(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】温度制御システム及び温度制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 23/19 20060101AFI20240219BHJP
G05D 23/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
G05D23/19 H
G05D23/00 A
(21)【出願番号】P 2020565671
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2019049944
(87)【国際公開番号】W WO2020145082
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2019002947
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019103038
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019206761
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 敦
(72)【発明者】
【氏名】大久保 英明
(72)【発明者】
【氏名】三村 和弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹
【審査官】西井 香織
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-040569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0374059(US,A1)
【文献】特開2014-229811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 23/19
G05D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温調対象と前記温調対象の目標温度を含む規定温度範囲に調整された流体が収容されるタンクとを含む循環流路と、
前記循環流路において前記タンクと前記温調対象との間に配置され、前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第1温調器と、を備え
、
前記タンクに収容される流体の温度を示すタンク温度が前記規定温度範囲でないときに、前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に、第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給する、
温度制御システム。
【請求項2】
第1温度の流体を貯蔵する低温温調ユニットと、
前記第1温度よりも高い第2温度の流体を貯蔵する高温温調ユニットと、
前記低温温調ユニットから前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に供給される流体が流通する低温流路と、
前記高温温調ユニットから前記規定部分に供給される流体が流通する高温流路と、
前記低温温調ユニット及び前記高温温調ユニットのそれぞれから前記規定部分へ流体が供給されない第1状態と、前記低温温調ユニットから前記規定部分へ流体が供給される第2状態と、前記高温温調ユニットから前記規定部分へ流体が供給される第3状態とを切り換え可能なバルブシステムと、を備え、
前記バルブシステムは、前記タンクに収容される流体の温度を示すタンク温度が前記規定温度範囲のときに前記第1状態に切り換え、前記タンク温度が前記規定温度範囲でないときに前記第2状態及び前記第3状態の少なくとも一方に切り換える、
請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項3】
前記第1状態において、前記流体は前記循環流路を循環する、
請求項2に記載の温度制御システム。
【請求項4】
前記循環流路において前記温調対象と前記タンクとの間に配置され、前記タンクに供給される流体の温度を調整する第2温調器を備え、
前記第2温調器は、前記温調対象に流入する流体の温度を示す入口温度と前記温調対象から流出した流体の温度を示す出口温度との差に基づいて、流体の温度を調整する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項5】
第1温度の流体を貯蔵する低温温調ユニットと、
前記第1温度よりも高い第2温度の流体を貯蔵する高温温調ユニットと、
前記低温温調ユニットから前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に供給される流体が流通する低温流路と、
前記高温温調ユニットから前記規定部分に供給される流体が流通する高温流路と、
前記タンクから前記低温温調ユニットに戻される流体が流通する第1オーバーフロー流路と、
前記タンクから前記高温温調ユニットに戻される流体が流通する第2オーバーフロー流路と、
前記タンクに収容される流体が前記目標温度になるように流体の流通状態を切り換え可能なバルブシステムと、を備え、
前記バルブシステムは、前記低温温調ユニット及び前記高温温調ユニットのそれぞれから前記規定部分へ流体が供給されない第1状態と、前記低温温調ユニットから前記規定部分へ流体が供給される第2状態と、前記高温温調ユニットから前記規定部分へ流体が供給される第3状態と、前記タンクから前記低温温調ユニット及び前記高温温調ユニットのそれぞれへ流体が戻されない第4状態と、前記タンクから前記低温温調ユニットへ流体が戻される第5状態と、前記タンクから前記高温温調ユニットへ流体が戻される第6状態とを切り換え可能であり、前記第1状態のときに前記第4状態に切り換え、前記第2状態のときに前記第5状態に切り換え、前記第3状態のときに前記第6状態に切り換える、
請求項1に記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記バルブシステムは、前記タンクに収容される流体の温度を示すタンク温度が前記規定温度範囲のときに前記第1状態及び前記第4状態に切り換え、前記タンク温度が前記規定温度範囲の上限温度よりも高い高温温度範囲のときに前記第2状態及び前記第5状態に切り換え、前記タンク温度が前記規定温度範囲の下限温度よりも低い低温温度範囲のときに前記第3状態及び前記第6状態に切り換える、
請求項5に記載の温度制御システム。
【請求項7】
前記目標温度は、第1目標温度及び前記第1目標温度よりも高い第2目標温度を含み、
前記目標温度が前記第1目標温度に切り換えられたとき、前記バルブシステムは、前記第2状態及び前記第5状態に切り換え、
前記目標温度が前記第2目標温度に切り換えられたとき、前記バルブシステムは、前記第3状態及び前記第6状態に切り換える、
請求項6に記載の温度制御システム。
【請求項8】
前記第1状態及び前記第4状態において、前記流体は前記循環流路を循環する、
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項9】
前記循環流路は、前記タンクから前記温調対象に供給される流体が流れる第1部分と、前記温調対象から前記タンクに供給される流体が流れる第2部分とを含み、
前記第1部分に前記第1温調器が配置され、
前記第2部分に三方弁が配置され、
前記三方弁と前記第1オーバーフロー流路及び前記第2オーバーフロー流路とを接続するバイパス流路を備える、
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の温度制御システム。
【請求項10】
前記低温流路に配置される低温三方弁と、
前記高温流路に配置される高温三方弁と、
前記低温三方弁と前記低温温調ユニットとを接続する低温戻り流路と、
前記高温三方弁と前記高温温調ユニットとを接続する高温戻り流路と、を備える、
請求項9に記載の温度制御システム。
【請求項11】
温調対象とタンクとを含む循環流路において、前記タンクに収容される流体の温度を示すタンク温度を検出することと、
前記タンク温度が前記温調対象の目標温度を含む規定温度範囲であるときに、流体を前記循環流路において循環しながら前記循環流路に配置されている第1温調器で前記温調対象に供給される流体の温度を調整することと、を含
み、
前記タンク温度が前記規定温度範囲でないときに、前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に、第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を供給する、
温度制御方法。
【請求項12】
前記タンク温度が前記規定温度範囲でないときに、低温温調ユニットに貯蔵されている第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い高温温調ユニットに貯蔵されている第2温度の流体の少なくとも一方を前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に供給して、前記タンク温度を前記規定温度範囲に調整すること、を含む、
請求項11に記載の温度制御方法。
【請求項13】
前記第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を前記循環流路に配置されている第2温調器に供給して、前記第2温調器から前記タンクに供給される流体の温度を調整することを含み、
前記温調対象から流出し、前記第2温調器に供給される前の流体の温度を示す出口温度は、前記第1温調器で温度を調整された後、前記温調対象に流入する流体の温度を示す入口温度よりも高く、
前記第1温度の流体を前記第2温調器に供給する、
請求項12に記載の温度制御方法。
【請求項14】
前記第1温度の流体及び前記第1温度よりも高い第2温度の流体の少なくとも一方を前記循環流路に配置されている第2温調器に供給して、前記第2温調器から前記タンクに供給される流体の温度を調整することを含み、
前記温調対象から流出し、前記第2温調器に供給される前の流体の温度を示す出口温度は、前記第1温調器で温度を調整された後、前記温調対象に流入する流体の温度を示す入口温度よりも低く、
前記出口温度と前記入口温度との差がゼロよりも大きい場合、前記第2温度の流体を前記第2温調器に供給する、
請求項12に記載の温度制御方法。
【請求項15】
低温温調ユニットに貯蔵されている第1温度の流体を前記タンクの流入口と前記第1温調器との間の前記循環流路の規定部分に供給するとき、前記タンクに収容されている流体の少なくとも一部を前記低温温調ユニットに戻し、
前記第1温度よりも高い高温温調ユニットに貯蔵されている第2温度の流体を前記規定部分に供給するとき、前記タンクに収容されている流体の少なくとも一部を前記高温温調ユニットに戻す、
請求項11に記載の温度制御方法。
【請求項16】
前記目標温度は、第1目標温度及び前記第1目標温度よりも高い第2目標温度を含み、
前記目標温度が前記第1目標温度に切り換えられたとき、前記第1温度の流体を前記規定部分に供給するとともに、前記タンクの収容されている流体の少なくとも一部を前記低温温調ユニットに戻し、
前記目標温度が前記第2目標温度に切り換えられたとき、前記第2温度の流体を前記規定部分に供給するとともに、前記タンクに収容されている流体の少なくとも一部を前記高温温調ユニットに戻す、
請求項15に記載の温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度制御システム及び温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような温度制御システムが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている温度制御システムは、可変バルブの弁開度を制御することにより流体の温度を調整する。可変バルブの弁開度が高精度に制御されないと、流体の温度を高精度に制御できない可能性がある。例えば可変バルブの制御遅れが発生すると、流体の温度を高精度に制御することが困難となる。
【0005】
本発明の態様は、流体の温度を高精度に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、温調対象と前記温調対象の目標温度を含む規定温度範囲に調整された流体が収容されるタンクとを含む循環流路と、前記循環流路において前記タンクと前記温調対象との間に配置され、前記温調対象に供給される流体の温度を調整する第1温調器と、を備える、温度制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、流体の温度を高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る第1温調器の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る温調部の一部を拡大した断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るバルブシステムの動作を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る温度制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る第2温調器の動作を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るバルブシステムの動作を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第3実施形態に係るバルブシステムの動作を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図14】
図14は、第5実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図15】
図15は、第5実施形態に係る温度制御システムを示すブロック図である。
【
図16】
図16は、第6実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【
図17】
図17は、第7実施形態に係る温度制御システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
<第1実施形態>
[温度制御システム]
図1は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。
図2は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。
図1及び
図2に示すように、温度制御システム1は、温調対象100と温調対象100の目標温度Srを含む規定温度範囲Smに調整された流体Fが収容されるタンク2とを含む循環流路3と、循環流路3においてタンク2と温調対象100との間に配置され、温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する第1温調器4と、循環流路3において温調対象100とタンク2との間に配置され、タンク2に供給される流体Fの温度を調整する第2温調器5と、を備える。
【0011】
また、温度制御システム1は、第1温度T1の流体Fを貯蔵する低温温調ユニット6と、第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを貯蔵する高温温調ユニット7と、低温温調ユニット6からタンク2に供給される流体Fが流通する低温流路8と、高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fが流通する高温流路9と、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの流通状態を切り換え可能なバルブシステム10と、温度制御システム1を制御する制御装置20と、を備える。
【0012】
温調対象100は、半導体製造装置の少なくとも一部を含む。温調対象100は、例えばプラズマ処理装置のウエハホルダを含む。ウエハホルダは、プラズマ処理装置においてプラズマ処理される半導体ウエハを保持する。ウエハホルダは、例えばアルミニウム製である。ウエハホルダは、半導体ウエハを静電吸着力で保持する静電チャックを有する。静電チャックは、直流電圧が印加されることによりクーロン力で半導体ウエハを吸着保持する。ウエハホルダの温度が制御されることにより、ウエハホルダに保持されている半導体ウエハの温度が調整される。
【0013】
温度制御システム1は、温調対象100に流体Fを供給することにより、温調対象100の温度を制御する。本実施形態において、流体Fは液体である。なお、流体Fは気体でもよい。
【0014】
タンク2は、流体Fを収容する。タンク2には、温調対象100の目標温度Srを含む規定温度範囲Smに温度調整された流体Fが収容される。タンク2に収容される流体Fの温度を示すタンク温度Tpは、タンク温度センサ71に検出される。
【0015】
循環流路3は、タンク2から温調対象100に供給される流体Fが流れる第1部分3Aと、温調対象100からタンク2に供給される流体Fが流れる第2部分3Bとを含む。第1部分3Aに循環ポンプ30が配置される。循環ポンプ30が駆動することにより、流体Fは循環流路3を循環する。
【0016】
第1温調器4は、第1部分3Aに配置される。第1温調器4は、タンク2から温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する。本実施形態において、第1温調器4は、熱電モジュール60を含む。第1温調器4で温度を調整された後、温調対象100に流入する流体Fの温度を示す入口温度Tinは、入口温度センサ72に検出される。
【0017】
図3は、本実施形態に係る第1温調器4の一例を模式的に示す図である。
図3に示すように、第1温調器4は、温調流路42を有する本体部材40と、本体部材40に接続される温調部50と、温調部50に接続される熱交換板44と、温調部50を駆動する駆動回路45とを有する。
【0018】
温調流路42は、本体部材40の内部に設けられる。タンク2からの流体Fは、入口41を介して温調流路42に流入する。温調流路42を流通した流体Fは、出口43を介して温調流路42から流出する。温調流路42から流出した流体Fは、温調対象100に供給される。
【0019】
温調部50は、本体部材40を介して、温調流路42を流通する流体Fの温度を調整する。温調部50は、熱電モジュール60を含む。温調部50は、熱電モジュール60を用いて、流体Fの温度を調整する。
【0020】
熱電モジュール60は、吸熱又は発熱して、温調流路42を流通する流体Fの温度を調整する。熱電モジュール60は、電力の供給により吸熱又は発熱する。熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。
【0021】
熱交換板44は、温調部50と熱交換する。熱交換板44は、温調用媒体が流通する内部流路(不図示)を有する。温調用媒体は、媒体温度制御装置(不図示)により温度調整された後、熱交換板44の内部流路に流入する。温調用媒体は、内部流路を流通して、熱交換板44から熱を奪ったり、熱交換板44に熱を与えたりする。温調用媒体は、内部流路から流出し、流体温度制御装置に戻される。
【0022】
図4は、本実施形態に係る温調部50の一部を拡大した断面図である。
図4に示すように、温調部50は、複数の熱電モジュール60と、複数の熱電モジュール60を収容するケース51とを有する。ケース51の一端面と本体部材40とが接続される。ケース51の他端面と熱交換板44とが接続される。
【0023】
熱電モジュール60は、第1電極61と、第2電極62と、熱電半導体素子63とを有する。熱電半導体素子63は、p型熱電半導体素子63Pと、n型熱電半導体素子63Nとを含む。第1電極61は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第2電極62は、p型熱電半導体素子63P及びn型熱電半導体素子63Nのそれぞれに接続される。第1電極61は、本体部材40に隣接する。第2電極62は、熱交換板44に隣接する。p型熱電半導体素子63Pの一方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの一方の端面のそれぞれは、第1電極61に接続される。p型熱電半導体素子63Pの他方の端面及びn型熱電半導体素子63Nの他方の端面のそれぞれは、第2電極62に接続される。
【0024】
熱電モジュール60は、ペルチェ効果により、吸熱又は発熱する。駆動回路45は、熱電モジュール60を吸熱又は発熱させるための電力を熱電モジュール60に供給する。駆動回路45は、第1電極61と第2電極62との間に電位差を与える。第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、熱電半導体素子63において電荷が移動する。電荷の移動により、熱電半導体素子63において熱が移動する。これにより、熱電モジュール60は、吸熱又は発熱する。例えば、第1電極61が発熱し、第2電極62が吸熱するように、第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する流体Fは加熱される。第1電極61が吸熱し、第2電極62が発熱するように、第1電極61と第2電極62との間に電位差が与えられると、温調流路42を流通する流体Fは冷却される。
【0025】
駆動回路45は、熱電モジュール60に電力(電位差)を与える。駆動回路45は、制御装置20に制御される。熱電モジュール60に与えられる電力が調整されることにより、熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整される。熱電モジュール60による吸熱量又は発熱量が調整されることにより、温調流路42を流通する流体Fの温度が調整される。
【0026】
第2温調器5は、熱交換器である。第2温調器5は、第2部分3Bに配置される。第2温調器5は、温調対象100からタンク2に供給される流体Fの温度を調整する。温調対象100から流出し、第2温調器5に供給される前の流体Fの温度を示す出口温度Tou
tは、出口温度センサ73に検出される。
【0027】
第2温調器5とタンク2との間の循環流路3に循環比例弁14が設けられる。循環比例弁14は、制御装置20に制御される。制御装置20は、循環比例弁14を制御して、第2温調器5からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、第2温調器5からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。
【0028】
低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fを貯蔵する。低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fをタンク2に送出することができる。低温温調ユニット6は、低温タンクと、低温温調器と、流体Fを送出させる低温ポンプとを含む。低温温調器は、熱交換器を含む。低温温調器は、流体Fの温度を第1温度T1に調整する。第1温度T1に調整された流体Fは、低温タンクに貯蔵される。一例として、第1温度T1は5℃である。
【0029】
高温温調ユニット7は、第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを貯蔵する。高温温調ユニット7は、第2温度T2の流体Fをタンク2に送出することができる。高温温調ユニット7は、高温タンクと、高温温調器と、流体Fを送出させる高温ポンプとを含む。高温温調器は、熱交換器を含む。高温温調器は、流体Fの温度を第2温度T2に調整する。第2温度T2に調整された流体Fは、高温タンクに貯蔵される。一例として、第2温度T2は85℃である。
【0030】
低温流路8は、低温温調ユニット6とタンク2とを接続する。低温温調ユニット6は、低温流路8を介して、第1温度T1の流体Fをタンク2に供給することができる。低温温調ユニット6からタンク2に供給される流体Fは、低温流路8を流通する。
【0031】
高温流路9は、高温温調ユニット7とタンク2とを接続する。高温温調ユニット7は、高温流路9を介して、第2温度T2の流体Fをタンク2に供給することができる。高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fは、高温流路9を流通する。
【0032】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。第1状態は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7の両方からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。第2状態は、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給され、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。第3状態は、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給され、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。バルブシステム10は、制御装置20に制御される。
【0033】
バルブシステム10は、低温流路8に配置される低温開閉弁11Lと、低温流路8に配置される低温定流量弁12Lと、高温流路9に配置される高温開閉弁11Hと、高温流路9に配置される高温定流量弁12Hとを含む。
【0034】
低温開閉弁11Lは、電磁弁である。低温開閉弁11Lが開くことにより、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。低温開閉弁11Lが閉じることにより、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給が停止される。低温定流量弁12Lは、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される流体Fの流量が一定の流量になるように、流体Fの流量を調整する。
【0035】
高温開閉弁11Hは、電磁弁である。高温開閉弁11Hが開くことにより、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。高温開閉弁11Hが閉じることにより、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給が停止される。高温定流量弁12Hは、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される流体Fの流量が一定の流量になるように、流体Fの流量を調整する。
【0036】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温開閉弁11L及び高温開閉弁11Hのそれぞれを閉じる。これにより、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2に流体Fは供給されない。
【0037】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温開閉弁11Lを開き、高温開閉弁11Hを閉じる。これにより、低温温調ユニット6から送出された第1温度T1の流体Fは、低温流路8を介してタンク2に一定の流量で供給される。
【0038】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温開閉弁11Hを開き、低温開閉弁11Lを閉じる。これにより、高温温調ユニット7から送出された第2温度T2の流体Fは、高温流路9を介してタンク2に一定の流量で供給される。
【0039】
図1は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されない第1状態を示す。第1状態において、流体Fは循環流路3を循環する。
【0040】
本実施形態において、温度制御システム1は、低温開閉弁11Lと低温温調ユニット6との間の低温流路8と低温温調ユニット6とを接続する戻り流路8Rを有する。第1状態及び第3状態において、低温温調ユニット6から送出された流体Fは、戻り流路8Rを介して低温温調ユニット6に戻される。すなわち、第1状態及び第3状態において、流体Fは、低温温調ユニット6及び戻り流路8Rを含む循環流路において循環する。
【0041】
同様に、温度制御システム1は、高温開閉弁11Hと高温温調ユニット7との間の高温流路9と高温温調ユニット7とを接続する戻り流路9Rを有する。第1状態及び第2状態において、高温温調ユニット7から送出された流体Fは、戻り流路9Rを介して高温温調ユニット7に戻される。すなわち、第1状態及び第2状態において、流体Fは、高温温調ユニット7及び戻り流路9Rを含む循環流路において循環する。
【0042】
温度制御システム1は、循環流路3の第2部分3Bと低温温調ユニット6とを接続する第1バイパス流路31と、循環流路3の第2部分3Bと高温温調ユニット7とを接続する第2バイパス流路32とを有する。第1バイパス流路31に第1開閉弁15が設けられる。第2バイパス流路32に第2開閉弁16が設けられる。第1開閉弁15及び第2開閉弁16のそれぞれは、制御装置20に制御される。
【0043】
第1開閉弁15は、電磁弁である。第1開閉弁15が開くことにより、循環流路3から低温温調ユニット6へ流体Fが供給される。第1開閉弁15が閉じることにより、循環流路3から低温温調ユニット6への流体Fの供給が停止される。
【0044】
第2開閉弁16は、電磁弁である。第2開閉弁16が開くことにより、循環流路3から高温温調ユニット7へ流体Fが供給される。第2開閉弁16が閉じることにより、循環流路3から高温温調ユニット7への流体Fの供給が停止される。
【0045】
制御装置20は、第1開閉弁15を制御して、循環流路3から低温温調ユニット6への流体Fの供給と停止とを切り換える。また、制御装置20は、第2開閉弁16を制御して、循環流路3から高温温調ユニット7への流体Fの供給と停止とを切り換える。本実施形態において、フロートスイッチのような流体量センサ74がタンク2に設けられる。制御装置20は、流体量センサ74の検出データに基づいて、第1開閉弁15及び第2開閉弁16の少なくとも一方を制御する。例えば、流体量センサ74の検出データに基づいて、タンク2に収容されている流体Fの量が増加してタンク2から流体Fが溢れそうになったと判定したとき、制御装置20は、第1開閉弁15及び第2開閉弁16の一方又は両方を開く。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7の一方又は両方に供給される。そのため、タンク2から流体Fが溢れてしまうことが抑制される。また、例えば低温温調ユニット6の低温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなった場合、制御装置20は、第1開閉弁15を制御して、循環流路3から低温温調ユニット6の低温タンクへ流体Fを供給することができる。同様に、高温温調ユニット7の高温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなった場合、制御装置20は、第2開閉弁16を制御して、循環流路3から高温温調ユニット7の高温タンクへ流体Fを供給することができる。
【0046】
なお、低温温調ユニット6の低温タンクと高温温調ユニット7の高温タンクとが連結管で連結されてもよい。流体Fは、連結管を介して、低温タンクと高温タンクとの間を流通可能である。連結管が設けられることにより、低温タンクに貯蔵される流体Fの表面の位置(液面の高さ)と、高温タンクに貯蔵される流体Fの表面の位置(液面の高さ)とを一致させることができる。なお、低温タンク及び高温タンクの一方又は両方にフロートスイッチのような流体量センサが設けられてもよい。流体量センサの検出データに基づいて、低温タンクに貯蔵される流体Fの表面の位置及び高温タンクに貯蔵される流体Fの表面の位置が制御されてもよい。なお、低温タンクと高温タンクとを連結する連結管の太さは細いことが好ましい。連結管の太さを細くすることにより、流体Fが連結管を介して低温タンクと高温タンクとの間を流通しても、低温タンクに貯蔵される流体Fの温度は第1温度T1に維持され、低温タンクに貯蔵される流体Fの温度は第2温度T2に維持される。
【0047】
本実施形態において、第1温調器4は、入口温度Tinに基づいて、流体Fの温度を調整する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの入口温度Tinが目標温度Srになるように、第1温調器4の駆動回路45を制御する。
【0048】
本実施形態において、第2温調器5は、低温温調ユニット6からの流体Fを用いて、温調対象100からの流体Fの温度を調整する。上述のように、第2温調器5は、熱交換器を含む。第2温調器5は、供給流路8A及び回収流路8Bのそれぞれを介して、低温温調ユニット6に接続される。低温温調ユニット6から送出された流体Fの少なくとも一部は、供給流路8Aを介して第2温調器5に供給される。第2温調器5において熱交換に使用された流体Fは、回収流路8Bを介して低温温調ユニット6に戻される。供給流路8Aに熱交換器比例弁13Aが設けられる。熱交換器比例弁13Aは、制御装置20に制御される。制御装置20は、熱交換器比例弁13Aを制御して、低温温調ユニット6から第2温調器5への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット6から第2温調器5へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。
【0049】
また、回収流路8Bに熱交換器比例弁13Bが設けられる。供給流路8Aと高温流路9とを接続する接続流路8Cに熱交換器比例弁13Cが設けられる。回収流路8Bと戻り流路9Rとを接続する接続流路8Dに熱交換器比例弁13Dが設けられる。熱交換器比例弁13B、熱交換器比例弁13C、及び熱交換器比例弁13Dのそれぞれは、制御装置20に制御される。以下の説明においては、熱交換器比例弁13Bが開き、熱交換器比例弁13C及び熱交換器比例弁13Dが閉じられている状態で、熱交換器比例弁13Aが制御されることとする。
【0050】
本実施形態において、第2温調器5は、入口温度Tinと出口温度Toutとの差ΔTに基づいて、流体Fの温度を調整する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データ及び出口温度センサ73の検出データに基づいて、温調対象100からタンク2に供給される流体Fの温度が規定温度範囲Smになるように、熱交換器比例弁13Aを制御する。
【0051】
なお、温調対象100がプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、温調対象100は高温環境で使用される。本実施形態において、出口温度Toutは入口温度Tinよりも高いこととする。
【0052】
[バルブシステムの動作]
図5は、本実施形態に係るバルブシステム10の動作を説明するための図である。上述のように、バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。
【0053】
バルブシステム10は、タンク温度Tpに基づいて、第1状態と第2状態と第3状態とを切り換える。制御装置20は、タンク温度センサ71の検出データに基づいて、低温開閉弁11L及び高温開閉弁11Hを制御する。
【0054】
本実施形態において、バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのときに、流体Fの流通状態を第1状態に切り換える。
【0055】
図5に示すように、規定温度範囲Smは、温調対象100の目標温度Srを含む。規定温度範囲Smは、上限温度Smhと上限温度Smhよりも低い下限温度Smlとの間の温度範囲である。目標温度Srは、上限温度Smhと下限温度Smlとの間の温度である。
【0056】
すなわち、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、低温開閉弁11L及び高温開閉弁11Hの両方が閉じられ、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2への流体Fの供給が停止される。タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、流体Fは、循環流路3を循環する。循環流路3を循環する流体Fの温度は、第1温調器4により調整される。また、必要に応じて、循環流路3を循環する流体Fの温度は、第2温調器5により調整される。後述するように、本実施形態においては、入口温度Tinと出口温度Toutとの差ΔTがゼロよりも大きい場合([Tout-Tin>0]の場合)、循環流路3を循環する流体Fの温度は、第2温調器5により調整される。
【0057】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smでないときに第2状態及び記第3状態の少なくとも一方に切り換える。
【0058】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの上限温度Smhよりも高い高温温度範囲Shのときに、流体Fの流通状態を第2状態に切り換える。
【0059】
すなわち、タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、低温開閉弁11Lが開き、高温開閉弁11Hが閉じられ、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。第1温度T1は上限温度Smhよりも低い。本実施形態において、第1温度T1は目標温度Srよりも低い。なお、第1温度T1は、下限温度Smlよりも低くてもよい。タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、第1温度T1の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。
【0060】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの下限温度Smlよりも低い低温温度範囲Slのときに、流体Fの流通状態を第3状態に切り換える。
【0061】
すなわち、タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、高温開閉弁11Hが開き、低温開閉弁11Lが閉じられ、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。第2温度T2は下限温度Smlよりも高い。本実施形態において、第2温度T2は目標温度Srよりも高い。なお、第2温度T2は、上限温度Smhよりも高くてもよい。タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、第2温度T2の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。
【0062】
[制御方法]
次に、本実施形態に係る温調対象100の温度制御方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る温度制御方法を示すフローチャートである。本実施形態においては、温調対象100とタンク2とを含む循環流路3においてタンク温度T
pがタンク温度センサ71により検出される。タンク温度T
pが規定温度範囲Smであるときに、流体Fの流通状態が第1状態に切り換えられ、流体Fが循環流路3を循環する。循環流路3を流通する流体Fの温度は、第1温調器4により調整される。第1温調器4により温度を調整された流体Fが温調対象100に供給される。また、タンク温度T
pが規定温度範囲Smでないときに、低温温調ユニット6に貯蔵されている第1温度T
1の流体F及び高温温調ユニット7に貯蔵されている第2温度T
2の流体Fの少なくとも一方がタンク2に供給される。これにより、タンク温度T
pが規定温度範囲Smに調整される。
【0063】
以下の説明において、第1状態は、低温開閉弁11L及び高温開閉弁11Hの両方が閉じられ、循環比例弁14が開き、循環ポンプ30が駆動し、第1開閉弁15及び第2開閉弁16の両方が閉じられている状態であることとする。
【0064】
以下の説明において、第2状態は、低温開閉弁11Lが開き、高温開閉弁11Hが閉じられ、循環比例弁14が開き、循環ポンプ30が駆動し、第1開閉弁15が開き、第2開閉弁16が閉じられている状態であることとする。
【0065】
以下の説明において、第3状態は、高温開閉弁11Hが開き、低温開閉弁11Lが閉じられ、循環比例弁14が開き、循環ポンプ30が駆動し、第2開閉弁16が開き、第1開閉弁15が閉じられている状態であることとする。
【0066】
タンク2に流体Fが十分に収容されている状態で、制御装置20は、循環比例弁14を開き、循環ポンプ30を駆動する。これにより、流体Fは、循環流路3を循環する。
【0067】
制御装置20は、タンク温度センサ71の検出データを取得する。制御装置20は、タンク温度Tpが低温温度範囲Slであるか否かを判定する(ステップST1)。
【0068】
ステップST1において、タンク温度Tpが低温温度範囲Slでないと判定した場合(ステップST1:No)、制御装置20は、タンク温度Tpが高温温度範囲Shであるか否かを判定する(ステップST2)。
【0069】
ステップST2において、タンク温度Tpが高温温度範囲Shでないと判定した場合(ステップST2:No)、制御装置20は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smであると判定する。制御装置20は、バルブシステム10を制御して、流体Fの流通状態を第1状態に切り換える(ステップST3)。
【0070】
制御装置20は、入口温度センサ72の検出データ及び出口温度センサ73の検出データを取得する。制御装置20は、入口温度Tinと出口温度Toutとの差ΔTを算出する。上述のように、本実施形態においては、出口温度Toutは入口温度Tinよりも高いこととする。制御装置20は、入口温度Tinと出口温度Toutとの差ΔTがゼロよりも大きいか否かを判定する。すなわち、制御装置20は、[Tout-Tin>0]の条件が成立するか否かを判定する(ステップST4)。
【0071】
ステップST4において、[Tout-Tin>0]の条件が成立すると判定した場合(ステップST4:Yes)、制御装置20は、第2温調器5による流体Fの温度の調整を開始する。すなわち、制御装置20は、熱交換器比例弁13Aを開く(ステップST5)。
【0072】
制御装置20は、熱交換器比例弁13Bが開き、熱交換器比例弁13C及び熱交換器比例弁13Dが閉じられている状態で、熱交換器比例弁13Aを開く。熱交換器比例弁13Aが開くことにより、低温温調ユニット6から第2温調器5に第1温度T1の流体Fが供給流路8Aを介して供給される。これにより、第2温調器5は、低温温調ユニット6から供給された流体Fと循環流路3を循環する流体Fとを熱交換して、循環流路3を循環する流体Fの温度を調整(冷却)することができる。
【0073】
図7は、本実施形態に係る第2温調器5の動作を説明するための図である。制御装置20は、入口温度T
inと出口温度T
outとの差ΔTと熱交換器比例弁13Aの開度との関係を示す相関データを記憶する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データ及び出口温度センサ73の検出データに基づいて算出される差ΔTと相関データとに基づいて、熱交換器比例弁13Aの開度を調整する。
図7に示すように、差ΔTが大きい場合、すなわち、出口温度T
outが高温度である場合、熱交換器比例弁13Aの開度は大きい開度に調整される。熱交換器比例弁13Aの開度が大きい開度に調整されることにより、低温温調ユニット6から第2温調器5に供給される第1温度T
1の流体Fの流量は増大する。これにより、出口温度T
outが高温度でも、第2温調器5は、流体Fを十分に冷却することができる。一方、差ΔTが小さい場合、すなわち、出口温度T
outが低温度である場合、熱交換器比例弁13Aの開度は小さい開度に調整される。
【0074】
なお、ステップST4において、[Tout-Tin>0]の条件が成立しないと判定した場合(ステップST4:No)、制御装置20は、第2温調器5による流体Fの温度の調整を実施しない。すなわち、制御装置20は、熱交換器比例弁13Aを閉じる。
【0075】
制御装置20は、入口温度センサ72により検出された入口温度Tinに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの温度が目標温度Srになるように、第1温調器4を制御する(ステップST6)。
【0076】
すなわち、制御装置20は、入口温度Tinに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの温度が目標温度Srになるように、第1温調器4をフィードバック制御する。第1温調器4は、熱電モジュール60を含む。したがって、第1温調器4は、温調対象100に供給される流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0077】
ステップST2において、タンク温度Tpが高温温度範囲Shであると判定した場合(ステップST2:Yes)、制御装置20は、バルブシステム10を制御して、流体Fの流通状態を第2状態に切り換える(ステップST7)。
【0078】
流体Fの流通状態が第2状態に切り換えられることにより、高温温度範囲Shのタンク温度Tpは、規定温度範囲Smになるように調整される。制御装置20は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smになるまで、第2状態を維持する。制御装置20は、第2状態を維持したまま、ステップST4、ステップST5、及びステップST6の処理を実行する。制御装置20は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smになった後、流体Fの流通状態を第2状態から第1状態に切り換える。
【0079】
ステップST1において、タンク温度Tpが低温温度範囲Slであると判定した場合(ステップST1:Yes)、制御装置20は、バルブシステム10を制御して、流体Fの流通状態を第3状態に切り換える(ステップST8)。
【0080】
流体Fの流通状態が第3状態に切り換えられることにより、低温温度範囲Slのタンク温度Tpは、規定温度範囲Smになるように調整される。制御装置20は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smになるまで、第3状態を維持する。制御装置20は、第3状態を維持したまま、ステップST4、ステップST5、及びステップST6の処理を実行する。制御装置20は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smになった後、流体Fの流通状態を第3状態から第1状態に切り換える。
【0081】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、温度制御システム1は、温調対象100と温調対象100の目標温度Srを含む規定温度範囲Smに調整された流体Fが収容されるタンク2とを含む循環流路3と、循環流路3においてタンク2と温調対象100との間に配置され、温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する第1温調器4と、を備える。タンク2には、規定温度範囲Smに調整された流体Fが収容されているので、第1温調器4は、温調対象100に供給される流体Fの温度を目標温度Srに高精度の調整することができる。また、本実施形態によれば、第1温調器4は、熱電モジュール60を含む。そのため、例えば可変バルブの弁開度を制御することにより流体Fの温度を調整する方式に比べて、可変バルブを用いなくてもよいので、流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0082】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのときには、流体Fの流通状態を第1状態にする。これにより、第1状態においては、規定温度範囲Smに調整されている流体Fが循環流路3を循環する。第1温調器4は規定温度範囲Smに調整されている流体Fの温度を高精度に調整することができる。また、バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smでないときには、すなわち、高温温度範囲Sh又は低温温度範囲Slであるときには、流体Fの流通状態を第2状態又は第3状態にする。これにより、流体Fの温度は規定温度範囲Smに調整される。
【0083】
制御装置20は、入口温度Tinと出口温度Toutとの差ΔTに基づいて、熱交換器比例弁13Aを制御して、低温温調ユニット6から第2温調器5に供給される流体Fの流量を調整する。これにより、温調対象100から流出した流体Fの温度が高温度でも、第2温調器5は、温調対象100から流出した流体Fを十分に冷却することができる。
【0084】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、第1温度T1の流体Fを送出可能な低温温調ユニット6及び第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを送出可能な高温温調ユニット7が設けられ、循環流路3に配置されている第2温調器5で流体Fの温度を調整する場合、第1温度T1の流体F及び第2温度T2の流体Fの少なくとも一方を第2温調器5に供給して、第2温調器5からタンク2に供給される流体Fの温度を調整することとした。また、温調対象100から流出し、第2温調器5に供給される前の流体Fの温度を示す出口温度To
utは、第1温調器4で温度を調整された後、温調対象100に流入する流体の温度を示す入口温度Tinよりも高いこととした。そして、出口温度Toutと入口温度Tinとの差ΔTがゼロよりも大きい場合、すなわち、[Tout-Tin>0]の条件が成立する場合、熱交換器比例弁13Aを開いて、低温温調ユニット6から第2温調器5に第1温度T1の流体Fを供給することとした。出口温度Toutが入口温度Tinよりも低く、出口温度Toutと入口温度Tinとの差ΔTがゼロよりも大きい場合、すなわち、[Tout-Tin<0]の条件が成立する場合、高温温調ユニット7から第2温調器5に第2温度T2の流体Fが供給されてもよい。高温温調ユニット7から第2温調器5に第2温度T2の流体Fを供給する場合、制御装置20は、熱交換器比例弁13A及び熱交換器比例弁13Bが閉じられている状態で、熱交換器比例弁13C及び熱交換器比例弁13Dを開く。これにより、高温温調ユニット7から送出された第2温度T2の流体Fは、接続流路8C及び供給流路8Aを介して第2温調器5に供給される。第2温調器5において熱交換に使用された流体Fは、回収流路8B及び接続流路8Dを介して高温温調ユニット7に戻される。
【0085】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0086】
[温度制御システム]
図8は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。
図9は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。
図8及び
図9に示すように、温度制御システム1は、温調対象100及びタンク2を含む循環流路3と、温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する第1温調器4と、を備える。
【0087】
また、温度制御システム1は、第1温度T1の流体Fを貯蔵する低温温調ユニット6と、第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを貯蔵する高温温調ユニット7と、低温温調ユニット6からタンク2に供給される流体Fが流通する低温流路8と、高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fが流通する高温流路9と、タンク2から低温温調ユニット6に戻される流体Fが流通する第1オーバーフロー流路8Eと、タンク2から高温温調ユニット7に戻される流体Fが流通する第2オーバーフロー流路8Fと、タンク2に収容される流体Fが目標温度Srになるように流体Fの流通状態を切り換え可能なバルブシステム10と、温度制御システム1を制御する制御装置20と、を備える。
【0088】
循環流路3の第2部分3Bと低温温調ユニット6とは、第1バイパス流路31を介して接続される。循環流路3の第2部分3Bと高温温調ユニット7とは、第2バイパス流路32を介して接続される。第1バイパス流路31に第1開閉弁15が設けられる。第2バイパス流路32に第2開閉弁16が設けられる。
【0089】
循環流路3と第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32との境界に三方弁18が設けられる。三方弁18は、制御装置20に制御される。制御装置20は、三方弁18を制御して、温調対象100からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換える。三方弁18により温調対象100からタンク2へ流体Fが供給されるとき、循環流路3から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7への流体Fの供給が停止される。三方弁18により温調対象100からタンク2への流体Fの供給が停止されるとき、循環流路3の流体Fは低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7へ供給可能である。
【0090】
低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第1温度T1は-10℃である。高温温調ユニット7は、第2温度T2の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第2温度T2は90℃である。
【0091】
低温流路8は、低温温調ユニット6とタンク2とを接続する。低温温調ユニット6からタンク2に供給される第1温度T1の流体Fは、低温流路8を流通する。
【0092】
高温流路9は、高温温調ユニット7とタンク2とを接続する。高温温調ユニット7からタンク2に供給される第2温度T2の流体Fは、高温流路9を流通する。
【0093】
第1オーバーフロー流路8Eは、タンク2の上部と低温温調ユニット6とを接続する。低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第1オーバーフロー流路8Eを介して、低温温調ユニット6に戻される。タンク2から低温温調ユニット6に戻される流体Fは、第1オーバーフロー流路8Eを流通する。第1オーバーフロー流路8Eにより、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給されても、タンク2に収容されている流体Fがタンク2から溢れることが抑制される。
【0094】
第2オーバーフロー流路8Fは、タンク2の上部と高温温調ユニット7とを接続する。高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第2オーバーフロー流路8Fを介して、高温温調ユニット7に戻される。タンク2から高温温調ユニット7に戻される流体Fは、第2オーバーフロー流路8Fを流通する。第2オーバーフロー流路8Fにより、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給されても、タンク2に収容されている流体Fがタンク2から溢れることが抑制される。
【0095】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの流通状態を切り換え可能である。また、バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7への流体Fの流通状態を切り換え可能である。バルブシステム10は、制御装置20に制御される。
【0096】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。第1状態は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7の両方からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。第2状態は、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給され、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。第3状態は、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給され、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給されない状態である。
【0097】
バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへ流体Fが戻されない第4状態と、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される第5状態と、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される第6状態とを切り換え可能である。第4状態は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7の両方へ流体Fが戻されない状態である。第5状態は、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻され、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻されない状態である。第6状態は、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻され、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻されない状態である。
【0098】
バルブシステム10は、第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。すなわち、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されないとき、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへ流体Fは戻されない。低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。
【0099】
バルブシステム10は、低温流路8に配置される低温流量調整弁17Lと、高温流路9に配置される高温流量調整弁17Hと、第1オーバーフロー流路8Eに配置される低温開閉弁19Lと、第2オーバーフロー流路8Fに配置される高温開閉弁19Hとを含む。
【0100】
低温流量調整弁17Lは、制御装置20に制御される。制御装置20は、低温流量調整弁17Lを制御して、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。低温流量調整弁17Lが開くことにより、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。低温流量調整弁17Lが閉じることにより、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給が停止される。
【0101】
高温流量調整弁17Hは、制御装置20に制御される。制御装置20は、高温流量調整弁17Hを制御して、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。高温流量調整弁17Hが開くことにより、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。高温流量調整弁17Hが閉じることにより、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給が停止される。
【0102】
低温流量調整弁17Lは、比例弁でもよいし開閉弁でもよい。比例弁は、流体Fの流量制御を高精度に実施することができる。そのため、低温流量調整弁17Lとして比例弁が用いられる場合、タンク2における流体Fの温度制御を高精度に実施することができる。なお、流体Fの高精度な流量制御及びタンク2における流体Fの高精度な温度制御が要求されない場合、低温流量調整弁17Lとして安価な開閉弁が用いられてもよい。同様に、高温流量調整弁17Hは、比例弁でもよいし開閉弁でもよい。
【0103】
低温開閉弁19Lは、開閉弁である。低温開閉弁19Lが開くことにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。低温開閉弁19Lが閉じることにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fは戻されない。開閉弁は、例えば電磁弁である。
【0104】
高温開閉弁19Hは、開閉弁である。高温開閉弁19Hが開くことにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。高温開閉弁19Hが閉じることにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fは戻されない。開閉弁は、例えば電磁弁である。
【0105】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温流量調整弁17L及び高温流量調整弁17Hのそれぞれを閉じる。これにより、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2に流体Fは供給されない。
【0106】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温流量調整弁17Lを開き、高温流量調整弁17Hを閉じる。これにより、低温温調ユニット6から送出された第1温度T1の流体Fは、低温流路8を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0107】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温流量調整弁17Hを開き、低温流量調整弁17Lを閉じる。これにより、高温温調ユニット7から送出された第2温度T2の流体Fは、高温流路9を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0108】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第4状態にするとき、低温開閉弁19L及び高温開閉弁19Hのそれぞれを閉じ、第2部分3Bから第1部分3Aに流体Fが流通するように第2部分3Bと第1部分3Aとを繋ぐ三方弁18の開度を100%とし、第2部分3Bから第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれに流体Fが流通しないように第2部分3Bと第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれとを繋ぐ三方弁18の開度を0%とし、第1開閉弁15及び第2開閉弁16のそれぞれを閉じる。これにより、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれに流体Fは戻されない。
【0109】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第5状態にするとき、低温開閉弁19Lを開き、高温開閉弁19Hを閉じ、第2部分3Bから一部の流体Fが循環流路3に、残りの流体Fが第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれに流通するように、循環流路3と第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれとを繋ぐ三方弁18の開度をタンク2内の流体Fの温度と目標温度Srとの差に基づいて制御し、第1開閉弁15を開き、第2開閉弁16を閉じる。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第1オーバーフロー流路8Eを介して低温温調ユニット6に戻され、循環流路3を流通する流体Fの少なくとも一部は、第1バイパス流路31を介して低温温調ユニット6に戻される。
【0110】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第6状態にするとき、高温開閉弁19Hを開き、低温開閉弁19Lを閉じ、第2部分3Bから一部の流体Fが循環流路3に、残りの流体Fが第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれに流通するように、循環流路3と第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32のそれぞれとを繋ぐ三方弁18の開度をタンク2内の流体Fの温度と目標温度Srとの差に基づいて制御し、第1開閉弁15を閉じ、第2開閉弁16を開く。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第2オーバーフロー流路8Fを介して高温温調ユニット7に戻され、循環流路3を流通する流体Fの少なくとも一部は、第2バイパス流路32を介して高温温調ユニット7に戻される。
【0111】
制御装置20は、三方弁18及び第1開閉弁15を制御して、循環流路3から低温温調ユニット6への流体Fの供給と停止とを切り換えることができる。また、制御装置20は、三方弁18及び第2開閉弁16を制御して、循環流路3から高温温調ユニット7への流体Fの供給と停止とを切り換えることができる。例えば、タンク2に収容されている流体Fの量が増加してタンク2から流体Fが溢れそうになったとき、制御装置20は、循環流路3を流通する流体Fの少なくても一部が第1バイパス流路31を介して低温温調ユニット6に供給されるように、三方弁18及び第1開閉弁15を制御することができる。なお、タンク2から流体Fが溢れそうになったとき、制御装置20は、循環流路3を流通する流体Fの少なくても一部が第2バイパス流路32を介して高温温調ユニット7に供給されるように、三方弁18及び第2開閉弁16を制御してもよい。これにより、タンク2から流体Fが溢れてしまうことが抑制される。また、例えば低温温調ユニット6の低温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなった場合、制御装置20は、三方弁18及び第1開閉弁15を制御して、循環流路3から第1バイパス流路31を介して低温温調ユニット6の低温タンクへ流体Fを供給することができる。同様に、高温温調ユニット7の高温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなった場合、制御装置20は、三方弁18及び第2開閉弁16を制御して、循環流路3から第2バイパス流路32を介して高温温調ユニット7の高温タンクへ流体Fを供給することができる。
【0112】
第1温調器4は、入口温度Tinに基づいて、流体Fの温度を調整する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの入口温度Tinが目標温度Srになるように、第1温調器4の駆動回路45を制御する。
【0113】
制御装置20は、低温流量調整弁17L、三方弁18、及び第1開閉弁15のそれぞれを制御して、循環流路3から温調対象100に供給される流体Fの温度を高精度に制御することができる。例えば、循環流路3から温調対象100に供給された流体Fは、温調対象100を冷却することで温度上昇する。
【0114】
三方弁18の開度、及び低温流量調整弁17Lの開度が制御されるとともに、第1開閉弁15が開状態に制御されることにより、温調対象100を通過し温度上昇した流体Fは、三方弁18により第1バイパス流路31を流通し第1開閉弁15を経由して低温温調ユニット6に戻る経路と、タンク2に戻る経路とに分流する。
【0115】
また、第1バイパス流路31を流通し第1開閉弁15を経由して低温温調ユニット6に戻された流体Fを補う量の流体Fが、低温温調ユニット6から低温流量調整弁17Lを経由して低温流路8を流通しタンク2に供給されることにより、タンク2における流体Fの温度は、速やかに且つ高精度に制御される。タンク2における流体Fは、循環ポンプ30を介して第1部分3Aを流通し、第1温調器4で更に高精度に温度制御され、温調対象100に供給される。
【0116】
[バルブシステムの動作]
図10は、本実施形態に係るバルブシステム10の動作を説明するための図である。バルブシステム10は、流体Fの流通状態が第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。すなわち、低温温調ユニット6に貯蔵されている流体F及び高温温調ユニット7に貯蔵されている流体Fをタンク2に供給しないとき、タンク2に収容されている流体Fは低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7に戻されない。低温温調ユニット6に貯蔵されている第1温度T
1の流体Fをタンク2に供給するとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部が低温温調ユニット6に戻される。第1温度T
1よりも高い高温温調ユニット7に貯蔵されている第2温度T
2の流体Fをタンク2に供給するとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部が高温温調ユニット7に戻される。
【0117】
バルブシステム10は、タンク温度Tpに基づいて、第1状態と第2状態と第3状態とを切り換える。制御装置20は、タンク温度センサ71の検出データに基づいて、低温流量調整弁17L、高温流量調整弁17H,低温開閉弁19L、及び高温開閉弁19Hを制御する。
【0118】
本実施形態において、バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのときに、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に切り換える。
【0119】
図10に示すように、規定温度範囲Smは、温調対象100の目標温度Srを含む。規定温度範囲Smは、上限温度Smhと上限温度Smhよりも低い下限温度Smlとの間の温度範囲である。
【0120】
すなわち、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、低温流量調整弁17L及び高温流量調整弁17Hの両方が閉じられ、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2への流体Fの供給が停止される。タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、低温開閉弁19L及び高温開閉弁19Hの両方が閉じられ、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへの流体Fの供給が停止される。タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、流体Fは、循環流路3を循環する。すなわち、第1状態及び第4状態において、流体Fは、循環流路3を循環する。循環流路3を循環する流体Fの温度は、第1温調器4により調整される。
【0121】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの上限温度Smhよりも高い高温温度範囲Shのときに、流体Fの流通状態を第2状態及び第5状態に切り換える。
【0122】
すなわち、タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、低温流量調整弁17Lが開き、高温流量調整弁17Hが閉じられ、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、第1温度T1の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。制御装置20は、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される単位時間当たりの流体Fの流量が多くなるように低温流量調整弁17Lを制御することにより、高温温度範囲Shのタンク温度Tpを短時間で規定温度範囲Smに調整することができる。また、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給されている状態で、低温開閉弁19Lが開き、高温開閉弁19Hが閉じられ、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。これにより、低温温調ユニット6からタンク2に多量の流体Fが供給されても、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻されることにより、低温温調ユニット6の低温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。
【0123】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの下限温度Smlよりも低い低温温度範囲Slのときに、流体Fの流通状態を第3状態及び第6状態に切り換える。
【0124】
すなわち、タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、高温流量調整弁17Hが開き、低温流量調整弁17Lが閉じられ、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、第2温度T2の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。制御装置20は、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される単位時間当たりの流体Fの流量が多くなるように高温流量調整弁17Hを制御することにより、低温温度範囲Slのタンク温度Tpを短時間で規定温度範囲Smに調整することができる。また、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給されている状態で、高温開閉弁19Hが開き、低温開閉弁19Lが閉じられ、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。これにより、高温温調ユニット7からタンク2に多量の流体Fが供給されても、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻されることにより、高温温調ユニット7の高温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。
【0125】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、第1オーバーフロー流路8E及び第2オーバーフロー流路8Fが設けられる。タンク温度Tpが高温温度範囲Shのときに、流体Fの流通状態は、第2状態及び第5状態に切り換えられる。第2状態に切り換えられることにより、高温温度範囲Shのタンク温度Tpは、規定温度範囲Smに調整される。また、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが多量に供給されることにより、高温温度範囲Shのタンク温度Tpは、短時間で規定温度範囲Smに調整される。低温温調ユニット6からタンク2に多量の流体Fが供給されても、流体Fの流通状態が第5状態に切り換えられることにより、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、低温温調ユニット6の低温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。また、タンク温度Tpが低温温度範囲Slのときに、流体Fの流通状態は、第3状態及び第6状態に切り換えられる。第3状態に切り換えられることにより、低温温度範囲Slのタンク温度Tpは、規定温度範囲Smに調整される。また、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが多量に供給されることにより、低温温度範囲Slのタンク温度Tpは、短時間で規定温度範囲Smに調整される。高温温調ユニット7からタンク2に多量の流体Fが供給されても、流体Fの流通状態が第6状態に切り換えられることにより、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、高温温調ユニット7の高温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。
【0126】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。本実施形態に係る温度制御システム1の構成は、
図8を参照して説明した第2実施形態に係る温度制御システム1と同一の構成である。
【0127】
[バルブシステムの動作]
図11は、本実施形態に係るバルブシステム10の動作を説明するための図である。上述の第2実施形態と同様、バルブシステム10は、流体Fの流通状態が第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。
【0128】
本実施形態において、目標温度Srとして、第1目標温度Sr1と、第1目標温度Sr1よりも高い第2目標温度Sr2と、第2目標温度Sr2よりも高い第3目標温度Sr3とが設定される。温調対象100がプラズマ処理装置のウエハホルダである場合、ウエハホルダにウエハが保持された状態で、ウエハホルダの目標温度Srが変更される場合がある。すなわち、プラズマ処理の内容に基づいて、ウエハホルダの目標温度Srが第1目標温度Sr1に設定される場合と第2目標温度Sr2に設定される場合と第3目標温度Sr3に設定される場合とがある。一例として、第1目標温度Sr1は25℃であり、第2目標温度Sr2は60℃であり、第3目標温度Sr3は80℃である。なお、目標温度Srは、第1目標温度Sr1及び第2目標温度Sr2の2種類に設定されてもよいし、4種類以上に設定されてもよい。
【0129】
低温温調ユニット6に貯蔵される流体Fの第1温度T1は、複数種類の目標温度Srのうち最も低い目標温度Srよりも低い。高温温調ユニット7に貯蔵される流体Fの第2温度T2は、複数種類の目標温度Srのうち最も高い目標温度Srよりも高い。本実施形態において、第1温度T1は、第1目標温度Sr1よりも低い。第2温度T2は、第3目標温度Sr3よりも高い。すなわち、[T1<Sr1<Sr2<Sr3<T2]の条件が成立する。
【0130】
図11において、実線で示すラインLrは目標温度Srを示し、点線で示すラインLsはタンク温度センサ71により検出される流体Fのタンク温度T
pを示す。
図11に示す例において、ウエハホルダにウエハが保持された後の第1時点t1から第1時間経過後の第2時点t2までの第1期間Taにおいては、目標温度Srは第3目標温度Sr3に設定される。第2時点t2から第2時間経過後の第3時点t3までの第2期間Tbにおいては、目標温度Srは第1目標温度Sr1に設定される。第3時点t3から第3時間経過後の第4時点t4までの第3期間Tcにおいては、目標温度Srは第2目標温度Sr2に設定される。
【0131】
第2時点t2において、タンク温度Tpは、第3目標温度Sr3から第1目標温度Sr1に瞬時に変化することが好ましい。第3時点t3において、タンク温度Tpは、第1目標温度Sr1から第2目標温度Sr2に瞬時に変化することが好ましい。
【0132】
第1期間Taにおいては、流体Fのタンク温度Tpと第3目標温度Sr3との差が許容値以下に維持される。タンク温度Tpと第3目標温度Sr3との差が許容値以下であることは、タンク温度Tpが規定温度範囲Smに存在することを意味する。バルブシステム10は、第1期間Taにおいて、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に維持する。
【0133】
第2時点t2において目標温度Srが第3目標温度Sr3から第1目標温度Sr1に切り換えられたとき、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を、第1状態及び第4状態から、第2状態及び第5状態に切り換える。すなわち、目標温度Srが第3目標温度Sr3から第1目標温度Sr1に切り換えられたとき、制御装置20は、第1温度T1の流体Fが低温温調ユニット6からタンク2に供給されるとともに、タンク2の収容されている流体Fの少なくとも一部が低温温調ユニット6に戻されるように、バルブシステム10を制御する。
【0134】
流体Fの流通状態が第1状態及び第4状態から第2状態及び第5状態に切り換えられ、流体Fのタンク温度Tpと第1目標温度Sr1との差が許容値以下になった後、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に戻す。流体Fのタンク温度Tpと第1目標温度Sr1との差が許容値以下になった後、流体Fのタンク温度Tpと第1目標温度Sr1との差は許容値以下に維持される。目標温度Srが第3目標温度Sr3から第1目標温度Sr1に切り換えられた直後においては、タンク温度Tpは高温温度範囲Shに存在することになる。タンク温度Tpと第1目標温度Sr1との差が許容値以下であることは、タンク温度Tpが規定温度範囲Smに存在することを意味する。バルブシステム10は、第2期間Tbにおいて、流体Fのタンク温度Tpと第1目標温度Sr1との差が許容値以下になった後、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に維持する。
【0135】
第3時点t3において目標温度Srが第1目標温度Sr1から第2目標温度Sr2に切り換えられたとき、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を、第1状態及び第4状態から、第3状態及び第6状態に切り換える。すなわち、目標温度Srが第1目標温度Sr1から第2目標温度Sr2に切り換えられたとき、制御装置20は、第2温度T2の流体Fが高温温調ユニット7からタンク2に供給されるとともに、タンク2の収容されている流体Fの少なくとも一部が高温温調ユニット7に戻されるように、バルブシステム10を制御する。
【0136】
流体Fの流通状態が第1状態及び第4状態から第3状態及び第6状態に切り換えられ、流体Fのタンク温度Tpと第2目標温度Sr2との差が許容値以下になった後、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に戻す。流体Fのタンク温度Tpと第2目標温度Sr2との差が許容値以下になった後、流体Fのタンク温度Tpと第2目標温度Sr2との差は許容値以下に維持される。目標温度Srが第1目標温度Sr1から第2目標温度Sr2に切り換えられた直後においては、タンク温度Tpは低温温度範囲Slに存在することになる。タンク温度Tpと第2目標温度Sr2との差が許容値以下であることは、タンク温度Tpが規定温度範囲Smに存在することを意味する。バルブシステム10は、第3期間Tcにおいて、流体Fのタンク温度Tpと第2目標温度Sr2との差が許容値以下になった後、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に維持する。
【0137】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、目標温度Srが高い値から低い値に変更されるとき、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を、第2状態及び第5状態に切り換える。これにより、タンク温度Tpは、目標温度Srに調整される。低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが多量に供給されることにより、タンク温度Tpは、短時間で目標温度Srに調整される。第2状態において低温温調ユニット6からタンク2に多量の流体Fが供給されても、流体Fの流通状態が第5状態に切り換えられることにより、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、目標温度Srが低い値から高い値に変更されるとき、バルブシステム10は、流体Fの流通状態を、第3状態及び第6状態に切り換える。これにより、タンク温度Tpは、目標温度Srに調整される。高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが多量に供給されることにより、タンク温度Tpは、短時間で目標温度Srに調整される。第3状態において高温温調ユニット7からタンク2に多量の流体Fが供給されても、流体Fの流通状態が第6状態に切り換えられることにより、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。
【0138】
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0139】
[温度制御システム]
図12は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。
図13は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。
図12及び
図13に示すように、温度制御システム1は、温調対象100及びタンク2を含む循環流路3と、温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する第1温調器4と、を備える。
【0140】
また、温度制御システム1は、第1温度T1の流体Fを貯蔵する低温温調ユニット6と、第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを貯蔵する高温温調ユニット7と、低温温調ユニット6からタンク2に供給される流体Fが流通する低温流路8と、高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fが流通する高温流路9と、タンク2に収容される流体Fが目標温度Srになるように流体Fの流通状態を切り換え可能なバルブシステム10と、温度制御システム1を制御する制御装置20と、を備える。
【0141】
低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第1温度T1は-10℃である。高温温調ユニット7は、第2温度T2の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第2温度T2は90℃である。
【0142】
低温流路8は、低温温調ユニット6とタンク2とを接続する。低温温調ユニット6からタンク2に供給される第1温度T1の流体Fは、低温流路8を流通する。
【0143】
高温流路9は、高温温調ユニット7とタンク2とを接続する。高温温調ユニット7からタンク2に供給される第2温度T2の流体Fは、高温流路9を流通する。
【0144】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの流通状態を切り換え可能である。また、バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7への流体Fの流通状態を切り換え可能である。バルブシステム10は、制御装置20に制御される。
【0145】
上述の実施形態と同様、バルブシステム10は、第1状態と、第2状態と、第3状態とを切り換え可能である。また、バルブシステム10は、第4状態と、第5状態と、第6状態とを切り換え可能である。バルブシステム10は、第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。
【0146】
バルブシステム10は、低温流路8に配置される低温流量調整弁17Lと、高温流路9に配置される高温流量調整弁17Hと、第1オーバーフロー流路8Eに配置される低温開閉弁19Lと、第2オーバーフロー流路8Fに配置される高温開閉弁19Hとを含む。
【0147】
低温流量調整弁17Lは、制御装置20に制御される。制御装置20は、低温流量調整弁17Lを制御して、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。低温流量調整弁17Lが開くことにより、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。低温流量調整弁17Lが閉じることにより、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給が停止される。
【0148】
高温流量調整弁17Hは、制御装置20に制御される。制御装置20は、高温流量調整弁17Hを制御して、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したりすることができる。高温流量調整弁17Hが開くことにより、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。高温流量調整弁17Hが閉じることにより、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給が停止される。
【0149】
低温開閉弁19Lは、電磁弁である。低温開閉弁19Lが開くことにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。低温開閉弁19Lが閉じることにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fは戻されない。
【0150】
高温開閉弁19Hは、電磁弁である。高温開閉弁19Hが開くことにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。高温開閉弁19Hが閉じることにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fは戻されない。
【0151】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温流量調整弁17L及び高温流量調整弁17Hのそれぞれを閉じる。これにより、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2に流体Fは供給されない。
【0152】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温流量調整弁17Lを開き、高温流量調整弁17Hを閉じる。これにより、低温温調ユニット6から送出された第1温度T1の流体Fは、低温流路8を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0153】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温流量調整弁17Hを開き、低温流量調整弁17Lを閉じる。これにより、高温温調ユニット7から送出された第2温度T2の流体Fは、高温流路9を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0154】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第4状態にするとき、低温開閉弁19L及び高温開閉弁19Hのそれぞれを閉じる。これにより、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれに流体Fは戻されない。
【0155】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第5状態にするとき、低温開閉弁19Lを開き、高温開閉弁19Hを閉じる。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第1オーバーフロー流路8Eを介して低温温調ユニット6に戻される。
【0156】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第6状態にするとき、高温開閉弁19Hを開き、低温開閉弁19Lを閉じる。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第2オーバーフロー流路8Fを介して高温温調ユニット7に戻される。
【0157】
制御装置20は、低温開閉弁19Lを制御して、循環流路3から低温温調ユニット6への流体Fの供給と停止とを切り換えることができる。また、制御装置20は、高温開閉弁19Hを制御して、循環流路3から高温温調ユニット7への流体Fの供給と停止とを切り換えることができる。例えば、タンク2に収容されている流体Fの量が増加してタンク2から流体Fが溢れそうになったとき、制御装置20は、循環流路3を流通する流体Fの少なくても一部が第1オーバーフロー流路8Eを介して低温温調ユニット6に供給されるように、低温開閉弁19Lを制御することができる。なお、タンク2から流体Fが溢れそうになったとき、制御装置20は、循環流路3を流通する流体Fの少なくても一部が第2オーバーフロー流路8Fを介して高温温調ユニット7に供給されるように、高温開閉弁19Hを制御してもよい。これにより、タンク2から流体Fが溢れてしまうことが抑制される。
【0158】
第1温調器4は、入口温度Tinに基づいて、流体Fの温度を調整する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの入口温度Tinが目標温度Srになるように、第1温調器4の駆動回路45を制御する。
【0159】
制御装置20は、低温流量調整弁17Lを制御して、循環流路3から温調対象100に供給される流体Fの温度を高精度に制御することができる。例えば、循環流路3から温調対象100に供給された流体Fは、温調対象100を冷却することで温度上昇する。
【0160】
温調対象100を通過し温度上昇した流体Fは、第2部分3Bを流通し、タンク2に戻される。また、流体Fが低温温調ユニット6から低温流量調整弁17Lを経由して低温流路8を流通しタンク2に供給されることにより、タンク2における流体Fが温度制御される。タンク2における流体Fは、循環ポンプ30を介して第1部分3Aを流通し、第1温調器4で更に高精度に温度制御され、温調対象100に供給される。
【0161】
[バルブシステムの動作]
バルブシステム10は、流体Fの流通状態が第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。すなわち、低温温調ユニット6に貯蔵されている流体F及び高温温調ユニット7に貯蔵されている流体Fをタンク2に供給しないとき、タンク2に収容されている流体Fは低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7に戻されない。低温温調ユニット6に貯蔵されている第1温度T1の流体Fをタンク2に供給するとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部が低温温調ユニット6に戻される。第1温度T1よりも高い高温温調ユニット7に貯蔵されている第2温度T2の流体Fをタンク2に供給するとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部が高温温調ユニット7に戻される。
【0162】
バルブシステム10は、タンク温度Tpに基づいて、第1状態と第2状態と第3状態とを切り換える。制御装置20は、タンク温度センサ71の検出データに基づいて、低温流量調整弁17L、高温流量調整弁17H,低温開閉弁19L、及び高温開閉弁19Hを制御する。
【0163】
本実施形態において、バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのときに、流体Fの流通状態を第1状態及び第4状態に切り換える。
【0164】
図10に示したように、規定温度範囲Smは、温調対象100の目標温度Srを含む。規定温度範囲Smは、上限温度Smhと上限温度Smhよりも低い下限温度Smlとの間の温度範囲である。
【0165】
すなわち、タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、低温流量調整弁17L及び高温流量調整弁17Hの両方が閉じられ、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2への流体Fの供給が停止される。タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、低温開閉弁19L及び高温開閉弁19Hの両方が閉じられ、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへの流体Fの供給が停止される。タンク温度Tpが規定温度範囲Smのとき、流体Fは、循環流路3を循環する。すなわち、第1状態及び第4状態において、流体Fは、循環流路3を循環する。循環流路3を循環する流体Fの温度は、第1温調器4により調整される。
【0166】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの上限温度Smhよりも高い高温温度範囲Shのときに、流体Fの流通状態を第2状態及び第5状態に切り換える。
【0167】
すなわち、タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、低温流量調整弁17Lが開き、高温流量調整弁17Hが閉じられ、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給される。タンク温度Tpが高温温度範囲Shのとき、第1温度T1の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。制御装置20は、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される単位時間当たりの流体Fの流量が多くなるように低温流量調整弁17Lを制御することにより、高温温度範囲Shのタンク温度Tpを短時間で規定温度範囲Smに調整することができる。また、低温温調ユニット6からタンク2へ第1温度T1の流体Fが供給されている状態で、低温開閉弁19Lが開き、高温開閉弁19Hが閉じられ、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。これにより、低温温調ユニット6からタンク2に多量の流体Fが供給されても、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻されることにより、低温温調ユニット6の低温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。
【0168】
バルブシステム10は、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの下限温度Smlよりも低い低温温度範囲Slのときに、流体Fの流通状態を第3状態及び第6状態に切り換える。
【0169】
すなわち、タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、高温流量調整弁17Hが開き、低温流量調整弁17Lが閉じられ、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給される。タンク温度Tpが低温温度範囲Slのとき、第2温度T2の流体Fがタンク2に供給されることにより、タンク温度Tpは規定温度範囲Smに調整される。制御装置20は、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される単位時間当たりの流体Fの流量が多くなるように高温流量調整弁17Hを制御することにより、低温温度範囲Slのタンク温度Tpを短時間で規定温度範囲Smに調整することができる。また、高温温調ユニット7からタンク2へ第2温度T2の流体Fが供給されている状態で、高温開閉弁19Hが開き、低温開閉弁19Lが閉じられ、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。これにより、高温温調ユニット7からタンク2に多量の流体Fが供給されても、タンク2から流体Fが溢れることが抑制される。また、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻されることにより、高温温調ユニット7の高温タンクに貯蔵される流体Fの量が少なくなることが抑制される。
【0170】
[効果]
以上説明したように、本実施形態においても、第1オーバーフロー流路8E及び第2オーバーフロー流路8Fが設けられる。タンク温度Tpが高温温度範囲Shのときに、流体Fの流通状態は、第2状態及び第5状態に切り換えられる。タンク温度Tpが低温温度範囲Slのときに、流体Fの流通状態は、第3状態及び第6状態に切り換えられる。本実施形態においては、上述の第2実施形態で説明したような、三方弁18、第1バイパス流路31、第2バイパス流路32、第1開閉弁15、及び第2開閉弁16が省略される。本実施形態においては、使用部品が削減され、装置構成が簡略化される。
【0171】
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。第5実施形態は、
図8及び
図9等を参照して説明した第2実施形態の変形例である。
【0172】
[温度制御システム]
図14は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。
図15は、本実施形態に係る温度制御システム1を示すブロック図である。
図14及び
図15に示すように、温度制御システム1は、温調対象100及びタンク2を含む循環流路3と、温調対象100に供給される流体Fの温度を調整する第1温調器4と、を備える。
【0173】
また、温度制御システム1は、第1温度T1の流体Fを貯蔵する低温温調ユニット6と、第1温度T1よりも高い第2温度T2の流体Fを貯蔵する高温温調ユニット7と、低温温調ユニット6からタンク2に供給される流体Fが流通する低温流路8と、高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fが流通する高温流路9と、タンク2から低温温調ユニット6に戻される流体Fが流通する第1オーバーフロー流路8Eと、タンク2から高温温調ユニット7に戻される流体Fが流通する第2オーバーフロー流路8Fと、タンク2に収容される流体Fが目標温度Srになるように流体Fの流通状態を切り換え可能なバルブシステム10と、温度制御システム1を制御する制御装置20と、を備える。
【0174】
上述の第2実施形態と同様、循環流路3は、タンク2から温調対象100に供給される流体Fが流れる第1部分3Aと、温調対象100からタンク2に供給される流体Fが流れる第2部分3Bとを含む。第1部分3Aに第1温調器4が配置される。第2部分3Bに三方弁18が配置される。
【0175】
三方弁18と低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれとは、バイパス流路33を介して接続される。本実施形態において、バイパス流路33は、三方弁18と第1オーバーフロー流路8E及び第2オーバーフロー流路8Fとを接続する。
【0176】
三方弁18は、制御装置20に制御される。制御装置20は、三方弁18を制御して、温調対象100からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換える。三方弁18により温調対象100からタンク2へ流体Fが供給されるとき、循環流路3から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7への流体Fの供給が停止される。三方弁18により温調対象100からタンク2への流体Fの供給が停止されるとき、循環流路3の流体Fは低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7へ供給可能である。
【0177】
低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第1温度T1は-10℃である。高温温調ユニット7は、第2温度T2の流体Fをタンク2に送出することができる。一例として、第2温度T2は90℃である。
【0178】
低温流路8は、低温温調ユニット6とタンク2とを接続する。低温温調ユニット6からタンク2に供給される第1温度T1の流体Fは、低温流路8を流通する。
【0179】
高温流路9は、高温温調ユニット7とタンク2とを接続する。高温温調ユニット7からタンク2に供給される第2温度T2の流体Fは、高温流路9を流通する。
【0180】
第1オーバーフロー流路8Eは、タンク2の上部と低温温調ユニット6とを接続する。低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第1オーバーフロー流路8Eを介して、低温温調ユニット6に戻される。タンク2から低温温調ユニット6に戻される流体Fは、第1オーバーフロー流路8Eを流通する。第1オーバーフロー流路8Eにより、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給されても、タンク2に収容されている流体Fがタンク2から溢れることが抑制される。
【0181】
第2オーバーフロー流路8Fは、タンク2の上部と高温温調ユニット7とを接続する。高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給され、タンク2に収容される流体Fが規定量に達したとき、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第2オーバーフロー流路8Fを介して、高温温調ユニット7に戻される。タンク2から高温温調ユニット7に戻される流体Fは、第2オーバーフロー流路8Fを流通する。第2オーバーフロー流路8Fにより、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給されても、タンク2に収容されている流体Fがタンク2から溢れることが抑制される。
【0182】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの流通状態を切り換え可能である。また、バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7への流体Fの流通状態を切り換え可能である。バルブシステム10は、制御装置20に制御される。
【0183】
上述の実施形態と同様、バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット6からタンク2へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット7からタンク2へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。また、バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへ流体Fが戻されない第4状態と、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される第5状態と、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される第6状態とを切り換え可能である。バルブシステム10は、第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。
【0184】
上述の実施形態と同様、バルブシステム10は、タンク2に収容される流体Fの温度を示すタンク温度Tpが規定温度範囲Smのときに第1状態及び第4状態に切り換え、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの上限温度Smhよりも高い高温温度範囲Shのときに第2状態及び第5状態に切り換え、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの下限温度Smlよりも低い低温温度範囲Slのときに第3状態及び前記第6状態に切り換える。
【0185】
本実施形態において、温度制御システム1は、タンク2と低温温調ユニット6との間の低温流路8と低温温調ユニット6とを接続する低温戻り流路80Rと、タンク2と高温温調ユニット7との間の高温流路9と高温温調ユニット7とを接続する高温戻り流路90Rを有する。
【0186】
第1状態及び第3状態において、低温温調ユニット6から送出された流体Fは、低温戻り流路80Rを介して低温温調ユニット6に戻される。すなわち、第1状態及び第3状態において、流体Fは、低温温調ユニット6及び低温戻り流路80Rを含む循環流路において循環する。
【0187】
第1状態及び第2状態において、高温温調ユニット7から送出された流体Fは、高温戻り流路90Rを介して高温温調ユニット7に戻される。すなわち、第1状態及び第2状態において、流体Fは、高温温調ユニット7及び高温戻り流路90Rを含む循環流路において循環する。
【0188】
バルブシステム10は、低温流路8に配置される低温三方弁170Lと、高温流路9に配置される高温三方弁170Hと、第1オーバーフロー流路8Eに配置される低温開閉弁19Lと、第2オーバーフロー流路8Fに配置される高温開閉弁19Hとを含む。
【0189】
低温戻り流路80Rは、低温三方弁170Lと低温温調ユニット6とを接続する。高温戻り流路90Rは、高温三方弁170Hと高温温調ユニット7とを接続する。
【0190】
低温三方弁170Lは、制御装置20に制御される。制御装置20は、低温三方弁170Lを制御して、低温温調ユニット6からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット6からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したり、低温温調ユニット6から送出された流体Fを低温温調ユニット6に戻したりすることができる。
【0191】
高温三方弁170Hは、制御装置20に制御される。制御装置20は、高温三方弁170Hを制御して、高温温調ユニット7からタンク2への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、高温温調ユニット7からタンク2へ供給される流体Fの流量を調整したり、高温温調ユニット7から送出された流体Fを高温温調ユニット7に戻したりすることができる。
【0192】
低温開閉弁19Lは、開閉弁である。低温開閉弁19Lが開くことにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される。低温開閉弁19Lが閉じることにより、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fは戻されない。
【0193】
高温開閉弁19Hは、開閉弁である。高温開閉弁19Hが開くことにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される。高温開閉弁19Hが閉じることにより、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fは戻されない。
【0194】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温温調ユニット6からタンク2に流体Fが流通しないように低温温調ユニット6とタンク2とを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を0%とし、高温温調ユニット7からタンク2に流体Fが流通しないように高温温調ユニット7とタンク2とを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を0%とする。また、制御装置20は、流体Fの流通状態を第1状態にするとき、低温温調ユニット6から送出された流体Fが低温温調ユニット6に戻るように低温流路8と低温戻り流路80Rとを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を100%とし、高温温調ユニット7から送出された流体Fが高温温調ユニット7に戻るように高温流路9と高温戻り流路90Rとを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を100%とする。これにより、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれからタンク2に流体Fは供給されない。
【0195】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温温調ユニット6からタンク2に流体Fが流通するように低温温調ユニット6とタンク2とを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を100%とし、高温温調ユニット7からタンク2に流体Fが流通しないように高温温調ユニット7とタンク2とを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を0%とする。また、制御装置20は、流体Fの流通状態を第2状態にするとき、低温温調ユニット6から送出された流体Fが低温温調ユニット6に戻らないように低温流路8と低温戻り流路80Rとを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を0%とし、高温温調ユニット7から送出された流体Fが高温温調ユニット7に戻るように高温流路9と高温戻り流路90Rとを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を100%とする。これにより、低温温調ユニット6から送出された第1温度T1の流体Fは、低温流路8を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0196】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温温調ユニット7からタンク2に流体Fが流通するように高温温調ユニット7とタンク2とを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を100%とし、低温温調ユニット6からタンク2に流体Fが流通しないように低温温調ユニット6とタンク2とを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を0%とする。また、制御装置20は、流体Fの流通状態を第3状態にするとき、高温温調ユニット7から送出された流体Fが高温温調ユニット7に戻らないように高温流路9と高温戻り流路90Rとを繋ぐ高温三方弁170Hの開度を0%とし、低温温調ユニット6から送出された流体Fが低温温調ユニット6に戻るように低温流路8と低温戻り流路80Rとを繋ぐ低温三方弁170Lの開度を100%とする。これにより、高温温調ユニット7から送出された第2温度T2の流体Fは、高温流路9を介してタンク2に規定の流量で供給される。
【0197】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第4状態にするとき、低温開閉弁19L及び高温開閉弁19Hのそれぞれを閉じ、第2部分3Bから第1部分3Aに流体Fが流通するように第2部分3Bと第1部分3Aとを繋ぐ三方弁18の開度を100%とし、第2部分3Bからバイパス流路33に流体Fが流通しないように第2部分3Bとバイパス流路33とを繋ぐ三方弁18の開度を0%とする。これにより、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれに流体Fは戻されない。
【0198】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第5状態にするとき、低温開閉弁19Lを開き、高温開閉弁19Hを閉じ、第2部分3Bからの流体Fの一部がタンク2に流入し、第2部分3Bからの流体Fの一部がバイパス流路33に流入するように、循環流路3とバイパス流路33とを繋ぐ三方弁18の開度をタンク2内の流体Fの温度と目標温度Srとの差に基づいて制御する。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第1オーバーフロー流路8Eを介して低温温調ユニット6に戻され、循環流路3を流通する流体Fの少なくとも一部は、バイパス流路33及び第1オーバーフロー流路8Eを介して低温温調ユニット6に戻される。
【0199】
制御装置20は、流体Fの流通状態を第6状態にするとき、高温開閉弁19Hを開き、低温開閉弁19Lを閉じ、第2部分3Bからの流体Fの一部がタンク2に流入し、第2部分3Bからの流体Fの一部がバイパス流路33に流入するように、循環流路3とバイパス流路33とを繋ぐ三方弁18の開度をタンク2内の流体Fの温度と目標温度Srとの差に基づいて制御する。これにより、タンク2に収容されている流体Fの少なくとも一部は、第2オーバーフロー流路8Fを介して高温温調ユニット7に戻され、循環流路3を流通する流体Fの少なくとも一部は、バイパス流路33及び第2オーバーフロー流路8Fを介して高温温調ユニット7に戻される。
【0200】
第1温調器4は、入口温度Tinに基づいて、流体Fの温度を調整する。制御装置20は、入口温度センサ72の検出データに基づいて、温調対象100に供給される流体Fの入口温度Tinが目標温度Srになるように、第1温調器4の駆動回路45を制御する。
【0201】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、三方弁18と第1オーバーフロー流路8E及び第2オーバーフロー流路8Fとを接続するバイパス流路33が設けられる。これにより、
図8を参照して説明したような第1バイパス流路31及び第2バイパス流路32や第1開閉弁15及び第2開閉弁16を省略することができる。
【0202】
また、本実施形態によれば、低温流路8に低温三方弁170Lが配置され、高温流路9に高温三方弁170Hが配置される。また、低温三方弁170Lと低温温調ユニット6とが低温戻り流路80Rを介して接続され、高温三方弁170Hと高温温調ユニット7とが高温戻り流路90Rを介して接続される。これにより、
図8を参照して説明したような戻り流路8R及び戻り流路9Rを省略することができる。そのため、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7からタンク2に供給される流体Fの最大流量を増やすことができる。したがって、タンク2の流体Fの温度制御精度が向上し、流体Fの温度変更時間が短縮される。また、低温温調ユニット6の低温ポンプ及び高温温調ユニット7の高温ポンプの負荷変動が少なくなるため、低温ポンプ及び高温ポンプの寿命が向上する。
【0203】
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。第6実施形態は、
図14及び
図15等を参照して説明した第5実施形態の変形例である。
【0204】
[温度制御システム]
図16は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。上述の第1実施形態から第5実施形態においては、低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7は、タンク2に流体Fを供給することとした。すなわち、低温流路8及び高温流路9が、タンク2の流入口2Aと流出口2Bとの間の循環流路3の第1規定部分301に接続されることとした。低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7は、タンク2の流入口2Aと第1温調器4との間の循環流路3の規定部分300に流体Fを供給すればよい。
【0205】
図16に示すように、本実施形態においては、低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7が、タンク2の流出口2Bと第1温調器4との間の循環流路3の第2規定部分302に流体Fを供給することとする。すなわち、低温流路8及び高温流路9が、タンク2の流出口2Bと第1温調器4との間の循環流路3の第2規定部分302に接続されることとする。
【0206】
上述の第5実施形態と同様、循環流路3は、タンク2から温調対象100に供給される流体Fが流れる第1部分3Aと、温調対象100からタンク2に供給される流体Fが流れる第2部分3Bとを含む。第1部分3Aに第1温調器4が配置される。第2部分3Bに三方弁18が配置される。循環流路3の第2規定部分302は、第1部分3Aの一部である。タンク2の流入口2Aは、第2部分3Bに接続される。タンク2の流出口2Bは、第1部分3Aの第2規定部分302に接続される。
【0207】
低温温調ユニット6は、第1温度T1の流体Fを第2規定部分302に送出することができる。高温温調ユニット7は、第2温度T2の流体Fを第2規定部分302に送出することができる。
【0208】
低温流路8は、低温温調ユニット6と第2規定部分302とを接続する。低温温調ユニット6から第2規定部分302に供給される第1温度T1の流体Fは、低温流路8を流通する。
【0209】
高温流路9は、高温温調ユニット7と第2規定部分302とを接続する。高温温調ユニット7から第2規定部分302に供給される第2温度T2の流体Fは、高温流路9を流通する。
【0210】
バルブシステム10は、低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれから第2規定部分302へ流体Fが供給されない第1状態と、低温温調ユニット6から第2規定部分302へ流体Fが供給される第2状態と、高温温調ユニット7から第2規定部分302へ流体Fが供給される第3状態とを切り換え可能である。また、バルブシステム10は、タンク2から低温温調ユニット6及び高温温調ユニット7のそれぞれへ流体Fが戻されない第4状態と、タンク2から低温温調ユニット6へ流体Fが戻される第5状態と、タンク2から高温温調ユニット7へ流体Fが戻される第6状態とを切り換え可能である。バルブシステム10は、第1状態のときに第4状態に切り換え、第2状態のときに第5状態に切り換え、第3状態のときに第6状態に切り換える。
【0211】
上述の実施形態と同様、バルブシステム10は、タンク2に収容される流体Fの温度を示すタンク温度Tpが規定温度範囲Smのときに第1状態及び第4状態に切り換え、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの上限温度Smhよりも高い高温温度範囲Shのときに第2状態及び第5状態に切り換え、タンク温度Tpが規定温度範囲Smの下限温度Smlよりも低い低温温度範囲Slのときに第3状態及び前記第6状態に切り換える。
【0212】
本実施形態において、低温戻り流路80Rは、第2規定部分302と低温温調ユニット6との間の低温流路8と、低温温調ユニット6とを接続する。高温戻り流路90Rは、第2規定部分302と高温温調ユニット7との間の高温流路9と、高温温調ユニット7とを接続する
【0213】
制御装置20は、低温三方弁170Lを制御して、低温温調ユニット6から第2規定部分302への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、低温温調ユニット6から第2規定部分302へ供給される流体Fの流量を調整したり、低温温調ユニット6から送出された流体Fを低温温調ユニット6に戻したりすることができる。
【0214】
制御装置20は、高温三方弁170Hを制御して、高温温調ユニット7から第2規定部分302への流体Fの供給と停止とを切り換えたり、高温温調ユニット7から第2規定部分302へ供給される流体Fの流量を調整したり、高温温調ユニット7から送出された流体Fを高温温調ユニット7に戻したりすることができる。
【0215】
流体Fの流通状態を、第1状態、第2状態、第3状態、第4状態、第5状態、及び第6状態にするときの制御方法は、上述の第5実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0216】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、低温温調ユニット6は、低温流路8を介して、循環流路3の第2規定部分302に接続される。高温温調ユニット7は、高温流路9を介して、循環流路3の第2規定部分302に接続される。第2規定部分302は、タンク2の流出口2Bと第1温調器4との間の循環流路3の一部分である。低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7から温度調整された流体Fが第2規定部分302に供給されることにより、循環流路3を流通する流体Fの温度の変更時間が短縮される。流体Fの温度の変更時間が短縮されることにより、循環流路3を流通する流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0217】
<第7実施形態>
第7実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0218】
上述の第1実施形態から第6実施形態においては、第1温調器4が熱電モジュール60を含み、熱電モジュール60を用いて流体Fの温度を調整することとした。第1温調器4がランプヒータを含み、ランプヒータを用いて流体Fの温度を調整してもよい。循環流路3を流通する流体Fの温度が例えば100[℃]を上回る場合、第1温調器4の熱源が熱電モジュール60であると、第1温調器4の耐久性が悪化する可能性がある。第1温調器4の熱源としてランプヒータを用いることにより、循環流路3を流通する流体Fの温度が例えば100[℃]を上回っても、第1温調器4の耐久性の悪化が抑制される。
【0219】
図17は、本実施形態に係る温度制御システム1を示す構成図である。第1温調器4は、ランプヒータを含む。すなわち、第1温調器4は、ランプ加熱式温調器である。
【0220】
図17に示す温度制御システム1は、上述の第6実施形態の変形例である。
図17に示すように、低温温調ユニット6は、タンク2の流出口2Bと第1温調器4との間の循環流路3の第2規定部分302に流体Fを供給する。
【0221】
本実施形態において、上述の第6実施形態との相違点は、高温温調ユニット7が省略される点にある。また、上述の第6実施形態との相違点は、高温流路9、高温戻り流路90R、高温三方弁170H、第2オーバーフロー流路8F、及び高温開閉弁19Hが省略されている点にある。
【0222】
ランプ加熱式温調器である第1温調器4により循環流路2の流体Fを加熱することにより、高温温調ユニット7を省略することができる。これにより、温度制御システム1のコストダウン及び省スペース化を図ることができる。
【0223】
<その他の実施形態>
なお、上述の第1実施形態から第5実施形態においても、第6実施形態のように、低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7は、循環流路3の第2規定部分302に流体Fを供給してもよい。第1実施形態から第5実施形態においても、低温温調ユニット6又は高温温調ユニット7から温度調整された流体Fがタンク2の下流側の第2規定部分302に供給されることにより、循環流路3を流通する流体Fの温度の変更時間が短縮される。流体Fの温度の変更時間が短縮されることにより、循環流路3を流通する流体Fの温度を高精度に制御することができる。
【0224】
なお、上述の第1実施形態から第6実施形態においても、第7実施形態のように、第1温調器4の熱源としてランプヒータが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0225】
1…温度制御システム、2…タンク、2A…流入口、2B…流出口、3…循環流路、3A…第1部分、3B…第2部分、4…第1温調器、5…第2温調器、6…低温温調ユニット、7…高温温調ユニット、8…低温流路、8A…供給流路、8B…回収流路、8C…接続流路、8D…接続流路、8E…第1オーバーフロー流路、8F…第2オーバーフロー流路、8R…戻り流路、9…高温流路、9R…戻り流路、10…バルブシステム、11L…低温開閉弁、11H…高温開閉弁、12L…低温定流量弁、12H…高温定流量弁、13A…熱交換器比例弁、13B…熱交換器比例弁、13C…熱交換器比例弁、13D…熱交換器比例弁、14…循環比例弁、15…第1開閉弁、16…第2開閉弁、17L…低温流量調整弁、17H…高温流量調整弁、18…三方弁、19L…低温開閉弁、19H…高温開閉弁、20…制御装置、30…循環ポンプ、31…第1バイパス流路、32…第2バイパス流路、33…バイパス流路、40…本体部材、41…入口、42…温調流路、43…出口、44…熱交換板、45…駆動回路、50…温調部、51…ケース、60…熱電モジュール、61…第1電極、62…第2電極、63…熱電半導体素子、63P…p型熱電半導体素子、63N…n型熱電半導体素子、71…タンク温度センサ、72…入口温度センサ、73…出口温度センサ、74…流体量センサ、80R…低温戻り流路、90R…高温戻り流路、100…温調対象、170L…低温三方弁、170H…高温三方弁、300…規定部分、301…第1規定部分、302…第2規定部分、F…流体、Sh…高温温度範囲、Sl…低温温度範囲、Sm…規定温度範囲、Smh…上限温度、Sml…下限温度、Sr…目標温度、Tin…入口温度、Tout…出口温度、Tp…タンク温度。