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特許7439108ヒト心筋トロポニンIに対する組換え抗体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-16
(45)【発行日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ヒト心筋トロポニンIに対する組換え抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240219BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20240219BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240219BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240219BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240219BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240219BHJP
   G01N 33/536 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/00 ZNA
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C12P21/08
G01N33/53 D
G01N33/536 D
G01N33/536 E
G01N33/536 C
G01N33/536 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021542251
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2019108681
(87)【国際公開番号】W WO2020073831
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201811180362.8
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521131797
【氏名又は名称】菲鵬生物股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Fapon Biotech Inc.
【住所又は居所原語表記】Room 604,603,602,601, Unit ABCD, 6 / F, Building D2, TCL Science Park, No.1001 Zhongshan Yuan Road, Liuxiandong, Xili, Nanshan District, Shenzhen City, Guangdong Province 518063, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】崔鵬
(72)【発明者】
【氏名】何志強
(72)【発明者】
【氏名】孟媛
(72)【発明者】
【氏名】韓日才
(72)【発明者】
【氏名】鐘冬梅
(72)【発明者】
【氏名】範凌雲
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-510617(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103694355(CN,A)
【文献】SVASTI, J et al.,The Complete Amino Acid Sequence of a Mouse x Light Chain,Biochem J.,1972年,vol. 128,pp. 427-444
【文献】Igh protein [Mus musculus],GeneBank: AAH02121.1 [online],NCBI,URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/AAH02121.1?report=genbank&log$=protalign&blast_rank=5&RID=Z5VBXVHV013
【文献】Product Catalog 2016-2017 Antibodies and antigens,HyTest,2016年,p. 10
【文献】宣言書,HyTest中国,2023年02月16日
【文献】GUY, Moltu J. et al.,The impact of antibody selection on the detection of cardiac troponin I,Clin Chim Acta,2013年,420,pp. 82-88
【文献】TRAN, Ngoc Hieu et al.,Complete De Novo Assembly of Monoclonal Antibody Sequences,Scientific Reports,2016年,6:31730,pp. 1-10
【文献】Automated Antibody Sequencing using PEAKS AB Software [online],Bioinformatics Solutions Inc.,2016年10月04日,URL:https://www.bioinfor.com/automated-antibody-sequencing-using-peaks-ab-software/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00- 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心筋トロポニンI抗原結合ドメインを含む単離された抗体又は抗体の機能フラグメントであって、前記心筋トロポニンI抗原結合ドメインは、以下のアミノ酸配列の6つの相補性決定領域を含み、
相補性決定領域CDR-VH1はG-F-T-X1-S-N-Y-A-M-Sであり;
相補性決定領域CDR-VH2はI-S-X1-G-G-S-Y-S-X2-Y-P-D-S-V-Kであり、X1はSであり;
相補性決定領域CDR-VH3はA-R-X1-D-N-Y-X2-G-S-X3-F-M-D-Yであり、X1はRであり;
相補性決定領域CDR-VL1はR-A-S-Q-X1-I-T-X2-Y-L-Nであり、X2はNであり;
相補性決定領域CDR-VL2はI-Y-Y-X1-S-R-X2-H-S-G-V-Sであり、X1はTであり;及び
相補性決定領域CDR-VL3はQ-Q-G-X1-T-X2-P-L-Tであり、
これら6つの相補性決定領域が、以下の変異の組み合わせのいずれかを有する、
ことを特徴とする単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項2】
前記抗体又は抗体の機能フラグメントは、F(ab’)、Fab’、Fab、Fv、scFv、及び二重特異性抗体のうちのいずれかである、
ことを特徴とする請求項1に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項3】
前記抗体又は抗体の機能フラグメントは、配列が順次SEQ ID NO:1-4で示される軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4、及び/又は、配列が順次SEQ ID NO:5-8で示される重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項4】
前記抗体又は抗体の機能フラグメントに抗体定常領域配列も含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項5】
前記定常領域配列は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE、IgDのいずれかの定常領域の配列から選ばれる、
ことを特徴とする請求項4に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項6】
前記定常領域は、牛、馬、乳牛、豚、羊、山羊、ラット、マウス、犬、猫、ウサギ、ラクダ、ロバ、鹿、ミンク、鶏、アヒル、ガチョウ、七面鳥、コックファイティング、又は人間に由来する、
ことを特徴とする請求項4に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項7】
前記定常領域はネズミに由来し、
軽鎖定常領域配列はSEQ ID NO:9に示され、
重鎖定常領域配列はSEQ ID NO:10に示される、
ことを特徴とする請求項4に記載の単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項8】
前記抗体又は抗体の機能フラグメントは信号強度を示すインジケーターでラベルされており、
前記信号強度を示すインジケーターは、蛍光物質、量子ドット、ジゴキシゲニン標識プローブ、ビオチン、放射性同位元素、放射性造影剤、常磁性イオン蛍光ミクロスフェア、電子高密度物質、化学発光マーカー、超音波造影剤、光増感剤、コロイド状金又は酵素のうちのいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の心筋トロポニンI抗原結合ドメインを含む単離された抗体又は抗体の機能フラグメント
【請求項9】
単離された核酸分子であって、DNAまたはRNAであり、請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗体の機能フラグメントをコードする、
ことを特徴とする単離された核酸分子。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項11】
請求項10に記載のベクターによって形質転換された宿主細胞。
【請求項12】
請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗体の機能フラグメントを生成する方法であって、
培養培地中および適切な培養条件下で請求項11に記載の宿主細胞を培養し、培養培地または培養された宿主細胞からこのように生成される抗体又は抗体の機能フラグメントを回収するステップを含む、
ことを特徴とする抗体又は抗体の機能フラグメントを生成する方法。
【請求項13】
急性心筋梗塞、急性冠症候群、肺梗塞、不安定狭心症、心筋損傷を診断するための診断薬または試薬テストキットの調製における請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗体の機能フラグメントの使用。
【請求項14】
試験サンプル中のトロポニンI抗原を検出するための方法であって、
a)抗体/抗原結合反応が起こるのに十分な条件下で、前記試験サンプル中のトロポニンI抗原と請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗体の機能フラグメントを接触させ、免疫複合体を形成するステップ、及び
b)前記試験サンプルに前記トロポニンI抗原が存在することを示す前記免疫複合体の存在を検出するステップ、を含む、
試験サンプル中のトロポニンI抗原を検出するための方法。
【請求項15】
ステップa)で前記免疫複合体には、前記抗体又は抗体の機能フラグメントに結合される二次抗体も含まれる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステップa)で前記免疫複合体には、前記トロポニンI抗原に結合される二次抗体も含まれる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記トロポニンI抗原は心筋トロポニンI抗原である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は蛍光免疫技術、化学発光技術、コロイド状金免疫技術、放射性免疫分析及び/又は酵素結合免疫技術に基づくものである、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記サンプルは、全血、末梢血、血清、血漿又は心筋組織の少なくとも1つから選ばれる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~8のいずれかに記載の抗体又は抗体の機能フラグメントを含む試薬テストキット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年10月10日に中国特許局に提出された出願番号が201811180362.8、名称が「ヒト心筋トロポニンIに対する組換え抗体」の中国特許出願の優先権を主張し、その全部内容は援用により本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は免疫技術分野に関し、具体的に、ヒト心筋トロポニンIに対する組換え抗体に関する。
【背景技術】
【0003】
20世紀80年代以前、世界保健機関(WHO)は、急性心筋梗塞(AMI)の診断基準の1つとして、常に心筋酵素スペクトル活性を使用していた。20世紀80年代後半、研究者は、トロポニン(troponin、Tn)の感度と特異性がホスホクレアチンキナーゼ(CK)、ホスホクレアチンキナーゼイソ酵素(CK-MB)、乳酸デヒドロゲナーゼ及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼなどのバイオマーカーよりも高いと発見した。心筋トロポニンI(cTnI)は心筋にのみ存在し、心筋細胞のマーカーであり、その異常な変化は、心臓の拡張機能と収縮機能に影響を与える可能性があり、心筋壊死の診断や心筋損傷の判定などにも使用でき、心筋細胞損傷の感度と特異性が最も強いマーカーの1つであり、AMIと急性冠症候群(acute coronary syndromes、ACS)の迅速な診断、ACSのリスク層別化の支援、その予後の反映の主要な生化学的マーカーとして認識されている。
【0004】
正常な人の血液中のcTnIの含有量は一般に0.3μg/L未満である。虚血または低酸素症などにより心筋細胞膜の完全性が損なわれると、遊離cTnIが細胞膜を血流にすばやく浸透させることができる。したがって、発症初期で、ヒトの血液中のcTnI及びその変化傾向の迅速、高感度、正確な測定は、急性心筋梗塞の診断、急性冠症候群のリスク層別化、さまざまな要因によって引き起こされる心筋損傷の監視などに対して重要な臨床的な意義を有する。cTnIレベルを検出するための臨床方法は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、化学発光、コロイド金などがあり、様々な方法にはそれぞれ長所と短所があるが、cTnIの特異性に対するモノクローナル抗体を必要とする。
【0005】
従来のcTnI抗体は、活性が低く、親和性が悪いため、cTnIタンパク質の検出にうまく適用できないため、本分野では、cTnIに効果的かつ特異的に結合して検出する抗体に対して強い需要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、心筋トロポニンI(cTnI)抗原結合ドメインを含む新規の単離された結合タンパク質に関し、且つ該結合タンパク質の調製、適用などの側面を研究する。
【0007】
前記抗原結合ドメインは、以下のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つの相補性決定領域を含み、または、以下のアミノ酸配列の相補性決定領域と少なくとも80%の配列同一性を有し、且つ心筋トロポニンIとK≦3.33×10-8mol/Lの親和性を有し、
相補性決定領域CDR-VH1はG-F-T-X1-S-N-Y-A-M-S(SEQ ID NO:13)であり、
X1はYまたはFであり、
相補性決定領域CDR-VH2はI-S-X1-G-G-S-Y-S-X2-Y-P-D-S-V-K(SEQ ID NO:14)であり、
X1はTまたはSであり、X2はYまたはFであり、
相補性決定領域CDR-VH3はA-R-X1-D-N-Y-X2-G-S-X3-F-M-D-Y(SEQ ID NO:15)であり、
X1はKまたはRであり、X2はY、PまたはFであり、X3はTまたはSであり、
相補性決定領域CDR-VL1はR-A-S-Q-X1-I-T-X2-Y-L-N(SEQ ID NO:16)であり、
X1はDまたはEであり、X2はQまたはNであり、
相補性決定領域CDR-VL2はI-Y-Y-X1-S-R-X2-H-S-G-V-S(SEQ ID NO:17)であり、
X1はSまたはTであり、X2はIまたはLであり、
相補性決定領域CDR-VL3はQ-Q-G-X1-T-X2-P-L-T(SEQ ID NO:18)であり、
X1はNまたはHであり、X2はIまたはLである。
【0008】
1つの重要な利点は、前記結合タンパク質が強力な活性を有し、ヒトcTnIタンパク質との高い親和性を持つことである。
【0009】
1つまたは複数の実施形態において、
前記相補性決定領域CDR-VH2では、X1はSであり、
前記相補性決定領域CDR-VH3では、X1はRであり、
前記相補性決定領域CDR-VL1では、X2はNであり、
前記相補性決定領域CDR-VL2では、X1はTである。
【0010】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH1では、X1はYである
【0011】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH1では、X1はFである
【0012】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH2では、X2はYである
【0013】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH2では、X2はFである
【0014】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はYであり、X3はTである。
【0015】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はPであり、X3はTである。
【0016】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はFであり、X3はTである。
【0017】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はYであり、X3はSである。
【0018】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はPであり、X3はSである。
【0019】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はFであり、X3はSである。
【0020】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL1では、X1はDである。
【0021】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL1では、X1はEである。
【0022】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL2では、X2はIである。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL2では、X2はLである。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はNであり、X2はIである。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はHであり、X2はIである。
【0026】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はNであり、X2はLである。
【0027】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はHであり、X2はLである。
【0028】
1つまたは複数の実施形態において、各相補性決定領域の変異部位は、以下の変異の組み合わせのいずれかから選ばれる。
【0029】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質に少なくとも3つのCDR(例えば重鎖の3つのCDR、或いは軽鎖の3つのCDR)が含まれ、或いは、前記結合タンパク質に少なくとも6つのCDRが含まれる。
【0030】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は可変領域と定常領域を含む完全な抗体である。
【0031】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は、例えばナノ抗体、F(ab’)、Fab’、Fab、Fv、scFv、二重特異性抗体及び抗体の最小認識単位の中の1つなど、抗体の「機能フラグメント」である。
【0032】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は、配列が順次SEQ ID NO:1-4で示される軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4、および/または、配列が順次SEQ ID NO:5-8で示される重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4を含む。
【0033】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質に抗体定常領域配列も含まれる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域配列はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE、IgDのいずれかの定常領域の配列から選ばれる。
【0035】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域の種源は、牛、馬、乳牛、豚、羊、山羊、ラット、マウス、犬、猫、ウサギ、ラクダ、ロバ、鹿、ミンク、鶏、アヒル、ガチョウ、七面鳥、コックファイティング、または人間である。
【0036】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域はネズミに由来し、
軽鎖定常領域配列はSEQ ID NO:9に示され、
重鎖定常領域配列はSEQ ID NO:10に示される。
【0037】
本開示はまた、DNAまたはRNAであり、上記のような結合タンパク質をコードする単離された核酸分子に関する。
【0038】
本開示はまた、上記のような核酸分子を含むベクターに関する。
【0039】
本開示はまた、上記のようなベクターによって形質転換される宿主細胞に関する。
【0040】
前記宿主細胞は、哺乳動物細胞などの真核細胞であってもよい。
【0041】
本開示はまた、上記のような結合タンパク質を生成する方法に関し、前記方法は、
培養培地中および適切な培養条件下で上記のような宿主細胞を培養し、培養培地または培養される宿主細胞からこのように生成される結合タンパク質を回収するステップ、を含む。
【0042】
本開示はまた、急性心筋梗塞、急性冠症候群、肺梗塞、不安定狭心症、心筋損傷を診断するための診断薬または試薬テストキットの調製における上記のような結合タンパク質の適用に関する。
【0043】
本開示はまた、試験サンプル中のトロポニンI抗原を検出するための方法に関し、
a)抗体/抗原結合反応が起こるのに十分な条件下で、前記試験サンプル中のトロポニンI抗原と上記のような結合タンパク質を接触させて、免疫複合体を形成するステップ、及び
b)前記試験サンプルに前記トロポニンI抗原が存在することを示す前記免疫複合体の存在を検出するステップ、を含み、
この実施形態において、前記結合タンパク質は信号強度を示すインジケーターでラベル付けでき、前記免疫複合体が簡単に検出されるようにする。
【0044】
1つまたは複数の実施形態において、ステップa)において、前記免疫複合体に前記結合タンパク質に結合される二次抗体も含まれる。
【0045】
1つまたは複数の実施形態において、ステップa)において、前記免疫複合体に前記トロポニンI抗原に結合される二次抗体も含まれる。
【0046】
本開示の一態様によれば、本開示はまた、上記のような結合タンパク質を含む試薬テストキットに関する。
【0047】
1つまたは複数の実施形態において、前記トロポニンI抗原は心筋トロポニンI抗原である。
【0048】
本開示はまた、心筋トロポニンIに関連する疾患の診断における本文に記載の結合タンパク質の適用に関する。
【0049】
本開示はまた、心筋トロポニンIに関連する疾患を診断する方法に関し、
A)結合反応が起こるのに十分な条件下で、被験体からのサンプルと本開示に記載の結合タンパク質を接触させて結合反応を行うステップ、及び
B)結合反応によって生成される免疫複合体を検出するステップ、を含み、
前記免疫複合体の存在は、心筋トロポニンIに関連する疾患が存在することを示す。
【0050】
1つまたは複数の実施形態において、前記方法は蛍光免疫技術、化学発光技術、コロイド状金免疫技術、放射性免疫分析および/または酵素結合免疫技術に基づくものである。
【0051】
1つまたは複数の実施形態において、前記サンプルは、全血、末梢血、血清、血漿または心筋組織の少なくとも1つから選ばれる。
【0052】
1つまたは複数の実施形態において、前記被験体は、例えば人間のような霊長類動物などの哺乳動物である。
【0053】
1つまたは複数の実施形態において、前記の心筋トロポニンIに関連する疾患は心血管疾患である。
【0054】
1つまたは複数の実施形態において、前記の心筋トロポニンIに関連する疾患は、急性心筋梗塞、急性冠症候群、肺梗塞、不安定狭心症、心筋損傷またはそれらの組合わせからなる群から選ばれる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示は、本開示のいくつかの実施形態に対する以下の説明及びそこに含まれる実施例の詳細な内容を通じて、より容易に理解されることができる。
【0056】
本開示をさらに説明する前に、これらの実施形態は必然的に多様であるため、本開示は前記特定の実施形態に限定されないことを分かるべきである。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲でのみ定義されるので、本明細書に使用される用語は、限定としてではなく、特定の実施形態を説明するためのものだけであることも分かるべきである。
【0057】
名詞の定義
「抗原結合ドメインを含む単離された結合タンパク質」は、一般にCDR領域を含むすべてのタンパク質/タンパク質フラグメントを指す。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、及びこれらの抗体の抗原化合物結合フラグメントを含み、Fab、F(ab’)、Fd、Fv、scFv、二重特異性抗体および抗体の最小認識単位、及びこれらの抗体とフラグメントの単鎖誘導体を含む。抗体のタイプには、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE、IgDを選択することができる。なお、「抗体」という用語は、天然に存在する抗体と非天然に存在する抗体を含み、例えばキメラ(chimeric)、二機能性(bifunctional)およびヒト化(humanized)抗体、並びに関連する合成アイソフォーム(isoforms)を含む。「抗体」という用語は、「免疫グロブリン」と同じ意味で使用できる。
【0058】
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは「VH」と呼ばれることができる。軽鎖の可変ドメインは「VL」と呼ばれることができる。これらのドメインは、通常、抗体の最も可変的な部分であり、抗原結合部位を有する。軽鎖または重鎖可変領域(VLまたはVH)は、3つの「相補性決定領域」または「CDR」と呼ばれる超可変領域、及び3つの相補性決定領域を分離するフレームワーク領域からなる。フレームワーク領域とCDRの範囲は、例えばKabat(《免疫に重要なタンパク質の配列》(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、E.Kabat等、米国保健福祉省(U.S.Department of Health and Human Services)、(1983)参照)とChothiaでは精確に定義された。抗体のフレームワーク領域は、CDRを位置決め及び位置合わせする役割を果たし、前記CDRは主に抗原との結合を担当する。
【0059】
本文で使用される場合、「フレームワーク領域」、「アーキテクチャ領域」または「FR」は、抗体可変ドメインにおけるCDRと定義される領域を除いた領域を意味する。各抗体可変ドメインフレームワークは、CDRによって分離される隣接領域(FR1、FR2、FR3及びFR4)にさらに細分化できる。
【0060】
通常の場合で、重鎖と軽鎖の可変領域VL/VHは、以下の番号のCDRとFRを、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4というの組み合わせ並列で接続することにより得られる。
【0061】
本文で使用される場合、ポリペプチドまたは核酸に関連する「精製された」または「単離された」という用語は、ポリペプチドまたは核酸がその天然培地またはその天然形態にないことを意味する。このため、「単離された」という用語は、その元の環境から、例えばそれが天然に存在する場合、自然環境から採取されたポリペプチドまたは核酸を含む。例えば、単離されたポリペプチドには通常、通常はそれに結合するか、通常はそれに混合するか、溶液中の少なくともいくつかのタンパク質または他の細胞成分が含まれない。単離されたポリペプチドには、細胞溶解物に含まれる天然に存在する前記ポリペプチド、精製または部分的に精製された形態の前記ポリペプチド、組換えポリペプチド、細胞によって発現または分泌される前記ポリペプチド、及び異種宿主細胞または培養物中の前記ポリペプチドが含まれる。核酸に関連して、用語単離されたまたは精製されたという用語は、例えば前記核酸が天然のゲノムの背景にないことを示す(例えばベクターでは、発現カセットとして、プロモーターに連結され、または異種宿主細胞に人工的に導入される)。
【0062】
本文に使用されるように、「二重特異性抗体」または「二機能性抗体」という用語は、2対の異なる重/軽鎖と2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド結合タンパク質を指す。二重特異性結合タンパク質は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの接続などの様々な方法によって生成できる。
【0063】
本文に使用されるように、「配列同一性」という用語は、少なくとも2種の異なる配列間の類似性を指す。このパーセントの同一性は、例えば基本的なローカル比較検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool、BLAST)、Needlemanなどのアルゴリズム、またはMeyersなどのアルゴリズムという標準的なアルゴリズムによって決定できる。1つまたは複数の実施形態において、1セットのパラメータは、Blosum 62スコアリングマトリックス及びギャップペナルティ12、ギャップ拡張ペナルティ4、及びフレームシフトギャップペナルティ5であってもよい。1つまたは複数の実施形態において、2種類のアミノ酸またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、MeyersとMiller((1989)CABIOS 4:11-17)のアルゴリズムを使用して決定することもでき、このアルゴリズムにALIGNプログラム(バージョン2.0)が組み込まれ、PAM120重量残差テーブル、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用する。パーセント同一性は通常、同様な長さの配列を比較することによって計算される。
【0064】
本文に使用されるように、「親和性」という用語は、結合タンパク質または抗体の抗原結合ドメインが抗原または抗原エピトープとの結合強度を指す。親和性はKD値で測定でき、KD値が小さいほど親和性が高くなる。
【0065】
本開示の例示的な実施形態
本開示は抗原結合ドメインを含む単離された結合タンパク質に関し、前記抗原結合ドメインは以下のアミノ酸配列から選ばれる少なくとも1つの相補性決定領域を含み、または、以下のアミノ酸配列の相補性決定領域と少なくとも80%の配列同一性を有し、且つ心筋トロポニンIとK≦3.33×10-8mol/Lの親和性を有し、
相補性決定領域CDR-VH1はG-F-T-X1-S-N-Y-A-M-Sであり、
X1はYまたはFであり、
相補性決定領域CDR-VH2はI-S-X1-G-G-S-Y-S-X2-Y-P-D-S-V-Kであり、
X1はTまたはSであり、X2はYまたはFであり、
相補性決定領域CDR-VH3はA-R-X1-D-N-Y-X2-G-S-X3-F-M-D-Yであり、
X1はKまたはRであり、X2はY、PまたはFであり、X3はTまたはSであり、
相補性決定領域CDR-VL1はR-A-S-Q-X1-I-T-X2-Y-L-Nであり、
X1はDまたはEであり、X2はQまたはNであり、
相補性決定領域CDR-VL2はI-Y-Y-X1-S-R-X2-H-S-G-V-Sであり、
X1はSまたはTであり、X2はIまたはLであり、
相補性決定領域CDR-VL3はQ-Q-G-X1-T-X2-P-L-Tであり、
X1はNまたはHであり、X2はIまたはLである。
【0066】
1つまたは複数の実施形態において、前記抗原結合ドメインは以下のアミノ酸配列の相補性決定領域と、少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有し、且つ心筋トロポニンIと、K≦3.33×10-8mol/L、例えば1×10-9mol/L、2×10-9mol/L、3×10-9mol/L、4×10-9mol/L、4.5×10-9mol/L、5×10-9mol/L、6×10-9mol/L、7×10-9mol/L、8×10-9mol/L、9×10-9mol/L、1×10-10mol/L、3×10-10mol/L、5×10-10mol/L、7×10-10mol/L、または9×10-10mol/Lの親和性を有し、或いは8.30×10-10mol/L≦K≦3.33×10-8mol/L、またはK≦1×10-9mol/L、2×10-9mol/L、3×10-9mol/L、4×10-9mol/L、4.5×10-9mol/L、5×10-9mol/L、6×10-9mol/L、7×10-9mol/L、8×10-9mol/L、9×10-9mol/L、1×10-10mol/L、3×10-10mol/L、5×10-10mol/L、7×10-10mol/L、または9×10-10mol/Lである。
【0067】
親和性は本開示の明細書における方法に従って測定される。
【0068】
1つまたは複数の実施形態において、
前記相補性決定領域CDR-VH2では、X1はSであり、
前記相補性決定領域CDR-VH3では、X1はRであり、
前記相補性決定領域CDR-VL1では、X2はNであり、
前記相補性決定領域CDR-VL2では、X1はTである。
【0069】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH1では、X1はYである。
【0070】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH1では、X1はFである。
【0071】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH2では、X2はYである。
【0072】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH2では、X2はFである。
【0073】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はYであり、X3はTである。
【0074】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はPであり、X3はTである。
【0075】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はFであり、X3はTである。
【0076】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はYであり、X3はSである。
【0077】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はPであり、X3はSである。
【0078】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VH3では、X2はFであり、X3はSである。
【0079】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL1では、X1はDである。
【0080】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL1では、X1はEである。
【0081】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL2では、X2はIである。
【0082】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL2では、X2はLである。
【0083】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はNであり、X2はIである。
【0084】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はHであり、X2はIである。
【0085】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はNであり、X2はLである。
【0086】
1つまたは複数の実施形態において、前記相補性決定領域CDR-VL3では、X1はHであり、X2はLである。
【0087】
1つまたは複数の実施形態において、各相補性決定領域の変異部位は、以下の変異の組み合わせのいずれかから選ばれる。
【0088】
1つまたは複数の実施形態において、本開示に記載される結合タンパク質の6つのCDR領域に現れるX1は、それぞれ独立して本開示に限定されるアミノ酸を表し、本開示に記載される結合タンパク質の6つのCDR領域に現れるX2は、それぞれ独立して本開示に限定されるアミノ酸を表し、本開示に記載される結合タンパク質の6つのCDR領域に現れるX3は、それぞれ独立して本開示に限定されるアミノ酸を表す。
【0089】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質に少なくとも3つのCDR(例えば重鎖の3つのCDR、或いは軽鎖の3つのCDR)が含まれ、或いは、前記結合タンパク質に少なくとも6つのCDRが含まれる。
【0090】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は可変領域と定常領域を含む完全な抗体である。
【0091】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は、例えばナノ抗体、F(ab’)、Fab’、Fab、Fv、scFv、二重特異性抗体及び抗体の最小認識単位の中の1つなど、抗体の「機能フラグメント」である。
scFv(sc=単鎖)、二重特異性抗体(diabodies)。
【0092】
本開示に記載の「機能フラグメント」は、特にcTnIに対して親抗体と同じ特異性を有する抗体フラグメントを指す。上記の機能フラグメント以外、半減期が延長された任意のフラグメントも含まれる。
【0093】
これらの機能フラグメントは通常、ソース抗体と同じ結合特異性を持つ。当業者は、本開示の説明に記載の内容から、本開示の抗体フラグメントは例えば酵素消化の方法(ペプシンまたはパパイン)および/または二硫化物結合の化学的還元および分割の方法によって上記の機能フラグメントを得ることができると推測する。
【0094】
抗体フラグメントはまた、当業者に知られている組換え遺伝子技術または例えばApplied BioSystemsなどによって販売されている自動ペプチドシンセサイザーを通じて、ペプチド合成によって得られてもよい。
【0095】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は、配列が順次SEQ ID NO:1-4で示される軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3及びFR-L4、および/または、配列が順次SEQ ID NO:5-8で示される重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3及びFR-H4を含む。
【0096】
説明する必要があるものとして、本出願の上記に開示されたアミノ酸配列以外、フレームワーク領域の種源は人間であってもよく、ヒト化抗体を構成するようにする。
【0097】
1つまたは複数の実施形態において、前記結合タンパク質は抗体定常領域配列をさらに含む。
【0098】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域配列はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE、IgDのいずれかの定常領域の配列から選ばれる。
【0099】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域び種源は、牛、馬、乳牛、豚、羊、山羊、ラット、マウス、犬、猫、ウサギ、ラクダ、ロバ、鹿、ミンク、鶏、アヒル、ガチョウ、七面鳥、コックファイティング、または人間である。
【0100】
1つまたは複数の実施形態において、前記定常領域はネズミに由来し、
軽鎖定常領域配列はSEQ ID NO:9に示され、
重鎖定常領域配列はSEQ ID NO:10に示される。
【0101】
本開示はまた、DNAまたはRNAであり、上記のような結合タンパク質をコードする単離された核酸分子に関する。
【0102】
本開示はまた、上記のような核酸分子を含むベクター関する。
【0103】
本開示は、上記のような核酸分子をコードする少なくとも1つの核構築物をさらに含み、例えばプラスミドであり、さらに発現プラスミドであり、本出願の一実施例において該ベクターの構築方法を説明する。
【0104】
本開示はまた、上記のようなベクターによって形質転換される宿主細胞に関する。
【0105】
前記宿主細胞は、例えば哺乳動物細胞などの真核細胞であってもよい。
【0106】
1つまたは複数の実施形態において、前記宿主細胞はCHO細胞である。
【0107】
本開示はまた、上記のような結合タンパク質を生成する方法に関し、前記方法は、
培養培地中および適切な培養条件下で上記のような宿主細胞を培養し、培養培地または培養される宿主細胞からこのように生成される結合タンパク質を回収するステップを含む。
【0108】
本開示はまた、上記のような結合タンパク質急性心筋梗塞、急性冠症候群、肺梗塞、不安定狭心症、心筋損傷を診断するための診断薬または試薬テストキットの調製における上記のような結合タンパク質の適用に関する。
【0109】
本開示は、試験サンプル中のトロポニンI抗原を検出するための方法に関し、
a)抗体/抗原結合反応が起こるのに十分な条件下で、前記試験サンプル中のトロポニンI抗原と上記のような結合タンパク質を接触させて、免疫複合体を形成するようにするステップ、及び
b)前記試験サンプルに前記トロポニンI抗原が存在することを示す免疫複合体の存在を検出するステップ、を含み、
この実施形態において、前記結合タンパク質は信号強度を示すインジケーターでラベル付けでき、前記免疫複合体が簡単に検出されるようにする。
【0110】
1つまたは複数の実施形態において、ステップa)において、前記免疫複合体に前記結合タンパク質に結合される二次抗体も含まれ、
この実施形態において、前記結合タンパク質は、cTnIの異なる抗原エピトープに結合するために、一次抗体の形で前記二次抗体と抗体ペアを形成し、
前記の二次抗体は信号強度を示すインジケーターでラベル付けでき、前記免疫複合体が簡単に検出されるようにする。
【0111】
1つまたは複数の実施形態において、ステップa)において、前記免疫複合体に前記トロポニンI抗原に結合される二次抗体も含まれ、
この実施形態において、前記結合タンパク質は前記二次抗体の抗原として、前記の二次抗体は信号強度を示すインジケーターでラベル付けでき、前記免疫複合体が簡単に検出されるようにする。
【0112】
1つまたは複数の実施形態において、前記信号強度を示すインジケーターは、蛍光物質、量子ドット、ジゴキシゲニン標識プローブ、ビオチン、放射性同位元素、放射性造影剤、常磁性イオン蛍光ミクロスフェア、電子高密度物質、化学発光マーカー、超音波造影剤、光増感剤、コロイド状金または酵素の中のいずれかを含む。
【0113】
1つまたは複数の実施形態において、前記蛍光物質は、Alexa 350、Alexa 405、Alexa 430、Alexa 488、Alexa 555、Alexa 647、AMCA、アミノアクリジン、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY-FL、BODIPY-R6G、BODIPY-TMR、BODIPY-TRX、5-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン、5-カルボキシ-2’,4’,5’,7’-テトラクロロフルオレセイン、5-カルボキシフルオレセイン、5-カルボキシローダミン、6-カルボキシローダミン、6-カルボキシテトラメチルローダミン、Cascade Blue、Cy2、Cy3、Cy5、Cy7、6-FAM、ダンシルクロリド、フェリン、HEX、6-JOE、NBD(7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール)、Oregon Green 488、Oregon Green 500、Oregon Green514、Pacific Blue、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレゾールソリッドパープル、クレソルブルーパープル、ブリリアントクレソルブルー、P-アミノ安息香酸、エリスロシン、フタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、サクシニルフルオレセイン、希土類金属クリプテート、ユーロピウムトリビスピリジルジアミン、ユーロピウムクリプテートまたはキレート、ジアミン、ジアントシアニン、La Jollaブルー染料、アロフィコシアニン、allococyanin B、フィコシアニンC、フィコシアニンR、チアミン、フィコエリトリン、フィコエリトリンR、REG、ローダミングリーン、ローダミンイソチオシアネート、ローダミンレッド、ROX、TAMRA、TET、TRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、テトラメチルローダミン及びテキサスレッドの中のいずれかを含む。
【0114】
1つまたは複数の実施形態において、前記放射性同位元素は110In、111In、177Lu、18F、52Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、90Y、89Zr、94mTc、94Tc、99mTc、120I、123I、124I、125I、131I、154-158Gd、32P、11C、13N、15O、186Re、188Re、51Mn、52mMn、55Co、72As、75Br、76Br、82mRb及び83Srの中のいずれかを含む。
【0115】
1つまたは複数の実施形態において、前記酵素には、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼのいずれかが含まれる。
【0116】
1つまたは複数の実施形態において、前記蛍光ミクロスフェアは、内部に希土類蛍光イオンユーロピウムが包まれるポリスチレン蛍光ミクロスフェアである。
【0117】
本開示の一態様によれば、本開示はまた、上記のような結合タンパク質を含む試薬テストキットに関する。
【0118】
1つまたは複数の実施形態において、前記トロポニンI抗原は心筋トロポニンI抗原である。
【0119】
本開示はまた、心筋トロポニンIに関連する疾患の診断における本文に記載の結合タンパク質の適用に関する。
【0120】
本文に使用されるように、「心筋トロポニンIに関連する疾患」という用語は、タンパク質またはコード核酸を含む心筋トロポニンIをマーカーとして使用する疾患を指す。特に、本開示の1つまたは複数の実施形態において、心筋トロポニンIに関連する疾患は、血中の心筋トロポニンIのレベルの上昇を特徴とする疾患を指してもよい。本開示の1つまたは複数の実施形態において、心筋トロポニンIに関連する疾患は、心筋組織または心筋細胞における心筋トロポニンIのレベルの低下を特徴とする疾患を指してもよい。
【0121】
本開示はまた、心筋トロポニンIに関連する疾患を診断する方法に関し、
A)結合反応が起こるのに十分な条件下で、被験体からのサンプルと本開示に記載の結合タンパク質を接触させて結合反応を行うステップ、及び
B)結合反応によって生成される免疫複合体を検出するステップ、を含み、
前記免疫複合体の存在は、心筋トロポニンIに関連する疾患が存在することを示す。
【0122】
1つまたは複数の実施形態において、前記方法は蛍光免疫技術、化学発光技術、コロイド状金免疫技術、放射性免疫分析および/または酵素結合免疫技術に基づくものである。
【0123】
1つまたは複数の実施形態において、前記サンプルは、全血、末梢血、血清、血漿または心筋組織の少なくとも1つから選ばれる。
【0124】
1つまたは複数の実施形態において、前記被験体は、例えば人間のような霊長類動物などの哺乳動物である。
【0125】
1つまたは複数の実施形態において、前記心筋トロポニンIに関連する疾患は心血管疾患である。
【0126】
1つまたは複数の実施形態において、前記心筋トロポニンIに関連する疾患は、急性心筋梗塞、急性冠症候群、肺梗塞、不安定狭心症、心筋損傷またはそれらの組合わせからなる群から選ばれる。
【0127】
以下、実施例を組み合わせ、本開示の実施形態を詳細に説明するが、当業者は、以下の実施例が本開示を説明するためのものだけであり、本開示の範囲を制限するものと見されるべきではないことを理解する。実施例に具体的な条件が示されない場合、従来の条件またはメーカーが推奨する条件に従って実行する。用いられる試薬または機器はメーカーの指示がない場合、いずれも市販によって取得できる従来の製品である。
【0128】
実施例1
本実施例は、ヒト心筋トロポニンIに対する組換え抗体の例示的な調製方法を提供する。
【0129】
S10、発現プラスミドの構築
本実施例における制限エンドヌクレアーゼ、Prime Star DNAポリメラーゼはTakara会社から購入し、
MagExtractor-RNA抽出試薬テストキットはTOYOBO会社から購入し、
BD SMARTTM RACE cDNA Amplification Kit試薬テストキットはTakara会社から購入し、
pMD-18TベクターはTakara会社から購入し、
プラスミド抽出試薬テストキットは天根会社から購入し、
プライマー合成と遺伝子配列決定はInvitrogen会社により完成される。
【0130】
S11、プライマーの設計と合成
重鎖と軽鎖を増幅する5’RACE上流プライマー、
重鎖と軽鎖を増幅する5’RACEプライマー、
SMARTER II A オリゴヌクレオチド:
5’>AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTACXXXXX<3’(SEQ ID NO:19)、
5’-RACE CDS プライマー(5’-CDS):
5’>(T)25VN<3’(N=A、C、G、orT;V=A、G、orC)(SEQ ID NO:20)、
ユニバーサルプライマーA混合物(UPM):
5’>CTAATACGACTCACTATAGGGCAAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT<3’(SEQ ID NO:21)
ネストユニバーサルプライマーA(NUP):
5’>AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT<3’(SEQ ID NO:22)、
軽鎖遺伝子を増幅する下流プライマー、
mkR、
5’>TTTTCCTTTTGAATTCCTAACACTCATTCCTGTTGAAGC<3’(SEQ ID NO:23)。
重鎖遺伝子を増幅する下流プライマー、
mHR、
5’> TTTTCCTTTTGAATTCTCATTTACCAGGAGAGTGGGAGA<3’(SEQ ID NO:24)。
【0131】
S12、抗体可変領域遺伝子のクローニングと配列決定
Anti-cTnI 8C4モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞株からミドルRNAを抽出し、SMARTERTM RACE cDNA Amplification Kit試薬テストキット及び試薬テストキットにおけるSMARTER II Aオリゴヌクレオチドと5’-CDSプライマーを使用して第一鎖cDNA合成を行い、得られた第一鎖cDNA生成物をPCR増幅テンプレートとして使用する。軽鎖遺伝子はユニバーサルプライマーA混合物(UPM)、ネストユニバーサルプライマーA(NUP)及びmkRプライマーで増幅され、重鎖遺伝子はユニバーサルプライマーA混合物(UPM)、ネストユニバーサルプライマーA(NUP)及びmHRプライマーで増幅される。軽鎖のプライマーペアは約0.8KBのターゲットバンドを増幅し、重鎖のプライマーペアは約1.4KBのターゲットバンドを増幅する。アガロースゲル電気泳動で精製して回収し、生成物をrTaq DNAポリメラーゼでA添加反応を行った後pMD-18Tベクターに挿入し、DH5αコンピテント細胞に形質転換し、細菌が成長した後、それぞれ重鎖及び軽鎖遺伝子を取って4つのクローンをクローニングして、Invitrogen会社に送って配列決定を行う。
【0132】
S13、CTNI 8C4抗体可変領域遺伝子の配列分析
上記の配列決定で得られた遺伝子配列をIMGT抗体データベースに入れて分析し、且つVNTI11.5ソフトウェアを使用して分析し、重鎖と軽鎖プライマーペアにより増幅された遺伝子がすべて正しいものであることを分析して判定し、軽鎖により増幅された遺伝子フラグメントの中で、VL遺伝子配列は342bpであり、VkII遺伝子家族に属し、その前に57bpのリーダーペプチド配列があり、重鎖プライマーペアにより増幅された遺伝子フラグメントの中で、VH遺伝子配列は357bpであり、VH1遺伝子家族に属し、その前に57bpのリーダーペプチド配列を有する。
【0133】
S14、組換え抗体発現プラスミドの構築
pcDNATM3.4TOPO(R)ベクターは構築された組換え抗体真核発現ベクターであり、該発現ベクターは、HindIII、BamHI、EcoRIなどのポリクローナル酵素制限部位に導入されており、且つpcDNA3.4A発現ベクターと呼ばれ、後続で3.4A発現ベクターと略称され、上記pMD-18Tにおける抗体可変領域遺伝子配列決定結果に応じて、CTNI 8C4抗体のVLとVH遺伝子特異性プライマーを設計し、両端にそれぞれHindIII、EcoRI酵素制限部位と保護塩基が付き、プライマーは以下の通りであり、
C8C4-HF:
5’>CAGCAAGCTTGCCGCCACCATGGAATGCAGCTGTGTCATGCTCTTCTTC<3’(SEQ ID NO:25)、
C8C4-HR:5’>CATCGAATTCTTATCATTTACCAGGAGAGTGGGAGA<3’(SEQ ID NO:26)、
C8C4-LF:5’>CATCAAGCTTGCCGCCACCATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGG<3’(SEQ ID NO:27)、
C8C4-LR: 5’>CAGCGAATTCTTACTAACACTCATTCCTGTTGAAGC<3’(SEQ ID NO:28)、
PCR増幅方法によって0.75KBの軽鎖遺伝子フラグメントと1.42kbの重鎖遺伝子フラグメントを増幅する。重鎖と軽鎖遺伝子フラグメントには、それぞれHindIII/EcoRI二重酵素消化を使用し、3.4AベクターにはHindIII/EcoRI二重酵素消化を採用し、フラグメントとベクターを精製して回収した後、重鎖遺伝子と軽鎖遺伝子をそれぞれ3.4A発現ベクターに接続し、それぞれ重鎖と軽鎖の組換え発現プラスミドを取得する。
【0134】
プラスミドを超純水で400ng/mlに希釈し、遠心チューブでCHO細胞1.43×10cells/mlを調整し、100ulのプラスミドと700ulの細胞を混合し、エレクトロポレーションカップに移し、エレクトロポレーションを行い、10mlのCD CHO AGT含有の培養培地に移し、37度のシェーカーに培養し(8%CO、振幅150)、毎日サンプルを採取して細胞の生存率を検出し、細胞の生存率が50%未満の場合、細胞培養上清を遠心分離する。
【0135】
proteinAアフィニティークロマトグラフィーカラムでアフィニティーと精製を行う。4μgの精製された抗体を取り、還元SDS-PAGEを行い、還元SDS-PAGE後に、28KDの軽鎖(配列がSEQ ID NO:11に示される)、50KDの重鎖(配列がSEQ ID NO:12に示される)の2つのバンドが表示される。
【0136】
実施例2
実施例1で得られた抗体(配列がSEQ ID NO:11及び12で示される軽鎖と重鎖を含む)は分析によって、重鎖の相補性決定領域(WT):
CDR-VH1はG-F-T-Y(X1)-S-N-Y-A-M-Sであり、
CDR-VH2はI-S-T(X1)-G-G-S-Y-S-Y(X2)-Y-P-D-S-V-Kであり、
CDR-VH3はA-R-K(X1)-D-N-Y-Y(X2)-G-S-T(X3)-F-M-D-Yである。
軽鎖の相補性決定領域:
CDR-VL1はR-A-S-Q-D(X1)-I-T-Q(X2)-Y-L-Nであり、
CDR-VL2はI-Y-Y-S(X1)-S-R-I(X2)-H-S-G-V-Sであり、
CDR-VL3はQ-Q-G-N(X1)-T-I(X2)-P-L-Tであり、
X1、X2、X3はすべて変異部位である。
【0137】
【0138】
本発明者らは、WT中のCDR部位に対して上記変異を行い、より良好な活性を有する抗体を得るようにする。
【0139】
コーティング液でCTNI品質管理製品組換え抗原を1ug/mlに希釈し、マイクロタイタープレートのコーティングを行い、穴当たり100uL、4°Cで一晩、翌日、洗浄液で2回洗浄し、軽くたたいて乾かし、ブロッキング溶液(20%BSA+80%PBS)、穴当たり120uL、37°Cで、1h、軽くたたいて乾かし、希釈されたcTnIモノクローナル抗体を加え、100uL/穴、37°Cで、30min、洗浄液で5回洗浄し、軽くたたいて乾かし、ヤギ抗マウスIgG-HRPを加え、穴当たり100uL、37°Cで、30min、洗浄液で5回洗浄し、軽くたたいて乾かし、発色性液体A液(50uL/穴)を加え、発色性液体B液(50uL/穴)を加え、10min、停止液を加え、50uL/穴、マイクロプレートリーダーで450nm(630nm参照)でのOD値を読み取る。
【0140】
【0141】
表2から分かるように、変異1の活性効果が最も良好であるため、変異1をフレームワーク配列としてより良い力価の変異部位(スクリーニングによって得られた抗体活性が変異1と類似し、抗体活性が±10%であることを確保する)をスクリーニングし、結果の一部は以下の通りである。
【0142】
【0143】
親和性分析
AMCセンサーを使用して、精製された抗体をPBSTで10ug/mlに希釈し、CTNI品質管理製品組換えタンパク質(自社の抗原)をPBSTで段階希釈し、769.2nmol/ml、384.6nmol/ml、192.3nmol/ml、96.2nmol/ml、48.1nmol/ml、24nmol/ml、12nmol/ml、0nmol/ml、
実行プロセスは以下の通りであり、緩衝液1(PBST)で60s平衡化し、抗体溶液で抗体を300s硬化し、緩衝液2(PBST)で180sインキュベートし、抗原溶液で420s結合し、緩衝液2で1200s解離し、10mM pH 1.69 GLY溶液及び緩衝液3でセンサーを再生し、データを出力する。(Kは平衡溶液親和性定数である親和性を示し、KONは結合速度を示し、kdisは解離速度を示す。)
【0144】
【0145】
表4から分かるように、表3にリストされた変異部位は、抗体の親和性にほとんど影響を与えない。
【0146】
上記結果を検証するために、WTをフレームワーク配列として上記の実験を繰り返し、変異部位の親和性を検証し、結果の一部は以下の通りである。
【0147】
【0148】
【0149】
表5と表6から分析するように、抗体活性を有することを確保する前提で、上記変異部位も一定の親和性を有する。
【0150】
最後に説明すべきものとして、以上の実施例は、本開示の技術案を制限するものではなく、説明するためのものだけであり、以上の各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者にとって、依然として以上の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、或いはその中の一部又は全部の技術的特徴を等価切替することができ、これらの修正又は等価切替は、対応的な技術案の本質が本開示の各実施例の技術案の範囲を逸脱させないことが理解すべきである。
【0151】
産業上の利用可能性
本開示による心筋トロポニンIに結合される抗原結合ドメインを含む単離された結合タンパク質は、特定の重鎖CDRと軽鎖CDRを含む。該結合タンパク質は、心筋トロポニンIタンパク質を特異的に認識して結合することができ、高い感度と特異性を有し、特に、該結合タンパク質はヒトcTnIタンパク質と高い親和性を有する。それにより、心筋トロポニンIに関連する疾患の検出と診断を実現する。
【配列表】
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