(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ディスク装置
(51)【国際特許分類】
G11B 21/02 20060101AFI20240219BHJP
G11B 33/14 20060101ALI20240219BHJP
G11B 5/60 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
G11B21/02 601E
G11B33/14 501A
G11B5/60 P
(21)【出願番号】P 2020156775
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佑樹
【審査官】中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163714(JP,A)
【文献】特開2006-031768(JP,A)
【文献】特開平11-110926(JP,A)
【文献】特開2009-080894(JP,A)
【文献】特開2016-105436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/02
G11B 33/14
G11B 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
表面と、第1の部品に固定された第1の固定部と、第2の部品に固定された第2の固定部と、
前記第2の部品とは異なる部品に固定された第3の固定部と、を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続され
、前記第2の固定部が前記第1の固定部と前記第3の固定部との間に位置する、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、前記表面に沿って延び、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間においては、前記表面に沿って前記第1の固定部と前記第2の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる、
第1の配線と、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、前記表面に沿って延び、前記第2の固定部と前記第3の固定部との間においては、前記表面に沿って前記第2の固定部と前記第3の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる、第2の配線と、
を具備するディスク装置。
【請求項2】
前記第1の部品は、回転することで前記第1の磁気ヘッドを移動させるロータリアクチュエータを有し、
前記第2の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、プリアンプと、前記プリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定するアンダーフィルと、を有する、
請求項1のディスク装置。
【請求項3】
前記第3の固定部は、前記第1の部品に固定され
る、
請求項
1のディスク装置。
【請求項4】
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第2の磁気ヘッドと、
前記第2の磁気ヘッド及び前記フレキシブルプリント配線板に電気的に接続された第2の配線部材と、
をさらに具備し、
前記第1の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、第1のプリアンプと、前記第1のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第1のアンダーフィルと、を有し、
前記第2の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第2の配線部材を通じて、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第2の磁気ヘッドへ出力し、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第2の磁気ヘッドから入力される、第2のプリアンプと、前記第2のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第2のアンダーフィルと、を有する、
請求項1のディスク装置。
【請求項5】
前記第1の固定部と前記第2の固定部との間において、前記
第1の配線の幅は35μm以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか一つのディスク装置。
【請求項6】
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
回転することで前記第1の磁気ヘッドを移動させるロータリアクチュエータと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
表面と、前記ロータリアクチュエータに固定された固定部と、を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、プリアンプと、
前記プリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定するアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記アンダーフィルとの間においては、前記表面に沿って前記固定部と前記アンダーフィルとを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる第1の配線と、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記プリアンプとの間においては、前記表面と交差する方向に前記アンダーフィルに覆われた第2の配線と、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記プリアンプの幾何中心との間においては、前記表面と交差する方向に前記プリアンプに覆われた第3の配線と、
前記仮想線が延びる方向において前記固定部と前記プリアンプとの間に位置し、前記表面と交差する方向に前記アンダーフィルに覆われた第1のバイアホールと、
前記仮想線が延びる方向において前記固定部と前記プリアンプの幾何中心との間に位置し、前記表面と交差する方向に前記プリアンプに覆われた第2のバイアホールと、
のうち少なくとも一つを有する導体パターンと、
を具備するディスク装置。
【請求項7】
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第2の磁気ヘッドと、
前記第2の磁気ヘッドに電気的に接続された第2の配線部材と、
表面を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続され、前記第2の配線部材を介して前記第2の磁気ヘッドに電気的に接続された、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、第1のプリアンプと、
前記第1のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第1のアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第2の配線部材を通じて、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第2の磁気ヘッドへ出力し、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第2の磁気ヘッドから入力される、第2のプリアンプと、
前記第2のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第2のアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、
前記表面に沿って延び、前記第1のアンダーフィルと前記第2のアンダーフィルとの間においては、前記表面に沿って前記第1のアンダーフィルと前記第2のアンダーフィルとを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる第4の配線と、
前記表面に沿って延び、前記第1のプリアンプと前記第2のプリアンプとの間においては、前記表面と交差する方向に前記第1のアンダーフィル又は前記第2のアンダーフィルに覆われた第5の配線と、
前記表面に沿って延び、前記第1のプリアンプの幾何中心と前記第2のプリアンプの幾何中心との間においては、前記表面と交差する方向に前記第1のプリアンプ又は前記第2のプリアンプに覆われた第6の配線と、
前記仮想線が延びる方向において前記第1のプリアンプと前記第2のプリアンプとの間に位置し、前記表面と交差する方向に前記第1のアンダーフィル又は前記第2のアンダーフィルに覆われた第3のバイアホールと、
前記仮想線が延びる方向において前記第1のプリアンプの幾何中心と前記第2のプリアンプの幾何中心との間に位置し、前記表面と交差する方向に前記第1のプリアンプ又は前記第2のプリアンプに覆われた第4のバイアホールと、
のうち少なくとも一つを有する導体パターンと、
を具備するディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(HDD)のようなディスク装置は、磁気ディスクと、当該磁気ディスクに対して情報を読み書きする磁気ヘッドとを有する。HDDを制御する制御回路と磁気ヘッドとは、例えば、プリント配線板(PCB)、フレキシブルプリント配線板(FPC)、及びフレキシャを介して電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FPCは、磁気ヘッドを移動させるロータリアクチュエータや、当該FPCに実装される電子部品のような、種々の部品に固定される。このため、FPCが熱収縮及び熱膨張する際に、FPCに熱応力が生じる虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、熱応力に対する耐久性を向上可能なディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るディスク装置は、ディスク状の記録媒体と、第1の磁気ヘッドと、第1の配線部材と、フレキシブルプリント配線板と、第1の配線と、第2の配線と、を備える。前記記録媒体は、記録層を有する。前記第1の磁気ヘッドは、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成される。前記第1の配線部材は、前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続される。前記フレキシブルプリント配線板は、表面と、第1の部品に固定された第1の固定部と、第2の部品に固定された第2の固定部と、前記第2の部品とは異なる部品に固定された第3の固定部と、を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続され、前記第2の固定部が前記第1の固定部と前記第3の固定部との間に位置する。前記第1の配線は、前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、前記表面に沿って延び、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間においては、前記表面に沿って前記第1の固定部と前記第2の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる。前記第2の配線は、前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、前記表面に沿って延び、前記第2の固定部と前記第3の固定部との間においては、前記表面に沿って前記第2の固定部と前記第3の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一つの実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を概略的に示す例示的な斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態のフレキシブルプリント配線板(FPC)及びフレキシャを模式的に示す例示的な図である。
【
図3】
図3は、実施形態のFPCの端部及びフレキシャを概略的に示す例示的な平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態のFPCの一部を概略的に示す例示的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、一つの実施形態について、
図1乃至
図4を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、一つの実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)10を概略的に示す例示的な斜視図である。HDD10は、ディスク装置の一例である。なお、ディスク装置は、HDD10に限らず、ハイブリッドハードディスクドライブのような他のディスク装置であっても良い。
【0010】
図1に示すように、HDD10は、筐体11と、複数の磁気ディスク12と、スピンドルモータ13と、クランプバネ14と、複数の磁気ヘッド15と、アクチュエータアセンブリ16と、支持軸17と、ボイスコイルモータ(VCM)18と、ランプロード機構19と、プリント回路板(PCB)21と、フレキシブルプリント配線板(FPC)22とを有する。磁気ディスク12は、記録媒体の一例である。複数の磁気ヘッド15は、第1の磁気ヘッド及び第2の磁気ヘッドの一例である。
【0011】
筐体11は、板状に形成された底壁11aと、底壁11aから突出した側壁11bとを有する。筐体11は、さらに、側壁11bに取り付けられて筐体11の内部を覆うカバーを有する。筐体11に、磁気ディスク12、スピンドルモータ13、クランプバネ14、磁気ヘッド15、アクチュエータアセンブリ16、支持軸17、VCM18、ランプロード機構19、及びFPC22が少なくとも部分的に収容される。
【0012】
磁気ディスク12は、例えば、上面及び下面のうち少なくとも一方に設けられた磁気記録層を有するディスクである。磁気ディスク12の直径は、例えば、3.5インチであるが、この例に限られない。
【0013】
スピンドルモータ13は、間隔を介して重ねられた複数の磁気ディスク12を支持するとともに回転させる。クランプバネ14は、複数の磁気ディスク12をスピンドルモータ13のハブに保持する。
【0014】
磁気ヘッド15は、磁気ディスク12の記録層に対して、情報の記録及び再生を行う。言い換えると、磁気ヘッド15は、磁気ディスク12に対して情報を読み書きする。磁気ヘッド15は、アクチュエータアセンブリ16に支持される。
【0015】
支持軸17は、磁気ディスク12から離間した位置に配置され、アクチュエータアセンブリ16を回転可能に支持する。VCM18は、アクチュエータアセンブリ16を回転させ、所望の位置に配置する。VCM18によるアクチュエータアセンブリ16の回転により、磁気ヘッド15が磁気ディスク12の最外周に移動すると、ランプロード機構19は、磁気ディスク12から離間したアンロード位置に磁気ヘッド15を保持する。
【0016】
アクチュエータアセンブリ16は、アクチュエータブロック31と、複数のアーム32と、複数のヘッドサスペンションアセンブリ33とを有する。ヘッドサスペンションアセンブリ33は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とも称され得る。
【0017】
アクチュエータブロック31は、例えば、軸受を介して、支持軸17に回転可能に支持される。複数のアーム32は、アクチュエータブロック31から、支持軸17と略直交する方向に突出している。なお、アクチュエータアセンブリ16が分割され、複数のアクチュエータブロック31のそれぞれから複数のアーム32が突出しても良い。
【0018】
複数のアーム32は、支持軸17が延びる方向に、間隔を介して配置される。アーム32はそれぞれ、隣り合う磁気ディスク12の間に進入可能な板状に形成される。複数のアーム32は、略平行に延びている。
【0019】
アクチュエータブロック31及び複数のアーム32は、例えばアルミニウムにより一体に形成される。なお、アクチュエータブロック31及びアーム32の材料は、この例に限られない。
【0020】
アクチュエータブロック31からアーム32の反対方向へ突出した突起に、VCM18のボイスコイルが設けられる。VCM18は、一対のヨークと、当該ヨークの間に配置されたボイスコイルと、ヨークに設けられた磁石と、を有する。
【0021】
ヘッドサスペンションアセンブリ33は、対応するアーム32の先端部分に取り付けられ、当該アーム32から突出する。これにより、複数のヘッドサスペンションアセンブリ33は、支持軸17が延びる方向に、間隔を介して配置される。
【0022】
図2は、本実施形態のFPC22及びフレキシャ43を模式的に示す例示的な図である。複数のヘッドサスペンションアセンブリ33はそれぞれ、
図1に示すベースプレート41及びロードビーム42と、
図2に示すフレキシャ43とを有する。フレキシャ43は、第1の配線部材及び第2の配線部材の一例である。さらに、ヘッドサスペンションアセンブリ33に磁気ヘッド15が取り付けられる。
【0023】
ベースプレート41及びロードビーム42は、例えば、ステンレスにより作られる。なお、ベースプレート41及びロードビーム42の材料は、この例に限られない。ベースプレート41は、板状に形成され、アーム32の先端部に取り付けられる。ロードビーム42は、ベースプレート41よりも薄い板状に形成される。ロードビーム42は、ベースプレート41の先端部に取り付けられ、ベースプレート41から突出する。
【0024】
図2に示すように、フレキシャ43は、細長い帯状に形成される。なお、フレキシャ43の形状は、この例に限られない。フレキシャ43は、ステンレス等の金属板(裏打ち層)と、金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され複数の配線(配線パターン)を構成する導電層と、導電層を覆う保護層(絶縁層)と、を有する積層板である。
【0025】
フレキシャ43は、ベースプレート41及びロードビーム42に取り付けられる。フレキシャ43の一方の端部は、ロードビーム42の上に位置するとともに変位可能なジンバル部(弾性支持部)を有する。磁気ヘッド15は、当該ジンバル部に搭載される。これにより、フレキシャ43は、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0026】
フレキシャ43の他方の端部に、複数のパッド45が設けられる。さらに、フレキシャ43に、複数のパッド45と、磁気ヘッド15のリード素子、ライト素子、ヒータ、又は他の部品とを接続する複数の配線46が設けられる。
【0027】
図1に示すように、上述のVCM18と、アクチュエータブロック31と、複数のアーム32とは、磁気ヘッド15を所望の位置へ移動させるためのロータリアクチュエータ49を形成する。なお、ロータリアクチュエータ49は、この例に限られない。例えば、ロータリアクチュエータ49は、VCM18、アクチュエータブロック31、及びアーム32のうち少なくとも一つを省略しても良いし、他の部品を有しても良い。ロータリアクチュエータ49は、第1の部品の一例である。
【0028】
ロータリアクチュエータ49は、例えば、VCM18により駆動されることで、支持軸17まわりに回転する。ロータリアクチュエータ49は、回転することで、アーム32に取り付けられたヘッドサスペンションアセンブリ33と、ヘッドサスペンションアセンブリ33に取り付けられた磁気ヘッド15とを移動させる。
【0029】
PCB21は、筐体11の外部において底壁11aに取り付けられている。
図2に示すように、PCB21に、スピンドルモータ13、磁気ヘッド15、VCM18を制御する制御回路21aが設けられている。
【0030】
制御回路21aは、例えば、磁気ヘッド15による情報の読み書きを制御するリードライトチャネル(RWC)と、ホストコンピュータとの通信を制御するハードディスクコントローラ(HDC)と、HDD10の全体を制御するプロセッサと、スピンドルモータ13及びVCM18を制御するサーボコンボIC(SVC)とを有する。なお、制御回路21aは、この例に限られない。制御回路21aは、FPC22を介して、磁気ヘッド15及びVCM18に電気的に接続される。
【0031】
FPC22は、例えば、ベースフィルムのような絶縁層と、当該絶縁層上に設けられる導体層と、当該導体層を覆う絶縁性の保護層と、を有する。FPC22は、例えば、絶縁層の両面上に導体層及び保護層が設けられた両面FPC、又は複数の導体層及び絶縁層が積層された多層FPCである。なお、FPC22は、この例に限られない。
【0032】
FPC22の一方の端部22aに、複数のフレキシャ43が接続される。FPC22の他方の端部22bに、PCB21が、例えば筐体11の底壁11aに設けられたコネクタを介して電気的に接続される。FPC22において、端部22aと端部22bとの間の中間部22cは、帯状に延びており、ロータリアクチュエータ49の回転に伴って撓むことができる。
【0033】
図3は、本実施形態のFPC22の端部22a及びフレキシャ43を概略的に示す例示的な平面図である。FPC22は、第1の面51と、第2の面52と、複数のパッド53とを有する。第1の面51は、表面の一例である。第1の面51は、例えば、一方の保護層により形成される。第2の面52は、第1の面の反対側に設けられ、例えば他方の保護層により形成される。第2の面52は、例えば、ロータリアクチュエータ49のアクチュエータブロック31に向く。
【0034】
パッド53は、例えば、FPC22の端部22aにおいて、第1の面51に設けられる。複数のパッド53は、例えば導電性接着剤又は半田により、フレキシャ43のパッド45に接続される。これにより、端部22aに複数のフレキシャ43が接続され、FPC22がフレキシャ43を介して磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0035】
FPC22の端部22aは、第1の取付部61と、第2の取付部62と、第1の実装部63と、第2の実装部64とをさらに有する。第1の取付部61は、第1の固定部及び固定部の一例である。第2の取付部62は、第3の固定部の一例である。第1の実装部63は、第2の固定部の一例である。なお、第1の実装部63が第1の固定部の一例、第2の実装部64が第2の固定部の一例であっても良い。
【0036】
第1の取付部61及び第2の取付部62は、FPC22の端部22aのうち、ロータリアクチュエータ49に固定された部分である。第1の取付部61及び第2の取付部62は、
図3の第1の方向D1に互いに離間して配置される。
【0037】
第1の方向D1は、第1の面51に沿う方向である。第1の面51に沿う方向は、第1の面51に略平行な方向である。本実施形態において、第1の方向D1は、支持軸17が延びる方向と略平行な方向である。
【0038】
第1の取付部61は、第1の方向D1におけるFPC22の一方の端縁22dの近傍に設けられる。言い換えると、第1の取付部61は、第1の方向D1におけるFPC22の一方の端部に設けられる。
【0039】
第2の取付部62は、第1の方向D1におけるFPC22の他方の端縁22eの近傍に設けられる。言い換えると、第2の取付部62は、第1の方向D1におけるFPC22の他方の端部に設けられる。
【0040】
第1の取付部61に、孔61aが設けられる。さらに、第2の取付部62に、孔62aが設けられる。孔61a,62aはそれぞれ、FPC22を貫通し、第1の面51及び第2の面52に開口する。
【0041】
第1の取付部61は、例えば、第1のネジ67によってロータリアクチュエータ49のアクチュエータブロック31に固定される。例えば、第1のネジ67が、孔61aを通り、アクチュエータブロック31に設けられたネジ穴に挿入される。これにより、第1の取付部61が、アクチュエータブロック31にネジ留めされる。なお、第1の取付部61は、第1のネジ67に限らず、ピン、半田、接着剤、又は他の手段により、アクチュエータブロック31に固定されても良い。
【0042】
第2の取付部62は、例えば、第2のネジ68によってアクチュエータブロック31に固定される。例えば、第2のネジ68が、孔62aを通り、アクチュエータブロック31に設けられたネジ穴に挿入される。これにより、第2の取付部62が、アクチュエータブロック31にネジ留めされる。なお、第2の取付部62は、第2のネジ68に限らず、ピン、半田、接着剤、又は他の手段により、アクチュエータブロック31に固定されても良い。
【0043】
FPC22に、第1の実装部品71と、第2の実装部品72とが搭載される。第1の実装部品71は、第2の部品の一例である。また、第1の実装部品71が第1の部品の一例、第2の実装部品72が第2の部品の一例であっても良い。第1の実装部63及び第2の実装部64は、FPC22の端部22aのうち、第1の実装部品71及び第2の実装部品72が固定された部分である。
【0044】
第1の実装部品71は、第1のプリアンプ75と、第1のアンダーフィル76とを有する。なお、第1の実装部品71は、第1のプリアンプ75に限らず、ICやセンサのような他の電子部品を有しても良い。
【0045】
第1のプリアンプ75は、略矩形の板状に形成され、FPC22の第1の面51に搭載される。例えば、第1のプリアンプ75の電極が、第1の面51に設けられたパッドに、導電性接着剤又は半田により接続される。これにより、第1のプリアンプ75は、FPC22及びフレキシャ43を通じて、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0046】
以下、第1のプリアンプ75に電気的に接続される磁気ヘッド15及びフレキシャ43は、
図2のように磁気ヘッド15A及びフレキシャ43Aと称されることがある。磁気ヘッド15Aは、複数の磁気ヘッド15のうち少なくとも一つであり、第1の磁気ヘッドの一例である。フレキシャ43Aは、複数のフレキシャ43のうち少なくとも一つであり、第1の配線部材の一例である。
【0047】
第1のプリアンプ75は、FPC22を通じて、PCB21の制御回路21aに電気的に接続される。さらに、第1のプリアンプ75は、FPC22及びフレキシャ43Aを通じて、磁気ヘッド15Aに電気的に接続される。
【0048】
第1のプリアンプ75は、制御回路21aのRWCから出力されたライト信号を増幅して、磁気ヘッド15Aへ伝送する。磁気ヘッド15Aは、当該ライト信号に基づき、情報を磁気ディスク12に書き込む。このように、第1のプリアンプ75は、FPC22及びフレキシャ43Aを通じて、磁気ヘッド15Aが磁気ディスク12に書き込む情報に対応したライト信号を当該磁気ヘッド15Aへ出力する。
【0049】
第1のプリアンプ75は、磁気ヘッド15Aから出力されたリード信号を増幅して、制御回路21aのRWCへ伝送する。言い換えると、第1のプリアンプ75は、磁気ヘッド15Aが磁気ディスク12から読み込んだ情報に対応したリード信号が、FPC22及びフレキシャ43Aを通じて当該磁気ヘッド15Aから入力される。
【0050】
図3に示すように、第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75を、FPC22の第1の面51に固定する。第1のアンダーフィル76により、第1の実装部品71は、第1の実装部63に固定される。
【0051】
例えば、第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75の縁75aに付着するとともに、第1の面51に付着している。また、第1のアンダーフィル76の一部は、第1のプリアンプ75と第1の面51との間に介在しても良い。
【0052】
縁75aは、第1の面51に沿う方向における、第1のプリアンプ75の縁である。本実施形態では、第1のアンダーフィル76は、縁75aの全周に付着している。このため、第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75を囲む。
【0053】
第2の実装部品72は、第2のプリアンプ77と、第2のアンダーフィル78とを有する。なお、第2の実装部品72は、第2のプリアンプ77に限らず、ICやセンサのような他の電子部品を有しても良い。
【0054】
第2のプリアンプ77は、略矩形の板状に形成され、FPC22の第1の面51に搭載される。例えば、第2のプリアンプ77の電極が、第1の面51に設けられたパッドに、導電性接着剤又は半田により接続される。これにより、第2のプリアンプ77は、FPC22及びフレキシャ43を通じて、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0055】
以下、第2のプリアンプ77に電気的に接続される磁気ヘッド15及びフレキシャ43は、
図2のように磁気ヘッド15B及びフレキシャ43Bと称されることがある。磁気ヘッド15Bは、複数の磁気ヘッド15のうち少なくとも一つであり、第2の磁気ヘッドの一例である。フレキシャ43Bは、複数のフレキシャ43のうち少なくとも一つであり、第2の配線部材の一例である。
【0056】
第2のプリアンプ77は、FPC22を通じて、PCB21の制御回路21aに電気的に接続される。さらに、第2のプリアンプ77は、FPC22及びフレキシャ43Bを通じて、磁気ヘッド15Bに電気的に接続される。
【0057】
第2のプリアンプ77は、制御回路21aのRWCから出力されたライト信号を増幅して、磁気ヘッド15Bへ伝送する。磁気ヘッド15Bは、当該ライト信号に基づき、情報を磁気ディスク12に書き込む。このように、第2のプリアンプ77は、FPC22及びフレキシャ43Bを通じて、磁気ヘッド15Bが磁気ディスク12に書き込む情報に対応したライト信号を当該磁気ヘッド15Bへ出力する。
【0058】
第2のプリアンプ77は、磁気ヘッド15Bから出力されたリード信号を増幅して、制御回路21aのRWCへ伝送する。言い換えると、第2のプリアンプ77は、磁気ヘッド15Bが磁気ディスク12から読み込んだ情報に対応したリード信号が、FPC22及びフレキシャ43Bを通じて当該磁気ヘッド15Bから入力される。
【0059】
図3に示すように、第2のアンダーフィル78は、第2のプリアンプ77を、FPC22の第1の面51に固定する。第2のアンダーフィル78により、第2の実装部品72は、第2の実装部64に固定される。
【0060】
例えば、第2のアンダーフィル78は、第2のプリアンプ77の縁77aに付着するとともに、第1の面51に付着している。また、第2のアンダーフィル78の一部は、第2のプリアンプ77と第1の面51との間に介在しても良い。
【0061】
縁77aは、第1の面51に沿う方向における、第2のプリアンプ77の縁である。本実施形態では、第2のアンダーフィル78は、縁77aの全周に付着している。このため、第2のアンダーフィル78は、第2のプリアンプ77を囲む。
【0062】
第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78とは、第3のアンダーフィル79によって互いに接続されても良い。この場合、第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75の縁75aの近傍において、縁75aに近づくほど第2の方向D2における厚さが増大する山形の断面(フィレット)を有する。また、第2のアンダーフィル78は、第2のプリアンプ77の縁77aの近傍において、縁77aに近づくほど第2の方向D2における厚さが増大するフィレットを有する。
【0063】
第2の方向D2は、第1の面51と交差する方向である。本実施形態において、第2の方向D2は、第1の面51と直交する方向である。このため、第2の方向D2は、第1の方向D1と直交する。
【0064】
第3のアンダーフィル79は、第1のアンダーフィル76及び第2のアンダーフィル78に連続する。第3のアンダーフィル79は、フィレットを形成せず、略平坦に広がる。第2の方向D2における第3のアンダーフィル79の厚さは、第2の方向D2における第1のアンダーフィル76の最大の厚さより小さく、且つ第2の方向D2における第2のアンダーフィル78の最大の厚さより小さい。なお、第3のアンダーフィル79は省略されても良い。
【0065】
第1の実装部63及び第2の実装部64は、第1の取付部61と第2の取付部62との間に位置する。第1の取付部61、第2の取付部62、第1の実装部63、及び第2の実装部64は、第1の方向D1に互いに間隔を介して並べられている。第1の実装部63は、第2の実装部64よりも第1の取付部61に近い。なお、第1の取付部61、第2の取付部62、第1の実装部63、及び第2の実装部64の配置は、この例に限られない。
【0066】
図4は、本実施形態のFPC22の一部を概略的に示す例示的な平面図である。
図4に示すように、FPC22に導体パターン80が設けられる。導体パターン80は、例えば、FPC22の導体層に設けられ、保護層に覆われる。
【0067】
導体パターン80は、銅のような導体により作られる。導体パターン80は、第1の配線81と、第2の配線82と、第3の配線83と、第4の配線84と、第5の配線85と、第6の配線86と、第1のバイアホール91と、第2のバイアホール92と、第3のバイアホール93と、第4のバイアホール94とを有する。第1の配線81及び第4の配線84はそれぞれ、配線の一例である。
【0068】
第1乃至第6の配線81~86はそれぞれ、FPC22の絶縁層上で延びている。このため、第1乃至第6の配線81~86はそれぞれ、第1の面51に沿って延びている。なお、第1乃至第6の配線81~86は、絶縁層のうち互いに異なる面に設けられても良い。第1乃至第6の配線81~86はそれぞれ、直線状に延びる部分と曲線状に延びる部分とのうち少なくとも一方を有する。
【0069】
第1乃至第4のバイアホール91~94は、例えば、メッキスルーホールである。なお、第1乃至第4のバイアホール91~94は、他のバイアホールであっても良い。第1乃至第4のバイアホール91~94は、例えば、FPC22の少なくとも一つの絶縁層を貫通する孔の内面に形成された導体である。第1乃至第4のバイアホール91~94は、例えば、FPC22の一つの層に設けられた配線と、他の層に設けられた配線とを接続する。
【0070】
第1の配線81は、例えば、第1のプリアンプ75の電極に接続されたパッド81aから延びている。パッド81aは、第1の面51に設けられ、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。なお、第1の配線81は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。
【0071】
第1の配線81は、FPC22において、第1のプリアンプ75に覆われた領域AC1から、第1のアンダーフィル76に覆われた領域AC2を通り、第1のプリアンプ75及び第1のアンダーフィル76の外側の領域AOへ延びている。領域AOは、FPC22のうち、第1の面51に沿う方向において第1の実装部品71及び第2の実装部品72の外側に位置する部分である。
【0072】
第1の配線81の一部は、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1で延びている。領域AB1は、第1の取付部61と第1のアンダーフィル76との間の領域でもあり、領域AOに含まれる。
【0073】
第1の配線81は、領域AB1においては、仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びている。言い換えると、仮想線LV1が延びる方向と、領域AB1において第1の配線81が延びる方向との間の角度が、角度θ1となっている。第1の配線81が延びる方向は、第1の配線81及びその延長線に沿う一方向とその反対方向とを含む。仮想線LV1が延びる方向は、仮想線LV1及びその延長線に沿う一方向とその反対方向とを含む。
【0074】
仮想線LV1は、第1の面51に沿って第1の取付部61と第1の実装部63とを最短距離で結ぶ仮想線である。また、仮想線LV1は、第1の面51に沿って第1の取付部61と第1のアンダーフィル76とを最短距離で結ぶ仮想線でもある。
【0075】
例えば、仮想線LV1は、以下のように得られる。まず、第1の取付部61の孔61aの中心軸Axを中心とし、第1のアンダーフィル76に接する円Cを描く。複数の円が描ける場合、円Cは、当該複数の円のうち最小のものである。円Cと第1のアンダーフィル76の接点と、中心軸Axを結ぶことで、仮想線LV1が得られる。なお、仮想線LV1は、この例に限られない。
【0076】
第1の取付部61及び第1の実装部63は、他の部品に固定されているため、FPC22の熱収縮及び熱膨張を拘束する。これにより、FPC22が熱収縮及び熱膨張すると、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1に熱応力が発生する。仮想線LV1が延びる方向は、当該熱応力が強く作用する方向であり、主応力方向とも称され得る。
【0077】
第1の配線81は、少なくとも一か所で曲げられても良い。言い換えると、第1の配線81が延びる方向は変化しても良い。しかし、領域AB1における第1の配線81のいずれの部分も、仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びている。
【0078】
図4の例では、第1の配線81が、領域AB1において、仮想線LV1と45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する。しかし、仮想線LV1が延びる方向と、領域AB1において第1の配線81が延びる方向とが、角度θ1で交差していれば、第1の配線81と仮想線LV1とが交差していなくても良い。
【0079】
例えば、パッド81aが第1の取付部61よりもパッド53の近くに配置される場合、第1の配線81と仮想線LV1とは交差しない。しかし、仮想線LV1が延びる方向と、領域AB1において第1の配線81が延びる方向とが、角度θ1で交差しているため、
図4のように第1の面51を平面視した場合に、第1の配線81の延長線と、仮想線LV1の延長線とが、角度θ1で交差する。
【0080】
第2の配線82は、第1のバイアホール91から延びている。なお、第2の配線82は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。また、第1のバイアホール91は、他の配線に接続されても良い。
【0081】
例えば、第2の配線82は、差動配線のうち一方である。差動配線のうち他方は、例えば、第2の方向D2に第2の配線82と重なるように延びている。なお、第2の配線82は、この例に限られない。
【0082】
第1のバイアホール91は、仮想線LV1が延びる方向において、第1の取付部61と第1のプリアンプ75との間に位置する。第1のバイアホール91は、第2の方向D2に第1のアンダーフィル76に覆われている。言い換えると、第1のバイアホール91は、FPC22のうち領域AC2に配置される。
【0083】
第2の配線82は、第1の取付部61と第1のプリアンプ75との間においては、第2の方向D2に第1のアンダーフィル76に覆われている。なお、第2の配線82のうち、第1の取付部61と第1のプリアンプ75との間に位置しない部分は、第1のアンダーフィル76に覆われていなくても良い。
【0084】
第2の配線82は、第1の取付部61と第1のプリアンプ75との間においては、例えば、第1のアンダーフィル76に沿って延びる。別の表現によれば、第2の配線82は、第1の取付部61と第1のプリアンプ75との間においては、第1のプリアンプ75の縁75aに沿って延びる。
【0085】
第3の配線83は、第2のバイアホール92から延びている。なお、第3の配線83は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。また、第2のバイアホール92は、他の配線に接続されても良い。
【0086】
例えば、第3の配線83は、差動配線のうち一方である。差動配線のうち他方は、例えば、第2の方向D2に第3の配線83と重なるように延びている。なお、第3の配線83は、この例に限られない。
【0087】
第2のバイアホール92は、仮想線LV1が延びる方向において、第1の取付部61と第1のプリアンプ75の幾何中心CN1との間に位置する。第2のバイアホール92は、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。言い換えると、第2のバイアホール92は、FPC22のうち領域AC1に配置される。
【0088】
第3の配線83は、第1の取付部61と第1のプリアンプ75の幾何中心CN1との間においては、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。なお、第3の配線83のうち、第1の取付部61と第1のプリアンプ75の幾何中心CN1との間に位置しない部分は、第1のプリアンプ75に覆われていなくても良い。
【0089】
第4の配線84は、例えば、第1のプリアンプ75の電極に接続されたパッド84aから延びている。パッド84aは、第1の面51に設けられ、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。なお、第4の配線84は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。
【0090】
第4の配線84は、FPC22において、領域AC1から、領域AC2を通り、領域AOへ延びている。領域AOにおいて、第4の配線84の一部は、第1の実装部63と第2の実装部64との間の領域AB2で延びている。領域AB2は、第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78との間の領域でもあり、領域AOに含まれる。領域AB2は、第2の方向D2に第3のアンダーフィル79に覆われても良い。
【0091】
第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78とが第3のアンダーフィル79によって接続されている場合、第1のアンダーフィル76及び第2のアンダーフィル78のそれぞれの境界は、例えば、上述のフィレットにより判定され得る。上述のように、フィレットにおいて、第2の方向D2における第1のアンダーフィル76の厚さは、第1のプリアンプ75の縁75aに近づくほど増大する。このため、縁75aから遠ざかるに従って減少する第1のアンダーフィル76の厚さが略一定となり始める位置が、第1のアンダーフィル76の境界となる。同様に、縁77aから遠ざかるに従って減少する第2のアンダーフィル78の厚さが略一定となり始める位置が、第2のアンダーフィル78の境界となる。
【0092】
第4の配線84は、領域AB2においては、仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びている。言い換えると、仮想線LV2が延びる方向と、領域AB2において第4の配線84が延びる方向との間の角度が、角度θ2となっている。第4の配線84が延びる方向は、第4の配線84及びその延長線に沿う一方向とその反対方向とを含む。仮想線LV2が延びる方向は、仮想線LV2及びその延長線に沿う一方向とその反対方向とを含む。
【0093】
仮想線LV2は、第1の面51に沿って第1の実装部63と第2の実装部64とを最短距離で結ぶ仮想線である。また、仮想線LV2は、第1の面51に沿って第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78とを最短距離で結ぶ仮想線でもある。
【0094】
第1の実装部63及び第2の実装部64は、他の部品に固定されているため、FPC22の熱収縮及び熱膨張を拘束する。これにより、FPC22が熱収縮及び熱膨張すると、第1の実装部63と第2の実装部64との間の領域AB2に熱応力が発生する。仮想線LV2が延びる方向は、当該熱応力が強く作用する方向であり、主応力方向とも称され得る。
【0095】
第4の配線84は、少なくとも一か所で曲げられても良い。言い換えると、第4の配線84が延びる方向は変化しても良い。しかし、領域AB2における第4の配線84のいずれの部分も、仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びている。
【0096】
図4の例では、第4の配線84が、領域AB2において、仮想線LV2と45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する。しかし、仮想線LV2が延びる方向と、領域AB2において第4の配線84が延びる方向とが、角度θ2で交差していれば、第4の配線84と仮想線LV2とが交差していなくても良い。
【0097】
例えば、パッド84aが
図4の例よりもパッド53の近くに配置される場合、第4の配線84と、
図4の例の仮想線LV2とは交差しない。しかし、仮想線LV2が延びる方向と、領域AB2において第4の配線84が延びる方向とが、角度θ2で交差しているため、
図4のように第1の面51を平面視した場合に、第4の配線84の延長線と、仮想線LV2の延長線とが、角度θ2で交差する。
【0098】
第5の配線85は、第3のバイアホール93から延びている。なお、第5の配線85は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。また、第3のバイアホール93は、他の配線に接続されても良い。
【0099】
例えば、第5の配線85は、差動配線のうち一方である。差動配線のうち他方は、例えば、第2の方向D2に第5の配線85と重なるように延びている。なお、第5の配線85は、この例に限られない。
【0100】
第3のバイアホール93は、仮想線LV2が延びる方向において、第1のプリアンプ75と第2のプリアンプ77との間に位置する。第3のバイアホール93は、第2の方向D2に第1のアンダーフィル76に覆われている。言い換えると、第3のバイアホール93は、FPC22のうち領域AC2に配置される。なお、第3のバイアホール93は、第2のアンダーフィル78に覆われても良い。
【0101】
第5の配線85は、第1のプリアンプ75と第2のプリアンプ77との間においては、第2の方向D2に第1のアンダーフィル76に覆われている。なお、第5の配線85は、第2のアンダーフィル78に覆われても良い。第5の配線85のうち、第1のプリアンプ75と第2のプリアンプ77との間に位置しない部分は、第1のアンダーフィル76及び第2のアンダーフィル78に覆われていなくても良い。
【0102】
第6の配線86は、第4のバイアホール94から延びている。なお、第6の配線86は、この例に限られず、他のパッドやバイアホールに接続されても良い。また、第4のバイアホール94は、他の配線に接続されても良い。
【0103】
例えば、第6の配線86は、差動配線のうち一方である。差動配線のうち他方は、例えば、第2の方向D2に第6の配線86と重なるように延びている。なお、第6の配線86は、この例に限られない。
【0104】
第4のバイアホール94は、仮想線LV2が延びる方向において、第1のプリアンプ75の幾何中心CN1と第2のプリアンプ77の幾何中心CN2との間に位置する。第4のバイアホール94は、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。言い換えると、第4のバイアホール94は、FPC22のうち領域AC1に配置される。なお、第4のバイアホール94は、第2のプリアンプ77に覆われても良い。
【0105】
第6の配線86は、第1のプリアンプ75の幾何中心CN1と第2のプリアンプ77の幾何中心CN2との間においては、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われている。なお、第6の配線86は、第2のプリアンプ77に覆われても良い。第6の配線86のうち、第1のプリアンプ75の幾何中心CN1と第2のプリアンプ77の幾何中心CN2との間に位置しない部分は、第1のプリアンプ75及び第2のプリアンプ77に覆われていなくても良い。
【0106】
第1乃至第6の配線81~86の幅は、例えば、35μm以下である。例えば、第1乃至第6の配線81~86の幅は、FPC22の絶縁層の一方の面に設けられる場合、例えば、30μmである。この場合、配線間の距離は30μm以上に設定される。また、第1乃至第6の配線81~86の幅は、FPC22の絶縁層の他方の面に設けられる場合、例えば、35μmである。この場合、配線間の距離は35μm以上に設定される。
【0107】
第1の配線81は、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1の外側では、35μmより太くても良い。第4の配線84は、第1の実装部63と第2の実装部64との間の領域AB2の外側では、35μmより太くても良い。第1乃至第6の配線81~86の幅は、以上の例に限られず、35μmより太くても良い。
【0108】
以上説明された実施形態に係るHDD10において、FPC22は、第1の面51と、ロータリアクチュエータ49に固定された第1の取付部61と、第1の実装部品71に固定された第1の実装部63と、を有する。FPC22に設けられた第1の配線81は、第1の面51に沿って延び、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1においては、第1の面51に沿って第1の取付部61と第1の実装部63とを最短距離で結ぶ仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びる。FPC22が熱収縮及び熱膨張すると、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1に仮想線LV1が延びる方向に熱応力が発生する。本実施形態では、第1の配線81は仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びる。このため、第1の配線81が仮想線LV1と平行に延びる場合に比べ、仮想線LV1が延びる方向と直交する第1の配線81の断面積が大きくなる。これにより、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第1の配線81の耐久性を向上させることができる。例えば、HDD10は、熱応力により第1の配線81が損傷することを抑制でき、ひいてはHDD10の動作不良を抑制できる。
【0109】
第1の取付部61は、FPC22のうち、ロータリアクチュエータ49に固定された部分である。第1の実装部品71は、第1のプリアンプ75と、第1のプリアンプ75をFPC22に固定する第1のアンダーフィル76と、を有する。すなわち、第1の実装部63は、FPC22のうち、第1のアンダーフィル76によって第1のプリアンプ75に固定された部分である。第1のプリアンプ75は、HDD10の動作中に発熱する。このため、FPC22の第1の実装部63の近傍において、仮想線LV1に沿った熱応力が生じやすい。しかし、本実施形態では、第1の配線81は仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びる。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第1の配線81の耐久性を向上させることができる。
【0110】
FPC22は、ロータリアクチュエータ49に固定された第2の取付部62を有する。このため、FPC22は、少なくとも二箇所でロータリアクチュエータ49に固定される。第1の実装部63は、第1の取付部61と第2の取付部62との間に位置する。このため、例えば第1のプリアンプ75に接続された第1の配線81が、第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1に配置されやすい。しかし、第1の配線81は、仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びることで、熱応力に対する耐久性を向上させることができる。
【0111】
FPC22は、第1の面51と、第1の実装部品71に固定された第1の実装部63と、第2の実装部品72に固定された第2の実装部64と、を有する。FPC22に設けられた第4の配線84は、第1の面51に沿って延び、第1の実装部63と第2の実装部64との間の領域AB2においては、第1の面51に沿って第1の実装部63と第2の実装部64とを最短距離で結ぶ仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びる。FPC22が熱収縮及び熱膨張すると、第1の実装部63と第2の実装部64の間の領域AB2に仮想線LV2が延びる方向に熱応力が発生する。本実施形態では、第4の配線84は仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びる。このため、第4の配線84が仮想線LV2と平行に延びる場合に比べ、仮想線LV2が延びる方向と直交する第4の配線84の断面積が大きくなる。これにより、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第4の配線84の耐久性を向上させることができる。例えば、HDD10は、熱応力により第4の配線84が損傷することを抑制でき、ひいてはHDD10の動作不良を抑制できる。
【0112】
第2の実装部品72は、第2のプリアンプ77と、第2のプリアンプ77をFPC22に固定する第2のアンダーフィル78と、を有する。すなわち、第2の実装部64は、FPC22のうち、第2のアンダーフィル78によって第2のプリアンプ77に固定された部分である。第1のプリアンプ75及び第2のプリアンプ77は、HDD10の動作中に発熱する。このため、FPC22の第1の実装部63及び第2の実装部64の近傍において、仮想線LV2に沿った熱応力が生じやすい。しかし、本実施形態では、第4の配線84は仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びる。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第4の配線84の耐久性を向上させることができる。
【0113】
第1の取付部61と第1の実装部63との間において、第1の配線81の幅は35μm以下である。また、第1の実装部63と第2の実装部64との間において、第4の配線84の幅は35μm以下である。このように、第1の配線81及び第4の配線84が細く設定されることで、FPC22における導体パターン80及び部品のレイアウト設計が容易となる。一方、第1の配線81及び第4の配線84の幅が細いほど、第1の配線81及び第4の配線84が熱応力により損傷しやすくなる。しかし、本実施形態では、第1の配線81は、仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びることで、熱応力に対する耐久性を向上させることができる。また、本実施形態では、第4の配線84は、仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びることで、熱応力に対する耐久性を向上させることができる。
【0114】
FPC22は、ロータリアクチュエータ49に固定された第1の取付部61を有する。第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75をFPC22に固定する。FPC22に設けられた導体パターン80は、第1の配線81、第2の配線82、第3の配線83、第1のバイアホール91、及び第2のバイアホール92のうち少なくとも一つを有する。第1の配線81は、第1の取付部61と第1のアンダーフィル76との間の領域AB1において、第1の面51に沿って第1の取付部61と第1のアンダーフィル76とを最短距離で結ぶ仮想線LV1が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ1で交差する方向に延びる。これにより、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第1の配線81の耐久性を向上させることができる。第2の配線82及び第1のバイアホール91は、第1の面51と交差する第2の方向D2に第1のアンダーフィル76に覆われる。FPC22において、第1のアンダーフィル76に覆われた領域AC2は、第1のアンダーフィル76により保持されるため、熱収縮及び熱膨張を低減される。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第2の配線82及び第1のバイアホール91の耐久性を向上させることができる。第3の配線83及び第2のバイアホール92は、第2の方向D2に第1のプリアンプ75に覆われる。FPC22において、第1のプリアンプ75に覆われた領域AC1は、第1のアンダーフィル76により囲まれるため、熱収縮及び熱膨張を低減される。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第3の配線83及び第2のバイアホール92の耐久性を向上させることができる。
【0115】
第1のアンダーフィル76は、第1のプリアンプ75をFPC22に固定する。第2のアンダーフィル78は、第2のプリアンプ77をFPC22に固定する。FPC22に設けられた導体パターン80は、第4の配線84、第5の配線85、第6の配線86、第3のバイアホール93、及び第4のバイアホール94のうち少なくとも一つを有する。第4の配線84は、第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78との間の領域AB2において、第1の面51に沿って第1のアンダーフィル76と第2のアンダーフィル78とを最短距離で結ぶ仮想線LV2が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度θ2で交差する方向に延びる。これにより、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第4の配線84の耐久性を向上させることができる。第5の配線85及び第3のバイアホール93は、第2の方向D2に第1のアンダーフィル76又は第2のアンダーフィル78に覆われる。FPC22において、アンダーフィルに覆われた部分は、アンダーフィルにより保持されるため、熱収縮及び熱膨張を低減される。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第5の配線85及び第3のバイアホール93の耐久性を向上させることができる。第6の配線86及び第4のバイアホール94は、第2の方向に第1のプリアンプ75又は第2のプリアンプ77に覆われる。FPC22において、プリアンプに覆われた部分は、アンダーフィルにより囲まれるため、熱収縮及び熱膨張を低減される。このため、本実施形態のHDD10は、熱応力に対する第6の配線86及び第4のバイアホール94の耐久性を向上させることができる。
【0116】
例えば、HDD10の大容量化により、磁気ヘッド15の数や磁気ヘッド15の端子の数が増加し、FPC22におけるパッド53の数及び配線の数も増加する。また、プリアンプの機能が拡張されることで、第1のプリアンプ75及び第2のプリアンプ77が大きくなる。例えばこれらの要因によって、本実施形態のように、第1のプリアンプ75及び第2のプリアンプ77は、第1の取付部61及び第2の取付部62の近傍に配置されることがある。また、第1のプリアンプ75及び第2のプリアンプ77が互いに近く配置されることがある。第1のプリアンプ75から種々の配線が延びるが、配線の数の増加により、配線のレイアウトが制限される。このため、第1の配線81のような配線が、熱応力が生じる第1の取付部61と第1の実装部63との間の領域AB1を通ることがある。また、第4の配線84のような配線が、熱応力が生じる第1の実装部63と第2の実装部64との間の領域AB2を通ることがある。本実施形態では、第1及び第4の配線81,84が延びる方向の設定により、熱応力に対する第1及び第4の配線81,84の耐久性が向上する。これにより、本実施形態のHDD10は、配線のレイアウトのようなHDD10の設計を大きく変更することなく、熱応力に対する第1及び第4の配線81,84の耐久性を向上させることができる。
【0117】
第1乃至第4のバイアホール91~94は、例えば、第2、第3、第5、及び第6の配線82,83,85,86を差動配線とするために、第1のプリアンプ75の近傍に配置される。一般的に、バイアホールと配線とが接続される部分は、熱応力により損傷する虞がある。しかし、本実施形態では、第1及び第3のバイアホール91,93が第1のアンダーフィル76に覆われ、第2及び第4のバイアホール92,94が第1のプリアンプ75に覆われることで、熱応力に対する第1乃至第4のバイアホール91~94の耐久性が向上する。これにより、本実施形態のHDD10は、配線のレイアウトのようなHDD10の設計を大きく変更することなく、熱応力に対する第1乃至第4のバイアホール91~94の耐久性を向上させることができる。
【0118】
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、フレキシブルプリント配線板は、表面と、第1の部品に固定された第1の固定部と、第2の部品に固定された第2の固定部と、を有する。フレキシブルプリント配線板に設けられた配線は、表面に沿って延び、第1の固定部と第2の固定部との間においては、表面に沿って第1の固定部と第2の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる。フレキシブルプリント配線板が熱収縮及び熱膨張すると、第1の固定部と第2の固定部との間に上記仮想線が延びる方向に熱応力が発生する。本実施形態では、配線は上記仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる。このため、配線が上記仮想線と平行に延びる場合に比べ、上記仮想線が延びる方向と直交する配線の断面積が大きくなる。これにより、本実施形態のディスク装置は、熱応力により対する配線の耐久性を向上させることができる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
表面と、第1の部品に固定された第1の固定部と、第2の部品に固定された第2の固定部と、を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、前記表面に沿って延び、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間においては、前記表面に沿って前記第1の固定部と前記第2の固定部とを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる、配線と、
を具備するディスク装置。
[2]
前記第1の部品は、回転することで前記第1の磁気ヘッドを移動させるロータリアクチュエータを有し、
前記第2の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、プリアンプと、前記プリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定するアンダーフィルと、を有する、
[1]のディスク装置。
[3]
前記フレキシブルプリント配線板は、前記第1の部品に固定された第3の固定部を有し、
前記第2の固定部は、前記第1の固定部と前記第3の固定部との間に位置する、
[2]のディスク装置。
[4]
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第2の磁気ヘッドと、
前記第2の磁気ヘッド及び前記フレキシブルプリント配線板に電気的に接続された第2の配線部材と、
をさらに具備し、
前記第1の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、第1のプリアンプと、前記第1のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第1のアンダーフィルと、を有し、
前記第2の部品は、前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第2の配線部材を通じて、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第2の磁気ヘッドへ出力し、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第2の磁気ヘッドから入力される、第2のプリアンプと、前記第2のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第2のアンダーフィルと、を有する、
[1]のディスク装置。
[5]
前記第1の固定部と前記第2の固定部との間において、前記配線の幅は35μm以下である、[1]乃至[4]のいずれか一つのディスク装置。
[6]
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
回転することで前記第1の磁気ヘッドを移動させるロータリアクチュエータと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
表面と、前記ロータリアクチュエータに固定された固定部と、を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、プリアンプと、
前記プリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定するアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記アンダーフィルとの間においては、前記表面に沿って前記固定部と前記アンダーフィルとを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる第1の配線と、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記プリアンプとの間においては、前記表面と交差する方向に前記アンダーフィルに覆われた第2の配線と、
前記表面に沿って延び、前記固定部と前記プリアンプの幾何中心との間においては、前記表面と交差する方向に前記プリアンプに覆われた第3の配線と、
前記仮想線が延びる方向において前記固定部と前記プリアンプとの間に位置し、前記表面と交差する方向に前記アンダーフィルに覆われた第1のバイアホールと、
前記仮想線が延びる方向において前記固定部と前記プリアンプの幾何中心との間に位置し、前記表面と交差する方向に前記プリアンプに覆われた第2のバイアホールと、
のうち少なくとも一つを有する導体パターンと、
を具備するディスク装置。
[7]
記録層を有するディスク状の記録媒体と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第1の磁気ヘッドと、
前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続された第1の配線部材と、
前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された第2の磁気ヘッドと、
前記第2の磁気ヘッドに電気的に接続された第2の配線部材と、
表面を有し、前記第1の配線部材を介して前記第1の磁気ヘッドに電気的に接続され、前記第2の配線部材を介して前記第2の磁気ヘッドに電気的に接続された、フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第1の配線部材を通じて、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第1の磁気ヘッドへ出力し、前記第1の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第1の磁気ヘッドから入力される、第1のプリアンプと、
前記第1のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第1のアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に搭載され、前記フレキシブルプリント配線板及び前記第2の配線部材を通じて、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報に対応したライト信号を当該第2の磁気ヘッドへ出力し、前記第2の磁気ヘッドが前記記録媒体から読み込んだ情報に対応したリード信号が当該第2の磁気ヘッドから入力される、第2のプリアンプと、
前記第2のプリアンプを前記フレキシブルプリント配線板に固定する第2のアンダーフィルと、
前記フレキシブルプリント配線板に設けられ、
前記表面に沿って延び、前記第1のアンダーフィルと前記第2のアンダーフィルとの間においては、前記表面に沿って前記第1のアンダーフィルと前記第2のアンダーフィルとを最短距離で結ぶ仮想線が延びる方向に対して45°より大きく且つ90°以下の角度で交差する方向に延びる第4の配線と、
前記表面に沿って延び、前記第1のプリアンプと前記第2のプリアンプとの間においては、前記表面と交差する方向に前記第1のアンダーフィル又は前記第2のアンダーフィルに覆われた第5の配線と、
前記表面に沿って延び、前記第1のプリアンプの幾何中心と前記第2のプリアンプの幾何中心との間においては、前記表面と交差する方向に前記第1のプリアンプ又は前記第2のプリアンプに覆われた第6の配線と、
前記仮想線が延びる方向において前記第1のプリアンプと前記第2のプリアンプとの間に位置し、前記表面と交差する方向に前記第1のアンダーフィル又は前記第2のアンダーフィルに覆われた第3のバイアホールと、
前記仮想線が延びる方向において前記第1のプリアンプの幾何中心と前記第2のプリアンプの幾何中心との間に位置し、前記表面と交差する方向に前記第1のプリアンプ又は前記第2のプリアンプに覆われた第4のバイアホールと、
のうち少なくとも一つを有する導体パターンと、
を具備するディスク装置。
【符号の説明】
【0120】
10…ハードディスクドライブ(HDD)、12…磁気ディスク、15,15A,15B…磁気ヘッド、22…フレキシブルプリント配線板(FPC)、43,43A,43B…フレキシャ、49…ロータリアクチュエータ、51…第1の面、61…第1の取付部、62…第2の取付部、63…第1の実装部、64…第2の実装部、71…第1の実装部品、72…第2の実装部品、75…第1のプリアンプ、76…第1のアンダーフィル、77…第2のプリアンプ、78…第2のアンダーフィル、80…導体パターン、81…第1の配線、82…第2の配線、83…第3の配線、84…第4の配線、85…第5の配線、86…第6の配線、91…第1のバイアホール、92…第2のバイアホール、93…第3のバイアホール、94…第4のバイアホール、LV1,LV2…仮想線、CN1,CN2…幾何中心。