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特許7439068歯科用3Dスキャナ中の光学系の焦点を変化させるための装置及び歯科用3Dスキャナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】歯科用3Dスキャナ中の光学系の焦点を変化させるための装置及び歯科用3Dスキャナ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/247 20060101AFI20240219BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20240219BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61B1/247
A61C19/04 Z
A61B1/00 522
A61B1/00 735
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021517227
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019076151
(87)【国際公開番号】W WO2020064992
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】18197051.8
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ベルナー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】サイブ、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】コンファロニーリ、ファブリツィオ
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第10356412(DE,A1)
【文献】特開2015-083978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0279103(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102007005625(DE,A1)
【文献】特開2013-118779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0080048(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00ー1/32
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用3Dスキャナ(10)中の光学系の焦点(24)を変化させるための装置(28)であって、
走査対象(22)に対する焦点の位置を変化させるために、前方反転位置と後方反転位置との間で可動のレンズ(20)を有するレンズユニット(30)と、
前記レンズの光軸(46)に平行な誘導軸(48)に沿って、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の前記レンズユニットの動きを誘導するための誘導ユニット(34)と、
前記レンズユニットの前記動きを駆動するための駆動ユニット(36)と、を備え、
前記駆動ユニットは、アンカー(40)と固定子(42)とを有するリニアモータ(38)を含み、前記アンカーは、前記誘導軸に平行な前記駆動ユニットの駆動軸(44)に沿って可動であり、前記固定子は、前記誘導ユニットに付着される装置(28)において
前記駆動ユニット(36)は、第1の方向への前記アンカー(40)の動きが前記第1の方向とは反対の第2の方向への前記レンズ(20)の動きに伝達されるように、前記アンカーの動きと前記レンズユニット(30)の動きとを結合するための結合具(50)を含む、装置(28)。
【請求項2】
前記結合具(50)は、前記アンカー(40)から前記レンズユニット(30)に力を伝達するために、前記アンカーと前記レンズユニットとを接続するための可撓性接続要素(52)を含む、請求項に記載の装置(28)。
【請求項3】
前記結合具(50)は、前記可撓性接続要素(52)を引張するための引張要素(54)を含む、請求項に記載の装置(28)。
【請求項4】
前記結合具(50)は、前記アンカー(40)の移動方向と前記レンズユニットの移動方向とを反転させるための反転要素(56)を含む、請求項からのいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項5】
前記誘導ユニット(34)は、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の前記レンズユニット(30)の位置を決定するための位置センサ(62)を含、請求項1からのいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項6】
前記駆動ユニット(36)は、前記位置センサ(62)のセンサ信号に基づいて、前記レンズユニット(30)の前記動きを制御するように構成される、請求項に記載の装置(28)。
【請求項7】
前記誘導ユニット(34)は、リニア再循環玉軸受誘導部(58)を含み、
前記レンズユニット(30)は、前記リニア再循環玉軸受誘導部に係合するための係合要素(60)を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項8】
前記レンズユニット(30)の質量は、前記レンズ(20)及び前記アンカー(40)の加速によって生じる反力を補償するために、前記アンカーの質量に等しい、請求項1~のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項9】
前記誘導軸(48)に平行な前記レンズユニット(30)の質量中心線(66)は、前記誘導軸に平行な前記アンカー(40)の質量中心線(64)に対応する、請求項1~のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項10】
前記リニアモータ(38)は、ブラシレス3相リニアサーボモータであり、
前記リニアモータは、前記固定子に対する前記アンカー(40)の位置を測定するためのホールセンサを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項11】
前記アンカー(40)の最大変位は、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の距離に等しい、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項12】
前記駆動ユニット(36)は、2~20Hzの振動周波数で、選択可能な前方振動位置(20a)と選択可能な後方振動位置(20b)との間で振動するように前記レンズユニット(30)の前記動きを駆動するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(28)。
【請求項13】
3次元走査対象(22)を走査するための歯科用3Dスキャナ(10)であって、
請求項1~1のいずれか一項に記載の装置(28)と、
前記レンズ(20)を通過する前記走査対象からの光信号を検出するための検出器(16)と、
前記走査対象の周りで前記歯科用3Dスキャナ(10)を手動で誘導するための手持ちハウジング(12)と
を備える、歯科用3Dスキャナ(10)。
【請求項14】
前記駆動ユニット(36)を制御するための制御ユニット(18)を備える、請求項1に記載の歯科用3Dスキャナ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用3Dスキャナ中の光学系の焦点を変化させるための装置に関する。本発明は更に、歯科用3Dスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
人口の平均余命の増大及び技術的進歩を踏まえると、歯の再建並びに義歯及び歯科補綴物の使用は、近年ますます重要になっている。これらの目的のために、また歯科学の分野における他の用途のためにも、患者の口内の状況を正確に評価する必要がある。従来のアプローチは、この点において、患者の顎及び残存歯の印象を作るために、軟質材料、特にワックスを利用することを含む。この印象は次いで、それぞれの患者の特定の必要性に合わせて人工歯列をカスタマイズするためのモデルを構築するための基礎を形成する。
【0003】
近年、歯科医師及び歯科技工所の技工士は、患者の口内で取得された走査データに基づいて患者の口内の状況の3次元表現を生成するための3Dスキャナ(断層撮影スキャナと呼ばれることもある)にますます頼っている。そのようなモデルは、例えば、コンピュータ支援補綴物設計の基礎を形成することができる。インサイチュ(in-situ)走査データを得るための口腔内3Dスキャナとして、患者の口内に挿入される様々な手持ちデバイスが存在する。例えば、カメラセンサが、それぞれのデータを収集するために使用されることができる。通常、カメラは、上顎若しくは下顎、又は再建の対象となる顎の関心部分の周りを手動で動かされる。
【0004】
走査及び再構成は、例えば、縞投影法に基づくことができる。対象は、構造化された光パターンで照らされる。これらのパターンは、走査対象によって変調され、次いで、投影に対して既知の角度でカメラによって画像として記録される。記録された画像を分析することによって表面変調を計算するために、フーリエ変換などの技法が使用されることができる。これらのデータに基づいて、走査対象の3D座標を得ることが可能である。
【0005】
異なる3D測定原理は、画像センサの光学系のレンズが、焦点(又は焦点面)を変化させるために動かされることを必要とする。検出器(画像センサ)及び/又はプロジェクタに対してレンズを前後に動かすことによって、走査対象の空間次元に関する情報を得ることが可能になる。この測定原理は、共焦点顕微鏡の機能に対応する。カメラが手持ちデバイスである場合、走査対象に対するカメラの相対動きが測定の正確度に影響しないように、レンズが十分な速度で動かされることが重要である。通常、歯科用3Dスキャナ中の可動レンズの振動周波数は、約2~20Hzである。
【0006】
これに関して、欧州特許第2051042B1号は、対象を断層撮影により記録するためのデバイスに関する。このデバイスは、光源の下流の光ビームの光軸に配置された第1のグリッドを備え、その光ビームは、第1のグリッドのパターンが対象上に投影され得るように、対象を照射する前に通して案内され得る。デバイスは、センサ上の対象を撮像するための光学撮像アセンブリを更に備える。また更に、デバイスは、反射された光ビームの光軸に設けられた第2のグリッドを備え、第2のグリッドは、第1のグリッドに一致するパターンを有し、第1のグリッドのパターンを有する反射された光ビームは、第1のグリッドのパターン及び第2のグリッドのパターンの上に重なることから生じるモアレパターンで対象によって反射された光ビームをセンサが感知するように、第2のグリッドを通して誘導される。
【0007】
可動レンズによる3次元走査への現在のアプローチの1つの課題は、振動である。特に、より高い周波数では、手持ち走査デバイス中のレンズの動きは、走査デバイスの振動をもたらす可能性がある。これらの振動は、収集されたデータ及び再構成された3D走査のぶれを引き起こす可能性がある。そのような振動を補償するための1つのアプローチは、カウンターウェイトを利用することである。そのようなカウンターウェイトは、レンズと同じ速度で、しかし反対方向に動かされることができる。これは、しかしながら、総質量が増大し、そのため、適切な振動周波数でレンズを動かすことがより困難になるという欠点を有する。
【発明の概要】
【0008】
上記を踏まえて、本発明は、可動レンズを有する歯科用3Dスキャナの画質を改善するという問題に直面する。特に、本発明は、デバイスの軽量構造を可能にするにもかかわらず、口腔内適用のための手持ち走査デバイスの振動を低減することを目的とする。可動レンズの高い振動周波数及び素早い反応は、走査対象に対する手持ちデバイスの手動での動きの補償を可能にするために望まれる。
【0009】
この問題を解消するために、本発明の第1の態様は、歯科用3Dスキャナ中の光学系の焦点を変化させるための装置であって、走査対象に対する焦点の位置を変化させるために、前方反転位置と後方反転位置との間で可動のレンズを有するレンズユニットと、レンズの光軸に平行な誘導軸に沿って、前方反転位置と後方反転位置との間のレンズユニットの動きを誘導するための誘導ユニットと、レンズユニットの動きを駆動するための駆動ユニットと、駆動ユニットは、アンカーと固定子とを有するリニアモータを含み、アンカーは、誘導軸に平行な駆動ユニットの駆動軸に沿って可動であり、固定子は、誘導ユニットに付着される、 を備える、装置に関する。
【0010】
別の態様では、本発明は、3次元走査対象を走査するための歯科用3Dスキャナであって、 上記に規定されたような装置と、 レンズを通過する走査対象からの光信号を検出するための検出器と、 走査対象の周りで3Dスキャナを手動で誘導するための手持ちハウジングと を備える、歯科用3Dスキャナに関する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態が、本願従属請求項に規定されている。特許請求の範囲に記載された歯科用3Dスキャナは、特許請求の範囲に記載されたような、特に、本願従属請求項に規定され、本明細書に開示されたような装置と同様の及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるべきである。
【0012】
本発明の装置は、レンズと、前方反転位置と後方反転位置との間で可動のそれぞれの固定部とを含むレンズユニットを有する。この動きは、誘導ユニットによって、レンズの光軸に平行な方向(誘導軸)に誘導される。レンズのこの動きによって、レンズと歯科用3Dスキャナの光検出器及びプロジェクタとの間の距離が変化する。前方反転位置では距離が増大する。それによって、走査対象に対する焦点の位置が修正される。言い換えれば、走査対象は、異なる深度又は異なる平面で走査される。動きは、リニアモータを有する駆動ユニットによって駆動される。リニアモータの固定子は、誘導ユニットに付着され、アンカーの動きは、レンズユニットに伝達される。通常、レンズは、走査対象を走査している間に振動周波数で振動される。レンズの動きは、それによって、前方反転位置と後方反転位置との間の距離によって制限される。しかしながら、レンズは、より小さい振幅によって動かされることも可能である。
【0013】
本発明は、歯科用3Dスキャナ中のレンズを動かすためにリニアモータを利用するという考えに基づいている。圧電アクチュエータ(圧電音響ドライブ)を用いた以前のアプローチ、即ち、回転動きを直線動きに変換するためのリンク運動に基づくアプローチ、又はボイスコイルアクチュエータに匹敵するアクチュエータをアラインさせるアプローチと比較して、本発明のリニアモータは、レンズの動きの制御を非常に精確且つ正確にすることができるという利点を有する。レンズの動きを走査対象のサイズ及び位置に適合させるために反転点を自由に選ぶことが可能になる。レンズの位置は、対応するセンサによって非常に正確に評価されることができる。更に、レンズユニットの高い加速が可能であり、そのため、高い振動周波数が実現されることができる。その結果、高品質の走査が生成されることができる。
【0014】
好ましい実施形態では、駆動ユニットは、第1の方向へのアンカーの動きが第1の方向とは反対の第2の方向へのレンズの動きに伝達されるように、アンカーの動きとレンズユニットの動きとを結合するための結合具を含む。このことから、リニアモータのアンカーは、レンズユニットの動きによって引き起こされる振動を補償するためのカウンターウェイトとして使用される。別個のカウンターウェイトを必要とする以前のアプローチと比較して、これは、より軽量な構造が得られることができるという利点を有する。更に、アンカーをカウンターウェイトとして利用することによって、レンズユニット及びカウンターウェイトの動きのタイミングが確実にされる。レンズユニットはカウンターウェイトによって駆動されるので、振動は生じ得ない。測定の正確度が改善され、対象の高品質の3次元画像が生成されることができることが確実にされる。
【0015】
ある実施形態では、結合具は、アンカーからレンズユニットに力を伝達するために、アンカーとレンズユニットとを接続するための可撓性接続要素を含む。可撓性接続要素は、好ましくは、スチールストリップを含む。スチールストリップは、スチールテープと呼ばれることもできる。可撓性接続要素は、アンカーの動きを反対方向へのレンズユニットの動きに変換する又は伝える。このために、接続要素は、好ましくは、単一の方向に可撓性があり、そのため、それは、それぞれの偏向の周りで誘導されることができ、その縦軸に対して剛性があり、そのため、圧縮力及び牽引力の両方が、アンカーからレンズユニットに送られることができる。スチールストリップ又はスチールバンドは、そのような特性を有し、このことから、有利に使用されることができる。
【0016】
別の好ましい実施形態では、結合具は、接続要素を張力するための引張要素を含む。引張要素は、好ましくは、ばねを含む。引張要素を利用することによって、アンカーの動きがレンズユニットの動きに円滑に伝達されることを確実にすることが可能になる。接続要素が力を受けて一定に保持される場合、振動は生じない。特に、直線動きが反対方向に反転されるとき、オーバーシュートが妨げられることが重要である。好ましくは、この機能を提供するためにばねが使用される。振動が最小化され、そのため、3次元走査の品質が改善されることが確実にされる。
【0017】
ある実施形態では、結合具は、アンカーの動きを反転させるための反転要素を含む。この反転要素は、好ましくは、玉軸受を含む。アンカーからレンズユニットに動きを伝達するために、方向の変化に対応する偏向を利用することが有利である。この機能を提供するために、高い振動周波数が低い振動で得られるように、摩擦を最小化する玉軸受を利用することが可能である。これは、高速でのレンズユニットの精確な動きが保証されて、生成される3D走査の品質が改善されるという効果を有する。
【0018】
更に別の実施形態では、誘導ユニットは、前方反転位置と後方反転位置との間のレンズユニットの位置を決定するための位置センサを含む。位置センサは、好ましくは、光学距離測定センサを含む。レンズの位置を決定し、それによって、誘導ユニット内の焦点の位置を決定するために位置センサを含むことが可能である。光学距離測定センサは、特に、距離の精確な決定を可能にするレーザセンサ又は同様のものに相当し得る。例えば、位置センサが固定部分に取り付けられることができ、光ビームが誘導ユニットの可動部分に向けられることができる。位置センサを利用することによって、レンズユニットの動きを制御し、レンズユニットの動きを現在の走査対象の位置及び形状に適合させることが可能になる。精確な測定は、走査対象の高品質の3D走査をもたらす。
【0019】
好ましい実施形態では、駆動ユニットは、位置センサのセンサ信号に基づいて、レンズユニットの動きを制御するように構成される。特に、位置センサのセンサ信号を活用してレンズユニットの動きを制御すると有利である。それによって、測定された変数は、制御されることを意図された変数、即ち、焦点又は焦点面の位置を直接示す。アンカーの位置を測定し、アンカーの位置に基づいて制御を実行する代替案は、対照的に、アンカーの動きがレンズの動きに伝達される必要があるため、直接的な制御に対応しないであろう。レンズユニットは、位置センサのセンサ信号を利用することによって焦点又は焦点面位置の直接的な測定が得られるように、レンズに剛性接続される。精確な制御が保証され、そのため、走査品質が更に改善されることができる。
【0020】
更に別の好ましい実施形態では、誘導ユニットは、リニア再循環玉軸受誘導部を含む。レンズユニットは、リニア再循環玉軸受誘導部に係合するための係合要素を含む。リニア再循環玉軸受誘導部は、レンズユニットのそれぞれの部分が誘導軸に沿って誘導されるレールに相当する。摩擦は最小化又は低減され、そのため、レンズユニットの精確且つ迅速な動きが可能になる。これもまた、走査品質が改善されるという効果を有する。
【0021】
更に別の好ましい実施形態では、レンズユニットの質量は、レンズ及びアンカーの加速によって生じる反力を補償するために、アンカーの質力に等しい。好ましくは、レンズユニットの質量は、アンカーの質量に等しくなるように選ばれる。両方の質量が同じであれば、反対方向への動きは完全に補償され、そのため、結果として生じる振動は最小化されるか、又は完全に防止される。それによって、反対方向に動く2つの部分の総質量が等しくなることを確実にするために、レンズユニット又はアンカーのうちのいずれかについての追加の質量(平衡質量)を利用することがオプションとして可能である。手持ちスキャナの最小化された振動は、高品質の3D走査をもたらす。
【0022】
別の好ましい実施形態では、誘導軸に平行なレンズユニットの質量中心線は、誘導軸に平行なアンカーの質量中心線に対応する。可動部分の質量中心線が互いにアラインされることを確実にすることによって、ヒンジ又はトルクモーメントを補償することが可能になる。アンカー及びレンズユニットが互いに対して反対方向に動かされる又は加速されるとき、トルクモーメントが生み出されないことが確実にされる。走査品質は更に改善される。
【0023】
別の好ましい実施形態では、リニアモータは、ブラシレス3相リニアサーボモータである。リニアモータは、好ましくは、固定子に対するアンカーの位置を測定するためのホールセンサを含む。追加のセンサとして、3相リニアサーボモータ中のホールセンサを利用することが可能である。このホールセンサは、特に、サーボモータへの電力入力を制御して精確な制御性を可能にするために使用されることができる。
【0024】
別の実施形態では、アンカーの最大変位は、前方反転位置と後方反転位置との間の距離に等しい。必要とされる構造又は空間は、アンカーの最大変位が前方反転位置と後方反転位置との間の距離に対応する場合に最小化される。2つの可動部分の動きが連結されているので、一方の動きが他方よりも大きな変位を有する必要はない。必要とされる構造空間及び総重量が最小化され、製造コストが低減される。
【0025】
別の好ましい実施形態では、駆動ユニットは、2~20Hz、好ましくは、5~10Hz、特に、7.5Hzの振動周波数で、選択可能な前方振動位置と選択可能な後方振動位置との間で振動するようにレンズユニットの動きを駆動するように構成される。振動は、最大変位で行われる必要はない。より小さい走査対象に対しては、走査対象の寸法が完全にカバーされるように焦点が変化すれば十分である。より小さい振幅を利用する利点は、より高い周波数が得られることができることである。より高い周波数は、走査対象に対する3Dスキャナの動きが補償されることができるという結果をもたらす。リニアモータは、レンズユニットがその間で振動する前方振動位置及び後方振動位置の精確な選択を可能にする。
【0026】
歯科用3Dスキャナの好ましい実施形態では、それは、駆動ユニットを制御するための制御ユニットを備える。制御ユニットは、レンズユニットの動きのパラメータを制御するために、異なるセンサ信号及びユーザ入力(オプション)を利用する。特に、レンズユニットの動きの振動周波数と振幅を調整することが可能になる。
【0027】
本明細書では、光学系の焦点は、焦点面位置に対応する。焦点面の焦点は、画像又は対象が合焦される距離を表す。走査対象は、特に、単一の歯、複数の歯、又は人間の顎であり得る。歯科用3Dスキャナの可動レンズが手持ちハウジングに一体化され、そのため、レンズのより高い振動周波数が3Dスキャナの操作者によって引き起こされるハウジングの動きを補償するために必要とされる他のエリアに、本発明の原理を適用することが可能である。例えば、本発明の原理は、産業用3Dスキャナにも使用されることができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それらを参照して解明されるであろう。添付の図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のある態様に係る歯科用3Dスキャナの概略図を示す。
図2】3Dスキャナ中の可動レンズに基づく測定原理の概略図を示す。
図3】レンズユニットが後方反転位置にある、本発明に係る装置の概略斜視図を示す。
図4】レンズユニットが前方反転位置にある装置の概略斜視図を示す。
図5】装置の概略側面図を示す。
図6】装置の概略上面図を示す。
図7】側面図で質量中心線の位置の概略図を示す。
図8】底面図で質量中心線の位置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1では、本発明に係る3次元走査対象を走査するための歯科用3Dスキャナ10が概略的に例示されている。歯科用3Dスキャナ10は、手持ちハウジング12を含む。例示された例では、手持ちハウジング12は、操作者の手で保持される拡張後方部12aと、患者の口内に挿入される先細前方部12bとを有する。後方部12aにはケーブルが取り付けられており、それを介して、手持ちハウジング12は、例えば、パーソナルコンピュータに相当し得る制御デバイス14に接続されている。歯科用3Dスキャナ10は、その先細前方部12bに窓を有しており、それを光信号が通過して手持ちハウジング12の内側の検出器16に到達することができる。歯科用3Dスキャナ10は、例示された例では制御デバイス14に含まれる制御ユニット18によって制御される。
【0031】
本発明の歯科用3Dスキャナ10は、特に、患者の口内の状況のインサイチュ走査を得るために、歯科医師の手術において又は歯科技工所においても使用することができる。通常、患者の口内の状況は、口腔内で走査される。しかしながら、患者の口の外側の走査対象を走査することも可能である。手持ちハウジング12は、走査対象の周りで3Dスキャナを動かす歯科医又は歯科技工士によって手で誘導される。これは、3D表現を得るためにインサイチュ走査を得ることを可能にする。概略的に例示されているように、データ収集中に走査対象、特に、患者の歯又は顎のライブビジュアライゼーションがスクリーン上に表示されると有利である。
【0032】
例示された実施形態は一例であり、異なるコンポーネントが異なる方法で配置されることも可能であることが理解されるべきである。例えば、手持ちハウジング12が制御ユニット18を含むこと、及び/又は手持ちハウジング12がワイヤレス接続を介して制御デバイス14と接続されることが可能である。また、手持ちハウジング12が歯科用3Dスキャナの全てのコンポーネントを含み、走査対象の画像のみが別個の外部スクリーンに転送されることが可能である。
【0033】
図2では、歯科用3Dスキャナ10の測定原理が概略的に例示されている。歯科用3Dスキャナ10は、レンズ20を有し、検出器16に到達するより前に走査対象22からの光信号がレンズを通過する。走査プロセスは、それによって、可変焦点24に基づいている。焦点24は、焦点面に対応する。焦点24は、走査対象22の空間次元全体がサンプリングされるように変化する。言い換えれば、検出器16によって得られた画像は、3Dスキャナ10又はその検出器16からそれぞれ可変距離で合焦される。測定原理は、それによって、共焦点顕微鏡に対応する。通常、レンズは、焦点を周期的に変化させるために振動する。
【0034】
例示された実施形態では、レンズ20は、前方振動位置20aと後方振動位置20bとの間で動かされる。レンズ20を動かすことによって、焦点24は、走査対象22の上方の第1の位置24aから走査対象22の下方の第2の位置24b又は走査対象22の関心エリアに動かされる。通常、レンズ20は、走査対象22の一定のサンプリングが得られるように、一定の振動周波数で2つの位置間で振動する。歯科用3Dスキャナ10は、走査対象22に対してその位置に固定されず、手動での口腔内適用を可能にするために走査対象22の周りを手動で動かされるので、振動周波数は、それによって、約10Hzである。そのような比較的高い振動周波数を利用することによって、走査対象22に対するスキャナの動きに起因する得られた走査のぶれが回避される。例示された実施形態では、レンズ20と走査対象22との間にミラー26が配置されている。レンズ20の動きは、それによって、本発明に係る光学系の焦点を変化させるための装置28によって得られる。
【0035】
図3及び図4では、本発明の歯科用3Dスキャナ中の光学系の焦点を変化させるための装置28が斜視図で概略的に例示されている。装置28は、レンズ20を有するレンズユニット30と、レンズ20を保持するための対応する保持具32と、レンズユニット30の動きを誘導するための誘導ユニット34と、動きを駆動するための駆動ユニット36とを含む。
【0036】
レンズユニット30は、それによって、全ての可動部分を含む。レンズユニット30は、図4に例示されているような前方反転位置と図3に例示されているような後方反転位置との間で可動である。前方反転位置では、レンズ20と検出器とによって形成される光学系の焦点がレンズから更に離れるように動かされるように、検出器(図示せず)までの距離が増大する。
【0037】
駆動ユニット36は、アンカー40及び固定子42を有するリニアモータ38を含む。アンカー40は、駆動軸44に沿って固定子42に対して動かされる。通常、3相リニアサーボモータが、リニアモータ38として使用される。リニアモータ38は、リニアモータハウジングと一体化され、リニアモータ38の電源を制御するために使用されるセンサ信号を提供するホールセンサ39(図示せず)を含み得る。駆動ユニット36によって引き起こされる動きは、駆動軸44に平行である。それによって、駆動軸44は、レンズ20の光軸46と、レンズユニット30の動きが誘導ユニット34によって誘導される誘導軸48とに平行である。レンズ20の光軸46は、レンズ20の中心を通っている。
【0038】
図3及び図4に例示されているように、前方反転位置と後方反転位置との間のレンズユニット30の直線動きは、アンカー40の動きとは反対方向である。レンズユニット30が前方に動かされるとき、図4に例示されるように、アンカー40は、後方に動かされる。この反対の動きを利用することによって、レンズユニット30が振動するときにその質量によって引き起こされる振動を補償することが可能になる。好ましくは、レンズユニット30の質量は、それによって、最適な振動除去が得られるように、アンカー40の質量と同等である。アンカー40及びレンズユニット30のうちの一方に重量を加えることが可能である。
【0039】
一方では、レンズユニット30は、前方反転位置と後方反転位置との間で動かされることが可能である。それによって、前方反転位置と後方反転位置との距離は、最大変位を表す。しかしながら、リニアモータ38は、レンズユニット30の動きがより小さい変位の対象となるように制御されることも可能である。リニアモータ38の使用は、レンズユニット30の動きが前方反転位置と後方反転位置との間の任意の所望される位置で反転されることができるという利点を有する。これに関して、前方振動位置及び後方振動位置は、レンズユニット30の動きが反転された位置に対応する。前方振動位置と後方振動位置間との間の距離は、前方反転位置と後方反転位置との間の距離よりも小さい。
【0040】
図5では、装置28は、レンズユニット30及び駆動ユニット36の運動を更に説明するために、概略側面図で例示されている。後方向(図5の例示において右側)へのアンカー40の動きを前方向(左側)へのレンズユニット30の動きに変換するためには、その動きを反転させる必要がある。このために、駆動ユニット36の結合具50は、リニアモータ38とレンズユニット30との間に配置される。
【0041】
結合具50は、特に、アンカー40からレンズユニット30に力を伝達する可撓性接続要素52を含み得る。例示された実施形態では、可撓性接続要素52は、より高い振動周波数で反復力を伝達するのに十分に強く、牽引力及び圧縮力の両方を伝えることが可能なスチールストリップである。結合具50は、好ましくは、例示された実施形態では、ばねを備える引張要素54を含む。引張要素54は、可撓性接続要素52に力を加えるために使用され、そのため、この可撓性接続要素52は引張を受けており、振動することなく力を伝達することができる。これは、レンズユニット30の動きが前方反転位置若しくは後方反転位置で、又は前方振動位置若しくは後方振動位置で反転されるときに特に重要である。
【0042】
結合具50は、例示された実施形態では玉軸受を備える反転要素56を更に含む。この反転要素56は、180°の方向変化を通じて可撓性接続要素52を誘導することによってアンカー40の動きを反転させる。例示された実施形態では、2つの玉軸受が使用されている。
【0043】
図6では、誘導ユニット34の機能は、装置28の上面図に基づいて例示されている。誘導ユニット34は、レンズユニット30と駆動ユニット36とを接続する。誘導ユニット34は、リニアモータ38の固定子42に付着される。レンズユニット30とリニアモータ38のアンカー40とは、誘導ユニット34及び固定子42に対して動かされる。
【0044】
例示された実施形態では、誘導ユニット34は、レンズユニット30の係合要素60が誘導される再循環玉軸受誘導部58を含む。リニア再循環玉軸受誘導部58は、それによって、レールに匹敵する機能を果たす。玉軸受を利用することによって、摩擦が最小化され、そのため、高い振動周波数が可能になる。
【0045】
更に、誘導ユニット34は、誘導ユニット34に対するレンズユニット30の位置、特に、横方向位置に関する情報を得ることを可能にする位置センサ62を含む。例示された実施形態では、位置センサ62は、距離を測定する光学センサである。レンズユニット30のこの位置は、レンズの現在位置及び焦点、並びにリニアモータ38のアンカー40の現在位置の直接的な尺度である。位置センサ62のセンサ信号は、直接的なフィードバック及び制御ループが可能になるように、駆動ユニット36を制御するために使用されることができる。特に、特定の前方振動位置及び後方振動位置を指定し、現在位置を制御して、位置センサのセンサ信号に基づいて他方向に動くかどうかを決めることが可能である。それによって、対応する制御は、歯科用3Dスキャナに含まれることもできる又は別個の処理デバイスに外部に配置されることができる制御ユニット中で実行されることができる。
【0046】
図7及び図8では、装置28が、側面図(図7)及び底面図(図8)で概略的に例示されている。歯科用3Dスキャナの振動ももたらす可能性があるトルクモーメント及び回転力を最小化するために、アンカー40の質量中心線64がレンズユニット30の質量中心線66に等しいことが有利である。質量中心線64、66は、それによって、誘導軸に平行である。図7及び図8の2つの異なる図に例示されているように、アンカーの質量中心線64及びレンズユニットの質量中心線66は、側面図及び底面図の両方において等しい。この構成は、トルク力の発生を防止するのを可能にする
【0047】
前述の議論は、単に本開示の例証的な実施形態を開示及び説明しているに過ぎない。当業者によって理解されるように、本開示は、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形式で具現化され得る。それ故に、説明は、例示的であることを意図されているが、本開示の範囲及び他の特許請求の範囲を限定するものではない。本開示は、本明細書の教示の任意の容易に認識可能な変形形態を含めて、本発明の主題が公に献呈されないように、前述の特許請求の範囲の専門用語の範囲を部分的に規定する。
【0048】
特許請求の範囲では、「備える」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を果たし得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 歯科用3Dスキャナ(10)中の光学系の焦点(24)を変化させるための装置(28)であって、
走査対象(22)に対する焦点の位置を変化させるために、前方反転位置と後方反転位置との間で可動のレンズ(20)を有するレンズユニット(30)と、
前記レンズの光軸(46)に平行な誘導軸(48)に沿って、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の前記レンズユニットの動きを誘導するための誘導ユニット(34)と、
前記レンズユニットの前記動きを駆動するための駆動ユニット(36)と、を備え、
前記駆動ユニットは、アンカー(40)と固定子(42)とを有するリニアモータ(38)を含み、前記アンカーは、前記誘導軸に平行な前記駆動ユニットの駆動軸(44)に沿って可動であり、前記固定子は、前記誘導ユニットに付着される、装置(28)。
[2] 前記駆動ユニット(36)は、第1の方向への前記アンカー(40)の動きが前記第1の方向とは反対の第2の方向への前記レンズ(20)の動きに伝達されるように、前記アンカーの動きと前記レンズユニット(30)の動きとを結合するための結合具(50)を含む、[1]に記載の装置(28)。
[3] 前記結合具(50)は、前記アンカー(40)から前記レンズユニット(30)に力を伝達するために、前記アンカーと前記レンズユニットとを接続するための可撓性接続要素(52)を含み、
前記可撓性接続要素(52)は、好ましくは、スチールストリップを含む、
[2]に記載の装置(28)。
[4] 前記結合具(50)は、前記可撓性接続要素(52)を引張するための引張要素(54)を含み、
前記引張要素は、好ましくは、ばねを含む、
[3]に記載の装置(28)。
[5] 前記結合具(50)は、前記アンカー(40)の前記動きを反転させるための反転要素(56)を含み、
前記反転要素は、好ましくは、玉軸受を含む、
[2]~[4]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[6] 前記誘導ユニット(34)は、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の前記レンズユニット(30)の位置を決定するための位置センサ(62)を含み、
前記位置センサは、好ましくは、光学距離測定センサを含む、
[1]~[5]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[7] 前記駆動ユニット(36)は、前記位置センサ(62)のセンサ信号に基づいて、前記レンズユニット(30)の前記動きを制御するように構成される、[6]に記載の装置(28)。
[8] 前記誘導ユニット(34)は、リニア再循環玉軸受誘導部(58)を含み、
前記レンズユニット(30)は、前記リニア再循環玉軸受誘導部に係合するための係合要素(60)を含む、
[1]~[7]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[9] 前記レンズユニット(30)の質量は、前記レンズ(20)及び前記アンカー(40)の加速によって生じる反力を補償するために、前記アンカーの質量に等しい、[1]~[8]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[10] 前記誘導軸(48)に平行な前記レンズユニット(30)の質量中心線(66)は、前記誘導軸に平行な前記アンカー(40)の質量中心線(64)に対応する、[1]~[9]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[11] 前記リニアモータ(38)は、ブラシレス3相リニアサーボモータであり、
前記リニアモータは、好ましくは、前記固定子に対する前記アンカー(40)の位置を測定するためのホールセンサを含む、
[1]~[10]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[12] 前記アンカー(40)の最大変位は、前記前方反転位置と前記後方反転位置との間の距離に等しい、[1]~[11]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[13] 前記駆動ユニット(36)は、2~20Hz、好ましくは、5~10Hz、特に、7.5Hzの振動周波数で、選択可能な前方振動位置(20a)と選択可能な後方振動位置(20b)との間で振動するように前記レンズユニット(30)の前記動きを駆動するように構成される、[1]~[12]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)。
[14] 3次元走査対象(22)を走査するための歯科用3Dスキャナ(10)であって、
[1]~[13]のうちのいずれか一項に記載の装置(28)と、
前記レンズ(20)を通過する前記走査対象からの光信号を検出するための検出器(16)と、
前記走査対象の周りで前記歯科用3Dスキャナ(10)を手動で誘導するための手持ちハウジング(12)と
を備える、歯科用3Dスキャナ(10)。
[15] 前記駆動ユニット(36)を制御するための制御ユニット(18)を備える、[14]に記載の歯科用3Dスキャナ(10)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8