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特許7438969凍結保存バッグの保護のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】凍結保存バッグの保護のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240219BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
C12M1/00 A
B65D77/06 A
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020555421
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019027047
(87)【国際公開番号】W WO2019200145
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】62/655,895
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519421983
【氏名又は名称】バイオライフ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BioLife Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・シュライバー
【審査官】松田 芳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0017609(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0072216(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結保存バッグを保護するためのシステムであって、
保護インターフェースクッション装置であって、
前記凍結保存バッグの第1側を受容するように構成された第1の内部表面を有し、第1の外部表面をさらに含む、上半体と、
前記凍結保存バッグの第2側を受容するように構成された第2の内部表面を有する下半体であって、前記第1側は前記第2側と反対側にあり、前記下半体は第2の外部表面をさらに含み、前記上半体及び前記下半体は、外側寸法を提供するために一緒に固定されている、下半体と、
前記第1の内部表面、前記第1の外部表面、前記第2の内部表面、及び前記第2の外部表面のうちの少なくとも1つを通る開口部を形成するカットアウトであって、凍結手順の間、前記凍結保存バッグの第1の充填量を制限するように構成された、カットアウトと、
前記第1の内部表面及び前記第2の内部表面のうち少なくとも一方に設けられた凹面であって、凍結手順の間に前記凍結保存バッグの第2の充填量を制限するように構成されている、凹面と、
前記第1の内部表面と前記第2の内部表面の間の排除領域であって、前記排除領域は、前記凍結保存バッグの液体内容物を前記第1の充填量および/または前記第2の充填量に変位させるように構成されている、排除領域と、
を含む、保護インターフェースクッション装置と、
保護シェルであって、
前記第1の外表面を受容するように適合可能に構成された上内側表面を有する蓋と、
トレイであって、前記蓋と前記トレイとが一緒に固定されている時に、前記保護シェルの内部寸法が前記保護インターフェースクッション装置の外部寸法と概ね等しい、第2の外部表面を受容するように構成された下内側表面を有する、トレイと、
を含む、保護シェルと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記カットアウトと、前記上内側表面及び前記下内側表面の内の少なくとも1つとの間の近接は、前記凍結保存バッグの一部が凍結手順の間に前記カットアウトを通って膨張し、前記上内表面及び前記下内表面の内の少なくとも1つに接触するように構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記保護インターフェースクッション装置は、熱絶縁性材料を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記熱絶縁性材料は、周囲温度から極低温までの温度範囲にわたって可撓性又は変形性を保つ、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱絶縁性材料は、極低温において衝撃、ショック、加速力のうちの少なくとも1つを吸収するように構成された、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記保護シェルは、低温安定性を有するポリマー材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記保護シェルは、放射線透過性のポリマー材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記カットアウトはカットアウト形状を含み、前記カットアウト形状は、前記凍結保存バッグの第1の充填容積部が凍結手順中に前記カットアウトを介して膨張するときに、前記カットアウト形状が前記凍結保存バッグの第1の充填容積部に付与される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記凹面は凹部形状を含み、前記凹部形状は、前記凍結保存バッグの第2の充填容積部が凍結手順中に前記凹面に膨張した時に、前記凍結保存バッグの第2の充填容積部に付与される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記上半及び前記下半体のうちの少なくとも1つは、積層構成された複数の層を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記上半体は、前記下半体にヒンジ結合されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記上半体は、少なくとも2つのエッジに沿って前記下半体と結合されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記上半体及び前記下半体は、エンベロープ構成又は二層スリーブ構成を含む、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記カットアウトは、充填領域、オーバーフロー領域、及び排除領域からなるグループから選択された少なくとも1つの領域を提供する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
保護インターフェースクッション装置であって、
凍結保存バッグの第1側を受容するように構成された第1の内部表面を有し、第1の外部表面をさらに含む、上半体と、
前記凍結保存バッグの第2側を受容するように構成された第2の内部表面を有する下半体であって、前記第1側は前記第2側と反対側にあり、前記下半体は第2の外部表面をさらに含み、前記上半体及び前記下半体は、外側寸法を提供するために一緒に固定されている、下半体と、
前記第1の内部表面、前記第1の外部表面、前記第2の内部表面、及び前記第2の外部表面のうちの少なくとも1つを通る開口部を形成するカットアウトであって、凍結手順の間、前記凍結保存バッグの第1の充填量を制限するように構成された、カットアウトと、
前記第1の内部表面及び前記第2の内部表面のうち少なくとも一方に設けられた凹面であって、凍結手順の間、前記凍結保存バッグの第2の充填を制限するように構成されている、凹面と、
前記第1の内部表面と前記第2の内部表面の間の排除領域であって、前記排除領域は、前記凍結保存バッグの液体内容物を前記第1の充填量および/または前記第2の充填量に変位させるように構成されている、排除領域と、
を備える、保護インターフェースクッション装置。
【請求項16】
前記カットアウトはカットアウト形状を含み、前記カットアウト形状は、前記凍結保存バッグの第1の充填容積部が凍結手順中に前記カットアウトを介して膨張するときに、前記カットアウト形状が前記凍結保存バッグの第1の充填容積部に付与される、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記凹面は凹部形状を含み、前記凹部形状は、前記凍結保存バッグの第2の充填容積部が凍結手順中に前記凹面に膨張した時に、前記凍結保存バッグの第2の充填容積部に付与される、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記上半体及び前記下半体のうちの少なくとも一方は、積層構成の複数の層を含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記上半体は、前記下半体とヒンジ結合されている、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記上半体は、少なくとも2つのエッジに沿って前記下半体と結合されている、
請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記カットアウトは、充填領域、オーバーフロー領域、及び排除領域からなるグループから選択された少なくとも1つの領域を提供する、
請求項18に記載の装置。
【請求項22】
液体サンプルを扱うための方法であって、
請求項1-21のうちいずれか1つに記載の保護インターフェースクッション装置内に凍結保存バッグを配置するステップと、
前記凍結保存バッグに液体サンプルを挿入するステップと、
前記保護インターフェースクッション装置の外側表面を第1の閉じ込め構造に接触させるステップと、
前記保護インターフェースクッション装置が前記第1の閉じ込め構造により接触されている間に、前記液体サンプルを凍結させるステップと、を含む、
方法。
【請求項23】
前記保護インターフェースクッション装置の前記外部表面を前記第1の閉じ込め構造に接触させるステップの前に、請求項1,6,7のうちいずれか1つの保護シェルにおいて、前記保護インターフェースクッション装置及びその中に配置された前記凍結保存バッグを封入するためのステップをさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の閉じ込め機構は凍結装置である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記凍結された液体サンプルを含む前記凍結保存バッグ及び保護インターフェースクッション装置を前記第1の閉じ込め構造から除去するためのステップをさらに含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記凍結された液体サンプルを含む前記凍結保存バッグを前記保護インターフェースクッション装置から除去するためのステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記凍結された液体サンプルを解凍するためのステップであって、
前記凍結された液体サンプルを含む前記凍結保存バッグ及び前記保護インターフェースクッション装置を、加熱装置である第2の閉じ込め構造に接触させるステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記凍結保存バッグの一部分を、前記保護インターフェースクッション装置のカットアウトを介して接触させることで、前記凍結された液体サンプルを加熱するためのステップをさらに含む、
請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結保存バッグを保護するためのシステム及び方法に関する。特に、本発明は、凍結、保存、輸送、及び解凍プロセス中に、凍結保存バッグへの衝撃、ショック、及び加速損傷からの保護を提供する装置に関する。本発明はまた、内容物の凝固時に凍結保存バッグの容積寸法及び表面形状を制御する装置にも関する。加えて、本発明は、凍結保存バッグの安全かつ確実な取り扱いを容易にし、凍結保存バッグを凍結、保存、及び解凍の機械及び器具とインターフェースさせるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
極低温での凍結保存による細胞懸濁液の長期保存は、確立された技術である。多細胞の構造物及び生物に加えて、多種多様な単細胞の種は、制御された速度の温度低下における続く凍結を用いて、凍結保存液中の懸濁液を通じて無期限に保存され得る。細胞懸濁液が凍結される極低温の保存容器は、典型的には、液体窒素により冷凍される真空断熱タンク内に長期保存されるが、この目的のために機械的な冷凍システムが適用されてもよい。このような方法で保存された細胞懸濁液は、温度を維持するための冷媒として液体窒素を吸収性材料に導入した真空断熱フラスコを用いて、-196℃~-150℃の極低温状態を維持しながら遠隔地に輸送され得る。このような容器は、しばしば「ドライシッパー」と呼ばれる。また、-80℃~-50℃の範囲の短期的な温度変化が細胞の生存性を著しく損なわない場合、ドライアイスを冷媒とする断熱容器も適用され得る。凍結された細胞懸濁液は、目的地に到着した後、現地の長期保存システムに移送されるか、又は冷凍輸送システムから回収して直接使用され得る。使用に先立って、凍結された細胞懸濁液は、解凍されて保存容器から回収されなければならない。凍結、現地輸送、現地保管、輸送、遠隔受け取り、遠隔保管、遠隔輸送、及び解凍を含む凍結保存システムを取り巻く取り扱いプロセス、保持条件及び文書は、しばしば「コールドチェーンオブカストディ(cold chain of custody)」と呼ばれる。
【0003】
解凍された細胞懸濁液に対して、様々な解凍後の処理を行ってもよい。処理のいくつかの例は、試験及び評価、濃縮、流体交換、細胞集団の培養拡大、細胞選別、及び細胞工学等を含む。代替的に、いくつかの細胞治療薬について、解凍された細胞懸濁液は、受容者に直接投与されてもよい。細胞治療の分野における最近の継続的な進歩により、製薬業界は、コールドチェーンオブカストディのあらゆる細部に鋭い関心を持っている。障害がプロセスのどの段階で発生しても、治療薬の有効性が低下したり、製品が使用できなくなったりする可能性がある。細胞治療薬は比較的高い製品コストに関連し、受容者にとっては生存の唯一の希望でもあり得るため、コールドチェーンオブカストディの間に製品の完全性を維持することは非常に重要な考慮事項である。このように、冷凍懸濁液保存容器の信頼性は、不可欠な特性である。
【0004】
一般的なタイプの極低温保存容器は、「凍結保存バッグ」、「凍結保存バッグ」、又は「凍結保存バッグ」とも呼ばれる柔軟性のある壁式保存バッグである。市販されている(先行技術の)凍結保存バッグ100の非限定的な表現を図1に示す。凍結保存バッグ100は、可撓性ポリマー材料の2層の積層体を含み、各層は、それ自体が異なるポリマー材料を含む積層体であってもよい。凍結保存バッグ100は、2つの側縁101、103と、下縁102と、上縁104とを備える。2つの積層された層は、アクセスポート構造体106及びフィラーチューブ130によって中断される場所を除くすべてのエッジの周りに連続した閉路を形成する融合シーム105で接合され、それによって、フィラーチューブ130を介して流体が導入され、それによって収容され得るチャンバ110を形成する。袋115の底部には、袋をハンガー装置から吊り下げる目的で設けられた貫通スロット125の配置を可能にするために、袋115の底部に設けられた第2の密閉領域が、しばしば設けられている。バッグのいくつかのバージョンでは、データ又は識別情報を有するカード材料が挿入され、そこに形成された凹部ポケット内に格納され得るような、密封されていない一方の端部126の長さに隣接する領域120を備え得る。商業的に提供されるように、フィラーチューブは、複雑でしばしば分岐したチューブのシステム(図示せず)と連続しており、各分岐は、様々なカプラー又はポートシールのうちの1つで終端している。一般的な使用では、袋チャンバ又はパウチ110の充填に続いて、チューブ130は、延長部として不特定の長さを残してヒートシール(シールは図示せず)される。しばしば、延長部はもし存在するなら、バッグの流体内容物の一部によって占有されてもよく、間隔をおいてヒートシールされ(図示せず)、切断によって分離され、実験室試験を含む様々な目的のために使用され得るサンプル容積を残す。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの外面は、印刷された又はエンボス加工された英数字などの識別情報を含む。いくつかの実施形態において、凍結保存バッグの外面は、情報カードを保持するように構成されたモールドポケットを備える。
【0005】
凍結保存バッグの使用のための一般的な手順は、選択された容量までバッグを充填することを含み、その後、チューブ延長部は、しばしば、ポートに近い場所でヒートシールされ、チューブアセンブリの残りの部分は、切断されて廃棄される。いくつかのケースでは、使用者は、解凍後、細胞溶液のセグメントが様々な試験目的のために分離され得るように、断続的にシールされたポート領域に取り付けられたチューブの短い延長部を残すであろう。ポートの端部と反対側のバッグの端部は、密封領域の延長部を構成してもよく、その中には、バッグを吊り下げ装置に吊り下げることができるスロットが配置されていてもよい。凍結保存バッグのこの辺を「底辺」と呼び、凍結保存バッグの残りの2辺を「横辺」と呼ぶことがある。バッグの四辺がコプレーナであり、バッグの表面が重力場ベクトルに垂直な方向を「フラット方向」と呼ぶことがある。袋の表面が重力場ベクトルに平行で、ポートの端部が上にある場合、この方向は「直立方向」と呼ばれ、延長部と吊り溝のある端部が上にある場合、この方向は「反転方向」と呼ばれることがある。
【0006】
いくつかの手順では、凍結保存バッグは、凍結プロセスの一部として、保存カセット又は出荷カセット内に封入される。ここで図2を参照すると、市販の(先行技術の)カセット200の非限定的な表現が示されている。カセット200は、アルミニウムシート金属からなり、そこに含まれる凍結保存バッグ230の封入及び保護のために構成されている。アルミニウムシートカセットは、典型的には、蓋をケースに接続する側面205に沿った2つの貫通ピン又はリベット215によって接合された蓋210を備える。蓋210の閉鎖時には、Uチャンネルクラスプ220がリベットヒンジ225上で回転されてケースと蓋を捕捉し、それによってカセット内部の収納バッグの筐体を固定する。代表的なバッグ230及びカセットは、所定のバッグサイズ(公称容積500mlの凍結保存バッグ)のために縮尺で描かれていることに留意すべきである。そのように、示されている空の内部余白235もまた、縮尺に描かれており、通常の使用の下で、カセットの外部からの力の適用によるカセット内のバッグの慣性移動がどのように起こるかを示しており、もし力が十分に大きい場合には、カセットの内壁とバッグの端部との間の衝突が起こりやすい結果となることを示している。バッグ及び内容物の凍結前、ならびに輸送、保管、及び出荷の間に示されたタイプのアルミカセット内に凍結保存バッグを格納することは、ほぼ普遍的な慣行であるので、これらのコールドチェーン段階の総和の間のある時点で、凍結保存バッグの端部とカセットの内壁との間に1つ以上の衝突事故が発生し、それぞれの事故が凍結保存バッグに損傷を与える危険性があることは理解できる。凍結保存バッグの材料は、極低温では柔軟性がなく脆くなるため、硬い凍結状態にある間にチューブの延長部に衝撃を与えるような、カセットに対するバッグの相対的な移動や移動は、チューブとクライオバッグの継ぎ目の接合部に回転トルクを与え、接合部の周囲でしばしば決裂(fractures)を引き起こすことになる。
【0007】
凍結保存バッグの柔軟な特性及び壊れやすい設計の結果として、これらのタイプの凍結保存容器を準備して凍結する際には、一般的に様々な手順が踏まれ、制約が適用される。例えば、凍結保存バッグの厚さを制御するために、バッグは、典型的には充填量が制限され、バッグの主要な平面が重力ベクトルに対して垂直になるような配向(「フラット」方向とも呼ばれる)で凍結される。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ及び内容物の厚さを制限し、制御するために、充填されたバッグは、剛性のあるカセット内に保存されている間に凍結されてもよい。しかしながら、凍結プロセス中の努力にもかかわらず、可撓性の凍結保存バッグ内の水溶液の自然な膨張は、表面の不均一なばらつき、寸法、及び溶液の厚さをもたらし、これは望ましくない可能性があり、解凍時の凍結サンプルの生存可能性に間接的に影響を与えるかもしれない。
【0008】
細胞又はサンプルの損傷は、内容物の同一性を確認するために出荷用カセットを取り扱い、移動させ、及び/又は開封する際のユーザの接触の結果としての温度変動により、さらに発生する可能性がある。これは、カセットがアルミニウムなどの熱伝導性材料を含む場合に特に当てはまる。さらに、いくつかのカセット材料は、カセット内に含まれるRFIDタグなどの様々な技術の遠隔スキャンを妨げるファラディケージとして機能する。
【0009】
従って、現在、敏感な冷凍材料を調製し、輸送し、貯蔵するための様々な方法及び装置が存在するが、課題は依然として存在する。本発明の装置及び方法は、これらのニーズに対処し、これを満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、凍結保存バッグの凍結、保存、輸送、解凍プロセス中に、凍結保存バッグに衝撃、衝撃、加速度損傷からの保護を提供する装置に関する。また、本発明は、内容物の凝固時に凍結保存バッグの容積寸法及び表面形状を制御する装置に関する。さらに、本発明は、凍結保存バッグの安全で確実な取り扱いを容易にし、凍結保存バッグを凍結、保存、解凍の機械器具とインターフェースさせるための装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、低コストで使い捨ての凍結保存バッグ用保護カセット又はシェルに向けられており、ここで、保護シェルは、一般的なプラスチックリサイクルシステムを介してリサイクルすることができ、無線又は可視電磁気波長に対して不透明ではなく、また、凍結保存バッグと保護シェルとの間の衝突による損傷を低減又は排除するために、凍結保存バッグと保護シェルとの間に介在された保護界面クッション装置を備え、さらに、保護シェルとの非保護接触時に皮膚凍結の危険性を低減する。いくつかの実施形態では、保護シェルの材料は、凍結保存バッグを取り扱う際のグリップの安全性の向上をさらに提供し、凍結保存バッグを凍結器具、保管システム、輸送システム、及び解凍器具内に正しく配置する。
【0012】
第2の態様において、本明細書に記載のシステム及び方法は、好適な構成を利用するように特別に設計された凍結、保存、輸送及び解凍装置と、凍結保存バッグ及び内容物との相互作用を大幅に促進する構成で凍結サンプルを調製し、それにより、装置に関連するプロセスの1つ以上の性能パラメータを強化する。
【0013】
第3の態様において、凍結保存システム装置は、凍結保存バッグ及びその内容物の充填、凍結、保存、輸送、追跡及び/又は解凍のプロセスを最適化するように構成された1つ以上の所望の装置に凍結保存バッグを構成及び適合させる装置で、一般的に入手可能な凍結保存バッグ容器を包み込むための保護界面クッション装置を備える凍結保存システム装置が提供される。システム及び方法のいくつかの態様は、凍結保存バッグと周囲の硬質保護シェルとの間にエネルギー吸収及び力分散材料を介在させるように、市販の凍結保存バッグ又はカスタム設計の凍結保存バッグへの保護界面クッション装置の封入、取り付け、及び位置決めに関連する。
【0014】
第4の態様において、本発明は、凍結保存バッグ内に含まれる液体及び固体の、(i)位置、(ii)幾何学的形状、及び(iii)境界、のうちの少なくとも1つを制御するための1つ以上の方法及び装置を提供する。いくつかの実施形態では、この制御は、市販されているか又はカスタム設計された凍結保存バッグへの保護界面クッション装置の取り付け及び位置決めによって達成される。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ内の液体の位置決め及び選択的封じ込めのためのシステム及び方法は、得られる固体塊が凍結保存バッグ内の選択された幾何学的形状及び位置を達成するような凝固プロセス中に達成される。いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法の適用から生じる成形形状は、その形状が、凍結保存バッグに対する運動衝撃、衝撃又は加速度の損傷可能性の低減に寄与することを可能にする。いくつかの実施形態では、本発明のシステム及び方法の適用から生じる固体成形形状は、解凍プロセスの使いやすさ、解凍速度、相分離、及び温度制御の側面を最適化するために、予め配置された幾何学的に構成された形状を利用した解凍装置を構築することを可能にする。本発明の他の態様では、極低温での保護界面クッション装置及び凍結保存バッグアセンブリの安全かつ安全な取り扱いを向上させる特性及び構造を有する保護界面クッション装置が提供される。さらに、いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置であって、例えば組立装置、バッグ充填装置、凍結保存装置、ロボットアーカイブ装置、解凍装置などの機械類との相互作用を可能にするか、又は最適化するための1つ以上の特徴を含む保護界面クッション装置が提供される。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、意図的な分離を容易にするために予め構成された1つ以上の縫い目を備え、それにより、凍結保存バッグを保護界面クッション装置から容易に挿入及び除去することができる。
【0015】
第5の態様において、上記の保護界面クッション装置及び凍結保存バッグアセンブリの選択された表面を包んで直接係合させることができる保護シェルが提供される。いくつかの実施形態では、保護シェルは、極低温から周囲温度までの温度範囲にわたって、保護シェルを可逆的に組み立て及び分解することを可能にするように構成された2つ以上の組立部品を備える保護シェルが提供される。いくつかの実施形態では、保護シェルの様々な部分が互いに係合し、締結された構成又は締結されていない構成を達成するために部品の一時的な歪みを必要とする特徴によって固定される。いくつかの実施形態では、保護シェルの独立したラッチ部品は、使用中にシェル部品の締結及び解除を補助するために、硬質シェルの様々な係合片の抵抗を克服するように構成されている。
【0016】
第6の態様において、保護シェル半体ラップアクセスを確保するのに役立つ設計要素に加えて、選択された位置で保護シェルの内部へのフラップアクセスを形成するカットアウト領域及び経路を備える保護シェルが提供される。保護シェルのいくつかの変形例は、様々な延長部、形状のフランジ特徴、及び/又は特定の機械、例えば、組立装置、凍結器具、解凍器具、ロボット保管機構、出荷容器、ロボット輸送又は選別機械、及び手動工具との相互作用のためのアタッチメント又はグリッピングポイントを提供する追加の付属品を備える。
【0017】
第7の態様において、本発明は、凍結プロセスの前及び後に、保護界面クッション装置及び代替的に保護シェルを使用して、前記保護界面クッション装置内及び凍結保存バッグアセンブリ内の凍結保存バッグの内容物の位置を選択的に構成するための方法を含む。方法のいくつかの態様は、記述された形状の幾何学的形状を達成するための好適な凍結装置の記述に加えて、凍結プロセス中の液体内容物の凝固時に上記のアセンブリ内の凍結保存バッグの内容物の特定の幾何学的形状を形成することに適用される。同様に、方法のいくつかの態様は、本発明の方法、システム及び装置が適用される場合に、本発明によって利用可能になる1つ以上の性能パラメータ、例えば、融解率の向上、融解プロセス中及びそれに続く間の液状内容物の過熱の防止、融解プロセス中の液相及び固相の動的及び自動分離、及び融解装置の使用の容易性の向上を含むがこれらに限定されない、融解装置及び融解装置要素を用いて、達成された1つ以上の凍結形状を使用することに関連する。
【0018】
本発明のこれらの及び他の側面、実施形態、及び利点は、添付の図面及び以下の詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】先行技術の凍結保存バッグ装置の透視図
図2】先行技術のリジッド格納カセット又は輸送カセット内に格納された先行技術の凍結保存バッグの、開放構成における透視図
図3】本発明の代表的な実施形態に係る保護界面クッション装置の透視上面図
図4A】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置の分解透視図、並びに、凍結処理後の凍結保存バッグの領域マップ
図4B】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置の分解透視図、並びに、凍結処理後の凍結保存バッグの領域マップ
図5A】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置の前面図
図5B】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置の前面図
図6】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置内に組み立てられた空の凍結保存バッグの透視図
図7A】本発明の代表的な実施形態に係る、凍結処理後の保護界面クッション装置内に組み立てられた充填された凍結保存バッグの透視図
図7B図7Aの凍結保存バッグ及び保護界面クッション装置の断面図
図8A】本発明の代表的な実施形態に係る、予め構成されたシームを備える、凍結処理後の保護界面クッション装置内に組み立てられた充填された凍結保存バッグの透視図
図8B図8Aの凍結保存バッグ及び保護界面クッション装置の断面図
図9】本発明の代表的な実施形態に係る、保護界面クッション装置とラッチ部を有する保護シェルを備える凍結保存バッグ格納システムの分解透視図
図10A】本発明の代表的な実施形態に係る、組み立て式の凍結保存バッグ保存システムの透視図
図10B図10Aの組み立てされた格納システムの断面図
図11】本発明の代表的な実施形態に係る、凍結保存バッグ保存システムの保護シェルのスイープされたリプ及びリム特徴を示す詳細断面図
図12】本発明の代表的な実施形態に係る、係合構成の保護シェルのコーナーラッチの詳細断面図
図13】本発明の代表的な実施形態に係る、保護シェルのコーナースナップロック係合機構の詳細断面図
図14A】本発明の代表的な実施形態に係る、保護シェルの締結ラッチの上面寸法図
図14B】本発明の代表的な実施形態に係る、保護シェルの締結ラッチの底面寸法図
図14C】本発明の代表的な実施形態に係る、保護シェルの締結ラッチの側面寸法図
図15A】本発明の代表的な実施形態に係る、切り出しスロットを有する組み立てられた保護シェルカセットの上面図
図15B】本発明の代表的な実施形態に係る、係合構成の切り出しスロット及びコーナーラッチを有する組み立てられた保護シェルカセットの上面図
図16A】本発明の代表的な実施形態に係る、外部凍結器具部品と共に使用される保護界面クッション装置内の凍結保存バッグの透視図
図16B】本発明の代表的な実施形態に係る、外部凍結器具部品による凍結プロセスに続く保護界面クッション装置内の凍結保存バッグの透視図
図16C図16Bの保護界面クッション内の凍結保存バッグの断面図
図17A】本発明の代表的な実施形態に係る、解凍手続きに先立って、外部解凍器具部品に近接した保護界面クッション内の凍結保存バッグの透視図
図17B】本発明の代表的な実施形態に係る、外部解凍器具構成要素に接し、解凍手順を受けている保護界面クッション内の凍結ストレージの透視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、均一で一貫した凍結及び解凍手順を最適化するように構成された特徴を有する凍結保存バッグのための保存システムを提供するとともに、輸送及び保存中の凍結保存バッグ及びその内容物の保護を提供する。本発明の保存システムは、市販の凍結保存バッグで動作するように構成されており、既存又は将来の凍結保存バッグとの互換性のために適合させることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグのための保存システムが、保護界面クッション装置、保護界面クッション、クッション装置、又は、凍結保存バッグを受けるように構成された上半部と下半部とを有するクッション装置を備えて提供され、ここで、凍結保存バッグは、クッション装置の上半部と下半部との間に介在される。いくつかの実施形態では、上半部及び下半部は、別個のピースである。いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、上半体及び下半体の側方又は上半体又は下半体の端部に沿って、ヒンジ状に取り付けられている。いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、凍結保存バッグを受けるように構成された封筒又は二層スリーブを形成するように、2つ以上の端面で取り付けられている。
【0022】
いくつかの実施形態では、上部及び/又は下部半体は、半体の内面に形成された1つ以上のカットアウト及び/又は1つ以上の凹部を含み、ここで、これらの特徴は、凍結保存バッグ内の溶液の所望の形状又は構成を、凍結プロセスの間及びその後に達成するために提供され、型として機能する。上部及び/又は下部半体は、バッグポート又はバッグポート延長チューブへのアクセスを提供するために、又は保護界面クッションと凍結保存バッグのポート又はポート延長チューブとの干渉を防止するために、1つ以上の開口部をさらに含んでいてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、さらに2つ以上の積層された層に分割される。他の実施形態では、追加の材料の層が、上半体と下半体の間に、具体的には上半体と下半体の少なくとも一方の縁に沿って挿入される。保護界面緩衝材の層は、単一の接合方法又は方法の組み合わせによって、任意の経路に沿って接合されてもよい。いくつかの実施形態では、層は、保護界面緩衝材のエッジに排他的に近接して、エッジに沿って接合され、他の実施形態では、層は、エッジからよりオフセットした経路に沿って接合され、エッジに垂直な経路に沿って接合され、又は曲率を含む経路に沿って接合される。いくつかの実施形態では、接合部は、すべてのクッション層を接合してもよく、いくつかの実施形態では、接合部は、積層体のサブセットのみを接合してもよい。いくつかの実施形態では、保護クッション積層体は、ステッチ、接着剤結合、熱融着溶接、超音波融着溶接、無線周波数融着溶接、又は固体ストリップ、フレームワーク、又はステープルの間の捕獲によって接合されてもよい。いくつかの実施形態では、一部又はすべての積層された層を捕捉する固体体又は固体材料は、クッション装置を外部の付属品、機械又は器具と保持、吊り下げ又は係合するための強化された又はより剛性の高い領域を形成してもよい。いくつかの実施形態では、これらの固体体又は固体材料は、積層された層に開口部を形成する1つ以上の貫通穴又は他の特徴を取り囲む1つ以上の捕捉体を提供する。
【0024】
一般に、凍結保存バッグの一部は、凍結プロセス中に凍結保存バッグの液体内容物が固化すると、1つ以上のカットアウト及び/又は1つ以上の凹部内に膨張する。保護界面クッション装置のその後の除去時に、凍結保存バッグ及びその内容物の結果的及び所望の形状又は構成は、凍結保存バッグの保存を助けることができる。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ及びその内容物の、結果物及び所望の形状又は構成物は、外部解凍機構の設備及び/又は構成物との最適化された相互作用を提供するためなど、凍結保存バッグの内容物を処理するために利用される。
【0025】
凍結プロセスに続いて、保護界面クッション装置の上半体及び下半体の1つ以上のカットアウト及び/又は1つ以上の凹部は、凍結された内容物にクッション性を提供し、ヒートシールされた縫い目などの凍結保存バッグの壊れやすい要素を保護するとともに、保護界面クッション装置及び保存システムの他の要素に対する凍結保存バッグの望ましくない動き又は移動を防止する。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、極低温で衝撃、衝撃、及び加速力を吸収するように構成された熱絶縁性材料を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、保管システムはさらに、第1の半体と第2の半体とを備える保護シェルカセットを含み、各半体は、保護界面クッション装置の少なくとも一部と、そこに保管されている凍結保存バッグとを受け止めて収容するための内部表面を有する。いくつかの実施形態では、内部表面は、カセットの2つの半体が閉じた構成で接合されたときに、保護界面表面が保護シェルカセット内で動き又は移動することが防止されるように、そこに格納された保護界面クッションの位置を正確に受容して確実に保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、保護シェルカセットの内部表面の1つ以上の部分は、凍結プロセスの間及びそれに続く凍結保存バッグ内の溶液の所望の形状又は構成を達成するために金型として提供される形状又は他の特徴を備える。いくつかの実施形態では、凍結プロセス中に平面の内部表面に接触する凍結保存バッグの任意の部分が平坦になるように、保護シェルカセットの内面は平面である。いくつかの実施形態では、内部表面の一部が凹んでいる。いくつかの実施形態では、内部表面の一部は突出している。
【0027】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ保存システムは、保護界面クッション装置のみからなる。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ保存システムは、保護界面クッション装置の選択された表面と直接接触するように構成された保護シェルと組み合わせて使用される保護界面クッション装置を含み、保護界面クッション装置及び保護界面クッション装置内に配置された凍結保存バッグを完全に又は部分的に取り囲んでいる。いくつかの実施形態では、保護シェルはさらに、凍結プロセス中に保護界面クッション装置内に配置された凍結保存バッグの1つ以上の部分に接触するように構成された1つ以上の表面を備える。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、保護シェルなしで使用されることが意図されており、例えば、凍結器具と係合するとき、又は解凍器具と係合するときに使用されることが意図されている。他の実施形態では、保護界面クッション装置は、保護シェル内に収容され、保護シェルと共に使用されることが意図され、例えば、その中に配置された凍結保存バッグの凍結、保管、又は輸送の間に使用される。
【0028】
いくつかの実施形態では、保護シェルは、極低温で寸法安定性のある剛性材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェルは、凍結プロセス中に凍結保存バッグの内容物からの内圧の増加に起因する膨潤又は横方向の膨張に対して耐性を有する剛性材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェルは、無線透過性材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェルは、視覚的に透明な材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェルは、熱絶縁性材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェルは熱伝導性材料を含む。
【0029】
以下の議論では、方向の参照は、市販の(例えば図1及び図2に示されるような)様々な先行技術の凍結保存バッグに現れる特徴に関連して説明される。
【0030】
本発明のいくつかの特徴は、概して図3図17に記載されているが、これらは本発明の実施形態を例示する目的で提供されており、その範囲の制限を構成するものではない。
【0031】
ここで図3を参照すると、保護界面クッション装置300が示される。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置300は、上半体301及び下半体302を備える。上半体301及び下半体302は、任意の数の層を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、上半体301及び下半体302はそれぞれ単一の層を含む。他の実施形態では、上半体301及び下半体302の少なくとも1つは、2層以上の層を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、上半体及び下半体の輪郭境界線は、名目上は長方形の形状であり、いくつかの実施形態では、1つ以上のコーナー又は半体は、ミタードエッジ(mitered edge)309でトリミングされている。
【0033】
いくつかの実施形態では、上半体301及び下半体302は、1つ以上の辺に沿って縫い目で接合される。例えば、いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、側端エッジ305,307のうちの少なくとも1つに沿って接合される。いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、下端エッジ306に沿って接合される。いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、上端エッジ308の少なくとも一部に沿って接合される。いくつかの実施形態では、上半体及び下半体は、側方エッジ305及び307の少なくとも一部、下端エッジ306の少なくとも一部、又は上端エッジ308の少なくとも一部に沿って接合される。いくつかの実施形態では、エッジ表面は、半体の絶対エッジからいくらかの距離だけオフセットされた位置で接合される。個々のエッジについてのオフセット距離は、エッジごとに異なっていてもよく、エッジに沿って変化してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、上半体301及び下半体302の少なくとも一方は、カットアウト空間をさらに含む。いくつかの実施形態では、両方の半体を通って延びるカットアウト空間310,325,345,340が提供される。いくつかの実施形態では、領域350,330は、一方の半体のみから、一方の半体の深さの一部分、両方の半体の深さの一部分、又はそれらの組み合わせから除去されてもよい。いくつかの実施形態では、部分的又は完全なカットアウト空間(即ち、除去された領域)は、除去された領域の境界と保護界面クッション装置300のシームとの間の距離が、保護界面クッション装置300の周囲エッジに対して法線で測定されるように、残材315,316,317のマージンによって定義されたフレーム(即ち310)を提供する。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置300の残材表面316,317は、横方向のシーム305,307のような対向する周囲エッジの間で連続している。いくつかの実施形態では、境界フレーム縁315から、フレーム310を提供する切り出し領域内へと延在する1つ以上の突起320が提供される。
【0035】
いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置300は上部領域335を含み、ここで上部領域335は、図示されているように、完全な厚さ、又は薄められた厚さを含み得る。この上部領域335では、半体の層は、独立していてもよく、1つ以上のシームによって接合されていてもよく、又は1つ以上の接合方法によって領域全体にわたって接合されていてもよく、これは熱融着を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、シーム305,306,307,308は、ステッチプロセス、ヒートシール、超音波溶着、高周波溶着、接着剤結合、ステープル、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって接合される。いくつかの実施形態では、貫通スロット345が上部領域335に設けられている。いくつかの実施形態では、貫通穴340が上部領域335に設けられている。
【0036】
保護界面クッション装置300は、極低温で衝撃、ショック及び加速力を吸収するように構成された任意の材料又は材料の組み合わせを含み得る。周囲温度で可撓性であるほとんどの材料は、極低温で硬くなるので、極低温で可撓性かつ圧縮可能なままであるクッション材料を選択することは、その用途にとって有益であり得る。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置300は、周囲温度から極低温までの温度範囲にわたって可撓性又は変形可能なままである熱絶縁性材料を含む。高分子繊維は極低温において圧縮クッション効果を維持するために十分に可撓性を維持し得るため、いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、繊維状の合成ポリマー材料を含み得る。さらに、合成ポリマー繊維マット又はフェルト材料は、材料ストックから硬質介在物が確実に存在しないような密度及び構造の均一なものを適用してもよい。さらに、繊維状の熱可塑性フェルト材料は、ステッチボンディング又は熱融着を含む様々な方法で接合又は接着されてもよい。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、ポリプロピレンフェルト材料から構築されてもよい。ポリプロピレン繊維から構築されたフェルト材料は、様々な密度、圧縮性、剛性及び厚さの範囲で市販されている。他の実施形態では、保護界面クッション装置は、ポリプロピレン以外のポリマーから構築された繊維マット又はフェルトから構成されてもよい。ポリマーマット又はフェルト材料を使用して、シート材料を型抜き又はCNC機械切断し、その後、適切な形状の積層体を接合してクッション構造を形成することにより、クッション構造を安価に構成してもよい。他の実施形態では、保護界面クッション装置は、発泡体材料のような代替材料構造から構成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置は、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム、又はポリマーフォームの混合物を含む。
【0037】
ここで、図4A及び図4Bを参照して、保護界面クッション装置400の上半体401及び下半体402の代表的な実施形態が、凍結保存バッグの様々な潜在的な領域に関連して示されている。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの容積領域405は「充填容積」と呼ばれ、容積領域410は「オーバーフロー容積」と呼ばれ、空の領域又は最小充填領域415は「排除エリア」と呼ばれ、容積領域420は「ポートリリーフエリア」と呼ばれる。
【0038】
いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400の上半体401及び下半体402は、凍結プロセスの間、凍結保存バッグ用の1つ以上の所望の領域を収容するか、又は提供するための複数のカットアウトを含む。例えば、いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、凍結保存バッグのポート救済領域420を収容するためのカットアウトを含み、ここで、この領域に対応する保護界面クッション装置400の領域は、ポートアセンブリとの干渉がないように、完全に切り欠かれている。一般に、凍結保存バッグの領域405,410,410,415,420は、保護界面クッション装置400の上半体401及び下半体402の特徴に直接対応し、例えば、様々なカットアウト、フレームの残骸、及び突起を含んでもよい。領域405,410,及び415は、集合的に、保護界面クッション装置400の上半体401及び下半体402の間に挟まれて保持されたときの、凍結保存バッグの格納領域に対応する。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの封じ込め領域は、排除領域415を含み、これは、上半体401及び下半体402の対応する2つの対向する表面の間に配置された凍結保存バッグの領域又は部分に対応し、2つの対向する表面は、排除領域415に圧縮力を加え、それによって、この領域内の液体内容物の存在を減少させる。
【0039】
いくつかの実施形態では、上部及び/又は下部半体401,402の1つ以上の対応する表面、カットアウト、フレーム、又は他の特徴が、凍結保存バッグの好ましい充填容積を達成するために提供される。例えば、いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、充填容積405が、凍結保存バッグの液体内容物によって完全に占有されるように構成される。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、充填容積405が部分的に充填されているか、又は液体内容物によって部分的に占有されているように構成されている。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、例えば、保護界面クッション装置400の上半体401又は下半体402の容積制限パラメータ又は寸法に起因するように、充填容積405内に含まれる液体の一部が充填容積405から変位したとき、又は充填容積405の凝固液体内容物の膨張容積が充填容積405の容積容量を超えたときに、オーバーフロー容積410が部分的に充填されるか、又は液体内容物によって部分的に占有されるように構成され、それによって追加の容積の占有が必要となる。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、オーバーフロー容積410を利用する必要性が、直立した位置にある凍結保存バッグを凍結させることによって達成されるように構成される。
【0040】
他の実施形態では、保護界面クッション装置400は、オーバーフロー容積410を利用する必要性がないように構成されている。これらの実施形態では、保護界面クッション装置400は、充填容積405が所定の容量まで充填されるように、又は容量の近くまで充填されるように構成されており、凍結保存バッグが充填容積405の容量を超えることなく任意の方向に凍結され得る。保護界面クッション装置400の上半体401及び下半体402の様々な特徴及び表面は、容積405,410,410,415,420のサイズ及び相対的な位置が、特定の用途に基づく利便性、好み、又は必要性に応じて変化し得るように構成されている。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、オーバーフロー容積410が、充填容積405とポートリリーフエリア420との間に配置されるか、又は配置されるように構成されている。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置400は、領域410,415のうちの少なくとも1つが存在しないように構成される。
【0041】
ここで、図5A及び5Bを参照して、積層された保護界面クッション装置500の代表的な実施形態の寸法正面図及び側面図が示されている(寸法はインチ)。当業者であれば、クッション装置500の寸法及び特徴は、所望の凍結保存バッグでの使用に対応するために必要に応じて変更されてもよいことを容易に認識し、理解するであろう。例えば、本開示を考慮すると、当業者であれば、凍結処理に続く凍結保存バッグ及び凍結保存バッグの内容物の1つ以上の所望のコンフォメーションを達成するために、切り出し領域510の数、形状、深さ、層、及び位置を所望に応じてカスタマイズしてもよいことを容易に認識し、理解するであろう。従って、市販されている凍結保存バッグ製品の範囲、及び凍結保存バッグを使用するように構成された凍結前及び凍結後の操作、手順、機械、及び装置の範囲を考慮すると、図5A及び図5Bに示された寸法、形状、及び特徴を含むがこれらに限定されない、クッション装置500の多様な実施形態が実現されてもよい。
【0042】
次に図6を参照して、空の凍結保存バッグ650が、上述の図3~5に関連して以前に説明した1つ以上の特徴を有する保護界面クッション装置600内に組み立てられた状態で示されている。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置600は、凍結保存バッグ650の充填容積605に対応する充填領域を提供する第1のカットアウト630を含む。保護界面クッション装置600は、凍結保存バッグ650のオーバーフロー容積610に対応するオーバーフロー領域を提供する第2のカットアウト640をさらに含む。第1及び第2のカットアウト630,640の外周縁は、外側フレーム部分623から内側に延びるフレーム突起又は突起625によって分離され、第1及び第2のカットアウト630、640の間に配置されている。保護界面クッション装置600は、凍結保存バッグ650の除外領域(除外領域620の後ろに位置する凍結保存バッグ650の不明瞭な部分)に対応する除外領域620を定義するフレーム又はフレーム残骸をさらに含む。一般に、凍結処理の間、凍結保存バッグ650内の流体が凍結保存バッグ650の排除領域内に蓄積されることが妨げられる一方で、むしろ必要に応じて充填容積605及びオーバーフロー容積610内において分散及び収集されるように、排除領域620は、凍結保存バッグ650の排除領域内の利用可能な容積を最小化する。
【0043】
ここで図7A及び7Bを参照して、凍結保存バッグ700が満量まで充填され、直立姿勢で凍結するように構成された保護界面クッション装置750内に組み立てられた凍結保存バッグ700の透視図及び断面図が提供される。ここで、重力が凍結保存バッグ700内の液体720を凝固前に凍結保存バッグ700の充填容積705内に引き込むようになっている。このように、凍結保存バッグ700のオーバーフロー容積710は空であることが示されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ700の平坦な表面又は排除領域(図示せず)は、保護界面クッション装置750の対応する排除領域715によって形成される。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ700の様々な領域の平面又は平坦な構成は、以下でより詳細に論じられるように、凍結保存バッグ700の充填容積705、オーバーフロー容積710、及び除外領域715のうちの1つ以上に、外部フォーム(図示せず)及び/又は外部圧力を加えることによって達成される。いくつかの実施形態では、図7Bに示すように、充填容積705内の液体内容物は、凍結時に固体質量720を提供する。
【0045】
今、図8A及び図8Bを参照して、満量まで充填され、直立した方向及び平坦な方向を含むがこれらに限定されない様々な方向で凍結するように構成された保護界面クッション装置850内に組み立てられた凍結保存バッグ800の透視図及び断面図が提供されている。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置850は、オーバーフロー領域なしで提供され、凍結保存バッグ800の充填容積805の総容積を制限するようにさらに構成される。オーバーフロー領域の代わりに、保護界面クッション装置850は、拡大又は拡大された排除領域815を含む。排除領域815によって提供される容積制限及び外圧は、バッグ800の液体内容物820全体を充填容積805内に変位させる。従って、液体内容物820は、充填容積805への変位のために重力に依存しない。従って、保護界面クッション装置850は、様々な方向での凍結に対応する。いくつかの実施形態では、充填容積805の平坦な外表面は、凍結保存バッグ800の表面及び/又は充填容積805及び排除領域815に対応する保護界面クッション装置850の表面に直接のように、充填容積805及び排除領域815のうちの1つ以上に対する外部フォーム(図示せず)及び/又は外部圧力の適用によって達成される。
【0046】
いくつかの実施形態では、クッション装置850は、保護界面クッション装置850へのアクセスを提供し、凍結保存バッグ800を保護界面クッション装置850から除去するために切断され得るシーム830をさらに含む。いくつかの実施形態では、シーム830は、バッグ800にアクセスするためのクッション材料の手動切断を容易にするために、保護界面クッション装置850の1つ以上の層の貫通穿孔を含む。ある実施形態では、シーム830は、保護界面クッション装置850の上層の貫通穿孔を含む。いくつかの実施形態では、保護界面クッション装置からの凍結保存バッグの容易なアクセス及び解放を提供するように構成された1つ以上の留め具をさらに含んでもよい。適切な留め具の非限定的な例としては、フック及びループクロージャ、接着ジョイント、プルリリースステッチクロージャ、材料の相補的な相互桁数、及びドローピンクロージャが挙げられる。他の実施形態では、クッション材料の経路は、安全ハサミを使用して材料の切断を容易にするために間引きされてもよい。
【0047】
図9を参照すると、代表的なストレージシステム900の分解図が示されている。いくつかの実施形態では、ストレージアセンブリ900は、凍結保存バッグ902を受信するように構成された保護界面クッション装置925を含み、保護界面クッション装置925を受信するように構成された保護シェル903をさらに含む。
【0048】
保護シェル903は、一般に、保護界面クッション装置925の下側又は底側の半分を確実に受け止めて収容するための下側内部表面を有する下部トレイ905と、保護界面クッション装置925の上側又は上半分を確実に受け止めて収容するための上側内部表面を有する上側蓋940とを含む。下部トレイ905は、上部蓋940上の成形リップ945と係合可能に係合する成形リム943を含み、成形リム943が成形リップ945と係合すると、下部トレイ905と上部蓋940は、それらの周囲縁に沿って一緒に固定される。一緒に固定されると、トレイ905及び蓋940の上側及び下側内部表面は、保護界面クッション装置925の外形寸法とほぼ等しい内部寸法を含み、それにより、下部トレイ905及び上部蓋940は、最小の公差で保護界面クッション装置925を両立して受け取り、収容するように構成される。従って、下部トレイ905及び上部蓋940の内部表面内での保護界面クッション装置925の横方向の動き又は移動は、最小化され、及び/又は排除される。
【0049】
いくつかの実施形態では、下部トレイ905及び上部蓋940の内面は、凍結保存バッグ902の1つ以上の部分、表面、又は容積に、凍結プロセスの一部として、又は凍結プロセス中に、所望の形態又は形状を付与するための構造的な構成を含む。例えば、いくつかの実施形態では、下部トレイ905及び/又は上部蓋940の少なくとも1つの内面は平坦である。いくつかの実施形態では、平坦な内面は、クッション装置925が下部トレイ905及び上部蓋940内に封入されている場合に、保護界面クッション装置925内に保存されている凍結保存バッグ902の充填容積部分に対応する。
【0050】
いくつかの実施形態では、下部トレイ905及び/又は上部蓋940の内部表面は段付き表面を含み、ここで、段付き表面の第1の部分は平坦であり、第1の高さを有し、段付き表面の第2の部分は平坦であり、第2の高さを有し、ここで、第1の高さは第2の高さよりも大きい。いくつかの実施形態では、クッション装置925が下部トレイ905及び上部蓋940内に封入されている場合、保護界面クッション装置925内に格納されているとき、第1の高さ及び第2の高さはそれぞれ、凍結保存バッグ902の排除領域及び充填容積930に対応する。このように、第1の高さは、排除領域に外圧をかけるように構成されてもよいし、凝固中の液体内容物の熱膨張のための利用可能なヘッドスペースを減少させ、それによって、この領域での利用可能な容積を最小化し、液体内容物を充填容積又は凍結保存バッグ902の他の部分に向けるように構成されてもよい。同様に、第2の高さは、充填容積930の膨張を可能にするように構成されてもよく、ここで、第2の高さの平坦な表面は、液体内容物が凝固中に膨張するにつれて、凍結保存バッグ902の充填容積部分が丸くなるか、又は凸状の構成を達成することを防止してもよい。いくつかの実施形態では、段差のある表面は、オーバーフロー容積935に対応する第3の部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、段付き表面の第1の部分又は第2の部分は、オーバーフロー容積935に対応する。さらに、いくつかの実施形態では、トレイ905及び/又は蓋940の内面の一部が、フレーム残骸又は保護界面クッション装置925の他の表面に対応し、ここで、内面の一部は、フレーム残骸に外圧をかけ、及び/又は凍結プロセス中のフレーム残骸の膨張又は移動を制限することによって、フレーム残骸に対応する凍結保存バッグ902の一部の膨張を防止する。
【0051】
いくつかの実施形態では、下部トレイ905及び/又は上部蓋940の内面は、平坦な表面、凹んだ表面、突出した表面、テクスチャ、パターン、溝、ビード、バンプ、ノッチ、くさび、キー、不規則な表面、テーパー状の表面、凸状の表面、凹状の表面、及び英数字のうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、トレイ905の成形リム943は、一端に2つの丸みを帯びたコーナー910を含み、各丸みを帯びたコーナーは、成形された内向きオーバーハング912を収容し、成形リム943は、丸みを帯びたコーナー910に対向する2つのミタードコーナー(mitered corner)960をさらに含み、2つのミタードコーナー960の各々は、同じくミタードコーナー960に成形された平坦な台地915の上に配置された成形された内向きストレートオーバーハング920を収容している。
【0053】
いくつかの実施形態では、蓋940の成形リップ945は、トレイ905の成形リム943にスナップフィットするように設計されたプロファイルを含む。蓋940の2つの丸みを帯びたコーナー942は、過去に撓み、トレイ905の丸みを帯びたコーナー910上の張り出し特徴912の下に捕捉されるように構成されている。さらに、蓋940のコーナー942は、トレイ905の丸みを帯びたコーナー910の中に単に落下するように構成されている。蓋940のミタードコーナー950は、次に、以下でさらに説明するように、2つのミタードコーナー960内の成形された直線状のオーバーハング920に係合するように構成されたラッチ955によって固定され、ここでラッチ955は、オーバーハング920に係合して蓋940をトレイ905に固定するようになっている。
【0054】
保護シェル900は、極低温用途で使用するために互換性のある任意の材料を含み得る。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、剛体又は半剛体であり、低温安定性であり、かつ放射性透過性であるポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、耐衝撃性を有し、周囲から極低温までの温度範囲を通して耐久性を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、単一使用でリサイクル可能な低コストの材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、後続の凍結プロセスのために再利用され得る耐久性のある材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、電磁透過性材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、極低温での分解及び再組み立てに適合する材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、低熱伝導性を有する材料を含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、透明なポリマー又はポリマーブレンドから構築される。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、コポリエステルであってもよい。いくつかの実施形態では、保護シェル900は、Tritan(登録商標)コ・ポリエステル・プラスチックを含む。いくつかの実施形態では、保護シェル900及びその様々な構成要素は、プラスチックシート材料の真空成形又は射出成形によって構築される。
【0055】
ここで図10A及び10Bを参照して、組み立てられたストレージシステム1000の透視図及び断面図がそれぞれ示されている。いくつかの実施形態では、ストレージシステム1000の保護シェルは、蓋1010をトレイ1005に選択的に固定するように構成された1つ以上のラッチ又はタブ1015をさらに含む。いくつかの実施形態では、ストレージシステム1000は、1つ以上のタブ1015を含む。いくつかの実施形態では、ストレージシステム1000は、2つ以上のタブ1015、例えば、2つ、3つ、4つ、又は4つ以上のタブを含む。いくつかの実施形態では、タブ1015は、蓋1010及び/又はトレイ1005上に配置される。いくつかの実施形態では、タブ1015は、蓋1010の1つ以上のコーナーに配置される。いくつかの実施形態では、タブ1015は、蓋1010の1つ以上の縁に沿って配置される。
【0056】
いくつかの実施形態では、蓋1010のラッチ又はタブ1015は、トレイ1005と係合しているときに蓋1010の上面と平らである。従って、いくつかの実施形態では、係合又はロックされた構成にあるとき、蓋1010の上面は、タブ1015の少なくとも一部を受けるための凹部を含む。係合又はロックされた構成にあるとき、トレイ1005の成形されたリムと蓋1010の成形されたリップとの間の係合、及びタブ1015とトレイ1005の直線状のオーバーハングとの間の係合は、凍結プロセス中に蓋1010がトレイ1005から分離するのを防止する。図10Bに示すように、保護界面クッション装置の上半部1020と蓋1010の内面との界面、及び保護界面クッション装置の下半部1025とトレイ1005の内面との界面は、凍結保存バッグ1030が凍結プロセス中に膨張して成形されることが可能な剛性のエンクロージャを提供する。凍結プロセスの結果として、凍結保存バッグ1030の液体内容物1035は、トレイ1005及び蓋1010の内部表面に向かって膨張し、内部容積を完全に満たし、縁部を除いて2つの表面の間に隙間を残さない。一般的に、凍結保存バッグ1030の縁部は、上半部及び下半部の間、又は積層体1020,1025の間に捕捉されているか又は挟まれており、凍結保存バッグ1030の絶対縁部1040は、上半部及び下半部1020,1025が対向する側方の縁部に沿って接合されているステッチシーム1045のすぐ隣にある点にある。このように構成されると、剛性シェル又はカセット内での凍結保存バッグ1030の動きが高度に制限される。さらに、周縁に加えられるあらゆる衝撃力は、抑制され、保護界面クッション装置の上半部1020及び下半部1025の材料に分散され、それによって、凍結保存バッグ1030の凍結脆性の保護レベルを大幅に増加させる。
【0057】
ここで図11を参照して、ストレージシステム1100のトレイ1120及び蓋1115の構成要素の詳細な断面図が示されている。いくつかの実施形態では、トレイ1120及び蓋1115は、それらのそれぞれのリップ1110及びリム1115の構造に沿って会合して係合し、トレイ1120及び蓋1115の2つの内部表面の間の中間面に配置された内部経路1125で嵌合する。トレイのリッププロファイルは、蓋11105のリム対物1140が入れ子にされている拡張されたU字型のばね溝1105内で反転する成形側面を含む。U字形の樋1140は、一方の側で蓋1105の下降壁に取り付けられ、反対側では切り詰められたフランジ1145で終端する。蓋1105の最も外側のフランジ1145は、トレイ1120のU字溝1110の側壁とばね接触して圧縮され、外向きに偏っており、2つのU字形は一緒になって、横方向の衝撃力に対するばね抵抗を提供する。図示されているように、蓋1115の縁及びトレイ1120のリップは、垂直方向の変位によって自由に係合及び離脱するように構成されている。従って、いくつかの実施形態では、蓋1115及びトレイ1120の構成要素は、それぞれのコーナーでのみ係合する。いくつかの実施形態では、蓋1115及びトレイ1120は、2つの隣接するコーナーの間に位置する接触点で互いに係合する。
【0058】
ここで図12を参照すると、係合構成のラッチ1240の詳細な断面図が示されている。 いくつかの実施形態では、ラッチ又は閉鎖ラッチ1240は、ラッチが蓋及びトレイから切り離され得る昇降レバー1245を含む。ラッチは、ラッチ1240の前方の爪先突起1222でトレイ1206のミタードコーナー1205に設けられた成形アンダーカット特徴1220と係合するように構成されている。トレイのプラトー平面1235は、ラッチ1240の支点1230と係合する。ミタードコーナー1205上で成形されたアンダーカット特徴1220の側面をなすコーナー突起1225の両方において、トー1222の経路の係合は、支点1230よりもアンダーカット特徴1220の直線的な前面からさらに離れた位置にある。このように、台地床1235が支点1230を押し上げると、アンダーカット特徴1220は、コーナー突起1225で爪先棚1222の背面湾曲部1222を下方に押し下げ、その結果、ラッチを反時計(図示の視点で)回りに回転させようとするトルクを生じ、それによって蓋1207をラッチ延長部1240の下に拘束して保持する。
【0059】
ラッチ延長部1240がアンダーカット縁1245から持ち上げられると、プラトー平面1235は、ラッチ1240がトレイ1206のアンダーカット特徴1220から外れ、それによって解放されるまで、フルカム1230が接触点1225の周りを回転することを可能にするように降伏するであろう。取り付けサイクルは、取り外しサイクルの逆である。
【0060】
いくつかの実施形態では、蓋1207及びトレイ1206のアセンブリは、隣接するコーナーに1つ又は2つのラッチを含み、他の実施形態では、蓋及びトレイアセンブリは、斜めに対向するコーナーに1つ又は2つのラッチを含み、他の実施形態では、蓋及びトレイアセンブリの3つ又は4つのコーナーは、ラッチ特徴1240を含む。いくつかの実施形態では、蓋1207及びトレイ1206の組み立て及びラッチ1240の閉鎖に続いて、蓋及びトレイアセンブリの内容物が以前に開かれていないことを保証する手段として、フィンガーアクセス1250及びラッチエッジ1245が不明瞭になるような、半永久的に破断可能なラベルシールが、ラッチ1240及びトレイ1206の接合部の上に配置される。
【0061】
ここで図13を参照すると、上蓋1305の丸みを帯びたコーナー1301と保護シェル1300の下トレイ1310の詳細断面端面図が示されている。いくつかの実施形態では、下部トレイ1310は、トレイ1310の周囲に延びるスイープリムチャネル1340を含む。いくつかの実施形態では、スイープリムチャネル1340は、トレイ1310の周囲全体を取り囲むように延びる。いくつかの実施形態では、丸みを帯びたコーナー1301上のU字チャネル1340は、アンダーカット棚1325を形成するように、U字チャネル1340の一部に内向きに延在し、かつU字チャネル1340の上に延在するインセットオーバーハング特徴1320を含む。いくつかの実施形態では、オーバーハング特徴1320は、トレイ1310の単一の丸みを帯びたコーナー1301上に存在する。いくつかの実施形態では、オーバーハング特徴1320は、トレイ1310の2つの隣接する丸みを帯びたコーナー1301上に存在する。
【0062】
いくつかの実施形態では、上蓋1305は、上蓋1305の周囲に延びるスイープリップチャネル1335を含む。いくつかの実施形態では、スイープリップチャネル1335は、連続したリップを形成する上蓋1305の全体の周囲に延在する。チャネル1335の外側フランジ1330は、アンダーカット表面1325と係合し、アンダーカット表面1325によって捕捉及び保持されるように構成されており、これにより、ユーザが上蓋1305を取ろうとするときに、上蓋1305がトレイ1310の主要平面と平行な方向に維持されながら、トレイ1310から容易に取り外されないようになっている。組み立ての間、蓋1305がトレイ1310上に下向きに押し付けられると、蓋1305及び外側フランジ1330の一部が張り出し特徴1350に接触する。蓋1305及び/又は外側フランジ1330と張り出し特徴1350との間の接触は、外側フランジ1330及びスイープリップチャネル1335の外壁部分を内側に偏らせる。蓋1305の対向する内部経路1330とトレイ1340の経路1325が接触する時点で(図示されているように)、外側フランジ1330及びスイープリップチャネル1335の外壁部分に対する内向きバイアスが解除され、それに伴って、外側フランジ1330は、外向きにバイアスされ、アンダーカット表面1325にスナップする。いくつかの実施形態では、外側フランジ1330及び/又はリップチャネル1335の一部は、外側フランジ1330がオーバーハング1350の面を越えて下向きに移動する際に一時的に変形する。いくつかの実施形態では、蓋1305の外側フランジ1330は、オーバーハング1350を構成する丸みを帯びたコーナー1301においてのみ拘束され、保持される。他のすべての位置では、外側フランジ1330は機械的に拘束されず、トレイ1310と相互に連結されていない。残りのミタードコーナー及び隣接するミタードコーナーのうちの2つが、例えばラッチロック機能が取り外される等して拘束されなくなると、2つの拘束されていないコーナーは、それによってアンダーカット表面1325に対する外側フランジ1330の角度を変化させることができ、その結果、アンダーカット表面1325からの外側フランジ1330の離脱が生じ得る。いくつかの実施形態では、蓋1305のミタードコーナー(即ち、蓋1305の反対側の端部に配置されたコーナー)を上昇させることによって生じる梃子力(leverage force)は、蓋1305、外側フランジ1330、及び張り出し特徴1350の両方の歪みを誘発し、それによって、外側フランジ1330及び蓋1305がアンダーカット表面1325及びトレイ1310から解放されるまで、様々な相互接続された及び/又は接触した部品が互いに通過することを可能にしている。
【0063】
ここで、図14A図14B、及び図14Cを参照すると、ラッチ又はタブラッチ1400の代表的な実施形態の寸法上面図、寸法底面図、及び寸法側面図が示されている(寸法はインチ)。当業者であれば、タブラッチ1400の寸法及び特徴は、所望の上部蓋又は保護シェルとの使用に対応するために必要に応じて変更され得ることを容易に認識し、理解するであろう。例えば、本開示に照らして、当業者は、ラッチ1400の形状、輪郭、厚さ、長さ、隆起部、サイズ及びスケールは、所望の機能性、上部蓋との適合性、下部蓋との適合性、又は本発明の他の特徴及び/又は構成要素を達成するために、必要に応じてカスタマイズされてもよいことを容易に認識し、理解するであろう。いくつかの実施形態では、タブラッチ1400の1つ以上の寸法が、特に様々な公称サイズの凍結保存バッグの封入に関連して、蓋及びトレイシステムの他の実施形態と最適に統合するように変更されると、タブラッチ1400の同一又は適切な性能及び機能が得られる。
【0064】
図14Aの上面図では、つま先のアンダーカット係合面1405が見える。アンダーカット係合面1405は、ラッチ1400の上縁を横切って延びており、その両側で、等しく反対側の位置1410で終端する距離まで続いている。このように、アンダーカット係合面1405は、ラッチ1400の上縁を横切って中央に位置する。
【0065】
図14Bの底面図では、カットアウト円弧1425が示されている。カットアウト円弧1425の末端は、エッジ1415(図14A参照)から外側に延び、タブラッチ1400の下側に円弧形状を形成している。いくつかの実施形態では、カットアウト円弧1425は、ラッチ1400の昇降又は位置調整の目的のために、指又は爪によるエッジ1415(図14A参照)の係合を容易にする。いくつかの実施形態では、成形プロセス中のポリマー質量及び表面収縮及び/又はラッチ1400のへこみを低減するために、1つ以上の空洞1430が底面に設けられている。
【0066】
次に図15A及び15Bを参照して、保護シェル1500の上面図が示されている。保護シェル1500は、下部トレイ(図示せず)に結合された上部リッド1510を含み、上部リッド及び下部トレイは、凍結保存バッグが収納システムを提供するために設置された内部空洞を有している。いくつかの実施形態では、保護シェル1500は、ラッチ1525,1530を受けるように構成された1つ以上の凹部、穴、又はカットアウト1501を含む(ラッチは、カットアウト1501を示すために図15Aでは取り除かれている)。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの充填チューブを保護シェルの外部に延長するためのカットアウトスロット1515を含む。スロットカットアウト1515と連続しているのは、蓋1510に三面フラップ1520を形成する薄い切り口である。いくつかの実施形態では、フラップ1520は、保護シェル、保護界面クッション装置、及びキットの一部としての凍結保存バッグへのユーザのアクセスを可能にする。例えば、フラップ1520は、キットの凍結保存バッグの分岐チューブアセンブリの外部ルーティングを達成するために使用されてもよく、ここで、このチューブの外部化は、典型的には、市販の凍結保存バッグで提供される。本発明に従った保存システムキットは、最初に分岐チューブアセンブリを介して凍結保存バッグを充填することによって利用することができる。凍結保存バッグが充填されると、チューブはヒートシールされてもよい。いくつかの実施形態では、チューブアセンブリの未使用のバルク部分が切断され、フラップ1520をわずかに持ち上げ、チューブの延長部をキャビティ内に滑り込ませ、フラップがその自然な位置に戻ることを可能にすることにより、残部がカセット内に挿入される。フラップ1535のコーナーは、外部物体との偶発的かつ意図しない係合を防止するために、ラッチタブ1525,1530の下に位置して固定されていてもよい。その後の任意のプロセス中にフラップのひっかかりを防止するために、フラップ1520の中央部水平端部は、半永久的な粘着ラベル又はシールによって固定されてもよい。
【0067】
次に図16A図16B及び図16Cを参照すると、市販の凍結保存バッグ1601を用いて本発明の保存システムを使用するための市販の方法を説明するステップが提供される。いくつかの実施形態では、本発明の商業的方法は、液体内容物を含む市販の凍結保存バッグ1601を保護界面クッション装置1602内に配置するステップと、凍結保存バッグ1601及び保護界面クッション装置1602を保護シェル1604内に封入するステップとをさらに含む。他の実施形態では、本発明の商業的方法は、液体内容物を含む市販の凍結保存バッグ1601を保護界面クッション装置1602内に配置するステップを含み、凍結保存バッグ1601及び保護界面クッション装置を保護シェル1604内にさらに封入するステップを除外する。従って、本発明の方法及びシステムは、保護シェル1604の有無にかかわらず実施することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ1601は、保護界面クッション装置1602の充填容積領域とほぼ等しいか、等しいか、又はわずかに大きい液体の所定容積まで充填される。一旦充填されると、凍結保存バッグ1602は、(例えば、バッグの1つ以上の延長管をヒートシールすることによって)密封され、保護シェルから保護界面クッション装置及び凍結保存バッグを取り外すと、凍結保存バッグ内の凝固した液体内容物が、保護界面クッション装置1602の充填容積領域1620内に優勢に含まれるような方法で凍結され、凍結保存バッグ1601の凍結した液体内容物及び対応する領域が、充填容積領域1620内に2つの平面を含み、2つの平面が互いに平行であるような方法で、凍結保存バッグ1602が凍結される。いくつかの実施形態では、この例では、オーバーフィル領域を有せず、かつ予め組み立てられている(即ち、平面的な空の凍結保存バッグが、保護界面クッション装置1601の2つの主要な層の間、又は上半部と下半部との間に事前に封入されているか、又は事前に取り付けられている)保護界面クッション装置は、充填された凍結保存バッグ1601及び保護界面クッション装置1602を保護シェル1604内に配置する前に、保護界面クッション装置1602の充填容積領域1611の容積に相当する量の液体で充填され、保護界面クッション装置1602は、保護シェル1604内に配置される。ここで、保護シェル1604は、保護界面クッション装置1602及び凍結保存バッグ1601を受けるように構成されたサイズ、寸法、及び内部表面を備え、保護界面クッション装置1602の2つの主要な平面及び側面の表面、ならびに凍結保存バッグ1601の任意の露出部分又は表面と直接係合する。いくつかの実施形態では、液体で充填した後、凍結保存バッグ内に残っている任意のガスは、凍結保存バッグ1601の充填チューブを通してガスを引き出すことによって除去される。次いで、充填チューブは、充填チューブと凍結保存バッグ1601の接合部から約1~5インチの距離でヒートシールされ、切断線の両側のシールが無傷であるように、シールを横切って切断される。
【0069】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグ1601及び保護界面クッション装置1602のアセンブリは、次いで、任意のチューブエクステンションとともに保護シェル1604のトレイ内に導入される。保護シェルの蓋は、保護界面クッション装置、凍結保存バッグ、及びチューブエクステンションの上に配置され、その後、蓋は、圧力で作動するロックのような1つ以上のコーナーオーバーハングロック機構を係合させることによって、又はラッチ部分の係合によって、適宜、トレイとロック係合される。他の実施形態では、凍結保存バッグ1601及び保護界面クッション装置1602のアセンブリは、保護シェル1604内に導入されるのではなく、かわりにアセンブリは、凍結プロセスを完了するために、対向する表面間でクランプされるか、又は他の方法で圧縮される。このように、対向する表面は、アセンブリから熱を除去し、保護界面クッション装置1602の充填容積領域によって定義されるように、凍結保存バッグの充填容積の所望の形状又は構成を維持するという二重の機能を実行してもよい。いくつかの実施形態では、対向する表面は、凍結プロセスの間、凍結保存バッグの充填容積の所望の形状又は構造を維持するという単数の機能を提供し、ここで、熱は、第二の供給源又は装置(例えば、冷却された環境)によってアセンブリから除去される。
【0070】
上述の方法の少なくとも1つに従って組み立てられると、凍結保存バッグ1601の除外領域に対応する保護界面クッション装置1602の領域は、これらの領域を圧縮し、それにより、これらの領域内の液体が、保護界面クッション装置1602の充填容積領域によって定義されるように、凍結保存バッグの充填容積を充填して占有するように促進される。
【0071】
保護界面クッション装置及び凍結保存バッグ(液体ペイロード付き)アセンブリ1605(オプションの保護シェル1604と共に示される)(本明細書では「凍結アセンブリ」とも呼ばれる)が、液体の凝固点以下の環境に導入されると、液体は凝固する。凝固すると、水溶液は容積的に膨張し、それによって実質的な外向きの力又は膨張力を発揮する。従って、いくつかの実施形態では、本発明を使用する方法は、図16Aに示すように、凍結アセンブリの外表面に剛体拘束及び/又は閉じ込め構造1610,1615を追加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、閉じ込め構造1610,1615は、凍結保存バッグの充填容積部分に、凍結プロセス中に膨らんで非平面になる傾向がある外圧及び拘束を追加的に提供する。いくつかの実施形態では、閉じ込め構造1610,1615は、凍結プロセスを開始する前に、凍結アセンブリの厚さと同じである互いに制限された距離に間隔をあけて維持される。
【0072】
いくつかの実施形態では、閉じ込め構造1610,1615は、凍結手順の間に課される膨張圧力に効果的に抵抗するように構造的に強化されている。このようにして閉じ込められると、凍結アセンブリ内の液体内容物は、特に排除領域にくさびを打ち込むことにより、閉じ込め装置の表面に平行な方向に、かつ凍結保存バッグの充填容積をすぐに取り囲む追加の領域(保護界面クッション装置の充填容積領域によって定義されるように)に向かって膨張する。
【0073】
凍結アセンブリ1605内の液体の凝固に続いて、凍結アセンブリは、構造的閉じ込め装置1610,1615から取り外され、アセンブリの内容物を解凍するのに適切な時期までアーカイブストレージに移されてもよい。保護シェルを含む実施形態では、保護シェルの除去は、凍結保存バッグ及び内容物、ならびに保護界面クッション装置を含むサブアセンブリを提供し、ここで、サブアセンブリは、保護界面クッション装置1602の充填領域1611に対応する凍結保存バッグ1601の充填容積1620を優勢に占有する凍結塊を含む。この同じ効果は、保護シェルを含まない実施形態では、保護界面クッション装置1602の充填領域1611に対応する凍結保存バッグ1601の充填容積1620を優勢に占有する凍結塊が、凍結アセンブリが閉じ込め構造物又は構造物閉じ込め装置1610,1615から取り外されたときに提供される。いくつかの実施形態では、凍結塊は、充填容積領域1611の大きさ、形状、及び構成によって決定されるように、凍結保存バッグの両側1625の平坦面をさらに含む。直立した配向で示されているが、オーバーフィル容積を欠いた本発明の凍結アセンブリは、同一の結果を有する任意の配向で凍結ステップを受けてもよい。
【0074】
記載された方法を、記載された凍結及び閉じ込め装置と組み合わせて適用することにより、上述のように、所望の寸法を有する凍結塊が一貫して生成される。このようにして、記載された幾何学的特性を有する凍結塊を成形することの利点は多岐にわたる。第一に、図16Bに示されたアセンブリは、最小限の個人的な保護で安全に取り扱うことができる。保護界面クッション装置の材料の低い熱伝導率は、材料が最初は極低温であっても、すぐに凍結傷害を引き起こすのに十分な速度では熱を伝導しない。層状材料の摩擦係数は、低温の凍結保存バッグの表面の摩擦係数よりも実質的に大きいであろうから、図16Bのアセンブリを取り扱うことは、独立した凍結保存バッグと比較して、偶発的な落下の可能性を大幅に減少させる。
【0075】
本発明のさらなる利点は、本発明の成形された凍結保存バッグ及び凍結内容物との互換性のある使用のためにカスタマイズされ得る複数の有利な特徴及び特性を有する解凍器具の使用を含む。例えば、一実施形態では、保護界面クッション装置及び保護シェルは、解凍システム及び器具との互換性のある使用のために特に選択された寸法を有する成形凍結保存バッグ及び凍結内容物を提供するようにカスタマイズされる。一実施形態では、凍結サンプルの構成は、解凍装置のアクセスポートへの容易なアクセス及び互換性のために提供され、ここで、成形凍結保存バッグ及び凍結内容物は、単一の素早い動作を介して挿入できるため、解凍装置にサンプルを装填するステップで解凍プロセスの開始時に不注意に過渡的で一貫性のない暖めを課す可能性のある、手順の複雑さに起因する遅延又はステップの繰り返しの機会を減少させることができる。一実施形態では、アセンブリ境界に対する挿入された凍結塊の位置は既知であり、それにより、解凍装置は、既知の位置及び充填量の領域に対して相対的に配置された専用のヒータブロックを含むように構成される。いくつかの実施形態では、ヒータブロックは、充填容積領域の2つ以上の側面に同時に接触するように配置される。いくつかの実施形態では、解凍装置は、凍結塊の既知の位置にクランプ圧力を適用するようにさらに最適化され、それにより、凍結液体ペイロードへの熱エネルギー流入率を大幅に高める。いくつかの実施形態では、凍結液体ペイロードが液状化すると、クランプ圧力は、液体を凍結塊から排除領域に強制的に遠ざける。いくつかの実施形態では、本発明の保護シェルは、凍結手順に続く任意の時点で簡単かつ容易に取り外される。保護界面クッション装置の軟質材料は、もはや保護シェルによって閉じ込められることなく減圧及び膨張し、それにより、解凍された液体が排除領域に流入し、液状化した内容物のための一時的な貯蔵リザーバとして機能する。
【0076】
さらに、いくつかの実施形態では、凍結液体ペイロードを解凍する方法は、この領域において融解温度をわずかに上回る温度が維持されるように、除外領域に隣接するヒータブロックを使用することなく達成される。
【0077】
いくつかの実施形態では、本発明の装置は、極低温と融解温度との間の最小の通過時間から恩恵を受ける細胞タイプで使用するように構成された解凍装置での使用のために最適化される。従って、本発明の装置の1つ以上の寸法は、短い通過間隔にわたって高い熱エネルギーの流入を可能にするように構成されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、予め設定された最小の間隙が解凍プロセスの完了を合図するように構成されているため、解凍プロセスの終了は、2つのヒータブロック間の距離に単純に基づいて決定されてもよい。解凍プロセスに先立って凍結された塊のこの方法による事前構成は、解凍プロセスにおける最大レベルの均一性及び一貫性を可能にし、従って、特にそのような状態に伴う可能性が高い技術のスキルセット及び幅のばらつきを考慮して、分散された地点のシステム上での蘇生細胞治療薬の共通の、予測可能で再現性のある結果及び生存性を最適化し、保証する
【0079】
今、図17A及び図17Bを参照して、本発明の方法に係るバッグの内容物の凍結に続いて、先に説明したように、保護界面クッション装置1705及び凍結保存バッグアセンブリと共に使用され得る解凍装置の一実施形態の要素を例示するために、一対の図面が示されている。図17Aを参照すると、保護界面クッション装置の充填容積を占める成形された平行平面固体ペイロードを有する保護界面クッション装置及び凍結保存バッグアセンブリ1700が示されている。いくつかの実施形態では、2つの代表的な熱伝導性ヒータブロック1710の開始位置は、凍結保存バッグの表面に対して後退した非接触の配向にある。本発明の方法の実施において、平面接触面を含む2つのヒータブロック1710は、ブロックの温度及びブロックの熱伝導性出力のワット数が調節され得るように、熱エネルギーが制御された方法でブロックに導入されるであろう手段を含む。いくつかの実施形態では、ヒータブロック1710は、凍結積層クッション及び凍結保存バッグを挿入する前に通電され、予め設定された温度にまで引き上げられる。いくつかの実施形態では、2つのブロックは、充填容積の領域における凍結保存バッグの平面的な表面が、ヒータブロックの平面的な表面と平行になるように配置される。いくつかの実施形態では、ヒータブロックの側面平面と、保護界面クッション装置の充填容積の境界面とが一致している。
【0080】
図17Aに示された要素の説明された位置決めに続いて、解凍器具の機構は、ヒータブロックの平面的な表面と凍結保存バッグの対向する平面的な表面との間で接触がなされるまでヒータブロック1710を前進させるように構成されている。このステップでは、解凍器具の機構は、圧縮クランプ力をヒータブロックに適用して、ヒータブロック及び凍結保存バッグの表面界面に圧力を生じさせる。いくつかの実施形態では、この印加された圧力は、ヒータブロックから凍結保存バッグ及び凍結及び/又は液体内容物への熱エネルギーの伝達を最適化する。
【0081】
いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの材料は、表面で急速に暖まり、加熱時に材料の柔軟性が増加し、それにより、バッグの材料が、ヒータブロックと凍結保存バッグとの間の界面でギャップフィラーとして機能することを可能にする。いくつかの実施形態では、この界面は、この界面を横切る熱エネルギーの伝達を最適化する。凍結保存バッグ内容物の温度が上昇すると、内容物は固体の相変化温度に近づき、凍結液体内容物は液化し始める。いくつかの実施形態では、圧縮された界面の液体は、直ちに凍結保存バッグの内部に流れる。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの内部は、保護界面クッションの排除領域の大きさ、位置、形状、及び位置によって決定されるように、極低温バッグの排除領域に隣接して配置される。液体の除去は、ヒータブロックと接触している凍結保存バッグの内面に提示された残りの固体内容物の間の接触を永続させる。いくつかの実施形態では、凍結保存バッグの排除領域1715は加熱されない。従って、排除領域に集まった液体の温度は、比較的一定に保たれる。
【0082】
この連続プロセスにより、液体の温度は固体材料の融解温度に非常に近い状態を維持し、凍結保存バッグシステムへの高い熱流入率が、ヒーターブロックシステムのワット数出力容量によってのみ制限されて課せられ得る。この方法を適用することにより、凍結保存バッグ内容物の極低温から融解温度への温度遷移と固体材料の相変化の持続時間の両方が最小化される。最小限の温度遷移持続時間で解凍したときに最大の生存能力を示す細胞タイプのために、この方法を適用することは大きな利益となるであろう。さらに、解凍時間の短縮、予測可能で一貫した性能の可能性に加えて、この方法によって提供される安全性及び使用の容易さの向上は、この方法が適用される臨床及び研究の場の両方において実質的な利益となるであろう。
【0083】
前述の本発明の議論は、図示及び説明を目的として提示されている。前述は、本発明を本明細書に開示された1つの形式又は複数の形式に限定することを意図したものではない。本発明の説明には、一実施形態及び特定の変形及び変更の記述が含まれているが、他の変形及び変更は、例えば、本開示を理解した上で、当業者の技術及び知識の範囲内であり得るように、本発明の範囲内である。本明細書に開示されたものと代替的、交換可能及び/又は同等の構造、機能、範囲又はステップを含む、許容される範囲内で代替的な実施形態を含む権利を取得することが意図されており、いかなる特許可能な主題を公に献呈することを意図することなく、本明細書に開示されたものと同様の権利を取得することが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B