(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、通信プログラム、送信装置、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20240219BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20240219BHJP
H04W 72/12 20230101ALI20240219BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20240219BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W48/10
H04W72/12
H04W56/00 110
(21)【出願番号】P 2021501807
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(86)【国際出願番号】 JP2020003855
(87)【国際公開番号】W WO2020175018
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】P 2019036909
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米山 悠介
(72)【発明者】
【氏名】藤木 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝之
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠司
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522757(JP,A)
【文献】特表2018-532330(JP,A)
【文献】特表2017-522758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備
え、
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
通信装置。
【請求項2】
通信装置であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備え、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記取得部は、前記第1の帯域から前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
通信装置。
【請求項3】
通信装置であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備え、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記タイミング情報は、地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
通信装置。
【請求項4】
前記仮想の衛星送信情報は、航法衛星から送信されるPPS信号を模した仮想のPPS(Pulse Per Second)信号であり、復号することによりPPS(Pulse Per Second)信号となる、
請求項
3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記取得部は、航法衛星から送信される、時刻測定或いはタイミング測定のための第2の情報を取得し、
前記通信制御部は、前記第1の情報に含まれるタイミング情報及び前記第2の情報のうちのいずれかの情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する、
請求項
3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信制御部は、
所定の数の航法衛星を捕捉できた場合には、前記第2の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記所定の数の航法衛星を捕捉できない場合には、前記第1の情報に含まれるタイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
請求項
5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
請求項1
~6のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項8】
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
請求項
7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信をスケジュールするためのスケジュール情報が含まれる、
請求項
7に記載の通信装置。
【請求項10】
第1の周波数帯は、特定小型省電力無線が可能な周波数帯である、
請求項1
~9のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項11】
第1の周波数帯は、920MHz帯である、
請求項1
~10のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項12】
第2の周波数帯は、VHF-High帯である、
請求項1
~11のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項13】
前記所定の通信方式は、LPWA(Low Power Wide Area)通信の通信方式である、
請求項1
~12のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項14】
通信装置が実行する通信方法であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得
する取得ステップと、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する
通信制御ステップと、
を有し、
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御ステップでは、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
通信方法。
【請求項15】
通信装置が実行する通信方法であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得ステップと、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御ステップと、を有し、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信制御ステップでは、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記取得ステップでは、前記第1の帯域から前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
通信方法。
【請求項16】
通信装置が実行する通信方法であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得ステップと、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御ステップと、を有し、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信制御ステップでは、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記タイミング情報は、地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
通信方法。
【請求項17】
通信装置を、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部
、として機能させ
、
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
通信プログラム。
【請求項18】
通信装置を、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部、として機能させ、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記取得部は、前記第1の帯域から前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
通信プログラム。
【請求項19】
通信装置を、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、として機能させ、
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記タイミング情報は、地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
通信プログラム。
【請求項20】
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を行う通信装置が該通信の制御に使用する第1の情報を取得する取得部と、
前記第1の情報を前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部と、を備
え、
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信装置は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御するよう構成されており、
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
送信装置。
【請求項21】
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を行う通信装置が該通信の制御に使用する第1の情報を取得する取得部と、
前記第1の情報を前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部と、を備え、
前記第1の情報には、前記通信装置が、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とタイミングを共有することを可能にするタイミング情報が含まれ、
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信装置は、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御するよう構成されており、
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記送信部は、前記第1の帯域を使って前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
送信装置。
【請求項22】
送信装置であって、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を行う通信装置が該通信の制御に使用する第1の情報を取得する取得部と、
前記第1の情報を前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部と、を備え、
前記第1の情報には、前記通信装置が、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とタイミングを共有することを可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信装置は、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御するよう構成されており、
前記送信装置は、地上の放送局装置であり、
前記タイミング情報は、前記地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
送信装置。
【請求項23】
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信を行う通信装置と、前記通信装置に情報を送信する送信装置と、を備える通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信装置が前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信の制御に使用する第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部、を備え、
前記通信装置は、
前記第1の情報を前記第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備
え、
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
通信システム。
【請求項24】
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信を行う通信装置と、前記通信装置に情報を送信する送信装置と、を備える通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信装置が前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信の制御に使用する第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部、を備え、
前記通信装置は、
前記第1の情報を前記第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備え、
前記第1の情報には、前記通信装置が、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とタイミングを共有することを可能にするタイミング情報が含まれ、
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記取得部は、前記第1の帯域から前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
通信システム。
【請求項25】
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信を行う通信装置と、前記通信装置に情報を送信する送信装置と、を備える通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信装置が前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信の制御に使用する第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部、を備え、
前記通信装置は、
前記第1の情報を前記第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備え、
前記第1の情報には、前記通信装置が、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とタイミングを共有することを可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記送信装置は、地上の放送局装置であり、
前記タイミング情報は、前記地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、通信プログラム、送信装置、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線資源を有効利用するため、様々な無線通信技術の開発が行われている。例えば、近年では、LPWA(Low Power Wide Area)通信の技術開発が活発になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の技術を利用するだけでは電波資源の有効利用が実現できるとは限らない。例えば、アンライセンスバンドでは、複数の通信規格が混在する可能性があるが、異なる通信規格の複数の通信装置がそれぞれ自由に通信を行うと、通信の衝突等による通信エラーや通信品質の低下等が頻発し、結果として電波資源の有効利用が実現できない恐れがある。
【0005】
そこで、本開示では、電波資源の有効利用を実現可能な通信装置、通信方法、通信プログラム、送信装置、及び通信システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の通信装置は、複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1の通信システムの概要を説明するための図である。
【
図2】実施形態で使用する用語を説明するための図である。
【
図3】実施形態1に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図5】実施形態1に係る基地局装置の構成例を示す図である。
【
図6】実施形態1に係る放送局装置の構成例を示す図である。
【
図8】実施形態1に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図10】放送局装置が送信する放送波のスペクトルを示す図である。
【
図11】通信システム1の動作の概要を説明するための図である。
【
図12】実施形態1に係る放送処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】異なる拡散符号や符号多重によりエリアの分離が可能であることを説明するための図である。
【
図14】実施形態1に係る送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態2の課題1を説明するための図である。
【
図16】実施形態2の課題2を説明するための図である。
【
図17】実施形態2の課題3を説明するための図である。
【
図18】実施形態2の課題4を説明するための図である。
【
図19】実施形態2に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図20】実施形態2に係る制御情報送信機の構成例を示す図である。
【
図21】制御情報送信機が生成するサブフレーム構成を示す図である。
【
図23】実施形態2に係るLPWA送信端末の構成例を示す図である。
【
図24】実施形態2に係るLPWA受信機の構成例を示す図である。
【
図25】実施形態3に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図26】実施形態3に係る制御情報送信機の構成例を示す図である。
【
図27】仮想衛星信号作成手段の構成例を示す図である。
【
図28】実施形態4に係る通信システムの構成例を示す図である。
【
図30】実施形態4に係る制御情報送信機の構成例を示す図である。
【
図31】実施形態4に係るLPWA送信端末の構成例を示す図である。
【
図32】放送局装置の電波を使った端末装置の位置計測を説明するための図である。
【
図33】放送局装置の電波を使った端末装置の位置計測を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0009】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字又はアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて端末装置401、402及び403のように区別する。また、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて放送局装置30A、30B、及び30Cのように区別する。
【0010】
ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置401、402及び403を特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置40と称する。また、放送局装置30A、30B、及び30Cを特に区別する必要が無い場合には、単に放送局装置30と称する。
【0011】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.はじめに
1-1.従来技術と課題
1-2.実施形態1の概要
1-3.実施形態で使用する用語について
2.実施形態1の通信システムの構成
2-1.通信システムの全体構成
2-2.管理装置の構成
2-3.基地局装置の構成
2-4.放送局装置の構成
2-5.端末装置の構成
2-6.周波数帯域の割り振り
3.通信システムの動作
3-1.動作の概要
3-2.放送局Mainチャネル(仮想衛星)
3-3.放送局装置の処理フロー
3-4.端末装置の処理フロー
4.実施形態1のまとめ
5.実施形態2
5-1.技術背景と目標
5-2.時刻情報の送信について(従来技術と目標)
5-3.システム構成
5-4.制御情報送信機の構成
5-5.LPWA送信端末の構成
5-6.LPWA受信機の構成
6.実施形態3
6-1.課題と解決案
6-2.システム構成
6-3.制御情報送信機の構成
7.実施形態4
7-1.実施形態4の概要
7-2.システム構成
7-3.送信波のスペクトル
7-4.制御情報送信機の構成
7-5.LPWA送信端末の構成
8.変形例
8-1.実施形態の変形例
8-2.実施形態の応用例
8-3.その他の通信システム
8-4.その他の変形例
9.むすび
【0012】
<<1.はじめに>>
<1-1.従来技術と課題>
無線で用いる周波数帯域を有効利用するために、電波法およびARIB(Association of Radio Industries and Businesses)などの標準規格では使用する中心周波数、送信する空中線電力、送信頻度、キャリアセンスなどによる送信制限など、公平な通信を実現するための標準規格が規定されている。例えば、920MHz帯で無線信号を送受信するとする。日本国内の場合、920MHz帯は、総務省により2011年7月から解禁された周波数帯であり、免許不要で誰でも使うことができる。しかし、ARIB STD T-108等の規定により、最大連続送信時間が4秒間に制限されている。こういった制限は日本国外の規格に従った通信においても例外ではない。所定の無線通信技術を使用する場合には、その国における標準規格に準拠する必要がある。なお、上記の標準規格は基本的に周波数に着目しており、時間方向の最適化には余地を残している。
【0013】
IoT(Internet of Things)デバイスは、2020年には400億台を越えることが予想され、その中には無線により通信を行なう端末がある。IoTに使用される特定小電力無線(ARIB STD-T108)やISM(Industry-Science-Medical)帯は、ライセンスが不要である周波数帯であるため、各事業体が独自の端末を企画・設計・使用しており、これらを統合的に通信制御する仕組みがない。上記特定小電力無線には250mWで送信できる帯域が存在するが、放送(数~数十kW)に比べて電力が低く、またキャリアセンスを必要とするなど、統合的に通信制御する用途には不向きである。
【0014】
このため、異なる規格に基づいた送信端末同士は協調して送信を行なうことはない。各端末が無作為に送信を行なった場合、それぞれの通信おいて輻輳が生じ、通信エラーにつながる。特に上記特定小電力無線などのように送信に使用する中心チャネルが規定されている場合に、キャリアセンスによる送信不可や受信機における他規格の送信波が妨害波となり、受信性能の低下につながる。さらにLPWA(Low Power Wide Area)通信のように、通信距離が長い無線通信においてはこの傾向は顕著となる。
【0015】
<1-2.実施形態1の概要>
そこで、上記課題を解決するため実施形態1では、以下の(1)~(5)の手段を提供する。
図1は、実施形態1の通信システム1の概要を説明するための図である。以下、
図1を参照しながら、実施形態1の概要を説明する。
【0016】
(1)放送局から送信されるタイミング情報の利用
端末装置40(例えば、送信端末)が放送局装置30から送信される放送波からタイミング情報を抽出し利用する。これにより、異なる通信方式を使用する複数の端末装置40(
図1の例では端末装置40
1~40
4)が協調できるようになり、無線資源の有効活用が実現する。
【0017】
このとき、端末装置40は、所定のアンライセンスバンドを使った通信を、所定のアンライセンスバンドとは異なる周波数帯から取得した情報(信号)に基づき制御する。例えば、所定のアンライセンスバンドが、特定小電力無線で使用される周波数帯(例えば、ARIB T108で規定される920MHz帯)であるとする。このとき、端末装置40は、特定小電力無線のために専用に用意された帯域とは異なる帯域(例えば、VHF-High帯:200MHz帯)の信号を用いて、特定小電力無線(例えば、920MHz帯)を使った通信を制御する。
【0018】
通常、この用途(例えば、所定の帯域を使用して通信する端末の制御)のために、あらかじめ同じ帯域内(例えば、920MHz帯)を分割してタイミング情報等の送信のための専用帯域(例えば920MHz帯の一部)とする。しかし、本実施形態の端末装置40は、特定小電力無線等のために専用に用意された所定の帯域(例えば、920MHz帯)ではない帯域(例えば、200MHz帯)を用いて、所定の帯域(例えば、920MHz帯)の無線を制御する。
【0019】
(2)タイミング情報等の送信のための周波数帯域の分割
放送局装置30は、割り当てられた周波数帯域を1つのMainチャネルと複数のSubチャネルに分割する。そして、放送局装置30は、Mainチャネルではタイミング情報を送信し、Subチャネルでは端末装置40の通信を制御するための制御情報を送信する。
【0020】
このとき、放送局装置30は、Mainチャネルに広帯域無線を用いる。これにより、放送局装置30は、正確なタイミング情報をブロードキャスト送信できる。
【0021】
また、放送局装置30は、Subチャネルに狭帯域無線を用いる。そして、放送局装置30は、制御情報を、Subチャネルを使ってマルチキャスト送信する。制御情報は、複数の無線方式それぞれで異なるものであってもよい。
【0022】
なお、放送局装置30は、拡散符号や符号多重を変えることにより、同一周波数でも他の放送局の放送波と自局の放送波を分離復調できるようしてもよい。
【0023】
(3)狭帯域の割り振り
Subチャネルは狭帯域通信を用いることからチャネル総数が増大する。そこで、放送局装置30は、所定のグループごと(例えば、通信方式ごと、サービス提供主体ごと、通信の管理主体毎、機種ごと、地域ごと)に狭帯域を割り振る。これにより、各グループは、自身に割り当てられたSubチャネルを使って独自の機能提供を行なうことができる。
【0024】
(4)放送波を使った端末装置の制御
放送局装置30は、放送波を使用して端末装置40(例えば、IoT端末)に制御情報を送信する。これにより、この放送波を利用しているすべての端末装置40(例えば、IoT端末)に対する制御が可能になる。例えば、災害時など通信の輻輳が予測される場合に、端末装置40の電波送信を停止させることができる。
【0025】
(5)仮想衛星の使用
放送波(例えば、Mainチャネル)で送信される情報(信号)は、仮想衛星(例えば、仮想のGPS(Global Positioning System)衛星)が送信する衛星波(例えば、GPS波)をダウンコンバージョンしたものとする。ここで、仮想衛星は、理想状態の完全静止衛星であり、実際には存在しない仮想の衛星である。仮想衛星は、実際の航法衛星(例えば、GPS衛星)とは異なり軌道がゆれないので、自身の軌道情報を算出するために使用するエフェメリス情報は固定値で不変である。
【0026】
放送波は、複数の仮想衛星の信号を重畳したものとする。仮想衛星の信号は、放送局装置30で生成してもよい。そして、放送局装置30は、各信号に乗算する拡散符号などを変えて、受信側で各信号を容易に分離できるようにしてもよい。なお、放送局装置30は、異なる放送局装置30から送信された複数の放送波を受信側で区別できるようにするために、放送波に乗じる拡散符号などを変える。これにより受信側(例えば、端末装置40)で各放送波を容易に分離できる。
【0027】
<1-3.実施形態で使用する用語について>
以上、実施形態1の概要を説明したが、以下、実施形態で使用する用語について簡単に説明する。
図2は、実施形態で使用する用語を説明するための図である。なお、以下に示す用語の説明は、あくまで実施形態の理解の補助のためのものであり、各用語の意味は以下に示す意味に限定されない。
【0028】
(LPWA無線)
LPWA無線とは、小電力の広範囲通信を可能とする無線通信のことである。例えば、LPWA無線とは、特定小電力無線やISM(Industry-Science-Medical)バンドを使用したIoT無線通信のことである。以下の説明では、LPWA無線を使った通信のことを「LPWA通信」ということがある。
【0029】
(放送局)
放送局とは、広域にわたって受信が可能な電波を放出する装置(設備としての放送局)のことである。以下の説明では、「放送局」のことを、「放送局装置」或いは「送信装置」ということがある。
【0030】
(IoT端末)
IoT端末(エンドポイント)とは、1つの端末で、放送波を受信し、LPWA無線の送信を行なう装置のことである。IoT端末は、送信装置、端末装置、及び/又は通信装置の一種である。
【0031】
(IoTゲートウェイ)
IoTゲートウェイ(受信機)とはLPWA無線の受信を行なう装置のことである。IoTゲートウェイは、ゲートウェイ、受信装置、基地局装置、中継装置、及び/又は通信装置の一種である。
【0032】
(ブロードキャスト)
ブロードキャスト(broadcast)とは、不特定多数の通信装置に同じ情報を同時に送ることをいう。例えば、ブロードキャストとは、不特定多数の通信装置(例えば、IoT端末)に向かって、放送波を放出することをいう。
【0033】
(マルチキャスト)
マルチキャスト(multicast)とは、特定の複数の通信装置或いは特定の通信装置グループに同じ情報を同時に送ることをいう。例えば、マルチキャストとは、特定の複数の通信装置(例えば、特定の複数のIoT端末)或いは特定の通信装置グループ(例えば、特定の複数のIoT端末グループ)に対して、放送波を放出することをいう。
【0034】
(アップロード)
アップロード(upload)とは、ネットワーク上の上位装置(例えば、サーバ装置)へデータを移動(ムーブのみならずコピーを含む。)させることをいう。例えば、アップロードとは、ゲートウェイ(例えば、IoTゲートウェイ)から送信データの管理を行なうサーバへのデータ移動のことをいう。
【0035】
(アップリンク)
アップリンク(Uplink)とは、データの流れる向きのうち、上り方向のことをいう。例えば、アップリンクとは、端末装置(例えば、IoT端末)からゲートウェイ(例えば、IoTゲートウェイ)への電波伝搬方向のことをいう。
【0036】
(ダウンリンク)
ダウンリンク(Downlink)とは、データの流れる向きのうち、下り方向のことをいう。例えば、アップリンクとは、放送局から端末装置(例えば、IoT端末)への電波伝搬方向のことをいう。
【0037】
(タイミング情報)
タイミング情報とは、例えば、GPSのPPS(Pulse Per Second)信号のように、信号処理することで周期的なタイミングを抽出できる情報のことをいう。なお、タイミング情報は、GPSのPPS信号に限られず、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の他のGNSS(Global Navigation Satellite System)から送信される、時刻同期或いはタイミング同期のための信号(以下、タイミング信号という。)であってもよい。「タイミング信号」という概念には、GPSのPPS信号も含まれる。また、タイミング情報は、年月日や時分秒などのカレンダー、時刻データを取り出せる情報(以下、時刻情報という。)であってもよい。
【0038】
(制御情報)
制御情報とは、端末装置に対して通信に関する制御を指示するため情報のことをいう。例えば、制御情報は、端末装置(例えば、IoT端末)に対して、送信の停止、再開、動作モードの変更などの制御(例えば、端末装置が備える無線通信部の制御)を行うよう指示するための情報である。
【0039】
<<2.実施形態1の通信システムの構成>>
以上、本実施形態で使用する用語について簡単に説明したが、以下、実施形態1の通信システム1を詳細に説明する。通信システム1は、複数の通信方式が混在可能な所定のアンライセンスバンドを使って通信を行う端末装置40に各種無線サービスを提供するシステムである。所定のアンライセンスバンドは、例えば、920MHz帯である。
【0040】
端末装置40が使用する通信方式は、例えば、LPWA無線を使用する通信方式である。ここで「LPWA無線を使用する通信方式」とは、例えば、LPWA規格に準拠した通信方式のことである。LPWA規格としては、例えば、ELTRES、ZETA、SIGFOX、LoRaWAN、NB-Iot等が挙げられる。勿論、LPWA規格はこれらに限定されず、他のLPWA規格であってもよい。また、端末装置40が使用する通信方式はLPWA無線を使用する通信方式に限定されない。
【0041】
また、通信システム1で使用される通信規格(例えば、LPWA規格)は1つに限定されない。通信システム1が備える複数の端末装置40のうちの1又は複数の端末装置40が、通信システム1が備える他の端末装置40とは異なる通信規格を使用してもよい。例えば、通信システム1で使用される通信規格は、複数あるLPWA規格のうちの1又は複数であってもよい。また、通信システム1で使用される通信規格は、LPWA規格と、LPWA規格とは異なる他の通信規格であってもよい。
【0042】
以下、通信システム1の構成を具体的に説明する。
【0043】
<2-1.通信システムの全体構成>
図3は、実施形態1に係る通信システム1の構成例を示す図である。通信システム1は、
図3に示すように、サーバ装置10と、基地局装置20と、放送局装置30と、端末装置40と、を備える。
【0044】
通信システム1は、サーバ装置10と、基地局装置20と、放送局装置30と、端末装置40と、をそれぞれ複数備えていてもよい。
図3の例では、通信システム1は、サーバ装置10としてサーバ装置10
1、10
2等を備えている。また、通信システム1は、基地局装置20として基地局装置20
1、20
2等を備えており、放送局装置30として放送局装置30
1、30
2等を備えている。また、通信システム1は、端末装置40として端末装置40
1、40
2、40
3等を備えている。
【0045】
なお、図中の装置は、論理的な意味での装置と考えてもよい。つまり、同図の装置の一部が仮想マシン(VM:Virtual Machine)、コンテナ(Container)、ドッカー(Docker)などで実現され、それらが物理的に同一のハードウェア上で実装されてもよい。
【0046】
なお、本実施形態において、通信装置という概念には、携帯端末等の持ち運び可能な移動体装置(端末装置)のみならず、構造物や移動体に設置される装置も含まれる。構造物や移動体そのものを通信装置とみなしてもよい。また、通信装置という概念には、端末装置のみならず、基地局装置及び中継装置も含まれる。通信装置は、処理装置及び情報処理装置の一種である。また、通信装置は、送信装置又は受信装置と言い換えることが可能である。
【0047】
[サーバ装置]
サーバ装置10は、基地局装置20及び放送局装置30とネットワーク接続された情報処理装置である。例えば、サーバ装置10は、クライアントコンピュータ(例えば、端末装置40)からの要求を処理するサーバ用ホストコンピュータである。サーバ装置10は、PCサーバであってもよいし、ミッドレンジサーバであってもよいし、メインフレームサーバであってもよい。サーバ装置10は通信装置の一種である。サーバ装置10と他の通信装置(例えば、基地局装置20や放送局装置30)との接続は有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。サーバ装置10は、クラウドサーバ装置、ローカルサーバ装置、管理装置、処理装置等と言い換えることができる。
【0048】
サーバ装置10は、さまざまなエンティティ(主体)によって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、エンティティとしては、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。
【0049】
勿論、サーバ装置10の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。サーバ装置10は1事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、一個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、サーバ装置10の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、サーバ装置10は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、サーバ装置10は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
【0050】
サーバ装置10は、基地局装置20を介して端末装置40に所定の通信サービスを提供する。例えば、サーバ装置10は、所定のアプリケーションプログラムがインストールされた端末装置40に対し、無線通信を介して、当該アプリケーションプログラムが要求する情報処理(以下、アプリケーション処理という。)の実行サービスを提供する。
【0051】
ここで、サーバ装置10が行うアプリケーション処理は、例えば、画像中の物体の認識処理等、移動体装置が備えるプログラム(例えば、アプリケーション)からの要求に基づき行われる、或いは、当該プログラムと連携して行われるアプリケーション層レベルの情報処理のことである。例えば、サーバ装置10が行うアプリケーション処理は、エッジコンピューティングでいうエッジ処理であってもよい。なお、アプリケーション処理は、OSI参照モデルでいう、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、及びプレゼンテーション層レベルの処理とは異なる。しかしながら、画像認識処理等のアプリケーション層レベルの処理が含まれているのであれば、アプリケーション処理には、物理層~プレゼンテーション層レベルの処理が補助的に含まれていてもよい。
【0052】
以下の説明では、端末装置40が備えるプログラムからの要求に基づきサーバ装置10(基地局装置20であってもよい。)が行うアプリケーション層レベルの情報処理、或いは、端末装置40が備えるプログラムと連携してネットワーク上の装置が行うアプリケーション層レベルの情報処理のことを「アプリケーション処理」ということがある。また、以下の説明では、ネットワーク上の装置が「アプリケーション処理」の処理データを端末装置40に提供すること、又は、サーバ装置10や基地局装置20が「アプリケーション処理」の処理機能(或いは処理サービス)を端末装置40に提供することを、「アプリケーション処理の提供」ということがある。
【0053】
[基地局装置]
基地局装置20は、端末装置40と無線通信する無線通信装置である。基地局装置20は通信装置の一種である。基地局装置20は、例えば、Iotゲートウェイに相当する装置である。基地局装置20は、無線基地局(Base Stationなど)や無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置でああってもよい。また、基地局装置20は、無線リレー局であってもよい。基地局装置20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。また、基地局装置20はサーバ装置10が備える機能(例えば)、アプリケーション処理の提供機能)を有していてもよい。
【0054】
基地局装置20が端末装置40との無線通信に使用する無線アクセス技術は、例えば、LPWA通信技術である。勿論、基地局装置20が使用する無線アクセス技術は、LPWA通信技術に限定されず、セルラー通信技術や無線LAN技術等の他の無線アクセス技術であってもよい。また、基地局装置20が使用する無線通信は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0055】
基地局装置20は、さまざまなエンティティ(主体)によって利用、運用、及び/又は管理されうる。例えば、エンティティとしては、移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)、仮想移動体通信事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)、仮想移動体通信イネーブラ(MVNE:Mobile Virtual Network Enabler)、ニュートラルホストネットワーク(NHN:Neutral Host Network)事業者、エンタープライズ、教育機関(学校法人、各自治体教育委員会、等)、不動産(ビル、マンション等)管理者、個人などが想定されうる。
【0056】
勿論、基地局装置20の利用、運用、及び/又は管理の主体はこれらに限定されない。基地局装置20は1事業者が設置及び/又は運用を行うものであってもよいし、一個人が設置及び/又は運用を行うものであってもよい。勿論、基地局装置20の設置・運用主体はこれらに限定されない。例えば、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が共同で設置・運用を行うものであってもよい。また、基地局装置20は、複数の事業者または複数の個人が利用する共用設備であってもよい。この場合、設備の設置及び/又は運用は利用者とは異なる第三者によって実施されてもよい。
【0057】
なお、基地局装置(基地局ともいう。)という概念には、ドナー基地局のみならず、リレー基地局(中継局、或いは中継局装置ともいう。)も含まれる。また、基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。
【0058】
構造物は、例えば、高層ビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、スタジアム等の建物である。なお、構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、鉄柱等の構築物(Non-building structure)や、クレーン、門、風車等の設備も含まれる。また、構造物という概念には、陸上(狭義の地上)又は地中の構造物のみならず、桟橋、メガフロート等の水上の構造物や、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。基地局装置は、処理装置、或いは情報処理装置と言い換えることができる。
【0059】
基地局装置20は、ドナー局であってもよいし、リレー局(中継局)であってもよい。また、基地局装置20は、固定局であってもよいし、移動局であってもよい。移動局は、移動可能に構成された無線通信局(或いは放送局)である。このとき、基地局装置20は、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。例えば、移動能力(Mobility)をもつリレー局装置は、移動局としての基地局装置20とみなすことができる。また、車両、ドローン、スマートフォンなど、もともと移動能力がある装置であって、基地局装置の機能(少なくとも基地局装置の機能の一部)を搭載した装置も、移動局としての基地局装置20に該当する。
【0060】
ここで、移動体は、スマートフォンや携帯電話等のモバイル端末であってもよい。また、移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、自転車、バス、トラック、自動二輪車、列車、リニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。
【0061】
また、移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、ホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、無人潜水機等の潜水船)であってもよい。
【0062】
また、移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、ドローン等の航空機)であってもよいし、大気圏外を移動する移動体(例えば、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、探査機等の人工天体)であってもよい。大気圏外を移動する移動体は宇宙移動体と言い換えることができる。
【0063】
また、基地局装置20は、地上に設置される地上局であってもよい。地上局は、地上無線通信局或いは地上放送局のことである。例えば、基地局装置20は、地上の構造物に配置される基地局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局装置であってもよい。より具体的には、基地局装置20は、ビル等の構造物に設置されたアンテナ及びそのアンテナに接続する信号処理装置であってもよい。勿論、基地局装置20は、構造物や移動体そのものであってもよい。「地上」は、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、水中も含む広義の地上である。なお、基地局装置20は、地上基地局装置に限られない。基地局装置20は、空中又は宇宙を浮遊可能な非地上基地局装置(非地上局装置)であってもよい。例えば、基地局装置20は、航空機局装置や衛星局装置であってもよい。
【0064】
航空機局装置は、航空機等、大気圏内を浮遊可能な無線通信装置である。航空機局装置は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。なお、航空機という概念には、飛行機、グライダー等の重航空機のみならず、気球、飛行船等の軽航空機も含まれる。また、航空機という概念には、重航空機や軽航空機のみならず、ヘリコプターやオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。なお、航空機局装置(又は、航空機局装置が搭載される航空機)は、ドローン等の無人航空機であってもよい。
【0065】
なお、無人航空機という概念には、無人航空システム(UAS:Unmanned Aircraft Systems)、つなぎ無人航空システム(tethered UAS)も含まれる。また、無人航空機という概念には、軽無人航空システム(LTA:Lighter than Air UAS)、重無人航空システム(HTA:Heavier than Air UAS)が含まれる。その他、無人航空機という概念には、高高度無人航空システムプラットフォーム(HAPs:High Altitude UAS Platforms)も含まれる。
【0066】
衛星局装置は、大気圏外を浮遊可能な無線通信装置である。衛星局装置は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。衛星局装置となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星の何れであってもよい。勿論、衛星局装置は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、又は高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
【0067】
基地局装置20のカバレッジの大きさは、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。勿論、基地局装置20のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。また、基地局装置20はビームフォーミングの能力を有していてもよい。この場合、基地局装置20はビームごとにセルやサービスエリアが形成されてもよい。
【0068】
なお、
図3の例では、基地局装置20は、端末装置40と直接接続されているが、基地局装置20は、他の基地局装置20(中継装置)を介して端末装置40と間接的に無線通信することが可能である。
【0069】
[放送局装置]
放送局装置30は、端末装置40に各種情報(或いは各種信号)を放送(ブロードキャスト)する装置である。例えば、放送局装置30は、VHF-High帯を使って各種情報(或いは各種信号)を放送する装置である。放送局装置30は送信装置の一種である。なお、本実施形態では、放送局装置30から送信される「データ」のみならず、放送局装置30から送信される「信号」も「情報」であるものとする。本実施形態において、放送局は設備としての放送局のことである。放送局には、放送中継局も含まれる。
【0070】
ここで、放送局装置30は、所定の放送規格のトランスミッタであってもよい。例えば、放送局装置30は、DVBトランスミッタであってもよいし、ISDBトランスミッタであってもよい。また、放送局装置30は、ATSC3.0トランスミッタ等のATSCトランスミッタであってもよい。また、放送局装置30は、これらの規格のトランスミッタに限られず、他の放送規格のトランスミッタであってもよい。また、放送局装置30は、端末装置40がアンライセンスバンドを使った通信を行うための情報(例えば、タイミング情報や制御情報等)の送信に特化した独自放送規格のトランスミッタであってもよい。
【0071】
また、放送局装置30は、無線局であってもよい。例えば、放送局装置30は、は、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)等の無線通信システムを構成する無線通信局であってもよい。また、放送局装置30は、無線基地局、無線アクセスポイント、無線リレー局に相当する装置であってもよい。このとき、放送局装置30は、LTEやNR等のセルラー通信システム用の基地局や中継局であってもよい。情報(或いは信号)をブロードバンド送信する機能を備えるのであれば、無線通信局(例えば、基地局装置20)も放送局とみなすことができる。
【0072】
なお、放送局装置30が放送に使用する放送波は、地上波に限定されない。例えば、放送波は、衛星波であってもよい。衛星波とは、衛星から送信される電波のことである。
【0073】
また、放送局装置30は、固定局であってもよい。このとき、放送局装置30は、構造物に設置される装置であってもよいし、構造物そのものであってもよい。また、放送局装置30は、移動局であってもよい。このとき、放送局装置30は、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。また、放送局装置30は、地上局であってもよい。例えば、基地局装置20は、地上の構造物に配置される放送局装置であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される放送局装置であってもよい。また、放送局装置30は、非地上局であってもよい。例えば、放送局装置30は、航空機局装置であってもよいし、衛星局装置であってもよい。
【0074】
[端末装置]
端末装置40は、基地局装置20或いは他の端末装置40と無線通信する無線通信装置である。基地局装置20は通信装置の一種である。端末装置40は、例えば、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータである。また、端末装置40は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoTデバイス(IoT端末)であってもよい。
【0075】
また、端末装置40は、基地局装置20とLPWA通信が可能であってもよい。端末装置40は、送信のみ行える装置であってもよいし、受信のみが行える装置であってもよい。勿論、端末装置40は、送信と受信の双方が行えてもよい。また、端末装置40は、他の端末装置40とサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置40は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid ARQ)等の自動再送技術を使用してもよい。なお、端末装置40は、他の端末装置40との通信(サイドリンク)においてもLPWA通信が可能であってもよい。端末装置40が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む。)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0076】
また、端末装置40は、移動体装置であってもよい。ここで、移動体装置は、移動可能な無線通信装置である。このとき、端末装置40は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。例えば、端末装置40は、自動車、バス、トラック、自動二輪車等の道路上を移動する車両(Vehicle)、或いは、当該車両に搭載された無線通信装置であってもよい。なお、移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上(狭義の地上)、地中、水上、或いは、水中を移動する移動体であってもよい。また、移動体は、ドローン、ヘリコプター等の大気圏内を移動する移動体であってもよいし、人工衛星等の大気圏外を移動する移動体であってもよい。
【0077】
端末装置40は、同時に複数の基地局装置または複数のセルと接続して通信を実施してもよい。例えば、1つの基地局装置が複数のセル(例えば、pCell、sCell)を介して通信エリアをサポートしている場合に、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術やデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、マルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術によって、それら複数のセルを束ねて基地局装置20と端末装置40とで通信することが可能である。或いは、異なる基地局装置20のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置40とそれら複数の基地局装置20が通信することも可能である。
【0078】
なお、端末装置40は、必ずしも人が直接的に使用する装置である必要はない。端末装置40は、いわゆるMTC(Machine Type Communication)のように、工場の機械等に設置されるセンサーであってもよい。また、端末装置40は、M2M(Machine to Machine)デバイス、又はIoT(Internet of Things)デバイスであってもよい。また、端末装置40は、D2D(Device to Device)やV2X(Vehicle to everything)に代表されるように、リレー通信機能を具備した装置であってもよい。また、端末装置40は、無線バックホール等で利用されるCPE(Client Premises Equipment)と呼ばれる機器であってもよい。
【0079】
以下、実施形態に係る通信システム1を構成する各装置の構成を具体的に説明する。なお、以下に示す各装置の構成はあくまで一例である。各装置の構成は、以下の構成とは異なっていてもよい。
【0080】
<2-2.サーバ装置の構成>
最初に、サーバ装置10の構成を説明する。
図4は、実施形態1に係るサーバ装置10の構成例を示す図である。サーバ装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。なお、
図4に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、サーバ装置10の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、サーバ装置10は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
【0081】
通信部11は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。通信部11は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、通信部11は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部11は、サーバ装置10の通信手段として機能する。通信部11は、制御部13の制御に従って基地局装置20及び放送局装置30と通信する。
【0082】
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部12は、サーバ装置10の記憶手段として機能する。
【0083】
制御部13は、サーバ装置10の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部13は、サーバ装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0084】
<2-3.基地局装置の構成>
次に、基地局装置20の構成を説明する。
図5は、実施形態1に係る基地局装置20の構成例を示す図である。基地局装置20は、端末装置40とLPWA通信が可能である。基地局装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、
図5に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置20の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0085】
無線通信部21は、他の無線通信装置(例えば、端末装置40、他の基地局装置20)と無線通信するための信号処理部である。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部21は、LPWA通信を使った通信に対応する。
【0086】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。
【0087】
ネットワーク通信部23は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、LANインタフェースである。ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局装置20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御に従ってサーバ装置10と通信する。
【0088】
制御部24は、基地局装置20の各部を制御するコントローラである。制御部24は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0089】
<2-4.放送局装置の構成>
次に、放送局装置30の構成を説明する。
図6は、実施形態1に係る放送局装置30の構成例を示す図である。放送局装置30は、タイミング情報や制御情報を放送波に乗せて端末装置40に送信する装置である。放送局装置30は、信号処理部31と、衛星受信部35と、記憶部32と、ネットワーク通信部33と、制御部34と、を備える。なお、
図6に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、放送局装置30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0090】
信号処理部31は、放送波を送信するための信号処理部である。信号処理部31は、制御部34の制御に従って動作する。
【0091】
衛星受信部35は、衛星波を受信して情報(信号)を復調するための信号処理部である。衛星受信部35が受信する衛星波は、例えば、GPS衛星から送信されるGPS波である。衛星受信部35は、例えば、GPS波からPPS信号やGPS時刻情報等を復調して出力する。なお、衛星受信部35が受信する衛星波は、GLONASS、Galileo、準天頂衛星等の他のGNSSから送信される衛星波であってもよい。
【0092】
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、放送局装置30の記憶手段として機能する。
【0093】
ネットワーク通信部33は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部33は、LANインタフェースである。ネットワーク通信部33は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部33は、放送局装置30のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部33は、制御部34の制御に従ってサーバ装置10と通信する。
【0094】
制御部34は、放送局装置30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部34は、放送局装置30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部34は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0095】
制御部34は、
図6に示すように、取得部341と、送信部342と、を備える。制御部34を構成する各ブロック(取得部341~送信部342)はそれぞれ制御部34の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。
【0096】
なお、制御部34は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。制御部34を構成する各ブロック(取得部341~送信部342)の動作は、後に述べる。
【0097】
上述したように、放送局装置30は、タイミング情報を放送波に乗せて端末装置40に送信する。タイミング情報は、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である。このとき、放送波は、仮想衛星から送信される仮想の衛星波を(例えば、GPS波)をダウンコンバージョンしたものであってもよい。また、仮想の衛星送信情報は、航法衛星(例えば、GPS衛星)からの電波を復号したときに得られるPPS信号と、同等のPPS信号が得られる電波であってもよい。なお、航法衛星は、GPS衛星に限定されず、GPSとは異なるGNSSの航法衛星であってもよい。
【0098】
図7は、放送局装置30の具体的構成例を示す図である。
図7に示した構成は、仮想衛星を4つとした場合の放送局装置30の構成例である。
図7に示した構成はあくまで一例であり、放送局装置30の構成は
図7に示した構成に限定されない。
【0099】
放送局装置30は、GPS/GNSSレシーバ32aを備える。GPS/GNSSレシーバ32aは、
図6の例では、衛星受信部35に相当する。GPS/GNSSレシーバ32aは、実際のGPS衛星からGPS波を受信してGPS時刻情報等を復調する。そして、GPS/GNSSレシーバ32aは、復調した信号を4つの仮想衛星モジュール31a~31dに入力する。4つの仮想衛星モジュール31a~31dは、
図6の例では、信号処理部31の一部を構成する。4つの仮想衛星モジュール31a~31dは、マスターCPU31aの制御に従ってGPS衛星の信号を模した信号を生成する。マスターCPU31aは、
図6の例では、制御部34の一部を構成する。放送局装置30は、仮想衛星の位置に合わせて4つ信号それぞれに所定の遅延を加えた後、遅延を加えた4つの信号を多重する。そして、放送局装置30は、多重した信号を所定の周波数帯(例えば、200MHz帯)で送信する。
【0100】
なお、
図7にはタイミング情報を送信するための構成を示したが、放送局装置30は、タイミング情報だけでなく、制御情報を放送波に乗せて端末装置40に送信してもよい。
【0101】
このとき、放送局装置30は、タイミング情報の送信には広帯域無線のMainチャネルを使ってもよい。これにより、放送局装置30は、正確なタイミング情報をブロードキャスト送信できる。一方、放送局装置30は、制御情報の送信には狭帯域無線のSubチャネルに使ってもよい。これにより、多くの端末装置40に制御情報を送信できる。Mainチャネル及びSubチャネルについては後述する。
【0102】
<2-5.端末装置の構成>
次に、端末装置40の構成を説明する。
図8は、実施形態1に係る端末装置40の構成例を示す図である。端末装置40は、基地局装置20とLPWA通信が可能である。端末装置40は放送局装置30から送信される放送波からタイミング情報を抽出し、LPWA通信の制御に利用する。端末装置40は、無線通信部41と、衛星受信部42と、記憶部43と、ネットワーク通信部44と、入出力部45と、制御部46と、を備える。なお、
図8に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0103】
無線通信部41は、他の無線通信装置(例えば、基地局装置20、他の端末装置40)と無線通信するための信号処理部である。無線通信部41は、制御部46の制御に従って動作する。無線通信部41は1又は複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部21は、LPWA通信を使った通信に対応する。なお、無線通信部41は、送信データをチャープ変調することによって生成された複数の送信信号送信を、タイミングを所定の時間間隔でずらすことによって同一の送信チャネル内に多重化して送信してもよい。
【0104】
衛星受信部42は、衛星波を受信して情報(信号)を復調するための信号処理部である。衛星受信部42が受信する衛星波は、例えば、GPS衛星から送信されるGPS波である。衛星受信部42は、例えば、GPS波からPPS信号やGPS時刻情報等を復調して出力する。なお、衛星受信部42が受信する衛星波は、GLONASS、Galileo、準天頂衛星等の他のGNSSから送信される衛星波であってもよい。
【0105】
記憶部43は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部43は、端末装置40の記憶手段として機能する。
【0106】
ネットワーク通信部44は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部44は、LANインタフェースである。ネットワーク通信部44は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部44は、端末装置40のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部44は、制御部46の制御に従って、他の装置と通信する。
【0107】
入出力部45は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部45は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部45は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部45は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部45は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部45は、端末装置40の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。
【0108】
制御部46は、端末装置40の各部を制御するコントローラである。制御部46は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部46は、端末装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部46は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0109】
制御部46は、
図8に示すように、取得部461と、通信制御部462と、を備える。制御部46を構成する各ブロック(取得部461~通信制御部462)はそれぞれ制御部46の機能を示す機能ブロックである。これら機能ブロックはソフトウェアブロックであってもよいし、ハードウェアブロックであってもよい。例えば、上述の機能ブロックが、それぞれ、ソフトウェア(マイクロプログラムを含む。)で実現される1つのソフトウェアモジュールであってもよいし、半導体チップ(ダイ)上の1つの回路ブロックであってもよい。勿論、各機能ブロックがそれぞれ1つのプロセッサ又は1つの集積回路であってもよい。機能ブロックの構成方法は任意である。
【0110】
なお、制御部46は上述の機能ブロックとは異なる機能単位で構成されていてもよい。制御部46を構成する各ブロック(取得部461~通信制御部462)の動作は、後に述べる。
【0111】
上述したように、端末装置40は放送局装置30から送信される放送波からタイミング情報を抽出し、LPWA通信の制御に利用する。タイミング情報は、GPS信号を模した信号である。端末装置40は、所定数のGPS衛星が補足できる場合には、実際のGPS衛星から取得したGPS信号(例えば、PPS信号)をタイミング情報としてもよい。
【0112】
図9は、端末装置40の具体的構成例を示す図である。
図9に示した構成は、GPS信号の復調に市販のGPS復調LSIを用いる場合の放送局装置30の構成例である。
図9に示した構成はあくまで一例であり、端末装置40の構成は
図9に示した構成に限定されない。
【0113】
端末装置40は、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、LNA(Low Noise Amplifier)等を備えるフロントエンド42aでGPS衛星からの衛星波を抽出した後、ABセレクタ46bに出力する。フロントエンド42aは、
図8の例では、衛星受信部42の一部に相当する。
【0114】
また、端末装置40は、SAWフィルタ、LNA等を備えるフロントエンド41aで放送局装置30からの放送波を抽出した後、アップコンバータ41b及びダウンコンバータ42cで周波数シフトさせる。そして、端末装置40は、アップコンバートした信号をABセレクタ46bに出力するとともに、ダウンコンバートした信号をSubチャネル復調器41dに出力する。フロントエンド41a、アップコンバータ41b、ダウンコンバータ42c、及びSubチャネル復調器41dは、
図8の例では、無線通信部41の一部に相当する。
【0115】
一方、ABセレクタはCPU46aの制御に従って信号を選択した後、選択した信号をGPS復調LSI42bに入力する。GPS復調LSI42bは、
図8の例では、無線通信部41の一部に相当する。GPS復調LSI42bはPPS信号を復調してLPWA送信機41eに出力する。PPS信号はタイミング情報の一種である。LPWA送信機41eは、
図8の例では、無線通信部41の一部に相当する。なお、LPWA送信機41eの一部(例えば、LPWA送信機41e内の制御部)を制御部46の一部とみなしてもよい。
【0116】
Subチャネル復調器41dは、入力された信号から制御信号を復調してCPU46aに出力する。CPU46aは、
図8の例では、制御部46の一部に相当する。LPWA送信機41eは、制御部46の制御に従って基地局装置20と通信する。
【0117】
<2-6.周波数帯域の割り振り>
次に、周波数帯域(第2の周波数帯)の割り振りを説明する。第2の周波数帯は、複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯とは異なる周波数帯である。ここで、第1の周波数帯は、例えば、第1の周波数帯は、特定小型省電力無線が可能な周波数帯(例えば、端末装置40がLPWA通信に使用する周波数帯)である。第1の周波数帯は、例えば、920MHz帯であり、第2の周波数帯は、例えば、VHF-High帯である。
【0118】
図10は、放送局装置30が送信する放送波のスペクトルを示す図である。放送局装置30は、割り当てられた周波数帯域(第2の周波数帯)を1つのMainチャネルと複数のSubチャネルに分割する。そして、放送局装置30は、Mainチャネルではタイミング情報を送信し、Subチャネルでは端末装置40の通信を制御するための制御情報を送信する。
【0119】
このとき、放送局装置30は、Mainチャネルに広帯域無線を用いる。帯域幅として~2MHz程度が想定される。放送局装置30は、例えば、タイミング信号をスペクトル拡散して送信する。スペクトル拡散方式などを用いるこれにより、放送局装置30は、正確なタイミング情報をブロードキャスト送信できる。
【0120】
また、放送局装置30は、Subチャネルに狭帯域無線を用いる。そして、放送局装置30は、制御情報を、Subチャネルを使ってマルチキャスト送信する。制御情報は、複数の無線方式それぞれで異なるものであってもよい。
【0121】
Subチャネルの帯域幅としては、例えば10kHz程度が想定される。放送局装置30は、BPSK、FSK、OFDMなど帯域幅に収まれば、任意の無線変調を用いてよい。端末装置40のユーザにアプリケーション処理等の通信サービスを提供する者(例えば、IoT事業者。以下、サービス提供者という。)は、割り当てを受けたSubチャネルに関して、キャリアアグリケーション(CA:Carrier Aggregation)、チャネルボンディング(Channel Bonding)等により複数のチャネルをまとめて使ってもよい。また、サービス提供者は、1つのチャネルを分割して使ってもよい。
【0122】
なお、各放送局装置30からの放送は、符号多重により同一周波数でもお互いの放送波が区別できるように、あらかじめ定義されていてもよい。
【0123】
<<3.通信システムの動作>>
次に、通信システム1の動作を説明する。
【0124】
<3-1.動作の概要>
最初に、通信システム1の動作の概要を説明する。
図11は、通信システム1の動作の概要を説明するための図である。
【0125】
[ステップS1]
放送局装置30は、Mainチャネルを使って、端末装置40(例えば、IoT端末)とは独立かつ周期的にタイミング情報を放送する(ステップS1)。
【0126】
(1)Mainチャネルから放送するデータには、タイミング情報のみならず、年月日、時刻情報、及びエフェメリス情報も含まれていてもよい。端末装置40が他の端末装置40と同期がれるのであれば、GPS時刻情報等の時刻情報もタイミング情報とみなしてもよい。
【0127】
(2)Mainチャネルから放送するデータには、この帯域の利用に準拠した端末装置40(例えば、IoT端末)に対する制御信号も含まれていてもよい。
【0128】
[ステップS2、S3]
ステップS2、S3は、端末装置40(例えば、IoT端末)、基地局装置20(例えば、IoTゲートウェイ)、及びサーバ装置10の通常動作である。
【0129】
(1)サーバ装置10は、基地局装置20(例えば、IoTゲートウェイ)に対して、受信する端末IDを指定する(ステップS3)。
【0130】
(2)基地局装置20(例えば、IoTゲートウェイ)は、指定された端末IDを持つ端末装置40(例えば、IoT端末)のアップリンク(uplink)を受信する(ステップS2)。
【0131】
(3)基地局装置20(例えば、IoTゲートウェイ)は、受け取ったアップリンク中のデータ(ペイロード)をサーバ装置10へアップロードする(ステップS3)。
【0132】
[ステップS1、S4、S5]
ステップS1、S4、S5は、例えば、特定のIDを持つ端末装置40(例えば、IoT端末)を停止したい要求がある場合の動作である。
【0133】
(1)サーバ装置10は特定のIDをもつ端末装置40(例えば、IoT端末)を停止するためのデータを放送局装置30内の制御信号エンコーダに対して通知する(ステップS4)。
【0134】
(2)放送局装置30の制御信号エンコーダは、既定の符号化を行ない、変調器へ伝達する。
【0135】
(3)放送局装置30の変調器は既定の変調を行なう。
【0136】
(4)放送局装置30は、Subチャネルを介してこれを放送する(ステップS5)。
【0137】
(5)放送局装置30は、Mainチャネルを介してもこれを放送することができる(ステップS1)。
【0138】
<3-2.放送局Mainチャネル(仮想(擬似)衛星)>
本実施形態では、放送局装置30がタイミング情報を生成して放送する。タイミング情報の生成には仮想衛星(擬似衛星ともいう。)の技術を用いてもよい。
【0139】
放送局装置30は、GBAS(Ground Based Augmentation System)における疑似衛星を生成してもよい。擬似衛星(スードライト)は、既知の技術であり、建物の影響などで衛星数が減る/衛星が受信できない工事現場や屋内で使用されている。衛星数、配置を良くすることができる。
【0140】
放送局装置30は、複数の移動しない疑似衛星からの電波を地上の1地点で受信したときに観測されるベースバンド信号を、「高い送信周波数」に変換して送信する地上放送局であってもよい。このとき「高い送信周波数」はテレビ放送帯の周波数であってもよい。
【0141】
<3-3.放送局装置の処理フロー>
次に、放送局装置30の処理フローを説明する。
図12は、実施形態1に係る放送処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す放送処理は、例えば、放送局装置30の制御部34で実行される。放送局装置30は、例えば、地上の放送局装置である。
【0142】
まず、放送局装置30の取得部341は、衛星波から情報(例えば、GPS信号)を取得する(ステップS101)。取得部341は、航法衛星から送信される、時刻測定或いはタイミング測定のための情報(例えば、PPS信号)を取得する。
【0143】
そして、取得部341は、端末装置40に向けて放送するタイミング情報を取得する(ステップS102)。例えば、取得部341は、ステップS101で取得した情報(信号)に基づいてタイミング情報を生成する。上述したように、端末装置40は、複数の通信方式が混在可能な所定のアンライセンスバンド(第1の周波数帯)を所定の通信方式(例えば、所定のLPWA規格に準拠した通信方式)で使用可能である。
【0144】
タイミング情報は、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である。このとき、仮想の衛星送信情報は、航法衛星から送信される信号からPPS(Pulse Per Second)信号が復調できるように構成すればよい。
【0145】
取得部341は、サーバ装置10から制御情報を取得する(ステップS103)。制御情報は、例えば、端末装置40に対して通信に関する制御を指示するための情報である。制御情報には、端末装置40の第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれていてもよい。また、制御情報には、端末装置40の第1の周波数帯を使った電波送信をスケジュールするためのスケジュール情報が含まれていてもよい。スケジュール情報は、端末装置40が使用可能な無線リソース(周波数及び又は時間リソース)の情報がふくまれていてもよい。
【0146】
そして、放送局装置30の送信部342は、タイミング情報及び制御情報を所定のアンライセンスバンド(第1の周波数帯)とは異なる周波数帯(第2の周波数帯)を使用して放送する。
【0147】
例えば、送信部342は、<2-6.周波数帯域の割り振り>で説明したMainチャネルでタイミング情報を送信する。また、送信部342は、<2-6.周波数帯域の割り振り>で説明したSubチャネルで制御情報を送信する。
【0148】
このとき、送信部342は、Mainチャネルでの情報の送信に関して、拡散符号や符号多重を変えることにより、同一周波数でも他の放送局の放送波と自局の放送波を分離復調できるようしてもよい。
図13は、異なる拡散符号や符号多重によりエリアの分離が可能であることを説明するための図である。送信部342は、Mainチャネルのみならず、Subチャネルに関しても同様の手段で、エリア分割を可能としてもよい。
【0149】
情報の送信が完了したら、放送局装置30の制御部34は放送処理を終了する。
【0150】
<3-4.端末装置の処理フロー>
次に、端末装置40の処理フローを説明する。
図14は、実施形態1に係る送信処理の一例を示すフローチャートである。以下に示す送信処理は、例えば、端末装置40の制御部46で実行される。
【0151】
電源がONされると、端末装置40の制御部46は、端末初期設定を実行する(ステップS201)。そして、端末装置40の制御部46は、Subチャネル復調シーケンスと、GPS衛星捕捉シーケンスと、Mainチャネル復調シーケンスを実行する。これらのシーケンスは並行して実行されてもよい。
【0152】
まず、Subチャネル復調シーケンスを説明する。
【0153】
端末装置40の取得部461は、Subチャネルの復調を実行する(ステップS211)。復調が失敗したら(ステップS212:No)、取得部461は、ステップS211に戻り、Subチャネルの復調を継続する。復調が成功したら(ステップS212:Yes)、取得部461は、WAITの実行後(ステップS213)、ステップS211に戻り、Subチャネルの復調を繰り返す。図中、「WAIT」は所定の時間の経過、あるいはLPWA送信の前、若しくは後のタイミングまで待つことを表す。
【0154】
復調が成功したら端末装置40の取得部461は、復調した情報から制御情報を取得する。制御情報には、端末装置40の第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれていてもよい。また、制御情報には、端末装置40の第1の周波数帯を使った電波送信をスケジュールするためのスケジュール情報が含まれていてもよい。
【0155】
そして、端末装置40の通信制御部462は、制御情報に基づいてLPWA送信を制御するための制御信号を生成する(ステップS214)。例えば、通信制御部462は、制御情報に基づいて、電波送信を停止させるための停止信号を生成したり、使用可能な無線リソースを指定するための信号を生成したりする。
【0156】
次に、GPS衛星捕捉シーケンスを説明する。
【0157】
端末装置40の取得部461は、航法衛星(例えば、GPS衛星)の捕捉処理を実行する(ステップS221)。所定の数(例えば、4つ)の航法衛星を捕捉できた場合(ステップS222:Yes)、取得部461は、WAITの実行後(ステップS223)、ステップS221に戻り、航法衛星の捕捉処理を再開する。また、捕捉が成功したら、取得部461は、タイミング情報(例えば、PPS信号やGPS信号等のタイミング信号)をABセレクタに送信する。タイミング情報は、端末装置40が使用する所定の通信方式とは異なる通信方式で第1の周波数帯を使用する他の端末装置40とのタイミングの共有を可能にする。
【0158】
所定の数(例えば、4つ)の航法衛星を捕捉できなかった場合には(ステップS222:No)、捕捉処理開始から所定時間経過していないか判別する(ステップS224)。所定時間経過していない場合(ステップS224:Yes)、取得部461は、ステップS221に戻り、捕捉処理を継続する。所定時間経過した場合(ステップS224:No)、取得部461は、Mainチャネル復調シーケンスに処理を移行させる。
【0159】
次に、Mainチャネル復調シーケンスを説明する。
【0160】
端末装置40の取得部461は、仮想衛星(例えば、仮想のGPS衛星)の捕捉処理を実行する(ステップS231)。仮想衛星の捕捉処理は、例えば、Mainチャネルの復調処理である。所定の数(例えば、4つ)の仮想衛星を捕捉できた場合(ステップS232:Yes)、取得部461は、WAITの実行後(ステップS233)、ステップS221に戻り、航法衛星の捕捉処理を再開する。また、捕捉が成功したら、取得部461は、タイミング情報(例えば、PPS信号やGPS信号等のタイミング信号)をABセレクタに送信する。
【0161】
所定の数(例えば、4つ)の仮想衛星を捕捉できなかった場合には(ステップS232:No)、捕捉処理開始から所定時間経過していないか判別する(ステップS234)。所定時間経過していない場合(ステップS234:Yes)、取得部461は、ステップS231に戻り、捕捉処理を継続する。所定時間経過した場合(ステップS234:No)、取得部461は、GPS衛星捕捉シーケンスに処理を移行させる。
【0162】
ABセレクタは、有効なシーケンス側を選択する。つまり、ABセレクタは、Mainチャネル復調シーケンス(第1の情報)とGPS衛星捕捉シーケンスで取得した情報(第2の情報)とのいずれかを選択する(ステップS241)。例えば、ABセレクタは、所定の数の航法衛星を捕捉できた場合には、第2の情報を選択し、所定の数の航法衛星を捕捉できない場合には、第1の情報を選択する。
【0163】
そして、端末装置40の通信制御部462は、ステップS214で生成された制御信号とステップS241で選択された情報(例えば、PPS信号やGPS信号等のタイミング情報)に基づいてLPWA送信データの送信を制御する(ステップS251)。
【0164】
例えば、通信制御部462は、所定の数の航法衛星を捕捉できた場合には、第2の情報に基づいて、第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する。一方、所定の数の航法衛星を捕捉できない場合には、第1の情報に含まれるタイミング情報に基づいて、第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する。
【0165】
また、通信制御部462は、制御情報として第1の周波数帯を使った電波送信を停止する指示を受け取った場合には、第1の周波数帯を使った電波送信を停止する。
【0166】
送信が完了したら、端末装置40の制御部46は、送信処理を終了する。
【0167】
<<4.実施形態1のまとめ>>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、通信装置(例えば、端末装置40)は、複数の通信方式が混在可能な所定のアンライセンスバンド(例えば、920MHz帯)を使った通信のための情報(例えば、タイミング情報及び/又は制御情報)を、所定のアンライセンスバンドとは異なる他の周波数帯(例えば、200MHz帯)から取得する。通信装置は、取得した情報に基づいて、所定のアンライセンスバンドを使った所定の通信方式の通信(例えば、LPWA通信)を制御する。
【0168】
これにより、所定のアンライセンスバンドで異なる通信方式を使用する複数の通信装置が協調できるようになる。結果として、無線資源の有効活用が実現する。
【0169】
また、放送局の数十kWの電力を用いた放送波により、放送波とは異なる帯域の無線通信の通信制御が可能になる。
【0170】
また、Mainチャネルにタイミング情報を載せることにより、これから得られるタイミングを用いて異なる無線通信規格であっても時間軸方向にアライメントされたLPWA送信を実現する仕組みを提供できる。
【0171】
また、本実施形態では、他の周波数帯(例えば、200MHz帯)をMainチャネル及びSubチャネルに分けている。Mainチャネルに汎用に用いることができる情報を載せる一方で、Subチャネルには様々な無線通信に対する個別の情報を与える仕組みを提供できる。
【0172】
また、本実施形態では、MainチャネルあるいはSubチャネルを用いて各種情報を送信している。これにより、例えば、災害時の無線送信の停止を行なえる仕組みを提供できる。
【0173】
また、Mainチャネルに広帯域無線を用いるので、放送するタイミング情報の精度が良くなる。
【0174】
放送局のMainチャネルに含まれる、GPS復調に必要となるエフェメリス情報が固定値になるので、エフェメリス更新(有効期限~4時間)が不要となり、GPSが位置座標を出力するまでの時間が短縮できる。
【0175】
<<5.実施形態2>>
次に、実施形態2の通信システム2について説明する。
【0176】
<5-1.技術背景と目標>
[従来技術]
IoTの時代になり、様々なデバイスが無線技術を使ってネットに接続される。総務省の情報通信白書(平成29年)によれば、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる長距離・低消費電力の無線技術が急拡大し、2021年には4億台近い無線デバイスが使われることが予想されている。このうち3/4は、免許不要のISM(Industry Science Medical)バンドを使う装置である。
【0177】
ISMバンドの限られた無線周波数帯域を使って、多くのデバイスが無線通信を成立させることが必要となる。このために、各無線デバイスは電波を発する時間を減らして通信効率良くすることが必須となる。
【0178】
正確な時刻情報を各無線デバイスに伝達するダウンリンク通信があれば、各デバイス内部の発振器をキャリブレートすることができる。この結果、無線通信の周波数が正しくなり、高効率(つまり短時間)の無線通信方法が可能となる。また送信開始を示す無駄信号(プリアンブル)を排除することも可能となり、短時間で通信することにより周波数帯域を有効利用することに貢献する。
【0179】
またダウンリンク通信により、無線デバイスの送信条件を制御することも可能になり、通信効率を上げることが可能となる。
【0180】
しかし現状のISMバンドでは、ダウンリンク送信に対する空中線電力や送信チャネル、送信時間などの制約がある。このため、全てのデバイスにダウンリンク通信を届けることが難しい。
【0181】
[目標]
そこで、本実施形態では、各デバイスに正確な時刻情報、およびシステムからの制御情報等を届けることを可能とするダウンリンク通信を実現することを目標とする。
【0182】
<5-2.時刻情報の送信について(従来技術と目標)>
[従来技術]
無線で時刻情報を届ける手段としては標準電波(JJY)があり、福島県と佐賀県から50kWの電波が発せられている。また福岡県と佐賀県で使っている電波の周波数はそれぞれ40kHz、60kHzと異なり、それにより2つの電波が混信しないようにされている。しかしJJYは電波の周波数が低いために、1秒程度の時間精度しか得られない。さらに、屋内では電波を受信できない、帯域が狭いためにデバイスの制御情報を送ることができないという問題点もある。
【0183】
JJYでは精度が不足するので、正確な時刻情報の取得手段としてはGPS(米国以外のシステムを含む場合はGNSSと呼ばれる)が良く使われる。GPSは地球を周回している数十個の人工衛星で構成されていて、人工衛星からの電波を捉えることにより、受信地点の位置(緯度・経度)と時刻を正確に知ることができる。時刻精度は1マイクロ秒以内の高精度である。しかし人口衛星が高度2万kmと遠いため電波が弱く、屋内では受信できない。さらに衛星が周回軌道であり、静止していないために、GPS受信機は長時間(数十秒~1分)かけて衛星の軌道情報を取得しなければならない。この軌道情報の受信のために、消費電力が増えてしまう問題も存在する。
【0184】
そこで本実施形態では、放送拠点から強い電波で、正確な時刻情報を送信するダウンリンク放送を実現する。
【0185】
[課題]
このようなダウンリンク放送には、次の4つの技術課題を解決することが求められる。
(課題1)エリアオーバーラップの問題
(課題2)高い時間精度の実現
(課題3)安価な受信装置での実用化
(課題4)低消費電力を実現するため、短時間で動作すること
【0186】
(課題1:エリアオーバーラップの問題)
図15は、実施形態2の課題1を説明するための図である。2つ以上の放送局からの電波が受信できる場所(エリア・オーバラップ)では、電波が干渉して正しく受信できない。放送局からの電波は強いので、予期せぬ遠方まで電波が届くことがある。このため放送局によって、(A)周波数、(B)時間、もしくは(C)拡散コードを変えることが必要となる。
【0187】
(A)エリアによって周波数を変える
ナローバンド(狭帯域)にすることでチャネル数を増やし、各放送局に周波数チャネルを割り振って送信することによりオーバラップを防ぐことができる。しかし、受信機で沢山の狭帯域周波数をスキャンしなければならならず、構成が複雑になる。また帯域を狭める(ナローバンド)ため時間分解能が低下して、(課題2:高い時間精度)を解決できない。
【0188】
(B)エリアによって送信時間を変える
エリアごとに送信時間の枠をアサインして送信することにより、エリアオーバーラップの問題を解決できる。しかし受信機ではどのタイミングで送信されたか解らないので、連続受信しなければならない。このため、(課題4:短時間で動作)を解決できない。
【0189】
(C)エリアによって拡散コードを変える(本実施形態)
スペクトル拡散を採用し、エリアごとに拡散コードを変えることにより、オーバラップの問題を解決することができる。例えば、変調方式として1MbpsのBPSKを使ったスペクトル拡散方式を採用し、エリアごとに拡散符号を変えることでオーバラップを解決できる。このとき周波数帯域は2MHzまで拡大する。
【0190】
(課題2:高い時間精度の実現)
図16は、実施形態2の課題2を説明するための図である。時間精度は、周波数帯域の逆数で定まる。本実施形態では変調方式として1MbpsのBPSKを使ったスペクトル拡散方式を採用することで、1マイクロ秒の時間精度を実現する。
【0191】
(課題3:安価な受信装置を可能とする)
図17は、実施形態2の課題3を説明するための図である。本実施形態ではスペクトル拡散方式を採用し、GPSに準拠させた通信フォーマットを用いる。この結果、本方式の受信回路は、市場にたくさん出回っているGPS受信回路をそのまま用いることができ、大幅な低価格化を可能とする。
【0192】
(課題4:短時間で受信できる)
図18は、実施形態2の課題4を説明するための図である。本実施形態では、疑似衛星からの電波を地上の1地点で受信したときに観測されるGPSのベースバンド信号を作り、それを高い周波数帯に変換して送信する。疑似衛星は移動しないので、衛星軌道情報を取得する必要がなくなり、受信機は短時間で受信動作を完了させることができる。これにより、受信機の消費電力を低減することができる。
【0193】
<5-3.システム構成>
以上、本実施形態の課題について説明したが、以下、実施形態2の通信システム2の構成を説明する。
図19は、実施形態2に係る通信システム2の構成例を示す図である。以下、
図19を参照しながら、通信システム2の構成を説明する。なお、「通信システム」の記載は、「制御システム」等の他のワードに置き換えることができる。
【0194】
[システムの概要]
通信システム2は、制御情報をLPWA送信端末400に送信する制御情報送信機300と、上記制御情報に応じてデータを送信するLPWA送信端末400と、GPS時刻に同期してデータを受信する受信システム(例えば、LPWA受信機200)と、で構成されるデータ送受信システムであって、上記制御情報がGPS時刻情報を含むことを特徴とするLPWA送信端末制御システムである。
【0195】
また、通信システム2は、上記制御情報がスペクトル拡散により送信され、スペクトル拡散信号のフレームタイミングがGPS時刻に同期していることを特徴とするデータ送信制御システムである。
【0196】
また、通信システム2は、上記制御情報が、災害発生状況や通信チャネルの状態をあらわすTMCC情報を含むことを特徴とするLPWA送信端末制御システムである。
【0197】
また、通信システム2は、制御情報送信機300の送信キャリア周波数が170メガヘルツ以上220メガヘルツ以下であることを特徴とするLPWA送信端末制御システムである。
【0198】
[システムの具体的構成例]
通信システム2の概要を述べたが、以下、通信システム1の具体的構成例を説明する。
【0199】
通信システム2は、
図19に示すように、制御情報送信機300と、LPWA送信端末400と、LPWA受信機200と、を備える。中央情報制御装置も通信システム2の一部とみなしてもよい。
【0200】
(中央情報制御装置)
中央情報制御装置は、震災や災害などが発生した場合の災害情報と、通信チャネルの情報などをTMCC情報として制御情報送信機300に通知する。制御情報送信機300は、実施形態1では、例えば、サーバ装置10に相当する。勿論、制御情報送信機300は、サーバ装置10に限られない。
【0201】
(制御情報送信機)
制御情報送信機300は、地球を周回しているGPS衛星からの電波を受信してGPS時刻情報を入手する。制御情報送信機300はGPS時刻情報とTMCC情報(中央制御装置から得られる災害情報や通信チャネルの情報など)をまとめて制御情報を作成する。制御情報送信機300は、制御情報をチップレート1.023MHzのスペクトル拡散信号として拡散し、放送波が使われていた周波数帯(170MHz~220MHz)で送信する。制御情報送信機300は、実施形態1では、例えば、放送局装置30に相当する。勿論、制御情報送信機300は、放送局装置30に限られない。
【0202】
(LPWA送信端末)
LPWA送信端末400は、様々なセンサーの情報を長距離、低ビットレートの通信により送信する送信装置である。ここで長距離・低ビットレートの無線技術は一般にLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる。LPWA送信端末400は、様々なセンサーからの情報をペイロードとして、LPWA通信により送信することを目的としている。LPWA送信端末400は、実施形態1では、例えば、端末装置40に相当する。勿論、LPWA送信端末400は、端末装置40に限られない。
【0203】
LPWA通信を開始する前に、LPWA送信端末400は、制御情報送信機300から送信されたスペクトル拡散の電波を受信し、制御情報を復号する。もしも、制御信号に含まれている災害情報が「災害あり」となっていた場合は、LPWA送信端末400は送信を中止することにより、高い優先度の無線通信を優先させる。
【0204】
制御情報に含まれているGPS時刻を使って、LPWA送信端末400内部のクロック信号をキャリブレートする。この結果、LPWA送信端末400から送信されるLPWA信号は、LPWA受信機200が期待するキャリア周波数に正確に合致することになり、LPWA受信機200の受信成功確率を高め、通信効率を向上させる。またLPWA送信端末400から送信されるLPWA送信信号は、LPWA受信機200が期待する時刻に正確に合致して送信が開始されることにより、プリアンブルなどの無駄信号を排除して通信効率を高めることができる。このようなキャリブレートを行った後に、LPWA送信端末400は様々なセンサーからの情報をLPWA信号として送信する。
【0205】
(LPWA受信機)
LPWA受信機200は、地球を周回しているGPS衛星からの電波を受信し、LPWA受信機200内部のクロック信号をキャリブレートする。この結果、LPWA受信機200の受信周波数、および受信タイミングは、正確にGPS時刻に同期する。
【0206】
すなわち、LPWA送信端末400は制御情報送信機300を介してGPS時刻に同期し、LPWA受信機200はGPS衛星からの電波を直接受信することによりGPS時刻に同期しているので、送信、受信の両方がGPS時刻に同期して行われることになり、通信の安定性と効率が向上する。
【0207】
LPWA受信機200で受信されたLPWA信号は、ネットワーク(例えば、インターネット)上のサーバを経由して、ユーザの手元にあるスマートフォンに表示される。
【0208】
LPWA受信機200は、実施形態1では、例えば、基地局装置20に相当する。勿論、LPWA受信機200は、基地局装置20に限られない。
【0209】
なお、図示したスマートフォンはあくまで一例であり、他の端末装置、例えば、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット等)、PDA、パーソナルコンピュータ、M2Mデバイス、又はIoTデバイスに置き換えてもよい。
【0210】
また、ネットワークもインターネットに限られない。ネットワークは、例えば、地域IP(Internet Protocol)網、電話網(例えば、固定電話網、携帯電話網)等の通信ネットワーク(インターネットを含む。)であってもよい。このとき、ネットワークには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0211】
以下、通信システム2を構成する各装置の構成を具体的に説明する。なお、以下に示す各装置の構成はあくまで一例である。各装置の構成は、以下の構成とは異なっていてもよい。
【0212】
<5-4.制御情報送信機の構成>
最初に、制御情報送信機300の構成を説明する。
図20は、実施形態2に係る制御情報送信機300の構成例を示す図である。
【0213】
[装置の概要]
制御情報送信機300は、時刻情報入手手段(時刻取得手段)と、上記時刻情報を含む制御情報を作成する送信データ作成手段と、上記制御情報をスペクトル拡散により変調して変調信号を作成するスペクトル拡散手段と、上記時刻情報に合わせて変調信号のタイミングを調整するタイミング補正手段と送信手段と、で構成される送信装置である。
【0214】
制御情報送信機300は、上記時刻情報入手手段が、GPS衛星(一般にはGNSS衛星)からの電波を受信するGPS受信機であることを特徴とする送信装置である。
【0215】
制御情報送信機300は、上記タイミング補正手段が、上記変調信号がGPS時刻に同期するように補正を行うことを特徴とする送信装置である。
【0216】
制御情報送信機300は、上記制御情報に、災害情報や通信チャネルの情報などのTMCC情報が含まれることを特徴とする送信装置である。
【0217】
制御情報送信機300は、上記送信データ作成手段が、上記時刻情報を300ビットのサブフレームとして生成し、ビットレートが50bpsであることを特徴とする送信装置である。
【0218】
制御情報送信機300は、上記スペクトル拡散手段が、チップレートが1023キロヘルツであり、拡散符号の長さが1023チップであることを特徴とする送信装置である。
【0219】
制御情報送信機300は、上記送信手段が、上記時刻情報により上記送信キャリア周波数を補正する周波数補正手段を含むことを特徴とする送信装置である。
【0220】
制御情報送信機300は、上記送信手段の送信キャリア周波数が170メガヘルツ以上220メガヘルツ以下であることを特徴とする送信装置である。
【0221】
[装置の具体的構成例]
以上、制御情報送信機300の概要を述べたが、以下、制御情報送信機300の構成を具体的に説明する。
【0222】
制御情報送信機300は、
図20に示すように、時刻取得手段と、送信データ作成手段と、スペクトル拡散手段と、タイミング補正手段と、送信手段と、を備える。図中、MIX、PRN、BPF、PAはそれぞれ以下を意味する。
【0223】
MIX:Mixer
PRN:Pseudo-Random Number
BPF:Band Pass Filter
PA:Power Amplifier
【0224】
なお、
図20に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、制御情報送信機300の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0225】
(時刻取得手段)
時刻取得手段:GPSアンテナとGPS受信機により、地球を周回しているGPS衛星を受信し、GPS時刻を出力する。GPS時刻は、1マイクロ秒の高精度で得ることができる。
【0226】
(送信データ作成手段)
送信データ作成手段は、CPUを備える。CPUは、入手したGPS時刻に6秒を加えて、送信開始時刻のTOW(Time of Week:17 bit)、WN(Week Number:10 bit)を作成する。TOWとWNにより、送信が開始されるGPS時刻が6秒単位に指定される。
【0227】
CPUは、TMCC情報(174ビット)、認証データAuth(32ビット)、CRC(24ビット)を加えて、
図21に示すようなサブフレーム(300ビット)を構成する。ここでTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control Information)情報は、災害発生状況や通信チャネルの状態をあらわす情報である。TMCCはLPWA送信端末を制御する情報として使うことができる。認証データAuthは、通信情報が改竄されたことを検出する符号であり、CRCは通信路で発生する誤りを検出する符号である。
【0228】
TLMは、ヘッダー(10001011)と6ビットのパリティ等で構成される30ビットの情報である。HOWは、先頭にTOW(Time of Week)を格納し、後端をパリティとしている情報で、6秒ごとの時刻をあらわす。10ビットのWN(Week Number)は、年、月、週の時刻情報である。
【0229】
以上のように構成される300ビットのサブフレームは、P/S変換器により1ビット単位の送信データとなって、スペクトル拡散手段に供給される。
【0230】
(スペクトル拡散手段)
スペクトル拡散手段は、送信データの1ビットと、疑似乱数系列(PRN)を20回繰り返して乗算することにより、ビット数を拡大する。ここでPRNは1023ビットの疑似乱数系列であり、結果として1ビットの送信データが20460シンボルに拡大される。シンボルレートは1.023Msymbol/秒である。
【0231】
(タイミング補正手段)
タイミング補正手段は、図示しないFIFOメモリと遅延線などで構成され、所定の遅延を与えることにより、送信シンボルがGPS時刻に同期するようにタイミング調整を行う。すなわち制御情報送信機300から送信される電波のタイミングが、仮想GPS衛星から送信された電波を地上で受信したタイミングと一致するように、遅延量を調整する。ここで仮想衛星は、実在しない衛星であり、仮想衛星の飛行高度を指定することにより、仮想衛星から送信された電波を地上で受信した場合の遅延時間を計算で求めることができる。
【0232】
送信データ作成手段においてGPS時刻に付加する時間を6秒、電波の伝送速度をC、仮想衛星の飛行高度(制御情報送信機300からの距離)をHとしたとき、遅延量Dは以下の式(1)で計算される。
【0233】
D=6秒-(H÷C)+α …(1)
【0234】
ここでαは、制御情報送信機300の電子部品により生じる遅延時間である。
【0235】
このようにしてタイミング補正手段は、設定された仮想衛星の飛行高度に応じて遅延量を調整する。このように遅延時間を制御することにより、制御情報送信機300から送信される電波は、あたかもGPS衛星が高度Hを飛んでいるかのような電波となる。このような電波をGPS受信機で受信することにより、正しい時刻情報を得ることができる。
【0236】
(送信手段)
送信手段は、水晶発振器(OSC)から供給される基準クロックをPLL(Phase Locked Loop)により高い周波数に変換し、送信シンボルをミキサー(MIX)で乗算することにより高いキャリア周波数に変換する。ここでキャリア周波数は、旧アナログテレビのVHF-High帯(170MHz~220MHz)に設定されることにより、テレビ放送の空きチャンネルを使用して高い出力で送信することが可能となる。
図22は、送信波のスペクトルを示す図である。PRNの乗算によりスペクトルは広がり、
図22に示すように、キャリア周波数Fcを中心として2MHz程の帯域となる。
【0237】
水晶発振器(OSC)の発振周波数を、GPS受信機からのタイミングパルスに応じてカウントすることにより、OSCの周波数偏差を求めることができる。この周波数偏差をPLL回路にフィードバックすることにより、OSCの持つ周波数偏差をキャンセルして、正しい周波数での送信を可能としている。
【0238】
<5-5.LPWA送信端末の構成>
次に、LPWA送信端末400の構成を説明する。
図23は、実施形態2に係るLPWA送信端末400の構成例を示す図である。より具体的には、
図23は、温度センサーから得られる温度情報を長距離・低ビットレート無線(LPWA)として送信する、LPWA送信端末400の構成例である。
【0239】
制御情報送信機300から送信された電波は、受信アンテナで電気信号に変換され、SAWフィルタによりキャリア周波数Fcを中心とする信号成分だけが抽出される。この例では、キャリア周波数Fcを200MHzとしている。SAWフィルタを通過した信号はAGC増幅器により一定の振幅となるように増幅され、ミクサー(MIX)により、1375MHzの局部発振器LOと乗算されて1575MHzに周波数変換される。制御情報送信機300から送信された信号は、GPSで使われるのと同じ信号フォーマット(スペクトル拡散)であり、なおかつGPS時刻に同期している。そこで受信アンテナで受信した電波を1575MHzに周波数変換することにより、市販GPS受信機に使われているのと同じ半導体を使って信号検出が可能となる。つまり、GPS衛星からの電波と同じようにスペクトル拡散された信号を逆拡散して復号することができるので、
図21に示した送信データのサブフレーム(300ビット)を出力することができる。
【0240】
この結果、サブフレームの先頭付近に配置された、TOWとWNの情報により、6秒精度のGPS時刻を得ることができる。またサブフレームが検出されたタイミングにより、1マイクロ秒精度のGPS時刻情報が出力される。これらのGPS時刻情報がLPWA送信機に提供されることにより、LPWA送信機はGPS時刻に同期した周波数(920MHz)とGPS時刻に同期したタイミングで送信を行うことが可能となる。またサブフレームからは、TMCC情報として送信された災害情報を復号することができる。TMCC情報として、災害情報が発せられていた場合、CPUはLPWA通信を中止する。このようにして制御情報によってLPWA通信をコントロールして、より重要な通信のために貴重な無線資源を提供する。
【0241】
ここで、GPS受信機を作動させるためには、衛星の軌道情報が必要になる。本実施形態においては
図20に示す衛星位置が固定であることから、軌道情報は固定値となる。そこでCPUのファームウェアに記憶させた固定値の軌道情報をCPUがGPS受信機に送り込むことで、制御情報送信機300から送信された制御情報を受信することができる。 本特許ではこのように軌道情報の取得を省くことができるので、短時間で制御情報を受信することができる。
【0242】
以上述べたように、本特許のLPWA送信端末400では、市販されているGPS受信機に簡単な回路を付加するだけで、制御情報送信機300から送信される制御情報を受信して、LPWA送信端末400を制御することが可能となっている。
【0243】
<5-6.LPWA受信機の構成>
次に、LPWA受信機200の構成を説明する。
図24は、実施形態2に係るLPWA受信機200の構成例を示す図である。
【0244】
LPWA受信機200は、地球を周回しているGPS衛星からの電波を受信し、LPWA受信機200内部のクロック信号をキャリブレートする。この結果、LPWA受信機200の受信周波数、および受信タイミングは、正確にGPS時刻に同期する。
【0245】
水晶発振器(OSC)の発振周波数を、GPS受信機からのタイミングパルスに応じてカウントすることにより、OSCの周波数偏差を求めることができる。この周波数偏差をPLL回路にフィードバックすることにより、OSCの持つ周波数偏差をキャンセルして、正しい周波数(920MHz)の局部発振をおこない、ミキサに供給する。受信アンテナで受信された920MHzのLPWA無線信号は、SAWフィルタにより不要な電波が除去された後、AGCアンプによって所定の振幅まで増幅される。AGCアンプの出力は、ミキサにより920MHzの局部発振信号を乗算され、ベースバンド信号が得られる。ベースバンド信号をAD変換してディジタル信号に変換し、CPUにより誤り訂正などの復号処理がされることにより、センサーの情報が復号される。このセンサー情報は、インターネット上のサーバを経由して、ユーザの手元にあるスマートフォンに表示される。
【0246】
以上述べたようにLPWA受信機200はGPS衛星からの電波を直接受信することにより、GPS時刻に同期している。先に述べたようにLPWA送信端末400は制御情報送信機300を介してGPS時刻に同期しているので、送信、受信の両方がGPS時刻に同期して行われることになり、通信の安定性と効率が向上する。
【0247】
<<6.実施形態3>>
次に、実施形態3の通信システム3について説明する。
【0248】
<6-1.課題と解決案>
市販のGPS受信機は、少なくとも4つの異なる衛星を受信することにより、4つの未知情報(緯度、経度、高度、時刻)を求めてから正確な時刻を出力するように構成されている。
【0249】
これまで説明した実施例においては、制御情報送信機300は1つの仮想衛星の電波を送信する構成であった。このため、仮想衛星一つだけの信号から時刻情報を受信できるように、GPS受信機のファームウェアなどを変更する必要がある。
【0250】
そこで次の本実施形態では、4つの仮想衛星の電波を合成して、一つの放送局から送信する。このことにより、受信機の改造を少なくしてローコスト化することが可能となる。
【0251】
<6-2.システム構成>
以上、本実施形態の課題と解決案について説明したが、以下、実施形態3の通信システム3の構成を説明する。
図25は、実施形態3に係る通信システム3の構成例を示す図である。以下、
図25を参照しながら、通信システム2の構成を説明する。なお、「通信システム」の記載は、「制御システム」等の他のワードに置き換えることができる。
【0252】
通信システム3は、
図25に示すように、制御情報送信機300Aと、LPWA送信端末400と、LPWA受信機200と、を備える。中央情報制御装置も通信システム2の一部とみなしてもよい。
図19に示す通信システム2とは、制御情報送信機300が制御情報送信機300Aとなっている点で異なる。制御情報送信機300A以外の装置の構成は、通信システム2と同様である。
【0253】
<6-3.制御情報送信機の構成>
以下、制御情報送信機300Aの構成を説明する。
図26は、実施形態3に係る制御情報送信機300Aの構成例を示す図である。
【0254】
実施形態3においては、4つの仮想衛星が送出するGPS電波を地上の1点で受信したのと等価な電波を作り出し、これを放送局により送信する。このことにより、市販されているGPS受信機をそのまま使って、GPS時刻情報の取得が可能となる。
【0255】
このため
図26に示す制御情報送信機300Aは、4つの仮想衛星A、B、C、Dからの信号を合成して送信するように構成されている。ここで4つの仮想衛星信号は、それぞれ異なる衛星位置と、異なる拡散符号PRNを用いている。
【0256】
仮想衛星からの信号は、4つの仮想衛星信号作成手段310
1~310
4それぞれで作成される。
図27は、仮想衛星信号作成手段310の構成例を示す図である。
図27に示す仮想衛星信号作成手段310は、送信データ作成手段、スペクトル拡散手段、タイミング補正手段をまとめたブロックである。仮想衛星信号作成手段310が備える各手段は
図20で説明したのと同じように構成されるので、説明を省略する。
【0257】
<<7.実施形態4>>
次に、実施形態4の通信システム4について説明する。
【0258】
<7-1.実施形態4の概要>
本実施形態では、さまざまなアプリケーションに個別対応するために、用途別に制御情報を伝送する。
【0259】
本実施形態では、計測値をインターネットに伝送する温度計について説明する。
【0260】
この温度計では、例えば農家からのリクエストにより、温度の計測間隔を変更することができる。
【0261】
<7-2.システム構成>
以上、本実施形態の概要を説明したが、以下、実施形態4の通信システム4の構成を説明する。
図28は、実施形態4に係る通信システム4の構成例を示す図である。以下、
図28を参照しながら、通信システム4の構成を説明する。なお、「通信システム」の記載は、「制御システム」等の他のワードに置き換えることができる。
【0262】
近年、農業においてもインターネットが導入され、例えば農業ハウス内に温度計を設置して、LPWA通信によりハウスの温度監視が行われている。このような場合、例えば育苗期間中は、温度計測結果を頻繁に伝送することが求められる。そこで本実施形態では、農家などからのリクエストにより、LPWA伝送する間隔を変更できるシステムを提供する。
【0263】
通信システム4は、
図28に示すように、制御情報送信機300Bと、LPWA送信端末400Bと、LPWA受信機200と、を備える。中央情報制御装置も通信システム2の一部とみなしてもよい。
図28に示す通信システム2とは、制御情報送信機300が制御情報送信機300Aに、LPWA送信端末400とLPWA送信端末400Bにとなっている点で異なる。
図28の例では、LPWA送信端末400Bとして温度計が含まれている。また、中央制御装置は農家から各種指示を受信するよう構成されている。それ構成は、通信システム2と同様である。
【0264】
<7-3.送信波のスペクトル>
図28において、農家からの計測値送信間隔指示は中央制御装置を経由して、個別制御情報として制御情報送信機300Bに送られる。制御情報送信機300Bは、これまでの実施例で説明したように制御情報(GPS時刻情報とTMCC情報)を広帯域のスペクトル拡散方式で送信する。
図29は、送信波のスペクトルを示す図である。
図29の例では、送信波のスペクトルを、主チャネルとして示した。
【0265】
ここでTMCC情報には、通信チャネル情報(送信周波数や変調方式などの情報)として副チャネルの通信方式が伝送されている。そこで本実施形態では、個別制御情報を副チャネルに付加して放送する。
【0266】
<7-4.制御情報送信機の構成>
次に、制御情報送信機300Bの構成を説明する。
図30は、実施形態4に係る制御情報送信機300Bの構成例を示す図である。
【0267】
制御情報送信機300Bの構成は、
図20に示した制御情報送信機300とは、破線で囲まれた部分の構成が追加されている点で異なっている。破線で囲まれた部分の構成により、制御情報送信機300Bは、個別制御情報の送信が可能になる。
【0268】
上述したように、農家からの計測値送信間隔指示は中央制御装置を経由して、個別制御情報として制御情報送信機300Bに送られる。制御情報送信機300Bは、中央制御装置から送信された制御情報をLPWA送信端末400Bに送信する。
【0269】
<7-5.LPWA送信端末の構成>
次に、LPWA送信端末400Bの構成を説明する。
図31は、実施形態4に係るLPWA送信端末400Bの構成例を示す図である。LPWA送信端末400Bは、例えば、ハウス内(例えば、ビニールハウス内)に設置された温度計である。LPWA送信端末400Bは、制御情報送信機300Bから放送された個別制御情報を受信する。
【0270】
LPWA送信端末400Bの構成は、
図23に示したLPWA送信端末400とは、破線で囲まれた部分の構成が追加されている点で異なっている。破線で囲まれた部分の構成により、LPWA送信端末400Bは、個別制御情報の取得が可能になる。
【0271】
ハウス内に設置されたLPWA送信端末400Bは、副チャネルを受信することにより個別制御情報を得て、LPWA送信の間隔を変更する。この結果、育苗期間中は頻繁に温度情報をユーザの手元にある端末装置(例えば、スマートフォン)に届けることができる。また育苗期間が終われば、LPWAの送信間隔を長くすることで混信を軽減することができる。
【0272】
<<8.変形例>>
上述の各実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0273】
<8-1.実施形態の変形例>
例えば、上述の実施形態は、Mainチャネルを放送帯域への周波数変換を行い、タイミング(時間)情報を得るための放送波は、地上の放送局からの送信波であるものとしたが、以下のとおりとしてもよい。
【0274】
(1)GPS送信波とする。
(2)標準周波数報時電波とする(電波時計)。
(3)SBAS(静止衛星型衛星航法補強システム; Satellite-Based Augmentation System)の電波とする。
(4)GBAS(地上型衛星航法故郷システム; Ground-Based Augmentation System)の電波とする。(VHF-Low帯で運用中)
【0275】
また、Mainチャネルで送信する情報はタイミング情報以外に、この放送波を利用しているすべての端末装置40(例えば、IoT端末)への送信停止など指示するための制御情報を加えてもよい。なお、Mainチャネルからの制御だけではセキュリティ面の課題があるものに対しては、Subチャネルからの制御情報と組み合せて最終的な端末制御(例えば、IoT端末)を行なってもよい。
【0276】
また、Mainチャネルで送信する情報に、タイミング情報以外に、GPSで用いられるエフェメリス情報、アルマナック情報などによりTTFF(GPS初期位置算出時間; Time To First Fix)の短縮に利用できるデータも加えてもよい。
【0277】
また、Subチャネルの1つを標準周波数報時サービス(電波時計)として使用してもよい。
【0278】
<8-2.実施形態の応用例>
複数の放送局装置30において、異なる拡散コードを用いてもよい。
【0279】
この場合、端末装置40(例えば、IoT端末)において3か所の放送局装置30の放送波(例えば、放送波に含まれるタイミング信号)が受信できれば、受信点の位置がわかる。
【0280】
図32、
図33は、放送局装置30の電波を使った端末装置40の位置計測を説明するための図である。放送局装置30
A~30
Cそれぞれの放送波受信可能エリアが
図32に示すようにエリアA~Cであるとする。放送局装置30
A~30
Cの位置は、それぞれ、(XA,YA)、(XB,YB)、(XC,YC)である。そして、端末装置40がエリアA~Cのすべてが含まれるエリアに位置するとする。
【0281】
ここで、端末装置40が放送局装置30
A~30
Cからの放送波を分離でき、その放送時刻からの遅延時間が
図33に示すように、TA、TB、TCであると検出できたとする。
【0282】
このとき、端末装置40の位置(X,Y)は以下に示す連立方程式を解くことにより半判別可能である。
【0283】
√[(XA-X)2+(YA-Y)2]-√[(XB-X)2+(YB-Y)2]=c(TA-TB)
√[(XB-X)2+(YB-Y)2]-√[(XC-X)2+(YC-Y)2]=c(TB-TC)
√[(XC-X)2+(YC-Y)2]-√[(XA-X)2+(YA-Y)2]=c(TC-TA)
【0284】
ここで、cは電波伝搬速度である。
【0285】
この位置計測方法は、例えば、インドア位置計測に使用可能である。
【0286】
<8-3.その他の通信システム>
通信システム1~4で、送受信される情報は任意である。例えば端末装置40(LPWA送信端末400、400B)が、画像、音声、測定データ、機器等の識別情報、パラメータの設定情報、または指令等の制御情報等を含む送信情報を生成し、送信するようにしてもよい。また、この送信情報には、例えば、画像と音声、識別情報と設定情報と制御情報等のように、複数種類の情報が含まれるようにしてもよい。
【0287】
また、端末装置40(LPWA送信端末400、400B)が、例えば、他の装置から供給される情報を含む送信情報を生成することができるようにしてもよい。例えば、端末装置40(LPWA送信端末400、400B)が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出または計測等を行う各種センサーから出力される情報(センサー出力)を含む送信情報を生成し、送信するようにしてもよい。
【0288】
つまり、本技術は、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
【0289】
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。
【0290】
また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサー等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサーを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサーを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
【0291】
また、本技術は、位置通知システム、盗難防止システム等にも適用可能である。
【0292】
さらに、送受信される無線信号や情報の仕様は任意である。また、以上においては、本技術をサーバ装置10、基地局装置20、放送局装置30、端末装置40、または、それらと同等或いは変形した装置を有する通信システム1~4に適用する例を説明したが、本技術は、任意の送信装置、任意の受信装置、任意の送受信装置、任意の通信装置、任意の情報処理装置、任意のシステムにも適用することができる。
【0293】
<8-4.その他の変形例>
本実施形態のサーバ装置10、基地局装置20、放送局装置30、端末装置40、LPWA受信機200、制御情報送信機300、300A、300B、LPWA送信端末400、400Bを制御する制御装置は、専用のコンピュータシステム、又は汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0294】
例えば、上述の動作(例えば、送受信処理)を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、サーバ装置10、基地局装置20、放送局装置30、端末装置40、LPWA受信機200、制御情報送信機300、300A、300B、LPWA送信端末400、400Bの外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、サーバ装置10、基地局装置20、放送局装置30、端末装置40、LPWA受信機200、制御情報送信機300、300A、300B、LPWA送信端末400、400Bの内部の装置(例えば、制御部13、制御部24、制御部34、又は制御部46)であってもよい。
【0295】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0296】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0297】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0298】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0299】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0300】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0301】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0302】
<9.むすび>
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、放送波を使った無線資源の有効利用を実現できる。
【0303】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0304】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0305】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備える、
通信装置。
(2)
前記第1の情報には、前記所定の通信方式とは異なる通信方式で前記第1の周波数帯を使用する他の通信装置とのタイミングの共有を可能にするタイミング情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記タイミング情報は、前記第2の周波数帯を使って放送される情報である、
前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記タイミング情報は、地上の放送局装置から前記第2の周波数帯を使って放送される情報であって、航法衛星から送信される情報を模して生成された仮想の衛星送信情報である、
前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記仮想の衛星送信情報は、航法衛星から送信される仮想のGPS信号を復号することによりPPS(Pulse Per Second)信号が取得できる、
前記(4)に記載の通信装置。
(6)
前記取得部は、航法衛星から送信される、時刻測定或いはタイミング測定のための第2の情報を取得し、
前記通信制御部は、前記第1の情報に含まれるタイミング情報及び前記第2の情報のうちのいずれかの情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する、
前記(4)に記載の通信装置。
(7)
前記通信制御部は、
所定の数の航法衛星を捕捉できた場合には、前記第2の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御し、
前記所定の数の航法衛星を捕捉できない場合には、前記第1の情報に含まれるタイミング情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
前記(6)に記載の通信装置。
(8)
前記第1の情報には、前記通信装置に対して通信に関する制御を指示するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
前記(1)~(7)のいずれか1つに記載の通信装置。
(9)
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信を停止させるための停止情報が含まれる、
前記(8)に記載の通信装置。
(10)
前記制御情報には、前記通信装置の前記第1の周波数帯を使った電波送信をスケジュールするためのスケジュール情報が含まれる、
前記(8)に記載の通信装置。
(11)
前記第1の情報には、前記通信装置の通信を制御するための制御情報が含まれ、
前記通信制御部は、前記タイミング情報と前記制御情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った前記所定の通信方式の通信を制御する、
前記(2)に記載の通信装置。
(12)
前記第2の周波数帯には、複数の帯域で構成される第2の帯域と、前記第2の帯域とは異なる帯域であって前記第2の帯域を構成する前記複数の帯域の一つの帯域幅より広い帯域幅の第1の帯域と、が用意されており、
前記取得部は、前記第1の帯域から前記タイミング情報が含まれる前記第1の情報を取得する、
前記(11)に記載の通信装置。
(13)
第1の周波数帯は、特定小型省電力無線が可能な周波数帯である、
前記(1)~(12)のいずれか1つに記載の通信装置。
(14)
第1の周波数帯は、920MHz帯である、
前記(1)~(13)のいずれか1つに記載の通信装置。
(15)
第2の周波数帯は、VHF-High帯である、
前記(1)~(14)のいずれか1つに記載の通信装置。
(16)
前記所定の通信方式は、LPWA(Low Power Wide Area)通信の通信方式である、
前記(1)~(15)のいずれか1つに記載の通信装置。
(17)
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得し、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する、
通信方法。
(18)
コンピュータを、
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信のための第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯から取得する取得部、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部、
として機能させるための通信プログラム。
(19)
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を行う通信装置が該通信の制御に使用する第1の情報を取得する取得部と、
前記第1の情報を前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部と、を備える、
送信装置。
(20)
複数の通信方式が混在可能なアンライセンスバンドである第1の周波数帯を使った通信を行う通信装置と、前記通信装置に情報を送信する送信装置と、を備える通信システムであって、
前記送信装置は、
前記通信装置が前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信の制御に使用する第1の情報を、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯を使って送信する送信部、を備え、
前記通信装置は、
前記第1の情報を前記第2の周波数帯から取得する取得部と、
前記第1の情報に基づいて、前記第1の周波数帯を使った所定の通信方式の通信を制御する通信制御部と、を備える、
通信システム。
【符号の説明】
【0306】
1、2、3、4 通信システム
10 サーバ装置
20 基地局装置
30 放送局装置
40 端末装置
11 通信部
12、22、32、43 記憶部
13、24、34、46 制御部
21、41 無線通信部
23、33、44 ネットワーク通信部
31 信号処理部
35、42 衛星受信部
45 入出力部
341、461 取得部
342 送信部
462 通信制御部
31a、31b、31c、31d 仮想衛星モジュール
41a、42a フロントエンド
41b アップコンバータ
42c ダウンコンバータ
41d Subチャネル復調器
41e LPWA送信機
46b ABセレクタ
200 LPWA受信機
300、300A、300B 制御情報送信機
400、400B LPWA送信端末
310 仮想衛星信号作成手段