(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】モジュール式のガラス清澄システムを備えるガラス成形装置
(51)【国際特許分類】
C03B 5/225 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
C03B5/225
(21)【出願番号】P 2021516934
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 US2019052071
(87)【国際公開番号】W WO2020068569
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-14
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】デ アンジェリス,ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】イサザ,ファン カミロ
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-216535(JP,A)
【文献】特開2013-10672(JP,A)
【文献】国際公開第2012/132368(WO,A1)
【文献】特開2011-105592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B5/00-5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製造装置であって、
ガラス清澄モジュールを備え、前記ガラス清澄モジュールは、
長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器と、
前記耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、前記耐火金属容器の少なくとも一部の周囲に延びかつ複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを含む複数の断熱層と、
前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造と、
ローラであって、前記ガラス清澄モジュールが前記ローラ
により前記長手方向に移動可能であるように、前記外部支持構造に接続されたローラと
を備
え、
前記複数のアーチ形部分のうちの少なくとも1つは、前記複数のアーチ形部分のうちの前記少なくとも1つと、前記断熱構造の隣接するアーチ形部分との間に緩和領域を備える、ガラス製造装置。
【請求項2】
前記外部支持構造は、
鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、
前記鉛直方向に対して垂直な横方向に延びる横方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して鉛直方向に第1の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、
前記長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して前記横方向に第2の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体と
を備える、請求項1記載のガラス製造装置。
【請求項3】
前記耐火金属容器は、前記耐火金属容器から延びかつ前記耐火金属容器に対して垂直に向けられた補強リブを備え、前記補強リブは、前記断熱構造の前記緩和領域に配置されている、請求項
1記載のガラス製造装置。
【請求項4】
ガラス製造装置であって、
複数のガラス清澄モジュールを備え、各ガラス清澄モジュールは、
長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器と、
前記耐火容器に接続された複数の導体フランジであって、前記耐火金属容器の外部に外接していて、前記耐火金属容器の互いに反対側の長手方向端部に配置されている複数の導体フランジと、
前記耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、
前記断熱構造の複数のアーチ形部分の間に配置されている複数の緩和領域と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造
とを含む複数の断熱層と、
前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造と
を備え、
前記複数のガラス清澄モジュールのうちの連続したガラス清澄モジュールの前記耐火金属容器は、互いに異なる運転温度に維持さ
れ、
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールは、ローラを備え、前記ローラは、各ガラス清澄モジュールが前記ローラにより前記長手方向に移動可能であるように、前記外部支持構造に接続されている、ガラス製造装置。
【請求項5】
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールの前記外部支持構造は、
鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、
横方向に延びる横方向結合支持体であって、前記複数の断熱層の前記鉛直方向に第1の力を加えるように構成されたばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、
前記長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して前記横方向に第2の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体と
を備える、請求項
4記載のガラス製造装置。
【請求項6】
ガラス製造装置であって、
長手方向に延びる長さを有する連続的な耐火金属容器であって、前記連続的な耐火金属容器の外径に沿って配置され、前記連続的な耐火金属容器に対して垂直に向けられた複数の補強リブを備える連続的な耐火金属容器と、
前記連続的な耐火金属容器に電気的に接続された導体フランジであって、前記連続的な耐火金属容器の外面に外接している導体フランジと、
前記連続的な耐火金属容器が貫通して延びる複数のガラス清澄モジュールと
を備え、
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールは、
前記連続的な耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、
前記断熱構造の複数のアーチ形部分の間に配置されている複数の緩和領域と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを含む複数の断熱層と、
前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造と
を備
え、
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールは、ローラを備え、前記ローラは、各ガラス清澄モジュールが前記ローラにより前記長手方向に移動可能であるように、前記外部支持構造に接続されている、ガラス製造装置。
【請求項7】
前記複数の補強リブは、前記断熱構造の対応する緩和領域に配置されている、請求項
6記載のガラス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2018年9月27日に出願された米国仮出願第62/737,498号の優先権の利益を主張し、その内容が依拠され、その内容全体を参照により、以下に完全に記載されているかのように本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、ガラス成形装置、より詳細には、モジュール式のガラス清澄システムを備えるガラス成形装置に関する。
【背景技術】
【0003】
溶融ガラスから気泡を除去するために、ガラス製造プロセスでは清澄システムが使用される。一般的には、原材料から溶融ガラスが生成された後、溶融ガラスが清澄工程にさらされる。この清澄工程では、清澄システムの自由表面において溶融ガラス中の気泡が放出される。ブリスターとも呼ばれる気泡は、溶融ガラス中の溶存ガス、例えば酸素などが合体して溶融ガラス中に気泡を形成するときに、溶融ガラス中に形成される。これらの気泡は、除去されないと、冷却時にガラス内で凍結され、ガラスの品質を低下させる望ましくない欠陥とみなされる。
【0004】
清澄システムは、長期間にわたって高温にさらされる場合がある。清澄システムが構築されている室温条件と、高温運転条件との間の繰り返しにより、清澄システムの構成要素に応力が導入される場合がある。清澄システムが作動する際の温度が高いため、清澄システムの構成要素に応力が規則的かつ連続的に導入されることにより、構成要素が早期に故障してしまう場合がある。さらに、清澄システムを通る溶融ガラスのスループットを増加させるには、より高い温度および/またはより長い長さの清澄システムの使用が必要となる場合がある。より高い温度とより長い長さとは両方とも、清澄システムの構成要素へのより高い応力に関わる場合があり、ひいては、構成要素の耐用年数が短くなってしまう場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、運転条件における応力を軽減する要素を有するモジュール式のガラス清澄システムが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様A1によれば、ガラス製造装置は、ガラス清澄モジュールを備えてよい。ガラス清澄モジュールは、長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器を備えてよい。複数の断熱層は、耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲んでよい。複数の断熱層は、耐火金属容器の少なくとも一部の周囲に延びかつ複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを備えてよい。外部支持構造は、複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲んでよい。ローラは、ガラス清澄モジュールがローラ上で長手方向に移動可能であるように、外部支持構造に接続されていてよい。
【0007】
第2の態様A2は、外部支持構造が、鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、鉛直方向に対して垂直な横方向に延びる横方向結合支持体であって、複数の断熱層に対して鉛直方向に第1の力を加えるばねによって鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、複数の断熱層に対して横方向に第2の力を加えるばねによって鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体とを備える、態様A1記載のガラス製造装置を含む。
【0008】
第3の態様A3は、複数のアーチ形部分のうちの少なくとも1つが、複数のアーチ形部分のうちの少なくとも1つと、断熱構造の隣接するアーチ形部分との間に緩和領域を備える、態様A1またはA2記載のガラス製造装置を含む。
【0009】
第4の態様A4は、耐火金属容器が、耐火金属容器から延びかつ耐火金属容器に対して垂直に向けられた補強リブを備え、補強リブが、断熱構造の緩和領域に配置されている、態様A3記載のガラス製造装置を含む。
【0010】
第5の態様A5は、補強リブが、断熱構造の複数のアーチ形部分から離間されている、態様A4記載のガラス製造装置を含む。
【0011】
第6の態様A6は、補強リブが、耐火金属容器の上側部分から延びている、態様A4またはA5記載のガラス製造装置を含む。
【0012】
第7の態様A7は、耐火金属容器が、補強リブに接続されたエンドプレートを備える、態様A4からA6までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0013】
第8の態様A8は、ガラス清澄モジュールが室温にあるときに、耐火金属容器の少なくとも一部が、断熱構造から離間されている、態様A1からA7までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0014】
第9の態様A9は、ガラス清澄モジュールがその運転温度にあるときに、耐火金属容器が、断熱構造に接触する、態様A8記載のガラス製造装置を含む。
【0015】
第10の態様A10は、耐火金属容器の内部に開口するガスベントをさらに備える、態様A1からA9までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0016】
第11の態様A11は、ガラス清澄モジュールが、耐火金属容器に接触する少なくとも1つの導体フランジをさらに備え、導体フランジが、耐火金属容器の外部に外接していて、耐火金属容器の長手方向端部に配置されている、態様A1からA10までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0017】
第12の態様A12は、少なくとも1つの導体フランジが、電気的なリードに接続されたバス部分と、耐火金属容器に接触した分配部分とを備える、態様A11記載のガラス製造装置を含む。
【0018】
第13の態様A13は、分配部分が、一様でない断面幅を有する、態様A12記載のガラス製造装置を含む。
【0019】
第14の態様A14は、外部支持構造が、バス部分に接続された移動可能な支持体と、バス部分に鉛直方向で力を加えるように構成されたばねとを備える、態様A12またはA13記載のガラス製造装置を含む。
【0020】
第15の態様A15は、移動可能な支持体が、少なくとも1つの導体フランジから電気的に絶縁されている、態様A12からA14までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0021】
第16の態様A16は、連続して配置された複数のガラス清澄モジュールをさらに備え、複数のガラス清澄モジュールのそれぞれが、互いに異なる運転温度に維持される、態様A1からA15までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0022】
第17の態様A17は、複数のガラス清澄モジュールを長手方向で互いに選択的に接続するタイロッドをさらに備える、態様A16記載のガラス製造装置を含む。
【0023】
第18の態様A18は、耐火金属容器が、複数のガラス清澄モジュールのそれぞれを通って延びる連続的な耐火金属容器である、態様A16またはA17記載のガラス製造装置を含む。
【0024】
第19の態様A19は、複数のガラス清澄モジュールのそれぞれが、別個の耐火金属容器を備え、別個の耐火金属容器が、ガラスシールによって互いに接続されている、態様A16記載のガラス製造装置を含む。
【0025】
第20の態様A20は、バルク断熱構造が、耐火金属容器から鉛直方向で上方に配置された温度緩和領域を備え、温度緩和領域が、バルク断熱構造よりも高い熱伝導率を有する、態様A1からA19までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0026】
第21の態様A21は、支持構造が、長手方向に延びるレールを備え、ローラが、レール上に配置されている、態様A1からA20までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0027】
第22の態様A22は、ガラス清澄モジュールが運転温度まで加熱されたときに、長手方向でガラス清澄モジュールに力を加えるように構成された膨張支援部材をさらに備える、態様A21記載のガラス製造装置を含む。
【0028】
第23の態様A23は、ガラス清澄モジュールを少なくとも部分的に取り囲む支持構造をさらに備え、支持構造が、ガラス清澄モジュールの構成要素を鉛直方向で支持するハンガを備える、態様A1からA22までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0029】
第24の態様A24は、ハンガが、長手方向に移動しかつ支持構造に対するハンガの運動を可能にするように適合させられたトロリに接続されている、態様A23記載のガラス製造装置を含む。
【0030】
第25の態様A25は、ガラス製造装置であって、複数のガラス清澄モジュールを備え、各ガラス清澄モジュールが、長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器と、耐火容器に接続された複数の導体フランジであって、耐火金属容器の外部に外接していて、耐火金属容器の互いに反対側の長手方向端部に配置されている複数の導体フランジと、耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、前熱構造を取り囲むバルク断熱構造と、複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造とを含む複数の断熱層とを備え、複数のガラス清澄モジュールのうちの連続したガラス清澄モジュールの耐火金属容器が、互いに異なる運転温度に維持される、ガラス製造装置を含む。
【0031】
第26の態様A26は、複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールが、ローラを備え、ローラが、各ガラス清澄モジュールがローラ上で長手方向に移動可能であるように、外部支持構造に接続されている、態様A25記載のガラス製造装置を含む。
【0032】
第27の態様A27は、複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールの外部支持構造が、鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、横方向に延びる横方向結合支持体であって、複数の断熱層の鉛直方向に第1の力を加えるように構成されたばねによって鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、複数の断熱層に対して横方向に第2の力を加えるばねによって鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体とを備える、態様A25またはA26記載のガラス製造装置を含む。
【0033】
第28の態様A28は、複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールの耐火金属容器が、複数のガラス清澄モジュールを通って延びる連続的な耐火金属容器として接合されている、態様A25からA27までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0034】
第29の態様A29は、ガラス製造装置であって、長手方向に延びる長さを有する連続的な耐火金属容器であって、連続的な耐火金属容器の外径に沿って配置され、連続的な耐火金属容器に対して垂直に向けられた複数の補強リブを備える連続的な耐火金属容器と、連続的な耐火金属容器に電気的に接続された導体フランジであって、連続的な耐火金属容器の外面に外接している導体フランジと、連続的な耐火金属容器が貫通して延びる複数のガラス清澄モジュールとを備え、複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールが、連続的な耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを含む複数の断熱層と、複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造とを備える、ガラス製造装置を含む。
【0035】
第30の態様A30は、複数のガラス清澄モジュールのそれぞれが、断熱構造の複数のアーチ形部分の間に配置された複数の緩和領域をさらに備える、態様A29記載のガラス製造装置を含む。
【0036】
第31の態様A31は、複数の補強リブが、断熱構造の対応する緩和領域に配置されている、態様A30記載のガラス製造装置を含む。
【0037】
第32の態様A32は、複数の緩和領域が、連続的な耐火金属容器の少なくとも1つの補強リブから離間されている、態様A30またはA31記載のガラス製造装置を含む。
【0038】
第33の態様A33は、複数の補強リブが、連続的な耐火金属容器の上側部分から延びている、態様A30からA32までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0039】
第34の態様A34は、連続的な耐火金属容器が、複数の補強リブに接続された複数のエンドプレートを備える、態様A30からA33までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0040】
第35の態様A35は、複数のガラス清澄モジュールが室温にあるときに、連続的な耐火金属容器の少なくとも一部が、複数のガラス清澄モジュールの断熱構造から離間されている、態様A29からA34までのいずれか1つ記載のガラス製造装置を含む。
【0041】
第36の態様A36は、複数のガラス清澄モジュールが運転温度にあるときに、連続的な耐火金属容器が、複数のガラス清澄モジュールの断熱構造に接触する、態様A35記載のガラス製造装置を含む。
【0042】
前述した一般的な説明および以降の詳細な説明は、共に例示にすぎず、特許請求の範囲に記載の主題の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することが意図されていることを理解すべきである。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含められており、本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を示しており、説明と共に、様々な実施形態の原理および工程を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本明細書に示されて説明されている1つ以上の実施形態によるガラス製造装置の概略図である。
【
図2】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄システムの斜視図である。
【
図3】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの端面図である。
【
図4】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの斜視図である。
【
図5】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの斜視図である。
【
図6】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図7】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図8】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図9】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図10】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図11】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態による導体フランジの端面図である。
【
図12】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの端面図である。
【
図13】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの斜視図である。
【
図14】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄モジュールの斜視図である。
【
図15】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄システムの斜視図である。
【
図16】本明細書に示されているかまたは説明されている1つ以上の実施形態によるガラス清澄システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下に、添付の図面に示されている例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じまたは似たような部分について言及するために、図面全体で同じ参照番号が使用される。図面の中の構成要素は、必ずしも縮尺通りである必要はなく、代わりに、例示的な実施形態の原理を説明することに重点が置かれている。
【0045】
ガラス製造装置は、ガラス清澄モジュールを備えてよい。ガラス清澄モジュールは、長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器を備えてよい。複数の断熱層は、耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲んでよい。複数の断熱層は、耐火金属容器の少なくとも一部の周囲に延びかつ複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを備えてよい。外部支持構造は、複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲んでよい。ローラは、ガラス清澄モジュールがローラ上で長手方向に移動可能であるように、外部支持構造にローラを接続されていてよい。
【0046】
例として
図1を参照すると、溶融ガラスからガラス物品を形成するためのガラス製造装置10の一実施形態が概略的に示されている。ガラス製造装置10は、溶融炉11、ガラス清澄システム100、混合容器14、供給容器18、および成形装置20を備える。ガラスバッチ材料は、バッチ入口ポート12を介して溶融炉11に導入される。バッチ材料は溶融炉内で溶融されて、溶融ガラス16を形成する。ガラス清澄システム100は、溶融ガラス16を溶融炉11から受け取る高温処理領域を含んでおり、ここで溶存ガスおよび/または気泡が溶融ガラス16から除去される。ガラス清澄システム100は、接続管15によって混合容器14に流体接続されている。すなわち、ガラス清澄システム100から混合容器14に流れる溶融ガラスは、接続管15を通って流れる。混合容器14は、同様に、混合容器14から供給容器18に流れる溶融ガラスが接続管17を通って流れるように、接続管17によって供給容器18に流体接続されている。
【0047】
供給容器18は、下降管19を介して溶融ガラス16を成形装置20に供給する。成形装置20は、例えば、限定するものではないが、溶融ガラスをリボン、チューブ、ブールなどのガラス物品へと成形するためのフュージョンドロー機械または他の成形装置であってよい。
図1に示されている実施形態では、成形装置20は、入口24および成形容器30が内部に配置されている筐体22を備えるフュージョンドロー機械である。
図1に示されているように、溶融ガラス16は下降管19から、成形容器30に通じている入口24に流入する。成形容器30は、溶融ガラス16を受け入れる開口32を備え、溶融ガラス16は、トラフ33に流入してから溢れ、成形容器30の2つの収束側面34a,34bで流れ落ちてから、2つの側面が接合する成形容器30の基部36にて融合した後に、接触して下流方向41に引き出されて、連続したガラスリボン38が形成される。
【0048】
図1は、フュージョンドロー機械を使用してガラスリボンを形成するためのガラス製造装置10を概略的に示しているが、限定するわけではないが、フロートガラスプロセス、スロットドロープロセスなどを含む他のプロセスを使用して、ガラスリボンを形成してよいことを理解すべきである。さらに、ガラス製造装置10が、ガラスリボンを形成するために使用されるものとして示されているが、限定するわけではないが、ガラス管などを含む、ガラスシート以外のガラス素材を形成するために同様のガラス製造装置が使用されてよいことを理解すべきである。
【0049】
ガラス製造装置10のガラス清澄システム100の要素は、通常、室温で組み立てられ、高められた温度でのガラス清澄プロセスで運転される。ガラス清澄システムの要素がそれらの運転温度になると、それらの熱膨張係数に応じて要素の寸法サイズが増加する。ガラス清澄プロセスにおける耐火金属容器の高い運転温度のため、耐火金属容器内に生じる低レベルの応力であっても、耐火金属容器のクリープを引き起こし、これによって、耐火金属容器の耐用期間が短くなる可能性がある。従来のガラス清澄システムの使用では、耐火金属容器の長さおよび/または断面直径は、耐火金属容器に導入される応力によって制限され得る。
【0050】
本明細書では、モジュール式のガラス清澄システムを備えるガラス製造装置が開示される。本開示によるモジュール式のガラス清澄システムは、耐火金属容器内の応力を軽減する要素を備え、これによって、得られる組み立てられた耐火金属容器のより長い全長、より大きい断面直径、および/またはより高い運転温度を可能にすることができる。そのようなモジュール式のガラス清澄システムは、モジュール式のガラス清澄システムおよびそれを備えるガラス製造装置を介した溶融ガラスのスループットの増加を可能にすることができる。
【0051】
従来のガラス清澄工程では、清澄剤、典型的にはヒ素酸化物(As2O5)、アンチモン酸化物(Sb2O3)、またはスズ酸化物(SnO2)がガラスバッチ材料内に含められ、ガラスバッチ材料は高温で溶融して溶融ガラスに変化する。清澄剤は、清澄剤から酸素を放出する還元反応を受ける。清澄剤から放出された酸素は、溶融ガラス内の気泡と合体し、溶融ガラスから気泡を放出する。このプロセス中に、溶融ガラスに同伴された他のガスも、気泡の分圧の低さに起因して気泡内に拡散することができる。これによって、他のガスも溶融ガラスから放出される。
【0052】
通常、溶融ガラスの温度を上昇させると、清澄剤から放出された酸素と合体した、溶融ガラスの表面に上昇するのに十分なサイズの気泡を溶融ガラス内で成長させることに関しての清澄プロセスの有効性が高められる。しかし、溶融ガラスの温度の上昇は、清澄プロセスが行われる耐火金属容器の温度の上昇に対応する。耐火金属容器の温度の上昇は、接触する構成要素の膨張の差が大きいことに起因した耐火金属容器の応力の増加に対応する可能性がある。耐火金属容器の温度の上昇は、耐火金属容器のクリープ寿命も短くする可能性がある。
【0053】
さらに、ガラス清澄工程のスループットを増加させるために、ガラス清澄システム内の溶融ガラスの流量を増加させることが望ましい場合がある。しかしながら、増加した流量で清澄システム内の溶融ガラスの滞留時間を維持するためには、ガラス清澄システムの全長を長くすること、および/またはガラス清澄システムの耐火金属容器の断面直径を増加させることが必要になる場合がある。しかしながら、より長い全長および/またはより大きな断面直径は、ガラス清澄システムおよび/またはガラス清澄システムの耐火金属容器において応力を増加させる可能性がある。この場合も同様に、耐火金属容器における高い応力によって耐火金属容器の耐用期間が短くなる可能性がある。
【0054】
耐火金属容器の耐用期間のそのような減少を軽減するために、本開示によるガラス清澄システムは、耐火金属容器が室温から運転温度まで加熱されるときにかつ運転温度が保たれている間に耐火金属容器に付与される応力を低減する要素を組み込むことができる。ガラス清澄システムへのそのような要素の組込みによって、ガラス清澄システムの運転温度の上昇ならびに/またはガラス清澄システムのサイズ、特に従来のガラス清澄システムと比較した耐火金属容器の全長および/もしくは断面直径の増加も可能にすることができる。通常、従来のガラス清澄システムでは、ガラス清澄システムの運転温度が上昇すると、ガラス清澄システムの構成要素の応力が増加する。さらに、ガラス清澄システムの全長の増加および/またはガラス清澄システムの耐火金属容器部分の断面直径の増加に伴い、ガラス清澄システムの累積膨張が増加する傾向があり、それによって、ガラス清澄システムの長手方向膨張および/または耐火金属容器の半径方向膨張に関連する応力が増加する。本開示によるガラス清澄システムの複数の実施形態は、耐火金属容器に付与される応力を低減する要素を備え、これによって、耐火金属容器の耐用期間を増加させることができる。
【0055】
図2を参照すると、ガラス清澄システム100が示されている。本明細書に記載の複数の実施形態では、ガラス清澄システム100は複数のガラス清澄モジュール102を備える。各ガラス清澄モジュール102は、複数の断熱層120内に配置された耐火金属容器110を備える。複数の断熱層120は、外部支持構造140によって所定の位置を維持することができる。外部支持構造140は、複数の断熱層120に力を加え、複数の断熱層120間の接触を維持する複数の結合支持体142を備えることができ、それによって、ガラス清澄システム100の加熱および冷却のサイクル全体を通じて耐火金属容器110および複数の断熱層120のそれぞれの位置が維持される。
図2に示されているガラス清澄システム100の実施形態には、2つのガラス清澄モジュール102が示されている。しかしながら、ガラス清澄システム100は、溶融ガラスの流動および温度処理の要求を満たすために、任意の断面および長さのガラス清澄モジュール102をいくつでも有することができることを理解すべきである。
【0056】
図3を参照すると、耐火金属容器110が概して円筒形の内部断面形状を示すガラス清澄モジュール102の一実施形態の端面図が示されている。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなしに、楕円形または細長い円形断面を備える他の断面形状が想定され、また可能であることを理解すべきである。
【0057】
耐火金属容器110は、腐食することなしに、高められた温度にさらすことができる様々な材料から製造することができる。そのような材料の例としては、限定するものではないが、白金、金、モリブデン、パラジウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステンおよびそれらの合金が挙げられる。耐火金属容器110は、約1400℃~2000℃の温度で保持されることを含めて、長期間にわたって、高められた温度で保持することができる。
【0058】
ガスベント112またはより細いベントは、耐火金属容器110の壁を通過し、耐火金属容器110の内部空間に開口することができる。ガスベント112は、耐火金属容器110の内部を周囲環境と流体連通可能にすることができ、耐火金属容器110の内部空間から周囲環境への溶融ガラスのガス状の副生成物の排出を可能にすることができる。
【0059】
上述したように、耐火金属容器110は複数の断熱層120に囲まれている。複数の断熱層120は、耐火金属容器110を取り囲んで耐火金属容器110と直接接触している断熱構造122と、断熱構造122を取り囲んで断熱構造122によって耐火金属容器110との接触から離されている複数のバルク断熱構造130とを備えることができる。
【0060】
断熱構造122は、耐火金属容器110の温度および耐火金属容器110内を通過する溶融ガラスの温度を維持するための優れた断熱材である材料であるように選択することができる。幾つかの実施形態では、断熱構造122は、耐火金属容器110の熱膨張係数に近い熱膨張係数(線および体積の両方)を有する。耐火金属容器110と断熱構造122との間の熱膨張の差を最小にすることにより、ガラス清澄モジュール102を形成する材料の異なる層の熱膨張の不一致に起因する耐火金属容器110に付与される応力を低減することができる。
【0061】
図3に示されている実施形態では、断熱構造122は、クレードル124の内側に配置することができる。クレードル124は、クレードル124が支持を提供しかつ断熱構造122ひいては耐火金属容器110を複数の断熱層120内に配置するように、断熱構造122の外面を概ね収容するようなサイズにすることができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、断熱構造122およびクレードル124のうちの少なくとも一方は、セラミック材料、例えば、限定するものではないが、部分的に安定化されたジルコニウム酸化物系材料または完全に安定化されたジルコニウム酸化物系材料から製造することができる。幾つかの実施形態では、断熱構造122またはクレードル124のうちの少なくとも一方は、部分的に安定化されたジルコニア系材料と完全に安定化されたジルコニア系材料との組み合わせとして製造することもできる。例えば、限定するものではないが、断熱構造122は、完全に安定化されたジルコニア系材料を備えることができ、クレードル124は、部分的に安定化されたジルコニア系材料を備えることができる。そのようなジルコニア系材料は、例えば室温から運転条件までの加熱中に発生する熱応力による高温時の亀裂を防止するために安定化することができ、またこれは耐火金属容器110の熱膨張係数と比較してわずかな差を有する熱膨張係数を示すことができる。
【0063】
様々な実施形態では、ガラス清澄モジュール102は、断熱構造122を取り囲みかつ耐火金属容器110および断熱構造122の支持を提供するバルク断熱構造130をさらに備えてよい。バルク断熱構造130は、劣化および亀裂などによる機械的な損傷なしに、高められた温度に維持可能な様々な許容可能な断熱材料から製造することができる。断熱構造122およびクレードル124の下の位置に、支持レンガ132のアセンブリを配置することができる。支持レンガ132は、例えば、限定するものではないが、IFB 3000、IFB 2800、IFB 2600またはIFB 2300などの断熱耐火レンガから製造することができる。通常、そのような材料は、支持レンガ132の使用可能温度で高い破砕強度を示す。
【0064】
バルク断熱構造130は、クレードル124の上側部分にかつ側面に沿って配置される複数の断熱パネル134も備えてよい。断熱パネル134は、例えば、限定するものではないが、Duraboord(登録商標)3000、Duraboard(登録商標)2600、Duraboard(登録商標)2300、Duraboard(登録商標)LDから製造することができる。
【0065】
バルク断熱構造130の材料の選択およびバルク断熱構造130への材料の配置は、溶融ガラスからの望まれる熱損失を提供するように選択することができる。幾つかの実施形態では、バルク断熱構造130の材料は、約3W/m・Kの最大有効熱伝導率が得られるように選択および配置することができる。より低い有効熱伝導率の値は、耐火金属容器110に向けられる熱の量を減らすことができ、またガラス清澄システム100の要素の温度の局所的な変動を減らすことができる。
【0066】
上で説明したように、ガラス清澄モジュール102は、バルク断熱構造130を取り囲む外部支持構造140を備える。外部支持構造140は、複数の断熱層120間の接触を維持するために複数の断熱層120に力を加える複数の結合支持体142を備え、それによって、ガラス清澄システム100の加熱および冷却のサイクル全体を通じて耐火金属容器110および複数の断熱層120のそれぞれの位置が維持される。結合支持体142は、鉛直方向84に延びる鉛直方向結合支持体143と、鉛直方向に対して直交する横方向82に延びる横方向結合支持体144と、耐火金属容器110の長手方向80(すなわち長さ方向)に延びる長手方向結合支持体145とを備える。結合支持体142は互いに接続されている。結合支持体142は、典型的にはガラス清澄モジュール102の加熱および冷却のサイクル全体にわたって圧縮状態に保たれるように構成される。ガラス清澄モジュール102が室温から運転温度まで加熱されると、ガラス清澄モジュール102の要素は熱膨張を示す。加熱された構成要素のそのような膨張は、周囲の構成要素よりも膨張が少ない構成要素に追加の張力を生じさせる場合がある。構成要素の膨張のそのようなばらつきに対応するために、結合支持体142の接続は、結合支持体142に対する複数の断熱層120の熱膨張のばらつきを許容するばね148を備えてよい。ばね148は、鉛直方向および横方向の複数の断熱層120の膨張に対応しかつ複数の断熱層120にかかる力を維持するために、結合支持体142間に配置することができる。ばね148は、接合される結合支持体の間でねじ山付きロッド(図示せず)に配置することができる。このねじ山付きロッドは、結合支持体142の端部に位置していて、ねじ山付きロッドに螺合されたナット(図示せず)で所定の位置に固定されている。
【0067】
様々な実施形態では、ガラス清澄モジュール102の外部支持構造140は、結合支持体142に接続された支持体基部150をさらに備えてよい。支持体基部150は、
図3に示されている座標軸の長手方向80と、長手方向80を横切る横方向82とに延在することができる。幾つかの実施形態では、支持体基部150は、複数のローラ152に接続することができる。
図3に示されている実施形態では、複数のローラ152は、複数のローラ152が対応するレール154に沿って転がることができるように、レール154に接触することができる。したがって、ローラ152によって、ガラス清澄モジュール102は長手方向80に移動することができる。一例では、ガラス清澄モジュール102が室温からそれらの運転温度まで加熱されると、ガラス清澄モジュール102の構成要素が膨張し得る。ガラス清澄モジュール102は、構成要素(すなわち耐火金属容器110)の膨張に対応するために長手方向80に移動することができ、それによって、熱膨張に起因してガラス清澄モジュール102の構成要素に付与される応力が最小にされる。
【0068】
複数の実施形態では、ガラス清澄システム100の各ガラス清澄モジュール102はローラ152を備えることができ、これは、ガラス清澄モジュール102を互いに独立して運動し易くする。例えば、連続的なガラス清澄モジュール102の運転温度は、互いに異なる場合がある。したがって、ガラス清澄モジュール102の長手方向の膨張は互いに異なる場合がある。ガラス清澄モジュール102が長手方向80に移動することを可能にするローラ152を各ガラス清澄モジュール102が備える実施形態では、ガラス清澄モジュール102は、ガラス清澄工程のパラメータに応じて、例えば耐火金属容器110のそれぞれの長手方向の熱膨張に対応するように配置することができる。ガラス清澄モジュール102が最小限の制限で移動することを可能にすると、ガラス清澄システムの様々な構成要素の熱膨張によって耐火金属容器110に導入される応力を低減することができる。さらに、ガラス清澄モジュール102が最小限の制限で移動することを可能にすると、接続されたガラス清澄モジュール102がシステムの運転を向上させるように配置可能にすることもできる。例えば、ガラス清澄モジュール102は、ガラス清澄システムの上流および下流のガラス製造装置間の間隔を最小化するように配置することができ、それによって、移行部分のハードウェアの長さを最小にし、ガラス清澄システムを備えるガラス製造装置の寿命および/または信頼性を改善することができる。
【0069】
ここで
図4を参照すると、ガラス清澄システム100の1つ以上のガラス清澄モジュール102は、レール154に近接して配置される膨張支援部材170も備えてよい。膨張支援部材170は、1つ以上のガラス清澄モジュール102の外部支持構造140および/または支持体基部150に接触している。膨張支援部材170は、ガラス清澄システム100が室温からその運転温度まで加熱された際に、レール154に沿ったガラス清澄モジュール102の移動に対応する方向で、長手方向80にガラス清澄モジュール102に力を加えるように構成することができる。膨張支援部材170によって加えられる力は、ガラス清澄モジュール102の膨張の動きを方向付けることができ、それによって、ガラス清澄システム構成要素の熱膨張によって耐火金属容器110に生じる応力を低減することができる。膨張支援部材170は、ガラス清澄システム100の1つ以上のガラス清澄モジュール102の長さ、断面および目標運転温度に基づいて所定の力を加えるように調整することができる。
【0070】
ここで
図5を参照すると、ガラス清澄システム100は、隣接するガラス清澄モジュール102を互いに選択的に接続するタイロッド174も備えてよい。一実施形態では、タイロッド174は、ガラス清澄システム100が室温からその運転温度まで加熱される際に、隣接するガラス清澄モジュール102間から取り外すことができる。ガラス清澄システム100内の温度がその運転温度で安定した後、タイロッド174は、隣接するガラス清澄モジュール102間の所定の距離を維持するために、かつ隣接するガラス清澄モジュール102間の間隔の変動を最小にすることによって耐火金属容器110に長手方向80に加えられる応力を低減するために、連続的なガラス清澄モジュール102の間で交換することができ、また例えば支持体基部150を備える外部支持構造140に接触させることによって固定することができる。係合すると、タイロッド174は複数のガラス清澄モジュールを互いに接続することができ、その結果、それらはレール154に沿って単一のユニットとして動くことができる。
【0071】
再び
図2を参照すると、ガラス清澄システム100は、少なくとも1つの導体フランジ160をさらに備えてよい。本明細書に記載の複数の実施形態では、ガラス清澄システム100は複数の導体フランジ160を備える。導体フランジ160は耐火金属容器110と外接しており、耐火金属容器110の外面との電気的な接触が維持される。電流は、導体フランジ160を通って耐火金属容器110内に流れ、耐火金属容器110と耐火金属容器110内の溶融ガラスとを加熱する。様々な実施形態では、導体フランジ160は、耐火金属容器110の少なくとも一部に外接し、複数の断熱層120の長手方向端部に位置することができる。耐火金属容器110の電気抵抗のため、電流は耐火金属容器110を直接加熱し、それによって、耐火金属容器110内部の溶融ガラスが加熱される。
【0072】
導体フランジ160は、電流を耐火金属容器110に導くための様々な形状および構成を有ししてよい。
図6~
図11は、導体フランジの様々な実施形態を示している。ここで例として
図6を参照すると、幾つかの実施形態では、導体フランジ160は、バス部分162および分配部分164を備えることができ、分配部分164は耐火金属容器110の周りで均一な断面幅を有する。ここで
図7を参照すると、バス部分262と分配部分264とを備える導体フランジ260の別の実施形態が示されており、分配部分264は耐火金属容器110の周りで一様でない断面幅を有する。
図8は、分配部分364から延びる複数のバス部分362を含むさらに別の導体フランジ360の実施形態が示されている。
図9は、分配部分464から横方向82に配置されていて、電気的なリードと接続するために鉛直方向84に延びている2つのバス部分462を備えるさらに別の導体フランジ460の実施形態が示されている。
図10は、分配部分564から鉛直方向にかつ反対方向に延びている2つのバス部分562を備える導体フランジ560の別の実施形態が示されている。
図11は、電気的なリードと接続するために分配部分664から横方向にかつ反対方向に延びている2つのバス部分662を備えるさらに別の導体フランジ660の実施形態が示されている。導体フランジ160,260,360,460,560,660の様々な構成は、溶融ガラスの目標とされる加熱および/または高効率な加熱のために耐火金属容器110への電流の導入を促すことができ、これは、耐火金属容器110を通る電流の大きさおよび電流源との接続のためのバス部分のアクセス性に少なくとも基づいて選択することができる。
【0073】
導体フランジ160,260,360,460,560,660は、低抵抗金属、例えば、限定するものではないが、電気グレード(electrical grade)ニッケル600/601など遷移金属、および高温耐火金属、例えば、限定するものではないが、白金またはその合金から作られてよく、これは、耐火金属容器110からの熱の伝導により経験されるより高い温度を可能にする。様々な実施形態では、導体フランジ160,260,360,460,560,660は、例えば空気冷却または水冷却によって冷却することができる。様々な実施形態において、冷却流体は、導体フランジ160,260,360,460,560,660に接続され、その周りに延びている冷却管を通して導くことができる。別の実施形態では、冷却流体は、導体フランジ160,260,360,460,560,660の選択された部分の冷却を目的とすることができる。
【0074】
ここで、
図12と
図13とを合わせて参照すると、長手方向80に延びている耐火金属容器210と、断熱構造222とを備えるガラス清澄モジュール202の一実施形態が示されており、断熱構造222は下側管状部分225と複数のアーチ形部分226とを備え、下側管状部分225と複数のアーチ形部分226とは、組み合わされると、耐火金属容器210を囲んで一周する概ね円筒形の断熱構造222を形成する。
図12および
図13に示されているように、複数のアーチ形部分226は、複数のアーチ形部分226と下側管状部分225とが概ね円形の支持構造を形成するように、円周方向に大きさを合わせることができる。断熱構造222は、クレードル224内に配置することができる。様々な実施形態では、クレードル224は、アーチ形部分226がクレードル224の表面に接触する前に(例えば熱膨張または熱収縮による)動きの自由な状態を有するように、アーチ形部分226から離間させることができる。隣接するアーチ形部分226間の間隔は、包囲している断熱構造の円周方向への熱膨張に起因する応力の蓄積を最小限に抑える。すなわち、隣接するアーチ形部分226は、熱膨張に対応し、それによって、断熱構造222におけるフープ応力の発生を軽減するために、緩和領域230(
図13)によって互いに離間させることができる。
【0075】
図13を参照すると、耐火金属容器210は、少なくとも1つの補強リブを有してよい。
図13に示されている実施形態では、耐火金属容器210は、耐火金属容器210に対して概ね半径方向に延びかつ耐火金属容器210に沿って長手方向80にさらに延びている複数の補強リブ212を備える。幾つかの実施形態では、補強リブ212は、補強リブ212の端部に沿って位置しかつ補強リブ212に略垂直であるエンドプレート214を備えてよい。補強リブ212は、耐火金属容器210の上半分211に沿って配置することができる。幾つかの実施形態では、溶融ガラスは、耐火金属容器210の容積全体を満たさない場合がある。したがって、補強リブ212は、溶融ガラスに接触しない耐火金属容器210の部分がそれ自体を支持することができるように、かつ耐火金属容器210のバックルなどを変形させる傾向にあるレベルの応力を受けないように、耐火金属容器210に追加の構造的な支持を提供することができる。
【0076】
包囲している断熱構造222のアーチ形部分226は、アーチ形部分226と補強リブとの間の接触を提供する接触領域228を備えることができ、それにより、断熱構造222の支持構造を提供することができる。アーチ形部分226は、耐火金属容器210の補強リブ212の近くに配置されている緩和領域230も備えてよい。アーチ形部分226が断熱構造222に組み込まれると、緩和領域230は、隣接するアーチ形部分226間に空間を提供する。幾つかの実施形態(図示せず)では、緩和領域230は、緩和領域230が耐火金属容器210の補強リブ212に接触しないように、耐火金属容器210の補強リブ212から離間させることができる。すなわち、補強リブ212は緩和領域230内に配置されるが、アーチ形部分226とは接触しない。緩和領域230は、耐火金属容器210の自由な長手方向の運動および耐火金属容器210の半径方向の膨張を可能にするサイズを有してよい。すなわち、緩和領域230は、断熱構造222と耐火金属容器210との間の接触なしに耐火金属容器210の熱膨張を可能にするのに十分な空間を提供する。一実施形態では、断熱構造222のアーチ形部分226は、耐火金属容器210の補強リブ212に接合されたエンドプレート214に接触して、耐火金属容器210に機械的な支持を提供する。
【0077】
耐火金属容器210の補強リブ212に対する緩和領域230の構成は、耐火金属容器210に結合することなくかつ高いレベルの応力を導入することなく、ガラス清澄モジュール202の構成要素のそれぞれの温度に基づいて膨張または収縮することを可能にすることができる。例えば、耐火金属容器210は、ガラス清澄モジュール202が室温から運転温度まで加熱されるのに伴って、円周方向および長手方向に膨張する。アーチ形部分の間の緩和領域230は、耐火金属容器210の熱膨張に対応し、耐火金属容器210に付与される応力を低減することができる。耐火金属容器210に付与される応力のそのような低減は、従来の設計と比較して、耐火金属容器210の寿命をより長くすることができ、かつ/またはガラス清澄モジュール202内のより高い温度またはより大きい温度変化を可能にすることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、包囲している断熱構造222は、耐火金属容器210との接触から隔てられたバルク断熱構造231によって取り囲むことができる。バルク断熱構造231は、断熱パネルが耐火金属容器210の温度を維持するような比較的低い熱伝導率を有する複数の断熱パネル234を備えることができる。
【0079】
再び
図12を参照すると、幾つかの実施形態では、バルク断熱構造231は、耐火金属容器210から鉛直方向84で上方に配置された温度緩和領域240を備えてよい。したがって、温度緩和領域240は、周囲のバルク断熱構造231よりも高い熱伝導率を示す。温度緩和領域240は、温度緩和領域240を通ってガラス清澄モジュール202から熱が逃げることを可能にすることによって、耐火金属容器210の過熱状態を防止することができる。
【0080】
複数の実施形態では、温度緩和領域240は、バルク断熱構造231よりも高い熱伝導率を有する材料のパネルまたはレンガから構成することができる。例えば、幾つかの実施形態では、温度緩和領域240は、セラミック材料、例えば、限定するものではないが、Zedcor(商標)から構成することができる。
【0081】
再び
図2を参照すると、耐火金属容器110および複数の断熱層120の様々な実施形態がガラス清澄システム100に組み込まれてよい。幾つかの実施形態では、ガラス清澄システム100は、複数のガラス清澄モジュール102にわたって連続的に延びる、例えばガラス清澄システム100を形成する全てのガラス清澄モジュール102わたって連続的に延びる連続的な耐火金属容器110を備えてよい。本明細書で使用される「連続的な耐火金属容器」という言い回しは、耐火金属容器が、単一の長さの耐火金属から形成されるかまたは溶接やろう付けなどによって互いに接合された耐火金属の複数の別個のセグメントから形成されることを意味する。別の実施形態では、ガラス清澄システム100は、複数の耐火金属容器110を有してよい。具体的には、各ガラス清澄モジュール102は、別個の耐火金属容器110を備えることができ、隣接するガラス清澄モジュール102の耐火金属容器110は、各ガラス清澄モジュール102の耐火金属容器110間で溶融ガラスが流れやすいように互いに接続される。ガラス清澄システム100を形成するガラス清澄モジュール102の量および寸法は、具体的なガラス清澄工程の流量および温度のパラメータを満たすように選択することができる。
【0082】
例えば、本開示による実施形態では、ガラス清澄システム100は、複数のガラス清澄モジュール102と、耐火金属容器110の別個の部分を接合するガラスシールなどの中間シールなしでガラス清澄モジュールを通って延びる(複数の別個の耐火金属容器ではない)連続的な耐火金属容器110とを備えてよい。そのような実施形態では、連続的な耐火金属容器110は、隣接するガラス清澄モジュール102間の相対的な間隔を乱すことなしに、複数のガラス清澄モジュール102に対して自由に膨張および収縮する。
【0083】
別の実施形態では、それぞれのガラス清澄モジュール102は、別個の耐火金属容器110を備えてよい。隣接するガラス清澄モジュール102の連続的な耐火金属容器110は、1つの耐火金属容器110から次の耐火金属容器110へのガラスの流れを促進するために互いにシールすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、連続的な耐火金属容器110は、ガラスシールによって互いにシールすることができる。具体的には、これらの実施形態では、耐火金属容器110は、最初に互いに位置決めされ、接合部で近接して接続される(すなわち接続されているが一緒にシールされていない)。溶融ガラスが耐火金属容器110を通って流れ始めると、ガラスは接合部から漏れ、冷えて固化し、隣接する耐火金属容器110間にガラスシールを形成する。隣接する耐火金属容器110間にガラスシールが最終的に形成されることにより、システムの起動中に個別のシーリング要素を必要とせずガラス清澄モジュールの構成要素の熱膨張が可能になる。
【0084】
さらに
図2を参照すると、本明細書に記載の複数の実施形態では、複数のガラス清澄モジュール102が、耐火金属容器110の外面と電気的に接触している導体フランジ160を備える。上で説明したように、電流は、導体フランジ160および耐火金属容器110を通して導くことができ、それによって、耐火金属容器110が加熱される。ガラス清澄システム100は、耐火金属容器110と電気的に接触する複数の導体フランジ160を備えるため、耐火金属容器110の特定の部分に導かれる電流は変更することができる。例えば、ガラス清澄プロセスのパラメータによって、耐火金属容器110内の溶融ガラスの温度が長手方向80に沿って変化し、ある場所は隣接する場所よりも相対的に高温である一方で、別の場所は隣接する場所よりも相対的に低温であるように決定することができる。ガラス清澄モジュール102の個々の耐火金属容器110に関連する複数の導体フランジ160は、ガラス清澄システム100の長さに沿った溶融ガラスの望まれる温度変化に対応するために、耐火金属容器110に導かれる電流の変化を可能にする。例えば、ガラス清澄システム100の終端部分に対応するガラス清澄モジュールは、溶融ガラスがガラス清澄システムの中にまたはガラス清澄システムの外に流れる際の溶融ガラスからの熱損失の原因となるために、ガラス清澄システム100の中央部分に対応するガラス清澄モジュールよりも高い温度に加熱することができる。
【0085】
従来のガラス清澄システムでは、耐火金属容器の温度の変化が耐火金属容器110に応力を生じさせる場合がある。しかしながら、本開示によるガラス清澄システムは、耐火金属容器110の膨張および収縮に関連する応力の低減を可能にする要素、例えば外部支持構造、ローラおよび様々な断熱要素などを有する個別のガラス清澄モジュールを備えることから、ガラス清澄システム100の耐火金属容器110内の局所的な温度変化がガラス清澄システム100の寿命を実質的に減少させないようにすることができる。
【0086】
さらに、複数のガラス清澄モジュール102が(
図3に関して説明したように)ローラ上に支持されている本明細書に記載のガラス清澄システム100の複数の実施形態では、ローラは、耐火金属容器110に最小限の応力しか導入せずに複数のガラス清澄モジュール102の長手方向80における位置変更を可能にすることができる。
【0087】
ここで
図14を参照すると、
図14に示されている実施形態では、導体フランジ160は、移動可能な支持体410によって外部支持構造140に接続されている。移動可能な支持体410は、外部支持構造140に結合されている本体411と、本体411に対して鉛直方向84に移動する接続フランジ416とを備える。移動可能な支持体410は、接続フランジ416に接触している伝達ロッド413を介して接続フランジ416に上向きの力を加えるばね412を備えてよい。接続フランジ416と本体411とが互いに電気的に絶縁されるように、伝達ロッド413と接続部との間に電気絶縁体(図示せず)を配置することができる。移動可能な支持体410の接続フランジ416は、ばね412および伝達ロッド413を用いて、導体フランジ160のバス部分162に向かって付勢されている。ばね412によって加えられる力は、導体フランジ160の重量によって生じる耐火金属容器110への荷重を打ち消す。
【0088】
耐火金属容器110が、高められた温度にもたらされると、耐火金属容器は円周方向および長手方向に膨張する。耐火金属容器の膨張は、導体フランジ160の高さを変化させる。ばね412は、導体フランジ160の重量によって耐火金属容器に導入される応力を最小限に抑えつつ、温度変化全体にわたって導体フランジ160の支持を維持する。耐火金属容器の長手方向の膨張は、導体フランジ160の位置を変化させる。移動可能な支持体410は、導体フランジ160に対する移動可能な支持体410のずれを低減して、耐火金属容器110に導入される応力を最小限に抑えつつ、例えば外部支持構造140に沿って長手方向80に摺動することによって、導体フランジ160の長手方向の位置変化に対応するように位置を変えることができる。
【0089】
ここで
図15および
図16を参照すると、ガラス清澄システム100の複数の実施形態は、ガラス清澄モジュール102を少なくとも部分的に取り囲む支持構造400を備えてよい。支持構造400は、ガラス清澄システム100の様々な構成要素に支持を提供し、耐火金属容器110からそれらの構成要素の支持を外すことができる。
【0090】
支持構造400は、支持構造から延在しかつガラス清澄システム100の例えば電気的なリード380などの様々な構成要素に接続されているハンガ402を備えてよい。ハンガ402は、電気的なリード380の重量を支持し、その結果、電気的なリード380の重量によって耐火金属容器110に付与される応力が最小限に抑えられる。一実施形態では、ハンガ402は、ガラス清澄システム100の長手方向80に移動するトロリ404によって支持される。トロリ404は、ハンガ402が電気的なリード380に対する支持を提供して、ガラス清澄システム100の加熱および冷却のサイクル全体にわたって電気的なリード380が接続される導体フランジ160に対する電気的なリード380のずれを最小限に抑えるように移動することを可能にする。例えば、ガラス清澄システム100の温度が室温からその運転温度まで上昇するのに伴い、耐火金属容器110は膨張することがあり、それによって、導体フランジ160を長手方向80に移動させることがある。トロリ404は、ハンガ402が鉛直方向84で電気的なリード380を支持し続けるように、導体フランジ160と一緒に移動することができる。したがって、ガラス清澄システム100の構成要素の膨張および収縮は、ガラス清澄システム100の電気的なリード380によって付与される応力に対して最小限の影響しか与えない。
【0091】
幾つかの実施形態では、
図16に示されているように、ハンガ402は、ばね支持体406を備えてよい。ばね支持体406は、電気的なリードが鉛直方向84に動く際に、ばね支持体が電気的なリード380に対して連続的な鉛直な支持を提供することを可能にすることができるばね定数を示す。例えば、耐火金属容器110が、高められた温度にもたらされると、耐火金属容器110は半径方向および長手方向に膨張する。耐火金属容器110の半径方向の膨張は、導体フランジ160の高さを変化させる。導体フランジ160の重量によって耐火金属容器110に加えられる応力を最小限にするために、ばね支持体406は、導体フランジ160の位置が鉛直に移動した場合であっても鉛直力が導体フランジ160に加えられるように選択しかつ取り付けることができる。したがって、ばね支持体406は、支持構造400に対する電気的なリード380の位置とは独立した形で電気的なリード380の支持を維持する。したがって、ハンガ402は、ガラス清澄システム100の構成要素への、例えば耐火金属容器110への応力の導入を、これらの構成要素が運転サイクル全体にわたって加熱および冷却される際に最小限に抑えることができる。
【0092】
ここで、本開示によるガラス清澄システムが、ガラス清澄モジュール内の耐火金属容器と、耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層とを備えることを理解すべきである。ガラス清澄システムの様々な実施形態は、耐火金属容器に付与される応力を低減する要素を有する。一実施形態では、ガラス清澄モジュールは、耐火金属容器に付与される応力を最小限に抑えつつ長手方向にガラス清澄モジュールの位置を変えることを可能にするローラを備える。このような要素により、耐火金属容器に最小限の応力を与えながらガラス清澄システムを室温からその運転温度まで繰り返し反復させることができる。この耐火金属容器の応力の低減により耐火金属容器の耐用期間を延ばすことができ、またより高い温度、より大きい断面積またはより長い全長をガラス清澄工程において使用可能にすることができる。
【0093】
用語および解釈の基準
「接続された」という用語は、2つの部材が互いに直接的または間接的に接合することを意味する。そのような接合は、本質的に固定された状態であっても、本質的に可動であってもよい。そのような接合は、2つの部材または単一の構造体として互いに一体に形成された2つの部材と任意の追加の中間部材とによって、あるいは2つの部材または互いに接続された2つの部材と任意の追加の中間部材とによって、達成することができる。そのような接合は、本質的に永続的であってもよいし、代替的には、本質的に取外し可能または解放可能であってもよい。
【0094】
範囲の終点を備える数値は、本明細書では、「約」、「おおよそ」などの用語が先行する近似値として表すことができる。そのような場合、別の実施形態は特定の数値を備える。数値が近似値として表されるか否かに関わらず、近似値として表されているものと、近似値として表されていない別のものの2つの実施形態が本開示に含まれる。各範囲の終点は、別の終点と関連して、および別の終点とは独立して、の両方の意味を有することがさらに理解される。
【0095】
本明細書で使用される方向に関する用語、例えば、上、下、右、左、前、後、頂部、底部、垂直、水平は、描かれている図に関してのみ言及しており、別段の明示的な記載がない限り、絶対的な方向を意味することを意図するものではない。
【0096】
別段の明示的な記載がない限り、本明細書に記載の任意の方法が、そのステップを特定の順序で行うことを要するとして解釈されることも、任意の装置固有の向きを要するとして解釈されることも、全く意図されていない。したがって、そのステップが従うべき順序が方法クレームに実際に記載されていない場合、または個々の構成要素に対する順序または方向がいずれの装置クレームにも実際に記載されていない場合、またはステップが特定の順序に限定されることが請求項または説明の中に具体的に記載されていない場合、または装置の構成要素に対する具体的な順序もしくは方向が記載されていない場合には、いかなる点においても順序または方向が暗示されることは全く意図されていない。これは、ステップの配置、運転のフロー、構成要素の順序、または構成要素の方向に関する論理的な事項;文法的な構成または区切りに由来する明白な意味;および本明細書に記載の実施形態の数またはタイプ;などの解釈のための任意の考え得る非明示的な根拠に適用される。
【0097】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈からそうでないとの明示的な指示がない限り複数の指示対象を備える。したがって、例えば、「1つの(a)」構成要素への言及は、文脈から明らかにそうでないとの指示がない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を備える。また、先行する「いずれか」(あるいは「または」が排他的であることを明確に示す他の同様の言葉、例えばxまたはyのうちの1つのみなど)なしで使用される場合の「または」という単語は、包括的であると解釈するものする(例えば「xまたはy」はxまたはyの一方または両方を意味する)。
【0098】
「および/または」という用語も、包括的であると解釈されるものとする(例えば「xおよび/またはy」は、xとyのうちの一方または両方を意味する)。「および/または」または「または」が3つ以上の項目の群の接続詞として使用される状況では、その群は1つの項目のみ、全ての項目を一緒に、または項目の任意の組み合わせもしくは数を備えると解釈すべきである。さらに、有するおよび備えるなど(have、having、include、およびincluding)の明細書および特許請求の範囲で使用されている用語は、備える(compriseおよびcomprising)という用語と同義語であると解釈すべきである。
【0099】
別段の指示がない限り、本明細書(特許請求の範囲を除く)で使用される寸法や物理的特徴などを表すものなどの全ての数字または表現は、全ての場合において「おおよそ」という用語によって修飾されているものとして理解される。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとするのではなく、「おおよそ」という用語で修飾された明細書または特許請求の範囲に記載の各数値パラメータは、列挙されている有効数字を踏まえて、および通常の端数処理方法を適用することによって、解釈すべきである。
【0100】
全ての開示されている範囲は、あらゆる部分範囲、または各範囲に含まれるあらゆる個々の値を列挙する請求項を包含し、これをサポートすると理解すべきである。例えば、1から10と規定された範囲は、最小値1と最大値10の間および/またはそれらの値を備えるあらゆる部分範囲または個々の値、つまり最小値が1以上で始まり、最大値が10以下で終わる全て部分範囲(例えば5.5~10、2.34~3.56など)、または1から10までの任意の値(例えば3、5.8、9.9994など)を列挙する請求項を備え、これをサポートするとみなすべきである。
【0101】
全ての開示されている数値は、いずれかの方向で0~100%で可変であると理解すべきであり、したがって、そのような値、またはそのような値によって形成され得るあらゆる範囲または部分範囲を列挙する請求項をサポートする。例えば、規定されている8の数値は、0から16まで(いずれかの方向で100%)変化し、範囲自体(例えば0~16)、範囲内の任意の部分範囲(例えば2~12.5)、またはその範囲内の個々の値(例えば15.2)を列挙する請求項をサポートすると理解すべきである。
【0102】
図面は、縮尺通りに描かれている1つ以上の実施形態、および/または縮尺通りに描かれていない1つ以上の実施形態を示すものとして解釈すべきである。これは、図面が例えば(a)全て縮尺通りに描かれたもの、(b)全て縮尺通りに描かれていないもの、または(c)縮尺通りに描かれた1つ以上の特徴と縮尺通りに描かれていない1つ以上の特徴、を示すものとして解釈できることを意味する。したがって、図面は、単独でまたは互いにまでのいずれかで、任意の図示された特徴のサイズ、比率、および/または他の寸法を列挙するためのサポートを提供するのに役立ち得る。さらに、全てのそのようなサイズ、比率、および/または他の寸法は、いずれかの方向で0~100%の範囲で可変であると理解すべきであり、したがって、そのような値、またはそのような値によって形成され得るあらゆる範囲または部分範囲を列挙する請求項をサポートする。
【0103】
請求項に記載されている用語は、広く使用されている一般的な辞書および/または関連する専門分野の辞書の関連する収録語を参照することによって決定される通常の慣習的な意味、当業者によって一般的に理解されている意味などが与えられるべきであり、以下の例外のみを除いて、これらの情報源のいずれか1つまたは組み合わせによって与えられる最も広い意味が請求項に記載の用語に与えられるべき(例えば収録語の組み合わせの最も広い意味を提供するために2つ以上の関連する辞書の収録語を組み合わせるべきなど)であることが理解される:(a)用語が通常の慣習的な意味よりも拡張的な形で使用されている場合、その用語には通常の慣習的な意味に加えて追加の拡張的な意味が与えられるべきである;または(b)「本文書で使用される…意味するものとする」という語句または同様の言葉(例えば「この用語は、…を意味する」、「この用語は、…と定義される」、「本開示の目的のためには、この用語は…を意味するものとする」など)が後に続く用語を列挙することによって、用語が、異なる意味を持つように明示的に定義されている場合。具体的な例への言及、「すなわち」の使用、「発明」という言葉の使用などは、例外(b)を適用すること、または記載されている請求項の用語の範囲を制限することを意図するものではない。例外(b)が適用される状況を除いて、本文書に含まれているもののいずれも請求項の範囲の除外または否認とみなすべきではない。
【0104】
請求項に記載の主題は、本文書に記載または図示されている任意の実施形態、特徴、または特徴の組み合わせと同一の広がりを有しておらず、また同一の広がりを有すると解釈すべきではない。これは、特徴または特徴の組み合わせの単一の実施形態のみが本文書に図示および記載されている場合であっても当てはまる。
【0105】
請求項の主題の趣旨および範囲から逸脱することなしに、様々な修正および変更を行い得ることは当業者には明らかであろう。したがって、請求項の主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を考慮した場合を除き、限定されるべきではない。
【0106】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0107】
実施形態1
ガラス製造装置であって、
ガラス清澄モジュールを備え、前記ガラス清澄モジュールは、
長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器と、
前記耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、前記耐火金属容器の少なくとも一部の周囲に延びかつ複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを含む複数の断熱層と、
前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造と、
ローラであって、前記ガラス清澄モジュールが前記ローラ上で前記長手方向に移動可能であるように、前記外部支持構造に接続されたローラと
を備える、ガラス製造装置。
【0108】
実施形態2
前記外部支持構造は、
鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、
前記鉛直方向に対して垂直な横方向に延びる横方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して鉛直方向に第1の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、
前記長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して前記横方向に第2の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体と
を備える、実施形態1記載のガラス製造装置。
【0109】
実施形態3
前記複数のアーチ形部分のうちの少なくとも1つは、前記複数のアーチ形部分のうちの前記少なくとも1つと、前記断熱構造の隣接するアーチ形部分との間に緩和領域を備える、実施形態1または2記載のガラス製造装置。
【0110】
実施形態4
前記耐火金属容器は、前記耐火金属容器から延びかつ前記耐火金属容器に対して垂直に向けられた補強リブを備え、前記補強リブは、前記断熱構造の前記緩和領域に配置されている、実施形態3記載のガラス製造装置。
【0111】
実施形態5
前記補強リブは、前記断熱構造の前記複数のアーチ形部分から離間されている、実施形態4記載のガラス製造装置。
【0112】
実施形態6
前記補強リブは、前記耐火金属容器の上側部分から延びている、実施形態4記載のガラス製造装置。
【0113】
実施形態7
前記耐火金属容器は、前記補強リブに接続されたエンドプレートを備える、実施形態4記載のガラス製造装置。
【0114】
実施形態8
前記ガラス清澄モジュールが室温にあるときに、前記耐火金属容器の少なくとも一部は、前記断熱構造から離間されている、実施形態1から7までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0115】
実施形態9
前記ガラス清澄モジュールがその運転温度にあるときに、前記耐火金属容器は、前記断熱構造に接触する、実施形態8記載のガラス製造装置。
【0116】
実施形態10
前記耐火金属容器の内部に開口するガスベントをさらに備える、実施形態1から9までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0117】
実施形態11
前記ガラス清澄モジュールは、前記耐火金属容器に接触する少なくとも1つの導体フランジをさらに備え、前記導体フランジは、前記耐火金属容器の外部に外接していて、前記耐火金属容器の長手方向端部に配置されている、実施形態1から10までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0118】
実施形態12
前記少なくとも1つの導体フランジは、電気的なリードに接続されたバス部分と、前記耐火金属容器に接触した分配部分とを備える、実施形態11記載のガラス製造装置。
【0119】
実施形態13
前記分配部分は、一様でない断面幅を有する、実施形態12記載のガラス製造装置。
【0120】
実施形態14
前記外部支持構造は、前記バス部分に接続された移動可能な支持体と、前記バス部分に鉛直方向で力を加えるように構成されたばねとを備える、実施形態12記載のガラス製造装置。
【0121】
実施形態15
前記移動可能な支持体は、前記少なくとも1つの導体フランジから電気的に絶縁されている、実施形態14記載のガラス製造装置。
【0122】
実施形態16
連続して配置された複数のガラス清澄モジュールをさらに備える、実施形態1から15までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0123】
実施形態17
前記複数のガラス清澄モジュールを長手方向で互いに選択的に接続するタイロッドをさらに備える、実施形態16記載のガラス製造装置。
【0124】
実施形態18
前記耐火金属容器は、前記複数のガラス清澄モジュールのそれぞれを通って延びる連続的な耐火金属容器である、実施形態16記載のガラス製造装置。
【0125】
実施形態19
前記複数のガラス清澄モジュールのそれぞれは、別個の耐火金属容器を備え、前記別個の耐火金属容器は、ガラスシールによって互いに接続されている、実施形態16記載のガラス製造装置。
【0126】
実施形態20
前記バルク断熱構造は、前記耐火金属容器から鉛直方向で上方に配置された温度緩和領域を備え、前記温度緩和領域は、前記バルク断熱構造よりも高い熱伝導率を有する、実施形態1から19までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0127】
実施形態21
前記ガラス清澄モジュールを少なくとも部分的に取り囲む支持構造をさらに備え、前記支持構造は、前記長手方向に延びるレールを備え、前記ローラは、前記レール上に配置されている、実施形態1から20までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0128】
実施形態22
前記ガラス清澄モジュールが運転温度まで加熱されたときに、前記長手方向で前記ガラス清澄モジュールに力を加えるように構成された膨張支援部材をさらに備える、実施形態21記載のガラス製造装置。
【0129】
実施形態23
前記ガラス清澄モジュールを少なくとも部分的に取り囲む支持構造をさらに備え、前記支持構造は、前記ガラス清澄モジュールの構成要素を鉛直方向で支持するハンガを備える、実施形態1から20までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0130】
実施形態24
前記ハンガは、前記長手方向に移動しかつ前記支持構造に対する前記ハンガの運動を可能にするように適合させられたトロリに接続されている、実施形態23記載のガラス製造装置。
【0131】
実施形態25
ガラス製造装置であって、
複数のガラス清澄モジュールを備え、各ガラス清澄モジュールは、
長手方向に延びる長さを有する耐火金属容器と、
前記耐火容器に接続された複数の導体フランジであって、前記耐火金属容器の外部に外接していて、前記耐火金属容器の互いに反対側の長手方向端部に配置されている複数の導体フランジと、
前記耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造と、前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造とを含む複数の断熱層と
を備え、
前記複数のガラス清澄モジュールのうちの連続したガラス清澄モジュールの前記耐火金属容器は、互いに異なる運転温度に維持される、ガラス製造装置。
【0132】
実施形態26
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールは、ローラを備え、前記ローラは、各ガラス清澄モジュールが前記ローラ上で前記長手方向に移動可能であるように、前記外部支持構造に接続されている、実施形態25記載のガラス製造装置。
【0133】
実施形態27
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールの前記外部支持構造は、
鉛直方向に延びる鉛直方向結合支持体と、
横方向に延びる横方向結合支持体であって、前記複数の断熱層の前記鉛直方向に第1の力を加えるように構成されたばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている横方向結合支持体と、
前記長手方向に延びる長手方向結合支持体であって、前記複数の断熱層に対して前記横方向に第2の力を加えるばねによって前記鉛直方向結合支持体に接続されている長手方向結合支持体と
を備える、実施形態25または26記載のガラス製造装置。
【0134】
実施形態28
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールの前記耐火金属容器は、前記複数のガラス清澄モジュールを通って延びる連続的な耐火金属容器として接合されている、実施形態25から27までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0135】
実施形態29
ガラス製造装置であって、
長手方向に延びる長さを有する連続的な耐火金属容器であって、前記連続的な耐火金属容器の外径に沿って配置され、前記連続的な耐火金属容器に対して垂直に向けられた複数の補強リブを備える連続的な耐火金属容器と、
前記連続的な耐火金属容器に電気的に接続された導体フランジであって、前記連続的な耐火金属容器の外面に外接している導体フランジと、
前記連続的な耐火金属容器が貫通して延びる複数のガラス清澄モジュールと
を備え、
前記複数のガラス清澄モジュールの各ガラス清澄モジュールは、
前記連続的な耐火金属容器の少なくとも一部を取り囲む複数の断熱層であって、複数のアーチ形部分を備える断熱構造と、前記断熱構造を取り囲むバルク断熱構造とを含む複数の断熱層と、
前記複数の断熱層を少なくとも部分的に取り囲む外部支持構造と
を備える、ガラス製造装置。
【0136】
実施形態30
前記複数のガラス清澄モジュールのそれぞれは、前記断熱構造の前記複数のアーチ形部分の間に配置された複数の緩和領域をさらに備える、実施形態29記載のガラス製造装置。
【0137】
実施形態31
前記複数の補強リブは、前記断熱構造の対応する緩和領域に配置されている、実施形態30記載のガラス製造装置。
【0138】
実施形態32
前記複数の緩和領域は、前記連続的な耐火金属容器の少なくとも1つの前記補強リブから離間されている、実施形態30記載のガラス製造装置。
【0139】
実施形態33
前記複数の補強リブは、前記連続的な耐火金属容器の上側部分から延びている、実施形態32記載のガラス製造装置。
【0140】
実施形態34
前記連続的な耐火金属容器は、前記複数の補強リブに接続された複数のエンドプレートを備える、実施形態32記載のガラス製造装置。
【0141】
実施形態35
前記複数のガラス清澄モジュールが室温にあるときに、前記連続的な耐火金属容器の少なくとも一部は、前記複数のガラス清澄モジュールの前記断熱構造から離間されている、実施形態29から34までのいずれか1つ記載のガラス製造装置。
【0142】
実施形態36
前記複数のガラス清澄モジュールが運転温度にあるときに、前記連続的な耐火金属容器は、前記複数のガラス清澄モジュールの前記断熱構造に接触する、実施形態35記載のガラス製造装置。