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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】低プロファイル表面温度センサー
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20240219BHJP
   G01K 7/02 20210101ALI20240219BHJP
【FI】
G01K1/14 E
G01K7/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021507609
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019044323
(87)【国際公開番号】W WO2020036735
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】16/103,528
(32)【優先日】2018-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502137880
【氏名又は名称】ワトロー エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ストリッカー, キット
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルブレクト, アート
(72)【発明者】
【氏名】ホフ, ジョー
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/066556(WO,A1)
【文献】特開平08-054289(JP,A)
【文献】実開平04-102439(JP,U)
【文献】米国特許第5370459(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H10N 10/00-19/00
A61B 5/00-5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の温度を測定するための温度センサーであって、該対象物の外側面に一致するように曲げられる部分を有する、温度センサーと、
温度センサーを該対象物の周囲に固定するために該温度センサーの該部分の両端部に取り付けられた一体の弾性部材である取付部材と、
を有する、温度感知ユニット。
【請求項2】
該温度センサーは、間に熱接点を形成するように接合された第1の熱電対リボンおよび第2の熱電対リボンを含む、請求項1に記載の温度感知ユニット。
【請求項3】
該第1の熱電対リボンおよび該第2の熱電対リボンが突合せ溶接されている、請求項2に記載の温度感知ユニット。
【請求項4】
該温度センサーは、該第1および第2の熱電対リボンに重なり該第1および第2の熱電対リボンを一緒に結合する支持部材をさらに含む、請求項2に記載の温度感知ユニット。
【請求項5】
該第1および第2の熱電対リボンはそれぞれ、該対象物の周方向に沿って延びる第1の部分と、該第1の部分に対してある角度をなして延びる第2の部分とを含む、請求項2に記載の温度感知ユニット。
【請求項6】
L字形を画定するように、該第2の部分が該第1の部分の端部に接続されている、請求項5に記載の温度感知ユニット。
【請求項7】
T字形を画定するように、該第2の部分が該第1の部分の中央に接続されている、請求項5に記載の温度感知ユニット。
【請求項8】
該取付部材が、該第1および第2の熱電対リボンの該第1の部分に取り付けられている、請求項5に記載の温度感知ユニット。
【請求項9】
該取付部材および該温度センサーが、連続した閉じた形状を共同で画定している、請求項1に記載の温度感知ユニット。
【請求項10】
該取付部材がばねである、請求項1に記載の温度感知ユニット。
【請求項11】
該第1および第2の熱電対リボンの該第2の部分に取り付けられた一対のリード線をさらに備える、請求項5に記載の温度感知ユニット。
【請求項12】
請求項1に記載の温度感知ユニットと、外周面を含むヒーターとを備え、該温度センサーと該取付部材が連続した閉じた形状を共同で画定している、ヒーターアセンブリ。
【請求項13】
該ヒーターは、該ヒーターの端部の周りに配置された取付フランジをさらに含み、該温度センサーは、該取付フランジを通されて該取付フランジに固定された一対のリード線をさらに含む、請求項12に記載のヒーターアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して温度センサーに関し、より具体的には、ヒーター、加熱ターゲット、または冷却ターゲットなどのターゲットの表面温度を測定するための表面温度センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
ここでの記述は、本開示に関連する背景情報を提供するだけであり、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0003】
温度センサーは、ヒーターの温度を測定するためにヒーターと共によく使用される。ヒーターが円筒形の場合、その表面温度を測定するためにヒーターの湾曲した表面に温度センサーを取り付けることが難しい場合がある。温度センサーが正しく取り付けられていない場合、温度センサーはヒーターの表面温度を正確に測定できず、代わりにヒーターに近い周囲温度を測定する可能性がある。さらに、ヒーターの周囲に、利用できる小さな環状スペースしかない場合、既存の取り付け構造はその小さな環状スペースに収まらず、温度センサーを湾曲した表面に適切に固定できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、特に、ヒーターの湾曲した表面への温度センサーの取り付けに関するこの問題に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一形態では、対象物の温度を測定するための温度センサーと、弾性を有し温度センサーを対象物の周りに固定するために温度センサーに取り付けられる取付部材とを備える温度感知ユニットが提供される。一変形形態では、温度センサーは、間に熱接点を形成するように結合された第1の熱電対リボンおよび第2の熱電対リボンを含む。さらに他の種々の形態では、第1の熱電対リボンと第2の熱電対リボンは突合せ溶接されたり;温度センサーが、この第1および第2の熱電対リボンに重なり第1および第2の熱電対リボンを一緒に結合するための支持部材をさらに含んだり;第1および第2の熱電対リボンがそれぞれ、対象物の周方向に沿って延びる第1の部分と、第1の部分からある角度で延びる第2の部分とを含んだり;L字形を画定するように、第2の部分が第1の部分の端部に接続されたり;T字形を画定するように、第2の部分が第1の部分の中央に接続されたり;取付部材が、第1および第2の熱電対リボンの第1の部分に取り付けられたり;取付部材と温度センサーが連続した閉じた形状(continuous closed geometry)を共同で画定するようにされたりする。
【0006】
本開示の別の形態では、端部に取付フランジを含むヒーターと、第1の熱電対リボンおよび第2の熱電対リボンを含み、第2の熱電対リボンが第1の熱電対リボンに結合されてそれらの間に熱接点が形成されるようにした温度感知ユニットとを含むヒーターアセンブリが提供される。取付部材は、第1の熱電対リボンおよび第2の熱電対リボンに取り付けられ、第1の熱電対リボン、第2の熱電対リボン、および取付部材が連続した閉じた形状を共同で画定する。この形態の種々の変形例では:取付部材が弾性部材とされたり;取付部材がばねとされたり;第1および第2の熱電対リボンがそれぞれ、対象物の周方向に沿って延びる第1の部分と、第1の部分からある角度で延びる第2の部分とを含むようにされたり;L字形を画定するように、第2の部分が第1の部分の端部に接続されたり;T字形を画定するように、第2の部分が第1の部分の中央に接続されたり;取付部材が、第1および第2の熱電対リボンの第1の部分に取り付けられたりする。
【0007】
さらに別の形態では、円筒形構成を有する対象物の温度を測定するための温度感知ユニットが提供され、この温度感知ユニットは第1および第2の熱電対リボンを有し、第1および第2の熱電対リボンはそれぞれが対象物の周方向に沿って延びる第1の部分と該第1の部分に対して一定の角度で延びる第2の部分とを有する。該第1および第2の熱電対リボンの第1の部分には取付部材が取り付けられ、第1および第2の熱電対リボンの第2の部分には一対のリード線が取り付けられる。一変形形態では、第1および第2の熱電対リボンの第1の部分が接合されて、熱接点を形成する。
【0008】
さらに別の形態では、外周面を備えるヒーター、ヒーターの温度を測定するための温度センサーを含む温度感知ユニット、および温度センサーをヒーターの外周面に取り付けるための取付部材、を含むヒーターアセンブリが提供される。取付部材は、弾性を有し、温度センサーと取付部材は連続した閉じた形状を共同で画定する。一変形形態では、ヒーターは、ヒーターの端部の周りに配置された取付フランジをさらに含み、温度センサーは、取付フランジを通されて取付フランジに固定された一対のリード線をさらに含む。
【0009】
本開示のさらなる適用領域は、本明細書での説明から明らかになるであろう。本明細書での説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0010】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより十分に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ヒーターに取り付けられた、本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットの斜視図である。
【0012】
図2図1の温度感知ユニットの別の斜視図である。
【0013】
図3】ヒーターに取り付けられた、本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットの概略側面図である。
【0014】
図4】ヒーターに取り付けられた、本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットの概略断面図である。
【0015】
図5】表面温度センサーの第1の熱電対リボンと第2の熱電対リボンとの間の第1の接続形態を示す概略図である。
【0016】
図6図5の第1の熱電対リボンまたは第2の熱電対リボンの斜視図である。
【0017】
図7図5の部分Aの拡大図である。
【0018】
図8】本開示の教示による、温度感知ユニットの表面温度センサーの第1の熱電対リボンと第2の熱電対リボンとの間の第2の接続形態を示す概略図である。
【0019】
図9】本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットの変形例の平面図である。
【0020】
図10】本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットの別の変形例の平面図である。
【0021】
図11】本開示の教示に従って構成された温度感知ユニットのさらに別の変形の斜視図である。
【0022】
図12】温度感知ユニットのさらに別の変形例の斜視図であり、表面温度センサーと取付部材との間の接続を示す図である。
【0023】
図13】本開示の教示に従って構成されたヒーターおよび温度感知ユニットを含むヒーターアセンブリの斜視図である。
【0024】
図14】加熱ターゲット内に取り付けられる、組み立て中における本開示の教示によるヒーターアセンブリの斜視図である。
【0025】
図15】本開示の教示に従って、加熱ターゲット内に取り付けられるヒーターアセンブリの斜視図である。
【0026】
図面のいくつかの図を通して対応する参照番号は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用、または使用を制限することを意図するものではない。
【0028】
図1および図2に示されるように、本開示による温度感知ユニット10は、ヒーター12または加熱ターゲットなどの対象物の表面温度を測定するように構成されている。一形態では、温度感知ユニット10は、過熱保護のために使用される。図示のように、ヒーター12は、円筒形の構成を有し、曲面14を画定し得る。あるいは、ヒーター12は、本開示の範囲内において、正方形、長方形、または他の多角形などの別の幾何学的構成を有し得る。したがって、温度感知ユニット10は、閉じた外側曲面14を有する図示のものを含む、外周面を有するどのようなヒーター12にも取り付けられ得る。
【0029】
温度感知ユニット10は、表面温度センサー16と、表面温度センサー16を曲面14に取り付けるために表面温度センサー16に取り付けられた取付部材18とを含む。表面温度センサー16は、第1の熱電対リボン20、第2の熱電対リボン22、ならびに第1および第2の熱電対リボン20、22に取り付けられてそこから延びる一対のリード線24を含む。一形態では、リード線24は、シース25に収納されて保護される。第1および第2の熱電対リボン20、22は、それぞれ、近位端30および遠位端32を有する(図4)。第1および第2の熱電対リボン20、22は、近位端30で結合されて、それらの間に熱接点26を形成する。
【0030】
取付部材18は、第1および第2の熱電対リボン20、22ならびに取付部材18が全体として連続リングすなわち閉じた形状を画定するように、第1および第2の熱電対リボン20、22の遠位端32に取り付けられる。取付部材18は、第1および第2の熱電対リボン20、22を曲面14に近づけるための弾性またはばね力を提供することができる引張ばねまたは任意の弾性手段とすることができる。取付部材18は、図示のような巻き付けばねによって、力、図示の例では張力をかけて、第1および第2の熱電対リボン20、22を、曲面14に保持する。取付部材18によって第1および第2の熱電対リボン20、22に加えられる力は、使用温度での材料の降伏強度を超えてはならない。一形態では、取付部材に使用される材料は、約1,000℃までのより高い温度で動作することができるInconel(登録商標)などのニッケル合金である。しかしながら、一形態では、取付部材18の形状およびその弾性特性により、材料は約500℃までで使用される。
【0031】
図3および4に示されるように、第1および第2の熱電対リボン20、22はそれぞれ、近位端30および遠位端32を含む。取付部材18は、第1および第2の熱電対リボン20、22の遠位端32に接続された両端を有する。第1および第2の熱電対20、22の遠位端32ならびに取付部材18の両端は、それらの接続を取り外し可能または固定とするように構成することができる。例えば、一形態では、第1および第2の熱電対リボン20、22の遠位端32は、穴/開口を画定するものとし、取付部材18の両端部が、第1および第2の熱電対リボン20、22の遠位端32の穴と係合するためのフックを画定するようにして、取り外し可能な接続を構成することができる。あるいは、この接続の一方の端部を取り外し可能とし、他方の端部を例えば溶接によって固定するようにすることができる。
【0032】
一対のリード線24は、近位端30と遠位端32との間の位置で、第1および第2の熱電対リボン20、22に直接接続され得る。一対のリード線24は、第1および第2の熱電対リボン20、22からの信号を外部コントローラ(図示せず)に送信し、外部コントローラは、信号を受信し、当業者によって理解されている熱電対の一般的な動作原理に従ってその信号に基づいてヒーター12の表面温度を判断する。
【0033】
図5に示されるように、第1の熱電対リボン20および第2の熱電対リボン22は、表面温度センサー16の「+」脚および「-」脚を構成し、間に熱接点26を形成するために突合せ溶接または他の方法で物理的に接合するようにすることができる。
【0034】
図6に示されるように、第1および第2の熱電対リボン20、22はそれぞれ、薄いまたは低いプロファイルを有しており、これら第1および第2の熱電対リボン20、22が曲面14に一致するようにわずかに曲げられるか、または塑性変形されるようにされ、また表面温度センサー16が、非常に低いプロファイルまたは厚さを有することができるようにされている。一形態では、第1および第2の熱電対リボンは、約0.004インチ(0.106mm)の厚さTおよび約0.063インチ(1.6mm)の幅Wを有するようにすることができる。第1および第2の熱電対リボン20、22は、特定の用途に応じて、同じサイズまたは異なるサイズとすることができる。このように、第1および第2の熱電対リボン20、22は曲面14により近接し、薄型で質量が小さいため、非常に速い応答性を有する。このような構成では、全体として温度感知ユニット10は、より速い応答性を有し、従来の熱電対に使用される標準的な丸線に関連して問題となる熱暴走を抑制することができる。
【0035】
図7に示されるように、熱接点26が突合せ溶接によって形成されている場合、突合せ溶接接続は、溶接による第1および第2の熱電対リボン20、22の表面の不連続性を回避するように形成されるべきである。言い換えれば、上記の低いプロファイルを維持するためには、溶接部は第1および第2の熱電対リボン20/22の上面および下面をはるかに超えて突出してはならない。
【0036】
あるいは、図8に示すように、第1および第2の熱電対リボン20、22を突合せ溶接によって直接接続する代わりに、第1および第2の熱電対リボン20、22と重なる支持ストリップ30によって間接的に接続するようにすることができる。支持ストリップ30を使用することには、第1および第2の熱電対リボン20、22に構造的支持を提供しながら第1および第2の熱電対リボン20、22からの熱を放散するという利点がある。または、支持ストリップ30を使用する代わりに、ワイヤまたは任意の接続手段を使用して、第1および第2の熱電対リボン20、22を一緒に接続するようにすることができる。
【0037】
図9に示す本開示の教示の変形例としての温度感知ユニット40は、表面温度センサー42の構成、特に第1および第2の熱電対リボン44、46の構成を除いて、図1から図4に示されるものと同様である。したがって、同様の要素は、同様の参照番号によって示し、それらの詳細な説明は、記載を明確にするために省略する。
【0038】
具体的には、この表面温度センサー42は、それぞれが、図示のようなT字形を画定する第1の熱電対リボン44および第2の熱電対リボン46を含む。第1および第2の熱電対リボン44、46はそれぞれ、ヒーター12の周方向に沿って延びる第1の部分48と、第1の部分48の中央からヒーター12の長手軸線方向に対して実質的に平行な方向に延びる第2の部分50とを含む。第2の部分50は第1の部分48からある角度で延びているが、その角度は、鋭角や鈍角、又は図示のように直角とすることができる。熱接点52は、第1の部分48の相互に隣接する端部の間に形成される。熱接点52は、図5に示すように突合せ溶接によって、または他の接続方法によって形成することができる。ばねの形態の取付部材18は、隣接する端部から遠位にある第1の部分48の遠位端に接続されている。リード線24は、図示のように第2の部分50に接続されている。
【0039】
図10に示されるように、本開示の教示に従う別の変形例としての温度感知ユニット60は、第1および第2の熱電対リボン64、66の構成を除いて、図9のものと同様である。より具体的には、温度感知ユニット60は、表面温度センサー62と、ヒーターまたは加熱ターゲットの(例えば、湾曲した)表面に表面温度センサー62を固定するための取付部材18とを含む。表面温度センサー62は、図示のようにそれぞれがL字形の構成を有する第1の熱電対リボン64および第2の熱電対リボン66を含む。第1および第2の熱電対リボン64、66はそれぞれ、第1の部分68と第1の部分68の端部に接続された第2の部分70とを有し、L字形をなしている。第1および第2の熱電対リボン64、66の第1の部分68は、それらの間に熱接点72を形成するように接続されている。第2の部分70は、ヒーターの長手軸線方向に対して実質的に平行な方向に延在し、リード線24に接続されている。第2の部分70は、図10においては第1の部分68に対して直角であるように示されているが、第1の部分68から突出して第1および第2の熱電対リボン64,66へのリード線24の接続を容易にする限りにおいて、第1の部分68から鋭角または鈍角をなして延びるようにすることができる。
【0040】
図11に示されるように、本開示の教示に従うさらに別の変形例としての温度感知ユニット80は、第1および第2の熱電対リボン84、86のそれぞれと取付部材18の隣接する端部との間に配置された絶縁体82を除いて、図1から図4のそれと構造的に同様である。絶縁体82は、取付部材18(すなわち、ばね)を第1および第2の熱電対リボン84、86から電気的に絶縁するためのセラミック絶縁体とすることができる。セラミック絶縁体は、単に任意的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0041】
図12に示されるように、取付部材18のばね力を調整するため、または特定のサイズを有する温度感知ユニットをヒーターまたは加熱ターゲットに適合させるために、第1および第2の熱電対リボンのそれぞれと取付部材18の両端との間に、ストラップ90を設けるようにすることができる。したがって、ストラップ90は、様々な形状およびサイズのヒーターまたは加熱ターゲットに適合させることができるようにする、温度感知ユニットのサイズ調整部材と考えることができる。
【0042】
図13に示されるように、本開示の教示に従って構築されたヒーターアセンブリ100は、ヒーター12、温度感知ユニット10、およびヒーター12の端部でヒーター12の周囲に配置された取付フランジ106を含む。温度感知ユニット16は、図1から図4に関連して説明された本開示の様々な形態のいずれにも構造的に類似しており、したがって同様の要素は、同様の参照番号によって示し、それらの詳細な説明は本明細書の記載を明瞭にするために省略する。
【0043】
温度感知ユニット10は、表面温度センサー16と、表面温度センサー16から延びる一対のリード線24とを含む。リード線24は、ヒーター12の長さに沿って取付フランジ106に至るシース25に収納されて保護されている。取付フランジ106は、ヒーター12からの電力ケーブル108および温度感知ユニット10からのシース25が通ることができるようにするための開口部を含む。したがって、電力ケーブル108およびシース25は、絡まることなく適切に配置されてヒーター12の取付フランジ106に固定され、ヒーターアセンブリ100のためのより低いプロファイルおよび整理されたリード線の配置を提供する。
【0044】
図14および15に示すヒーターアセンブリ100は、ヒーターアセンブリ100が設置される加熱ターゲット110に隣接するように示されている。電力ケーブル108およびシース25(またはシース25が使用されない場合はリード線24)は、ヒーター12の端部に配置された取付フランジ106を通って配線されて固定され、それによってヒーターアセンブリ100に対するそれらの低いプロファイルで整理されたリード線の配置を提供する。電力ケーブル108およびシース25が適切に整理されて取付フランジ106に固定されることにより、ヒーターアセンブリ100は、加熱ターゲット(この場合はシース110)内に比較的容易に取り付けることができる。
【0045】
本開示の温度感知ユニットは、ヒーターまたは加熱ターゲットの正確な表面温度測定を行いながら、ヒーターアセンブリの低いプロファイルを維持するという利点を有する。さらに、温度感知ユニットは、ヒーターまたは加熱ターゲットの任意の曲面に簡単に取り付けることができ、組み立て時間を短縮することができる。
【0046】
本開示は、例として記載および図示された実施形態に限定されるものではない。種々の変形例が記載されており、より多くの変形例は当業者の知識の一部である。これらおよびさらなる変形例、ならびに技術的同等物による置換は、本開示および本特許の保護の範囲を離れることなく、本明細書および図面に追加できるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15