(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】プラットフォーム及び固定要素を有するタワー要素
(51)【国際特許分類】
F03D 13/20 20160101AFI20240219BHJP
F03D 13/30 20160101ALI20240219BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
F03D13/20
F03D13/30
E04H12/00 Z
(21)【出願番号】P 2021536108
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2019086515
(87)【国際公開番号】W WO2020127867
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-20
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514130633
【氏名又は名称】ヴェスタス ウィンド システムズ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ウルゴー,ボーエ
(72)【発明者】
【氏名】モーテンセン,ペーター シグフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ユール,イェンス
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/155521(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02884027(EP,A1)
【文献】国際公開第2010/109251(WO,A1)
【文献】再公表特許第2009/150716(JP,A1)
【文献】特開2017-002729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
E04H 5/00- 5/12; 7/00- 7/32;12/00-14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン発電機のタワー用
のタワー要素であって、
中空管状要素と、
前記中空管状要素の内面上のフランジと、
ユニットと、
を有し、
前記ユニットは、
プラットフォームと、
前記プラットフォームに取り付けられた
複数の固定要素と、
を有し、
前記ユニットは前記フランジに対して配置され、
前記フランジは、前記中空管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を防止し、
前記中空管状要素の軸に直交する軸に沿った少なくとも1つの方向への前記プラットフォームの移動が許容される、
ことを特徴とするタワー要素。
【請求項2】
前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に平行な軸に沿った第1の方向への前記ユニットの移動を阻止する第1の接触点と、
前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に平行な軸に沿った第2の方向への前記ユニットの移動を防ぐ第2の接触点と、
を含む少なくとも2つの接触点で前記ユニットは前記フランジに当接し、
前記第2の方向は前記第1の方向と反対であり、前記第1の接触点から前記第2の接触点へのベクトルを前記中空管状要素の軸上に投影することによって形成されるベクトルは、前記第1の方向と平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載のタワー要素。
【請求項3】
前記フランジは、前記中空管状要素の前記軸に沿った第1の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対的な移動を防ぎ、前記固定要素は、前記第1の方向において前記フランジを越えて延在する部分を含むように、前記ユニットが前記中空管状要素に対して配置されることによって、
及び、
前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の方向であって、前記第1の方向と反対である第2の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対的な移動を防ぐように、前記第1の方向において前記フランジを越えて延在する前記部分の少なくとも一部分が配置されるように前記固定要素が回転されることよって、
前記フランジは、前記中空管状要素の前記軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を防ぎ、及び
前記プラットフォームの移動は、前記中空管状要素の前記軸に直交する軸に沿った少なくとも1つの方向に許容されるように、
前記ユニットは前記フランジに対して配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタワー要素。
【請求項4】
前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に平行な軸に沿った第1の方向において前記フランジを越えて延在する前記部分の少なくとも一部分が、前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の方向であって、前記第1の方向と反対である第2の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対的な移動を防ぐように配置されるように、前記固定要素は回転され、
前記固定要素は、ボルト
の中心軸の周りで前記固定要素を回転させることによって備えられ、
前記第1の方向において前記フランジを超えて延在する前記部分は、前記固定要素の別の部分よりも前記
ボルトの前記中心軸からさらに離れて延在する、
ことを特徴とする請求項
3に記載のタワー要素。
【請求項5】
水平破線が、前記中空管状要素の前記軸に沿った第1の間隔内の前記固定要素の第1の部分と、前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の間隔内の第2の部分とを分離し、
前記第2の部分の
一方の側部は、前記第1の部分よりも前記
ボルトの中心軸から離れて延在する、ことを特徴とする請求項4に記載のタワー要素。
【請求項6】
前記ユニット及び前記フランジは、中間嵌め又は締まり嵌め
を形成する、ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載のタワー要素。
【請求項7】
前記ユニットは、前記中空管状要素の前記軸と
平行な軸を有す
るボルトを備え、前記ボルトは、少なくとも前記固定要素及び前記プラットフォームのそれぞれの表面と交差し、前記固定要素の前記プラットフォームに対する、前記中空管状要素の前記軸に対して直交する方向における相対的な並進運動を防止する、ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載のタワー要素。
【請求項8】
前記固定要素は、
前記中空管状要素の前記軸に沿った第1の間隔内の第1の部分であって、第1の
径方向(v1)において第1の距離(d1)よりも前記ボルトからさらに離れていて、
ボルトの軸から離れていて、
前記中空管状要素の前記軸から離れてい
る部品を含まない、第1の部分と、
前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の間隔内の第2の部分であって、前記第1の間隔と前記第2の間隔とが重なり合わず、第2の距離(d2)よりも前記第1の
径方向において前記ボルトより離れた部分を含む、第2の部分と、
を有し、
ここで、前記第2の距離は前記第1の距離より、10mm以上、20mm以上、30mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、70mm以上、80mm以上、90mm以上、又は、100mm以上、大きい、
ことを特徴とする請求項7に記載のタワー要素。
【請求項9】
前記第1の部分は、第2の
径方向(v2)において第3の距離(d3)よりも前記ボルトから離れた部分を含み、前記第2の
径方向は、
前記ボルトの前記軸から離れる方向であり、
前記ボルトの軸の周りの第1の角度方向に対して、角度間隔
が-10度から-80度、又は10度から80度であり、
ここで、前記第3の距離は前記第1の距離より
、10mm以上、20mm以上、30mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、70mm以上、80mm以上、90mm以上、
又は、100mm以上、大きい、
ことを特徴とする請求項8に記載のタワー要素。
【請求項10】
前記第2の部分は、第3の
径方向(v3)において第4の距離(d4)よりも前記ボルトから離れた部分を含まず、前記第3の
径方向は、
前記ボルトの前記軸から離れる方向であり、
前記ボルトの軸の周りの第1の角度方向に対して、前記ボルトの前記軸の周りにおいて
、角度間隔
が10度から-10度だけ異なり、
ここで、前記第4の距離は、前記第2の距離よりも
、10mm以上、20mm以上、30mm以上、40mm以上、50mm以上、60mm以上、70mm以上、80mm以上、90mm以上、
又は、100mm以上、小さい、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のタワー要素。
【請求項11】
前記プラットフォームは、前記ボルトを収容するための穴を有し、前記穴は壁によってその軸の周りにおいて画定され
、前記壁に溝があり、ばね又はOリング
が、前記ボルトと前記壁との間
の前記溝に配置され、前記ボルト
に静摩擦力及び復元力
の少なくとも何れかを作用させて、前記ボルトに閾値力を超える力が加えられない場合は前記ボルトを定位置に保持する、ことを特徴とする請求項7から10までのいずれか一項に記載のタワー要素。
【請求項12】
前記フランジは前記中空管状要素の前記軸を囲む、ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載のタワー要素。
【請求項13】
前記フランジは、前記中空管状要素の端部間に配置され、前記中空管状要素の前記軸に平行な軸に対して各端部から離れて配置される、ことを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載のタワー要素。
【請求項14】
風力タービン用
のタワーであって、前記タワーは、請求項1から13までのいずれか一項に記載の1つ以上のタワー要素を含むことを特徴とするタワー。
【請求項15】
請求項14に記載のタワーを含むことを特徴とする風力タービン。
【請求項16】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の、
風力タービン発電機用のタワー用のタワー要素に、プラットフォームを設ける方法であって、
中空管状要素と、
前記中空管状要素の内面上のフランジと、
前記プラットフォームと、前記プラットフォームに取り付けられる複数の固定要素
と、を含むユニットと、
を備えるステップを含み、
前記方法は、さらに
前記フランジが前記中空管状要素の軸に沿った第1の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対移動を阻止し、前記固定要素が前記第1の方向において前記フランジを超えて延在する部分を有するように、前記中空管状要素に対して前記ユニットを配置するステップと、
前記第1の方向において前記フランジを越えて延在する部分の少なくとも一部分が、前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対的な移動を防ぐように配置されるように、前記固定要素を回転するステップと、ここで、前記第2の方向は前記第1の方向と反対であり、
前記固定要素を
前記フランジは、前記中空管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を防止し、
前記プラットフォームの移動は、前記中空管状要素の前記軸に直交する軸に沿う少なくとも1つの方向に許容される、
位置に固定する、プラットフォームに対して前記固定要素を固定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記中空管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を阻止するように前記プラットフォームに対して前記固定要素を固定することは、
前記フランジに当接する際の接触力によって前記固定要素の一部がブロックされること
により、それによってその後、前記固定要素に対する反対方向のトルクを受動的に加えることにより、さらなる回転が阻止される角度位置へ前記固定要素を回転させること
、及び、
前記プラットフォームの一方の側のボルトに能動的にトルクを加えることによってボルトを回転させること、
によって実行されることを特徴とする請求項16に記載のタワー要素を提供するため方法。
【請求項18】
前記中空管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を阻止するように前記プラットフォームに対して前記固定要素を固定することは、前記中空管状要素の軸
が水平に対して-45度から45度の角度範囲内
、水平に対して-10度から10度の角度範囲内、又は、水平の状態で実行されることを特徴とする請求項16又は17に記載のタワー要素を提供するための方法。
【請求項19】
前記ユニットを提供するステップは、
複数の固定要素を前記プラットフォームに固定することを含み、ここで、ボルトの軸周りの前記固定要素の回転が、前記ボルトの軸周りの重力によって加えられるトルク(tg)を超える閾値トルク(tr)に打ち勝つ必要があるように、各固定要素は前記ボルトを介して前記プラットフォームに固定され、
前記固定要素を回転させるステップは、
前記ボルトへの着手点が前記固定要素に対して前記プラットフォームの反対側にあ
り、前記ボルトに前記閾値トルクを超える適用トルク(ta)を加え、それによってボルト及び前記固定要素を回転させることを含む、
ことを特徴とする請求項16から18までのいずれか一項に記載のタワー要素を提供するための方法。
【請求項20】
前記中空管状要素の前記軸が水平
である向きで前記タワー要素を提供することと、
続いて、
前記プラットフォームと前記中空管状要素との間に、前記中空管状要素の軸に直交する平面であって、前記プラットフォームと交差する平面内に、ゴムボール又
はゴムチューブ
を緩衝要素
として配置することを含むことを特徴とする、
請求項16から19までのいずれか一項に記載のタワー要素を提供するための方法。
【請求項21】
前記中空管状要素の内面にフランジを備え、
前記フランジを前記中空管状要素の前記内面に溶接
によって取り付けるステップを含む、
ことを含むことを特徴とする請求項16から20までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記中空管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向への前記プラットフォームの移動を阻止するように前記固定要素を前記プラットフォームに対して固定した後に前記タワー要素が輸送される、ことを特徴とする請求項16から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の方向において前記フランジを越えて延在する前記部分の少なくとも一部分が、前記フランジが前記中空管状要素の前記軸に沿った第2の方向における前記フランジに対する前記ユニットの相対的な移動を防ぐように配置されるように前記固定要素を回転させることは、前記固定要素をボルト
の中心軸の周りで回転させることによって提供され、前記第1の方向において前記フランジを越えて延在する前記部分は、前記固定要素の別の部分よりも前記
ボルトの前記中心軸から離れて延在する、ことを特徴とする請求項16から22までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タワー要素に関し、より具体的には、固定要素及び対応するタワーを有するタワー要素、風力タービン、ならびにプラットフォームを有するタワー要素を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力タービン用のタワー要素などのタワー要素は、プラットフォームを備えることができ、プラットフォームは、機器及び人員を支持するのに有利であり、及び/又は、例えば液体に対する障壁を形成し得る。しかしながら、プラットフォームの設置は、多くのリソースが必要であり、プラットフォームを設置する人員を傷つける危険を伴うため、最適に実行することができない。
【0003】
従って、改善されたタワー要素、タワー、風力タービン、及びプラットフォームを備えたタワー要素を提供するための方法は、特に、上述の問題の一部又は全部を克服し、より少ないリソースしか必要とせず、及び/又は、より少ない危険性で、及び/又は、より良好に機能する設備を可能にするタワー要素、タワー、風力タービン、及び方法に有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題を克服し、より少ない資源しか必要とせず、及び/又は、少ない危険性で、及び/又は、より良好に機能する設備を可能にするタワー要素、タワー、風力タービン及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、上述の目的及びいくつかの他の目的は、本発明の第1の態様において、風力タービン発電機用タワーのタワー要素などのタワー要素を提供することによって得られることが意図される。
【0006】
タワー要素は、
- 中空管状要素、
- 中空管状シェルの内面上のフランジ、
- プラットフォーム、プラットフォームに取り付けられた複数の固定要素などの固定要素、を含むユニット、
を含む。
【0007】
ここで
- ユニットはフランジに対して配置されているので、
- フランジは、管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防止する。
【0008】
また、
- プラットフォームの移動は、管状要素の軸に直交する軸に沿って、少なくとも1つの方向、例えば2つの並進方向に許容される。
【0009】
本発明は、特に(限定されることはないが)、タワー要素の中空管状要素の軸に平行な方向の移動に関して(単一の)フランジに設置及び固定され、それにも関わらず前記軸に直交する少なくとも1つの方向に移動することができるプラットフォームを有するタワー要素を得るのに有利である。
【0010】
本発明の考えられる利点は、中空管状要素の軸に沿ったプラットフォームの位置が(単一の)フランジによって固定されることである。これは、単一のフランジへの取り付けを介してプラットフォームの設置を実行可能にすることにとって、中空管状要素が任意の向き(軸が実質的に水平などの非鉛直であるような軸)にあるときにプラットフォームの設置を実行することを可能にすることにとって、及び/又は、プラットフォームが設置されたタワー要素の輸送を可能にすることにとって、有利である。
【0011】
別の考えられる利点は、ユニットがフランジに取り付けられることであり、フランジは、例えば複数のブッシングよりも(多くのスポットのようなスポットの溶接、チェック、及び塗料の調製は、フランジ溶接と比較して、より時間が必要)中空管状要素に取り付けることがより簡単であり得ることに留意されたい。従って、(単一の)フランジへの取り付けは、例えば、中空管状要素の内側へのフランジの溶接(フランジ溶接は、比較的簡単な自動化可能なプロセスとして行うことができる)の単純さのために、必要とされる作業の量を減少させることができる。これは特に中空管状要素の大きな内径に関連し、例えば前記直径は2メートル以上、例えば4メートル以上、例えば6メートル以上、例えば8メートル以上、例えば10メートル以上である。任意選択で、前記直径は、いずれの場合でも12メートル以下であってもよい。
【0012】
別の可能な利点は、(単一の)フランジに対する固定は、1回の操作で簡単にフランジに当接するようにユニットを配置することができるので、ブッシングから吊り下げられたプラットフォームの場合には、溶接されたブッシングとプラットフォームとの間の固定要素のような固定要素を調整する必要がないことである。
【0013】
別の可能な利点は、プラットフォームの移動が、管状要素の軸に直交する軸に沿って、2つの並進方向などの少なくとも1つの方向に許容されることである。これは、タワー要素を有するタワーが、ユニットを動かすことなくある程度振動することを可能にし、及び/又は、タワーの断面形状が、(例えば、保管、輸送、設置、及び/又は、使用中に)ユニットを変形又は応力を加えることなくいくらか非円形にすることを可能にし得る。別の考えられる利点は、ユニットが中空円形要素の内壁から該壁から離れる方向に加えられる力を受けることができるので、これらの力は、ユニットを中空管状要素の中心に効果的に(自動的に)位置決めするように機能することができることである。この効果的に集中する力は、接触力から生じる摩擦及び応力が損傷、摩耗、及び/又は、ノイズを引き起こし得るユニットが中空管状要素の内壁と接触したままであることを回避するのに有利であり得る。
【0014】
別の考えられる利点は、フランジ自体が、例えば中空管状要素を変形させるために必要とされる力が増加するように、タワー要素を構造的に強化する働きをすることができることである。従って、中空管状要素はより硬くなり、製造楕円率を低減する働きをなし、これは、同様に、製造プロセスを補助し、公差を低減することを可能にする。
【0015】
「中空の管状要素」は、タワー要素又はタワー要素のシェルとして好適な要素と理解され得る。中空管状要素は、その軸に沿って少なくとも15メートル、例えば少なくとも20メートル、例えば少なくとも30メートル、例えば少なくとも36メートル延在してもよい。任意選択で、前記中空管状要素は、いずれの場合でも、その軸に沿って最大40メートルで延在してもよい。中空管状要素は、特にタワーの要素として適していると理解されてもよく、要素は、タワーのサイトにおいて地面レベル、及び/又は、海面レベルの上に配置される。中空管状要素は、中空管状要素の軸を含む平面内の断面などで回転対称などの実質的に回転対称であり、円対称などの回転対称であると理解され得る。
【0016】
「中空管状要素の軸」は、中空管状要素が実質的に回転対称、例えば回転対称である軸のような長手方向軸であると理解される。
【0017】
「プラットフォーム」とは、中空管状要素内に取り付けられ、要員、及び/又は、設備を運ぶためのプラットフォームとして機能するのに適した構造要素として理解することができる。これは、管状要素の内側断面の少なくとも50%を覆うようなかなりの量にわたって延在することができる。金属で作られてもよい。
【0018】
「固定要素」とは、フランジに対してプラットフォームを少なくとも部分的に(例えば、管状要素の軸に沿った少なくとも一方向で)固定するようにフランジ及びプラットフォームと相互作用するように配置される構造要素と理解される。「固定要素」は、少なくとも1GPaのヤング率を有するなど、「剛性」が通常使用中に非変形であるなどの実用的な目的のために剛性を持つと理解される場合など、剛性構造要素であると理解され得る。固定要素は一体構造であってもよく、又は可逆的もしくは永久的に一緒に結合されたいくつかの部分を備えていてもよい。固定要素は、ナイロン又はポリオキシメチレン(POM)などのポリマーを含んでいてもよく、又は、それらから成っていてもよい。固定要素は、[60~240mm]×[45~180mm]×[25~100mm]の範囲内の寸法(例えば、管状要素に対して径方向×接線方向×軸方向)を有してもよい。あるいは、固定要素は、[100~400mm]×[75~300mm]×[25~100mm]の範囲内の寸法(例えば、方向X×Y×Zにおいて、Zはボルトを収容するための穴と平行)を有してもよい。
【0019】
「ユニット」とは、フランジ及び中空管状要素がない場合でさえ、例えば、密着(coherent)(すなわち、一緒に保持)していてもよく、密着(coherent)(例えば、ボルトを介して接合)のままであってもよい要素と理解される。プラットフォーム及び固定要素を備えるユニットを有することの利点は、フランジ及び中空管状要素の不在下で前記ユニットを組み立てることが可能になり、その結果、単一の操作で(管状要素に取り付けられた)フランジにユニットを取り付けることができることである。これは、第1の動作においてプラットフォームをフランジに配置し、第2の動作において固定ユニットを取り付けることとは対照的である。ユニットは、例えば、プラットフォームのハッチなどを介してユニット、エレベータ、梯子、及び階段を横切るための開口、又はユニットの反対側の要素の検査のための開口などを含むことができる。ユニットは特に、プラットフォームと複数の固定要素とを備えてもよく、複数の固定要素はそれぞれボルトによってプラットフォームに取り付けられる。
【0020】
「フランジ」は、物体上の突出(及び任意選択で平坦な)リム、カラー、又はリブなど、当技術分野で一般的なものとして理解され、取り付けのために機能するものであり、強度を高めるためのフランジに必ずしも限定されない。フランジは、一体構造要素のような密着した要素であると理解される。フランジは、中空管状要素の軸を、360度取り囲む、及び/又は、軸の周りに閉ループを形成するなど、実質的に取り囲むと理解される。フランジは、中空管状要素の軸を含む平面における断面での回転対称などの実質的に回転対称であり、円対称などの回転対称であると理解される。フランジは、中空管状要素の端部に対する最小距離が、中空管状要素の軸に沿った中空管状要素の全長の少なくとも1%、例えば少なくとも5%、例えば少なくとも10%、例えば少なくとも15%、例えば少なくとも20%、例えば少なくとも25%であるように、及び/又は、中空管状要素の端部に対する最小距離が、少なくとも0.5m、例えば少なくとも1m、例えば少なくとも2m、例えば少なくとも5m、例えば少なくとも10m、例えば少なくとも15m、例えば少なくとも20m、例えば少なくとも25mであるように、中空管状要素の各端部に対して離間していると理解される。フランジは、中空管状要素の端部フランジではないと理解される。
【0021】
特定の実施形態では、プラットフォームの移動は、管状要素の軸に直交する軸に沿った(互いに直交する)2つの並進方向で許容される。3つのデカルト軸すべての周りの回転運動は、阻止され得る。回転運動を阻止することは、ワイヤ等を、ねじることなく、例えば管状要素の軸に平行な方向にプラットフォームを横断することを可能にするのに有利であり得る。
【0022】
「移動を防ぐ」とは、通常の使用中など、実用的な目的のために移動が妨げられることと理解されたい。過度の大きな力を加えることによる移動などの任意の実質的な動きは、フランジ、プラットフォーム、及び/又は、固定要素の弾性変形、及び/又は、不可逆的な変形を伴う。
【0023】
「運動を許容する」とは、フランジ、プラットフォーム、及び/又は、固定要素の不可逆的な変形を伴わずに、及び、場合によってはフランジ、プラットフォーム、及び/又は、固定要素の弾性変形を伴わずに、運動が起こり得ることを理解されたい。管状要素の軸に直交する並進運動などの運動は、特に、フランジの平面など、管状要素の軸に直交する平面内で「スライドする」ことによって行われ得る。
【0024】
ユニットは、管状要素の軸に沿った方向に、ユニットの一方の側からユニットの他方の側への流体の流れを抑制するような液密であるように構成されてもよい。これは、油の危険な流れの防止及び例えば1つの(確認された)場所への腐食の隔離により安全性を増大させ得る。
【0025】
プラットフォーム及び中空管状要素のそれぞれより小さいヤング率を有する要素であるような1つ又は複数の緩衝要素は、プラットフォームと中空管状要素との間に配置することができ、例えば、プラットフォームと交差する中空管状要素の軸に直交する平面内に配置される。1つ以上の緩衝要素は、プラットフォームと中空管状要素の両方に当接するように配置することができ、この場合、プラットフォームは、プラットフォームから1つ以上の緩衝要素を通って中空管状要素に向かう方向において、中空管状要素に十分に近接して移動される。1つ又は複数の緩衝要素は、中空管状要素とプラットフォームとの間の空間をたとえば充填して存在する、1つ又は複数の高度な可撓性を有するバンド又は管であってよく、プラットフォームと管状要素との間の空間内に物質が閉じ込められるのを防止し、及び/又は、プラットフォームと中空管状要素との間に加えられる力を吸収するように配置され得る。
【0026】
一実施形態によれば、タワー要素が提供され、ここで、ユニットは、
- フランジが管状要素の軸に平行な軸に沿った第1の方向へのユニットの移動を阻止する第1の接触点と、
- フランジが管状要素の軸に平行な軸に沿った第2の方向へのユニットの移動を阻止する第2の接触点と、
を含む少なくとも2つの接触点でフランジに当接する。
【0027】
ここで、第2の方向は第1の方向と反対であり、第1の接触点から第2の接触点までのベクトルを中空管状要素の軸上に投影することによって形成されるベクトルは、第1の方向と平行である。
【0028】
第1及び第2の接触点は、フランジが管状要素の軸に平行な軸上のユニットの部分の間にあるように、フランジの両側にあり得る。ユニットは、フランジの周りを挟み込むか、又は把持する。これによる考えられる利点は、単に簡単なフランジを必要とし、次いで、例えば軸方向の上下でフランジを挟み込むか、又は把持するようにユニットを配置するだけであるため、設置が簡単であることである。他の考えられる利点は、フランジによってユニットに両方向に加えられる圧縮接触力などの接触力が両方向の移動を防止するので、単一のフランジに取り付けることによってプラットフォームを軸方向に固定することを可能にすることである。従って、ユニットをフランジに排他的に取り付けることによって、両方の軸方向の動きを防止することが可能である。いくつかの実施形態では、ユニットは、フランジに排他的に取り付けられる。「平行」とは、反平行とは反対と理解され、すなわち平行とは平行で同じ方向と理解される。
【0029】
この実施形態の考えられる利点は、全体構造(管状要素、フランジ及びユニット)が全体構造の一部又は全部に加えられた力によって一緒に動かされるように、ユニットがフランジの周り(軸方向の上下など)を十分に緊密に把持又は挟み込むように構成され得ることである。また、同時に、幾つかの部品が、例えば管状要素(風力タービンタワーなど)が例えば高周波数で横方向に振動しているとき、管状要素の軸に直交する方向に大きな加速度で動かされると、プラットフォームは、摺動(「フロート」)し、管状要素の動きに追従しないように、ユニットがフランジの周り(軸方向の上下など)を十分に緩く把持又は挟み込むことができるように構成され得ることである。フランジの周りのユニットの把持又は挟み込みは、さらに、管状要素がユニットに応力を加えることなく形状を変化させることができるように、管状要素の楕円化に対応できるほど十分に緩むように配置されてもよい。
【0030】
一実施形態によれば、ユニット及びフランジが、中間嵌め又は締まり嵌めなどの滑り嵌めを形成しているタワー要素が提供される。
【0031】
「滑り嵌め」は、当技術分野で一般的に理解され、例えば、互いに摺動する機械的部品に対する嵌合である。「滑り嵌め」は、特に、通常の使用中に少なくとも一方向に摺動することによって運動を可能にするように配置される2つの嵌合部品が理解され得る。「滑り嵌め」は、部品は、第1の部品が両側(例えば、フランジは、軸方向に関してフランジの両側でユニットと接触する)で第2の部品と接触する程度まで互いに嵌合するように互いに実質的に嵌合するように配置され、一方、1次元又は2次元(そのような並進次元は、軸方向に直交する1つ又は2つの並進次元である)での摺動による相対移動は妨げられないことが特に理解され得る。又は、「滑り嵌め」は、2つの部分の配置として理解されてもよく、2つの部分の間の相対的な並進運動は、少なくとも1つの、例えば1つの並進次元に沿って抑制される一方で、摺動運動は、少なくとも1つの、例えば2つの並進次元のように他の並進次元も許容される。滑り嵌めは、軸に直交する移動を可能にしながら、軸方向の移動を防止するのに有利であり得る。他の考えられる利点は、復元力を伴わずに摺動運動を構成できることである。例えば、ユニットが位置Aから位置Bに摺動する場合、摺動中に摩擦力があり得るが、位置Bに加えられるばね力のような力は必要ない。これは、位置Bが実際に最適位置、例えば中心位置である場合、有利であり得る。別の考えられる利点は、例えば、ユニットとフランジとの間にゴム要素又はばねなどの弾性部材を配置することによって、摺動運動を復元力と組み合わせることができることである。例えば、ユニットが位置Aから位置Bに摺動する場合、位置Aから位置Bに向けられ、位置Bで加えられるばね力のような力があり得る。これは、位置Aが実際に最適位置、例えば中心位置である場合、有利であり得る。
【0032】
一実施形態によれば、ユニットが、管状要素の軸と実質的に平行な、例えば平行な、軸を有するボルトを備え、ボルトが、固定要素及びプラットフォームの各々の少なくとも表面と交差し、管状要素の軸に対して直交する方向への固定要素のプラットフォームに対する相対的な並進運動を防止する、タワー要素が提供される。
【0033】
考えられる利点は、並進運動が妨げられる一方で、設置中に(又はボルトの緩みによって)相対的な回転運動が許容され得ることである。実施形態では、固定要素は、ボルトを収容するための、貫通穴又は非貫通穴などの、穴を有し、この穴の少なくとも一部は応力を受けていない穴の内側半径がボルトの外側半径より小さい寸法である。これは、穴及びボルトが摩擦嵌合又は締まり嵌め(部品が嵌合によって一緒に保持されるほど堅く締まる嵌合)を形成することを可能にするのに有利であり得る。プラットフォーム及び固定要素のいずれかの穴は貫通していても貫通していなくても良く、実施形態は、プラットフォームに貫通する穴が無く、ボルトがプラットフォームの下(固定要素を備えた側)から固定要素を通ってプラットフォームに溶接されたナットに接続されるような副実施形態を包含し、又は、ボルトが、プラットフォームの上方(固定要素を有する側とは反対側)から、プラットフォームの貫通孔を通って、ボルトの最下部がプラットフォームレベルよりも下にある最終位置まで来るような副実施形態を包含する。
【0034】
代替の実施形態では、ボルトは、嵌合ピンなどのピンで置き換えられる。そのようなピンは、ユニットが置かれるとき、プラットフォームの同じ側からのみ固定要素をユニットに取り付けることを可能にするのに有利であり得る。
【0035】
一実施形態によれば、タワー要素が提示され、固定要素は、第1の部分と第2の部分とを有する。
- 第1の部分は管状要素の軸に沿った第1の間隔内にあり、第1の径方向(v1)において、第1の距離(d1)よりも、ボルトからさらに離れていて、
- ボルトの軸から離れていて、
- 管状要素の軸から離れるように、例えば直接的に離れている部品を含まない。
- 第2の部分は管状要素の軸に沿った第2の間隔内にあり、第1の間隔と第2の間隔とは重なり合わず、第1の径方向において第2の距離(d2)よりもボルトから遠い部分を含む。
【0036】
ここで、第2の距離は第1の距離より大きく、例えば10mm以上大きく、例えば20mm以上大きく、例えば30mm以上大きく、例えば40mm以上大きく、例えば50mm以上大きく、例えば60mm以上大きく、例えば70mm以上大きく、例えば80mm以上大きく、例えば90mm以上大きく、例えば100mm以上大きく、例えば120mm以上大きく、例えば150mm以上大きく、例えば200mm以上大きい。
【0037】
このことの考えられる利点は、ユニットがフランジの周り(軸方向の上下など)を挟み込むか把持することを可能にすることである。より具体的には、第1の部分は、フランジに隣接して配置されてもよく、第2の部分は、軸方向で観察されるとき、フランジと重なっていてもよい。軸方向(フランジの一方側)においてプラットフォームがフランジと重なるように配置され、径方向(フランジの他方の側)において固定部がフランジと重なるように配置されると、プラットフォームと固定要素とを軸方向に押圧することにより、すなわち、それらを一緒に保持しているボルトを締め付けることにより、ユニットをフランジに軸方向に固定することができる。
【0038】
これらの方向は、管状要素の軸から離れるような、及び、ボルトの軸から離れるような、径方向であると理解される。この軸上への投影が含まれてもよいことが理解される(すなわち、部品がその軸上に位置していない場合でも、前記軸上への部品の投影が考慮されるべきである)。第1の間隔及び第2の間隔は重なり合わず、任意選択で当接してもよい。第1の間隔は、管状要素の軸に平行な方向におけるフランジの寸法の90~110%以内の長さ、例えば等しい長さ、を有することができる。一実施形態では、第1の間隔は、管状要素の軸に平行な方向におけるフランジの寸法よりも小さい長さ、例えば50~99%の範囲内、例えば75~95%の範囲内の長さ、を有することができる。
【0039】
「直接的に」軸から離れるとは、直接的に軸に向かう方向と反平行である軸から離れる方向であると理解されたい。
【0040】
第1の距離を超えて延在する第2の部分の部分は、通常使用時にフランジに当接する表面などの、表面を有することができ、この表面(フランジによって加えられる力による応力がない)は、管状要素の軸に対して直交しない。この表面がわずかに水平ではない利点は、フランジ(例えば、表面がボルトから離れる方向にフランジに向かって傾いている場合)の周りの締まり嵌め/摩擦嵌合を実現すること、及び/又は、プラットフォーム(例えば、表面がボルトから離れる方向にフランジから離れるように傾いている場合)に中心に向かう力をもたらすことである。傾斜はまた、予め定義された水平(軸に対して直交)摩擦を可能にするように制御され得る。
【0041】
上記の最小値のいずれかは、最大でも500mm大きい最大値と組み合わされてもよい。例えば、最小値「10mm以上大きい」と最大値「最大500mm大きい」を組み合わせて、10mm以上500mm以下大きい間隔を形成してもよい。
【0042】
一実施形態によれば、第1の部分は、第2の径方向(v2)においてボルトから第3の距離(d3)よりも遠ざかる部分を含むタワー要素が提供される。第2の径方向は
- ボルトの軸から離れる方向であり、
- ボルトの軸の周りで第1の角度方向に対して角度間隔が、0度から-90度、又は0度から90度、例えば-10度から-80度、又は10度から80度である。
【0043】
ここで、第3の距離は第1の距離より大きく、例えば10mm以上大きく、例えば20mm以上大きく、例えば30mm以上大きく、例えば40mm以上大きく、例えば50mm以上大きく、例えば60mm以上大きく、例えば70mm以上大きく、例えば80mm以上大きく、例えば90mm以上大きく、例えば100mm以上大きく、例えば120mm以上大きく、例えば150mm以上大きく、例えば200mm以上大きい。
【0044】
この実施形態の考えられる利点は、固定要素を定位置に回転させることを可能にし(例えば、軸方向視においてフランジと重ならない位置/向きから、軸方向視においてフランジと重ならない位置/向きへ固定要素を回転させることを可能にし)、回転を自動的に停止/阻止することを可能にし、次に、固定要素に対して反対側、すなわち片側のみからボルトを締め付けることを可能にすることである。
【0045】
上記の最小値のいずれかは、最大でも500mm大きい最大値と組み合わされてもよい。例えば、最小値「10mm以上大きい」と最大値「最大でも500mm大きい」を組み合わせて、10mmから500mm大きい間隔を形成してもよい。
【0046】
一実施形態によれば、第2の部分は、第3の径方向(v3)においてボルトから第4の距離(d4)よりも離れた部分を含まないタワー要素が提示される。ここで、第3の径方向は、
- ボルトの軸から離れる方向であり、
- 第1の径方向に対して異なり、例えば、ボルトの軸周りで第1の角度方向に対する角度間隔が0度から360度、例えば10度から-10度である。
【0047】
ここで、第4の距離は第2の距離よりも小さく、例えば10mm以上小さく、例えば20mm以上小さく、例えば30mm以上小さく、例えば40mm以上小さく、例えば50mm以上小さく、例えば60mm以上小さく、例えば70mm以上小さく、例えば80mm以上小さく、例えば90mm以上小さく、例えば100mm以上小さく、例えば120mm以上小さく、例えば150mm以上小さく、例えば200mm以上小さい。
【0048】
考えられる利点は、軸方向視においてフランジと重ならない位置/向きから、軸方向視においてフランジと重ならない位置/向きに固定要素を導く回転を可能にするように、固定要素を軸方向にフランジを通過して移動させ、その後、固定要素を定位置に回転させることを可能にすることである。
【0049】
この実施形態が前述の実施形態と組み合わされる場合、角度及び距離は、それに応じて配置されなければならない。すなわち、フランジを通り過ぎる固定要素の軸方向の移動を可能とする配向を可能とするため、次いで、固定要素の一部がフランジによって加えられる接触力による回転の阻止を可能にするための固定要素の回転を可能にするために、第2の方向及び第3の方向は一致せず(v2≠v3)、第3の距離は第4の距離よりも大きい(d3>d4)。
【0050】
上記の最小値のいずれも、最大でも500mm小さい最大値と組み合わされてもよい。例えば、最小値「10mm以上小さい」と最大値「最大500mm小さい」とを組み合わせて、間隔10から500mm小さいとしてもよい。
【0051】
一実施形態によれば、プラットフォームがボルトを収容するための穴を有し、前記穴が壁によってその軸の周りに画定されるタワー要素が提供される。前記壁には溝があり、ばね又はOリングなどの弾性部材がボルトと壁との間、たとえば前記溝に配置され、ボルトに静止摩擦力及び/又は復元力などの力を作用させ、閾値力を超えるボルトへの力が加えられない場合にボルトを定位置に保持する。
【0052】
考えられる利点は、(プラットフォームに対する)ボルトの移動が、弾性部材によって加えられる力に打ち勝つ力を必要とすることである。すなわち、十分に大きな力が(意図的に)加えられるまでボルトが定位置に留まることである。例えば、静摩擦力及び/又は復元力は、重力による移動を阻害するのに十分なものとし、及び/又は手動で加えられた力による移動を阻止するのに不十分なものにすることができる。
【0053】
この実施形態は、設置中に特に有利であり、この場合、プラットフォームへの固定要素の第1の固定を可能にし、第1の固定は第2の固定よりも比較的堅くはないが、第1の固定は、固定要素を弾性部材によって適所に並進的かつ回転可能に保持するように十分に堅い固定である。これは、重力が固定要素に力及びトルクを及ぼす場合であっても、第1の固定による位置及び配向を維持することを可能にするので有利であり得る。これは、第1の固定における固定要素の角度方向によって、固定要素がフランジを越えて軸方向に動かされることを可能にし、その後、加えられる(例えば、手動で及び/又は動力工具を介して適用される)力が閾値力を超えることによって、固定要素をユニットがフランジと係合する位置に回転させ、その後、第1の固定に対して比較的堅い第2の固定が行われる場合に特に有利であり得る。
【0054】
ボルトを収容するためのプラットフォームの穴は、非貫通であってもよく、特にプラットフォームのプレートに取り付けられたナットによって実現されてもよい。あるいは、ボルトを収容するためのプラットフォームの穴は貫通していてもよく、ボルトは、プラットフォームと完全に交差し、プラットフォームを横切って、固定要素の少なくとも表面と交差してもよい。
【0055】
一実施形態によれば、フランジが中空管状要素の軸を取り囲むタワー要素が提供される。これは、フランジの設置の容易さ、ユニットの設置の容易さ、及びタワー要素の構造的ロバスト性のうちの1つ又は複数のために有利であり得る。
【0056】
一実施形態によれば、フランジが中空管状要素の端部間に配置され、中空管状要素の軸に平行な軸に関して各端部から離れて配置された、タワー要素が提供される。これは、タワー要素におけるユニットの中空管状要素の軸に沿った位置の柔軟性を高めるため、及び/又は、タワー要素の端部フランジとの空間的競合を回避するのに有利であり得る。
【0057】
第2の態様によれば、風力タービン用のタワーのようなタワーが提供され、前記タワーは、第1の態様による1つ以上のタワー要素を含む。
【0058】
タワーは、中空、管状、中実壁、円形などの実質的に円形の断面を有することができ、及び/又は、複数のユニットを含むことができる。タワーは風力タービンを支えるのに適している。
【0059】
タワー要素の任意の位置などのフランジの位置は、タワーのサイトにおいて地面レベル、及び/又は、海面レベルより上にあると理解され得る。
【0060】
一実施形態によれば、タワーが提示され、タワーの最大寸法は30メートル以上、例えば50メートル以上、例えば75メートル以上、例えば100メートル以上、例えば150メートル以上、例えば200メートル以上である。
【0061】
本発明は、大型タワーに対して特に有利であり得る。例えば、大きなタワーは大きな力を伴い、(有害な)力の増加を避けるために必要以上に重い要素を回避することがますます重要となる。本発明は、フランジ及び固定要素(非常に軽いポリマー固定要素など)だけが、それを管状要素に固定するのに必要であり得るので、プラットフォームに関連する質量を最小限に保つのに有利であり得る。他の考えられる利点は、大きなタワーの場合、楕円化が問題(管状要素及びタワー要素の製造中及び輸送中を含む)となり、フランジが剛性を増大させ、楕円化の低減に役立ち得ることである。大きなタワーに特に関連し得る別の可能な利点は、有効性及び安全性の両方に有益であり得る、一方の側から設置を実現できることである。別の可能な利点は、フランジが、例えば、プラットフォームが複数のブッシング及び/又は張力付与要素に固定されるのとは対照的に、比較的簡単な設置(フランジ自体の設置が比較的簡単であり、フランジに対するユニットの固定が比較的単純であるため)を可能にし得ることである。
【0062】
上記の最小値のいずれも最大250mの最大値と組み合わせることができる。例えば、「30m以上」の最小値と「最大250m」の最大値とを組み合わせて、30m~250mの間隔を形成してもよい。
【0063】
第3の態様によれば、第2の態様によるタワーを含む風力タービンが提供される。
【0064】
風力タービンは、一般に当技術分野で知られており、一般に風力タービン発電機(WTG)とも呼ばれる。
【0065】
風力タービンは、電力定格が100kW以上であり、例えば200kW以上、例えば400kW以上、例えば600kW以上、例えば800kW以上、例えば1MW以上、例えば2MW以上、例えば4MW以上、例えば6MW以上、例えば8MW以上、例えば10MW以上の風力タービンであってもよい。風力タービンは水平軸風力タービンであってもよい。風力タービンは、3つのブレードを有することができる。
【0066】
第4の態様によれば、風力タービン発電機用のタワー用のタワー要素などの第1の態様によるタワー要素にプラットフォームを提供するための方法が提供される。前記方法は、
- 中空管状要素と、
- 中空管状要素の内面上のフランジと、
- プラットフォームと、プラットフォームに取り付けられる複数の固定要素などの固定要素と、を含むユニットと、
を備えるステップを含む。
【0067】
前記方法は、さらに、
- フランジ部はフランジ部に対するユニットの前記筒状要素の軸に沿った第1の方向における相対移動を防ぎ、前記固定要素は第1方向においてフランジを超えて延在する部分を有するように、中空筒状要素に対しユニットを配置するステップと、
-第1の方向においてフランジを越えて延在する部分の少なくとも一部分が、フランジが管状要素の軸に沿った、第1の方向と反対である第2の方向におけるフランジに対するユニットの相対運動を防止するように配置される、固定要素を回転させるステップと、
- 固定要素を位置に固定するようにプラットフォームに対して固定要素を固定するステップと、
を含む。
- フランジは、管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防止し、
- プラットフォームの移動は、管状要素の軸に直交する軸に沿った少なくとも1つの方向に許容される。
【0068】
この方法の考えられる利点は、プラットフォームの設置前にユニットを設けることを容易にし、このユニットを(単一の)フランジを介して管状要素に取り付けることができることである。考えられる利点は、本方法が、タワー要素をプラットフォームに組み立てる簡単かつ効率的でかつ効果的な方法を提供することである。
【0069】
プラットフォーム及び固定要素を提供するステップは、密着したユニットをもたらし得ることを理解されたい。さらに、固定要素をプラットフォームに対して固定するステップは、密着したユニットをもたらすことができ、固定するステップは、プラットフォームと固定要素とプラットフォームとの間の相対的配向、及び/又は、位置を調整するために必要な閾値力又はトルクを増加させることが理解され得る。例えば、ユニットを提供するステップは、ボルトを用いて(固定要素に対してボルトに静摩擦力及び/又は復元力を加えるためのプラットフォームの溝内に弾性部材を任意選択的に用いて)プラットフォーム及び固定要素を緩く組み立てることを含み、固定のステップはボルトを締め付けることを含み得る。
【0070】
一実施形態によれば、管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防止するように、固定要素をプラットフォームに対して固定する方法が、
- フランジに当接する際の接触力によって固定要素の一部が阻止され、それによってその後、固定要素への反対方向のトルクを受動的に加えることなどによって、さらなる回転が遮断される角度位置へ固定要素を回転させることと、
- プラットフォームの一方の側のボルトに能動的にトルクを加えることによってボルトを回転させること
によって(任意選択で順次)実行される。
【0071】
この実施形態は、フランジに当接する固定要素の一部によるなどによって、さらなる回転が阻止される位置への固定要素の回転と、その後(続いて)プラットフォーム及び固定要素を一緒に引っ張ってボルトの締め付けによりフランジの周りで把持することとを包含する点で有利であり得、これは、ボルトのヘッドに(任意選択的に、阻止された回転が、ボルトが固定要素の内部ナットねじ山と係合して締め付けをもたらすのに必要な反対方向トルクを提供するように機能する、固定要素の反対側のプラットフォームの側から)トルクを加えることによって行われ得る。言い換えれば、前記固定は、固定要素の回転が固定要素とフランジ又は管状要素との間の相互作用によって停止されるまでボルト及び固定要素を回転させるステップを含むことができ、ボルトのさらなる回転が、固定要素と管状要素との間の移動なしで固定要素とプラットフォームとの間の接続の締め付けにつながる。
【0072】
これの考えられる利点は、プラットフォームの片側(のみ)から(軸方向軸上に)トルクを加えることによって前記ボルトを回転させることを可能にすることである。従って、プラットフォームは、プラットフォームのフランジと同じ側にある固定要素にフランジを当接させるように配置させ得る。その後、プラットフォームと交差するボルトは、固定要素に対してプラットフォームの反対側からアドレスされ、固定要素を回転させるように回転され得る。その後、固定要素の一部がフランジに当接すると、さらなる回転が阻止され、ボルトを締め付けることができる。考えられる利点は、固定要素を所定の位置に回転させ、ボルトを締め付けることを含むプロセスが、ボルトのみを介して行われ得ることである。このことの考えられる利点は、固定要素を回転させるために固定要素を例えば手又は指と接触させる必要がないため、すなわち、これらのリムを、大きな力による危険な環境が現れるこの領域外へ維持することができるため、安全性が向上することである。
【0073】
一実施形態によれば、管状要素の軸が鉛直ではなく、例えば水平に対して-45度から45度の角度範囲内、例えば実質的に水平、例えば水平に対して-10度から10度の角度範囲内、例えば水平などの状態にある間に、管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防ぐようにプラットフォームに対して固定要素を固定する方法が提示される。
【0074】
考えられる利点は、管状要素が水平配向で地面に配置される間の設置を可能にし、さらに、プラットフォームがその最終位置に取り付けられた状態でタワー要素の後続の移動/輸送を可能にすることである。これは、例えば風による振動への曝露により、輸送中及び/又は管状要素が実質的に水平位置にあるときに生じ得る管状要素の楕円化に順応するのに役立つので、面内移動(1つの方向、例えば管状要素の軸に直交する2つの方向におけるフランジに対するプラットフォームの移動)を可能にする特徴と組み合わせて特に有益であり得る。
【0075】
一実施形態によれば、次の特徴を有する方法が提供される。
- ユニットを提供することは、
- 複数の固定要素をプラットフォームに固定することを含む。ここで、各固定要素はボルトを介してプラットフォームに固定され、ボルトの軸周りでの固定要素の回転は、重力によって加えられるボルトの軸周りのトルク(tg)を超える閾値トルク(tr)に打ち勝つ必要がある。
【0076】
固定要素を回転させるステップは、
- 例えば、ボルトへの着手点が固定要素に対してプラットフォームの反対側にある場合のように、ボルトに閾値トルクを超える適用トルク(ta)を与え、それによってボルト及び固定要素を回転させることを含む。
【0077】
この実施形態の考えられる利点は、単に重力が固定要素に作用する限り、固定要素が固定された位置及び向きにあるユニットを提供することを可能にすることである。しかしながら、加えられるトルクのようなより大きな力が(意図的に)加えられるとき、固定要素は、それにも関わらず、軸方向においてフランジにユニットを固定することを可能にするように、設置中に適所に回転されるなど、回転され得る。復元力、及び/又は、静摩擦力などの閾値トルクは、ボルトを保持するように構成されたOリング又はばねを有するプラットフォームの溝を介してなど、複数の方法で実現され得る。
【0078】
一実施形態によれば、下記の方法が提示される。方法は、
- 中空管状要素の軸が水平などの実質的に水平である向きでタワー要素を提供することと、
その後、
- プラットフォームと中空管状要素との間に、例えばプラットフォームと交差するような、中空管状要素の軸に直交する平面内に配置される、ゴムボール又は好ましくは可撓性チューブのような緩衝要素を配置すること、を含む。
【0079】
このことの考えられる利点は、特に、ユニットとフランジが場合によっては損傷を受ける方法で触れる場合、緩衝要素が管状要素の軸に対して直交する方向においてユニットとフランジとの間に加えられる力の一部を吸収することができることである。別の考えられる利点は、緩衝要素が、管状要素内の中心にユニットを維持するように、ユニットに復元力を加える働きをすることができることである。緩衝要素は、ゴムボール又はゴムチューブであってもよい。緩衝要素は、プラットフォーム及び中空管状要素のそれぞれより小さいヤング率を有するなど、弾性変形可能な可撓性を有すると理解され得る。
【0080】
一実施形態によれば、中空管状要素の内面上のフランジを提供する方法が提供され、該方法は、
- フランジを中空管状要素の内面に、例えば溶接することによって取り付けることを含む。例えばブッシングのような複数の別個の要素を取り付けることに関してフランジを取り付けることが有利であり得る。例えば、フランジ溶接は、効率的な、任意選択で自動化された方法で実行されてもよい。
【0081】
一実施形態によれば、タワー要素(例えば、中空管状要素と、中空管状要素の内面上のフランジと、ユニットと、を備えるタワー要素)が、
-管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防止するように、固定要素をプラットフォームに対して固定した後に、
輸送される。
【0082】
「輸送される」とは、位置Aから位置Bまでなど物理的に動かされることと理解され、位置A及び位置Bは離間し、例えば水平方向に離間し、例えば水平方向に少なくとも1m離間し、例えば少なくとも10m、例えば少なくとも100m、例えば少なくとも1km離間していることが理解される。最初に固定要素をプラットフォームに対して固定して、管状要素の軸に平行な軸に沿った両方向へのプラットフォームの移動を防ぎ、その後タワー要素を輸送することは、例えば、これが位置Aで、例えば工場又は生産現場でこの作業に特に適している固定を行い、続いて、風力タービン発電機を有するタワーなどのタワーを収容するのに特に適している位置Bにおいてタワー要素を含むタワーの組み立てを可能にするため、有利であり得る。
【0083】
本発明の第1、第2、第3及び第4の態様は、他の態様のいずれかと各々組み合わせることができる。本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明白であり、それを参照して説明されるであろう。
【0084】
ここで、本発明によるタワー要素及び対応するタワー、風力タービン、ならびにタワー要素を提供するための方法が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。図面は、本発明を実施する1つの方法を示し、添付の特許請求の範囲内に入る他の可能な実施形態に限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図3】プラットフォーム322に取り付けられた固定要素310を有するユニット320の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、タワー101と、少なくとも1つのロータブレード103、例えば3つのブレード及びナセル104を備えたロータ102とを備える風力タービン100(これは、風力タービン発電機(WTG)とも呼ばれ得る)を示す。タワー101は、破線の水平線の間に示されている中空管状要素106のような複数の中空管状要素を備える。
【0087】
図2は、固定要素210の技術図面を示す。図面の上部(a)には、管状要素及びボルトの軸に対して直交する方向において観察される側面図が示されており、図面における上向きの方向は、フランジ及びプラットフォームに向かう方向である。軸方向の寸法211(「高さ」)が示されている。図面の下部(b)には、管状要素及びボルトの軸に平行な方向、より具体的にはプラットフォーム及びフランジから(又はそれを通過する)方向で観察されるような上面図が示されている。この図は、ボルト用の穴を示す。
【0088】
図3は、ボルト又は他の同様の部材(図示せず)を介してプラットフォーム322に取り付けられた固定要素310を有するユニット320の一部を示す。固定要素は、ポリマー部分312と、中心軸として示される軸316を有するボルトと係合するための金属製の中空の円筒形インサート314(ナットなど)とを備える。固定要素は、ボルトを収容するための貫通孔を有する。一実施形態では、インサート314の下のポリマー部品の開口は、ボルトの外径より小さい内径を有し、従って、ボルトが締め付けられると、ボルトがポリマーを通り抜ける経路を絶ち、緊密な嵌合を保証する。プラットフォーム322は、プレート324と、ボルトと係合するためにプレートに溶接されたナット326とを備える。プラットフォームはさらに、溝を備え、ユニットは、ボルトと係合し、輸送及び設置中にボルトを定位置に保持するために、溝内にばね又はゴムバンド328などの弾性部材を備える。水平破線318は、管状要素の軸に沿った第1の間隔(ボルトの軸316に平行な)内の固定要素の第1の部分(破線318の上方)と、管状要素の軸に沿った第2の間隔内の第2の部分とを分離する。第2の部分の右手側は、第1の部分を越えて(ボルトの軸からさらに離れて)延在する。右手部分の上面は、水平でなくてもよく、この実施形態では、わずかに上方に傾いている。他の実施形態では、それはわずかに下方に傾いている。
【0089】
図4は、中空管状要素436と、管状要素436に取り付けられた、例えば溶接された、フランジ434と、ボルト432を介してフランジ434に取り付けられた
図3のユニット310とを備えるタワー要素430の一部を示す。図は、プラットフォーム322のプレート324が可撓性のゴム製のチューブ435の形態の緩衝要素に当接し、緩衝要素が管状要素436に当接することを示している。ユニット320と管状要素436との間の相対移動は、両頭矢印438によって示されるように許容されるが、緩衝要素435を圧縮すると、ある時点で、互いに向かう移動はもはや可能ではない。図は、プラットフォーム322のプレート324が、フランジ434の上側の第1の点でフランジ434に当接し、固定要素310のポリマー部品が、軸方向に関してフランジ434の反対側の第2の点(すなわち、軸方向に直交する平面の両側)でフランジに当接することを示している。ボルトは、プラットフォーム及び固定要素の各々の貫通穴を通って、プラットフォーム及び固定要素の各々を完全に横切るように示されている。代替の実施形態では、プラットフォーム及び固定要素のボルト用の穴のそれぞれ又は両方は、貫通していない。例えば、プラットフォーム内の穴は、プレート324内に穴を有さず、ナット326内に穴として配置された穴だけを有することによって実現される非貫通穴であってもよく、これは、プレート内の穴とナットとの間の位置合わせの必要性を不要にするために有利であり得る。
【0090】
図5は、固定要素の方向及び距離、より具体的には、第1のベクトル(v1)の方向によって与えられる第1の
径方向、第1の距離(d1)、第2の距離(d2)、第1のベクトル(v2)の方向によって与えられる第2の
径方向、第3の距離(d3)を示す。第3の
径方向は、第1のベクトル(v3)と第4の距離(d4)の方向によって与えられる。軸の周りの部分(
図7の斜視図も参照)は、半径d4を有する円形円筒形であるものとして示されている。他の実施形態では、この部分は円柱形(
図2(b)及び
図5と同様の上面図で観察される)ではないが、例えば楕円形であってもよい。そのような他の実施形態では、ボルトの軸からフランジの方向へのその部分のサイズは、取り付け中の回転中に減少してもよい(
図6(a)~(c)も参照されたい)。従って、最初に(例えば、
図6(a)参照)、フランジの方向のサイズは、回転時の前記距離よりも相対的に大きい(例えば、
図6(b)~(c)参照)。このような距離の減少の利点は、固定要素が最初にフランジに当接するように配置され得ること(
図6(a)参照)であるが、回転中、前記部品の表面は、非円形性によって、フランジから離れるように移動し、さらなる接触が回避される。これは、例えば、回転中の摩擦を低減又は排除するのに有益であり得る。
【0091】
図6は、本発明の実施形態による方法を示し、この方法は、設置中の異なる時点における3つのスナップショット(a)~(c)によって例示される。各スナップショットは、中空管状要素の上部などから軸方向に観察される上面図である。固定要素は、プラットフォーム(図示せず)に取り付けられる。フランジは、フランジの縁部である太い破線によって示されており、フランジは右側のものである。第1のスナップショット(a)では、ボルトの軸の周りに第1の角度配向にある固定要素を有するユニットが軸方向(例えば、紙の平面に直交する軸に沿った方向)に動かされ、固定され、それにより、固定要素の少なくとも一部がフランジの軸方向位置を越えて動かされ、ユニットの少なくとも一部が動かされる。このようなプラットフォームは、フランジがその軸方向におけるユニットのさらなる移動を防止するようにフランジに当接する。次のスナップショット(b)では、ユニットは、第1の接触点においてフランジに当接しており、固定要素は、ボルトを締め付け方向に回転させることによってボルトの軸の周りを回転し、その結果、ユニットは、軸方向においてフランジの両側にある部品を有する。最後のスナップショット(c)では、固定要素は、ボルトを回転させ続けることによってその最終位置に回転され、ボルトをさらに回転させることによって、ユニットがフランジに締め付けられ固定される。フランジは、例えば、軸方向における線が、最初にプラットフォーム、次にフランジ、最後に固定要素と交差するように、ユニットの部分の間に挟まれていることが理解される。従って、フランジは、軸方向におけるユニットの位置を固定するが、軸方向に直交する方向への移動を可能にする。
【0092】
図7は、固定要素の斜視図を示し、これも
図2、5及び6に示されている。
【0093】
図8は、プラットフォーム、固定ユニット、及びボルトが、ボルトの一部が、プラットフォームよりも固定要素と反対の方向など、1つの軸方向にさらに延びないように、配置されていることを除き、
図4と同様のタワー要素の一部を示す。これは、ボルトヘッドがプラットフォームの高さより上に突き出ないため、安全上の理由から好まれる場合があり、これは、躓きの危険を低減する場合がある。
【0094】
図9は、タワー要素430(
図4のように)及び隣接する要素、特に隣接する(上側)タワー要素944及び隣接する(下側)基礎948の部分を示す。フランジ434は、中空管状要素436のそれぞれの端部から離間し、中空管状要素の端部に対する最小距離(例えば、フランジ434(の最も近い部分)から中空管状要素436の第1(上部)端までの第1の距離952と、フランジ434(の最も近い部分)から中空管状要素436の第2(下部)端までの第2の距離954との間の最小距離である)は、中空管状要素の軸に沿った中空管状要素の全長950の少なくとも特定の非ゼロのパーセントの長さ、及び/又は、ある非ゼロのある長さであると理解される。フランジ434は、下端フランジ940又は上端フランジ942のような中空管状要素の端部フランジではない。隣接する(上側)タワー要素944は、フランジ942、946を介してタワー要素436に結合される。タワー要素436は、下端フランジ940を介して隣接する(下側)基礎948に結合される。タワー要素436の下端は、地面レベル及び/又は海面レベルと等しいか又はそれより上にある平面956と面一であってもよい。
【0095】
図10は、ユニットの組み立てを示す概略図である。フランジ1034は一体構造要素である。フランジ1034は、中空管状要素1036の軸1058の周りを完全に囲み(360度)、閉ループを形成する。中空管状要素1036の軸1058を構成する平面におけるフランジ1034の断面は、円対称である。
【0096】
図10の左側(a)はさらに、中空管状要素1036に対してユニット1020を配置するプロセスの一部を示し、矢印1060は、管状要素1036の軸1058に平行な軸に沿った方向における中空管状要素1036及びフランジ1034に対する移動方向を示す。
【0097】
図10の右側(b)はさらに、中空管状要素1036及びフランジ1034に対して配置されるユニット1020を示し、その結果、フランジは、矢印1060によって示される方向へのプラットフォームのさらなる移動を防ぎ、そのさらなる移動は、重ねられた「不可」記号と共に矢印1062によって示される。
【0098】
図10では、管状要素1036は、軸1058が鉛直である状態で示されているが、軸1058は、水平などの任意の配向であり得、すなわち、組立品の設置中及び/又は輸送中、軸1058は、任意の配向であり得る。タワー内に配置されたとき、軸1058の向きは実質的に鉛直、例えば鉛直である。本発明は、特定の実施形態に関連して記載されてきたが、提示された実施例に決して限定されるものとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。
【0099】
請求項の文脈において、「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」という用語は、他の可能な要素又はステップを排除するものではない。また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの言及は、複数を除外すると解釈されるべきではない。図面に示される要素に関する特許請求の範囲における参照符号の使用もまた、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、異なる請求項において言及される個々の特徴は、おそらく有利に組み合わせることができ、異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は、特徴の組み合わせが可能ではなく有利ではないことを排除するものではない。