(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】パノラマX線撮影画像を編集するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/51 20240101AFI20240219BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240219BHJP
【FI】
A61B6/51 510
A61B6/46 506Z
(21)【出願番号】P 2021520214
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 EP2019080468
(87)【国際公開番号】W WO2020094756
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】アイヒナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ビュルスブッシュ、マルクス
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0323891(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パノラマX線装置(14)によって生成された検査対象物(12)のパノラマX線撮影画像(24)を編集するためのデバイス(16)であって、
前記パノラマX線撮影画像と、前記パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取るための入力インターフェース(36)を備え、ここで、前記再構成データは、前記パノラマX線装置のX線源(18)とX線検出器(20)との間の前記パノラマX線撮影画像の投影線(28)のコースに関する情報と、前記パノラマX線撮影画像の画像表面(30)に関する情報とを含み、前記デバイス(16)はさらに、
前記再構成データを評価し、前記画像表面との2つの交点(32,34)を有する前記投影線のうちの1つに基づいて、生成された前記パノラマX線撮影画像の画像セクション(46)を決定するための評価ユニット(38)と、
前記決定された画像セクションに基づいて前記パノラマX線撮影画像を編集するための画像編集ユニット(40)と、
前記編集されたパノラマX線撮影画像を出力するための出力ユニット(42)と
を備えることを特徴とする、デバイス(16)。
【請求項2】
前記入力インターフェース(36)は、口腔外パノラマ歯科X線装置から前記パノラマX線撮影画像及び前記再構成データを受け取るように構成される、請求項1に記載のデバイス(16)。
【請求項3】
前記再構成データは、前記投影線(28)に対する前記画像表面(30)の相対的な位置、及び/又は前記検査対象物(12)に対する可動X線源(18)の動きについての記述を含む、請求項1又は2に記載のデバイス(16)。
【請求項4】
前記画像編集ユニット(40)は、前記パノラマX線撮影画像(24)内のセクション、及び/又はスポットにマークを付けるように構成され、
前記マークは、好ましくは、カラータグ及び/又はフレームを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス(16)。
【請求項5】
前記評価ユニット(38)は、前記画像表面(30)との2つの交点(32,34)を有する全ての投影線(28)に対応するマルチパート、特に2パートの画像セクション(46)を決定するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス(16)。
【請求項6】
前記画像編集ユニット(40)は、投影線(28)と前記画像表面(30)との、好ましくは前記X線源に近い第1の交点(32)の画像値を、前記投影線と前記画像表面との第2の交点(34)の画像値から減算するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス(16)。
【請求項7】
前記入力インターフェース(36)は、第1の投影線(28)と前記画像表面(30)との第1の交点(32)に対応する第1のマーキング位置を受け取るように構成され、
前記評価ユニット(38)は、前記第1の投影線(28)と前記画像表面との第2の交点(34)に対応する画像セクション(46)を決定するように構成される、
請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス(16)。
【請求項8】
好ましくは、タッチスクリーン、タッチパッド、タッチペン、及び/又はコンピュータマウスを用いてパノラマX線撮影画像(24)の表示上の位置を選択することによって、前記デバイスのユーザが
第1の交点に対応するマーキング位置(48)を入力するためのユーザインターフェース(44)を有する、請求項7に記載のデバイス(16)。
【請求項9】
前記出力ユニット(42)は、前記編集されたパノラマX線撮影画像(24)をディスプレイ上に出力するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス(16)。
【請求項10】
患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための診断システム(10)であって、
患者の頭部の周りを移動可能なX線源(18)と、前記X線源に固定的に接続されたX線検出器(20)とを有する口腔外パノラマ歯科X線装置と、
請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス(16)と
を有する診断システム(10)。
【請求項11】
前記口腔外パノラマ歯科X線装置は、前記検査対象物(12)に対する前記X線源(18)及び前記X線検出器(20)の位置を変えて生成された複数の単一画像の合成から前記パノラマX線撮影画像(24)を生成するように構成される、請求項10に記載の診断システム(10)。
【請求項12】
パノラマX線装置(14)によって生成された検査対象物(12)のパノラマX線撮影画像(24)を編集するための方法であって、
前記パノラマX線撮影画像と、前記パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取るステップ(S10)を備え、ここで、前記再構成データは、前記パノラマX線装置のX線源(18)とX線検出器(20)との間の前記パノラマX線撮影画像の投影線(28)のコースに関する情報と、前記パノラマX線撮影画像の画像表面(30)に関する情報とを含み、前記方法はさらに、
前記再構成データを評価し、前記画像表面との2つの交点(32,34)を有する前記投影線のうちの1つに基づいて、生成された前記パノラマX線撮影画像の画像セクション(46)を決定するステップ(S12)と、
前記決定された画像セクションに基づいて前記パノラマX線撮影画像を編集するステップ(S14)と、
前記編集されたパノラマX線撮影画像を出力するステップ(S16)と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
プログラムコードが
請求項1に記載のデバイス上で実行されるときに、請求項12に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム
が記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パノラマX線装置によって生成された検査対象物のパノラマX線撮影画像を編集するためのデバイス及び方法に関する。更に、本発明は、患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線検査は、特に、医学において、加えて産業及び他の応用分野において、長年にわたって広く使用されてきた標準的なプロシージャである。X線の吸収は、検査対象物内の様々な厚さの構造によって異なるため、内部構造の画像を生成することができる。そのため、医療診断では、人体の内部を検査することができる。
【0003】
この点で、複数の単一X線画像を生成すること、異なる角度から撮影された数個の画像を合成してパノラマ画像にすること(パノラマX線装置)、又は空間的に異なる投影から3次元モデルを再構成すること(X線断層撮影又はX線コンピュータ断層撮影)ができる。様々な方法では、特に、検査対象物がさらされる放射線のレベルが異なる。
【0004】
歯科学では、一本の歯、歯群、又は顎全体の画像が特に一般的である。検査中にX線放射が人間の頭部を透過するため、使用される放射線のレベルは非常に重要である。ほぼ全ての口腔外科にはX線装置があるが、実施される検査の種類に応じて、異なる機械が使用されたり、異なる画像が生成されたりしてもよい。
【0005】
口腔外パノラマX線装置、すなわち患者の口の中にX線源及び/又はX線レシーバのない装置は、患者の頭部及び顎の周りを移動する。この目的のために、通常、X線源がアームの片側に、X線検出器が反対側に取り付けられている。患者の顎の中の関心領域内で鮮明な画像を生成するために、特定の機械軌道を使用して頭部の周りを移動する。それによって、機械軌道は、パノラマX線撮影画像の画像表面を、数個の角度からのX線放射が透過する対象物内の、鮮明な画像として再現される(フォーカスされる)表面として定義する。
【0006】
パノラマX線撮影画像の使用における課題は、画像アーチファクトの存在である。特に、人間の顎弓のパノラマX線撮影画像を生成するとき、放射線は、軌道のいくつかの領域において、対象の顎だけでなく、反対側にある逆の顎も通過する。この結果、対象の顎の構造に対して、画像内のアーチファクトとして逆の顎の構造が重なり合うこととなる。これにより診断がより困難になる。片側顔面の画像、すなわち顎の半分の画像だけが撮影される場合であっても、そのような逆の顎のアーチファクト(例えば、明るい影又は縞)が見えてしまう。患者の金属性の異物又は他の物体は、更に予期せぬ、場合によっては邪魔な逆の顎のアーチファクトをもたらす可能性がある。
【0007】
この問題を解決するために、機械軌道(軌道曲線とも呼ばれる)を調整することができる。いわゆるアーチファクト低減軌道曲線は、回避できない逆の顎のアーチファクトを、診断に関係のない他の画像セクションに移動させる効果がある。しかしながら、このアプローチでは、顎弓の理想的なX線撮影方向から外れる必要があり、これは、放射線被曝のレベルの上昇及び/又は画質の低下を招く恐れがある。更なるアプローチは、3次元方法の使用である。これに関連して、独国特許出願第102010040096号明細書には、3Dボリュームから画像を生成するための方法が説明されている。ボリューム画像データを有する3Dボリュームから仮想の歯科画像が生成される。まず、3Dボリュームのうちの部分ボリュームが定義され、次いで、このX線撮影方向におけるボリューム画像データのコンピュータ支援算出によってこの部分ボリュームに対して特定のX線撮影方向からの仮想の投影画像が生成される。そのため、逆の顎が関与しない、シミュレートされたパノラマX線撮影画像の算出が可能になる。しかしながら、3D画像の放射線被曝のレベルはより高く、解像度はより低い。
US2009/323891A1は、歯科用断層X線イメージングにおける患者の位置決めを簡便に行うための方法、及び装置を開示している。
EP2594201A1は、パノラマ歯科X線ユニットを開示している。
US2015/254816A1は、イメージアーチファクトの低減及び除去のための混合モダリティデータの調整について開示している。
【0008】
これに基づいて、本発明は、パノラマX線撮影画像に基づく診断を改善することに関する問題に対処する。放射線被曝のレベルは最小限に保たれるものとする。特に、人間の顎弓を検査する可能性が達成されるものとする。
【発明の概要】
【0009】
この問題を解決するために、本発明の態様は、パノラマX線装置によって生成された検査対象物のパノラマX線撮影画像を編集するためのデバイスに関し、このデバイスは、以下を備える:
パノラマX線撮影画像と、パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取るための入力インターフェース、ここで、再構成データは、パノラマX線装置のX線源とX線検出器との間のパノラマX線撮影画像の投影線のコースに関する情報と、パノラマX線撮影画像の画像表面に関する情報とを含む、
再構成データを評価し、画像表面との2つの交点を有する投影線のうちの1つに基づいて、生成されたパノラマX線撮影画像の画像セクションを決定するための評価ユニット、
決定された画像セクションに基づいてパノラマX線撮影画像を編集するための画像編集ユニット、及び
編集されたパノラマX線撮影画像を出力するための出力ユニット。
【0010】
本発明の更なる態様は、患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための診断システムに関し、この診断システムは、以下を備える:
患者の頭部の周りを移動可能なX線源と、X線源に固定的に接続されたX線検出器とを有する口腔外パノラマ歯科X線装置、及び
上で説明したデバイス。
【0011】
本発明の更なる態様は、上で説明したデバイスに従って構成された方法と、プログラムコードがコンピュータ上で実行されるときに、方法のステップを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品、及び、コンピュータ上で実行されるときに、本明細書で説明する方法の実行を達成する、コンピュータプログラムが記憶される記憶媒体とに関する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に説明される。上述した特徴及び後述する特徴は、特定の組合せで使用され得るだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せで又は単独で使用され得ることも理解される。特に、方法及びコンピュータプログラム製品は、従属請求項に説明されるデバイス及び診断システムの実施形態に従って構成され得る。
【0013】
本発明によれば、一方ではパノラマX線撮影画像を受け取り、他方ではパノラマX線撮影画像の再構成データを受け取ることが提供される。パノラマX線撮影画像は特に、それぞれの画像データに対応する。再構成データは、特に、パノラマX線装置の機械軌道と、ラジエータ、スクリーン、及び検出器の、並びに、検査対象物の幾何学的配置(放射線ジオメトリ)とに関する幾何学的情報だけでなく、鮮明な画像が生成された、結果として生じるフォーカス及び/又は画像表面も備える。追加的に、再構成データは、好ましくは、数個の記録されたX線画像から全体画像が生成される基礎となるジオメトリに関する情報を備える。
【0014】
再構成データに基づいて、パノラマX線撮影画像内の画像セクションが決定され得、これは、アーチファクト、特に逆の顎のアーチファクトを含んでいる可能性がある。この画像セクションは、画像表面を2回横切る少なくとも1つの投影線に基づいて生成されたセクションに対応する。それぞれの画像セクションを決定するためには、画像表面と、この画像表面に対する投影線のコースとが既知である必要がある。本発明によれば、決定された画像セクションが編集される。そのため、アーチファクトが存在する可能性のあるパノラマX線撮影画像のセクションが編集される。編集された画像セクションを有するパノラマX線撮影画像が、出力ユニットを介して出力される。
【0015】
パノラマX線撮影画像を表示する既知のアプローチと比べると、本発明によれば、画像セクションは、画像が出力される前に編集される。編集は、評価の前、最中、又は後に行われ得る。特に、編集は、画像に基づく診断の前に行われ得る。放射線被曝のレベルを上げる必要はない。追加画像が生成されるのではなく、既に生成された画像が編集される。診断の精度が向上する。アーチファクトによるパノラマX線撮影画像の評価の低下がそれぞれ回避又は低減される。
【0016】
好ましい実施形態では、入力インターフェースは、口腔外パノラマ歯科X線装置からパノラマX線撮影画像及び再構成データを受け取るように構成される。好ましくは、本発明によるデバイスは、歯科診断の分野で使用される。逆の顎のアーチファクト及び/又はそれぞれの画像セクションを認識することができる。診断の精度が向上する。資格のある医療スタッフは、未確認の逆の顎のアーチファクトによって不正確さがもたらされることなく、人間の顎のパノラマX線撮影画像を評価することができる。
【0017】
更なる有利な実施形態では、再構成データは、投影線に対する画像表面の相対的な位置及び/又は検査対象物に対する可動X線源の動きの記述を備える。これは、例えば幾何学的情報及び/又は座標系を用いた記述によって画像表面の相対的な位置が記述される場合に特に有利である。それぞれの幾何学的情報も、X線源の動きの記述に使用され得る。このような再構成データは、アーチファクトを含んでいる可能性があるパノラマX線撮影画像の画像セクションの効率的な評価及び信頼できる決定を可能にする。好ましくは、X線源は、同じく可動であるX線検出器と固定接続される。
【0018】
更なる有利な実施形態では、画像編集ユニットは、パノラマX線撮影画像内のセクション及び/又はスポットにマークを付けるように構成される。マークは、好ましくは、カラータグ及び/又はフレームを備える。有利には、アーチファクトを含んでいる可能性があるパノラマX線撮影画像内のセクションにマークが付けられる。この目的のために、それぞれのフレーム(円、矩形など)又はカラータグ(例えば黄色の影など)が使用され得る。画像の関連セクションにマークを付けることによって、それぞれこのセクション内又はこのスポット内で画像が評価されるときに、可能なアーチファクトに注意を払うべきであることが示される。この点で、マークを付けることは、評価を簡略化する役割を果たす。
【0019】
有利な実施形態では、評価ユニットは、画像表面との2つの交点を有する全ての投影線に対応するマルチパート、特に2パートの画像セクションを決定するように構成される。特に、アーチファクトを含んでいる可能性があるセクションに完全にマークを付けることが可能である。有利には、画像セクションは、それ相応に、2回、すなわちパノラマX線撮影画像の両側にマークが付けられる。このように編集されたパノラマX線撮影画像が評価されるとき、どのセクションにアーチファクトが存在する可能性があるかがこれによって定義される。
【0020】
有利な実施形態では、画像編集ユニットは、投影線と画像表面との、好ましくはX線源に近い、第1の交点の画像値を、投影線と画像表面との第2の交点の画像値から減算するように構成される。編集は、特に、画像値を減算するステップを備え得る。画像値を減算することにより、アーチファクトを補償し得る。例えば、重み付けが実行され得る。これにより、診断の精度が更に向上する。
【0021】
有利には、入力インターフェースは、第1の投影線と画像表面との第1の交点に対応するマーキング位置を受け取るように構成される。更に、評価ユニットは、第1の投影線と画像表面との第2の交点に対応する画像セクションを決定するように構成される。追加的に、入力インターフェースを介してマーキング位置を受け取り得る。これに基づいて、次いで、反対側の対応する画像セクションが決定される。マーキング位置と決定された反対側のセクションとを同時に見ることによって、可能なアーチファクトの発生源を表すこの反対側のセクション内の可能な構造に関する印象を得ることができる。これに基づいて、マーキング位置のセクション内の物体がアーチファクトに起因する(traced back to)可能性があるかどうかを直ちにチェックすることができるため、改善された診断が可能になる。診断が更に簡略化される。信頼性が向上する。
【0022】
有利な実施形態では、デバイスは、デバイスのユーザがマーキング位置を入力するためのユーザインターフェースを備える。好ましくは、マーキング位置は、タッチスクリーン、タッチパッド、タッチペン、及び/又はコンピュータマウスを用いてパノラマX線撮影画像の表現上の位置を選択することによって入力され得る。ユーザ、例えば評価を行う資格のある医療スタッフのメンバーが入力を行い、この入力について、可能なアーチファクトが発生し得る反対側の画像セクションが存在するかどうかとその場所とを直接表示することが可能になる。そのため、パノラマX線撮影画像内に目立った物体があるケースでは、この目立った物体が反対側のアーチファクトによって引き起こされたものであるどうかを、直接かつ対話的に明らかにすることができる。
【0023】
ある実施形態では、出力ユニットは、編集されたパノラマX線撮影画像をディスプレイ上に出力するように構成される。好ましくは、コンピュータベースの出力が可能である。これは、ユーザとの対話を可能にする。更に、拡大などのコンピュータ支援表示の機能が使用され得る。
【0024】
診断システムの更なる有利な実施形態では、パノラマ歯科X線装置は、複数の単一画像の合成からパノラマX線撮影画像を生成するように構成される。複数の単一画像は、検査対象物に対するX線源及びX線検出器の位置を変えて生成される。数個の単一画像を記録して構成したパノラマ歯科X線装置のデータを使用することが特に有利である。診断の精度が向上し得る。
【0025】
ここでは、検査対象物は、有機物であっても無機物であってもよい。特に、人間の身体部分が検査され得る。好ましくは、人間の顎の領域が検査対象物として検査される。パノラマX線撮影画像は、特に、デジタル画像データの形態で利用可能であり得る。投影線のコースは、特に、パノラマX線装置の座標系内の幾何学的仕様に従い得る。投影線は、X線源とX線検出器との間の想像上の線(imagined line)に対応する。特に、投影線は、ここでは、距離にわたって扇状に広がる光線として理解される。投影扇形(projection fan)又は投影円錐(projection cone)は、有利には、数個の投影線を備える。特に、投影線のコースは、扇形又は円錐の幾何学的記述を備え得、及び/又は、表し得る。これに応じて、交点はまた、ここでは、空間的な拡張を特徴とし、その限りにおいて交差領域に対応し得る。本発明によるパノラマX線撮影画像の編集は、単一ピクセル又は画像値の編集を備え得る。患者の頭蓋顎顔面領域は、特に、患者の顎及び/又は顎弓の領域(歯領域)を説明する。
【0026】
本発明は、以下の添付の図面に関連していくつかの選択された実施形態を用いてより詳細に記述され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための本発明による診断システムの概略図を示す。
【
図2】顎関節を完全には表現していないパノラマX線画像の概略図を示す。
【
図3】本発明による診断システムにおける検査対象物の上面図の概略図を示す。
【
図6】本発明によるパノラマX線撮影画像の概略図を示す。
【
図7】本発明による更なるパノラマX線撮影画像の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための本発明による診断システム10を例示する。診断システム10は、パノラマX線装置14と、パノラマX線装置14によって生成されたパノラマX線撮影画像を編集するためのデバイス16とを備える。特に、歯科診断で使用するパノラマX線装置14(パノラマ歯科X線装置)が示されている。
【0029】
図示される例示的な実施形態では、患者の頭部が検査対象物12として検査される。検査対象物12の周りを移動可能なX線源18は、検査対象物12を透過してX線検出器20が受けるX線放射を放出する。X線源18及びX線検出器20は、それぞれの回転可能な円弧22(アームとも呼ばれる)を介して固定的に接続される。通常、円弧22は、検査対象物12より上の位置に回転可能又は回転自在に取り付けられている。X線源18及びX線検出器20は、機械軌道に沿って検査対象物12の周りを移動する。この機械軌道は、円形軌道に対応する必要はない。図示される例示的な実施形態では、デバイス16はパノラマX線装置14に組み込まれている。デバイス16が他の場所に配置されることも可能である。例えば、デバイス16は、完全に又は部分的に別個の評価コンピュータに組み込まれ得る。デバイス16は、完全に又は部分的にソフトウェアに実装され得る。デバイスをクラウドサービスとして実装することも可能である。
【0030】
図2は、パノラマX線装置を用いて生成され得る患者の顎弓26の例示的なパノラマX線撮影画像を示す。図示される例示的な実施形態では、パノラマX線撮影画像24は、X線源及び接続されたX線検出器が検査対象物の周りを移動する間に記録された複数の単一画像の合成に対応する。
【0031】
図3には、X線検出器20及びX線源18が、それぞれ、検査対象物12又は患者の頭部の周りを移動する様子が示されている。この図は、鳥瞰図からの上面図に対応する。特に、z軸(
図1参照)に対して垂直な平面での断面が示されている。
【0032】
図示されているように、投影線28は、X線源18からX線検出器20に走っている。投影線28は想像上の線に対応し、ここで、投影又は光線ジオメトリはまた、扇状の広がり(fannning out)と、それぞれの投影扇形又は投影円錐とに基づき得る。投影扇形又は投影円錐は、それぞれがここでは、数個の投影線28と見なされる。
【0033】
パノラマX線撮影画像を生成している間のX線源18及びX線検出器20の移動は、通常、所定の機械軌道に沿って生じ、この機械軌道は、ほとんどの場合、円形軌道に対応しない。顎弓26の鮮明な画像を生成するためには、画像表面30が可能な限り顎弓26の領域内にあることが必要である。画像表面30は、顎弓26の鮮明な画像を生成するために、光線ジオメトリ、軌道曲線、及び再構成に基づいて決定された表面に対応する。
【0034】
概略的に図示されているように、投影線28が画像表面30と2回交差する、そのため、X線源の近傍にある第1の交点32と、X線源から離れている第2の交点34とを備えるセクションが存在する。画像表面は、大部分が、X線源から離れている(センサ又は検出器の近傍にある)第2の交点34側に位置している。投影線28がそれぞれ第2の交点34又はX線検出器20に到達する前に第1の交点32で画像表面30と1回交差するという事実のため、投影線28の第2の交点34に対応するパノラマX線撮影画像の画像セクションにはオーバーレイが存在する。歯科X線技術の分野では、結果として生じるアーチファクトは、逆の顎のアーチファクトとして説明される。
【0035】
図4は、空間表現で画像表面30の概略図を例示する。画像表面30からX線源18及び/又はX線検出器20までの距離は、この距離に応じて鮮明なパノラマ画像が得られるが、パノラマ画像が生成されている間、ほとんど一定ではない。換言すると、像点又は画像表面はそれぞれ、X線源18及びX線検出器20の位置によって定義される。位置、形状、及びコースに関する画像表面30の初期特性は、特に、X線源18及びX線検出器20が機械軌道に沿って検査対象物の周りを移動することから生じる。そのため、一方では、画像表面30は、パノラマ歯科X線装置のジオメトリに依存し、他方では、選択された光線ジオメトリと、軌跡に特有な再構成(再構成データ)とに依存する。再構成を記述するために、検査対象物に対するX線源の動きの幾何学的記述及び/又は幾何学的データを用いた画像表面の記述が特に使用され得る。多くの場合、特定のパラメータ内でパノラマ歯科X線装置の機械軌道を予め決定することと、その結果、画像表面の特性に影響を与えること及び/又はそれを定義することとが可能である。例えば、X線装置に対する患者の頭部の固定された位置に基づいて、可能な限りカスタマイズされたX線源及びX線検出器の円運動を実現するために、大人の場合とは異なる機械軌道が子供に対して使用され得る。
【0036】
図5は、本発明によるデバイス16を概略的に例示する。デバイスは、入力インターフェース36と、評価ユニット38と、画像編集ユニット40と、出力ユニット42とを有する。任意選択で、本発明によるデバイス16は、ユーザインターフェース44も備える。異なるユニットは、特に、プロセッサ、プロセッサモジュール、又はプロセッサ用のソフトウェアとして構成され得る。本発明によるデバイス16は、部分的に又は完全にソフトウェア及び/又はハードウェアに実装され得る。例えば、デバイス16は、X線装置に組み込まれ得るか、又はソフトウェアの形態で評価コンピュータに実装され得る。
【0037】
入力インターフェース36を介して、パノラマX線撮影画像と、パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取る。入力インターフェース36は、例えば、プラグ接続としてハードウェアに実装され得る。しかしながら、入力インターフェース36が、データを受け取るためのそれぞれのソフトウェアインターフェースとして構成されることも可能である。パノラマX線撮影画像自体は、好ましくは、それぞれのパノラマX線装置によって生成されたデジタル画像データ(ピクセル値及び/又は画像値)を備える。特に、パノラマX線撮影画像が数個の単一画像に基づいて再構成された後に、画像データを受け取る。その限りにおいて、本発明によるデバイス及び/又は本発明による診断システムのデータ処理は、(デジタル)パノラマセンサを使用して取得されたX線データに基づく。
【0038】
パノラマX線撮影画像の実際の画像データに加えて、入力インターフェース36は、再構成データを受け取るように構成される。再構成データは、投影線のコースに関する情報と、画像表面に関する情報とを備える。特に、投影線のコース及び画像表面の幾何学的記述を有する再構成データを受け取ることが可能である。例えば、ユークリッドもしくは他の座標系において又は他の方法で幾何学的記述を受け取り得る。
【0039】
画像表面との2つの交点を有する投影線に基づいて生成されたパノラマX線撮影画像の画像セクションを識別するために、受け取った再構成データが評価ユニット38において評価される。換言すると、画像平面の位置に基づいて、パノラマX線撮影画像のどの画像セクションが、投影線と画像表面との二重交点によるアーチファクトの影響を受ける可能性があるかが算出される。異なる数学幾何学的方法がこの目的のために使用され得る。特に、画像表面のより複雑なジオメトリに対して近似的な考察を使用することが可能である。
【0040】
画像編集ユニット40では、画像内の決定されたセクションが編集される。特に、編集とは、個々のピクセルの濃淡値及び/又は色値の調整を意味するものと理解される。例えば、決定された画像セクションは、各ピクセル値に色を加えることによってマークが付けられ得る。決定されたセクションの周りにフレームを生成することや、他の形式で編集を実行することも可能である。
【0041】
これは、アーチファクトの完全な又は部分的な補償が実行される場合に特に有利である。この目的のために、投影線と画像表面との第2の交点の画像値が、投影線と画像表面との第1の交点の画像値から減算され得る。換言すると、パノラマ画像のそれ自体への再投影が実行され得る。それによって、画像内で少なくとも部分的な補償が生成されるため、アーチファクトが低減される。
【0042】
出力ユニット42は、編集されたパノラマX線撮影画像を出力するように構成される。特に、出力ユニット42は、編集されたパノラマX線撮影画像が表示されるそれぞれのディスプレイデバイス、例えば(タッチスクリーン)ディスプレイに直接接続され得る。例えば、ディスプレイは、口腔外科に接続され得る。
【0043】
任意選択のユーザインターフェース44を介して、ユーザ、例えば歯科医又は資格のある医療スタッフのメンバーが位置(マーキング位置)を定義することが可能であり、評価ユニットにおいて、マーキング位置において画像表面との第1の交点を有する投影線の関連する反対側の及び/又は第2の交点に対応する画像セクションが自動的に識別される。そのため、例えば、コンピュータマウス又はタッチスクリーンを用いて画像セクションにマークを付けるか又はそれをクリックすることと、次いで、どのセクションから対応するアーチファクトが生じ得るかを直接視覚化することとが可能になる。その限りにおいて、画像内の帰属不可能な物体がアーチファクトに対応する可能性があるかを対話的に明らかにすることができる。
【0044】
図6及び
図7は、それぞれ、決定され編集された画像セクション46又は決定された画像セクション46に基づいて編集されたパノラマX線撮影画像24の2つの例を示す。決定された画像セクション46は、2パート(
図7)又は1パート(
図6)の画像セクションであり得る。マルチパートの画像セクション46が決定されることも可能である。
【0045】
図6では、比較的小さい1パートの画像セクション46、例えば単一の画像スポットが決定されることが示されている。この目的のために、資格のある医療スタッフとの対話が、ユーザインターフェースを介して行われ得る。例えば、マーキング位置48が、タッチスクリーン又はコンピュータマウスを用いて選択され得、次いで、顎の反対側の部分にある対応する反対側のスポットが、自動的に画像セクション46として定義され得る。そのため、資格のある歯科スタッフは、特定の構造について、どのセクションから逆の顎のアーチファクトが生じる可能性があるかを直接見ることができる。これに基づいて、現在検査されている構造が、現在検査されている顎の部分に全く由来しない可能性があるかどうかを認識することができる。マーキング位置48としてセクションを選択することも可能であることが理解される。
【0046】
図7では、より大きな2パートの画像セクション46も決定され、編集され得ることが示されている。特に、画像表面との2つの交点を有する全ての投影線に対応する画像セクション46が決定され得る。アーチファクトの影響を受ける可能性があるパノラマX線撮影画像の2つのセクションにマークを付ける。マークを付けることは、着色によって行われ得るか又はフレーミングによっても行われ得る。マークを付けることに基づいて、邪魔な又は容易に認識可能でない任意の物体がアーチファクトによって生じている可能性があることを、評価中に直接考慮することができる。
【0047】
図6及び
図7は各々、パノラマX線撮影画像の2次元ビューを示す。本発明による決定された画像セクションの処理及び編集が、パノラマX線撮影画像の3次元ビューで相応して実行され得ることが理解される。
【0048】
図8は、本発明による方法を概略的に示す。方法は、パノラマX線撮影画像を受け取るステップS10と、再構成データを評価し、画像セクションを決定するステップステップS12と、パノラマX線撮影画像を編集するステップS14と、編集されたパノラマX線撮影画像を出力するステップS16とを備える。本発明による方法は、例えば、診断システム用のソフトウェアとして、又は独立型ソフトウェアとしても実装され得る。
【0049】
これらの図では、歯科学の分野での本発明の使用を特に取り扱った。例えば医療用又は工業用のX線撮影などの他の分野内での使用も可能であることは理解される。
【0050】
本発明は、図及び説明を用いて包括的に記述及び説明されたものである。記述及び説明は、例として見なされるべきであり、範囲を限定するものと見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。当業者にとって、他の実施形態又は変形例は、本発明の使用から、並びに図、説明、及び以下の特許請求の範囲の徹底した分析から得られる。
【0051】
特許請求の範囲では、単語「備える(comprise)」及び「含む(include)」は、更なる要素又はステップの存在を除外するものではない。不定冠詞「a」又は「an」は、複数の存在を除外するものではない。単一の要素又は単一のユニットが、特許請求の範囲に記載されたユニットのうちの数個のユニットの機能を実行する可能性がある。要素、ユニット、デバイス、及びシステムは、部分的又は全体的に、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装され得る。いくつかの手段が数個の異なる従属特許請求項で言及されているというだけでは、これらの手段の組合せが有利に使用されることもできないという趣旨に理解されるべきではない。コンピュータプログラムは、不揮発性データキャリア、例えば光メモリデバイス又はソリッドステートドライブ(SSD)に記憶/分散され得る。コンピュータプログラムは、ハードウェアと共に及び/又はハードウェアの一部として、例えばインターネット上で又はワイヤバウンドもしくはワイヤレス通信システムを介して、分散され得る。特許請求の範囲における参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] パノラマX線装置(14)によって生成された検査対象物(12)のパノラマX線撮影画像(24)を編集するためのデバイス(16)であって、
前記パノラマX線撮影画像と、前記パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取るための入力インターフェース(36)と、ここで、前記再構成データは、前記パノラマX線装置のX線源(18)とX線検出器(20)との間の前記パノラマX線撮影画像の投影線(28)のコースに関する情報と、前記パノラマX線撮影画像の画像表面(30)に関する情報とを含み、
前記再構成データを評価し、前記画像表面との2つの交点(32,34)を有する前記投影線のうちの1つに基づいて生成された前記パノラマX線撮影画像の画像セクション(46)を決定するための評価ユニット(38)と、
前記決定された画像セクションに基づいて前記パノラマX線撮影画像を編集するための画像編集ユニット(40)と、
前記編集されたパノラマX線撮影画像を出力するための出力ユニット(42)と
を備えるデバイス(16)。
[2] 前記入力インターフェース(36)は、口腔外パノラマ歯科X線装置から前記パノラマX線撮影画像及び前記再構成データを受け取るように構成される、[1]に記載のデバイス(16)。
[3] 前記再構成データは、前記投影線(28)に対する前記画像表面(30)の相対的な位置、及び/又は前記検査対象物(12)に対する可動X線源(18)の動きについての記述を含む、[1]又は[2]に記載のデバイス(16)。
[4] 前記画像編集ユニット(40)は、前記パノラマX線撮影画像(24)内のセクション、及び/又はスポットにマークを付けるように構成され、
前記マークは、好ましくは、カラータグ及び/又はフレームを含む、
[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)。
[5] 前記評価ユニット(38)は、前記画像表面(30)との2つの交点(32,34)を有する全ての投影線(28)に対応するマルチパート、特に2パートの画像セクション(46)を決定するように構成される、[1]~[4]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)。
[6] 前記画像編集ユニット(40)は、投影線(28)と前記画像表面(30)との、好ましくは前記X線源に近い第1の交点(32)の画像値を、前記投影線と前記画像表面との第2の交点(34)の画像値から減算するように構成される、[1]~[5]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)。
[7] 前記入力インターフェース(36)は、第1の投影線(28)と前記画像表面(30)との第1の交点(32)に対応する第1のマーキング位置を受け取るように構成され、
前記評価ユニット(38)は、前記第1の投影線(28)と前記画像表面との第2の交点(34)に対応する画像セクション(46)を決定するように構成される、
[1]~[6]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)。
[8] 好ましくは、タッチスクリーン、タッチパッド、タッチペン、及び/又はコンピュータマウスを用いてパノラマX線撮影画像(24)の表示上の位置を選択することによって、前記デバイスのユーザがマーキング位置(48)を入力するためのユーザインターフェース(44)を有する、[7]に記載のデバイス(16)。
[9] 前記出力ユニット(42)は、前記編集されたパノラマX線撮影画像(24)をディスプレイ上に出力するように構成される、[1]~[8]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)。
[10] 患者の頭蓋顎顔面領域を検査するための診断システム(10)であって、
患者の頭部の周りを移動可能なX線源(18)と、前記X線源に固定的に接続されたX線検出器(20)とを有する口腔外パノラマ歯科X線装置と、
[1]~[9]のうちのいずれか一項に記載のデバイス(16)と
を有する診断システム(10)。
[11] 前記口腔外パノラマ歯科X線装置は、前記検査対象物(12)に対する前記X線源(18)及び前記X線検出器(20)の位置を変えて生成された複数の単一画像の合成から前記パノラマX線撮影画像(24)を生成するように構成される、[10]に記載の診断システム(10)。
[12] パノラマX線装置(14)によって生成された検査対象物(12)のパノラマX線撮影画像(24)を編集するための方法であって、
前記パノラマX線撮影画像と、前記パノラマX線撮影画像の再構成データとを受け取るステップ(S10)と、ここで、前記再構成データは、前記パノラマX線装置のX線源(18)とX線検出器(20)との間の前記パノラマX線撮影画像の投影線(28)のコースに関する情報と、前記パノラマX線撮影画像の画像表面(30)に関する情報とを含み、
前記再構成データを評価し、前記画像表面との2つの交点(32,34)を有する前記投影線のうちの1つに基づいて生成された前記パノラマX線撮影画像の画像セクション(46)を決定するステップ(S12)と、
前記決定された画像セクションに基づいて前記パノラマX線撮影画像を編集するステップ(S14)と、
前記編集されたパノラマX線撮影画像を出力するステップ(S16)と
を備える方法。
[13] プログラムコードがコンピュータ上で実行されるときに、[12]に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。