(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】パネルのセット、パネルのセットの組み立ての方法、及び家具製品のための固定装置
(51)【国際特許分類】
F16B 12/20 20060101AFI20240219BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20240219BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20240219BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20240219BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
F16B12/20 D
A47B97/00 Z
A47B96/20 C
A47B55/00
F16B12/02 B
(21)【出願番号】P 2020533588
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 SE2018051319
(87)【国際公開番号】W WO2019125291
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-29
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ペーター、デレレブ
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-066308(JP,A)
【文献】特開2002-325638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0202852(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第04229115(DE,A1)
【文献】特表2014-509548(JP,A)
【文献】米国特許第04813726(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 12/20
A47B 97/00
A47B 96/20
A47B 55/00
F16B 12/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(2)及び隣接するパネル(3)を備え
るパネルのセット(1)であって、
- 前記パネル(2)は、溝(21)と、開口(23)を介して前記溝(21)に接続される少なくとも1つの穴(22)とを備え、
- 前記隣接するパネル(3)は、前記パネル(2)の前記溝(21)に配置されるように構成される第1エッジ(31)を備え、
- 前記パネル(2)は、前記隣接するパネル(3)の前記第1エッジ(31)を前記パネル(2)の前記溝(21)において固定するように構成される固定装置(4)を備え、
- 前記固定装置(4)は、シリンダー(41)と、前記シリンダー(41)に接続されるレバー(42)とを備え、
- 前記シリンダー(41)は、前記パネル(2)における前記穴(22)に配置されるように構成され、
- 前記シリンダー(41)は、上部ベース及び下部ベース(43、44)と、前記上部ベース及び前記下部ベース(43、44)を接続する固定面(45)とを備える偏心シリンダー(41)であり、
- 前記シリンダー(41)は、前記穴(22)における軸(A)を中心に前記シリンダー(41)が回転される場合に、カムとして働くように構成され、
- 前記レバー(42)は、回転される場合、前記軸(A)を中心に前記シリンダー(41)を取付位置と固定位置との間で回転させるように構成され、
・ 前記取付位置において、前記隣接するパネル(3)の前記第1エッジ(31)は、前記パネル(2)の前記溝(21)に配置されるように構成され、
・ 前記固定位置において、前記固定装置(4)の前記固定面(45)の一部(45a)は、前記開口(23)を通って前記溝(21)内に延び、前記溝(21)において前記隣接するパネル(3)を固定し、
前記穴(22)は円形穴であり、前記穴の弓形(25)は、前記弓形(25)の高さ(h)で前記溝(21)内に延び、前記弓形(25)の弦(c)は前記開口(23)の幅(w)を定め、
前記固定装置(4)は、いかなる工具も使用される必要のない一体部品である、パネルのセット(1)。
【請求項2】
前記シリンダー(41)の前記固定面(45)は、断面偏心楕円形状又は断面卵形状を有する、請求項1に記載のパネルのセット(1)。
【請求項3】
前記シリンダー(41)の前記固定面(45)は、偏心形状及び/又は卵形状の組み合わせである形状を有する、請求項2に記載のパネルのセット(1)。
【請求項4】
前記固定装置(4)は、前記固定位置において、前記隣接するパネル(3)を、それを前記溝(21)の壁(24)に対して押し付けることによって、前記パネル(2)に対して固定するように設けられる、請求項1~3のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項5】
前記シリンダー(41)の最大直径(dL)は、前記穴の直径(dH)に実質的に等しい、請求項1~4のいずれかに記載のパネルのセット。
【請求項6】
前記固定位置において、前記固定面(45)の前記一部(45a)は、前記シリンダー(41)
の最大直径(dL)の5~25%である長さ(hP)で
、前記開口(23)を通って前記溝(21)内に延びる、請求項1~5のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項7】
前記固定面(45)の前記一部(45a)が前記固定位置において前記溝(21)内に延びる、前記シリンダーの半径方向の長さ(hP)は、前記弓形(25)の高さ(h)に実質的に対応する、請求項6に記載のパネルのセット(1)。
【請求項8】
前記取付位置において、前記シリンダー(41)は前記開口(23)を通って前記溝(21)内に延びない、請求項1~7のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項9】
前記開口(23)を通って前記溝(21)内に延びる前記固定面(45)の前記一部(45a)の長さ(hP)は、前記固定装置が前記取付位置から前記固定位置に移動される場合に、徐々に増大するように構成される、請求項6~8のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項10】
前記シリンダー(41)の前記固定面(45)は1つ以上の隆起(46)を備える、請求項1~9のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項11】
前記1つ以上の隆起(46)は、前記固定面(45)の周囲の少なくとも一部の周りに延びる、請求項10に記載のパネルのセット(1)。
【請求項12】
前記隆起(46)の高さはその延長に沿って変化する、請求項10又は11に記載のパネルのセット(1)。
【請求項13】
前記1つ以上の隆起(46)は、前記固定装置(4)を前記取付位置から前記固定位置に移動させる場合に、前記隣接するパネル(3)を下向きに押すように構成されるらせん形状を有する、請求項10~12のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【請求項14】
前記隣接するパネル(3)は、前記開口(23)に配置されるように且つ前記シリンダー(41)と相互作用して前記隣接するパネル(3)を前記パネル(2)に固定するように構成される第2の穴(32)を備える、請求項1~13のいずれかに記載のパネルのセット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、互いに垂直に配置され、機械的固定装置とともに固定されうるパネルに関する。パネルは、本棚、食器棚、ワードローブ、ボックス、引き出し、又は家具コンポーネントなどの家具製品を得るように、組み立てられ、一緒に固定されてもよい。
【背景技術】
【0002】
WO2014/072080に開示されているように、機械的固定装置が設けられる家具製品が当技術分野で知られている。家具製品は、機械的固定装置によって第2パネルに垂直に接続される第1パネルを備え、当該機械的固定装置は、挿入溝における可撓性舌部と、機械的固定装置内に挿入されて可撓性舌部を動かすピンとを備える。
【0003】
本発明の実施形態は、パネルのより簡単な組み立て及び/又は増大した固定強度を提供する必要性に対処する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の少なくともある実施形態及び態様の目的は、上記の技術及び既知の技術に対する改善を提供することである。
【0005】
本発明の少なくともいくつかのある態様のさらなる目的は、いかなる工具も使用する必要なしで組み立てられるように構成されるパネルの組み立てを容易にすることである。
【0006】
本発明の少なくともいくつかのある態様のさらなる目的は、工具を必要とせずに解体し及び組み立てられるように構成されるパネルの解体を容易にすることである。
【0007】
本発明の少なくともいくつかのある態様のさらなる目的は、製造及び使用が容易な固定装置とともに組み立てられるように構成されるパネルの組み立てを容易にすることである。
【0008】
本発明の少なくともいくつかのある態様のさらなる目的は、一体である固定装置とともに組み立てられるように構成されるパネルの組み立てを容易にすることである。
【0009】
これらのうちの少なくともいくつか及び説明から明らかとなりうる他の目的及び利点は、パネル及び隣接するパネルを備える、好ましくは家具製品用の、パネルのセットによって達成されている。パネルは、溝と、開口を介して溝に接続される少なくとも1つの穴とを備える。隣接するパネルは、パネルの溝に配置されるように構成される第1エッジを備える。パネルは、隣接するパネルの第1エッジをパネルの溝に固定するように構成される固定装置を備える。固定装置は、シリンダー及びシリンダーに接続されるレバーを備える。シリンダーは、パネルにおける穴に配置されるように構成される。シリンダーは、上部及び下部ベースと、上部及び下部ベースに接続する固定面とを備える偏心シリンダーである。シリンダーは、穴における軸を中心にシリンダーが回転させられる場合に、カムとして機能するように構成される。レバーは、回転させられる場合に、シリンダーを取付位置と固定位置との間で軸を中心に回転させるように構成され、取付位置において、隣接するパネルの第1エッジがパネルの溝に自由に配置され、固定位置において、固定装置の固定面の一部が開口を通って溝内に延び、隣接するパネルを溝に固定する。パネルの溝に配置されるのは、溝の深さの方向及び/又は溝の長さに沿った方向でありうる。これによるパネルのセットによって、隣接するパネル及びパネルは、効果的な方法でそして簡単な方法で、互いに対して固定されうる。偏心シリンダーは隣接するパネルに力を加え、隣接するパネル及びパネルを良好な方法で一緒に固定する。固定装置の実施形態は、使用されるべきいかなる工具も必要としない。さらに、固定装置は、使いやすい一体部品であってもよい。さらに、一体部品の固定装置のみを有することによって、固定装置の製造を1つのステップで行うことができ、したがって固定装置のコストを削減することができる。パネルのセットの実施形態は、隣接するパネルが固定装置と相互作用することができるように特定の方法で機械加工される必要がないという利点を含みうる。
【0010】
一態様によれば、シリンダーの固定面は、断面カタツムリ形状、断面偏心形状又は断面卵形状を有し、これらは、簡単な方法で固定装置から隣接するパネルへの必要とされる力を、簡単な方法で達成することができる。
【0011】
一態様によれば、シリンダーの固定面は、カタツムリ形状、偏心形状及び/又は卵形状の組み合わせである形状を有し、これは、取付位置及び固定位置を安定した位置としうること、及び、ユーザーがレバーを回転させる場合に触覚フィードバックを得ることができることという利点を与える。
【0012】
一態様によれば、固定装置は、固定位置において、隣接するパネルを、溝の壁にそれを押し付けることによってパネルに固定するように配置される。
【0013】
一態様によれば、穴は円形の穴であり、穴の弓形(circular segment)は、弓形の高さで溝内に延在し、弓形の弦(chord)は、開口の幅を定める。
【0014】
一態様によれば、シリンダーの最大直径は穴の直径に実質的に等しく、これは、固定装置が摩擦によって穴に固定され、同時に回転されうることを伴う。
【0015】
一態様によれば、固定面の一部は、固定位置において、シリンダーの最大直径の5~25%である長さで、開口を通って溝内に延び、好ましくは、当該長さはシリンダーの最大直径の10~15%である。
【0016】
一態様によれば、固定面の一部が固定位置で溝内に延びるシリンダーの半径方向の長さは、実質的に弓形の高さに対応する。
【0017】
一態様によれば、シリンダーは、取付位置において、開口を通って溝内に延在しない。したがって、溝は隣接するパネルを自由に挿入できる。
【0018】
一態様によれば、開口を通って溝内に延在する固定面の部分の長さは、固定装置が取付位置から固定位置に移動される場合に徐々に増大するように構成され、これは、ユーザーに、隣接するパネルが固定されていることの触覚フィードバックを与える。
【0019】
一態様によれば、シリンダーの固定面は、1つ又は複数の隆起を備え、力を1つ又は複数のポイントに集中させることによって、固定装置が隣接するパネルに及ぼす力を増大させる。隆起はまた、隣接するパネル及び/又は穴の壁に切り込んで、固定装置の強度及び加えられる力を増大させることができる。
【0020】
一態様によれば、1つ又は複数の隆起は、固定面の周囲の少なくとも一部の周りに延在し、固定装置からの力が異なる位置で異ならせうることをもたらす。
【0021】
一態様によれば、隆起の高さはその延在に沿って変化し、これは、固定装置からの力が異なる位置で異ならせうることをもたらす。
【0022】
一態様によれば、1つ又は複数の隆起は、固定装置を取付位置から固定位置に移動させる場合に隣接するパネルを下向きに押すように構成されるらせん形状を有する。
【0023】
一態様によれば、隣接するパネルは、開口に配置されるように且つシリンダーと相互作用して隣接するパネルをパネルに固定するように構成される第2の穴を備える。一態様によれば、シリンダーの固定面は、固定位置において、少なくとも部分的に第2の穴に配置されるように構成される少なくとも1つの隆起を備える。固定装置から加えられる押圧力に加え、シリンダーと相互作用する第2の穴は、さらなる機械的固定を実現する。穴は簡単且つコスト効率の高い方法で実現されうるため、パネルのセットは、隣接するパネルを複雑な方法で加工する必要がないという利点を伴う。
【0024】
一態様によれば、隆起のエッジは、第2の穴の壁と相互作用して隣接するパネルをパネルの溝内に押し下げるように構成される傾斜面を有する。傾斜面を有することにより、隆起は隣接するパネルを溝において下向きに押すことができる。
【0025】
一態様によれば、レバーは、内側端部でシリンダーに接続され、外側端部で固定ピンを備え、当該固定ピンは、固定位置において、穴から距離を置いて溝に配置されるように且つ固定位置から取付位置に向けての回転からレバーを固定するように構成される。
【0026】
一態様によれば、固定装置は、レバーの外側端部が、取付位置において、隣接するパネルから距離を置いて配置され、固定位置において、隣接するパネルに隣接して、好ましくは接触して、配置されるように構成され、これはユーザーが外側端部を掴むこと及び固定装置を回転させることを容易にする。
【0027】
一態様によれば、レバーが、取付位置において、隣接するパネルから約70°から約110°の範囲内で又は本質的に垂直な方向に延びるように、固定装置は構成される。
【0028】
一態様によれば、レバー及びシリンダーを30°~180°、好ましくは90°~180°、回転させることによって、固定装置は取付位置と固定位置との間で移動させられるように構成される。
【0029】
一態様によれば、パネル及び隣接するパネルは、家具製品の後方ピース、フレーム及び引き出しの底部ピースのうちの1つである。
【0030】
上記の特定された目的及び利点と説明から明らかでありうる他の目的及び利点とのうちの少なくともいくつかは、上記による家具製品のための固定装置によって達成されている。
【0031】
上記の目的及び利点と説明から明らかでありうる他の目的及び利点との少なくともいくつかは、上記によるパネルのセットの組み立てのための方法によって達成されている。その方法は、固定装置のシリンダーをパネルの穴に挿入し、固定装置のレバーを回して固定装置を取付位置に位置付けて、隣接するパネルの第1エッジをパネルの溝内に挿入し、レバーを第1方向に回して固定装置を取付位置から固定位置に移動させて、隣接するパネルの第1エッジを溝に固定するステップを備える。
【0032】
一態様によれば、その方法は、レバーを第2方向に回して固定装置を固定位置から取付位置に移動させて、溝における隣接するパネルの第1エッジを固定解除し、パネルの溝から隣接するパネルの第1エッジを取り除く更なるステップを備える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
発明の実施形態が可能であるこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面を参照することで、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになり解明され、当該図面において:
【
図1】
図1は、組み立てられていない状態の発明の一態様によるパネルのセットの斜視図である。
【
図2A】
図2A及び2Bは、組み立てられた状態のパネルのセットの側面図及び固定装置の拡大図を示す。
【
図2B】
図2A及び2Bは、組み立てられた状態のパネルのセットの側面図及び固定装置の拡大図を示す。
【
図3】
図3は、溝及び穴を開示するパネルの一部の断面図である。
【
図4】
図4は、溝及び穴を開示するパネルの一部を上から見た図である。
【
図5】
図5は、溝における隣接するパネル及び穴におけるシリンダーを開示する組み立てられたパネルのセットの一部の断面図である。
【
図6A】
図6A~6Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図6B】
図6A~6Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図6C】
図6A~6Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図6D】
図6A~6Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図7A】
図7A~7Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図7B】
図7A~7Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図7C】
図7A~7Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図7D】
図7A~7Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図8A】
図8A~8Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図8B】
図8A~8Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図8C】
図8A~8Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図8D】
図8A~8Dは、4つの異なる角度からの一態様による固定装置を開示する。
【
図9A】
図9A~9Dは、4つの異なる角度からの、取付位置、取付位置と固定位置との間の中間位置、及び固定位置における一態様によるパネルのセットの斜視図を開示する。
【
図9B】
図9A~9Dは、4つの異なる角度からの、取付位置、取付位置と固定位置との間の中間位置、及び固定位置における一態様によるパネルのセットの斜視図を開示する。
【
図9C】
図9A~9Dは、4つの異なる角度からの、取付位置、取付位置と固定位置との間の中間位置、及び固定位置における一態様によるパネルのセットの斜視図を開示する。
【
図9D】
図9A~9Dは、4つの異なる角度からの、取付位置、取付位置と固定位置との間の中間位置、及び固定位置における一態様によるパネルのセットの斜視図を開示する。
【
図10A】
図10A~10Cは、上からのパネルのセット、及び
図10AのラインG-Gに沿ったパネルのセットの断面図、及び固定装置の拡大を開示する。
【
図10B】
図10A~10Cは、上からのパネルのセット、及び
図10AのラインG-Gに沿ったパネルのセットの断面図、及び固定装置の拡大を開示する。
【
図10C】
図10A~10Cは、上からのパネルのセット、及び
図10AのラインG-Gに沿ったパネルのセットの断面図、及び固定装置の拡大を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の態様は、添付の図面を参照して以下で更に十分に説明される。しかしながら、ここで開示されるパネルのセット及びそれらの部品は、多くの異なる形態で実現されうるものであり、ここに示される態様に限定されるものとして解釈されるべきではない。図面中の同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0035】
ここで使用される用語は、開示の特定の態様を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図されていない。ここで使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。
【0036】
図面及び明細書では、開示の例示的な態様が開示されている。しかしながら、本開示の原理から実質的に逸脱することなく、これらの態様に対して多くの変形及び修正を行うことができる。したがって、開示は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、上述の特定の態様に限定されると見なされるべきではない。したがって、特定の用語が使用されているが、それらは一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的のためではなく、例えば、幅又は広がり又は高さ又は長さ又は直径などの寸法の定義は、異なるように描かれる場合には、典型的な態様がどのように描かれるかに依存しており、一つの描写において示されている幅又は広がりは他の描写における長さ又は厚みである。
【0037】
「備える」という用語は、リストされたもの以外の他の要素又は他のステップの存在を必ずしも除外するものではなく、ある要素に先行する「a」又は「an」という単語は、複数のそのような要素の存在を除外しないことに注意されるべきである。さらに、いかなる参照符号も特許請求の範囲を限定せず、例示態様はハードウェア及びソフトウェアの両方によって少なくとも部分的に実施されうるものであり、いくつかの「手段」、「ユニット」又は「デバイス」は、ハードウェアの同じアイテムによって表されることができることに注意されるべきである。
【0038】
この明細書において「約」という用語が数値に関連して使用される場合、関連する数値は、記載された数値を中心にして+/-10%の許容誤差を含むことが意図されている。
【0039】
ここで開示される発明の様々な態様は、ここで説明される他の態様と組み合わせられることができる。2つ以上の態様が組み合わせられうる。
【0040】
ここで参照される
図1に示されるような本発明の実施形態は、パネルのセット1を開示する。パネルのセット1は、好ましくは家具製品用である。パネルのセット1は、パネル2及び隣接するパネル3を備える。パネル2と隣接するパネル3とは、互いに接続され、互いに直角に交わるように配置されている。パネル2及び隣接するパネル3は各々、好ましくは、4つのエッジ、外面5、6及び内面7、8を備える。その外面及び/又は内面は、装飾層(図示せず)を含んでもよい。
【0041】
パネル2の実施形態は、
図3、4及び5に開示されている。パネル2は、溝21及び少なくとも1つの穴22を含む。穴22は、開口23を介して溝21に接続されている。溝21は、深さD21及び幅Wを有する。溝21は、一態様によれば、パネル2のエッジに平行に延びる。溝21の長さは、一態様によれば、溝21に配置されるべき隣接するパネル3の第1エッジ31の長さ以上である。一態様によれば、穴22の周囲は、溝21の延長とオーバーラップする。穴22と溝21との間の接続を定める平面は、開口23として定められる。穴22は深さD22を有する。一態様によれば、穴22は、貫通穴(図示せず)である。深さD22は、深さD21と同じ又は実質的に同じであってもよく;あるいは、深さD22は深さD21より大きくてもよい。
【0042】
一態様によれば、穴22は、
図3及び4に開示されるように、円形穴22である。穴23の弓形25は、溝21とオーバーラップする。別の言い方をすると、弓形25は、溝21内に延びる。穴22は、弓形25の高さhで、溝21内に延びる。溝21内に延びる弓形25の弦cは、開口23を説明する別の方法である。弓形25の弦cの長さは、開口23の幅wを定める。穴22は、直径dHを有する。
【0043】
溝21は、壁24、29及び底26を有する。穴22は、壁27及び底28を有する。穴22は軸Aを定める。
【0044】
隣接するパネル3は、
図1、2A、及び2Bに開示されるように、第1エッジ31を備える。隣接するパネル3の第1エッジ31は、パネル2の溝21に配置されるように構成される。隣接するパネル3の厚さは、少なくとも第1エッジ31において、パネル2の溝21の幅W以下である。一態様によれば、隣接するパネル3は、第2の穴32を備える。第2の穴32の位置は、それがパネル2の開口23に配置されるように構成されるような位置である。一態様によれば、第2の穴32は、シリンダー41と相互作用して、隣接するパネル3をパネル2に対して固定するように構成される。第2の穴32は壁33を有する。一態様によれば、第2の穴32は、貫通穴32である。一態様によれば、第2の穴32は、底(図示せず)を有する。
【0045】
パネル2は、固定装置4を備える。固定装置4は、隣接するパネル3の第1エッジ31をパネル2の溝21に固定するように構成される。言い換えれば、固定装置4は、隣接するパネル3をパネル2に固定するように適合されている。固定によって、隣接するパネル3の第1エッジ31が、パネル2の溝21から移動することが制限されることが意味される。言い換えると、固定装置4は、隣接するパネル3に加えなければならない少なくとも1つの方向の力を、固定装置4無しで溝21からそれを取り除くために隣接するパネル3に加えなければならない力に比べて、増大させる。例えば、増大された力は、少なくとも2倍大きくてもよいし、又は少なくとも5倍大きくてもよい。
【0046】
固定装置4は、
図5及び
図6A~8Dにおいてより詳細に開示されている。固定装置4は、シリンダー41及びレバー42を備える。レバー42は、シリンダー41に接続されている。シリンダー41は、パネル2の穴22に配置されるように構成されている。シリンダー41は、偏心シリンダー41である。そのシリンダーは、上部ベース43、下部ベース44、及び上部ベース43と下部ベース44とを接続する固定面45を備える。偏心シリンダー41によって、シリンダー41が、異なる方向にその軸の異なる長さを有することが意味される。一態様によれば、シリンダーの偏心形状は、カタツムリ形状、(
図5に開示されるような)楕円形状、卵形状、又は滴形状のうちの1つ又は組み合わせである。一態様によれば、シリンダー41の固定面45は、断面カタツムリ形状、断面偏心形状、断面楕円形状又は断面卵形状を有する。一態様によれば、シリンダー41の固定面45は、
図6A~
図8Dに開示されるようなカタツムリ形状、偏心形状、楕円形状又は卵形状のうちの少なくとも1つ以上の組み合わせである断面形状を有する。一態様によれば、シリンダー41の固定面45は、カタツムリ形状、偏心形状及び/又は卵形状の組み合わせである形状を有する。
【0047】
固定装置4は、熱可塑性材料などのポリマー材料又は金属のうちの1つ又は混合物である材料から作られてもよく、好ましくはガラス繊維などの補強を有する。固定装置4は、射出成形によって製造されてもよい。
【0048】
シリンダー41は、シリンダー41が穴22において軸Aを中心に回転される場合に、カムとして機能するように構成される。シリンダー41は、隣接するパネル3と相互作用し、それが回転される場合にそれを動かしてもよいし、少なくとも隣接するパネル3に力を及ぼしてもよい。シリンダー41の偏心は、シリンダー41が回転される場合に、シリンダー41が回転される中心である軸Aから、固定面45までの特定方向における距離が変化することを伴う。一態様によれば、シリンダー41の最大直径dLは、穴の直径dHに実質的に等しい。実質的に等しいとは、互いに10%以内であってもよいし、又は互いに5%以内であってもよいし、又は互いに3%以内であってもよい。言い換えると、シリンダーの最大直径dLは、固定面45上の2点間のラインに沿った最長距離である。一態様によれば、シリンダーの最大直径dLは、固定面45a上の2点間のシリンダー41の中心点を含むラインに沿った、最長距離である。シリンダー41の最大直径dLを含む直径が穴22の直径と相関するように設計されることにより、シリンダー41は、穴22に配置され、シリンダー41と穴22の壁27との間の摩擦によって穴22における適切な位置に保持されうる。
【0049】
一態様によれば、シリンダー41の固定面45は、
図6A~
図8Dに開示されるように、1つ又は複数の隆起46を備える。一態様によれば、
図6A~Dに開示されるように、固定装置4は、固定面45上に6つの隆起46を備える。一態様によれば、
図7A~Dに開示されるように、固定装置4は、固定面45上に3つの隆起46を備える。一態様によれば、
図8A~Dに開示されるように、固定装置4は、
図8Bに開示されるように、固定面45の一方側に3つの隆起46を備え、
図8A-8Cに開示されているように、固定面45の別の側に1つの隆起46を備える。それらの隆起46は、固定装置4から隣り合うパネル2に及ぼされる力を、隆起46のエッジに集中させる。固定装置4からの力は、隆起46の数の間で分けられる。隆起46の数が少ない場合、各隆起46によって加えられる力は、より多くの隆起46がある場合よりも大きい。一態様によれば、隆起は、穴22の壁26内に切り込むように適合される。一態様によれば、隆起は、
図10に開示されるように、パネル2内に切り込むように適合される。
【0050】
一態様によれば、1つ又は複数の隆起46は、固定面45の周囲の少なくとも一部の周りに延びる。一態様によれば、隆起は、固定面45の全周にわたって延在する。一態様によれば、隆起は、固定面45の周囲の270°~359°で延びる。一態様によれば、隆起は、固定面45の周囲の180°~269°で延びる。一態様によれば、隆起は、固定面45の周囲の90°~179°で延在する。一態様によれば、隆起は、固定面45の周囲の10°~89°で延びる。隆起46は、シリンダー41の半径方向に高さを有する。言い換えると、隆起46の高さは、隆起46が半径方向に延びる距離/長さである。一態様によれば、隆起46は、90°以下である最上部角度を有する三角形の形状を有し、それによって、隆起46は、穴22の壁26と相互作用するように適合された鋭いエッジを有する。
【0051】
一態様によれば、隆起46の高さは、その延長に沿って変化する。言い換えると、隆起46の高さは、固定面45の周囲に沿って変化する。一態様によれば、1つ又は複数の隆起46は、らせん形状を有する。
【0052】
一態様によれば、
図8A~Dに開示されているように、シリンダー41の固定面45は、少なくとも1つの隆起47を備える。一態様によれば、隆起47のエッジは傾斜面48を有する。固定装置4は、隆起47の下方で下部ベース44に突出部分50を備えることができる。突出部分は、穴22の壁27と協働するように構成されてもよく、これにより、固定装置4の傾斜を低減又は防止しうる、
図10Cを参照。
【0053】
レバー42は、
図6A、7A、及び8Aに開示されるように、内側端部42a及び外側端部42bを有する。レバー42は、シリンダー41に接続されている。レバー42の内側端部42aは、シリンダー41に接続されている。レバー42は、一態様によれば、外側端部42bで固定ピン49を備える。一態様によれば、固定ピン49は、パネル2の外面6に対して固定することができる。一態様によれば、外側端部42bは、ユーザーによって動かされるように構成されるハンドルを備える。
【0054】
レバー42は、回転されると、
図9Aに開示されるような取付位置と
図9Cに開示されるような固定位置との間で、軸Aの周りで、シリンダー41を回転させるように構成される。一態様によれば、固定装置4は、レバー42及びシリンダー41を30°~180°回転させることによって、取付位置と固定位置との間で移動されるように構成される。一態様によれば、固定装置4は、レバー42及びシリンダー41を90°~180°回転させることによって、取付位置と固定位置との間で移動されるように構成される。
【0055】
取付位置において、隣接するパネル3の第1エッジ31は、パネル2の溝21に自由に配置される。隣接するパネル3の第1エッジ31は、
図9Aの矢印で示されるように隣接するパネル3をパネル2に向けて動かし、第1エッジ31を溝21内に挿入することによって、溝21に配置される。一態様によれば、シリンダー41は、取付位置では、開口23を通って溝21内に延びない。一態様によれば、シリンダー41は、取付位置において開口23を通って溝21内にわずかに延びてもよい;しかしながら、固定位置において、シリンダー41はさらに溝21内に延びる。
【0056】
一態様によれば、
図9Aに開示されるように、固定装置4は、レバー42が、取付位置において、隣接するパネル3から約70°~約110°の範囲内に又は本質的に垂直な方向に延びるように構成される。
【0057】
固定位置において、
図5に開示されるように、固定装置4の固定面45の一部45aが開口23を通って溝21内に延び、隣接するパネル3を溝21において固定する。固定位置において、隣接するパネル3はパネル2に対して固定される。一態様によれば、固定装置4は、固定位置において、隣接するパネル3を、それを溝21の壁24に押し付けることによって、パネル2に固定するように配置される。溝21内に延びる一部45aは、隣接するパネル3と接触し、それを溝21の壁24に押し付ける。一部45aは、
図5に開示されるように、長さhPで開口23を通って延びる。一態様によれば、固定面45の一部45aは、固定位置において、開口23を通って、シリンダー41の最大直径dLの5~25%である長さhPで溝21内に延びる。一態様によれば、固定面45の一部45aは、固定位置において、開口23を通って、シリンダー41の最大直径dLの10~15%である長さhPで溝21内に延びる。
【0058】
一態様によれば、固定位置において溝21内に延在する固定面45の一部45aのシリンダーの半径方向が、弓形25の高さhに実質的に対応する。換言すると、弓形25の高さhの方向は、固定面45の一部45aの長さhPの方向と同じである。
【0059】
一態様によれば、レバー42の外側端部42bは、取付位置において、隣接するパネル3から距離を置いて配置される。一態様によれば、レバー42の外側端部42bは、固定位置において、隣接するパネル3に隣接して配置される。一態様によれば、レバー42の外側端部42bは、固定位置において、隣接するパネル3と接触して配置される。一態様によれば、固定ピン49は、固定位置において、レバー42を固定位置から取付位置に向けて回転することから固定するように、溝21に配置されるように構成される。一態様によれば、
図9Cに開示されるように、固定ピン49は、固定位置において、穴22から距離を置いて溝21に配置される。
【0060】
一態様によれば、開口23を通って溝21内に延在する固定面45の一部45aの長さは、固定装置4が取付位置から固定位置に移動される場合に徐々に増大するように、構成される。レバー42が取付位置から固定位置に向かって移動されると、開口23を通って延びる固定面45の一部45aのサイズが徐々に増大し、その結果、隣接するパネル3に固定装置4から及ぼされる力もまた徐々に増大する。これは、固定装置4のユーザーに、隣接するパネル3が溝21においてますますきつく固定されるという触覚フィードバックを与える。
【0061】
一態様によれば、隆起47のエッジの傾斜面48は、固定位置において第2の穴32の壁33と相互作用するように構成される。一態様によれば、傾斜面48は、固定位置において、隣接するパネル3をパネル2の溝21において下向きに押すように構成される。
【0062】
一態様によれば、らせん形状の隆起46は、固定装置4を取付位置から固定位置に移動させる場合に、隣接するパネル3を下向きに押すように構成される。一態様によれば、
図10cに開示されるように、少なくとも1つの隆起47は、固定位置において、少なくとも部分的に第2の穴32に配置されるように構成される。隆起47は、さらなる固定として働き、隣接するパネル3を溝21において固定する。
【0063】
一態様によれば、
図10に開示されているように、固定装置が取付位置から固定位置に向かって移動される場合に、隆起は、穴22の壁27に及び/又は隣接するパネル3に切り込むように適合される。固定装置4が回されると、隆起は隣接するパネル3と穴22の壁24とに対して力を及ぼす。その力がある値を超える場合、固定装置4、隣接するパネル3及び壁27の材料に応じて、固定装置4の隆起46は、壁27及び隣接するパネル3の一方又は両方に切り込む。
【0064】
一態様によれば、隣接するパネル3は、さらなるパネル2に対して固定されるように構成されるさらなるエッジを備える。
【0065】
一態様によれば、パネルは、溝21に2つ以上の穴22と、各穴22に配置されるように構成される対応する数の固定装置4とを備える。一態様によれば、パネルは2つ以上の溝21を備える。
【0066】
一態様によれば、パネル2及び隣接するパネル3は、引き出しの底部片、フレーム、及び家具製品の後部片(back piece)のうちの1つである。
【0067】
以下、
図9A~
図9Cを参照して、上記によるパネルのセット1の組立及び解体の方法が説明される。
【0068】
ユーザーがパネルのセット1を組み立てる必要がある場合、次のステップが行われる。固定装置4のシリンダー41が、パネル2の穴22内に挿入される。その後、レバー42が回されて、固定装置4を取付位置に位置付ける。
【0069】
隣接するパネル3の第1エッジ31が、パネル2の溝21内に挿入される。
【0070】
隣接するパネル3の第1エッジ31が溝21に配置されると、レバー42は、
図9Bの矢印によって開示されるように、第1方向に回転され、固定装置4を取付位置から固定位置に移動させて、隣接するパネル3の第1エッジ31を溝21に固定する。
【0071】
一態様によれば、隣接するパネル3のエッジ31は、固定装置4が穴22に配置される前に、パネル2の溝21内に挿入される。その後、固定装置4は、隣接するパネル3及びパネル2に関して取付位置に位置決めされた状態で、穴22内に挿入される。したがって、上記のステップは、隣接するパネル3をパネル2に固定するために特定の順序で実行される必要はない。
【0072】
一態様によれば、固定装置4は、別のユーザーによって又は機械によって工場において穴22内に挿入される。したがって、方法のステップは、異なるユーザーによって又は機械によって実行されるように分けられることができる。
【0073】
一態様によれば、パネルのセット1は、引き出しの底部片、フレーム、家具製品の後部片、及びエッジを補強するためのパネルのうちの1つである。
【0074】
パネルのセット1が組み立てられてそのユーザー又は別のユーザーがパネルのセット1を解体したい後、以下のステップが実行される。
図9Cの矢印で示されているように、レバー42を第2方向に回して、固定装置4を固定位置から取付位置に移動し、隣接するパネル3の第1エッジ31を溝21において固定解除する。レバー42が取付位置に戻される場合、シリンダー41はそれと共に回転する。シリンダー41が取付位置に向かって回転するにつれて、開口23を通って延びる固定面45の一部45aの長さが減少し、したがって隣接するパネル3に対して固定装置4により及ぼされる力も減少される。その後、隣接するパネル3の第1エッジ31は、パネル2の溝21から除去され、パネルのセット1は解体される。
【0075】
一態様によれば、上記のステップが繰り返され、パネルのセット1が再び組み立てられる。一態様によれば、パネル2及び/又は隣接するパネル3は、別の隣接するパネル3及び/又はパネル2に固定される。
【0076】
一態様によれば、パネル2は、幅Wを有する溝21を備え、当該幅Wは、隣接するパネル3の幅T及び固定装置4の最大直径dLと比べて等しいか又はより小さく、隣接するパネル3の幅T及び固定装置4の最小径よりも大きい。一態様によれば、隣接するパネル3のエッジ31及び固定装置4は、溝21に配置されるように構成され、固定装置4は、取付位置と固定位置との間で溝21において回転される。
【0077】
一態様によれば、パネルのセットは、弾性パネルである。弾性パネルは、熱可塑性材料を備えるコアを備える。熱可塑性材料は発泡されていてもよい。
【0078】
熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、或いはそれらの組み合わせを備えうる。コアは、いくつかの層から形成されてもよい。
【0079】
上記の態様は、熱可塑性材料を備える装飾箔などの装飾層を備えうる。装飾層の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、又はそれらの組み合わせでありうる又は備えうる。装飾箔は、好ましくは、例えば直接印刷、グラビア印刷、又はデジタル印刷によって、プリントされる。一態様によれば、装飾層は、メラミン、高圧ラミネート(HPL)又はベニヤを備える。
【0080】
上記の態様は、フィルム又はホイルなどの摩耗層を備えていてもよい。摩耗層は、熱可塑性材料を備えうる。熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0081】
上記の態様は、HDF、MDF、合板、パーティクルボード(particleboard)、OSB又はメゾナイト(masonite)などの木材ベースのコアを備えるパネルを備えうる。