(外部の一例)に通知することができる。
【0053】
上述した第1の実施形態の回転装置1の制御装置10の電源起動時における動作について説明する。
【0054】
図5は、回転装置1の制御装置10における電源起動時の初期設定動作の流れを示すフロー図であり、図6は、回転装置1の制御装置10における電源起動後の最初の駆動指令に対する動作の流れを示すフロー図である。
【0055】
まず、図5に示すように、回転装置1の制御装置10が電源起動すると(ステップS101)、ADコンバータ52が、ポテンショメータ75から入力された回転位置に応じた電圧(位置情報)を取得し(ステップS102)、初期位置情報としてAD変換した値(起動時ADC値)を第5比較部64に渡す(ステップS103)。第5比較部64は、初期位置情報(起動時ADC値)と異常値(出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であることを示す値)とを比較し、比較結果を指令部51が受け取り、指令部51は、初期位置異常判定部として機能し、異常値であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0056】
指令部51は、初期位置情報が異常値でなければ(ステップS104:No)、初期位置情報(起動時ADC値)から計算されるポジションをポジションメモリ55に記録する(ステップS105)。一方、指令部51は、初期位置情報が異常値であれば(ステップS104:Yes)、上位コントローラ等の外部に対して、電源起動時に取得した位置情報が、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置にある(初期位置異常である)ことを示していることを通知する(ステップS105)。
【0057】
このように、指令部51は、電源起動時にADコンバータ52から取得した位置情報が、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内に位置していることを示している場合は、その旨を上位コントローラに通知することができるので、上位コントローラは、指令部51が電源起動時にADコンバータ52から位置情報を正しく取得できなかったことを知ることができる。
【0058】
次に、図6に示すように、指令部51は、電源起動後に最初の駆動指令信号を受け取ると(ステップS201)、ADコンバータ52から出力される起動時ADC値が異常(初期位置異常)であったか否かを判断する(ステップS202)。指令部51は、ADコンバータ52から出力される起動時ADC値が異常でなかったら(ステップS202:No)、駆動指令信号に含まれる駆動目標に基づいて通常の駆動制御を実行する(ステップS203)。通常の駆動制御では、駆動目標まで移動するために、必要なパルス数の駆動パルスを出力することにより駆動制御を実行する。
【0059】
指令部51は、ADコンバータ52から出力される起動時ADC値が異常であったら(ステップS202:Yes)、通常の駆動制御とは異なり、ポテンショメータ75(位置センサ)を利用して、ステッピングモータ20の回転位置を移動させる(ステップS204)。具体的には、ステップS204の処理は、ADコンバータ52から出力されるADC値が異常値でなくなるまで駆動パルス出力部61が駆動パルスを出力することにより、ステッピングモータ20の回転位置を移動させる。このとき、ステッピングモータ20は、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の位置検出可能領域になるまで回転する。すなわち、指令部51が、初期位置異常と判定した後の電源起動後に最初の駆動指令信号を受け取ったときは、駆動パルス出力部61は、この駆動指令信号に含まれる駆動目標に応じた数の駆動パルスに代えて、ADコンバータ52においてポテンショメータ75で読み取れた回転位置にもとづく位置情報が取得できるまでの駆動パルスを出力する。
【0060】
出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の位置検出可能領域まで回転したら、起動時ADC値異常をリセットする(ステップS205)。このとき、指令部51は、ポテンショメータ75の位置検出可能領域に移動後のADコンバータ52から出力されるADC値から計算されるポジションを出力ギヤ74の現在の回転位置としてポジションメモリ55に記録することができる。ポジションメモリ55に記録後は、通常の駆動動作が可能になる。
【0061】
このように、指令部51は、電源起動時に取得したADコンバータ52から出力される位置情報が、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内に位置していることを示している場合であっても、駆動指令信号にしたがって、出力ギヤ74の回転位置をポテンショメータ75の位置検出可能領域に移動させて位置情報を取得してから通常の駆動動作をすることができる。すなわち、電源起動前に、ポテンショメータ75の不感帯に相当する駆動目標に基づいて駆動された結果、電源起動時の出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内に位置するようになった場合でも、問題なく駆動動作を開始できるので、ポテンショメータ75の不感帯に相当する回転位置も回転可動域に含めることができる。
【0062】
次に、上述した第1の実施形態の回転装置1の制御装置10の動作について説明する。
【0063】
図7は、第1の実施形態の回転装置1の制御装置10の動作を説明するためのフロー図である。本実施形態の回転装置1の制御装置10において、指令部51が、上位コントローラから駆動指令信号(コマンド)を受信する(ステップS301)ことによって図7の動作を開始する。
なお、本実施形態の回転装置1の制御方法は、回転装置1の出力ギヤ74を回転させるステッピングモータ20に駆動電圧を印加する駆動回路40に対して、駆動目標に応じた回数だけ駆動パルスを繰り返して出力する駆動パルス出力ステップと、駆動パルス出力ステップの所定の繰り返しタイミングで、出力ギヤ74の回転位置を読み取るポテンショメータ75から位置情報を取得する位置情報取得ステップと、ステッピングモータ20によって回転された出力ギヤ74の回転位置が、ポテンショメータ75が回転位置を読み取ることのできないポテンショメータ75の不感帯内の位置であるか否かを判定する不感帯判定ステップと、不感帯判定ステップにおいて、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置ではないと判定された場合のみに、位置情報取得ステップで取得した位置情報に基づいて回転装置1に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定ステップと、を含む。
【0064】
指令部51は、上位コントローラから駆動指令信号を受信すると、まず、駆動パルスの発信処理に先だって、回転異常判定を適切に行うための各種設定動作を行う。具体的には、指令部51は、ポジションメモリ55から周回カウント値ZをCall(呼び出し)する(ステップS302)とともに、ポジションカウント値CoをCallし(ステップS303)、出力ギヤ74の現在のポジションを再計算する(ステップS304)。現在のポジションCpの再計算は、ポジションカウント値Co+360×周回カウント値Zにより算出することができる。
【0065】
その後、指令部51は、ADコンバータ52に対して、現在のポテンショメータ75で読み取った位置情報を取得する旨の指示を行う。ADコンバータ52は、ポテンショメータ75によって読み取られた位置情報(第1の位置情報の一例)Aを基準位置として取得し、取得した位置情報AをAメモリ53に格納する(ステップS305)。また、ステップS305のタイミングで、Nカウンタ56は、指令部51からリセット指令を受け取り、Nカウンタの値を0にリセットする。
【0066】
ステップS305に続いて、駆動パルス出力部61は、指令部51から出力パルスの発信指令を受け取って、駆動回路40のモータ駆動部41に対し、駆動パルスを発信する(ステップS306;駆動パルス出力ステップ)。これにより、ステッピングモータ20は、モータ駆動部41によって駆動電圧が印加されて駆動制御される。
【0067】
ステップS306に続いて、パルスカウンタ54は、指令部51から出力パルスのカウント指令を受け取って、カウンタをインクリメントし(ステップS307)、インクリメントしたパルスカウント値をポジションメモリ55と周回カウンタ65に渡す。
【0068】
周回カウンタ65は、ポジションメモリ55に格納された出力ギヤ74の現在の回転位置(ポジションカウント値)を参照して、パルスカウンタ54から受け取ったパルスカウント値をポジションカウント値に加えることにより、ポテンショメータ75のワイパが1回転の境界線(基準位置)をまたいだか否かを判定し(ステップS308)、ポテンショメータ75のワイパが境界線をまたいだ場合(ステップS308:Yes)は、さらにポテンショメータ75の回転方向が順方向であるか否かを判定する(ステップS309)。周回カウンタ65は、ポテンショメータ75の回転方向が順方向であると判定した場合(ステップS309:Yes)は、周回カウント値Zを「+1」し(ステップS311)、ポテンショメータ75の回転方向が逆方向であると判定した場合(ステップS309:No)は、周回カウント値Zを「-1」し(ステップS312)、周回カウント値をポジションメモリ55に渡す。
【0069】
ポジションメモリ55は、インクリメントしたパルスカウント値と周回カウント値を受け取ると、ステップS304で再計算したポジションと受け取ったパルスカウント値と周回カウント値をもとに出力ギヤ74の現在位置(ポジションカウント値)を更新する(ステップS313)。これにより、ポジションカウント値は駆動目標(目標カウント値)となるまで更新されることになる。
【0070】
ステップS313に続いて、Nカウンタ56は、指令部51からNカウンタのカウント指令を受け取って、Nカウンタ値をインクリメントする(ステップS314;位置情報取得ステップ)。これにより、Nカウンタ値は所定の回転異常判定間隔ごとの駆動パルスの発信回数を反映したものとなる。
【0071】
ステップS314に続いて、第1比較部57は、指令部51から比較指令を受け取って、Nカウンタ56のNカウンタ値とXメモリ58に保持されているX値とを比較(Nカウンタ値>X値であるかを判定)して(ステップS315)、比較結果を指令部51に渡す。これにより、回転装置1の回転異常を判定するタイミングの基準となるX値と駆動パルスの発信回数を反映したNカウンタ値とを比較するので、所定の回転異常判定間隔で実行されるべき回転異常判定のタイミングを判断することができる。
【0072】
指令部51は、Nカウンタ値がX値よりも大きいという比較結果を受け取った場合(ステップS315:Yes)、所定の回転異常判定間隔であると判断し、さらに、第4比較部62から受け取った比較結果に基づいて、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であるか否かを判断し(ステップS316;不感帯判定ステップ)、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置ではないと判断した場合(ステップS316:No)に、回転異常判定処理を実行する。具体的には、指令部51は、ADコンバータ52に対し現在の位置情報の取得を要求するとともに第2比較部59に対し比較指令をする。第2比較部59は、指令部51から比較指令を受け取ると、Aメモリ53に格納された位置情報AとADコンバータ52で取得した現在の位置情報(第2の位置情報の一例)Bとを取得する(ステップS317)。第2比較部59は、ステップS317に続いて、位置情報Aと位置情報Bとの差分D(=B-Aまたは=A-B)を算出し、あらかじめ保持している理想的な差分Cを許容値αで調整した値((C-α)および(C+α))と算出した差分Dとを比較し(ステップS318;回転異常判定ステップ)、比較結果を指令部51に渡す。なお、許容値αは、任意の値を設定できる。また、-αと+αとの絶対値が異なる値に設定してもよい。なお、理想的な差分Cは、前回の回転異常判定処理の実行時から今回の回転異常判定処理の実行時との間に出力された駆動パルス数に単位駆動パルスごとの回転位置の変化量とを掛け合わせて決定される値である。
【0073】
指令部51は、算出した差分Dが理想的な差分Cを許容値αで調整した値の範囲外((C-α)<D<(C+α)ではない)という比較結果を得た場合(ステップS318:No)は、回転装置1に回転異常が発生していると判定してエラーフラッグをONし(ステップS319)、駆動パルス出力部61に対して、駆動パルスの出力を停止する。これにより、ステッピングモータ20の駆動は停止する(ステップS320)。なお、ステップS319のエラーフラッグをONする処理は、省略することもできる。
【0074】
ここで、回転異常判定処理について図8を用いてさらに説明する。図8は、回転異常判定について説明するための図である。図8の例では、駆動指令信号に応じて出力されるステッピングモータ20の駆動1回の指令パルス数が20パルスであり、パルスの所定の回転異常判定間隔が10パルス(すなわちX値は9)であり、許容値はαである場合を例に挙げて説明している。なお、この例は数値の一例を示したにすぎず、これに限定されない。
【0075】
図8には、横軸にステッピングモータ20への指令パルス数が示され、縦軸に位置センサ出力値(ポテンショメータ75から出力される位置情報の値)が示されている。また横軸に沿って、判定用カウンタN(Nカウンタ値)と、回転異常判定タイミングと、移動開始タイミングが示されている。この例では、Nカウンタ値は10カウントごとに更新され、10パルス(カウント)ごとに判定タイミングとなることがわかる。また、本図では、Aメモリ53には基準位置として位置情報A1,A2,A3が第1の位置情報として格納されることを示している。位置情報B1,B2,B3は、位置情報A1,A2,A3のそれぞれに対応する理想的な第2の位置情報を示している。
【0076】
本実施形態の回転装置1の制御装置10では、正常時は、図8の正常時の出力値推移例のグラフが示されているように、駆動パルス数が大きくなるのに比例してポテンショメータ75の出力値(位置情報の値)が大きくなる。しかしながら、回転異常が発生すると、このグラフから外れた値を示すようになる。
【0077】
たとえば、30ステップ目の判定タイミングにおいて、現在の位置情報Bとして「Ba」を取得した場合と、「Bb」を取得した場合とを例に挙げて説明する。
【0078】
この場合、30ステップ目の判定タイミングの前回の判定タイミングにおいて、Aメモリ53には基準位置として位置情報A3が第1の位置情報として格納されている。したがって、現在の位置情報(第2の位置情報の一例)Bとして「Ba」を取得した場合は、差分D1はBa-A3となる。この差分D1は、理想的な差分Cを許容値αで調整した値の範囲内にある。従って、この場合は回転異常とは判定されない。
【0079】
一方で、現在の位置情報(第2の位置情報の一例)Bとして「Bb」を取得した場合は、差分D1はBb-A3となる。この差分D2は、理想的な差分Cを許容値αで調整した値の範囲外にある。従って、この場合は、出力パルス数に応じた位置である「B3」に到達していないと考えられ、回転異常と判定される。すなわち、指令部51は、回転異常判定部として機能し、ADコンバータ(位置情報取得部の一例)52で前回取得した第1の位置情報と、ADコンバータ52で今回取得した第2の位置情報との差分Dが、理想的な差分Cに対して、許容値α以上異なるときに、回転装置に回転異常が発生していると判定する。
【0080】
一方、図7のステップS315において、指令部51は、Nカウンタ値がX値よりも大きくないという比較結果を受け取った場合(ステップS315:No)は、回転異常判定のタイミングではないと判断できる。同様に、指令部51は、第4比較部62から受け取った比較結果に基づいて、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であると判断した場合(ステップS316:Yes)も、回転異常判定のタイミングではないと判断できる。また、指令部51は、算出した差分Dが理想的な差分Cを許容値αで調整した値の範囲内((C-α)<D<(C+α)である)という比較結果を得た場合(ステップS318:Yes)は、回転異常判定の結果、異常がないと判定されたと判断できる。これらの場合(ステップS315:No、ステップS316:YesおよびステップS318:Yes)、指令部51は、停止条件の判定のために、第3比較部60に対し、比較指令をする。第3比較部60は、比較指令を受け取ると、停止条件をクリアしているかを判定するために目標カウント値とポジションカウント値とを比較し(ステップS321)、比較結果を指令部51に渡す。
【0081】
指令部51は、ポジションカウント値が目標カウント値に到達しているので停止条件をクリアしているとの比較結果を受け取った場合(ステップS321:Yes)、駆動パルスの発信を終了する(ステップS320)。
【0082】
指令部51は、ポジションカウント値が目標カウント値に到達しておらず停止条件をクリアしていないとの比較結果を受け取った場合(ステップS321:No)、ステップS315で受け取った比較結果がNカウンタ値>X値であるか否かにより、回転異常判定のタイミングであったかどうかを判定する(ステップS322)。指令部51は、ステップS322の判定の結果、回転異常判定のタイミングであったと判定する(ステップS322:Yes)と、ステップS103の処理に戻る。指令部51は、ステップS322の判定の結果、回転異常判定のタイミングでなかったと判定する(ステップS322:No)と、ステップS306の処理に戻る。
【0083】
本実施形態の回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法によれば、ステッピングモータの回転位置の制御は、従来通り、駆動指令信号に基づくオープン制御で行う。すなわち、位置センサによる位置情報は、通常のモータ駆動における位置情報としては用いないため、従来のステッピングモータにおける位置精度の高さ、および高分解能が損なわれることはない。一方、位置情報は、出力ギヤが物理的に動いたかどうかを判別できる程度の情報でよく、通常の位置検出に用いられる位置センサのような高精度な位置検出は必要なく、ラフな精度の安価な位置センサを用いることができるため、低コストで実現できる。
【0084】
また、位置センサの1回転の範囲内に位置情報を取得できない不感帯が存在するにもかかわらず、位置センサの全回転位置および1回転(360度)を超えた回転位置も可動域に含めることができるので、従来の回転装置に比べて可動域の拡大することも可能である。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の回転装置の制御装置、回転装置および回転装置の制御方法について説明する。第1の実施形態では、指令部51は所定の回転異常判定間隔で回転異常判定を行っていたが、本実施形態では、指令部51は駆動目標となる(停止条件クリア)まで駆動した後に、回転異常判定を行う点が異なる。第2の実施形態では、指令部51以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成の回転装置の制御装置、回転装置を採用することができる。第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施形態と共通している構成については、その説明を省略する。
【0086】
図9は、第2の実施形態の回転装置1の制御装置10の動作を説明するためのフロー図である。第2の実施形態における回転装置1の制御装置10の動作について、図3および図9を参照しながら説明する。第2の実施形態における回転装置1の制御装置10でも、図9のステップS401からステップS413までは第1の実施形態のステップS301からステップS313と同様の処理を行ない、図9のステップS418からステップS421までは第1の実施形態のステップS317からステップS320と同様の処理を行なう。
【0087】
本実施形態では、停止条件をクリアする(ステップS414:Yes)まで駆動パルスの発信(ステップS406)から現在位置の更新(ステップS413)まで繰り返される。
【0088】
指令部51は、停止条件クリアと判断する(ステップS414:Yes)と、ステッピングモータ20の駆動を停止し(ステップS415)、さらに、指令部51は、第4比較部62から受け取った比較結果に基づいて、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置にあるか否かを判断し(ステップS416)、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置ではないと判断した場合(ステップS416:No)に、判定条件を満たしているか否かを判定する(ステップS209)。具体的には、第1比較部57は、指令部51により比較指令を受け取り、Nカウンタ56のNカウンタ値とXメモリ58のX値とを比較して比較結果を指令部51に返す。指令部51は、Nカウンタ値がX値よりも大きい場合に、判定条件を満たしていると判断する。指令部51は、出力ギヤ74の回転位置がポテンショメータ75の不感帯内の位置であると判断した場合(ステップS416:Yes)は、回転異常判定処理の実行をせずに、駆動処理を終了する。
【0089】
本実施形態では、ステップS405において、駆動パルスの出力開始のタイミングでの位置情報を取得し、取得した位置情報(第3の位置情報の一例)Aを基準位置の情報としてAメモリ53に格納する。また、回転異常判定処理については、ステップS418において、駆動パルスの出力終了のタイミングでの位置情報(第4の位置情報の一例)Bを取得し、ステップS419において、Aメモリ53に格納されていた位置情報Aとの差分Dを算出し、比較することによって、回転異常判定を行っている。
【0090】
本実施形態では、駆動パルス数が小さすぎる場合は、回転異常判定の精度が落ちるので、ステップS417の回転異常判定を実行するか否かを判定する処理により、回転異常判定の精度の低下を回避することができる。しかしながら、駆動指令信号に応じて出力されるステッピングモータ20の駆動1回の駆動パルス数が十分大きい用途に用いられる場合は、ステップS417の処理は必ずしも必要でない。この場合、図3に示す制御装置10のNカウンタ56、第1比較部57、Xメモリ58は省略することができる。
【0091】
以上の実施形態では、図1から図3の構成の回転装置1を用いて、回転装置1の制御方法について具体的な一例について説明した。本実施形態の回転装置1の制御方法は、回転装置1の出力ギヤを回転させるステッピングモータ20に駆動電圧を印加する駆動回路40に対して、駆動目標に応じた回数だけ駆動パルスを繰り返して出力する駆動パルス出力ステップと、駆動パルス出力ステップの所定の繰り返しタイミングで、出力ギヤ74の回転位置を読み取るポテンショメータ75(位置センサの一例)から位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップで取得した位置情報に基づいて回転装置1に回転異常が発生しているか否かを判定する回転異常判定ステップとを含んでいればよく、具体的な実施形態に限定されない。
【0092】
(実施形態の変形例)
以上の実施形態において、制御装置の構成は図1の構成に限定されず、駆動制御部の構成は図2の構成に限定されず、回転装置の構成は図3の構成に限定されない。
【0093】
具体例として、駆動制御部の変形例について、説明する。図10は、制御回路10の駆動制御部50aによって実現される機能ブロックの構成の変形例を示す図である。図3において、指令部51と接続された構成であった第4比較部62に代えて、図10に示すように、ADコンバータ52の手前に比較判定部66(回転異常判定制限部の一例)を設けることによっても回転異常判定を制限することができる。この場合、比較判定部66は、駆動パルスによって駆動された出力ギヤ74の回転位置が、ポテンショメータ75が回転位置を読み取ることのできないポテンショメータ75の不感帯内の位置であるときに、ADコンバータ52に信号を出力しないようにすれば、実質的に、第2の比較部59における比較処理ができないので、回転異常判定処理の実行を制限することができる。
【0094】
例えば、図3において、ポテンショメータ75の不感帯の情報を格納した不感帯メモリ63に代えて、位置検出可能領域の情報を格納したメモリを用いてもよい。この場合、第4比較部62における判断処理において不感帯メモリ63を用いて判定した判定結果に基づく処理とは異なる。すなわち、判定結果がYesであったときの処理と判定結果がNoであったときの処理とが逆になる。
【0095】
以上の実施形態において、図5、6、7、9に示した処理フローは具体例であって、処理フローはこれらに限定されない。
【0096】
また、以上の実施形態において、位置情報を読み取る位置センサとして、ポテンショメータを用いた例を挙げて説明したが、これに限定されず、出力ギヤの回転位置を物理的に読み取る位置センサであれば、例えば、磁気センサなどであってもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…回転装置、10…制御装置、11…制御基板、12…筐体、20…ステッピングモータ、30…制御回路、40…駆動回路、41…モータ駆動部、50,50a…駆動制御部、51…指令部(回転異常判定部、回転異常判定制限部、初期位置異常判定部の一例)、52…ADコンバータ(位置情報取得部の一例)、53…Aメモリ、54…パルスカウンタ、55…ポジションメモリ、56…Nカウンタ、57…第1比較部、58…Xメモリ、59…第2比較部、60…第3比較部、61…駆動パルス出力部、62…第4比較部、63…不感帯メモリ、64…第5比較部、65…周回カウンタ、66…比較判定部(回転異常判定制限部の一例)、70…アクチュエータ出力軸、71…第1ギヤ、72…第2ギヤ、73…第3ギヤ、74…出力ギヤ、75…ポテンショメータ(位置センサの一例)、76…FPC、A,A1,A2,A3…位置情報(第1の位置情報、第3の位置情報の一例)、B,B1,B2,B3,Ba,Bb…位置情報(第2の位置情報、第4の位置情報の一例)
図1
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図9
図10