(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ルーフレッグノズル
(51)【国際特許分類】
B05B 3/12 20060101AFI20240219BHJP
B05B 13/06 20060101ALI20240219BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20240219BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240219BHJP
B08B 9/093 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
B05B3/12
B05B13/06
B05D1/02 Z
B08B3/02 F
B08B3/02 G
B08B9/093
(21)【出願番号】P 2021503592
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(86)【国際出願番号】 DK2019050234
(87)【国際公開番号】W WO2020020424
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-19
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】521025832
【氏名又は名称】オレコ エイ/エス
【氏名又は名称原語表記】ORECO A/S
【住所又は居所原語表記】Oldvej 1A, 3540 Lynge, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェトレセン、コー ヴェッセル
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、オーレ メルゴー
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-285449(JP,A)
【文献】特開昭49-049466(JP,A)
【文献】特開2014-034013(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02638973(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-17/08
B05D 1/00-7/26
B08B 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに液体を吐出するためのノズル構成(1)であって、
- ダウンパイプ(3)、
- パイプ部分(4)であって、
- 回転軸が前記ダウンパイプ(3)の縦軸と一致した状態で、前記ダウンパイプ(3)の下端部で回転可能に配置され、
- 前記ダウンパイプ(3)に回転可能に配置されている位置に対して遠位にある、角度付けられたクリーナーヘッド(5)を含む、パイプ部分(4)、
- 角度付けられたノズルパイプ部分(7)、
- 前記角度付けられたノズルパイプ部分(7)を、前記クリーナーヘッド(5)における
前記パイプ部分(4)に回転可能に接続するために設けられた、ノズルハブ(15)、を含み、
前記ノズル構成は、
- 前記パイプ部分に接続された一次駆動軸(13)、
- 前記ダウンパイプ(3)の外側の下端部に固定して配置されるか、またはそこに形成されているギヤ歯列(9)、
- アングルギヤ(10)、
- 前記ノズルパイプ部分(7)を回転させるために、前記アングルギヤによって駆動され
るウォームギヤ(16)、
- 前
記パイプ部分(4)の外側に回転可能に取り付けられ、一端に前記アングルギヤ(10)の歯車を有し、他端に前記ギヤ歯列(9)と協働する歯車(12)を有する二次駆動軸(11)、を含む回転機構(8)をさらに含む、ノズル構成。
【請求項2】
前記一次駆動軸(13)が前記ダウンパイプ(3)の内部に延長しており、前記ダウンパイプ(3)の下端部で前記パイプ部分(4)の内部と係合し、これにより、前記一次
駆動軸(13)が回転すると前記パイプ部分(4)が回転する、請求項1に記載のノズル構成。
【請求項3】
前記ダウンパイプ(3)の一部分が取付ブラケット(2)の上方に延長してインレットパイプ(14)を形成し、別の部分が前記取付ブラケット(2)の下方に延長する位置で前記ダウンパイプ(3)に配置されている前記取付ブラケット(2)をさらに含み、前記取付ブラケットは、前
記タンク
の壁部材に前記ノズル構成を取り付けるために構成されている、請求項1または2に記載のノズル構成。
【請求項4】
前記パイプ部分(4)が全360度回転する間、前記回転機構のギヤリングが、前記ノズルハブ(15)、したがって前記ノズルパイプ部分(7)を、5度未
満回転させるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のノズル構
成。
【請求項5】
前記ギヤ歯列(9)の歯が、前記ダウンパイプ(3)の外周の一区画のみに沿って一様に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のノズル構
成。
【請求項6】
前記一次駆動軸(13)を回転させるために適合され
た駆動装置(23)をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のノズル構成。
【請求項7】
前記駆動装置(23)が、駆動ギヤ(26)を回転させるために配置され
たギヤボックス(25)をさらに含み、一次駆動軸ギヤ(27)が回転する際に、前記駆動ギヤが前記一次駆動軸(13)を回転させるために配置されている前記一次駆動軸ギヤ(27)と噛合する、請求項6に記載のノズル構成。
【請求項8】
前記取付ブラケット(2)の上方に延長して
前記インレットパイプ(14)を形成している前記ダウンパイプ(3)
の一部が、湾曲部を含んでおり、前記一次駆動軸(13)が前記ダウンパイプ(3)の内部に延長して、前記ダウンパイプ(3)の下端部で前記パイプ部分(4)の内部と係合し、これにより、前記一次
駆動軸(13)が回転すると前記パイプ部分(4)が回転し、前記一次駆動軸(13)は、前記湾曲
部に設けられた開口部を通って外側に取り付けられた駆動装置(23)まで延長している、請求項
3に記載のノズル構成。
【請求項9】
前記インレットパイプ(14)の前記湾曲部に配置されたメカニカルシール(17)をさらに含み、このメカニカルシール(17)を通って前記一次駆動軸(13)が延長し、前記一次駆動軸(13)の密封された経路がもたらされる、請求項
8に記載のノズル構成。
【請求項10】
前記駆動装置(23)が、前記一次駆動軸(13)を係合するために、前記湾曲
部に設けられた前記開口部を通って外側に延長する一端に配置されている、請求項
8または9に記載のノズル構成。
【請求項11】
前記ウォームギヤ(16)
のウォーム(19)が、前記アングルギヤ(10)と一端で接続されたウォーム軸(18)に長手方向に摺動可能に配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のノズル構成。
【請求項12】
前記ノズルパイプ部分(7)の遠位端に配置される筒状のノズル延長部(21)をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のノズル構成。
【請求項13】
前記ノズルパイプ部分(7)、または請求項
12に従属する場合、前記筒状のノズル延長部(21)が、前記ノズルパイプ
部分(7)の前記ノズルハブ(15)に対し
て遠位端に配置されているノズルチップ(20)を含み、前記ノズルチップ(20)の中を流れる流体を加速するように構成され、前記ノズルチップ(20)が
、前記ノズルチップの流出口に向かって収束する断面積を有する筒状部分として設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載のノズル構成。
【請求項14】
前記ノズルチップ(20)の前記流出口の前記断面積が、16mm
~20mmの直径または水力直径を有する、請求項
13に記載のノズル構成。
【請求項15】
タンクを洗浄する方法であって、
-
前記タンクの壁部材に、請求項1~14のいずれか一項に記載のノズル構成を提供すること、
- 前記ノズル構成に、洗浄液の源への接続を提供すること、
- 前記ノズル構成を通して前記洗浄液を吐出させながら、前記一次駆動軸(13)を回転させることを含む方法。
【請求項16】
タンクであって、前記タンク
の壁部分に配置される、請求項1~14のいずれか一項に記載のノズル構成を含む、タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、好ましくはオイル/泥水タンクなどのタンクからの流体中に懸濁された、またはその中に含有されたスラッジなどの固形物および/または流体、ならびに他の類似の到達するのが困難な堆積物を除去するためのノズル構成および方法、ならびにタンクに関する。好ましい実施形態では、ノズル構成は、パイプ部分に接続された一次駆動軸、好ましくはダウンパイプの外側の下端部に固定して配置されるか、またはそこに形成されているギヤ歯列、アングルギヤ、ノズルパイプ部分を回転させるために、アングルギヤによって駆動されるウォームギヤなどのギヤ、該パイプ部分の外側に回転可能に取り付けられ、一端にアングルギヤの歯車を有し、他端に該ギヤ歯列と協働する歯車を有する二次駆動軸、を含む回転機構を有する。
【背景技術】
【0002】
オイルタンクなどの巨大なタンクを洗浄することは困難な業務であり、多くの場合、そのようなタンクの洗浄に従事する人員の健康リスクを回避するか、または少なくとも軽減するために注意を払わなくてはならないことが必要とされる。
【0003】
さらに、そのような洗浄は一定の間隔で実行される可能性があるため、上記で言及された問題が強制的に発生する。
【0004】
またさらに、そのようなタンクは、底部および側面などの大部分の内部表面を洗浄することが必要とされ得る。
【0005】
このように、洗浄プロセスを効率的にする方法およびデバイスを提供するためのニーズが存在する。したがって、改良された洗浄デバイスおよび洗浄方法が有利であり、特に、より効率的な、および/または信頼性が高い洗浄デバイスおよび方法が有利となるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のさらなる目的は、先行技術の代替手段を提供することである。
【0007】
特に、本発明の目的は、ノズル構成、使用方法、ならびに/または、上記で言及された先行技術の問題を解決する方法および/もしくはノズル構成を使用する、もしくは含むタンクを提供することであることが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の態様において、オイル/泥水タンクなどのタンクに液体を吐出するためのノズル構成に関する。ノズル構成は、好ましくは、
- ダウンパイプ、
- パイプ部分であって、
- 回転軸がダウンパイプの縦軸と一致した状態で、ダウンパイプの下端部に回転可能に配置され、
- ダウンパイプに回転可能に配置されている位置に対して遠位にある、角度付けられたクリーナーヘッドを含む、パイプ部分、
- 角度付けられたノズルパイプ部分、
- 角度付けられたノズルパイプ部分を、クリーナーヘッドにおけるパイプ部分に回転可能に接続するために設けられた、ノズルハブ、を含み、
ノズル構成は、好ましくは、
- 該パイプ部分に接続された一次駆動軸、
- ダウンパイプの外側の下端部に固定して配置されるか、またはそこに形成されているギヤ歯列、
- アングルギヤ、
- ノズルパイプ部分を回転させるために、アングルギヤによって駆動されるウォームギヤなどのギヤ、
- 該パイプ部分の外側に回転可能に取り付けられ、一端にアングルギヤの歯車を有し、他端に該ギヤ歯列と協働する歯車を有する二次駆動軸、を含む回転機構をさらに含む。
【0009】
本発明は、第2の態様において、泥水/オイルタンクなどのタンクを洗浄する方法に関する。そのような方法は、好ましくは、
- 第1の態様に従って、タンクの壁部材にノズル構成を提供すること、
- ノズル構成に、洗浄液の源への接続を提供すること、
- ノズル構成を通して洗浄液を吐出させながら、一次駆動軸を回転させること、を含む。
【0010】
本発明は、第3の様態において、泥水/オイルタンクなどのタンクに関し、該タンクの屋根などの壁部分に配置される、第1の様態に従ったノズル構成を含む。
【0011】
本文脈において、「下」および「上」などの方向が添付の図に対して与えられ、ノズル構成の重力(下向き)に対して相対的に好ましい方向を示している。ノズル構成の他の方向が実現されてもよく、それにより、「下」および「上」などの方向は、例えば「右」および「左」に変換される。
【0012】
本発明の第1、第2、および第3の態様はそれぞれ、他の態様のいずれかと組み合わせることができる。本発明のこれらの態様および他の態様は、以下に記載される実施形態、ならびに添付の特許請求の範囲から明らかになり、それらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
これより、本発明、および特にその好ましい実施形態を、添付図面を参照してより詳細に説明する。図面は本発明を実施する方法を示しており、添付の請求項の組の範囲内に含まれる、他の考えられる実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
【
図1】本発明の実施形態によるノズル構成の3次元図である。
【
図3】
図1のノズル構成の正面図および側面図であり、この正面図および側面図には、一次駆動軸が回転する際のノズルパイプ部分の動きが図示されている。
【
図4】回転機構の一部をクローズアップした図であり、この図には、ウォームギヤのウォームの内部を図示するための断面図が示されている。および、
【
図5】本発明の好ましい実施形態による、駆動装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態によるノズル構成の3次元図である
図1、さらには
図1のノズル構成の3次元断面図である
図2を参照する。本明細書に示されるように、ノズル構成1は、オイル/泥水タンクなどのタンクにそのようなタンクの内部を洗い流すための液体を吐出することを目的とするものである。
【0015】
図1に図示されるように、ノズル構成はダウンパイプ3を含む。このダウンパイプ3は、図示されるように、例えば取付
ブラケット2を使用して、固定された回転不能な位置で維持される(下記でさらに開示する)。
【0016】
ダウンパイプ3はパイプ部分4へと向かうが、このパイプ部分4は、回転軸がダウンパイプ3の縦軸と一致した状態でダウンパイプ3の下端部で回転可能に配置される。
図1に示される実施形態では、ダウンパイプ3とパイプ部分の縦軸とが一致するように、ダウンパイプ3およびパイプ部分4が実質的に同一の外径を有し、実質的に円筒形の形状を有する。
【0017】
パイプ部分4の下端部には角度付けられたクリーナーヘッド5があり、このクリーナーヘッドは、パイプ部分4がダウンパイプ3において回転可能に配置される位置に対して遠位に配置されている。
図1に示される実施形態では、この角度は45度だが、異なるように選択してもよい。
【0018】
ノズル構成はまた、角度付けられたノズルパイプ部分7を有し、
図1に示される実施形態では、このノズルパイプ部分7はパイプ部分の
下端部にある。角度は45度であるように示されているが、他の角度を用いてもよい。
【0019】
パイプ部分4とノズルパイプ部分7とは、角度付けられたノズルパイプ部分7をクリーナーヘッド
5におけるパイプ部分4に回転可能に接続するために設けられたノズルハブ15によって、互いに回転可能に接続されている。通常、このハブには、パイプ部分4の下端部分とノズルパイプ部分7との間にシール軸受などの軸受が設けられており、
図2で見られるように、パイプ部分4はノズルパイプ部分7に延長する部分を有する。
【0020】
ノズル構成は、パイプ部分を縦軸の周りで回転させるための回転機構8をさらに含み、ノズルパイプ部分7を回転させる。この回転機構は、該パイプ部分4に接続している一次駆動軸13を含む。
図2で見られるように、一次駆動軸は、好ましくはダウンパイプの内部に延長し、パイプ部分4の内部に接続されている。一次駆動軸13は、密封された通路を通ってダウンパイプ3の中に延長し、さらに、一次駆動軸がその長手方向の周りを回転できるようにするための軸受を含んでいる。このように、一次駆動軸13を回転させることによって、パイプ部分4が一次駆動軸13の回転と同じだけ回転する。
【0021】
回転機構はまた、ダウンパイプ3の外側の下端部に固定して配置されるか、またはそこに形成されている、ギヤ歯列9を含む。
【0022】
回転機構はさらに、ウォームギヤ16と協働するアングルギヤ10を含む。図示されるように、ウォームギヤは、アングルギヤによって駆動されるクリーナーヘッド5においてノズルパイプ部分7を回転させるために配置される。具体的には、ウォームギヤのウォームがノズルパイプ部分7のノズルハブ15に設けられたギヤと噛合することで、ウォームがアングルギヤ10によって回転するときに、ノズルパイプ部分が回転する。
【0023】
二次駆動軸11は、パイプ部分4の外側に回転可能に取り付けられており、一端にアングルギヤ10の歯車を有し、他端に該ギヤ歯列9と協働する歯車12を有する。これにより、一次駆動軸13を回転させることによってパイプ部分4が回転する。歯車12がギヤ歯列9と係合している場合、二次駆動軸が回転し、その結果アングルギヤ10に回転が生じ、それにより、ウォームギヤ16のウォームが回転して、ノズルパイプ部分7が回転するようになる。歯車12がギヤ歯列9と係合していない場合、一次駆動軸13が回転すると、パイプ部分4がさらに回転する。この結果、ノズルパイプ部分の回転がパイプ部分4の全回転の360度回転のうちの一部の間だけ発生するという意味で、ノズルパイプ部分7の一工程の回転運動が生じる。
【0024】
図2で最も明確に見られるように、一次駆動軸13はダウンパイプ3の内部に延長し、ダウンパイプ3の下端部でパイプ部分4の内部と係合している。これにより、一次
駆動軸13が回転するとパイプ部分4が回転する。図示されているように、一次駆動軸13とパイプ部分4との間の接続は、好ましくはその下端部で外側から挿入され、
一次駆動軸13を通ってパイプ部分4の中を延長するクロス部材によって提供されてもよい。
図2では、メカニカルシール17が図示されていないことに注目されたい。
【0025】
例えばタンクの壁部材に固着するなど、容易にノズル構成を配置するために、ノズル構成は、ダウンパイプ3の一部分が取付ブラケット2の上方に延長してインレットパイプ14を形成し、別の部分が取付ブラケット2の下方に延長する位置でダウンパイプ3に配置される取付ブラケット2をさらに含んでもよい。インレットパイプ14は、ノズルから吐出された流体をノズル構成に供給するために使用される。取付ブラケットは、オイル/泥水タンクの屋根または側壁などの壁部材にノズル構成を取り付けるために構成されている。ノズル構成は、壁部材に溶接されていてもよいが、多くの場合、ノズル構成を簡単に取りはずすことができるように、ノズル構成を壁部材にボルトで締めることが好ましい。このため、取付ブラケット2には貫通孔で例示されるものが設けられている。壁部材には、取付ブラケット2の下方のノズル構成の一部をタンク内に導入することができるのに十分なサイズでありながら、取付ブラケットを使用してノズルの付属部品を配置することが可能なくらい十分小さい開口部が設けられる。
【0026】
回転機構のギヤリング、すなわち異なるギヤの歯数は、パイプ部分4が全360度回転する間、ノズルハブ15、したがってノズルパイプ部分7を、5度未満、例えば4度未満回転させるように構成されている。
【0027】
図1~4に示される好ましい実施形態では、ギヤ歯列9の歯は、ダウンパイプ3の外周の一区画のみに沿って一様に配置されている。しかしながら、
ギヤ歯列9は、ダウンパイプの全外周にわたって一様に分布していてもよい。最初の選択肢では、パイプ部分4が全360度回転する間の一部で発生する時間だけ、ノズルパイプ部分7に相対的に速い回転がもたらされるが、2つ目の選択肢では、パイプ部分4の全360度にわたって分布したノズルパイプ部分に相対的に遅い回転がもたらされる。これは、歯車12が
ギヤ歯列9の1または複数の歯と係合するときだけに、ノズルパイプ部分7の回転が生じるためである。
【0028】
一次駆動軸の回転は通常、例えば一次駆動軸13の上端部と係合する駆動装置23(
図5を参照のこと)によってもたらされる。
図1に示される実施形態では、歯車と係合するための切欠き構造体22が設けられており、これにより、ギヤが駆動装置23によって回転する。そのような駆動装置23は、一次駆動軸13を回転させるために適合された電気または油圧モータであってよい。あるいは、駆動装置23は、ダウンパイプ3の内部に配置されていてもよい。
【0029】
図5は、駆動装置23の実施例を図示する。駆動装置は、駆動ギヤ26を回転させるために配置されたウォームギヤなどのギヤボックス25に接続された、油圧モータまたは電動モータなどのモータ24を含む。駆動装置23が据え付けられると、駆動ギヤは、一次駆動軸ギヤ27が回転する際に一次駆動軸13を回転させるために配置されている一次駆動軸ギヤ27と噛合する。
図5の図では、一次駆動軸ギヤ27は示されていないが、
符号27によって指し示されている開口部に嵌め込まれるように図示される。一実施形態では、一次駆動軸ギヤ27は、一次駆動軸13の切欠き22と噛合するスプラインを有する。通常、駆動ギヤ26および一次駆動軸ギヤは両方とも直歯であり、駆動ギヤは23歯を有し、一次駆動軸ギヤ27は40歯を有する。
【0030】
図1~4で示される実施形態では、取付ブラケット2の上方に延長してインレットパイプ14を形成するダウンパイプ3の一部は湾曲
部を有するが、この湾曲部は90度であってもよい。そのような実施形態では、一次駆動軸13は、有利にはダウンパイプ3の内部に延長し、例えば上記に開示されるようにダウンパイプ3の下端部でパイプ部分4の内部と係合している。これにより、一次
駆動軸13が回転するとパイプ部分4が回転し、また、一次駆動軸13は、該湾曲
部に設けられた開口部を通って外側に取り付けられた駆動装置23(上記で開示された駆動装置などの)まで延長している。
【0031】
図1で図示されるように、ノズル構成は、インレットパイプ14の湾曲部に配置されたメカニカルシール17を有し、このメカニカルシール17を通って一次駆動軸13が延長し、一次駆動軸13の密封された経路がもたらされる。
【0032】
それに応じて、駆動装置23は、一次駆動軸13を係合するために、該開口部を通って外側に延長する一端に配置されるが、この開口部は、該湾曲部に設けられたメカニカルシール17によって密封されている開口部であってもよい。
【0033】
図4を参照する。
図4は、回転機構の一部をクローズアップした図であり、この図にはウォームギヤのウォームの内部を図示するための断面図が示されている。図示されるように、ウォームギヤ16のウォーム19は、アングルギヤ10と一端で接続されたウォーム軸18に長手方向に摺動可能に配置されている。ウォームが摺動できる距離は、
図4の「d」によって図示される。これには、パイプ部分4の回転方向を逆転させると、ウォームが距離「d」を移動するまでノズルパイプ部分7が回転しないという効果がある。
【0034】
このことは、例えばノズルが上向きに移動するときに(
図3で示される動き)、流体により洗浄痕が生じて洗い流されなかった領域が残る、いくつかの状況において利点を有する。ウォームの初期の回転により、ウォームだけがウォーム軸
18に沿って移動することになるため、ウォーム19の摺動能力がノズルの移動を相殺するので、ノズルが下向きに移動するように回転方向を逆転させることによってそのような洗浄痕を洗浄することができる。
【0035】
ノズル構成は、
図1に図示されるように、例えばノズルパイプ部分7の遠位端に配置される、筒状のノズル延長部21を含んでもよい。そのようなノズル延長部21は交換可能な部品であってもよく、ノズル構成が異なる長さを有するように構成することができるようにしてもよい。
【0036】
ノズル構成を使用して洗浄効力を高めるためには、流体を相対的に強い勢いの噴流として提供することが有益であり得る。このようにするために、ノズルパイプ部分7およびノズル延長部21(適用される場合)は、ノズルパイプ
部分7のノズルハブ15に対し
て遠位端に配置されるノズルチップ20を含み(
図1を参照のこと)、ノズルチップ20の中を流れる流体を加速するように構成されていてもよい。ノズルチップ20は、ノズルチップの流出口に向かって収束する断面積を有する筒状部分として設けられていてもよい。
【0037】
ノズルチップ20の流出口の断面積の典型的な寸法は、直径または水力直径が16mm、例えば18mm、例えば20mmであってよい。
【0038】
本発明はまた、泥水/オイルタンクなどのタンクを洗浄する方法に関する。そのような方法には、
- 本明細書に開示されるように、タンクの壁部材にノズル構成を提供すること、
- ノズル構成に、洗浄液の源への接続を提供すること、
- ノズル構成を通して洗浄液を吐出させながら、一次駆動軸13を回転させること、が含まれ得る。
【0039】
さらに、本発明はまた、泥水/オイルタンクなどのタンクに関し、該タンクの屋根などの壁部分に配置される、先行する請求項のいずれか一項に記載のノズル構成を含む。
【0040】
特定の実施形態に関して本発明を説明してきたが、提示された実施例に何らかの形で限定されるものと解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の請求項の組によって提示される。請求項の文脈において、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、他の使用可能な要素または工程を除外するものではない。また、例えば、「a」または「an」などの参照の言及は、複数を除外するものと解釈すべきではない。図中に示された要素に対する請求項における参照符号の使用もまた、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、異なる請求項内で言及される個々の特徴を、場合により有利に組み合わせてもよく、異なる請求項でこれらの特徴を言及することは、特徴の組み合わせが可能でなく、有利でないことを除外するものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 ノズル構成
2 取付ブラケット
3 ダウンパイプ
4 パイプ部分
5 クリーナーヘッド
6 駆動機構
7 ノズルパイプ部分
8 回転機構
9 歯列
10 アングルギヤ
11 二次駆動軸
12 歯車
13 一次駆動軸
14 インレットパイプ
15 ノズルハブ
16 ウォームギヤ
17 メカニカルシール
18 ウォーム軸
19 ウォームギヤのウォーム
20 ノズルチップ
21 筒状のノズル延長部
22 例えば歯車と係合するための切欠き
23 駆動装置
24 モータ
25 ギヤボックス
26 駆動ギヤ
27 一次駆動軸ギヤ