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特許7439080位置検出器、ドアの開放検出装置、および関連する方法
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  • 特許-位置検出器、ドアの開放検出装置、および関連する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】位置検出器、ドアの開放検出装置、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/16 20060101AFI20240219BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20240219BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20240219BHJP
   H01H 13/18 20060101ALN20240219BHJP
【FI】
G01V8/16
G02B26/08 E
H01H35/00 R
H01H35/00 V
H01H35/00 L
H01H13/18 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021527041
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 FR2019052664
(87)【国際公開番号】W WO2020099765
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】1860470
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521210036
【氏名又は名称】イフォテック
【氏名又は名称原語表記】IFOTEC
(73)【特許権者】
【識別番号】521209720
【氏名又は名称】リッジマウント、テクノロジーズ、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RIDGEMOUNT TECHNOLOGIES LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、ピーターズ
(72)【発明者】
【氏名】マーク、リンバート
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、ボノミーニ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン、シラン
(72)【発明者】
【氏名】ジル、ビレット
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-259082(JP,A)
【文献】実開昭56-038307(JP,U)
【文献】特開2004-220899(JP,A)
【文献】特開平03-233820(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0347674(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G02B 6/35
26/00-26/08
H01H13/00-13/88
35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の位置を監視するための位置検出器(1)であって、
信号を提供する光ファイバ(4)を受容するように設計された入力部(3)を規定する本体(2)と、
監視対象の前記物体の位置を表す出力信号を提供する出力部と、を備え、
前記位置検出器(1)は、
前記本体(2)内において前記入力部(3)に対して第1ミラー位置と第2ミラー位置との間で移動可能であるように装着されたミラー(5)であって、前記第1ミラー位置または前記第2ミラー位置は、前記入力部(3)から前記出力部への前記光信号の伝送を確保して前記物体の位置を表す前記出力信号を形成し、前記第1ミラー位置および前記第2ミラー位置のうちの他方のミラー位置は、前記光信号の前記出力部への伝送を妨げる、ミラー(5)と、
前記本体(2)に装着された第1バネ(6)であって、前記ミラー(5)を前記第1ミラー位置に配置するように構成された第1バネ(6)と、
前記本体(2)に対して移動方向に沿って第1エンドピース位置と第2エンドピース位置との間で移動可能であるエンドピース(7)であって、監視対象の前記物体と協働するように設計されるとともに、前記ミラー(5)に機械的に接続されたエンドピース(7)と、
を備え、これにより、
前記エンドピース(7)が前記第1エンドピース位置にあるとき、前記ミラー(5)は前記第1ミラー位置にあり、
前記エンドピース(7)が前記第2エンドピース位置にあるとき、前記ミラー(5)は前記第2ミラー位置にあり、
前記エンドピース(7)の前記第1エンドピース位置から前記第2エンドピース位置への変位により、前記ミラー(5)は前記第1ミラー位置から前記第2ミラー位置に移動し、これにより前記ミラー(5)は、前記光信号の伝送を確保するミラー位置において、前記光ファイバ(4)に当接するようになる、
ことを特徴とする、位置検出器(1)。
【請求項2】
前記ミラー(5)は、前記第1ミラー位置と前記第2ミラー位置との間で並進移動するように装着される、
請求項1に記載の位置検出器(1)。
【請求項3】
第2バネ(8)が、前記ミラー(5)および前記エンドピース(7)に装着され、前記第2バネ(8)は、前記エンドピース(7)を前記第1エンドピース位置に向けて移動させるように構成される、
請求項1および2のいずれかに記載の位置検出器(1)。
【請求項4】
前記本体(2)をフック部材に取り付けるためのシステムを備え、
取り付けるための前記システムは、前記本体(2)を取り囲む2つの突出要素(9)を備え、
2つの前記突出要素(9)は、前記入力部(3)と前記エンドピース(7)とを接続する方向に沿って距離を置き、
2つの前記突出要素(9)のうちの少なくとも一方は、前記本体(2)に対して取り外し可能に装着される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の位置検出器(1)。
【請求項5】
前記入力部(3)は、前記位置検出器(1)から出力された前記出力信号が前記光ファイバ(4)を通るように、前記出力部を形成する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の位置検出器(1)。
【請求項6】
前記エンドピース(7)から突出するストッパ(10)を備え、
前記ストッパ(10)は、前記ストッパ(10)の前記エンドピース(7)に対する前記移動方向に沿った延在範囲を調節するように、調整可能に装着される、
請求項1~5のいずれか一項に記載の位置検出器(1)。
【請求項7】
前記物体と、請求項1~6のいずれかに記載の位置検出器(1)と、を備える筐体であって、
前記物体は、第1物体位置と第2物体位置との間で移動可能であり、
前記位置検出器(1)は、
前記物体が前記第1物体位置にあるとき、前記エンドピース(7)は前記第1エンドピース位置にあり、
前記物体が前記第2物体位置にあるとき、前記エンドピース(7)は前記第2エンドピース位置にあり、
前記物体の前記第1物体位置から前記第2物体位置への移動により、前記エンドピース(7)は前記第1エンドピース位置から前記第2エンドピース位置に移動するように、
配置される、
筐体。
【請求項8】
前記物体は、ドア、窓、またはハッチである、
請求項7に記載の筐体。
【請求項9】
前記筐体は、複数の光ファイバを備えた光学的結合ノードである、
請求項8に記載の筐体。
【請求項10】
第1物体位置と第2物体位置との間で移動可能な物体の位置を検出するための方法であって、
請求項1~6のいずれか一項に記載の位置検出器(1)を提供するステップと、
前記物体を前記第1物体位置から前記第2物体位置に移動させることにより、前記ミラー(5)を前記第1ミラー位置から前記第2ミラー位置に移動させて、前記出力信号を変化させるステップと、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体位置検出器、ドアの開放検出装置、およびこのような検出器または検出装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの分野で、2つの異なる位置の間で移動可能である物体、例えば、開閉可能なドアや窓の位置を把握することが非常に有利である。
【0003】
ドアの開放状態と閉鎖状態との間で変化する電気量を識別するように、ドアに容量式、誘導式または磁気式の電気コンタクタを設置することが知られている。
【0004】
この解決法は、技術的制約の少ない住宅部門で安価で簡単に設置できるため、関心をひくものである。しかしながら、このような検出器構造は、監視する必要のある建物やドアや窓のそれぞれに給電しなくてはならないため、多くの状況で実現が非常に困難であるように思われる。
【0005】
この場合、センサへの電力供給と、センサにより制御ステーションに供給される信号の処理が問題となる。
【0006】
光信号を使用する位置センサの使用も知られている。一般的に、センサは、電力が供給される光源を有する。センサは、光源からの光信号を受信する光検出器と関連付けられる。検出器にも、電力が供給される。
【0007】
ドアの移動は、その移動によって光センサが光信号の受信を停止したときに検出され得る。従来的に、センサは可動部に装着され、光源は固定的に装着されている。この逆も可能である。さらに、ドアの移動により光信号の受信が遮断されるように、光源およびセンサを固定した態様で配置することが可能である。
【0008】
ここでも、監視対象の各ドアに関連付けられた光源およびセンサに電力を供給する必要があるように思われる。
【0009】
このような解決法は、位置を把握すべきドアが制御ステーションから遠距離にある場合や、特にドアが電圧源の近傍にない場合には実現できない。
【0010】
このような解決法は、非常に多数のドアを監視する必要がある場合には想定できない。なぜならば、使用される技術がどのようなものであっても、検出器に給電するために多大な電力を消費することになるからである。これは、爆発性物質や可燃性物質を受容するように設計された筐体等の限定された空間に検出器を設置しなければならない場合にも同様である。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、より簡単に様々な構成で使用可能な受動型センサ装置を提供することである。
【0012】
このニーズは、
-第1光信号を提供する光ファイバを受容するための入口を規定する本体と、
-監視対象の物体の位置を表す信号を提供する出力部と、
を備える物体の位置を監視するための位置検出器により解決され得る。
【0013】
位置検出器は、
-前記本体内において前記入力部に対して第1位置と第2位置との間で移動可能であるように装着されたミラーであって、前記第1位置または前記第2位置は、前記入力部から前記出力部への前記光信号の伝送を確保して前記物体の位置を表す光信号を形成し、前記第1位置および前記第2位置のうちの他方の位置は、前記光信号の前記出力部への伝送を妨げる、ミラーと、
-前記本体に装着された第1バネであって、応力のない状態で前記ミラーを前記第1位置に配置するように構成された第1バネと、
-前記本体に対して移動方向に沿って第1位置と第2位置との間で移動可能であるエンドピースであって、監視対象の前記物体と協働するように設計されるとともに、前記ミラーに機械的に連結されたエンドピースと、
を備え、これにより、
-前記エンドピースが前記第1位置にあるとき、前記ミラーは前記第1位置にあり、
-前記エンドピースが前記第2位置にあるとき、前記ミラーは前記第2位置にあり、
-前記エンドピースの前記第1位置から前記第2位置への移動により、前記ミラーは前記第1位置から前記第2位置に移動する、
点で卓越している。
【0014】
一実施形態において、前記ミラーは、前記第1位置と前記第2位置との間で並進移動するように装着される。
【0015】
有利には、第2バネが、前記ミラーおよび前記エンドピースに装着され、前記第2バネは、前記エンドピースを前記第1位置に向けて移動させるように構成される。
【0016】
特定の実施形態において、前記検出器は、前記本体を固定ポイントに固着するためのシステムを備え、固着するための前記システムは、前記本体を取り囲む2つの突出部材を備え、2つの前記突出部材は、前記入口と前記エンドピースとを接続する方向に沿って距離を置き、2つの前記突出部材のうちの少なくとも一方は、前記本体に対して取り外し可能に装着される。
【0017】
前記入力部は、前記位置検出器の前記出力部における前記光信号が前記光ファイバを通るように、前記出力部を形成するようにすることが有利である。
【0018】
さらなる発展例において、前記検出器は、前記エンドピースから突出するストッパを備え、前記ストッパは、前記ストッパの前記エンドピースに対する前記伝播方向に沿った前記延在範囲を調節するように、調整可能に装着される。
【0019】
また、本発明は、前記物体により閉鎖される開口部が設けられた筐体であって、上述の実施形態のうちの1つによる前記位置センサを備えた筐体に関し、前記位置検出器は、
-前記物体が前記第1位置にあるとき、前記エンドピースは前記第1位置にあり、
-前記物体が前記第2位置にあるとき、前記エンドピースは前記第2位置にあり、
-前記物体の前記第1位置から前記第2位置への移動により、前記エンドピースは前記第1位置から前記第2位置に移動するように、
配置される。
【0020】
好適には、前記筐体は、複数の光ファイバを備えた光学的結合ノードである。
【0021】
本発明の他の目的は、実施の簡単な、物体の位置を検出するための方法である。
【0022】
検出するための前記方法は、
-上述の構成のいずれかによる位置検出器を提供するステップと、
-前記物体を前記第1位置から前記第2位置に移動させることにより、前記ミラーを前記第1位置から前記第2位置に移動させて、前記出力信号を変化させるステップと、
を備える点で卓越している。
【0023】
さらなる利点および特徴が、非限定的な例として挙げられ添付図面を参照して例示される以下の特定の実施形態についての説明から明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の一実施形態による物体位置検出器、および位置検出器に設置する前の光ファイバの概略側面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による位置検出器を、エンドピースが第1位置にある状態で、長手方向断面図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、位置検出器1を示し、位置検出器1は、光ファイバ4を受容するようになる入力部3を規定する本体2を有している。光ファイバ4は、位置検出器1を流れる光信号を提供する。位置検出器1は、関連付けられた物体の位置を表す出力信号を提供する。出力信号は、光信号である。
【0026】
本体2は、有利には、光ファイバ4に装着された結合部材4aと協働するヘッド2aを備えている。
【0027】
位置検出器1は、本体2内に入口3に対して移動可能に装着されたミラー5を備えている。ミラー5は、第1位置と第2位置との間で移動する。第1位置または第2位置は、入力部3から出力部への光信号の伝送を許可して、物体の位置を表す信号を提供する。第1位置および第2位置のうちの他方の位置は、光信号の出力部への伝送を妨げる。物体の位置は、光信号が提供されるか否かによって定義される。
【0028】
このような構成により、位置検出器1の出力部に存在する出力信号を検出する、または検出しないことにより、監視対象の物体が第1位置にあるか、または第2位置にあるかを判定することができる。
【0029】
ミラー5は2つの位置の間で移動することにより、入力信号に対応する出力信号を提供する。このようにして、位置検出器1は、光源を不要とすることができる。この構成により、光源を非常に遠方の距離まで、具体的には、位置検出器を含むエリアにはないかもしれない、電力が供給されるエリアまで移動させることが可能になる。有利には、検出器には光信号センサがない。
【0030】
ミラー5を使用することにより、光源や光センサを備えない受動型装置を形成することができる。これにより、その設置が電流源を使用せずに可能になる。
【0031】
有利には、ミラー5は、光ファイバ4に接触する伝送路5aとリフレクタ5bとを有している。光信号は、伝送路5aからリフレクタ5bで反射する。出力信号のより良好な伝送および非伝送を実現するように、伝送路5aおよびリフレクタ5bを可動とすることが有利である。有利には、伝送路5aは、光ファイバにより形成される。光ファイバは非常に薄いコアを有するワイヤであって、有利にはガラスまたはプラスチック製の光伝導性を有するワイヤである。コアは、保護シースで覆われている。
【0032】
第1バネ6が本体2内に装着されている。第1バネ6は、ミラー5を第1位置に配置するように構成されている。バイアスのない状態において、第2位置にあるミラー5は、第1位置に復帰する。
【0033】
また、検出器1は、本体2に対して移動方向において第1位置と第2位置との間で移動可能であるエンドピース7を含んでいる。エンドピース7は、監視対象の物体と協働するように設計されている。エンドピース7は、本体2から突出し、有利には本体内で摺動してミラー5を移動させる。
【0034】
エンドピース7は、ミラー5に機械的に接続されており、
-エンドピース7が第1位置にあるとき、ミラー5は第1位置にあり、
-エンドピース7が第2位置にあるとき、ミラー5は第2位置にあり、
-エンドピース7の第1位置から第2位置への変位により、ミラー5は第1位置から第2位置に変位する。
【0035】
有利には、ミラー5は、第1位置と第2位置との間において並進移動のみが可能であるように装着される。並進移動するように装着されたミラーを使用することにより、ミラー5が回転可能に装着される構成と比較して、小型で実現が簡単でありながらより耐性のある位置検出器1を作製することができる。
【0036】
図2に示す実施形態において、第2バネ8が、ミラー5およびエンドピース7に装着されている。第2バネ8は、エンドピース7を第1位置に移動させるように構成されている。ミラー5をエンドピース7に直接的に装着しないように設けることが、特に有利である。実際に、ミラー5がエンドピース7に直接的に取り付けられている場合、例えばドアがエンドピース7に激しくぶつかったとき、エンドピース7が受けるすべての衝撃がミラー5に多くの衝撃をもたらし、これにより、ミラー5が劣化したり、検出器1の他の部品や光ファイバ4に接触したりする場合がある。そこで、ミラー5とエンドピース7との間に装着される弾性要素、例えば、第2バネを設置することが有利である。
【0037】
エンドピース7を第1から第2位置に移動させるようにエンドピース7に付与される応力は、ミラーを第1位置から第2位置に移動させるようにミラーに付与される応力を生じさせる。弾性手段8は、最初の応力の一部を吸収し、ファイバとミラーとの接触領域に大きな応力を与えることなくミラーを移動させる。
【0038】
弾性要素8の硬度は、エンドピース7の移動を完全に吸収することでミラー5の移動を妨げることがないように選択される。過度に柔軟な材料を使用することは避けることが重要である。同じ論理により、過度に剛性が高く変形がゼロまたは低い材料の使用も避けるべきである。この場合、弾性要素8がない構成になってしまう。
【0039】
第1バネ6および第2バネ8は、ミラー5に反対方向の力を付与するように配置される。ただし、ミラー5を光ファイバ4から遠ざかるように移動させて、例えばドアの開放をより簡単に検出するためには、第2バネ8の及ぼす力が第1バネ6の及ぼす力より大きいことが特に有利である。バネ6の剛性より大きい剛性を有するバネ8を使用することにより、エンドピース7が移動したとき、ミラー5をファイバ4に近づけることができるとともに、これを反射位置、好適には最適な反射位置に配置することができる。ミラー5がファイバ4に接触した後は、エンドピース7または監視対象の要素の過剰な移動が両バネに吸収され、ミラー5とファイバ4との接触面に過度の応力が付与されることが回避されるため、ミラー5の早期摩耗が防止される。
【0040】
第1バネ6の剛性と同じ範囲にある剛性を有する弾性要素8を有することが有利である。好適には、第2バネ8は、第1バネ6の10倍未満の剛性を有し、より好適には5倍未満の剛性を有し、さらに好適には2倍未満の剛性を有する。
【0041】
有利には、第1バネ6と弾性要素8とは、ミラー5により離間している。
【0042】
好適には、バイアスのない状態において、第1バネ6は、ミラー5を、入力部3に供給される光信号が出力部に到達しない位置に移動させる。光ファイバ4が入力部3に設置された場合、ミラーが第2位置にあるとき、ミラー5は光ファイバに当接するようになるが、検出器の他のストッパには当接しないようにすることも有利である。
【0043】
換言すれば、バイアスのない状態において、第1バネ6がミラー5を光ファイバ4から距離を置くように移動させる。これにより、エンドピース7が第1位置から第2位置に移動するとき、ミラー5は第1位置から、ミラー5と光ファイバ4との接触により規定される第2位置に移動する。この構成により、光ファイバ4の検出器1へ組み込むとき、第2位置の適応がより良好になる。
【0044】
ミラー5は光ファイバ4に対して力を加えず、光ファイバ4に付与される力は、第2バネ8の剛性によって規定されることに留意されたい。
【0045】
図示の実施形態において、ミラー5は、光信号を光ファイバ4から受信する入力部3が、信号を、出力部を形成する入力部に送り返すように配置されている。換言すれば、ミラー5は、出力信号を光ファイバ4に送り返すように配置されている。
【0046】
ミラー5の反射面は、光ファイバ4の長手方向軸に対して垂直に、または光ファイバ4の長手方向軸に対して実質的に垂直に配置されている。有利には、伝送路5aと光ファイバ4との接触は、APC(Angled Physical Contact)タイプである。好適には、光ファイバ4および伝送路5aは、光ファイバ4の長手方向軸に対して垂直ではない面をそれぞれ有している。有利には、光ファイバ4の端面と伝送路5aとの間の角度オフセットは、光ファイバ4の長手方向軸に対して垂直な面に対して、5°~12°の角度だけオフセットしている。したがって、入射ビームと反射ビームとの共役偏差により、ファイバ4と伝送要素5aの面の間の距離の関数として、減衰が非常に速く増加し得る。この減衰は、入射ビームおよび反射ビームを発散させる。なぜならば、面の角度を理由として、ファイバ4に固有のフレネル反射がファイバに伝導しないからである。
【0047】
一部の実施形態において、ミラー5により反射した信号を、ミラー5の長手方向変位と組み合わせた光ファイバ4に対するミラー5の回転によって、または/およびミラー5を含むチャンバ壁の反射防止処理によって、さらに減衰させることができる。
【0048】
反射防止処理を施したレンズが同一の機能を非接触で果たすように挿入された特定の実施形態を提供することが、さらに想定され得る。好適には、レンズは、拡張ビームを形成するように構成され、レンズは、エンドピース7の位置の関数に応じて移動し、これにより、ビームの形状が変更されて、エンドピース7の少なくとも2つの位置が識別される。
【0049】
光出力信号を受信する光ファイバ4を使用することにより、検出器1のコンパクト性が向上する。光ファイバの他端部には、光信号を生成する装置であって、光ファイバ4から到来する光信号を検出可能な装置が設けられている。したがって、光ファイバ4の他端部に配置されたユーザは、位置検出器1に到達する光信号を発信する。エンドピース7の位置に応じて、光信号が出力部に送り返される、または送り返されない。これにより、ユーザは、エンドピース7の位置、そしてエンドピース7の前方にある協働する物体の位置を知ることができる。
【0050】
位置検出器1は、ドア、窓、または開閉可能な他の物体等の監視対象の物体と協働するエンドピース7の位置を表す出力信号を提供する。好適には、位置検出器1は、固定して装着され、物体が移動することでエンドピースを移動させる。あるいは、検出器が移動する物体に装着されて、エンドピース7が固定要素と協働する。監視対象の物体が可動であり、位置検出器も可動要素に装着されるようにすることも可能である。
【0051】
有利には、検出器1は、その設置を簡単にするように、本体2をフック装置に取り付けるためのシステムを備えている。取り付けるためのシステムは、本体2を取り囲む2つの突出要素9を備えている。2つの突出要素9は、入口3とエンドピース7とを接続する方向に沿って間隔を置いている。2つの突出要素9のうちの少なくとも一方は、本体2に対して取り外し可能に装着されている。
【0052】
検出器1の設置は、検出器を貫通孔に挿入することによりなされる。この貫通孔は、本体2の寸法より大きく、2つの突出要素9の寸法より小さい。2つの突出要素9をクランプすることにより、検出器1は堅固に設置され、そのエンドピース7は、位置を監視すべき物体と協働することになる。
【0053】
有利には、2つの突出要素9の間の距離や検出器の支持体へのクランプ力を調節するように、突出要素9の一方または両方が本体2にねじ留めされている。
【0054】
有利には、検出器1は、エンドピース7に装着されたストッパ10を含む。ストッパ10は、ストッパ10が監視対象の物体に接触するように、エンドピース7から突出している。ストッパ10は、物体の移動に伴うエンドピース7の本体2内への嵌入に対応するように、エンドピース7の表面から多少延在するように構成されている。例えば、ストッパは、回転可能にねじ山に装着されることで、ストッパ10のエンドピース7に対する延在範囲が調整される。
【0055】
このような位置検出器1は、給電されない筐体のドア、窓、および/または、アクセスハッチやマンホールカバーのような開口部を探知するのに特に有利である。位置検出器を、マンホールカバーや、潜水艦または不沈艦のドアに設置可能であることが期待される。船の壁に穿孔することは非常に複雑であることが分かっている。したがって、船の壁に穴を開けずに済むこの技術を使用することは非常に有利である。
【0056】
このような検出器を、複数の光ファイバを有する光学的結合ノードであって、給電されないことが多い光学的結合ノードで使用することは、非常に有利である。
【0057】
このような検出器は、爆発性物質および/または可燃性物質を受容することが意図された筐体、および給電式検出器の使用が禁止されている、またはその実施が非常に困難である筐体の開閉を監視するのにも非常に有利である。
【0058】
このような検出器は、湿った環境、または水没した環境にあるドア、窓、ハッチの開閉を監視するのにも非常に有利である。
【0059】
図示の実施形態において、検出器は受動型である、すなわち、電源がない。検出器は、光信号を提供する光ファイバ4に接続される。この同一の光信号が、光ファイバ内で再び発信される、または発信されないことで、エンドピース7の位置を識別することができる。
【0060】
光信号に関連付けられた光ファイバ4の使用は、非常に有利である。なぜならば、光源が、検出器から数百メートル、さらには数十キロメートル、例えば10キロメートル以上離れていてもよいからである。
【0061】
また、エンドピースの位置、したがって監視対象の物体の位置を示す信号は光信号であるため、複数の検出器から到来する様々な信号を多重化することにより、非常に多くの物体を簡単に管理することができると思われる。
【0062】
検出器の動作は、以下のように呈示され得る。使用される検出器は、上述の種々の実施形態のうちの1つによる検出器である。
【0063】
物体が第1位置から第2位置に移動すると、エンドピース7の第1位置から第2位置への変位、および、これによりミラー5の第1位置から第2位置への変位が生じる。ミラー5の移動により、出力信号に変化が生じる。光出力信号の形態の出力信号は、移動により消滅し得る。あるいは、変位により光信号が出現してもよい。
【0064】
上述のように、物体が第2位置から第1位置に移動したとき、エンドピースも第2位置から第1位置に移動し、ミラーも同様である。出力信号の状態が変化する。
【0065】
例えば、介入時、筐体が開放されることにより、検出器1が供給する出力信号の状態が変更される。状態変化は、時間マーカーに関連付けられ得る。介入が終了すると、筐体は再び閉鎖され、これにより検出器1が供給する出力信号の状態が変更される。この状態変化は、時間マーカーに関連付けられ得る。介入時間は、2つの状態変化の間の時間である。これにより、介入の正確な継続時間を知ることができる。また、筐体が適切に閉鎖されていないかどうかを検出することもできる。
【0066】
検出器には電気が供給されないが、本体に可動ミラーが装備されているため、検出器は頑丈な検出器となっている。
【0067】
有利には、物体がその期待される位置にある場合、例えば、ドアや窓、および一般的に開口部が閉鎖している場合、検出器は出力光信号を発信する。光信号がないということは、開口部が開放している、または検出器か光源が故障していることを表す。
【0068】
有利には、光ファイバ4が本体2内に設置された後、位置検出器1は埃や液体に対してシールされる。
図1
図2